JP2004120941A - モータ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コンパクト、かつ、冷却効果が高いモータ装置を提供する。
【解決手段】モータを駆動するインバータに含まれるNPNトランジスタQ1〜Q6およびダイオードD1〜D6は、モータのケース26aの傾斜部26c上に、スリット26bに近接して配置される。そして、プーリ18は、モータの回転軸に連結され、スリット26bに近接して配置される。また、プーリ18は、ベルトを介してエンジンのクランク軸または補機類のプーリと連結される。プーリ18は、その断面構造において複数の空洞部を備え、モータ、クランク軸、および補機類のプーリの回転により気流を発生する。そして、プーリ18は、発生した気流をスリット26b、NPNトランジスタQ1〜Q6およびダイオードD1〜D6へ送る。
【選択図】 図3
【解決手段】モータを駆動するインバータに含まれるNPNトランジスタQ1〜Q6およびダイオードD1〜D6は、モータのケース26aの傾斜部26c上に、スリット26bに近接して配置される。そして、プーリ18は、モータの回転軸に連結され、スリット26bに近接して配置される。また、プーリ18は、ベルトを介してエンジンのクランク軸または補機類のプーリと連結される。プーリ18は、その断面構造において複数の空洞部を備え、モータ、クランク軸、および補機類のプーリの回転により気流を発生する。そして、プーリ18は、発生した気流をスリット26b、NPNトランジスタQ1〜Q6およびダイオードD1〜D6へ送る。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、モータ装置に関し、特に、発熱体を効果的に冷却するモータ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、環境に配慮した自動車としてエコノミーランニングシステム(エンジン自動始動停止システム)を搭載した自動車あるいはハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle)が大きな注目を集めている。そして、このような自動車は、一部、実用化されている。
【0003】
このハイブリッド自動車は、従来のエンジンに加え、直流電源とインバータとインバータによって駆動されるモータとを動力源とする自動車である。つまり、エンジンを駆動することにより動力源を得るとともに、直流電源からの直流電圧をインバータによって交流電圧に変換し、その変換した交流電圧によりモータを回転することによって動力源を得るものである。
【0004】
また、エコノミーランニングシステムを搭載した自動車は、図18に示すようなエンジンシステム300を搭載している(特開2002−155773号公報参照)。図18を参照して、エンジンシステム300は、バッテリ310と、インバータ320と、モータジェネレータ330と、プーリ340,370,380と、エンジン350と、補機類360と、ベルト390と、電磁クラッチ400とを備える。
【0005】
バッテリ310は、直流電圧を出力する。インバータ320は、制御装置(図示せず)からの制御に基づいて、バッテリ310からの直流電圧を交流電圧に変換してモータジェネレータ330を駆動する。
【0006】
モータジェネレータ330は、エンジン350に近接して配置され、インバータ320によって駆動される。そして、モータジェネレータ330は、必要に応じて発電機または駆動モータとして機能する。
【0007】
プーリ340は、モータジェネレータに連結される。エンジン350は、エンジンシステム300が搭載された自動車の走行用トルクを発生し、その発生した走行用トルクを駆動輪へ伝達する。
【0008】
補機類360は、たとえば、エアコン用コンプレッサ、パワーステアリングポンプおよびエンジン冷却用ウォータポンプ等からなる。プーリ370は、電磁クラッチ400を介してエンジン350のクランク軸351に連結される。プーリ380は、補機類360に連結される。ベルト390は、プーリ340,370,380を相互に連結する。電磁クラッチ400は、制御装置(図示せず)からの制御に基づいて、プーリ370をクランク軸351に連結したり、プーリ370をクランク軸351から遮断したりする。
【0009】
モータジェネレータ330が発電機として機能する場合、電磁クラッチ400は、制御装置からの制御によってプーリ370をクランク軸351に連結する。そして、エンジン350からの回転力がプーリ370、ベルト390およびプーリ340を介してモータジェネレータ330へ伝達され、モータジェネレータ330は、エンジン350からの回転力を電気エネルギーに変換して交流電圧を発電する。
【0010】
そうすると、インバータ320は、制御装置からの制御によって、モータジェネレータ330が発電した交流電圧を直流電圧に変換してバッテリ310を充電する。
【0011】
また、モータジェネレータ330が駆動モータとして機能する場合、インバータ320は、制御装置からの制御によって、バッテリ310からの直流電圧を交流電圧に変換してモータジェネレータ330を駆動する。そして、モータジェネレータ330は、所定のトルクを発生し、その発生したトルクを出力する。
【0012】
モータジェネレータ330から出力されたトルクは、プーリ340およびベルト390を介してエンジン350または補機類360に伝達される。より具体的には、エンジンシステム300が搭載された自動車のエンジン自動始動時または車両発進時、電磁クラッチ400は、オンされてプーリ370をクランク軸351に連結する。そして、モータジェネレータ330から出力されたトルクは、プーリ340、ベルト390、プーリ370および電磁クラッチ400を介してエンジン350に伝達される。
【0013】
また、エンジン350の停止時、電磁クラッチ400は、オフされてプーリ370をクランク軸351から遮断する。そして、モータジェネレータ330から出力されたトルクは、プーリ340、ベルト390、およびプーリ380を介して補機類360に伝達される。
【0014】
このように、モータジェネレータ330は、発電機として機能したり、エンジン350または補機類360を駆動する駆動モータとして機能する。このようなエンジンシステム300は、従来の内燃機関のみを駆動力源とする自動車だけでなく、種々のハイブリッド自動車にも適宜適用できるものである。
【0015】
【特許文献1】
特開2002−155773号公報
【0016】
【特許文献2】
特開平9−252563号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、インバータとモータジェネレータとを接続するパワーケーブルは、搭載スペースが大きいため、インバータの配置位置によっては、モータジェネレータおよびインバータを配置するためのスペースが大きくなるという問題がある。
【0018】
また、インバータは、発熱するため、インバータを冷却するための冷却システムが必要になり、コストが高くなるという問題がある。
【0019】
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、コンパクト、かつ、冷却効果が高いモータ装置を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
この発明によれば、モータ装置は、モータと、プーリと、ファンと、電気回路とを備える。プーリは、モータにより回動され、無端部材を介して他の負荷類を動作させる。ファンは、プーリが回転することにより気流を発生する。電気回路は、スイッチング素子を含み、モータの発電モードおよび/または駆動モードにおいて所定の動作を行なう。そして、電気回路は、モータのケースの一方端に配置され、ファンによって発生された気流を受ける。
【0021】
好ましくは、電気回路は、さらに、ケースに設けられたスリットに近接して配置される。
【0022】
好ましくは、電気回路は、モータを駆動する駆動回路である。
好ましくは、電気回路は、モータを駆動するための直流電圧を電圧変換して補機に供給する電圧変換器である。
【0023】
好ましくは、電気回路は、駆動回路と、電圧変換器とを含む。駆動回路は、モータを駆動する。電圧変換器は、駆動回路に入力される入力電圧を電圧変換して補機に供給する。
【0024】
好ましくは、電気回路は、直流電源からの第1の直流電圧を電圧変換してモータを駆動するための第2の直流電圧を出力する電圧変換器である。
【0025】
好ましくは、電気回路は、駆動回路と、電圧変換器とを含む。駆動回路は、モータを駆動する。電圧変換器は、直流電源からの第1の直流電圧を第2の直流電圧に電圧変換して駆動回路に供給する。
【0026】
好ましくは、電圧変換器は、リアクトルと、第1および第2のスイッチング素子とを含む。第1および第2のスイッチング素子は、リアクトルに流れる直流電流をスイッチング制御し、第1の直流電圧を第2の直流電圧に電圧変換して駆動回路に供給する。そして、リアクトルは、スリットを取り巻くように配置され、第1および第2のスイッチング素子は、スリットに近接して配置される。
【0027】
好ましくは、モータは、内燃機関の近傍に配置され、内燃機関により駆動される負荷類を無端部材を介して駆動する。
【0028】
好ましくは、内燃機関は、エコノミーランニングシステムに従って駆動される。
【0029】
この発明においては、モータが駆動されると、そのモータの駆動に連動してプーリが回転し、ファンが気流を発生する。そして、ファンにより発生された気流は電気回路を空冷する。また、電気回路は、モータの発電モードおよび/または駆動モードにおいて所定の動作を行ない、デッドスペースに配置される。
【0030】
したがって、この発明によれば、スペースを有効に活用してモータ装置をコンパクト化できる。また、電気回路を空冷するファンを別途設ける必要がないので低コストなモータ装置を実現できる。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0032】
[実施の形態1]
図1を参照して、この発明の実施の形態1によるモータ装置を備えるエンジンシステム100は、エンジン2と、トルクコンバータ4と、オートマチックトランスミッション6と、プーリ10,16,18と、電磁クラッチ10aと、ベルト14と、補機類22と、モータ26と、インバータ28と、バッテリ30,34と、DC/DCコンバータ32と、スタータ36と、電動油圧ポンプ38と、エコランECU(Electrical Control Unit)40と、燃料噴射弁42と、電動モータ44と、スロットルバルブ46と、エンジンECU48と、VSC(Vehicle Stability Control)−ECU50とを備える。
【0033】
モータ26は、エンジン2に近接して配置される。インバータ28は、後に詳述するように、モータ26のプーリ18側の一方端に配置される。
【0034】
エンジン2は、モータ26またはスタータ36によって始動され、所定の出力を発生する。そして、エンジン2は、発生した出力をクランク軸2aからトルクコンバータ4またはプーリ10へ出力する。
【0035】
トルクコンバータ4は、クランク軸2aからのエンジン2の回転をオートマチックトランスミッション6に伝達する。オートマチックトランスミッション6は、自動変速制御を行ない、トルクコンバータ4からのトルクを変速制御に応じたトルクに設定して出力軸6aへ出力する。
【0036】
プーリ10は、電磁クラッチ10aを内蔵しており、電磁クラッチ2aを介してエンジン2のクランク軸2aに連結される。また、プーリ10は、ベルト14を介してプーリ16,18と連動する。
【0037】
電磁クラッチ10aは、エコランECU40からの制御によってオン/オフされ、プーリ10をクランク軸2aに連結/遮断する。ベルト14は、プーリ10,16,18を相互に連結する。プーリ16は、補機類22の回転軸に連結される。
【0038】
プーリ18は、モータ26の回転軸に連結され、モータ26またはエンジン2のクランク軸2aによって回動されると、モータ26の方向へ流れる気流を発生する。プーリ18が気流を発生する機構については後述する。
【0039】
補機類22は、エアコン用コンプレッサ、パワーステアリングポンプおよびエンジン冷却用ウォータポンプの1つまたは複数からなる。そして、補機類22は、モータ26からの出力をプーリ18、ベルト14およびプーリ16を介して受け、その受けた出力により駆動される。
【0040】
モータ26は、インバータ28により駆動される。そして、モータ26は、エンジン2のクランク軸2aの回転力をプーリ10、ベルト14およびプーリ18を介して受け、その受けた回転力を電気エネルギーに変換する。つまり、モータ26は、クランク軸2aの回転力により発電する。なお、モータ26が発電する場合には、2つの場合がある。1つは、エンジンシステム100が搭載されたハイブリッド自動車の通常走行時にエンジン2が駆動されることによりクランク軸2aの回転力を受けて発電する場合である。もう1つは、エンジン2は駆動されないが、ハイブリッド自動車の減速時に駆動輪の回転力がクランク軸2aに伝達され、その伝達された回転力を受けて、モータ26が発電する場合である。
【0041】
また、モータ26は、インバータ28によって駆動され、所定の出力をプーリ18へ出力する。そして、所定の出力は、エンジン2を始動するとき、ベルト14およびプーリ10を介してエンジン2のクランク軸2aへ伝達され、補機類22を駆動するとき、ベルト14およびプーリ16を介して補機類22へ伝達される。
【0042】
インバータ28は、エコランECU40からの制御によってバッテリ30からの直流電圧を交流電圧に変換し、その変換した交流電圧によってモータ26を駆動する。また、インバータ26は、エコランECU40からの制御によって、モータ26が発電した交流電圧を直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をバッテリ30およびDC/DCコンバータ32へ供給する。
【0043】
バッテリ30は、たとえば、36Vの直流電圧をインバータ28およびDC/DCコンバータ32へ出力する。DC/DCコンバータ32は、バッテリ30またはインバータ28から供給される直流電圧を降圧し、その降圧した直流電圧をバッテリ34に供給する。
【0044】
バッテリ34は、たとえば、12Vの直流電圧をスタータ36、電動油圧ポンプ38、点火系、メーター類、各ECUおよびその他へ供給する。スタータ36は、バッテリ34からの直流電圧によって駆動され、エコランECU40からの制御によってエンジン2を始動する。
【0045】
電動油圧ポンプ38は、オートマチックトランスミッション6に内蔵され、バッテリ34からの直流電圧を受けて駆動する。そして、電動油圧ポンプ38は、エンジンECU48からの制御によって、オートマチックトランスミッション6の内部に設けられた油圧制御部に対して作動油を供給する。なお、この作動油は、油圧制御部内のコントロールバルブにより、オートマチックミッション6内部のクラッチ、ブレーキおよびワンウェイクラッチの作動状態を調整し、シフト状態を必要に応じて切替える。
【0046】
エコランECU40は、電磁クラッチ10aのオン/オフの切替え、モータ26およびインバータ28のモード制御、スタータ36の制御およびバッテリ30,34の蓄電量制御を行なう。なお、モータ26およびインバータ28のモード制御とは、モータ26が発電機として機能する発電モードと、モータ26が駆動モータとして機能する駆動モードとを制御することを言う。また、エコランECU40からバッテリ30,34への制御線は図示されていない。
【0047】
また、エコランECU40は、モータ26に内蔵された回転数センサーからのモータ26の回転軸の回転数、エコランスイッチからの運転者によるエコランシステムの起動有無、その他のデータを検出する。
【0048】
燃料噴射弁42は、エンジンECU48からの制御によって、燃料の噴射を制御する。電動モータ44は、エンジンECU48からの制御によってスロットルバルブ46の開度を制御する。スロットルバルブ46は、電動モータ44によって所定の開度に設定される。
【0049】
エンジンECU48は、エンジン冷却用ウォータポンプを除く補機類22のオン/オフ制御、電動油圧ポンプ38の駆動制御、オートマチックトランスミッション6の変速制御、燃料噴射弁42による燃料噴射制御、電動モータ44によるスロットルバルブ46の開度制御、およびその他のエンジン制御を行なう。
【0050】
また、エンジンECU48は、水温センサーからのエンジン冷却水温、アイドルスイッチからのアクセルペダルの踏み込み有無状態、アクセル開度センサーからのアクセル開度、舵角センサーからのステアリングの操舵角、車速センサーからの車速、スロットル開度センサーからのスロットル開度、シフト位置センサーからのシフト位置、エンジン回転数センサーからのエンジン回転数、エアコンスイッチからのオン/オフ操作有無、およびその他のデータを検出する。
【0051】
VSC−ECU50は、ブレーキスイッチからのブレーキペダルの踏み込み有無状態、およびその他のデータを検出する。
【0052】
エコランECU40、エンジンECU48およびVSC−ECU50は、マイクロコンピュータを中心として構成され、内部のROM(Read Only Memory)に書き込まれているプログラムに応じてCPU(CentralProcessing Unit)が必要な演算処理を実行し、その演算結果に基づいて各種制御を実行する。これらの演算処理結果および検出されたデータは、エコランECU40、エンジンECU48およびVSC−ECU50間で相互にデータ通信が可能となっており、必要に応じてデータを交換して相互に連動して制御を実行することが可能である。
【0053】
図2は、バッテリ30、インバータ28およびモータ26の回路図を示す。図2を参照して、コンデンサC1は、電源ラインとアースラインとの間に接続される。インバータ28は、U相アーム28A、V相アーム28BおよびW相アーム28Cから成る。U相アーム28A、V相アーム28B、およびW相アーム28Cは、電源ラインとアースラインとの間に並列に設けられる。
【0054】
U相アーム28Aは、直列接続されたNPNトランジスタQ1,Q2から成り、V相アーム28Bは、直列接続されたNPNトランジスタQ3,Q4から成り、W相アーム28Cは、直列接続されたNPNトランジスタQ5,Q6から成る。また、各NPNトランジスタQ1〜Q6のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD1〜D6がそれぞれ接続されている。
【0055】
各相アームの中間点は、モータ26の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、モータ26は、3相の永久磁石モータであり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中点に共通接続されて構成され、U相コイルの他端がNPNトランジスタQ1,Q2の中間点に、V相コイルの他端がNPNトランジスタQ3,Q4の中間点に、W相コイルの他端がNPNトランジスタQ5,Q6の中間点にそれぞれ接続されている。
【0056】
バッテリ30は、36Vの直流電圧をコンデンサC1へ供給する。コンデンサC1は、バッテリ30からの直流電圧を平滑化してインバータ28へ出力する。インバータ28は、エコランECU40からの制御によって直流電圧を交流電圧に変換してモータ26を駆動する。より具体的には、インバータ28の各NPNトランジスタQ1〜Q6は、エコランECU40からの信号をゲート端子に受け、その受けた信号によりオン/オフされる。そして、インバータ28は、モータ26の各相に所定の電流を流してモータ26を駆動する。これにより、モータ26は、所定のトルクを出力する。
【0057】
また、モータ26の発電モード時、インバータ28は、エコランECU40からの制御によって、モータ26が発電した交流電圧を直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC1を介してバッテリ30に供給する。より具体的には、インバータ28の各NPNトランジスタQ1〜Q6は、エコランECU40からの信号をゲート端子に受け、その受けた信号によりスイッチング制御される。そして、インバータ28は、交流電圧を直流電圧に変換してバッテリ30を充電する。
【0058】
このように、インバータ28のNPNトランジスタQ1〜Q6は、モータ26の駆動モード時および発電モード時、エコランECU40からの信号によりスイッチング制御されるため発熱する。
【0059】
図3を参照して、モータ26は、ケース26aにより覆われている。ケース26aは、略円形形状の断面構造からなり、プーリ18に向かって直径が小さくなる傾斜部26cを一方端に有する。そして、ケース26aの傾斜部26cは、スリット26bを有する。スリット26bは、プーリ18が回転することにより発生した気流をケース26a内に導く。これにより、モータ26は、空冷される。
【0060】
スリット26bに隣接して絶縁物20がケース26aの傾斜部26c上に設置され、NPNトランジスタQ1〜Q6およびダイオードD1〜D6が絶縁物20上に設置される。
【0061】
すなわち、インバータ28は、モータ26のケース26aのプーリ18側に設けられた傾斜部26cに設置される。そして、インバータ28は、スリット26bに隣接して配置されるため、プーリ18が回転することにより発生された気流を受けて空冷される。
【0062】
NPNトランジスタQ1〜Q6は、それぞれ、ゲート線GL1〜GL6を介してエコランECU40に接続される。そして、NPNトランジスタQ1〜Q6は、エコランECU40からの信号をそれぞれゲート線GL1〜GL6を介して受け、スイッチング制御される。
【0063】
図4は、傾斜部26cにおけるU相アーム28Aの配置を示す。図4を参照して、絶縁物20上にNPNトランジスタQ1,Q2、ダイオードD1,D2およびバスバーBS0が配置される。NPNトランジスタQ1のエミッタQ1EおよびNPNトランジスタQ2のコレクタQ2Cは、バスバーBS0に接続される。また、NPNトランジスタQ1のコレクタQ1Cは、電源ラインとしてのバスバー(図示せず)に接続され、NPNトランジスタQ2のエミッタQ2Eは、アースラインとしてのバスバーに接続される。さらに、バスバーBS0は、モータ26のU相に接続されたモータコイル線(図示せず)と接続される。したがって、バスバーBS0は、NPNトランジスタQ1とNPNトランジスタQ2の中点に相当する。
【0064】
V相アーム28Bを構成するNPNトランジスタQ3,Q4およびダイオードD3,D4と、W相アーム28Cを構成するNPNトランジスタQ5,Q6およびダイオードD5,D6についてもU相アーム28Aを構成するNPNトランジスタQ1,Q2およびダイオードD1,D2と同じように接続される。
【0065】
図5は、図4のA−A線における断面図である。図5を参照して、ケース26aの傾斜部26c上には、スリット26bに隣接して絶縁物20が設置されている。そして、バスバーBS0、NPNトランジスタQ1およびダイオードD1が絶縁物20上に設置される。また、貫通穴60が傾斜部26c、絶縁物20およびバスバーBS0を貫通するように形成される。
【0066】
モータコイル線61は、その一方端がケース26aの内部から貫通穴60をとおり、先端がバスバーBS0より若干出るように設けられる。そして、半田62は、NPNトランジスタQ1のエミッタQ1E、モータコイル線61、バスバーBS0、およびNPNトランジスタQ2のコレクタQ2C(図示せず)を電気的に接続する。
【0067】
このように、インバータ28をケース26aの傾斜部26cに配置することにより、モータコイル線61をケース26aの内部から貫通穴60を介してインバータ28のU相アーム28A、V相アーム28BおよびW相アーム28Cの各々に接続することができる。その結果、インバータ28をケース26a上以外に設置する場合に比べ、モータコイル線61を短くすることができ、ケース26aとモータ26との間のスペースを利用してモータコイル線61を設置することができる。その結果、この発明によるモータ装置をコンパクト化できる。
【0068】
図6は、図3にバスバーBS1,BS2を追加した図である。図6を参照して、バスバーBS1は、電源ライン用のバスバーであり、バスバーBS2は、アースライン用のバスバーである。バスバーBS1は、NPNトランジスタQ1のコレクタ、NPNトランジスタQ3のコレクタおよびNPNトランジスタQ5のコレクタとそれぞれノードN1,N2,N3を介して接続され、バスバーBS2は、NPNトランジスタQ2のエミッタ、NPNトランジスタQ4のエミッタおよびNPNトランジスタQ6のエミッタとそれぞれノードN4,N5,N6を介して接続される。
【0069】
図7は、図6のB方向から見たインバータ28の断面図である。図7を参照して、NPNトランジスタQ1,Q3,Q5のコレクタQ1C,Q3C,Q5CおよびNPNトランジスタQ2,Q4,Q6のエミッタQ2E,Q4E,Q6Eは、空中でそれぞれバスバーBS1,BS2を受けるようにバスバーBS1,BS2に接続される。
【0070】
そして、図8に示すように、NPNトランジスタQ1〜Q6、ダイオードD1ンジスタQ1〜Q6のエミッタQ1E〜Q6E、バスバーBS0〜BS2および半田62は、樹脂63によりモールドされる。そして、樹脂63は、好ましくは、熱伝導性の高い樹脂からなる。インバータ28は、上述したように、スリット26bに近接して配置され、プーリ18によって発生された気流を受けるため、熱伝導性の高い樹脂によりモールドすることにより、NPNトランジスタQ1〜Q6のスイッチング制御により発生した熱を効果的に放熱できるからである。
【0071】
図9は、図3のA方向から見たプーリ18の断面図を示す。図9を参照して、プーリ18は、空洞部18a,18b,18c,18d,18eを備える。また、プーリ18は、モータ26の回転軸26dと結合され、回転軸26dの回転により回転する。そして、プーリ18が回転することにより空洞部18a,18b,18c,18d,18eは、気流を発生し、その発生した気流をプーリ18の向こう側に配置されたスリット26bおよびインバータ28に送る。
【0072】
これにより、スリット26bは、気流をケース26a内に取り込み、モータ26を空冷する。また、インバータ28は、プーリ18からの気流により空冷される。
【0073】
空洞部18a,18b,18c,18d,18eは、「ファン」を構成し、このファンは、プーリ18の回転に連動して気流を発生する。モータ26の回転、またはベルト14によって連結されたプーリ10,16の回転により、プーリ18は、回転するので、ファンは、モータ26、またはプーリ10,16の回転により気流を発生する。
【0074】
このように、インバータ28は、プーリ18の回転によって気流を受け、空冷されるので、インバータ28のNPNトランジスタQ1〜Q6のスイッチング制御により発生した熱は効果的に放熱される。
【0075】
再び、図1を参照して、エンジンシステム100の動作について説明する。エコランECU40は、自動停止処理、エンジン停止時モータ駆動処理、自動始動処理、モータ駆動発進始動処理、走行時モータ制御処理および減速時モータ制御処理を行なう。
【0076】
まず、自動停止処理について説明する。エンジンECU48は、エンジン冷却水温THW、アイドルスイッチ、バッテリ電圧30,34、ブレーキスイッチ、および車速SPD等を受ける。そして、エンジンECU48は、アイドルスイッチからアクセルペダルの踏み込み有無を検出し、ブレーキスイッチからブレーキペダルの踏み込み有無を検出する。
【0077】
そして、自動停止処理が開始されると、エンジン冷却水温THW、アクセルペダルの踏み込み有無、バッテリ30,34の電圧、ブレーキペダルの踏み込み有無、および車速SPD等がエコランECU40内部のRAM(Random Access Memory)の作業領域に読み込まれる。エコランECU40は、これらのデータに基づいて自動停止条件が満たされているか否かを判定する。なお、自動停止条件は、たとえば、エンジン冷却水温THWが下限値から上限値までの間にあること、および車速SPDが0km/hであること等が全て満たされた場合に成立する。
【0078】
そして、エコランECU40は、自動停止条件が満たされていると判定したとき、エンジン停止処理を行なう。より具体的には、エコランECU40は、エンジンECU48に対して燃料カットの指示を行ない、エンジンECU48は、燃料カットの指示に応じて燃料噴射を停止するように燃料噴射弁42を制御し、スロットルバルブ46を全閉状態にする。これにより、燃料噴射弁42は、燃料噴射を停止し、エンジン2の燃焼室内での燃焼が停止してエンジン2の運転は停止する。
【0079】
次に、エンジン停止時モータ駆動処理について説明する。エンジン停止時モータ駆動処理が開始されると、エコランECU40は、電磁クラッチ10aをオンし、モータ26の回転数をアイドル目標回転数に設定してモータ26を駆動するようにインバータ28を制御する。そうすると、インバータ28は、エコランECU40からの制御に応じて、回転数がアイドル目標回転数になるようにモータ26を駆動する。これにより、モータ26の回転軸26dが回転し、プーリ18も回転する。そして、プーリ18の空洞部18a,18b,18c,18d,18eからなるファンは、気流を発生し、その発生した気流をモータ26のケース26aのスリット26bおよびインバータ28へ送る。これにより、スリット26bは、気流をケース26a内部に取り込み、モータ26を空冷し、インバータ28は、気流を受けて空冷される。
【0080】
プーリ18に伝達された回転力は、ベルト14およびプーリ10を介してクランク軸2aへ伝達され、クランク軸2aがアイドル目標回転数で回転する。そして、エコランECU40は、エンジン2がアイドル目標回転数で回転する状態を一定時間維持したことを確認する。
【0081】
このように、エンジン2の停止時にモータ26の出力により、エンジン2をアイドル回転と同等の回転数で回転させることにより、スロットルバルブ46が全閉状態のエンジン2の気筒内圧力を十分に低下させることができる。そして、燃焼していないエンジン2の工程間の負荷トルクの差が小さくなり、回転におけるトルク変動が減少する。その結果、停止時の振動を抑制でき、エンジン2の自動停止時において運転者に違和感を与えることがない。
【0082】
また、モータ26の駆動によりプーリ18が回転し、空洞部18a,18b,18c,18d,18eからなるファンは気流を発生してモータ26およびインバータ28を空冷するので、エンジン2の停止中であってもモータ26およびインバータ28の急激な温度上昇を防止できる。
【0083】
その後、エコランECU40は、補機類22の駆動要求があるか否かを判定し、補機類22の駆動要求があると判定したとき、電磁クラッチ10aをオフし、モータ26を駆動モードにする。そして、この場合も、上述した動作によって、モータ26は、アイドル目標回転数で回転され、その回転力は、プーリ18、ベルト14およびプーリ16を介して補機類22へ伝達される。
【0084】
これにより、エアコン用コンプレッサおよびパワーステアリングポンプが駆動される。また、空洞部18a,18b,18c,18d,18eからなるファンは、気流を発生してモータ26およびインバータ28を空冷する。この場合、電磁クラッチ10aはオフされているので、エンジン2のクランク軸2aは回転せず、無駄な電力消費を防止して、燃費を向上させることができる。
【0085】
このように、エコランECU40は、エンジン2の停止中に、モータ26を駆動して、エンジン2のクランク軸2aを回転させて振動低減処理を行ない、または補機類22を駆動する。したがって、モータ26およびインバータ28は、エンジン2が停止しても、プーリ18から送られてくる気流により空冷される。
【0086】
次に、自動始動処理について説明する。自動始動処理が開始されると、エコランECU40は、自動停止処理時に読み込んだデータと同じデータを読み込んで自動始動条件が成立するか否かを判定する。より具体的には、エコランECU40は、自動停止条件の1つでも満足されなかった場合に自動始動条件が成立したと判定する。
【0087】
そして、エコランECU40は、自動始動条件が成立したと判定したとき、エンジン停止時モータ駆動処理を停止する。これにより、自動始動処理が終了する。
【0088】
次に、モータ駆動発進始動処理について説明する。モータ駆動発進始動処理が開始されると、エコランECU40は、エンジンECU48に対してエアコンのオンを禁止する指示を与える。そして、エンジンECU48は、エアコンがオンされていれば、エアコンの駆動を停止する。これにより、モータ26に生じる負荷を軽減できる。
【0089】
そして、エコランECU40は、電磁クラッチ10aをオンし、モータ26を駆動モードにする。そうすると、上述した動作と同じ動作によって、モータ26の回転力は、プーリ18、ベルト14およびプーリ10を介してクランク軸2aへ伝達され、クランク軸2aは、アイドル目標回転数で回転される。これにより、プーリ18も回転し、プーリ18の空洞部18a,18b,18c,18d,18eからなるファンは、気流を発生し、その発生した気流をモータ26のケース26aのスリット26bおよびインバータ28へ送る。これにより、スリット26bは、気流をケース26a内部に取り込み、モータ26を空冷し、インバータ28は、気流を受けて空冷される。
【0090】
そうすると、エコランECU40は、エンジン2の回転数がアイドル目標回転数に達したか否かを判定し、エンジン2の回転数がアイドル目標回転数に達すると、燃料噴射開始の指示をエンジンECU48に与える。そして、エンジンECU48は、燃料を噴射するように燃料噴射弁42を制御し、燃料噴射弁42は、燃料の噴射を開始する。これにより、エンジン2は、始動し、運転を開始する。
【0091】
なお、この場合、エンジン2は、アイドル目標回転数での燃料噴射となるので、迅速に始動されるとともに、早期に安定したエンジン回転に到達する。また、燃料噴射に到るまでは、モータ26の出力によりエンジン2のクランク軸2aが回転されるので、非ロックアップ状態のトルクコンバータ4により生じるクリープ力により発進を開始できる。
【0092】
このように、モータ駆動発進始動処理時、モータ26が駆動モードにより駆動され、プーリ18の空洞部18a,18b,18c,18d,18eからなるファンは、気流を発生してモータ26およびインバータ28を空冷する。したがって、モータ駆動発進始動処理時においても、モータ26およびインバータ28の急激な温度上昇を防止できる。
【0093】
次に、走行時モータ制御処理について説明する。走行時モータ制御処理が開始されると、エコランECU40は、モータ駆動発進始動処理によってエンジン2の始動が完了したか否かを判定し、エンジン2の始動が完了していると判定したとき、モータ駆動発進始動処理を停止する。そして、エコランECU40は、エアコンのオンを許可する指示をエンジンECU48に与える。これにより、エンジンECU48は、エアコンのスイッチがオンされていれば、エアコン用コンプレッサがプーリ16の回転に連動するように切り替えて、エアコンを駆動できる。
【0094】
その後、エコランECU40は、車両減速時か否かを判定する。ここで、車両減速時とは、たとえば、走行時にアクセルペダルが完全に戻された状態、すなわち、走行時にアイドルスイッチがオンである場合を言う。したがって、エコランECU40は、アイドルスイッチがオフされていれば、車両減速時以外と判定し、電磁クラッチ10aをオンし、モータ26を発電モードに設定する。
【0095】
そうすると、エンジン2のクランク軸2aの回転力は、プーリ10、ベルト14およびプーリ18を介してモータ26の回転軸に伝達される。そして、モータ26は発電し、交流電圧をインバータ28へ出力する。インバータ28は、エコランECU40からの制御に従って、交流電圧を直流電圧に変換してバッテリ30およびDC/DCコンバータ32へ供給し、DC/DCコンバータ32は、直流電圧を降圧してバッテリ34を充電する。また、プーリ18は回転し、空洞部18a,18b,18c,18d,18eからなるファンは気流を発生し、モータ26およびインバータ28を空冷する。これにより、走行時モータ制御処理が終了する。
【0096】
このように、通常走行時、モータ26は発電モードにより駆動され、エンジン2の回転力が電気エネルギーに変換される。そして、通常走行時においても、プーリ18が回転することにより、気流が発生し、モータ26およびインバータ28が空冷される。
【0097】
一方、エコランECU40が車両減速時であると判定したとき、減速時モータ制御処理が行われる。最後に減速時モータ制御処理について説明する。減速時モータ制御処理が開始されると、エコランECU40は、車両減速時の燃料カットが終了したか否かを判定する。車両減速時であると判定される条件下では、エンジンECU48が実行する減速時燃料カット処理により、エンジン2の回転数が燃料噴射復帰を判定する復帰基準回転数(すなわち、アイドル目標回転数)に低下するまでは、エンジン2への燃料噴射が停止される。
【0098】
そして、エンジンの回転数が復帰基準回転数まで低下すると、トルクコンバータ4がロックアップ状態から非ロックアップ状態に切り替えられるとともに、燃料噴射を再開してエンジン回転数の落ち込みによるエンジンストールが防止される。
【0099】
車両減速時の燃料カット中であれば、エコランECU40は、電磁クラッチ10aをオンして、通常の発電電圧よりも高い発電電圧での発電にモータ26を設定する。これにより、エンジン2は運転されていないが、車輪の回転によりエンジン2のクランク軸2aが回転され、このクランク軸2aの回転がプーリ10、ベルト14およびプーリ18を介してモータ26に伝達される。そして、モータ26は交流電圧を発電する。したがって、車両の走行エネルギーが電力として回収される。すなわち、この場合のモータ26の発電モードは、回生モードに該当する。また、プーリ18が回転することにより、空洞部18a,18b,18c,18d,18eからなるファンは、気流を発生してモータ26およびインバータ28を空冷する。したがって、回生モードにおいても、モータ26およびインバータ28の急激な温度上昇を防止できる。
【0100】
エンジン回転数が復帰基準回転数まで低下すると、エンジンECU48は、燃料カット処理を終了する。そして、エコランECU40は、エンジン回転数がエンジンストール基準回転数よりも小さいか否かを判定する。エンジンストール基準回転数は、復帰基準回転数よりも小さい値である。また、このエンジン回転数がエンジンストール基準回転数よりも小さいか否かの判定は、燃料噴射再開にもかかわらず、エンジン回転数が大きく低下してエンジンストールに至るおそれのある状況を判定するためである。
【0101】
エコランECU40は、エンジン回転数がエンジンストール基準回転数よりも大きいと判定したとき、モータ26は停止される。一方、エコランECU40は、エンジン回転数がエンジンストール基準回転数よりも小さいと判定したとき、電磁クラッチ10aをオンし、エンジン回転数がアイドル目標回転数になるようにモータ26を駆動する。
【0102】
これにより、モータ26の回転力は、プーリ18、ベルト14およびプーリ10を介してクランク軸2aに伝達され、クランク軸2aが回転する。そして、エコランECU40は、エンジン回転数がアイドル目標回転数に達したと判定したとき、モータ26は停止される。
【0103】
このように、減速時の燃料カット処理後に、エンジン2が燃料カットからエンジン運転に復帰することが困難となった場合には、モータ26によりエンジン回転数を持ち上げることにより、エンジンストールを防止する。そして、このエンジン回転数の持ち上げ動作中も、プーリ18が回転することにより、空洞部18a,18b,18c,18d,18eからなるファンは、気流を発生してモータ26およびインバータ28を空冷する。したがって、エンジン回転数の持ち上げ動作中においても、モータ26およびインバータ28の急激な温度上昇を防止できる。
【0104】
なお、エンジン冷間始動時には、エコランECU40は、運転者のイグニッションスイッチの操作に応じてスタータ36を制御し、スタータ36がエンジン2の始動を行なう。
【0105】
上述したように、エンジンシステム100は、各制御処理においてプーリ18がモータ26またはクランク軸2aにより回転され、空洞部18a,18b,18c,18d,18eからなるファンは、気流を発生してモータ26およびインバータ28を空冷する。その結果、モータ26およびインバータ28の急激な温度上昇を抑えることができる。
【0106】
なお、空洞部18a,18b,18c,18d,18eからなるファン、プーリ18、モータ26、およびインバータ28は、「モータ装置」を構成する。
【0107】
また、インバータ28は、スイッチング素子を含み、モータの発電モードおよび/または駆動モードにおいて所定の動作を行なう「電気回路」を構成する。
【0108】
実施の形態1によれば、モータを駆動するインバータは、モータのケースの一方端に設けられた傾斜部に設置され、モータの回転軸に連結されたプーリは、モータの回転軸の回転に連動して気流を発生し、インバータを空冷するので、スペースを有効に利用でき、かつ、インバータを冷却できる。また、インバータを冷却するファンを別途設けなくてもよく、コストを低減できる。
【0109】
[実施の形態2]
図10を参照して、実施の形態2によるモータ装置を備えるエンジンシステム100Aは、エンジンシステム100におけるDC/DCコンバータ32をさらにモータ26の一方端に設置したものであり、その他は、エンジンシステム100と同じである。
【0110】
図11は、モータ26、インバータ28、バッテリ30,34およびDC/DCコンバータ32の回路図を示す。モータ26、インバータ28およびバッテリ30の回路図については、実施の形態1において説明したとおりである。
【0111】
図11を参照して、DC/DCコンバータ32は、NPNトランジスタ251と、トランス252,253と、ダイオード254,255と、コイル256とを含む。
【0112】
電源ライン31は、ノードN7に接続され、アースライン33は、ノードN8に接続される。つまり、DC/DCコンバータ32は、ノードN7,N8を介してコンデンサC1の両端の電圧を受ける。
【0113】
NPNトランジスタ251は、電源ライン31とトランス252との間に接続される。より具体的には、NPNトランジスタ251のコレクタが電源ライン31に接続され、NPNトランジスタ251のエミッタがトランス252に接続される。
【0114】
トランス252は、その一方端がNPNトランジスタ251に接続され、他方端がアースライン33に接続される。トランス253は、トランス252に対向して設けられる。ダイオード254は、トランス253からコイル256へ出力電流Ioを流すようにトランス253とコイル256との間に接続される。
【0115】
ダイオード255は、ダイオード254とコイル256との間のノードN9からトランス253の低圧側への電流を阻止するようにトランス253とノードN9との間に接続される。コイル256は、ダイオード254とバッテリ34との間に接続される。
【0116】
コンデンサ260は、コイル256の出力側と接地ノード261との間に接続され、コイル256からの出力電圧を平滑化してバッテリ34に供給する。
【0117】
NPNトランジスタ251がオンされると、電源ライン31、NPNトランジスタ251、トランス252およびアースライン33の経路で入力電流Iinが流れる。そして、トランス252,253は、巻線比に応じて入力電圧Vinを降圧して出力電圧Voを出力する。
【0118】
DC/DCコンバータ32の二次側では、トランス253、ダイオード254、コイル256、バッテリ34、および接地ノード261の経路で出力電流Ioが流れる。
【0119】
NPNトランジスタ251がオン/オフされる割合、つまり、デューティー比に応じて、入力電流Iinが変化し、トランス252に印加される電圧が変化する。すなわち、NPNトランジスタ251のデューティー比が大きくなると、入力電流Iinが増加し、トランス252に印加される電圧が増加する。また、NPNトランジスタ251のデューティー比が小さくなると、入力電流Iinが減少し、トランス252に印加される電圧が減少する。
【0120】
そして、トランス252,253は、トランス252に印加される電圧を、その電圧レベルに応じて降圧するので、DC/DCコンバータ32の二次側の出力電圧Voは、トランス252に印加される電圧に応じて変化する。
【0121】
このように、DC/DCコンバータ32は、バッテリ30からの直流電圧、またはモータ26によって発電され、かつ、インバータ28によって変換された直流電圧をノードN7,N8を介して受ける。そして、DC/DCコンバータ32は、その受けた直流電圧をNPNトランジスタ251のデューティー比およびトランス252,253の巻線比に応じて降圧し、その降圧した直流電圧をバッテリ34および点火系等の各ECUへ供給する。
【0122】
図12は、図10に示すプーリ18の断面図である。プーリ18自体の断面構造については実施の形態1において説明したとおりである。図12を参照して、エンジンシステム100Aにおいては、インバータ28およびDC/DCコンバータ32がモータ26のケース26aのスリット26bに近接して配置される。また、DC/DCコンバータ32は、回転軸26dに対してインバータ28の反対側に配置される。
【0123】
プーリ18が回転することにより、空洞部18a,18b,18c,18d,18eからなるファンは、気流を発生し、その発生した気流をスリット26b、インバータ28およびDC/DCコンバータ32へ送る。したがって、DC/DCコンバータ32も、プーリ18が回転することにより発生された気流により空冷される。
【0124】
上述したように、DC/DCコンバータ32は、オン/オフされるNPNトランジスタ251を含むため熱を発する。そこで、DC/DCコンバータ32をインバータ28と同じようにスリット26bに近接して配置することにより、デッドスペースを有効利用するとともに、DC/DCコンバータ32の急激な温度上昇を防止することにしたものである。
【0125】
図13を参照して、絶縁物20がモータ26のケース26aの傾斜部26c上に設けられる。そして、NPNトランジスタ251およびトランス252,253が絶縁物20上に設けられる。NPNトランジスタ251のコレクタ251Cは、電源ライン31としてのバスバーBS1に接続され、NPNトランジスタ251のエミッタ251Eは、トランス252の一方端に接続される。また、NPNトランジスタ251のゲート251Gは、エコランECU40に接続される。
【0126】
トランス252の他方端は、アースライン33としてのバスバーBS2に接続される。トランス253は、配線35,37に接続され、降圧した直流電圧を配線35,37を介してバッテリ34および点火系等の各ECUへ供給する。
【0127】
なお、バスバーBS1,BS2は、DC/DCコンバータ32の反対側に配置されたインバータ28にも接続されている。
【0128】
上述したように、インバータ28およびDC/DCコンバータ32をモータ26のケース26aの一方端に配置することにより、デッドスペースを有効利用してエンジンシステム100Aをコンパクト化できるとともに、インバータ28およびDC/DCコンバータ32を効果的に空冷できる。
【0129】
上記においては、インバータ28およびDC/DCコンバータ32がモータ26のケース26aの一方端に配置されると説明したが、この実施の形態2においては、DC/DCコンバータ32のみをモータ26のケース26aの一方端に配置してもよい。
【0130】
なお、空洞部18a,18b,18c,18d,18eからなるファン、プーリ18、モータ26、インバータ28およびDC/DCコンバータ32は、「モータ装置」を構成する。
【0131】
また、インバータ28および/またはDC/DCコンバータ32は、スイッチング素子を含み、モータの発電モードおよび/または駆動モードにおいて所定の動作を行なう「電気回路」を構成する。
【0132】
その他は、実施の形態1と同じである。
実施の形態2によれば、モータを駆動するインバータおよび直流電圧を降圧して負荷へ供給するDC/DCコンバータは、モータのケースの一方端に設けられた傾斜部に設置され、モータの回転軸に連結されたプーリは、モータの回転軸の回転に連動して気流を発生し、インバータおよびDC/DCコンバータを空冷するので、スペースを有効に利用でき、かつ、インバータおよびDC/DCコンバータを冷却できる。また、インバータおよび/またはDC/DCコンバータを冷却するファンを別途設けなくてもよく、コストを低減できる。
【0133】
[実施の形態3]
図14を参照して、実施の形態3によるモータ装置を備えるエンジンシステム100Bは、エンジンシステム100のバッテリ30をバッテリ30Aに代え、昇圧コンバータ23をモータ26の一方端に追加したものであり、その他は、エンジンシステム100と同じである。
【0134】
図15は、バッテリ30A、昇圧コンバータ23、インバータ28、モータ26、DC/DCコンバータ32およびバッテリ34の回路図を示す。インバータ28およびモータ26については、実施の形態1において説明したとおりである。
【0135】
図15を参照して、昇圧コンバータ23は、リアクトルL1と、NPNトランジスタQ7,Q8と、ダイオードD7,D8とを含む。リアクトルL1の一方端はバッテリ30Aの電源ラインに接続され、他方端はNPNトランジスタQ7とNPNトランジスタQ8との中間点、すなわち、NPNトランジスタQ7のエミッタとNPNトランジスタQ8のコレクタとの間に接続される。NPNトランジスタQ7,Q8は、電源ラインとアースラインとの間に直列に接続される。そして、NPNトランジスタQ7のコレクタは電源ラインに接続され、NPNトランジスタQ8のエミッタはアースラインに接続される。また、各NPNトランジスタQ7,Q8のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD7,D8が接続されている。
【0136】
バッテリ30Aは、直流電圧を出力する。コンデンサC2は、バッテリ30Aから出力された直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧を昇圧コンバータ23に供給する。
【0137】
昇圧コンバータ23は、エコランECU40からの制御に従ってコンデンサC2からの直流電圧を昇圧し、その昇圧した直流電圧をコンデンサC1に供給する。
【0138】
また、昇圧コンバータ23は、モータ26によって発電され、インバータ28によって変換された直流電圧を、エコランECU40からの制御に従って降圧してバッテリ30AまたはDC/DCコンバータ32へ供給する。
【0139】
DC/DCコンバータ32は、バッテリ30Aから出力された直流電圧または昇圧コンバータ23により降圧された直流電圧を、さらに降圧してコンデンサC3に供給する。コンデンサC3は、DC/DCコンバータ32によって降圧された直流電圧を平滑化して負荷39およびバッテリ34に供給する。この負荷39は、点火系およびメーター類等の各ECU、およびスタータ36である。
【0140】
図16は、図14に示すプーリ18の断面図である。プーリ18自体の断面構造については実施の形態1において説明したとおりである。図16を参照して、エンジンシステム100Bにおいては、インバータ28および昇圧コンバータ23がモータ26のケース26aのスリット26bに近接して配置される。
【0141】
より具体的には、リアクトルL1は、スリット26bの上側に配置される。そして、NPNトランジスタQ7,Q8(ダイオードD7,D8を含む。)は、スリット26bに近接して配置される。また、昇圧コンバータ23のNPNトランジスタQ7,Q8は、回転軸26dに対してインバータ28の反対側に配置される。
【0142】
プーリ18が回転することにより、空洞部18a,18b,18c,18d,18eからなるファンは、気流を発生し、その発生した気流をスリット26b、インバータ28および昇圧コンバータ23へ送る。したがって、昇圧コンバータ23も、プーリ18が回転することにより発生された気流により空冷される。
【0143】
上述したように、昇圧コンバータ23は、オン/オフされるNPNトランジスタQ7,Q8を含むため熱を発する。また、リアクトルL1は、ギャップを有するコアと、コアに巻回されたコイルとから成り、電流がコイルに流れることにより発熱する。そこで、昇圧コンバータ23をインバータ28と同じようにスリット26bに近接して配置することにより、デッドスペースを有効利用するとともに、昇圧コンバータ23の急激な温度上昇を防止することにしたものである。
【0144】
図17を参照して、ケース26aの傾斜部26cにおける昇圧コンバータ23の配置について説明する。リアクトルL1は、コア110と、コイル112とから成る。コイル112は、コア110に巻回される。そして、リアクトルL1は、スリット26bの上側に配置されるように(図17の(b)参照)、ブラケット108によってケース26aの傾斜部26cに固定される(図17の(a)参照)。
【0145】
絶縁物20が傾斜部26c上に配置され、NPNトランジスタQ7,Q8(ダイオードD7,D8を含む。)およびバスバーBS3が絶縁物20上に配置される。
【0146】
そして、NPNトランジスタQ7のエミッタQ7EおよびNPNトランジスタQ8のコレクタは、バスバーBS3に接続される。また、NPNトランジスタQ7のコレクタQ7Cは、バスバーBS1に接続され、NPNトランジスタQ8のエミッタQ8Eは、バスバーBS2に接続される。さらに、ゲート線GL7,GL8は、エコランECU40に接続される。
【0147】
バスバーBS1,BS2は、昇圧コンバータ23の反対側に配置されたインバータ28にも接続される。コイル112の一方端114は、バッテリ30Aの正極に接続され、他方端116は、バスバーBS3に接続される。
【0148】
モータ26が駆動モータとして機能するとき、昇圧コンバータ23は、バッテリ30Aからの直流電圧をNPNトランジスタQ8のオンデューティーに応じて昇圧し、その昇圧した直流電圧を反対側に配置されたインバータ28に供給する。そして、インバータ28は、昇圧コンバータ23からの直流電圧を、上述した動作によって交流電圧に変換してモータ26を駆動する。
【0149】
モータ26が駆動されると、それに連動してプーリ18が回転し、空洞部18a,18b,18c,18d,18eからなるファンは、昇圧コンバータ23およびインバータ28へ流れる気流を発生する。これにより、昇圧コンバータ23およびインバータ28は空冷される。
【0150】
また、モータ26が発電機として機能するとき、昇圧コンバータ23は、モータ26によって発電され、インバータ28によって変換された直流電圧を降圧してバッテリ30AまたはDC/DCコンバータ32へ供給する。
【0151】
モータ26は、プーリ18により回転軸を回転されることにより発電するため、モータ26が発電機として機能しているとき、空洞部18a,18b,18c,18d,18eからなるファンは、昇圧コンバータ23およびインバータ28へ流れる気流を発生し、昇圧コンバータ23およびインバータ28は空冷される。
【0152】
このように、モータ26が駆動されるとき、昇圧コンバータ23およびインバータ28は空冷される。
【0153】
上記においては、昇圧コンバータ23およびインバータ28をモータ26のケース26aの一方端に配置すると説明したが、この実施の形態3においては、昇圧コンバータ23のみをモータ26のケース26aの一方端に配置してもよい。
【0154】
また、昇圧コンバータ23、インバータ28およびDC/DCコンバータ32をモータ26のケース26aの一方端に配置してもよい。
【0155】
また、空洞部18a,18b,18c,18d,18eからなるファン、プーリ18、モータ26、インバータ28、昇圧コンバータ23およびDC/DCコンバータ32は、「モータ装置」を構成する。
【0156】
さらに、インバータ28、昇圧コンバータ23およびDC/DCコンバータ32の中なら任意に選択した少なくとも1つは、スイッチング素子を含み、モータの発電モードおよび/または駆動モードにおいて所定の動作を行なう「電気回路」を構成する。
【0157】
その他は、実施の形態1と同じである。
実施の形態3によれば、モータを駆動するインバータ、直流電圧を昇圧してインバータへ供給する昇圧コンバータは、モータのケースの一方端に設けられた傾斜部に設置され、モータの回転軸に連結されたプーリは、モータの回転軸の回転に連動して気流を発生し、インバータおよび昇圧コンバータを空冷するので、スペースを有効に利用でき、かつ、インバータおよび昇圧コンバータを冷却できる。また、インバータおよび/または昇圧コンバータを冷却するファンを別途設けなくてもよく、コストを低減できる。
【0158】
上記の実施の形態1〜実施の形態3においては、昇圧コンバータ23、インバータ28およびDC/DCコンバータ32をモータのケースの一方端に設置する例を説明したが、この発明は、これらの電気回路に限らず、一般的には、スイッチング素子を含み、モータの各駆動モードにおいて所定の動作を行なう電気回路をモータのケースの一方端(デッドスペース)に配置するものであればよい。
【0159】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1によるモータ装置を備えたエンジンシステムの概略ブロック図である。
【図2】図1に示すバッテリ、インバータおよびモータの回路図である。
【図3】図1に示すプーリ、モータのケースおよびインバータの配置図である。
【図4】モータのケースの傾斜部におけるインバータのU相アームの配置図である。
【図5】図4のA−A線における断面図である。
【図6】図3に2つのバスバーを追加した図である。
【図7】図6のB方向から見た断面図である。
【図8】図6のB方向から見た断面図である。
【図9】図3のA方向から見た断面図である。
【図10】この発明の実施の形態2によるモータ装置を備えたエンジンシステムの概略ブロック図である。
【図11】図10に示す2つのバッテリ、インバータ、交流モータおよびDC/DCコンバータの回路図である。
【図12】図10に示すプーリの断面図である。
【図13】図10に示すプーリ、モータのケースおよびDC/DCコンバータの配置図である。
【図14】この発明の実施の形態3によるモータ装置を備えたエンジンシステムの概略ブロック図である。
【図15】図14に示す2つのバッテリ、昇圧コンバータ、インバータ、モータおよびDC/DCコンバータの回路図である。
【図16】図14に示すプーリの断面図である。
【図17】図14に示すプーリ、モータのケースおよび昇圧コンバータの配置図である。
【図18】従来のエンジンシステムのブロック図である。
【符号の説明】
2 エンジン、2a,351 クランク軸、4 トルクコンバータ、6 オートマチックトランスミッション、6a 出力軸、10,16,18,340,370,380 プーリ、10a 電磁クラッチ、14,390 ベルト、18a,18b,18c,18d,18e 空洞部、20 絶縁物、22,360 補機類、23 昇圧コンバータ、26 モータ、26a ケース、26b スリット、26c 傾斜部、26d 回転軸、28,320 インバータ、28A U相アーム、28B V相アーム、28C W相アーム、30,30A,34,310 バッテリ、31 電源ライン、32 DC/DCコンバータ、33 アースライン、35,37 配線、36 スタータ、38 電動油圧ポンプ、39 負荷、40 エコランECU、42 燃料噴射弁、44 電動モータ、46スロットルバルブ、48 エンジンECU、50 VSC−ECU、60 貫通穴、61 モータコイル線、62 半田、63 樹脂、100,100A,100B,300 エンジンシステム、110 コア、112 コイル、114 一方端、116 他方端、251,Q1〜Q8 NPNトランジスタ、252,253トランス、254,255,D1〜D8 ダイオード、260,C1,C2,C3 コンデンサ、256 コイル、261 接地ノード、330 モータジェネレータ、GL1〜GL8 ゲート線、BS0,BS1,BS2 バスバー、L1 リアクトル。
【発明の属する技術分野】
この発明は、モータ装置に関し、特に、発熱体を効果的に冷却するモータ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、環境に配慮した自動車としてエコノミーランニングシステム(エンジン自動始動停止システム)を搭載した自動車あるいはハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle)が大きな注目を集めている。そして、このような自動車は、一部、実用化されている。
【0003】
このハイブリッド自動車は、従来のエンジンに加え、直流電源とインバータとインバータによって駆動されるモータとを動力源とする自動車である。つまり、エンジンを駆動することにより動力源を得るとともに、直流電源からの直流電圧をインバータによって交流電圧に変換し、その変換した交流電圧によりモータを回転することによって動力源を得るものである。
【0004】
また、エコノミーランニングシステムを搭載した自動車は、図18に示すようなエンジンシステム300を搭載している(特開2002−155773号公報参照)。図18を参照して、エンジンシステム300は、バッテリ310と、インバータ320と、モータジェネレータ330と、プーリ340,370,380と、エンジン350と、補機類360と、ベルト390と、電磁クラッチ400とを備える。
【0005】
バッテリ310は、直流電圧を出力する。インバータ320は、制御装置(図示せず)からの制御に基づいて、バッテリ310からの直流電圧を交流電圧に変換してモータジェネレータ330を駆動する。
【0006】
モータジェネレータ330は、エンジン350に近接して配置され、インバータ320によって駆動される。そして、モータジェネレータ330は、必要に応じて発電機または駆動モータとして機能する。
【0007】
プーリ340は、モータジェネレータに連結される。エンジン350は、エンジンシステム300が搭載された自動車の走行用トルクを発生し、その発生した走行用トルクを駆動輪へ伝達する。
【0008】
補機類360は、たとえば、エアコン用コンプレッサ、パワーステアリングポンプおよびエンジン冷却用ウォータポンプ等からなる。プーリ370は、電磁クラッチ400を介してエンジン350のクランク軸351に連結される。プーリ380は、補機類360に連結される。ベルト390は、プーリ340,370,380を相互に連結する。電磁クラッチ400は、制御装置(図示せず)からの制御に基づいて、プーリ370をクランク軸351に連結したり、プーリ370をクランク軸351から遮断したりする。
【0009】
モータジェネレータ330が発電機として機能する場合、電磁クラッチ400は、制御装置からの制御によってプーリ370をクランク軸351に連結する。そして、エンジン350からの回転力がプーリ370、ベルト390およびプーリ340を介してモータジェネレータ330へ伝達され、モータジェネレータ330は、エンジン350からの回転力を電気エネルギーに変換して交流電圧を発電する。
【0010】
そうすると、インバータ320は、制御装置からの制御によって、モータジェネレータ330が発電した交流電圧を直流電圧に変換してバッテリ310を充電する。
【0011】
また、モータジェネレータ330が駆動モータとして機能する場合、インバータ320は、制御装置からの制御によって、バッテリ310からの直流電圧を交流電圧に変換してモータジェネレータ330を駆動する。そして、モータジェネレータ330は、所定のトルクを発生し、その発生したトルクを出力する。
【0012】
モータジェネレータ330から出力されたトルクは、プーリ340およびベルト390を介してエンジン350または補機類360に伝達される。より具体的には、エンジンシステム300が搭載された自動車のエンジン自動始動時または車両発進時、電磁クラッチ400は、オンされてプーリ370をクランク軸351に連結する。そして、モータジェネレータ330から出力されたトルクは、プーリ340、ベルト390、プーリ370および電磁クラッチ400を介してエンジン350に伝達される。
【0013】
また、エンジン350の停止時、電磁クラッチ400は、オフされてプーリ370をクランク軸351から遮断する。そして、モータジェネレータ330から出力されたトルクは、プーリ340、ベルト390、およびプーリ380を介して補機類360に伝達される。
【0014】
このように、モータジェネレータ330は、発電機として機能したり、エンジン350または補機類360を駆動する駆動モータとして機能する。このようなエンジンシステム300は、従来の内燃機関のみを駆動力源とする自動車だけでなく、種々のハイブリッド自動車にも適宜適用できるものである。
【0015】
【特許文献1】
特開2002−155773号公報
【0016】
【特許文献2】
特開平9−252563号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、インバータとモータジェネレータとを接続するパワーケーブルは、搭載スペースが大きいため、インバータの配置位置によっては、モータジェネレータおよびインバータを配置するためのスペースが大きくなるという問題がある。
【0018】
また、インバータは、発熱するため、インバータを冷却するための冷却システムが必要になり、コストが高くなるという問題がある。
【0019】
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、コンパクト、かつ、冷却効果が高いモータ装置を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
この発明によれば、モータ装置は、モータと、プーリと、ファンと、電気回路とを備える。プーリは、モータにより回動され、無端部材を介して他の負荷類を動作させる。ファンは、プーリが回転することにより気流を発生する。電気回路は、スイッチング素子を含み、モータの発電モードおよび/または駆動モードにおいて所定の動作を行なう。そして、電気回路は、モータのケースの一方端に配置され、ファンによって発生された気流を受ける。
【0021】
好ましくは、電気回路は、さらに、ケースに設けられたスリットに近接して配置される。
【0022】
好ましくは、電気回路は、モータを駆動する駆動回路である。
好ましくは、電気回路は、モータを駆動するための直流電圧を電圧変換して補機に供給する電圧変換器である。
【0023】
好ましくは、電気回路は、駆動回路と、電圧変換器とを含む。駆動回路は、モータを駆動する。電圧変換器は、駆動回路に入力される入力電圧を電圧変換して補機に供給する。
【0024】
好ましくは、電気回路は、直流電源からの第1の直流電圧を電圧変換してモータを駆動するための第2の直流電圧を出力する電圧変換器である。
【0025】
好ましくは、電気回路は、駆動回路と、電圧変換器とを含む。駆動回路は、モータを駆動する。電圧変換器は、直流電源からの第1の直流電圧を第2の直流電圧に電圧変換して駆動回路に供給する。
【0026】
好ましくは、電圧変換器は、リアクトルと、第1および第2のスイッチング素子とを含む。第1および第2のスイッチング素子は、リアクトルに流れる直流電流をスイッチング制御し、第1の直流電圧を第2の直流電圧に電圧変換して駆動回路に供給する。そして、リアクトルは、スリットを取り巻くように配置され、第1および第2のスイッチング素子は、スリットに近接して配置される。
【0027】
好ましくは、モータは、内燃機関の近傍に配置され、内燃機関により駆動される負荷類を無端部材を介して駆動する。
【0028】
好ましくは、内燃機関は、エコノミーランニングシステムに従って駆動される。
【0029】
この発明においては、モータが駆動されると、そのモータの駆動に連動してプーリが回転し、ファンが気流を発生する。そして、ファンにより発生された気流は電気回路を空冷する。また、電気回路は、モータの発電モードおよび/または駆動モードにおいて所定の動作を行ない、デッドスペースに配置される。
【0030】
したがって、この発明によれば、スペースを有効に活用してモータ装置をコンパクト化できる。また、電気回路を空冷するファンを別途設ける必要がないので低コストなモータ装置を実現できる。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0032】
[実施の形態1]
図1を参照して、この発明の実施の形態1によるモータ装置を備えるエンジンシステム100は、エンジン2と、トルクコンバータ4と、オートマチックトランスミッション6と、プーリ10,16,18と、電磁クラッチ10aと、ベルト14と、補機類22と、モータ26と、インバータ28と、バッテリ30,34と、DC/DCコンバータ32と、スタータ36と、電動油圧ポンプ38と、エコランECU(Electrical Control Unit)40と、燃料噴射弁42と、電動モータ44と、スロットルバルブ46と、エンジンECU48と、VSC(Vehicle Stability Control)−ECU50とを備える。
【0033】
モータ26は、エンジン2に近接して配置される。インバータ28は、後に詳述するように、モータ26のプーリ18側の一方端に配置される。
【0034】
エンジン2は、モータ26またはスタータ36によって始動され、所定の出力を発生する。そして、エンジン2は、発生した出力をクランク軸2aからトルクコンバータ4またはプーリ10へ出力する。
【0035】
トルクコンバータ4は、クランク軸2aからのエンジン2の回転をオートマチックトランスミッション6に伝達する。オートマチックトランスミッション6は、自動変速制御を行ない、トルクコンバータ4からのトルクを変速制御に応じたトルクに設定して出力軸6aへ出力する。
【0036】
プーリ10は、電磁クラッチ10aを内蔵しており、電磁クラッチ2aを介してエンジン2のクランク軸2aに連結される。また、プーリ10は、ベルト14を介してプーリ16,18と連動する。
【0037】
電磁クラッチ10aは、エコランECU40からの制御によってオン/オフされ、プーリ10をクランク軸2aに連結/遮断する。ベルト14は、プーリ10,16,18を相互に連結する。プーリ16は、補機類22の回転軸に連結される。
【0038】
プーリ18は、モータ26の回転軸に連結され、モータ26またはエンジン2のクランク軸2aによって回動されると、モータ26の方向へ流れる気流を発生する。プーリ18が気流を発生する機構については後述する。
【0039】
補機類22は、エアコン用コンプレッサ、パワーステアリングポンプおよびエンジン冷却用ウォータポンプの1つまたは複数からなる。そして、補機類22は、モータ26からの出力をプーリ18、ベルト14およびプーリ16を介して受け、その受けた出力により駆動される。
【0040】
モータ26は、インバータ28により駆動される。そして、モータ26は、エンジン2のクランク軸2aの回転力をプーリ10、ベルト14およびプーリ18を介して受け、その受けた回転力を電気エネルギーに変換する。つまり、モータ26は、クランク軸2aの回転力により発電する。なお、モータ26が発電する場合には、2つの場合がある。1つは、エンジンシステム100が搭載されたハイブリッド自動車の通常走行時にエンジン2が駆動されることによりクランク軸2aの回転力を受けて発電する場合である。もう1つは、エンジン2は駆動されないが、ハイブリッド自動車の減速時に駆動輪の回転力がクランク軸2aに伝達され、その伝達された回転力を受けて、モータ26が発電する場合である。
【0041】
また、モータ26は、インバータ28によって駆動され、所定の出力をプーリ18へ出力する。そして、所定の出力は、エンジン2を始動するとき、ベルト14およびプーリ10を介してエンジン2のクランク軸2aへ伝達され、補機類22を駆動するとき、ベルト14およびプーリ16を介して補機類22へ伝達される。
【0042】
インバータ28は、エコランECU40からの制御によってバッテリ30からの直流電圧を交流電圧に変換し、その変換した交流電圧によってモータ26を駆動する。また、インバータ26は、エコランECU40からの制御によって、モータ26が発電した交流電圧を直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をバッテリ30およびDC/DCコンバータ32へ供給する。
【0043】
バッテリ30は、たとえば、36Vの直流電圧をインバータ28およびDC/DCコンバータ32へ出力する。DC/DCコンバータ32は、バッテリ30またはインバータ28から供給される直流電圧を降圧し、その降圧した直流電圧をバッテリ34に供給する。
【0044】
バッテリ34は、たとえば、12Vの直流電圧をスタータ36、電動油圧ポンプ38、点火系、メーター類、各ECUおよびその他へ供給する。スタータ36は、バッテリ34からの直流電圧によって駆動され、エコランECU40からの制御によってエンジン2を始動する。
【0045】
電動油圧ポンプ38は、オートマチックトランスミッション6に内蔵され、バッテリ34からの直流電圧を受けて駆動する。そして、電動油圧ポンプ38は、エンジンECU48からの制御によって、オートマチックトランスミッション6の内部に設けられた油圧制御部に対して作動油を供給する。なお、この作動油は、油圧制御部内のコントロールバルブにより、オートマチックミッション6内部のクラッチ、ブレーキおよびワンウェイクラッチの作動状態を調整し、シフト状態を必要に応じて切替える。
【0046】
エコランECU40は、電磁クラッチ10aのオン/オフの切替え、モータ26およびインバータ28のモード制御、スタータ36の制御およびバッテリ30,34の蓄電量制御を行なう。なお、モータ26およびインバータ28のモード制御とは、モータ26が発電機として機能する発電モードと、モータ26が駆動モータとして機能する駆動モードとを制御することを言う。また、エコランECU40からバッテリ30,34への制御線は図示されていない。
【0047】
また、エコランECU40は、モータ26に内蔵された回転数センサーからのモータ26の回転軸の回転数、エコランスイッチからの運転者によるエコランシステムの起動有無、その他のデータを検出する。
【0048】
燃料噴射弁42は、エンジンECU48からの制御によって、燃料の噴射を制御する。電動モータ44は、エンジンECU48からの制御によってスロットルバルブ46の開度を制御する。スロットルバルブ46は、電動モータ44によって所定の開度に設定される。
【0049】
エンジンECU48は、エンジン冷却用ウォータポンプを除く補機類22のオン/オフ制御、電動油圧ポンプ38の駆動制御、オートマチックトランスミッション6の変速制御、燃料噴射弁42による燃料噴射制御、電動モータ44によるスロットルバルブ46の開度制御、およびその他のエンジン制御を行なう。
【0050】
また、エンジンECU48は、水温センサーからのエンジン冷却水温、アイドルスイッチからのアクセルペダルの踏み込み有無状態、アクセル開度センサーからのアクセル開度、舵角センサーからのステアリングの操舵角、車速センサーからの車速、スロットル開度センサーからのスロットル開度、シフト位置センサーからのシフト位置、エンジン回転数センサーからのエンジン回転数、エアコンスイッチからのオン/オフ操作有無、およびその他のデータを検出する。
【0051】
VSC−ECU50は、ブレーキスイッチからのブレーキペダルの踏み込み有無状態、およびその他のデータを検出する。
【0052】
エコランECU40、エンジンECU48およびVSC−ECU50は、マイクロコンピュータを中心として構成され、内部のROM(Read Only Memory)に書き込まれているプログラムに応じてCPU(CentralProcessing Unit)が必要な演算処理を実行し、その演算結果に基づいて各種制御を実行する。これらの演算処理結果および検出されたデータは、エコランECU40、エンジンECU48およびVSC−ECU50間で相互にデータ通信が可能となっており、必要に応じてデータを交換して相互に連動して制御を実行することが可能である。
【0053】
図2は、バッテリ30、インバータ28およびモータ26の回路図を示す。図2を参照して、コンデンサC1は、電源ラインとアースラインとの間に接続される。インバータ28は、U相アーム28A、V相アーム28BおよびW相アーム28Cから成る。U相アーム28A、V相アーム28B、およびW相アーム28Cは、電源ラインとアースラインとの間に並列に設けられる。
【0054】
U相アーム28Aは、直列接続されたNPNトランジスタQ1,Q2から成り、V相アーム28Bは、直列接続されたNPNトランジスタQ3,Q4から成り、W相アーム28Cは、直列接続されたNPNトランジスタQ5,Q6から成る。また、各NPNトランジスタQ1〜Q6のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD1〜D6がそれぞれ接続されている。
【0055】
各相アームの中間点は、モータ26の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、モータ26は、3相の永久磁石モータであり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中点に共通接続されて構成され、U相コイルの他端がNPNトランジスタQ1,Q2の中間点に、V相コイルの他端がNPNトランジスタQ3,Q4の中間点に、W相コイルの他端がNPNトランジスタQ5,Q6の中間点にそれぞれ接続されている。
【0056】
バッテリ30は、36Vの直流電圧をコンデンサC1へ供給する。コンデンサC1は、バッテリ30からの直流電圧を平滑化してインバータ28へ出力する。インバータ28は、エコランECU40からの制御によって直流電圧を交流電圧に変換してモータ26を駆動する。より具体的には、インバータ28の各NPNトランジスタQ1〜Q6は、エコランECU40からの信号をゲート端子に受け、その受けた信号によりオン/オフされる。そして、インバータ28は、モータ26の各相に所定の電流を流してモータ26を駆動する。これにより、モータ26は、所定のトルクを出力する。
【0057】
また、モータ26の発電モード時、インバータ28は、エコランECU40からの制御によって、モータ26が発電した交流電圧を直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC1を介してバッテリ30に供給する。より具体的には、インバータ28の各NPNトランジスタQ1〜Q6は、エコランECU40からの信号をゲート端子に受け、その受けた信号によりスイッチング制御される。そして、インバータ28は、交流電圧を直流電圧に変換してバッテリ30を充電する。
【0058】
このように、インバータ28のNPNトランジスタQ1〜Q6は、モータ26の駆動モード時および発電モード時、エコランECU40からの信号によりスイッチング制御されるため発熱する。
【0059】
図3を参照して、モータ26は、ケース26aにより覆われている。ケース26aは、略円形形状の断面構造からなり、プーリ18に向かって直径が小さくなる傾斜部26cを一方端に有する。そして、ケース26aの傾斜部26cは、スリット26bを有する。スリット26bは、プーリ18が回転することにより発生した気流をケース26a内に導く。これにより、モータ26は、空冷される。
【0060】
スリット26bに隣接して絶縁物20がケース26aの傾斜部26c上に設置され、NPNトランジスタQ1〜Q6およびダイオードD1〜D6が絶縁物20上に設置される。
【0061】
すなわち、インバータ28は、モータ26のケース26aのプーリ18側に設けられた傾斜部26cに設置される。そして、インバータ28は、スリット26bに隣接して配置されるため、プーリ18が回転することにより発生された気流を受けて空冷される。
【0062】
NPNトランジスタQ1〜Q6は、それぞれ、ゲート線GL1〜GL6を介してエコランECU40に接続される。そして、NPNトランジスタQ1〜Q6は、エコランECU40からの信号をそれぞれゲート線GL1〜GL6を介して受け、スイッチング制御される。
【0063】
図4は、傾斜部26cにおけるU相アーム28Aの配置を示す。図4を参照して、絶縁物20上にNPNトランジスタQ1,Q2、ダイオードD1,D2およびバスバーBS0が配置される。NPNトランジスタQ1のエミッタQ1EおよびNPNトランジスタQ2のコレクタQ2Cは、バスバーBS0に接続される。また、NPNトランジスタQ1のコレクタQ1Cは、電源ラインとしてのバスバー(図示せず)に接続され、NPNトランジスタQ2のエミッタQ2Eは、アースラインとしてのバスバーに接続される。さらに、バスバーBS0は、モータ26のU相に接続されたモータコイル線(図示せず)と接続される。したがって、バスバーBS0は、NPNトランジスタQ1とNPNトランジスタQ2の中点に相当する。
【0064】
V相アーム28Bを構成するNPNトランジスタQ3,Q4およびダイオードD3,D4と、W相アーム28Cを構成するNPNトランジスタQ5,Q6およびダイオードD5,D6についてもU相アーム28Aを構成するNPNトランジスタQ1,Q2およびダイオードD1,D2と同じように接続される。
【0065】
図5は、図4のA−A線における断面図である。図5を参照して、ケース26aの傾斜部26c上には、スリット26bに隣接して絶縁物20が設置されている。そして、バスバーBS0、NPNトランジスタQ1およびダイオードD1が絶縁物20上に設置される。また、貫通穴60が傾斜部26c、絶縁物20およびバスバーBS0を貫通するように形成される。
【0066】
モータコイル線61は、その一方端がケース26aの内部から貫通穴60をとおり、先端がバスバーBS0より若干出るように設けられる。そして、半田62は、NPNトランジスタQ1のエミッタQ1E、モータコイル線61、バスバーBS0、およびNPNトランジスタQ2のコレクタQ2C(図示せず)を電気的に接続する。
【0067】
このように、インバータ28をケース26aの傾斜部26cに配置することにより、モータコイル線61をケース26aの内部から貫通穴60を介してインバータ28のU相アーム28A、V相アーム28BおよびW相アーム28Cの各々に接続することができる。その結果、インバータ28をケース26a上以外に設置する場合に比べ、モータコイル線61を短くすることができ、ケース26aとモータ26との間のスペースを利用してモータコイル線61を設置することができる。その結果、この発明によるモータ装置をコンパクト化できる。
【0068】
図6は、図3にバスバーBS1,BS2を追加した図である。図6を参照して、バスバーBS1は、電源ライン用のバスバーであり、バスバーBS2は、アースライン用のバスバーである。バスバーBS1は、NPNトランジスタQ1のコレクタ、NPNトランジスタQ3のコレクタおよびNPNトランジスタQ5のコレクタとそれぞれノードN1,N2,N3を介して接続され、バスバーBS2は、NPNトランジスタQ2のエミッタ、NPNトランジスタQ4のエミッタおよびNPNトランジスタQ6のエミッタとそれぞれノードN4,N5,N6を介して接続される。
【0069】
図7は、図6のB方向から見たインバータ28の断面図である。図7を参照して、NPNトランジスタQ1,Q3,Q5のコレクタQ1C,Q3C,Q5CおよびNPNトランジスタQ2,Q4,Q6のエミッタQ2E,Q4E,Q6Eは、空中でそれぞれバスバーBS1,BS2を受けるようにバスバーBS1,BS2に接続される。
【0070】
そして、図8に示すように、NPNトランジスタQ1〜Q6、ダイオードD1ンジスタQ1〜Q6のエミッタQ1E〜Q6E、バスバーBS0〜BS2および半田62は、樹脂63によりモールドされる。そして、樹脂63は、好ましくは、熱伝導性の高い樹脂からなる。インバータ28は、上述したように、スリット26bに近接して配置され、プーリ18によって発生された気流を受けるため、熱伝導性の高い樹脂によりモールドすることにより、NPNトランジスタQ1〜Q6のスイッチング制御により発生した熱を効果的に放熱できるからである。
【0071】
図9は、図3のA方向から見たプーリ18の断面図を示す。図9を参照して、プーリ18は、空洞部18a,18b,18c,18d,18eを備える。また、プーリ18は、モータ26の回転軸26dと結合され、回転軸26dの回転により回転する。そして、プーリ18が回転することにより空洞部18a,18b,18c,18d,18eは、気流を発生し、その発生した気流をプーリ18の向こう側に配置されたスリット26bおよびインバータ28に送る。
【0072】
これにより、スリット26bは、気流をケース26a内に取り込み、モータ26を空冷する。また、インバータ28は、プーリ18からの気流により空冷される。
【0073】
空洞部18a,18b,18c,18d,18eは、「ファン」を構成し、このファンは、プーリ18の回転に連動して気流を発生する。モータ26の回転、またはベルト14によって連結されたプーリ10,16の回転により、プーリ18は、回転するので、ファンは、モータ26、またはプーリ10,16の回転により気流を発生する。
【0074】
このように、インバータ28は、プーリ18の回転によって気流を受け、空冷されるので、インバータ28のNPNトランジスタQ1〜Q6のスイッチング制御により発生した熱は効果的に放熱される。
【0075】
再び、図1を参照して、エンジンシステム100の動作について説明する。エコランECU40は、自動停止処理、エンジン停止時モータ駆動処理、自動始動処理、モータ駆動発進始動処理、走行時モータ制御処理および減速時モータ制御処理を行なう。
【0076】
まず、自動停止処理について説明する。エンジンECU48は、エンジン冷却水温THW、アイドルスイッチ、バッテリ電圧30,34、ブレーキスイッチ、および車速SPD等を受ける。そして、エンジンECU48は、アイドルスイッチからアクセルペダルの踏み込み有無を検出し、ブレーキスイッチからブレーキペダルの踏み込み有無を検出する。
【0077】
そして、自動停止処理が開始されると、エンジン冷却水温THW、アクセルペダルの踏み込み有無、バッテリ30,34の電圧、ブレーキペダルの踏み込み有無、および車速SPD等がエコランECU40内部のRAM(Random Access Memory)の作業領域に読み込まれる。エコランECU40は、これらのデータに基づいて自動停止条件が満たされているか否かを判定する。なお、自動停止条件は、たとえば、エンジン冷却水温THWが下限値から上限値までの間にあること、および車速SPDが0km/hであること等が全て満たされた場合に成立する。
【0078】
そして、エコランECU40は、自動停止条件が満たされていると判定したとき、エンジン停止処理を行なう。より具体的には、エコランECU40は、エンジンECU48に対して燃料カットの指示を行ない、エンジンECU48は、燃料カットの指示に応じて燃料噴射を停止するように燃料噴射弁42を制御し、スロットルバルブ46を全閉状態にする。これにより、燃料噴射弁42は、燃料噴射を停止し、エンジン2の燃焼室内での燃焼が停止してエンジン2の運転は停止する。
【0079】
次に、エンジン停止時モータ駆動処理について説明する。エンジン停止時モータ駆動処理が開始されると、エコランECU40は、電磁クラッチ10aをオンし、モータ26の回転数をアイドル目標回転数に設定してモータ26を駆動するようにインバータ28を制御する。そうすると、インバータ28は、エコランECU40からの制御に応じて、回転数がアイドル目標回転数になるようにモータ26を駆動する。これにより、モータ26の回転軸26dが回転し、プーリ18も回転する。そして、プーリ18の空洞部18a,18b,18c,18d,18eからなるファンは、気流を発生し、その発生した気流をモータ26のケース26aのスリット26bおよびインバータ28へ送る。これにより、スリット26bは、気流をケース26a内部に取り込み、モータ26を空冷し、インバータ28は、気流を受けて空冷される。
【0080】
プーリ18に伝達された回転力は、ベルト14およびプーリ10を介してクランク軸2aへ伝達され、クランク軸2aがアイドル目標回転数で回転する。そして、エコランECU40は、エンジン2がアイドル目標回転数で回転する状態を一定時間維持したことを確認する。
【0081】
このように、エンジン2の停止時にモータ26の出力により、エンジン2をアイドル回転と同等の回転数で回転させることにより、スロットルバルブ46が全閉状態のエンジン2の気筒内圧力を十分に低下させることができる。そして、燃焼していないエンジン2の工程間の負荷トルクの差が小さくなり、回転におけるトルク変動が減少する。その結果、停止時の振動を抑制でき、エンジン2の自動停止時において運転者に違和感を与えることがない。
【0082】
また、モータ26の駆動によりプーリ18が回転し、空洞部18a,18b,18c,18d,18eからなるファンは気流を発生してモータ26およびインバータ28を空冷するので、エンジン2の停止中であってもモータ26およびインバータ28の急激な温度上昇を防止できる。
【0083】
その後、エコランECU40は、補機類22の駆動要求があるか否かを判定し、補機類22の駆動要求があると判定したとき、電磁クラッチ10aをオフし、モータ26を駆動モードにする。そして、この場合も、上述した動作によって、モータ26は、アイドル目標回転数で回転され、その回転力は、プーリ18、ベルト14およびプーリ16を介して補機類22へ伝達される。
【0084】
これにより、エアコン用コンプレッサおよびパワーステアリングポンプが駆動される。また、空洞部18a,18b,18c,18d,18eからなるファンは、気流を発生してモータ26およびインバータ28を空冷する。この場合、電磁クラッチ10aはオフされているので、エンジン2のクランク軸2aは回転せず、無駄な電力消費を防止して、燃費を向上させることができる。
【0085】
このように、エコランECU40は、エンジン2の停止中に、モータ26を駆動して、エンジン2のクランク軸2aを回転させて振動低減処理を行ない、または補機類22を駆動する。したがって、モータ26およびインバータ28は、エンジン2が停止しても、プーリ18から送られてくる気流により空冷される。
【0086】
次に、自動始動処理について説明する。自動始動処理が開始されると、エコランECU40は、自動停止処理時に読み込んだデータと同じデータを読み込んで自動始動条件が成立するか否かを判定する。より具体的には、エコランECU40は、自動停止条件の1つでも満足されなかった場合に自動始動条件が成立したと判定する。
【0087】
そして、エコランECU40は、自動始動条件が成立したと判定したとき、エンジン停止時モータ駆動処理を停止する。これにより、自動始動処理が終了する。
【0088】
次に、モータ駆動発進始動処理について説明する。モータ駆動発進始動処理が開始されると、エコランECU40は、エンジンECU48に対してエアコンのオンを禁止する指示を与える。そして、エンジンECU48は、エアコンがオンされていれば、エアコンの駆動を停止する。これにより、モータ26に生じる負荷を軽減できる。
【0089】
そして、エコランECU40は、電磁クラッチ10aをオンし、モータ26を駆動モードにする。そうすると、上述した動作と同じ動作によって、モータ26の回転力は、プーリ18、ベルト14およびプーリ10を介してクランク軸2aへ伝達され、クランク軸2aは、アイドル目標回転数で回転される。これにより、プーリ18も回転し、プーリ18の空洞部18a,18b,18c,18d,18eからなるファンは、気流を発生し、その発生した気流をモータ26のケース26aのスリット26bおよびインバータ28へ送る。これにより、スリット26bは、気流をケース26a内部に取り込み、モータ26を空冷し、インバータ28は、気流を受けて空冷される。
【0090】
そうすると、エコランECU40は、エンジン2の回転数がアイドル目標回転数に達したか否かを判定し、エンジン2の回転数がアイドル目標回転数に達すると、燃料噴射開始の指示をエンジンECU48に与える。そして、エンジンECU48は、燃料を噴射するように燃料噴射弁42を制御し、燃料噴射弁42は、燃料の噴射を開始する。これにより、エンジン2は、始動し、運転を開始する。
【0091】
なお、この場合、エンジン2は、アイドル目標回転数での燃料噴射となるので、迅速に始動されるとともに、早期に安定したエンジン回転に到達する。また、燃料噴射に到るまでは、モータ26の出力によりエンジン2のクランク軸2aが回転されるので、非ロックアップ状態のトルクコンバータ4により生じるクリープ力により発進を開始できる。
【0092】
このように、モータ駆動発進始動処理時、モータ26が駆動モードにより駆動され、プーリ18の空洞部18a,18b,18c,18d,18eからなるファンは、気流を発生してモータ26およびインバータ28を空冷する。したがって、モータ駆動発進始動処理時においても、モータ26およびインバータ28の急激な温度上昇を防止できる。
【0093】
次に、走行時モータ制御処理について説明する。走行時モータ制御処理が開始されると、エコランECU40は、モータ駆動発進始動処理によってエンジン2の始動が完了したか否かを判定し、エンジン2の始動が完了していると判定したとき、モータ駆動発進始動処理を停止する。そして、エコランECU40は、エアコンのオンを許可する指示をエンジンECU48に与える。これにより、エンジンECU48は、エアコンのスイッチがオンされていれば、エアコン用コンプレッサがプーリ16の回転に連動するように切り替えて、エアコンを駆動できる。
【0094】
その後、エコランECU40は、車両減速時か否かを判定する。ここで、車両減速時とは、たとえば、走行時にアクセルペダルが完全に戻された状態、すなわち、走行時にアイドルスイッチがオンである場合を言う。したがって、エコランECU40は、アイドルスイッチがオフされていれば、車両減速時以外と判定し、電磁クラッチ10aをオンし、モータ26を発電モードに設定する。
【0095】
そうすると、エンジン2のクランク軸2aの回転力は、プーリ10、ベルト14およびプーリ18を介してモータ26の回転軸に伝達される。そして、モータ26は発電し、交流電圧をインバータ28へ出力する。インバータ28は、エコランECU40からの制御に従って、交流電圧を直流電圧に変換してバッテリ30およびDC/DCコンバータ32へ供給し、DC/DCコンバータ32は、直流電圧を降圧してバッテリ34を充電する。また、プーリ18は回転し、空洞部18a,18b,18c,18d,18eからなるファンは気流を発生し、モータ26およびインバータ28を空冷する。これにより、走行時モータ制御処理が終了する。
【0096】
このように、通常走行時、モータ26は発電モードにより駆動され、エンジン2の回転力が電気エネルギーに変換される。そして、通常走行時においても、プーリ18が回転することにより、気流が発生し、モータ26およびインバータ28が空冷される。
【0097】
一方、エコランECU40が車両減速時であると判定したとき、減速時モータ制御処理が行われる。最後に減速時モータ制御処理について説明する。減速時モータ制御処理が開始されると、エコランECU40は、車両減速時の燃料カットが終了したか否かを判定する。車両減速時であると判定される条件下では、エンジンECU48が実行する減速時燃料カット処理により、エンジン2の回転数が燃料噴射復帰を判定する復帰基準回転数(すなわち、アイドル目標回転数)に低下するまでは、エンジン2への燃料噴射が停止される。
【0098】
そして、エンジンの回転数が復帰基準回転数まで低下すると、トルクコンバータ4がロックアップ状態から非ロックアップ状態に切り替えられるとともに、燃料噴射を再開してエンジン回転数の落ち込みによるエンジンストールが防止される。
【0099】
車両減速時の燃料カット中であれば、エコランECU40は、電磁クラッチ10aをオンして、通常の発電電圧よりも高い発電電圧での発電にモータ26を設定する。これにより、エンジン2は運転されていないが、車輪の回転によりエンジン2のクランク軸2aが回転され、このクランク軸2aの回転がプーリ10、ベルト14およびプーリ18を介してモータ26に伝達される。そして、モータ26は交流電圧を発電する。したがって、車両の走行エネルギーが電力として回収される。すなわち、この場合のモータ26の発電モードは、回生モードに該当する。また、プーリ18が回転することにより、空洞部18a,18b,18c,18d,18eからなるファンは、気流を発生してモータ26およびインバータ28を空冷する。したがって、回生モードにおいても、モータ26およびインバータ28の急激な温度上昇を防止できる。
【0100】
エンジン回転数が復帰基準回転数まで低下すると、エンジンECU48は、燃料カット処理を終了する。そして、エコランECU40は、エンジン回転数がエンジンストール基準回転数よりも小さいか否かを判定する。エンジンストール基準回転数は、復帰基準回転数よりも小さい値である。また、このエンジン回転数がエンジンストール基準回転数よりも小さいか否かの判定は、燃料噴射再開にもかかわらず、エンジン回転数が大きく低下してエンジンストールに至るおそれのある状況を判定するためである。
【0101】
エコランECU40は、エンジン回転数がエンジンストール基準回転数よりも大きいと判定したとき、モータ26は停止される。一方、エコランECU40は、エンジン回転数がエンジンストール基準回転数よりも小さいと判定したとき、電磁クラッチ10aをオンし、エンジン回転数がアイドル目標回転数になるようにモータ26を駆動する。
【0102】
これにより、モータ26の回転力は、プーリ18、ベルト14およびプーリ10を介してクランク軸2aに伝達され、クランク軸2aが回転する。そして、エコランECU40は、エンジン回転数がアイドル目標回転数に達したと判定したとき、モータ26は停止される。
【0103】
このように、減速時の燃料カット処理後に、エンジン2が燃料カットからエンジン運転に復帰することが困難となった場合には、モータ26によりエンジン回転数を持ち上げることにより、エンジンストールを防止する。そして、このエンジン回転数の持ち上げ動作中も、プーリ18が回転することにより、空洞部18a,18b,18c,18d,18eからなるファンは、気流を発生してモータ26およびインバータ28を空冷する。したがって、エンジン回転数の持ち上げ動作中においても、モータ26およびインバータ28の急激な温度上昇を防止できる。
【0104】
なお、エンジン冷間始動時には、エコランECU40は、運転者のイグニッションスイッチの操作に応じてスタータ36を制御し、スタータ36がエンジン2の始動を行なう。
【0105】
上述したように、エンジンシステム100は、各制御処理においてプーリ18がモータ26またはクランク軸2aにより回転され、空洞部18a,18b,18c,18d,18eからなるファンは、気流を発生してモータ26およびインバータ28を空冷する。その結果、モータ26およびインバータ28の急激な温度上昇を抑えることができる。
【0106】
なお、空洞部18a,18b,18c,18d,18eからなるファン、プーリ18、モータ26、およびインバータ28は、「モータ装置」を構成する。
【0107】
また、インバータ28は、スイッチング素子を含み、モータの発電モードおよび/または駆動モードにおいて所定の動作を行なう「電気回路」を構成する。
【0108】
実施の形態1によれば、モータを駆動するインバータは、モータのケースの一方端に設けられた傾斜部に設置され、モータの回転軸に連結されたプーリは、モータの回転軸の回転に連動して気流を発生し、インバータを空冷するので、スペースを有効に利用でき、かつ、インバータを冷却できる。また、インバータを冷却するファンを別途設けなくてもよく、コストを低減できる。
【0109】
[実施の形態2]
図10を参照して、実施の形態2によるモータ装置を備えるエンジンシステム100Aは、エンジンシステム100におけるDC/DCコンバータ32をさらにモータ26の一方端に設置したものであり、その他は、エンジンシステム100と同じである。
【0110】
図11は、モータ26、インバータ28、バッテリ30,34およびDC/DCコンバータ32の回路図を示す。モータ26、インバータ28およびバッテリ30の回路図については、実施の形態1において説明したとおりである。
【0111】
図11を参照して、DC/DCコンバータ32は、NPNトランジスタ251と、トランス252,253と、ダイオード254,255と、コイル256とを含む。
【0112】
電源ライン31は、ノードN7に接続され、アースライン33は、ノードN8に接続される。つまり、DC/DCコンバータ32は、ノードN7,N8を介してコンデンサC1の両端の電圧を受ける。
【0113】
NPNトランジスタ251は、電源ライン31とトランス252との間に接続される。より具体的には、NPNトランジスタ251のコレクタが電源ライン31に接続され、NPNトランジスタ251のエミッタがトランス252に接続される。
【0114】
トランス252は、その一方端がNPNトランジスタ251に接続され、他方端がアースライン33に接続される。トランス253は、トランス252に対向して設けられる。ダイオード254は、トランス253からコイル256へ出力電流Ioを流すようにトランス253とコイル256との間に接続される。
【0115】
ダイオード255は、ダイオード254とコイル256との間のノードN9からトランス253の低圧側への電流を阻止するようにトランス253とノードN9との間に接続される。コイル256は、ダイオード254とバッテリ34との間に接続される。
【0116】
コンデンサ260は、コイル256の出力側と接地ノード261との間に接続され、コイル256からの出力電圧を平滑化してバッテリ34に供給する。
【0117】
NPNトランジスタ251がオンされると、電源ライン31、NPNトランジスタ251、トランス252およびアースライン33の経路で入力電流Iinが流れる。そして、トランス252,253は、巻線比に応じて入力電圧Vinを降圧して出力電圧Voを出力する。
【0118】
DC/DCコンバータ32の二次側では、トランス253、ダイオード254、コイル256、バッテリ34、および接地ノード261の経路で出力電流Ioが流れる。
【0119】
NPNトランジスタ251がオン/オフされる割合、つまり、デューティー比に応じて、入力電流Iinが変化し、トランス252に印加される電圧が変化する。すなわち、NPNトランジスタ251のデューティー比が大きくなると、入力電流Iinが増加し、トランス252に印加される電圧が増加する。また、NPNトランジスタ251のデューティー比が小さくなると、入力電流Iinが減少し、トランス252に印加される電圧が減少する。
【0120】
そして、トランス252,253は、トランス252に印加される電圧を、その電圧レベルに応じて降圧するので、DC/DCコンバータ32の二次側の出力電圧Voは、トランス252に印加される電圧に応じて変化する。
【0121】
このように、DC/DCコンバータ32は、バッテリ30からの直流電圧、またはモータ26によって発電され、かつ、インバータ28によって変換された直流電圧をノードN7,N8を介して受ける。そして、DC/DCコンバータ32は、その受けた直流電圧をNPNトランジスタ251のデューティー比およびトランス252,253の巻線比に応じて降圧し、その降圧した直流電圧をバッテリ34および点火系等の各ECUへ供給する。
【0122】
図12は、図10に示すプーリ18の断面図である。プーリ18自体の断面構造については実施の形態1において説明したとおりである。図12を参照して、エンジンシステム100Aにおいては、インバータ28およびDC/DCコンバータ32がモータ26のケース26aのスリット26bに近接して配置される。また、DC/DCコンバータ32は、回転軸26dに対してインバータ28の反対側に配置される。
【0123】
プーリ18が回転することにより、空洞部18a,18b,18c,18d,18eからなるファンは、気流を発生し、その発生した気流をスリット26b、インバータ28およびDC/DCコンバータ32へ送る。したがって、DC/DCコンバータ32も、プーリ18が回転することにより発生された気流により空冷される。
【0124】
上述したように、DC/DCコンバータ32は、オン/オフされるNPNトランジスタ251を含むため熱を発する。そこで、DC/DCコンバータ32をインバータ28と同じようにスリット26bに近接して配置することにより、デッドスペースを有効利用するとともに、DC/DCコンバータ32の急激な温度上昇を防止することにしたものである。
【0125】
図13を参照して、絶縁物20がモータ26のケース26aの傾斜部26c上に設けられる。そして、NPNトランジスタ251およびトランス252,253が絶縁物20上に設けられる。NPNトランジスタ251のコレクタ251Cは、電源ライン31としてのバスバーBS1に接続され、NPNトランジスタ251のエミッタ251Eは、トランス252の一方端に接続される。また、NPNトランジスタ251のゲート251Gは、エコランECU40に接続される。
【0126】
トランス252の他方端は、アースライン33としてのバスバーBS2に接続される。トランス253は、配線35,37に接続され、降圧した直流電圧を配線35,37を介してバッテリ34および点火系等の各ECUへ供給する。
【0127】
なお、バスバーBS1,BS2は、DC/DCコンバータ32の反対側に配置されたインバータ28にも接続されている。
【0128】
上述したように、インバータ28およびDC/DCコンバータ32をモータ26のケース26aの一方端に配置することにより、デッドスペースを有効利用してエンジンシステム100Aをコンパクト化できるとともに、インバータ28およびDC/DCコンバータ32を効果的に空冷できる。
【0129】
上記においては、インバータ28およびDC/DCコンバータ32がモータ26のケース26aの一方端に配置されると説明したが、この実施の形態2においては、DC/DCコンバータ32のみをモータ26のケース26aの一方端に配置してもよい。
【0130】
なお、空洞部18a,18b,18c,18d,18eからなるファン、プーリ18、モータ26、インバータ28およびDC/DCコンバータ32は、「モータ装置」を構成する。
【0131】
また、インバータ28および/またはDC/DCコンバータ32は、スイッチング素子を含み、モータの発電モードおよび/または駆動モードにおいて所定の動作を行なう「電気回路」を構成する。
【0132】
その他は、実施の形態1と同じである。
実施の形態2によれば、モータを駆動するインバータおよび直流電圧を降圧して負荷へ供給するDC/DCコンバータは、モータのケースの一方端に設けられた傾斜部に設置され、モータの回転軸に連結されたプーリは、モータの回転軸の回転に連動して気流を発生し、インバータおよびDC/DCコンバータを空冷するので、スペースを有効に利用でき、かつ、インバータおよびDC/DCコンバータを冷却できる。また、インバータおよび/またはDC/DCコンバータを冷却するファンを別途設けなくてもよく、コストを低減できる。
【0133】
[実施の形態3]
図14を参照して、実施の形態3によるモータ装置を備えるエンジンシステム100Bは、エンジンシステム100のバッテリ30をバッテリ30Aに代え、昇圧コンバータ23をモータ26の一方端に追加したものであり、その他は、エンジンシステム100と同じである。
【0134】
図15は、バッテリ30A、昇圧コンバータ23、インバータ28、モータ26、DC/DCコンバータ32およびバッテリ34の回路図を示す。インバータ28およびモータ26については、実施の形態1において説明したとおりである。
【0135】
図15を参照して、昇圧コンバータ23は、リアクトルL1と、NPNトランジスタQ7,Q8と、ダイオードD7,D8とを含む。リアクトルL1の一方端はバッテリ30Aの電源ラインに接続され、他方端はNPNトランジスタQ7とNPNトランジスタQ8との中間点、すなわち、NPNトランジスタQ7のエミッタとNPNトランジスタQ8のコレクタとの間に接続される。NPNトランジスタQ7,Q8は、電源ラインとアースラインとの間に直列に接続される。そして、NPNトランジスタQ7のコレクタは電源ラインに接続され、NPNトランジスタQ8のエミッタはアースラインに接続される。また、各NPNトランジスタQ7,Q8のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD7,D8が接続されている。
【0136】
バッテリ30Aは、直流電圧を出力する。コンデンサC2は、バッテリ30Aから出力された直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧を昇圧コンバータ23に供給する。
【0137】
昇圧コンバータ23は、エコランECU40からの制御に従ってコンデンサC2からの直流電圧を昇圧し、その昇圧した直流電圧をコンデンサC1に供給する。
【0138】
また、昇圧コンバータ23は、モータ26によって発電され、インバータ28によって変換された直流電圧を、エコランECU40からの制御に従って降圧してバッテリ30AまたはDC/DCコンバータ32へ供給する。
【0139】
DC/DCコンバータ32は、バッテリ30Aから出力された直流電圧または昇圧コンバータ23により降圧された直流電圧を、さらに降圧してコンデンサC3に供給する。コンデンサC3は、DC/DCコンバータ32によって降圧された直流電圧を平滑化して負荷39およびバッテリ34に供給する。この負荷39は、点火系およびメーター類等の各ECU、およびスタータ36である。
【0140】
図16は、図14に示すプーリ18の断面図である。プーリ18自体の断面構造については実施の形態1において説明したとおりである。図16を参照して、エンジンシステム100Bにおいては、インバータ28および昇圧コンバータ23がモータ26のケース26aのスリット26bに近接して配置される。
【0141】
より具体的には、リアクトルL1は、スリット26bの上側に配置される。そして、NPNトランジスタQ7,Q8(ダイオードD7,D8を含む。)は、スリット26bに近接して配置される。また、昇圧コンバータ23のNPNトランジスタQ7,Q8は、回転軸26dに対してインバータ28の反対側に配置される。
【0142】
プーリ18が回転することにより、空洞部18a,18b,18c,18d,18eからなるファンは、気流を発生し、その発生した気流をスリット26b、インバータ28および昇圧コンバータ23へ送る。したがって、昇圧コンバータ23も、プーリ18が回転することにより発生された気流により空冷される。
【0143】
上述したように、昇圧コンバータ23は、オン/オフされるNPNトランジスタQ7,Q8を含むため熱を発する。また、リアクトルL1は、ギャップを有するコアと、コアに巻回されたコイルとから成り、電流がコイルに流れることにより発熱する。そこで、昇圧コンバータ23をインバータ28と同じようにスリット26bに近接して配置することにより、デッドスペースを有効利用するとともに、昇圧コンバータ23の急激な温度上昇を防止することにしたものである。
【0144】
図17を参照して、ケース26aの傾斜部26cにおける昇圧コンバータ23の配置について説明する。リアクトルL1は、コア110と、コイル112とから成る。コイル112は、コア110に巻回される。そして、リアクトルL1は、スリット26bの上側に配置されるように(図17の(b)参照)、ブラケット108によってケース26aの傾斜部26cに固定される(図17の(a)参照)。
【0145】
絶縁物20が傾斜部26c上に配置され、NPNトランジスタQ7,Q8(ダイオードD7,D8を含む。)およびバスバーBS3が絶縁物20上に配置される。
【0146】
そして、NPNトランジスタQ7のエミッタQ7EおよびNPNトランジスタQ8のコレクタは、バスバーBS3に接続される。また、NPNトランジスタQ7のコレクタQ7Cは、バスバーBS1に接続され、NPNトランジスタQ8のエミッタQ8Eは、バスバーBS2に接続される。さらに、ゲート線GL7,GL8は、エコランECU40に接続される。
【0147】
バスバーBS1,BS2は、昇圧コンバータ23の反対側に配置されたインバータ28にも接続される。コイル112の一方端114は、バッテリ30Aの正極に接続され、他方端116は、バスバーBS3に接続される。
【0148】
モータ26が駆動モータとして機能するとき、昇圧コンバータ23は、バッテリ30Aからの直流電圧をNPNトランジスタQ8のオンデューティーに応じて昇圧し、その昇圧した直流電圧を反対側に配置されたインバータ28に供給する。そして、インバータ28は、昇圧コンバータ23からの直流電圧を、上述した動作によって交流電圧に変換してモータ26を駆動する。
【0149】
モータ26が駆動されると、それに連動してプーリ18が回転し、空洞部18a,18b,18c,18d,18eからなるファンは、昇圧コンバータ23およびインバータ28へ流れる気流を発生する。これにより、昇圧コンバータ23およびインバータ28は空冷される。
【0150】
また、モータ26が発電機として機能するとき、昇圧コンバータ23は、モータ26によって発電され、インバータ28によって変換された直流電圧を降圧してバッテリ30AまたはDC/DCコンバータ32へ供給する。
【0151】
モータ26は、プーリ18により回転軸を回転されることにより発電するため、モータ26が発電機として機能しているとき、空洞部18a,18b,18c,18d,18eからなるファンは、昇圧コンバータ23およびインバータ28へ流れる気流を発生し、昇圧コンバータ23およびインバータ28は空冷される。
【0152】
このように、モータ26が駆動されるとき、昇圧コンバータ23およびインバータ28は空冷される。
【0153】
上記においては、昇圧コンバータ23およびインバータ28をモータ26のケース26aの一方端に配置すると説明したが、この実施の形態3においては、昇圧コンバータ23のみをモータ26のケース26aの一方端に配置してもよい。
【0154】
また、昇圧コンバータ23、インバータ28およびDC/DCコンバータ32をモータ26のケース26aの一方端に配置してもよい。
【0155】
また、空洞部18a,18b,18c,18d,18eからなるファン、プーリ18、モータ26、インバータ28、昇圧コンバータ23およびDC/DCコンバータ32は、「モータ装置」を構成する。
【0156】
さらに、インバータ28、昇圧コンバータ23およびDC/DCコンバータ32の中なら任意に選択した少なくとも1つは、スイッチング素子を含み、モータの発電モードおよび/または駆動モードにおいて所定の動作を行なう「電気回路」を構成する。
【0157】
その他は、実施の形態1と同じである。
実施の形態3によれば、モータを駆動するインバータ、直流電圧を昇圧してインバータへ供給する昇圧コンバータは、モータのケースの一方端に設けられた傾斜部に設置され、モータの回転軸に連結されたプーリは、モータの回転軸の回転に連動して気流を発生し、インバータおよび昇圧コンバータを空冷するので、スペースを有効に利用でき、かつ、インバータおよび昇圧コンバータを冷却できる。また、インバータおよび/または昇圧コンバータを冷却するファンを別途設けなくてもよく、コストを低減できる。
【0158】
上記の実施の形態1〜実施の形態3においては、昇圧コンバータ23、インバータ28およびDC/DCコンバータ32をモータのケースの一方端に設置する例を説明したが、この発明は、これらの電気回路に限らず、一般的には、スイッチング素子を含み、モータの各駆動モードにおいて所定の動作を行なう電気回路をモータのケースの一方端(デッドスペース)に配置するものであればよい。
【0159】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1によるモータ装置を備えたエンジンシステムの概略ブロック図である。
【図2】図1に示すバッテリ、インバータおよびモータの回路図である。
【図3】図1に示すプーリ、モータのケースおよびインバータの配置図である。
【図4】モータのケースの傾斜部におけるインバータのU相アームの配置図である。
【図5】図4のA−A線における断面図である。
【図6】図3に2つのバスバーを追加した図である。
【図7】図6のB方向から見た断面図である。
【図8】図6のB方向から見た断面図である。
【図9】図3のA方向から見た断面図である。
【図10】この発明の実施の形態2によるモータ装置を備えたエンジンシステムの概略ブロック図である。
【図11】図10に示す2つのバッテリ、インバータ、交流モータおよびDC/DCコンバータの回路図である。
【図12】図10に示すプーリの断面図である。
【図13】図10に示すプーリ、モータのケースおよびDC/DCコンバータの配置図である。
【図14】この発明の実施の形態3によるモータ装置を備えたエンジンシステムの概略ブロック図である。
【図15】図14に示す2つのバッテリ、昇圧コンバータ、インバータ、モータおよびDC/DCコンバータの回路図である。
【図16】図14に示すプーリの断面図である。
【図17】図14に示すプーリ、モータのケースおよび昇圧コンバータの配置図である。
【図18】従来のエンジンシステムのブロック図である。
【符号の説明】
2 エンジン、2a,351 クランク軸、4 トルクコンバータ、6 オートマチックトランスミッション、6a 出力軸、10,16,18,340,370,380 プーリ、10a 電磁クラッチ、14,390 ベルト、18a,18b,18c,18d,18e 空洞部、20 絶縁物、22,360 補機類、23 昇圧コンバータ、26 モータ、26a ケース、26b スリット、26c 傾斜部、26d 回転軸、28,320 インバータ、28A U相アーム、28B V相アーム、28C W相アーム、30,30A,34,310 バッテリ、31 電源ライン、32 DC/DCコンバータ、33 アースライン、35,37 配線、36 スタータ、38 電動油圧ポンプ、39 負荷、40 エコランECU、42 燃料噴射弁、44 電動モータ、46スロットルバルブ、48 エンジンECU、50 VSC−ECU、60 貫通穴、61 モータコイル線、62 半田、63 樹脂、100,100A,100B,300 エンジンシステム、110 コア、112 コイル、114 一方端、116 他方端、251,Q1〜Q8 NPNトランジスタ、252,253トランス、254,255,D1〜D8 ダイオード、260,C1,C2,C3 コンデンサ、256 コイル、261 接地ノード、330 モータジェネレータ、GL1〜GL8 ゲート線、BS0,BS1,BS2 バスバー、L1 リアクトル。
Claims (10)
- モータと、
前記モータにより回動され、無端部材を介して他の負荷類を動作させるためのプーリと、
前記プーリが回転することにより気流を発生するファンと、
スイッチング素子を含み、前記モータの発電モードおよび/または駆動モードにおいて所定の動作を行なう電気回路とを備え、
前記電気回路は、前記モータのケースの一方端に配置され、前記気流を受ける、モータ装置。 - 前記電気回路は、さらに、前記ケースに設けられたスリットに近接して配置される、請求項1に記載のモータ装置。
- 前記電気回路は、前記モータを駆動する駆動回路である、請求項2に記載のモータ装置。
- 前記電気回路は、前記モータを駆動するための直流電圧を電圧変換して補機に供給する電圧変換器である、請求項2に記載のモータ装置。
- 前記電気回路は、
前記モータを駆動する駆動回路と、
前記駆動回路に入力される入力電圧を電圧変換して補機に供給する電圧変換器とを含む、請求項2に記載のモータ装置。 - 前記電気回路は、直流電源からの第1の直流電圧を電圧変換して前記モータを駆動するための第2の直流電圧を出力する電圧変換器である、請求項2に記載のモータ装置。
- 前記電気回路は、
前記モータを駆動する駆動回路と、
直流電源からの第1の直流電圧を第2の直流電圧に電圧変換して前記駆動回路に供給する電圧変換器とを含む、請求項2に記載のモータ装置。 - 前記電圧変換器は、
リアクトルと、
前記リアクトルに流れる直流電流をスイッチング制御し、前記第1の直流電圧を前記第2の直流電圧に電圧変換して前記駆動回路に供給する第1および第2のスイッチング素子とを含み、
前記リアクトルは、前記スリットを取り巻くように配置され、
前記第1および第2のスイッチング素子は、前記スリットに近接して配置される、請求項6または請求項7に記載のモータ装置。 - 前記モータは、内燃機関の近傍に配置され、前記内燃機関により駆動される負荷類を前記無端部材を介して駆動する、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のモータ装置。
- 前記内燃機関は、エコノミーランニングシステムに従って駆動される、請求項9に記載のモータ装置。
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- 2002-09-27 JP JP2002283466A patent/JP2004120941A/ja not_active Withdrawn
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