JP2004121435A - 眼内レンズの着色方法及び該方法にて得られる着色眼内レンズ - Google Patents

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Abstract

【課題】グレアの抑制や虹彩模様付き眼内レンズの作成を簡単に行うことのできる眼内レンズの着色方法を提供する。
【解決手段】昇華性色素が含有されたインクを電子計算機にて管理された色データに基づいて基体上にリング形状に塗布しておき、インクが塗布された前記基体の塗布面を真空中に眼内レンズ光学部の着色予定面と対向させるとともに基体を加熱することにより昇華性色素を昇華させ、昇華性色素を眼内レンズに付着させることにより、眼内レンズ光学部の周端部周辺のみを着色することを特徴とする。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、眼内レンズを着色する方法及び、該方法にて得られる着色眼内レンズに関する。
【0002】
【従来技術】
近年、白内障手術後の視力補正の目的で、眼内レンズが広く利用されている。この眼内レンズは患者眼内の水晶体を取り除いた後の水晶体嚢内に設置する場合が多い。このような眼内レンズはその光学部の周端部(コバ部)で入射光が乱反射し、ぎらつきが生じるグレアの問題が発生することがある。このようなグレアは夜間時に瞳孔が大きく開いている際に、自動車等のランプによって発生する場合が多い。このような眼内レンズにおけるグレアの問題を解決するために、そのコバ部の形状を複数のV字形の溝を形成させることにより、コバ部での入射光の反射方向を変えることにより、グレアの影響を少なくさせるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、一方で無虹彩症や怪我等により虹彩が欠損していると、緑内障、眼振等を伴うことが多いため、眼内レンズに人工虹彩を施して虹彩模様が形成された眼内レンズを眼内に設置する等の治療が必要とされている。このような虹彩模様が形成された眼内レンズは、無色透明の光学部の周囲に虹彩模様に着色されたリング形状の部材を接合させることにより得ている。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−189986号公報(第3頁−第4頁、及び図3参照)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したグレアを抑制する方法では眼内レンズ光学部のコバ部にV字形の溝を形成するため、非常に手間のかかることとなる。
また、後者の虹彩模様が形成された眼内レンズにおいても、このように2種類の部材を接合させて眼内レンズを作成するのは非常に手間がかかることとなる。
【0006】
上記従来技術の問題点に鑑み、グレアの抑制や虹彩模様付き眼内レンズの作成を簡単に行うことのできる眼内レンズの着色方法及び該方法によって得られる着色眼内レンズを提供することを技術課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 昇華性色素が含有されたインクを電子計算機にて管理された色データに基づいて基体上にリング形状に塗布しておき、前記インクが塗布された前記基体の塗布面を真空中に眼内レンズ光学部の着色予定面と対向させるとともに前記基体を加熱することにより前記昇華性色素を昇華させ、該昇華性色素を前記眼内レンズに付着させることにより、前記眼内レンズ光学部の周端部周辺のみを着色することを特徴とする。
(2) (1)の眼内レンズの着色方法において、前記リング形状の大きさは、眼内レンズ光学部の周端部周辺のみが着色されるようにその外径及び内径が決定されていることを特徴とする。
(3) (1)の眼内レンズ着色方法において、前記リング形状の塗布面はリング中心に向かうに従って色濃度が薄くなるようなグラデーション模様にて塗布されていることを特徴とする。
(4) (1)〜(3)の眼内レンズの着色方法を用いることによって着色眼内レンズを得ることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に着色方法に用いる眼内レンズの基材には、アクリル基材やシリコーン等、従来一般的に使用される眼内レンズの基材を使用することができる。また、アクリル基材としては、例えば硬い材料となるPMMA(ポリメチルメタクリレート)や、柔らかく折り曲げ可能な材料となるHEMA(ヒドロキシエチルメタクリレート)、n−ブチルアクリレート等を用いることができる。
【0009】
このような基材を用いて眼内レンズを製造する場合、従来の型枠に基材を流し込み、その後基材を重合させて眼内レンズ形状を形成させるインモールド方法や、板材状に重合した基材を切削加工により眼内レンズ形状に形成させる方法等、従来の眼内レンズ製造方法を用いることができる。
【0010】
本発明では、このような従来の無色透明の眼内レンズに対して、昇華性の染料を加熱により昇華させ、昇華した染料を眼内レンズに付着させることによって、その表面上に所望する着色を施すものである(以下 この着色方法を気相転写法と記す)。なお、気相転写法によって眼内レンズに着色を施す場合、染料が付着した眼内レンズをオーブンにて所定温度で加熱することによって眼内レンズの着色を完了させるため、支持部(ループ)を光学部に取り付ける作業は、このオーブンの加熱後に行うことが好ましい。光学部に支持部を取り付けた状態で、加熱を行うと、支持部が変形する可能性があるためである。
【0011】
次に、眼内レンズを用いて気相転写法による着色方法を図を基に説明する。ここで図1は本実施形態の染色方法の流れを示したフローチャート、図2は気相転写法における着色システムの概略を示した図である。本実施形態における気相転写法に用いる着色装置システムの概略を説明する。
【0012】
(1)印刷基体の作製
気相転写法では、昇華性染料を水系中に分散させてインクジェットプリンタ用のインク(分散染料インク)として用いる。インクは純水に所定の割合の分散染料と分散剤、保湿剤等とを入れ、10分以上攪拌した後、超音波ホモジナイザーで処理を行う。
【0013】
得られた混合液を粒子保持能1μmのフィルターを用いて吸引濾過をし、粒径の大きいものやごみ等を取り除く。その後、特定のインク濃度になるように純水を加え調製し、分散染料インクを完成させる。
【0014】
得られた分散染料インクをインクジェットプリンタ用のインクカートリッジにそれぞれ入れ、インクジェットプリンタ10にこのカートリッジを装着する。インクジェットプリンタ10は市販のものが使用できる。
【0015】
次に、このインクジェットプリンタ10を使用して所望の色をプリントさせるために、市販されているパーソナルコンピュータ20(以下PCという)を使用して、プリントされる色相及び濃度の調製を行う。色合いの調製はPC20内のハードディスク内に記憶されているドローソフトやCCM(コンピュータカラーマッチング)等により行う。
【0016】
昇華性染料を印刷(塗布)する基体1には、市販のA4の白紙(上質PPC用紙)を使用する。プリンターに白紙を入れ、PC20の操作により、予め設定しておいた色相及び濃度にて印刷を行う。色相及び色濃度は、着色後の眼内レンズの透過特性が人眼水晶体の透過特性に合うように考慮して決定される。また、基体1上に印刷される着色層2は、実際に着色を行う眼内レンズ光学部の大きさよりも広い範囲に形成されるようにしておく。例えば、着色層2は眼内レンズの光学部の径よりも若干長めの径を有する円形形状の図形となるように印刷しておく。着色層2の印刷範囲が光学部の大きさよりも小さい場合、光学部の着色側全面に十分染料が行き渡らない可能性があるからである。
【0017】
(2)眼内レンズへの着色
次にインクジェットプリンタ10により基体1に印刷された昇華性色素を用いて、眼内レンズの光学部に着色を行う。図2に示すように着色層2が印刷された基体1を真空気相転写機本体30内に置かれた着色用治具40にセットし、着色を行う。
【0018】
図3は着色用治具40の詳細を示した図である。41は円柱状の載置台であり、載置台41の上部には眼内レンズの光学部100が着色予定面を上向きにして置かれる。
【0019】
42は着色層2が印刷(形成)された基体1を載置するための円筒の形状を有する基体載置台である。43は基体押さえであり、基体載置台42の上部に載せられた基体1を基体押さえ43と基体載置台42とで挟み込むことにより、基体1が動かないようにしっかりと固定保持する。なお、基体1は印刷された着色層2が眼内レンズの光学部100と対向するようにして、基体載置台42上に載置される。50は上方から基体1を熱し、染料を昇華させるためのハロゲンランプ、51は真空ポンプである。
【0020】
このような真空気相転写機30と着色用治具40を用いて、真空ポンプ51にて真空気相転写機30内を真空状態にした後、ハロゲンランプ50を点灯させて基体1を加熱し、染料を昇華させる。昇華した染料は下方に置かれた眼内レンズの光学部100の片面に付着する。なお、本実施の形態では光学部100の着色予定面と基体1上の着色層2とを非接触にて対向させるものとしているが、これに限るものではなく、光学部100の着色予定面に着色層2(基体1)を当接させるようにして着色を行っても良い。
【0021】
真空気相転写機30内の真空状態は100Pa〜10KPa程度とすればよい。また、100Paを下回っても差し支えないが、高性能排気装置を必要とする。さらに、装置内の気圧が高ければ高い程、染料を昇華させるのに必要な温度が高くなるため、圧力の上限は10KPaまでが望ましい。
【0022】
また、加熱温度は基体1上で100℃を下回ると基体から染料が昇華し難くなり、また、250℃を上回ると高温による染料の変質や眼内レンズ光学部100の変形が生じ易くなる。従って加熱温度は100〜250℃の間が良いが、光学部の材料に合せてできるだけ高い温度を選ぶようにするとよい。
【0023】
真空気相転写機30により、眼内レンズ光学部100への着色(付着)が完了したら、光学部100を真空気相転写機30から取り出し、図2に示すオーブン60内に置き、所定温度で加熱し染料を定着させる。オーブン60の加熱温度は50〜150℃、加熱時間は30分〜1時間程である。オーブン60の加熱温度は光学部100の形成に使用される材料の耐熱条件によって異なる。例えばPMMAを光学部100の材料に用いた場合は、オーブン60の加熱温度は120℃程度を上限とし、シリコーンを光学部100の材料に用いた場合には200℃程度を上限とすれば良い。
【0024】
オーブン60にて光学部100を所定温度、所定時間にて加熱を行い、着色作業を完了させた後、オーブン60内から光学部100を取り出し、支持部を光学部100に取り付けることにより着色眼内レンズの完成となる。なお、光学部100に取り付ける支持部の材料は、PMMA等の従来から支持部の材料として用いられているものが使用できる。また、光学部100への支持部の取り付け作業は既存の方法を用いればよい。なお、光学部100に支持部を取り付けた状態で着色を行うことも可能であるが、支持部が着色されたり、オーブン60での加熱により支持部が変形する可能性があるため、前述したように光学部の着色が完全に終了した後、光学部100に支持部を取り付けることが好ましい。
【0025】
なお、本実施の形態では光学部100と支持部とを別々に作製し、その後一体化させる3ピースレンズを例に挙げて説明しているが、光学部と支持部とを一体的に作製する1ピースの眼内レンズにおいても本着色方法を適用することはできる。しかしながら前述したように、オーブンでの加熱により、支持部が変形する可能性があるため、加熱温度に注意しておく必要がある。
【0026】
このような気相転写法を用いることにより、眼内レンズ光学部の表面のみを着色することができる。その結果、眼内レンズの屈折度数が異なっても(中心部の厚みが異なっても)一様の透過光量を得ることができる。また、着色面を光学部の表面に限ることができるため、従来に比べ添加する染料(着色剤)の量を抑えることができる。
【0027】
また、表面のみを着色する場合は、着色用の染料が含まれている液中に所定時間だけ光学部を浸漬させて着色を行う方法(浸漬法)が考えられるが、このような着色方法では各ロット毎の着色濃度がばらつきを抑えることが非常に難しく、一定の品質を保つことが困難である。また、このような浸漬法では着色後の液の廃棄等の問題が残ることとなる。
【0028】
また、以上の実施形態では、眼内レンズの光学部の片面に着色を施すものとしているが、これに限るものではなく、光学部の両面を着色するようにしても良い。
【0029】
さらに、本実施形態の着色方法によれば、眼内レンズ光学部の全面に着色することができるが、これに限るものではなく、光学部100に対して部分的に着色を行うことも可能である。例えば、図4(a)に示すように前述したインクジェットプリンタ10及びPC20を用いて基体1上にリング形状の着色層3を形成しておく。この着色層3は眼内レンズ光学部100の周端部(コバ部)周辺のみを着色するように、着色層3の外径及び内径が決定され、基体1上に形成(印刷)される。このようなリング形状の着色層3は、青視症の抑制のために用いるのではなく、光学部100のコバ部によって生じるグレア(眩輝)の抑制や無虹彩症用の人工虹彩形成用として用いられる。
【0030】
例えば、眼内レンズのグレアの抑制に用いる場合、着色層3のリング幅は、光学部100の周端部から中心に向かって0.1mm〜1mm程度の領域(光学部100の表面)が着色されるように形成されていれば良い。また、このときの着色層3の色濃度は光学部100の着色領域が遮光性を有する程度の濃度が必要となる。
【0031】
また、光学部100に虹彩の模様を形成するためにリング形状の着色層3を用いる場合、着色層3のリング幅は光学部100の非着色領域が光学中心から好ましくはφ2.5mm〜φ5.0mm程度、さらに好ましくはφ3.0mm〜φ4.0mm程度残るように形成しておく。また、このときの着色層3の色濃度は光学部100の着色領域が虹彩模様として認識できる程度の濃度であれば良い。
【0032】
このようなリング形状の着色層3を用いて光学部100を着色する場合においても、真空気相転写機30、着色用治具40やオーブン60を用いて前述した着色作業を行う。着色は少なくとも光学部100の前面(眼内レンズを眼内に設置した際に前側となる面)に施しておくことが好ましい。また、リング状の着色を光学部100の周端部周辺に正確に行うためには、基体1上の着色層3の中心軸上に眼内レンズ光学部100の光学中心を合わせるようにして、着色用治具40に各々をセットしておけばよい。また、着色層3の中心軸上に光学部100の光学中心をより正確に合わせたい場合には、図7に示すような着色用治具70を用いればよい。
【0033】
着色用治具70は、基体1を載置する台71aと光学部100を載置する台71bとが一体的に形成された円筒状の載置台71と、基体押さえ72とからなる。台71bの中央部には、眼内レンズ光学部100の直径と同じ径を持つ凹部71cが設けられている。この凹部71cに光学部100を載置することにより、光学部100の位置が固定される。また、基体1上にはリング形状の着色層3の中心から載置台の外周径と同じ径を持つ円を印刷しておき、この基体1上に印刷された円を載置台71の外周に合わせるようにして基体1を載置台71に載置する。その結果、着色層3の中心軸上に光学部100の光学中心を位置させることができる。
【0034】
本実施形態に示す気相転写法により、リング形状の着色が施された眼内レンズ光学部100は、図4(b)に示すように着色領域100aと非着色領域100bとが形成される。その後、着色された光学部100に支持部を取り付け、眼内レンズの完成となる。
【0035】
また、このようなリング形状の着色を行う場合、着色層3を内側に向かって徐々に色濃度が薄くなるようなグラデーションとして形成しておくこともできる。このようにリング状の着色層3をグラデーション模様にて基体1上に形成しておくことにより、光学部100を着色した際に、着色領域と非着色領域との境界を不明確にさせることができるため、使用者のQOL(Quality of life)の向上に役立つ。また、光学部100の着色領域のうち、グラデーションにより薄い色にて着色されている領域は光束が透過しやすいため、虹彩模様を形成しつつ光量を確保することもできる。
【0036】
さらにまた、基体1上にリング形状の着色層3と前述した青視症の抑制のための着色層とを同時に形成させることもできる。このような着色層をもって眼内レンズの光学部100を着色することにより、青視症を抑制しつつ、グレアの抑制や人工虹彩の形成を行うことが可能となる。
【0037】
<実施例>
次に実施例として屈折力の異なる複数の眼内レンズ(光学部)に本発明の気相転写法による着色を施し、その透過率を比較したものを挙げる。
【0038】
使用した眼内レンズ材料はMMA(メチルメタクリレート)にベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤及び重合開始剤として2,2−アゾビスイソブチロニトリルを極微量添加した後、従来用いられている加熱重合法により板状に硬化したMMA(PMMA)の板材を切削加工により眼内レンズ光学部を得た。光学部の直径は5.5mm、周端部のコバ厚は0.17mmとした。眼内レンズは屈折力5D(中心厚0.291mm)、20D(中心厚0.660mm)、40D(中心厚1.180mm)の3種類を用意した。
【0039】
この3種類の眼内レンズを前述した気相転写法により着色した。プリンターは市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製 MJ−8000C)とし、昇華性インクは、ウペポ社製の分散染料(水性)を3種類(赤、青、黄)使用し、PCのドローソフトを使用して色相を(配合比赤:青:黄=3:10:1)決定した。また、同じくPCのドローソフトを使用して色の濃度を6%出力(赤)に調製した。その後、この色データに基づいて白紙(上質PPC用紙)に着色する光学部の径よりも大きめの円形を印刷し、これを印刷基体とした。
【0040】
この印刷基体の乾燥を待って、前述した真空気相転写機30、着色用治具40等を使用して印刷基体1から眼内レンズ光学部100への転写作業を行った。このときの真空気相転写機30内の真空度は1kPa、印刷基体1上の温度を250℃として1分間染料の昇華を行った。印刷基体1の着色層2から染料が殆ど昇華し、光学部100への染料の蒸着が行われていることが確認された。光学部100への転写作業後、定着させるためにオーブン60内に光学部100を置き、120℃で1時間レンズを加熱し、発色作業を完了した。その後3種類の眼内レンズ全ての透過率を分光光度計(日立製作所(株)U−4000)にて測定した。
【0041】
測定結果を図5に示す。図5において横軸は波長を縦軸は透過率を示す。また▲1▼が5.0D、▲2▼が20.0D、▲3▼が40.0としている。なお、青視症を抑制する場合、眼内レンズの着色は黄色又は橙色等の色合いで行うが、ここでは、赤色、青色、黄色のいずれの波長域においても中心厚の差による透過率の差が無いことを示すために、赤色、青色、黄色の3種類のインクを用いて眼内レンズの着色を行っている。
【0042】
<比較例>
比較例として従来の練り込みによる着色眼内レンズを作成した。用いる材料及び眼内レンズの作成方法は実施例と同様とした。また、材料に練りこむための色素は、ピラゾール系の黄色色素を極微量添加した。作成した眼内レンズ(光学部)は実施例と同様に5D、20D、40Dの3種類(中心厚等の形状条件は実施例と同じ)とした。作成した光学部の透過率を分光光度計にて測定した。その結果を図6に示す。図中▲1▼′は5D、▲2▼′は20D、▲3▼′は40Dの眼内レンズを示す。
【0043】
<結果>
図6に示すように色素を練り込んで着色眼内レンズとした比較例では、度数の違い(中心厚の違い)によって、透過率に差がでた。一方、図5に示すように、本発明の着色方法を適用した着色眼内レンズでは、中心厚が異なっても透過率は略同じとなる良好な結果が得られた。また、実施例、比較例の眼内レンズは材料にMMAを使用しているが、折り曲げ可能な軟性眼内レンズの材料においても同様の結果が得られる。
【0044】
【発明の効果】
以上のように、本発明の着色方法によれば、簡単な方法でグレアの抑制や人工虹彩の形成を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における着色作業の流れを示したフローチャートである。
【図2】本実施形態における着色システムの概略を示した図である。
【図3】本実施形態に用いる真空気相転写機及び着色用治具の構成を示した図である。
【図4】眼内レンズ光学部の周端部のみを着色するための着色層の形状及びこれによって着色された眼内レンズを示した図である。
【図5】実施例(気相転写法)によって着色された眼内レンズ光学部の透過率を示した図である。
【図6】比較例(練り込み)によって着色された眼内レンズ光学部の透過率を示した図である。
【図7】光学部の周端部のみ着色を施すための着色用治具を示した図である。
【符号の説明】
1 基体
3 着色層
10 インクジェットプリンタ
20 パーソナルコンピュータ
30 真空気相転写機
40 着色用治具
60 オーブン
100 眼内レンズ

Claims (4)

  1. 昇華性色素が含有されたインクを電子計算機にて管理された色データに基づいて基体上にリング形状に塗布しておき、前記インクが塗布された前記基体の塗布面を真空中に眼内レンズ光学部の着色予定面と対向させるとともに前記基体を加熱することにより前記昇華性色素を昇華させ、該昇華性色素を前記眼内レンズに付着させることにより、前記眼内レンズ光学部の周端部周辺のみを着色することを特徴とする眼内レンズの着色方法。
  2. 請求項1の眼内レンズの着色方法において、前記リング形状の大きさは、眼内レンズ光学部の周端部周辺のみが着色されるようにその外径及び内径が決定されていることを特徴とする眼内レンズの着色方法。
  3. 請求項1の眼内レンズ着色方法において、前記リング形状の塗布面はリング中心に向かうに従って色濃度が薄くなるようなグラデーション模様にて塗布されていることを特徴とする眼内レンズの着色方法。
  4. 請求項1〜3の眼内レンズの着色方法を用いて得られることを特徴とする着色眼内レンズ。
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