JP2002036532A - インクジェット記録装置及び方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高品質な縁無しプリントを作成する。 【解決手段】 第１及び第２の搬送ローラ対３０，３１
の間に、サーマルヘッド３４とインクジェットヘッド３
５とを配置する。各搬送ローラ対３０，３１の各押さえ
ローラ３０ｂ，３１ｂをシフト機構６５，６６により昇
降させて、常に搬送ローラ対３０，３１のいずれか一方
で記録紙１７ｂを挟持し搬送させる。記録紙１７ｂの先
端１７ｃが第２の送りローラ対３１を通過する際には、
押さえローラ３１ｂを退避位置にさせ、記録紙１７ｂの
先端１７ｃが通過した後にゆっくりと下降させ挟持位置
にする。記録紙１７ｂの後端１７ｄが第１送りローラ対
３０を通過する前に、押さえローラ３０ｂをゆっくりと
上昇させて挟持開放位置にする。押さえローラ３０ｂ，
３１ｂの昇降がゆっくりと行われ、記録紙１７ｂへの衝
撃が小さくなる。記録紙１７ｂのばたつきが抑えられ、
記録紙１７ｂの先端及び後端の縁部へ高品位なプリント
が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
装置及び方法に関し、特に端縁部の画像の記録精度を改
良したインクジェット記録装置及び方法に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】インクジェットプリンタでは、送りロー
ラ対により記録紙を送りながら各ノズルからインクを記
録紙へ吐出することで、記録紙に画像を記録している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このようなインクジェ
ットプリンタにおいて、記録紙送り方向の端縁部にまで
画像を記録しようとすると、第１と第２の送りローラ対
の間にインクジェットヘッドを配置し、いずれか一方の
送りローラ対により常に記録紙を挟持（ニップ）してお
く必要がある。しかも、画像の記録中に記録紙の先端が
第２の送りローラ対に達するとニップの際の衝撃によっ
て記録紙が上下動し、記録位置における記録紙がばたつ
くことがある。また、画像の記録中に記録紙の後端が第
１の送りローラ対に達し、これを通過すると、ニップ状
態から急激にニップ解除状態になり、同様に記録位置に
おける記録紙がばたつくことがある。このような記録紙
のばたつきは、吐出されたインクの付着位置がずれる原
因になり、画像の品位が低下するという問題がある。

【０００４】本発明は上記課題を解決するためのもので
あり、記録紙のばたつきを抑えてプリント品質が低下す
ることがないようにしたインクジェット記録装置及び方
法を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１記載の発明では、複数のノズルを主走査方
向に並べてなるインクジェットヘッドを用いて、記録紙
またはインクジェットヘッドを副走査方向に送り、前記
記録紙に画像を記録するインクジェット記録装置におい
て、前記記録紙としてロール状に巻き取り収納した帯状
記録紙を用い、この帯状記録紙をプリントサイズに切断
して供給する記録紙供給部と、前記記録紙供給部から供
給された記録紙に対して記録を行う記録部とを備えてい
る。

【０００６】なお、前記記録部を、第１及び第２の送り
ローラ対と、これら第１及び第２の送りローラ対の間に
配置される前記インクジェットヘッドと、記録紙送り方
向において前記インクジェットヘッドに対して上流側ま
たは下流側に配置される乾燥手段と、前記送りローラ対
を記録紙の挟持位置と挟持開放位置との間で変更する挟
持制御手段とから構成することが好ましい。

【０００７】前記挟持制御手段は、第２送りローラ対を
記録紙の先端が通過した後に、第２送りローラ対を挟持
開放位置から挟持位置にし、挟持位置への切り換えを低
速で行うことが好ましく、より好ましくは１０mm／sec
以下、さらに好ましくは4 mm/sec以下の速度で行うこと
が好ましい。また、前記挟持制御手段は、第１送りロー
ラ対を記録紙の後端が通過する前に、第１送りローラ対
を挟持位置から挟持開放位置にし、挟持開放位置への切
り換えを低速で行うことが好ましく、より好ましくは１
０mm／sec 以下、さらに好ましくは4 mm/sec以下の速度
で行うことが好ましい。

【０００８】また、請求項６記載のインクジェット記録
方法では、前記記録紙としてロール状に巻き取り収納し
た帯状記録紙を用い、この帯状記録紙をプリントサイズ
に切断して供給し、このプリントサイズに切断された記
録紙に対して画像を記録することが好ましい。

【０００９】

【発明の実施の形態】図１は本発明のインクジェットプ
リンタを示す概略図である。インクジェットプリンタ１
０は、給紙部１１、カッタ部１２、ペーパーリザーバ１
３、画像記録部１４から構成されている。給紙部１１は
給紙ローラ１６を備えている。給紙ローラ１６は送りモ
ータ１８により回転駆動され、記録紙マガジン１５内の
ロール記録紙１７に接触して回転し、帯状記録紙１７ａ
をカッタ部１２に送る。

【００１０】カッタ部１２は、２組の送りローラ対２
０，２１と、これら送りローラ対２０，２１の間に配置
されるカッタ２２とから構成されている。送りローラ対
２０，２１は送りモータ１８により回転駆動される。送
りモータ１８はドライバ１９を介してシステムコントロ
ーラ（以下、単にコントローラという）２６により回転
制御される。コントローラ２６は、プリントサイズに応
じて帯状記録紙１７ａを送り出し、プリントサイズに応
じた長さとなるように帯状記録紙１７ａをカッタ２２に
位置決めする。この位置決め後に、ドライバ２２ａを介
してカッタ２２が駆動され、帯状記録紙１７ａはカット
シート状記録紙（以下、単にカット記録紙という）１７
ｂに切断される。このカット記録紙１７ｂは、記録紙送
り方向の長さが記録紙幅方向の長さよりも短くなるよう
に切断される。したがって、記録長さを短縮した分だ
け、記録時間が短縮され、効率のよいプリントが可能に
なる。

【００１１】このカット記録紙１７ｂはペーパーリザー
バ１３に送られる。ペーパーリザーバ１３は複数組の送
りローラ対２３により構成されており、最大プリントサ
イズのカット記録紙１７ｂを貯留できる長さで形成さ
れ、カット記録紙１７ｂを一時的に貯留する。

【００１２】画像記録部１４は、第１及び第２搬送ロー
ラ対３０，３１と、記録紙センサ３３と、予熱用サーマ
ルヘッド３４と、インクジェットヘッド３５とから構成
されている。第１及び第２搬送ローラ対３０，３１はモ
ータ３６により回転駆動され、カット記録紙１７ｂをニ
ップして搬送する。モータ３６はドライバ３７を介して
コントローラ２６により回転制御される。記録紙センサ
３３は、第１搬送ローラ対３０の記録紙出口近くに設け
られている。この記録紙センサ３３はカット記録紙１７
ｂの先端を検出し、この先端検出信号をコントローラ２
６に送る。コントローラ２６は、先端検出信号に基づき
モータ３６の回転を制御して、カット記録紙１７ｂを搬
送する。また、コントローラ２６は、この搬送中にモー
タ３６の駆動パルス数に基づき、カット記録紙１７ｂが
各ヘッド３４，３５を通過するタイミングを検出し、記
録開始位置及び乾燥開始位置を特定する。

【００１３】前記予熱用サーマルヘッド３４と、インク
ジェットヘッド３５とは、第１及び第２搬送ローラ対３
０，３１の間で、記録紙送り方向に順に取り付けられて
いる。各ヘッド３４，３５は、カット記録紙１７ｂの送
り方向に直交する記録紙幅方向（主走査方向）に平行に
配置されている。予熱用サーマルヘッド３４の下方には
プラテンローラ３８が配置されており、このプラテンロ
ーラ３８はカット記録紙１７ｂを支持する。

【００１４】予熱用サーマルヘッド３４はシフト機構４
０により昇降自在に構成されている。そして、インクジ
ェットヘッド３５による記録時には下降して、プラテン
ローラ３８との間でカット記録紙１７ｂを挟持して、各
発熱素子３４ａによりカット記録紙１７ｂを予熱する。
また、記録時以外はカット記録紙１７ｂから離れた退避
位置にシフト機構４０によりセットされる。図２に示す
ように、サーマルヘッド３４には主走査方向Ａに多数の
発熱素子３４ａがライン状に並べて設けられている。予
熱は、インク吐出による記録の際に、吐出されたインク
をカット記録紙１７ｂ上で短時間に乾燥するために行
う。

【００１５】このため、図１に示すように、サーマルヘ
ッド３４の各発熱素子３４ａは、ヘッド駆動部４１を介
して駆動制御される。ヘッド駆動部４１には、各発熱素
子３４ａ毎の駆動データがコントローラ２６から送られ
る。駆動データは、インクジェットヘッド３５によるイ
ンク吐出量に基づき決定される。そして、インク吐出量
が大きい画素に対しては、この画素記録エリアに対し
て、サーマルヘッド３４の発熱素子３４ａにより、比較
的大きな予熱エネルギが印加される。また、インク吐出
量が小さい画素に対しては、この画素記録エリアに対し
て、サーマルヘッド３４の発熱素子３４ａにより比較的
に小さな予熱エネルギが印加される。

【００１６】予熱後の冷却の観点からは、サーマルヘッ
ド３４とインクジェットヘッド３５との記録紙送り方向
における距離はできるだけ小さい方が好ましい。そし
て、この距離に応じてサーマルヘッド３４の予熱開始位
置とインクジェットヘッド３５の記録開始位置とが特定
され、カット記録紙１７ｂにおける予熱開始位置に合わ
せてインクジェットヘッド３５による記録が開始される
ように制御される。

【００１７】図３に示すように、インクジェットヘッド
３５には、イエロー（Ｙ）、マゼンタ（Ｍ）、シアン
（Ｃ）、ブラック（Ｋ）の各色のライン記録用のノズル
４６，４７，４８，４９が主走査方向に並べて設けられ
ている。インクジェットヘッド３５内には、周知のよう
に、これら各ノズル４６〜４９近くのインク流路にピエ
ゾ素子が配置されている。このピエゾ素子によりインク
流路を収縮・伸長させることにより、インクの吐出と供
給とが行われる。

【００１８】図１に示すように、各ピエゾ素子はインク
ジェットヘッド駆動部４４により駆動制御される。イン
クジェットヘッド駆動部４４は、画像データに応じた駆
動信号を各ピエゾ素子に与える。このインクジェットヘ
ッド駆動部４４にはコントローラ２６が接続されてい
る。コントローラ２６にはフレームメモリ４５が接続さ
れており、このフレームメモリ４５に、画像読取装置や
画像出力装置からの画像データが書き込まれる。

【００１９】インクジェットヘッド３５の下方には、イ
ンク受けパッド５０が配置されている。図４に示すよう
に、このインク受けパッド５０は、インクジェットヘッ
ド３５による記録の際にカット記録紙１７ｂを支持する
とともに、カット記録紙１７ｂを超えて吐出されたイン
クをインク受け溝５１〜５４によって受ける。インク受
け溝５１〜５４は、インクジェットヘッド３５の各ノズ
ル４６〜４９に対応して、各色毎に設けられており、そ
の幅Ｗ１はインクドロップ径の２倍以上、その深さＤ１
はインクジェットヘッド３５とカット記録紙１７ｂとの
隙間Ｇ１の２倍以上、長さは主走査方向における各ノズ
ル総数の長さよりも僅かに長くされている。

【００２０】各インク受け溝５１〜５４にはチューブ５
５を介して廃インクタンク５６、バキューム吸引装置５
７が接続されており、インク受け溝５１〜５４に吐出さ
れたインクは廃インクタンク５６に貯留される。

【００２１】図１に示すように、コントローラ２６は、
各色の画像データに基づき各色のノズル４６〜４９毎の
ピエゾ素子の駆動データを求める。この駆動データはイ
ンクジェットヘッド駆動部４４に送られる。そして、コ
ントローラ２６は、カット記録紙１７ｂの送りに同期し
てヘッド駆動部４４を介して各ピエゾ素子を駆動する。
これにより、画像データに応じたサイズ及び数量のイン
ク液滴がカット記録紙１７ｂに向けて吐出され、このイ
ンク液滴がカット記録紙１７ｂに付着する。

【００２２】本実施形態では、階調表現方法として、ド
ット径制御法とドット密度制御法とを併用して高画質な
プリントを実現しているが、これはドット径制御法、ド
ット密度制御法の一方を採用してもよい。なお、図３に
示すように、各色のノズル４６〜４９は一定ピッチで副
走査方向Ｂに離れて形成されており、この分だけ、記録
する画像データをずらしたもので各色のピエゾ素子が駆
動される。したがって、最終的には、同一ラインには同
一の各色画像データに基づくインク液滴が記録されるこ
とになる。

【００２３】図５に示すように、本発明では縁無しプリ
ントを作成するために、インクジェットヘッド３５の各
ノズル４６〜４９（図３参照）によるインクの吐出エリ
ア６０はカット記録紙１７ｂの記録面（記録紙全面）を
僅かに超える範囲に設定される。このカット記録紙１７
ｂを超えて吐出される幅Ｗ２は、カット記録紙１７ｂを
送る際の最大蛇行量よりも僅かに長く設定してある。し
たがって、カット記録紙１７ｂが蛇行しても、記録紙１
７ｂの縁に余白ができることがなく、縁無しプリントを
確実に作成することができる。また、カット記録紙１７
ｂから外れたインク液滴は、インク受けパッド５０のイ
ンク受け溝５１〜５４で受けられ、バキューム吸引装置
５７により、チューブ５５を介して廃インクタンク５６
に溜められる。

【００２４】第１及び第２送りローラ対３０，３１でカ
ット記録紙１７ｂをニップ搬送するため、記録紙先端１
７ｃまたは後端１７ｄが各送りローラ対３０，３１を通
過するときに、カット記録紙１７ｂが衝撃を受け、この
衝撃が記録位置における記録紙１７ｂのばたつきの原因
になる。そこで、ニップ搬送時に各押さえローラ３０
ｂ，３１ｂがカット記録紙１７ｂに衝撃を与えることが
ないように、押さえローラ３０ｂ，３１ｂのカット記録
紙１７ｂへの接触をソフトに行うとともに、カット記録
紙１７ｂから押さえローラ３０ｂ，３１ｂをソフトに離
している。これら押さえローラ３０ｂ，３１ｂをソフト
に接触または離反させるためには、接触時または離反時
の押さえローラ３０ｂ，３１ｂのシフト速度を通常速度
よりも下げてゆっくりと行う。シフト速度を低下させる
には、シフト機構の駆動源であるモータの回転速度を変
更することで行う。なお、記録紙に接触する瞬間、及び
記録紙から離れる瞬間にシフト速度が低下すれば、その
衝撃が緩和されるので、これらの瞬間の前後の短い適宜
時間にシフト速度を低下させればよい。本実施形態で
は、押さえローラ３０ｂ、３１ｂの記録紙接触時または
離反時のシフト速度は、２mm／sec としているが、これ
に限定されることなく、適宜変更してよい。このシフト
速度は、より好ましくは１０mm／sec 以下、さらに好ま
しくは４mm／sec以下である。また、符号３０ａ，３１
ａは駆動ローラであり、これら駆動ローラ３０ａ，３１
ａは送りモータ３６により回転駆動される。

【００２５】図６は、第１及び第２の送りローラ対３
０，３１の各押さえローラ３０ａ，３１ａの動きを、カ
ット記録紙１７ｂの送り状態に合わせて示したものであ
る。（Ａ）はカット記録紙１７ｂの先端１７ｃが第１送
りローラ対３０及びサーマルヘッド３４を通過する状態
を示している。このカット記録紙１７ｂの先端１７ｃの
通過時には、第１送りローラ対３０がローラシフト機構
６５によりニップ状態にされており、また、サーマルヘ
ッド３４がシフト機構４０によりニップ状態にされてい
る。この状態で駆動ローラ３０ａ及びプラテンローラ３
８が送りモータ３６により駆動され、カット記録紙１７
ｂはインクジェットヘッド３５に向けて送られる。

【００２６】カット記録紙１７ｂの先端１７ｃがインク
ジェットヘッド３５を通過すると、この先端１７ｃの通
過に合わせて、各ノズル４６〜４９からインクが吐出さ
れ画像が記録される。そして、サーマルヘッド３４によ
りカット記録紙１７ｂはインク吐出量に応じて予熱され
ているため、吐出されたインクが効率よく乾燥される。

【００２７】図６（Ｂ）に示すように、カット記録紙１
７ｂの先端１７ｃが第２送りローラ対３１を通過した後
に、ローラシフト機構６６が作動して、押さえローラ３
１ｂが下降し、カット記録紙１７ｂをニップ状態にす
る。このときの押さえローラ３１ｂの下降はゆっくりと
行われる。これにより、ニップが開始されてもニップに
よる衝撃をカット記録紙１７ｂに与えることがない。し
たがって、カット記録紙１７ｂはばたつくことなく、イ
ンクジェット記録が精度よく行われる。その後は、第１
及び第２送りローラ対３０，３１によりカット記録紙１
７ｂがニップ搬送され、この搬送中にインクジェット記
録が継続される。

【００２８】図６（Ｃ）に示すように、カット記録紙１
７ｂの後端１７ｄが第１送りローラ対３０に接近する
と、ローラシフト機構６５により押さえローラ３０ｂが
ゆっくりと上昇され、第１送りローラ対３０のニップが
解除される。このとき、押さえローラ３０ｂがゆっくり
と上昇するため、ニップ解除による衝撃は少なく、カッ
ト記録紙１７ｂはばたつくことなく、インクジェット記
録が精度よく行われる。同様にして、カット記録紙１７
ｂの後端１７ｄの通過にともないサーマルヘッド３４が
シフト機構４０によりゆっくりと上昇され、カット記録
紙１７ｂへ衝撃を与えることがない。

【００２９】カット記録紙１７ｂの先端１７ｃがインク
ジェットヘッド３５を通過すると、インクの吐出が停止
される。このようにして、カット記録紙１７ｂの先端１
７ｃから後端１７ｄに渡ってインクジェット記録が行わ
れるため、カット記録紙１７ｃの先端部及び後端部に余
白が発生することがない。また、インクジェット記録
は、カット記録紙１７ｂの幅よりも僅かに長い幅のイン
ク吐出エリア６０とされるため、カット記録紙１７ｂの
左右側縁部に余白が発生することがない。したがって、
余白の無い縁無しプリントを簡単に得ることができる。
しかも、カット記録紙１７ｂが記録位置でばたつくこと
がなくプリント品質が低下することがない。

【００３０】以下、図６（Ａ）〜（Ｄ）を繰り返すこと
で、各カット記録紙１７ｂに対してインクジェット記録
が行われる。図１に示すように、このようにして作製さ
れた縁無しプリント７５は、トレー７６に排出される。

【００３１】なお、上記実施形態では、第１及び第２の
送りローラ対３０，３１の各押さえローラ３０ｂ，３１
ｂをシフト機構６５，６６によって個別に上下動させた
が、これはカムなどを用いて、各押さえローラ３０ｂ，
３１ｂを連動させて、図６（Ａ）〜（Ｄ）に示すような
動きを得るようにしてもよい。

【００３２】上記実施形態では、インク吐出量に応じて
各発熱素子３４ａの駆動データを変えて、インクの吐出
量が多いエリアに対しては予熱量を大きくしてインクの
乾燥を効率よく行うようにしたが、サーマルヘッド３４
による予熱は単に各発熱素子３４ａを一律に駆動して行
ってもよい。また、サーマルヘッド３４による予熱の他
に、プラテンローラ３８や送りローラ対３０にヒータを
内蔵させて、予熱を行ってもよい。この場合には、サー
マルヘッド３４を用いることがないので、予熱装置を簡
単に構成することができる他に、サーマルヘッド３４を
シフトさせる必要もなくなり、このシフトに起因する記
録紙１７ｂのばたつきの発生がなくなる。

【００３３】また、予熱する代わりに、または予熱と併
用して、インク吐出後に温風を吹き付けることで、イン
クを乾燥させてもよい。この場合には、乾燥装置例えば
温風ヘッドを設けて、インク吐出後の記録紙に対して温
風を吹き付ける。なお、予熱装置や乾燥装置を用いるこ
となく、インクを自然乾燥させてもよい。

【００３４】上記実施形態では、図３に示すように、１
個のインクジェットヘッド３５に、Ｙ、Ｍ、Ｃ、Ｋの各
ノズル４６〜４９をライン状に形成したが、これに限ら
ず、各色のノズルを複数個に分けて配置した複数のイン
クジェットヘッドを用いたものに対して本発明を実施し
てもよい。例えば、図７に示すように、黒インク用のノ
ズルを有するＫ用インクジェットヘッド１１０と、Ｙ，
Ｍ，Ｃの各色ノズルを有する各色インクジェットヘッド
１１１を用いて２つのプリントステージ１１２，１１３
を構成し、これら各プリントステージ１１２，１１３の
各ヘッド１１０，１１１それぞれに、その記録紙送り方
向上流側で記録面側にサーマルヘッド１１４，１１５を
設ける。なお、符号１１６はカット記録紙１７ｂの先端
を検出する先端センサを示しており、この先端センサ１
１６の出力信号に基づき記録開始位置を特定している。

【００３５】また、各プリントステージ１１２，１１３
の間のカット記録紙１７ｂには弛み１７ｅを設けてお
き、各プリントステージ１１２，１１３におけるカット
記録紙１７ｂの僅かな送り変動が他のプリントステージ
へ伝達されることがないようにしている。

【００３６】この実施形態においても、図５に示すよう
に、カット記録紙１７ｂの全面を僅かに超えた画像記録
エリア（インク吐出エリア６０）を設定し、カット記録
紙１７ｂの全面を超えてインクを吐出させることで、余
白無しの縁無しプリントが作製される。また、各プリン
トステージ１１２，１１３において、図６に示すような
カット記録紙１７ｂのばたつきを抑えたニップ搬送を行
う。これにより、精度よくインクジェット記録が行われ
る。なお、図７，図８において、図１に示す実施形態と
同一構成部材には同一符号を付して重複した説明を省略
している。また、サーマルヘッド１１４，１１５の代わ
りに、図８に示すような温風ヘッド１３０を用いてもよ
く、この場合には、インクジェットヘッド１１０，１１
１に対して記録紙送り方向下流側に温風ヘッドを配置す
る。

【００３７】図８は、各色毎のインクジェットヘッドを
個別に設けた実施形態を示している。この実施形態で
は、Ｋ用インクジェットヘッド１２０、Ｙ用インクジェ
ットヘッド１２１と、Ｍ用インクジェットヘッド１２２
と、Ｃ用インクジェットヘッド１２３とを設けてプリン
トステージ１２５〜１２８を構成し、これら各プリント
ステージ１２５〜１２８の各ヘッド１２０〜１２３の記
録紙送り方向の下流側にそれぞれ温風ヘッド１３０，１
３１，１３２，１３３を設ける。なお、符号１３５は各
温風ヘッド１３０〜１３３の下方に配置されるプラテン
ローラを示している。そして、記録紙１７ｂの全面を超
えた記録範囲（インク吐出範囲）を設定して、上記実施
形態と同じように、縁無しプリントを作製する。また、
上記実施形態と同じように、各プリントステージ１２５
〜１２８における第１及び第２送りローラ対３０，３１
に対し、図６に示すようなニップ搬送制御を行う。な
お、この実施形態においても、図７に示すような位置で
サーマルヘッドを配置することで、温風ヘッド１３０〜
１３３の代わりにサーマルヘッドで記録紙を予熱し、吐
出されたインクを乾燥させてもよい。

【００３８】図３に示すように各色毎のノズル４６〜４
９を１列に形成する他に、複数ラインで形成してもよ
い。この場合には、ライン数を増やした分だけ主走査方
向におけるノズル密度が低くなるので、その製作が容易
になる。また、カット記録紙１７ｂの全幅分の長さを有
するノズルの代わりに、カット記録紙１７ｂの幅方向の
長さが短いインクジェットヘッドを複数個用いて、これ
らを組み合わせることで、記録紙１７ｂの幅方向に長い
インクジェットヘッドを構成してもよい。このようなイ
ンクジェットヘッドの場合には、各ノズルの配列に合わ
せてインク受け溝を形成したインク受けパッドを用い
る。

【００３９】上記実施形態ではカット記録紙１７ｂを外
して吐出されたインクの回収用としてインク受けパッド
５０を用いたが、この他に、インクジェットヘッドを使
用しない状態では各ノズルを塞いで外気から遮断させる
キャップとしてインク受けパッド５０を用いることが好
ましい。また、ノズル内で乾燥して詰まったインクを吸
引するプライミング用にインク受けパッド５０を用いる
ことが好ましい。このように、インク受けパッド５０
を、キャップ用、プライミング用に兼用することで、部
品点数を減らして構成を簡単にすることができる。

【００４０】上記実施形態では、帯状記録紙を切断する
際に、記録紙送り方向の長さを記録紙の幅よりも短くな
るようにして、プリント時間を短縮するようにしたが、
これに代えて、記録紙送り方向長さを記録紙の幅よりも
長くして切断してもよい。この場合には、幅よりも短く
切断した場合に比べて、プリントサイズを大きくするこ
とができる。

【００４１】上記実施形態では、ピエゾ素子を有するイ
ンクジェットヘッド３５，１１０，１１１，１２０〜１
２３を用いたが、インクを吐出する機構は各種のものを
適用してよい。

【００４２】

【発明の効果】本発明によれば、記録紙としてロール状
に巻き取り収納した帯状記録紙を用い、この帯状記録紙
をプリントサイズに切断し、この切断された記録紙に対
して記録を行うから、種々のプリントサイズに対応した
プリントを簡単に作製することができる。

【００４３】第１及び第２の送りローラ対と、これら第
１及び第２の送りローラ対の間に配置される前記インク
ジェットヘッドと、記録紙送り方向において前記インク
ジェットヘッドに対して上流側または下流側に配置され
る乾燥手段と、前記送りローラ対を記録紙の挟持位置と
挟持開放位置との間で変更する挟持制御手段とから記録
部を構成することにより、第１及び第２の送りローラ対
により記録紙が確実に送られ、余白の無い縁無しプリン
トを簡単に作成することができる。

【００４４】第２送りローラ対を記録紙の先端が通過し
た後に、第２送りローラ対を挟持開放位置から挟持位置
にし、挟持位置への切り換えを低速で行うことにより、
記録紙の挟持をゆっくり行うことができ、挟持による記
録紙への衝撃を小さくすることができる。また、第１送
りローラ対を記録紙の後端が通過する前に、第１送りロ
ーラ対を挟持位置から挟持開放位置にし、挟持開放位置
への切り換えを低速で行うことにより、記録紙の挟持開
放をゆっくりと行うことができ、挟持開放による記録紙
への衝撃を小さくすることができる。

【００４５】記録紙の主走査方向における長さを超え
て、インクジェットヘッドの各ノズルからインクを吐出
させて画像を記録したから、縁無しプリントを簡単に作
製することができる。また、記録紙の最大蛇行量を超え
て、前記画像を記録紙からはみ出して記録することで、
蛇行が発生しても余白が発生することがない縁無しプリ
ントを作製することができる。しかも、各ノズルに対面
する位置にインク受け手段を配置することにより、記録
紙を外れて吐出されたインク液滴はインク受け手段で受
けられるので、記録紙などが余分に吐出されたインクで
汚されることがなくなる。また、記録紙の副走査方向に
おける長さを超えて、インクジェットヘッドの各ノズル
からインクを吐出させて前記画像を記録することによ
り、記録紙の左右側縁部のみならず、前後端縁部にも余
白を無くすことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のインクジェットプリンタを示す概略図
である。

【図２】予熱用サーマルヘッドを示す拡大した正面図で
ある。

【図３】インクジェットヘッドを示す拡大した正面図で
ある。

【図４】インクジェットヘッドとインク受けパッドとを
示す概略図である。

【図５】記録紙とインク吐出エリアとインク受け溝との
関係を示す平面図である。

【図６】第１及び第２の送りローラ対のニップ及びニッ
プ解除状態をカット記録紙の位置に応じて示す動作説明
図である。

【図７】２組のインクジェットヘッドとサーマルヘッド
とを用いた別の実施形態を示す概略図である。

【図８】４組のインクジェットヘッドと温風ヘッドとを
用いた別の実施形態を示す概略図である。

【符号の説明】

１０ インクジェットプリンタ １１ 給紙部 １２ カッタ部 １３ ペーパーリザーバ １４ 画像記録部 １７ 記録紙 １７ｂ カット記録紙 １７ｃ 先端 １７ｄ 後端 ３０，３１ 送りローラ対 ３４，１１４，１１５ サーマルヘッド ３５ １１０，１１１，１２０〜１２３ インクジェッ
トヘッド ５０ インク受けパッド ５１〜５４ インク受け溝 ６０ インク吐出エリア

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 清隆 神奈川県足柄上郡開成町宮台798番地 富 士写真フイルム株式会社内 (72)発明者 細野 康幸 神奈川県足柄上郡開成町宮台798番地 富 士写真フイルム株式会社内 (72)発明者 井上 斉逸 神奈川県足柄上郡開成町宮台798番地 富 士写真フイルム株式会社内 Ｆターム(参考） 2C056 EB13 EB36 EC12 EC28 EC37 HA29 HA41 2C058 AB16 AC07 AC17 AE04 AF06 AF20 AF23 AF51 LA02 LA24 LB09 LB17 LB35 LC10 2C060 BA01 BC03 BC04 BC12 BC15 BC34 BC84 3F103 AA02 BA05 BA25

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数のノズルを主走査方向に並べてなる
   インクジェットヘッドを用いて、記録紙またはインクジ
   ェットヘッドを副走査方向に送り、前記記録紙に画像を
   記録するインクジェット記録装置において、 前記記録紙としてロール状に巻き取り収納した帯状記録
   紙を用い、この帯状記録紙をプリントサイズに切断して
   供給する記録紙供給部と、 前記記録紙供給部から供給された記録紙に対して記録を
   行う記録部とを備えたことを特徴とするインクジェット
   記録装置。
2. 【請求項２】 前記記録部を、第１及び第２の送りロー
   ラ対と、これら第１及び第２の送りローラ対の間に配置
   される前記インクジェットヘッドと、記録紙送り方向に
   おいて前記インクジェットヘッドに対して上流側または
   下流側に配置される乾燥手段と、前記送りローラ対を記
   録紙の挟持位置と挟持開放位置との間で変更する挟持制
   御手段とから構成したことを特徴とする請求項１記載の
   インクジェット記録装置。
3. 【請求項３】 前記挟持制御手段は、第２送りローラ対
   を記録紙の先端が通過した後に、第２送りローラ対を挟
   持開放位置から挟持位置にし、この挟持位置への切り換
   えを低速で行うことを特徴とする請求項２記載のインク
   ジェット記録装置。
4. 【請求項４】 前記挟持制御手段は、第１送りローラ対
   を記録紙の後端が通過する前に、第１送りローラ対を挟
   持位置から挟持開放位置にし、この挟持開放位置への切
   り換えを低速で行うことを特徴とする請求項２または３
   記載のインクジェット記録装置。
5. 【請求項５】 複数のノズルを主走査方向に並べてなる
   インクジェットヘッドを用いて、記録紙またはインクジ
   ェットヘッドを副走査方向に送り、前記記録紙に画像を
   記録するインクジェット記録方法において、 前記記録紙としてロール状に巻き取り収納した帯状記録
   紙を用い、この帯状記録紙をプリントサイズに切断して
   供給し、 このプリントサイズに切断された記録紙に対して画像を
   記録することを特徴とするインクジェット記録方法。