JP2004130615A - 乾燥機構を備えたインクジェットプリンタ - Google Patents
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Abstract
【課題】乾燥機構を備えたインクジェットプリンタにおいて、印刷紙の品位を損なわないように、短時間で十分に印刷紙を乾燥させる。
【解決手段】有色インクと透明インクが吐出可能な印字ヘッドの紙搬送方向下流側に、加熱ローラと加圧ローラからなる乾燥部を配置する。印刷された画像の色の濃淡によって生じる印刷紙上の含水量の差が少なくなるよう、印字ヘッドにおいて有色インク吐出量の少ない部分に透明インクを吐出する。その後乾燥部に印刷紙を通過させ、品位を損なうことなく短時間で印刷紙を乾燥させる。
【選択図】 図1
【解決手段】有色インクと透明インクが吐出可能な印字ヘッドの紙搬送方向下流側に、加熱ローラと加圧ローラからなる乾燥部を配置する。印刷された画像の色の濃淡によって生じる印刷紙上の含水量の差が少なくなるよう、印字ヘッドにおいて有色インク吐出量の少ない部分に透明インクを吐出する。その後乾燥部に印刷紙を通過させ、品位を損なうことなく短時間で印刷紙を乾燥させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は印字直後の湿った用紙を、短時間のうちに乾燥させるための乾燥装置を備えたインクジェットプリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタは、構造が簡単で小型・安価なことから、近年多方面で広く使われている。しかし、インク滴を紙表面に吐出するだけの構造であるため、印刷直後の用紙は多量の水分を含んだ状態であり、印刷直後に画像表面に触れた場合の画像の乱れ、用紙を重ねた際の転写等が問題視される恐れがあった。しかしながら現在のインクジェットプリンタの印字速度では、速度が遅いため印字中に自然乾燥していき表面はある程度乾いた状態になっているため、前記問題点はさほど重要視されていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしインクジェットプリンタにおいて、ヘッドの長尺化、吐出周波数の向上等により印刷速度が速くなり、印字中の自然乾燥量がほとんど期待出来なくなった場合、前述した問題点の発生が懸念され、印字直後の用紙を乾燥させる必要がある。このような用紙の乾燥に対し、従来の技術では、
1.用紙に対し温風を吹き付ける。
2.加熱されたローラのニップを通過させる。
3.用紙裏側から加熱された板を当てる。
4.装置で印刷後用紙をしばらく保持し、より自然乾燥させた後に出力する。
等の方法が用いられている。
【0004】
しかしながらこれらの乾燥方法のうち、1の乾燥方法では熱の伝達効率が良くないため、乾燥に時間がかかる、4の乾燥方法では自然乾燥速度以上には乾燥速度が速くならないため時間がかかる、といった問題点があった。これに対し2、3の乾燥方法では1に対し熱の伝達効率が良く、短時間で大量の水分を乾燥させることができる。しかし図1に示すような色の濃淡が激しい画像の場合、つまり色の濃い部分と薄い部分でインク打ち込み量の差により印刷紙の含水量に大きな差が生じるような画像では、急激に乾燥させた場合、含水量の多い部分は乾燥後の印刷紙収縮量が大きく、含水量の少ない部分は乾燥後の印刷紙収縮量が小さいため、乾燥後の印刷紙に凹凸が生じ、品位を損なうという問題点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、
▲1▼熱源を内蔵する加熱ローラと、この加熱ローラに押圧された加圧ローラとからなる乾燥機構を、印字ヘッドに対し用紙搬送方向下流側の位置に配置する。この時加熱ローラと加圧ローラはニップされている状態になっている。
▲2▼印刷される画像に応じて、印刷時または印刷後にインクの打ち込み量が少ない部分に対し、無色透明のインクを打ち込み、画像の濃淡による印刷紙の含水率の差を少なくする。
▲3▼印刷直後の用紙を、前記▲1▼によって構成されるニップを通過させることで、印刷紙を加熱ローラにより急激に加熱し、塗布されたインク中の水分を蒸発させる。
【0006】
このような構成にすることで、画像の濃淡が激しい場合に生じる、乾燥後の印刷紙に生じる凹凸を少なくすることができ、品位を損なうことなく短時間で印刷直後の用紙を乾燥させることが出来る。
【0007】
【発明の実施の形態】
(第一の実施例)
図2に本発明による乾燥装置のレイアウトを示す。1はインクジェット記録ヘッド、2は紙搬送ローラ、3は印刷紙カートリッジ、4はカッター、5は乾燥部、6は排紙ローラ、7は排紙トレイ、8はクリーニング機構である。
【0008】
用紙カートリッジ3内部にロール状に巻かれている印刷紙31は、紙搬送ローラ2によって精度良く間欠送りされ、この間欠送り速度に合わせインクジェット記録ヘッド1が紙搬送方向に対し直角に動きつつインクを用紙表面に吐出することで、用紙表面に画像が形成される。
【0009】
このインクジェット記録ヘッド1は、従来のインク11に加え、透明インク12も吐出可能になっている。画像を印刷紙31上に形成する際、画像処理部13では、画像上の色の濃淡によって生じる、インク打ち込み量の差を無くすため、印刷紙31上の含水量をインク打ち込み量の一番多い部分に合わせて一定にするべく、有色インクの吐出ドット数をカウントし、あらかじめ演算されている最大吐出ドット数に足りない分は、透明インクを吐出するように、インクジェット記録ヘッド1を制御している。
【0010】
図2は画像処理部13のフローチャートである。まずs100において、不図示の画像入力部より、画像データが画像処理部13へと入力される。画像処理部13ではs200において、画像上の単位面積当たり有色インク吐出ドット数をカウントし有色インク吐出量を決定する。ついでs300にてs200で決定された有色インク吐出量の最大値を持つ部分と、他の部分の有色インク吐出量の比較が行われる。ここで画像処理部13にはあらかじめ設定された、乾燥後の品位を損なわない含水量差の限界値が閾値として入力されている。この閾値と前述した有色インク吐出量の最大値部分と他の部分の比較値を照らし合わせることで、透明インク吐出の必要性が判断される。必要とされる部分に関しては、s400において透明インク吐出量が計算される。これらのステップを踏まえてs500において画像記録条件が決定され、s600においてインクジェット記録ヘッド1を制御され画像が形成されていく。
【0011】
この時、有色インク各色によって、単位体積当たりの含有液体媒体量が違う場合は、各色それぞれ独立して吐出ドット数をカウントして合計含有液体媒体量を演算し、この値に応じて透明インク吐出量を演算しインクジェット記録ヘッド11から吐出するべく制御している。また、最も有色インクの吐出量が多いのは、ブラック、マゼンダ、シアン、イエローの4色系の場合では色の濃い部分、4色系に加え淡インクのある6色や9色系では色が薄い部分となる。
【0012】
印刷終了後、印刷紙31は画像後端がカッター4を通過する位置まで早送りされ、カットされる。カットされた印刷紙31は不図示の搬送系により乾燥部5に搬送される。同時に、ロール側の印刷紙31は印刷準備位置まで走査ローラ2および印刷紙31の逆回転により引き戻される。
【0013】
次に乾燥部5の機能について説明する。
【0014】
本実施例における乾燥装置では、インクジェット記録ヘッド1で水分と染料からなるインクを打ち込まれた印刷紙の表面を乾燥させることを目的とする。印字速度の非常に速いインクジェットプリンタにおいて、インクには大量の水分が含まれているため、インクを短時間に大量に打ち込まれた印刷紙は、自然乾燥では十分乾燥させることができない。この場合次のような問題が生じる。
【0015】
▲1▼画像の乱れ
十分乾燥していない印刷紙表面に触れた場合、用紙表面の画像に汚れ、にじみ等が発生し、画像品位の低下を招く。
【0016】
▲2▼他の用紙への転写
排紙トレイ上に重ねて置かれた場合、用紙の裏側に対して接する他の用紙の表側が転写してしまい、用紙裏側を汚してしまう。
【0017】
以上のような問題を解決するための設けられたのが乾燥部5である。以下に、乾燥部5の構成を説明する。
【0018】
図2に本発明による乾燥部5のレイアウトを示す。51は加熱ローラ、52は加圧ローラ、53はハロゲンランプ、54は乾燥加熱ローラ51と乾燥加圧ローラ52によって形成される乾燥ニップである。55は排気ダクト、56は排気ファン、57は用紙検知センサである。
【0019】
加熱ローラ51は不図示の駆動機構により回転駆動される。さらに、アルミニウム製円筒軸51aにはハロゲンランプ53が内装され、不図示の電源機構により点灯し、加熱ローラ51を加熱する。
【0020】
加圧ローラ52は不図示の加圧機構により加熱ローラ51押圧され、加熱ローラ51とともに乾燥ニップ54を形成している。加圧ローラ52はニップ幅を大きくするために軸部分の外側に柔らかい発泡スポンジを備えたもので、その表面には水分の無い用紙裏側が溶着するのを防ぐため、離形性の良いPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)チューブを巻装されている。プリンタの電源がONされると加熱ローラはハロゲンランプに通電された状態になり、一定の温度まで加熱される。
【0021】
次に乾燥ニップ54の直前に設けられた用紙検知センサ57aが印刷紙31先端を検知すると、排気ファン56が駆動し始め、乾燥ニップ54を通過後に発生する水蒸気を、排気ダクト55を通じて外部へと排出する。この時用紙の有無にかかわらず排気ファン56を常時駆動しているとローラ表面温度が下がってしまい、表面温度を保つためにヒーターを点灯し続けなければならず電力消費が大きくなる。このため排気ファン56は用紙検知センサ57bが印刷紙31後端を検知してからある一定時間が経過した後に駆動を停止するように制御されている。乾燥ニップ54を通過した印刷紙31aは排紙ローラ6を通じて排紙トレイ7に排紙される。
【0022】
この乾燥部5を印刷紙1が印刷終了直後に通過することで、印刷紙は加熱乾燥される。この時、乾燥部5を通過前の印刷紙31の含水量は、画像によらず印刷紙31全体でほぼ均一にされているため、印刷紙31に乾燥後凹凸が生じる事はなく、品位を損ねることなく短時間で乾燥される。
【0023】
次に乾燥装置における加熱ローラのクリーニングについて述べる。
【0024】
乾燥ニップに印刷紙31が挿入される時、印刷紙31の表面側に位置する加熱ローラ51へインクの転写が懸念される。加熱ローラ51表面にインクが転写すると次の印刷紙へさらに転写する可能性があり、この場合印刷品位を損なう。そこで本実施例ではインクを拭き取るために、加熱ローラ51表面に不織布を当接させ、インクを拭き取るクリーニング機構を設けている。
【0025】
8はクリーニング機構で、81はロール状に巻かれた不織布で、巻出しロール82から押し当てローラ83を介し、巻取りロール84に巻き取られる。押し当てローラ83は発泡ゴム製で不図示の加圧部材により加熱ローラ51に押圧されている。よって、不織布81は加熱ローラ51表面に押圧されている。ローラが回動すると、不織布は付着したインクを繊維質間に取り込み加熱ローラ51表面のインクを拭き取る。巻取りロール84は不図示の駆動機構により間欠回動可能で、加熱ローラ51表面に当接している部分の不織布にインクが付着した状態で回動し、新しい不織布面を加熱ローラ表面との当接部に引き出す。この機構により、加熱ローラ51表面は常にインクの付着の無い状態に保たれる。
【0026】
このように画像を印刷する際に、画像上の濃淡による印刷紙31上の含水量の差を無くすため、色の薄い部分には透明なインクを吐出し、印刷紙31上の含水量を一定にする。その後に印刷紙31表面に直接加熱ローラ51を当てて急激に加熱を行い表面の水分を蒸発させる。このような構成にすることで、品位を損なうことなく印刷紙31を短時間で十分乾燥させることが出来る。
【0027】
(第二の実施例)
次に第二の実施例について説明する。構成は第一の実施例と同様であり説明を省略し、相違点について説明する。第一の実施例では画像処理部13において、印刷紙31上の含水量を、最も含水量の多い部分に合わせるべく、有色インクの吐出量が少なく含水量の少ない部分に対し透明インク12を吐出していた。これに対し本実施例では、含水量が多い部分から少ない部分にかけて、徐々に含水量を変化させるよう透明インクを吐出する事を特徴とする。
【0028】
より具体的には、まず単位面積当たりの含水量の差が、どの程度までなら乾燥後の凹凸が目立たない、もしくは無くなるか測定し、この測定値を画像処理部13にあらかじめ入力しておく。画像処理部13は印刷時、前述した測定値を超える事がないよう、含水量の多い部分から少ない部分へ含水量を徐々に変化させるべく、透明インクの吐出量を制御する。
【0029】
このような構成でも第一の実施例と同様、乾燥後の印刷紙31の品位を損ねる事なく、短時間で十分乾燥させることができる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、
▲1▼直接熱源を用紙に当てることで、短時間での用紙表面の乾燥が可能となる。
▲2▼有色インクに加え透明インクを吐出し、画像の濃淡によって生じる印刷紙上の含水量の差を少なくすることで、品位を損なうことなく印刷紙を乾燥させる事ができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】印刷紙の含水量に差が生じる例図。
【図2】画像処理部13におけるフローチャート。
【図3】本発明の第一の実施例を示す図。
【図4】第一の実施例の乾燥部5詳細図。
【符号の説明】
1 インクジェット記録ヘッド
11 有色インクタンク
12 透明インクタンク
13 画像処理部
2 紙搬送ローラ
3 印刷紙カートリッジ
31 印刷紙
4 カッター
5 乾燥部
51 乾燥加熱ローラ
51a アルミニウム製円筒軸
51b 気道
52 乾燥加圧ローラ
53 ハロゲンランプ
54 乾燥ニップ
55 排気ダクト
56 排気ファン
57 用紙検知センサ
6 排紙ローラ
7 排紙トレイ
8 クリーニング機構
81 不織布
82 巻出しロール
83 押し当てローラ
84 巻き取りロール
【発明の属する技術分野】
本発明は印字直後の湿った用紙を、短時間のうちに乾燥させるための乾燥装置を備えたインクジェットプリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタは、構造が簡単で小型・安価なことから、近年多方面で広く使われている。しかし、インク滴を紙表面に吐出するだけの構造であるため、印刷直後の用紙は多量の水分を含んだ状態であり、印刷直後に画像表面に触れた場合の画像の乱れ、用紙を重ねた際の転写等が問題視される恐れがあった。しかしながら現在のインクジェットプリンタの印字速度では、速度が遅いため印字中に自然乾燥していき表面はある程度乾いた状態になっているため、前記問題点はさほど重要視されていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしインクジェットプリンタにおいて、ヘッドの長尺化、吐出周波数の向上等により印刷速度が速くなり、印字中の自然乾燥量がほとんど期待出来なくなった場合、前述した問題点の発生が懸念され、印字直後の用紙を乾燥させる必要がある。このような用紙の乾燥に対し、従来の技術では、
1.用紙に対し温風を吹き付ける。
2.加熱されたローラのニップを通過させる。
3.用紙裏側から加熱された板を当てる。
4.装置で印刷後用紙をしばらく保持し、より自然乾燥させた後に出力する。
等の方法が用いられている。
【0004】
しかしながらこれらの乾燥方法のうち、1の乾燥方法では熱の伝達効率が良くないため、乾燥に時間がかかる、4の乾燥方法では自然乾燥速度以上には乾燥速度が速くならないため時間がかかる、といった問題点があった。これに対し2、3の乾燥方法では1に対し熱の伝達効率が良く、短時間で大量の水分を乾燥させることができる。しかし図1に示すような色の濃淡が激しい画像の場合、つまり色の濃い部分と薄い部分でインク打ち込み量の差により印刷紙の含水量に大きな差が生じるような画像では、急激に乾燥させた場合、含水量の多い部分は乾燥後の印刷紙収縮量が大きく、含水量の少ない部分は乾燥後の印刷紙収縮量が小さいため、乾燥後の印刷紙に凹凸が生じ、品位を損なうという問題点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、
▲1▼熱源を内蔵する加熱ローラと、この加熱ローラに押圧された加圧ローラとからなる乾燥機構を、印字ヘッドに対し用紙搬送方向下流側の位置に配置する。この時加熱ローラと加圧ローラはニップされている状態になっている。
▲2▼印刷される画像に応じて、印刷時または印刷後にインクの打ち込み量が少ない部分に対し、無色透明のインクを打ち込み、画像の濃淡による印刷紙の含水率の差を少なくする。
▲3▼印刷直後の用紙を、前記▲1▼によって構成されるニップを通過させることで、印刷紙を加熱ローラにより急激に加熱し、塗布されたインク中の水分を蒸発させる。
【0006】
このような構成にすることで、画像の濃淡が激しい場合に生じる、乾燥後の印刷紙に生じる凹凸を少なくすることができ、品位を損なうことなく短時間で印刷直後の用紙を乾燥させることが出来る。
【0007】
【発明の実施の形態】
(第一の実施例)
図2に本発明による乾燥装置のレイアウトを示す。1はインクジェット記録ヘッド、2は紙搬送ローラ、3は印刷紙カートリッジ、4はカッター、5は乾燥部、6は排紙ローラ、7は排紙トレイ、8はクリーニング機構である。
【0008】
用紙カートリッジ3内部にロール状に巻かれている印刷紙31は、紙搬送ローラ2によって精度良く間欠送りされ、この間欠送り速度に合わせインクジェット記録ヘッド1が紙搬送方向に対し直角に動きつつインクを用紙表面に吐出することで、用紙表面に画像が形成される。
【0009】
このインクジェット記録ヘッド1は、従来のインク11に加え、透明インク12も吐出可能になっている。画像を印刷紙31上に形成する際、画像処理部13では、画像上の色の濃淡によって生じる、インク打ち込み量の差を無くすため、印刷紙31上の含水量をインク打ち込み量の一番多い部分に合わせて一定にするべく、有色インクの吐出ドット数をカウントし、あらかじめ演算されている最大吐出ドット数に足りない分は、透明インクを吐出するように、インクジェット記録ヘッド1を制御している。
【0010】
図2は画像処理部13のフローチャートである。まずs100において、不図示の画像入力部より、画像データが画像処理部13へと入力される。画像処理部13ではs200において、画像上の単位面積当たり有色インク吐出ドット数をカウントし有色インク吐出量を決定する。ついでs300にてs200で決定された有色インク吐出量の最大値を持つ部分と、他の部分の有色インク吐出量の比較が行われる。ここで画像処理部13にはあらかじめ設定された、乾燥後の品位を損なわない含水量差の限界値が閾値として入力されている。この閾値と前述した有色インク吐出量の最大値部分と他の部分の比較値を照らし合わせることで、透明インク吐出の必要性が判断される。必要とされる部分に関しては、s400において透明インク吐出量が計算される。これらのステップを踏まえてs500において画像記録条件が決定され、s600においてインクジェット記録ヘッド1を制御され画像が形成されていく。
【0011】
この時、有色インク各色によって、単位体積当たりの含有液体媒体量が違う場合は、各色それぞれ独立して吐出ドット数をカウントして合計含有液体媒体量を演算し、この値に応じて透明インク吐出量を演算しインクジェット記録ヘッド11から吐出するべく制御している。また、最も有色インクの吐出量が多いのは、ブラック、マゼンダ、シアン、イエローの4色系の場合では色の濃い部分、4色系に加え淡インクのある6色や9色系では色が薄い部分となる。
【0012】
印刷終了後、印刷紙31は画像後端がカッター4を通過する位置まで早送りされ、カットされる。カットされた印刷紙31は不図示の搬送系により乾燥部5に搬送される。同時に、ロール側の印刷紙31は印刷準備位置まで走査ローラ2および印刷紙31の逆回転により引き戻される。
【0013】
次に乾燥部5の機能について説明する。
【0014】
本実施例における乾燥装置では、インクジェット記録ヘッド1で水分と染料からなるインクを打ち込まれた印刷紙の表面を乾燥させることを目的とする。印字速度の非常に速いインクジェットプリンタにおいて、インクには大量の水分が含まれているため、インクを短時間に大量に打ち込まれた印刷紙は、自然乾燥では十分乾燥させることができない。この場合次のような問題が生じる。
【0015】
▲1▼画像の乱れ
十分乾燥していない印刷紙表面に触れた場合、用紙表面の画像に汚れ、にじみ等が発生し、画像品位の低下を招く。
【0016】
▲2▼他の用紙への転写
排紙トレイ上に重ねて置かれた場合、用紙の裏側に対して接する他の用紙の表側が転写してしまい、用紙裏側を汚してしまう。
【0017】
以上のような問題を解決するための設けられたのが乾燥部5である。以下に、乾燥部5の構成を説明する。
【0018】
図2に本発明による乾燥部5のレイアウトを示す。51は加熱ローラ、52は加圧ローラ、53はハロゲンランプ、54は乾燥加熱ローラ51と乾燥加圧ローラ52によって形成される乾燥ニップである。55は排気ダクト、56は排気ファン、57は用紙検知センサである。
【0019】
加熱ローラ51は不図示の駆動機構により回転駆動される。さらに、アルミニウム製円筒軸51aにはハロゲンランプ53が内装され、不図示の電源機構により点灯し、加熱ローラ51を加熱する。
【0020】
加圧ローラ52は不図示の加圧機構により加熱ローラ51押圧され、加熱ローラ51とともに乾燥ニップ54を形成している。加圧ローラ52はニップ幅を大きくするために軸部分の外側に柔らかい発泡スポンジを備えたもので、その表面には水分の無い用紙裏側が溶着するのを防ぐため、離形性の良いPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)チューブを巻装されている。プリンタの電源がONされると加熱ローラはハロゲンランプに通電された状態になり、一定の温度まで加熱される。
【0021】
次に乾燥ニップ54の直前に設けられた用紙検知センサ57aが印刷紙31先端を検知すると、排気ファン56が駆動し始め、乾燥ニップ54を通過後に発生する水蒸気を、排気ダクト55を通じて外部へと排出する。この時用紙の有無にかかわらず排気ファン56を常時駆動しているとローラ表面温度が下がってしまい、表面温度を保つためにヒーターを点灯し続けなければならず電力消費が大きくなる。このため排気ファン56は用紙検知センサ57bが印刷紙31後端を検知してからある一定時間が経過した後に駆動を停止するように制御されている。乾燥ニップ54を通過した印刷紙31aは排紙ローラ6を通じて排紙トレイ7に排紙される。
【0022】
この乾燥部5を印刷紙1が印刷終了直後に通過することで、印刷紙は加熱乾燥される。この時、乾燥部5を通過前の印刷紙31の含水量は、画像によらず印刷紙31全体でほぼ均一にされているため、印刷紙31に乾燥後凹凸が生じる事はなく、品位を損ねることなく短時間で乾燥される。
【0023】
次に乾燥装置における加熱ローラのクリーニングについて述べる。
【0024】
乾燥ニップに印刷紙31が挿入される時、印刷紙31の表面側に位置する加熱ローラ51へインクの転写が懸念される。加熱ローラ51表面にインクが転写すると次の印刷紙へさらに転写する可能性があり、この場合印刷品位を損なう。そこで本実施例ではインクを拭き取るために、加熱ローラ51表面に不織布を当接させ、インクを拭き取るクリーニング機構を設けている。
【0025】
8はクリーニング機構で、81はロール状に巻かれた不織布で、巻出しロール82から押し当てローラ83を介し、巻取りロール84に巻き取られる。押し当てローラ83は発泡ゴム製で不図示の加圧部材により加熱ローラ51に押圧されている。よって、不織布81は加熱ローラ51表面に押圧されている。ローラが回動すると、不織布は付着したインクを繊維質間に取り込み加熱ローラ51表面のインクを拭き取る。巻取りロール84は不図示の駆動機構により間欠回動可能で、加熱ローラ51表面に当接している部分の不織布にインクが付着した状態で回動し、新しい不織布面を加熱ローラ表面との当接部に引き出す。この機構により、加熱ローラ51表面は常にインクの付着の無い状態に保たれる。
【0026】
このように画像を印刷する際に、画像上の濃淡による印刷紙31上の含水量の差を無くすため、色の薄い部分には透明なインクを吐出し、印刷紙31上の含水量を一定にする。その後に印刷紙31表面に直接加熱ローラ51を当てて急激に加熱を行い表面の水分を蒸発させる。このような構成にすることで、品位を損なうことなく印刷紙31を短時間で十分乾燥させることが出来る。
【0027】
(第二の実施例)
次に第二の実施例について説明する。構成は第一の実施例と同様であり説明を省略し、相違点について説明する。第一の実施例では画像処理部13において、印刷紙31上の含水量を、最も含水量の多い部分に合わせるべく、有色インクの吐出量が少なく含水量の少ない部分に対し透明インク12を吐出していた。これに対し本実施例では、含水量が多い部分から少ない部分にかけて、徐々に含水量を変化させるよう透明インクを吐出する事を特徴とする。
【0028】
より具体的には、まず単位面積当たりの含水量の差が、どの程度までなら乾燥後の凹凸が目立たない、もしくは無くなるか測定し、この測定値を画像処理部13にあらかじめ入力しておく。画像処理部13は印刷時、前述した測定値を超える事がないよう、含水量の多い部分から少ない部分へ含水量を徐々に変化させるべく、透明インクの吐出量を制御する。
【0029】
このような構成でも第一の実施例と同様、乾燥後の印刷紙31の品位を損ねる事なく、短時間で十分乾燥させることができる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、
▲1▼直接熱源を用紙に当てることで、短時間での用紙表面の乾燥が可能となる。
▲2▼有色インクに加え透明インクを吐出し、画像の濃淡によって生じる印刷紙上の含水量の差を少なくすることで、品位を損なうことなく印刷紙を乾燥させる事ができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】印刷紙の含水量に差が生じる例図。
【図2】画像処理部13におけるフローチャート。
【図3】本発明の第一の実施例を示す図。
【図4】第一の実施例の乾燥部5詳細図。
【符号の説明】
1 インクジェット記録ヘッド
11 有色インクタンク
12 透明インクタンク
13 画像処理部
2 紙搬送ローラ
3 印刷紙カートリッジ
31 印刷紙
4 カッター
5 乾燥部
51 乾燥加熱ローラ
51a アルミニウム製円筒軸
51b 気道
52 乾燥加圧ローラ
53 ハロゲンランプ
54 乾燥ニップ
55 排気ダクト
56 排気ファン
57 用紙検知センサ
6 排紙ローラ
7 排紙トレイ
8 クリーニング機構
81 不織布
82 巻出しロール
83 押し当てローラ
84 巻き取りロール
Claims (1)
- 記録ヘッドよりインクを吐出して、記録媒体に記録を行うインクジェットプリンタにおいて、液体からなる媒体を有した有色インクと、前記媒体を含む略無色透明なインクとを備え、印刷する有色インクの媒体量を演算する手段と、該演算結果の媒体量の変化に応じて、無色インクを吐出制御する手段と、を有する、ことを特徴とするインクジェットプリンタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002296252A JP2004130615A (ja) | 2002-10-09 | 2002-10-09 | 乾燥機構を備えたインクジェットプリンタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002296252A JP2004130615A (ja) | 2002-10-09 | 2002-10-09 | 乾燥機構を備えたインクジェットプリンタ |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007118373A (ja) * | 2005-10-27 | 2007-05-17 | Fujifilm Corp | 画像形成装置及び画像形成方法 |
JP2008229981A (ja) * | 2007-03-19 | 2008-10-02 | Seiko Epson Corp | 液体吐出装置、液体吐出方法 |
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-
2002
- 2002-10-09 JP JP2002296252A patent/JP2004130615A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007118373A (ja) * | 2005-10-27 | 2007-05-17 | Fujifilm Corp | 画像形成装置及び画像形成方法 |
JP4742811B2 (ja) * | 2005-10-27 | 2011-08-10 | 富士フイルム株式会社 | 画像形成方法 |
JP2008229981A (ja) * | 2007-03-19 | 2008-10-02 | Seiko Epson Corp | 液体吐出装置、液体吐出方法 |
US8905536B2 (en) | 2011-03-31 | 2014-12-09 | Brother Kogyo Kabushiki Kaisha | Drying apparatus, recording apparatus having the drying apparatus, and method of fabricating nipping member |
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