JP2004125733A - 距離測定装置及び距離測定方法 - Google Patents

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JP2004125733A JP2002293649A JP2002293649A JP2004125733A JP 2004125733 A JP2004125733 A JP 2004125733A JP 2002293649 A JP2002293649 A JP 2002293649A JP 2002293649 A JP2002293649 A JP 2002293649A JP 2004125733 A JP2004125733 A JP 2004125733A
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Abstract

【課題】簡単な構成で、距離分解能の向上を図ることができる距離測定装置及び距離測定方法を提供する。
【解決手段】送信側では、第一擬似ランダム信号を発生すると共に、第一擬似ランダム信号と同じチップレートを有し且つ第一擬似ランダム信号との相関の低い第二擬似ランダム信号を、第一擬似ランダム信号の発生タイミングよりもチップレートの半分の時間だけ遅らせて発生する。送信処理部30は第一擬似ランダム信号と第二擬似ランダム信号とを重畳して、送信信号とする。受信側では、受信信号をチップレートと同じ時間の間隔でサンプリングする。第一相関器70は受信信号と第一擬似ランダム信号との相関を算出し、第二相関器80は受信信号と第二擬似ランダム信号との相関を算出する。演算部90は第一相関器70の相関値と第二相関器80の相関値とに基づきターゲットの距離を求める。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スペクトル拡散を用いた距離測定装置及び距離測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スペクトル拡散を用いた距離測定方法では、擬似ランダム信号を送信し、ターゲットに反射して戻ってきた受信信号と上記の擬似ランダム信号との相関値を求め、その相関値に基づいてターゲットまでの距離を算出している。通常のスペクトル拡散を用いた距離測定方法では、距離の測定単位は擬似ランダム信号のチップレートに等しい。このため、従来より、かかる距離の分解能をチップレート以上に上げるために、いろいろな工夫がなされている。例えば、内挿補間法を用いることによって距離分解能の向上を図っている技術がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−51046号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の距離測定方法で距離分解能を上げるためには、複数のサンプリングレートを必要とするなど、実現が難しい。このため、簡単な構成で、距離分解能の向上を図ることができる距離測定装置及び距離測定方法の実現が望まれている。
【0005】
本発明は上記事情に基づいてなされたものであり、簡単な構成で、距離分解能の向上を図ることができる距離測定装置及び距離測定方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明に係る距離測定装置は、送信側に設けられた、第一の擬似ランダム信号を発生する第一送信側信号発生手段と、送信側に設けられた、前記第一の擬似ランダム信号と同じチップレートを有し且つ前記第一の擬似ランダム信号との相関の低い第二の擬似ランダム信号を、前記第一送信側信号発生手段による前記第一の擬似ランダム信号の発生タイミングよりも前記チップレートの半分の時間だけ遅らせて発生する第二送信側信号発生手段と、前記第一送信側信号発生手段で発生させた前記第一の擬似ランダム信号と前記第二送信側信号発生手段で発生させた前記第二の擬似ランダム信号とを重畳することにより重畳信号を生成し、ターゲットに対して送信する送信処理手段と、前記ターゲットから反射して戻ってきた前記重畳信号を受信し、その受信した受信信号を前記チップレートと同じ時間の間隔でサンプリングする受信処理手段と、受信側に設けられた、前記第一の擬似ランダム信号を発生する第一受信側信号発生手段と、受信側に設けられた、前記第二の擬似ランダム信号を、前記第一受信側信号発生手段による前記第一の擬似ランダム信号の発生タイミングと同時に発生する第二受信側信号発生手段と、前記受信処理手段でサンプリングされた前記受信信号と前記第一受信側信号発生手段で発生させた前記第一の擬似ランダム信号との相関を算出する第一相関算出手段と、前記受信処理手段でサンプリングされた前記受信信号と前記第二受信側信号発生手段で発生させた前記第二の擬似ランダム信号との相関を算出する第二相関算出手段と、前記第一相関算出手段から出力される相関値と前記第二相関算出手段から出力される相関値とに基づいて前記ターゲットまでの距離を算出する演算手段と、を具備することを特徴とするものである。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の距離測定装置において、前記演算手段は、各相関位置において前記第一相関算出手段から出力される相関値と前記第二相関算出手段から出力される相関値との和を求め、その和が最大となる位置を基準位置として見い出し、前記基準位置に基づいて前記重畳信号が送信されてから受信されるまでの遅延時間を前記チップレートと同じ時間単位で算出する遅延時間算出手段と、前記遅延時間算出手段で見い出した前記基準位置において前記第一相関算出手段から出力される相関値と前記第二相関算出手段から出力される相関値とを比較し、当該二つの相関値の比較結果に基づいて前記遅延時間に対する第一の補正時間を前記チップレートの半分の時間単位で求める第一補正時間算出手段と、前記第一補正時間算出手段における比較結果に基づいて相関値が小さい方の相関算出手段を特定し、その特定した相関算出手段において、前記基準位置での相関値と前記基準位置に隣り合う二つの相関位置での相関値のうち大きい方の相関値とを用いて、当該二つの相関値をとる相関位置の中間位置に対する重心の位置を算出し、その算出した重心の位置に基づいて前記遅延時間に対する第二の補正時間を求める第二補正時間算出手段と、前記遅延時間、前記第一の補正時間及び前記第二の補正時間を加算した時間に基づいて前記ターゲットまでの距離を求める距離算出手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0008】
上記の目的を達成するための請求項3記載の発明に係る距離測定方法は、送信側において、第一の擬似ランダム信号を発生すると共に、前記第一の擬似ランダム信号と同じチップレートを有し且つ前記第一の擬似ランダム信号との相関の低い第二の擬似ランダム信号を、当該第一の擬似ランダム信号の発生タイミングよりも前記チップレートの半分の時間だけ遅らせて発生する第一ステップと、前記第一ステップで発生させた前記第一の擬似ランダム信号と前記第二の擬似ランダム信号とを重畳することにより重畳信号を生成し、ターゲットに対して送信する第二ステップと、前記ターゲットから反射して戻ってきた前記重畳信号を受信し、その受信した受信信号を前記チップレートと同じ時間の間隔でサンプリングする第三ステップと、受信側において、前記第一の擬似ランダム信号を発生すると共に、前記第二の擬似ランダム信号を、当該第一の擬似ランダム信号の発生タイミングと同時に発生する第四ステップと、前記第三ステップでサンプリングされた前記受信信号と前記第四ステップで発生させた前記第一の擬似ランダム信号との相関を算出する第五ステップと、前記第三ステップでサンプリングされた前記受信信号と前記第四ステップで発生させた前記第二の擬似ランダム信号との相関を算出する第六ステップと、前記第五ステップで得られる相関値と前記第六ステップで得られる相関値とに基づいて前記ターゲットまでの距離を算出する第七ステップと、を具備することを特徴とするものである。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の距離測定方法において、前記第七ステップは、各相関位置において前記第五ステップで得られる相関値と前記六ステップで得られる相関値との和を求め、その和が最大となる位置を基準位置として見い出し、前記基準位置に基づいて前記重畳信号が送信されてから受信されるまでの遅延時間を前記チップレートと同じ時間単位で算出するステップと、前記基準位置において前記第五ステップで得られる相関値と前記第六ステップで得られる相関値とを比較し、当該二つの相関値の比較結果に基づいて前記遅延時間に対する第一の補正時間を前記チップレートの半分の時間単位で求めるステップと、前記二つの相関値の比較結果に基づいて相関値が小さい方の相関出力を特定し、その特定した相関出力において、前記基準位置での相関値と前記基準位置に隣り合う二つの相関位置での相関値のうち大きい方の相関値とを用いて、当該二つの相関値をとる相関位置の中間位置に対する重心の位置を算出し、その算出した重心の位置に基づいて前記遅延時間に対する第二の補正時間を求めるステップと、前記遅延時間、前記第一の補正時間及び前記第二の補正時間を加算した時間に基づいて前記ターゲットまでの距離を求めるステップと、を備えることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態である距離測定装置の概略ブロック図、図2はその距離測定装置の各部から出力される信号を説明するための図、図3はその距離測定装置に用いられる相関器の出力特性を説明するための図である。
【0011】
本実施形態の距離測定装置は、ターゲットまでの距離を測定するものであり、図1に示すように、第一の送信側PN(pseudorandom)信号発生器10と、第二の送信側PN信号発生器20と、送信処理部30と、受信処理部40と、第一の受信側PN信号発生器50と、第二の受信側PN信号発生器60と、第一相関器70と、第二相関器80と、演算部90とを備えるものである。ここでは、説明を簡単にするために、ベースバンド処理の例を示す。本実施形態の距離測定装置を、例えばレーダー等に適用する場合には、送信処理部30内にRF変調器を設けると共に、受信処理部40内にRF復調器を設けるようにすればよい。
【0012】
第一の送信側PN信号発生器10は、第一の擬似ランダム信号を発生するものであり、第二の送信側PN信号発生器20は、第二の擬似ランダム信号を発生するものである。第一の擬似ランダム信号のチップレートと第二の擬似ランダム信号のチップレートとは同じである。チップレートとは、擬似ランダム信号を構成する単位信号の幅(時間)である。また、第一の擬似ランダム信号と第二の擬似ランダム信号とは互いに相関の低いものが用いられる。例えば、これらの擬似ランダム信号がともにM系列信号である場合、二つの擬似ランダム信号としてはプリファード・ペア等を用いることができる。
【0013】
第一の送信側PN信号発生器10で発生した第一の擬似ランダム信号と第二の送信側PN信号発生器20で発生した第二の擬似ランダム信号とは、送信処理部30に出力される。本実施形態では、図2(a)に示すように、第二の送信側PN信号発生器20は、第二の擬似ランダム信号を第一の擬似ランダム信号の発生タイミングよりもチップレートTcの半分の時間だけ遅らせて発生している。このため、第二の擬似ランダム信号は第一の擬似ランダム信号に比べてチップレートTcの半分の時間だけ遅れて、送信処理部30に出力される。
【0014】
送信処理部30は、加算器31と、送信部32とを有する。加算器31は、第一の送信側PN信号発生器10で発生させた第一の擬似ランダム信号と第二の送信側PN信号発生器20で発生させた第二の擬似ランダム信号とを重畳することにより重畳信号を生成するものである。第二の擬似ランダム信号を第一の擬似ランダム信号の発生タイミングよりもチップレートTcの半分の時間だけ遅れて発生しているので、この重畳信号では、第一の擬似ランダム信号と第二の擬似ランダム信号とはチップレートTcの半分の時間だけずれて重畳されている。送信部32からは、かかる重畳信号が送信信号としてターゲットに対して送信される。
【0015】
受信処理部40は、受信部41と、A/D変換器42とを有する。受信部41は、ターゲットから反射して戻ってきた重畳信号を受信するものである。受信部41で受信した重畳信号(受信信号)は、A/D変換器42でA/D変換される。このとき、A/D変換器42が受信信号をサンプリングするサンプリング時間は第一の擬似ランダム信号(第二の擬似ランダム信号)のチップレートTcに等しい。すなわち、A/D変換器42は、受信信号をチップレートTcと同じ時間の間隔でサンプリングする。A/D変換器42でサンプリングされた受信信号は、第一相関器70及び第二相関器80に出力される。
【0016】
第一の受信側PN信号発生部50は、第一の擬似ランダム信号を発生し、第一相関器70に出力するものであり、第二の受信側PN信号発生部60は、第二の擬似ランダム信号を発生し、第二相関器80に出力するものである。送信側においては、上述したように、第二の送信側PN信号発生器20からの第二の擬似ランダム信号を、第一の送信側PN信号発生器30からの第一の擬似ランダム信号の発生タイミングよりもチップレートTcの半分の時間だけ遅らせて発生していた。これに対し、受信側においては、図2(b)に示すように、第一の受信側PN信号発生部50からの第一の擬似ランダム信号と第二の受信側PN信号発生部70からの第二の擬似ランダム信号とを同時に発生することにしている。したがって、第一の受信側PN信号発生部50からの第一の擬似ランダム信号と第二の受信側PN信号発生部60からの第二の擬似ランダム信号とは、同じタイミングで発生され、それぞれ第一相関器70、第二相関器80に同時に入力することになる。
【0017】
第一相関器70は、受信処理部40でサンプリングされた受信信号と第一の受信側PN信号発生部50で発生された第一の擬似ランダム信号との相関値を算出するものであり、第二相関器80は、受信処理部40でサンプリングされた受信信号と第二の受信側PN信号発生部60で発生された第二の擬似ランダム信号との相関値を算出するものである。具体的には、各相関器70,80は、受信信号及び擬似ランダム信号のうちいずれか一方の位相を、チップレートTcに相当する所定の位相値ずつずらしながら、相関値を求めている。
【0018】
図3に本実施形態で用いる相関器70,80の出力特性を示す。この出力特性は、二つの同一の擬似ランダム信号を用いて、それらの擬似ランダム信号を同じタイミングで相関器に入力させることにより得られたものである。図3において、縦軸は相関器の出力、横軸は相関のずれ量である。この相関のずれ量は、相関値を求める際にずらした位相値に対応する量であるが、ここでは、相関のずれ量として、ずらした位相値に対応する時間をチップレートTc単位で表したものを用いている。また、以下では、相関のずれ量のことを「相関位置」とも称することにする。
【0019】
図3に示すように、相関位置が0のときに、相関器から出力される相関値はピークをとる。そして、相関位置が0から±1に向かってだんだん離れるにしたがって、相関値は略直線的に減少する。ここで、相関位置が−1から+1までの範囲では、相関値は、原点を通る縦軸に関して略対称である。相関位置が±1よりも離れると、相関値は変動しながら微小な値をとる。尚、相関器の出力特性としては、理想的には、図3において破線で示すように、相関位置が0から+1までの範囲又は0から−1までの範囲では相関値が直線的に変化し、相関位置が+1以上の範囲又は−1以下の範囲では相関値が微小な一定値をとることが望ましい。実際の相関器の出力特性は、この理想的な出力特性に略近似している。
【0020】
したがって、第一相関器70では、受信信号に含まれる第一の擬似ランダム信号の位相と第一の受信側PN信号発生部60で発生された第一の擬似ランダム信号の位相とが完全に一致する場合に、最大のピーク値が出力される。また、これら二つの信号の位相がチップレートTcに相当する位相値よりも小さい値だけずれている場合には、最大ピーク値よりは小さいが、ある程度大きなピーク値が出力される。これは、図3において、相関位置が0から+1までの範囲又は0から−1までの範囲にある場合に対応する。さらに、これら二つの信号の位相がチップレートTcに相当する位相値よりも大きい値だけずれている場合には、相関値はほとんどゼロである。これは、図3において、相関位置が+1以上の範囲又は−1以下の範囲である場合に対応する。
【0021】
同様に、第二相関器80では、受信信号に含まれる第二の擬似ランダム信号の位相と第二の受信側PN信号発生部70で発生された第二の擬似ランダム信号の位相とが一致する場合に、最大のピーク値が出力される。また、これら二つの信号の位相がチップレートTcに相当する位相値よりも小さい値だけずれている場合には、最大ピーク値よりは小さいが、ある程度大きなピーク値が出力される。さらに、これら二つの信号の位相がチップレートTcに相当する位相値よりも大きな値だけずれている場合には、相関値はほとんどゼロである。
【0022】
ところで、本実施形態では、送信側において重畳信号を生成する際に、第一の擬似ランダム信号と第二の擬似ランダム信号とをチップレートTcの半分の時間だけずらしている。このため、例えば、重畳信号の送信時からターゲットで反射して戻ってきた重畳信号を受信するまでの時間(遅延時間)がちょうどチップレートTcの自然数倍である場合には、第一相関器70において相関値を算出する際、受信信号に含まれる第一の擬似ランダム信号の位相と第一の受信側PN信号発生部50で発生させた第一の擬似ランダム信号の位相とが正確に一致することがある。そして、それら二つの信号の位相が一致するときに、図2(c)に示すように、第一相関器70からは最大のピーク値▲1▼が出力される。一方、この場合、第二相関器80においては、受信信号に含まれる第二の擬似ランダム信号の位相と第二の受信側PN信号発生部60で発生させた第二の擬似ランダム信号の位相とは正確に一致することはないが、それらの信号の位相がチップレートTcの半分の時間に相当する位相値だけずれることが二回連続して起こる。そして、それら二つの信号の位相がチップレートTcの半分の時間に相当する位相値だけずれるときに、図2(d)に示すように、第二相関器80からは二つのピーク値▲2▼,▲3▼が出力される。ここで、第二相関器80における二つのピーク値▲2▼,▲3▼のうち先に出力されるピーク値▲2▼は、第一相関器70における最大ピーク値▲1▼と同時に現れる。尚、図2(c),(d)では、ピーク値▲1▼,▲2▼,▲3▼以外に微小な値が出力されているが、これらの出力値は、図3における相関位置が+1以上の範囲又は−1以下の範囲である場合の出力値に該当し、ノイズとして扱われる。
【0023】
また、遅延時間がちょうどチップレートTcの(自然数+1/2)倍に等しい場合には、第二相関器80において、受信信号に含まれる第二の擬似ランダム信号の位相と第二の受信側PN信号発生部50で発生させた第二の擬似ランダム信号の位相とが正確に一致することがある。そして、それら二つの信号の位相が一致するときに、第二相関器80からは最大のピーク値が出力される。一方、この場合、第一相関器70においては、受信信号に含まれる第一の擬似ランダム信号の位相と第一の受信側PN信号発生部50で発生させた第一の擬似ランダム信号の位相とは正確に一致することはないが、それらの信号の位相がチップレートTcの半分の時間に相当する位相値だけずれることが二回連続して起こる。そして、それらの信号の位相がチップレートTcの半分の時間に相当する位相値だけずれるときに、第一相関器70からは二つのピーク値が出力される。ここで、第一相関器70における二つのピーク値のうち後に出力されるピーク値は、第二相関器80における最大ピーク値と同時に現れる。
【0024】
一般的に言えば、送信側において重畳信号を生成する際に、第一の擬似ランダム信号と第二の擬似ランダム信号とをチップレートTcの半分の時間だけずらして重畳したことにより、第一相関器70及び第二相関器80のうちいずれか一方からは一つのピーク値が出力され、その残りの一方からは二つのピーク値が出力される。本実施形態では、以下に詳述するように、演算部90が、かかる三つのピーク値に基づいて、ターゲットまでの距離をチップレートTc以下の分解能で算出することにしている。
【0025】
演算部90は、第一相関器70で得られる第一相関出力と第二相関器80で得られる第二相関出力とに基づいてターゲットまでの距離を算出するものである。かかる演算部90は、図1に示すように、遅延時間算出部91と、第一補正時間算出部92と、第二補正時間算出部93と、距離算出部94とを備える。
【0026】
遅延時間算出部91は、第一相関出力と第二相関出力とが同時に大きな値をとる位置(基準位置)を見い出し、この基準位置に基づいて重畳信号の遅延時間Tdを求めるものである。基準位置を見い出すには、例えば、相関をとった各位置毎に第一相関出力と第二相関出力との和をとり、その和が最も大きいときの位置を求めればよい。例えば、図2(c),(d)では、第一相関器70のピーク値▲1▼と第二相関器80のピーク値▲2▼との和が最も大きいので、これらのピーク値▲1▼,▲2▼が得られたときの位置が基準位置となる。また、重畳信号の遅延時間Tdは、当該基準位置に対応する時刻から重畳信号を送信した時刻を減算することにより得られる。本実施形態では、重畳信号を送信したときから、チップレートTcと同じ周期を有するパルス信号が出力された数をカウントする計数手段を設けている。これにより、基準位置に対応する時刻における計数手段のカウント値をNとすると、重畳信号の遅延時間TdはN×Tcを計算することにより求めることができる。このように、遅延時間算出部91では、遅延時間TdはチップレートTc単位で算出される。そして、この遅延時間算出部91で算出される遅延時間Tdは、送信側で第一の擬似ランダム信号が送信されたときから、基準位置に対応する時刻までの時間である。
【0027】
第一補正時間算出部92は、遅延時間算出部91で見い出した基準位置における第一相関出力のピーク値と第二相関出力のピーク値とを比較し、そのピーク値の比較結果に基づいて遅延時間Tdに対する第一の補正時間Teを求めるものである。本実施形態では、送信側において、重畳信号を生成する際に、第二の擬似ランダム信号を第一の擬似ランダム信号よりもチップレートTcの半分の時間だけ遅らせているので、遅延時間がチップレートTcの自然数倍である場合には、第一相関出力に一つの最大ピーク値が現れ、第二相関出力には二つのピーク値が現れる。このとき、第二相関出力における二つのピーク値のうち先に出力されるピーク値と、第一相関出力における最大ピーク値とは基準位置に現れる。また、遅延時間がチップレートTcの(自然数+1/2)倍である場合には、第一相関出力に二つのピーク値が現れ、第二相関出力には一つの最大ピーク値が現れる。このとき、第一相関出力における二つのピーク値のうち後に出力されるピーク値と、第二相関出力における最大ピーク値とは基準位置に現れる。したがって基準位置における第一相関出力のピーク値と第二相関出力のピーク値とを比較した場合、第一相関出力のピーク値が第二相関出力のピーク値よりも大きければ、受信信号の遅延時間はチップレートTcのn倍の値に近いということが分かる。一方、第二相関出力のピーク値が第一相関出力のピーク値よりも大きければ、受信信号の遅延時間はチップレートTcの(自然数+1/2)倍の値に近いということが分かる。
【0028】
具体的に、第一補正時間算出部92は、遅延時間Tdに対する第一の補正時間Teを次のように決定する。すなわち、基準位置において第一相関出力のピーク値が第二相関出力のピーク値よりも大きいときには、第一の補正時間Teをゼロに設定する。また、基準位置において第二相関出力のピーク値が第一相関出力のピーク値よりも大きければ、第二の補正時間Teを−Tc/2に設定する。ここで、「−」を付けたのは、本実施形態では、送信側において、第二の擬似ランダム信号を第一の擬似ランダム信号よりもチップレートTcの半分の時間だけ遅れて発生させているからである。このように、第一補正時間算出部92では、遅延時間Tdに対する第一の補正時間TeはチップレートTcの半分の時間単位で求められる。第一補正時間算出部92で補正して得られる遅延時間Td+Teは、二つのピーク値が出力される方の相関器において、当該相関器に入力される擬似ランダム信号と同じ擬似ランダム信号が送信側で送信されたときから、その二つのピーク値が出力された位置の中間位置に対応する時刻までの時間である。
【0029】
第二補正時間算出部93は、第一補正時間算出部92におけるピーク値の比較結果に基づいて基準位置でのピーク値が小さい方の相関器を特定し、その特定した相関器において、基準位置でのピーク値とその基準位置に隣り合う二つの位置でのピーク値のうち大きい方のピーク値とを用いて、これら二つのピーク値をとる位置の中間位置に対する重心の位置を算出し、その算出した重心の位置に基づいて遅延時間Tdに対する第二の補正時間Tfを求めるものである。
【0030】
この第二補正時間算出部93では、第一補正時間算出部92で補正して得られた遅延時間Td+Teに対してさらに細かな補正が行われる。かかる補正は、二つのピーク値が出力される方の相関器において、その二つのピーク値に基づいて行われる。このため、第二補正時間算出部93は、まず、基準位置におけるピーク値が小さい方の相関器を特定することにより、二つのピーク値が出力される相関器を特定している。図2(c),(d)の例では、ピーク値▲1▼とピーク値▲2▼とを比較して、第二相関器80が特定される。こうして相関器が特定されると、次に、その特定された相関器における二つのピーク値を決定する。かかる二つのピーク値としては、基準位置におけるピーク値と、基準位置に隣り合う二つの位置でのピーク値のうち大きい方のピーク値とを用いればよい。
【0031】
こうして特定された相関器における二つのピーク値は、図3の出力特性で言えば、相関位置が−1から0までの範囲にある場合に出力されるピーク値と、相関位置が0から+1までの範囲にある場合に出力されるピーク値とに相当する。図3に示すように、かかる相関位置の範囲では、相関器の出力は最大ピーク値をとる位置(最大ピーク位置)に関して対称であり、相関位置0及び±1の近傍を除き、相関位置が0から±1に向かって離れていくに従って略直線的に減少する。したがって、特定された相関器における二つのピーク値を用い、それらの相関位置の中間位置に対する重心の位置を求めれば、その重心の位置は最大ピーク位置を表すと考えることができる。
【0032】
当該相関器において二つのピーク値が得られると、第二補正時間算出部93は、その二つのピーク値を用いて、それらの相関位置の中間位置に対する重心の位置を算出する。この重心の位置Gは、先に出力された方のピーク値をP1、後に出力された方のピーク値をP2とすると、
G={P1×(−1/2)+P2×1/2}/(P1+P2)
により求められる。そして、この求めた重心の位置GにチップレートTcを乗算することにより、第二の補正時間Tf=G×Tcが得られる。こうして得られる第二の補正時間Tfは、チップレートTcの半分の時間よりも短いものである。
【0033】
距離算出部94は、遅延時間Td、第一の補正時間Te及び第二の補正時間Tfとを加算した全体の遅延時間に基づいてターゲットまでの距離を求めるものである。具体的には、かかる距離は、全体の遅延時間Td+Te+Tfに重畳信号の伝播速度を乗算し、その乗算した結果を2で除算することにより得ることができる。
【0034】
また、本発明者等は、重心の位置に基づいて第二の補正時間Tfを求めることの正当性を検証した。具体的には、第二の補正時間Tfの設定値をいろいろ変えながら、本装置の処理についてのシミュレーションを行った。そして、かかるシミュレーションにおいて、重心の位置を求め、その重心の位置に基づいて第二の補正時間を計算した。図4はそのシミュレーションの結果を示す図である。図4において、縦軸は重心の位置を計算して得られた第二の補正時間Tfの計算値、横軸はシミュレーションで予め与えた第二の補正時間Tfの設定値である。但し、縦軸、横軸ともチップレートTc単位で表している。図4に示すように、第二の補正時間Tfの各計算値は、原点を通る直線上に並んでおり、原点を通る傾き45度の直線A(理想値)からほとんどずれていない。したがって、重心の位置に基づいて算出した第二の補正時間Tfを用いることによって、ターゲットまでの距離を十分満足のいく精度で求めることができると考えられる。
【0035】
次に、本実施形態の距離測定装置においてターゲットまでの距離を測定する処理手順について説明する。図5は送信信号を説明するための図である。また、図6、図7及び図8は受信信号を説明するための図である。尚、図5〜図8に示す各信号の波形は、発明者等が本装置の処理についてのシミュレーションを行って得たものである。
【0036】
距離測定装置の動作が開始すると、第一の送信側PN信号発生部10が第一の擬似ランダム信号を発生すると共に、第二の送信側PN信号発生部20が第二の擬似ランダム信号を、当該第一の擬似ランダム信号の発生タイミングよりもチップレートTcの半分の時間だけ遅らせて発生する。図5(a)に第一の送信側PN信号発生部10で発生される第一の擬似ランダム信号の波形の例を示し、また、図5(b)に第二の送信側PN信号発生部20で発生される第二の擬似ランダム信号の波形の例を示す。図5(b)において、第二の擬似ランダム信号は第一の擬似ランダム信号に比べてチップレートTcの半分の時間だけ遅延している。かかる第一の擬似ランダム信号と第二の擬似ランダム信号とは加算器31に送られる。加算器31は、第一の擬似ランダム信号と第二の擬似ランダム信号とを重畳することにより重畳信号(送信信号)を生成する。こうして生成された重畳信号は、送信部32からターゲットに対して送信される。図5(c)には、図5(a)に示す第一の擬似ランダム信号と図5(b)に示す擬似ランダム信号とを重畳して得られる重畳信号の波形の例を示す。尚、図5の各グラフにおいて、縦軸は信号の振幅である。また、横軸は時刻であるが、チップレートTc単位で表している。
【0037】
ターゲットから反射して戻ってきた重畳信号は、受信信号として受信部41で受信される。図6(a)は、遅延時間がチップレートTcの自然数倍である場合に、図5(c)に示す重畳信号を送信信号として送信したときに得られる受信信号の波形の例である。図7(a)は、遅延時間がチップレートTcの(自然数+1/2)倍である場合に、図5(c)に示す重畳信号を送信信号として送信したときに得られる受信信号の波形の例である。そして、図8(a)は、遅延時間がチップレートTcの(自然数+1/4)倍である場合に、図5(c)に示す重畳信号を送信信号として送信したときに得られる受信信号の波形の例である。ここで、これらの各図においては、帯域制限された受信信号のアナログ波形を示している。また、各図において、縦軸は信号の振幅、横軸はチップレートTc単位で表した時刻である。図6(a)、図7(a)、図8(a)に示すように、受信部41で受信される受信信号のアナログ波形自体はどれも同じであるが、それらのアナログ信号波形の間には、遅延時間の違いにより、横軸方向に沿ってずれが生じている。
【0038】
受信部41で受信された受信信号は、A/D変換部42に送られ、A/D変換部42は、その受信信号をチップレートTcと同じ時間の間隔でサンプリングする。図6、図7、図8の各図において、(b)は(a)の受信信号をチップレートTc毎にサンプリングして得られる信号の波形を示している。これら各図において、縦軸は信号の振幅、横軸はチップレートTc単位で表した時刻である。図6(b)、図7(b)、図8(b)に示すように、サンプリングして得られる各信号の波形は、遅延時間の違いに起因して、異なったものとなっている。
【0039】
A/D変換部42でサンプリングされた受信信号は、第一相関器70及び第二相関器80に送られる。第一相関器70では、A/D変換部42でサンプリングされた受信信号と第一の受信側PN信号発生部50で発生された第一の擬似ランダム信号との相関を算出する。一方、第二相関器80では、A/D変換器42でサンプリングされた受信信号と第二の受信側PN信号発生部60で発生された第二の擬似ランダム信号との相関を算出する。ここで、第一相関器70に送られる第一の擬似ランダム信号と第二の相関器80に送られる第二の擬似ランダム信号とは、同じタイミングで発生させている。図6、図7、図8の各図において、(c)は第一相関器70から出力される信号の波形、(d)は第二相関器80から出力される信号の波形を示している。これら各図において、縦軸は信号の振幅であり、横軸は相関位置、すなわちチップレートTc単位で表した時刻である。また、これらの各図では、相関器から出力された各相関値を直線で繋ぐことにより、信号の波形を折れ線で描いている。
【0040】
第一相関器70で得られた相関値と第二相関器80で得られた相関値とは、演算部90の遅延時間算出部91に出力される。この遅延時間算出部91は、各相関位置において第一相関器70で得られた相関値と第二相関値80で得られた相関値との和をとり、その和が最大となる基準位置を見い出す。そして、その基準位置に基づいて送信信号が送信されてから受信されるまでの遅延時間TdをチップレートTc単位で算出する。
【0041】
図6(c),(d)に示す場合、すなわち遅延時間がチップレートTcの自然数倍である場合には、第一相関器70からは一つの最大ピーク値▲1▼が出力され、第二相関器80からは二つのピーク値▲2▼,▲3▼が出力される。ここで、二つのピーク値▲2▼,▲3▼は略同じ大きさであり、第一相関器70における最大ピーク値▲1▼と第二相関器80におけるピーク値▲2▼とは同時に現れる。この例では、遅延時間算出部91は、最大ピーク値▲1▼とピーク値▲2▼とが現れる位置を基準位置として求める。また、図7(c),(d)に示す場合、すなわち遅延時間がチップレートTcの(自然数+1/2)倍である場合には、第一相関器70からは二つのピーク値▲2▼,▲3▼が出力され、第二相関器80からは一つの最大ピーク値▲1▼が出力される。ここで、二つのピーク値▲2▼,▲3▼は略同じ大きさであり、第一相関器70におけるピーク値▲3▼と第二相関器80における最大ピーク値▲1▼とは同時に現れる。この例では、遅延時間算出部91は、最大ピーク値▲1▼とピーク値▲3▼とが現れる位置を基準位置として求める。
【0042】
尚、図6(c),(d)と図7(c),(d)とを比較すると分かるように、遅延時間がチップレートTcの自然数倍である場合と遅延時間がチップレートTcの(自然数+1/2)倍である場合とでは、第一相関器70から出力されるピーク値と第二相関器80から出力されるピーク値とが逆転している。
【0043】
更に、図8(c),(d)に示す場合、すなわち遅延時間がチップレートTcの(自然数+1/4)場合である場合には、第一相関器70からは一つのピーク値▲2▼が出力され、第二相関器80からは一つのピーク値▲1▼が出力される。ここで、これらのピーク値▲1▼,▲2▼は略同じ大きさである。この例では、ピーク値▲1▼をとる位置における相関値の和と、ピーク値▲2▼をとる位置における相関値の和とは略同じになる。このような場合、遅延時間算出部91は、ピーク値▲1▼をとる位置とピーク値▲2▼をとる位置とのうちいずれの位置をも基準位置として決定することができる。いずれの位置を基準位置として選んでも、最終的な結果には影響がない。ここでは、第二相関器80から出力されるピーク値▲1▼をとる位置を基準位置とすることにする。尚、図8(c)では、基準位置における第一相関器70からの出力をピーク値▲3▼とする。
【0044】
次に、第一補正時間算出部92は、遅延時間算出部91で見い出した基準位置における第一相関器70のピーク値と第二相関器80のピーク値とを比較し、その比較結果に基づいて遅延時間Tdに対する第一の補正時間TeをチップレートTcの半分の時間単位で求める。図6(c),(d)の例では、ピーク値▲1▼とピーク値▲2▼とを比較し、第一相関器70のピーク値▲1▼が第二相関器80のピーク値▲2▼よりも大きいので、第一補正時間算出部92は、第一の補正時間Teをゼロに設定する。また、図7(c),(d)の例では、ピーク値▲3▼とピーク値▲1▼とを比較し、第二相関器80のピーク値▲1▼が第一相関器70のピーク値▲3▼よりも大きいので、第一の補正時間Teを−Tc/2に設定する。更に、図8(c),(d)の例でも、図7(c),(d)の場合と同様に、第一の補正時間Teを−Tc/2に設定する。
【0045】
次に、第二補正時間算出部93は、第一補正時間算出部92におけるピーク値の比較結果に基づいてピーク値が小さい方の相関器を特定する。そして、その特定した相関器において、基準位置でのピーク値と基準位置に隣合う二つの位置での二つのピーク値のうち大きい方のピーク値とを用いて、これら二つのピーク位置の中間位置に対する重心の位置を算出し、その算出した重心の位置に基づいて遅延時間Tdに対する第二の補正時間Tfを求める。図6(c),(d)の例では、基準位置におけるピーク値が小さい方の相関器として第二相関器80が特定される。また、第二相関器80において、基準位置でのピーク値▲2▼に隣り合う二つの位置でのピーク値のうち大きい方のピーク値として、基準位置よりも後に出力されるピーク値▲3▼が選ばれる。そして、ピーク値▲2▼とピーク値▲3▼とを用いて、それらのピーク位置の中間位置に対する重心の位置が算出される。また、図7(c),(d)の例では、基準位置におけるピーク値が小さい方の相関器として第一相関器70が特定される。また、第一相関器70において、基準位置でのピーク値▲3▼に隣り合う二つの位置でのピーク値のうち大きい方のピーク値として、基準位置よりも先に出力されるピーク値▲2▼が選ばれる。そして、ピーク値▲2▼とピーク値▲3▼とを用いて、それらのピーク位置の中間位置に対する重心の位置が算出される。更に、図8(c),(d)の例でも、図7(c),(d)の場合と同様に、ピーク値▲2▼とピーク値▲3▼とを用いて、それらのピーク位置の中間位置に対する重心の位置が算出される。
【0046】
その後、距離算出部94は、遅延時間Td、第一の補正時間Te及び第二の補正時間Tfとを加算して得られる全体の遅延時間Td+Te+Tfに、信号の伝播速度を乗算する。そして、その得られた結果を2で除算することにより、ターゲットまでの距離が求められる。
【0047】
本実施形態の距離測定装置では、送信側において、第一の擬似ランダム信号を発生すると共に、第一の擬似ランダム信号と同じチップレートを有し且つ第一の擬似ランダム信号との相関の低い第二の擬似ランダム信号を、当該第一の擬似ランダム信号の発生タイミングよりもチップレートの半分の時間だけ遅らせて発生し、第一の擬似ランダム信号と第二の擬似ランダム信号とを重畳して得られる重畳信号をターゲットに対して送信する。受信側においては、受信信号をチップレートと同じ時間の間隔でサンプリングした後、第一相関器で受信信号と第一の擬似ランダム信号との相関を算出すると共に、第二相関器で受信信号と第二の擬似ランダム信号との相関を算出し、第一相関器から出力される相関値と第二相関器から出力される相関値とに基づいてターゲットまでの距離を算出する。具体的には、第一相関器及び第二相関器のうちいずれか一方から出力される一つのピーク値と、その残りの一方から出力される二つのピーク値とを相補的に用いることにより、簡単な構成で、ターゲットまでの距離をチップレート以下の分解能で算出することができる。
【0048】
尚、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る距離測定装置によれば、送信側において、第一の擬似ランダム信号を発生すると共に、第一の擬似ランダム信号と同じチップレートを有し且つ第一の擬似ランダム信号との相関の低い第二の擬似ランダム信号を、当該第一の擬似ランダム信号の発生タイミングよりもチップレートの半分の時間だけ遅らせて発生し、第一の擬似ランダム信号と第二の擬似ランダム信号とを重畳して得られる重畳信号をターゲットに対して送信する。受信側においては、受信信号をチップレートと同じ時間の間隔でサンプリングした後、第一相関算出手段で受信信号と第一の擬似ランダム信号との相関を算出すると共に、第二相関算出手段で受信信号と第二の擬似ランダム信号との相関を算出し、第一相関算出手段から出力される相関値と第二相関算出手段から出力される相関値とに基づいてターゲットまでの距離を算出する。具体的には、第一相関算出手段及び第二相関算出手段のうちいずれか一方から出力される一つのピーク値と、その残りの一方から出力される二つのピーク値とを相補的に用いることにより、簡単な構成で、ターゲットまでの距離をチップレート以下の分解能で算出することができる。
【0050】
また、本発明に係る距離測定方法によれば、上記と同様に、簡単な構成で、ターゲットまでの距離をチップレート以下の分解能で算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である距離測定装置の概略ブロック図である。
【図2】その距離測定装置の各部から出力される信号を説明するための図である。
【図3】その距離測定装置に用いられる相関器の出力特性を説明するための図である。
【図4】重心の位置に基づいて第二の補正時間を求めることの正当性を検証するために行ったシミュレーションの結果を示す図である。
【図5】送信信号を説明するための図である。
【図6】受信信号を説明するための図である。
【図7】受信信号を説明するための図である。
【図8】受信信号を説明するための図である。
【符号の説明】
10  第一の送信側PN信号発生器
20  第二の送信側PN信号発生器
30  送信処理部
31  加算器
32  送信部
40  受信処理部
41  受信部
42  A/D変換器
50  第一の受信側PN信号発生器
60  第二の受信側PN信号発生器
70  第一相関器
80  第二相関器
90  演算部
91  遅延時間算出部
92  第一補正時間算出部
93  第二補正時間算出部
94  距離算出部

Claims (4)

  1. 送信側に設けられた、第一の擬似ランダム信号を発生する第一送信側信号発生手段と、
    送信側に設けられた、前記第一の擬似ランダム信号と同じチップレートを有し且つ前記第一の擬似ランダム信号との相関の低い第二の擬似ランダム信号を、前記第一送信側信号発生手段による前記第一の擬似ランダム信号の発生タイミングよりも前記チップレートの半分の時間だけ遅らせて発生する第二送信側信号発生手段と、
    前記第一送信側信号発生手段で発生させた前記第一の擬似ランダム信号と前記第二送信側信号発生手段で発生させた前記第二の擬似ランダム信号とを重畳することにより重畳信号を生成し、ターゲットに対して送信する送信処理手段と、
    前記ターゲットから反射して戻ってきた前記重畳信号を受信し、その受信した受信信号を前記チップレートと同じ時間の間隔でサンプリングする受信処理手段と、
    受信側に設けられた、前記第一の擬似ランダム信号を発生する第一受信側信号発生手段と、
    受信側に設けられた、前記第二の擬似ランダム信号を、前記第一受信側信号発生手段による前記第一の擬似ランダム信号の発生タイミングと同時に発生する第二受信側信号発生手段と、
    前記受信処理手段でサンプリングされた前記受信信号と前記第一受信側信号発生手段で発生させた前記第一の擬似ランダム信号との相関を算出する第一相関算出手段と、
    前記受信処理手段でサンプリングされた前記受信信号と前記第二受信側信号発生手段で発生させた前記第二の擬似ランダム信号との相関を算出する第二相関算出手段と、
    前記第一相関算出手段から出力される相関値と前記第二相関算出手段から出力される相関値とに基づいて前記ターゲットまでの距離を算出する演算手段と、
    を具備することを特徴とする距離測定装置。
  2. 前記演算手段は、
    各相関位置において前記第一相関算出手段から出力される相関値と前記第二相関算出手段から出力される相関値との和を求め、その和が最大となる位置を基準位置として見い出し、前記基準位置に基づいて前記重畳信号が送信されてから受信されるまでの遅延時間を前記チップレートと同じ時間単位で算出する遅延時間算出手段と、
    前記遅延時間算出手段で見い出した前記基準位置において前記第一相関算出手段から出力される相関値と前記第二相関算出手段から出力される相関値とを比較し、当該二つの相関値の比較結果に基づいて前記遅延時間に対する第一の補正時間を前記チップレートの半分の時間単位で求める第一補正時間算出手段と、
    前記第一補正時間算出手段における比較結果に基づいて相関値が小さい方の相関算出手段を特定し、その特定した相関算出手段において、前記基準位置での相関値と前記基準位置に隣り合う二つの相関位置での相関値のうち大きい方の相関値とを用いて、当該二つの相関値をとる相関位置の中間位置に対する重心の位置を算出し、その算出した重心の位置に基づいて前記遅延時間に対する第二の補正時間を求める第二補正時間算出手段と、
    前記遅延時間、前記第一の補正時間及び前記第二の補正時間を加算した時間に基づいて前記ターゲットまでの距離を求める距離算出手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載の距離測定装置。
  3. 送信側において、第一の擬似ランダム信号を発生すると共に、前記第一の擬似ランダム信号と同じチップレートを有し且つ前記第一の擬似ランダム信号との相関の低い第二の擬似ランダム信号を、当該第一の擬似ランダム信号の発生タイミングよりも前記チップレートの半分の時間だけ遅らせて発生する第一ステップと、
    前記第一ステップで発生させた前記第一の擬似ランダム信号と前記第二の擬似ランダム信号とを重畳することにより重畳信号を生成し、ターゲットに対して送信する第二ステップと、
    前記ターゲットから反射して戻ってきた前記重畳信号を受信し、その受信した受信信号を前記チップレートと同じ時間の間隔でサンプリングする第三ステップと、
    受信側において、前記第一の擬似ランダム信号を発生すると共に、前記第二の擬似ランダム信号を、当該第一の擬似ランダム信号の発生タイミングと同時に発生する第四ステップと、
    前記第三ステップでサンプリングされた前記受信信号と前記第四ステップで発生させた前記第一の擬似ランダム信号との相関を算出する第五ステップと、
    前記第三ステップでサンプリングされた前記受信信号と前記第四ステップで発生させた前記第二の擬似ランダム信号との相関を算出する第六ステップと、
    前記第五ステップで得られる相関値と前記第六ステップで得られる相関値とに基づいて前記ターゲットまでの距離を算出する第七ステップと、
    を具備することを特徴とする距離測定方法。
  4. 前記第七ステップは、
    各相関位置において前記第五ステップで得られる相関値と前記六ステップで得られる相関値との和を求め、その和が最大となる位置を基準位置として見い出し、前記基準位置に基づいて前記重畳信号が送信されてから受信されるまでの遅延時間を前記チップレートと同じ時間単位で算出するステップと、
    前記基準位置において前記第五ステップで得られる相関値と前記第六ステップで得られる相関値とを比較し、当該二つの相関値の比較結果に基づいて前記遅延時間に対する第一の補正時間を前記チップレートの半分の時間単位で求めるステップと、
    前記二つの相関値の比較結果に基づいて相関値が小さい方の相関出力を特定し、その特定した相関出力において、前記基準位置での相関値と前記基準位置に隣り合う二つの相関位置での相関値のうち大きい方の相関値とを用いて、当該二つの相関値をとる相関位置の中間位置に対する重心の位置を算出し、その算出した重心の位置に基づいて前記遅延時間に対する第二の補正時間を求めるステップと、
    前記遅延時間、前記第一の補正時間及び前記第二の補正時間を加算した時間に基づいて前記ターゲットまでの距離を求めるステップと、
    を備えることを特徴とする請求項3記載の距離測定方法。
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