JP2004126397A - 望遠レンズ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3とから構成される。そして、第1レンズ群G1は回折光学面Gfと貼り合わせ面Tf(又は分離色収差補正面)とを有し、第3レンズ群G3を構成するレンズL11は光軸に垂直な方向に移動可能であり、第1レンズ群G1の最も物体側の面(面番号1に相当)に入射する主光線の最大傾き角度が10度以下である。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、銀塩カメラやデジタルカメラ等に使用するレンズに関し、特に、望遠レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
望遠レンズは、焦点距離が長く、遠くにある被写体を引き寄せて拡大した状態で撮影することができるレンズであり、従来から一眼レフレックスカメラやデジタルカメラ等の(カメラの)対物レンズとして用いられている。
【0003】
その一例として、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3とから構成されている望遠レンズが知られている(例えば、特許文献1を参照)。この望遠レンズは、特許文献1の第2実施例に記載されているように、異常分散性のガラス使用することにより、焦点距離の長い望遠レンズに発生しがちな色収差を良好に補正することができるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−326754号公報(第4−6図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の望遠レンズでは、良好な光学性能を有しているものの、使用画角が小さいため、実際に使用する際には望遠レンズの振動(手ブレ)の影響を受けやすいという問題があった。
【0006】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、良好な光学性能を維持しつつ、手ブレの影響を受けにくい望遠レンズを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、本発明は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群とから構成される望遠レンズにおいて、前記第1レンズ群は、回折光学面と、貼り合わせ面又は分離色収差補正面とを有し、前記第3レンズ群を構成するレンズのうち、少なくとも1枚のレンズは光軸に垂直な方向に移動可能であり、前記第1レンズ群の最も物体側の面に入射する主光線の最大傾き角度が10度以下であることを特徴とする。
【0008】
なお、貼り合わせ面とは、隣接する2つのレンズの対向する面同士が貼り合わされてなる部分(面)をいい、分離色収差補正面とは、隣接する2つのレンズの対向する面同士の曲率半径が等しいかほぼ等しく、且つ、これらの面の間隔が極めて狭くなっている部分をいう。
【0009】
本発明の望遠レンズは、前記望遠レンズ全体の使用画面の半画角をωとし、開放F値をFとしたとき、次式ω/F<2.1の条件を満足することを特徴とする。
【0010】
本発明の望遠レンズは、前記望遠レンズ全体の焦点距離をfとし、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との合成焦点距離をfcとしたとき、次式|f/fc|<0.8の条件を満足することを特徴とする。
【0011】
本発明の望遠レンズにおいて、前記第2レンズ群は、少なくとも1枚以上、光軸方向に移動可能なレンズを有していることを特徴とする。
【0012】
本発明の望遠レンズにおいて、前記回折光学面は、異なる物質が同一の回折格子溝で接する構造であることを特徴とする。
【0013】
本発明の望遠レンズにおいて、前記第1レンズ群は、少なくとも3枚以上のガラスから構成され、前記第2レンズ群は、少なくとも2枚以上のガラスから構成され、前記第3レンズ群は、2枚以上のガラスから構成されていることを特徴とする。
【0014】
本発明の望遠レンズにおいて、前記望遠レンズを構成する全てのレンズは、アッベ数が75以下であることを特徴とする。
【0015】
本発明の望遠レンズにおいて、前記第3レンズ群は、少なくとも、2枚の正の屈折力を有するレンズと、1枚の負の屈折力を有するレンズとから構成されることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る望遠レンズの実施の形態について説明する。本発明の望遠レンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3とから構成されている。このように、本発明は、正・負・正の屈折力配置を採用することにより、望遠レンズの全長を短くして、インナーフォーカスを可能にする構造をとることができる。
【0017】
このとき、第3レンズ群G3を構成するレンズのうち、少なくとも1枚のレンズを光軸と垂直な方向に移動可能とすることで、像の形成する位置を常に一定位置に保つことができる。その結果、本望遠レンズに手ブレ等による振動が加わった際に発生した撮影画像のブレを補正する、いわゆる防振を行うことが可能となる。
【0018】
また、本発明の望遠レンズでは、回折光学面Gfと、隣接する2つのレンズの対向する面同士が貼り合わされてなる部分(面)である貼り合わせ面Tfとを有している。
【0019】
回折光学面は、分散特性が通常のガラス(屈折光学素子)とは逆であるという特性、すなわち負の分散特性を有している。この特性は、色収差補正に極めて有効であるため、回折光学面を用いるだけで大きな色消し効果を得ることができる。しかしながら、回折光学面のアッベ数は−3.45という非常に大きな分散特性を有しており、さらに、回折光学面の波長に対する回折角の変化は、通常硝種(ガラスや樹脂など)の波長に対する屈折角の変化とは異なっている。その結果、光学系に単に回折光学面を用いただけでは、色消し効果が大きくなり過ぎて色収差が通常硝種とは逆方向に大きく発生するとともに、波長により生ずる結像位置のずれ、すなわち2次スペクトルが大きく発生することも知られている。
【0020】
上記のような不都合を解消するために、本発明に係る望遠レンズでは、回折光学面に加え、色収差の補正に大きく寄与する性質を有する、通常硝種(ガラスや樹脂)による貼り合わせ面又は分離色収差補正面を用いている。このような貼り合わせ面や分離色収差補正面は、(第1レンズ群G1の像側に位置する)第2レンズ群G2中や第3レンズ群G3中に設けることもできるが、本実施例では、第2レンズ群G2はフォーカシングのために、第3レンズ群G3は後述する防振のためにそれぞれ移動するため、かえって収差補正が難しくなるおそれがある。そこで、より効果的に色収差補正効果を得るために、移動する可能性が低い、最も物体側に近い第1レンズ群G1中に設けることが好ましい。
【0021】
ところで、本発明の望遠レンズにおいては、回折光学面を有する一般の光学系の場合と同様に、回折光学面を通過する光線角度は、できるだけ小さい方が好ましい。これは、上記光線角度が大きくなると、回折光学面によるフレアが発生しやすくなり、画質を損ねてしまうからである。そこで、回折光学面によるフレアがあまり影響を及ぼさずに良好な画像を得るためには、本光学系の場合、上述したように、第1レンズ群G1に回折光学面Gfを設けることが望ましく、さらには、第1レンズ群G1の最も物体側に入射する主光線の最大傾き角度が10度以下とすることが望ましい。
【0022】
また、本発明の望遠レンズは、使用画面の半画角ωとし、開放F値をFとしたとき、次の条件式(1)を満足することが好ましい。
【0023】
【数1】
ω/F<2.1 … (1)
【0024】
この条件式(1)は、上記同様、回折光学面を通過する光線角度の適正な角度を規定する条件である。この条件式の上限値を上回ると、本発明の望遠レンズの画角が大きくなり伴って、回折光学面に入射する光線の傾き角も大きくなり、不用回折次数光すなわちフレアが多く発生して、良好な結像性能を得ることが難しくなってしまう。なお、本発明の効果を十分に発揮するには、条件式(1)の上限値を1.8とすることが好ましい。
【0025】
続いて、本発明の望遠レンズは、望遠レンズ全体の焦点距離をfとし、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との合成焦点距離をfcとしたとき、次の条件式を満足することが望ましい。
【0026】
【数2】
|f/fc|<0.8 … (2)
【0027】
この条件式(2)は、本望遠レンズの形状を特定するための条件である。この条件式(2)に該当する形式の望遠レンズは、内焦点方式を採用することが可能となるため、この望遠レンズがカメラ等に設けられる場合には、ピント合わせ等をはじめとする操作性能を大きく向上させることができる。ここで、内焦点方式としては、第2レンズ群G2を光軸方向に移動させる構成とすることが好ましい。なお、本発明の効果を十分に発揮するには、条件式(2)の上限値を0.6とすることが好ましい。
【0028】
また、本発明の望遠レンズは、第1レンズ群G1,第2レンズ群G2及び第3レンズ群G3を構成する全てのレンズのアッベ数νdが75以下であることが好ましい。アッベ数νdが75以上であるガラスは、比重の大きいガラスである可能性が高く、このようなガラスを用いて望遠レンズを構成すると軽量化が妨げられるため、できるだけ避けたほうが好ましい。
【0029】
また、本発明の望遠レンズで用いられる回折光学素子(回折光学面を備えた光学素子)は、図5に示す、複層型の回折光学素子であることが望ましい。なお、複層型の回折光学素子とは、回折光学面が2つ以上の物質が関与して構成される回折光学素子であり、一般に、g線からC線までの広波長領域で回折効率を90%以上に高くすることができる。
【0030】
このような複層型の回折光学素子としては、図5(A)に示すように、密着した2つの異なる物質A,Bの接合面に回折光学溝が設けられて回折光学面が形成されているもの、図5(B)に示すように、極めて接近した距離で対向させた2つの異なる物質C,Dの対向面に回折格子溝が設けられて回折光学面が形成されているもの等がある。図5(A)に示す回折光学素子は、図5(B)に示す回折光学素子よりも、製造工程が簡素であるので量産性が良く、しかも入射光線に対する回折効率がよいという長所がある。なお、回折格子溝として、ここでは鋸歯状のものを用いたが、その他、階段状のもの等であってもよい。
【0031】
また、本発明の望遠レンズでは、図1及び図4に示したように、第1レンズ群G1は少なくとも3枚以上のレンズから、第2レンズ群G2は少なくとも2枚以上のレンズから、第3レンズ群G3は少なくとも2枚以上のレンズから各々構成されることが好ましい。このように各レンズ群を構成することにより、色収差を適正に除去することができ、より高性能化することができる。
【0032】
なお、本発明の効果を十分に発揮するには、第3レンズ群G3は、2枚の正の屈折力を有するレンズと、1枚の負の屈折力を有するレンズ、すなわち3枚以上のレンズから構成されるとより好ましい。
【0033】
【実施例】
以下、本発明の各実施例を添付図面に基づいて説明するが、各実施例において回折光学面の位相差は、通常の屈折率と後述する非球面式(3),(4)とを用いて行う超高屈折率法により計算した。超高屈折率法とは、非球面形状と回折光学面の格子ピッチとの間の一定の等価関係を利用するものであり、本実施例においては回折光学面は超高屈折率法のデータとして、すなわち、後述する非球面式(3),(4)及びその係数により示している。なお、本実施例では収差特性の算出対象として、d線、g線、C線、F線を選んでいる。本実施例において用いたこれらd線、g線、C線、F線の波長と、各スペクトル線に対して設定した超高屈折率法の計算に用いるための屈折率の値を下の表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
各実施例において、非球面は、光軸に垂直な方向の高さをy、非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸に沿った距離(サグ量)をS(y)、基準球面の曲率半径をr、近軸曲率半径をR、円錐係数をκ、n次の非球面係数をCnとしたとき、以下の条件式(3),(4)で表される。
【0036】
【数3】
S(y)=(y2/r)/{1+(1−κ・y2/r2)1/2}+C2y2+C4y4+C6y6+C8y8+C10y10 (3)
R=1/{(1/r)+2C2} (4)
【0037】
なお、各実施例において、非球面形状に形成されたレンズ面には、表中の面番号の右側に*印を付している。また、各実施例において、回折光学面の位相差は通常の屈折率と上記非球面式(3),(4)を用いて行う超高屈折率法により計算した。このため、非球面レンズ面及び回折光学面のいずれにも非球面式(3),(4)が用いられるが、非球面レンズ面に用いられる非球面式(3),(4)はレンズ面の非球面形状そのものを示し、一方、回折光学面に用いられる非球面式(3),(4)は回折光学面の性能の諸元を示す。
【0038】
(第1実施例)
以下、本発明の第1実施例について図1及び図2を用いて説明する。図1は、本発明の第1実施例に係る望遠レンズのレンズ構成図である。図1の望遠レンズにおいて、第1レンズ群G1は、物体側から順に、両凸レンズL1と、両凸レンズL2と両凹レンズL3との貼り合わせレンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL4と物体側に凸面を向け且つ像側の面に回折光学面Gfを備えた正メニスカスレンズL5との貼り合わせレンズとから構成されている。また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凹レンズL6と、両凸レンズL7と両凹レンズL8との貼り合わせレンズとから構成されている。さらに、第3レンズ群G3は、物体側から順に、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL9と、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL10と、両凸レンズL11とから構成されている。
【0039】
なお、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間において、第3レンズ群G3の近傍に開口絞りSが配置されている。また、第3レンズ群G3の像側に配置されている光学フィルターF1は、固定されている。
【0040】
本発明の望遠レンズにおいて、無限遠物体から近距離物体への合焦は第2レンズ群G2を群単位で移動させて行われ、図1に示すように第2レンズ群G2を矢印A1で示すように移動させる。また、防振レンズ群は、第3レンズ群中のレンズL11とし、このレンズL11が防振時において光軸と直交する方向に変位するようにした。
【0041】
次に、この第1実施例における各レンズの諸元を表2に示す。表中、第1欄mは物体側からの各光学面の番号(以下、面番号と称する。なお右の*印は非球面形状に形成されているレンズ面である)、第2欄rは各光学面の曲率半径(非球面の場合には基準球面の曲率半径)、第3欄dは各光学面から次の光学面(または像面)までの光軸上の距離、第4欄νdはd線に対するアッベ数、第5欄ndはd線に対する屈折率をそれぞれ示している。さらに、第6欄Lは各レンズ成分を表す。また、以下の全ての諸元値において掲載されている焦点距離f、曲率半径r、面間隔dその他の長さの単位は、特記のない場合、一般に「mm」が使われるが、光学系は比例拡大又は比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、単位は「mm」に限定されることなく、他の適当な単位を用いることもできる。そして、表には前記条件式(1),(2)に対応する値、すなわち条件対応値も示している。以上の表の説明は、他の実施例においても同様である。
【0042】
なお、第1実施例では、面番号16が開口絞りSに、面番号4及び7が貼り合わせ面Tfに相当している。また、面番号8及び9に相当する面が回折光学面Gfに相当しており、この回折光学面Gfの諸元は超高屈折率法を用いて示している。
【0043】
【表2】
【0044】
このように第1実施例では、上記条件式(1),(2)は全て満たされることが分かる。図2(a)に第1実施例の望遠レンズの基準時における球面収差、非点収差、歪曲収差、コマ収差及び倍率色収差を、図2(b)に第1実施例の望遠レンズの防振時におけるコマ収差を示す。各収差図において、FNOはFナンバーを、Yは像高を、dはd線を、gはg線を、CはC線を、FはF線をそれぞれ示している。なお、球面収差図において最大口径に対応するFナンバーの値、非点収差図と歪曲収差図では、像高の最大値をそれぞれ示し、コマ収差図では各像高の値を示す。また非点収差図では実線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示している。以上の収差図の説明は、他の実施例においても同様である。各収差図から明らかなように、第1実施例では、各焦点距離状態において諸収差が良好に補正され、優れた結像性能が確保されていることが分かる。
【0045】
(第2実施例)
以下、本発明の第2実施例について図3及び図4を用いて説明する。図3は、本発明の第2実施例に係る望遠レンズのレンズ構成図である。図3の望遠レンズにおいて、第1レンズ群G1は、物体側から順に、像側の面に回折光学面Gfを備えた平行平面板(光学フィルター)F1と、両凸レンズL1と、両凸レンズL2と両凹レンズL3との貼り合わせレンズと、物体側に凸面を向け且つ物体側の面が非球面状に形成された負メニスカスレンズL4と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL5との貼り合わせレンズとから構成されている。また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL6と、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL7と両凹レンズL8との貼り合わせレンズとから構成されている。さらに、第3レンズ群G3は、物体側から順に、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL9と、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL10と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL11とから構成されている。
【0046】
なお、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間において、第3レンズ群G3の近傍に開口絞りSが配置されている。また、第3レンズ群G3の像側に配置されている光学フィルターF2は、固定されている。
【0047】
本発明の望遠レンズにおいて、無限遠物体から近距離物体への合焦は第2レンズ群G2を群単位で移動させて行われ、図3に示すように第2レンズ群G2を矢印A2で示すように移動させる。また、防振レンズ群は、第3レンズ群中のレンズL11とし、このレンズL11が防振時において光軸と直交する方向に変位するようにした。
【0048】
次に、この第2実施例における各レンズの諸元を表3に示す。なお、第2実施例では、面番号17が開口絞りSに、面番号7及び10が貼り合わせ面Tfに相当している。また、面番号2及び3に相当する面が回折光学面Gfに相当しており、この回折光学面Gfの諸元は超高屈折率法を用いて示している。
【0049】
【表3】
【0050】
このように第2実施例では、上記条件式(1),(2)は全て満たされることが分かる。図4(a)に第2実施例の望遠レンズの基準時における球面収差、非点収差、歪曲収差、コマ収差及び倍率色収差を、図4(b)に第2実施例の望遠レンズの防振時におけるコマ収差を示す。図4の各収差図から明らかなように、第2実施例では、各焦点距離状態において諸収差が良好に補正され、優れた結像性能が確保されていることが分かる。
【0051】
(第3実施例)
続いて、本発明の第3実施例について図5及び図6を用いて説明する。図5は、本発明の第3実施例に係る望遠レンズのレンズ構成図である。図5の望遠レンズにおいて、第1レンズ群G1は、物体側から順に、両凸レンズL1、両凸レンズL2、両凹レンズL3、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL4、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL5とから構成されている。また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凹レンズL6と、両凸レンズL7と両凹レンズL8との貼り合わせレンズとから構成されている。さらに、第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凸レンズL9と、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL10と、両凸レンズL11とから構成されている。
【0052】
なお、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間において、第3レンズ群G3の近傍に開口絞りSが配置されている。また、第3レンズ群G3の像側に配置されている光学フィルターF1は、固定されている。
【0053】
本発明の望遠レンズにおいて、無限遠物体から近距離物体への合焦は第2レンズ群G2を群単位で移動させて行われ、図5に示すように第2レンズ群G2を矢印A3で示すように移動させる。また、防振レンズ群は、第3レンズ群中のレンズL11とし、このレンズL11が防振時において光軸と直交する方向に変位するようにした。
【0054】
次に、この第3実施例における各レンズの諸元を表4に示す。なお、第3実施例では、面番号18が開口絞りSに、面番号4と面番号5の間及び面番号8と面番号9の間の部分がそれぞれ分離色収差補正面Hfに相当している。また、面番号10及び11に相当する面が回折光学面Gfに相当しており、この回折光学面Gfの諸元は超高屈折率法を用いて示している。
【0055】
【表4】
【0056】
このように第3実施例では、上記条件式(1),(2)は全て満たされることが分かる。図6に第3実施例の望遠レンズの基準時における球面収差、非点収差、歪曲収差、コマ収差及び倍率色収差を示す。図6の各収差図から明らかなように、第3実施例では、各焦点距離状態において諸収差が良好に補正され、優れた結像性能が確保されていることが分かる。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、良好な光学性能を維持した状態で、手ブレの影響を受けにくい望遠レンズを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る望遠レンズのレンズ構成を示す図である。
【図2】第1実施例に係る望遠レンズの諸収差図(a)と防振時のコマ収差図(b)である。
【図3】本発明の第2実施例に係る望遠レンズのレンズ構成を示す図である。
【図4】第2実施例に係る望遠レンズの諸収差図(a)と防振時のコマ収差図(b)である。
【図5】本発明の第3実施例に係る望遠レンズのレンズ構成を示す図である。
【図6】第3実施例に係る望遠レンズの諸収差図である。
【図7】複層型の回折光学素子の構成例を示す図であり、(A)は密着した2つの異なる物質の接合面に回折光学面が形成されているものであり、(B)は極めて接近した2つの異なる物質の対向面間に回折光学面が形成されているものである。
【符号の説明】
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
S 開口絞り
L1〜L11 各レンズ成分
Gf 回折光学面
Tf 貼り合わせ面
Hf 分離色収差補正面
Claims (8)
- 物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群とから構成される望遠レンズにおいて、
前記第1レンズ群は、回折光学面と、貼り合わせ面又は分離色収差補正面とを有し、
前記第3レンズ群を構成するレンズのうち、少なくとも1枚のレンズは光軸に垂直な方向に移動可能であり、
前記第1レンズ群の最も物体側の面に入射する主光線の最大傾き角度が10度以下であることを特徴とする望遠レンズ。 - 前記望遠レンズ全体の使用画面の半画角をωとし、開放F値をFとしたとき、次式
ω/F<2.1
の条件を満足することを特徴とする請求項1記載の望遠レンズ。 - 前記望遠レンズ全体の焦点距離をfとし、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との合成焦点距離をfcとしたとき、次式
|f/fc|<0.8
の条件を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の望遠レンズ。 - 前記第2レンズ群は、少なくとも1枚以上、光軸方向に移動可能なレンズを有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の望遠レンズ。
- 前記回折光学面は、異なる物質が同一の回折格子溝で接する構造であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の望遠レンズ。
- 前記第1レンズ群は、少なくとも3枚以上のガラスから構成され、
前記第2レンズ群は、少なくとも2枚以上のガラスから構成され、前記第3レンズ群は、2枚以上のガラスから構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の望遠レンズ。 - 前記望遠レンズを構成する全てのレンズは、アッベ数が75以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の望遠レンズ。
- 前記第3レンズ群は、少なくとも、2枚の正の屈折力を有するレンズと、1枚の負の屈折力を有するレンズとから構成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の望遠レンズ。
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