JP2004129667A - ニュートロカインα - Google Patents

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Abstract

【課題】ニュートロカインαタンパク質をコードした、単離された核酸分子を提供する。
【解決手段】以下の配列に少なくとも95%同一の配列を有するポリヌクレオチドを含む、単離された核酸分子:(a)特定なアミノ酸配列を有するニュートロカインαポリペプチドをコードする配列;(b)1996年10月22日のATCC寄託に含まれるcDNAクローンによってコードされる完全なアミノ酸配列を有するニュートロカインαをコードする配列;(c)ニュートロカインαポリペプチド細胞外ドメインをコードする配列;(d)ニュートロカインαポリペプチド膜貫通ドメインをコードする配列;(e)ニュートロカインαポリペプチド細胞内ドメインをコードする配列;(f)膜貫通ドメインを欠除する溶解性ニュートロカインαポリペプチドをコードする配列;(g)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、または(f)の任意の配列に相補的な配列。
【選択図】 なし

Description

 本発明は、好中球により発現される新規のサイトカイン(これは、それゆえニュートロカインαタンパク質(「ニュートロカインα」)と称されている)に関する。詳細には、ニュートロカインαタンパク質をコードした、単離された核酸分子が提供される。ニュートロカインαポリペプチドはまた、ベクター、宿主細胞、およびこれを産生する組換え方法として提供される。
 (関連技術)
 ヒト腫瘍壊死因子(TNF−α)および(TNF−β、またはリンホトキシン)は、ポリペプチドメディエーターの幅広いクラスの関連メンバーであり、このクラスはインターフェロン、インターロイキン、および増殖因子を含み、総称してサイトカインと呼ばれる(Beutler, B.およびCerami, A. Annu. Ret., Immunol.,7:625−655(1989))。サイトカインレセプターの配列分析は、以下の膜タンパク質のいくつかのサブファミリーを定義する:(1)Igスーパーファミリー、(2)ヘマトポエチン(サイトカインレセプタースーパーファミリー)、および(3)腫瘍壊死因子(TNF)/神経成長因子(NGF)レセプタースーパーファミリー(TNFスーパーファミリーの概説については、GrussおよびDower, Blood 85(12):3378−3404(1995)、ならびにAggarwalおよびNatarajan, Eur. Cytokine Netw., 7(2):93−124(1996)を参照のこと)。TNF/NGFレセプタースーパーファミリーは、少なくとも10の異なったタンパク質を含む。GrussおよびDower、前出。これらのレセプターのリガンドは同定され、そして少なくとも2つのサイトカインスーパーファミリーに属する。GrussおよびDower、前出。
 腫瘍壊死因子(TNF−αおよびTNF−βの混合物)は、もともとその抗腫瘍活性の結果として発見されたが、現在は、いくつかの形質転換細胞株のアポトーシス、細胞の活性化および細胞増殖の媒介を含む、ならびにまた免疫調節および炎症における重要な役割を果たすような、多数の生物学的活性が可能な多面的なサイトカインとして認識されている。
 今日まで、TNFリガンドスーパーファミリーの既知のメンバーには、TNF−α、TNF−β(リンホトキシン−α)、LT−β、OX40L、Fasリガンド、CD30L、CD27L、CD40L、および4−IBBLが含まれる。TNFリガンドスーパーファミリーのリガンドは、酸性、細胞外ドメインにおいて約20%の配列相同性(12%〜36%の範囲)を有するTNF様分子であり、そして三量体/多量体複合体である生物学的活性形態を有する膜結合形態として主に存在する。TNFリガンドスーパーファミリーの溶解性形態は、これまでTNF、LT、β、およびFasリガンドについて同定されているのみであり(一般的な概説として、Gruss, H.およびDower, S.K., Blood, 85(12):3378−3404(1995)を参照のこと、これは、本明細書中でその全体が参考として援用される)。これらのタンパク質は、細胞増殖、活性化および分化の調節(細胞生存またはアポトーシスもしくは細胞傷害性による細胞死の制御を含む)に関与関する(Armitage, R.J., Curr. Opion. Immunol. 6:407(1994)、およびSmith, C.A., Cell 75:959(1994))。
 腫瘍壊死因子−α(TNFα;カケクチンとも称される;本明細書中以下「TNF」)は、エンドトキシン、または17kDタンパク質サブユニットの溶解性ホモ三量体のような他の刺激の応答において単球およびマクロファージによって主に分泌される(Smith, R.A.ら、J. Biol. Chem. 262:6951−6954(1987))。TNFの膜結合26kD前駆体形態もまた記載されている(Kriegler, M.ら、Cell 53:45−53(1988))。
 蓄積した証拠は、TNFが多面的な生物学的活性を有する調節性サイトカインであることを示す。これらの活性には以下が含まれる:リポタンパク質リパーゼ合成(「カケクチン」活性)の阻害(Beutler, B.らNature 316:552(1985))、多形核白血球の活性化(Klebanoff, S.J.ら、J. Immunol. 136:4220(1986);Perussia, Bら、J. Immunol. 138:765(1987))、細胞増殖の阻害または細胞増殖の刺激(Vilcek, J.ら、J. Exp. Med. 163:632(1986);Sugarman, B. J.ら、Science 230:943(1985);Lachman, L.B.ら、J. Immunol. 138:2913(1987))、特定の形質転換細胞タイプにおける細胞傷害性活性(Lachman, L.B.ら、前出;Darzynkiewicz, Z.ら、Canc. Res. 44:83(1984))、抗ウイルス活性(Kohase, M.ら、Cell 45:659(1986);Wong, G.H.W.ら、Nature 323:819(1986))、骨再吸収刺激(Bertolini, D.R.ら、Nature 319:516(1986);Saklatvala, J., Nature 322:547(1986))、コラゲナーゼおよびプロスタグランジンE2産生の刺激(Dayer, J.−M.ら、J. Exp. Med. 162:2163(1985));および免疫調節作用(T細胞(Yokota, S.ら、J. Immunol. 140:531(1988))、B細胞(Kehrl, J.H.ら、J. Exp. Med. 166:786(1987))、単球(Philip, R.ら、Nature 323:86(1986))、胸腺細胞(Ranges, G.E.ら、J. Exp. Med. 167:1472(1988))の活性化、ならびに腫瘍組織適合性複合体(MHC)クラスIおよびクラスII分子の細胞表面発現の刺激(Collins, T.ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 83:446(1986);Pujol−Borrel, R.ら、Nature 326:304(1987))を含む)。
 TNFは、以下のような組織創傷を生じるそのプロ炎症性作用について示されている:血管内皮細胞における凝血促進活性の誘導(Pober, J.S.ら、J. Immunol. 136:1680(1986))、好中球およびリンパ球の増強した接着(Pober, J.S.ら、J. Immunol. 138:3319(1987))、ならびにマクロファージ、好中球、および血管内皮細胞からの血小板活性化因子の放出の刺激(Camussi, G.ら、J. Exp. Med. 166:1390(1987))。
 最近の証拠は、TNFを、多くの感染(Cerami, A.ら、Immunol. Today 9:28(1988))、免疫障害、腫瘍性症状(例えば、いくつかの悪性を伴う悪液性における)(Oliff. A.ら、Cell 50:555(1987))の病原体、ならびに自己免疫症状および移植片対宿主症状(Piguet, P.−F.ら、J. Ecp. Med. 166:1280(1987))に関連づける。ガンおよび感染症状とのTNFの関連は、しばしば宿主代謝状態に相関する。ガン患者の主な問題は体重の減少であり、通常摂食障害と関連する。生じる大規模な衰弱は、「悪液質」として知られる(Kern, K.A.ら、J. Parent. Enter. Nutr. 12:286−298(1988))。悪液質は、進行性の体重減少、摂食障害、および悪性増殖の応答における体重の持続性衰退を含む。従って、悪液性状態は顕著な死亡率と関連し、そして多数のガン死亡率の原因である。多数の研究が、TNFが、ガン、感染症状、および他の代謝性状態における悪液質の重要なメディエーターであることを示唆している。
 TNFは、発熱、倦怠感、摂食障害、および悪液質を含む、グラム陰性敗血症およびエンドトキシン性ショック(Michie, H.R.ら、Br. J. Surg. 76:670−671(1989);Debetes, J. M. H.ら、Second, Vienna Shock Forum, 463−466頁(1989);Simpson, S. Q.ら、Crit. Care Clin. 5:27−47(1989))の病理生理学的結果における中心的役割を果たすと考えられている。エンドトキシンは、強力な単球/マクロファージアクチベーターであり、これは、TNFの産生および分泌(Kornbluth, S.K.ら、J. Immunol. 137:2585−2591(1986))、ならびに他のサイトカインを刺激する。TNFは、エンドトキシンの多くの生物学的効果を模倣し得るので、エンドトキシン関連病の臨床的徴候に応答可能な中心的メディエーターであると結論付けられた。TNFおよび他の単球誘導性サイトカインは、エンドトキシンに対する代謝性応答および神経ホルモン性応答を媒介する(Michie, H.R.ら、N. Eng. J. Med. 318:1481−1486(1988))。ヒトボランティアへのエンドトキシンの投与は、発熱、頻脈、代謝速度の上昇、およびストレスホルモン放出を含むインフルエンザ様症状を伴う急病を生じる(Revhaug, A.ら、Arch. Surg. 123:162−170(1988))。循環性TNFの上昇したレベルはまた、グラム陰性敗血症に罹患した患者において見い出されている(Waage, A.ら、Lancet 1:355−357(1987);Hammerle, A. F.ら、Second Vienna Shock Forum 715−718頁、(1989);Debets, J. M. H.ら、Crit. Care Med. 17:489−497(1989);Calandra, T.ら、J. Infec. Dis. 161:982−987(1990))。
 TNFの中和に指向される受動的免疫治療は、上記のようにこれらの病理状態における増大したTNF産生および上昇したTNFレベルに基づく、グラム陰性敗血症およびエンドトキシンにおける毒性効果を有し得る。カケクチン(後にTNFと同一であることが見い出された)として特徴付けられた「モジュレーター」物質に対する抗体は、Ceramiらによって開示された(欧州特許公開0,212,489、1987年3月4日)。このような抗体は、診断的免疫アッセイにおいて、および細菌性感染におけるショックの試料において有用であるといわれた。Rubinら(欧州特許公開0,218,868、1987年4月22日)は、ヒトTNFに対するモニクローナル抗体、このような抗体を分泌するハイブリドーマ、このような抗体を産生する方法、ならびにTNFの免疫アッセイにおけるこのような抗体の使用を開示した。Yoneら(欧州特許公開0,288,088、1988年10月26日)は、抗TNF抗体( mAbを含む)および症状の免疫アッセイ診断における(特に川崎病の症状および細菌感染)それらの有用性を開示した。川崎病の症状を有する患者の体液(小児急性熱病粘膜皮膚リンパ節症候群;Kawasaki, T., Allergy 16:178(1967);Kawasaki, T., Shonica(Pediatrics)26:935(1985))は、症状の進行に関連して上昇したTNFレベルを有するといわれた(Yoneら、前出)。
 他の研究者はインビトロでの活性を中和した組換えヒトTNFに特異的なmAbを記載した(Liang, C−M.ら、Biochem. Biophys. Res. Comm. 137;847−854(1986);Meager, A.ら、Hybridoma 6:305−311(1987);Fendlyら、Hybridoma 6:359−369(1987);Bringman, T Sら、Hybridoma 6:489−507(1987);Hirai, M.ら、J. Immunol. Meth. 96:57−62(1987);Moller, A.ら(Cytokine 2:162−169(1990)))。これらのmAbのいくつかは、ヒトTNFのエピトープをマッピングし、酵素免疫アッセイを開発する(Fendlyら、前出;Hiralら、前出;Mollerら、前出)ため、および組換えTNFの精製において補助する(Bringmanら、前出)ために使用された。しかし、これらの研究は、免疫原性、特異性の欠除、および/または薬学的適合性に起因して、インビボ診断的使用またはヒトにおける治療的使用のために使用され得る抗体を中和するTNFを産生するための基礎を提供しない。
 中和抗血清またはTNFに対するmAbは、ヒト以外の哺乳動物において、有害な生理学的変化を排除し、そして実験的な内毒症および菌血症における致死的チャレンジ後の死から予防することが示されている。この効果は、例えば、げっ歯類致死率アッセイにおいて、および霊長類病理学モデル系において実証されている(Mathison, J.C.ら、J. Clin. Invest. 81:1925−1937(1988);Beutler, B.ら、Science 229:869−871(1985);Tracey, K.J.ら、Nature 330:662−664(1987);Shimamoto, Y.ら、Immunol. Lett. 17:311−318(1988);Silva, A. T.ら、J. Infect. Dis. 162:421−427(1990)Opal, S. M.ら、J. Infect. Dis. 161:1148−1152(1990);Hinshaw, L.B.ら、Circ. Shock 60:279−292(1990))。
 今日までに、ヒトにおける抗TNF mAb治療の経験は限られているが、有用な治療結果を示している(例えば、関節炎および敗血症)。例えば、Elliott, M.J.ら、Baillieres Clin. Rheumatol. 9:633−52(1995);Feldmann Mら、Ann. N. Y. Acad. Sci. USA 766:272−8(1995);van der Poll, T.ら、Shock 3:1−12(1995);Wherryら、Crit. Care. Med. 21:S436−40(1993);Tracey K. J.ら、Crit. Care Med. 21 S415−22(1993)を参照のこと。
 哺乳動物の発生は、細胞の増殖および分化の両方ならびにアポトーシスの間におこるプログラムされた細胞死に依存する(Walkerら、Methods Achiev. Exp. Pathol. 13:18(1988))。アポトーシスは、自己抗原を認識する免疫胸腺細胞の破壊に重要な役割を担う。この正常な除去プロセルの欠失は、自己免疫疾患における役割を果たし得る(Gammonら、Immunology Today 12:193(1991))。
 Itohら(Cell 66:233(1991))は、アポトーシスを媒介し、そしてT細胞のクローン性欠失に関与する、細胞表面抗原、Fas/CD23を記載する。Fasは、活性化T細胞、B細胞、好中球に加えて、成体マウスにおける活性化T細胞、B細胞、好中球において、ならびに胸腺、肝臓、心臓、および肺ならびに卵巣において、発現される(Watanabe−Fukunagaら、J. Immunol. 148:1274(1992))。モノクローナルAbがFasに対して架橋する実験において、アポトーシスは誘導される(Yoneharaら、J. Exp. Med. 169:1747(1989);Trauthら、Science 245:301(1989))。さらに、FasへのモノクローナルAbの結合は特定の条件下でT細胞に対して刺激性である例がある(Aldersonら、J. Exp. Med. 178:2231(1993))。
 Fas抗原は、45Kdの相対分子量の細胞表面タンパク質である。Fasのヒトおよびマウス両方の遺伝子は、Watanabe−Fukunagaらによってクローン化されている(J. Immunol. 148:1274(1992)およびItohら(Cell 66:233(1991))。これらの遺伝子によってコードされるタンパク質は、神経成長因子/腫瘍壊死因子レセプタースーパーファミリー(2つのTNFレセプター、低親和性神経成長因子レセプター、ならびにCD40、CD27、CD30、およびOX40を含む)に構造的相同性を有する両方の膜貫通タンパク質である。
 最近、Fasリガンドが記載されている(Sudaら、Cell 75:1169(1993))。このアミノ酸配列は、FasリガンドがTNFファミリーに属するII型膜貫通タンパク質であることを示す。従って、Fasリガンドポリペプチドは、3つの主要ドメインを含む:疎水性膜貫通ドメインによって結合された、アミノ末端での短い細胞内ドメインおよびカルボキシ末端での長い細胞外ドメイン。Fasリガンドは脾臓細胞および胸腺細胞において発現され、T細胞媒介性細胞傷害性と一致する。精製Fasリガンドは40kDの分子量を有する。
 最近では、Fas/Fasリガンド相互作用がT細胞の活性化後のアポトーシスに必要とされることが示されている(Juら、Nature 373:444(1995);Brunnerら、Nature 373:441(1995))。T細胞の活性化は、細胞表面上の両タンパク質を誘導する。リガンドとレセプター間の続く相互作用は、細胞のアポトーシスを生じる。これは、正常な免疫応答の間の、Fas/Fasリガンド相互作用によって誘導されるアポトーシスへの可能な調節的役割を支持する。
 従って、病理学的状態に関与するTNFに類似したサイトカインを提供する必要がある。このような新規のサイトカインは、TNF様サイトカインに関連した障害の治療へのこれらのTNF様サイトカインを結合する新規の抗体または他のアンタゴニストを作成するために使用され得る。
 (発明の要旨)
 本発明は、TNFおよび関連サイトカインに構造的に類似し、そして類似の生物学的効果および活性を有すると考えられるサイトカインをコードするポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子を提供する。このサイトカインは、ニュートロカインαと命名され、そして本発明は、少なくとも図1におけるアミノ酸配列(配列番号2)または1996年10月22日にATCC寄託として細菌宿主において寄託されたcDNAクローンによりコードされるアミノ酸配列の一部を有するニュートロカインαポリペプチドを含む。寄託されたニュートロカインαクローンの配列決定により決定されたヌクレオチド配列(これは、図1(配列番号1)に示される)は、N末端メチオニン、約46アミノ酸残基の推定細胞内ドメイン、約26アミノ酸の推定膜貫通ドメイン、約213アミノ酸の推定細胞外ドメイン、および約31kDaの完全タンパク質についての推定分子量を含む285アミノ酸残基の完全ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを含む。他のII型膜貫通タンパク質について、ニュートロカインαの可溶性形態は、膜貫通ドメインから切断された細胞外ドメインのすべてまたは一部、および膜貫通ドメインを欠く完全ニュートロカインαポリペプチドを含むポリペプチド(すなわち、細胞内ドメインに結合した細胞外ドメイン)を含む。
 従って、本発明の1つの局面は、以下からなる群から選択されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子を提供する:(a)図1(配列番号2)におけるか、または1996年10月22日のATCC寄託に含まれるcDNAクローンによりコードされるとおりの完全アミノ酸配列を有するニュートロカインα全長ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(b)図1(配列番号2)におけるか、または1996年10月22日のATCC寄託に含まれるcDNAクローンによりコードされるとおりのアミノ酸配列73位〜285位を有するニュートロカインαポリペプチドの推定細胞外ドメインをコードするヌクレオチド配列;(c)ニュートロカインαの細胞内ドメインを含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(図1(配列番号2)におけるか、または1996年10月22日のATCC寄託に含まれるcDNAクローンによりコードされるとおりのアミノ酸残基約1位〜約46位);(d)ニュートロカインαの膜貫通ドメインを含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(図1(配列番号2)におけるか、または1996年10月22日のATCC寄託に含まれるcDNAクローンによりコードされるとおりのアミノ酸残基約47〜約72);(e)細胞外ドメインおよび細胞内ドメイン有するが膜貫通ドメインを欠く可溶性ニュートロカインαポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;および(f)上記(a)、(b)、(c)、(d)、または(e)におけるヌクレオチド配列のいずれかに相補的なヌクレオチド配列。
 本発明のさらなる実施態様は、上記の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)または(f)におけるヌクレオチド配列のいずれかに対して、少なくとも90%同一の、およびより好ましくは、95%、96%、97%、98%、または99%同一のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド、あるいは上記の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)または(f)におけるポリヌクレオチドに対してストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子を含む。ハイブリダイズするこのポリヌクレオチドは、A残基またはT残基のみからなるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドに対してはストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下ではハイブリダイズしない。本発明のさらなる核酸の実施態様は、上記の(a)、(b)、(c)、(d)、または(e)におけるアミノ酸配列を有するニュートロカインαポリペプチドのエピトープ保有部分のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子に関する。
 本発明はまた、本発明の単離された核酸分子を含む組換えベクター、およびこの組換えベクターを含む宿主細胞、ならびにこのようなベクターおよび宿主細胞を作製するための方法および組換え技術によりニュートロカインαポリペプチドまたはペプチドの産生のためにこれらを使用する方法に関する。
 本発明はさらに、以下からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む単離されたニュートロカインαポリペプチドを提供する:(a)図1(配列番号2)に示されるか、または1996年10月22日のATCC寄託に含まれるcDNAクローンによりコードされるとおりの完全アミノ酸配列を有するニュートロカインα全長ポリペプチドのアミノ酸配列;(b)図1(配列番号2)におけるか、または1996年10月22日のATCC寄託に含まれるcDNAクローンによりコードされるとおりのアミノ酸配列73位〜285位を有するニュートロカインαポリペプチドの推定細胞外ドメインのアミノ酸配列;(c)ニュートロカインαの細胞内ドメインのアミノ酸配列(図1(配列番号2)におけるか、または1996年10月22日のATCC寄託に含まれるcDNAクローンによりコードされるとおりのアミノ酸残基約1位〜約46位);(d)ニュートロカインαの推定膜貫通ドメインのアミノ酸配列(図1(配列番号2)におけるか、または1996年10月22日のATCC寄託に含まれるcDNAクローンによりコードされるとおりのアミノ酸残基約47位〜約72位);および(e)これらのドメインの各々が上記のように規定される、細胞外ドメインおよび細胞内ドメイン有するが膜貫通ドメインを欠く可溶性ニュートロカインαポリペプチドのアミノ酸配列。
 本発明のポリペプチドはまた、上記の(a)、(b)、(c)、(d)、または(e)に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の類似性、およびより好ましくは、少なくとも95%の類似性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド、ならびに上記のアミノ酸配列に少なくとも80%同一、より好ましくは少なくとも90%同一、およびなおより好ましくは95%、96%、97%、98%、または99%同一である、アミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。
 本発明のこの局面のさらなる実施態様は、上記の(a)、(b)、(c)、(d)、または(e)に記載されるアミノ酸配列を有するニュートロカインαポリペプチドのエピトープ保有部分のアミノ酸配列を有するペプチドまたはポリペプチドに関する。本発明のニュートロカインαポリペプチドのエピトープ保有部分のアミノ酸配列を有するペプチドまたはポリペプチドは、少なくとも6もしくは7、好ましくは少なくとも9、そしてより好ましくは少なくとも約30アミノ酸〜約50アミノ酸を含むこのようなポリペプチドの部分を含むが、上記に記載される本発明のポリペプチドのアミノ酸配列の全体までおよびそれを含む任意の長さのエピトープ保有ポリペプチドもまた、本発明に含まれる。別の実施態様において、本発明は、上記の(a)、(b)、(c)、(d)、または(e)に記載されるアミノ酸配列を有するポリペプチドに特異的に結合する単離された抗体を提供する。 
 本発明はさらに、本明細書中に記載のとおりのアミノ酸配列を有するニュートロカインαポリペプチドに特異的に結合する抗体を単離する方法を提供する。このような抗体は、以下に記載されるように診断的または治療的に有用である。
 本発明はまた、可溶性ニュートロカインαポリペプチド、特にヒトニュートロカインαポリペプチドを含む薬学的組成物を提供する。可溶性ニュートロカインαポリペプチドは、例えば、腫瘍および腫瘍転移、細菌、ウイルス、または他の寄生生物による感染、免疫不全症、炎症性疾患、リンパ腺腫、自己免疫疾患、移植片対宿主疾患を処置するため、ならびに末梢寛容を刺激し、いくつかの形質転換細胞株を破壊し、細胞活性化および増殖を媒介するために、使用され得、そして免疫調節および炎症応答の最初の媒介物として機能的に連結している。
 本発明はさらに、インビトロで細胞に、エキソビボで細胞に、およびインビボで細胞に、または多細胞生物に投与するためのニュートロカインαポリヌクレオチドまたはニュートロカインαポリペプチドを含む組成物を提供する。本発明のこの局面の特定の特に好ましい実施態様において、組成物は、疾患の処置のための宿主生物におけるニュートロカインαポリペプチドの発現のためのニュートロカインαポリヌクレオチドを含む。この点に関して特に好ましいのは、ニュートロカインα遺伝子の異常な内因性活性に関連する機能不全の処置のためのヒト患者における発現である。
 本発明はまた、候補化合物とニュートロカインを発現する細胞とを接触させること、細胞応答をアッセイすること、および標準的な細胞応答(ここで、標準は、接触が候補化合物の非存在下でなされる場合にアッセイされる)とこの細胞応答とを比較することを含む、ニュートロカインαにより誘導される細胞応答を増強または阻害し得る化合物を同定するためのスクリーニング方法を提供し、この標準は候補化合物の非存在下で接触される場合にアッセイされる。ここで、標準よりも増強された細胞応答は、化合物がアゴニストであることを示し、そして標準よりも減少した細胞応答は、化合物がアンタゴニストであることを示す。
 別の局面において、ニュートロカインαレセプターを同定するための方法、ならびにこのようなレセプターを使用するアゴニストおよびアンタゴニストのためのスクリーニングアッセイが提供される。このアッセイは、ニュートロカインαレセプターに対する、ニュートロカインαの結合における候補化合物の影響を決定することを含む。特に、本方法は、ニュートロカインαレセプターをニュートロカインαポリペプチドおよび候補化合物と接触させる工程、ならびに候補化合物の存在に起因してニュートロカインαレセプターに結合するニュートロカインαポリペプチドが増加するかまたは減少するかを決定する工程を包含する。アンタゴニストは、敗血症性ショック、炎症、大脳マラリア、HIVウイルスの活性化、移植片宿主拒絶、骨再吸収、関節炎リウマチ、および悪液質(老廃物または貧栄養)を予防するために使用され得る。
 本発明者ら、は、ニュートロカインαが好中球のみならず、腎臓、肺、末梢生白血球、骨髄、T細胞リンパ腫、B細胞リンパ腫、活性化T細胞、胃ガン、平滑筋、マクロファージ、臍帯血液組織にもまた発現されることを見出した。多数のこれらの組織および細胞の障害(例えば、腫瘍および腫瘍転移、細菌、ウイルス、および他の寄生生物の感染、免疫不全、敗血症生性ショック、炎症、大脳マラリア、HIVウイルスの活性化、移植片対宿主拒絶、骨再吸収、関節炎リウマチ、および悪液質(老廃物または貧栄養)について、「標準的な」ニュートロカインα遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有していない固体からの組織または体液におけるニュートロカインαの発現レベル)と比較して、有意により高いかまたはより低いレベルのニュートロカインα遺伝子発現が、そのような障害を有する固体から取られた特定の組織(例えば骨髄)または体液(例えば、血清、血漿、尿、関節液、または髄液)において検出され得ると考えられる。従って、本発明は、障害の診断の間に有用である診断方法を提供する。これは、以下を含む:(a)個体の細胞または体液のニュートロカインα遺伝子発現レベルをアッセイすること;(b)ニュートロカインα遺伝子発現レベルを、標準的なニュートロカインα遺伝子発現レベルと比較し、それにより標準的な発現レベルと比較した、アッセイされたニュートロカインα遺伝子発現レベルにおける増加または減少を障害の指標とすること。
 本発明のさらなる局面は、体内のニュートロカインα活性レベルの上昇を必要とする個体を処置するための方法であって、治療有効量の、本発明の単離されたニュートロカインαポリペプチドまたはそのアゴニストを含む組成物をそのような個体に投与する工程を包含する方法に関する。
 本発明のなおさらなる局面は、体内のニュートロカインα活性レベルの減少を必要とする個体を処置するための方法であって、治療有効量の、ニュートロカインαアンタゴニストを含む組成物をそのような個体に投与する工程を包含する方法に関する。本発明における使用のための好ましいアンタゴニストは、ニュートロカインα特異的抗体である。
 本発明は、以下を提供する。
 (1)以下からなる群から選択される配列に少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む、単離された核酸分子:
 (a)図1における完全なアミノ酸配列(配列番号2)を有するニュートロカインαポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;
 (b)1996年10月22日のATCC寄託に含まれるcDNAクローンによってコードされる完全なアミノ酸配列を有するニュートロカインαをコードするヌクレオチド配列;
 (c)ニュートロカインαポリペプチド細胞外ドメインをコードするヌクレオチド配列;
 (d)ニュートロカインαポリペプチド膜貫通ドメインをコードするヌクレオチド配列;
 (e)ニュートロカインαポリペプチド細胞内ドメインをコードするヌクレオチド配列;
 (f)細胞外ドメインおよび細胞内ドメインを含むが、膜貫通ドメインを欠除する溶解性ニュートロカインαポリペプチドをコードするヌクレオチド;
 (g)上記の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、または(f)における任意のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列。
 (2)前記ポリヌクレオチドが図1における完全なヌクレオチド配列(配列番号1)を有する、項目(1)に記載の核酸分子。
 (3)前記ポリヌクレオチドが、図1における完全なアミノ酸配列(配列番号2)を有するニュートロカインαポリペプチドをコードする図1におけるヌクレオチド配列(配列番号1)を有する、項目(1)に記載の核酸分子。
 (4)前記ポリヌクレオチドが、図1に示される細胞外ドメインを含む溶解性ニュートロカインαをコードするヌクレオチド配列(配列番号2)を有する、項目(1)に記載の核酸分子。
 (5)以下からなる群から選択される配列と少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む、単離された核酸分子:
 (a)配列番号2の残基n〜285からなるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列であって、ここで、nは2〜190の範囲の整数である、配列;
 (b)配列番号2の残基1〜mからなるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列であって、ここで、mは274〜284の範囲の整数である、配列;
 (c)配列番号2の残基n〜mからなるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列であって、ここで、nおよびmはそれぞれ上記の(a)および(b)に規定される整数である、配列;
 (d)1996年10月22日のATCC寄託に含まれるcDNAクローンによってコードされる完全なニュートロカインαアミノ酸配列の一部分からなるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列であって、ここで、該一部分が、該完全なアミノ酸配列のアミノ末端から1〜190アミノ酸およびC末端から1〜11アミノ酸を含まない、ヌクレオチド配列。
 (6)前記ポリヌクレオチドが、1996年10月22日のATCC寄託に含まれるcDNAクローンの完全なヌクレオチド配列を有する、項目(1)に記載の核酸分子。
 (7)前記ポリヌクレオチドが、1996年10月22日のATCC寄託に含まれるcDNAクローンによってコードされる完全なアミノ酸配列を有するニュートロカインαポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有する、項目(1)に記載の核酸分子。
 (8)前記ポリヌクレオチドが、1996年10月22日のATCC寄託に含まれるcDNAクローンによってコードされる細胞外ドメインを含む溶解性ニュートロカインαポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有する、項目(1)に記載の核酸分子。
 (9)項目(1)の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、または(f)におけるヌクレオチド配列に同一なヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドに、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドを含む、単離された核酸分子であって、ここで、該ハイブリダイズするポリヌクレオチドが、A残基のみまたはT残基のみからなるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドに、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズしない、単離された核酸分子。
 (10)項目(1)の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、または(f)におけるアミノ酸配列を有するニュートロカインαポリペプチドのエピトープ保有部分のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを含む、単離された核酸分子。
 (11)以下からなる群から選択されるニュートロカインαポリペプチドのエピトープ保有部分をコードする、項目(10)に記載の単離された核酸分子:約Phe 115〜約Leu 147のアミノ酸残基(配列番号2)を含むポリペプチド;約Ile 150〜約Tyr 163のアミノ酸残基(配列番号2)のアミノ酸残基を含むポリペプチド;約Ser 171〜約Phe 194のアミノ酸残基(配列番号2)を含むポリペプチド;約Glu 223〜約Tyr 247のアミノ酸残基(配列番号2)を含むポリペプチド;および約Ser 271〜約Phe 278のアミノ酸残基(配列番号2)を含むポリペプチド。
 (12)項目(1)に記載の単離された核酸分子をベクター中に挿入する工程を包含する、組換えベクターを作製するための方法。
 (13)項目(12)に記載の方法によって産生される、組換えベクター。
 (14)項目(13)に記載の組換えベクターを宿主細胞中に導入する工程を包含する、組換え宿主細胞を作製する方法。
 (15)項目(14)に記載の方法によって産生される組換え宿主細胞。
 (16)ニュートロカインαポリペプチドを産生するための組換え方法であって、該ポリペプチドが発現され、そして該ポリペプチドを回収するような条件下で、項目(15)に記載の該組換え宿主細胞を培養する工程を包含する、方法。
 (17)以下からなる群から選択される配列に少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む、単離されたニュートロカインαポリペプチド:
 (a)図1(配列番号2)における完全なアミノ酸配列を有する、ニュートロカインαのアミノ酸配列;
 (b)1996年10月22日のATCC寄託に含まれるcDNAクローンによってコードされる完全なアミノ酸配列を有する、ニュートロカインαのアミノ酸配列;
 (c)ニュートロカインαポリペプチド細胞外ドメインのアミノ酸配列;
 (d)ニュートロカインαポリペプチド膜貫通ドメインのアミノ酸配列;
 (e)ニュートロカインαポリペプチド細胞内ドメインのアミノ酸配列;
 (f)ドメインを含む溶解性ニュートロカインαポリペプチドのアミノ酸配列;および
 (g)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、または(f)のポリペプチドのいずれか1つのエピトープ保有部分のアミノ酸配列。
 (18)ニュートロカインαのエピトープ保有部分を含む項目(17)に記載の単離されたポリペプチドであって、ここで、前記部分は以下からなる群から選択される:約Phe 115〜約Leu 147のアミノ酸残基(配列番号2)を含むポリペプチド;約Ile 150〜約Tyr 163のアミノ酸残基(配列番号2)のアミノ酸残基を含むポリペプチド;約Ser 171〜約Phe 194のアミノ酸残基(配列番号2)を含むポリペプチド;約Glu 223〜約Tyr 247のアミノ酸残基(配列番号2)を含むポリペプチド;および約Ser 271〜約Phe 278のアミノ酸残基(配列番号2)を含むポリペプチド。
 (19)項目(17)に記載のニュートロカインαポリペプチドに特異的に結合する、単離された抗体。
 (20)項目(17)に記載のポリペプチドおよび薬学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物。
 (21)以下からなる群から選択される配列に少なくとも95%同一の配列を有するポリヌクレオチドを含む、単離された核酸分子:
 (a)クローンHSOAD55Rのヌクレオチド配列(配列番号7);
 (b)クローンHSLAH84Rのヌクレオチド配列(配列番号8);
 (c)クローンHLTBM08Rのヌクレオチド配列(配列番号9);
 (d)図1に示される配列(配列番号1)の部分のヌクレオチド配列であって、ここで、前記部分は、ヌクレオチド1〜ヌクレオチド809の少なくとの30の連続したヌクレオチドを含む;および
 (e)上記の(a)、(b)、(c)、または(d)におけるヌクレオチド配列のいずれかに相補的なヌクレオチド配列。
 (詳細な説明)
 本発明は、クローン化されたcDNAニュートロカインαを配列決定することによって決定された、図1(配列番号2)に示されるアミノ酸配列を有するニュートロカインαポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子を提供する。図1(配列番号1)に示されるヌクレオチド配列は、1996年10月22日にアメリカンタイプカルチャーコレクション、12301 Park Lawn Drive, Rockville, Marylandに寄託された、HNEDU15クローンの配列決定によって得られた。寄託されたクローンは、pBluescript SK(−)プラスミド(Stratagene, La Jolla, CA)に含まれる。
 本発明のニュートロカインαタンパク質は、TNF−α、TNF−β、およびFasリガンドのヒトmRNAの翻訳産物と配列相同性を共有している(図2)。上記のように、TNFαは、細胞傷害性、壊死、アポトーシス、副刺激、増殖、リンパ節形成、免疫グロブリンクラススイッチ、分化、抗ウイルス活性、接着分子ならびに他のサイトカインおよび増殖因子の調節において役割を果たす重要なサイトカインであると考えられる。
 (核酸分子)
 他に示されない限り、本明細書中でDNA分子を配列決定することによって決定されたすべてのヌクレオチド配列は、自動化DNA配列決定機(例えば、Applied Biosystems, Inc.からのModel 373)を用いて決定され、そして本明細書中で決定されるDNA分子によってコードされるポリペプチドのすべてのアミノ酸配列は、上記のように決定されるDNA配列の翻訳によって予想された。従って、この自動化アプローチによって決定された任意のDNA配列について当該分野において公知のように、本明細書中で決定される任意のヌクレオチド配列はいくつかの誤りを含み得る。自動化によって決定されるヌクレオチド配列は、配列決定されるDNA分子の実際のヌクレオチド配列に対して、代表的には少なくとも約90%の同一、より代表的には少なくとも約95%から少なくとも約99.9%の同一である。実際の配列は、当該分野において周知の手動DNA配列決定方法を含む他のアプローチによってより正確に決定され得る。当該分野においてまた公知のように、実際の配列と比較した、決定されるヌクレオチド配列における単一の挿入または欠失は、ヌクレオチド配列の翻訳におけるフレームシフトを引き起こし、その結果、決定されるヌクレオチド配列によってコードされる予想されるアミノ酸配列は、挿入または欠失のような点にて始まる配列決定されるDNA分子によって実際にコードされるアミノ酸配列とは完全に異なる。
 核酸分子またはポリヌクレオチドの「ヌクレオチド配列」によって、DNA分子またはポリヌクレオチドについてはデオキシリボヌクレオチドの配列が、そしてRNA分子またはポリヌクレオチドについてはリボヌクレオチド(A, G, C, およびU)の対応する配列(ここで特定されるデオキシリボヌクレオチド配列における各チミジンデオキシリボヌクレオチド(T)は、リボヌクレオチドのウリジン(U)によって置き換えられる)が意図される。
 本明細書中で提供される情報(例えば、図1のヌクレオチド配列)を用いて、ニュートロカインαポリペプチドをコードする本発明の核酸分子は、標準的なクローニングおよびスクリーニング手順(例えば、出発物質としてmRNAを用いてcDNAをクローニングするための手順)を用いて得られ得る。本発明の例として、図1(配列番号1)において記載される核酸分子は、好中球由来のcDNAライブラリー中で発見された。ニュートロカインα cDNAの一部に対応する発現された配列タグもまた、好中球において見出された。
 ニュートロカインα遺伝子は、約285アミノ酸残基(約46アミノ酸の細胞内ドメイン(図1(配列番号2)のほぼ1〜ほぼ46のアミノ酸残基)、約26アミノ酸の膜貫通ドメイン(図1(配列番号2)のほぼ47〜ほぼ72のアミノ酸残基),約213アミノ酸の細胞外ドメイン(図1(配列番号2)のほぼ73〜ほぼ285のアミノ酸残基))のタンパク質をコードするオープンリーディングフレームを含み;そして約31kDaの推定分子量である。図1(配列番号2)に示されるニュートロカインαタンパク質は、GenBank登録番号339764としてアクセスされ得るヒトTNF−αと約20%類似しそして約10%同一である。
 当業者が理解するように、上記の配列決定の誤りの可能性に起因して、寄託されたcDNAによってコードされる実際の完全なニュートロカインαポリペプチド(約285のアミノ酸を含む)は、いくらかより小さいかもしれない。特に、決定されたニュートロカインαコード配列は、図1(配列番号1)のヌクレオチド210−213位で、オープンリーディングフレームの翻訳のための選択的な開始コドンとして役立ち得る第2のメチオニンコドンを含む。より一般的には、実際のオープンリーディングフレームは、図1(配列番号1)に示されるN末端からの第1または第2のメチオニンコドンのいずれかから予測される、±20アミノ酸の範囲、より可能性が高いのは±10アミノ酸の範囲のどこかに存在し得る。種々の機能的ドメインを同定するために使用される分析的基準に依存して、ニュートロカインαポリペプチドの細胞外ドメイン、細胞内ドメイン、および膜貫通ドメインの正確な「アドレス」は、僅かに異なり得ることがさらに理解される。例えば、図1(配列番号2)の、ニュートロカインα細胞外ドメインの正確な位置は、ドメインを規定するために使用した基準に依存して、僅かに変化し得る(例えば、アドレスは、約1〜約20残基、より可能性が高いのは約1〜約5残基「シフト」し得る)。この場合、膜貫通ドメインの末端、および細胞外ドメインの開始部は、図3に示されるように、上記の位置における疎水性アミノ酸配列の同定に基づいて予測される。いずれにしても、以下でさらに考察されるように、本発明はさらに、完全なポリペプチドのN末端から種々の残基が欠失されたポリペプチド(ニュートロカインαタンパク質の可溶型の細胞外ドメインを構築する、本明細書中に記載の細胞外ドメインのN末端から1つ以上のアミノ酸を欠失するポリペプチドを含む)を提供する。
 示されるように、本発明の核酸分子は、RNAの形態(例えば、mRNA)、またはDNAの形態(例えば、クローニングによって得られるか、または合成的に生成されるcDNAおよびゲノムDNAを含む)であり得る。DNAは、二本鎖または一本鎖であり得る。一本鎖DNAまたはRNAは、コード鎖(センス鎖としても知られる)であり得るか、またはそれは、非コード鎖(アンチセンス鎖としても知られる)であり得る。
 「単離された」核酸分子(単数または複数)によって、天然の環境から取り出された核酸分子(DNAまたはRNA)が意図される。例えば、ベクター中に含まれる組換えDNA分子は、本発明の目的のために単離されることが意図される。単離されたDNA分子のさらなる例は、異種の宿主細胞において維持される組換えDNA分子、または溶液中の(部分的または実質的に)精製されたDNA分子を含む。単離されたRNA分子は、本発明のDNA分子のインビボまたはインビトロでのRNA転写物を含む。本発明に従って単離された核酸分子は、合成的に生成されるような分子をさらに含む。
 本発明の単離される核酸分子は、図1(配列番号1)に示されるヌクレオチド配列の147〜149位に開始コドンを有するオープンリーディングフレーム(ORF)を含むDNA分子を含む。さらに、本発明の単離された核酸分子は、上記の配列と実質的に異なるが、遺伝暗号の縮重に起因してなおニュートロカインαタンパク質をコードする配列を含むDNA分子を含む。もちろん、遺伝暗号は当該分野において周知である。従って、上記の縮重変異体を生成することは、当業者にとって日常的である。別の局面において、本発明は、1996年10月22日に寄託されたプラスミドに含まれるcDNAによってコードされるアミノ酸配列を有するニュートロカインαポリペプチドをコードする単離された核酸分子を提供する。好ましくは、この核酸分子は、上記の寄託されたcDNAクローンによってコードされるポリペプチドの細胞外ドメインをコードする配列を含む。
 本発明はさらに、図1(配列番号1)において示されるヌクレオチド配列、または上記の寄託されたクローンに含まれるニュートロカインαcDNA、もしくは上記の配列の1つに相補的な配列を有する核酸分子を提供する。そのような単離される分子、特にDNA分子は、染色体とのインサイチュハイブリダイゼーションによる遺伝子マッピングのため、および例えばノーザンブロット分析によるヒト組織中のニュートロカインα遺伝子の発現を検出するためのプローブとして有用である。
 本発明はさらに、本明細書中に記載のヌクレオチド配列の部分をコードする核酸分子、ならびに本明細書中に記載の単離された核酸分子のフラグメントに関する。詳細には、本発明は配列番号1の部分を示すヌクレオチド配列(配列番号1の1〜1001位からなる)を有するポリヌクレオチドを提供する。
 さらに、本発明は、図1(配列番号1)のヌクレオチド1からヌクレオチド809の配列の内、少なくとも約30の連続するヌクレオチド、好ましくは少なくとも約50ヌクレオチドの任意の部分と少なくとも95%同一である配列を含むポリヌクレオチドを含む。
 より一般的には、寄託されたcDNAのヌクレオチド配列または図1(配列番号1)に示されるヌクレオチド配列を有する単離された核酸分子のフラグメントにより、本明細書中で考察されるような診断プローブおよびプライマーとして有用である、少なくとも約15nt、およびより好ましくは少なくとも約20nt、なおより好ましくは少なくとも約30nt、そしてさらにより好ましくは少なくとも約40ntの長さであるフラグメントを意図される。もちろん、本発明による50〜300ntの長さのより大きいフラグメントもまた、有用である。なぜなら、これらのフラグメントは、寄託されたcDNAまたは図1(配列番号1)に示されるようなヌクレオチド配列の、全てではないかもしれないが、大部分の対応するフラグメントだからである。例えば、少なくとも20ntの長さのフラグメントによって、寄託されたcDNAの、または図1(配列番号1)に示されるようなヌクレオチド配列からの20以上の連続する塩基を含むフラグメントが意図される。本発明の好ましい核酸フラグメントは、図1に同定され、そして以下により詳細に記載されるようなニュートロカインαポリペプチドのエピトープ保持部分をコードする核酸分子を含む。
 別の局面において、本発明は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、上記の本発明の核酸分子(例えば、1996年10月22日のATCC寄託中に含まれるcDNAクローン)中のポリヌクレオチドの一部にハイブリダイズするポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子を提供する。「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」によって、括弧内を含む溶液(50%ホルムアミド、5×SSC(150mMのNaCl、15mMのクエン酸三ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×デンハート液、10%硫酸デキストラン、および20g/mlの変性剪断サケ***DNA )中42℃での一晩のインキュベーション、続く約65℃にて0.1×SSCにおいてフィルターを洗浄することが意図される。
 ポリヌクレオチドの「一部」にハイブリダイズするポリヌクレオチドによって、参照のポリヌクレオチドの少なくとも約15ヌクレオチド(nt)、そしてより好ましくは少なくとも約20nt、さらにより好ましくは少なくとも約30nt、そしてさらにより好ましくは約30〜70(例えば、50)ntにハイブリダイズするポリヌクレオチド(DNAまたはRNAのいずれか)が意図される。これらは、以上、および以下でより詳細に考察されるような診断用プローブおよびプライマーとして有用である。
 例えば、「少なくとも20ntの長さ」のポリヌクレオチドの一部によって、参照ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列(例えば、寄託されたcDNAまたは図1(配列番号1)に示されるようなヌクレオチド配列)からの配列の20以上の連続するヌクレオチドが意図される。当然のことながら、ポリA配列(例えば、図1(配列番号1)に示されるニュートロカインα cDNAの3’末端ポリ(A)区域)、またはT(もしくはU)残基の相補的領域にのみハイブリダイズするポリヌクレオチドは、本発明の核酸の一部にハイブリダイズするために使用される本発明のポリヌクレオチドには含まれない。なぜなら、このようなポリヌクレオチドは、ポリ(A)領域またはその相補体(例えば、特に任意の二本鎖cDNAクローン)を含む任意の核酸分子にハイブリダイズするからである。
 示されるように、ニュートロカインαポリペプチドをコードする本発明の核酸分子は、以下をコードする核酸分子を含み得るが、それらに限定されない:それ自体によって、ポリペプチドの細胞外ドメインのアミノ酸配列;および、ポリペプチドの細胞外ドメインのコード配列およびさらなる配列(例えば細胞内および膜貫通ドメイン配列、またはプレタンパク質配列もしくはプロタンパク質配列もしくはプレプロタンパク質配列をコードする配列);上記のさらなるコード配列を含むかまたは含まないポリペプチドの細胞外ドメインのコード配列。
 また、本発明の核酸によってコードされるのは、さらなる非コード配列を伴う上記のタンパク質配列であり、例えばイントロンおよび非コード5’および3’配列(例えば、転写、mRNAプロセシングにおいて役割(例えば、リボソーム結合およびmRNAの安定性)を担う転写される非翻訳配列(スプライシングおよびポリアデニル化シグナルを含む));さらなる機能性を提供する配列のようなさらなるアミノ酸をコードするさらなるコード配列を含むがこれらに限定されない。
 従って、ポリペプチドをコードする配列は、マーカー配列(例えば、融合されたポリペプチドの精製を容易にするペプチドをコードする配列)に融合され得る。本発明のこの局面の特定の好ましい実施態様において、マーカーアミノ酸配列は、とりわけ、ヘキサ−ヒスチジンペプチド(例えば、pQEベクター(QIAGEN, Inc., 9259 Eton Avenue, Chatsworth, CA, 91311)において提供されるタグ)であり、それらの多くは市販されている。例えば、Gentzら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 821−824 (1989)において記載されるように、ヘキサヒスチジンは、融合タンパク質の簡便な精製を提供する。「HA」タグは、インフルエンザ赤血球凝集素タンパク質由来のエピトープに対応する精製のために有用な別のペプチドであり、それは、Wilsonら、Cell 37: 767 (1984)によって記載されている。以下で考察されるように、他のそのような融合タンパク質は、NまたはC末端にてFcに融合されるニュートロカインαを含む。
 (改変体および変異体ポリヌクレオチド)
 本発明は、さらに、ニュートロカインαタンパク質の一部、アナログ、または誘導体をコードする本発明の核酸分子の変異体に関する。変異体は、天然の対立遺伝子改変体のように、天然に生じ得る。「対立遺伝子改変体」によって、生物の染色体上の所定の遺伝子座を占める遺伝子のいくつかの代わりの形態の1つが意図される。Genes II, Lewin, B.編、John Wiley & Sons, New York (1985)。天然に存在しない変異体は、当該分野で公知の変異誘発技術を用いて生成され得る。
 このような改変体としては、ヌクレオチドの置換、欠失、または付加によって産生された改変体が挙げられる。置換、欠失、または付加は、1つ以上のヌクレオチドを含み得る。改変体は、コード領域、非コード領域、またはその両方において変化され得る。コード領域における変化は、保存的もしくは非保存的なアミノ酸の置換、欠失、または付加を生じ得る。これらの中で特に好ましいのは、ニュートロカインαタンパク質、またはその部分の特性および活性を変化させない、サイレントな置換、付加、および欠失である。また、このことについて特に好ましいのは保存的置換である。
 最も好ましくは、図1(配列番号2)に示されるアミノ酸配列、または寄託されたcDNAクローンによってコードされるニュートロカインαアミノ酸配列の細胞外ドメインを有するタンパク質の細胞外ドメインをコードする核酸分子である。さらなる実施態様は、以下からなる群より選択されるポリヌクレオチドと、少なくとも90%同一、そしてより好ましくは少なくとも95%、96%、97%、98%、または99%同一のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子を含む:(a)図1(配列番号2)中の完全アミノ酸配列を有するニュートロカインαポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(b)図1(配列番号2)中の73〜285位でアミノ酸配列を有するニュートロカインαポリペプチドの推定される細胞外ドメインをコードするヌクレオチド配列;(c)1996年10月22日のATCCに含まれるcDNAクローンによってコードされる完全アミノ酸配列を有するニュートロカインαポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(d)1996年10月22日のATCC寄託物に含まれるcDNAクローンによってコードされるアミノ酸配列を有するニュートロカインαポリペプチドの細胞外ドメインをコードするヌクレオチド配列;および(e)上記の(a)、(b)、(c)、または(d)のヌクレオチド配列のいずれかに相補的なヌクレオチド配列。
 ニュートロカインαポリペプチドをコードする参照ヌクレオチド配列と少なくとも、例えば、95%「同一」のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドによって、ポリヌクレオチド配列が、ニュートロカインαポリペプチドをコードする参照ヌクレオチド配列の各100ヌクレオチドあたり5つまでの点変異を含み得ることを除いて、ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が、参照配列と同一であることが意図される。言い換えれば、参照ヌクレオチド配列と少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを得るために、参照配列における5%までのヌクレオチドが欠失され得るかもしくは別のヌクレオチドで置換され得るか、または参照配列において全ヌクレオチドの5%までの多数のヌクレオチドが、参照配列中に挿入され得る。参照配列のこれらの変異は、参照ヌクレオチド配列の5’もしくは3’末端位置でか、または参照配列内のヌクレオチドの中で個々に、もしくは参照配列内の1つ以上の連続した群でのいずれかで散在されて、これらの末端位置の間のどこかで生じ得る。
 実際には、任意の特定の核酸分子が、例えば、図1に示されるヌクレオチド配列または寄託されたcDNAクローンのヌクレオチド配列に少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるかどうかは、Bestfitプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package, Version 8 for Unix(登録商標), Genetics Computer Group, University Research Park, 575 Science Drive, Madison, WI 53711)のような公知のコンピュータープログラムを用いて従来通りに決定され得る。Bestfitは、SmithおよびWaterman, Advances in Applied Mathematics. 2:482−489 (1981)の局所的相同性アルゴリズムを用いて、2つの配列間の相同性の最適のセグメントを見出す。Bstfitまたは任意の他の配列整列プログラムを使用して、特定の配列が、例えば本発明による参照配列に95%同一であるか否かを決定する場合、パラメーターは、もちろん、同一性の割合が、参照ヌクレオチド配列の全長にわたって計算されるように、そして参照配列の総ヌクレオチド数の5%までの相同性におけるギャップが許容されるように、設定される。
 本出願は、ニュートロカインα活性を有するポリペプチドをコードするか否かに関係なく、図1(配列番号1)において示される核酸配列または寄託されたcDNAの核酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一である核酸分子に関する。これは、特定の核酸分子がニュートロカインα活性を有するポリペプチドをコードしない場合でさえ、当業者は、核酸分子をどのようにして、例えば、ハイブリダイゼーションプローブ、またはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のプライマーとして使用するかをなお知るからである。ニュートロカインα活性を有するポリペプチドをコードしない本発明の核酸分子の使用としては、とりわけ(1)ニュートロカインα遺伝子またはその対立遺伝子改変体をcDNAライブラリーにおいて単離すること;(2)Vermaら, Human Chromosomes: A Manual of Basic Techniques, Pergamon Press, New York (1988)に記載の、ニュートロカインα遺伝子の正確な染色***置を提供するための***中期染色体展開物に対するインサイチュハイブリダイゼーション(例えば、FISH);および、(3)特定の組織におけるニュートロカインα mRNA発現を検出するためのノーザンブロット分析、が挙げられる。
 しかし、実際に、ニュートロカインαタンパク質活性を有するポリペプチドをコードする図1(配列番号1)示される核酸配列または寄託されたcDNAの核酸配列に少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一である配列を有する核酸分子が好ましい。「ニュートロカインα活性を有するポリペプチド」によって、特定の生物学的アッセイにおいて測定される場合、本発明のニュートロカインαタンパク質の細胞外ドメインまたは全長ニュートロカインαタンパク質の活性と類似する(しかし、必ずしも同一ではない)活性を示すポリペプチドが意図される。例えば、本発明のニュートロカインαタンパク質は、細胞増殖、細胞傷害性、および細胞死を調節する。特定の細胞に対するタンパク質の作用を測定するためのインビトロ細胞増殖アッセイ、細胞傷害性アッセイ、および細胞死アッセイは、周知の、ならびに細胞複製および/または細胞死を検出するために当該分野で通常に利用可能な試薬を用いることによって行われ得る。例えば、TNF関連タンパク質活性についての多数のそのようなアッセイが、上記の本開示の背景のセクションにおける種々の参考文献に記載されている。手短に言えば、そのようなアッセイは、ヒトまたは動物(例えば、マウス)細胞を回収し、そして(1)ニュートロカインαタンパク質(または候補ポリペプチド)を含むトランスフェクトされた宿主細胞上清、または(2)トランスフェクトされていない宿主細胞上清コントロールと混合すること、ならびに特定の期間のインキュベーション後に細胞数または生存率に対する作用を測定することを含む。このタイプのアッセイにおいて測定され得るようなこのような細胞増殖調節活性は、腫瘍、腫瘍転移、感染、自己免疫疾患炎症、および他の免疫関連疾患の処置に有用である。
 ニュートロカインαは、上記のアッセイにおいて用量依存的様式で細胞増殖および分化を調節する。従って、「ニュートロカインαタンパク質活性を有するポリペプチド」はまた、上記のアッセイにおいて用量依存的様式で同じ細胞調節(特に免疫調節)活性のいずれかを示すポリペプチドを含む。用量依存活性の程度は、ニュートロカインαタンパク質の活性と同一である必要はないが、好ましくは「ニュートロカインαタンパク質活性を有するポリペプチド」は、ニュートロカインαタンパク質と比較して所定の活性において実質的に類似の用量依存を示す(すなわち、候補ポリペプチドは、参照ニュートロカインαタンパク質と比較して約25倍より大きい活性か、またはより小さい活性、そして好ましくは、約10倍以下の活性を示す)。
 TNFファミリーの他のメンバーのように、ニュートロカインαは、例えば、単球、リンパ球、および好中球を含む白血球に対する活性を示す。こういう訳で、ニュートロカインαは、これらの細胞タイプの増殖、分化、および動員を指示することにおいて活性である。このような活性は、免疫増強または抑制、骨髄保護、幹細胞動員、急性および慢性の炎症の制御、ならびに白血病の処置に有用である。このような活性を測定するためのアッセイは、当該分野で公知である。例えば、Petersら, Immun.Today 17:273(1996);Youngら., J.Exp.Med. 182:1111(1995);Cauxら, Nature 390:258(1992);およびSantiago−Shwarzら, Adv.Exp.Med.Biol. 378:7(1995)を参照のこと。
 もちろん、遺伝暗号の縮重のために、当業者は、寄託されたcDNAの核酸配列または図1(配列番号1)に示される核酸配列に少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一である配列を有する多数の核酸分子が、「ニュートロカインαタンパク質活性を有する」ポリペプチドをコードすることを直ちに認識する。実際に、これらのヌクレオチド配列の縮重改変体の全ては同じポリペプチドをコードするので、これは上記の比較アッセイを実施することなしでさえ当業者に明らかである。縮重改変体でないそのような核酸分子について、合理的な数がまたニュートロカインαタンパク質活性を有するポリペプチドをコードすることが、当該分野でさらに認識される。これは、下記でさらに記載されるように、当業者が、タンパク質の機能に有意な影響をあまり与えそうにないか、または有意な影響を与えそうにないかのいずれかのアミノ酸置換(例えば、1つの脂肪族アミノ酸の第二の脂肪族アミノ酸への置換)を完全に知っているからである。
 (ベクターおよび宿主細胞)
 本発明はまた、本発明の単離されたDNA分子を含むベクター、組換えベクターで遺伝子操作された宿主細胞、および組換え技術によるニュートロカインαポリペプチドまたはそのフラグメントの産生に関する。ベクターは、例えば、ファージベクター、プラスミド、ウイルスベクター、またはレトロウイルスベクターであり得る。レトロウイルスベクターは、複製可能かまたは複製欠損であり得る。後者の場合、ウイルスの増殖は、一般的に、相補宿主細胞においてのみ生じる。ポリヌクレオチドは、宿主細胞における増殖のための選択マーカーを含むベクターに結合され得る。一般的に、プラスミドベクターは、リン酸カルシウム沈殿物のような沈殿物中か、または荷電された脂質との複合体中で導入される。ベクターがウイルスである場合、ベクターは、適切なパッケージング細胞株を用いてインビトロでパッケージングされ得、次いで宿主細胞に形質導入され得る。
 DNAインサートは、適切なプロモーター(例えば、少し名を挙げると、ファージλPLプロモーター、E.coliのlacプロモーター、trpプロモーター、phoAプロモーター、およびtacプロモーター、SV40初期プロモーターおよび後期プロモーター、ならびにレトロウイルスLTRのプロモーター)に作動可能に連結されるべきである。他の適切なプロモーターは、当業者に公知である。発現構築物は、さらに、転写開始、転写終結のための部位、および、転写領域中に翻訳のためのリボゾーム結合部位を含む。構築物によって発現される転写物の細胞外ドメインのコード部分は、好ましくは、翻訳されるべきポリペプチドの始めに転写開始を含み、そして終わりに適切に配置された終止コドン(UAA、UGA、またはUAG)を含む。
 示されるように、発現ベクターは、好ましくは少なくとも1つの選択マーカーを含む。このようなマーカーとしては、真核生物細胞培養についてはジヒドロ葉酸レダクターゼ、G418、またはネオマイシン耐性、ならびにE.coliおよび他の細菌における培養についてはテトラサイクリン耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子、またはアンピシリン耐性遺伝子が挙げられる。適切な宿主の代表的な例としては、細菌細胞(例えば、E.coli細胞、Streptomyces細胞、およびSalmonella typhimurium細胞);真菌細胞(例えば酵母細胞);昆虫細胞(例えば、Drosophila S2細胞およびSpodoptera Sf9細胞);動物細胞(例えば、CHO細胞、COS細胞、293細胞、およびBowes黒色腫細胞);ならびに植物細胞が挙げられるが、これらに限定されない。上記の宿主細胞のための適切な培養培地および条件は当該分野で公知である。
 細菌における使用に好ましいベクターの中には、pQE70、pQE60、およびpQE−9(QIAGEN, Inc.から入手可能、前出);pBSベクター、Phagescriptベクター、Bluescriptベクター、pNH8A、pNH16a、pNH18A、pNH46A(Stratageneから入手可能);ならびにptrc99a、pKK223−3、pKK233−3、pDR540、pRIT5(Pharmaciaから入手可能)が含まれる。好ましい真核生物ベクターの中には、pWLNEO、pSV2CAT、pOG44、pXT1、およびpSG(Stratageneから入手可能);ならびにpSVK3、pBPV、pMSG、およびpSVL(Pharmaciaから入手可能)がある。他の適切なベクターは、当業者に容易に明らかである。
 宿主細胞への構築物の導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAEデキストラン媒介トランスフェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポレーション、形質導入、感染または他の方法によってもたらされ得る。このような方法は、Davisら, Basic Methods In Molecular Biology(1986)のような多くの標準的研究室マニュアルに記載されている。
 ポリペプチドは、融合タンパク質のような改変された形態で発現され得、そして分泌シグナルだけでなく、付加的な異種の機能的領域も含み得る。例えば、付加的なアミノ酸、特に荷電アミノ酸の領域が、宿主細胞内での、精製の間の、または続く操作および保存の間の、安定性および持続性を改善するために、ポリペプチドのN末端に付加され得る。また、ペプチド部分が、精製を容易にするためにポリペプチドへ付加され得る。そのような領域は、ポリペプチドの最終調製の前に除去され得る。とりわけ、分泌または排出を生じるため、安定性を改善するため、および精製を容易にするためのペプチド部分のポリペプチドへの付加は、当該分野でよく知られており、そして日常的な技術である。好ましい融合タンパク質は、タンパク質の安定化および精製に有用な免疫グロブリン由来の異種領域を含む。例えば、EP−A−0 464 533(カナダ対応出願2045869)は、別のヒトタンパク質またはその一部とともに免疫グロブリン分子の定常領域の種々の部分を含む融合タンパク質を開示する。多くの場合、融合タンパク質中のFc部分は、治療および診断における使用に全く有利であり、従って、例えば改善された薬物動態学的特性を生じる(EP−A 0232 262)。一方、いくつかの使用について、融合タンパク質が、記載される有利な様式で、発現され、検出され、および精製された後にFc部分が欠失され得ることが望ましい。これは、Fc部分が、治療および診断における使用の妨害であると判明する場合(例えば、融合タンパク質が免疫のための抗原として使用される場合)である。薬物発見において、例えばhIL−5のようなヒトタンパク質は、hIL−5のアンタゴニストを同定するための高処理量スクリーニングアッセイの目的でFc部分と融合されている。D.Bennettら, J. Molecular Recognition 8:52−58(1995)、およびK.Johansonら, J. Biol. Chem. 270: 9459−9471頁(1995)を参照のこと。
 ニュートロカインαタンパク質は、硫安沈殿またはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、およびレクチンクロマトグラフィーを含む周知の方法によって組換え細胞培養物から回収され、そして精製され得る。最も好ましくは、高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)が精製のために用いられる。本発明のポリペプチドは、天然の精製産物、化学合成手順の産物、および原核生物宿主または真核生物宿主(例えば、細菌細胞、酵母細胞、高等植物細胞、昆虫細胞、および哺乳動物細胞を含む)から組換え技術によって産生された産物を含む。組換え産生手順において用いられる宿主に依存して、本発明のポリペプチドは、グリコシル化され得るか、または非グリコシル化され得る。さらに、本発明のポリペプチドはまた、いくつかの場合、宿主媒介プロセスの結果として、開始の改変メチオニン残基を含み得る。
 (ニュートロカインαポリペプチドおよびフラグメント)
 本発明はさらに、寄託されたcDNAによってコードされるアミノ酸配列、もしくは図1(配列番号2)のアミノ酸配列を有する単離されたニュートロカインαポリペプチド、または上記ポリペプチドの一部を含むペプチドもしくはポリペプチドを提供する。
 (改変体および変異体ポリペプチド)
 ニュートロカインαポリペプチドの特徴を改善または改変するために、タンパク質操作を用い得る。当業者に公知の組換えDNA技術は、新規な変異体タンパク質または「単一または複数のアミノ酸置換、欠失、付加を含むムテイン、または融合タンパク質」を作製するために用いられ得る。このような改変されたポリペプチドは、例えば、増強された活性または増加した安定性を示し得る。さらに、これらは、高収量で精製され得、そして少なくとも特定の精製条件および保存条件下で対応する天然のポリペプチドよりも良好な溶解度を示し得る。
 (N末端欠失変異体およびC末端欠失変異体)
 例えば、分泌タンパク質の細胞外ドメインまたは成熟形態を含む多くのタンパク質について、1個以上のアミノ酸が、生物学的機能の実質的な損失を伴わずにN末端またはC末端から欠失され得ることが当該分野で公知である。例えば、Ronら, J. Biol. Chem., 268:2984−2988(1993)は、3、8、または27個のアミノ末端アミノ酸残基が失われたとしてもヘパリン結合活性を有する改変されたKGFタンパク質を報告した。
 この場合、本発明のタンパク質はTNFポリペプチドファミリーのメンバーであるので、図1(配列番号2)の191位のGly(G)残基までのN末端アミノ酸の欠失は、いくらかの生物学的活性(例えば、適切な標的細胞に対する細胞傷害性)を保持し得る。
 Gly(G)残基を含むさらなるN末端欠失を有するポリペプチドは、このような生物学的活性を保持するとは考えられない。なぜなら、この残基は、TNF関連ポリペプチドにおいて、生物学的活性に必要とされる保存されたドメインの始まりであるからである。しかし、タンパク質のN末端からの1個以上のアミノ酸の欠失が、タンパク質の1つ以上の生物学的機能の喪失の改変をもたらしたとしても、他の生物学的活性は依然として保持され得る。従って、タンパク質の完全なまたは細胞外ドメインを認識する抗体を誘導するかおよび/または結合する短縮化タンパク質の能力は、一般に、タンパク質の完全なまたは細胞外ドメインの大多数よりも少ない残基がN末端から除去される場合、保持される。完全なタンパク質のN末端残基を欠く特定のポリペプチドが、このような免疫学的活性を保持するか否かは、本明細書中に記載の日常的な方法および他の当該分野で公知の日常的な方法により容易に決定され得る。
 従って、本発明はさらに、図1(配列番号2)に示されるニュートロカインαのアミノ酸配列のアミノ末端からの1個以上の残基より、アミノ末端からのGly191残基までを有するポリペプチド、およびこのようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。特に、本発明は、配列番号2の残基n〜190のアミノ酸配列を有するポリペプチドを提供し、ここで、nは、2〜190の範囲の整数であり、そして191は、ニュートロカインαタンパク質の活性に必要とされると考えられる、完全なニュートロカインαポリペプチド(配列番号2に示す)のN末端からの最初の残基の位置である。より詳細には、本発明は、配列番号2の以下の残基のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する:
Figure 2004129667
Figure 2004129667
これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
 同様に、生物学的に機能的なC末端欠失ムテインの多くの例が公知である。例えば、インターフェロンγは、このタンパク質のカルボキシ末端から8〜10個のアミノ酸残基を欠失させることにより、10倍まで高い活性を示す(Doebeliら, J. Biotechnology 7:199−216(1988))。本タンパク質は、TNFポリペプチドファミリーのメンバーであるので、284位のLeuまでのC末端アミノ酸の欠失は、全てではなくても大部分の生物学的活性(例えば、レセプター結合および細胞複製の調整)を保持すると考えられる。約10個までのさらなるC末端残基の欠失を有するポリペプチドはまた、いくらかの活性(例えば、レセプター結合)を保持し得るが、このようなポリペプチドは、ほぼLeu284で始まる保存されたTNFドメインの部分を欠く。しかし、タンパク質のC末端の1つ以上のアミノ酸の欠失が、タンパク質の1つ以上の生物学的機能の喪失を改変するとしても、他の生物学的活性は依然として保持され得る。従って、短縮化タンパク質が完全なまたは成熟タンパク質を認識する抗体を誘導および/または結合する能力は、一般に、完全なまたは成熟タンパク質の大部分よりも少ない残基がC末端から除去される場合に保持される。完全なタンパク質のC末端残基を欠く特定のポリペプチドがこのような免疫学的活性を保持するか否かは、本明細書中に記載される日常的な方法および他の当該分野で公知の日常的な方法により容易に決定され得る。
 従って、本発明はさらに、図1(配列番号2)に示されるニュートロカインαのアミノ酸配列のカルボキシ末端からの1個以上の残基より、カルボキシ末端からのGly274残基までを有するポリペプチド、およびこのようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。特に、本発明は、配列番号2のアミノ酸配列の残基1〜mを有するポリペプチドを提供し、ここで、mは、274〜284の範囲の任意の整数である。より詳細には、本発明は、配列番号2の残基1〜274、1〜275、1〜276、1〜277、1〜278、1〜279、1〜280、1〜281、1〜282、1〜283、および1〜284のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
 また、1個以上のアミノ酸がアミノ末端およびカルボキシ末端の両方から欠失されたポリペプチドが提供され、これは、一般に、配列番号2のアミノ酸配列の残基n〜mを有し、ここでnおよびmが上記のような整数であるとして記載され得る。また、1996年10月22日のATCC寄託物に含まれるcDNAクローンによりコードされる完全なニュートロカインαアミノ酸配列の一部分からなるポリペプチドであって、ここでこの部分は、寄託されたクローン中のcDNAによりコードされる完全なアミノ酸配列のアミノ末端からの1〜190アミノ酸またはC末端からの1〜11アミノ酸(またはこれらのN末端欠失およびC末端欠失の任意の組合せ)から排除されるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列も含まれる。上記の欠失ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
 (他の変異体)
 上記のタンパク質の末端欠失形態に加えて、ニュートロカインαポリペプチドのいくつかのアミノ酸配列は、タンパク質の構造または機能に有意な効果を有さずに変化し得ることが当業者に認識される。このような配列の相違が意図される場合、活性を決定するタンパク質の重要な領域が存在することを思い出すべきである。
 従って、本発明はさらに、実質的なニュートロカインαポリペプチド活性を示すかまたはニュートロカインαタンパク質の領域(例えば、以下で議論するタンパク質部分)を含む、ニュートロカインαポリペプチドの改変体を含む。このような変異体は、活性にほとんど影響を有さないことが当該分野で公知の一般的規則に従って選択される、欠失、挿入、逆転、反復、およびタイプ置換を含む。例えば、表現型的にサイレントなアミノ酸置換を作製することに関するさらなるガイダンスは、Bowie, J.U.ら「Deciphering the Message in Protein Sequences: Tolerance to Amino Acid Substitutions」,Science 247:1306−1310 (1990)に提供される。ここで、著者らは、変化に対するアミノ酸配列の寛容性を研究するための2つの主なアプローチが存在することを示す。第1の方法は、進化のプロセスにより、ここで、変異は、自然選択により受け入れられるかまたは拒絶されるかのいずれかである。第2のアプローチは、遺伝子操作を使用してアミノ酸変化を、クローン化された遺伝子の特異の位置に導入し、そして選択またはスクリーニングにより機能性を保持する配列が同定される。
 著者の述べるところによれば、これらの研究は、タンパク質が、アミノ酸置換に驚くほど寛容であることを明らかにした。著者らはさらに、どのアミノ酸置換が、タンパク質の特異の位置で許容されるようであるかを示す。例えば、ほとんどの埋没アミノ酸残基は、非極性側鎖を必要とし、一方表面側鎖の特徴は、一般に、ほとんど保存されない。他のこのような表現型的にサイレントな置換は、Bowie, J.U.ら、前出およびその中での引用文献に記載される。保存的置換として代表的に見られるのは、脂肪族アミノ酸Ala、Val、Leu、およびIleの中での1つのアミノ酸の別のアミノ酸への置換;ヒドロキシル残基SerおよびThrの交換、酸性残基AspおよびGluの交換、アミド残基AsnおよびGlnの間の置換、塩基性残基LysおよびArgの交換、ならびに芳香族残基Phe、Tyrの間の置換である。
 従って、図1(配列番号2)のポリペプチドまたは寄託されたcDNAによりコードされるポリペプチドのフラグメント、誘導体、もしくはアナログは、(i)1つ以上のアミノ酸残基が保存的または非保存的アミノ酸残基(好ましくは保存的アミノ酸残基)で置換されるものであり、このような置換されたアミノ酸残基は遺伝暗号によりコードされるものであるかそうでなくてもよく、または(ii)1つ以上のアミノ酸残基が置換基を含むもの、または(iii)ポリペプチドの細胞外ドメインが、ポリペプチドの半減期を増加させる化合物(例えば、ポリエチレングリコール)のような別の化合物と融合されるもの、または(iv)さらなるアミノ酸が、IgG Fc融合領域ペプチドまたはリーダーもしくは分泌配列あるいはポリペプチドまたはプロタンパク質配列の細胞外ドメインの精製に使用される配列のようなポリペプチドの細胞外ドメインに融合されるもの、であり得る。このようなフラグメント、誘導体、およびアナログは、本明細書中の教示から当業者の範囲内であると考えられる。
 従って、本発明のニュートロカインαは、天然の変異または人工操作のいずれかに由来する1つ以上のアミノ酸置換、欠失、または付加を含み得る。示されるように、タンパク質の折り畳みまたは活性に有意に影響しない保存的アミノ酸置換のような、重要でない性質の変化が好ましい(表1を参照のこと)。
Figure 2004129667
 機能に必須である本発明のニュートロカインαタンパク質中のアミノ酸は、当該分野で公知の方法(例えば、部位特異的変異誘発またはアラニンスキャニング変異誘発)によって同定され得る (CunninghamおよびWells, Science 244:1081−1085 (1989))。後者の手順は、分子中の全ての残基に単一のアラニン変異を誘導する。次いで、得られる変異分子は、レセプター結合またはインビトロもしくはインビボ増殖活性のような生物学的活性について試験される。
 特に問題であることは、荷電アミノ酸の、別の荷電アミノ酸または中性アミノ酸での置換である。これは非常に望ましい改善された特性(例えば凝集が少ない)を有するタンパク質を生じ得る。凝集は、活性の減少を生じ得るだけでなく、薬学的処方物を調製する際に凝集物が免疫原性であり得るため問題である(Pinckardら、Clin. Exp. Immunol.2:331−340(1967); Robbinsら、Diabetes 36: 838−845 (1987); Clelandら、Crit. Rev. Therapeutic Drug Carrier Systems 10:307−377 (1993))。
 アミノ酸の置換はまた、細胞表面レセプターへのリガンドの結合の選択性を変化させ得る。例えば、Ostadeら、Nature 361:266−268 (1993)は、2つの既知型のTNFレセプターの1つのみへのTNFαの選択的結合を生じる特定の変異を記載している。ニューロカインαは、TNFポリペプチドファミリーのメンバーであるので、TNF−αのそれに類似した変異は、ニューロカインαにおいて類似した効果を有するようである。
 リガンド−レセプター結合に重要な部位はまた、結晶化、核磁気共鳴、または光親和性標識のような構造分析により決定され得る(Smithら、J.Mol.Biol. 224:899−904(1992)およびde Vosら、Science 255:306−312(1992))。ニューロカインαは、TNF関連タンパク質ファミリーのメンバーであるので、ニューロカインαの生物学的活性を完全に除去するのではなく調節するためには、好ましくは変異は、TNF保存ドメインのアミノ酸をコードする配列(すなわち、図1(配列番号2)の191〜284位)内に、より好ましくはTGFファミリーの全てのメンバーには保存されていないこの領域内の残基に作製される。このような保存アミノ酸が、関連するTNF中に代表的に見出される位置でニュートロカインα中に特異的変異を作製することによって、ニュートロカインαは、アンタゴニストとして作用し、これにより血管形成活性を保有する。従って、本発明のポリペプチドは、ニューロカインα変異体を含む。このようなニュートロカインα変異体は、図1(配列番号2)に示されるニュートロカインαアミノ酸配列の全長または好ましくは細胞外ドメインからなる。さらに、本発明の形成部はまた、上記のニュートロカインα変異体をコードする核酸配列を含む単離されたポリヌクレオチドである。
 本発明のポリペプチドは、好ましくは、単離形態で提供され、そして好ましくは実質的に精製される。ニュートロカインαポリペプチドの組換え産生型は、SmithおよびJohnson, Gene 67:31−40 (1988)に記載されるような1工程法によって実質的に精製され得る。
 本発明のポリペプチドは、寄託されたcDNAによってコードされるポリペプチドの細胞内ドメイン、膜貫通ドメイン、細胞外ドメインを含む、寄託されたcDNAによってコードされる完全なポリペプチド、このタンパク質の細胞内ドメインおよび膜貫通ドメインを引いた細胞外ドメイン、図1(配列番号2)の完全なポリペプチド、細胞内ドメインおよび膜貫通ドメインを引いた図1(配列番号2)の細胞外ドメイン、ならびに上記のポリペプチドに少なくとも90%の類似性、より好ましくは少なくとも95%の類似性、およびさらにより好ましくは少なくとも96%、97%、98%、または99%の類似性を有するポリペプチドを含む。
 発明のさらなるポリペプチドは、寄託されたcDNAによってコードされるポリペプチドまたは図1(配列番号2)のポリペプチドに、少なくとも80%同一、より好ましくは少なくとも90%または95%同一、さらにより好ましくは少なくとも96%、97%、98%、または99%同一であるポリペプチドを含み、そしてまた、少なくとも30アミノ酸、およびより好ましくは少なくとも50アミノ酸を有するこのようなポリペプチドの部分を含む。
 2つのポリペプチドについての「%類似性」によって、Bestfitプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package, Version 8 for Unix(登録商標), Genetics Computer Group, University Research Park, 575 Science Drive, Madison, WI 53711)および類似性を決定するための初期設定(default setting)を用いて2つのポリペプチドのアミノ酸配列を比較することによって生じる類似性の値が意図される。Bestfitは、SmithおよびWaterman(Advances in Applied Mathematics 2:482−489 (1981))の局所的相同性アルゴリズムを、2つの配列間の類似性の最適のセグメントを見出すために使用する。
 ニュートロカインαポリペプチドの参照アミノ酸配列に少なくとも、例えば、95%「同一な」アミノ酸配列を有するポリペプチドにより、ポリペプチド配列がニュートロカインαポリペプチドの参照アミノ酸配列の各100アミノ酸毎に5つまでのアミノ酸変化を含み得ることを除いて、ポリペプチドのアミノ酸配列は参照配列と同一であることが意図される。言い換えれば、参照アミノ酸配列に少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを得るために、参照配列において5%までのアミノ酸残基が、欠失されるかもしくは別のアミノ酸で置換され得るか、または参照配列における5%までの総アミノ酸残基の多数のアミノ酸が参照配列に挿入され得る。これらの参照配列の改変は、参照アミノ酸配列のアミノ末端位置もしくはカルボキシ末端位置で、または参照配列の残基間で個々に、もしくは参照配列内で1つ以上の近接したグループ内のいずれかに分散される末端位置の間のどこかで、起こり得る。
 実際には、任意の特定のポリペプチドが、例えば、図1(配列番号2)に示されるアミノ酸配列、または寄託されたcDNAクローンによりコードされるアミノ酸配列に対して、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるかどうかは、Bestfitプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package, Unix(登録商標)用バージョン8、Genetics Computer Group, University Research Park, 575 Science Drive, Madison, WI 53711)のような公知のコンピュータープログラムを使用して慣習的に決定され得る。特定の配列が、例えば、本発明の参照配列に95%同一であるかどうかを決定するために、Bestfitまたは任意の他の配列アラインメントプログラムを使用する場合、当然、同一性の百分率が参照アミノ酸配列の全長にわたって計算され、そして参照配列内のアミノ酸残基の総数の5%までの相同性におけるギャップが許容されるようなパラメーターが設定される。
 本発明のポリペプチドは、当業者に周知の方法を用いて、SDS−PAGEゲルまたは分子ふるいゲル濾過カラムにおいて分子量マーカーとして使用され得る。
 下記に詳細に記載するように、本発明のポリペプチドはまた、下記のようにニュートロカインαタンパク質発現を検出するためのアッセイにおいて有用である、またはニュートロカインαタンパク質機能を増強もしくは阻害し得るアゴニストおよびアンタゴニストとして、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を惹起するために使用され得る。さらに、このようなポリペプチドは、本発明の候補アゴニストおよびアンタゴニストでもあるニュートロカインαタンパク質結合タンパク質を「捕獲する」ための酵母ツーハイブリッドシステムにおいて使用され得る。酵母ツーハイブリッドシステムは、FieldsおよびSong,Nature 340:245−246(1989)に記載されている。
 (エピトープ保有部分)
 別の局面において、本発明は、本発明のポリペプチドのエピトープ保有部分を含む、ペプチドまたはポリペプチドを提供する。このポリペプチドのエピトープ部分は、本発明のポリペプチドの免疫原性または抗原性エピロープである。「免疫原性エピトープ」は、タンパク質全体が免疫原である場合、抗体応答を誘発するタンパク質の一部として定義される。一方では、抗体が結合し得るタンパク質分子の領域は、「抗原性エピトープ」と定義され得る。タンパク質の免疫原性エピトープの数は、一般には、抗原性エピトープの数よりも少ない。例えば、Geysenら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:3998−4002(1983)を参照のこと。
 抗原性エピトープを保有するペプチドまたはポリペプチド(すなわち、抗体が結合し得るタンパク質分子の領域を含む)の選択に関して、タンパク質配列の一部を模倣する比較的短い合成ペプチドが、部分的に模倣されたタンパク質と反応する抗血清を日常的に誘発し得ることが当該分野で周知である。例えば、Sutcliffe,J.G.,Shinnick,T.M.,Green,N.およびLearner,R.A.(1983)「Antibodies that react with predetermined sites on proteins. Science 219:660−666」を参照のこと。タンパク質−反応性血清を誘発し得るペプチドは、タンパク質の一次配列に頻繁に存在し、そして単純な化学的法則のセットにより特徴付けられ得、そしてインタクトなタンパク質(すなわち、免疫原性エピトープ)の免疫ドミナント領域にも、アミノ末端またはカルボキシル末端にも、制限されない。本発明の抗原性エピトープ保有ペプチドおよびポリペプチドは、それゆえ、本発明のポリペプチドに特異的に結合するモノクローナル抗体を含む抗体を惹起するのに有用である。例えば、Wilsonら、Cell 37:767−778 (1984)の777を参照のこと。
 本発明の抗原性エピトープ保有ペプチドおよびポリペプチドは、本発明のポリペプチドのアミノ酸配列内に含まれる、好ましくは、少なくとも7、より好ましくは、少なくとも9、そして最も好ましくは約15〜約30アミノ酸の配列を含む。ニュートロカイン特異的抗体を産生するために使用され得る抗原性ポリペプチドまたペプチドの非限定的な例としては以下が挙げられる:図1(配列番号2)の約Phe115〜約Leu147のアミノ酸残基を含有するポリペプチド;図1(配列番号2)の約Ile150〜約Tyr163のアミノ酸残基を含有するポリペプチド;図1(配列番号2)の約Ser171〜約Phe194のアミノ酸残基を含有するポリペプチド;図1(配列番号2)の約Glu223〜約Tyr247のアミノ酸残基を含有するポリペプチド;図1(配列番号2)の約Ser271〜約Leu278のアミノ酸残基を含有するポリペプチド。これらのポリペプチドフラグメントは、上記の図3に示されるようなJameson−Wolf抗原性指数の分析によってニュートロカインαタンパク質の抗原性エピトープを保有するように決定された。
 本発明のエピトープ保有ペプチドおよびポリペプチドは、任意の簡便な手段によって産生され得る。例えば、Houghten, R.A. (1985) General method for the rapid solid−phase synthesis of large numbers of peptides: specificity of antigen−antibody interaction at the level of individual aminos acids. Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:5131−5135; この「複数ペプチド合成(SMPS)」プロセスは、Houghtenら、(1986)の米国特許第4,631,211号にさらに記載されている。
 本発明のエピトープ保有ペプチドおよびポリペプチドは、当該分野に周知の方法によって抗体を誘導するために使用される。例えば、Sutcliffeら、前出;Wilsonら、前出;Chow, M.ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:910−914;およびBittle, F. J.ら、J. Gen. Virol. 66:2347−2354(1985)を参照のこと。本発明の免疫原性エピトープ保有ペプチド(すなわち、抗体応答を誘発するタンパク質の部分)は、タンパク質全体が免疫原である場合、当該分野で公知の方法に従って同定される。例えば、Geysenら、上述。さらになお、Geysen(1990)の米国特許第5,194,392号は、目的の抗体の特定のパラトープ(抗原結合部位)に相補的であるエピトープの位相幾何学的等価物すなわち、「ミモトープ」)であるモノマー(アミノ酸または他の化合物)の配列を検出または決定する一般的な方法を記載する。より一般的には、Geysen(1989)の米国特許第4,433,092号は、目的の特定のレセプターのリガンド結合部位に相補的であるリガンドの位相幾何学的等価物であるモノマーの配列を検出または決定する方法を記載する。同様に、Peralkylated Oligopeptide MixturesにおけるHoughten, R. A.ら(1996)の米国特許第5,480,971号は、線状C1−C7−アルキル過アルキル化(peralkylated)オリゴペプチドおよびセットおよびこのようなペプチドのライブラリー、ならびに目的のアクセプター分子に、優先的に結合する過剰アルキル化オリゴペプチドの配列を決定するためにこのようなオリゴペプチドセットおよびライブラリーを使用する方法を開示する。従って、本発明のエピトープ保有ペプチドの非ペプチドアナログはまた、これらの方法により日常的に作成され得る。
 (融合タンパク質)
 当業者が理解するように、本発明のニュートロカインαポリペプチドならびに上記のそれらのエピトープ保有フラグメントは、免疫グロブリン(IgG)の定常ドメインの一部と結合し得、キメラペプチドを生じる。これらの融合タンパク質は、精製を促進し、そしてインビボで増加した半減期を示す。これは、例えば、ヒトCD4−ポリペプチドの最初の2つのドメインおよび哺乳動物免疫グロブリンの重鎖または軽鎖の定常領域の種々のドメインからなるキメラタンパク質について示されている(EP A 394,827;Trauneckerら、Nature 331:84−86(1988))。IgG部分によるジスルフィド結合ダイマー構造を有する融合タンパク質はまた、他の分子の結合および中和において、モノマーニュートロカインαタンパク質またはタンパク質フラグメント単独よりも有効であり得る(Fountoulakisら、J. Biochem. 270:3958−3964(1995))。
 (免疫系関連障害の診断)
 ニュートロカインαが種々の組織および特に好中球において発現されることを本発明者らは発見した。多数の免疫系関連障害について、「標準的」ニューロカインα遺伝子発現レベル(すなわち、免疫系障害を有さない個体由来の免疫系組織または体液におけるニュートロカインα発現レベル)と比較して、実質的に変化(増大または減少)したレベルのニュートロカインα遺伝子発現が、このような障害を有する個体から採取された免疫系組織または他の細胞または体液(例えば、血清、血漿、尿、滑液、または髄液)において検出され得る。従って、本発明は、系障害の診断の間に有用な診断方法を提供し、これは、個体由来の免疫系組織または他の細胞または体液中のニュートロカインαタンパク質をコードする遺伝子の発現レベルを測定すること、および測定された遺伝子発現レベルと標準ニュートロカインα遺伝子発現レベルとを比較することを含み、それによって標準と比較した遺伝子発現レベルにおける増大または減少が免疫系障害の指標となる。
 詳細には、免疫のガンを有する哺乳動物における特定の組織が、対応する「標準」レベルと比較した場合、ニュートロカインαタンパク質、およびニュートロカインαタンパク質をコードするmRNAの有意に増大または減少したレベルを発現すると考えられる。さらに、増強または抑制したレベルのニュートロカインαタンパク質が、ガンを有さない同じ種の哺乳動物由来の血清と比較した場合、このようなガンを有する哺乳動物からの特定の体液(例えば、血清、血漿、尿、および髄液)中に検出され得る。
 従って、本発明は免疫系障害(この系のガンを含む)の診断の間に有用な診断方法を提供する。この方法は、個体由来の免疫系組織または他の細胞または体液中のニュートロカインαタンパク質をコードする遺伝子の発現レベルを測定すること、および測定された遺伝子発現レベルと標準ニュートロカインα遺伝子発現レベルとを比較することを含み、それによって標準と比較した遺伝子発現レベルにおける増大または減少が免疫系障害の指標となる。
 免疫系における障害の診断(腫瘍の診断を含む)が、従来の方法に従ってすでに行われた場合、本発明は、予後の指標として有用であり、それによって増強または抑圧されたニュートロカインα遺伝子発現を示す患者は、標準レベルにより近いレベルでこの遺伝子を発現する患者と比較してより悪い臨床結果を経験する。
 「ニュートロカインαタンパク質をコードする遺伝子の発現レベルをアッセイすること」により、第一の生物学的サンプルにおいて直接的(例えば、絶対的なタンパク質レベルまたはmRNAレベルを決定または評価することにより)または相対的(例えば、第二の生物学的サンプルにおけるニュートロカインαタンパク質タンパク質レベルまたはmRNAレベルと比較することにより)のいずれかで、ニュートロカインαタンパク質のレベルまたはニュートロカインαタンパク質をコードするmRNAレベルの定性的測定もしくは定量的測定または評価が意図される。好ましくは、第一の生物学的サンプルにおけるニュートロカインαタンパク質レベルまたはmRNAレベルが測定または評価され、そして標準ニュートロカインαタンパク質レベルまたはmRNAレベルと比較される。標準は、障害を有さない個体から得られた第二の生物学的サンプルから得られるか、または免疫系の障害を有さない個体の集団からの平均レベルにより決定され得る。当該分野において評価されるように、一旦標準ニュートロカインαタンパク質レベルまたはmRNAレベルが公知になると、それは比較のための標準として繰り返して使用され得る。
 「生物学的サンプル」によって、個体、体液、細胞株、組織培養物、またはニュートロカインαタンパク質もしくはmRNAを含む他の供給源から得られる任意の生物学的サンプルが意図される。示されるように、生物学的サンプルは、ニュートロカインαタンパク質の遊離した細胞外ドメインを含む体液(例えば、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、免疫系組織、および完全なまたは遊離したニュートロカインαタンパク質の細胞外ドメインあるいはニュートロカインαレセプターを発現することが見出された他の組織供給源を含む。哺乳動物から組織生検および体液を得るための方法は当該分野で周知である。生物学的サンプルがmRNAを含む場合、組織生検が好ましい供給源である。
 本発明は、哺乳動物(好ましくはヒト)における種々の免疫系関連障害の診断または処置に有用である。このような障害としては、腫瘍および腫瘍転移、細菌、ウイルスおよび他の寄生体による感染、免疫不全症、炎症性疾患、リンパ節腫脹、自己免疫疾患、および対宿主性移植片疾患が挙げられるが、これらに限定されない。
 全細胞RNAが、任意の適切な技術(例えば、ChomczynskiおよびSacchi, Anal. Biochem. 162:156−159 (1987)に記載されている一工程のグアニジン−チオシアネート−フェノール−クロロホルム法)を使用して生物学的サンプルから単離され得る。次いで、ニュートロカインαタンパク質をコードするmRNAのレベルが、任意の適切な方法を用いてアッセイされる。これらは、ノーザンブロット分析、S1ヌクレアーゼマッピング、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ポリメラーゼ連鎖反応と組み合わせた逆転写(RT−PCR)、およびリガーゼ連鎖反応と組み合わせた逆転写(RT−LCR)を含む。
 生物学的サンプル中のニュートロカインαタンパク質レベルのアッセイは、抗体に基づく技術を用いて起こり得る。例えば、組織におけるニュートロカインαタンパク質発現は、古典的な免疫組織学的方法で研究され得る(Jalkanen, M.ら、J.Cell.biol. 101:976−985 (1985); Jalkanen, M.ら、J.Cell.Biol. 105:3087−3096 (1987))。ニュートロカインαタンパク質遺伝子発現を検出するための有用な他の抗体に基づく方法は、免疫アッセイ(例えば、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)およびラジオイムノアッセイ(RIA))を含む。適切な抗体アッセイの標識は、当該分野において公知であり、そしてグルコースオキシダーゼ、および放射性同位元素(例えば、ヨウ素(125I、121I)、炭素(14C)、イオウ(35S)、トリチウム(H)、インジウム(111In)、およびテクネチウム(99mTc))、ならびに蛍光標識(例えば、フルオレセインおよびローダミン)ならびにビオチンのような酵素、標識が挙げられる。
 個体から得られる生物学的サンプル中のニュートロカインαタンパク質レベルをアッセイすることに加えて、ニュートロカインαタンパク質はまた、画像解析によってインビボで検出され得る。ニュートロカインαタンパク質のインビボでの画像解析のための抗体標識またはマーカーとして、X線撮影法、NMR、またはESRによって検出可能なものが挙げられる。X線撮影法については、適切な標識として、検出可能な放射線を放射するが、被検体に対して明らかには有害ではない、バリウムまたはセシウムのような放射性同位元素が挙げられる。NMRおよびESRのための適切なマーカーとして、関連のハイブリドーマの栄養分の標識によって抗体中に取り込まれ得る、重水素のような検出可能な特徴的な回転を有するものが挙げられる。
 放射性同位元素(例えば、131I、111In、99mTc)、放射性不透明体(radio−opaque)基質、または核磁気共鳴によって検出可能な物質のような適切な検出可能な画像解析部分で標識されている、ニュートロカインαタンパク質−特異的抗体または抗体フラグメントが、免疫系障害について試験される哺乳動物中に(例えば、非経口的、皮下、または静脈内)導入される。被検体の大きさおよび使用される画像解析システムによって、診断用の画像を生じるために必要とされる画像解析部分の量が決定されることが、当該分野で理解される。放射性同位元素部分の場合、ヒト被検体については、注射される放射活性の量は、通常約5〜20ミリキュリーの範囲の99mTcである。次いで、標識抗体または抗体フラグメントは、ニュートロカインαタンパク質を含む細胞の位置にそれぞれ優先的に蓄積する。インビボでの腫瘍画像解析は、S.W. Burchielら、「Immunopharmacokinetics of Radiolabelled Antibodies and Their Fragments」(Tumer Imaging 第13章:The Radiochemical Detection of Cancer, S.W. BurchielおよびB.A. Rhodes編、Masson Publishing Inc. (1982))に記載されている。
 (抗体)
 本発明での使用のためのニュートロカインαタンパク質特異的抗体は、完全なニュートロカインαタンパク質またはその抗原性ポリペプチドフラグメントに対して惹起され得る。これは、アルブミンのようなキャリアタンパク質と共に、またはそれが充分に長い(少なくとも約25アミノ酸)場合はキャリアを伴わずに、動物系(例えば、ウサギまたはマウス)に対して提示され得る。
 本明細書中で使用される場合、用語「抗体」(Ab)または「モノクローナル抗体」(Mab)は、ニュートロカインαタンパク質に特異的に結合し得る完全な分子および抗体フラグメント(例えば、FabおよびF(ab’)フラグメントのような)を含むことを意味する。FabおよびF(ab’)フラグメントは完全な抗体のFcフラグメントを欠いており、循環によってさらに迅速に除去され、そして完全な抗体の非特異的組織結合をほとんど有し得ない(Wahlら、J. Nucl. Med. 24:316−325 (1983))。従って、これらのフラグメントが好ましい。
 本発明の抗体は、任意の種々の方法によって調製され得る。例えば、ニュートロカインαタンパク質またはその抗原性フラグメントを発現する細胞は、ポリクローナル抗体を含む血清の産生を誘導するために動物に投与され得る。好ましい方法において、ニュートロカインαタンパク質の調製物は、それが天然の混入物を実質的に含まないように、上記のように調製され、そして精製される。次いで、このような調製物は、より大きな特異的活性のポリクローナル抗血清を産生するために動物に導入される。
 最も好ましい方法において、本発明の抗体はモノクローナル抗体(あるいはそのニュートロカインαタンパク質結合フラグメント)である。このようなモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ技術(Kohlerら、Nature 256:495 (1975);Kohlerら、Eur. J. Immunol. 6:511 (1976);Kohlerら、Eur. J. Immunol. 6:292 (1976);Hammerlingら:Monoclonal Antibodies and T−Cell Hybridomas, Elsevier, N.Y., (1981) pp563−681)を用いて調製され得る。一般に、このような手順は、ニュートロカインαタンパク質抗原、またはより好ましくはニュートロカインαタンパク質発現細胞で動物(好ましくは、マウス)を免疫する工程を包含する。適切な細胞は、抗ニュートロカインαタンパク質抗体に結合するそれらの能力によって認識され得る。このような細胞は、任意の適切な組織培養培地中で培養され得る;しかし、10%ウシ胎児血清(約56℃で不活化した)を補充し、約10g/lの非必須アミノ酸、約1,000U/mlのペニシリン、および約100μg/mlのストレプトマイシンを補充したEarle改変イーグル培地中で細胞を培養することが好ましい。このようなマウスの脾細胞が抽出され、そして適切な骨髄腫細胞株と融合される。任意の適切な骨髄腫細胞株が、本発明に従って使用され得る;しかし、アメリカンタイプカルチャーコレクション,Rockville, Marylandから入手可能な親骨髄腫細胞株(SP2O)を使用することが好ましい。融合後、得られたハイブリドーマ細胞はHAT培地中で選択的に維持され、次いでWandsら(Gastroenterology 80:225−232 (1981))に記載されているような限界希釈によってクローニングされる。次いで、このような選択によって得られたハイブリドーマ細胞は、ニュートロカインαタンパク質抗原に結合し得る抗体を分泌するクローンを同定するためにアッセイされる。
 あるいは、ニュートロカインαタンパク質抗原に結合し得るさらなる抗体が、抗イディオタイプ抗体の使用を通じて二工程手順で産生され得る。このような方法は、抗体はそれ自体が抗原であるという事実を使用し、従って、二次抗体に結合する抗体を得ることが可能である。この方法に従って、ニュートロカインαタンパク質特異的抗体は、動物(好ましくは、マウス)を免疫するために使用される。次いで、このような動物の脾細胞はハイブリドーマ細胞を産生するために使用され、そしてハイブリドーマ細胞は、ニュートロカインαタンパク質−特異的抗体に結合する能力が、それぞれニュートロカインαタンパク質抗原によってブロックされ得る抗体を産生するクローンを同定するためにスクリーニングされる。このような抗体は、ニュートロカインαタンパク質−特異的抗体に対する抗イディオタイプ抗体を含み、そしてさらなるニュートロカインαタンパク質−特異的抗体の形成を誘導するために動物を免疫するために使用され得る。
 本発明の抗体のFabフラグメントおよびF(ab’)フラグメントおよび他のフラグメントが、本明細書中に開示される方法に従って用いられ得ることが認識される。このようなフラグメントは、代表的には、パパイン(Fabフラグメントを生成するため)またはペプシン(F(ab’)フラグメントを生成するため)のような酵素を用いるタンパク質分解切断により生成される。あるいは、ニュートロカインαタンパク質結合フラグメントは、組換えDNA技術の適用を通して、または合成化学を通して生成され得る。
 ヒトにおける診断のために、インビボでのイメージングを用いて、増強されたレベルのニュートロカインαタンパク質を検出する場合、「ヒト化」キメラモノクローナル抗体を使用することが好ましくあり得る。このような抗体は、上記のモノクローナル抗体を生成するハイブリドーマ細胞由来の遺伝構築物を用いて生成され得る。キメラ抗体を生成するための方法は、当該分野で公知である。総説については、Morrison, Science 229:1202 (1985); Oiら, BioTechniques 4:214 (1986); Cabillyら, 米国特許第4,816,567号; Taniguchiら, EP 171496; Morrisonら, EP 173494; Neubergerら, WO 8601533; Robinsonら, WO 8702671; Boulianneら, Nature 312:643 (1984); Neubergerら, Nature 314:268 (1985)を参照のこと。
 (免疫系関連障害の処置)
 上記のように、ニュートロカインαポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、ニュートロカインα活性の異常に高いまたは低い発現に関与する状態の診断に有用である。ニュートロカインαが発現される細胞および組織、ならびにニュートロカインαによって調整される活性が与えられると、標準または「正常」レベルと比較して個体における実質的に変化(増大または減少)したレベルのニュートロカインαの発現は、ニュートロカインαが発現され、そして/または活性である身体系に関連する病理状態を生じる。
 本発明のニュートロカインαタンパク質はTNFファミリーのメンバーであるので、タンパク質の細胞外ドメインが、タンパク質分解切断によってニュートロカインαを発現する細胞から可溶性形態で放出され得、それゆえ、ニュートロカインαタンパク質(特に可溶性形態の細胞外ドメイン)が、個体の細胞、組織または身体に外来性供給源から添加される場合、このタンパク質は、その個体の任意の標的細胞においてその調整活性を発揮することもまた当業者に理解される。さらに、このII型膜貫通タンパク質を発現する細胞は、個体の細胞、組織または身体に添加され得、それによって、添加された細胞はニュートロカインαのレセプターを発現する細胞に結合し、それによってニュートロカインαを発現する細胞は、レセプター保有標的細胞において作用(例えば、細胞傷害性)を引き起こし得る。
 それゆえ、個体におけるニュートロカインα活性の標準または正常なレベルにおける減少によって引き起こされる状態(特に、免疫系の障害)は、ニュートロカインαタンパク質(可溶性細胞外ドメインの形態または完全なタンパク質を発現する細胞)の投与によって処置され得ることが理解される。従って、本発明はまた、ニュートロカインαのレベルの増大を必要とする個体の処置の方法を提供する。この方法は、このような個体におけるニュートロカインα活性レベルを増大するのに効果的な量の本発明の単離されたニュートロカインαポリペプチドを含有する薬学組成物をそのような個体に投与する工程を含む。
 ニュートロカインαは、TNFスーパーファミリーに属するので、血管形成をも調整するはずである。さらに、ニュートロカインαは、免疫細胞機能を阻害するので、広範な範囲の抗炎症活性を有する。ニュートロカインαは、宿主防御細胞(例えば、細胞傷害T細胞およびマクロファージ)の浸潤および活性化を刺激し、そして腫瘍の血管形成を阻害することによって固相腫瘍を処置するための抗新血管新生因子として使用され得る。血管増殖が望まれない他の非ガン徴候を当業者は認識している。それらはまた、耐性の慢性および急性感染(例えば、殺菌白血球の誘引および活性化を介するミコバクテリア感染)に対して宿主防御を増大するために使用され得る。ニュートロカインαはまた、T細胞媒介性自己免疫疾患およびリンパ性白血病の処置のために、IL−2生合成の阻害によりT細胞増殖を阻害するために使用され得る。ニュートロカインαはまた、細片除去および結合組織促進炎症細胞の漸加の両方を介して、創傷治癒を刺激するために使用され得る。この同じ様式で、ニュートロカインαはまた、他の線維性障害(肝硬変、骨関節炎、および肺線維症を含む)を処置するのに使用され得る。ニュートロカインαはまた、住血吸虫症、旋毛虫病、回虫症にような場合に、組織に侵入する寄生体の幼生を死滅させる特有の機能を有する好酸球の存在を増大させる。例えば、化学療法の後に骨髄から成熟白血球を放出するために(すなわち、幹細胞動員において)、種々の造血前駆細胞の活性化および分化を調節することによって、造血を調節するために使用され得る。ニュートロカインαはまた、敗血症を処置するために使用され得る。
 (処方物)
 ニュートロカインαポリペプチド組成物(特に、可溶性形態の細胞外ドメインであるポリペプチドを含む)は、個々の患者の臨床状態(特にニュートロカインαポリペプチド単独での処置の副作用)、ニュートロカインαポリペプチド組成物の送達部位、投与方法、投与スケジュール、および実施者に公知の他の要素を考慮して、良好な医療行為と一致した様式で処方および投薬される。従って、本明細書中の目的のためのニュートロカインαポリペプチドの「有効量」は、このような考慮によって決定される。
 一般的提案として、1用量あたりで非経口投与されるニュートロカインαポリペプチドの総薬学的有効量は、患者の体重あたり、約1μg/kg/日〜10mg/kg/日の範囲であるが、上記のように、これは治療的自由裁量に供される。より好ましくは、この用量は、少なくとも0.01mg/kg/日、そして最も好ましくはヒトについてホルモンで、約0.01〜1mg/kg/日である。連続的に与えられる場合、ニュートロカインαポリペプチドは、代表的には、約1μg/kg/時間〜約50μg/kg/時間の用量速度で、1日あたり1〜4回の注射、または例えば、ミニポンプを用いる連続的皮下注入のいずれかにより投与される。静脈内バック溶液もまた用いられ得る。変化を観察するために必要とされる処置の長さ、および処置後に応答が起きるまでの間隔は、所望される効果に従って変化するようである。
 本発明のニュートロカインαポリペプチドを含む薬学的組成物は、経口、直腸、非経口、槽内(intracistemally)、膣内、腹腔内、局所(粉末、軟膏、点眼薬、または経皮パッチによるような)、頬に、または経口もしくは鼻腔内スプレーとして投与され得る。「薬学的に受容可能なキャリア」とは、任意の型の非毒性の固体、半固体、または液体の賦形剤、希釈剤、カプセル化材料、または処方助剤を意味する。本明細書中で用いられる用語「非経口」は、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨下、皮下、および関節内の注射および注入を含む投与態様をいう。
 ニュートロカインαポリペプチドはまた、持続放出系により適切に投与される。持続放出組成物の適切な例は、造形品(例えば、フィルムまたはマイクロカプセル)の形態の半透過性ポリマーマトリックスを含む。持続放出マトリックスは、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号、EP 58,481)、L−グルタミン酸とγ−エチル−L−グルタメートとのコポリマー(Sidman, U.ら, Biopolymers 22:547−556 (1983))、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)(R. Langerら, J. Biomed Mater. Res. 15:167−277 (1981)およびR. Langer, Chem. Tech. 12:98−105 (1982))、エチレンビニルアセテート(R. Langerら, 同書)、またはポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸(EP 133,988)を含む。持続放出ニュートロカインαポリペプチド組成物はまた、リポソームに封入されたニュートロカインαポリペプチドを含む。ニュートロカインαポリペプチドを含むリポソームは、それ自体が公知の方法により調製される(DE 3,218,121; Epsteinら, Proc. Natl. Acad. Sci. (USA) 82:3688−3692 (1985); Hwangら, Proc. Natl. Acad. Sci. (USA) 77:4030−4034 (1980); EP 52,322; EP 36,676; EP 88,046; EP 143,949; EP 142, 641; 日本国特許出願第83−118008号; 米国特許第4,485,045号および同第4,544,545号; ならびにEP 102,324)。通常、リポソームは、小さな(約200〜800オングストローム)単層型のものであり、ここで脂肪含量は約30mol.%コレステロールより高く、選択される比率は、最適なニュートロカインαポリペプチド治療のために調整される。
 非経口投与のために、1つの実施態様では、ニュートロカインαポリペプチドは、一般的に、所望の程度の純度で単位投薬量の注射可能な形態(溶液、懸濁液、または乳濁液)のこのポリペプチドを、薬学的に受容可能なキャリア(すなわち、用いられる投薬量および濃度でレシピエントに対して非毒性であり、処方物の他の成分と適合性であるキャリア)と混合することにより処方される。例えば、処方物は、好ましくは、酸化剤、およびポリペプチドに対して有害であることが公知である他の化合物を含まない。
 一般的に、処方物は、ニュートロカインαポリペプチドを、液体キャリアまたは微細に分割された固体キャリアまたはその両方と均一にかつ直接接触させることにより調製される。次いで、必要に応じて、産物は、所望の処方物に成形される。好ましくは、キャリアは、非経口キャリア、より好ましくはレシピエントの血液と等張である溶液である。このようなキャリアビヒクルの例は、水、生理食塩水、リンゲル溶液、およびデキストロース溶液を含む。固定油およびオレイン酸エチルのような非水性ビヒクルはまた、ならびにリポソームは、本明細書中で有用である。
 キャリアは、等張性および化学的安定性を増強する物質のような、微量の添加剤を適切に含む。このような物質は、用いられる投薬量および濃度でレシピエントに対して非毒性であり、そしてリン酸、クエン酸、コハク酸、酢酸、および他の有機酸またはそれらの塩のような緩衝剤;アスコルビン酸のような抗酸化剤;低分子量(約10残基未満)ポリペプチド(例えば、ポリアルギニンまたはトリペプチド);血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリンのようなタンパク質;ポリビニルピロリドンのような親水性ポリマー;グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、またはアルギニンのようなアミノ酸;セルロースもしくはその誘導体、グルコース、マンノース、またはデキストリンを含む、単糖類、二糖類、および他の炭水化物;EDTAのようなキレート化剤;マンニトールまたはソルビトールのような糖アルコール;ナトリウムのような対イオン;ならびに/あるいはポリソルベート、ポロオキサマー(poloxamer)またはPEGのような非イオン性界面活性剤を含む。
 ニュートロカインαポリペプチドは、代表的に、このようなビヒクルに、約0.1mg/ml〜100mg/ml、好ましくは1〜10mg/mlの濃度で、約3〜8のpHで処方される。上述の賦形剤、キャリア、または安定化剤の特定のものの使用が、ニュートロカインαポリペプチド塩の処方をもたらすことが理解される。
 治療的投与のために用いられるニュートロカインαポリペプチドは、無菌でなければならない。無菌は、無菌の濾過メンブレン(例えば、0.2ミクロンメンブレン)を通しての濾過により容易に達成される。治療的ニュートロカインαポリペプチド組成物は、一般的に、無菌の出入り口を有する容器(例えば、静脈内溶液バッグまたは皮下注射針が貫通し得るストッパーを有するバイアル)に入れられる。
 ニュートロカインαポリペプチドは、通常、単位用量のまたは多回用量の容器(例えば、シールされたアンプルまたはバイアル)において、水溶液または再構成のための凍結乾燥処方物として保存される。凍結乾燥処方物の1例として、10mlバイアルが、無菌濾過された1%(w/v)水性ニュートロカインαポリペプチド溶液5mlで満たされ、そして得られた混合物は凍結乾燥される。注入溶液は、凍結乾燥されたニュートロカインαポリペプチドを、静菌性の注射用蒸留水を用いて再構成することにより調製される。
 本発明はまた、本発明の薬学的組成物の1つ以上の成分で満たされた1つ以上の容器を含む、薬学的パックおよびキットを提供する。このような容器に、薬品または生物学的製品の製造、使用、または販売を規制する政府機関により処方された形態での注意書であって、ヒトへの投与のための製品の製造、使用、または販売の機関による認可を反映する注意書が付随し得る。さらに、本発明のポリペプチドは、他の治療化合物と組み合わせて用いられ得る。
 (アゴニストおよびアンタゴニスト−アッセイおよび分子)
 本発明はまた、細胞におけるニュートロカインαの作用(例えば、レセプター分子のようなニュートロカインα結合分子との相互作用)を増強またはブロックする化合物を同定するために化合物をスクリーニングする方法を提供する。アゴニストは、ニュートロカインαの天然の生物学的機能を増大するか、またはニュートロカインと類似した様式で機能する化合物であり、一方、アンタゴニストは、そのような機能を減少または除去する。
 この実施態様の別の局面では、本発明は、ニュートロカインαポリペプチドに特異的に結合するレセプタータンパク質またはリガンド結合タンパク質を同定するための方法を提供する。例えば、細胞区画(例えば、膜またはその調製物)は、ニュートロカインαに結合する分子を発現する細胞から調製され得る。この調製物は、標識されたニュートロカインαとともにインキュベートされ、そしてこのレセプターまたは他の結合タンパク質に結合したニュートロカインαの複合体が、当該分野において公知の日常的な方法に従って単離され、そして特徴付けられる。あるいは、ニュートロカインαポリペプチドは、細胞から可溶化された結合分子がカラムに結合し、次いで日常的な方法に従って溶出され、そして特徴付けられるように固相支持体に結合され得る。
 アゴニストまたはアンタゴニストに関する本発明のアッセイにおいて、細胞区画(例えば、膜またはその調製物)は、ニュートロカインαに結合する分子(例えば、ニュートロカインαによって調整されるシグナル伝達または調節経路の分子)を発現する細胞から調製され得る。この調製物は、ニュートロカインαアゴニストまたはアンタゴニストであり得る候補分子の非存在下または存在下で、標識されたニュートロカインαとともにインキュベートされる。結合分子に結合する候補分子の能力は、標識されたリガンドの減少した結合において反映される。理由なく(すなわち、ニュートロカインα結合分子を結合することに対するニュートロカインαの効果を誘導することなく)結合する分子は、ほとんど良好なアンタゴニストである。十分に結合し、そしてニュートロカインαと同一か、または密接に関連した効果を誘発する分子は、アゴニストである。
 潜在的なアゴニストおよびアンタゴニストのニュートロカインα様効果は、例えば、候補分子の、細胞または適切な細胞調製物との相互作用後の第2のメッセンジャー系の活性を決定すること、そしてその効果を、ニュートロカインα、またはニュートロカインαと同じ効果を誘発する分子の効果と比較することによって測定され得る。この点において有用であり得る第2のメッセンジャー系は、AMPグアニル酸シクラーゼ、イオンチャンネル、またはホスホイノシチド加水分解第2メッセンジャー系を含むが、これらに限定されない。
 ニュートロカインαアンタゴニストについてのアッセイの別の例は、競合阻害アッセイに適切な条件下で、ニュートロカインαと、膜結合レセプター分子または組換えニュートロカインαレセプター分子を有する潜在的なアンタゴニストと組み合わせる、競合アッセイである。ニュートロカインαは、レセプター分子に結合するニュートロカインα分子の数が、潜在的なアンタゴニストの効果を評価するために正確に決定され得るように、例えば放射能によって標識され得る。
 潜在的なアンタゴニストは、本発明のポリペプチドに結合し、そしてそれによってその活性を阻害または失活させる小有機分子、ペプチド、ポリペプチド、および抗体を含む。潜在的なアンタゴニストはまた、ニュートロカインα誘導活性を誘導することなしに結合分子(例えば、レセプター分子)上の同じ部位に結合し、それによりニュートロカインαが結合するのを妨げることによってニュートロカインαの作用を妨げる、密接に関連したタンパク質または抗体のような、小有機分子、ペプチド、ポリペプチドであり得る。
 他の潜在的なアンタゴニストは、アンチセンス分子を含む。アンチセンス技術を使用して、アンチセンスDNAもしくはRNAを介して、または三重らせん形成を介して遺伝子発現を制御し得る。アンチセンス技術は、例えばOkano, J. Neurochem. 56:560 (1991); Oligodeoxynucleotides as Antisense Inhibitors of Gene Expression, CRC Press, Boca Raton, FL (1988)において議論されている。三重らせん形成は、例えば、Leeら, Nucleic. Acids Research 6:3073 (1979); Cooneyら, Science 241:456 (1988);およびDervanら, Science 251:1360 (1991)において議論されている。本方法は、ポリヌクレオチドの、相補的なDNAまたはRNAへの結合に基づく。例えば、本発明のポリペプチドの細胞外ドメインをコードするポリヌクレオチドの5’コード部分は、約10〜40塩基対長のアンチセンスRNAオリゴヌクレオチドを設計するために使用され得る。DNAオリゴヌクレオチドは、転写に関連する遺伝子領域に相補的であるように設計され、それによってニュートロカインαの転写および産生を妨げる。アンチセンスRNAオリゴヌクレオチドは、インビボでmRNAにハイブリダイズし、そしてmRNA分子の、ニュートロカインαポリペプチドへの翻訳をブロックする。上記のオリゴヌクレオチドはまた、細胞に送達され得、その結果アンチセンスRNAまたはDNAは、インビボで発現され、ニュートロカインαの産生を阻害し得る。
 アゴニストおよびアンタゴニストは、例えば上記のような薬学的に受容可能なキャリアを有する組成物において使用され得る。
 アンタゴニストは、例えば、マクロファージおよびそれらの前駆体、ならびに好中球、好塩基球、Bリンパ球、およびいくつかのT細胞サブセット(例えば、特定の自己免疫疾患および慢性炎症疾患および感染性疾患における、活性化CD8細胞傷害性T細胞およびナチュラルキラー細胞)のニュートロカインα走化性および活性を阻害するために使用され得る。自己免疫疾患の例は、多発性硬化症およびインスリン依存性糖尿病を含む。アンタゴニストはまた、単球食細胞の補充および活性化を妨げることによって、感染性疾患(珪肺症、サルコイドーシス、特発性肺線維症を含む)を処置するために使用され得る。それらはまた、好酸球産生および移動を妨げることによって、好酸球増多症候群を処置するために使用され得る。内毒素ショックもまた、マクロファージの移動および本発明のヒトケモカインポリペプチドの産生を妨げることによって、アンタゴニストによって処置され得る。アンタゴニストはまた、動脈壁における単球浸潤を妨げることによってアテローム性硬化症を処置するために使用され得る。アンタゴニストはまた、ケモカイン誘導肥満細胞および好酸球脱顆粒およびヒスタミンの放出を阻害することによって、ヒスタミン媒介アレルギー反応および免疫学的障害(後期アレルギー反応、慢性じんま疹、およびアトピー性皮膚炎を含む)を処置するために使用され得る。IgE媒介アレルギー反応(例えば、アレルギー性ぜん息、鼻炎、および湿疹)もまた、処置され得る。アンタゴニストはまた、単球の創傷領域への誘引を妨げることによって慢性および急性の炎症を処置するために使用され得る。それらはまた、正常な肺性マクロファージ集団を制御するために使用され得る。なぜなら、慢性および急性の炎症性肺疾患は、肺における単核食細胞の壊死巣分離と関連するからである。アンタゴニストはまた、単球の、患者の関節中の関節液への誘引を妨げることによって慢性関節リウマチを処置するために使用され得る。単球流入および活性化は、変性および炎症性の両方の関節症の病原において有意な役割を果たす。アンタゴニストは、IL−1およびTNF(これらは、他の炎症性サイトカインの生合成を妨げる)に主に起因する有害なカスケードを妨げるために使用され得る。この様にして、アンタゴニストは炎症を妨げるために使用され得る。アンタゴニストはまた、ケモカインによって誘導されるプロスタグランジン依存性熱を阻害するために使用され得る。アンタゴニストはまた、骨髄不全(例えば、再生不良性貧血および脊髄形成異常症候群)の症例を処置するために使用され得る。アンタゴニストはまた、肺における好酸球蓄積を妨げることによってぜん息およびアレルギーを処置するために使用され得る。アンタゴニストはまた、ぜん息肺の顕著な特徴である、上皮下基底膜線維症を処置するために使用され得る。
 ニュートロカインαに対する抗体は、傷害後の肺への好中球の浸潤を妨げることによって、ニュートロカインαに結合し、そしてニュートロカインα活性を阻害し、ARDSを処置するために使用され得る。アンタゴニストは、例えば本明細書中下記のような薬学的に受容可能なキャリアを有する組成物において使用され得る。
 (染色体アッセイ)
 本発明の核酸分子はまた、染色体の同定に有用である。配列は、個々のヒト染色体上の特定の位置に特異的に標的化され、そしてその位置にハイブリダイズし得る。さらに、現在、染色体上の特定の部位を同定する必要性がある。現在、実際の配列データ(反復多型)に基づいた染色体標識化試薬はほとんどが、染色***置の標識に利用可能でない。本発明によるDNAの染色体へのマッピングは、これらの配列と疾患に関連する遺伝子との相関付けにおいて重要な第1工程である。
 この点における特定の好ましい実施態様において、本明細書中に開示されるcDNAは、ニュートロカインαタンパク質遺伝子のゲノムDNAをクローニングするために使用される。これは、種々の周知の技術および一般に市販されているライブラリーを使用して達成され得る。次いで、ゲノムDNAは、この目的のための周知の技術を使用してインサイチュ染色体マッピングのために使用される。
 さらに、いくつかの場合において、配列は、cDNAからPCRプライマー(好ましくは15〜25bp)を調製することにより染色体にマップされ得る。遺伝子の3’非翻訳領域のコンピューター解析が、ゲノムDNA内で1より多いエキソンにまたがらず、従って増幅プロセスを複雑化するプライマーを迅速に選択するために使用される。次いで、これらのプライマーは、個々のヒト染色体を含む体細胞ハイブリッドのPCRスクリーニングに使用される。cDNAクローンの、中期染色体スプレッドへの蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(「FISH」)は、1つの工程において正確な染色***置を提供するために使用され得る。この技術は、50または60bpほど短いcDNA由来のプローブとともに使用され得る。本技術の総説については、Vermaら、Human Chromosomes: A Manual Of Basic Techniques, Pergamon Press, New York (1988)を参照のこと。
 一旦配列が正確な染色***置にマップされると、配列の染色体上での物理的な位置を遺伝地図のデータと相関させ得る。このようなデータは、例えば、V. McKusick, Mendelian Inheritance In Man(Johns Hopkins University, Welch Medical Libraryからオンラインで入手可能である)において見出される。次いで、同じ染色体領域にマップされた遺伝子と疾患との間の関係が、連鎖解析(物理的に隣接した遺伝子の同時遺伝)により同定される。
 次に、罹患個体と非罹患個体との間のcDNA配列またはゲノム配列における相違を決定する必要がある。変異がいくつかまたは全ての罹患個体に観察されるが、いずれの正常な個体にも観察されない場合、この変異は疾患の原因因子であるようである。
 本発明を一般的に記載してきたが、本発明は、例示のために提供され、そして限定することを意図しない以下の実施例を参照することにより、さらに容易に理解される。
 (実施例1a:E.coliにおける「Hisタグ化」ニュートロカインαの発現および精製)
 細菌発現ベクターpQE9 (pD10)を、本実施例における細菌発現のために使用する。(QUIAGEN, Inc. 前出)。pQE9は、アンピシリン抗生物質耐性(「Ampr」)をコードし、細菌の複製起点(「ori」)、IPTG誘導プロモーター、リボソーム結合部位(「RBS」)、QUIAGEN, Inc., 前出によって販売されるニッケル−ニトリロ−三酢酸(「Ni−NTA」)アフィニティー樹脂を用いてアフィニティー精製を可能にするヒスチジン残基をコードする6つのコドン、および適切な単一の制限酵素切断部位を含む。これらのエレメントは、ポリペプチドをコードする挿入DNAフラグメントが、そのポリペプチドのアミノ末端に共有結合された6つのHis残基(すなわち、「6×Hisタグ」)を有するポリペプチドを発現するように整列される。
 細胞外ドメイン配列を含むニュートロカインαタンパク質の所望の部分をコードするDNA配列は、ニュートロカインαタンパク質の所望の部分のアミノ末端配列に、およびcDNAコード配列の3’側の寄託された構築物中の配列にアニーリングするPCRオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、寄託されたcDNAクローンから増幅される。pQE9ベクターにおけるクローニングを容易にする制限部位を含むさらなるヌクレオチドは、それぞれ5’および3’プライマー配列に付加される。
 タンパク質の細胞外ドメインをクローニングするために、5’プライマーは、配列5’ GTGGGATCCAGCCTCCGGGCAGAGCTG 3’(配列番号10)を有し、これは、下線を付したBamH I制限部位、続いて図1におけるニュートロカインα配列の細胞外ドメインのアミノ末端コード配列の18ヌクレオチドを含む。当然のことながら、当業者は、タンパク質コード配列中の5’プライマーが始まる点は、形態の細胞外ドメインより短いかまたは長い完全なニュートロカインαタンパク質の任意の所望の部分をコードするDNAセグメントを増幅するように変更され得ることを理解する。3’プライマーは、配列5’ GTGAAGCTTTTATTACAGCAGTTTCAATGCACC 3’(配列番号11)を有し、これは、下線を付したHind III制限部位、続いて2つの終止コドン、および図1におけるニュートロカインαDNA配列のコード配列の3’末端に相補的な18ヌクレオチドを含む。
 増幅されたニュートロカインαDNAフラグメントおよびベクターpQE90をBamH IおよびHindIIIで消化し、次いで消化されたDNAを一緒に連結する。ニュートロカインαDNAの制限されたpQE90ベクターへの挿入は、ニュートロカインαタンパク質のコード領域を、IPTG誘導プロモーターの下流に、そして開始AUGおよび6つのヒスチジンコドンにインフレームに配置する。
 連結混合物を、標準的な手順を用いて、コンピテントのE.coli細胞に形質転換する。このような手順は、Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (1989)に記載されている。複数のコピーのプラスミドpREP4(これは、lacリプレッサーを発現し、そしてまたカナマイシン耐性(「Kan」)を付与する)を含有するE.coli株M15/rep4を、本明細書に記載の例示的な実施例を行うにあたって使用する。この株(これは、ニュートロカインαタンパク質を発現するために適切である多くの株の内の唯一である)は、QIAGEN, Inc. 前出から市販されている。形質転換体を、アンピシリンおよびカナマイシンの存在下でLBプレート上で増殖するそれらの能力により同定する。プラスミドDNAを耐性コロニーから単離し、そしてクローン化DNAの同定を制限分析、PCR、およびDNA配列決定により確認する。所望の構築物を含むクローンを、アンピシリン(100μg/ml)とカナマイシン(25μg/ml)との両方を補充したLB培地における液体培養で一晩(「O/N」)増殖する。O/N培養物を用いて、約1:25〜1:250の希釈で大規模培養に接種する。細胞を、0.4と0.6との間の600nmでの吸光度(「OD600」)にまで増殖させる。次いで、イソプロピル−B−D−チオガラクトピラノシド(「IPTG」)を加えて1mMの最終濃度にし、lacIリプレッサーを不活性化することにより、lacリプレッサー感受性プロモーターからの転写を誘導する。細胞をさらに3〜4時間引き続きインキュベートする。次いで、標準的方法によって細胞を遠心分離により採集する。
 次いで、細胞を6MグアニジンHCl、pH 8中で3〜4時間、4℃で撹拌する。細胞細片を、遠心分離によって除去し、そしてニュートロカインαを含有する上清をニッケルニトリロトリ酢酸(「Ni−NTA」)アフィニティー樹脂カラム(QIAGEN, Inc., 前出より入手可能)にロードする。6×Hisタグを有するタンパク質を、Ni−NTA樹脂に高親和性で結合させ、そして単回の1工程手順(詳細については、The QIAexpressionist, 1995, QIAGEN, Inc., 前出)で精製し得る。簡単には、上清を10容量の6Mグアニジン−HCl、pH8で洗浄し、カラムをまず6MグアニジンHCl、pH8中でロードし、次いで10容量の6MグアニジンHCl、pH6で洗浄し、そして最後にニュートロカインαで6MグアニジンHCl、pH5で溶出する。
 次いで、精製したタンパク質を、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)または50mM Na−アセテート、pH6緩衝液プラス200mM NaClに対して透析することによって再生する。あるいは、タンパク質を、Ni−NTAカラム上に固定化する間に、首尾良く再折り畳みし得る。推奨される条件は、以下の通りである:直線6M−1M尿素勾配を使用して、500mM NaCl、20%グリセロール、20mM Tris/HCl、pH7.4(プロテアーゼインヒビターを含有する)中で再生する。再生は、1.5時間以上の時間行われるべきである。再生した後、タンパク質を250mMイミダゾールの添加によって溶出し得る。イミダゾールを、PBSまたは50mM酢酸ナトリウム(pH 6)緩衝液プラス200mM NaClに対する最後の透析工程によって除去する。精製されたタンパク質を4℃で保存するか、または−80℃で凍結する。
 (実施例1b: ニュートロカインαのE. coli中での発現および精製)
 細菌発現ベクターpQE60を、本実施例において細菌発現について使用する。(QIAGEN, Inc., 9259 Eton Avenue, Chatsworth, CA, 91311)。pQE60は、アンピシリン抗生物質耐性(「Ampr」)をコードし、そして複製の細菌起源(「ori」)、IPTG誘導性プロモーター、リボソーム結合部位(「RBS」)、QIAGEN, Inc.(前出)から市販されるニッケルニトリロトリ酢酸(「Ni−NTA」)アフィニティー樹脂を用いるアフィニティー精製を可能にするヒスチジン残基をコードする6つのコドン、および適切な単一制限酵素切断部位を含む。このようなエレメントは、ポリぺプチドをコードするDNAフラグメントが、そのペプチドのカルボキシ末端に共有結合された6つのHis残基(すなわち、「6 X Hisタグ」)を有するそのポリぺプチドを生成するような様式で挿入され得るように配置される。しかし、この実施例では、6つのHisコドンの翻訳が防止され、それゆえポリぺプチドが6 X Hisタグなしに産生されるように、ポリぺプチドコード配列を挿入する。
 細胞外ドメイン配列を含むニュートロカインαタンパク質の所望の部分をコードするDNA配列を、寄託されているcDNAクローンから、ニュートロカインαタンパク質の所望の部分のアミノ末端配列、およびcDNAコード配列の3’側の寄託された構築物中の配列にアニーリングするPCRオリゴヌクレオチドプライマーを使用して増幅する。pQE60ベクターへのクローニングを容易にするための制限部位を含有するさらなるヌクレオチドを、5’および3’配列のそれぞれに付加する。
 タンパク質の細胞外ドメインをクローニングするために、5’プライマーは、下線を付したBspH制限部位、続いて図1のニュートロカインα配列の細胞外ドメインのアミノ末端コード配列の17ヌクレオチドを含有する配列5’GTGTCATGAGCCTCCGGGCAGAGCTG 3’(配列番号12)を有する。当業者は、当然に、5’プライマーが開始するタンパク質コード配列中の点が、その形態の細胞外ドメインよりも短いか長い完全なタンパク質の所望の部分を増幅するように変化され得ることを理解する。3’プライマーは、下線を付したHindIII制限部位、続いて2つの終止コドン、および図1のニュートロカインαDNA配列中のコード配列の3’末端に相補的な18ヌクレオチドを含有する配列5’GTGAAGCTTTTATTACAGCAGTTTCAATGCACC 3’(配列番号13)を有する。
 増幅されたニュートロカインαDNAフラグメントおよびベクターpQE60は、BspHIおよびHindIIIで消化され、次いで消化されたDNAは、一緒に連結される。ニュートロカインαDNAの、制限されたpQE60ベクターへの挿入は、その付随する終止コドンを含むニュートロカインαタンパク質コード領域を、IPTG誘導性プロモーターから下流に、そして開始AUGとインフレームに配置する。付随する終止コドンは、挿入点の下流の6つのヒスチジンコドンの翻訳を防止する。
 連結混合物を、Sambrookら、Molecular Cloning: a Laboratory Manual、第2版;Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY (1989)に記載されるような標準的な手順を使用して、コンピテントなE.coli細胞中に形質転換する。lacリプレッサーを発現し、そしてカナマイシン耐性(「Kanr」)を付与する、プラスミドpREP4の複数のコピーを含有するE. coli株M15/rep4を、本明細書中に記載される例示的な実施例を行うために使用する。この株(これは、ニュートロカインαタンパク質を発現するために適した多くのもののうちの唯一のものである)は、QIAGEN, Inc.(前出)から市販されている。形質転換体を、アンピシリンおよびカナマイシンの存在下でLBプレート上で増殖する能力によって同定する。耐性コロニーからプラスミドDNAを単離し、そしてクローンDNAの同定を制限分析、PCR、およびDNA配列決定によって確認する。
 所望の構築物を含有するクローンを、アンピシリン(100μg/ml)およびカナマイシン(25μg/ml)の両方で補充したLB培地中の液体培養物中で一晩(「O/N」)増殖させる。O/N培養物を使用して、約1:25〜1:250の希釈で大培養物を接種する。細胞を、0.4と0.6の間の600nmでの光学密度(「OD600」)まで培養させる。次いで、イソプロピル−b−D−チオガラクトピラノシド(「IPTG」)を、1mMの最終濃度まで添加し、lacIリプレッサーを不活化することによって、lacリプレッサー感受性プロモーターからの転写を誘導する。続いて、細胞をさらに3〜4時間インキュベートする。次いで、細胞を遠心分離によって回収する。
 次いで、細胞を、6MグアニジンHCl(pH8)中で4℃で3〜4時間撹拌する。細胞細片を、遠心分離によって除去し、そしてニュートロカインαを含有する上清を、200mM NaClを補充した50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH 6)に対して透析する。あるいは、タンパク質を、500mM NaCl, 20%グリセロール、25mM Tris/HCl, pH7.4(プロテアーゼインヒビターを含有する)に対して透析することによって首尾良く再折り畳みし得る。再生した後、タンパク質をイオン交換クロマトグラフィー、疎水相互作用クロマトグラフィー、およびサイズ排除クロマトグラフィーによって精製し得る。あるいは、抗体カラムのようなアフィニティークロマトグラフィー工程を、純粋なニュートロカインαタンパク質を得るために使用し得る。精製されたタンパク質を、4℃で保存するか、または−80℃で凍結する。
 (実施例2:バキュロウイルス発現系におけるニュートロカインαタンパク質のクローニングおよび発現)
 この例示的な実施例において、プラスミドシャトルベクターpA2 GPを使用して、その天然に付随する細胞内配列および膜貫通配列を欠失するタンパク質の細胞外ドメインをコードするクローン化したDNAを、バキュロウイルスに挿入して、バキュロウイルスリーダーおよびSummersら、A Manual of Methods for Baculovirus Vectors and Insect Cell Culture Procedures, Texas Agricultural Experimental Station Bulletin No. 1555 (1987)に記載される標準的な方法を使用して、ニュートロカインαタンパク質の細胞外ドメインを発現する。この発現ベクターは、Autographa californica核多角体病ウイルス(AcMNPV)の強力なポリヘドリンプロモーター、続いてバキュロウイルスgp67タンパク質の分泌シグナルペプチド(リーダー)、およびBamHI、XbaI、およびAsp718のような都合の良い制限部位を含有する。シミアンウイルス40(「SV40」)のポリアデニル化部位を、効率的なポリアデニル化に使用する。組換えウイルスの簡単な選択のために、プラスミドは、同じ方向にある弱いDrosophilaプロモーターの制御下のE.coli由来のβガラクトシダーゼ遺伝子、続いてポリヘドリン遺伝子のポリアデニル化シグナルを含有する。挿入された遺伝子は、クローン化ポリヌクレオチドを発現する生存可能なウイルスを生成するための、野生型ウイルスDNAでの細胞媒介性相同組換えのための、ウイルス配列が両側に隣接する。
 多くの他のバキュロウイルスベクターは、当業者が容易に理解するように、構築物が、転写、翻訳、分泌などのための適切に配置されたシグナル(必要であれば、シグナルペプチドおよびインフレームのAUGを含む)を提供する限り、上記のベクター(例えば、pAc373、pVL941、およびpAcIM1)の代わりに使用され得る。このようなベクターは、例えば、Luckowら、Virology 170:31−39 (1989)に記載される。
 寄託されたクローンのニュートロカインαタンパク質の細胞外ドメインをコードし、AUG開始コドン、ならびに図1(配列番号2)に示される天然に付随する細胞内ドメイン配列および膜貫通ドメイン配列を欠くcDNA配列を、遺伝子の5’および3’配列に対応するPCRオリゴヌクレオチドプライマーを使用して増幅する。5’プライマーは、下線を付したBamHI制限酵素部位、続いて図1に示すニュートロカインαタンパク質の細胞外ドメインの配列の18ヌクレオチド(タンパク質の細胞外ドメインの示された末端で始まる)を含有する配列5’ GTGGGATCCCCGGGCAGAGCTGCAGGGC 3’(配列番号14)を有する。3’プライマーは、下線を付したBamHI制限部位、続いて2つの終結コドン、および図1の3’コード配列に相補的なの18ヌクレオチドを含有する配列5’ GTGGGATCCTTATTACAGCAGTTTCAATGCACC 3’(配列番号15)を有する。
 増幅されたフラグメントを、市販のキット(「Geneclean」, BIO 101 Inc., La Jolla, Ca.)を使用して1%アガロースゲルから単離する。次いで、フラグメントをBamHIで消化し、そして再び1%アガロースゲル上で精製する。このフラグメントを本明細書中でF1と命名する。
 プラスミドを制限酵素BamHIで消化し、そして必要に応じて、ウシ腸ホスファターゼを使用して、当該分野で公知の日常的な手順を使用して、脱リン酸化し得る。次いで、DNAを、市販のキット(「Geneclean」BIO 101 Inc., La Jolla, Ca.)を使用して1%アガロースゲルから単離する。このベクターDNAを、本明細書中で「V1」と命名する。
 フラグメントF1および脱リン酸化プラスミドV1を、T4 DNAリガーゼと一緒に連結する。E.coli HB101または他の適切なE.coli宿主(例えば、XL−1 Blue(Stratagene Cloning Systems, La Jolla, CA)細胞)を連結混合物で形質転換し、そして培養プレート上に拡大した。個々のコロニーからのDNAを、BamHIを使用して消化し、次いでゲル電気泳動によって消化産物を分析することによって、ヒトニュートロカインα遺伝子を有するプラスミドを含有する細菌を同定する。クローン化したフラグメントの配列をDNA配列決定によって確認する。このプラスミドを、本明細書中でpA2GPニュートロカインαと命名する。
 5μgのプラスミドpA2GPニュートロカインαを、Felgnerら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 84:7413−7417 (1987)によって記載されるリポフェクション法を用いて、1.0μgの市販の線状化バキュロウイルスDNA(「BaculoGoldTM baculovirus DNA」, Pharmingen, San Diego, CA.)とともに同時トランスフェクトする。1μgのBaculoGoldTMウイルスDNAおよび5μgのプラスミドpA2GPニュートロカインαを、50μlの無血清グレース培地(Life Technologies Inc., Gaithersburg, MD)を含むマイクロタイタープレートの無菌ウェル中で混合する。その後、10μlのリポフェクチンおよび90μlのグレース培地を添加し、混合し、そして室温にて15分間インキュベートする。次いで、そのトランスフェクション混合物を、無血清グレース培地1mlを有する35mm組織培養プレート内に播種されたSf9昆虫細胞(ATCC CRL 1711)に滴下する。次いで、プレートを、5時間27℃でインキュベートする。次いで、トランスフェクション溶液をプレートから除去し、そして10%ウシ胎児血清を補充した1mlのグレース昆虫培地を添加する。次いで、27℃で4日間培養を続ける。
 4日後、上清を回収し、そしてSummersおよびSmith(前出)に記載されるようにプラークアッセイを行う。青く染色されたプラークを産生するgal発現クローンの容易な同定および単離を可能にするために、「Blue Gal」(Life Technologies Inc., Gaithersburg)を有するアガロースゲルを用いる。(このタイプの「プラークアッセイ」の詳細な説明はまた、Life Technologies Inc.、Gaithersburg、で配布される昆虫細胞培養およびバキュロウイルス学の使用者ガイド(9〜10頁)においても見い出され得る)。適切なインキュベーションの後、青く染色されたプラークをマイクロピペッター(エッペンドルフ)のチップで拾う。次いで、組換えウイルスを含む寒天を、200μlのグレース培地を含むマイクロ遠心チューブ中に再懸濁し、そして組換えバキュロウイルスを含有する懸濁物を使用して、35mmのディッシュに播種したSf9細胞を感染させる。4日後、これらの培養ディッシュの上清を回収し、次いでそれらを4℃で保存する。この組換えウイルスを、V−ニュートロカインαと呼ぶ。
 ニュートロカインα遺伝子の発現を評価するために、10%熱不活化FBSを補充したSf9細胞をグレース培地中で増殖させる。細胞を、組み換えバキュロウイルスV−ニュートロカインαで、約2の感染の多重度(「MOI」)で感染させる。放射標識されたタンパク質が所望の場合には、6時間後に培地を除去し、そしてメチオニンおよびシステインを含まないSF900II培地(Life Technologies Inc., Rockville, MDから入手可能)で置き換える。42時間後に、5μCiの35Sメチオニンおよび5μCiの35Sシステイン(Amershamから入手可能)を添加する。細胞を16時間さらにインキュベートし、次いで遠心分離によって回収する。上清中のタンパク質および細胞内タンパク質を、SDS−PAGEにより、続いてオートラジオグラフィー(放射標識されている場合)により分析する。
 精製されたタンパク質のアミノ末端のアミノ酸配列のミクロシークエンシングは、タンパク質の細胞外ドメインのアミノ末端配列、従って分泌シグナルペプチドの切断点および長さを決定するために使用され得る。
 (実施例3:哺乳動物細胞中でのニュートロカインαのクローニングおよび発現)
 代表的な哺乳動物発現ベクターは、プロモーターエレメント(mRNAの転写の開始を媒介する)、タンパク質コード配列、ならびに転写の終結および転写物のポリアデニル化に必要なシグナルを含む。さらなるエレメントとしては、エンハンサー、Kozak配列、およびRNAスプライシングのためのドナーおよびアクセプター部位が隣接する介在配列が挙げられる。非常に有効な転写を、SV40由来の初期および後期プロモーター、レトロウイルス(例えば、RSV、HTLVI、HIVI)由来の長末端反復(LTR)、ならびにサイトメガロウイルス(CMV)の初期プロモーターで達成し得る。しかし、細胞性エレメントもまた使用され得る(例えば、ヒトアクチンプロモーター)。本発明の実施における使用に適切な発現ベクターとしては、例えば、pSVLおよびpMSG(Pharmacia, Uppsala, Sweden)、pRSVcat(ATCC 37152)、pSV2dhfr(ATCC 37146)、ならびにpBC12MI(ATCC 67109)のようなベクターが挙げられる。使用し得る哺乳動物宿主細胞としては、ヒトHela、293、H9およびJurkat細胞、マウスNIH3T3およびC127細胞、Cos1、Cos7およびCV1、ウズラQC1−3細胞、マウスL細胞、ならびにチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞が挙げられる。
 あるいは、遺伝子は、染色体に取り込まれるその遺伝子を含む安定な細胞株において発現され得る。選択マーカー(例えば、dhfr、gpt、ネオマイシン、ハイグロマイシン)との同時トランスフェクションは、トランスフェクトされた細胞の同定および単離を可能にする。
 トランスフェクトされた遺伝子はまた、増幅されて大量のコードされるタンパク質を発現し得る。DHFR(ジヒドロ葉酸レダクターゼ)マーカーは、目的の遺伝子の数百または数千ものコピーを有する細胞株を開発するのに有用なマーカーである。別の有用な選択マーカーは、酵素グルタミンシンターゼ(GS)である(Murphyら、Biochem J. 227:277−279(1991);Bebbingtonら、Bio/Technology 10:169−175(1992))。これらのマーカーを使用して、哺乳動物細胞を選択培地において増殖させ、そして最も高い耐性を有する細胞を選択する。これらの細胞株は染色体に取り込まれる増幅遺伝子(単数または複数)を含む。チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞およびNSO細胞は、タンパク質の産生にしばしば使用される。
 発現ベクターpC1およびpC4は、ラウス肉腫ウイルスの強力なプロモーター(LTR)(Cullenら、Molecular and Cellular Biology, 438−447(1985年3月))およびCMV−エンハンサーのフラグメント(Boshartら、Cell 41:521−530(1985))を含む。複数のクローニング部位(例えば、制限酵素切断部位BamHI、XbaI、およびAsp718)は、目的の遺伝子のクローニングを容易にする。ベクターはさらに、ラットのプレプロインシュリン遺伝子の3’イントロン、ポリアデニル化、および終結シグナルを含む。
 (実施例3(a):COS細胞におけるクローニングおよび発現)
 発現プラスミドpニュートロカインα HAを、ニュートロカインαタンパク質の細胞外ドメインをコードする寄託されたcDNAの部分を、発現ベクターpcDNAI/AmpまたはpcDNAIII(Invitrogen, Inc.から入手し得る)内へクローニングすることによって作製する。ポリぺプチドの可溶性の、分泌された形態を生成するために、細胞外ドメインをヒトIL−6遺伝子の分泌リーダー配列に融合する。
 発現ベクターpcDNAI/ampは以下:(1)E.coliおよび他の原核生物細胞における増殖に効果的なE.coli複製起点;(2)プラスミド含有原核生物細胞の選択のためのアンピシリン耐性遺伝子;(3)真核生物細胞における増殖のためのSV40複製起点;(4)CMVプロモーター、ポリリンカー、SV40イントロン;(5)血液凝集素フラグメント(すなわち、精製を容易にする、「HA」タグ)をコードするいくつかのコドン、続いて終結コドンおよび配列されたポリアデニル化シグナルを含み、その結果cDNAは、都合良くCMVプロモーターの発現制御下におかれ、そしてポリリンカーにおける制限部位によってSV40イントロンおよびポリアデニル化シグナルに作動可能に連結し得る。HAタグは、Wilsonら、Cell 37:767 (1984)によって記載されたインフルエンザ血液凝集素タンパク質に由来するエピトープに対応する。標的タンパク質に対するHAタグの融合体は、HAエピトープを認識する抗体を用いて組み換えタンパク質の容易な検出および回収を可能にする。pcDNAIIIは、さらに、選択可能なネオマイシンマーカーを含む。
 ニュートロカインαポリぺプチドの細胞外ドメインをコードするDNAフラグメントを、組換えタンパク質発現がCMVプロモーターによって導かれるように、ベクターのポリリンカー領域へクローン化する。プラスミド構築ストラテジーは以下のようである。寄託されたクローンのニュートロカインα cDNAを、上記のE.coliにおけるニュートロカインαの発現のためのベクターの構築についてと同様に、都合の良い制限部位を含むプライマーを用いて増幅する。本実施例において使用される適切なプライマーは、以下を含む。下線のBamHI部位、Kozak配列、AUG開始コドン、ヒトIL−6遺伝子からの分泌リーダーペプチドをコードする配列、およびニュートロカインαタンパク質の細胞外ドメインの5’コード領域の18ヌクレオチドを含む5’プライマーは、以下の配列を有する: 5’ GCGGGATCCGCCACCATGAACTCCTTCTCCACAAGCGCCTTCGGTCCAGTTGCCTTCTCCCTGGGGCTGCTCCTGGTGTTGCCTGCTGCCTTCCCTGCCCCAGTTGTGAGACAAGGGGACCTGGCCAGC 3’ (配列番号16)。下線のBamHI制限部位、終止コドンの直前の3’コード配列に相補的なヌクレオチドの18を含む3’プライマーは以下の配列を有する:5’ GTGGGATCCTTACAGCAGTTTCAATGCACC 3’ (配列番号17)。
 PCR増幅DNAフラグメントおよびベクターpcDNAI/Ampを、BamHIで消化し、次いで連結する。連結混合物を、E.coli株SUREへ形質転換し(Stratagene Cloning Systems, 11099 North Torrey Pines Road, La Jolla, CA 92037から入手可能)、そして形質転換培養物を、次いでインキュベートしてアンピシリン耐性コロニーの増殖を可能にするアンピシリン培地プレートへプレーティングする。プラスミドDNAを耐性コロニーから単離し、ニュートロカインα細胞外ドメインをコードするフラグメントの存在について制限分析または他の手段によって試験する。
 組換えニュートロカインαの発現のために、COS細胞を、例えば、Sambrookら, Molecular Cloning: a Laboratory Manual, Cold Spring Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York(1989)に記載のDEAE−DEXTRANを用いて、上記のように発現ベクターで形質転換する。細胞をベクターによるニュートロカインαの発現のための条件下でインキュベートする。
 ニュートロカインα−HA融合タンパク質の発現を、例えば、Harlowら, Antibodies: A Laboratory Manual,第2版; Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York(1988)に記載の方法を用いて放射標識化および免疫沈降法によって検出する。この目的を達するため、トランスフェクションの2日後に、細胞を、35S−システインを含む培地中で8時間インキュベートすることによって標識する。細胞および培地を回収し、そして細胞を洗浄し、そしてWilsonら(上記に引用された)に記載されるように界面活性剤含有RIPA緩衝液:150mM NaCl、1% NP−40、0.1% SDS、0.5% DOC、50mM TRIS、pH 7.5で溶解する。タンパク質を、HA特異的モノクローナル抗体を用いて細胞溶解物および培養培地から沈降する。次いで、沈降されたタンパク質を、SDS−PAGEおよびオートラジオグラフィーによって分析する。期待されるサイズの発現産物が細胞溶解物において観察され、これはネガティブコントロールにおいては観察されない。
 (実施例3(b):CHO細胞におけるクローニングおよび発現)
 ベクターpC4を、ニュートロカインαタンパク質の発現のために使用する。プラスミドpC4は、プラスミドpSV2−dhfr(ATCC受託番号37146)の誘導体である。ニュートロカインαポリぺプチドの可溶性の、分泌された形態を生成するために、細胞外ドメインをコードする寄託されたcDNAの部分を、ヒトIL−6遺伝子の分泌リーダー配列に融合する。このベクタープラスミドは、SV40初期プロモーターの制御下で、マウスDHFR遺伝子を含む。これらのプラスミドで形質転換されるチャイニーズハムスター卵巣細胞または他のジヒドロ葉酸活性を欠如する細胞は、化学治療剤メトトレキサートを補充した選択培地(αマイナスMEM、Life Technologies)中で細胞を増殖させることによって選択され得る。メトトレキサート(MTX)に耐性である細胞におけるDHFR遺伝子の増幅は、よく考証されている(例えば、Alt, F.W., Kellems, R.M., Bertino, J.R.およびSchimke, R.T., 1978, J Biol. Chem. 253:1357−1370、Hamlin, J.L.およびMa, C., Biochem. et Biophys. Acta, 1097:107−143(1990)、Page, M.J.およびSydenham, M.A., Biotechnology 9:64−68(1991)を参照のこと)。漸増濃度のMTXにおいて増殖した細胞は、DHFR遺伝子の増幅の結果として、標的酵素DHFRを過剰産生することによって薬物への耐性を生じる。第二の遺伝子がDHFR遺伝子に連結される場合、通常、同時増幅され、そして過剰発現される。このアプローチは、増幅遺伝子(単数または複数)の1,000を越えるコピーを有する細胞株を開発するために使用され得ることは、当該分野で公知である。続いて、メトトレキサートが取り除かれる場合、細胞株は、宿主細胞の染色体(単数または複数)に取り込まれる増幅遺伝子を含む細胞株が得られる。
 プラスミドpC4は、ラウス肉腫ウイルス(Cullenら、Molecular and Cellular Biology, 1985年3月: 438−447)の長末端反復(LTR)の目的の強力なプロモーターの遺伝子、およびヒトサイトメガロウイルス(CMV)(Boshartら、Cell 41:521−530(1985))の最初期遺伝子のエンハンサーから単離されたフラグメントの遺伝子の発現を含む。プロモーターの下流は、遺伝子の取り込みを可能にする以下の単一制限酵素切断部位である:BamHI、XbaIおよびAsp718。これらのクローニング部位の後ろに、プラスミドは、ラットプレプロインシュリン遺伝子の3’イントロンおよびポリアデニル化部位を含む。他の高効率プロモーターもまた、発現(例えば、ヒトβアクチンプロモーター、SV40初期もしくは後期プロモーター、または他のレトロウイルス(例えば、HIVおよびHTLVI)からの長末端反復のために使用し得る。ClontechのTet−OffおよびTet−On遺伝子発現系ならびに類似の系を使用して、哺乳動物細胞中で調節された方法でニュートロカインαを発現し得る(Gossen, M.およびBujard, H. 1992, Proc Natl.Acad. Sci. USA 89:5547−5551)。mRNAのポリアデニル化のために、他のシグナル(例えば、ヒト成長ホルモンまたはグロビン遺伝子由来)も同様に使用し得る。染色体に挿入された目的の遺伝子を有する安定な細胞株もまた、選択マーカー(例えば、gpt、G418、またはハイグロマイシン)での同時トランスフェクションに基づいて選択し得る。開始において2つ以上の選択マーカー(例えば、G418およびメトトレキサート)を使用することが有用である。
 プラスミドpC4を制限酵素BamHIで消化し、ついでウシ小腸ホスファターゼを用いて、当該分野で公知の手順によって脱リン酸化する。次いで、ベクターを、1%アガロースゲルから単離する。
 ニュートロカインαタンパク質の細胞外ドメインをコードするDNA配列(リーダー配列を含む)を、遺伝子の5’および3’配列に対応するPCRオリゴヌクレオチドプライマーを用いて増幅する。下線を付したBamHI部位、続いてKozak配列、AUG開始コドン、ヒトIL−6遺伝子由来の分泌リーダーペプチドをコードする配列、およびニュートロカインαタンパク質の細胞外ドメインの5’コード領域の18ヌクレオチドを含む5’プライマーは、以下の配列を含む: 5’ GCGGGATCCGCCACCATGAACTCCTTCTCCACAAGCGCCTTCGGTCCAGTTGCCTTCTCCCTGGGGCTGCTCCTGGTGTGGCCTGCTGCCTTCCCTGCCCCAGTTGTGAGACAAGGGGACCTGGCCAGC 3’ (配列番号16) 。下線を付したBamHI、および終結コドンの直前の3’コード配列に相補的なヌクレオチドの18を含む3’プライマーは、以下の配列を含む: 5’ GTGGGATCCTTACAGCAGTTTCAATGCACC 3’ (配列番号17)。
 増幅したフラグメントを、エンドヌクレアーゼBamHIで消化し、次いで1%アガロースゲルで再び精製する。次いで、単離したフラグメントおよび脱リン酸化ベクターをT4 DNAリガーゼで連結する。次いで、E.coli HB101細胞またはXL−1 Blue細胞を形質転換し、そして、例えば、制限酵素分析を用いてプラスミドpC4に挿入されたフラグメントを含む細菌を同定する。
 活性なDHFR遺伝子を欠如するチャイニーズハムスター卵巣細胞を、トランスフェクションのために使用する。5μgの発現プラスミドpC4を、リポフェクチン(Felgnerら、前出)を用いて、0.5μgのプラスミドpSV−neoとともに同時トランスフェクトする。プラスミドpSV2−neoは優性選択マーカー(G418を含む一群の抗生物質への耐性を与える酵素をコードするTn5由来のneo遺伝子)を含む。細胞を、1mg/mlのG418を補充したαマイナスMEMに播種する。2日後、細胞をトリプシン処理し、そして10、25、または50ng/mlのメトトレキサートと1mg/ml G418で補充したαマイナスMEM中のハイブリドーマクローニングプレート(Greiner, Germany)に播種する。約10〜14日の後、単一のクローンをトリプシン処理し、次いで異なる濃度のメトトレキサート(50nM、100nM、200nM、400nM、800nM)を用いて、6ウェルペトリ皿または10mlフラスコに播種する。次いで、最高濃度のメトトレキサートで増殖するクローンを、さらに高濃度のメトトレキサート(1μM、2μM、5μM、10μM、20μM)含む新たな6ウェルプレートに移す。同じ手順を、クローンが100〜200μMの濃度で増殖するクローンが得られるまで繰り返す。所望の遺伝子産物の発現を、例えば、SDS−PAGEおよびウエスタンブロット分析によってか、または逆相HPLC分析によって分析する。
 (実施例4:ニュートロカインα mRNA発現の組織分布)
 ノーザンブロット分析を行って、とりわけSambrookら(上記に引用される)によって記載される方法を用いて、ヒト組織におけるニュートロカインα遺伝子の発現を試験した。ニュートロカインαタンパク質の完全ヌクレオチド配列を含むcDNAプローブ(配列番号1)を、rediprimeTMDNA標識系(Amersham Life Science)を用いて、製造業者の説明書に従って、32Pで標識した。標識後、プローブを、CHROMA SPIN−100TMカラム(Clontech Laboratories, Inc.)を用いて、製造業者のプロトコル番号PT1200−1に従って、精製した。次いで、精製した標識化プローブを使用して、ニュートロカインαmRNAについて、種々のヒト組織を試験した。
 種々のヒト組織(H)またはヒト免疫系組織(IM)を含む多組織ノーザン(MTN)ブロットをClontechから入手し、そしてExpressHybTM ハイブリダイゼーション溶液(Clontech)を用いて、製造業者のプロトコル番号PT1190−1に従って、標識化プローブで試験した。ハイブリダイゼーションおよび洗浄に続いて、ブロットを取り付け、そして−70℃にて一晩フィルムに暴露し、そして標準的な手順に従ってフィルムを現像した。
 本発明が、上記説明および実施例に特に記載したものとは別のやり方で実施され得ることは明らかである。本発明の多くの改変および変更が、上記の教示に照らして可能であり、それゆえ添付の請求の範囲内にある。
 本明細書中で引用された全ての刊行物(特許、特許出願、雑誌文献、研究室マニュアル、本、または他の文献を含む)の開示が、本明細書中に参考として援用される。
 (配列表)
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図1は、ニュートロカインαタンパク質のヌクレオチド配列(配列番号1)および推定アミノ酸配列(配列番号2)を示す。アミノ酸1〜46は、細胞内ドメインを、アミノ酸47〜72は膜貫通ドメイン(下線を引いた配列)を、およびアミノ酸73〜285は細胞外ドメイン(残りの配列)を表す。 図2は、「Megalign」ルーチン(「DNAStar」と呼ばれるコンピュータープログラムの部分である)により決定された、ニュートロカインαタンパク質およびTNF−α(配列番号3)、TNF−β(リンホトキシン)(配列番号4)、およびFASリガンド(配列番号5)のアミノ酸配列間の同一性の領域を示す。 図3は、ニュートロカインαアミノ酸配列の分析を示す。α、β、ターンおよびコイル領域;親水性および疎水性;両親媒性領域;可撓性領域;抗原指数および表面確率を示す。「抗原指標−Jameson−Wolf」グラフは、ニュートロカインαタンパク質の高度に抗原性の領域の位置、すなわち、本発明のエピトープ保有ペプチドが得られ得る領域を示す。 図4Aは、1996年10月22日のATCC寄託において寄託されたヒトcDNAから決定されたニュートロカインαヌクレオチド配列の、本発明の関連ヒトcDNAクローン(これらは、HSOAD55R(配列番号7)、HSLAH84R(配列番号8)、およびHLTBM08R(配列番号9)と命名された)とのアラインメントを示す。 図4Bは、1996年10月22日のATCC寄託において寄託されたヒトcDNAから決定されたニュートロカインαヌクレオチド配列の、本発明の関連ヒトcDNAクローン(これらは、HSOAD55R(配列番号7)、HSLAH84R(配列番号8)、およびHLTBM08R(配列番号9)と命名された)とのアラインメントを示す。 図4Cは、1996年10月22日のATCC寄託において寄託されたヒトcDNAから決定されたニュートロカインαヌクレオチド配列の、本発明の関連ヒトcDNAクローン(これらは、HSOAD55R(配列番号7)、HSLAH84R(配列番号8)、およびHLTBM08R(配列番号9)と命名された)とのアラインメントを示す。

Claims (1)

  1.  以下からなる群から選択される配列に少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む、単離された核酸分子:
     (a)図2〜4における完全なアミノ酸配列を有するニュートロカインαポリペプチドをコードするヌクレオチド配列。
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