JP2004123156A - 収納袋 - Google Patents
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Abstract
【課題】収納袋としての柔軟性、折り畳み性を維持し、かつ、製作コストの高騰化を抑制しながら、袋体の密封操作を小さな操作力で迅速、容易に行うことができるようにする。
【解決手段】重ね合わされた合成樹脂製のフィルムFを袋状に熱融着して、フィルムFの対向面間に開口2及びそれに連通する収納空間3を備えた袋体Pを構成するとともに、両フィルムFの開口2側の相対向面には、フィルムFと熱融着可能な合成樹脂製の基材4Aの片面に粘着剤層4Bを形成してある粘着テープ4を、粘着剤層4B同士の密着又は剥離により開口2を密封又は開放する状態で熱融着してある。
【選択図】 図3
【解決手段】重ね合わされた合成樹脂製のフィルムFを袋状に熱融着して、フィルムFの対向面間に開口2及びそれに連通する収納空間3を備えた袋体Pを構成するとともに、両フィルムFの開口2側の相対向面には、フィルムFと熱融着可能な合成樹脂製の基材4Aの片面に粘着剤層4Bを形成してある粘着テープ4を、粘着剤層4B同士の密着又は剥離により開口2を密封又は開放する状態で熱融着してある。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、布団や衣服等を脱気によって扁平状態に圧縮した状態で収納する、或いは、野菜や果物等の食材を収納する場合等に用いられる収納袋で、詳しくは、重ね合わされた合成樹脂製のフィルムを袋状に熱融着して、フィルムの対向面間に開口及びそれに連通する収納空間を備えた袋体を構成してある収納袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の収納袋では、袋体の開口を開閉操作自在に密封するに、両フィルムの開口側の相対向面に、フィルムと熱融着可能な合成樹脂製の基材の一側面に凸状係止部を一体形成してある雄ファスナー体と、フィルムと熱融着可能な合成樹脂製の基材の一側面に凸状係止部と脱着自在に弾性嵌合する凹状係止部を一体形成してある雌ファスナーとを熱融着して、雄ファスナー体の凸状係止部と雌ファスナーの凹状係止部との嵌合及び嵌合解除により開口を密封又は開放するように構成していた(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
実公昭47−3452号公報
【特許文献2】
実開平5−54366号公報
【特許文献3】
特開平11−292037号公報
【特許文献4】
特開2000−6997号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の収納袋では、袋体の開口を密封操作する場合、雄ファスナー体の凸状係止部と雌ファスナーの凹状係止部との端部同士を、それらが嵌合する圧力状態に指で挾持し、その挾持状態のまま端から摺動操作して、両係止部を順番に弾性嵌合させる必要があるが、両係止部を弾性嵌合させるためには比較的大きな操作力が必要で、しかも、指で両ファスナー体を挾持した状態で摺動操作する際、その摺動導操作に連れて挾持力にバラツキを生じ易く、その結果、両ファスナー体の途中部分において両係止部が嵌合されていない密封不良が発生し易い。
【0005】
そのため、特許文献3や特許文献4に示すように、略Uの字状に形成された操作体に、嵌合された両ファスナー体の厚みと略同じ若しくは僅かに小さな対向間隔で両ファスナー体を挾持する挾持部が形成されている嵌合操作具を用いて、袋体の開口を密封操作する方法が提案されているが、これによる場合は、専用の嵌合操作具が必要で、製造コストの高騰化を招来し易い。
【0006】
更に、両ファスナー体の基材自体は薄くて柔軟性に優れていても、それらの一側面から突出する凸状係止部及び凹状係止部が厚みのある突条になっているため、その係止部の形成箇所で屈曲性が極端に低下し、収納袋としての折り畳み性が損なわれる問題がある。
【0007】
本発明は、上述の実状に鑑みて為されたものであって、その主たる課題は、収納袋としての柔軟性、 折り畳み製を維持し、かつ、製作コストの高騰化を抑制しながら、袋体の密封操作を小さな操作力で迅速、容易に行うことのできる収納袋を提供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1による特徴構成は、重ね合わされた合成樹脂製のフィルムを、それら両者の対向面間に開口及びそれに連通する収納空間を形成する状態で袋状に熱融着してある収納袋であって、
前記両フィルムの開口側の相対向面に、フィルムと熱融着可能な合成樹脂製の基材の片面に粘着剤層を形成してある粘着テープを、粘着剤層同士の密着又は剥離により開口を密封又は開放する状態で熱融着した点にある。
【0009】
上記特徴構成によれば、袋体の開口を密封操作する場合、両フィルムの開口側の相対向面に熱融着された両粘着テープを押え付けた状態で開口幅方向に沿って軽く摺動操作することにより、両粘着テープの粘着剤層同士が密着する。
【0010】
従って、従来の両ファスナー体による嵌合密封手段に比して、収納袋としての柔軟性、 折り畳み性を維持し、かつ、製作コストの高騰化を抑制しながら、袋体の密封操作を小さな操作力で迅速、容易に行うことができる。
【0011】
本発明の請求項2による収納袋の特徴構成は、袋体の開口を密封した状態での袋体の脱気操作に連れて収納空間の空気を外部に排出可能な空気排出手段が設けられている点にある。
【0012】
上記特徴構成によれば、布団や衣服等を脱気によって扁平状態に圧縮した状態で収納することができるばかりでなく、袋体の開口が両粘着テープで密閉されているので、開口から投入される布団や衣服等が引っ掛かり難く、取り扱いの容易化を図ることができる。
【0013】
本発明の請求項3による収納袋の特徴構成は、前記フィルムの開口周縁から粘着テープの開口側端辺までの間に、指で開き操作するための掴み代が設けられている点にある。
【0014】
上記特徴構成によれば、両粘着テープで密閉による密封性を高めながらも、フィルムの開口周縁側に設けた掴み代を使用して密封状態にある袋体を迅速、容易に開き操作することができる。
【0015】
本発明の請求項4による収納袋の特徴構成は、前記粘着テープの開口幅方向での全長が、袋体の開口形成箇所での袋外寸法よりも小で、かつ、開口形成箇所での袋内寸法よりも大に構成されているとともに、粘着テープの開口幅方向両端が袋周縁に沿う両フィルムの熱融着部分の幅内に位置するように構成されている点にある。
【0016】
上記特徴構成によれば、前記両フィルムの開口側の相対向面に粘着テープが熱融着された状態では、粘着テープの開口幅方向両端と袋体の外周縁との間に両フィルムの熱融着部分が存在するから、例えば、粘着テープの開口幅方向での全長が袋体の開口での袋外寸法と同一に構成されている場合のように、開口を密封した状態で袋体を脱気操作したとき、熱融着しない又は熱融着し難い両粘着テープの粘着層間のうち、開口幅方向両端側に位置する粘着層間を通して収納空間内の空気が外部に漏洩することを抑制することができる。
【0017】
本発明の請求項5による収納袋の特徴構成は、前記両フィルムの収納空間に臨む対向面間で、かつ、粘着テープとの境界近傍箇所の開口幅方向両側部分が熱融着されている点にある。
【0018】
上記特徴構成によれば、両フィルムの収納空間に臨む対向面間で、かつ、粘着テープとの境界近傍箇所の開口幅方向両側部分における熱融着部分の開口幅方向での長さが長くなるから、開口を密封した状態で袋体を脱気操作したとき、熱融着しない又は熱融着し難い両粘着テープの粘着層間のうち、開口幅方向両端側に位置する粘着層間を通して収納空間内の空気が外部に漏洩することを抑制することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
図1〜図4は、布団や衣服等の収納物1を脱気によって扁平状態に圧縮した状態で収納する収納袋を示し、矩形状に形成された透明で柔軟性のある合成樹脂製の二枚のフィルムFを重ね合わせて、それの三側辺をヒートシール装置で袋状に熱融着することにより、重合姿勢にあるラミネートフィルムFの対向面間に開口2及びそれに連通する収納空間3を備えた袋体Pを構成するとともに、重合姿勢にある両ラミネートフィルムFの開口2側の相対向面には、袋体Pを構成する両ラミネートフィルムFと熱融着可能な合成樹脂製のテープ状基材4Aの片面に低粘着性の粘着剤層4Bを形成してある粘着テープ4を、粘着剤層4B,4B同士の密着又は剥離により開口2を密封又は開放する状態で熱融着(図2、 図4の斜線で示した熱融着部分Fa,Fb,Fc)するとともに、袋体Pの開口2を密封した状態での脱気操作に連れて袋体Pの収納空間3内の空気を外部に排出可能な空気排出手段Aが設けられている。
【0020】
前記ラミネートフィルムFは、透明性、密着性、 柔軟性、気密性に優れたポリオレフィン樹脂製の第1フィルム基材5と、透明性、腰の強さ等に優れたナイロン樹脂製の第2フィルム基材6とを、第1フィルム基材5が袋内側に位置する状態で、かつ、空気排出手段Aの排気通路7に対応する部分を除いて接着剤で接着して構成されている。
【0021】
前記空気排出手段Aは、両ラミネートフィルムFの底部近くの中間部分Fdを、一側縁の熱融着部分Faに連続する状態で底縁の熱融着部分Fcと平行姿勢で熱融着して、両ラミネートフィルムFの対向面間の底部側に、収納空間3と袋外とに亘って連通し、かつ、外部から掃除機等の吸気装置に接続された吸気ノズル8を挿入可能な排気通路7が形成されている。
【0022】
前記両第1フィルム基材5は密着性、 柔軟性、気密性に優れているため、脱気操作に連れて収納空間3内が負圧になったとき、両第1フィルム基材5の排気通路7を形成するフィルム部分5a同士が密着して、排気通路7を閉止する弁膜として機能する。
【0023】
しかも、両第1フィルム基材5の排気通路7を形成する弁膜構成用のフィルム部分5aと、これに厚み方向で相対向する両第2フィルム基材6のフィルム部分6aとは非接着状態にあって、それらの接触面方向に相対移動が可能であるため、脱気操作後において、外側に位置する両第2フィルム基材6に外力が作用しても、内側に位置する両第1フィルム基材5の排気通路7を形成する弁膜構成用のフィルム部分5a同士の密着性が損なわれることを抑制することができる。
【0024】
前記両ラミネートフィルムFの開口2周縁から粘着テープ4の開口側端辺4aまでの間に、指で開き操作するための掴み代が設けられている、換言すれば、開口2周縁から粘着テープ4の開口側端辺4aまでの間に位置するフィルム部分が、袋体Bの開口2を開き操作するための摘み部Feに構成されているとともに、前記粘着テープ4の開口2幅方向での全長Lが、袋体Bの開口2での袋外寸法L1よりも小で、かつ、開口2での袋内寸法L2よりも大に構成されていて、粘着テープ4の開口2幅方向両端4bが左右の側縁に沿う両ラミネートフィルムFの熱融着部分Fa,Fbの幅W内の中間(当該実施形態では幅方向の中央位置)に位置する状態で、粘着テープ4のテープ状基材4Aの全周がラミネートフィルムFに熱融着(図2、 図4の斜線で示した熱融着部分Fgで示す)されている。
【0025】
前記ラミネートフィルムFの低粘着性の粘着剤層4Bは、軽い指圧で互いに接着させることができ、かつ、容易に剥がすことのできるもので、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ビニルエーテル系粘着剤、シリコン系粘着剤等がある。
また、ゴム系粘着剤には、シスー4、4− ポリイソプレンを主成分とする天然ゴム、スチレン・ブタジェン、ポリイソブチレン、ブチルゴム等を主成分とする合成ゴムなどから選択される粘着性エラストマーに、無定形オリゴマーの熱可塑性樹脂であるロジン系樹脂、テルペン系樹脂等の粘着付与剤、軟化剤等を配合したものがある。
【0026】
〔第2実施形態〕
上述の第1実施形態では、前記粘着テープ4の開口2幅方向での全長Lを、袋体Bの開口2形成箇所での袋外寸法L1よりも小で、かつ、開口2形成箇所での袋内寸法L2よりも大に構成して、粘着テープ4の開口2幅方向両端4bが左右の側縁に沿う両ラミネートフィルムFの熱融着部分Fa,Fbの幅W内の中間に位置するように構成したが、図5に示すように、粘着テープ4の開口2幅方向での全長Lを、袋体Bの開口2形成箇所での袋外寸法L1と同一に構成して、粘着テープ4の開口2幅方向両端4bが袋体Pの左右外側縁と面一状態で位置するように構成してもよい。
【0027】
この実施形態の場合、両ラミネートフィルムFの収納空間3に臨む対向面間で、かつ、粘着テープ4との境界近傍の開口幅方向両側における略三角形状の延長部分Ffを、左右の側縁熱融着部分Fa,Fbに連続する状態で熱融着することにより、左右の側縁熱融着部分Fa,Fbと延長熱融着部分Ffとによる開口幅方向での熱融着長さL3が長くなるから、開口2を密封した状態で袋体Pを脱気操作したとき、熱融着しない又は熱融着し難い両粘着テープ4の粘着剤層4B間のうち、開口幅方向両端側に位置する粘着剤層4B間を通して収納空間3内の空気が外部に漏洩することを抑制することができる。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
【0028】
〔その他の実施形態〕
(1)上述の各実施形態では、袋体Pを構成するフィルムFとして、二層のフィルム基材5,6をラミネートしてなるラミネートフィルムから構成したが、三層以上のフィルム基材をラミネートしてなるラミネートフィルムから構成してもよく、また、 単層の合成樹脂製フィルムから構成してもよい。
(2)上述の各実施形態では、袋体Pの製作途中で、両フィルムFの対向面間に両粘着テープ4を挟み込み状態で熱融着したが、製作済みの袋体Pの両フィルムFの対向面間に両粘着テープ4を挿入して熱融着してもよい。
(3)袋体Pの開口2を密封した状態での脱気操作に連れて袋体Pの収納空間3内の空気を外部に排出可能な空気排出手段Aを、袋体Pを構成する両フィルムFの一部を利用して構成したが、脱気専用の逆止弁を袋体Pに設けて実施してもよい。
【0029】
要するに、前記空気排出手段Aとしては、袋体Pの開口2を密封した状態での吸引ノズル8による吸気作用又は袋体Pの加圧圧縮による排気作用等の脱気操作に連れて袋体Pの収納空間3内の空気を外部に排出することができるものであれば、如何なる構造のものを用いてもよい。
【0030】
更に、空気排出手段Aとしては、脱気状態を自己維持することのできるものが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す分解斜視図
【図2】全体の正面図
【図3】要部の拡大断面図
【図4】要部の拡大正面図
【図5】本発明の第2実施形態を示す全体の正面図
【符号の説明】
A 空気排出手段
F フィルム
L 全長
L1 袋外寸法
L2 袋内寸法
2 開口
3 収納空間
4 粘着テープ
4A テープ状基材
4B 粘着剤層
4a 開口側端辺
4b 開口幅方向両端
【発明の属する技術分野】
本発明は、布団や衣服等を脱気によって扁平状態に圧縮した状態で収納する、或いは、野菜や果物等の食材を収納する場合等に用いられる収納袋で、詳しくは、重ね合わされた合成樹脂製のフィルムを袋状に熱融着して、フィルムの対向面間に開口及びそれに連通する収納空間を備えた袋体を構成してある収納袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の収納袋では、袋体の開口を開閉操作自在に密封するに、両フィルムの開口側の相対向面に、フィルムと熱融着可能な合成樹脂製の基材の一側面に凸状係止部を一体形成してある雄ファスナー体と、フィルムと熱融着可能な合成樹脂製の基材の一側面に凸状係止部と脱着自在に弾性嵌合する凹状係止部を一体形成してある雌ファスナーとを熱融着して、雄ファスナー体の凸状係止部と雌ファスナーの凹状係止部との嵌合及び嵌合解除により開口を密封又は開放するように構成していた(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
実公昭47−3452号公報
【特許文献2】
実開平5−54366号公報
【特許文献3】
特開平11−292037号公報
【特許文献4】
特開2000−6997号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の収納袋では、袋体の開口を密封操作する場合、雄ファスナー体の凸状係止部と雌ファスナーの凹状係止部との端部同士を、それらが嵌合する圧力状態に指で挾持し、その挾持状態のまま端から摺動操作して、両係止部を順番に弾性嵌合させる必要があるが、両係止部を弾性嵌合させるためには比較的大きな操作力が必要で、しかも、指で両ファスナー体を挾持した状態で摺動操作する際、その摺動導操作に連れて挾持力にバラツキを生じ易く、その結果、両ファスナー体の途中部分において両係止部が嵌合されていない密封不良が発生し易い。
【0005】
そのため、特許文献3や特許文献4に示すように、略Uの字状に形成された操作体に、嵌合された両ファスナー体の厚みと略同じ若しくは僅かに小さな対向間隔で両ファスナー体を挾持する挾持部が形成されている嵌合操作具を用いて、袋体の開口を密封操作する方法が提案されているが、これによる場合は、専用の嵌合操作具が必要で、製造コストの高騰化を招来し易い。
【0006】
更に、両ファスナー体の基材自体は薄くて柔軟性に優れていても、それらの一側面から突出する凸状係止部及び凹状係止部が厚みのある突条になっているため、その係止部の形成箇所で屈曲性が極端に低下し、収納袋としての折り畳み性が損なわれる問題がある。
【0007】
本発明は、上述の実状に鑑みて為されたものであって、その主たる課題は、収納袋としての柔軟性、 折り畳み製を維持し、かつ、製作コストの高騰化を抑制しながら、袋体の密封操作を小さな操作力で迅速、容易に行うことのできる収納袋を提供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1による特徴構成は、重ね合わされた合成樹脂製のフィルムを、それら両者の対向面間に開口及びそれに連通する収納空間を形成する状態で袋状に熱融着してある収納袋であって、
前記両フィルムの開口側の相対向面に、フィルムと熱融着可能な合成樹脂製の基材の片面に粘着剤層を形成してある粘着テープを、粘着剤層同士の密着又は剥離により開口を密封又は開放する状態で熱融着した点にある。
【0009】
上記特徴構成によれば、袋体の開口を密封操作する場合、両フィルムの開口側の相対向面に熱融着された両粘着テープを押え付けた状態で開口幅方向に沿って軽く摺動操作することにより、両粘着テープの粘着剤層同士が密着する。
【0010】
従って、従来の両ファスナー体による嵌合密封手段に比して、収納袋としての柔軟性、 折り畳み性を維持し、かつ、製作コストの高騰化を抑制しながら、袋体の密封操作を小さな操作力で迅速、容易に行うことができる。
【0011】
本発明の請求項2による収納袋の特徴構成は、袋体の開口を密封した状態での袋体の脱気操作に連れて収納空間の空気を外部に排出可能な空気排出手段が設けられている点にある。
【0012】
上記特徴構成によれば、布団や衣服等を脱気によって扁平状態に圧縮した状態で収納することができるばかりでなく、袋体の開口が両粘着テープで密閉されているので、開口から投入される布団や衣服等が引っ掛かり難く、取り扱いの容易化を図ることができる。
【0013】
本発明の請求項3による収納袋の特徴構成は、前記フィルムの開口周縁から粘着テープの開口側端辺までの間に、指で開き操作するための掴み代が設けられている点にある。
【0014】
上記特徴構成によれば、両粘着テープで密閉による密封性を高めながらも、フィルムの開口周縁側に設けた掴み代を使用して密封状態にある袋体を迅速、容易に開き操作することができる。
【0015】
本発明の請求項4による収納袋の特徴構成は、前記粘着テープの開口幅方向での全長が、袋体の開口形成箇所での袋外寸法よりも小で、かつ、開口形成箇所での袋内寸法よりも大に構成されているとともに、粘着テープの開口幅方向両端が袋周縁に沿う両フィルムの熱融着部分の幅内に位置するように構成されている点にある。
【0016】
上記特徴構成によれば、前記両フィルムの開口側の相対向面に粘着テープが熱融着された状態では、粘着テープの開口幅方向両端と袋体の外周縁との間に両フィルムの熱融着部分が存在するから、例えば、粘着テープの開口幅方向での全長が袋体の開口での袋外寸法と同一に構成されている場合のように、開口を密封した状態で袋体を脱気操作したとき、熱融着しない又は熱融着し難い両粘着テープの粘着層間のうち、開口幅方向両端側に位置する粘着層間を通して収納空間内の空気が外部に漏洩することを抑制することができる。
【0017】
本発明の請求項5による収納袋の特徴構成は、前記両フィルムの収納空間に臨む対向面間で、かつ、粘着テープとの境界近傍箇所の開口幅方向両側部分が熱融着されている点にある。
【0018】
上記特徴構成によれば、両フィルムの収納空間に臨む対向面間で、かつ、粘着テープとの境界近傍箇所の開口幅方向両側部分における熱融着部分の開口幅方向での長さが長くなるから、開口を密封した状態で袋体を脱気操作したとき、熱融着しない又は熱融着し難い両粘着テープの粘着層間のうち、開口幅方向両端側に位置する粘着層間を通して収納空間内の空気が外部に漏洩することを抑制することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
図1〜図4は、布団や衣服等の収納物1を脱気によって扁平状態に圧縮した状態で収納する収納袋を示し、矩形状に形成された透明で柔軟性のある合成樹脂製の二枚のフィルムFを重ね合わせて、それの三側辺をヒートシール装置で袋状に熱融着することにより、重合姿勢にあるラミネートフィルムFの対向面間に開口2及びそれに連通する収納空間3を備えた袋体Pを構成するとともに、重合姿勢にある両ラミネートフィルムFの開口2側の相対向面には、袋体Pを構成する両ラミネートフィルムFと熱融着可能な合成樹脂製のテープ状基材4Aの片面に低粘着性の粘着剤層4Bを形成してある粘着テープ4を、粘着剤層4B,4B同士の密着又は剥離により開口2を密封又は開放する状態で熱融着(図2、 図4の斜線で示した熱融着部分Fa,Fb,Fc)するとともに、袋体Pの開口2を密封した状態での脱気操作に連れて袋体Pの収納空間3内の空気を外部に排出可能な空気排出手段Aが設けられている。
【0020】
前記ラミネートフィルムFは、透明性、密着性、 柔軟性、気密性に優れたポリオレフィン樹脂製の第1フィルム基材5と、透明性、腰の強さ等に優れたナイロン樹脂製の第2フィルム基材6とを、第1フィルム基材5が袋内側に位置する状態で、かつ、空気排出手段Aの排気通路7に対応する部分を除いて接着剤で接着して構成されている。
【0021】
前記空気排出手段Aは、両ラミネートフィルムFの底部近くの中間部分Fdを、一側縁の熱融着部分Faに連続する状態で底縁の熱融着部分Fcと平行姿勢で熱融着して、両ラミネートフィルムFの対向面間の底部側に、収納空間3と袋外とに亘って連通し、かつ、外部から掃除機等の吸気装置に接続された吸気ノズル8を挿入可能な排気通路7が形成されている。
【0022】
前記両第1フィルム基材5は密着性、 柔軟性、気密性に優れているため、脱気操作に連れて収納空間3内が負圧になったとき、両第1フィルム基材5の排気通路7を形成するフィルム部分5a同士が密着して、排気通路7を閉止する弁膜として機能する。
【0023】
しかも、両第1フィルム基材5の排気通路7を形成する弁膜構成用のフィルム部分5aと、これに厚み方向で相対向する両第2フィルム基材6のフィルム部分6aとは非接着状態にあって、それらの接触面方向に相対移動が可能であるため、脱気操作後において、外側に位置する両第2フィルム基材6に外力が作用しても、内側に位置する両第1フィルム基材5の排気通路7を形成する弁膜構成用のフィルム部分5a同士の密着性が損なわれることを抑制することができる。
【0024】
前記両ラミネートフィルムFの開口2周縁から粘着テープ4の開口側端辺4aまでの間に、指で開き操作するための掴み代が設けられている、換言すれば、開口2周縁から粘着テープ4の開口側端辺4aまでの間に位置するフィルム部分が、袋体Bの開口2を開き操作するための摘み部Feに構成されているとともに、前記粘着テープ4の開口2幅方向での全長Lが、袋体Bの開口2での袋外寸法L1よりも小で、かつ、開口2での袋内寸法L2よりも大に構成されていて、粘着テープ4の開口2幅方向両端4bが左右の側縁に沿う両ラミネートフィルムFの熱融着部分Fa,Fbの幅W内の中間(当該実施形態では幅方向の中央位置)に位置する状態で、粘着テープ4のテープ状基材4Aの全周がラミネートフィルムFに熱融着(図2、 図4の斜線で示した熱融着部分Fgで示す)されている。
【0025】
前記ラミネートフィルムFの低粘着性の粘着剤層4Bは、軽い指圧で互いに接着させることができ、かつ、容易に剥がすことのできるもので、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ビニルエーテル系粘着剤、シリコン系粘着剤等がある。
また、ゴム系粘着剤には、シスー4、4− ポリイソプレンを主成分とする天然ゴム、スチレン・ブタジェン、ポリイソブチレン、ブチルゴム等を主成分とする合成ゴムなどから選択される粘着性エラストマーに、無定形オリゴマーの熱可塑性樹脂であるロジン系樹脂、テルペン系樹脂等の粘着付与剤、軟化剤等を配合したものがある。
【0026】
〔第2実施形態〕
上述の第1実施形態では、前記粘着テープ4の開口2幅方向での全長Lを、袋体Bの開口2形成箇所での袋外寸法L1よりも小で、かつ、開口2形成箇所での袋内寸法L2よりも大に構成して、粘着テープ4の開口2幅方向両端4bが左右の側縁に沿う両ラミネートフィルムFの熱融着部分Fa,Fbの幅W内の中間に位置するように構成したが、図5に示すように、粘着テープ4の開口2幅方向での全長Lを、袋体Bの開口2形成箇所での袋外寸法L1と同一に構成して、粘着テープ4の開口2幅方向両端4bが袋体Pの左右外側縁と面一状態で位置するように構成してもよい。
【0027】
この実施形態の場合、両ラミネートフィルムFの収納空間3に臨む対向面間で、かつ、粘着テープ4との境界近傍の開口幅方向両側における略三角形状の延長部分Ffを、左右の側縁熱融着部分Fa,Fbに連続する状態で熱融着することにより、左右の側縁熱融着部分Fa,Fbと延長熱融着部分Ffとによる開口幅方向での熱融着長さL3が長くなるから、開口2を密封した状態で袋体Pを脱気操作したとき、熱融着しない又は熱融着し難い両粘着テープ4の粘着剤層4B間のうち、開口幅方向両端側に位置する粘着剤層4B間を通して収納空間3内の空気が外部に漏洩することを抑制することができる。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
【0028】
〔その他の実施形態〕
(1)上述の各実施形態では、袋体Pを構成するフィルムFとして、二層のフィルム基材5,6をラミネートしてなるラミネートフィルムから構成したが、三層以上のフィルム基材をラミネートしてなるラミネートフィルムから構成してもよく、また、 単層の合成樹脂製フィルムから構成してもよい。
(2)上述の各実施形態では、袋体Pの製作途中で、両フィルムFの対向面間に両粘着テープ4を挟み込み状態で熱融着したが、製作済みの袋体Pの両フィルムFの対向面間に両粘着テープ4を挿入して熱融着してもよい。
(3)袋体Pの開口2を密封した状態での脱気操作に連れて袋体Pの収納空間3内の空気を外部に排出可能な空気排出手段Aを、袋体Pを構成する両フィルムFの一部を利用して構成したが、脱気専用の逆止弁を袋体Pに設けて実施してもよい。
【0029】
要するに、前記空気排出手段Aとしては、袋体Pの開口2を密封した状態での吸引ノズル8による吸気作用又は袋体Pの加圧圧縮による排気作用等の脱気操作に連れて袋体Pの収納空間3内の空気を外部に排出することができるものであれば、如何なる構造のものを用いてもよい。
【0030】
更に、空気排出手段Aとしては、脱気状態を自己維持することのできるものが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す分解斜視図
【図2】全体の正面図
【図3】要部の拡大断面図
【図4】要部の拡大正面図
【図5】本発明の第2実施形態を示す全体の正面図
【符号の説明】
A 空気排出手段
F フィルム
L 全長
L1 袋外寸法
L2 袋内寸法
2 開口
3 収納空間
4 粘着テープ
4A テープ状基材
4B 粘着剤層
4a 開口側端辺
4b 開口幅方向両端
Claims (5)
- 重ね合わされた合成樹脂製のフィルムを袋状に熱融着して、フィルムの対向面間に開口及びそれに連通する収納空間を備えた袋体を構成してある収納袋であって、
前記両フィルムの開口側の相対向面に、フィルムと熱融着可能な合成樹脂製の基材の片面に粘着剤層を形成してある粘着テープを、粘着剤層同士の密着又は剥離により開口を密封又は開放する状態で熱融着してある収納袋。 - 袋体の開口を密封した状態での袋体の脱気操作に連れて収納空間の空気を外部に排出可能な空気排出手段が設けられている請求項1記載の収納袋
- 前記フィルムの開口周縁から粘着テープの開口側端辺までの間に、指で開き操作するための掴み代が設けられている請求項1又は請求項2記載の収納袋。
- 前記粘着テープの開口幅方向での全長が、袋体の開口形成箇所での袋外寸法よりも小で、かつ、開口形成箇所での袋内寸法よりも大に構成されているとともに、粘着テープの開口幅方向両端が、袋周縁に沿う両フィルムの熱融着部分の幅内に位置するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の収納袋。
- 前記両フィルムの収納空間に臨む対向面間で、かつ、粘着テープとの境界近傍箇所の開口幅方向両側部分が熱融着されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の収納袋。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002288727A JP2004123156A (ja) | 2002-10-01 | 2002-10-01 | 収納袋 |
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Publications (1)
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JP2004123156A true JP2004123156A (ja) | 2004-04-22 |
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ID=32281139
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JP2002288727A Pending JP2004123156A (ja) | 2002-10-01 | 2002-10-01 | 収納袋 |
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Country | Link |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014534935A (ja) * | 2011-11-09 | 2014-12-25 | ジェイティー インターナショナル エス.エイ.JT International S.A. | 粘着性の閉鎖機構を備える再閉可能パック |
-
2002
- 2002-10-01 JP JP2002288727A patent/JP2004123156A/ja active Pending
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