JP2004131500A - 皮膚老化防止剤又は改善剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 紫外線による皮膚の老化の防止・改善効果に優れた皮膚老化防止剤およびそれを配合した化粧料の提供すること。
【解決手段】 本発明は、(a)イソフラボン又はその配糖体を含有する植物の抽出物の一種又は二種以上と、(b)アピゲニン又はその配糖体を含有する植物及び/又はプロシアニジンを含有する植物の抽出物から成る群から選ばれる一種又は二種以上とを含む皮膚老化防止剤又は改善剤、及びこれを配合した化粧料である。
 イソフラボン/配糖体を含む植物抽出物は、ダイズの種子、アルファルファの葉、レッドクローバーの花、プエラリア・ミリフィカの根、又はシロバナルピナスの種子の抽出物である。アピゲニン/配糖体を含む植物抽出物は、グレープフルーツの種子、シソの種子、又はカミツレの花の抽出物である。プロシアニジンを含む植物抽出物は、ブドウ、リンゴ、イチゴ、クランベリーの果実類又はそれらの種子の抽出物である。
【選択図】    なし




Description

 本発明は、特定の組み合わせの植物抽出物を含有する皮膚の老化改善剤、及び皮膚の老化改善に有用な化粧料に関する。更に詳しくは、本発明は、イソフラボンまたはその配糖体を含有する植物の抽出物と、アピゲニンおよびまたはその配糖体を含有する植物の抽出物及び/又はプロシアニジンまたはその配糖体を含有する植物の抽出物とから選ばれる2種以上を含有する、紫外線による細胞損傷の抑制効果と、コラーゲン合成効果に優れ、紫外線に対する皮膚の老化改善に有用な皮膚の老化改善剤、及びこれを配合した化粧料に関する。
 近年、健康に対する意識の高まりとともに、紫外線が皮膚のシワやシミなどの皮膚の老化を促すということが広く認識されてきた。例えば、紫外線の中で波長320〜400nmの比較的長波長領域のもの(UVA)は、皮膚の真皮層にまで到達し、コラーゲン線維にダメージを与え、皮膚のハリや弾力を低下させる。ダメージをうけたコラーゲンに対して、コラーゲンの合成を促進することで、皮膚のハリと弾力を改善させる皮膚外用剤が多く研究されている。その例として、イソフラボンはフィトエストロジェンと呼ばれ、女性ホルモン様作用を持つ物質として公知であり、コラーゲンの合成作用を示すことが知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、紫外線に対する老化改善効果を考えたときに、皮膚の真皮層に対する老化改善効果だけではまだ十分な老化改善効果が発揮できるとはいいがたい。
 一方、紫外線の中の波長290〜320nmの中波長領域のもの(UVB)は、皮膚の表皮細胞にダメージを与え、色素沈着の皮膚状態であるサンタンや、炎症の皮膚状態であるサンバーンを起す。これらの紫外線による表皮細胞へのダメージを抑制するために、優れた抗炎症剤や色素沈着改善剤などが開発されている。抗炎症剤の例として、フラボノイドの一種であるアピゲニンはヒスタミンの遊離抑制効果が高く、また、優れた炎症効果があることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。また、色素沈着改善剤としては、プロアントシアニジンの一種であるプロシアニジン配合する美白化粧料が公知となっている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、いずれも紫外線の表皮細胞への障害を抑制する効果が期待できるだけで、紫外線による皮膚の老化を改善する効果としては十分とはいえない。
特開2001−39849号公報 特許第2528087号公報 Arzneimittelforschung 1993 Mar;43(3):370-2
 本発明は、紫外線に対する皮膚の老化改善効果に優れ、ハリのある肌を維持させ、シワ、たるみなどの皮膚老化を防止および改善する作用を有する皮膚老化防止剤又は改善剤およびそれを配合した化粧料の提供をその目的とする。
 本発明者らは、上記の課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、特定の植物抽出物を配合したものが優れた皮膚老化防止効果を示すこと、さらに、紫外線によるシワの改善する作用を有することを見出し、本発明を完成した。
 すなわち、本発明は、以下の内容をその要旨とする発明である。
(1)(a)イソフラボン又はその配糖体を含有する植物の抽出物の一種又は二種以上と、(b)アピゲニン又はその配糖体を含有する植物及び/又はプロシアニジンを含有する植物の抽出物から成る群から選ばれる植物の抽出物の一種又は二種以上とを含有することを特徴とする、皮膚老化防止剤又は改善剤。
(2)イソフラボン又はその配糖体が、ダイゼイン、ゲニステイン、グリシテイン、ダイズイン、ゲニスチン、及びグリシチンから成る群から選ばれるものであることを特徴とする、前記(1)記載の皮膚老化防止剤又は改善剤。
(3)イソフラボンまたはその配糖体を含有する植物の抽出物が、ダイズの種子の抽出物、アルファルファの葉の抽出物、レッドクローバーの花の抽出物、プエラリア・ミリフィカの根の抽出物、及びシロバナルピナスの種子の抽出物からなる群から選ばれたものであることを特徴とする、前記(1)又は(2)記載の皮膚老化防止剤又は改善剤。
(4)アピゲニンまたはその配糖体を含有する植物の抽出物が、グレープフルーツの種子の抽出物、シソの種子の抽出物、カミツレの花の抽出物からなる群から選ばれたものであることを特徴とする、前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の皮膚老化防止剤又は改善剤。
(5)プロシアニジンを含有する植物の抽出物が、ブドウ、リンゴ、イチゴ、クランベリーの果実類及び/又はそれらの種子から抽出された抽出物であることを特徴とする、前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の皮膚老化防止剤又は改善剤。
(6)(a)イソフラボン又はその配糖体を含有する植物の抽出物の一種又は二種以上と、(b)アピゲニン又はその配糖体を含有する植物及び/又はプロシアニジンを含有する植物の抽出物から成る群から選ばれる植物の抽出物の一種又は二種以上とを含有する皮膚老化防止剤又は改善剤を配合した化粧料。
 本発明のイソフラボンまたはその配糖体を含有する植物抽出物と、アピゲニンおよび配糖体を含有する植物抽出物及び/又はプロシアニジンを含有する植物抽出物とを含有する皮膚老化予防剤及び改善剤は、紫外線による皮膚の損傷を抑制し、コラーゲン合成促進効果を有し、皮膚のシワ、たるみ等の防止する皮膚の老化防止に有用な組成物を提供することができる。
 以下、本発明について詳細に説明する。
 本発明の皮膚老化防止剤又は改善剤には、上記のように、(a)イソフラボン又はその配糖体を含有する植物の抽出物の一種又は二種以上と、(b)アピゲニン又はその配糖体を含有する植物及び/又はプロシアニジンを含有する植物の抽出物から成る群から選ばれる抽出物の一種又は二種以上という、特定の植物の抽出物を含有することが必要である。このような特定の植物の抽出物を組み合わせた組成物として、これを皮膚に塗布したりすることによって、紫外線による皮膚へのダメージを抑制し、コラーゲンの合成を促進して、紫外線によるシミやシワの形成を改善して、皮膚の老化を防止する作用を示すことができたものである。
 本発明に使用する上記のイソフラボンとしては、ダイゼイン、ゲニステイン、グリシテインなどが挙げられ、その配糖体としては、ダイズイン、ゲニスチン、グリシチンなどが挙げられる。
 このようなイソフラボン化合物の基本骨格は、次の化学式(1)に示す化学構造を有するものであり、これらの原料となる植物中の所在についてみると、代表的なものとしては、マメ科、アヤメ科、バラ科、クワ科などの植物中に確認されているが、本発明の目的には、ダイズの種子、アルファルファの葉、レッドクローバーの花、プエラリア・ミリフィカの根、及びシロバナルピナスの種子からの抽出物が使用することできる。
   (イソフラボン化合物の基本骨格)
Figure 2004131500
 本発明のイソフラボンを得るために使用するダイズは、マメ科の大豆を指し、日本産のダイズ(Glycine max Merrill(Leguminosae))が好ましく、この大豆の種子またはその粉砕物に溶媒を加えて抽出し、イソフラボンを得る。本発明のイソフラボンを得るために使用するアルファルファは、ル−サンとも呼ばれ、マメ科のムラサキウマゴヤシ(Medicago sativa L.)、メディカゴ・メディア(Medicago media Pers.)、メディカゴ・ファルカ−タ(Medicago falcata L. )等の品種のうちいずれを用いても良く、アルファルファの乾燥草または生草に溶媒を加えて抽出し、イソフラボンを得る。また、同じく、レッドクローバーは、マメ科のアカツメクサ(Trifolium pratense L.)を指し、アカツメクサの花弁に溶媒を加えて抽出して、イソフラボンを得る。同じく、プエラリア・ミリフィカは、東南アジアに生育する植物で、マメ科のクアオ・クルア(Kwaao Khruea)を指し、クアオ・クルアの塊根またはその粉砕物に溶媒を加えて抽出し、イソフラボンを得る。同じく、本発明に使用するシロバナルピナスは、マメ科のハウチワマメ(Lupinus albus)を指し、ハウチワマメの種子またはその粉砕物に溶媒を加えて抽出し、イソフラボンを得る。
 このダイズの種子、アルファルファの葉、レッドクローバーの花、プエラリア・ミリフィカの根、及びシロバナルピナスの種子から溶媒抽出によって本発明に使用するイソフラボンを得ることができる。このイソフラボンを得るためには、抽出溶媒として、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン類、アセトニトリル等のニトリル類、テトラヒドロフランやジエチルエーテルなどのエーテル類、ジクロロメタンやクロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エチルや蟻酸エチルなどのエステル類、ヘキサン、水等を使用する。イソフラボンの場合、エタノールなどの水と混和する溶剤で抽出した後、水とブタノールなどの水とは任意の割合では混和しない有機溶媒で液液抽出することが好ましい。また、抽出温度は0〜100℃、好ましくは5〜50℃である。抽出溶媒量は被抽出物に対して1〜100倍、好ましくは5〜10倍である。また、抽出時にタンパク分解酵素を加えて加水分解を行ってもよい。
 このような本発明に使用するイソフラボン又はその配糖体を含む植物抽出物としては、一般に市販されているものも使用することができ、例えば、市販品としては、一丸ファルコス社製の「フラボステロン」(商品名)などが挙げられる。
 本発明に使用するアピゲニンは、フラボン類に属するフラボノイドの一種で、その配糖体としては、アピゲニン−7−グルコシドなどが挙げられ、このようなアピゲニン又はその配糖体は、グレープフルーツの種子の抽出物、シソの種子の抽出物、カミツレの花の抽出物から得ることができる。
 本発明のアピゲニン又はその配糖体を得るために使用するグレープフルーツは、ミカン科のグレープフルーツ(Citrus paradisi Macf.)を指すが、その他に同初生柑橘亜属ザボン区ザボン中間亜区黄果類のキヌカワ(C.glaberrima Hort.exTanaka)、(C.flavicarpa Hort.ex Tanaka)、ヒロシマナツザボン(C.hiroshimanaHort.ex Y.Tanaka)、ミツハル(C.mitsuharu Hort.ex Y.Tanaka)、オオミカントウ(C.omikanto Hort.ex Y.Tanaka)、(C.pseudoparadisi Hort.ex Y.Tanaka)、トサアサヒ(C.tosa-asahi Hort.ex Y.Tanaka)、(C.aurantiaca Hort.ex Tanaka)等の品種のいずれを用いても良く、グレープフルーツの種子またはその粉砕物に溶媒を加えて抽出し、アピゲニン又はその配糖体を得る。
 本発明のアピゲニン又はその配糖体を得るために使用するシソは、シソ科シソ(Perilla frutescens Britton var. acuta Kudo)を指し、シソの種子またはその粉砕物に溶媒を加えて抽出し、アピゲニン又はその配糖体を得る。同じく、カミツレは、キク科 カミツレ(Matricaria chamomilla)を指し、カミツレの花またはその粉砕物に溶媒を加えて抽出し、アピゲニン又はその配糖体を得る。
 このグレープフルーツの種子、シソの種子、及びカミツレの花から溶媒抽出によって本発明に使用するアピゲニン又はその配糖体を得ることができる。このアピゲニン又はその配糖体を得るためには、抽出溶媒として、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン類、アセトニトリル等のニトリル類、テトラヒドロフランやジエチルエーテルなどのエーテル類、ジクロロメタンやクロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エチルや蟻酸エチルなどのエステル類、ヘキサン、水等を使用する。アピゲニンの場合、アルコール抽出後、酢酸エチルと水により分配し、酢酸エチル層を分取・抽出するのが好ましい。また、抽出温度は0〜100℃、好ましくは5〜50℃である。抽出溶媒量は被抽出物に対して1〜100倍、好ましくは5〜10倍である。また、抽出時にタンパク分解酵素を加えて加水分解を行ってもよい。
 このような本発明に使用するアピゲニンまたはその配糖体を含む植物抽出物としては一般に市販されているものも使用することができ、例えば、市販品としては、モンテローダー社製の「アピゲニン」(商品名)、丸善製薬社製の「カミツレ抽出液」(商品名)などが挙げられる。
 本発明に使用するプロシアニジンは、フラバン−3−オール誘導体などを構造単位として、縮合や重合により結合された化合物類であり、フラバン−3−オール誘導体としてはカテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、アフゼレチン、エピアフゼレチン等が挙げられる。このようなプロシアニジンは、ブドウ、リンゴ、イチゴ、クランベリーの果実類及び/又はそれらの種子から溶媒抽出によって得ることができる。
 本発明のプロシアニジンを得るために使用するブドウは、ブドウ科のアメリカブドウ(Vitis labrusca L.)、ヨーロッパブドウ(Vitis vinifera L.)、ヤマブトウ(Vitis coiguetiae Pulliat)を指し、果実またはその種子に溶媒を加えて抽出して、プロシアニジンを得る。また、本発明のプロシアニジンを得るために使用するリンゴは、バラ科(Rosaceae)リンゴ(Malus pumila Miller var.domestica Schneider)を指し、果実またはその種子に溶媒を加えて抽出して、プロシアニジンを得る。同じく、イチゴ(別名:ストロベリー)は、バラ科のイチゴ(Fragaria ananassa Duch.)を指し、果実またはその種子に溶媒を加えて抽出して、プロシアニジンを得る。同じく、クランベリーは、ツツジ科のクランベリー(Vaccinum macrocarpon Ait.)を指し、果実またはその種子に溶媒を加えて抽出して、プロシアニジンを得る。
 このブドウ、リンゴ、イチゴ、クランベリーの果実類及び/又はそれらの種子から溶媒抽出によって本発明に使用するプロシアニジンを得ることができる。このプロシアニジンを得るためには、抽出溶媒として、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン類、アセトニトリル等のニトリル類、テトラヒドロフランやジエチルエーテルなどのエーテル類、ジクロロメタンやクロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エチルや蟻酸エチルなどのエステル類、ヘキサン、水等を使用する。プロシアニジンの場合、二相溶媒分配法や分配高速クロマトグラフィー法を用いる方法が好ましい。二相溶媒分配法としては、アルコール抽出後、油溶性成分や色素をヘキサンにより抽出除去する方法や、上記抽出液から水とは混和しにくいブタノール、メチルエチルケトン等の溶媒と水との分配により、溶媒相へプロシアニジンを回収する方法が好ましい。分配高速クロマトグラフィー法としては、オクタデシルシリカ等を用いる逆相系カラム、シリカゲル等を用いる順相系カラムを用いる方法が好ましい。また、抽出温度は0〜100℃、好ましくは5〜50℃である。抽出溶媒量は被抽出物に対して1〜100倍、好ましくは5〜10倍である。また、抽出時にタンパク分解酵素を加えて加水分解を行ってもよい。
 このような本発明に使用するプロシアニジンを含む植物抽出物としては一般に市販されているものも使用することができ、例えば、市販品としては、キッコーマン社製の「KPA−CU」(商品名)などが挙げられる。
 以上のように、本発明に使用する植物の抽出物は、それぞれ各成分の特性に適した抽出溶媒を選択し、抽出温度その他の抽出条件を決めて抽出することによって得ることができるが、それ以外の処理方法や精製方法は基本的に公知の方法に準拠して行なえばよい。例えば、不溶物を濾過、遠心分離或いはデカンテ−ション等により除去した後、必要に応じて脱色、脱臭の目的で活性炭、活性白土、シリカゲル、活性アルミナ合成樹脂等の吸着剤を用いたり、溶剤分画、逆浸透膜、イオン交換体等によって分画、精製或いは濃縮することができる。得られた抽出物は、そのまま液状の形で、或いは減圧濃縮、スプレ−ドライまたは凍結乾燥等の方法で粉末化することも可能である。
 本発明の皮膚老化防止剤又は改善剤は、これらの植物の抽出物をそのままで、又は水、エタノール等の有機溶媒に溶解または懸濁させた液体状の剤型で、或いはワックスや油脂類と混合して軟膏形態として使用する。液体状の場合、皮膚老化防止剤又は改善剤の中の植物の抽出物の配合量は、0.0001〜10質量%程度が好ましいが、用いる剤型、使用対象等の様々の条件に応じて、100質量%までの広範囲でその配合量を適宜設定できる。また、本発明の皮膚老化防止剤又は改善剤、皮膚に塗布する経皮投与だけでなく、経口でも投与することができる。本発明の皮膚老化防止剤又は改善剤は、通常の適用量を充分に超えた量によっても毒性をあらわさない。
 また、本発明の皮膚老化防止剤又は改善剤は、一般的に化粧料に使用する以下に述べるような種々の成分に配合して、化粧料とすることができる。本発明の化粧料とする場合には、皮膚老化防止剤又は改善剤である植物抽出物の配合量は、0.001〜5質量%程度が好ましいが、用いる剤型、使用対象等の様々の条件に応じて、0.0001〜10質量%までの広範囲でその配合量を適宜設定できる。
 本発明の化粧料組成物には、植物油のような油脂類、高級脂肪酸、高級アルコール、シリコーン、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、防腐剤、糖類、金属イオン封鎖剤、水溶性高分子のような高分子物質、増粘剤、粉体成分、紫外線吸収剤、紫外線遮断剤、保湿剤、香料、pH調整剤、乾燥剤等を含有させることができる。更に、ビタミン類、皮膚賦活剤、血行促進剤、常在菌コントロール剤、活性酸素消去剤、抗炎症剤、美白剤、殺菌剤等の他の薬効成分、生理活性成分を含有させることもできる。
 油脂類としては、例えばツバキ油、月見草油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、ナタネ油、トウモロコシ油、ゴマ油、ホホバ油、胚芽油、小麦胚芽油、トリオクタン酸グリセリド等の液体油脂;カカオ脂、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、パーム核油、モクロウ、モクロウ核油、硬化油、硬化ヒマシ油等の固体油脂;ミツロウ、キャンデリラロウ、綿ロウ、ヌカロウ、ラノリン、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ等のロウ類が挙げられる。
 炭化水素類としては、流動パラフィン、スクワレン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
 高級脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)等が挙げられる。
 高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール;モノステアリルグリセリンエーテル、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、オクチルドデカノール等の分枝鎖アルコール等が挙げられる。
 シリコーンとしては、例えば、鎖状ポリシロキサンのジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等;環状ポリシロキサンのデカメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられる。
 アニオン界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸ナトリウム等の脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム等の高級アルキル硫酸エステル塩;POEラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキルエーテル硫酸エステル塩;N−アシルサルコシン酸、スルホコハク酸塩、N−アシルアミノ酸塩等が挙げられる。
 カチオン界面活性剤としては、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
 両性界面活性剤としては、アルキルベタイン、アミドベタイン等のベタイン系界面活性剤等が挙げられる。
 非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体が挙げられる。
 防腐剤としては、例えばメチルパラベン、エチルパラベン等を挙げることができる。
 金属イオン封鎖剤としては、例えばエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エデト酸、エデト酸ナトリウム塩等のエデト酸塩を挙げることができる。
 高分子物質としては、例えば、アラビアゴム、トラガカントガム、ガラクタン、グアーガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード、デキストラン、プルラン、カルボキシメチルデンプン、コラーゲン、カゼイン、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、アルギン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー(CARBOPOL等)等のビニル系高分子等を挙げることができる。
 増粘剤としては、カラギーナン、トラガカントガム、クインスシード、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、グアーガム、キサンタンガム、ベントナイト等を挙げることができる。
 粉末成分としては、タルク、カオリン、雲母、シリカ、ゼオライト、ポリエチレン粉末、ポリスチレン粉末、セルロース粉末、無機白色顔料、無機赤色系顔料、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ等のパール顔料、赤色201号、赤色202号等の有機顔料を挙げることができる。
 紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸、サリチル酸フェニル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等を挙げることができる。
 紫外線遮断剤としては、酸化チタン、タルク、カルミン、ベントナイト、カオリン、酸化亜鉛等を挙げることができる。
 保湿剤としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、キシリトール、マルチトール、マルトース、ソルビトール、ブドウ糖、果糖、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸、シクロデキストリン、L−セリンやL−トレオニンなどのアミノ酸、ヒポタウリンなどが挙げられる。
 薬効成分としては、ビタミンA油、レチノール等のビタミンA類;リボフラビン等のビタミンB2類;ピリドキシン塩酸塩等のB6類;L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸モノパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−グルコシド等のビタミンC類;パントテン酸カルシウム等のパントテン酸類;ビタミンD2、コレカルシフェロール等のビタミンD類;α−トコフェロール、酢酸トコフェロール、ニコチン酸DL−α−トコフェロール等のビタミンE類等のビタミン類を挙げることができる。
 更に、プラセンタエキス、グルタチオン、ユキノシタ抽出物、クジン抽出物、加水分解コクヌカエキス、ボタンピエキス、クワエキス等の美白剤;ローヤルゼリー、ぶなの木エキス等の皮膚賦活剤;カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、γ−オリザノール等の血行促進剤;グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、アズレン等の消炎剤;アルギニン、セリン、ロイシン、トリプトファン等のアミノ酸類;常在菌コントロール剤のマルトースショ糖縮合物;塩化リゾチーム等を挙げることができる。
 更に、本発明の効果を損なわない範囲で、本発明に使用する植物抽出物以外のその他の植物や海藻からの抽出物をも配合することができる。このような抽出物としては、例えば、藤茶エキス、カミツレエキス、ワイン酵母エキス、グレープフルーツエキス、スイカズラエキス、コメエキス、ブドウエキス、ホップエキス、コメヌカエキス、ビワエキス、オウバクエキス、ヨクイニンエキス、センブリエキス、メリロートエキス、バーチエキス、カンゾウエキス、シャクヤクエキス、サボンソウエキス、ヘチマエキス、トウガラシエキス、レモンエキス、ゲンチアナエキス、シソエキス、アロエエキス、ローズマリーエキス、セージエキス、タイムエキス、茶エキス、海藻エキス、キューカンバーエキス、チョウジエキス、ニンジンエキス、マロニエエキス、ハマメリスエキス等の各種抽出物を挙げることができる。
 本発明の植物抽出物を含む組成物は、例えば水溶液、油剤、乳液、けんだく液等の液剤、ゲル、クリーム等の半固形剤、粉末、顆粒、カプセル、マイクロカプセル、固形等の固形剤の形態で適用可能である。従来から公知の方法でこれらの形態に調製し、ローション剤、乳剤、ゲル剤、クリーム剤、軟膏、硬膏、ハップ剤、エアゾル剤、坐剤、注射剤、粉末剤、顆粒剤、錠剤、丸剤、シロップ剤、トローチ剤等の種々の剤型とすることができる。これらを身体に塗布、貼付、噴霧、飲用等により適用することができる。特にこれら剤型の中で、ローション剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、硬膏剤、ハップ剤、エアゾル剤等が皮膚外用剤に適している。
 化粧料としては、化粧水、乳液、クリーム、パック等の皮膚化粧料;メイクアップベースローション、メイクアップクリーム、乳液状又はクリーム状あるいは軟膏型のファンデーション、口紅、アイカラー、チークカラーといったメイクアップ化粧料;ハンドクリーム、レッグクリーム、ボディローション等の身体用化粧料等;入浴剤、口腔化粧料、毛髪化粧料とすることができる。通常、化粧料において使用される製剤化方法にしたがって、これらの剤型として製造することができる。
 次に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。また、実施例中の%は、特に注記しない限り質量%である。
 植物の抽出物として、以下記載する方法で得た、ダイズ種子抽出物(ダイズイソフラボン)、グレープフルーツ種子抽出物、及びブドウ種子抽出物を使用して、表1に示す配合組成の化粧水(本発明例1〜3、比較例1〜4)を調製した。
<植物抽出物の作成>
(i) ダイズ種子抽出物:
 ダイズ種子にエタノールを加えて破砕し、室温で2日間抽出を行なった後、濾過を行い、得られた濾液に対して、水に十分に含水させたブタノールを加えて撹拌した後、分離された上澄層を取り出し、3回水で洗浄した後、減圧濃縮してダイズイソフラボンを得た。
(ii) グレープフルーツ種子抽出物:
 グレープフルーツの種子を粉砕し、この粉砕物にヘキサンで還流し、その残渣をエタノールで抽出し、室温で 2日間攪拌して、エタノール抽出液を得た。得られた抽出液から溶媒を留去し、酢酸エチルと水で分配し、酢酸エチル層と水層とを分離後、酢酸エチル層の溶媒を留去し、酢酸エチル分配物を得た。この抽出物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1)に付し、最初に溶出されてくるフラクションを、高速液体クロマトグラフィーにより分別精製してアピゲニン区分を濃縮し、グレープフルーツ種子抽出物を得た。
(iii) ブドウ種子抽出物:
 ブドウの種子を粉砕し、この粉砕物に溶媒としてエタノールを加えて、室温で2日間攪拌して抽出処理を行なった。得られた抽出液から溶媒を留去し、この抽出物をプロシアニジンの選択的吸着剤である逆相系カラムのオクタデシルシリカで処理してプロシアニジン区分を濃縮し、ブドウ種子抽出物を得た。
<皮膚老化改善効果の評価>
(i) 紫外線による炎症抑制効果:
 被験者としての30代後半の男性10名の背部に紫外線照射し、その後4週間連続して化粧水を塗布し、その効果を評価した。すなわち、被験者の背部に最小紅斑量の1.2倍(1.2MED)の中波長の紫外線(UVB)を照射した。ここで、最小紅斑量とは皮膚が赤くなる状態まで紫外線を照射した時の紫外線量をいい、1.0MEDと表示する。また、1.0MEDは被験者によって異なるが、10〜25mJ/cm2である。この紫外線を照射した部位に、1日1回、本発明例1〜3、比較例1〜4の化粧水を各々約0.5g塗布し、紫外線照射直後で化粧水の塗付前と4週間経過した試験終了後の皮膚色を測定して炎症の抑制効果を評価した。皮膚色の測定は、ミノルタ社製の分光測色計CM−508dを用いた。
炎症抑制効果は以下の計算式を用いて、10名の平均値により求めた。
Figure 2004131500
(ii) コラーゲン合成促進効果:
 中高年の被験者10名の背部に紫外線を照射し、その後4週間連続して化粧水を塗布して、その効果を評価した。すなわち、被験者の背部に20mJ/cm2の長波長の紫外線(UVA)を照射した。この紫外線を照射した部位に、1日1回、本発明例1〜3、比較例1〜4の化粧水を各々約0.5g塗布し、化粧水の塗付開始前と4週間経過した試験終了後のコラーゲン量を求めて、コラーゲンの合成促進効果を評価した。コラーゲン量の測定は、堀場ジョバンイボン社蛍光分光測定装置Spix Skin Skanを用い、励起波長Ex=280−420nmの条件で、蛍光波長Em=440nmの吸光度を測定し、下記の計算式でコラーゲン合成促進効果を調べた。なお、具体的には、次の文献に記載された方法に準拠した。
  Kolliasら、J. Invest. Dermatol., 1998, Nov., 111(5):776-780
Figure 2004131500
(iii) 紫外線によるシワの改善効果:
 被験者としての30代後半男性10名の背部に紫外線を照射し、その後背部に、4週間連して化粧水を続塗布して、その効果を評価した。すなわち、被験者の背部にSolarLight社製ソーラーシミュレーターを用いて最小紅斑量の1.2倍(1.2MED)の中波長の紫外線UVBを、一日おきに3日連続で照射した。紫外線照射の終了後、各被験者に対して1日1回、本発明例1〜3及び比較例1〜4の化粧水を各々約0.5g紫外線照射部位に塗布した。化粧水塗付前および4週間塗付した後の背部に対して山田粧業製の二剤混合型レプリカ剤スキンキャストを適用して皮膚のレプリカを採取した。この紫外線照射後で化粧水塗付前と4週間塗付後の皮膚の状態を顕微鏡で観察することにより、シワの状態を以下の判定基準により判定した。
(シワ改善効果の判定基準)
   著 効:深いシワの顕著な減少傾向が認められる。
   有 効:深いシワの一部に減少傾向が認められる。
   やや有効:浅いシワの減少傾向が認められる。
   無 効:シワの減少が認められない、又はシワの増加が認められる。
(判定基準)
   ◎:被験者のうち著効および有効を示す割合が8名以上の場合
   ○:被験者のうち著効および有効を示す割合が5名〜7名の場合
   △:被験者のうち著効および有効を示す割合が2名〜4名の場合
   ×:被験者のうち著効および有効を示す割合が0名〜1名の場合
以上の評価結果を表1に示す。
Figure 2004131500
 この結果から、ダイズ種子抽出物(ダイズイソフラボン)、グレープフルーツ種子抽出物、及びブドウ種子抽出物の三種類の植物抽出物を配合した場合(本発明例1)はもちろん、ダイズイソフラボンとともに、グレープフルーツ種子抽出物又はブドウ種子抽出物のいずれかを配合したもの(本発明例2,3)も、優れた炎症抑制効果、コラーゲン合成促進効果、及びシワの改善効果を示すが、これらの三種類の植物抽出物を含まないもの(比較例1)、或いはこれらの一種類のみを含むもの(比較例2〜4)では十分な炎症抑制効果、コラーゲン合成促進効果、及びシワの改善効果が得られないことがわかる。
      化粧水                  質量%
   1.3−ブチレングリコール          8.5
   グリセリン                  1.5
   ダイズ種子抽出物               1.0
   グレープフルーツ種子抽出物          0.5
   ブドウ種子抽出物               0.5
   精製水 残余
 上記の化粧水の処方により、各成分を室温下で攪拌溶解して本発明のローションを得た。この実施例2で得られたローションは、紫外線による皮膚老化の抑制効果が高く、さらにコラーゲン改善効果を示し、皮膚の老化改善効果に優れていた。
      乳 液                  質量%
(A)ジプロピレングリコール            7.0
   グリセリン                  9.0
   キサンタンガム                0.2
   シロバナルピナス種子抽出物          0.5
   シソ種子抽出物                0.1
   リンゴ果実抽出物               0.1
   精製水 残余
(B)ホホバ油                   1.5
   架橋型クロスポリマー            12.0
   高重合メチルポリチロキサン          9.0
   環状ジメチルシロキサン            5.0
   ジメチルシロキサンコポリオールクロスポリマー 3.0
   メドウフォーム油               1.0
(C)リン酸アスコルビルアミノプロピル       0.1
   水酸化カリウム                 0.05
 上記の乳液処方において、(A)に属する水相成分と(B)に属する油相成分をそれぞれ加熱溶解し、油相成分を水相成分に混合し、乳化機にて乳化する。この乳化液を室温まで冷却した後、(C)に属する成分を混合して、本発明の乳液を得た。この実施例3で得られた乳液も、紫外線による皮膚老化の抑制効果が高く、さらにコラーゲン改善効果を示し、皮膚の老化改善効果に優れていた。
 年齢が28〜41歳の女性パネラー8名により、上記の実施例2の配合の化粧水および実施例3の配合の乳液を用いてその効果を評価した。即ち、被験者の顔に実施例2の配合の化粧水と実施例3の配合の乳液を、毎日1回塗布して1年間継続して使用した。使用開始前と使用開始して1年経過後の皮膚の状態を以下の方法によって評価した。
(i)角層水分量
 IBS社のSKICON−200EXを用いて、あらかじめ試験開始前に各被験者の頬の皮膚コンダクタンス(電気伝導度)を4回測定してその平均値を求めておき、試験開始1年経過後の各被検者の、洗顔30分後の頬の皮膚コンダクタンスを同様に測定してそれぞれの平均値を求めた。8名の被験者の皮膚コンダクタンスの平均値を求めたところ、使用開始前が219(μS)であり、1年経過後が311(μS)であった。この結果をグラフに表したものを図1に示す。
 この結果から、本発明の化粧水および乳液の1年間の使用により、頬の角層の水分量の増加が認められた。
(ii)肌の弾力性
 Courage+Khazaka社のCutoMeterを用いて、(i)と同様に、各被験者について使用開始前と、使用開始1年経過後の肌の弾力性を測定した。即ち、各被験者の頬の肌を吸引した後、2秒後のその戻り率を2回測定し、その平均値を求めた。8名の被験者の肌の戻り率の測定結果の平均値を求めたところ、使用開始前が78.9(%)であり、1年経過後が82.2(%)であった。
 この結果から、本発明の化粧水および乳液の1年間の使用により、肌の弾力性の増加が認められた。
 肌の角層水分量や弾力性は老化と共にその値が減少してゆくが、このような肌の角層水分量や弾力性の増加は、肌機能の向上を示すもので、肌の老化改善効果が期待できる。
 本発明の皮膚老化防止剤又は改善剤は紫外線による皮膚の炎症の抑制効果があり、また、皮膚の水分保持や弾力性の維持にも効果がある。従って、この皮膚老化防止剤又は改善剤を、乳液や化粧水などに配合して、化粧料として使用することができる。
実施例4の皮膚のコンダクタンスの測定結果を表すグラフである。 実施例4の皮膚の戻り率の測定結果を表すグラフである。

Claims (6)

  1. (a)イソフラボン又はその配糖体を含有する植物の抽出物の一種又は二種以上と、(b)アピゲニン又はその配糖体を含有する植物及び/又はプロシアニジンを含有する植物の抽出物から成る群から選ばれる植物の抽出物の一種又は二種以上とを含有することを特徴とする、皮膚老化防止剤又は改善剤。
  2. イソフラボン又はその配糖体が、ダイゼイン、ゲニステイン、グリシテイン、ダイズイン、ゲニスチン、及びグリシチンから成る群から選ばれるものであることを特徴とする、請求項1に記載の皮膚老化防止剤又は改善剤。
  3. イソフラボンまたはその配糖体を含有する植物の抽出物が、ダイズの種子の抽出物、アルファルファの葉の抽出物、レッドクローバーの花の抽出物、プエラリア・ミリフィカの根の抽出物、及びシロバナルピナスの種子の抽出物からなる群から選ばれたものであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の皮膚老化防止剤又は改善剤。
  4. アピゲニンまたはその配糖体を含有する植物の抽出物が、グレープフルーツの種子の抽出物、シソの種子の抽出物、カミツレの花の抽出物からなる群から選ばれたものであることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の皮膚老化防止剤又は改善剤。
  5. プロシアニジンを含有する植物の抽出物が、ブドウ、リンゴ、イチゴ、クランベリーの果実類及び/又はそれらの種子から抽出された抽出物であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の皮膚老化防止剤又は改善剤。
  6. (a)イソフラボン又はその配糖体を含有する植物の抽出物の一種又は二種以上と、(b)アピゲニン又はその配糖体を含有する植物及び/又はプロシアニジンを含有する植物の抽出物から成る群から選ばれる植物の抽出物の一種又は二種以上とを含有する皮膚老化防止剤又は改善剤を配合した化粧料。



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