JP2004123696A - 固形洗浄料 - Google Patents
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Abstract
【課題】水溶けが良く泡立ちが速く、クリーミィーでコクのある泡質で滑らかなのび広がりを有し、すすいだあとの肌は保湿感がある固形洗浄料。
【解決手段】次の成分(a)〜(b);
(a)平均分子量が5000以上30000以下であるポリエチレングリコールの一種又は二種以上 (b)アニオン性界面活性剤を含有し、常温(25℃)で固形状を呈することを特徴とする固形洗浄料。また、より好ましくは、成分(a)を10〜80%、成分(b)を10〜80%含有し、更には、成分(b)がN−アシルアミノ酸塩、成分(a)の平均分子量が10000以上20000以下である固形洗浄料に関するものである。
【選択図】 なし
【解決手段】次の成分(a)〜(b);
(a)平均分子量が5000以上30000以下であるポリエチレングリコールの一種又は二種以上 (b)アニオン性界面活性剤を含有し、常温(25℃)で固形状を呈することを特徴とする固形洗浄料。また、より好ましくは、成分(a)を10〜80%、成分(b)を10〜80%含有し、更には、成分(b)がN−アシルアミノ酸塩、成分(a)の平均分子量が10000以上20000以下である固形洗浄料に関するものである。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は平均分子量5000以上30000以下であるポリエチレングリコールによって、洗浄成分であるアニオン性界面活性剤を固化させた固形洗浄料に関するものであり、更に詳しくは、泡立ちが速く、クリーミィーでコクのある泡質で滑らかなのび広がりを有し、すすいだあとの肌はつっぱり感を感じることがなく、しっとりとした保湿感を有する固形洗浄料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の固形洗浄料は高級脂肪酸やN−アシルアミノ酸を中和し固化させたものが一般的である。これらの固形洗浄剤の品質は、原料となる高級脂肪酸やN−アシルアミノ酸の種類や配合量によるところも大きく、これらの固化型の固形洗浄料は、水溶けが遅く泡立つまでに時間を要したり、繰り返し使用しているうちに泡立たなくなったりする場合もあった。また、使用中の泡も軽く、コクのある滑らかな泡質は得られず、すすいだあとの肌がつっぱったり、乾燥する場合も多かった。これらの品質を改良するため、洗浄基剤に水溶性高分子類や多価アルコール類を添加する試みや、その他種々の添加剤を加え、泡立ちや泡質、あと肌感等の改善を図る検討がなされている。例えば、高級脂肪酸石鹸に特定のエーテルカルボン酸塩を加え、起泡性、洗浄性、使用性の向上を図った例(参考文献1参照)や、クエン酸を加えて泡質のクリーミィーさ、使用中の滑らかさを改善した例(参考文献2参照)、コラーゲンを加えてクリーミィーな泡質とあと肌のすべすべ感、しっとり感を改善した例(参考文献3参照)、油剤の一種であるドコサヘキサエン酸及び/又はその誘導体を加えてあと肌のつるつる感、しっとり感を改善した例(参考文献4参照)などがある。
【0003】
【参考文献1】
特開平08−113529号公報(請求項、産業上の利用分野)
【参考文献2】
特開平08−027490号公報(請求項、発明の効果)
【参考文献3】
特開平09−194893号公報(請求項、発明の効果)
【参考文献4】
特開平06−136394号公報(請求項、発明の効果)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらは泡立ち、泡質、あと肌の保湿感のすべてを同時に、十分に満足させるものではなかった。従って、アニオン性界面活性剤の泡立ちを容易にし、クリーミィーでコクのある泡質で滑らかなのび広がりを有し、且つ、すすいだあとの肌にしっとりとした保湿感を有する固形洗浄料の開発が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明者は、上記問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、アニオン性界面活性剤を、平均分子量5000以上30000以下であるポリエチレングリコールに均一に分散または溶解し固化させたものは、水溶けが良好なものとなり泡立ちを改善できること、クリーミィーでコクのある泡質で滑らかなのび広がりを持つこと、また、すすいだあとの肌は、つっぱり感を感じることがなく、しっとりとした保湿感が感じられることを見出し、本発明の固形洗浄料を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、次の成分(a)〜(b);
(a)平均分子量が5000以上30000以下であるポリエチレングリコールの一種又は二種以上、(b)アニオン性界面活性剤を含有し、常温(25℃)で固形状を呈することを特徴とする固形洗浄料に関するものである。
また、好ましくは、全組成分中に成分(a)を10〜80質量%(以下、単に「%」で示す)、成分(b)を10〜80%含有する前記の固形洗浄料に関するものである。
更には、成分(b)が、N―アシルアミノ酸塩であり、成分(a)のポリエチレングリコールの平均分子量が、10000以上20000以下である前記の固形洗浄料に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
本発明に用いられる成分(a)のポリエチレングリコールは、平均分子量が5000以上30000以下のものであり、本発明の固形洗浄料において、水溶けを向上させて泡立ちを速くするとともに、クリーミィーでコクのある泡質を有し、滑らかなのび広がりを与え、更には、すすいだあとの肌に、しっとりとした保湿感を与える目的で用いられるものである。ポリエチレングリコールの平均分子量が5000未満の場合、充分にクリーミィーでコクのある泡質が得られない他、水溶けが良すぎて使用中に水に溶けきってしまったり、使用後に付着した水によってもろくなったりするなど安定性を損なう虞や、同じく水溶けが良すぎるため、使用後の肌に保湿感が欠けたりする虞がある。又逆に、平均分子量が30000を超える場合、クリーミィーでコクのある泡質は得られるものの、水溶けに欠け、やや泡立ちが劣ったり、しっとりとした保湿感に多少欠けるなどの虞がある。本発明において用いられるポリエチレングリコールの平均分子量は5000以上30000以下であるものであれば、異なる平均分子量のものを二種以上用いることもできる。更には、平均分子量が5000以上30000以下であるものの一種又は二種以上の所定量と、平均分子量がそれらの範囲外となるポリエチレングリコールも、本発明に影響のない範囲で含有することができる。
【0008】
これらの成分(a)の中でも、特に平均分子量が10000以上20000以下であるポリエチレングリコールを用いた場合には、非常にクリーミィーでコクのある泡質、極めて滑らかなのび広がりを有する等の使用性が著しく向上すると共に、すすいだあとの肌がしっとりとする潤い感、保湿感の高い固形洗浄料が得られる。
【0009】
本発明の固形洗浄料における成分(a)の含有量は、特に限定はされないが、全組成分中10〜80%が好ましく、20〜50%が更に好ましい。20〜50%用いた場合、水溶けが良いため泡立ちが極めて速く、非常にクリーミィーでコクのある泡質、滑らかなのび広がりを有し、すすいだあとの肌の保湿感に優れた固形洗浄料が得られる。
【0010】
本発明に用いられる成分(b)のアニオン性界面活性剤は、洗浄成分として用いられるものである。洗浄剤に一般的に使用されるアニオン性界面活性剤であれば特に限定されず、例えば、炭素数8〜20の脂肪酸の塩類、N−アシル(炭素数8〜20)アミノ酸の塩類、N−アシル(炭素数8〜20)メチルタウリンの塩類、アルキル(炭素数8〜20)エーテルカルボン酸の塩類、アルキル(炭素数8〜20)硫酸及びアルキル(炭素数8〜20)エーテル硫酸エステルの塩類等を挙げることができる。具体的には、ヤシ油脂肪酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸の塩類、N−ヤシ油脂肪酸アシル−DL−アラニン、N−ラウロイルメチル−β−アラニン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−グリシン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−サルコシン、N−ラウロイル−サルコシン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸、N−ラウロイル−L−グルタミン酸、N−ミリストイル−L−グルタミン酸、N−パルミトイル−L−グルタミン酸、N−ステアロイル−L−グルタミン酸、N−オレオイル−L−グルタミン酸等のN−アシルアミノ酸の塩類、N−ヤシ油脂肪酸アシル−メチルタウリン、N−ステアロイル−メチルタウリン等のN−アシルメチルタウリンの塩類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸等のエーテルカルボン酸の塩類、ラウリル硫酸、ミリスチル硫酸、パルミチル硫酸、ステアリル硫酸、オレイル硫酸等アルキル硫酸の塩類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレンパルミチルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸エステル等のアルキエーテル硫酸エステルの塩類等が挙げられる。これらの塩類としては、ナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩等が挙げられる。なお、これら成分(b)は一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。
【0011】
これらの成分(b)の中でも、肌への安全性や保湿性の高さから、前記のN−アシルアミノ酸の塩類が好ましいものとして挙げられる。
【0012】
本発明の固形洗浄料における成分(b)の含有量は、特に限定はされないが、全組成分中10〜80%が好ましく、30〜40%が更に好ましい。30〜40%用いた場合、良好な洗浄効果、豊富な泡量、クリーミィーでコクのある泡質、滑らかなのび広がり等の特性に非常に優れた固形洗浄料が得られる。
【0013】
本発明の固形洗浄料には、上記の必須成分に加え、目的に応じて本発明の効果を損なわない量的、質的範囲で、pH調整剤、成分(b)以外の界面活性剤、油性成分、水性成分、紫外線吸収剤、香料、殺菌剤、防腐剤、酸化防止剤、美容成分等化粧料において汎用である他の成分を配合することができる。なお、本発明の固形洗浄料は、25℃すなわち常温付近の環境温度において固形状を呈することで、前記特性の他、使用時における簡便性や、保管上の利便性、安定性を有するものとなる。
【0014】
本発明の固形洗浄料は固形洗顔料、固形ハンドソープ、固形ボディソープ、固形シャンプー等が挙げられる。
【0015】
本発明の固形洗浄料の製造は、成分(b)のアニオン性界面活性剤を、加熱熔融した成分(a)のポリエチレングリコールに加え均一に混合後、容器に流し込み充填し、室温まで冷却後固化させて製造するか、成分(a)のポリエチレングリコールと成分(b)のアニオン性界面活性剤を水に溶解混合した後、固化させて製造することができる。
【0016】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明を更に説明する。なお、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0017】
実施例1〜11および比較例1〜4 固形洗顔料
表1(本発明品)および表2(比較品)に示す組成および下記製造方法にて固形洗顔料を製造し、下記評価基準を基に、泡立ち、泡質、あと肌感について官能評価した。表1および表2に併せて結果を記す。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
(製造方法)
A.成分1〜5を均一に混合する。
B.成分6〜12を70℃まで加熱して溶かし均一に混合する。
C.BにAを加え均一に混合し、70℃にて容器に充填後、室温まで冷却し固化させる。
【0021】
(評価基準)
〈1〉泡立ち評価
◎:泡立ちが極めて早い。
○:泡立ちが早い。
△:やや泡立ちが遅い。
×:泡立ちが遅い。
【0022】
〈2〉泡質評価
◎:非常にクリーミィーでコクのある泡質で、滑らかなのび広がりがある。
○:クリーミィーでコクのある泡質で、滑らかなのび広がりがある。
△:クリーミィーでコクのある泡質にやや欠け、滑らかなのび広がりが劣る。
×:軽い泡質で滑らかなのび広がりがない。
【0023】
〈3〉あと肌感評価
◎:肌にかさつきがなく、しっとりとした高い保湿感を感じる。
○:肌にかさつきがなく、保湿感を感じる。
△:肌にかさつきをやや感じ、保湿感に欠ける。
×:肌がかさつき、保湿感が感じられない。
【0024】
表1および表2の結果から明らかなように、本発明の固形洗顔料は比較例1〜4のものと比較して、泡立ち、泡質、あと肌感に優れていることが実証された。
【0025】
実施例12:固形ハンドソープ
(成分) (質量%)
1.ポリエチレングリコール(平均分子量6000) 30.0
2.ポリエチレングリコール(平均分子量20000) 19.8
3.グリセリン 10.0
4.1,3−ブチレングリコール 7.0
5.防腐剤 0.1
6.ミリスチン酸ナトリウム 30.0
7.ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
8.香料 0.1
【0026】
(製造方法)
A:成分1〜2を70℃に加温して溶解する。
B:成分3〜8を混合し均一に分散する。
C:AにBを加えて均一に混合し、70℃にて容器に流し込み充填する。
実施例12は、使用した際、泡立ちが極めて速く、非常にクリーミィーでコクのある泡質で滑らかなのび広がりがあり、すすいだあとの肌は高い保湿感がある固形ハンドソープであった。
【0027】
実施例13:固形洗顔料
(成分) (質量%)
1.ポリエチレングリコール(平均分子量6000) 60.0
2.ポリエチレングリコール(平均分子量400) 9.9
3.ポリエチレングリコール(平均分子量200万) 0.1
4.N−ラウロイル−L−グルタミン酸カリウム 30.0
【0028】
(製造方法)
A:成分1〜3を70℃に加熱熔融する。
B:成分4をAに加え均一に分散し、70℃にて容器に流し込み室温にて冷却固化させる。
実施例13は、使用した際、泡立ちが速く、クリーミィーでコクのある泡質で滑らかなのび広がりがあり、すすいだあとの肌はしっとりとした保湿感がある固形洗顔料であった。
【0029】
実施例14:固形ボディソープ
(成分) (質量%)
1.ラウリル硫酸ナトリウム 25.0
2.ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 5.0
3.精製水 10.0
4.防腐剤 0.3
5.ポリエチレングリコール(平均分子量20000) 59.7
【0030】
(製造方法)
A:成分1〜5を70℃に加温して均一に混合する。
B:Aを70℃にて容器に流し込み、固化させる。
実施例14は、使用した際、泡立ちが極めて速く、非常にクリーミィーでコクのある滑らかな泡質で滑らかなのび広がりがあり、すすいだあとの肌は高い保湿感がある固形ボディソープであった。
【0031】
【発明の効果】
以上詳述した如く、本発明品は、泡立ちが速く、クリーミィーでコクのある泡質で滑らかなのび広がりを有し、すすいだあとの肌はしっとりとした保湿感がある等の優れた特性を有する固形洗浄料である。
【発明の属する技術分野】
本発明は平均分子量5000以上30000以下であるポリエチレングリコールによって、洗浄成分であるアニオン性界面活性剤を固化させた固形洗浄料に関するものであり、更に詳しくは、泡立ちが速く、クリーミィーでコクのある泡質で滑らかなのび広がりを有し、すすいだあとの肌はつっぱり感を感じることがなく、しっとりとした保湿感を有する固形洗浄料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の固形洗浄料は高級脂肪酸やN−アシルアミノ酸を中和し固化させたものが一般的である。これらの固形洗浄剤の品質は、原料となる高級脂肪酸やN−アシルアミノ酸の種類や配合量によるところも大きく、これらの固化型の固形洗浄料は、水溶けが遅く泡立つまでに時間を要したり、繰り返し使用しているうちに泡立たなくなったりする場合もあった。また、使用中の泡も軽く、コクのある滑らかな泡質は得られず、すすいだあとの肌がつっぱったり、乾燥する場合も多かった。これらの品質を改良するため、洗浄基剤に水溶性高分子類や多価アルコール類を添加する試みや、その他種々の添加剤を加え、泡立ちや泡質、あと肌感等の改善を図る検討がなされている。例えば、高級脂肪酸石鹸に特定のエーテルカルボン酸塩を加え、起泡性、洗浄性、使用性の向上を図った例(参考文献1参照)や、クエン酸を加えて泡質のクリーミィーさ、使用中の滑らかさを改善した例(参考文献2参照)、コラーゲンを加えてクリーミィーな泡質とあと肌のすべすべ感、しっとり感を改善した例(参考文献3参照)、油剤の一種であるドコサヘキサエン酸及び/又はその誘導体を加えてあと肌のつるつる感、しっとり感を改善した例(参考文献4参照)などがある。
【0003】
【参考文献1】
特開平08−113529号公報(請求項、産業上の利用分野)
【参考文献2】
特開平08−027490号公報(請求項、発明の効果)
【参考文献3】
特開平09−194893号公報(請求項、発明の効果)
【参考文献4】
特開平06−136394号公報(請求項、発明の効果)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらは泡立ち、泡質、あと肌の保湿感のすべてを同時に、十分に満足させるものではなかった。従って、アニオン性界面活性剤の泡立ちを容易にし、クリーミィーでコクのある泡質で滑らかなのび広がりを有し、且つ、すすいだあとの肌にしっとりとした保湿感を有する固形洗浄料の開発が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明者は、上記問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、アニオン性界面活性剤を、平均分子量5000以上30000以下であるポリエチレングリコールに均一に分散または溶解し固化させたものは、水溶けが良好なものとなり泡立ちを改善できること、クリーミィーでコクのある泡質で滑らかなのび広がりを持つこと、また、すすいだあとの肌は、つっぱり感を感じることがなく、しっとりとした保湿感が感じられることを見出し、本発明の固形洗浄料を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、次の成分(a)〜(b);
(a)平均分子量が5000以上30000以下であるポリエチレングリコールの一種又は二種以上、(b)アニオン性界面活性剤を含有し、常温(25℃)で固形状を呈することを特徴とする固形洗浄料に関するものである。
また、好ましくは、全組成分中に成分(a)を10〜80質量%(以下、単に「%」で示す)、成分(b)を10〜80%含有する前記の固形洗浄料に関するものである。
更には、成分(b)が、N―アシルアミノ酸塩であり、成分(a)のポリエチレングリコールの平均分子量が、10000以上20000以下である前記の固形洗浄料に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
本発明に用いられる成分(a)のポリエチレングリコールは、平均分子量が5000以上30000以下のものであり、本発明の固形洗浄料において、水溶けを向上させて泡立ちを速くするとともに、クリーミィーでコクのある泡質を有し、滑らかなのび広がりを与え、更には、すすいだあとの肌に、しっとりとした保湿感を与える目的で用いられるものである。ポリエチレングリコールの平均分子量が5000未満の場合、充分にクリーミィーでコクのある泡質が得られない他、水溶けが良すぎて使用中に水に溶けきってしまったり、使用後に付着した水によってもろくなったりするなど安定性を損なう虞や、同じく水溶けが良すぎるため、使用後の肌に保湿感が欠けたりする虞がある。又逆に、平均分子量が30000を超える場合、クリーミィーでコクのある泡質は得られるものの、水溶けに欠け、やや泡立ちが劣ったり、しっとりとした保湿感に多少欠けるなどの虞がある。本発明において用いられるポリエチレングリコールの平均分子量は5000以上30000以下であるものであれば、異なる平均分子量のものを二種以上用いることもできる。更には、平均分子量が5000以上30000以下であるものの一種又は二種以上の所定量と、平均分子量がそれらの範囲外となるポリエチレングリコールも、本発明に影響のない範囲で含有することができる。
【0008】
これらの成分(a)の中でも、特に平均分子量が10000以上20000以下であるポリエチレングリコールを用いた場合には、非常にクリーミィーでコクのある泡質、極めて滑らかなのび広がりを有する等の使用性が著しく向上すると共に、すすいだあとの肌がしっとりとする潤い感、保湿感の高い固形洗浄料が得られる。
【0009】
本発明の固形洗浄料における成分(a)の含有量は、特に限定はされないが、全組成分中10〜80%が好ましく、20〜50%が更に好ましい。20〜50%用いた場合、水溶けが良いため泡立ちが極めて速く、非常にクリーミィーでコクのある泡質、滑らかなのび広がりを有し、すすいだあとの肌の保湿感に優れた固形洗浄料が得られる。
【0010】
本発明に用いられる成分(b)のアニオン性界面活性剤は、洗浄成分として用いられるものである。洗浄剤に一般的に使用されるアニオン性界面活性剤であれば特に限定されず、例えば、炭素数8〜20の脂肪酸の塩類、N−アシル(炭素数8〜20)アミノ酸の塩類、N−アシル(炭素数8〜20)メチルタウリンの塩類、アルキル(炭素数8〜20)エーテルカルボン酸の塩類、アルキル(炭素数8〜20)硫酸及びアルキル(炭素数8〜20)エーテル硫酸エステルの塩類等を挙げることができる。具体的には、ヤシ油脂肪酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸の塩類、N−ヤシ油脂肪酸アシル−DL−アラニン、N−ラウロイルメチル−β−アラニン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−グリシン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−サルコシン、N−ラウロイル−サルコシン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸、N−ラウロイル−L−グルタミン酸、N−ミリストイル−L−グルタミン酸、N−パルミトイル−L−グルタミン酸、N−ステアロイル−L−グルタミン酸、N−オレオイル−L−グルタミン酸等のN−アシルアミノ酸の塩類、N−ヤシ油脂肪酸アシル−メチルタウリン、N−ステアロイル−メチルタウリン等のN−アシルメチルタウリンの塩類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸等のエーテルカルボン酸の塩類、ラウリル硫酸、ミリスチル硫酸、パルミチル硫酸、ステアリル硫酸、オレイル硫酸等アルキル硫酸の塩類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレンパルミチルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸エステル等のアルキエーテル硫酸エステルの塩類等が挙げられる。これらの塩類としては、ナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩等が挙げられる。なお、これら成分(b)は一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。
【0011】
これらの成分(b)の中でも、肌への安全性や保湿性の高さから、前記のN−アシルアミノ酸の塩類が好ましいものとして挙げられる。
【0012】
本発明の固形洗浄料における成分(b)の含有量は、特に限定はされないが、全組成分中10〜80%が好ましく、30〜40%が更に好ましい。30〜40%用いた場合、良好な洗浄効果、豊富な泡量、クリーミィーでコクのある泡質、滑らかなのび広がり等の特性に非常に優れた固形洗浄料が得られる。
【0013】
本発明の固形洗浄料には、上記の必須成分に加え、目的に応じて本発明の効果を損なわない量的、質的範囲で、pH調整剤、成分(b)以外の界面活性剤、油性成分、水性成分、紫外線吸収剤、香料、殺菌剤、防腐剤、酸化防止剤、美容成分等化粧料において汎用である他の成分を配合することができる。なお、本発明の固形洗浄料は、25℃すなわち常温付近の環境温度において固形状を呈することで、前記特性の他、使用時における簡便性や、保管上の利便性、安定性を有するものとなる。
【0014】
本発明の固形洗浄料は固形洗顔料、固形ハンドソープ、固形ボディソープ、固形シャンプー等が挙げられる。
【0015】
本発明の固形洗浄料の製造は、成分(b)のアニオン性界面活性剤を、加熱熔融した成分(a)のポリエチレングリコールに加え均一に混合後、容器に流し込み充填し、室温まで冷却後固化させて製造するか、成分(a)のポリエチレングリコールと成分(b)のアニオン性界面活性剤を水に溶解混合した後、固化させて製造することができる。
【0016】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明を更に説明する。なお、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0017】
実施例1〜11および比較例1〜4 固形洗顔料
表1(本発明品)および表2(比較品)に示す組成および下記製造方法にて固形洗顔料を製造し、下記評価基準を基に、泡立ち、泡質、あと肌感について官能評価した。表1および表2に併せて結果を記す。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
(製造方法)
A.成分1〜5を均一に混合する。
B.成分6〜12を70℃まで加熱して溶かし均一に混合する。
C.BにAを加え均一に混合し、70℃にて容器に充填後、室温まで冷却し固化させる。
【0021】
(評価基準)
〈1〉泡立ち評価
◎:泡立ちが極めて早い。
○:泡立ちが早い。
△:やや泡立ちが遅い。
×:泡立ちが遅い。
【0022】
〈2〉泡質評価
◎:非常にクリーミィーでコクのある泡質で、滑らかなのび広がりがある。
○:クリーミィーでコクのある泡質で、滑らかなのび広がりがある。
△:クリーミィーでコクのある泡質にやや欠け、滑らかなのび広がりが劣る。
×:軽い泡質で滑らかなのび広がりがない。
【0023】
〈3〉あと肌感評価
◎:肌にかさつきがなく、しっとりとした高い保湿感を感じる。
○:肌にかさつきがなく、保湿感を感じる。
△:肌にかさつきをやや感じ、保湿感に欠ける。
×:肌がかさつき、保湿感が感じられない。
【0024】
表1および表2の結果から明らかなように、本発明の固形洗顔料は比較例1〜4のものと比較して、泡立ち、泡質、あと肌感に優れていることが実証された。
【0025】
実施例12:固形ハンドソープ
(成分) (質量%)
1.ポリエチレングリコール(平均分子量6000) 30.0
2.ポリエチレングリコール(平均分子量20000) 19.8
3.グリセリン 10.0
4.1,3−ブチレングリコール 7.0
5.防腐剤 0.1
6.ミリスチン酸ナトリウム 30.0
7.ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
8.香料 0.1
【0026】
(製造方法)
A:成分1〜2を70℃に加温して溶解する。
B:成分3〜8を混合し均一に分散する。
C:AにBを加えて均一に混合し、70℃にて容器に流し込み充填する。
実施例12は、使用した際、泡立ちが極めて速く、非常にクリーミィーでコクのある泡質で滑らかなのび広がりがあり、すすいだあとの肌は高い保湿感がある固形ハンドソープであった。
【0027】
実施例13:固形洗顔料
(成分) (質量%)
1.ポリエチレングリコール(平均分子量6000) 60.0
2.ポリエチレングリコール(平均分子量400) 9.9
3.ポリエチレングリコール(平均分子量200万) 0.1
4.N−ラウロイル−L−グルタミン酸カリウム 30.0
【0028】
(製造方法)
A:成分1〜3を70℃に加熱熔融する。
B:成分4をAに加え均一に分散し、70℃にて容器に流し込み室温にて冷却固化させる。
実施例13は、使用した際、泡立ちが速く、クリーミィーでコクのある泡質で滑らかなのび広がりがあり、すすいだあとの肌はしっとりとした保湿感がある固形洗顔料であった。
【0029】
実施例14:固形ボディソープ
(成分) (質量%)
1.ラウリル硫酸ナトリウム 25.0
2.ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 5.0
3.精製水 10.0
4.防腐剤 0.3
5.ポリエチレングリコール(平均分子量20000) 59.7
【0030】
(製造方法)
A:成分1〜5を70℃に加温して均一に混合する。
B:Aを70℃にて容器に流し込み、固化させる。
実施例14は、使用した際、泡立ちが極めて速く、非常にクリーミィーでコクのある滑らかな泡質で滑らかなのび広がりがあり、すすいだあとの肌は高い保湿感がある固形ボディソープであった。
【0031】
【発明の効果】
以上詳述した如く、本発明品は、泡立ちが速く、クリーミィーでコクのある泡質で滑らかなのび広がりを有し、すすいだあとの肌はしっとりとした保湿感がある等の優れた特性を有する固形洗浄料である。
Claims (4)
- 次の成分(a)〜(b);
(a)平均分子量が5000以上30000以下であるポリエチレングリコールの一種又は二種以上
(b)アニオン性界面活性剤
を含有し、常温(25℃)で固形状を呈することを特徴とする固形洗浄料。 - 全組成分中、成分(a)及び成分(b)の含有量が、
成分(a) 10〜80質量%
成分(b) 10〜80質量%
であることを特徴とする請求項1記載の固形洗浄料。 - 成分(b)が、N―アシルアミノ酸塩であることを特徴とする請求項1又は2に記載の固形洗浄料。
- 成分(a)のポリエチレングリコールの平均分子量が、10000以上20000以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の固形洗浄料。
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2003
- 2003-04-11 JP JP2003107171A patent/JP2004123696A/ja active Pending
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