JP2004131117A - ブリスター包装機及びブリスター包装機用加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブリスター包装機用加熱装置及びブリスター包装機に関し、温度追従性に優れ、ひいては、より安定した加熱、成形の実現を可能とする。
【解決手段】PTP包装機の加熱装置12は、加熱プレート31及び渦電流発生手段32を備えている。加熱プレート31は、鉄等の磁性体よりなり、板状のベース部33及びベース部33に一体形成された加熱凸部34を備えている。加熱凸部34は、ポケット部2に対応するべく、複数箇所に規則的に配設されている。渦電流発生手段32は、積層タイプの鉄心41と、鉄心41の外周に巻回されたコイル42とを備える。コイル42に交流電源43からの電力が供給されることにより、交流磁界が発生させられ、該交流磁界が加熱プレート31にかけられることにより渦電流が発生させられる。かかる渦電流に基づいて加熱プレート31が直接加熱させられる。
【選択図】 図3
【解決手段】PTP包装機の加熱装置12は、加熱プレート31及び渦電流発生手段32を備えている。加熱プレート31は、鉄等の磁性体よりなり、板状のベース部33及びベース部33に一体形成された加熱凸部34を備えている。加熱凸部34は、ポケット部2に対応するべく、複数箇所に規則的に配設されている。渦電流発生手段32は、積層タイプの鉄心41と、鉄心41の外周に巻回されたコイル42とを備える。コイル42に交流電源43からの電力が供給されることにより、交流磁界が発生させられ、該交流磁界が加熱プレート31にかけられることにより渦電流が発生させられる。かかる渦電流に基づいて加熱プレート31が直接加熱させられる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブリスター包装機に係り、特に、移送可能に設けられた包装用フィルムにポケット部を成形するべく、加熱するための加熱手段を具備してなるブリスター包装機用加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、PTPシート(ブリスターシート)は、例えばPP(ポロプロピレン)よりなり複数のポケット部を備えた包装用フィルムと、ポケット部を塞ぐようにして包装用フィルムに取着されたアルミニウム製のカバーフィルムとを有している。なお、各ポケット部には錠剤等が充填されている。
【0003】
このようなPTPシートは、帯状の包装用フィルムにポケット部を形成し、錠剤等を充填してカバーフィルムを取着した後、シート打抜装置によって、帯状のフィルムから、打ち抜かれることにより得られる。
【0004】
前記包装用フィルムにポケット部を形成するに際しては、加熱装置及び成形装置を経ることとなる。すなわち、加熱装置は、包装用フィルムのうちポケット部に対応する部分を部分的に加熱するための加熱ブロック(又はプレート)を備えており、該加熱ブロックに接触させられることによって、包装用フィルムが部分的に軟化させられる。そして、その直後に、金型を具備してなる成形装置によって包装用フィルムにポケット部が成形される。
【0005】
上述のとおり、加熱装置は、例えば加熱ブロックを備えている。加熱ブロックは、ポケット部に対応する部位に加熱凸部を備えており、該凸部に包装用フィルムが接触させられる。また、加熱ブロックの内部には、ヒータが設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特公平6−104333号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来技術では、加熱ブロック内にヒータが内蔵されている。換言すれば、ヒータが加熱されることで、その熱が加熱ブロックに伝達される構成となっている。このため、熱伝導に時間を要するおそれがある。その結果、運転開始時に所定温度に加熱されるまでに時間を要したり、温度制御に関する遅延により、制御精度を悪化させてしまう等の課題がある。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、移送可能に設けられた包装用フィルムにポケット部を成形するべく、加熱するための加熱手段を具備してなるブリスター包装機用加熱装置及びブリスター包装機に関し、温度追従性に優れ、ひいては、より安定した加熱、成形の実現を可能とすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上述した目的を達成しうる特徴的手段について以下に説明する。また、各手段につき、特徴的な作用及び効果を必要に応じて記載する。
【0010】
手段1.移送可能に設けられた包装用フィルムに関し、少なくとも錠剤充填用のポケット部を成形するべく、少なくとも該ポケット部に対応する部位を加熱するための加熱手段を具備してなるブリスター包装機用加熱装置において、
前記加熱手段に対し直接電流を流すことによって、当該加熱手段を加熱することを特徴とするブリスター包装機用加熱装置。
【0011】
手段1によれば、移送可能に設けられた包装用フィルムに関し、少なくともポケット部に対応する部位が加熱手段によって加熱され、その後錠剤充填用のポケット部が成形される。さて、手段1では、加熱装置の加熱手段に対し、直接電流が流されることにより加熱手段が加熱される。このため、一旦内蔵されたヒータが加熱されて、その熱が伝達されることで加熱手段が加熱されていた従来技術とは異なり、加熱手段自体がいわば発熱体となりうる。従って、加熱手段を加熱するのに要する時間を飛躍的に短縮できる。また、加熱手段の温度を所定温度に制御しようとした場合にも、所定温度に到達するまでの間に遅延が生じにくく(レスポンスがよくなり)、遅延による制御精度の悪化等の不具合を払拭できる。
【0012】
手段2.前記加熱手段は導体からなるとともに、交流磁界をかけることにより渦電流を発生させることの可能な渦電流発生手段を設け、当該渦電流発生手段にて発生させられる渦電流に基づいて前記加熱手段を加熱することを特徴とする手段1に記載のブリスター包装機用加熱装置。
【0013】
手段2によれば、渦電流発生手段によって交流磁界がかけられることにより、導体からなる加熱手段に、渦電流が発生させられる。そして、当該渦電流に基づいて加熱手段が直接加熱される。このため、上記手段1の作用がより確実に奏される。また、加熱手段等を交換しようとした場合、従来ではヒータが内蔵されているが故に、ヒータ及びその配線までも交換せざるを得ず、無駄が多く、また、交換作業が煩雑なものとなってしまっていた。この点、手段2では、渦電流発生手段とは切り離して加熱手段のみを容易に交換等することができる。従って、メンテナンス性の面でも優れたものとなる。なお、「前記加熱手段は磁性体からなる」こととしてもよい。この場合、上記作用効果がより効率的に奏される。
【0014】
手段3.前記加熱手段は、複数の加熱凸部を有する加熱プレート又は加熱ブロックであることを特徴とする手段2に記載のブリスター包装機用加熱装置。
【0015】
手段3によれば、1つの加熱プレート又は加熱ブロックによって一度に複数のポケット部に対応する加熱を施すことができる。結果として、製造効率の向上を図ることができるとともに、メンテナンス性の向上をも図ることができる。
【0016】
手段4.前記加熱手段は、前記ポケット部に対応する部位に複数配置された加熱部材であって、該加熱部材の周囲は前記加熱部材よりも熱伝導率の低い素材よりなる非加熱部材で囲まれていることを特徴とする手段2に記載のブリスター包装機用加熱装置。
【0017】
手段4によれば、真に加熱が必要な部分のみを効率的に加熱することができ、ひいてはエネルギーロスを最小限に抑えることができる。また、後述する手段8に関連し、個々の加熱部材をそれぞれ温度制御するよう構成した場合には、より精密な加熱制御を行うことが可能となる。なお、「非加熱部材は、非磁性体よりなる」こととしてもよい。
【0018】
手段5.移送可能に設けられた包装用フィルムに関し、少なくとも錠剤充填用の複数のポケット部を成形するべく、少なくとも該ポケット部に対応する部位を加熱するためのプレート状、又は、ブロック状の加熱手段を具備してなるブリスター包装機用加熱装置において、
前記加熱手段は、導体からなり、さらに、前記包装用フィルムとは反対側の加熱手段近傍に、交流磁界をかけることにより渦電流を発生させることの可能な渦電流発生手段を設け、前記加熱手段が前記渦電流によって直接加熱されるよう構成したことを特徴とするブリスター包装機用加熱装置。
【0019】
手段5によれば、移送可能に設けられた包装用フィルムに関し、少なくともポケット部に対応する部位がプレート状、又は、ブロック状の加熱手段によって加熱され、その後錠剤充填用の複数のポケット部が成形される。さて、手段5では、加熱手段が導体からなり、さらに、包装用フィルムとは反対側の加熱手段近傍に設けられた渦電流発生手段によって、交流磁界がかけられ、これにより渦電流が発生させられ、もって加熱手段が渦電流によって直接加熱される。このため、一旦内蔵されたヒータが加熱されて、その熱が伝達されることで加熱手段が加熱されていた従来技術とは異なり、加熱手段自体がいわば発熱体となりうる。従って、加熱手段を加熱するのに要する時間を飛躍的に短縮できる。また、加熱手段の温度を所定温度に制御しようとした場合にも、所定温度に到達するまでの間に遅延が生じにくく(レスポンスがよくなり)、遅延による制御精度の悪化等の不具合を払拭できる。また、加熱手段等を交換しようとした場合、従来ではヒータが内蔵されているが故に、ヒータ及びその配線までも交換せざるを得ず、無駄が多く、また、交換作業が煩雑なものとなってしまっていた。この点、手段5では、渦電流発生手段とは切り離して加熱手段のみを容易に交換等することができる。従って、メンテナンス性の面でも優れたものとなる。なお、「前記加熱手段は磁性体からなる」こととしてもよい。この場合、上記作用効果がより効率的に奏される。
【0020】
手段6.前記渦電流発生手段は、鉄心と、該鉄心の周囲に巻回されたコイルとを具備していることを特徴とする手段2乃至5のいずれかに記載のブリスター包装機用加熱装置。
【0021】
手段6によれば、渦電流発生手段は、鉄心と、該鉄心の周囲に巻回されたコイルとを具備しているため、上述した渦電流がより確実に発生させられる。
【0022】
手段7.前記鉄心が、1若しくは複数の割溝を有し、又は、積層構造を有していることを特徴とする手段6に記載のブリスター包装機用加熱装置。
【0023】
渦電流発生手段が鉄心を備えていることにより、鉄心側にも渦電流が流れうる。この点、手段7によれば、鉄心が、1若しくは複数の割溝を有し、又は、積層構造を有しているため、鉄心側での渦電流の発生を極力抑制することができ、もって、より効率的に加熱手段にて渦電流を発生させることができる。結果として、エネルギー効率の飛躍的な向上を図ることができる。
【0024】
手段8.少なくとも前記加熱手段の表面温度又はそれに準ずる温度を計測可能な温度計測手段と、
前記温度計測手段にて計測された温度に基づき、前記コイルへ供給する電力又は周波数を制御する制御手段と
を設けたことを特徴とする手段6又は7に記載のブリスター包装機用加熱装置。
【0025】
手段8によれば、温度計測手段により、少なくとも加熱手段の表面温度又はそれに準ずる温度が計測される。また、温度計測手段にて計測された温度に基づき、制御手段により、コイルへ供給する電力又は周波数が制御される。このように、加熱手段の表面温度がフィードバック制御されるのであるが、上述したとおり、温度制御に関するレスポンス性に優れるため、より正確な制御が実行される。具体的には、所望とする温度に速やかに近づけることができ、制御中においては、実際の温度が、所望とする温度から大きく逸脱してしまうことがない。なお、さらに、「外部入力操作により、所望とする加熱手段の表面温度を設定可能な温度設定手段」を設けることとしてもよく、この場合、「前記温度計測手段にて計測された温度、及び、前記温度設定手段にて設定された温度に基づき、前記コイルへ供給する電力又は周波数を制御する制御手段」としてもよい。
【0026】
手段9.前記加熱手段に、気液二相の熱媒体を充填したジャケット室を設けたことを特徴とする手段1乃至8のいずれかに記載のブリスター包装機用加熱装置。
【0027】
手段9によれば、加熱手段の各部位において仮に温度差が生じた場合でも、低温部においては前記熱媒体が凝縮して該低温部に凝縮潜熱が与えられ、高温部においては熱媒体が蒸発潜熱が奪われる。このため、加熱手段の各部位における温度差が低減され、ひいては、温度の均一化が図られる。
【0028】
手段10.前記加熱手段に、熱媒体を封入したヒートパイプを着脱可能に挿着したことを特徴とする手段1乃至9のいずれかに記載のブリスター包装機用加熱装置。
【0029】
手段10によれば、基本的には、手段9と同様の作用効果、つまり、加熱手段の温度の均一化を図ることができるという作用効果が奏される。また、ヒートパイプが着脱可能となっているため、所定時にはヒートパイプの交換等を容易に行うことができ、メンテナンス性の向上を図ることができる。
【0030】
手段11.手段1乃至10のいずれかに記載の加熱装置を具備してなるブリスター包装機。
【0031】
手段11によれば、上記各作用効果が奏されることにより、ブリスターシートを安定して生産することができる。
【0032】
手段12.移送可能に設けられた包装用フィルムに関し、少なくとも錠剤充填用の複数のポケット部を成形するべく、少なくとも該ポケット部に対応する部位を加熱するための加熱手段を具備してなるブリスター包装機用加熱装置において、
前記加熱手段を、前記ポケット部に対応する部位に設けられた複数の加熱部と、前記加熱部を個々に加熱するヒータとにより構成したことを特徴とするブリスター包装機用加熱装置。
【0033】
ここで、当該手段12及びそれ以降の各手段に対応する従来技術及び課題について言及する。従来、例えば、特開平2002−19734号公報に記載された加熱装置では、包装用フィルムのポケット部に対応する部分(ポケット部形成領域)を部分的に加熱可能な複数の加熱突起を有する加熱プレートが設けられている。また、加熱突起の周囲には、冷却用パイプが設けられている。そして、冷却用パイプに冷却水を供給することで、加熱突起周囲の温度上昇の抑制が図られている。しかしながら、上記技術では、真に加熱を必要とする部分(加熱突起)のみならず、それ以外の、加熱の必要のない部分までも加熱される構成となっている。そして、加熱の必要のない部分については、さらに冷却用パイプを用いているものの、当該部分において熱を奪われることとなるため、加熱のために相当のエネルギーを要することとなり、エネルギー効率の悪化を招いていた。また、加熱の必要のない部分まで加熱するため、所定温度に達するまでの時間が長くなってしまい、温度制御に際しての遅延を招いてしまうおそれもあった。そこで、当該手段以降の各手段においては、上記課題を解決することを主たる目的としている。
【0034】
上記手段12によれば、移送可能に設けられた包装用フィルムに関し、少なくとも複数のポケット部に対応する部位が加熱手段によって加熱され、その後錠剤充填用のポケット部が成形される。さて、手段12では、加熱手段が、ポケット部に対応する部位に設けられた複数の加熱部と、加熱部を個々に加熱するヒータとにより構成されている。このため、真に加熱を必要とする加熱部のみをヒータで加熱すればよく、加熱の必要のない部分まで加熱する場合に比べて、ヒータに供給するエネルギーを抑制することができる。その結果、エネルギー効率の飛躍的な向上を図ることができる。また、真に加熱を必要とする加熱部のみが加熱されるため、加熱部が所定温度に達するまでの時間が、比較的短くて済む。結果として、温度制御に際してのレスポンスの向上を図ることができる。なお、「各加熱部は、相互に離間配置されていること」としてもよい(以降、各手段において同様)。
【0035】
手段13.移送可能に設けられた包装用フィルムに関し、少なくとも錠剤充填用の複数のポケット部を成形するべく、少なくとも該ポケット部に対応する部位を加熱するための加熱手段を具備してなるブリスター包装機用加熱装置において、
前記加熱手段を、前記ポケット部に対応する部位に設けられた複数の加熱部と、前記加熱部を個々に加熱するヒータと、前記加熱部の周囲に配設された非加熱部とにより構成したことを特徴とするブリスター包装機用加熱装置。
【0036】
手段13によれば、移送可能に設けられた包装用フィルムに関し、少なくとも複数のポケット部に対応する部位が加熱手段によって加熱され、その後錠剤充填用のポケット部が成形される。さて、手段13では、加熱手段が、ポケット部に対応する部位に設けられた複数の加熱部と、加熱部を個々に加熱するヒータと、加熱部の周囲に配設された非加熱部とにより構成されている。このため、真に加熱を必要とする加熱部のみがヒータで積極的に加熱され、加熱の必要のない非加熱部まで加熱されにくい。従って、加熱の必要のない部分を加熱する場合に比べて、ヒータに供給するエネルギーを抑制することができる。その結果、エネルギー効率の飛躍的な向上を図ることができる。また、真に加熱を必要とする加熱部のみが積極的に加熱されるため、加熱部が所定温度に達するまでの時間が比較的短くて済む。結果として、温度制御に際してのレスポンスの向上を図ることができる。
【0037】
手段14.前記非加熱部は、前記加熱部よりも熱伝導率の低い素材よりなることを特徴とする手段13に記載のブリスター包装機用加熱装置。
【0038】
手段14によれば、非加熱部が加熱部よりも熱伝導率の低い素材よりなるため、加熱部をより積極的に加熱することができ、非加熱部を加熱されにくくすることができる。そのため、上記作用効果がより確実に奏される。また、加熱部と非加熱部を面一に構成した場合でも、包装用フィルムを部分的に加熱できるというメリットもある。なお、非加熱部を構成する素材としては、セラミックス、ガラス等の熱伝導率の比較的低い有形物であることとしてもよい(加熱部としては、鉄等の金属が好適に用いられる)。また、前記非加熱部は、空気層であることとしてもよい。後者の場合には、加熱手段の軽量化等を図ることができる。
【0039】
手段15.少なくとも前記加熱部の表面温度又はそれに準ずる温度を計測可能な温度計測手段と、
前記温度計測手段にて計測された温度に基づき、前記ヒータの温度を制御する制御手段と
を設けたことを特徴とする手段12乃至14のいずれかに記載のブリスター包装機用加熱装置。
【0040】
手段15によれば、温度計測手段により、少なくとも加熱部の表面温度又はそれに準ずる温度が計測される。また、温度計測手段にて計測された温度に基づき、制御手段により、ヒータの温度が制御される。このため、個々の加熱部の表面温度が適正に制御されることとなり、制御性の向上が図られる。なお、前記温度計測手段は、全ての加熱部に対応して設けられていることとしてもよいし、1又は一部の加熱部に対応して設けられていることとしてもよい。また、「外部入力操作により、所望とする加熱部の表面温度を設定可能な温度設定手段」を設けることとしてもよく、この場合、「前記温度計測手段にて計測された温度、及び、前記温度設定手段にて設定された温度に基づき、前記ヒータの温度を制御する制御手段」としてもよい。
【0041】
手段16.前記制御手段は、前記各ヒータを個別に制御可能となっていることを特徴とする手段15に記載のブリスター包装機用加熱装置。
【0042】
手段16によれば、各ヒータが制御手段によって個別に制御される。従って、各ヒータ、加熱部の個性、特性に応じた制御が実現され、ひいては、温度制御の均質化、制御性の向上等が図られる。
【0043】
なお、1の制御手段が各ヒータを個別に制御可能となっていてもよいし、各ヒータに対応して複数の制御手段を設けることとしてもよい。
【0044】
手段17.移送可能に設けられた包装用フィルムに関し、少なくとも錠剤充填用の複数のポケット部を成形するべく、少なくとも該ポケット部に対応する部位を加熱するための加熱手段を具備してなるブリスター包装機用加熱装置において、
前記加熱手段は、前記ポケット部に対応する部位に設けられた複数の加熱部を具備し、前記加熱部は磁性体からなるとともに、交流磁界をかけることにより前記加熱部に渦電流を発生させることの可能なコイルを各加熱部に設け、前記渦電流に基づいて前記加熱部を直接加熱することを特徴とするブリスター包装機用加熱装置。
【0045】
手段17によれば、移送可能に設けられた包装用フィルムに関し、少なくとも複数のポケット部に対応する部位が加熱手段によって加熱され、その後錠剤充填用のポケット部が成形される。さて、手段17では、加熱手段が、ポケット部に対応する部位に設けられた複数の加熱部を具備し、真に加熱を必要とする該加熱部のみが積極的に加熱される。従って、加熱の必要のない部分を加熱する場合に比べて、ヒータに供給するエネルギーを抑制することができる。その結果、エネルギー効率の飛躍的な向上を図ることができる。また、加熱部が所定温度に達するまでの時間が、比較的短くて済み、結果として、温度制御に際してのレスポンスの向上を図ることができる。さらに、各加熱部に設けられたコイルに交流磁界がかけられることにより加熱部に渦電流が発生させられ、該渦電流に基づいて加熱部が直接加熱される。そのため、より速やかに所定温度まで到達させることができ、一層のレスポンスの向上を図ることができる。
【0046】
手段18.少なくとも前記加熱部の表面温度又はそれに準ずる温度を計測可能な温度計測手段と、
前記温度計測手段にて計測された温度に基づき、前記コイルへ供給する電力又は周波数を制御する制御手段と
を設けたことを特徴とする手段17に記載のブリスター包装機用加熱装置。
【0047】
手段18によれば、温度計測手段により、少なくとも加熱部の表面温度又はそれに準ずる温度が計測される。また、温度計測手段にて計測された温度に基づき、制御手段により、コイルへ供給する電力又は周波数が制御される。このように、加熱部の表面温度がフィードバック制御されるのであるが、上述したとおり、温度制御に関するレスポンス性に優れるため、より正確な制御が実行される。具体的には、所望とする温度に速やかに近づけることができ、制御中においては、実際の温度が、所望とする温度から大きく逸脱してしまうことがない。しかも個々の加熱部が温度制御されるため、より一層効率的な制御が可能となる。なお、前記温度計測手段は、全ての加熱部に対応して設けられていることとしてもよいし、1又は一部の加熱部に対応して設けられていることとしてもよい。また、「外部入力操作により、所望とする加熱部の表面温度を設定可能な温度設定手段」を設けることとしてもよく、この場合、「前記温度計測手段にて計測された温度、及び、前記温度設定手段にて設定された温度に基づき、前記コイルへ供給する電力又は周波数を制御する制御手段」としてもよい。
【0048】
手段19.前記制御手段は、前記各コイルへ供給する電力又は周波数を個別に制御可能となっていることを特徴とする手段18に記載のブリスター包装機用加熱装置。
【0049】
手段19によれば、各コイルへ供給される電力又は周波数が制御手段によって個別に制御される。従って、各コイル、加熱部の個性、特性に応じた制御が実現され、ひいては、温度制御の均質化、制御性の向上等が図られる。なお、1の制御手段が各コイルへ供給する電力又は周波数を個別に制御可能となっていてもよいし、各コイルに対応して複数の制御手段を設けることとしてもよい。
【0050】
手段20.前記加熱部の周囲に非加熱部を配設したことを特徴とする手段17乃至19のいずれかに記載のブリスター包装機用加熱装置。
【0051】
手段20によれば、加熱部を非加熱部によって支持することができるとともに、加熱の必要のない非加熱部については加熱されにくい。従って、加熱の必要のない部分までをも加熱する場合に比べて、コイルに供給する電力を抑制することができる。
【0052】
手段21.前記非加熱部は、前記加熱部よりも熱伝導率の低い素材よりなることを特徴とする手段20に記載のブリスター包装機用加熱装置。
【0053】
手段21によれば、非加熱部が加熱部よりも熱伝導率の低い素材よりなるため、加熱部をより積極的に加熱することができ、非加熱部を加熱されにくくすることができる。そのため、上記作用効果がより確実に奏される。また、加熱部と非加熱部を面一に構成した場合でも、包装用フィルムを部分的に加熱できるというメリットもある。なお、非加熱部を構成する素材としては、セラミックス、ガラス等の熱伝導率の比較的低い有形物であることとしてもよい(加熱部としては、鉄等の金属が好適に用いられる)。また、前記非加熱部は、空気層であることとしてもよい。後者の場合には、加熱手段の軽量化等を図ることができる。
【0054】
手段22.手段12乃至21のいずれかに記載の加熱装置を具備してなるブリスター包装機。
【0055】
手段22によれば、上記各作用効果が奏されることにより、ブリスターシートを安定して生産することができる。
【0056】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、第1の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。図1(a),(b)に示すように、PTPシート(ブリスターシート)1は、例えばPP(ポロプロピレン)よりなり複数のポケット部2を備えた包装用フィルム3と、ポケット部2を塞ぐようにして包装用フィルム3に取着されたアルミニウム製のカバーフィルム4とを有している。各ポケット部2には充填物としての錠剤5が1つずつ収容されている。本実施の形態では、PTPシート1は、帯状の包装用フィルム3及びカバーフィルム4から形成された帯状のPTPフィルム6(図2参照)が打抜かれることで、シート状に製造されている。
【0057】
次に、上記のように構成されてなるPTPシート1を製造するためのPTP包装機10(ブリスター包装機)の概略について、図2に基づき説明する。
【0058】
帯状の包装用フィルム3は、最上流側においてロール状に巻回されている。包装用フィルム3は、上述したようにPP等の比較的硬質で所定の剛性を有する合成樹脂によって構成され(PVC等の他の熱可塑性樹脂材料により構成してもよい)、透明又は半透明を呈している。
【0059】
ロール状に巻回された包装用フィルム3は、間欠的に搬送されるようになっており、包装用フィルム3の搬送経路に沿って、加熱装置12とポケット成形装置13とが順に並設されている。これら加熱装置12及びポケット成形装置13によって、ポケット部形成装置14が構成されている。そして、加熱装置12によって包装用フィルム3が部分的に加熱されて、該包装用フィルム3が比較的柔軟になった状態において、ポケット成形装置13によって包装用フィルム3にポケット部2が成形される。なお、このポケット部2の成形は、包装用フィルム3の搬送動作間のインターバルの際に行われる。
【0060】
ポケット部2が形成された包装用フィルム3の移送経路に沿って、ポケット部2に錠剤5を自動的に充填する錠剤投入装置16、検査装置17、シール装置30(フィルム受けロール18)が配設されている。錠剤投入装置16は、シャッタを開くことで錠剤5を落下させるものであり、このシャッタが開放した時に各ポケット部2に錠剤5が投入される。
【0061】
検査装置17は、錠剤5が各ポケット部2に確実に充填されているか否か、また錠剤5の異常の有無、異物混入の有無等の検査を行うためのものである。該検査装置17は、ポケット部2の開口側からの検査を行う。
【0062】
一方、帯状に形成されたカバーフィルム4は、ロール状に巻回されている。ロール状に巻回されたカバーフィルム4の引出し端は、前記シール装置30(フィルム受けロール18)の方へと案内されている。シール装置30は、フィルム受けロール18とシールロール19とを備える。フィルム受けロール18には、シールロール19が圧接可能となっており、両ロール18,19間に包装用フィルム3及びカバーフィルム4が送り込まれるようになっている。そして、包装用フィルム3及びカバーフィルム4が、両ロール18,19間を加熱圧接状態で通過することで、カバーフィルム4のシーラントが熱溶着される。これにより、包装用フィルム3にカバーフィルム4が取着され、もって錠剤5が各ポケット部2に充填されたPTPフィルム6が製造される。なお、本実施の形態では、フィルム受けロール18がモータによって回転駆動されるようになっており、シールロール19は、前記フィルム受けロール18の回転に追従して従動回転されるようになっている。また、フィルム受けロール18の表面には、前記包装用フィルム3のポケット部2を収容可能な複数の溝部が形成されており、前記シールに際しポケット部2が潰れてしまわないようになっている。
【0063】
フィルム受けロール18の下流ではPTPフィルム6移送経路に沿って、錠剤等の異常の有無、異物混入の有無等の検査を行うための検査装置21が配設されている。この検査装置21はポケット部2の突出面側からの検査を行うものである。従って、検査装置17による検査と相俟って、PTPフィルム6の表裏両面側からの検査を実行することができるようになっている。なお、各検査装置17,21によって不良品判定された場合、その不良品判定となったPTPシートは、図示しない不良シート排出機構によって別途排出される。
【0064】
検査装置21の下流ではPTPフィルム6の移送経路に沿って、スリット成形装置22、刻印装置23及びシート打抜装置24が順に配設されている。スリット成形装置22は、PTPフィルム6の所定位置にスリットを形成する機能を有する。刻印装置23はPTPフィルム6の所定位置にロットナンバー等の識別情報を示す刻印を付す機能を有する。シート打抜装置24は、PTPフィルム6をPTPシート1単位に打抜く機能を有する。なお、PTPフィルム6は、シート幅に合わせて間欠的に移送される。したがって、シート打抜装置24によるPTPシート1の打ち抜きは、PTPフィルム6の移送のインターバルに行われる。シート打抜装置24の下側には、シート打抜装置24から落下するPTPシート1を貯留するための完成品用ホッパ25が設けられている。
【0065】
PTP包装機10の概略は以上のとおりであるが、以下においては、ポケット部位形成装置14のうちの、特に加熱装置12についてより具体的に説明する。但し、本実施の形態における加熱装置12は水平方向に移送される包装用フィルム3の上下位置にそれぞれ配置されるものであるが、以下には説明の便宜上、下側の加熱装置12について説明する。
【0066】
図3は、本実施の形態における加熱装置12等の構成を示す模式図である。同図に示すように、加熱装置12は、加熱手段を構成する加熱プレート31及び渦電流発生手段32を備えている。加熱プレート31は、導体、好ましくは、鉄等の磁性体よりなり、板状のベース部33及びベース部33に一体形成された加熱凸部34を備えている。当該加熱凸部34は、前記ポケット部2に対応するべく、円柱状をなし、複数箇所に規則的に配設されている。本実施の形態では、前記移送される包装用フィルム3が、当該加熱凸部34の表面に接触可能となっている。
【0067】
また、加熱プレート31の内部には、前記加熱凸部34を通過するようにして、複数本のジャケット室35が列状に形成されている。該ジャケット室35には、気液二相の熱媒体が充填されている。
【0068】
前記加熱プレート31の直下側(包装用フィルム3とは反対側)には、前記渦電流発生手段32が設けられている。より詳しくは、渦電流発生手段32は、積層タイプの鉄心41と、鉄心41の外周に巻回された、電磁線輪、すなわち、コイル42とを備えている。コイル42の端部のリード線42aは、交流電源43に接続されている。本実施の形態では、積層タイプの鉄心41が採用されていることから、後述する渦電流が鉄心41側に発生するのが抑制されるようになっている。なお、かかる構成に代えて、普通の鉄心を用いることとしてもよいし、1又は複数の割溝の設けられた鉄心を採用することとしてもよい。
【0069】
本実施の形態では、前記コイル42(リード線42a)に交流電源43からの電力が供給されることにより、交流磁界が発生させられる。そして、該交流磁界が加熱プレート31にかけられることにより渦電流が発生させられるようになっている。かかる渦電流に基づいて加熱プレート31が直接加熱させられるようになっている。
【0070】
また、同図に示すように、本実施の形態では、加熱プレート31(加熱凸部34)の表面温度を制御するための機構が設けられている。すなわち、加熱プレート31の表面近傍には、熱電対からなる温度計測手段51が設けられている。また、外部から、温度条件等に関する情報を入力操作可能な温度設定手段52が設けられている。制御装置50の入力側には、少なくとも前記温度計測手段51及び温度設定手段52が接続されているとともに、制御装置50の出力側は、前記交流電源43(又は、リード線42a途中に設けられた電流(若しくは電圧)調整手段でもよい)に接続されている。制御装置50は、上記温度計測手段51及び温度設定手段52からの信号に基づいて、各種演算等を実行するとともに、交流電源43から供給される電力(より詳しくは、電圧及び電流のうち少なくとも一方)を制御する。
【0071】
次に、上記のように構成されてなる加熱装置12における作用効果について説明する。
【0072】
本実施の形態では、加熱プレート31が導体からなり、さらに、包装用フィルム3とは反対側の加熱プレート31近傍に設けられた渦電流発生手段32によって、加熱プレート31に交流磁界がかけられ、これにより渦電流が発生させられ、もって加熱プレート31が渦電流によって直接加熱される。このため、一旦内蔵されたヒータが加熱されて、その熱が伝達されることで加熱手段が加熱されていた従来技術とは異なり、加熱プレート31自体がいわば発熱体となりうる。従って、加熱プレート31を加熱するのに要する時間を飛躍的に短縮できる。
【0073】
また、本実施の形態では、制御装置50によって加熱プレート31の表面温度がフィードバック制御されるのであるが、かかる場合に、速やかに所定温度に到達させることができ、制御中においては、実際の温度が、所望とする温度から大きく逸脱してしまうことがない。このように、加熱プレート31が温度追従性に優れることで、より確実な加熱、ひいてはポケット部2成形の実現を図ることができる。
【0074】
さらに、加熱手段等を交換しようとした場合、従来ではヒータが内蔵されているが故に、ヒータ及びその配線までも交換せざるを得ず、無駄が多く、また、交換作業が煩雑なものとなってしまっていた。これに対し、本実施の形態では、渦電流発生手段32とは切り離して加熱プレート31のみを容易に交換等することができる。従って、メンテナンス性の面でも優れたものとなる。
【0075】
併せて、加熱プレート31内には、気液二相の熱媒体を充填したジャケット室35が設けられている。このため、加熱プレート31の表面部位によって仮に温度差が生じた場合でも、低温部においては熱媒体が凝縮して該低温部に凝縮潜熱が与えられ、高温部においては熱媒体が蒸発潜熱が奪われる。このため、加熱プレート31表面における温度差が低減され、ひいては、温度の一層の均一化を図ることができる。
【0076】
加えて、本実施の形態の渦電流発生手段32が内部に鉄心41を備えており、該鉄心41側にも渦電流が流れることが懸念されるところ、本実施の形態では、前記鉄心41として積層タイプのものを採用している。このため、鉄心41側での渦電流の発生を極力抑制することができ、もって、より効率的に加熱プレート31にて渦電流を発生させることができる。結果として、エネルギー効率の飛躍的な向上を図ることができる。
【0077】
なお、実施の形態の記載内容に限定されることなく、例えば次のように実施してもよい。
【0078】
(a)実施の形態では、渦電流発生手段32の形状、個数、配置等について特に言及していないが、如何なる形状を有していてもよく、また、個数は1つでもよいし、複数であってもよい。さらに、配置についても特に限定されるものではない。但し、渦電流発生手段32を複数設けるような場合には、加熱凸部34に対応して設けることとするのがより望ましい。
【0079】
(b)実施の形態では、加熱プレート31内に気液二相の熱媒体を充填したジャケット室35を設けることとしているが、かかるジャケット室35を省略する構成としてもよい。また、ジャケット室35に代えて、熱媒体を封入したヒートパイプを着脱可能に挿着することとしてもよい。このような構成とすることで、熱媒体が洩れたりする等の所定時には、ヒートパイプの交換等を容易に行うことができ、メンテナンス性の向上を図ることができる。
【0080】
(c)実施の形態では、制御装置50は、供給される電圧及び電流のうち少なくとも一方を制御するようになっているが、周波数を制御することとしてもよい。
【0081】
(d)加熱プレート31を鉄以外の他の導体(例えばニッケルや、各種合金等)により構成してもよい。
【0082】
(e)実施の形態では、加熱手段として加熱プレート31を採用することとしているが、ブロック状の加熱ブロックを採用してもよい。
【0083】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本第2の実施の形態における加熱装置60も、上述した第1の実施の形態の加熱装置12と同様、PTP包装機10のうち、前記ポケット部2を成形する前段階にポケット部2に対応する部分を加熱するための加熱装置として実現されるものである。
【0084】
図4に示すように、本実施の形態における加熱装置60の加熱手段61は、前記ポケット部2に対応する部位が主として加熱されるようになっているという点に特徴を有している。すなわち、加熱手段61は、前記ポケット部2に対応する円柱状の複数の加熱部62と、加熱部62の周囲に位置し、加熱部62を保持する機能をも果たす非加熱部63とを備え、全体としてプレート状をなしている。加熱部62は、鉄等の熱伝導性に優れた金属材料により構成されており、非加熱部63は、セラミックス等の熱伝導性に乏しい素材(その他にも、ガラス、石膏、空気等でもよい)により構成されている。また、加熱部62は、非加熱部63に対して幾分突出しており、加熱工程に際しては、包装用フィルム3は加熱部62に当接可能となっている。
【0085】
前記各加熱部62の外周には、それぞれヒータ64が設けられ(巻回され)、各ヒータ64が温度制御されるようになっている。より詳しくは、図5に示すように、加熱部62の表面近傍には、それぞれ温度センサ66が設けられており、該温度センサ66からの検出信号が温度計測手段67へと入力されるようになっている。そして、温度計測手段67にて計測された温度信号が制御装置68の方へと入力されるようになっている。この場合において、上記第1の実施の形態と同様、外部から、温度条件等に関する情報を入力操作可能な温度設定手段を設けることとしてもよい。制御装置68の出力側は、電力制御手段69を介して前記ヒータ64に接続されている。従って、制御装置68は、上記温度計測手段66(及び温度設定手段)からの信号に基づいて、各種演算等を実行するとともに、電力制御手段69によって制御される電力(より詳しくは、電圧及び電流のうち少なくとも一方)を制御し、ヒータ64の発熱量を制御する。
【0086】
このように、本実施の形態によれば、加熱手段61が、ポケット部2に対応する部位に互いに離間状態で設けられた複数の加熱部62と、加熱部62を個々に加熱するヒータ64と、加熱部62の周囲に配設された非加熱部63とにより構成されている。このため、真に加熱を必要とする個々の加熱部62のみがヒータ64で積極的に加熱され、加熱の必要のない非加熱部63まで加熱されにくい。従って、加熱の必要のない部分までをも加熱する場合に比べて、ヒータに供給するエネルギーを抑制することができる。その結果、エネルギー効率の飛躍的な向上を図ることができる。また、真に加熱を必要とする加熱部62のみが積極的に加熱されるため、加熱部62が所定温度に達するまでの時間が比較的短くて済む。結果として、温度制御に際してのレスポンスの向上を図ることができる。
【0087】
なお、本例では、加熱部62が非加熱部63に対して幾分突出した構成となっているが、突出しない構成、つまり、加熱部62及び非加熱部63が面一になっている構成を採用してもよい。
【0088】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本第3の実施の形態における加熱装置70も、上述した第1、第2の実施の形態の加熱装置12,60と同様、PTP包装機10のうち、前記ポケット部2を成形する前段階にポケット部2に対応する部分を加熱するための加熱装置として実現されるものである。
【0089】
また、図6に示すように、本実施の形態における加熱装置70の加熱手段71も、前記ポケット部2に対応する部位が主として加熱されるようになっている。すなわち、加熱手段71は、前記ポケット部2に対応する円柱状の複数の加熱部72と、加熱部72の周囲に位置し、加熱部72を保持する機能をも果たす非加熱部73とを備えている。前記各加熱部72の外周には、それぞれヒータ74が設けられ、各ヒータ74が温度制御されるようになっている。
【0090】
但し、本実施の形態では、同図に示すように、1つの制御装置78によって複数の加熱部72(ヒータ74)が温度制御されるようになっている。より詳しくは、1つの加熱部72の表面近傍に設けられた温度センサ76からの検出信号が温度計測手段77へと入力されるようになっている。そして、温度計測手段77にて計測された温度信号が制御装置78の方へと入力されるようになっている。この場合においても、外部から、温度条件等に関する情報を入力操作可能な温度設定手段を設けることとしてもよい。制御装置78の出力側は、電力制御手段79を介して温度センサ76の設けられた加熱部72(図の左部)のヒータ74のみならず、当該加熱部72の近くに配設された複数の加熱部72に設けられたヒータ74にも接続されている。従って、制御装置78は、上記温度計測手段77(及び温度設定手段)からの信号に基づいて、各種演算等を実行するとともに、電力制御手段79によって制御される電力(より詳しくは、電圧及び電流のうち少なくとも一方)を制御し、各ヒータ74の発熱量を一度に制御する。
【0091】
このように、本実施の形態によれば、基本的には上記第2の実施の形態と同等の作用効果が奏される。かかる作用効果に加えて、本実施の形態では、1つの制御装置78によって複数のヒータ74が温度制御される構成となっているため、多くの制御装置を設ける必要がなく、構成上の簡素化を図ることができる。
【0092】
なお、温度センサ76を各加熱部72に対応して設け、温度計測手段77等が各加熱部72の温度を順次スキャニング検出可能な構成としてもよい。
【0093】
(第4の実施の形態)
次に、第4の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本第4の実施の形態における加熱装置80も、上述した第1〜第3の実施の形態の加熱装置12,60,70と同様、PTP包装機10のうち、前記ポケット部2を成形する前段階にポケット部2に対応する部分を加熱するための加熱装置として実現されるものである。
【0094】
また、図7に示すように、本実施の形態における加熱装置80の加熱手段81も、前記ポケット部2に対応する部位が主として加熱されるようになっている。すなわち、加熱手段81は、前記ポケット部2に対応する円柱状の複数の加熱部82と、加熱部82の周囲に位置し、加熱部82を保持する機能をも果たす非加熱部83とを備えている。前記各加熱部82は、「加熱部材」を構成するものであって、その外周には、それぞれコイル84が設けられている。
【0095】
本実施の形態における加熱部72は、鉄心としての機能を奏する。すなわち、前記コイル84の端部のリード線84aは、図示しない交流電源に接続されており、前記コイル84(リード線84a)に交流電源からの電力が供給されることにより、交流磁界が発生させられる。そして、該交流磁界が加熱部82にかけられることにより渦電流が発生させられるようになっている。かかる渦電流に基づいて加熱部82が直接加熱させられるようになっている。
【0096】
また、図示はしないが、上記各実施の形態と同様、本実施の形態においても、加熱部82の表面温度を制御するための機構が設けられている。すなわち、加熱部82に対応して温度計測手段が設けられ、外部から、温度条件等に関する情報を入力操作可能な温度設定手段が設けられている。制御装置の入力側には、少なくとも前記温度計測手段及び温度設定手段が接続されているとともに、制御装置の出力側は、前記交流電源(又は、リード線84a途中に設けられた電流(若しくは電圧)調整手段でもよい)に接続されている。制御装置は、上記温度計測手段及び温度設定手段からの信号に基づいて、各種演算等を実行するとともに、交流電源から供給される電力(より詳しくは、電圧及び電流のうち少なくとも一方)を制御する。この場合において、制御装置等は、複数の加熱部82の温度を一度に制御することとしてもよいし、個々の加熱部に対応して複数の制御装置が設けられた構成としてもよい。
【0097】
次に、上記のように構成されてなる加熱装置80における作用効果について説明する。
【0098】
本実施の形態では、第1の実施の形態と同様、加熱部82が渦電流によって直接加熱される。このため、一旦内蔵されたヒータが加熱されて、その熱が伝達されることで加熱手段が加熱されていた従来技術とは異なり、加熱部82自体がいわば発熱体となりうる。従って、加熱部82を加熱するのに要する時間を飛躍的に短縮できる。また、速やかに所定温度に到達させることができ、制御中においては、実際の温度が、所望とする温度から大きく逸脱してしまうことがない。このように、加熱部82が温度追従性に優れることで、より確実な加熱、ひいてはポケット部2成形の実現を図ることができる。
【0099】
さらに、ポケット部2に対応する部位に複数配置された加熱部82のみが主として加熱される構成となっている。このため、真に加熱が必要な部分のみを効率的に加熱することができ、ひいてはエネルギーロスを最小限に抑えることができ、レスポンス性の向上を図ることができる。また、個々の加熱部82をそれぞれ温度制御するよう構成した場合には、より精度のよい加熱制御を行うことが可能となる。
【0100】
(第5の実施の形態)
次に、第5の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本第5の実施の形態における加熱装置90も、上述した第1〜第4の実施の形態の加熱装置12,60,70,80と同様、PTP包装機10のうち、前記ポケット部2を成形する前段階にポケット部2に対応する部分を加熱するための加熱装置として実現されるものである。
【0101】
また、図8に示すように、本実施の形態における加熱装置90の加熱手段91も、前記ポケット部2に対応する部位が主として加熱されるようになっているとともに、第4の実施の形態と同様、当該部位は渦電流により直接加熱されるようになっている。すなわち、加熱手段91は、前記ポケット部2に対応する円柱状の複数の加熱部92を備えている。但し、セラミックス等の有形物からなる非加熱部は設けられておらず、その代わりに、各加熱部92間は空気層となっている。かかる空気層がいわば非加熱部としての役割を担う。
【0102】
本実施の形態においても、前記各加熱部92は、「加熱部材」を構成するものであって、その外周には、それぞれコイル94が設けられている。上記加熱部92は、鉄心としての機能を奏する。すなわち、前記コイル94の端部のリード線94aは、図示しない交流電源に接続されており、前記コイル94(リード線94a)に交流電源からの電力が供給されることにより、交流磁界が発生させられる。そして、該交流磁界が加熱部92にかけられることにより渦電流が発生させられるようになっている。かかる渦電流に基づいて加熱部92が直接加熱させられるようになっている。
【0103】
また、本実施の形態では有形物としての非加熱部が設けられておらず、別途加熱部92を支持固定する必要がある。この点、本実施の形態では、支持プレート95に対し、セラミックス製の絶縁部材96を介して前記加熱部92が搭載された上で、ねじ97で支持固定されている。なお、図中2点鎖線で示すように、加熱部92の上部に、別途アルミニウム等からなる当接部98を設けることとしてもよい。このように熱伝導性に優れた素材からなる当接部98を設けることで、加熱の均質化を図ることができる。
【0104】
また、本実施の形態においても、図示はしないが、上記各実施の形態と同様、加熱部92の温度を制御するための機構(温度計測手段、温度設定手段、制御装置等)が設けられている。
【0105】
本実施の形態では、第4の実施の形態と同様、加熱部92が渦電流によって直接加熱されるため、加熱部92自体がいわば発熱体となりうる。従って、加熱部92を加熱するのに要する時間を飛躍的に短縮できる。また、速やかに所定温度に到達させることができ、制御中においては、実際の温度が、所望とする温度から大きく逸脱してしまうことがない。このように、加熱部92が温度追従性に優れることで、より確実な加熱、ひいてはポケット部2成形の実現を図ることができる。
【0106】
さらに、ポケット部2に対応する部位に複数配置された加熱部92のみが主として加熱される構成となっている。このため、真に加熱が必要な部分のみを効率的に加熱することができ、ひいてはエネルギーロスを最小限に抑えることができ、レスポンス性の向上を図ることができる。また、個々の加熱部92をそれぞれ温度制御するよう構成した場合には、より精度のよい加熱制御を行うことが可能となる。
【0107】
併せて、別途有形物たる非加熱部を設ける必要がない。このため、装置全体のコンパクト化、軽量化及びコストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態にかかる図であって、(a)はPTPシートを示す斜視図であり、(b)はPTPシートを示す部分拡大断面図である。
【図2】PTP包装機の概略構成を説明するための模式図である。
【図3】第1の実施の形態における加熱装置の構造及び電気的構成を説明するための模式図である。
【図4】第2の実施の形態における加熱装置の主要部を示す部分斜視図である。
【図5】加熱装置の電気的構成を説明するブロック図である。
【図6】第3の実施の形態の電気的構成を説明するブロック図である。
【図7】第4の実施の形態における加熱装置の主要部を示す部分斜視図である。
【図8】第5の実施の形態における加熱装置の主要部を示す部分側面図である。
【符号の説明】
1…PTPシート、2…ポケット部、3…包装用フィルム、5…錠剤、6…PTPフィルム、10…ブリスター包装機としてのPTP包装機、12…加熱装置、31…加熱プレート、32…渦電流発生手段、35…ジャケット室、41…鉄心、42…コイル、50…制御装置、51…温度計測手段、52…温度設定手段。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブリスター包装機に係り、特に、移送可能に設けられた包装用フィルムにポケット部を成形するべく、加熱するための加熱手段を具備してなるブリスター包装機用加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、PTPシート(ブリスターシート)は、例えばPP(ポロプロピレン)よりなり複数のポケット部を備えた包装用フィルムと、ポケット部を塞ぐようにして包装用フィルムに取着されたアルミニウム製のカバーフィルムとを有している。なお、各ポケット部には錠剤等が充填されている。
【0003】
このようなPTPシートは、帯状の包装用フィルムにポケット部を形成し、錠剤等を充填してカバーフィルムを取着した後、シート打抜装置によって、帯状のフィルムから、打ち抜かれることにより得られる。
【0004】
前記包装用フィルムにポケット部を形成するに際しては、加熱装置及び成形装置を経ることとなる。すなわち、加熱装置は、包装用フィルムのうちポケット部に対応する部分を部分的に加熱するための加熱ブロック(又はプレート)を備えており、該加熱ブロックに接触させられることによって、包装用フィルムが部分的に軟化させられる。そして、その直後に、金型を具備してなる成形装置によって包装用フィルムにポケット部が成形される。
【0005】
上述のとおり、加熱装置は、例えば加熱ブロックを備えている。加熱ブロックは、ポケット部に対応する部位に加熱凸部を備えており、該凸部に包装用フィルムが接触させられる。また、加熱ブロックの内部には、ヒータが設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特公平6−104333号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来技術では、加熱ブロック内にヒータが内蔵されている。換言すれば、ヒータが加熱されることで、その熱が加熱ブロックに伝達される構成となっている。このため、熱伝導に時間を要するおそれがある。その結果、運転開始時に所定温度に加熱されるまでに時間を要したり、温度制御に関する遅延により、制御精度を悪化させてしまう等の課題がある。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、移送可能に設けられた包装用フィルムにポケット部を成形するべく、加熱するための加熱手段を具備してなるブリスター包装機用加熱装置及びブリスター包装機に関し、温度追従性に優れ、ひいては、より安定した加熱、成形の実現を可能とすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上述した目的を達成しうる特徴的手段について以下に説明する。また、各手段につき、特徴的な作用及び効果を必要に応じて記載する。
【0010】
手段1.移送可能に設けられた包装用フィルムに関し、少なくとも錠剤充填用のポケット部を成形するべく、少なくとも該ポケット部に対応する部位を加熱するための加熱手段を具備してなるブリスター包装機用加熱装置において、
前記加熱手段に対し直接電流を流すことによって、当該加熱手段を加熱することを特徴とするブリスター包装機用加熱装置。
【0011】
手段1によれば、移送可能に設けられた包装用フィルムに関し、少なくともポケット部に対応する部位が加熱手段によって加熱され、その後錠剤充填用のポケット部が成形される。さて、手段1では、加熱装置の加熱手段に対し、直接電流が流されることにより加熱手段が加熱される。このため、一旦内蔵されたヒータが加熱されて、その熱が伝達されることで加熱手段が加熱されていた従来技術とは異なり、加熱手段自体がいわば発熱体となりうる。従って、加熱手段を加熱するのに要する時間を飛躍的に短縮できる。また、加熱手段の温度を所定温度に制御しようとした場合にも、所定温度に到達するまでの間に遅延が生じにくく(レスポンスがよくなり)、遅延による制御精度の悪化等の不具合を払拭できる。
【0012】
手段2.前記加熱手段は導体からなるとともに、交流磁界をかけることにより渦電流を発生させることの可能な渦電流発生手段を設け、当該渦電流発生手段にて発生させられる渦電流に基づいて前記加熱手段を加熱することを特徴とする手段1に記載のブリスター包装機用加熱装置。
【0013】
手段2によれば、渦電流発生手段によって交流磁界がかけられることにより、導体からなる加熱手段に、渦電流が発生させられる。そして、当該渦電流に基づいて加熱手段が直接加熱される。このため、上記手段1の作用がより確実に奏される。また、加熱手段等を交換しようとした場合、従来ではヒータが内蔵されているが故に、ヒータ及びその配線までも交換せざるを得ず、無駄が多く、また、交換作業が煩雑なものとなってしまっていた。この点、手段2では、渦電流発生手段とは切り離して加熱手段のみを容易に交換等することができる。従って、メンテナンス性の面でも優れたものとなる。なお、「前記加熱手段は磁性体からなる」こととしてもよい。この場合、上記作用効果がより効率的に奏される。
【0014】
手段3.前記加熱手段は、複数の加熱凸部を有する加熱プレート又は加熱ブロックであることを特徴とする手段2に記載のブリスター包装機用加熱装置。
【0015】
手段3によれば、1つの加熱プレート又は加熱ブロックによって一度に複数のポケット部に対応する加熱を施すことができる。結果として、製造効率の向上を図ることができるとともに、メンテナンス性の向上をも図ることができる。
【0016】
手段4.前記加熱手段は、前記ポケット部に対応する部位に複数配置された加熱部材であって、該加熱部材の周囲は前記加熱部材よりも熱伝導率の低い素材よりなる非加熱部材で囲まれていることを特徴とする手段2に記載のブリスター包装機用加熱装置。
【0017】
手段4によれば、真に加熱が必要な部分のみを効率的に加熱することができ、ひいてはエネルギーロスを最小限に抑えることができる。また、後述する手段8に関連し、個々の加熱部材をそれぞれ温度制御するよう構成した場合には、より精密な加熱制御を行うことが可能となる。なお、「非加熱部材は、非磁性体よりなる」こととしてもよい。
【0018】
手段5.移送可能に設けられた包装用フィルムに関し、少なくとも錠剤充填用の複数のポケット部を成形するべく、少なくとも該ポケット部に対応する部位を加熱するためのプレート状、又は、ブロック状の加熱手段を具備してなるブリスター包装機用加熱装置において、
前記加熱手段は、導体からなり、さらに、前記包装用フィルムとは反対側の加熱手段近傍に、交流磁界をかけることにより渦電流を発生させることの可能な渦電流発生手段を設け、前記加熱手段が前記渦電流によって直接加熱されるよう構成したことを特徴とするブリスター包装機用加熱装置。
【0019】
手段5によれば、移送可能に設けられた包装用フィルムに関し、少なくともポケット部に対応する部位がプレート状、又は、ブロック状の加熱手段によって加熱され、その後錠剤充填用の複数のポケット部が成形される。さて、手段5では、加熱手段が導体からなり、さらに、包装用フィルムとは反対側の加熱手段近傍に設けられた渦電流発生手段によって、交流磁界がかけられ、これにより渦電流が発生させられ、もって加熱手段が渦電流によって直接加熱される。このため、一旦内蔵されたヒータが加熱されて、その熱が伝達されることで加熱手段が加熱されていた従来技術とは異なり、加熱手段自体がいわば発熱体となりうる。従って、加熱手段を加熱するのに要する時間を飛躍的に短縮できる。また、加熱手段の温度を所定温度に制御しようとした場合にも、所定温度に到達するまでの間に遅延が生じにくく(レスポンスがよくなり)、遅延による制御精度の悪化等の不具合を払拭できる。また、加熱手段等を交換しようとした場合、従来ではヒータが内蔵されているが故に、ヒータ及びその配線までも交換せざるを得ず、無駄が多く、また、交換作業が煩雑なものとなってしまっていた。この点、手段5では、渦電流発生手段とは切り離して加熱手段のみを容易に交換等することができる。従って、メンテナンス性の面でも優れたものとなる。なお、「前記加熱手段は磁性体からなる」こととしてもよい。この場合、上記作用効果がより効率的に奏される。
【0020】
手段6.前記渦電流発生手段は、鉄心と、該鉄心の周囲に巻回されたコイルとを具備していることを特徴とする手段2乃至5のいずれかに記載のブリスター包装機用加熱装置。
【0021】
手段6によれば、渦電流発生手段は、鉄心と、該鉄心の周囲に巻回されたコイルとを具備しているため、上述した渦電流がより確実に発生させられる。
【0022】
手段7.前記鉄心が、1若しくは複数の割溝を有し、又は、積層構造を有していることを特徴とする手段6に記載のブリスター包装機用加熱装置。
【0023】
渦電流発生手段が鉄心を備えていることにより、鉄心側にも渦電流が流れうる。この点、手段7によれば、鉄心が、1若しくは複数の割溝を有し、又は、積層構造を有しているため、鉄心側での渦電流の発生を極力抑制することができ、もって、より効率的に加熱手段にて渦電流を発生させることができる。結果として、エネルギー効率の飛躍的な向上を図ることができる。
【0024】
手段8.少なくとも前記加熱手段の表面温度又はそれに準ずる温度を計測可能な温度計測手段と、
前記温度計測手段にて計測された温度に基づき、前記コイルへ供給する電力又は周波数を制御する制御手段と
を設けたことを特徴とする手段6又は7に記載のブリスター包装機用加熱装置。
【0025】
手段8によれば、温度計測手段により、少なくとも加熱手段の表面温度又はそれに準ずる温度が計測される。また、温度計測手段にて計測された温度に基づき、制御手段により、コイルへ供給する電力又は周波数が制御される。このように、加熱手段の表面温度がフィードバック制御されるのであるが、上述したとおり、温度制御に関するレスポンス性に優れるため、より正確な制御が実行される。具体的には、所望とする温度に速やかに近づけることができ、制御中においては、実際の温度が、所望とする温度から大きく逸脱してしまうことがない。なお、さらに、「外部入力操作により、所望とする加熱手段の表面温度を設定可能な温度設定手段」を設けることとしてもよく、この場合、「前記温度計測手段にて計測された温度、及び、前記温度設定手段にて設定された温度に基づき、前記コイルへ供給する電力又は周波数を制御する制御手段」としてもよい。
【0026】
手段9.前記加熱手段に、気液二相の熱媒体を充填したジャケット室を設けたことを特徴とする手段1乃至8のいずれかに記載のブリスター包装機用加熱装置。
【0027】
手段9によれば、加熱手段の各部位において仮に温度差が生じた場合でも、低温部においては前記熱媒体が凝縮して該低温部に凝縮潜熱が与えられ、高温部においては熱媒体が蒸発潜熱が奪われる。このため、加熱手段の各部位における温度差が低減され、ひいては、温度の均一化が図られる。
【0028】
手段10.前記加熱手段に、熱媒体を封入したヒートパイプを着脱可能に挿着したことを特徴とする手段1乃至9のいずれかに記載のブリスター包装機用加熱装置。
【0029】
手段10によれば、基本的には、手段9と同様の作用効果、つまり、加熱手段の温度の均一化を図ることができるという作用効果が奏される。また、ヒートパイプが着脱可能となっているため、所定時にはヒートパイプの交換等を容易に行うことができ、メンテナンス性の向上を図ることができる。
【0030】
手段11.手段1乃至10のいずれかに記載の加熱装置を具備してなるブリスター包装機。
【0031】
手段11によれば、上記各作用効果が奏されることにより、ブリスターシートを安定して生産することができる。
【0032】
手段12.移送可能に設けられた包装用フィルムに関し、少なくとも錠剤充填用の複数のポケット部を成形するべく、少なくとも該ポケット部に対応する部位を加熱するための加熱手段を具備してなるブリスター包装機用加熱装置において、
前記加熱手段を、前記ポケット部に対応する部位に設けられた複数の加熱部と、前記加熱部を個々に加熱するヒータとにより構成したことを特徴とするブリスター包装機用加熱装置。
【0033】
ここで、当該手段12及びそれ以降の各手段に対応する従来技術及び課題について言及する。従来、例えば、特開平2002−19734号公報に記載された加熱装置では、包装用フィルムのポケット部に対応する部分(ポケット部形成領域)を部分的に加熱可能な複数の加熱突起を有する加熱プレートが設けられている。また、加熱突起の周囲には、冷却用パイプが設けられている。そして、冷却用パイプに冷却水を供給することで、加熱突起周囲の温度上昇の抑制が図られている。しかしながら、上記技術では、真に加熱を必要とする部分(加熱突起)のみならず、それ以外の、加熱の必要のない部分までも加熱される構成となっている。そして、加熱の必要のない部分については、さらに冷却用パイプを用いているものの、当該部分において熱を奪われることとなるため、加熱のために相当のエネルギーを要することとなり、エネルギー効率の悪化を招いていた。また、加熱の必要のない部分まで加熱するため、所定温度に達するまでの時間が長くなってしまい、温度制御に際しての遅延を招いてしまうおそれもあった。そこで、当該手段以降の各手段においては、上記課題を解決することを主たる目的としている。
【0034】
上記手段12によれば、移送可能に設けられた包装用フィルムに関し、少なくとも複数のポケット部に対応する部位が加熱手段によって加熱され、その後錠剤充填用のポケット部が成形される。さて、手段12では、加熱手段が、ポケット部に対応する部位に設けられた複数の加熱部と、加熱部を個々に加熱するヒータとにより構成されている。このため、真に加熱を必要とする加熱部のみをヒータで加熱すればよく、加熱の必要のない部分まで加熱する場合に比べて、ヒータに供給するエネルギーを抑制することができる。その結果、エネルギー効率の飛躍的な向上を図ることができる。また、真に加熱を必要とする加熱部のみが加熱されるため、加熱部が所定温度に達するまでの時間が、比較的短くて済む。結果として、温度制御に際してのレスポンスの向上を図ることができる。なお、「各加熱部は、相互に離間配置されていること」としてもよい(以降、各手段において同様)。
【0035】
手段13.移送可能に設けられた包装用フィルムに関し、少なくとも錠剤充填用の複数のポケット部を成形するべく、少なくとも該ポケット部に対応する部位を加熱するための加熱手段を具備してなるブリスター包装機用加熱装置において、
前記加熱手段を、前記ポケット部に対応する部位に設けられた複数の加熱部と、前記加熱部を個々に加熱するヒータと、前記加熱部の周囲に配設された非加熱部とにより構成したことを特徴とするブリスター包装機用加熱装置。
【0036】
手段13によれば、移送可能に設けられた包装用フィルムに関し、少なくとも複数のポケット部に対応する部位が加熱手段によって加熱され、その後錠剤充填用のポケット部が成形される。さて、手段13では、加熱手段が、ポケット部に対応する部位に設けられた複数の加熱部と、加熱部を個々に加熱するヒータと、加熱部の周囲に配設された非加熱部とにより構成されている。このため、真に加熱を必要とする加熱部のみがヒータで積極的に加熱され、加熱の必要のない非加熱部まで加熱されにくい。従って、加熱の必要のない部分を加熱する場合に比べて、ヒータに供給するエネルギーを抑制することができる。その結果、エネルギー効率の飛躍的な向上を図ることができる。また、真に加熱を必要とする加熱部のみが積極的に加熱されるため、加熱部が所定温度に達するまでの時間が比較的短くて済む。結果として、温度制御に際してのレスポンスの向上を図ることができる。
【0037】
手段14.前記非加熱部は、前記加熱部よりも熱伝導率の低い素材よりなることを特徴とする手段13に記載のブリスター包装機用加熱装置。
【0038】
手段14によれば、非加熱部が加熱部よりも熱伝導率の低い素材よりなるため、加熱部をより積極的に加熱することができ、非加熱部を加熱されにくくすることができる。そのため、上記作用効果がより確実に奏される。また、加熱部と非加熱部を面一に構成した場合でも、包装用フィルムを部分的に加熱できるというメリットもある。なお、非加熱部を構成する素材としては、セラミックス、ガラス等の熱伝導率の比較的低い有形物であることとしてもよい(加熱部としては、鉄等の金属が好適に用いられる)。また、前記非加熱部は、空気層であることとしてもよい。後者の場合には、加熱手段の軽量化等を図ることができる。
【0039】
手段15.少なくとも前記加熱部の表面温度又はそれに準ずる温度を計測可能な温度計測手段と、
前記温度計測手段にて計測された温度に基づき、前記ヒータの温度を制御する制御手段と
を設けたことを特徴とする手段12乃至14のいずれかに記載のブリスター包装機用加熱装置。
【0040】
手段15によれば、温度計測手段により、少なくとも加熱部の表面温度又はそれに準ずる温度が計測される。また、温度計測手段にて計測された温度に基づき、制御手段により、ヒータの温度が制御される。このため、個々の加熱部の表面温度が適正に制御されることとなり、制御性の向上が図られる。なお、前記温度計測手段は、全ての加熱部に対応して設けられていることとしてもよいし、1又は一部の加熱部に対応して設けられていることとしてもよい。また、「外部入力操作により、所望とする加熱部の表面温度を設定可能な温度設定手段」を設けることとしてもよく、この場合、「前記温度計測手段にて計測された温度、及び、前記温度設定手段にて設定された温度に基づき、前記ヒータの温度を制御する制御手段」としてもよい。
【0041】
手段16.前記制御手段は、前記各ヒータを個別に制御可能となっていることを特徴とする手段15に記載のブリスター包装機用加熱装置。
【0042】
手段16によれば、各ヒータが制御手段によって個別に制御される。従って、各ヒータ、加熱部の個性、特性に応じた制御が実現され、ひいては、温度制御の均質化、制御性の向上等が図られる。
【0043】
なお、1の制御手段が各ヒータを個別に制御可能となっていてもよいし、各ヒータに対応して複数の制御手段を設けることとしてもよい。
【0044】
手段17.移送可能に設けられた包装用フィルムに関し、少なくとも錠剤充填用の複数のポケット部を成形するべく、少なくとも該ポケット部に対応する部位を加熱するための加熱手段を具備してなるブリスター包装機用加熱装置において、
前記加熱手段は、前記ポケット部に対応する部位に設けられた複数の加熱部を具備し、前記加熱部は磁性体からなるとともに、交流磁界をかけることにより前記加熱部に渦電流を発生させることの可能なコイルを各加熱部に設け、前記渦電流に基づいて前記加熱部を直接加熱することを特徴とするブリスター包装機用加熱装置。
【0045】
手段17によれば、移送可能に設けられた包装用フィルムに関し、少なくとも複数のポケット部に対応する部位が加熱手段によって加熱され、その後錠剤充填用のポケット部が成形される。さて、手段17では、加熱手段が、ポケット部に対応する部位に設けられた複数の加熱部を具備し、真に加熱を必要とする該加熱部のみが積極的に加熱される。従って、加熱の必要のない部分を加熱する場合に比べて、ヒータに供給するエネルギーを抑制することができる。その結果、エネルギー効率の飛躍的な向上を図ることができる。また、加熱部が所定温度に達するまでの時間が、比較的短くて済み、結果として、温度制御に際してのレスポンスの向上を図ることができる。さらに、各加熱部に設けられたコイルに交流磁界がかけられることにより加熱部に渦電流が発生させられ、該渦電流に基づいて加熱部が直接加熱される。そのため、より速やかに所定温度まで到達させることができ、一層のレスポンスの向上を図ることができる。
【0046】
手段18.少なくとも前記加熱部の表面温度又はそれに準ずる温度を計測可能な温度計測手段と、
前記温度計測手段にて計測された温度に基づき、前記コイルへ供給する電力又は周波数を制御する制御手段と
を設けたことを特徴とする手段17に記載のブリスター包装機用加熱装置。
【0047】
手段18によれば、温度計測手段により、少なくとも加熱部の表面温度又はそれに準ずる温度が計測される。また、温度計測手段にて計測された温度に基づき、制御手段により、コイルへ供給する電力又は周波数が制御される。このように、加熱部の表面温度がフィードバック制御されるのであるが、上述したとおり、温度制御に関するレスポンス性に優れるため、より正確な制御が実行される。具体的には、所望とする温度に速やかに近づけることができ、制御中においては、実際の温度が、所望とする温度から大きく逸脱してしまうことがない。しかも個々の加熱部が温度制御されるため、より一層効率的な制御が可能となる。なお、前記温度計測手段は、全ての加熱部に対応して設けられていることとしてもよいし、1又は一部の加熱部に対応して設けられていることとしてもよい。また、「外部入力操作により、所望とする加熱部の表面温度を設定可能な温度設定手段」を設けることとしてもよく、この場合、「前記温度計測手段にて計測された温度、及び、前記温度設定手段にて設定された温度に基づき、前記コイルへ供給する電力又は周波数を制御する制御手段」としてもよい。
【0048】
手段19.前記制御手段は、前記各コイルへ供給する電力又は周波数を個別に制御可能となっていることを特徴とする手段18に記載のブリスター包装機用加熱装置。
【0049】
手段19によれば、各コイルへ供給される電力又は周波数が制御手段によって個別に制御される。従って、各コイル、加熱部の個性、特性に応じた制御が実現され、ひいては、温度制御の均質化、制御性の向上等が図られる。なお、1の制御手段が各コイルへ供給する電力又は周波数を個別に制御可能となっていてもよいし、各コイルに対応して複数の制御手段を設けることとしてもよい。
【0050】
手段20.前記加熱部の周囲に非加熱部を配設したことを特徴とする手段17乃至19のいずれかに記載のブリスター包装機用加熱装置。
【0051】
手段20によれば、加熱部を非加熱部によって支持することができるとともに、加熱の必要のない非加熱部については加熱されにくい。従って、加熱の必要のない部分までをも加熱する場合に比べて、コイルに供給する電力を抑制することができる。
【0052】
手段21.前記非加熱部は、前記加熱部よりも熱伝導率の低い素材よりなることを特徴とする手段20に記載のブリスター包装機用加熱装置。
【0053】
手段21によれば、非加熱部が加熱部よりも熱伝導率の低い素材よりなるため、加熱部をより積極的に加熱することができ、非加熱部を加熱されにくくすることができる。そのため、上記作用効果がより確実に奏される。また、加熱部と非加熱部を面一に構成した場合でも、包装用フィルムを部分的に加熱できるというメリットもある。なお、非加熱部を構成する素材としては、セラミックス、ガラス等の熱伝導率の比較的低い有形物であることとしてもよい(加熱部としては、鉄等の金属が好適に用いられる)。また、前記非加熱部は、空気層であることとしてもよい。後者の場合には、加熱手段の軽量化等を図ることができる。
【0054】
手段22.手段12乃至21のいずれかに記載の加熱装置を具備してなるブリスター包装機。
【0055】
手段22によれば、上記各作用効果が奏されることにより、ブリスターシートを安定して生産することができる。
【0056】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、第1の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。図1(a),(b)に示すように、PTPシート(ブリスターシート)1は、例えばPP(ポロプロピレン)よりなり複数のポケット部2を備えた包装用フィルム3と、ポケット部2を塞ぐようにして包装用フィルム3に取着されたアルミニウム製のカバーフィルム4とを有している。各ポケット部2には充填物としての錠剤5が1つずつ収容されている。本実施の形態では、PTPシート1は、帯状の包装用フィルム3及びカバーフィルム4から形成された帯状のPTPフィルム6(図2参照)が打抜かれることで、シート状に製造されている。
【0057】
次に、上記のように構成されてなるPTPシート1を製造するためのPTP包装機10(ブリスター包装機)の概略について、図2に基づき説明する。
【0058】
帯状の包装用フィルム3は、最上流側においてロール状に巻回されている。包装用フィルム3は、上述したようにPP等の比較的硬質で所定の剛性を有する合成樹脂によって構成され(PVC等の他の熱可塑性樹脂材料により構成してもよい)、透明又は半透明を呈している。
【0059】
ロール状に巻回された包装用フィルム3は、間欠的に搬送されるようになっており、包装用フィルム3の搬送経路に沿って、加熱装置12とポケット成形装置13とが順に並設されている。これら加熱装置12及びポケット成形装置13によって、ポケット部形成装置14が構成されている。そして、加熱装置12によって包装用フィルム3が部分的に加熱されて、該包装用フィルム3が比較的柔軟になった状態において、ポケット成形装置13によって包装用フィルム3にポケット部2が成形される。なお、このポケット部2の成形は、包装用フィルム3の搬送動作間のインターバルの際に行われる。
【0060】
ポケット部2が形成された包装用フィルム3の移送経路に沿って、ポケット部2に錠剤5を自動的に充填する錠剤投入装置16、検査装置17、シール装置30(フィルム受けロール18)が配設されている。錠剤投入装置16は、シャッタを開くことで錠剤5を落下させるものであり、このシャッタが開放した時に各ポケット部2に錠剤5が投入される。
【0061】
検査装置17は、錠剤5が各ポケット部2に確実に充填されているか否か、また錠剤5の異常の有無、異物混入の有無等の検査を行うためのものである。該検査装置17は、ポケット部2の開口側からの検査を行う。
【0062】
一方、帯状に形成されたカバーフィルム4は、ロール状に巻回されている。ロール状に巻回されたカバーフィルム4の引出し端は、前記シール装置30(フィルム受けロール18)の方へと案内されている。シール装置30は、フィルム受けロール18とシールロール19とを備える。フィルム受けロール18には、シールロール19が圧接可能となっており、両ロール18,19間に包装用フィルム3及びカバーフィルム4が送り込まれるようになっている。そして、包装用フィルム3及びカバーフィルム4が、両ロール18,19間を加熱圧接状態で通過することで、カバーフィルム4のシーラントが熱溶着される。これにより、包装用フィルム3にカバーフィルム4が取着され、もって錠剤5が各ポケット部2に充填されたPTPフィルム6が製造される。なお、本実施の形態では、フィルム受けロール18がモータによって回転駆動されるようになっており、シールロール19は、前記フィルム受けロール18の回転に追従して従動回転されるようになっている。また、フィルム受けロール18の表面には、前記包装用フィルム3のポケット部2を収容可能な複数の溝部が形成されており、前記シールに際しポケット部2が潰れてしまわないようになっている。
【0063】
フィルム受けロール18の下流ではPTPフィルム6移送経路に沿って、錠剤等の異常の有無、異物混入の有無等の検査を行うための検査装置21が配設されている。この検査装置21はポケット部2の突出面側からの検査を行うものである。従って、検査装置17による検査と相俟って、PTPフィルム6の表裏両面側からの検査を実行することができるようになっている。なお、各検査装置17,21によって不良品判定された場合、その不良品判定となったPTPシートは、図示しない不良シート排出機構によって別途排出される。
【0064】
検査装置21の下流ではPTPフィルム6の移送経路に沿って、スリット成形装置22、刻印装置23及びシート打抜装置24が順に配設されている。スリット成形装置22は、PTPフィルム6の所定位置にスリットを形成する機能を有する。刻印装置23はPTPフィルム6の所定位置にロットナンバー等の識別情報を示す刻印を付す機能を有する。シート打抜装置24は、PTPフィルム6をPTPシート1単位に打抜く機能を有する。なお、PTPフィルム6は、シート幅に合わせて間欠的に移送される。したがって、シート打抜装置24によるPTPシート1の打ち抜きは、PTPフィルム6の移送のインターバルに行われる。シート打抜装置24の下側には、シート打抜装置24から落下するPTPシート1を貯留するための完成品用ホッパ25が設けられている。
【0065】
PTP包装機10の概略は以上のとおりであるが、以下においては、ポケット部位形成装置14のうちの、特に加熱装置12についてより具体的に説明する。但し、本実施の形態における加熱装置12は水平方向に移送される包装用フィルム3の上下位置にそれぞれ配置されるものであるが、以下には説明の便宜上、下側の加熱装置12について説明する。
【0066】
図3は、本実施の形態における加熱装置12等の構成を示す模式図である。同図に示すように、加熱装置12は、加熱手段を構成する加熱プレート31及び渦電流発生手段32を備えている。加熱プレート31は、導体、好ましくは、鉄等の磁性体よりなり、板状のベース部33及びベース部33に一体形成された加熱凸部34を備えている。当該加熱凸部34は、前記ポケット部2に対応するべく、円柱状をなし、複数箇所に規則的に配設されている。本実施の形態では、前記移送される包装用フィルム3が、当該加熱凸部34の表面に接触可能となっている。
【0067】
また、加熱プレート31の内部には、前記加熱凸部34を通過するようにして、複数本のジャケット室35が列状に形成されている。該ジャケット室35には、気液二相の熱媒体が充填されている。
【0068】
前記加熱プレート31の直下側(包装用フィルム3とは反対側)には、前記渦電流発生手段32が設けられている。より詳しくは、渦電流発生手段32は、積層タイプの鉄心41と、鉄心41の外周に巻回された、電磁線輪、すなわち、コイル42とを備えている。コイル42の端部のリード線42aは、交流電源43に接続されている。本実施の形態では、積層タイプの鉄心41が採用されていることから、後述する渦電流が鉄心41側に発生するのが抑制されるようになっている。なお、かかる構成に代えて、普通の鉄心を用いることとしてもよいし、1又は複数の割溝の設けられた鉄心を採用することとしてもよい。
【0069】
本実施の形態では、前記コイル42(リード線42a)に交流電源43からの電力が供給されることにより、交流磁界が発生させられる。そして、該交流磁界が加熱プレート31にかけられることにより渦電流が発生させられるようになっている。かかる渦電流に基づいて加熱プレート31が直接加熱させられるようになっている。
【0070】
また、同図に示すように、本実施の形態では、加熱プレート31(加熱凸部34)の表面温度を制御するための機構が設けられている。すなわち、加熱プレート31の表面近傍には、熱電対からなる温度計測手段51が設けられている。また、外部から、温度条件等に関する情報を入力操作可能な温度設定手段52が設けられている。制御装置50の入力側には、少なくとも前記温度計測手段51及び温度設定手段52が接続されているとともに、制御装置50の出力側は、前記交流電源43(又は、リード線42a途中に設けられた電流(若しくは電圧)調整手段でもよい)に接続されている。制御装置50は、上記温度計測手段51及び温度設定手段52からの信号に基づいて、各種演算等を実行するとともに、交流電源43から供給される電力(より詳しくは、電圧及び電流のうち少なくとも一方)を制御する。
【0071】
次に、上記のように構成されてなる加熱装置12における作用効果について説明する。
【0072】
本実施の形態では、加熱プレート31が導体からなり、さらに、包装用フィルム3とは反対側の加熱プレート31近傍に設けられた渦電流発生手段32によって、加熱プレート31に交流磁界がかけられ、これにより渦電流が発生させられ、もって加熱プレート31が渦電流によって直接加熱される。このため、一旦内蔵されたヒータが加熱されて、その熱が伝達されることで加熱手段が加熱されていた従来技術とは異なり、加熱プレート31自体がいわば発熱体となりうる。従って、加熱プレート31を加熱するのに要する時間を飛躍的に短縮できる。
【0073】
また、本実施の形態では、制御装置50によって加熱プレート31の表面温度がフィードバック制御されるのであるが、かかる場合に、速やかに所定温度に到達させることができ、制御中においては、実際の温度が、所望とする温度から大きく逸脱してしまうことがない。このように、加熱プレート31が温度追従性に優れることで、より確実な加熱、ひいてはポケット部2成形の実現を図ることができる。
【0074】
さらに、加熱手段等を交換しようとした場合、従来ではヒータが内蔵されているが故に、ヒータ及びその配線までも交換せざるを得ず、無駄が多く、また、交換作業が煩雑なものとなってしまっていた。これに対し、本実施の形態では、渦電流発生手段32とは切り離して加熱プレート31のみを容易に交換等することができる。従って、メンテナンス性の面でも優れたものとなる。
【0075】
併せて、加熱プレート31内には、気液二相の熱媒体を充填したジャケット室35が設けられている。このため、加熱プレート31の表面部位によって仮に温度差が生じた場合でも、低温部においては熱媒体が凝縮して該低温部に凝縮潜熱が与えられ、高温部においては熱媒体が蒸発潜熱が奪われる。このため、加熱プレート31表面における温度差が低減され、ひいては、温度の一層の均一化を図ることができる。
【0076】
加えて、本実施の形態の渦電流発生手段32が内部に鉄心41を備えており、該鉄心41側にも渦電流が流れることが懸念されるところ、本実施の形態では、前記鉄心41として積層タイプのものを採用している。このため、鉄心41側での渦電流の発生を極力抑制することができ、もって、より効率的に加熱プレート31にて渦電流を発生させることができる。結果として、エネルギー効率の飛躍的な向上を図ることができる。
【0077】
なお、実施の形態の記載内容に限定されることなく、例えば次のように実施してもよい。
【0078】
(a)実施の形態では、渦電流発生手段32の形状、個数、配置等について特に言及していないが、如何なる形状を有していてもよく、また、個数は1つでもよいし、複数であってもよい。さらに、配置についても特に限定されるものではない。但し、渦電流発生手段32を複数設けるような場合には、加熱凸部34に対応して設けることとするのがより望ましい。
【0079】
(b)実施の形態では、加熱プレート31内に気液二相の熱媒体を充填したジャケット室35を設けることとしているが、かかるジャケット室35を省略する構成としてもよい。また、ジャケット室35に代えて、熱媒体を封入したヒートパイプを着脱可能に挿着することとしてもよい。このような構成とすることで、熱媒体が洩れたりする等の所定時には、ヒートパイプの交換等を容易に行うことができ、メンテナンス性の向上を図ることができる。
【0080】
(c)実施の形態では、制御装置50は、供給される電圧及び電流のうち少なくとも一方を制御するようになっているが、周波数を制御することとしてもよい。
【0081】
(d)加熱プレート31を鉄以外の他の導体(例えばニッケルや、各種合金等)により構成してもよい。
【0082】
(e)実施の形態では、加熱手段として加熱プレート31を採用することとしているが、ブロック状の加熱ブロックを採用してもよい。
【0083】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本第2の実施の形態における加熱装置60も、上述した第1の実施の形態の加熱装置12と同様、PTP包装機10のうち、前記ポケット部2を成形する前段階にポケット部2に対応する部分を加熱するための加熱装置として実現されるものである。
【0084】
図4に示すように、本実施の形態における加熱装置60の加熱手段61は、前記ポケット部2に対応する部位が主として加熱されるようになっているという点に特徴を有している。すなわち、加熱手段61は、前記ポケット部2に対応する円柱状の複数の加熱部62と、加熱部62の周囲に位置し、加熱部62を保持する機能をも果たす非加熱部63とを備え、全体としてプレート状をなしている。加熱部62は、鉄等の熱伝導性に優れた金属材料により構成されており、非加熱部63は、セラミックス等の熱伝導性に乏しい素材(その他にも、ガラス、石膏、空気等でもよい)により構成されている。また、加熱部62は、非加熱部63に対して幾分突出しており、加熱工程に際しては、包装用フィルム3は加熱部62に当接可能となっている。
【0085】
前記各加熱部62の外周には、それぞれヒータ64が設けられ(巻回され)、各ヒータ64が温度制御されるようになっている。より詳しくは、図5に示すように、加熱部62の表面近傍には、それぞれ温度センサ66が設けられており、該温度センサ66からの検出信号が温度計測手段67へと入力されるようになっている。そして、温度計測手段67にて計測された温度信号が制御装置68の方へと入力されるようになっている。この場合において、上記第1の実施の形態と同様、外部から、温度条件等に関する情報を入力操作可能な温度設定手段を設けることとしてもよい。制御装置68の出力側は、電力制御手段69を介して前記ヒータ64に接続されている。従って、制御装置68は、上記温度計測手段66(及び温度設定手段)からの信号に基づいて、各種演算等を実行するとともに、電力制御手段69によって制御される電力(より詳しくは、電圧及び電流のうち少なくとも一方)を制御し、ヒータ64の発熱量を制御する。
【0086】
このように、本実施の形態によれば、加熱手段61が、ポケット部2に対応する部位に互いに離間状態で設けられた複数の加熱部62と、加熱部62を個々に加熱するヒータ64と、加熱部62の周囲に配設された非加熱部63とにより構成されている。このため、真に加熱を必要とする個々の加熱部62のみがヒータ64で積極的に加熱され、加熱の必要のない非加熱部63まで加熱されにくい。従って、加熱の必要のない部分までをも加熱する場合に比べて、ヒータに供給するエネルギーを抑制することができる。その結果、エネルギー効率の飛躍的な向上を図ることができる。また、真に加熱を必要とする加熱部62のみが積極的に加熱されるため、加熱部62が所定温度に達するまでの時間が比較的短くて済む。結果として、温度制御に際してのレスポンスの向上を図ることができる。
【0087】
なお、本例では、加熱部62が非加熱部63に対して幾分突出した構成となっているが、突出しない構成、つまり、加熱部62及び非加熱部63が面一になっている構成を採用してもよい。
【0088】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本第3の実施の形態における加熱装置70も、上述した第1、第2の実施の形態の加熱装置12,60と同様、PTP包装機10のうち、前記ポケット部2を成形する前段階にポケット部2に対応する部分を加熱するための加熱装置として実現されるものである。
【0089】
また、図6に示すように、本実施の形態における加熱装置70の加熱手段71も、前記ポケット部2に対応する部位が主として加熱されるようになっている。すなわち、加熱手段71は、前記ポケット部2に対応する円柱状の複数の加熱部72と、加熱部72の周囲に位置し、加熱部72を保持する機能をも果たす非加熱部73とを備えている。前記各加熱部72の外周には、それぞれヒータ74が設けられ、各ヒータ74が温度制御されるようになっている。
【0090】
但し、本実施の形態では、同図に示すように、1つの制御装置78によって複数の加熱部72(ヒータ74)が温度制御されるようになっている。より詳しくは、1つの加熱部72の表面近傍に設けられた温度センサ76からの検出信号が温度計測手段77へと入力されるようになっている。そして、温度計測手段77にて計測された温度信号が制御装置78の方へと入力されるようになっている。この場合においても、外部から、温度条件等に関する情報を入力操作可能な温度設定手段を設けることとしてもよい。制御装置78の出力側は、電力制御手段79を介して温度センサ76の設けられた加熱部72(図の左部)のヒータ74のみならず、当該加熱部72の近くに配設された複数の加熱部72に設けられたヒータ74にも接続されている。従って、制御装置78は、上記温度計測手段77(及び温度設定手段)からの信号に基づいて、各種演算等を実行するとともに、電力制御手段79によって制御される電力(より詳しくは、電圧及び電流のうち少なくとも一方)を制御し、各ヒータ74の発熱量を一度に制御する。
【0091】
このように、本実施の形態によれば、基本的には上記第2の実施の形態と同等の作用効果が奏される。かかる作用効果に加えて、本実施の形態では、1つの制御装置78によって複数のヒータ74が温度制御される構成となっているため、多くの制御装置を設ける必要がなく、構成上の簡素化を図ることができる。
【0092】
なお、温度センサ76を各加熱部72に対応して設け、温度計測手段77等が各加熱部72の温度を順次スキャニング検出可能な構成としてもよい。
【0093】
(第4の実施の形態)
次に、第4の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本第4の実施の形態における加熱装置80も、上述した第1〜第3の実施の形態の加熱装置12,60,70と同様、PTP包装機10のうち、前記ポケット部2を成形する前段階にポケット部2に対応する部分を加熱するための加熱装置として実現されるものである。
【0094】
また、図7に示すように、本実施の形態における加熱装置80の加熱手段81も、前記ポケット部2に対応する部位が主として加熱されるようになっている。すなわち、加熱手段81は、前記ポケット部2に対応する円柱状の複数の加熱部82と、加熱部82の周囲に位置し、加熱部82を保持する機能をも果たす非加熱部83とを備えている。前記各加熱部82は、「加熱部材」を構成するものであって、その外周には、それぞれコイル84が設けられている。
【0095】
本実施の形態における加熱部72は、鉄心としての機能を奏する。すなわち、前記コイル84の端部のリード線84aは、図示しない交流電源に接続されており、前記コイル84(リード線84a)に交流電源からの電力が供給されることにより、交流磁界が発生させられる。そして、該交流磁界が加熱部82にかけられることにより渦電流が発生させられるようになっている。かかる渦電流に基づいて加熱部82が直接加熱させられるようになっている。
【0096】
また、図示はしないが、上記各実施の形態と同様、本実施の形態においても、加熱部82の表面温度を制御するための機構が設けられている。すなわち、加熱部82に対応して温度計測手段が設けられ、外部から、温度条件等に関する情報を入力操作可能な温度設定手段が設けられている。制御装置の入力側には、少なくとも前記温度計測手段及び温度設定手段が接続されているとともに、制御装置の出力側は、前記交流電源(又は、リード線84a途中に設けられた電流(若しくは電圧)調整手段でもよい)に接続されている。制御装置は、上記温度計測手段及び温度設定手段からの信号に基づいて、各種演算等を実行するとともに、交流電源から供給される電力(より詳しくは、電圧及び電流のうち少なくとも一方)を制御する。この場合において、制御装置等は、複数の加熱部82の温度を一度に制御することとしてもよいし、個々の加熱部に対応して複数の制御装置が設けられた構成としてもよい。
【0097】
次に、上記のように構成されてなる加熱装置80における作用効果について説明する。
【0098】
本実施の形態では、第1の実施の形態と同様、加熱部82が渦電流によって直接加熱される。このため、一旦内蔵されたヒータが加熱されて、その熱が伝達されることで加熱手段が加熱されていた従来技術とは異なり、加熱部82自体がいわば発熱体となりうる。従って、加熱部82を加熱するのに要する時間を飛躍的に短縮できる。また、速やかに所定温度に到達させることができ、制御中においては、実際の温度が、所望とする温度から大きく逸脱してしまうことがない。このように、加熱部82が温度追従性に優れることで、より確実な加熱、ひいてはポケット部2成形の実現を図ることができる。
【0099】
さらに、ポケット部2に対応する部位に複数配置された加熱部82のみが主として加熱される構成となっている。このため、真に加熱が必要な部分のみを効率的に加熱することができ、ひいてはエネルギーロスを最小限に抑えることができ、レスポンス性の向上を図ることができる。また、個々の加熱部82をそれぞれ温度制御するよう構成した場合には、より精度のよい加熱制御を行うことが可能となる。
【0100】
(第5の実施の形態)
次に、第5の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本第5の実施の形態における加熱装置90も、上述した第1〜第4の実施の形態の加熱装置12,60,70,80と同様、PTP包装機10のうち、前記ポケット部2を成形する前段階にポケット部2に対応する部分を加熱するための加熱装置として実現されるものである。
【0101】
また、図8に示すように、本実施の形態における加熱装置90の加熱手段91も、前記ポケット部2に対応する部位が主として加熱されるようになっているとともに、第4の実施の形態と同様、当該部位は渦電流により直接加熱されるようになっている。すなわち、加熱手段91は、前記ポケット部2に対応する円柱状の複数の加熱部92を備えている。但し、セラミックス等の有形物からなる非加熱部は設けられておらず、その代わりに、各加熱部92間は空気層となっている。かかる空気層がいわば非加熱部としての役割を担う。
【0102】
本実施の形態においても、前記各加熱部92は、「加熱部材」を構成するものであって、その外周には、それぞれコイル94が設けられている。上記加熱部92は、鉄心としての機能を奏する。すなわち、前記コイル94の端部のリード線94aは、図示しない交流電源に接続されており、前記コイル94(リード線94a)に交流電源からの電力が供給されることにより、交流磁界が発生させられる。そして、該交流磁界が加熱部92にかけられることにより渦電流が発生させられるようになっている。かかる渦電流に基づいて加熱部92が直接加熱させられるようになっている。
【0103】
また、本実施の形態では有形物としての非加熱部が設けられておらず、別途加熱部92を支持固定する必要がある。この点、本実施の形態では、支持プレート95に対し、セラミックス製の絶縁部材96を介して前記加熱部92が搭載された上で、ねじ97で支持固定されている。なお、図中2点鎖線で示すように、加熱部92の上部に、別途アルミニウム等からなる当接部98を設けることとしてもよい。このように熱伝導性に優れた素材からなる当接部98を設けることで、加熱の均質化を図ることができる。
【0104】
また、本実施の形態においても、図示はしないが、上記各実施の形態と同様、加熱部92の温度を制御するための機構(温度計測手段、温度設定手段、制御装置等)が設けられている。
【0105】
本実施の形態では、第4の実施の形態と同様、加熱部92が渦電流によって直接加熱されるため、加熱部92自体がいわば発熱体となりうる。従って、加熱部92を加熱するのに要する時間を飛躍的に短縮できる。また、速やかに所定温度に到達させることができ、制御中においては、実際の温度が、所望とする温度から大きく逸脱してしまうことがない。このように、加熱部92が温度追従性に優れることで、より確実な加熱、ひいてはポケット部2成形の実現を図ることができる。
【0106】
さらに、ポケット部2に対応する部位に複数配置された加熱部92のみが主として加熱される構成となっている。このため、真に加熱が必要な部分のみを効率的に加熱することができ、ひいてはエネルギーロスを最小限に抑えることができ、レスポンス性の向上を図ることができる。また、個々の加熱部92をそれぞれ温度制御するよう構成した場合には、より精度のよい加熱制御を行うことが可能となる。
【0107】
併せて、別途有形物たる非加熱部を設ける必要がない。このため、装置全体のコンパクト化、軽量化及びコストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態にかかる図であって、(a)はPTPシートを示す斜視図であり、(b)はPTPシートを示す部分拡大断面図である。
【図2】PTP包装機の概略構成を説明するための模式図である。
【図3】第1の実施の形態における加熱装置の構造及び電気的構成を説明するための模式図である。
【図4】第2の実施の形態における加熱装置の主要部を示す部分斜視図である。
【図5】加熱装置の電気的構成を説明するブロック図である。
【図6】第3の実施の形態の電気的構成を説明するブロック図である。
【図7】第4の実施の形態における加熱装置の主要部を示す部分斜視図である。
【図8】第5の実施の形態における加熱装置の主要部を示す部分側面図である。
【符号の説明】
1…PTPシート、2…ポケット部、3…包装用フィルム、5…錠剤、6…PTPフィルム、10…ブリスター包装機としてのPTP包装機、12…加熱装置、31…加熱プレート、32…渦電流発生手段、35…ジャケット室、41…鉄心、42…コイル、50…制御装置、51…温度計測手段、52…温度設定手段。
Claims (11)
- 移送可能に設けられた包装用フィルムに関し、少なくとも錠剤充填用のポケット部を成形するべく、少なくとも該ポケット部に対応する部位を加熱するための加熱手段を具備してなるブリスター包装機用加熱装置において、
前記加熱手段に対し直接電流を流すことによって、当該加熱手段を加熱することを特徴とするブリスター包装機用加熱装置。 - 前記加熱手段は導体からなるとともに、交流磁界をかけることにより渦電流を発生させることの可能な渦電流発生手段を設け、当該渦電流発生手段にて発生させられる渦電流に基づいて前記加熱手段を加熱することを特徴とする請求項1に記載のブリスター包装機用加熱装置。
- 前記加熱手段は、複数の加熱凸部を有する加熱プレート又は加熱ブロックであることを特徴とする請求項2に記載のブリスター包装機用加熱装置。
- 前記加熱手段は、前記ポケット部に対応する部位に複数配置された加熱部材であって、該加熱部材の周囲は、前記加熱部材よりも熱伝導率の低い素材よりなる非加熱部材で囲まれていることを特徴とする請求項2に記載のブリスター包装機用加熱装置。
- 移送可能に設けられた包装用フィルムに関し、少なくとも錠剤充填用の複数のポケット部を成形するべく、少なくとも該ポケット部に対応する部位を加熱するためのプレート状、又は、ブロック状の加熱手段を具備してなるブリスター包装機用加熱装置において、
前記加熱手段は、導体からなり、さらに、前記包装用フィルムとは反対側の加熱手段近傍に、交流磁界をかけることにより渦電流を発生させることの可能な渦電流発生手段を設け、前記加熱手段が前記渦電流によって直接加熱されるよう構成したことを特徴とするブリスター包装機用加熱装置。 - 前記渦電流発生手段は、鉄心と、該鉄心の周囲に巻回されたコイルとを具備していることを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載のブリスター包装機用加熱装置。
- 前記鉄心が、1若しくは複数の割溝を有し、又は、積層構造を有していることを特徴とする請求項6に記載のブリスター包装機用加熱装置。
- 少なくとも前記加熱手段の表面温度又はそれに準ずる温度を計測可能な温度計測手段と、
前記温度計測手段にて計測された温度に基づき、前記コイルへ供給する電力又は周波数を制御する制御手段と
を設けたことを特徴とする請求項6又は7に記載のブリスター包装機用加熱装置。 - 前記加熱手段に、気液二相の熱媒体を充填したジャケット室を設けたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のブリスター包装機用加熱装置。
- 前記加熱手段に、熱媒体を封入したヒートパイプを着脱可能に挿着したことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のブリスター包装機用加熱装置。
- 請求項1乃至10のいずれかに記載の加熱装置を具備してなるブリスター包装機。
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JP2002296051A JP2004131117A (ja) | 2002-10-09 | 2002-10-09 | ブリスター包装機及びブリスター包装機用加熱装置 |
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JP2004131117A true JP2004131117A (ja) | 2004-04-30 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012254817A (ja) * | 2011-06-10 | 2012-12-27 | General Packer Co Ltd | 包装袋のシール装置 |
JP2014213860A (ja) * | 2013-04-22 | 2014-11-17 | 大森機械工業株式会社 | Ptp包装方法およびptp包装機 |
EP2073970B1 (de) | 2006-09-22 | 2015-04-15 | GEA Food Solutions Germany GmbH | Heizplatte mit einer vielzahl von heizpatronen |
-
2002
- 2002-10-09 JP JP2002296051A patent/JP2004131117A/ja active Pending
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