JP2004119910A - 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置 - Google Patents

光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004119910A
JP2004119910A JP2002284610A JP2002284610A JP2004119910A JP 2004119910 A JP2004119910 A JP 2004119910A JP 2002284610 A JP2002284610 A JP 2002284610A JP 2002284610 A JP2002284610 A JP 2002284610A JP 2004119910 A JP2004119910 A JP 2004119910A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical fiber
optical semiconductor
frame
optical
semiconductor element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002284610A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaaki Miyahara
宮原 将章
Seigo Matsuzono
松園 清吾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2002284610A priority Critical patent/JP2004119910A/ja
Publication of JP2004119910A publication Critical patent/JP2004119910A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Couplings Of Light Guides (AREA)
  • Semiconductor Lasers (AREA)
  • Light Receiving Elements (AREA)

Abstract

【課題】複数の光ファイバと光半導体素子との光信号の結合効率を良好なものとし、光半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させる。
【解決手段】上面に光半導体素子の載置部1aを有する基体1と、基体1の上面に取着され、側部に入出力端子取付部2aを有するとともに他の側部の上面に光ファイバを通してロウ付けするための略U字状の溝から成る光ファイバ導入部2cを有し、上面に蓋体がロウ付けされる枠体2と、入出力端子4とを具備して成り、枠体2は、側部の上面にロウ付け用のメッキ層が形成されているとともに、光ファイバ導入部2cおよびその両側の側部の上面の枠体2の内周に沿った部位にメッキ層の非形成部10が設けられている光半導体素子収納用パッケージである。光ファイバと光半導体素子との光信号の結合効率を良好なものとでき、光半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させることができるものとなる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はLD(レーザダイオード),PD(フォトダイオード)等の光半導体素子を収容するための光半導体素子収納用パッケージおよび、光半導体素子を収容した後に光ファイバに光結合させた光半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の光半導体素子収納用パッケージの例を図10に斜視図で示す。また、この光半導体素子収納用パッケージにLD,PD等を収容した後に光ファイバに光結合させた光半導体装置の例を図11に斜視図で示す。
【0003】
光半導体素子収納用パッケージは、上面に光半導体素子117が載置される載置部111aを有するとともに、外部電気回路基板(図示せず)にネジ止めされるように外周部に設けられたフランジ部111bを有する基体111と、基体111の上面に載置部111aを囲繞するように取着され、相対する一両側面に貫通孔または切欠き部から成る入出力端子取付部(以下、取付部という)112aを有するとともに相対する他両側面の略中央部に光ファイバ118を導入するための貫通孔から成る光ファイバ導入部(以下、導入部という)112cを有し、さらに導入部112cの相対する外側側面にパイプ取着部(以下、取着部という)112bを有する枠体112と、取着部112bを囲繞するように接合されるとともに光ファイバ118を導入部112cに導くためのパイプ113と、取付部112aに嵌着されるとともに上面にメタライズ層114aと外部入出力端子114bとを有する入出力端子114とから主に構成される。
【0004】
また、光半導体装置は、載置部111aの上面に光半導体素子117,光ファイバ整列器(以下、整列器という)116が保持台115を介して載置されるとともに、光ファイバ118が導入部112cを介してパイプ113から光半導体素子117にかけて導入され、光ファイバ118を整列器116上面の略V字状のV溝116aに沿って前後させることにより光半導体素子117に光結合される。さらに、光結合した後にホルダー113aをパイプ113の先端面にYAG溶接等により溶接するとともに、蓋体119を枠体112の上面にYAG溶接またはロウ付けすることにより、光半導体素子収納用パッケージの内部が気密に封止された光半導体装置が完成する。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−3566号公報
【特許文献2】
特開平7−198973号公報
【特許文献3】
特開2001−21818号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この光半導体装置は光半導体素子117を内部に気密に収容し、高速光通信等に用いられているが、大容量の情報を光伝送するために複数の光ファイバ118を光半導体素子収納用パッケージの内部に導入する場合に、複数の光ファイバ118を光半導体素子収納用パッケージ内部に導入し、さらに光半導体素子117に光結合させるのは作業上非常に煩雑である。具体的には、光ファイバ118を安定して載置固定する部位が整列器116のV溝116aの部位のみであるため、光ファイバ118が複数ある場合には、たとえ1本目の光ファイバ118が光結合できたとしても他の光ファイバ118を光結合させる際に1本目の光ファイバ118の光結合が損なわれるため、すなわち光軸がずれることがあるため全ての光ファイバ118の光軸を合わせるのは非常に困難であるという問題点があった。また、作業が非常に煩雑であるため光ファイバ118を折ってしまう可能性も高いという問題点もあった。
【0007】
また、たとえ複数の光ファイバ118と光半導体素子117とを光結合できたとしても、その後にホルダー113aをパイプ113の先端面にYAG溶接する工程と、蓋体119を枠体112の上面に接合する工程との2工程が必要であり、その際の熱履歴により、光ファイバ118を歪ませる程度の応力が発生し、光半導体素子117と光ファイバ118との光結合がわずかながらも劣化するという問題点もあった。
【0008】
さらに光半導体装置を外部電気回路基板にフランジ部111bを介してネジ止めした際に、ネジ止めによる応力が基体111から枠体112,パイプ113,ホルダー113aを介して光ファイバ118に伝わることにより光ファイバ118が歪み、光結合がさらに劣化するという問題点もあった。
【0009】
そのため、光半導体素子117の作動性を良好とできず大容量の情報を光伝送できないという問題点があった。
【0010】
これに対し、以上の問題点に鑑み考案され、本出願人が特願2002−253862号で出願した光半導体素子収納用パッケージを図8に斜視図で示す。また、この光半導体素子収納用パッケージにLD,PD等を収容した後に光ファイバに光結合させた光半導体装置を図9に斜視図で示す。
【0011】
この光半導体素子収納用パッケージは、上面に光半導体素子17が載置される載置部11aを有する基体11と、この基体11の上面に載置部11aを囲繞するように取着され、側部の上面に光ファイバ18を通してロウ付けするための断面形状が略U字状の溝から成る光ファイバ導入部12cを有し、上面に蓋体19がロウ付けされる枠体12と、この枠体12の側部または基体11の枠体12の内側の部位に形成された貫通孔または切欠き部から成る入出力端子取付部14に嵌着された入出力端子14bとを具備したことを特徴としている。
【0012】
このような構成により、光ファイバ18と光半導体素子17との光結合の作業性を非常に効率の高いものとできるとともに光ファイバ18を安定して載置固定でき、さらには熱履歴工程が1回で済むために光ファイバ18を歪ませる程度の応力が非常に小さくできる。そのため、複数の光ファイバ18と光半導体素子17との光信号の結合効率を良好とでき光半導体素子17を長期にわたり正常かつ安定に作動させることができる。
【0013】
また、この光半導体素子収納用パッケージは、光ファイバ導入部12c上の光ファイバ18の外周面を略均一に覆うようにロウ付けでき、光ファイバ18が折れるのを有効に防止することができる。そのため、光ファイバ導入部12cにおける気密封止を良好とでき、光半導体素子17を長期にわたり正常かつ安定に作動させることができる。
【0014】
そして、この光半導体素子収納用パッケージを用い、載置部11aに載置される光半導体素子17と、光ファイバ導入部12cに載置される光ファイバ18と、枠体12の上面にロウ材19aを介して接合され光半導体素子17および光ファイバ導入部12cを気密に封止する蓋体19とを具備した、大容量の情報を光伝送することの可能な光半導体装置を完成することができる。
【0015】
しかしながら、この基体11の上面に載置部11aを囲繞するように取着され、側部の上面に光ファイバ18を通してロウ付けするための断面形状が略U字状の溝から成る光ファイバ導入部12cを有する枠体12と蓋体19とを、蓋体19にクラッドされたロウ材19aを溶融させ、溶融したロウ材19aを接合材として枠体12と蓋体19との間を封止する際に、枠体12の上面における気密封止に必要なロウ材19aの量が、断面形状が略U字状の溝から成る光ファイバ導入部12c付近と、それ以外の略U字状の溝が形成されていない枠体12の上面とでは異なるため、断面形状が略U字状の溝から成る光ファイバ導入部12cを有する封止部には、断面形状が略U字状の溝と光ファイバ18間を埋めるロウ材量分を多く確保する必要があるが、封止中に枠体12の内側および外側、とりわけ内側に向けてロウ材19aが過剰に流れ出しやすいことから、封止後の枠体12の上面と蓋体19との間に必要なロウ材量が不足することがあり、気密封止が困難になることがあるという、改善が望まれる問題点があった。
【0016】
本発明は、上記問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、光半導体装置における蓋体を枠体にロウ付けにより接合する際に、枠体の上面と蓋体との間から枠体の内側へのロウ材の流出を抑制し、接合に必要なロウ材を確実に確保することで気密封止を良好なものとすることができ、光半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させることができる光半導体素子収納用パッケージを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の光半導体素子収納用パッケージは、上面に光半導体素子が載置される載置部を有する基体と、この基体の上面に前記載置部を囲繞するように取着され、側部の上面に光ファイバを通してロウ付けするための断面形状が略U字状の溝から成る光ファイバ導入部を有し、上面に蓋体がロウ付けされる枠体と、この枠体の側部または前記基体の前記枠体の内側の部位に形成された貫通孔または切欠き部から成る入出力端子取付部に嵌着された入出力端子とを具備して成り、前記枠体は、前記側部の上面にロウ付け用のメッキ層が形成されているとともに、前記光ファイバ導入部およびその両側の前記側部の上面の前記枠体の内周に沿った部位に前記メッキ層の非形成部が設けられていることを特徴とするものである。
【0018】
本発明の第1の光半導体素子収納用パッケージによれば、上記構成により、光ファイバ導入部およびその近傍における枠体の上面から内側への過剰なロウ材の流出を防止することができ、光ファイバ導入部における気密封止に必要なロウ材量を安定して保持することが可能であるため、光ファイバ導入部上の光ファイバの外周面を略均一に覆うようにロウ付けすることができる。その結果、光半導体素子収納用パッケージを安定して気密封止することができ、光半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させることができる。
【0019】
また、本発明の第2の光半導体素子収納用パッケージは、上面に光半導体素子が載置される載置部を有する基体と、この基体の上面に前記載置部を囲繞するように取着され、側部の上面に光ファイバを通してロウ付けするための断面形状が略U字状の溝から成る光ファイバ導入部を有し、上面に蓋体がロウ付けされる枠体と、前記基体の前記載置部から下面にかけて導出された入出力端子導体とを具備して成り、前記枠体は、前記側部の上面にロウ付け用のメッキ層が形成されているとともに、前記光ファイバ導入部およびその両側の前記側部の上面の前記枠体の内周に沿った部位に前記メッキ層の非形成部が設けられていることを特徴とするものである。
【0020】
本発明の第2の光半導体素子収納用パッケージによれば、上記構成により、光ファイバ導入部およびその近傍における枠体の上面から内側への過剰なロウ材の流出を防止することができ、光ファイバ導入部における気密封止に必要なロウ材量を安定して保持することが可能であるため、光ファイバ導入部上の光ファイバの外周面を略均一に覆うようにロウ付けすることができる。その結果、光半導体素子収納用パッケージを安定して気密封止することができ、光半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させることができる。
【0021】
また、これに加えて、基体の載置部から下面にかけて導出する入出力端子導体を具備することから、この導出のために基体の内部に形成される配線導体について、W(タングステン),Mo(モリブデン)−Mn(マンガン)等の金属を自由に選定し、またスクリーン印刷法等により配線導体の幅,長さ,厚みを自由に調整することができるので、配線導体全体のインピーダンスを所望の値に整えることができ、それにより10GHz以上の高周波信号の挿入損失や反射損失を抑制でき、10GHz以上の高周波信号を伝送損失を小さくして通すことが可能となる。
【0022】
これらにより、複数の光ファイバと光半導体素子との光信号の結合効率を良好なものとでき、光半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させることができるのはもちろん、10GHz以上の高周波信号を伝送損失を小さくして通すことができるものとなる。
【0023】
また、本発明の光半導体素子収納用パッケージは、上記各構成において、前記非形成部は、前記枠体の前記側面の上面の前記枠体の内周からの幅が10μm乃至3mmであるときには、光ファイバ導入部およびその近傍における枠体の上面から内側への過剰なロウ材の流出を有効に防止することができ、光ファイバ導入部における気密封止に必要なロウ材量を安定して保持することが可能であるため、光ファイバ導入部上の光ファイバの外周面を略均一に覆うようにロウ付けすることができ、ロウ材のボイドの発生を皆無とできるとともに光ファイバが折れるのを有効に防止することができる。そのため、光ファイバ導入部における気密封止を良好なものとすることができ、光半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させることができる。
【0024】
本発明の光半導体装置は、上記各構成の本発明の光半導体素子収納用パッケージと、前記載置部に載置された光半導体素子と、前記光ファイバ導入部に通されてロウ付けされた光ファイバと、前記枠体の上面にロウ付けされた、前記光半導体素子および前記光ファイバ導入部を気密に封止する蓋体とを具備したことを特徴とするものである。
【0025】
本発明の光半導体装置によれば、上記構成により、従来のように複数の光ファイバと光半導体素子とを光結合した後に、ホルダーをパイプの先端面にYAG溶接する工程と、蓋体を枠体の上面に接合する工程との2工程が不要となり、その際の熱履歴により、光ファイバを歪ませる程度の応力が発生し、光半導体素子と光ファイバとの光結合が劣化するようなことがないため、光半導体素子の作動性を良好とすることができ、大容量の情報を光伝送することの可能な光半導体装置を提供することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の光半導体素子収納用パッケージを以下に詳細に説明する。図1は本発明の第1の光半導体素子収納用パッケージの実施の形態の一例を示す斜視図であり、図2はその光ファイバ導入部の周辺部の部分拡大斜視図である。
【0027】
図1および図2において、1は基体、2は枠体、4は入出力端子であり、これら基体1,枠体2および入出力端子4で、光半導体素子を収容する容器が基本的に構成される。
【0028】
基体1は、光半導体素子を支持するための支持部材ならびに光半導体素子から発せられる熱を放散するための略四角形の放熱板として機能し、その上面の略中央部に光半導体素子を載置するための載置部1aを有している。また、基体1の外周部には、外部電気回路基板(図示せず)とネジ止めできるように、基体1を枠体2の外側に延出させてネジ穴を設けた、フランジ部1bを有していることが好ましい。
【0029】
基体1は、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金や銅(Cu)−タングステン(W)合金等の金属材料から成る板状体であり、例えばFe−Ni−Co合金から成る場合は、そのインゴットに圧延加工や打ち抜き加工等の金属加工法を施すことによって所定の形状に製作される。
【0030】
なお、基体1の表面には、耐蝕性に優れかつロウ材との濡れ性に優れる金属、具体的には厚さ0.5μm乃至9μmのNi層と、厚さ0.5μm乃至5μmのAu層とを順次メッキ法により被着させておくのが良く、これにより、基体1が酸化腐食するのを有効に防止できるとともに、基体1の上面に光半導体素子および枠体2をロウ材により強固に接着固定することができるものとなる。
【0031】
また、基体1は、その上面に光半導体素子が載置される載置部1aを囲繞するように四角形等の枠形状の枠体2が接合されており、枠体2の内側に光半導体素子を収容するための空所が形成される。
【0032】
この枠体2は、基体1と同様に金属材料から成り、基体1と同様の加工法で、少なくとも1つの側部に貫通孔または切欠き部から成る入出力端子取付部2aを、また他の側部の上面の略中央部に光ファイバを通してロウ付けするための断面形状が略U字状の溝から成る少なくとも1つの光ファイバ導入部2cを有するものに加工される。
【0033】
枠体2は、例えばFe−Ni−Co合金から成る場合は、そのインゴットに圧延加工や打ち抜き加工等の金属加工法を施すことによって所定の枠形状に製作される。また、枠体2の基体1への取着は、基体1の上面と枠体2の下面とを、基体1の上面に敷設した、適度な体積を有するプリフォームとされた銀(Ag)ロウ等のロウ材を介してロウ付け接合することによって行なわれる。さらに、基体1と同様に、枠体2の表面、特に光ファイバ導入部2cおよびその近傍の枠体2の側部の上面に、厚さ0.5μm乃至9μmのNi層と厚さ0.5μm乃至5μmのAu層とを順次メッキ法によりロウ付け用のメッキ層として被着させておく。
【0034】
本発明の光半導体素子収納用パッケージにおける光ファイバ導入部2cは、少なくとも一本の光ファイバを通してロウ付けするための断面形状が略U字状の溝から成る。この光ファイバ導入部2cは、光ファイバを安定して固定し保持する機能を有するとともに、基体1をフランジ部1bにより外部電気回路基板にネジ止めする場合においても、ネジ止めによりフランジ部1bに発生して光ファイバに伝わる応力を非常に小さくし得る機能を有する。さらに、光ファイバ導入部2cは、その内側に光ファイバを通してロウ付けすることによって固定した際に光ファイバの外周面を略均一にロウ材で覆うことが可能な形状であるため、ロウ材が溶融して光ファイバの外周面と光ファイバ導入部2cとの間を封止する際に発生するロウ材中のボイドの原因となる光ファイバ導入部2cに存在しているエアを外部へ抜けやすくする作用があるので、そのロウ材中のボイドの発生を皆無とし、光ファイバ導入部2cにおける気密封止を良好とする機能も有するものである。
【0035】
次に、図4は本発明の第2の光半導体素子収納用パッケージの実施の形態の一例を示す下面側から見た斜視図であり、4cは入出力端子導体、4bは入出力端子導体4cに接合された外部入出力端子である。
【0036】
本発明の第2の光半導体素子収納用パッケージは、上面に光半導体素子が載置される載置部1aを有する基体1と、この基体1の上面に載置部1aを囲繞するように取着され、側部の上面に光ファイバを通してロウ付けするための断面形状が略U字状の溝から成る光ファイバ導入部2cを有し、上面に蓋体9がロウ付けされる枠体2と、基体1の載置部1aから下面にかけて導出された入出力端子導体4cとを具備することが重要である。
【0037】
本発明の第2の光半導体素子収納用パッケージによれば、上面に光半導体素子が載置される載置部1aを有する基体1と、この基体1の上面に載置部1aを囲繞するように取着され、側部の上面に光ファイバを通してロウ付けするための断面形状が略U字状の溝から成る光ファイバ導入部2cを有し、上面に蓋体9がロウ付けされる枠体2と、基体1の載置部1aから下面にかけて導出された入出力端子導体4cとを具備したことから、光ファイバを導入部2cに仮固定してパッケージの内部に載置される光半導体素子と正確に光結合させることができるので、少なくとも一本の光ファイバと光半導体素子との光結合の作業性を非常に効率の高いものとできるとともに、少なくとも一本の光ファイバを安定して固定し保持することができる。また、蓋体9を枠体2の上面にロウ付けするのと同時に、同一の熱履歴によって光ファイバ導入部2cと光ファイバとの間の気密封止が実現できることから、熱履歴工程が1回で済むために、熱履歴が加わる毎に発生する応力を光ファイバを歪ませる程度に至らない大きさにまで非常に小さくすることができる。
【0038】
また、これらに加えて、基体1の載置部1aから下面にかけて導出された入出力端子導体4cを具備することから、この導出のために基体1の内部に形成される配線導体について、W(タングステン),Mo(モリブデン)−Mn(マンガン)等の金属を自由に選定し、またスクリーン印刷法等により配線導体の幅,長さ,厚みを自由に調整することができるので、配線導体全体のインピーダンスを所望の値に整えることができ、それにより10GHz以上の高周波信号の挿入損失や反射損失を抑制でき、10GHz以上の高周波信号を伝送損失を小さくして通すことが可能となる。
【0039】
これらにより、複数の光ファイバと光半導体素子との光信号の結合効率を良好なものとでき、光半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させることができるのはもちろん、10GHz以上の高周波信号を伝送損失を小さくして通すことができるものとなる。
【0040】
また、本発明の光半導体素子収納用パッケージにおいては、枠体2は、側部の上面にロウ付け用のメッキ層が形成されているとともに、光ファイバ導入部2cおよびその両側の側部の上面の枠体2の内周に沿った部位にメッキ層の非形成部10が設けられていることが重要である。これにより、光ファイバ導入部2cおよびその近傍における枠体2の上面から内側への過剰なロウ材の流出を防止することができ、光ファイバ導入部2cにおける気密封止に必要なロウ材量を安定して保持することが可能であるため、光ファイバ導入部2c上の光ファイバの外周面を略均一に覆うようにロウ付けすることができる。その結果、光半導体素子収納用パッケージを安定して気密封止することができ、光半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させることができる。
【0041】
なお、ロウ付け用のメッキ層は、ロウ付けに用いるロウ材に応じて種々のものが使用でき、例えば、ロウ材として金(Au)−錫(Sn)合金を使用する場合にであれば、厚さ0.5μm乃至9μmのNi層と厚さ0.5μm乃至5μmのAu層とを順次メッキ法により形成したものを使用すればよい。
【0042】
また、メッキ層の非形成部10は、光ファイバ導入部2cおよびその両側の側部の上面の枠体2の内周に沿った部位に設けられていれば、図1および図2に示すように、その非形成部10を延長するようにして枠体2の上面の内周に沿った全周にわたって設けても構わない。光ファイバ導入部2cおよびその両側の側部の上面の枠体2の内周に沿った部位のみに設ける場合は、光ファイバ導入部2cの両側には少なくとも光ファイバ導入部2cおよびその両側の側部の上面の、枠体2の内周に沿った10μm以上ずつの長さの範囲に所定の幅で非形成部10を設ければよい。
【0043】
これにより、メッキ層へのロウ材の濡れ性に対し、非形成部10の露出した下地へのロウ材の濡れ性は悪いものとなる。すなわち、メッキ層が形成されていない非形成部10における露出した下地とロウ材間とで合金層ができにくいことから、ロウ材の流れ防止部として機能するものとなる。
【0044】
本発明の光半導体素子収納用パッケージにおけるメッキ層の非形成部10は、図2に部分拡大斜視図を示すように、その枠体2の側部の上面における枠体2の内周からの幅Aが、10μm乃至3mmであることが好ましい。また、枠体2の内側面にもロウ付け用のメッキ層が形成されており、枠体2の内周面にも枠体2の内周縁に沿って同様のメッキ層の非形成部を設ける場合は、その枠体2の内周面における枠体2の内周縁からの深さBが10μm以上であることが好ましい。
【0045】
幅Aが10μm未満の場合は、封止後においてロウ材が枠体2の上面から内側に過剰に流れ出すことを有効に防止できないようになるため、光ファイバの外周面を略均一に覆うためのロウ材の絶対量が不足することとなり、光ファイバの外周面を略均一に覆うようにロウ付けできなくなって、光ファイバ導入部2cにおける気密封止を良好とできず光半導体素子を気密封止できない傾向がある。一方、幅Aが3mmを超える場合は、光ファイバを光ファイバ導入部2cの略中央部に載置固定した部分から枠体2の内周面までの固定されていない部分の距離が長くなり、光ファイバ導入部2cの周辺部における光ファイバ断面の中心点と、光軸調整用として機能するV溝(後述する図3に示す)に載置固定された光ファイバ断面の中心点とが位置ずれを起こし易くなり、光ファイバに応力が発生して折れ易くなり、光半導体装置としての信頼性が非常に低くなるという問題点が発生する傾向がある。
【0046】
また、深さBが10μm未満の場合は、枠体2の上面の非形成部10と相まって封止後においてロウ材が枠体2の上面から過剰に流れ出すことを有効に防止するには不十分となる傾向がある。一方、深さBには特に上限値はないが、通常は、非形成部10の加工時間や加工コストの面から150μm程度までとしておくことが好ましい。
【0047】
また、枠体2の入出力端子取付部2aには、光半導体素子収納用パッケージと外部電気回路基板との電気的接続を行なうための入出力端子4が嵌着される。この入出力端子4は、その一部に形成されたメタライズ層4aと光半導体素子とをボンディングワイヤ(図示せず)等で接続することにより、光半導体素子に高周波信号を入出力する機能を有する。
【0048】
また、光ファイバ導入部2cの奥行き、すなわち枠体2の厚さは0.7乃至1.8mm程度が好ましい。奥行きが0.7mm未満の場合は光ファイバを安定して固定し保持することが困難となり、一方、1.8mmを超える場合は、光ファイバが固定され保持される部位のロウ付け面積が広くなるため、光ファイバと光ファイバ導入部2cとの間にロウ付け後に発生する残留応力が非常に大きいものとなり、光ファイバに外力が加わると光ファイバ導入部2cにおける光ファイバの周囲のロウ材にクラック等の機械的な破壊が発生し易くなって、光半導体素子を気密に封止することが困難となる傾向がある。
【0049】
また、枠体2の入出力端子取付部2aには、光半導体素子収納用パッケージの内部と外部電気回路基板との間の電気的接続を行なうための入出力端子4が嵌着される。この入出力端子4は、例えば図1に示すように、高周波信号を伝送する線路導体およびグランド機能を有する接地導体としての複数のメタライズ層4aが枠体2の内外を導通するように形成された直方体状の誘電体板から成る平板部と、この平板部の状面にメタライズ層4aを間に挟んで接合され、枠体2内外を遮断するように形成された略直方体状の誘電体板から成る立壁部とから成り、その平板部の上面に形成されたメタライズ層4aと光半導体素子とをボンディングワイヤ(図示せず)等で接続することにより、光半導体素子に高周波信号を入出力する機能を有する。この平板部や立壁部の誘電体材料には、その誘電率や熱膨張係数等の要求される特性に応じて、アルミナ(Al)セラミックスや窒化アルミニウム(AlN)セラミックス等が適宜選定される。
【0050】
この入出力端子4は、メタライズ層4aとなるタングステン(W),モリブデン(Mo),マンガン(Mn)等の粉末に有機溶剤,溶媒を添加混合して得た金属ペーストを、平板部や立壁部となる原料粉末に適当な有機バインダや溶剤等を添加混合しペースト状と成し、このペーストをドクターブレード法やカレンダーロール法によって成されたセラミックグリーンシートに、予め従来周知のスクリーン印刷法により所望の形状に印刷,塗布し、約1600℃の高温で焼結することにより製作される。
【0051】
また、枠体2の外側に位置するメタライズ層4aの上面には、それぞれ光半導体素子収納用パッケージと外部電気回路基板とを電気的に接続する外部入出力端子4bがAgロウ等のロウ材を介して接合される。この外部入出力端子4bには、入出力端子4との接合を強固なものとするために、入出力端子4の熱膨張係数に近似する金属部材が用いられる。例えば、入出力端子4の平板部がAlセラミックスから成る場合は、外部入出力端子4bにはFe−Ni−Co合金やFe−Ni合金が用いられる。
【0052】
このような本発明の光半導体素子収納用パッケージを用いて、図3に本発明の第1の光半導体素子収納用パッケージによるその実施の形態の一例を斜視図で示すように、載置部1aの上面に光半導体素子7,整列器6が保持台5を介して載置されるとともに、光ファイバ8が、光ファイバ導入部2cを通してロウ付けされることによって外部から光半導体素子7にかけて導入され、その光ファイバ8の端部を整列器6の上面の略V字状のV溝6aに載置しそれに沿って前後させることにより、光半導体素子7に光結合される。さらに、その後に下面に金(Au)−錫(Sn)ロウ材等の低温ロウ材9aがクラッドされている蓋体9を、光ファイバ導入部2cを含む枠体2の上面にロウ付けすることにより、光半導体素子収納用パッケージの内部が気密に封止された本発明の光半導体装置が完成する。
【0053】
なお、この光半導体装置において、光ファイバ導入部2cを介して導入される光ファイバ8の光ファイバ導入部2cに位置する部位の保護膜(樹脂等)を剥がして石英ガラス(光ファイバ8の芯線)を露出させるとともに、露出させた光ファイバ8の芯線の外周の全面にNi,Au等のメッキ膜を順次被着させておくことにより、光ファイバ8の外周面がメッキ膜およびロウ材を介して光ファイバ導入部2cおよび蓋体9に良好にロウ付けされ、光ファイバ導入部2cが気密封止されることになる。そして、この光半導体装置は、従来のように、複数の光ファイバと光半導体素子とを光結合した後、ホルダーをパイプの先端面にYAG溶接する工程と、蓋体を枠体の上面に接合する工程との2工程が不要となり、その際の熱履歴により、光ファイバを歪ませる程度の応力が発生して光半導体素子と光ファイバとの光結合が劣化するようなことがないことから、光半導体素子7の作動性を良好とすることができ、大容量の情報を光伝送することが可能なものとなる。
【0054】
また、本発明の光半導体装置は、図4に示した本発明の第2の光半導体素子収納用パッケージを用いて、図3に示したものと同様にして構成してもよい。
【0055】
【実施例】
本発明の光半導体素子収納用パッケージにおけるメッキ層の非形成部10の枠体2の側部の上面における枠体2の内周からの幅Aおよび枠体2の内周面にも枠体2の内周縁に沿って同様のメッキ層の非形成部を設ける場合の枠体2の内周面における枠体2の内周縁からの深さBの寸法を決めるための実験を以下に示すように行なった。
【0056】
図1に示すような光半導体素子収納用パッケージを製作するにあたり、外周部の両端に縦×横を37mm×16mmの大きさとし、ネジ穴の直径を2.5mmとしたフランジ部1bが設けられ、縦×横×高さを42mm×20mm×1mmの大きさとしたCu−W合金から成る基体1を準備した。次に、基体1の上面に、外寸法が縦32mm,横20mm,高さ3.5mmで、厚さが1mmのFe−Ni−Co合金から成る枠体2をAgロウ材で接合した。この枠体2には、相対する一対の側部に貫通孔から成る入出力端子取付部2aを設けるとともに、相対するもう一対の側部の上面の略中央部に断面形状が略U字状の溝から成る光ファイバ導入部2cを一方の側部に8箇所ずつ、計16箇所設けた。また、この枠体2には、ロウ付け用のメッキ層として厚さ0.5μm乃至9μmのNi層と厚さ0.5μm乃至5μmのAu層とを順次メッキ法により形成した。
【0057】
そして、この光ファイバ導入部2cおよびその両側におけるメッキ層の非形成部10の枠体2の側部の上面における枠体2の内周からの幅Aおよび枠体2の内周面にも枠体2の内周縁に沿って同様のメッキ層の非形成部を設ける場合の枠体2の内周面における枠体2の内周縁からの深さBをパラメータにとるとともに、入出力端子取付部2aにAlセラミックスから成る平板部および立壁部とメタライズ層4aとを有する入出力端子4をAgロウ材を介して嵌着した。
【0058】
なお、本実施例では、この入出力端子4は光ファイバ導入部2cにおける光半導体装置としての信頼性を実験により評価するために嵌着するものであり、外部電気回路基板との電気的接続を行なうものではないため、外部入出力端子4bは設けなかった。
【0059】
そして、以上のようにして作製した光半導体素子収納用パッケージの評価用試料について、図3に示すように、内部の基体1の上面の載置部1aに保持台5,整列器6,光半導体素子7を錫(Sn)−鉛(Pb)半田等の低温ロウ材で接合するとともに光ファイバ8を全ての光ファイバ導入部2c(一方の側部で8箇所ずつ、計16箇所)に挿通し、光半導体素子7との光結合を行なった。
【0060】
次に、下面にAu−Snロウ材から成る低温ロウ材9aがクラッドされている蓋体9を、光ファイバ導入部2cを含む枠体2の上面にロウ付けすることによって、同時に各光ファイバ8をそれぞれ光ファイバ導入部2cにロウ付けして、光半導体装置の試料を作製した。なお、これら光半導体装置の試料においては、光ファイバ導入部2cに通してロウ付けされる部位の光ファイバ8の樹脂から成る保護膜を剥がして石英ガラスから成る光ファイバ8の芯線を露出させるとともに、その芯線の外周の全面に厚さ1μmのNiメッキ膜および厚さ1μmのAuメッキ膜を順次被着させ、光ファイバ8の外周面がこのメッキ膜を介して光ファイバ導入部2cにロウ付けされるようにした。
【0061】
このようにして作製した光半導体装置の各試料について、光ファイバの折れおよび気密性の評価を行なった。
【0062】
光ファイバの折れについては、作製した光半導体装置の各試料を目視で確認し、光ファイバに折れやクラック等の欠陥の発生の有無を評価した。
【0063】
気密性については、作製した光半導体装置の各試料をフロリナート系の揮発性の高い液体中に浸漬してグロスリーク試験を行ない、液体中への気泡の発生の有無を評価して、気泡の生じない試料を良品とし、気泡の生じた試料を不良品とした。さらに、グロスリーク試験で良品であった試料について50N/cmで2時間He加圧を行なった後にHeリーク試験を実施し、Heの検出量が5×10−9Pa・m/sec以下の試料を最終的に良品とし、検出量が5×10−9Pa・m/secを超える試料を不良品とした。
【0064】
その結果、この光半導体装置の信頼性は、表1および表2に示すように、光ファイバ導入部2cおよびその両側におけるメッキ層の非形成部10の枠体2の側部の上面における枠体2の内周からの幅Aによりほぼ決まり、枠体2の内周面にも枠体2の内周縁に沿って同様のメッキ層の非形成部を設ける場合にはその深さBとの関係にもある程度影響を受けることが分かった。
【0065】
表1はメッキ層の非形成部の深さBを一定としてメッキ層の非形成部10の幅Aを変化させた実験の結果を示すものであり、非形成部10の幅Aが10μm未満では50個の光半導体装置の試料のうち数個は、実用上で大きな問題はない程度ではあるが、気密性不良が見られた。この気密性不良の原因は、光ファイバ8の外周面を十分なレベルで均一に覆うようにロウ付けできていないことによるものであり、ロウ材中にボイドも見られた。これに対し、非形成部10の幅Aを10μmとしたものでは、50個中全てが気密性不良を起こさなかった。
【0066】
一方、非形成部10の幅Aが3mmを超える場合には、光ファイバ8が折れる場合があった。この折れの原因は、光ファイバ導入部2cに通してロウ付けした部位の光ファイバ8の断面の中心点とV溝6aに載置固定した部位の光ファイバ8の断面の中心点とが位置ずれを起こしていたことによるものであることが分かった。すなわち、光ファイバ8を光ファイバ導入部2cの略中央部に十分なレベルで精度良くロウ付けできなかったことによるものであった。これに対し、非形成部10の幅Aを10μm乃至3mmの範囲とした本発明の試料では、いずれも気密性不良の発生はなく、光ファイバの折れ等の不具合の発生もなかった。
【0067】
【表1】
Figure 2004119910
【0068】
次に、表2は非形成部10の幅Aを一定として、枠体2の内周面にも枠体2の内周縁に沿って同様のメッキ層の非形成部を設けた場合のその深さBを変化させた実験の結果を示すものであり、非形成部の深さBが10μm未満では50個の光半導体装置の試料のうち数個は、実用上で大きな問題はない程度ではあるが、気密性不良が見られた。この気密性不良の原因は、光ファイバ8の外周面を十分なレベルで均一に覆うようにロウ付けできていないことによるものであり、ロウ材中にボイドも見られた。これに対し、非形成部の深さBを10μm以上とした本発明の試料では、いずれも気密性不良の発生はなく、光ファイバの折れ等の不具合の発生もなかった。
【0069】
【表2】
Figure 2004119910
【0070】
以上の結果より、本発明の試料の中でも、メッキ層の非形成部10の幅Aが10μm乃至3mmであり、枠体2の内周面における非形成部の深さBが10μm以上であることが良いことが確認できた。
【0071】
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更を行なうことは何等差し支えない。例えば、図5に斜視図で示すように、光半導体素子収納用パッケージの枠体2の外側の光ファイバ導入部2cの側面2bに光ファイバ支持部材3を接合しておいても良く、この場合は、図6にその実施の形態の例を斜視図で示すように光半導体装置とした後に、外部電気回路基板にネジ止め等するために光ファイバ8を上下左右に動かすようなことがあっても、支持部材3の先端部が光ファイバ8の起点となるため、光ファイバ導入部2cにおける光ファイバ8の周囲のロウ材や光ファイバ8に直接的に応力が伝わらないものとすることができる。なお、この場合、図6に示すように蓋体9には支持部材3の上面部に接合されるように鍔部9bを設けておいたほうが好ましく、例えば光ファイバ8を上方向に動かした場合に鍔部9bを光ファイバ8の起点とすることができる。その結果、本発明の光半導体装置における光ファイバ8の支持についての信頼性が非常に良いものとなる。
【0072】
また、以上の実施の形態の例では、枠体2の対向する2つの側部に光ファイバ導入部2cを形成するとともに、基体1の外周部の光ファイバ導入部2cが形成された側にフランジ部1bを設けていたが、フランジ部1bの配置はこのような関係に限定されるものではなく、入出力端子取付部2aが形成された側に配置してもよく、枠体2の四隅に張り出すように配置してもよい。
【0073】
また、以上の実施の形態の例では、入出力端子導体4cに外部入出力端子4bをロウ材を介して接合したが、例えば図7に示すように外部入出力端子4bの形状が球状のBGA(Ball Grid Array)タイプや、外部入出力端子4bを介さずにはんだ等のロウ材により入出力端子導体4cと外部電気回路基板とを接合するLGA(Land Grid Array)タイプ等に、使用用途に応じて変更してもよい。
【0074】
【発明の効果】
本発明の第1の光半導体素子収納用パッケージによれば、上面に光半導体素子が載置される載置部を有する基体と、基体の上面に載置部を囲繞するように取着され、側部の上面に光ファイバを通してロウ付けするための断面形状が略U字状の溝から成る光ファイバ導入部を有し、上面に蓋体がロウ付けされる枠体と、枠体の側部または基体の枠体の内側の部位に形成された貫通孔または切欠き部から成る入出力端子取付部に嵌着された入出力端子とを具備して成り、枠体は、側部の上面にロウ付け用のメッキ層が形成されているとともに、光ファイバ導入部およびその両側の側部の上面の枠体の内周に沿った部位にメッキ層の非形成部が設けられていることから、光ファイバ導入部およびその近傍における枠体の上面から内側への過剰なロウ材の流出を防止することができ、光ファイバ導入部における気密封止に必要なロウ材量を安定して保持することが可能であるため、光ファイバ導入部上の光ファイバの外周面を略均一に覆うようにロウ付けすることができる。その結果、光半導体素子収納用パッケージを安定して気密封止することができ、光半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させることができるものとなる。
【0075】
また、本発明の第2の光半導体素子収納用パッケージによれば、上面に光半導体素子が載置される載置部を有する基体と、基体の上面に載置部を囲繞するように取着され、側部の上面に光ファイバを通してロウ付けするための断面形状が略U字状の溝から成る光ファイバ導入部を有し、上面に蓋体がロウ付けされる枠体と、基体の載置部から下面にかけて導出された入出力端子導体とを具備して成り、枠体は、側部の上面にロウ付け用のメッキ層が形成されているとともに、光ファイバ導入部およびその両側の側部の上面の枠体の内周に沿った部位にメッキ層の非形成部が設けられていることから、光ファイバ導入部およびその近傍における枠体の上面から内側への過剰なロウ材の流出を防止することができ、光ファイバ導入部における気密封止に必要なロウ材量を安定して保持することが可能であるため、光ファイバ導入部上の光ファイバの外周面を略均一に覆うようにロウ付けすることができる。その結果、光半導体素子収納用パッケージを安定して気密封止することができ、光半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させることができる。
【0076】
また、これに加えて、基体の載置部から下面にかけて導出する入出力端子導体を具備することから、この導出のために基体の内部に形成される配線導体について、W(タングステン),Mo(モリブデン)−Mn(マンガン)等の金属を自由に選定し、またスクリーン印刷法等により配線導体の幅,長さ,厚みを自由に調整することができるので、配線導体全体のインピーダンスを所望の値に整えることができ、それにより10GHz以上の高周波信号の挿入損失や反射損失を抑制でき、10GHz以上の高周波信号を伝送損失を小さくして通すことが可能となる。
【0077】
これらにより、複数の光ファイバと光半導体素子との光信号の結合効率を良好なものとでき、光半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させることができるのはもちろん、10GHz以上の高周波信号を伝送損失を小さくして通すことができるものとなる。
【0078】
また、本発明の光半導体素子収納用パッケージによれば、上記各構成において、非形成部は、枠体の側面の上面の枠体の内周からの幅が10μm乃至3mmであるときには、光ファイバ導入部およびその近傍における枠体の上面から内側への過剰なロウ材の流出を有効に防止することができ、光ファイバ導入部における気密封止に必要なロウ材量を安定して保持することが可能であるため、光ファイバ導入部上の光ファイバの外周面を略均一に覆うようにロウ付けすることができ、ロウ材のボイドの発生を皆無とできるとともに光ファイバが折れるのを有効に防止することができる。そのため、光ファイバ導入部における気密封止を良好なものとすることができ、光半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させることができる。
【0079】
また、本発明の光半導体装置によれば、上記各構成の本発明の光半導体素子収納用パッケージと、載置部に載置された光半導体素子と、光ファイバ導入部に通されてロウ付けされた光ファイバと、枠体の上面にロウ付けされた、光半導体素子および光ファイバ導入部を気密に封止する蓋体とを具備したことから、従来のように複数の光ファイバと光半導体素子とを光結合した後に、ホルダーをパイプの先端面にYAG溶接する工程と、蓋体を枠体の上面に接合する工程との2工程が不要となり、その際の熱履歴により、光ファイバを歪ませる程度の応力が発生し、光半導体素子と光ファイバとの光結合が劣化するようなことがないため、光半導体素子の作動性を良好とすることができ、大容量の情報を光伝送することの可能な光半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の光半導体素子収納用パッケージの実施の形態の一例を示す斜視図である。
【図2】図1に示す光半導体素子収納用パッケージの光ファイバ導入部の周辺部の部分拡大斜視図である。
【図3】本発明の光半導体装置の実施の形態の一例を示す斜視図である。
【図4】本発明の第2の光半導体素子収納用パッケージの実施の形態の一例を示す斜視図である。
【図5】本発明の光半導体素子収納用パッケージの実施の形態の他の例を示す斜視図である。
【図6】本発明の光半導体装置の実施の形態の他の例を示す斜視図である。
【図7】本発明の第2の光半導体素子収納用パッケージの実施の形態の他の例を示す斜視図である。
【図8】従来の光半導体素子収納用パッケージの例を示す斜視図である。
【図9】従来の光半導体装置の例を示す斜視図である。
【図10】従来の光半導体素子収納用パッケージの例を示す斜視図である。
【図11】従来の光半導体装置の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1:基体
1a:載置部
1b:フランジ部
2:枠体
2a:入出力端子取付部
2c:光ファイバ導入部
4:入出力端子
7:光半導体素子
8:光ファイバ
9:蓋体
10:メッキ層の非形成部

Claims (4)

  1. 上面に光半導体素子が載置される載置部を有する基体と、該基体の上面に前記載置部を囲繞するように取着され、側部の上面に光ファイバを通してロウ付けするための断面形状が略U字状の溝から成る光ファイバ導入部を有し、上面に蓋体がロウ付けされる枠体と、該枠体の側部または前記基体の前記枠体の内側の部位に形成された貫通孔または切欠き部から成る入出力端子取付部に嵌着された入出力端子とを具備して成り、前記枠体は、前記側部の上面にロウ付け用のメッキ層が形成されているとともに、前記光ファイバ導入部およびその両側の前記側部の上面の前記枠体の内周に沿った部位に前記メッキ層の非形成部が設けられていることを特徴とする光半導体素子収納用パッケージ。
  2. 上面に光半導体素子が載置される載置部を有する基体と、該基体の上面に前記載置部を囲繞するように取着され、側部の上面に光ファイバを通してロウ付けするための断面形状が略U字状の溝から成る光ファイバ導入部を有し、上面に蓋体がロウ付けされる枠体と、前記基体の前記載置部から下面にかけて導出された入出力端子導体とを具備して成り、前記枠体は、前記側部の上面にロウ付け用のメッキ層が形成されているとともに、前記光ファイバ導入部およびその両側の前記側部の上面の前記枠体の内周に沿った部位に前記メッキ層の非形成部が設けられていることを特徴とする光半導体素子収納用パッケージ。
  3. 前記非形成部は、前記枠体の前記側部の上面の前記枠体の内周からの幅が10μm乃至3mmであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の光半導体素子収納用パッケージ。
  4. 請求項1または請求項2記載の光半導体素子収納用パッケージと、前記載置部に載置された光半導体素子と、前記光ファイバ導入部に通されてロウ付けされた光ファイバと、前記枠体の上面にロウ付けされた、前記光半導体素子および前記光ファイバ導入部を気密に封止する蓋体とを具備したことを特徴とする光半導体装置。
JP2002284610A 2002-09-30 2002-09-30 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置 Withdrawn JP2004119910A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002284610A JP2004119910A (ja) 2002-09-30 2002-09-30 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002284610A JP2004119910A (ja) 2002-09-30 2002-09-30 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004119910A true JP2004119910A (ja) 2004-04-15

Family

ID=32278103

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002284610A Withdrawn JP2004119910A (ja) 2002-09-30 2002-09-30 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004119910A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010080562A (ja) * 2008-09-25 2010-04-08 Sumitomo Metal Electronics Devices Inc 電子部品収納用パッケージ

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09318849A (ja) * 1996-05-24 1997-12-12 Fujitsu Ltd 光伝送モジュールおよびその製造方法
JPH11119062A (ja) * 1997-10-16 1999-04-30 Nec Eng Ltd 光モジュール
JP2000340876A (ja) * 1999-03-23 2000-12-08 Furukawa Electric Co Ltd:The 光半導体素子用パッケージおよびその製造方法
JP2002076373A (ja) * 2000-08-25 2002-03-15 Fujitsu Ltd 電子装置及び光学装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09318849A (ja) * 1996-05-24 1997-12-12 Fujitsu Ltd 光伝送モジュールおよびその製造方法
JPH11119062A (ja) * 1997-10-16 1999-04-30 Nec Eng Ltd 光モジュール
JP2000340876A (ja) * 1999-03-23 2000-12-08 Furukawa Electric Co Ltd:The 光半導体素子用パッケージおよびその製造方法
JP2002076373A (ja) * 2000-08-25 2002-03-15 Fujitsu Ltd 電子装置及び光学装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010080562A (ja) * 2008-09-25 2010-04-08 Sumitomo Metal Electronics Devices Inc 電子部品収納用パッケージ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4822820B2 (ja) 半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置
JP4057897B2 (ja) 光半導体装置
US20040131318A1 (en) Optical element housing package and optical module
JP2004119910A (ja) 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置
JP2004145148A (ja) 光素子収納用パッケージおよび光モジュール
JP4142928B2 (ja) 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置
JP4025612B2 (ja) 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置
JP2004145149A (ja) 光素子収納用パッケージおよび光モジュール
JP2004145147A (ja) 光素子収納用パッケージおよび光モジュール
JP2004146395A (ja) 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置
JP2005217093A (ja) 光半導体素子収納用パッケージ
JP3935085B2 (ja) 半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置
JP7196249B2 (ja) 半導体素子用パッケージおよび半導体装置
JP3615697B2 (ja) 半導体素子収納用パッケージ
JP3993774B2 (ja) 光半導体素子収納用パッケージ
JP2004191422A (ja) 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置
JP2004207259A (ja) 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置
JP3914764B2 (ja) 光半導体装置
JP3898521B2 (ja) 光半導体素子収納用パッケージ
JP2003318303A (ja) 入出力端子および半導体素子収納用パッケージならびに半導体装置
JP4025616B2 (ja) 光素子収納用パッケージおよび光モジュール
JP2004356334A (ja) 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置
JP3716199B2 (ja) 半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置
JP2004258269A (ja) 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置
JP2004296576A (ja) 半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050309

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071018

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071113

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20071122