JP2004127063A - 能力算出システム、能力算出方法、能力算出プログラム、情報通信端末、及び記録媒体 - Google Patents

能力算出システム、能力算出方法、能力算出プログラム、情報通信端末、及び記録媒体 Download PDF

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大辻 清太
Hironori Suzuki
鈴木 裕紀
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Abstract

【課題】客観的な外部情報に加えて、ユーザ固有の内的要因をも加味した情報を提供し、ユーザが次に行う行動を判断するのを支援するために、特定の時刻及び場所において、特定の行動をユーザが実行することができる可能性を表す能力を確率として算出する能力算出システム、方法、及びプログラム、並びに情報通信端末を提供すること。
【解決手段】情報通信端末において、ユーザから要求されたタスクについて該ユーザが該タスクを実行できる可能性を該ユーザの該タスクについての能力として算出する際に、該タスクについての能力を、環境側の要因と、ユーザ固有の要因とに分別し、上記環境側の要因についての能力と、上記ユーザ固有の要因についての能力とを双方考慮して上記タスクについての能力を算出する。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に、客観的な外的情報にユーザ個人についての内的情報を加味して提供する方法及びシステムに係り、特に、特定の時刻及び場所において、特定の行動をユーザが実行することができる可能性を表す能力を確率として算出する能力算出方法及びシステム、並びに情報通信端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
人は、何らかの行動を実行したいと思ったとき、その行動を実行する前に、又は実行することを決断する前に、「自分は(who)、今(when)、ここで(where)、その行動(what)を実行することができるか否か」を意識的又は無意識的に判断している。
【0003】
このようないわば「実行可能性」を判断する際、人は、自らの記憶(過去の体験・経験、事前にガイドブック等から得た知識、など)や、手持ちの資料(地図、ガイドブック、など)、或いはインフラ(道路案内板、街の案内板など)などからの情報を判断の材料とするのが通常である。
【0004】
しかしながら、人間の記憶には限界があり、あらゆる場所についてあらゆる情報を記憶しておくことはできない。また、ガイドブックや案内板などは、最新の情報(すなわち、その時点での正確な情報)でないおそれがある。
【0005】
そこで、近年の情報通信技術の進歩に伴い、例えば携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)を用いて、特に外出中・移動中のユーザへ、リクエストに応じた最新の情報を提供する情報提供サービスが提案されている。
【0006】
このような情報提供サービスにおいて、ユーザは、例えば、「○○駅から××駅までの乗り換えルート」、「△△駅周辺のラーメン屋」、「□□ブランドの入った百貨店」など、自分の所望する行動を裏付ける情報を検索することができる。
【0007】
こうして得られた検索結果に基づいて、ユーザは、目的地への移動、飲食、買い物などの希望する行動を実行することができるか否かを判断することができる。
【0008】
このように、情報提供サービスを利用することによって、ユーザは、自らの記憶のみに頼ることなく、又、ガイドブック等の資料を精査する必要もなく、自分にとって必要な分野・種類の最新情報のみを得ることができ、外出先での移動や買い物などの行動を効率良く行うことができる。
【0009】
このような検索型の情報提供サービスに加えて、最近では、自分の現在位置をセンターに通知することによって、ユーザの現在位置に基づいた情報・サービスが得られるシステムが提案されている。例えば、ユーザは、GPS(Global Positioning System;全地球測位システム)又は携帯電話の基地局セル範囲に基づく位置情報サービスにより、ユーザの現在位置に応じた店舗案内、状況監視、緊急時位置通報サービス、現在位置から半径2キロメートル以内に位置するタクシーを呼ぶサービス(2001年9月よりサービスが開始されたフットコール社のFootCallサービス。http://8940.net/index.htm参照。)などの情報・サービスを受けることができる。
【0010】
また、GPSを利用して、ジョギング中のランナーに、現在位置に基づく通過距離、平均ペース、高低差、残り距離、或いは予め設定された目標値に到達するための助言などのフィードバック・データをリアルタイムに提供するシステム及び携帯端末も知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0011】
このようなユーザの現在位置を考慮した情報提供サービスは、携帯電話やPDA分野よりも、むしろ自動車用のナビゲーション装置の分野においてより一般的なものとなっている。各ナビゲーション装置は、複数の人工衛星から発せられたGPS信号を受信し、自車の緯度及び経度を知る。こうして得られた自車現在位置をCD−ROM等から読み出した地図データと組み合わせることによって、ユーザに現在位置を基準としたナビゲーション情報(道路情報、道案内、近隣施設・設備案内、など)が提供される。
【0012】
また、自動車用ナビゲーション装置においては、VICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報通信システム)に対応したものも普及してきている。VICSは、渋滞、事故、規制等の最新交通情報をほぼリアルタイムに提供するサービスであり、各ナビゲーション装置は、これら最新の交通情報が反映されたナビゲーション情報を提供することができるようになる。
【0013】
このように、現存の情報提供システムによれば、ユーザは、現在位置及び/又は現在時刻に基づいた様々な情報を入手することができるため、特に外出時に、次に行う行動を選択するための判断材料が増え、移動や買い物といった所望の行動を行う際の参考にすることができる。
【0014】
【特許文献1】
特表2002−507734号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような従来の情報提供システムにおいては、ユーザに提供される情報がユーザにとって有効なものであるとは限らない、換言すればユーザに提供された情報に基づいた行動を該ユーザが確実に実行できるとは限らない、という問題があった。
【0016】
すなわち、従来の情報提供システムは、言うなれば「平均人」を対象とした情報を万人に向けて共通に提供するものであり、そこには個人の能力や、属性、装備などのユーザ固有の事情・都合(すなわち、個人差)は考慮されていない。したがって、ユーザは、提供された情報(例えば、店舗情報)について、「その行動(例えば、その店まで行く)は、今、ここで、自分にとって実行可能なものなのか否か」を自分で考え、判断しなければならなかった。
【0017】
例えば、情報提供システムから得た情報がある目的物を購入するための店舗情報(名称、住所、営業時間、等)であった場合、ユーザがその店で該目的物を購入するという行動を採ることができるか否かは、ア)その店まで物理的に移動できるかを自分の身体運動能力や健康状態に照らして判断する、イ)現在位置からその店まで営業時間内に到着できるかを自分の疲労度や手荷物の重量に照らして判断する、ウ)次の予定に間に合うようにその店で買い物を終えることができるかをその時間帯におけるその店の混雑状況を考慮して判断する、などの考察が必要となる。このような「自分個人にとっての実行可能性」の検討はすべての店について必要であるため、選択肢として示された候補店が多いほど判断に要する時間がより掛かることとなる。
【0018】
以下、更に具体例を挙げて上記のような従来技術の問題点について分析する。
【0019】
通常、人がある行動を実行する場合、その思考過程を分析するならば、まず(1)自分に実行可能な行動の全部又は一部を列挙し(列挙段階)、次に(2)挙げられた行動の中から実際に行うものを決定する(決定段階)、という二段階を経ていると言い得る。
【0020】
さらに、(1)列挙段階においては、(a)客観的状況に照らして実行が可能であるか否か(外的要因)と、(b)自分の能力に照らして実行が可能であるか否か(内的要因)との二面が考慮される。
【0021】
例えば、泳げる人が水泳がしたいと思ってもプールや海水浴場等の遊泳が可能な施設・場所がなければ泳ぐことはできない(外的要因により実行不可)。また、自動車の運転免許を持っていない人が十分な資金を持ってレンタカー店を訪れたとしても車を借りて運転することはできない(内的要因により実行不可)。
【0022】
従来の情報提供サービスは、上記外的要因(1)(a)に基づく実行可能な行動の判断を支援するものであり、店舗情報や道路情報といった万人にとって同一の客観的な事実を提供するに留まる。すなわち、ユーザは、この情報提供サービスから客観的な情報を入手することによって採り得る行動の選択肢は増えるものの、その行動をユーザ自身が実際に実行できるか否かの判断、すなわち上記内的要因(1)(b)の判断はユーザ自らが主体的に行う必要があった。
【0023】
例えば、上述の例を用いると、自動車の運転免許を持っていないユーザに移動方法の一選択肢としてレンタカー店の場所や営業時間などの情報が提供されても、そのユーザの内的要因により該情報は不要な情報となる。
【0024】
このように、従来の情報提供サービスは、外的要因に関する情報のみをユーザに提供するものであり、ユーザは必ずしも自分が確実に利用できる情報を得られなかった。
【0025】
本発明はこのような課題を解決するために為されたものであり、客観的な外部情報に加えて、ユーザ固有の内的要因をも加味した情報を提供し、ユーザが次に行う行動を判断するのを支援するために、特定の時刻及び場所において、特定の行動をユーザが実行することができる可能性を表す能力を確率として算出する能力算出システム及び方法を提供することを主たる目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様は、情報通信端末において、該情報通信端末のユーザの能力を算出する方法であって、ユーザから要求されたタスクについて該ユーザが該タスクを実行できる可能性を該ユーザの該タスクについての能力として算出する際に、該タスクについての能力を、環境側の要因と、ユーザ固有の要因とに分別し、上記環境側の要因についての能力と、上記ユーザ固有の要因についての能力とを双方考慮して上記タスクについての能力を算出する能力算出方法である。
【0027】
この態様によれば、あるタスク(例えば、ある商店である商品を購入する、など)を実行するために必要と考えられる能力のうち、万人に共通する環境側の要因(例えば、当該商店の営業時間内である、など)と、1人1人異なる個別の事情による要因(例えば、当該商店まで移動できるか、購入するのに十分な資金を持ち合わせているか、など)との双方が考慮されて該タスクの実行できる可能性が算出されるため、ユーザは自分がその行動をできるかできないかをより的確に知ることができ、無駄足が減る。
【0028】
また、上記態様において、環境側の要因を予めすべて把握しておくのは難しいため、適切な場所(例えば、ある商店の営業時間であればその商店自体)に通信ネットワークを通じて適宜問い合わせることが可能であることが好ましい。
【0029】
本発明の別の態様は、上記態様に係る方法を実現する情報通信端末、能力算出システム、及び能力算出プログラム(及びそれを記録する記録媒体)である。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0031】
(能力の定義)
最初に、本発明において用いる用語について定義する。
【0032】
本発明においては、注目する作業・行動・行為(の内容)を「タスク」と呼び、現在時刻及び現在位置において、或いは、ある時刻にある場所において、ユーザが特定の「タスク」を実行できる可能性を確率として表したものをそのタスクについての「能力」と呼ぶ。
【0033】
例えば、ユーザが「今(現在時刻において)、ここで(現在位置において)、あるタスクを実行する」ことを欲する場合、ユーザは該タスクについての現在時刻及び現在位置における能力の算出を本発明に係る端末(後述する情報通信端末501)に指示する。ユーザは、算出された能力を参照して、そのタスクを今すぐ実行するか、今すぐ実行することは諦めて別の機会に実行するか、判断することができる。これにより、ユーザがあるタスクの実行を試みたが実際には実行できなかった、という事態(例えば、ある店である商品を購入したいと考え、その店に実際に行ってみたが、到着した時には既に営業時間が過ぎていて購入できなかった、など)が回避され、無駄足を減らすことができる。
【0034】
また、上記能力算出時には、タスクにある「時間粒度」を持たせることができる。ここで言う時間粒度とは、例えば、ユーザがそのタスクを実行するのに想定している時間スケール(例えば、「デパートでウィンドウ・ショッピングをして30分ほど時間をつぶしたい」場合など)や、そのタスクを完了しなければならない制限時間(例えば、「1時間以内にパソコン・ショップである周辺機器を購入したい」場合など)である。
【0035】
能力、すなわち実行可能な確率は、ユーザ側の個人的要因と環境(周辺状況)側の客観的要因とを考慮して算出される。一例として、「3分以内に封書を発送する」というタスクを考える。この場合、問われる客観的能力は「(その)封書を郵便ポストへ投函する、又は郵便局窓口で発送を依頼する能力」であり、時間粒度(この場合、制限時間)は「3分」である。ここで、従来技術であれば、現在位置から「平均人」が徒歩3分以内に行くことができる郵便ポスト又は郵便局の位置及び/又はルートを示すに留まる。しかしながら、本発明では、更に、個人的要因が考慮される。上記一例において、ユーザの個人的要因として考えられる事項は、i)その封書を発送するのに必要な郵便料金をそのユーザが所持しているか、ii)候補として挙げられた(すなわち、平均人であれば3分以内に到達できるであろう)現在位置周辺の郵便ポスト又は郵便局へ3分以内に移動することができる身体運動能力及び健康状態をユーザが備えているか、などである。本発明では、このような個人的要因を「個人固有能力」と呼び、環境側要因を「環境ポテンシャル」と呼び、両者を総合的に考慮してそのユーザ個人の特定のタスクに対する「総合能力」を算出するものとする。すなわち、環境ポテンシャル(例えば平均人を基準とした客観的な実行可能性)が個人固有能力(そのユーザの個人的事情・都合・性質)によって如何に促進又は妨害されるかが考慮される。
【0036】
総合能力には、実行可能性に応じた段階が生じる。例えば、電話、TV会議、電子メールなどに応対するための基本的な情報処理能力(基本的な情報処理を行うというタスクについての総合能力)に関して言えば、a)反応不能、b)受信可能、c)理解可能、及びd)応答可能の各段階を有すると考えることができる。ここで、a)反応不能とは、通信接続環境・装備の欠如、操作困難な環境(振動、視界、温度、服装など)、生活行動要因(睡眠、トイレ、入浴、超多忙など)、健康要因(ケガ、疾病など)、などが原因で着信に対して反応することができず、相手と連絡がつかない状態を指す。また、b)受信可能とは、環境的・装備的には条件が揃っており、簡単な内容であれば受信し把握する余裕がある状態を指す。また、c)理解可能とは、少し複雑な内容を受信し理解できる環境装備と作業余裕とがある状態を指す。さらに、d)応答可能とは、依頼ラスクを処理し、返答する能力を指す(この場合、返信するための装備・手段が必要となる)。
【0037】
上記一例について、ユーザに提示する際、a)反応不能の場合を総合能力0%とし、d)応答可能の場合を95%とする(前述のように、この数字は確率を表すため、100にはあえてしていない)ならば、例えば、b)受信可能の場合を50%、c)理解可能の場合を70%としてユーザに提示することができる。
【0038】
上記のような基本的情報処理能力の他に、ユーザは、当然、より複雑なタスクについて能力を算出することもできる。例えば、A)明日の朝9時から30分以内に、入場制限がある特定の場所の状況を写真撮影して、その画像を携帯電話ですぐ送信する、或いは、B)雨天の本日夕方に、雨に濡れることなくATM(現金自動預け払い機)で現金を下ろし、ある商品2点を購入し、それらを購入後直ちに使用する、などのタスクについても能力を算出することができる。
【0039】
ここで、上記入場制限のある特定の場所とは、例えば、電力設備の施設など立ち入りに免許や許可が必要なエリア、劇場などの入場券を持つ人だけが入ることのできるイベント会場、或いは、他人は立ち入ることができない個人の私有地などが考えられる。電力設備施設の場合、上記写真撮影された画像は、例えば、設備外見に異常がないかを調べるためのものであり、劇場の場合、該画像は、例えば、待合いホールの混み具合を調べるためのものであり、私有地の場合、該画像は、例えば、通常であればその所有者しか見ることのできない該私有地からの視点で撮影したもの(例えば、テーマパークの裏側や工場設備等の通用門監視など)である。
【0040】
上述のように、総合能力は、現在時刻(又は、ユーザが指定した特定の時刻)によって変化するため、各時刻における総合能力を時系列化すれば、ユーザはいつであれば対応するタスクを実行することができる確率が高いかを知ることができる。例えば、ある店である商品を購入するというタスクであれば、それに対する総合能力は、時間が経過し、閉店時刻に近づくにつれて低くなる。
【0041】
また、総合能力は、ユーザの現在位置(又は、ユーザが指定した特定の場所)によって変化するため、地図データと組み合わせることによって、ユーザがどの位置に居ればどの程度の総合能力を有するのかが判る。この一例を図1に示す。この例は、前述の「3分以内に郵便物を発送する」というタスクについての総合能力の場所による変化を示す一例である。
【0042】
図1において、黒く塗り潰された上向きの三角形の印は、ユーザの現在位置を示し、黒く塗り潰された星印は、郵便物の発送が可能な場所を示す。ここで、ユーザは、通常の歩行移動が可能な身体運動機能を備えた歩行者であるものとし、右上の星印は小さな郵便局内に1つだけ設けられた窓口であり、中央やや左の星印は大型のオフィスビル内に設置された郵便ポストであるものとする。
【0043】
図示する例では、例えば窓口が混んでいるなどの理由で郵便局内においても総合能力が70%にしかならない。他方、郵便ポストは、いつでも自由に投函可能であるため、ポスト近傍では総合能力が95%以上となる。ユーザの現在位置での総合能力は、このような投函場所での事情に加えて、該投函場所への移動の容易さ(距離、道路形状、混雑具合など)も加味され、投函場所へ近づくほど確率が高くなる。図示する例では、ユーザの現在位置での総合能力は50%である。
【0044】
このように、総合能力は、時刻及び場所によって異なるものであり、算出された総合能力は、ユーザの希望に応じて、時系列データとしてユーザに提示されてもよく、(図1のように)地図データと共に提示されてもよく、ある時刻・ある場所における確率を示す数字データだけが提示されてもよい。
【0045】
(能力算出のタイミング)
次いで、総合能力が算出されるタイミングについて説明する。
【0046】
本発明において、総合能力は、大きく分けて、(i)ユーザによって指示される度に算出される場合と、(ii)所定のタスクについて自動的に算出される場合とがある。当業者には明らかなように、上記(i)及び(ii)は、択一的関係にはなく、同時に採用することが可能である。
【0047】
(i)総合能力がユーザの指示によって算出される場合の処理の流れを表すシーケンス図を図2に示す。まず、ユーザは、総合能力を算出したいタスクを端末(後述する情報通信端末501)に入力する(S201)。端末は、ユーザによって入力されたタスクを実行するための総合能力を「要素」に分解する(S202)。ここで、要素とは、前述の環境ポテンシャル成分又は個人固有能力成分を更に細分化した構成要素である。例えば、「今からある店である商品を購入する」というタスクの場合、要素としては、「その店の営業時間」、「ユーザの身体運動能力・手荷物の重さ・経路の混雑度(営業時間内にその店に到着できるか)」、「ユーザの所持金(その店に到着するのに必要な交通費を持ち合わせているか)」、「今の時間帯のその店の混み具合(営業時間内にその商品を購入できるか)」、などが挙げられる。これらは要素の一例であり、他の要素も当然考えられる。また、要素への分け方は任意の設定・方法でよい。
【0048】
次いで、端末は、各要素の能力を算出する(S203)。端末単体で算出できない能力があれば、その能力を代わりに算出してくれるサーバがないかネットワーク側へ問い合わせる(S204)。ネットワーク側からの回答(S205)が算出できるサーバがあるという内容であれば、端末は算出を依頼することができる(S206)。算出された各能力要素を掛け合わせることによって、総合能力が算出される(S208)。S205において、算出できるサーバがないという回答であれば、該要素について一般的な値(例えば、天候であれば、「その地域全体での平均的な天気」、「日本全体での天気確率平均」、又は「晴れ/雨が50%ずつ」など)で代用して総合能力が算出される。算出された総合能力は、前述のようにユーザ所望の形式でユーザに対して提示され(S209)、ユーザは、入力したタスクの実行可能性を確率として知ることができる(S210)。
【0049】
次いで、(ii)所定のタスクについて総合能力が自動的に算出される場合の処理の流れを表すシーケンス図を図3に示す。まず、ユーザは、自動的に算出させたいタスク(例えば、実行可能性が高いならばやってみたいと思う興味ある事項、或いは所定の時刻・場所でやらなければならない要リマインド事項、など)を端末(後述する情報通信端末501)に登録する(S301)。この際、総合能力がいくつ以上になった時にユーザに通知するかについても登録することが好ましい。加えて、ユーザは、端末に該タスクを算出させる条件(期限、頻度(毎月、毎週、随時、など)、場所など)についても入力することが好ましい。このような条件には、例えば、該端末以外のネットワーク上の有料の資源を用いてでも算出するか否かの設定を含んでもよい。
【0050】
端末は、入力されたタスクについて、同時に設定された条件に従ってスケジュール・データとして登録する(S302)。
【0051】
ユーザは、登録された内容と算出された能力の履歴とを随時参照・編集することができる(S303及びS304)。
【0052】
端末は、設定されたスケジュールに従って、当該タスクの総合能力を算出する(S305)。この際、端末単体で算出できない能力要素については、図2の場合と同様に、ネットワーク側に算出を依頼してもよい(S306及びS307)。
【0053】
各能力要素についての算出が完了すると、総合能力が算出され、その値が始めに設定された所定値以上であればユーザに対して提示される(S308)。当業者には明らかなように、登録されたタスクが少ない場合、或いは同じ時間帯に算出されるスケジュールとなっているタスクが少ない場合、算出されたすべての総合能力が提示されてもよい。また、総合能力と共に所要時間が提示されてもよい。
【0054】
このようにして、ユーザは、登録されたタスクの総合能力、及び/又は、所定値以上の総合能力となったタスクについて端末から通知を受けることとなる(S309)。該端末が携帯電話であって、すべてのタスクについて表示する場合の総合能力提示例を図4に示す。
【0055】
図示する例では、ユーザが購入を希望していた新刊本の在庫のある書店まで所要時間6分で行くことができ、該新刊本購入タスクについてユーザの総合能力が90%となったために、反転表示されている。この反転表示は例示であり、点滅表示でもよく、カラー・ディスプレイであれば別の色で表示してもよく、更にアラームや振動によるユーザへの通知を伴ってもよい。さらに、これら通知方法は、段階的に設定されてもよい。例えば、最初は単に画面に表示し、次いで強調された表示方法で表示され、最後はアラームを鳴らす、というようにしてあるタスクについて所定値以上の総合能力を有するようになったことをユーザに通知してもよい。
【0056】
通知条件としては、例えば、総合能力が90%で、且つ所要時間が15分以内、などが考えられる。また、通知条件をタスク毎に変えられるようにしてもよい。この場合、ユーザは、頻繁に実行するタスクについては総合能力の閾値を高くし、普段あまり実行しないタスクについては総合能力の閾値を下げる、という設定が可能となる。
【0057】
また、図4の例においては、各タスクをクリックすると詳細が表示される。図示する例における新刊本購入タスクのように所定値以上の総合能力を有するものについては、クリックによって図1に示したような地図データが表示されてもよい。また、他のタスクについても、携帯電話の表示能力が十分に高い場合、場所や時間による総合能力の変化まで示してもよい。
【0058】
このように、本発明に係る総合能力算出処理は、ユーザの指示をトリガとしてその都度実施されてもよく、ユーザによって設定された条件に従って自動的に(例えば、バックグラウンドで)実施され、所定の場合にだけその結果をユーザに通知するようにしてもよい。
【0059】
なお、上記以外に、ユーザのある行動が観測された時にその後の行動を補助するための総合能力が自動的に算出されてもよい。例えば、過去の履歴からユーザが日曜日の午前中に外出したときには目的地はカフェであることが多いと判断した場合、ユーザが日曜日の午前中に外出したことが観測された時に、自動的に現在位置から最寄りのカフェへ到達するというタスクについての能力を算出しユーザに提示してもよい。
【0060】
さらに、環境ポテンシャルを提供する環境ポテンシャルマップ提供者(後に詳述;例えば、レストランや本屋などのサービス事業者)が自らの営業所(店舗)を訪れる能力(及び/又はサービス・商品を購入する能力)についてユーザに算出するようにリクエストできるようにしてもよい。この場合、例えば、1又は複数のサービス事業者によって算出が希望された能力候補が一覧となってユーザに提示される。ユーザは、能力算出を希望するものがあれば、該一覧から選択することによって簡易に能力算出を実行することができる。こうすれば、店側は自店を積極的に宣伝することができ、ユーザは自ら能動的に検索を行わなくても様々な情報を得ることができる。
【0061】
(システム構成)
次いで、図5を用いて、上記のような処理を実現する本発明の一実施形態に係る能力自動算出・提示システムについて説明する。図5は、本実施形態に係る能力自動算出・提示システムの概略構成を示す図である。ここでは、ユーザ側の端末装置として、個人向けの情報通信端末501を考える。情報通信端末501は、パーソナル・コンピュータなどの据え置きタイプのものでもよいが、外出先で利用するために携帯型のものであることが好ましい。よって、情報通信端末501は、例えば、PDA、携帯電話、パームトップ、ラップトップなどのモバイル機器である。さらに、このユーザ側の装置は、上記のようなモバイル機器を複数個有線又は無線で連結させた機器グループであってもよい。
【0062】
情報通信端末501は、入力部502と、提示部503とを有する。入力部502は、ユーザが情報通信端末501に総合能力を算出したいタスクなどを入力するためのユーザ・インターフェースであり、例えば、キーボード、テン・キー、トラックボール、マイク、又はタッチパネルなどを含み得る。入力部502は、基本的な(標準的な)タスク、過去に求めたタスクなどを含む複数のタスクが表示されたメニューをユーザに提示し、ユーザはそこから希望するものを1以上選択し、必要に応じてそれらを修正又は組み合わせることによって総合能力を算出したいタスクの入力ができると簡便であり好ましい。より詳細なメニューを後述する環境ポテンシャルマップ提供部515からダウンロードできてもよい。上記基本的な(標準的な)タスクとしては、例えば、施設(駅、役所、郵便局)を利用する、指定した物を購入・入手する、指定した物を見る、複数地点を経由して移動する、などが挙げられる。
【0063】
提示部503は、後述する総合能力算出部511によって算出された総合能力をユーザに対して提示するための装備であり、例えば、ディスプレイ、スピーカ、LED(発行ダイオード)、小型の補助ディスプレイ、又は情報端末装置501全体を振動させるバイブレータなどを含み得る。
【0064】
情報通信端末501は、更に、装備検出部504と、動作監視部505と、個人スケジュール格納部506とを有する。装備検出部504は、ユーザが携帯している持ち物を検出し、例えばその種類や重量などのデータを保持する手段である。装備検出部504は、例えば、無線タグが装着されている持ち物を自動的に検出するタグ検出装置であってもよく、或いは、持ち物に装着されたバーコードを読み取る読み取り装置であってもよく、或いは、後述する自己位置・現在時刻情報算出部510から取得した現在時刻を後述する個人スケジュール格納部506に格納されたユーザのスケジュールに照らしてその時点でのユーザの持ち物を推測する手段であってもよく(例えば、出勤途中であるはずの時間であればいつも職場に持っていくカバン、など)、或いは、後述する自己位置・現在時刻情報算出部510から取得した現在位置を予め保持する地図データに照らしてその時点でのユーザの装備を推測する手段であってもよい(例えば、現在位置が高速道路上であれば自動車、など)。
【0065】
動作監視部505は、外部から観測可能なユーザの動作・行動を監視し、ユーザが実際に実行に移した能力を取得・記録する。動作監視部505は、ユーザの情報通信端末501への入力及びそれに応じて行われた処理を監視し、その利用態様からユーザの行動を推定してもよく、或いは、ユーザが所定の建物若しくは敷地内に立ち入った際に該建物若しくは敷地に備えられた通信装置からその場所に関する情報を取得してもよく、或いは、予めユーザ自身に装着されたセンサからユーザの動作・行動を取得してもよく、或いは、道路等のユーザ周辺に設置されたセンサによる観測データを取得して該データから推定してもよい。
【0066】
個人スケジュール格納部506は、ユーザの個人スケジュールを格納する記録装置である。個人スケジュール格納部506は、メモリやハードディスクなどの固定式記録媒体でもよく、フロッピィ(R)・ディスクやメモリ・カードなどの着脱可能な記録媒体でもよい。個人スケジュールは、入力部502を用いてユーザによって入力されてもよく、或いは、専用の入力手段を用いて入力されてもよく、或いは、個人スケジュール格納部506が着脱可能な記録媒体の場合、情報通信端末501以外の情報機器において個人スケジュールが格納された上で情報通信端末501に装着されてもよい。当業者には明らかなように、ここでの個人スケジュールは、一回だけの予定も定期的な予定も含むことが可能であり、その単位には例えば分、時、午前/午後、日、週、月、年などの任意の単位を用いることが可能である。
【0067】
情報通信端末501は、更に、対応表格納部507と、履歴格納部508とを有する。対応表格納部507は、算出すべき能力と、該能力を分解して成る要素群との対応関係を示す表(テーブル)、並びに各能力の算出手順を格納する記録装置である。対応表格納部507も、同様に、メモリやハードディスクなどの固定式記録媒体でもよく、フロッピィ(R)・ディスクやメモリ・カードなどの着脱可能な記録媒体でもよい。
【0068】
履歴格納部508は、算出された総合能力を時系列に及び/又は種類別に記録する装置である。履歴格納部508も、同様に、メモリやハードディスクなどの固定式記録媒体でもよく、フロッピィ(R)・ディスクやメモリ・カードなどの着脱可能な記録媒体でもよい。履歴格納部508に記録される履歴データは、例えば、総合能力の種類、算出日時、地図データを伴った算出結果、周辺情報(例えば、後述する環境ポテンシャルマップ提供部515から環境ポテンシャルと共に伝達された現在位置周辺のタウンマップなど)、結果表示に用いた補正マップ(後述)、同一又は類似の総合能力が過去に算出された回数などを含み得る。
【0069】
情報通信端末501は、更に、個人側通信部509と、自己位置・現在時刻情報算出部510とを有する。個人側通信部509は、ネットワーク512(例えば、インターネットなどの公衆網)を通じて通信するための送受信手段であり、その種類や性能は通信リンク513に応じて適宜備えられるものとする。当業者には明らかなように、通信リンク513は、有線リンクでも、無線リンク(例えば、無線LAN、ブルートゥース、など)でもよい。
【0070】
自己位置・現在時刻情報算出部510は、情報通信端末501を保持するユーザの現在位置及び現在時刻を獲得するための手段である。現在位置は、GPS、慣性航行装置、携帯電話電波を利用した位置推定、赤外線タグ(例えば、イスラエルのELPAS社製のもの;http://www.elpas.com/technology/index.html参照)、或いは電波位置タグ(例えば、特定の信号を送信する送信器を複数の特定の場所に設置し、その場所を知りたい人は該特定の信号を受信できる受信器を持つ;無線IDタグを複数の場所に設置しておき、無線IDリーダを持った人が各場所の無線IDタグを読んでその場所がどこかを知る;各人が特定の信号を送信する送信器を保持し、インフラ側のアンテナがそれを受信することによって誰がどこにいるかを検知する;など)などによって取得される。加えて、情報通信端末501が電子チケット、電子入場券、電子定期券、電子財布などを備えている場合には、自動販売機、マルチメディアキオスク、入場ゲート、自動改札など利用した際にインフラ側から得た装置位置情報に基づいて現在位置を推定してもよい。さらに、情報通信端末501のユーザが情報通信端末501が振動するような何らかの動作を特定の場所で行うのであれば、振動センサによって該特定の場所を識別することによって現在位置情報を得てもよい。現在時刻は、情報通信端末501に内蔵されたクォーツ時計又は電波時計から得てもよく、ネットワーク512から得てもよく、ユーザが別途保持する時計(例えば、電波時計である腕時計)を参照して情報通信端末501に(例えば、入力部502を用いて)入力してもよい。
【0071】
情報通信端末501は、更に、総合能力算出部511を有する。総合能力算出部511は、いわば中央制御装置であり、上述のすべての構成要素と(例えば、内部バスによって)連結され、各構成要素にデータを抽出・収集・算出させ、それらを回収し、最終的な総合能力を算出する。算出した総合能力は提示部503を通じてユーザに提示する。
【0072】
ネットワーク側には、ネットワーク側通信部514と、環境ポテンシャルマップ提供部515と、要素算出請負部516とが備えられている。ネットワーク側通信部514は、各情報通信端末501のユーザをネットワーク512とつなげるための送受信手段であり、その種類や性能は通信リンク513に応じて適宜備えられるものとする。例えば、情報通信端末501が携帯電話であり、通信リンク513が無線リンクの場合、ネットワーク側通信部514は無線基地局である。
【0073】
環境ポテンシャルマップ提供部515は、情報通信端末501からの照会・リクエストに応じて、環境ポテンシャルを返す手段である。環境ポテンシャルマップ提供部515は、例えば、商店などに設けられ、ネットワーク512に接続された専用サーバである。詳しくは後述する。
【0074】
要素算出請負部516は、各ユーザの情報通信端末501が入力されたタスクの総合能力が分解されて成る各要素を算出できない場合(例えば、問い合わせるべき環境ポテンシャルマップ提供部515が判らない場合、など)にネットワーク512経由で算出の代行を請け負う手段である。要素算出請負部516は、例えば、ネットワーク512に接続された(例えば専門のサービス業者によって運営される)専用サーバである。
【0075】
(算出処理)
以下、上記のような構成を有する本実施形態に係る能力自動算出・提示システムがどのように総合能力を算出するかについて図6(及び、図7〜12)を参照して説明する。図6は、本実施形態に係る総合能力算出処理の流れを示すフローチャートである。
【0076】
なお、本実施形態に係る総合能力算出方法は、基本的には、前述の(i)ユーザによって指示される度に総合能力が算出される場合と、(ii)所定のタスクについて総合能力が自動的に算出される場合とに共通するものであるが、以下の説明においては、便宜上、主に(i)ユーザによって指示される度に総合能力が算出される場合について説明する。
【0077】
まず、S601において、入力部502を通じて総合能力算出部511に総合能力を算出したいタスクが入力される。
【0078】
前述のように、総合能力は、個人的要因である個人固有能力と、環境側の要因である環境ポテンシャルとに分類され、両者を総合的に考慮して決定される。そこで、総合能力算出部511は、次にS602において、入力されたタスクを実行できる総合能力について環境ポテンシャル成分と個人固有能力成分とに分解する。
【0079】
次いで、総合能力算出部511は、S603において、環境ポテンシャル成分及び個人固有能力成分のそれぞれについて、能力算出を可能にするため、及び/又は能力算出を容易にするため、及び/又は算出精度を向上させるため、要素に分解する。要素への分解は、該当成分がそのままでは算出できないと判断された場合だけ行われてもよく、一旦算出を試みて算出できなかった場合に初めて行うようにしてもよい。
【0080】
このS603の処理において、総合能力算出部511は、対応表格納部507に格納されている対応表を参照する。これにより、よく使われる基本的な能力についてはどのような要素へ分解すればよいかが容易に判る。要素への分解方法が上記対応表に載っていない場合、一旦分解せずに処理を進めてよく、ネットワーク経由で検索し、入手(ダウンロード)してもよい。
【0081】
上記要素への分解について例を挙げると、例えば、情報通信端末501が携帯電話であって、求めたい総合能力が「掛かってきた呼を着信させる能力」である場合、該携帯電話の電波強度(圏内/圏外)を端末内で直接測定すれば判明する能力であるため、これ以上の要素への分解は為されない。他方、同じ例において、求めたい総合能力が「掛かってきた呼に応答する(電話に出る)能力」である場合、該携帯電話の電波強度に加えて、ユーザがその時点で実際に電話に出ることができるか否かを知るためにユーザの「応答する能力」を求める必要があるため、これら2つの要素への分解が為される。
【0082】
また、例えば図1に示した「3分以内に郵便物を発送する」というタスクの場合、環境ポテンシャル成分は、例えば、「現在位置付近の郵便物投函可能な場所とそこまでの距離(すなわち、そこまでの歩行移動に掛かる負荷)を示す地図データ」×「通り(街)の混み具合」と要素分解でき、個人固有能力成分は、例えば、「投函可能な郵便物の保持」×「歩行能力」×「投函能力」と要素分解できる。
【0083】
次いで、S604において、総合能力算出部511は、S603の処理で得られた各要素について、その能力を総合能力算出部511自身で(すなわち、情報通信端末501内の処理として)算出できるか否かを判断する。既述のように、対応表格納部507には上記対応表に載っている要素の能力算出方法も記録されているため、当該要素が該対応表上に発見されれば、端末内で算出できるか、或いは外部に依頼する必要があるかを容易に判断できる。
【0084】
このS604の処理において、総合能力算出部511は、履歴格納部508に格納された過去に算出された総合能力の履歴を参照し、当該要素に対応した総合能力がかつて算出されており、且つその寿命(後述)がその時点でまだ残っていれば、その過去に算出された結果を流用してもよい。
【0085】
さらに、対応表格納部507が、各要素の算出方法だけでなく、過去に算出された要素レベルの能力をその寿命(後述)の間保持している構成とすれば、総合能力算出部511は、対応表格納部507を参照することによって、対応する要素能力がかつて算出されており、且つその寿命(後述)がその時点でまだ残っていれば、その過去に算出された結果を流用してもよい。
【0086】
S604において端末内で算出可能と判断された要素については、S605において実際に算出される。端末内で算出可能な場合とは、当該要素が環境ポテンシャル成分の一構成要素であって、対応表から算出方法(いずれの環境ポテンシャルマップ提供部へ問い合わせればよいか)が判っている場合や、当該要素が個人固有能力成分の一構成要素である場合などが考えられる。
【0087】
ここで、環境ポテンシャルマップとは、時間の経過及び場所の移動によって変化するある一要素の能力(環境ポテンシャル)をマップ化したものであり、原則として一要素につき一マップが用意される。例えばサーバである環境ポテンシャルマップ提供部515は、1又は複数の環境ポテンシャルマップを保持し、ある要素について時刻データ及び場所データが入力されると、その時刻及び場所における該要素の能力(環境ポテンシャル)を返す。
【0088】
環境ポテンシャルには、商店の営業時間や役所の窓口が開いている時間など何らかの規則・予定に従って実行されているために非常に高い確率でその要素能力を言い当てることができる種類のものもあれば、天候、混雑具合、株価、為替レート、交通状況などのように不規則に変動し予測が難しいものもある。後者のような種類の環境ポテンシャルの場合、環境ポテンシャルマップ提供部515は、その時刻・場所における環境ポテンシャルに加えて、該環境ポテンシャルの信頼度(を表す数値%)を併せて返答するようにしてもよい。
【0089】
また、例えばサーバである環境ポテンシャルマップ提供部515は、上記のような環境ポテンシャルの照会に対してユーザに課金してもよい。
【0090】
さらに、環境ポテンシャルマップ提供部515は、有料又は無料で環境ポテンシャルマップの情報通信端末へのダウンロードを許可してもよい。ある要素について環境ポテンシャルマップをダウンロードした情報通信端末は、以後、その要素の能力をローカルで算出できるようになる。但し、時間の経過と共に、その内容が精度を欠くようになる場合も生じ得る。
【0091】
このように、問い合わせ先の環境ポテンシャルマップ提供部515が判明している場合、情報通信端末501は、自己位置・現在時刻情報算出部510によって得られた現在位置及び現在時刻を当該環境ポテンシャルマップ提供部515へネットワーク512を通じて送信することによって、所望の環境ポテンシャルを得ることができる。
【0092】
なお、現在位置は、情報通信端末501とは無関係にインフラ側によって取得されたユーザ現在位置が情報通信端末501へ伝達されることによって取得されてもよい。例えば、オムロン社から発売されているシステムによれば、自動改札に定期券が通されると、その定期券の所有者が該改札を通過したことが検知される。
【0093】
また、電源投入時、又は現在位置を検知できない場合には、個人スケジュール格納部506に格納された個人スケジュールを参照して初期値が与えられてもよく、具体的なスケジュールがない場合にはユーザの標準的・定期的な行動予定から推測された初期値が与えられてもよい。
【0094】
また、自己位置・現在時刻情報算出部510によって得られる現在時刻の精度は、総合能力を算出したいタスクの性質(時間粒度、解像度)に応じたものでよい。例えば、タスクの種類が開店・開演時刻や、窓口開設時間、交通機関の発着時刻といった種類のものであれば、現在時刻の精度は1分以内程度の精度でよいと考えられる。
【0095】
同様に、環境ポテンシャルマップの時間軸及び空間軸の解像度/分解能(例えば、空間粒度:10m、時間粒度:30分)も対応する要素の種類に応じて適切に設定される。例えば、郵便局や銀行などの窓口開設時間や商店のセール時間などについての環境ポテンシャルについては15〜30分程度の分解能が必要であるが、他方、通りや街並みといった地形的な要素については、工事や災害がない限り、年オーダーの粗さでよい。
【0096】
また、現在時刻について、タスクの種類によっては、得られた現在時刻に地域的・局所的に有効な時間制度(学校であれば時間割、企業であれば始業・就業時間、など)に関する情報を付加した上で総合能力を算出し、ユーザの利便性が高まるようにしてもよい(例えば、「9:20以降は○%」というところを、「1時間目の間は○%」とする)。
【0097】
ここで、図7を用いて、環境ポテンシャルマップ提供部515がどのようにして環境ポテンシャルマップを作成するかについて説明する。
【0098】
まず、S701において、環境ポテンシャルマップ提供部515は、予め格納した、或いはネットワーク512からダウンロードした地図データ(或いは、地形データやタウンマップなど)に時間軸方向の次元を与える。次いで、S702において、作ろうとしている環境ポテンシャルマップの対象である能力要素に関連するエリアを選択する。ここで、「関連」とは、すなわち、ユーザがその環境ポテンシャルを獲得したり喪失したりするエリアである。例えば、作ろうとしている環境ポテンシャルマップがある商店での買い物の実行可能性であれば、その商店からの距離が一定以上の領域、具体的には環境ポテンシャルが一定値以下となる領域については省略できる。
【0099】
次いで、S703において、環境ポテンシャルマップ提供部515は、環境ポテンシャルPを算出し、時間軸を付した地図データに割り当てる。環境ポテンシャルPは、例えば、地図上の位置座標(x,y)、高さ(ビルや地下街など同じxy位置について上下に重なりのある場合)(z)、予定・習慣・過去の観測値(実測値)からの予測値(t)、天気(大雪で移動できない、など)やPHS・携帯電話の圏内/圏外(通信できない、など)、道路の混雑状況(通過に時間が掛かる、など)、或いは道路/施設の工事状況(階段が狭くなっている、など)などの影響を受けると思われる外的諸要因(a,b,・・・)、などの関数である。
【0100】
次いで、S704において、環境ポテンシャルマップ提供部515は、算出された環境ポテンシャルに寿命を付す。ここで、「寿命」とは、算出された環境ポテンシャルは少なくともこの期間は正確性・信頼性を保つであろうと考えられるいわば算出値の鮮度である。例えば、あるレストランを利用できる(食事ができる)能力は、店の混雑具合によって変動するため、例えばその店の平均的な回転率などに基づいて寿命(例えば30分)を与える。地形や建物の立地に関する寿命は、一般的に長くとらえることができると考えられる。
【0101】
環境ポテンシャルの時間変化が設定されている規則や過去の経験値(実測値)から周期的であると考えられる場合、寿命自体を長くすることはできないが、寿命と共に変動予測(規則)式を環境ポテンシャルマップに付加することによって算出精度を上げることができる。強い影響を与え得る他の要因があれば、この式に含めてもよい。
【0102】
次いで、S705において、環境ポテンシャルマップ提供部515は、環境ポテンシャルマップについての変更情報を監視する。変更情報とは、例えば商店街でのバーゲンセールについての環境ポテンシャルマップであれば、バーゲンセール期間が延長された、バーゲン会場が変更された、来場者への特典内容が変更された、などの情報である。変更情報が入手されれば(S705のYES)、環境ポテンシャルマップ提供部515は環境ポテンシャルマップを修正する(S706)。また、環境ポテンシャルマップ提供部515は、環境ポテンシャルの観測値(ユーザが実行できな確率の実測値)も監視し(S707)、必要があれば保持する環境ポテンシャルマップを調整する(S708)。
【0103】
このような環境ポテンシャルマップは、例えば、駅、バス停、タクシー乗り場、ATM、郵便局、銀行、市役所、図書館、各種窓口、公衆トイレ、ファーストフード店舗、レストラン、証明写真撮影ボックス、コンビニエンスストア、ドラッグストア、スーパー、専門店、ショッピングセンター、映画館、休憩所、展望台、などの施設や、雨天時に傘無しで歩ける(屋根の下又は地下街である)エリア、空調(冷暖房)を備えたエリア、バリアフリーな(例えば、段差がなく、車椅子で移動できる)エリアなどのエリアについて設定される。すなわち、地理的に同一の位置が複数の環境ポテンシャルマップに関連付けられることも当然あり得る。
【0104】
環境ポテンシャルマップの分解能は任意であり、環境ポテンシャルは、可能/不可能の2段階でもよく、場所の移動に伴って連続的又は離散的に変化してもよく、或いはこれらが組み合わされてもよい。例えば、野外に設置された電光掲示板を見られる能力は、掲示板正面の方向においては掲示板から離れるほど確率が徐々に小さくなると考えることができるが、掲示板正面から外れた角度においてはある角度から一気に能力0となり得る。
【0105】
図6の説明に戻る。S605において求める要素能力が環境ポテンシャル成分の一構成要素である場合の算出方法は上述の通りである。次に、求める要素能力が個人固有能力の一構成要素である場合の算出方法について説明する。
【0106】
個人固有能力とは、既述の通り、あるタスクについての総合能力の個人的要因成分であり、環境ポテンシャルとして与えられる客観的要因を促進又は阻害するものである。
【0107】
さらに、個人固有能力は、資格・免許の有無や基本的身体運動能力などのようにほぼ一定で変動がない(すなわち、時間粒度が粗い)と考えられる静的要因と、健康状態(体調)や装備品、他の行動・行為(例えば、食事、睡眠)を取っているため他の行動が実行できないといったスケジュール的制限、などのように時々刻々と変化する(すなわち、時間粒度が細かい)動的要因とに分けられる。後者は、更に、予測し得る周期的要因と予測し得ない非周期的要因とに分けることができる。
【0108】
このような分類の一例を図8に示す。図示するように、周期的要因と非周期的要因とが考慮されて動的要因が決定され、静的要因と動的要因とが考慮されて個人固有能力が決定される。
【0109】
図示するように、静的要因としては、例えば、「基本的動作能力」、「体力」、「精神力」、「有形資格」、「無形資格」などが挙げられる。「基本動作能力」は、歩く、会話をする、物を買う、窓口で必要な対話(やりとり)を行う、などの基本的な動作を包括的を指す。一般的な環境ポテンシャルは、このような基本的動作能力を有するものとして(すなわち、平均人であるものとして)算出される。
【0110】
この基本的動作能力が部分的に欠ける場合としては、例えば、慢性的な疾病・持病・障害により能力が欠如している場合や、或いはこれらが原因で能力があるが生命・健康の維持のためには実行しない方が良い(又は、医師から禁止されている)場合、などが挙げられる。また、病気まで至らない場合であっても、例えば車に酔う体質であるため、移動にタクシー、バス、自家用車などを用いない、ということも含めてよい。
【0111】
「体力」とは、ここでは年齢・性別などによる時間粒度の長い(急激に変動しない)肉体的条件を想定しており、時間粒度の短い(頻繁に変動する)体力については後に詳述する動的・非周期的要因の「体調」に含める。このような個人の体力を考慮することにより、例えば、徒歩で歩けるのはどの程度の距離/時間か、上り下りのある経路を通れるか、を判断できる。
【0112】
「精神力」とは、心理的条件を考慮するための指標である。一般的には体力・体調が低下すれば精神力も低下すると考えられるが、精神面が充実していればある程度の体力・体調の低下をカバーできる場合もあるため、体力・体調を補正する係数として用いられる。時間粒度の短いもの(例えば、一時的に落ち込んでいる、など)は「体調」に含める。この静的/動的の分別は、任意に設定できる。
【0113】
「有形資格」とは、国家資格や民間団体よる認定資格などあらゆる資格が考えられる。また、いわゆる資格制度によるもの以外にも、一般人の立ち入りが制限された区域に入ることが許されている人物(施設管理者、点検者など)についてもその人物固有の事情として有形的な資格を有すると言い得る。なお、免許証、小切手、入場券、引換券などの資格者(許可者、所有者、権利者)であることを証明するものを保持していない限りその資格が認められないものについては後に詳述する動的・非周期的要因の「装備」に区分される。資格者であることの証明が不要又は後日でもよいもの(時間粒度が長い)については静的要因に含める。
【0114】
「無形資格」とは、ある分野に長年携わっていることによってその分野に関して一般人(平均人)よりも卓越した知識・経験を有し、一般人とは異なる(上回る)能力を発揮できる場合をいう。
【0115】
以上のような静的要因については、例えば、ユーザが予め情報携帯端末501に生年月日・性別・持っている資格などを入力しておくことによって把握される。新たな資格を取得したり、何らかの基本的動作能力を失ってしまった場合などには、入力された内容がユーザによって適宜更新されることが好ましい。例えば持っている資格についての情報などは、情報通信端末501側からユーザ・インターフェースを通じてユーザへ問い合わせてもよく、ネットワーク側から(例えば、その資格を管轄する団体から)情報通信端末501へ伝達されてもよい。
【0116】
また、図示するように、動的・周期的要因としては、食事中である、睡眠中である、就労・就学中である、休日(会社/学校がない)である、休暇中である、などの様々な活動のサイクルを挙げることができる。
【0117】
一般的に、最後の食事又は睡眠が終わってから所定以上の時間が経過すると、ユーザの「体調」要因が低下し、全般的な能力が落ちる。また、食事中、睡眠中、就労(勤務)中又は就学中(学校で授業を受けている間)は、その他の行為を行う能力は低下すると考えられる。例えば、会社員が業務中にどこまで私的な行為を行うことができるか(例えば、携帯電話から私的なメールを送ることはできるが、私的な用で銀行に行くことはできない、など)については個人差があると考えられるため、その程度をこの要因で表す。
【0118】
これら要因は日常的に繰り返されるため、ユーザのスケジュールや習慣がわかれば容易に把握できる。ユーザのスケジュールは、個人スケジュール格納部506に格納されたスケジュールを参照してもよく、履歴格納部508に記録された履歴データ、或いは装備検出部504によって検出されたユーザの装備、或いは動作監視部505によって監視されたユーザの動作・行為に基づいてユーザの日常的な習慣(何時から何時の間は普段何をしている)を推測してもよい。
【0119】
さらに、図示するように、動的・非周期的要因としては、「体調」、「現在行っている作業・活動」、「時間限定付きの権利」、「装備」などが挙げられる。「体調」とは、時間粒度が短い(一時的な)体力・心身の健康状態・基本的動作能力の変化(主として、低下や欠如)を表す指標である。例えば、日頃からスポーツを愛好しているために一般人よりも体力があると考えられる人が風邪を引いている場合、静的要因である体力をこの体調要因で補正することによって、その時点で実際に発揮できる体力を推定することができる。
【0120】
この体調要因は、ユーザが自らの体調を情報通信端末501に申告(入力)してもよく、情報通信端末501に備えられたセンサ(例えば、声のトーンからの心理判定)によって自動的に観測されてもよく、又は、ユーザが別途装備しているセンサ(例えば、血圧、体温、心電図、脈拍、動脈中の酸素飽和度、血糖値、尿、体重、心拍、皮膚抵抗、注意反応速度などを測定するセンサ)から情報通信端末501へ伝達されてもよい。本人申告の場合、例えば、入力する際にはいくつかのメニュー(例えば、「やや疲れている」、「非常に疲れている」、「熱がある」、など)が用意され、ユーザはそれを選択するだけで済むことが好ましい。また、その場合、特段入力がなければ、通常通りの体調であるとしてもよい(体力補正無し)。
【0121】
「現在行っている作業・活動」とは、他の行動をする(他の行動に移る)のがどのくらい困難であるかを考慮するための指標であり、ここでは周期的でない行動について扱う(周期的なものは動的・周期的要因で扱う)。例えば、歩行中である、電車に乗っている、車を運転している、デスクワークをしている、搬送作業をしている(両手がふさがっている)、会議中である、などが挙げられる。
【0122】
「現在行っている作業・活動」要因は、装備検出部504及び/又は動作監視部505によって検出されたデータ(例えば、加速度センサが備えられ、ユーザが停止中か/歩行中か/ランニング中かを判別する、など)に基づいて推測されてもよく、ユーザが自ら情報通信端末501へ申告(入力)してもよく、ネットワーク側から伝達されてもよい。例えば、ネットワーク側で測定され伝達されたユーザの位置情報(例えば、トイレ、券売機の前、改札、チケット売場、立ち食い蕎麦屋、など)からそのユーザが現在行っている作業・活動を推測してもよい。或いは、例えば、ユーザの勤務する会社のサーバからユーザの情報通信端末501に会議時間等のスケジュールが伝達され、それに基づいて推定されてもよい。
【0123】
「時間限定付きの権利」とは、いわば時間粒度の短い(有効期限が比較的短い)有形資格であり、例えば、遊園地の一日フリーパスや、会員限定のバーゲンなどが挙げられる。
【0124】
「装備」とは、ユーザの様々なタスクの実行を補助するもの全般を指し、既述のように装備検出部504によって検出される。例えば、服装、靴、財布、鍵、ハンカチ、ちり紙、眼鏡、カバン、雨具、チケット、筆記用具、携帯電話、PDA、ノートPCなどが挙げられる。
【0125】
また、自動車を運転中である場合やタクシーに乗車している場合、これをユーザの移動を補助する装備として動的・非周期的要因として扱ってもよい。さらに、ユーザの位置情報或いは加速度情報と組み合わせることにより、自動車が装備として検出されても、それが停止中であるとか、或いはカーフェーリに乗船中であるなどの詳細な現状を把握できる。
【0126】
このように、静的要因、動的・周期的要因、及び動的・非周期的要因を考慮してユーザの総合能力のうちの個人的要因成分である個人固有能力が算出される。なお、図8は、各要因を掛け合わせる積の形で示してあるが、より複雑な評価式を用いたり、条件分岐を用いたりすることも可能である。
【0127】
図6の説明に戻る。上述のように、S604において、総合能力算出部511が、S603の処理で得られた各要素について、その能力を情報通信端末501内で算出できると判断した場合(S604のYES)、S605において自端末内で各要素が算出される。他方、S604において、情報通信端末501内で算出できないと判断された場合(S604のNO)、ネットワーク上に算出依頼できるサービス(具体的には、要素算出請負部516)がないか探す(S606)。
【0128】
その能力要素の算出を有料又は無料で請け負ってくれるサービス(要素算出請負部516)が見つかった場合(S605のYES)、その要素算出請負部516に算出に必要な情報(例えば、現在時刻、現在位置、タスクの時間粒度、など)を送信し、算出を依頼する(S607)。この際、算出に必要な情報をすべて送信・提供する必要はない。例えば、個人のプライバシーに関わる情報であれば送信しなくてもよい。その結果、算出された能力要素が平均人に対するものだったとしても、後に個人固有能力によって補正されるため、ユーザにとって有効な情報とすることができる。
【0129】
ここで、図9及び10を用いて、外部に算出依頼した際の処理について詳述する。図9は、依頼する際の情報通信端末501側の処理の流れを示すフローチャートであり、図10は、依頼を受ける要素算出請負部516側の処理の流れを示すフローチャートである。
【0130】
図9において、まず、必要に応じて、要素能力を算出するのに必要な情報をユーザが第三者に開示してもよいと考えるレベルにまで落とす(S901)。そして、それら必要な情報をネットワークに発見した要素算出請負部516へ送信する(S902)。
【0131】
ここで、上記算出に必要な情報とは、算出すべき能力又はその能力要素の他に、例えば、実行する時刻(今すぐ/後から)及び時間粒度(又は分解能;例えば、1分単位で算出、など)、現在位置及びその空間粒度(例えば、数m〜50m四方など;位置情報の精度と算出中にユーザが移動する可能性があるエリアとを考慮)、実行するための時間猶予/〆切などである。移動に関する能力又は移動を伴う能力の算出を依頼する場合、ユーザが利用できる移動手段(自転車、バス、自家用車、タクシー、電車、船舶、航空機、徒歩のみ、など)について一緒に伝達することが好ましい。なぜなら、移動手段を限定することで、算出時間を短縮することができると共に、算出結果をよりユーザに適したものとすることができる(例えば、現在車で移動中なので移動手段としては車だけ考慮すればよい、或いは、車に酔う体質なのでタクシーやバスは使いたくない、など)。
【0132】
その後、算出された結果を受け取り(S904)、必要であれば該結果を補正する(S905)。例えば、S901において、ユーザが歩行能力に障害を持つことを明らかにせずに算出を依頼し、S905において、平均人向けに算出された結果について自らの歩行能力に合わせるための補正を行い、自分向けの最終的な結果とする。
【0133】
他方、図10において、算出依頼を受諾した(S1001)要素算出請負部516は、依頼元の情報通信端末501から算出に必要な情報を受け取り(S1002)、適切な環境ポテンシャルマップ提供部515へ照会して依頼された要素能力の確率及び信頼度を取得し、依頼元へ返答する(S1003)。なお、要素算出請負部516は、精度を上げるために他により専門的な要素算出請負部516があれば算出を依頼してもよい。
【0134】
このように、外部に各能力要素の算出を依頼する場合、その依頼は所望タスクを実行するための総合能力が細分化されて成る要素単位で行われると共に、ユーザの個人情報は提供されないため、ユーザのプライバシーは保護される。すなわち、要素算出請負部516は、算出を依頼された一能力要素(例えば、○○駅から10分以内に行ける書店)からユーザが最終的に算出したいタスクの全体像(例えば、△△へ行く途中、○○駅で乗り換える際に、短時間のうちに××分野の書籍を購入したい)を知ることは困難であるため、依頼したユーザがどのような特徴を持ち、どのような目的で、どのような状態で、どのようなタスクを行うとしていたのか、といった個人的な情報が第三者に明らかになることはない。
【0135】
当然、ユーザの責任において、自ら個人的情報を提供し、より正確で高精度な算出結果を得ようとしてもよい。
【0136】
なお、上記算出依頼は、自端末内で算出が可能な場合だけでなく、外部に依頼した方がより高速及び/又は高精度に算出できると判断された場合にも行われてもよい。また、要素算出請負部516は、依頼された能力要素を算出するためのソフトウェアを有料又は無料でダウンロードさせる手段であってもよい。
【0137】
また、要素算出請負部516は、どのような能力要素について何人から算出依頼があったかについて統計を取ることができてもよい。こうすることによって、このような統計を欲するサービス業者が無料で算出を請け負うと考えられる。このような統計が取られたとしても、前述のように、各ユーザは個人的な情報までは知られていないので支障はない。
【0138】
他方、S606において、所望の能力要素について算出を請け負ってくれるサービスが発見できなかった場合、その能力要素については標準的な値(及び、それに伴う所定の信頼度)が与えられる。
【0139】
或いは、S606において、所望の能力要素について算出を請け負ってくれるサービスが発見できなかった場合、時間粒度を下げて再度打診してもよい。例えば、15:00から15:30までの移動能力を算出したい場合、必要な交通情報として該30分間についての算出を依頼するが、30分単位での算出に対応するサービスがない場合、時間粒度を1時間に下げて再度打診する。そして、1時間単位での算出に対応するサービスがあれば依頼し、結果を受け取る。当然、時間粒度を下げて当初の「30分」からずれるほど精度は落ちる。
【0140】
S603において分解された各能力要素について、S605、S607、又はS608において確率が算出/決定されると、次いでS609において、所定の閾値を下回る能力要素が存在するか否かが判定される。該閾値を下回る能力要素が1つでも存在すれば(S609のYES)、そのタスク全体の実行が不可能であると判断し、総合能力を0とする(S610)。
【0141】
すべての確率が閾値以上である場合(S609のNO)、各要素の算出結果が集計され(S611)、総合能力が算出される(S612)。
【0142】
算出された総合能力は、S613において、ユーザに提示される。既述のように、総合能力は、提示部503が画像表示機能を備える場合、時系列データを表すグラフとしてユーザに提示してもよく、(図1のように)現在位置の変化による総合能力の変化を地図データと共に提示してもよい。前者によれば、「総合能力が高くなってから実行しよう」或いは「今のうちに実行しておこう」という判断をすることができる。また、後者によれば、どこへ移動すれば総合能力が上がるかを知ることができる。
【0143】
提示部503がテキスト表示機能しか持たない場合、図4に示すように文字情報として提示する。この場合でも、どの方向へ移動すれば総合能力が上がるか又は下がってしまうか、或いは時間の経過により今後総合能力はどのように変化するかについて、文字情報で示されることが好ましい。
【0144】
また、提示部503が音声生成機能しか持たない場合、音声で総合能力を提示する。この場合、ユーザの移動や時間の経過により、音声で「(総合能力が)上がっています(下がっています)」と伝達してもよい。
【0145】
本発明によれば、このようにして総合能力が算出・提示される。
【0146】
(損失予測)
なお、あるタスクについての総合能力算出の際に、そのタスクを実行した場合に失われる能力(又は、何らかの能力に影響を与える動的要因)についても併せて算出・提示するとよりユーザの利便性に資する。例えば、何らかの商品を購入するタスクや有料サービスを利用するタスクの場合、該タスク実行によりユーザの資金が減少する。また、例えば徒歩で移動するタスクや荷物を運ぶタスクの場合、ユーザの体力が消費される。また、例えば現在位置からの移動を伴うタスクであり、且つ現在位置において比較的高い利用能力を持っていた施設が存在する場合、該施設から遠ざかることによりその利用可能性が低下する。さらに、例えば地下などの通信電波環境が比較的悪い環境への移動を伴うタスクの場合、ユーザのモバイル通信に関する諸能力全般が低下する。このような損失予測が算出・提示されることにより、ユーザは、総合能力の算出を求めたタスクについて、実行するか否かをより適切に判断できる。このような損失予測は、算出だけ行い、ユーザへの提示を行わず、次回の総合能力算出に反映させるだけでもよい。
【0147】
(算出された総合能力の時間変化追従補正)
また、前述の環境ポテンシャル成分の寿命(図7のS705参照)と同様に、総合能力についても寿命が考慮されることが好ましい。総合能力の寿命は、その環境ポテンシャル成分を構成する各要素の寿命と、その個人固有能力を構成する各要素のうちの動的要因の変動とを考慮することによって算出することができる。一旦算出された総合能力の寿命が切れた場合、例えば、自動的に再算出されてもよく、画面表示やアラーム音などによってユーザに通知されてもよい。更に、環境ポテンシャル成分については、環境ポテンシャルマップ提供部515又は要素算出請負部516から、更新情報が伝達されてもよい。当然、総合能力に所定以上の大きな変化を生じさせない各要素の微少な変動については無視してもよい。
【0148】
(未定義能力要素の追加)
また、既述のように、総合能力の算出履歴は履歴格納部508に、各要素の算出履歴は対応表格納部507にそれぞれ格納されているが、ある総合能力を算出したことによって未定義の能力又は能力要素(環境ポテンシャル成分でも個人固有能力成分でもよい)が観測された場合、その能力又は能力要素をその観測された時の状況(例えば、時刻、位置、ユーザの行動、など)と共に新規データとして対応表格納部507に格納する。例えば、電気の通っていない山の中でユーザがモバイル機器を充電する行動が(例えば、装備検出部504又は動作監視部505によって)観測された場合、そのユーザは装備として発電器を持っていると推定され、他の電気器具を使用する行動についての能力(実行可能性)が発生又は向上する。
【0149】
このような未定義能力の新規追加は、その能力が一回だけではなく何回か観測された上で行われることが好ましい。その場合、観測データが十分に収集された段階で、それぞれの観測時の状況を分析して該能力との相関が高いと思われる(いわば、最大公約数的な)要因を該能力と関連付けて保存する。ここで、所定期間以上経過しても所定回数以上該未定義能力が観測されなかった場合、該未定義能力は記録されない。また、このような新規に追加される未定義能力は、ユーザによって自由に編集・登録される。
【0150】
(総合能力算出方法の補正)
また、算出された総合能力のうち、ユーザが対応するタスクを実行するのを観測できるものについては、観測値によって前述のような総合能力算出方法を補正・調整してもよい。
【0151】
このような処理の例を図11及び12に示す。図11は、算出された総合能力の値と実際の観測値とが異なる場合或いはユーザに提示した総合能力がユーザによって訂正された場合にそのズレを以降の算出処理に反映させる例を示し、図12は、ある総合能力について観測値がある程度蓄積された場合にそこから得られる傾向を以降の算出処理に反映させる例を示す。
【0152】
図11において、ある総合能力に対応するタスクの実行が観測された(S1101)場合、該総合能力を上述のように算出し(S1102)、観測値と算出値を比較する(S1103)。観測値と算出値とが一致しなかった場合(S1103のNO)、又は、別の機会にユーザに提示された総合能力がユーザによって訂正された場合(S1104)、そのズレ量について個人固有能力成分及び環境ポテンシャル成分の条件を収集する(S1105)。収集された諸条件を該ズレ量と関連付けて保存し(S1106)、当該総合能力が次に算出される際には該ズレ量で算出結果を補正する。
【0153】
図12において、ある総合能力についての観測値がある程度観測されると、補正量と相関が高い能力要素(環境ポテンシャル成分又は個人固有能力成分)が存在するか否かが判定される(S1201)。相関が高いと考えられる能力要素(要因)について、それが影響を与えるのは環境ポテンシャルか個人固有能力かを判別する(S1202)。環境ポテンシャルの場合、環境ポテンシャルマップを補正するための補正マップを作成し(S1203)、以降の算出処理の際に用いる。個人固有能力の場合、一例を図8に示したような個人固有能力を算出するアルゴリズムを変更する(S1204)。
【0154】
このような補正処理においては、一般の機械学習で用いられる過学習の防止や観測されないものの確率を0にしないなどのスムージング処理が適宜適用されることが好ましい。
【0155】
このようにして、例えば、ユーザが通信電波環境が良好であるにもかかわらずある場所/施設内では絶対に携帯電話の着信に応答しないであるとか、或いは類似した装備Aと装備Bとを保持している場合、必ず装備Aの方を使用するといったレベルのユーザの習慣やクセをも総合能力算出に反映させることができる。
【0156】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、客観的な外部情報に加えて、ユーザ固有の内的要因をも加味した情報を提供し、ユーザが次に行う行動を判断するのを支援するために、特定の時刻及び場所において、特定の行動をユーザが実行することができる可能性を表す能力を確率として算出する能力算出システム、方法、及びプログラム、並びに情報通信端末を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において算出された総合能力を地図データと共に提示する場合の一例を示す図である。
【図2】本発明において総合能力がユーザの指示によって算出される場合の処理の流れを表すシーケンス図である。
【図3】本発明において所定のタスクについて総合能力が自動的に算出される場合の処理の流れを表すシーケンス図である。
【図4】本発明において算出された総合能力を携帯電話画面に文字データのみを用いて提示する場合の一例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る能力自動算出・提示システムの概略構成を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る総合能力算出処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態に係る環境ポテンシャルマップ提供部による環境ポテンシャルマップ作成処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明に係る総合能力の個人固有能力成分の分類の一例を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る情報通信端末が外部に算出依頼する際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態に係る算出依頼を受けた要素算出請負部の処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態において算出された総合能力の値と実際の観測値とが異なる場合或いはユーザに提示した総合能力がユーザによって訂正された場合にそのズレを以降の算出処理に反映させる場合の処理の一例を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態においてある総合能力について観測値がある程度蓄積された場合にそこから得られる傾向を以降の算出処理に反映させる場合の処理の一例を示す図である。
【符号の説明】
501 情報通信端末
502 入力部
503 提示部
504 装備検出部
505 動作監視部
506 個人スケジュール格納部
507 対応表格納部
508 履歴格納部
509 個人側通信部
510 自己位置・現在時刻情報算出部
511 総合能力算出部
512 ネットワーク
513 通信リンク
514 ネットワーク側通信部
515 環境ポテンシャルマップ提供部
516 要素算出請負部

Claims (34)

  1. 情報通信端末において、該情報通信端末のユーザの能力を算出する方法であって、
    ユーザから要求されたタスクについて該ユーザが該タスクを実行できる可能性を該ユーザの該タスクについての能力として算出する際に、
    該タスクについての能力を、環境側の要因と、ユーザ固有の要因とに分別し、
    前記環境側の要因についての能力と、前記ユーザ固有の要因についての能力とを双方考慮して前記タスクについての能力を算出することを特徴とする能力算出方法。
  2. 請求項1記載の能力算出方法であって、
    ユーザから予め指定されたタスクについての前記能力を自動的に算出し、
    前記指定されたタスクについて自動的に算出された能力が所定値以上となった場合に前記ユーザに通知することを特徴とする能力算出方法。
  3. 請求項1又は2記載の能力算出方法であって、
    前記環境側の要因を2以上の要素に分別し、
    該要素ごとに、位置及び時刻を与えれば該位置及び該時刻における当該要素についての能力が得られる関数を用意し、
    該関数に前記ユーザから要求されたタスクを実行する位置及び時刻を与えて、前記環境側の要因を分別して成る各要素についての能力を算出し、
    この算出された前記各要素についての能力に基づいて前記環境側の要因についての能力を算出することを特徴とする能力算出方法。
  4. 請求項3記載の能力算出方法であって、
    前記環境側の要因を分別して成る各要素についての能力を算出する際に、算出された各能力が所定の正確さを維持すると考えられる期間を各要素の時間変化率に基づいてそれぞれ算出することを特徴とする能力算出方法。
  5. 請求項3記載の能力算出方法であって、
    前記環境側の要因についての能力を、前記ユーザから要求されたタスクを実行する位置以外の位置についても算出し、
    これら少なくとも2つの位置における前記タスクについての能力を地図データと共にユーザに提示することを特徴とする能力算出方法。
  6. 請求項3記載の能力算出方法であって、
    前記環境側の要因についての能力を、前記ユーザから要求されたタスクを実行する時刻以外の時刻についても算出し、
    これら少なくとも2つの時刻における前記タスクについての能力をユーザに提示することを特徴とする能力算出方法。
  7. 請求項6記載の能力算出方法であって、
    前記少なくとも2つの時刻における前記タスクについての能力から該能力の時間変化特性を表すグラフを作成し、該グラフをユーザに提示することを特徴とする能力算出方法。
  8. 請求項3記載の能力算出方法であって、
    前記関数として、第一の関数と、該第一の関数よりも精度の高い第二の関数とを用意し、
    通常は、前記第一の関数を用いて前記各要素についての能力を算出し、
    ユーザがより高精度な結果を欲する場合には、前記第二の関数を用いて前記各要素についての能力を算出することを特徴とする能力算出方法。
  9. 請求項3記載の能力算出方法であって、
    前記ユーザから要求されたタスクについての能力が一旦算出された後にも該能力を継続的に算出し、
    前記一旦算出された能力と異なる結果が算出された場合にユーザに通知することを特徴とする能力算出方法。
  10. 請求項3記載の能力算出方法であって、
    前記ユーザから要求されたタスクについての能力を算出する際に、該ユーザから要求されたタスクを実行した場合に失われる能力も算出することを特徴とする能力算出方法。
  11. 請求項3記載の能力算出方法であって、
    前記情報通信端末が前記ユーザから要求されたタスクについての能力の算出に必要な関数を保持していない場合、ネットワークと接続して、該ネットワーク上の装置であって前記必要な関数を保持する装置に、対応する要素についての能力の算出を依頼することを特徴とする能力算出方法。
  12. 請求項3記載の能力算出方法であって、
    前記情報通信端末が前記ユーザから要求されたタスクについての能力の算出に必要な関数を保持していない場合、ネットワークと接続して、該ネットワーク上の装置であって前記必要な関数を保持する装置から該関数をダウンロードすることを特徴とする能力算出方法。
  13. 請求項3記載の能力算出方法であって、
    前記ユーザから能力の算出を要求されたタスクの該ユーザによる実行を観測し、
    前記算出された能力と前記観測された能力とが異なる場合、その差を用いて前記関数を補正することを特徴とする能力算出方法。
  14. 請求項3記載の能力算出方法であって、
    前記ユーザの行動を観測し、
    繰り返し実行が観測された行動について、実行時の状況に基づいて、前記関数として用いることができる行動と状況との関係式を作成することを特徴とする能力算出方法。
  15. ユーザの能力を算出する情報通信端末であって、
    ユーザが該情報通信端末にタスクを入力するための入力手段と、
    該入力手段を通じて入力されたタスクを前記ユーザが実行できる可能性である該ユーザの該タスクについての能力を、環境側の要因と、ユーザ固有の要因とに分ける分別手段と、
    前記環境側の要因についての能力と、前記ユーザ固有の要因についての能力とをそれぞれ算出し、これら両能力を双方考慮して前記ユーザの前記タスクについての能力を算出する能力算出手段と、を有することを特徴とする情報通信端末。
  16. 請求項15記載の情報通信端末であって、
    ユーザへの通知手段を更に有し、
    前記能力算出手段は、
    ユーザから予め指定されたタスクについての前記能力を自動的に算出し、
    前記通知手段は、
    前記指定されたタスクについて自動的に算出された能力が所定値以上となった場合に前記ユーザに通知することを特徴とする情報通信端末。
  17. 請求項15又は16記載の情報通信端末であって、
    前記環境側の要因を2以上の要素に分ける要素分別手段と、
    前記要素ごとに、位置及び時刻を与えれば該位置及び該時刻における当該要素についての能力が得られる関数を保持する関数保持手段と、を更に有し、
    前記能力算出手段は、
    前記関数に前記ユーザから要求されたタスクを実行する位置及び時刻を与えて、前記環境側の要因を分別して成る各要素についての能力を算出し、この算出された前記各要素についての能力に基づいて前記環境側の要因についての能力を算出することを特徴とする情報通信端末。
  18. 請求項17記載の情報通信端末であって、
    前記能力算出手段によって算出された前記要素についての能力が所定の正確さを維持すると考えられる期間を該要素の時間変化率に基づいて算出する寿命算出手段を更に有することを特徴とする情報通信端末。
  19. 請求項17記載の情報通信端末であって、
    地図情報を格納するデータ格納手段と、
    前記能力算出手段によって算出された前記能力を前記ユーザに提示する能力提示手段と、を更に有し、
    前記能力算出手段は、
    前記環境側の要因についての能力を、前記ユーザから要求されたタスクを実行する位置以外の位置についても算出し、
    前記能力提示手段は、
    前記少なくとも2つの位置における前記タスクについての能力を前記データ格納手段に格納された地図データと共にユーザに提示することを特徴とする情報通信端末。
  20. 請求項17記載の情報通信端末であって、
    前記能力算出手段によって算出された前記能力を前記ユーザに提示する能力提示手段を更に有し、
    前記能力算出手段は、
    前記環境側の要因についての能力を、前記ユーザから要求されたタスクを実行する時刻以外の時刻についても算出し、
    前記能力提示手段は、
    前記少なくとも2つの時刻における前記タスクについての能力をユーザに提示することを特徴とする情報通信端末。
  21. 請求項17記載の情報通信端末であって、
    前記能力提示手段は、
    前記少なくとも2つの時刻における前記タスクについての能力から該能力の時間変化特性を表すグラフを作成し、該グラフをユーザに提示することを特徴とする情報通信手段。
  22. 請求項17記載の情報通信手段であって、
    前記関数保持手段は、
    各要素について、前記関数として、第一の関数と、該第一の関数よりも精度の高い第二の関数とを保持し、
    前記能力算出手段は、
    通常は、前記第一の関数を用いて前記各要素についての能力を算出し、
    ユーザがより高精度な結果を欲する場合には、前記第二の関数を用いて前記各要素についての能力を算出することを特徴とする情報通信端末。
  23. 請求項17記載の情報通信端末であって、
    ユーザへの通知手段を更に有し、
    前記能力算出手段は、
    前記ユーザから要求されたタスクについての能力が一旦算出された後にも該能力を継続的に算出し、
    前記通知手段は、
    前記一旦算出された能力と異なる結果が算出された場合にユーザに通知することを特徴とする情報通信端末。
  24. 請求項17記載の情報通信端末であって、
    前記能力算出手段は、
    前記ユーザから要求されたタスクについての能力を算出する際に、該ユーザから要求されたタスクを実行した場合に失われる能力を算出する損失能力算出機能も備えることを特徴とする情報通信端末。
  25. 請求項17記載の情報通信端末であって、
    外部のネットワークと通信するための通信手段を更に有し、
    前記能力算出手段は、
    前記関数保持手段が前記ユーザから要求されたタスクについての能力の算出に必要な関数を保持していない場合、前記通信手段を用い、外部のネットワークと接続して、該ネットワーク上の装置であって前記必要な関数を保持する装置に、対応する要素についての能力の算出を依頼することを特徴とする情報通信端末。
  26. 請求項17記載の情報通信端末であって、
    外部のネットワークと通信するための通信手段を更に有し、
    前記能力算出手段は、
    前記関数保持手段が前記ユーザから要求されたタスクについての能力の算出に必要な関数を保持していない場合、外部のネットワークと接続して、該ネットワーク上の装置であって前記必要な関数を保持する装置から該関数をダウンロードすることを特徴とする情報通信端末。
  27. 請求項17記載の情報通信端末であって、
    前記ユーザから能力の算出を要求されたタスクの該ユーザによる実行を観測する観測手段を更に有し、
    前記関数保持手段は、
    前記能力算出手段によって算出された能力と前記観測手段によって観測された能力とが異なる場合、その差を用いて前記関数を補正することを特徴とする情報通信端末。
  28. 請求項17記載の情報通信端末であって、
    前記ユーザの行動を観測する観測手段を更に有し、
    前記関数保持手段は、
    前記観測手段によって繰り返し実行が観測された行動について、実行時の状況に基づいて、前記関数として用いることができる行動と状況との関係式を作成することを特徴とする情報通信端末。
  29. ネットワークに接続された情報装置であって、
    一般的な人がある行動を実行できる可能性を能力として算出する際に考え得る1以上の要因のそれぞれについて、位置情報及び時刻情報と当該要因についての能力との関係を表す関数を保持する保持手段と、
    前記ネットワークを通じて位置情報及び時刻情報と算出したい能力の種類とを算出依頼元から受信すると、前記保持手段が保持する該依頼された能力についての関数に受信した位置情報及び時刻情報を与え、得られた結果を前記算出依頼元へ返す応答手段と、を有することを特徴とする情報装置。
  30. 請求項29記載の情報装置であって、
    前記保持手段が保持する関数の内容が変更された場合に、該関数を用いて得られた能力の算出を依頼した算出依頼元に前記変更について伝達する更新通知手段を更に有することを特徴とする情報装置。
  31. 請求項29又は30記載の情報装置と、
    ネットワークを通じて前記情報装置にアクセス可能な請求項25又は26記載の情報通信端末と、を含む能力算出システム。
  32. 情報通信端末用コンピュータを、
    ユーザから要求されたタスクについて該ユーザが該タスクを実行できる可能性を該ユーザの該タスクについての能力として算出する際に、該タスクについての能力を、環境側の要因と、ユーザ固有の要因とに分別する手段、及び、
    前記環境側の要因についての能力と、前記ユーザ固有の要因についての能力とを双方考慮して前記タスクについての能力を算出する手段、として機能させることを特徴とする能力算出プログラム。
  33. 請求項32記載の能力算出プログラムであって、
    前記情報通信端末用コンピュータを、更に、
    ユーザから予め指定されたタスクについての前記能力を自動的に算出する手段、及び、
    前記指定されたタスクについて自動的に算出された能力が所定値以上となった場合に前記ユーザに通知する手段、としても機能させることを特徴とする能力算出プログラム。
  34. 請求項32又は33記載の能力算出プログラムを記録した記録媒体。
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