JP2004131321A - 粒状シリコン結晶の製造装置および製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】雰囲気焼成炉1内に設置されたベルジャー9内において酸素ガスと窒素ガスの反応性ガスを含む雰囲気ガス中でサヤ8に入れた粒状シリコン7を加熱して表面に上記反応性ガスの成分を含む珪素化合物被膜を形成して内側のシリコンを溶融した後、降温して凝固させて結晶化する粒状シリコン結晶の製造方法であって、上記ベルジャー9とサヤ8の表面に上記反応性ガスの成分を含む窒化膜もしくは酸窒化膜であるシリコンの窒化膜あるいは酸窒化膜を形成して上記粒状シリコンを結晶化する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は粒状シリコン結晶の製造装置と製造方法に関し、特に太陽電池に用いる粒状シリコンを製造するのに好適な粒状シリコン結晶の製造装置と製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
太陽電池は、性能面での効率、資源の有限性、あるいは製造コストなどといった市場ニーズを捉えて開発されている。有望な太陽電池の一つとして、粒状シリコンを用いた太陽電池がある。
【0003】
粒状シリコンを作製するための原料としては、単結晶シリコンを粉砕した結果として発生するシリコンの微小粒子や流動床法で気相合成された高純度シリコンを用いている。それら原料をサイズあるいは重量によって分別した後に、赤外線や高周波コイルを用いて容器内で溶融し、その後に自由落下させる方法(例えば特許文献1、特許文献2参照)や、同じく高周波プラズマを用いる方法(例えば特許文献3参照)で球状化させる。
【0004】
しかしながら、これらの方法で製造された粒状シリコンはそのほとんどが多結晶体である。多結晶体は微結晶の集合体であるため微結晶間には粒界が存在する。粒界は半導体装置の電気特性を劣化させる。粒界の境界にはキャリヤの再結合中心が集まっており、キャリアの再結合が生ずることで少数キャリヤの寿命が大幅に低減するためである。
【0005】
太陽電池のように少数キャリヤの寿命の増大とともに電気特性が大幅に向上する装置の場合には、シリコン中の粒界の存在は特に大きな問題となる。逆に言えば多結晶体から単結晶体にできれば太陽電池の電気特性を著しく改善できる。
【0006】
また、粒界は粒状シリコンの機械的強度を弱くすることから、太陽電池を製造する各工程の熱履歴、熱歪、あるいは機械的な圧力などで粒状シリコンが破壊されるという問題もあった。
【0007】
以上のことから、粒状シリコンで太陽電池を製造する場合、粒界などが存在しない結晶性に優れた粒状シリコン結晶の製造が必要不可欠となる。
【0008】
粒状シリコン結晶を得る方法として、多結晶シリコンまたは無定形シリコンの表面上に酸化シリコンなどの珪素化合物の被膜を形成し、その被膜の内側のシリコンを溶融して冷却して固化させて結晶体を製造する方法が知られている(例えば特許文献4参照)。
【0009】
しかしながら、シリコンを溶融させる場合にはシリコンの融点である1415℃以上に加熱する必要があるが、半導体で一般的に使用されている横型酸化炉などの熱処理炉においては、抵抗加熱ヒータや温度均熱性を高めるためのアルミナあるいは炭化珪素等の均熱管中に鉄やニッケルなどの重金属不純物が含まれていることから、これらの装置を使用してシリコンを加熱すると重金属不純物の汚染が問題となる。
【0010】
重金属不純物原子はシリコン中では化学的な結合手を持たない格子間拡散をすることから、シリコン格子の隙間を縫って不純物原子が拡散する。しかも酸素不純物やドーパント原子に比べて拡散係数が非常に大きい。また、その拡散距離は温度に依存し、半導体で一般的な熱処理温度1100℃以上になると拡散距離が大幅に増加し、急速にシリコン内全体に拡散して汚染を生ずる。その結果、重金属不純物原子はシリコン内で深い準位を形成し、再結合中心として作用し、リーク電流の増加やライフタイムの低下の原因となって光劣化も引き起こす。
【0011】
すなわち、従来の横型熱拡散炉などの熱処理炉は、高品質な粒状シリコンを作製する製造装置としては不向きなものである。
【0012】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、多結晶シリコンを安定して高効率に単結晶化すると同時に、高い結晶性をもった粒状シリコン結晶を低コストで製造する装置と方法を提供することを目的とする。
【0013】
【特許文献1】
国際公開第99/22048号パンフレット
【特許文献2】
米国特許第4188177号明細書
【特許文献3】
特開平5−78115号公報
【特許文献4】
米国特許第290917号明細書
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る粒状シリコン結晶の製造装置では、雰囲気焼成炉内にベルジャーを設置し、このベルジャー内に結晶化するためのシリコン粒子を入れるサヤを設置した粒状シリコン結晶の製造装置において、前記ベルジャーとサヤの表面に窒化膜もしくは酸窒化膜を形成したことを特徴とする。
【0015】
上記粒状シリコン結晶の製造装置では、前記ベルジャーが石英ガラスからなることが望ましい。
【0016】
また、粒状シリコン結晶の製造装置では、前記サヤが石英ガラスからなることが望ましい。
【0017】
また、粒状シリコン結晶の製造装置では、前記雰囲気焼成炉が抵抗加熱型もしくは誘導加熱型の雰囲気焼成炉であることが望ましい。
【0018】
また、請求項5に係る粒状シリコン結晶の製造方法では、雰囲気焼成炉内に設置されたベルジャー内において酸素ガスと窒素ガスの反応性ガスを含む雰囲気ガス中でサヤに入れた粒状シリコンを加熱して表面に前記反応性ガスの成分を含む珪素化合物被膜を形成して内側のシリコンを溶融した後、降温して凝固させて結晶化する粒状シリコン結晶の製造方法において、前記ベルジャーとサヤとの表面に前記反応性ガスの成分を含む窒化膜もしくは酸窒化膜を形成した後または形成すると同時に前記粒状シリコンを結晶化することを特徴とする。
【0019】
上記粒状シリコン結晶の製造方法では、前記粒状シリコン表面の珪素化合物被膜がシリコンの酸窒化膜であることを特徴とする。
【0020】
また、上記粒状シリコン結晶の製造方法では、前記粒状シリコンの大きさが直径1000μm以下であることが望ましい。
【0021】
また、上記粒状シリコン結晶の製造方法では、前記雰囲気ガス中にアルゴンガスを含むことが望ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0023】
図1は本発明に係る粒状シリコン結晶の製造装置の一実施形態を示す図であり、1は雰囲気焼成炉、8はサヤ、9はベルジャーである。
【0024】
雰囲気焼成炉1はセラミックの焼成などに用いられる抵抗加熱型もしくは誘導加熱型のヒータが適するが、炉内温度の均一性や使い易さからは抵抗加熱型の雰囲気焼成炉が望ましい。すなわち、半導体プロセスではせいぜい1100℃程度までの温度領域しか使用しないため、シリコンの融点である1415℃以上まで温度を上昇させるためには高温用の酸化炉が必要となる。一方、同じ処理炉でもセラミックの焼成などに用いられる抵抗加熱型の雰囲気焼成炉ならば1500℃以上の昇温も比較的容易であり、大型で量産可能な雰囲気焼成炉も横型酸化炉に比べて安価に入手できる。
【0025】
雰囲気焼成炉1内にペルジャー9を設置する。このペルジャー9は例えば石英ガラス、酸化アルミニウム、炭化珪素、単結晶サファイヤなどが適するが、耐熱性、耐久性、耐酸性に優れ、経済的にも安価な製法が確立されている石英ガラスが適する。また、石英ガラスを1400℃以上の温度まで上昇させると変形しやすく失透も生じやすいが、ベルジャー9を用いれば交換も容易でありより安価に対応できる。
【0026】
ベルジャー9内に粒状シリコン結晶を入れるサヤ8を設置する。このサヤ8は、粒状シリコンを溶融後に冷却させて結晶化させるときの凝固起点とするために用いる。このサヤ8も石英ガラス、酸化アルミニウム、炭化珪素、単結晶サファイヤなどが適するが、耐熱性、耐久性、耐酸性に優れ、経済的にも安価な製法が確立されている石英ガラスが適する。
【0027】
ベルジャー9の周囲には発熱体2が設けられる。この発熱体2は抵抗加熱型ヒータなどからなり、発熱部は二珪化モリブデンや炭化珪素などからなる。
【0028】
また、雰囲気焼成炉1の炉材3はアルミナ系あるいはムライト系の断熱材等からなる。
【0029】
この雰囲気焼成炉1には、炉内に反応性ガスや雰囲気ガスを導入するめのガス供給路4が設けられている。このガス供給路4にはフィルター5を設けることが望ましい。すなわちガスフィルター5を装着することで酸素ガスと窒素ガスの反応性ガスを含むアルゴン雰囲気ガス中に含まれる不純物を有効に除去することができる。
【0030】
雰囲気焼成炉1内の温度を検知するために熱電対6を設ける。この熱電対6はアルミナカバーで覆われていることが望ましい。
【0031】
次に粒状シリコン結晶の製造方法を説明する。
まず、石英ガラスなどからなるサヤ8とベルジャー9の表面をフッ酸溶液にてエッチング洗浄を行なって付着物や金属汚染を除去した後、水洗と乾燥を行なう。
【0032】
次に、前処理として雰囲気焼成炉1内に窒素ガスあるいは窒素と酸素の混合ガスを導入して1000℃以上に高温加熱することによってサヤ8とベルジャー9の表面に窒化膜あるいは酸窒化膜の被膜を形成する。すなわち、石英ガラスなどと窒素と酸素を反応させて被膜を形成し、サヤ8とベルジャー9の表面を緻密化する。これにより重金属汚染に対するバリア性が高くなり、拡散を阻止することができる。ただし、窒化膜あるいは酸窒化膜の形成は別工程ではなく、粒状シリコン結晶を製造する工程と同一工程で行ってもよい。
【0033】
次に、粒状シリコンを石英ガラス製のサヤ8上に密に一層で充填する。密とはできるだけ隙間がないようにという意味であり、粒同士が接触していてもよい。また、サヤ8は複数段に積み上げてもよい。
【0034】
粒状シリコン7は所望の抵抗値となるように半導体不純物がドープされていることが望ましい。粒径は1000μm以下が望ましく、それらの形が球に近いことが望ましい。ただし、その他の形であってもよい。粒径が1000μm以上の場合には粒状シリコンを融点以上の温度で完全に溶融させることが困難であり、完全に溶融できない場合はサブグレインを生じ易いので望ましくない。粒状シリコン7の表面に付着した異物を除去するためにはRCA洗浄法であらかじめ溶液洗浄しておくことが望ましい。
【0035】
次に、石英ガラス製のベルジャー9でサヤ8上を覆うように設置する。
【0036】
雰囲気焼成炉1の加熱を行う前に炉内の真空処理を行うか不活性ガスであるアルゴン雰囲気で充分にガス置換した後、炉内にアルゴン雰囲気のみで満たされるようにする。RCA洗浄後のシリコン表面のダングリングボンドは結合状態が不安定であるためである。
【0037】
次に、酸素ガスと窒素ガスの反応性ガスを導入しながら雰囲気焼成炉1内の温度をシリコンの融点以下の温度へ上げていく。粒状シリコン7の表面にシリコンの酸窒化膜を形成するためである。反応性ガスの雰囲気ガス中の酸素分圧は1%以上で窒素分圧は4%以上であることが望ましい。すなわち、雰囲気ガス中の酸素分圧が1%未満で窒素分圧が4%未満の場合、シリコン粒子同志が結合しやすくなって望ましくない。また、雰囲気ガス中の酸素分圧が20%以上で窒素分圧が80%以上の場合、粒状シリコン表面に形成された酸窒化被膜に亀裂が発生しやすくなる。
【0038】
次に、1000℃以上でかつシリコンの融点以下の温度で数分間保持する。すなわち1000℃以上の温度で数分間保持することでより均質なシリコンの酸窒化被膜を形成することができる。雰囲気焼成炉1内の温度分布の均一性あるいはシリコンの温度分布の均一性を向上させることができる。以上の状態でシリコン粒子の表面に形成された酸窒化被膜はシリコンが溶融するときにそれを充分に保持できる。ただし、1000℃以上の温度で10分間以上保持することはシリコン内部へ酸素が拡散することを促進することになり望ましくない。
【0039】
粒状シリコン結晶の製造工程においてサヤ8とベルジャー9の表面に窒化膜や酸窒化膜を同時に形成する場合は、1000℃以下の温度までは窒素ガスを含むアルゴン雰囲気ガスを導入し、1000℃以上の温度で酸素ガスと窒素ガスを含むアルゴン雰囲気ガスを導入して、サヤ8とペルジャー9の表面に窒化膜もしくは酸窒化膜を形成すると同時に粒状シリコン表面に酸窒化被膜を形成すればよい。
【0040】
次に、1420〜1440℃まで昇温し、2〜5分間程度その温度を保持する。この間に内部のシリコンが溶融し始める。ただし、1450℃以上の温度あるいは5分間以上保持するとシリコンの溶融時に酸窒化被膜が破れやすくなり、その結果サヤ8と融着固化反応するおそれがあるために望ましくない。また、雰囲気ガス中の酸素ガスと窒素ガスを導入することによって、高温における酸窒化被膜の割れ目などを補整することができる。さらにシリコン溶融時には表面張力で球形化しようとするが、上記の温度領域であれば酸窒化被膜は充分に変形可能であり、結晶化するシリコンを真球に近い形にできる。
【0041】
次に、酸窒化被膜で包まれた酸窒化被膜中の溶融したシリコンを冷却するために1350℃以上1400℃以下の温度まで下げる。そして、粒状シリコンの結晶化をより促進するために、1350℃以上1400℃以下の温度で10分程度温度を保持することが望ましい。保持時間が10分よりも短い場合は、サブグレインなどが生じ易く充分に結晶化させることが難しい。
【0042】
次に、1000℃以上の温度で数時間程度の熱アニール処理を行う。シリコンの溶融時に熱対流によりシリコン内に混入した酸素を除去するため、あるいは溶融凝固後の粒状シリコン結晶の結晶性を向上させるためである。600℃より温度が低い場合は酸素ドナー等のサーマルドナー発生があるために望ましくない。シリコン中に混入した酸素は後工程の熱履歴で析出すると積層欠陥となって電気特性が大幅に劣化する。酸素析出核の収縮と成長は温度に依存するため、高温になれば析出物のサイズが大きくなってその密度は減少する。また、溶融凝固後の粒状シリコン結晶の結晶性を向上させる方法としても熱アニールは有効である。すなわち高温で保持することにより、原子の再配列が起こって結晶内の歪低減や欠陥等を減少させる効果がある。アニール終了後は室温まで降温する。
【0043】
炉内のアルゴン不活性ガス、酸素ガス、および窒素ガスを含む雰囲気ガス中の酸素ガスと窒素ガスの分圧は、アルゴン流量に対する酸素ガスと窒素ガスの流量で調整できる。圧力とガス濃度が調整可能な機構を持つものであればよい。また、酸素ガスと窒素ガスの分圧は酸窒化膜の形成からアニール後の冷却まで変化させず一定に保ってもよい。
【0044】
このようにして得られる粒状シリコン結晶は、太陽電池を形成するために使用される。
【0045】
【実施例】
前処理として抵抗加熱型ヒータの雰囲気焼成炉内において窒素と酸素の混合ガスを導入し約1000℃で1時間程度保持して石英ガラス製のベルジャーとサヤの表面にシリコンの酸窒化膜の被膜を形成した。
【0046】
次に、RCA洗浄を行った粒径約400μmの粒状シリコンを石英ガラスのサヤ上に一層で充填し、アルゴン不活性雰囲気ガスで満たされた石英ガラスのベルジャー内で粒状シリコン全体を抵抗加熱型ヒータにより加熱した。酸素ガスと窒素ガスの反応性ガスを含むアルゴン雰囲気ガスは加熱と同時にベルジャー内に導入した。室温から約1400℃まで昇温させながらシリコンの酸窒化被膜を粒状シリコン表面に形成し、シリコンの融点以上の約1420℃で被膜内側のシリコンを約2分間溶融させた後、約1350℃まで冷却し約5分程度温度を保持して凝固させた。その後約1100℃まで降温し、約3時間のアニール処理を行った。最後に室温まで降温した。
【0047】
雰囲気ガス中の各分圧はアルゴン:酸素:窒素=10:1:4とした。アルゴン流量に対する酸素ガスと窒素ガスの流量で調整した。酸素ガスと窒素ガスの分圧は終始一定に保ちつつアニール後の降温で室温状態になるまで流しつづけた。
【0048】
実施例によってベルジャーおよびサヤの石英ガラス表面にシリコンの酸窒化膜の被膜を形成して作製した粒状シリコン結晶と、比較例1には石英ガラス表面にシリコンの酸窒化膜の被膜を形成しないで作製した粒状シリコン結晶に含まれる金属不純物濃度分析のICP−MSおよび原子吸光分析の結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
表1に示すように、実施例によってベルジャーとサヤの表面にシリコンの酸窒化膜の被膜を形成して作製した粒状シリコン結晶の金属不純物濃度は、同じく石英ガラス表面にシリコンの酸窒化膜の被膜を形成せずに作製した場合に比較して大幅に低減されていた。従って、石英ガラス表面に形成されたシリコンの酸窒化被膜は重金属を含む金属不純物汚染防止のバリヤーとして充分に機能していることがわかった。
【0051】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る粒状シリコン結晶の製造装置では、雰囲気焼成炉内に設置されたベルジャーとサヤの表面に窒化膜もしくは酸窒化膜を形成したことから、ベルジャーとサヤの表面を緻密化することができ、重金属等の不純物汚染に対するバリア性も高くなり、拡散阻止力も大幅に向上させることができる。また、太陽電池向けに用いるシリコン粒子を安価に量産性よく生産でき、しかも効率的にシリコン材料を利用できると同時にその高効率化と信頼性を向上させることができる。
【0052】
また、本発明に係る粒状シリコン結晶の製造方法では、窒化膜もしくは酸窒化膜を形成したベルジャーとサヤの中に粒状シリコンを入れて、その表面に珪素化合物被膜を形成して内側のシリコンを溶融した後、降温して凝固させて結晶化することから、粒状シリコン結晶中への金属不純物汚染を防止することができ、高品質化やコスト低減、量産性の向上を実現することができる。また、安価な雰囲気焼成炉でも高品質な粒状シリコン結晶が作製でき、太陽電池向けに用いるシリコン粒子を安価に量産性よく生産でき、しかも効率的にシリコン材料を利用できると同時にその高効率化と信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る粒状シリコン結晶の製造装置を示す。
【符号の説明】
1 雰囲気焼成炉
2 発熱体
3 炉材(断熱材)
4 ガス供給
5 ガスフィルター
6 アルミナカバー(熱電対)
7 粒状シリコン
8 サヤ
9 ベルジャー
Claims (8)
- 雰囲気焼成炉内にベルジャーを設置し、このベルジャー内に結晶化するためのシリコン粒子を入れるサヤを設置した粒状シリコン結晶の製造装置において、前記ベルジャーとサヤとの表面に窒化膜もしくは酸窒化膜を形成したことを特徴とする粒状シリコン結晶の製造装置。
- 前記ベルジャーが石英ガラスからなることを特徴とする請求項1に記載の粒状シリコン結晶の製造装置。
- 前記サヤが石英ガラスからなることを特徴とする請求項1に記載の粒状シリコン結晶の製造装置。
- 前記雰囲気焼成炉が抵抗加熱型もしくは誘導加熱型の雰囲気焼成炉であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の粒状シリコン結晶の製造装置。
- 雰囲気焼成炉内に設置されたベルジャー内において酸素ガスと窒素ガスの反応性ガスを含む雰囲気ガス中でサヤに入れた粒状シリコンを加熱して表面に前記反応性ガスの成分を含む珪素化合物被膜を形成して内側のシリコンを溶融した後、降温して凝固させて結晶化する粒状シリコン結晶の製造方法において、前記ベルジャーとサヤとの表面に前記反応性ガスの成分を含む窒化膜もしくは酸窒化膜を形成した後または形成すると同時に前記粒状シリコンを結晶化することを特徴とする粒状シリコン結晶の製造方法。
- 前記粒状シリコン表面の珪素化合物被膜がシリコンの酸窒化膜であることを特徴とする請求項5に記載の粒状シリコン結晶の製造方法。
- 前記粒状シリコンの大きさが直径1000μm以下であることを特徴とする請求項5または6に記載の粒状シリコン結晶の製造方法。
- 前記雰囲気ガス中にアルゴンガスを含むことを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の粒状シリコン結晶の製造方法。
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