JP2004121063A - 食品の成形方法及び成形装置 - Google Patents

食品の成形方法及び成形装置 Download PDF

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Nobuaki Yoshida
吉田 信昭
Hidenori Yamamoto
山本 英紀
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Abstract

【課題】食品生地を型に充填し、この型に更に押し型を挿入して成形を行う際に、食品生地が押し型に付着するのを防止して、長時間連続して安定した成形作業が行えるようにした食品の成形方法及び成形装置を提供する。
【解決手段】型40の内面に沿って、油性菓子生地からなるシェル51を予め形成し、このシェル51内にフィリング52となる食品生地を充填し、押し型28を振動させながら前記型40内に挿入することによって、食品生地をシェル51内に押し込めて、シェル51の開口部に凹部を形成し、この凹部に前記油性菓子生地を再び充填して底壁53を形成する。食品生地Bとしては、気泡を含有する油性菓子生地が好ましく使用される。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品生地を型に充填し、この型に更に押し型を挿入して成形を行うようにした食品の成形方法及び成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
型内に食品生地を充填し、固化させて成形する方法は、例えばチョコレートなどの製造において、広く採用されている。
【0003】
また、チョコレート製品の中には、上記型にチョコレート生地を充填し、型の内面に接触する部分が固化した時点で、まだ固化していない内部の生地を流し出すことにより、チョコレートのシェルを作り、このシェル内にフィリングとなる食品生地を充填した後、その上に再びチョコレート生地を充填して底壁を作ることにより製造されるシェルチョコレートも知られている。
【0004】
このシェルチョコレートのフィリングとしては、チョコレート、ホワイトチョコレート、気泡含有チョコレート、気泡含有ホワイトチョコレート、クリーム、シロップ、キャラメル、ジャム、果物ソース等の種々のものが採用されている。
【0005】
このシェルチョコレートの製造においては、底壁となるチョコレート生地を充填する前に、フィリングの上面には、該チョコレート生地を充填するための凹部を設けておく必要がある。このため、型をタッピングしてフィリングをシェル内に隙間無く充填して、上記凹部を形成するようにしている。
【0006】
ところが、気泡含有チョコレートなどの生地は、シェルから溢れ出すように膨脹しているため、タッピングしてもシェル内に入りきらず、シェルの開口部から掻き取り板を侵入させて、表面のフィリングを掻き取り除去することにより、底壁形成用のチョコレート生地の充填空間を作る必要があった(特許文献1参照)。
【0007】
また、型に第1の油性菓子生地を充填し、その型内に冷却された押し型を挿入してシェルを作り、このシェルに前記第1の油性菓子生地とは色違いの第2の油性菓子生地を充填した後、再び第1の油性菓子生地を充填して底壁を形成することにより、第1の油性菓子生地からなるシェルを通して、第2の油性菓子生地が透けて見えるようにした模様付き油性菓子生地の製造方法も知られている(特許文献2参照)。
【0008】
更に、具材を含有するチョコレート生地をモールド成形する際に、モールドから溢れたチョコレートをスクレイパーで掻き取ることなく、冷却された押し型をモールド内に挿入して、具材をチョコレート生地内に押し込み、再度ボトム用のチョコレート生地を注入し、その後に溢れたチョコレート生地を掻き取るようにしたチョコレートの製造方法も知られている(特許文献3参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−69911号公報
【特許文献2】
特許第3117970号公報
【特許文献3】
特開2002−199845号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1の方法では、表面のフィリングを均一な深さで掻き取り除去することが難しく、シェルの底壁の厚さにばらつきが生じることを避けられなかった。
【0011】
また、シェルの開口部の形状が、例えば木の葉形など単純な形状でない場合には、掻き取り板をシェルの開口部から挿入できず、表面のフィリングを掻き取り除去することができない場合もあった。
【0012】
一方、本発明者らは、上記掻き取り板によって表面のフィリングを掻き取る代わりに、上記特許文献2又は特許文献3に示されるように、押し型を挿入して凹部を形成することを考えた。
【0013】
しかしながら、本発明者らが実験したところ、気泡含有チョコレートなどの生地では、押し型表面に生地が付着してしまい、きれいな内部形状の凹部を長時間にわたって安定して形成することが困難であることがわかった。
【0014】
したがって、本発明の目的は、食品生地を型に充填し、この型に更に押し型を挿入して成形を行う際に、食品生地が押し型に付着するのを防止して、長時間連続して安定した成形作業が行えるようにした食品の成形方法及び成形装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明による食品の成形方法は、食品生地を型に充填し、この型内に押し型を挿入して、食品生地を所望の形状に成形する食品の成形方法において、前記押し型を振動させながら前記型内に挿入することを特徴とする。
【0016】
本発明の成形方法によれば、食品生地が付着性を有するものであっても、押し型を振動させながら型内に挿入することにより、押し型に食品生地が付着することを防止でき、成形作業を長時間連続して安定して行うことが可能となる。
【0017】
本発明の成形方法においては、前記型の内面に沿って、油性菓子生地からなるシェルを予め形成し、このシェル内にフィリングとなる食品生地を充填し、前記押し型を振動させながら前記型内に挿入することによって、前記食品生地を前記シェル内に押し込めて、前記シェルの開口部に凹部を形成し、この凹部に前記油性菓子生地を再び充填して底壁を形成することが好ましい。
【0018】
この態様によれば、フィリングの表面に均一な深さの凹部を形成できるため、シェルチョコレートの底壁を均一な厚さに形成でき、シェルの開口部の形状が単純でない場合でも適用することができる。
【0019】
また、前記フィリングとなる食品生地が気泡を含有する油性菓子生地であることが好ましい。気泡を含有する油性菓子生地は、タッピング等によって型内に沈ませることが困難であり、しかも押し型を用いた場合にはその表面に付着しやすいものであるため、本発明の方法が効果的に採用される。
【0020】
更に、前記型の内面に沿って、第1の油性菓子生地からなるシェルを予め形成し、このシェル内に、気泡を含有する第2の油性菓子生地を充填し、第2の油性菓子生地が固化しない状態で、前記型を囲む空間を減圧して前記第2の油性菓子生地を発泡させ、その後に前記押し型を振動させながら前記型内に挿入することによって、前記発泡した第2の油性菓子生地を前記シェル内に押し込めて、前記シェルの開口部に凹部を形成し、この凹部に前記第1の油性菓子生地を充填して底壁を形成することが好ましい。
【0021】
この態様によれば、第1の油性菓子生地からなるシェル内に、気泡を含有する第2の油性菓子生地を充填し、第2の油性菓子生地が固化しない状態で、前記型を囲む空間を減圧して前記第2の油性菓子生地を発泡させることにより、空隙に富んだ食感の軽いチョコレートをフィリングとして形成することができる。
【0022】
また、本発明の食品の成形装置は、食品生地を充填する型と、この型内に挿入できる形状をなし、前記型の上方に整合して配置される押し型と、この押し型を昇降させて前記型内に挿入する昇降手段と、前記押し型を振動させる振動手段とを備えていることを特徴とする。
【0023】
本発明の成形装置によれば、食品生地を型に充填し、型の上方に整合して配置された押し型を振動手段によって振動させながら、昇降手段によって下降させることにより、上記押し型を型内に挿入することにより、食品生地の表面を所望の形状に成形することができ、食品生地が押し型に付着することも防止できる。
【0024】
また、本発明の食品の成形装置において、前記押し型は、表面にフッ素系樹脂がコーティングされているものであることが好ましい。この態様によれば、食品生地の付着をより効果的に防止すると共に、押し型の耐久性も向上する。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明において、食品生地としては、例えば、チョコレート、ホワイトチョコレート、気泡含有チョコレート、気泡含有ホワイトチョコレート、クリーム、シロップ、キャラメル、ジャム、果物ソース等、種々のものが使用できる。
【0026】
ただし、本発明は、押し型への食品生地の付着を改善することを課題としているので、特にそのような問題を生じやすいもの、例えば粘性の高いものや、気泡を含有するものなどが好ましく採用される。中でも、チョコレートなどの油性菓子生地に好適であり、気泡を含有する油性菓子生地が最も好適である。
【0027】
ここで油性菓子生地とは、油脂を20質量%以上、好ましくは20質量%から70質量%含有する食品生地を意味し、例えばチョコレート、クリーム、キャラメル等が挙げられるが、特にチョコレートが好ましい。
【0028】
チョコレート生地の原料としては、従来から一般的に用いられているものを適宜選択して使用することができる。例えば、カカオマス、ココアパウダー、カカオバター、その他の植物性油脂、全脂粉乳、脱脂粉乳、ホエイパウダー、砂糖、マルトース、パラチノースなどの糖類、レシチンなどの乳化剤、香料などが用いられる。また、ビターチョコレート、ミルクチョコレート、ホワイトチョコレートなど、いずれの種類のチョコレートでもよく、規約に定められた純チョコレート、純ミルクチョコレート、準チョコレートであってもよいし、規約に定められたチョコレート以外の油性菓子であってもよい。
【0029】
更に、本発明は、気泡を含有する油性菓子生地に対して好適であり、このような気泡を含有する油性菓子生地は、例えば特開平8−242768号に記載された方法で調製することができる。すなわち、▲1▼テンパリングしたチョコレート生地を型に充填した後、減圧して、チョコレートの製造時に自然に混入した気泡を発泡させる方法、▲2▼テンパリングしたチョコレート生地に、必要に応じて加圧しながら攪拌して気泡を混入させ、該生地を型に充填した後に減圧して発泡させる方法、▲3▼テンパリングしていないチョコレート生地を、チョコレート生地に含まれる油脂の融点よりも高い温度に加熱して溶融させ、激しく攪拌して気泡を混入した後、油脂の融点よりも5〜15℃低い温度まで冷却し、比重が1.1〜0.7の気泡含有チョコレート生地とし、このチョコレート生地を型に充填した後に減圧して発泡させる方法、などが挙げられる。
【0030】
図1〜4には本発明による食品の成形装置の一実施形態が示されている。図1は同成形装置の一部切り欠き斜視図、図2は同成形装置の側面図、図3は同成形装置における押し型の取付け部の分解斜視図、図4は同成形装置における押し型の斜視図である。
【0031】
図1、2に示すように、この成形装置10は、基台11上に立設された一対の支柱12と、この支柱12に取付けられた前面板13と、この前面板13から水平方向に延出された一対のアーム14と、このアーム14に固定された支持板15とで構成される装置フレームを有している。
【0032】
支持板15には、その4隅に軸受16が取付けられ、支持板15の下方には、支持板15と平行に昇降ベース17が配置され、この昇降ベース17の4隅に垂直に取付けられたガイド棒18が、上記軸受16に挿通されている。更に、支持板15の中央上部には、エアシリンダ20が設置されており、このエアシリンダ20の作動ロッド21は、支持板15を貫通して上記昇降ベース17に連結されている。このため、昇降ベース17は、エアシリンダ20の作動によって、ガイド棒18及び軸受16に案内されながら、昇降動作をする。この実施形態では、上記昇降ベース17の昇降機構が、本発明における昇降手段を構成している。
【0033】
支持板17の下面には、ブロック22が取付けられ、このブロック22には水平方向に伸びる一対の平行なガイド棒23が挿通されている。このガイド棒23の両端部は、ブロック22の更に下方に配置された上板25に設置されたブラケット24に固定支持されている。したがって、上板25は、ブラケット24を介してガイド棒23に連結されており、このガイド棒23がブロック22の挿通孔を摺動することにより、ガイド棒23と一体に所定の範囲で水平移動できるようになっている。
【0034】
図3、4を併せて参照すると、上板25の下面には中板26が接合され、更に中板26の下面には押し型取付け板27が接合されている。上記押し型取付け板27は、その下面に押し型28が配列されて固着されている。押し型28は、この実施形態では、円柱状の基部28aと、その上端面に突設された雨垂れ形状の突部28bとで構成されている。また、中板26には、その内部には凹部26aが形成され、その前面及び背面に温水導出入口26b(図3では前面に設けた方だけが示されている)が形成されている。そして、上記導出入口26bを通して温水を凹部26a内に流通させることにより、押し型28の温度を調整できるようになっている。これらの上板25、中板26、押し型取付け板27及び押し型28で構成されるユニットを、以下押し型ユニット29とする。
【0035】
中板26の端面には、内周がU字状をなすカム溝31を有するカム板30がネジ32によって固定されている。そして、図1に示すように、前面板13の前面には、モータ33が固定されており、このモータ33の駆動軸34には、その回転中心に対して偏心した位置にピン35が取付けられている。更に、このピン35にはカムフォロアをなすローラ36が装着されている。上記駆動軸34は、前面板13を貫通し、上記ローラ36が上記カム溝31に嵌合している。
【0036】
したがって、モータ33が回転すると、偏心したピン35が回転し、このピン35に装着されたローラ36がカム溝31を上下に滑りながら円運動をする。このローラ36の動作は、カム板30に対して水平方向の往復移動力を与え、それによって押し型ユニット29が、ガイド棒23とブロック22とに案内されて、水平方向に振動する。この振動方向は、図3におけるy軸方向となる。
【0037】
この場合、押し型ユニット29の振動数(上記実施形態においてはモータ33の回転速度に相当する)は、押し型ユニットの昇降運動を含む一連の運動の1分当りのサイクル数に依存する。すなわち、押し型ユニットの昇降運動を含む一連の運動の1分当りのサイクル数が少なくなるときには、振動数も遅くなる。例えば上記運動が30サイクル/分のとき、押し型ユニット29の振動数は、400〜600回転/分が好ましく、450〜550回転/分が更に好ましい。また、押し型ユニット29の振れ幅は、1〜2mmが好ましい。
【0038】
更に、押し型28は、熱伝導性の点から金属であることが好ましく、この金属の表面には、食品生地の付着性を更に軽減させ、耐久性も向上させるために、フッ素系樹脂がコーティングされていることが好ましい。フッ素系樹脂としては、例えばテトラフルオロエチレンが好ましく採用されるが、高分子中にフッ素が結合されていて、撥水性などの特性が発揮されるものであればよい。なお、フッ素系樹脂の膜厚は、10〜60μmが好ましい。
【0039】
基台11上には、型40を設置する位置決め枠41が設置されている。型40はこの位置決め枠41に当接されて、その凹部42が上記押し型28と整合するように設置される。
【0040】
なお、位置決め枠41の代わりに、押し型ユニット29の下方を通過するコンベヤを設置し、上記型40をコンベヤによって間欠的に搬送させながら、上記押し型28の下方に整合させて配置させるようにしてもよい。
【0041】
したがって、この成形装置では、モータ33の回転によって押し型ユニット29を水平方向に振動させながら、エアシリンダ20によって昇降ベース17を下降させ、それと共に押し型ユニット29を下降させて、押し型28を型40の凹部42に挿入することができる。
【0042】
図5、6には、上記成形装置10を用いた、本発明の食品の成形方法の一実施形態が示されている。この実施形態は、気泡含有チョコレートをフィリングとするシェルチョコレートの製造に適用したものである。
【0043】
まず、図5(a)に示すように、型40の凹部42に、シェル用チョコレート生地Aを充填し、このシェル用チョコレート生地Aの型40の内面に接触した部分が冷却固化された時点で、同図(b)に示すように、型40を逆さにして固化していないシェル用チョコレート生地Aを流し出し、同図(c)に示すように、型40の凹部42内面にシェル51を形成する。
【0044】
次に、同図(d)に示すように、気泡を含有するフィリング用チョコレート生地Bを充填し、同図(e)に示すように、雰囲気を減圧にしてフィリング用チョコレート生地Bを発泡させ、その状態で固化させる。その後、常圧に戻すと、フィリング用チョコレート生地Bは、型40の開口部から盛り上がり、ボトム用チョコレート生地を充填できない状態となる。そこで、図示を省略したが、まず、型40の開口部から盛り上ったフィリング用チョコレート生地Bを掻き取る。
【0045】
しかし、この状態では、なおかつボトム用チョコレート生地を充填するスペースがないので、次に、同図(f)に示すように、前記押し型28を振動させながら、型40に既に形成されたシェル51内に挿入する。その結果、フィリング用チョコレート生地Bは、押し型28に押圧されてへこみ、同図(g)に示すように、ボトム用チョコレート生地を充填するための凹部が形成され、その状態でフィリング用チョコレート生地Bが固化してフィリング52が形成される。
【0046】
なお、本発明では、上記のように、押し型28を振動させながら、型40に既に形成されたシェル51内に挿入することにより、フィリング用チョコレート生地Bが押し型28に付着することが防止され、生産を長時間に亘って連続して行うことが可能となる。
【0047】
最後に、上記フィリング52の上面の凹部に、ボトム用チョコレート生地(これは、通常はシェル用チョコレート生地Aと同じものを使用する)を充填し、固化させて底壁53を形成する。
【0048】
こうして成形したチョコレートを型40から離型させて、チョコレート菓子50を得る。このチョコレート菓子50は、図6(a)に示すように、水滴のような輪郭で所定の高さに成形された形状をなし、同図(b)に示すように、シェル51と底壁53とで囲まれた内部に、気泡含有チョコレートからなるフィリング52が充填されている。
【0049】
【実施例】
実施例1
カカオマス20部、植物性油脂35部、砂糖30部及び粉乳15部を原料として、常法により、シェル用チョコレート生地を製造した。また、植物性油脂37部、砂糖33部、粉乳20部及び乳糖10部を原料として、常法によりフィリング用チョコレート生地を製造した。
【0050】
275×205×24mmの型(モールド)の凹部一杯にシェル用チョコレート生地を注入し、反転させた後、型の表面を掻き取り、型の凹部表面に残るチョコレートを固化させて、シェル製造した。
【0051】
一方、フィリング用チョコレート生地は、エアミキサーを用いて2kg/cmの加圧条件下で28℃で3分間含気させた後(比重1.05g/cm)、デポジッターに装填した。そして、上記で製造したシェル内に、上記で得た気泡含有チョコレート生地2.2gを注入し、150Torrに減圧して、かつ、−20℃に約15分間冷却してシェル内に気泡含有チョコレートを包含するようにした。その後、常圧に戻して、スクレイバーで型表面以上に発泡した気泡含有チョコレートを掻き取った。
【0052】
型表面に現れる凹部の孔表面積よりも、図3におけるx軸方向に1mmの幅だけ小さく、y軸方向に2mmの幅だけ小さな表面積を持つ砲金製の押し型をy軸方向に1mmの幅でかつ、500回転/分で振動させながら型凹部に型表面から1.5mm深0.5秒間挿入した。型表面より1mm深く押し型を挿入することによって、気泡含有チョコレートが押し込まれてボトム用チョコレート生地を注入するスペースを作り出すことができた。
【0053】
続いて、ボトム用チョコレート生地(シェル用チョコレート生地と同じ)を注入してスクレイバーで掻き取り、固化した後、型よりチョコレート菓子を取り出して、チョコレート菓子を製造した。
【0054】
なお、上記実施例1において、押し型に気泡含有チョコレートが付着するか否かの確認は、2回以上上記菓子を製造した後、押し型表面に気泡含有チョコレートの付着の有無を肉眼で視覚認識することにより行った。
【0055】
その結果、実施例1の砲金製押し型表面には、気泡含有チョコレートが付着しないことを確認した。
【0056】
実施例2
砲金製押し型をアルミニウム製でかつ、約25μmの厚さでテフロン(登録商標、以下同じ)コートした押し型を用いて気泡含有チョコレートを包含したシェルチェコレートを実施例1と同じ材料及び方法で製造した。
【0057】
その結果、実施例2のアルミニウム製でかつ、テフロンコートした押し型の表面には、気泡含有チョコレートが付着しないことを確認した。
【0058】
比較例1
砲金製押し型を振動させずに気泡含有チョコレートを包含したシェルチョコレートを製造した。その際、実施例1と砲金製押し型を振動させないこと及び押し型表面が型表面に現れる凹部の孔表面積よりも全周囲に渡り1mmの幅だけ小さな表面積を持つ点が相違した。その他の材料及び製造条件は実施例1と同じ条件で製造した。
【0059】
その結果、比較例1の砲金製押し型表面に気泡含有チョコレートが付着し、製造回数を増やすたびにその気泡含有チョコレートの付着量が多くなった。また、気泡含有チョコレートの付着量がある程度になると剥がれるようにシェル内に混入した。また、比較例1で製造した気泡含有チョコレートを包含したシェルチョコレートは、ボトムチョコレートの量が一定量にならないために製品ごとの重量のばらつきが顕著であつた。
【0060】
比較例2
比較例1で用いた砲金製押し型をテフロン製押し型に変えて気泡含有チョコレートを包含するシェルチョコレートを製造した。押し型の材質を変化させる以外は材料及び製造条件は同一であった。
【0061】
その結果、テフロン製押し型を用いても気泡含有チョコレートの付着が認められ、製造された菓子の重量がばらついていた。
【0062】
比較例3
比較例1で用いた砲金製押し型をニューライト(登録商標、以下同じ)製押し型に変えて気泡含有チョコレートを包含するシェルチョコレートを製造した。押し型の材質を変化させる以外は材料及び製造条件は同一であった。
【0063】
その結果、ニューライト製押し型を用いても気泡含有チョコレートの付着が認められ、製造された菓子の重量がばらついていた。
【0064】
比較例4
比較例1で用いた砲金製押し型をナイロン樹脂MONO CAST(登録商標、以下同じ)製押し型に変えて気泡含有チョコレートを包含するシェルチョコレートを製造した。押し型の材質を変化させる以外は材料及び製造条件は同一であった。
【0065】
その結果、MCナイロン製押し型を用いても気泡含有チョコレートの付着が認められ、製造された菓子の重量がばらついていた。
【0066】
比較例5
比較例1で用いた砲金製押し型をデルリン(登録商標、以下同じ)製押し型に変えて気泡含有チョコレートを包含するシェルチョコレートを製造した。押し型の材質を変化させる以外は材料及び製造条件は同一であった。
【0067】
その結果、デルリン製押し型を用いても気泡含有チョコレートの付着が認められ、製造された菓子の重量がぱらついていた。
【0068】
比較例6
比較例1で用いた砲金製押し型を鉄製押し型に変えて気泡含有チョコレートを包含するシェルチョコレートを製造した。押し型の材質を変化させる以外は材料及び製造条件は同一であった。
【0069】
その結果、鉄製押し型を用いても気泡含有チョコレートの付着が認められ、製造された菓子の重量がばらついていた。
【0070】
比較例7
比較例1で用いた砲金製押し型をアルミニウム製押し型に変えて気泡含有チョコレートを包含するシェルチョコレートを製造した。押し型の材質を変化させる以外は材料及び製造条件は同一であった。
【0071】
その結果、アルミニウム製押し型を用いても気泡含有チョコレートの付着が認められ、製造された菓子の重量がばらついていた。
【0072】
比較例8
比較例1で用いた砲金製押し型をシリコンゴム製押し型に変えて気泡含有チョコレートを包含するシェルチョコレートを製造した。押し型の材質を変化させる以外は材料及び製造条件は同一であった。
【0073】
その結果、シリコンゴム製押し型を用いると弾性体ゆえに気泡含有チョコレートが付着しないことを確認した。しかし、シリコンゴム自体が欠けることがあり、シリコンゴムの耐久性に起因する異物混入の問題が発生した。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、食品生地が付着性を有するものであっても、押し型を振動させながら型内に挿入することにより、押し型に食品生地が付着することを防止でき、成形作業を長時間連続して安定して行うことが可能となる。その結果、押し型を用いた成形作業を長時間連続して安定して行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による食品の成形装置の一実施形態を示す一部切り欠き斜視図である。
【図2】同成形装置の側面図である。
【図3】同成形装置における押し型の取付け部の分解斜視図である。
【図4】同成形装置における押し型の斜視図である。
【図5】本発明による食品の成形方法の一実施形態を示す工程図である。
【図6】同成形方法によって得られたチョコレート菓子を示し、(a)は斜視図、(b)は一部切欠き斜視図である。
【符号の説明】
10 成形装置
11 基台
12 支柱
13 前面板
14 アーム
15 支持板
16 軸受
17 昇降ベース
18 ガイド棒
20 エアシリンダ
22 ブロック
23 ガイド棒
24 ブラケット
25 上板
26 中板
27 押し型取付け板
28 押し型
29 押し型ユニット
30 カム板
31 カム溝
33 モータ
35 ピン
36 ローラ
40 型
42 凹部
50 チョコレート菓子
51 シェル
52 フィリング
53 底壁
A シェル用チョコレート生地
B フィリング用チョコレート生地

Claims (6)

  1. 食品生地を型に充填し、この型内に押し型を挿入して、食品生地を所望の形状に成形する食品の成形方法において、前記押し型を振動させながら前記型内に挿入することを特徴とする食品の成形方法。
  2. 前記型の内面に沿って、油性菓子生地からなるシェルを予め形成し、このシェル内にフィリングとなる食品生地を充填し、前記押し型を振動させながら前記型内に挿入することによって、前記食品生地を前記シェル内に押し込めて、前記シェルの開口部に凹部を形成し、この凹部に前記油性菓子生地を再び充填して底壁を形成する請求項1記載の食品の成形方法。
  3. 前記フィリングとなる食品生地が気泡を含有する油性菓子生地である請求項2記載の食品の成形方法。
  4. 前記型の内面に沿って、第1の油性菓子生地からなるシェルを予め形成し、このシェル内に、気泡を含有する第2の油性菓子生地を充填し、第2の油性菓子生地が固化しない状態で、前記型を囲む空間を減圧して前記第2の油性菓子生地を発泡させ、その後に前記押し型を振動させながら前記型内に挿入することによって、前記発泡した第2の油性菓子生地を前記シェル内に押し込めて、前記シェルの開口部に凹部を形成し、この凹部に前記第1の油性菓子生地を充填して底壁を形成する請求項3記載の食品の成形方法。
  5. 食品生地を充填する型と、この型内に挿入できる形状をなし、前記型の上方に整合して配置される押し型と、この押し型を昇降させて前記型内に挿入する昇降手段と、前記押し型を振動させる振動手段とを備えていることを特徴とする食品の成形装置。
  6. 前記押し型は、表面にフッ素系樹脂がコーティングされているものである請求項5記載の食品の成形装置。
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