JP2004117887A - 液晶表示装置及び携帯機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】二重像やカラー表示の際の色滲みの発生を抑制することが可能な液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】液晶表示装置11は、液晶パネル12と、該パネル12に対して表示面12aとは反対側に配置された反射部(反射カソード電極)26とからなっている。液晶表示装置11は、反射部26で反射した外光を液晶パネル12の表示光として利用する。反射部26の反射面26aを境とした液晶パネル12側には、板状をなす複数のルーバ30が、それぞれ反射部26の反射面26aに対して角度を持って配置されている。ルーバ30は、一方の板面30aが光を反射するように構成されているとともに他方の板面30bが光を吸収するように構成されている。複数のルーバ30は、ルーバ30の一方の板面30aが、隣接するルーバ30の他方の板面30bと向かい合わせとなるようにして、反射部26の反射面26aに沿う方向に間隔をおいて配置されている。
【選択図】 図1
【解決手段】液晶表示装置11は、液晶パネル12と、該パネル12に対して表示面12aとは反対側に配置された反射部(反射カソード電極)26とからなっている。液晶表示装置11は、反射部26で反射した外光を液晶パネル12の表示光として利用する。反射部26の反射面26aを境とした液晶パネル12側には、板状をなす複数のルーバ30が、それぞれ反射部26の反射面26aに対して角度を持って配置されている。ルーバ30は、一方の板面30aが光を反射するように構成されているとともに他方の板面30bが光を吸収するように構成されている。複数のルーバ30は、ルーバ30の一方の板面30aが、隣接するルーバ30の他方の板面30bと向かい合わせとなるようにして、反射部26の反射面26aに沿う方向に間隔をおいて配置されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶パネルと、該液晶パネルの表示面と反対側に配置された反射部とからなり、外光を前記反射部で反射して前記液晶パネルの表示光として利用する液晶表示装置、及び該液晶表示装置を備えた携帯機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は、携帯機器等の表示装置として広く用いられている。これら携帯機器は、小型軽量化、低消費電力に対するニーズが高く、これに伴い液晶表示装置も更なる薄型化、低消費電力化が必要である。
【0003】
低消費電力化のため反射型の液晶表示装置が採用されているが、画質が十分ではない。十分な画質を確保するためには、バックライトを用いた透過型の液晶表示装置が優れる。そして、近年、バックライトとして有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を備え、該有機EL素子の発光状態では透過型の液晶表示装置として機能し、前記有機EL素子の非発光状態では反射型の液晶表示装置として機能する、所謂半透過型の液晶表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
この液晶表示装置は図9に示すように、液晶パネル71と、その後方(図面では下方)に配置された有機EL素子72とから構成されている。液晶パネル71は、一対の透明基板73,74間に液晶75、透明電極76,77等が配置され、透明基板73,74の外側に偏光板78,79が配置されている。有機EL素子72は、ガラス製の基板80の上に設けられ、反射カソード電極81、有機EL層82及び光透過性を有するアノード電極83が基板80側から順に積層形成されている。
【0005】
従って、この液晶表示装置は、有機EL素子72の発光状態では、有機EL素子72をバックライトとする透過型の液晶表示装置として機能する。また、有機EL素子72の非発光状態では、外光が有機EL素子72の反射カソード電極81の反射面81aで反射され、反射型の液晶表示装置として機能する。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−78582号公報(明細書の段落[0015]〜[0022]、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、反射型の液晶表示装置及び半透過型の液晶表示装置(反射型として機能している状態)においては、液晶表示装置(液晶パネル71)に入射する外光の入射角度が大きいと、画像が二重になったり、カラー表示の場合に色滲みが生じる。この原因としては、次のことが挙げられる。従来装置では、液晶パネル71と反射部(反射カソード電極)81の反射面81aとが平行に構成されている。また、図10の模式図に示すように、フルカラー表示の液晶表示装置では、ピクセル84,85,86は、単独ではそれぞれ赤、緑、青の表示を行うサブピクセルR,G,Bが3個一組で構成されている。
【0008】
例えば、図10の中央のピクセル85が赤の表示で、左側のピクセル84及び右側のピクセル86が白の表示の場合、光源LS1からの外光P1の液晶パネル71に対する入射角度θ1が大きいと(例えば30°以上)、ピクセル84に入射した外光P1は反射面81aで反射してピクセル85から出射する。また、ピクセル85に入射した外光P1は反射面81aで反射してピクセル86から出射する。従って、ピクセル85のサブピクセルRに基づく赤の表示(像)が二重に見えることとなる。また、ピクセル84,86が白表示の状態でなく、黒を除く他の色の表示の場合は、赤と他の色とが混合された色の光が出射され、色滲みとなる。なお、ピクセル84,86が黒表示の状態、即ち、外光P1あるいは反射光を遮断する状態では、二重像や色滲みが生じない。
【0009】
さて、前記二重像や色滲みの発生は、携帯機器の使用者が、光源LS1に対する液晶パネル71の角度を任意に調節して、光源LS1から液晶パネル71へ入射する外光P1の入射角度θ1を小さくすれば抑制できるはずである。しかし、携帯機器の実際の使用環境下においては、光源が一つとは限らない。このため、使用者による液晶パネル71の角度調節によって、光源LS1から液晶パネル71へ入射する外光P1の入射角度θ1を小さくしたとしても、今度は、この光源LS1とは別の光源LS2から液晶パネル71へ入射する外光P2の入射角度θ2が、二重像や色滲みを発生するほど大きくなることがあった。
【0010】
また、前記二重像や色滲みの発生は、反射型の液晶表示装置においては、反射部81を液晶パネル71に近づけて配置することで或る程度は抑制が可能である。しかし、半透過型の液晶表示装置では、透過型としても機能させるために、反射部81と液晶パネル71との間にバックライトを配置しなくてはならない。従って、半透過型の液晶表示装置においては、反射部81と液晶パネル71を、少なくともバックライト分だけ離して配置せざるを得ない。よって、反射型の液晶表示装置と比較して、二重像や色滲みの発生を抑制することが困難となっていた。
【0011】
本発明の目的は、二重像やカラー表示の際の色滲みの発生を抑制することが可能な反射型又は透過型の液晶表示装置、及び該液晶表示装置を備えた携帯機器を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明の液晶表示装置は、反射部の反射面を境とした液晶パネル側に、板状をなす複数のルーバがそれぞれ反射部の反射面に対して角度を持って配置されている。各ルーバは、一方の板面が光を反射するように構成されているとともに、他方の板面が光を吸収又は散乱するように構成されている。複数のルーバは、ルーバの一方の板面が、隣接するルーバの他方の板面と向き合うようにして、反射部の反射面に沿う方向に間隔をおいて配置されている。
【0013】
従って、前記液晶表示装置へ入射する外光のうち、液晶表示装置への入射角度(詳しくは液晶パネルに対する角度)が小さいものについては、その殆どが、ルーバの板面に当たる(反射又は吸収される)ことなくルーバ間を通過して、反射部の反射面に到達する。液晶表示装置への入射角度が小さい外光は、反射面からの出射角度も小さい。従って、この反射光は、その殆どが、ルーバの板面に当たることなくルーバ間を通過して液晶表示装置から出射され、液晶パネルの表示光として利用される。
【0014】
前記液晶表示装置への入射角度が小さい外光は、液晶表示装置における入射位置と出射位置とが殆どずれることはない。従って、液晶表示装置への入射角度が小さい外光に関しては、ルーバの作用を期待しなくとも、表示画像に二重像やカラー表示の際の色滲みを発生させることは殆どない。
【0015】
また、前記液晶表示装置へ入射する外光のうち、液晶表示装置への入射角度が大きくかつルーバ(板面)に対して大きく傾斜したものについては、その殆どが、ルーバの他方の板面に直接入射され該板面によって吸収又は散乱されるか、或いは一方の板面及び反射部の反射面で反射された後に他方の板面によって吸収又は散乱され、液晶表示装置から出射されることが抑制される。よって、液晶表示装置への入射角度が大きい外光が、反射部を経由して液晶表示装置から出射されることに起因した、二重像やカラー表示の際の色滲みの発生を抑制することができる。
【0016】
さらに、前記ルーバは、一方の板面が光を反射するように構成されているとともに、他方の板面が光を吸収又は散乱するように構成されている。従って、例えば、一方の板面も光を吸収又は散乱するように構成した場合と比較して、液晶パネルの表示画像の輝度を向上させることができる。
【0017】
請求項2の発明は請求項1において、前記ルーバは、反射部の反射面に対して垂直に配置されている。つまり、ルーバは、反射部の反射面に対して90°の角度を持って配置されている。従って、例えば、反射面と正対した状態で見たルーバの投影面積を狭くすることができる。よって、例えば、液晶表示装置へ入射する入射角度の小さい外光、つまり二重像やカラー表示の際の色滲みを発生させる危惧のない外光が、ルーバの他方の板面によって吸収又は散乱されてしまう割合を低く抑えることができる。その結果、表示画像の輝度を向上させることができる。
【0018】
請求項3の発明は請求項1において、前記ルーバは、反射部の反射面に対して傾けて配置されている。従って、液晶表示装置の正面付近で見える二重像やカラー表示の際の色滲みも抑制することができる。また、液晶表示装置に対して斜めに入射した光の一部が、液晶表示装置の正面に出射するので、該装置の正面輝度が向上される。
【0019】
請求項4の発明は請求項1〜3のいずれかにおいて、前記複数のルーバにおいて隣接するルーバ間は、光透過性の材料よりなる透過部によって埋められて連結されており、前記複数のルーバ及び透過部は全体として板状をなしている。従って、ルーバを至極薄い板状とする設定も、透過部の支持によって容易に実現可能である。また、複数のルーバを透過部の介在によって一体化することで、この一体化品が板状であることも併せて、液晶表示装置の組立時における複数のルーバの取り扱いが容易となる。
【0020】
請求項5の発明は請求項4において、前記複数のルーバ及び透過部からなる板状体は、ルーバを構成する材料と透過部を構成する材料とを交互に積層したものを、当該積層方向にスライスすることで製作されている。このような製作手法により、前記板状体を大量生産することが容易となり、複数のルーバを備えた液晶表示装置を安価に提供することができる。
【0021】
請求項6の発明は請求項1〜5のいずれかにおいて、ルーバは、第1の群と第2の群とが備えられている。第1の群は、前記反射部の反射面に沿う方向に複数のルーバが間隔をおいて配置されてなる。第2の群は、反射部の反射面に沿う方向でかつ前記第1の群とは異なる方向に、複数のルーバが間隔をおいて配置されてなる。そして、第1の群及び第2の群は全体として格子状に配置されている。従って、二重像やカラー表示の際の色滲みの発生を、より効果的に抑制することができる。
【0022】
即ち、第1の群は、該群のルーバ(板面)に対して大きく傾斜した外光のみを、液晶表示装置から出射させないようにする。従って、例えば、液晶表示装置への入射角度が大きい外光であっても、この外光が第1の群のルーバ(板面)と平行であれば、この外光に起因した二重像やカラー表示の際の色滲みの発生を第1の群のみでは抑制することができない。
【0023】
しかし、本発明においては、第1の群の他に第2の群も備えられており、該第2の群のルーバは、第1の群のルーバの板面とは異なる方向に向かう板面を有している。従って、第1の群のルーバ(板面)と平行な外光に対しても、第2の群のルーバによって好適に対応することができ、この外光の液晶表示装置に対する入射角度が大きくても、該外光に起因した二重像やカラー表示の際の色滲みの発生を抑制することができる。
【0024】
請求項7の発明は請求項6において、前記ルーバの第1の群と第2の群とは階層状に配置されている。従って、例えば、請求項4又は請求項5と組み合わせれば、複数のルーバ及び透過部からなる板状体を二つ準備して重ね合わせるだけの簡単な工程で、ルーバを格子状に配置することができる。
【0025】
請求項8の発明は請求項1〜7のいずれかにおいて、前記液晶パネルに対して表示面とは反対側にはバックライトが配置されている。液晶表示装置は、バックライトの発光状態では透過型として機能し、バックライトの非発光状態では反射部で外光を反射して反射型として機能する。つまり、前記液晶表示装置は半透過型である。
【0026】
半透過型の液晶表示装置においては、例えば、反射型の液晶表示装置では採用が容易な、反射部を液晶パネルに近づけて二重像やカラー表示の際の色滲みの発生を抑制する手法を採用することが、バックライトの配置の関係で困難となる。つまり、ルーバを用いて、二重像やカラー表示の際の色滲みの発生を抑制することは、特に半透過型の液晶表示装置において有効な手法であると言える。
【0027】
請求項9の発明は請求項1〜8のいずれかにおいて、前記バックライトは有機EL素子よりなっている。有機EL素子は、バックライトの薄型化を容易とする。
【0028】
上記目的を達成するために請求項10の発明の携帯機器は、請求項1〜9のいずれかに記載の液晶表示装置を備えている。請求項1〜9のいずれかに記載の液晶表示装置は、特定の方向への二重像抑制やカラー表示の際の色滲み抑制に効果が特に優れているので、使用者が見る方向がほぼ一定である携帯機器に用いるのに特に適している。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、携帯機器としての携帯電話に用いられる半透過型の液晶表示装置において具体化した第1〜第3実施形態について説明する。なお、第2及び第3実施形態においては第1実施形態との相違点についてのみ説明し、同一又は相当部材には同じ番号を付して説明を省略する。
【0030】
○第1実施形態
図1(a)に示すように、液晶表示装置11は、アクティブマトリックス方式の透過型の液晶パネル12と、液晶パネル12の表示面12aと反対側に配置されたバックライト13とを備えている。
【0031】
前記液晶パネル12は、一対の透明な基板14,15を備え、両基板14,15は所定間隔を保った状態で、図示しないシール材により張り合わされて、その間に液晶16が封止されている。基板14,15は例えばガラス製である。バックライト13側に配置された一方の基板14には、液晶16と対向する面に画素電極17と、該画素電極17に接続された薄膜トランジスタ(TFT)18とが多数形成されている。画素電極17はITO(インジュウム錫酸化物)で形成されている。基板14には、液晶16と反対側の板面に偏光板19が配設されている。
【0032】
前記他方の基板15には液晶16側にカラーフィルタ20が形成され、該カラーフィルタ20上には全画素共通の透明電極21が形成されている。透明電極21もITOで形成されている。カラーフィルタ20はR(赤)、G(緑)、B(青)の各サブピクセル20aを有し、各サブピクセル20aが画素電極17と対向するように配設されている。各サブピクセル20aはブラックマトリックス22で区画されている。基板15の液晶16と反対側の板面には偏光板23が配設されている。
【0033】
前記バックライト13は、ガラス製の基板24と、該基板24の上に形成された有機EL素子25とによって構成されている。有機EL素子25は、バックライト13の薄型化を容易とする。有機EL素子25は、基板24側から順に、反射カソード電極26、有機EL層27、及びアノード電極28が積層されてなる。反射カソード電極26は、光に対して反射性を有する金属材料からなっており、本実施形態においては反射カソード電極26が反射部を兼ねている。つまり、反射部は有機EL素子25に備えられている。反射カソード電極26は、反射面26aが液晶パネル12の表示面12aに平行となるように配置されている。アノード電極28は、光透過性の材料(例えばITO)よりなっている。
【0034】
前記有機EL素子25は、電極の接続部等を除き、全体を図示しない保護膜で覆われている。該保護膜により、有機EL層27が外部の水蒸気や酸素等から遮断されている。
【0035】
前記有機EL層27には例えば公知の構成のものが使用され、図示しないが、基板24側から順に、正孔注入層、発光層及び電子注入層の3層で構成されている。有機EL層27は、反射カソード電極26とアノード電極28との間に電圧が印可されることで、有機EL素子25の全域に渡って白色に発光するように構成されている。バックライト13は、有機EL素子25が発光した時の光が、基板24と反対側から出射される。即ち、有機EL素子25は、トップエミッション型である。
【0036】
前記液晶表示装置11は、液晶パネル12において表示すべき画素に対応する所定の画素の液晶16に電圧が掛けられることで、前記画素が表示状態となる。このとき、バックライト13(有機EL層27)の光を表示光として利用することで、暗所であっても液晶パネル12の表示画像が良好に視認可能となる。
【0037】
また、前記液晶表示装置11において有機EL素子25には、光を反射可能な反射カソード電極26が備えられている。従って、有機EL層27から反射カソード電極26側に照射された光や外部(液晶パネル12)からの入射光は、反射カソード電極26によって反射されて液晶パネル12側に出射される。従って、或る程度明るい場所であれば、例えば、バックライト13の非発光状態でも、外部からの入射光(外光)を表示光として利用することで、液晶パネル12の表示画像が良好に視認可能となる。
【0038】
さて、図1(a),図1(b)及び図2に示すように、前記液晶表示装置11には、反射カソード電極26の反射面26aを境とした液晶パネル12側に、矩形板状をなすルーバ30が複数配置されている。本実施形態において複数のルーバ30は、バックライト13の表面つまりアノード電極28の上面に、全域に渡って配設されている。
【0039】
前記各ルーバ30は、反射カソード電極26の反射面26aに対して90°の角度を持って垂直に配置されている。各ルーバ30は、一方(図面の左方)の板面30aが光を反射するように構成されているとともに、他方(図面の右方)の板面30bが光を吸収するように構成されている。複数のルーバ30は、ルーバ30の一方の板面30aが、隣接するルーバ30の他方の板面30bと向き合うようにして、反射カソード電極26の反射面26aに沿う方向(図1の左右方向)に、一定の間隔をおいて平行に配置されている。隣接するルーバ30の間隔は、サブピクセル20aの幅よりも狭くなっている。つまり、一つのサブピクセル20aの幅内に、複数のルーバ30が配置されている。
【0040】
前記各ルーバ30は、一方の板面30aを構成する反射層31と、他方の板面30bを構成する吸収層32とからなっている。反射層31は、光に対して反射性を有するアルミニウム系等の金属材料からなっている。吸収層32は、例えば、カーボンやチタン等をフォトレジストに分散した、樹脂ブラックからなっている。
【0041】
前記複数のルーバ30において隣接するルーバ30間は、光透過性の樹脂材料よりなる透過部33によって埋められて連結されている。従って、複数のルーバ30及び透過部33は、全体として板状に一体化されている。この複数のルーバ30及び透過部33からなる板状体は、例えば、次のようにして製作される。
【0042】
透過部33を構成するための光透過性の材料よりなるフィルムの一方の面に、反射層31を構成するためのアルミニウム系の金属材料を真空蒸着等により成膜させる。そして、このフィルムの他方の面に吸収層32を構成するための樹脂ブラックを塗布し、該フィルムを、樹脂ブラックを接着剤として別のフィルムの金属膜に接合する。これを繰り返して複数のフィルムを積層し、この積層体をフィルムの積層方向に薄くスライスすることで、前述した複数のルーバ30及び透過部33からなる板状体(フィルム)を得ることができる。このようにして得られた板状体は、バックライト13の表面つまりアノード電極28の上面に、接着剤によって貼付される。
【0043】
前記液晶表示装置11は複数のルーバ30を備えることで、特に、バックライト13の非発光時においては次のような作用・効果を奏する。即ち、図3に各部材を簡略化及び省略して模式的に示すように、複数の光源LS1,LS2,LS3から液晶表示装置11(液晶パネル12)へ入射した外光P1,P2,P3は、液晶パネル12を通過してルーバ30の位置まで到達される。
【0044】
ここで、前記光源LS1,LS2、LS3から液晶パネル12へ入射する外光P1,P2、P3のうち、液晶パネル12への入射角度θ1,θ2,θ3が小さいもの(P2。例えばθ2が30°未満)については、ルーバ30の板厚が至極薄いことも合わせて、その殆どが、ルーバ30の板面30a,30bに当たる(反射又は吸収される)ことなく透過部33を通過して、反射カソード電極26の反射面26aに到達する。液晶パネル12への入射角度θ2が小さい外光P2は、反射面26aからの出射角度も小さい。従って、この反射光P2は、その殆どが、ルーバ30の板面30a,30bに当たることなく透過部33を通過して液晶パネル12から出射され、表示光として利用される。
【0045】
前記液晶パネル12への入射角度θ2が小さい外光P2は、液晶パネル12における入射位置と出射位置とが殆どずれることはない。従って、光源LS2からの外光P2に関しては、ルーバ30の作用を期待しなくとも、表示画像に二重像や色滲みを発生させることは殆どない。
【0046】
また、前記光源LS1,LS2、LS3から液晶パネル12へ入射する外光P1,P2、P3のうち、液晶パネル12への入射角度θ1,θ2,θ3が大きくかつルーバ30(板面30a,30b)に対して大きく傾斜したもの(P1,P3。例えばθ1,θ3が30°以上)については、その殆どが、ルーバ30の板面30a,30bに当たることなく透過部33を通過することは困難である。
【0047】
従って、例えば、光源LS1から液晶パネル12へ入射する外光P1は、ルーバ30に対して一方の板面30a側から斜めに入射されることから、その殆どが、透過部33を通過する際に、ルーバ30の一方の板面30aによって反射されて、反射カソード電極26の反射面26aに到達される。反射面26aからの反射光P1は、ルーバ30に対して他方の板面30b側から斜めに入射されることから、その殆どが、ルーバ30の他方の板面30bによって吸収される。よって、光源LS1から液晶パネル12へ入射された外光P1が、液晶パネル12から出射することは殆どない。
【0048】
また、前記光源LS3から液晶パネル12へ入射する外光P3は、ルーバ30に対して他方の板面30b側から斜めに入射される。従って、この外光P3の殆どは、透過部33を通過しようとする際に、ルーバ30の他方の板面30bによって吸収されて、反射カソード電極26の反射面26aにまで到達することはない。
【0049】
つまり、従来装置(ルーバ30を備えない構成)においては液晶パネル12から出射されることとなっていた、液晶パネル12への入射角度θ1,θ3が大きい外光P1,P3を、本実施形態においてはルーバ30を用いることで、液晶パネル12からの出射を抑制することが可能となる。従って、液晶パネル12への入射角度θ1,θ3が大きい外光P1,P3に起因した、二重像や色滲みの発生を抑制することができ、表示画像が良好に視認可能となる。
【0050】
次に、例えば、図3の状態から光源LS2を削除した携帯電話の使用環境の場合、前述したように光源LS1,LS3からの外光P1,P3は表示光として殆ど利用されないため、このままでは表示画像の視認が良くない。従って、携帯電話の使用者は、光源LS1からの外光P1又は光源LS3からの外光P3を表示光として利用しようと、例えば光源LS1に対する液晶パネル12の角度を任意に調節して、光源LS1から液晶パネル12へ入射する外光P1の入射角度θ1を小さくする。この時、同時に、光源LS3に対する液晶パネル12の角度も変化され、光源LS3から液晶パネル12へ入射する外光P3の入射角度θ3はさらに大きくなってしまう。しかし、この外光P3は、前述したルーバ30の作用によって液晶パネル12から出射することは殆どなく、液晶パネル12からの外光P3の出射に起因した二重像や色滲みの発生を抑制して表示画像が良好に視認可能となる。
【0051】
上記構成の本実施形態においては、複数のルーバ30を備えることで、二重像や色滲みの発生を抑制することが可能な他、次のような効果も奏する。
(1)ルーバ30は、一方の板面30aが光を反射するように構成されているとともに、他方の板面30bが光を吸収するように構成されている。従って、例えば、一方の板面30aも光を吸収するように構成した場合と比較して、液晶パネル12の表示画像の輝度を向上させることができる。
【0052】
即ち、例えば、図3の状態の場合、光源LS2からの外光P2は、全てルーバ30の板面30a、30bに当たることなく液晶パネル12から出射されるわけではなく、一部はルーバ30の一方の板面30aに反射される経歴を経て液晶パネル12から出射される。しかし、ルーバ30を、一方の板面30aも光を吸収するように構成した場合、前述したような、一方の板面30aで反射される経歴を経て液晶パネル12から出射されるはずの光が、一方の板面30aによって吸収されてしまうことになる。従って、この光を表示光として利用できなくなって、その分だけ表示画像の輝度が低下してしまうのである。
【0053】
(2)ルーバ30は、反射カソード電極26の反射面26aに対して垂直に配置されている。つまり、ルーバ30の両板面30a,30bは、反射面26aに対して垂直となっている。従って、例えば、図3において光源LS2から見たルーバ30の投影面積、言い換えれば反射面26aとほぼ正対した状態で見たルーバ30の投影面積を狭くすることができる。よって、例えば、光源LS2から液晶パネル12へ入射する入射角度θ2の小さい外光P2、つまり二重像や色滲みを発生させる危惧のない外光P2が、ルーバ30の他方の板面30bによって吸収されてしまう割合を低く抑えることができる。よって、表示画像の輝度をさらに向上させることができる。
【0054】
(3)ルーバ30の他方の板面30bは、光を吸収するように構成されている。従って、二重像や色滲みを効果的に抑制できる。即ち、図4に示すように、他方の板面30bを光吸収性にすることにより、特定のサブピクセル20aを通過する複数の光Pの経路が発生することを抑制できるからである。なお、図4において二点鎖線は、例えば、他方の板面30bも反射性とした場合の光Pの経路であって、この場合には、特定のサブピクセル20aを通過する光Pの経路が複数発生されることを示している。
【0055】
(4)複数のルーバ30において隣接するルーバ30の間は、透過部33によって埋められて連結されており、複数のルーバ30及び透過部33は全体として板状をなしている。従って、ルーバ30を至極薄い板状(本実施形態においては金属膜)とする設定も、透過部33の支持によって容易に実現可能である。また、複数のルーバ30を透過部33によって一体化することで、この一体化品が板状であることも併せて、液晶表示装置11の組立時における複数のルーバ30の取り扱いが容易となる。
【0056】
(5)複数のルーバ30及び透過部33からなる板状体は、ルーバ30を構成する材料と透過部33を構成する材料とを交互に積層した積層体を、当該積層方向にスライスすることで製作されている。このような製作手法により、前記板状体を大量生産することが容易となり、複数のルーバ30を備えた液晶表示装置11を安価に提供することができる。
【0057】
前記製作手法を採用するためには、ルーバ30を構成する材料と透過部33を構成する材料とを交互に積層した積層体を、そのスライス毎に断面が変化されないように構成する必要がある。この構成を容易に達成するためには、各ルーバ30が反射カソード電極26の反射面26aに対して垂直に配置される構成を採用することが重要である。
【0058】
(6)液晶表示装置11は半透過型である。つまり、液晶表示装置11は、透過型としても機能するために、反射カソード電極26と液晶パネル12との間にバックライト13(詳しくは有機EL素子27やアノード電極28)が配置されている。従って、液晶表示装置11においては、例えば、反射型の液晶表示装置では採用が容易な、反射部を液晶パネルに近づけて二重像や色滲みの発生を抑制する手法を採用することが困難である。つまり、ルーバ30を用いて二重像や色滲みの発生を抑制することは、特に半透過型の液晶表示装置11において有効であると言える。
【0059】
(7)バックライト13は有機EL素子25よりなっており、この有機EL素子25の反射カソード電極26が外光P1〜P3の反射部を兼ねている。従って、例えば、有機EL素子25とは別に反射部を設ける場合と比較して、反射部を液晶パネル12に近づけて配置することができ、二重像や色滲みの発生を、より効果的に抑制することができる。
【0060】
(8)トップエミッション型の有機EL素子25は、ボトムエミッション型のものと比較して反射カソード電極26を液晶パネル12に近づけて配置することができる。従って、二重像や色滲みの発生を、より効果的に抑制することができる。
【0061】
(9)液晶表示装置11は、前述したように、特定の方向への二重像抑制や色滲み抑制に効果が特に優れているので、使用者が見る方向がほぼ一定である携帯電話に用いるのに特に適している。
【0062】
○第2実施形態
図5(a),図5(b)及び図6に示すように、本実施形態においては、上記第1実施形態で述べた複数のルーバ30を第1の群30−1とすると、この第1の群30−1の他に、該群30−1と同様な構造(透過部33も含む)を有する、ルーバ30の第2の群30−2が備えられている。第2の群30−2は、反射カソード電極26の反射面26aに沿う方向でかつ第1の群30−1とは異なる方向(図5の表裏方向)に、複数のルーバ30が一定の間隔をおいて平行に配置されてなる。従って、図6に示すように、第1の群30−1と第2の群30−2は、全体としてルーバ30が直角に立体交差する格子状をなしている。
【0063】
前記ルーバ30の第2の群30−2(透過部33も含む板状体)は、第1の群30−1と同様に、上記第1実施形態で述べた積層体のスライスにより製作されている。この製作時点では、第1の群30−1も第2の群30−2も区別はない。ルーバ30の第2の群30−2は、第1の群30−1においてアノード電極28とは反対側の表面に、第1の群30−1を90°回転させたような状態で重合配置されている。つまり、ルーバ30の第1の群30−1と第2の群30−2は階層状に配置されている。
【0064】
本実施形態においては上記第1実施形態と同様な効果を奏する他、次のような効果も奏する。
(1)ルーバ30は、第1の群30−1の他に第2の群30−2が備えられており、全体として格子状をなしている。従って、二重像や色滲みの発生を、より効果的に抑制することができる。
【0065】
即ち、第1の群30−1は、該群30−1のルーバ30(板面30a,30b)に対して大きく傾斜した外光のみを、液晶パネル12から出射させないようにする。従って、例えば、液晶パネル12への入射角度が大きい外光であっても、この外光が第1の群30−1のルーバ30(板面30a,30b)と平行であれば、この外光に起因した二重像や色滲みの発生を第1の群30−1のみでは抑制することができない。
【0066】
しかし、本実施形態においては、第1の群30−1の他に第2の群30−2も備えられており、該群30−2のルーバ30は、第1の群30−1のルーバ30の板面30a,30bとは異なる方向に向かう板面30a、30bを有している。従って、例えば、第1の群30−1のルーバ30(板面30a,30b)と平行な外光に対しても、第2の群30−2のルーバ30によって好適に対応することができ、この外光の液晶パネル12に対する入射角度が大きくても、該外光に起因した二重像や色滲みの発生を抑制することができる。
【0067】
(2)ルーバ30の第1の群30−1と第2の群30−2は階層状に配置されている。従って、例えば、複数のルーバ30及び透過部33からなる板状体を二つ準備し、そしてこの二つの板状体を回転方向にずらして重ね合わせるだけの簡単な工程で、ルーバ30を格子状に配置することができる。
【0068】
○第3実施形態
図7に示すように、本実施形態において各ルーバ30は、他方の板面30bが液晶パネル12側(図面上方)を向くようにして、反射カソード電極26の反射面26aに対して傾けて配置されている。つまり、各ルーバ30は、反射カソード電極26の反射面26aに対する角度、言い換えれば一方の板面30a(詳しくは該板面30aを反射面26a側に延長し該面26aに交差させた仮想面)と反射面26aとのなす角度が、0°よりも大きくかつ90°よりも小さくなるように配置されている。従って、本実施形態においては、上記第1実施形態の(1),(3)〜(9)と同様な効果を奏する他、次のような効果も奏する。
【0069】
(1)例えば、図8(c)に示すように、ルーバ30を反射面26aに対して垂直に配置した比較例(第1実施形態)においては、液晶表示装置11の正面方向(液晶パネル12の表示面12aにほぼ垂直な方向。図1参照)に出射する光Pを見る場合であっても、二重像や色滲みは微量ではあるが発生されている。しかし、図8(a)に示すように、各ルーバ30を反射面26aに対して傾けて配置した本実施形態によれば、液晶表示装置11の正面付近で見える二重像や色滲みも抑制することができる。
【0070】
(2)図8(b)に示すように、液晶パネル12に対する入射角度が大きい光P’の一部を、液晶表示装置11の正面に出射することができ、該装置11の正面輝度が向上される。
【0071】
なお、上記(1)及び(2)をより有効に奏するためには、ルーバ30の一方の板面30aと反射カソード電極26の反射面26aとがなす角度を、60〜89°の範囲に設定することが好ましい。この範囲は、70〜80°がさらに好ましい。
【0072】
本発明の趣旨から逸脱しない範囲で例えば以下の態様でも実施できる。
・上記第1〜第3実施形態においてルーバ30は、アノード電極28の上面つまりバックライト13に配設されていた。しかし、ルーバ30は、バックライト13に配設することに限定されるものではない。つまり、例えば、ルーバ30は、液晶パネル12の内部や、液晶パネル12の表示面12aや、液晶パネル12の下面(偏光板19においてバックライト13と対向する面)等、反射カソード電極26の反射面26aを境とした液晶パネル12側であれば何処に配設してもよい。例えば、液晶パネル12の内部に配設する場合、偏光板23と基板15の間や、基板15とカラーフィルタ20の間や、基板14と偏光板19の間等が挙げられる。
【0073】
・上記第1〜第3実施形態においては、隣接するルーバ30の間隔が、サブピクセル20aの幅よりも狭くされていた。しかし、隣接するルーバ30の間隔は、サブピクセル20aよりも狭くする必要はない。例えば、ルーバ30の間隔を狭くすると二重像や色滲みの抑制効果は高くなるがそれと引き替えに視野が狭くなる。逆に、ルーバ30の間隔を広くすると、視野は広くなるが二重像や色滲みの抑制効果は低くなる。
【0074】
また、前記二重像や色滲みの抑制については、ルーバ30の間隔だけではなく、ルーバ30及び透過部33からなるフィルムの厚さも影響する。即ち、二重像や色滲みの抑制効果を同じにするためには、ルーバ30及び透過部33からなるフィルムが薄い場合にはルーバ30の間隔を狭くする必要があり、該フィルムが厚い場合には、ルーバ30の間隔を広くすることができる。さらに、前記フィルムを厚くすると光の損失が大きくなる。
【0075】
従って、ルーバ30の間隔だけを単独で設定することは困難であり、実際には、必要な視野角や許容される光の損失等を考慮して、ルーバ30及び透過部33からなるフィルムの厚さとルーバ30の間隔とを決めればよい。
【0076】
・上記第1〜第3実施形態を変更し、ルーバ30の吸収層32を構成する材料として、樹脂ブラックに換えて金属クロムを用いること。
・上記第1〜第3実施形態においてルーバ30の他方の板面30bは、光を吸収するように構成されていた。これを変更し、ルーバ30の他方の板面30bを、光を散乱させるようにすること。即ち、例えば、上記第1〜第3実施形態において吸収層32を削除するとともに、反射層31において一方の板面30aと反対側の板面を粗くし、該板面を、光を散乱する他方の板面として把握すること。
【0077】
・上記第2実施形態においては、ルーバ30の第1の群30−1と第2の群30−2とが階層状に配置されていた。これを変更し、第1の群30−1と第2の群30−2を同一層内に配置すること。
【0078】
・上記第2実施形態においては、ルーバ30の第1の群30−1と第2の群30−2とが、各ルーバ30が直角に立体交差する格子状に配置されていた。これを変更し、第1の群30−1と第2の群30−2を、ルーバ30が斜めに立体交差する格子状に配置すること。
【0079】
・上記第3実施形態において各ルーバ30は、他方の板面30bが液晶パネル12側を向くように、反射カソード電極26の反射面26aに対して傾けて配置されていた。これを変更し、各ルーバ30を、一方の板面30aが液晶パネル12側を向くように、反射カソード電極26の反射面26aに対して傾けて配置すること。このようにしても、上記第3実施形態と同様な効果を奏する。なお、上記第3実施形態の(1)及び(2)と同様な効果をより有効に奏するためには、反射面26aに対するルーバ30の傾斜角度、つまりルーバ30の他方の板面30aと反射カソード電極26の反射面26aとがなす角度を、60〜89°の範囲に設定することが好ましい。この範囲は、70〜80°がさらに好ましい。
【0080】
・上記第1〜第3実施形態において有機EL素子25は、トップエミッション型であった。これを変更し、有機EL素子としてボトムエミッション型を用いること。
【0081】
・上記第1〜第3実施形態においてバックライト13は、有機EL素子25により構成されていた。これを変更し、バックライトを、無機EL素子等の有機EL素子以外の発光体により構成すること。
【0082】
・本発明を、カラー表示ではなくモノクロの画像表示を行う液晶表示装置において具体化すること。
・本発明を、半透過型ではなく反射型の液晶表示装置において具体化すること。
【0083】
・携帯機器としては、上記第1〜第3実施形態で述べた携帯電話以外にも、PDA(携帯情報端末)等が挙げられる。
上記実施形態から把握できる技術的思想について記載する。
【0084】
(1)前記有機EL素子はトップエミッション型である請求項9に記載の液晶表示装置。
(2)前記反射部は有機EL素子に備えられている請求項9又は前記技術的思想(1)に記載の液晶表示装置。
【0085】
(3)前記ルーバは、反射部の反射面に対して60〜89°の角度を持って配置されている請求項3に記載の液晶表示装置。
(4)前記ルーバは、反射部の反射面に対して70〜80°の角度を持って配置されている前記技術的思想(3)に記載の液晶表示装置。
【0086】
【発明の効果】
上記構成の本発明によれば、二重像やカラー表示の際の色滲みの発生を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は第1実施形態の液晶表示装置の断面図であり、(b)は(a)の要部拡大図。
【図2】図1(a)の1−1線断面図。
【図3】液晶表示装置の特にルーバの作用を説明するための模式図。
【図4】液晶表示装置の特にルーバの作用を説明するための模式図。
【図5】(a)は第2実施形態の液晶表示装置の断面図であり、(b)は(a)の要部拡大図。
【図6】図5(a)の2−2線断面図。
【図7】第3実施形態の液晶表示装置の要部拡大断面図。
【図8】(a),(b)は第3実施形態の液晶表示装置の作用を説明するための模式図であり、(c)は比較例(第1実施形態)の作用を説明するための模式図。
【図9】従来技術の液晶表示装置の断面図。
【図10】液晶表示装置の作用を説明するための模式図。
【符号の説明】
11…液晶表示装置、12…液晶パネル、12a…表示面、13…バックライト、25…バックライトを構成する有機EL素子、26…反射部としての反射カソード電極、26a…反射面、30…ルーバ、30a…一方の板面、30b…他方の板面、30−1…ルーバの第1の群、30−2…ルーバの第2の群、33…透過部、P,P’,P1〜P3…外光。
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶パネルと、該液晶パネルの表示面と反対側に配置された反射部とからなり、外光を前記反射部で反射して前記液晶パネルの表示光として利用する液晶表示装置、及び該液晶表示装置を備えた携帯機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は、携帯機器等の表示装置として広く用いられている。これら携帯機器は、小型軽量化、低消費電力に対するニーズが高く、これに伴い液晶表示装置も更なる薄型化、低消費電力化が必要である。
【0003】
低消費電力化のため反射型の液晶表示装置が採用されているが、画質が十分ではない。十分な画質を確保するためには、バックライトを用いた透過型の液晶表示装置が優れる。そして、近年、バックライトとして有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を備え、該有機EL素子の発光状態では透過型の液晶表示装置として機能し、前記有機EL素子の非発光状態では反射型の液晶表示装置として機能する、所謂半透過型の液晶表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
この液晶表示装置は図9に示すように、液晶パネル71と、その後方(図面では下方)に配置された有機EL素子72とから構成されている。液晶パネル71は、一対の透明基板73,74間に液晶75、透明電極76,77等が配置され、透明基板73,74の外側に偏光板78,79が配置されている。有機EL素子72は、ガラス製の基板80の上に設けられ、反射カソード電極81、有機EL層82及び光透過性を有するアノード電極83が基板80側から順に積層形成されている。
【0005】
従って、この液晶表示装置は、有機EL素子72の発光状態では、有機EL素子72をバックライトとする透過型の液晶表示装置として機能する。また、有機EL素子72の非発光状態では、外光が有機EL素子72の反射カソード電極81の反射面81aで反射され、反射型の液晶表示装置として機能する。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−78582号公報(明細書の段落[0015]〜[0022]、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、反射型の液晶表示装置及び半透過型の液晶表示装置(反射型として機能している状態)においては、液晶表示装置(液晶パネル71)に入射する外光の入射角度が大きいと、画像が二重になったり、カラー表示の場合に色滲みが生じる。この原因としては、次のことが挙げられる。従来装置では、液晶パネル71と反射部(反射カソード電極)81の反射面81aとが平行に構成されている。また、図10の模式図に示すように、フルカラー表示の液晶表示装置では、ピクセル84,85,86は、単独ではそれぞれ赤、緑、青の表示を行うサブピクセルR,G,Bが3個一組で構成されている。
【0008】
例えば、図10の中央のピクセル85が赤の表示で、左側のピクセル84及び右側のピクセル86が白の表示の場合、光源LS1からの外光P1の液晶パネル71に対する入射角度θ1が大きいと(例えば30°以上)、ピクセル84に入射した外光P1は反射面81aで反射してピクセル85から出射する。また、ピクセル85に入射した外光P1は反射面81aで反射してピクセル86から出射する。従って、ピクセル85のサブピクセルRに基づく赤の表示(像)が二重に見えることとなる。また、ピクセル84,86が白表示の状態でなく、黒を除く他の色の表示の場合は、赤と他の色とが混合された色の光が出射され、色滲みとなる。なお、ピクセル84,86が黒表示の状態、即ち、外光P1あるいは反射光を遮断する状態では、二重像や色滲みが生じない。
【0009】
さて、前記二重像や色滲みの発生は、携帯機器の使用者が、光源LS1に対する液晶パネル71の角度を任意に調節して、光源LS1から液晶パネル71へ入射する外光P1の入射角度θ1を小さくすれば抑制できるはずである。しかし、携帯機器の実際の使用環境下においては、光源が一つとは限らない。このため、使用者による液晶パネル71の角度調節によって、光源LS1から液晶パネル71へ入射する外光P1の入射角度θ1を小さくしたとしても、今度は、この光源LS1とは別の光源LS2から液晶パネル71へ入射する外光P2の入射角度θ2が、二重像や色滲みを発生するほど大きくなることがあった。
【0010】
また、前記二重像や色滲みの発生は、反射型の液晶表示装置においては、反射部81を液晶パネル71に近づけて配置することで或る程度は抑制が可能である。しかし、半透過型の液晶表示装置では、透過型としても機能させるために、反射部81と液晶パネル71との間にバックライトを配置しなくてはならない。従って、半透過型の液晶表示装置においては、反射部81と液晶パネル71を、少なくともバックライト分だけ離して配置せざるを得ない。よって、反射型の液晶表示装置と比較して、二重像や色滲みの発生を抑制することが困難となっていた。
【0011】
本発明の目的は、二重像やカラー表示の際の色滲みの発生を抑制することが可能な反射型又は透過型の液晶表示装置、及び該液晶表示装置を備えた携帯機器を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明の液晶表示装置は、反射部の反射面を境とした液晶パネル側に、板状をなす複数のルーバがそれぞれ反射部の反射面に対して角度を持って配置されている。各ルーバは、一方の板面が光を反射するように構成されているとともに、他方の板面が光を吸収又は散乱するように構成されている。複数のルーバは、ルーバの一方の板面が、隣接するルーバの他方の板面と向き合うようにして、反射部の反射面に沿う方向に間隔をおいて配置されている。
【0013】
従って、前記液晶表示装置へ入射する外光のうち、液晶表示装置への入射角度(詳しくは液晶パネルに対する角度)が小さいものについては、その殆どが、ルーバの板面に当たる(反射又は吸収される)ことなくルーバ間を通過して、反射部の反射面に到達する。液晶表示装置への入射角度が小さい外光は、反射面からの出射角度も小さい。従って、この反射光は、その殆どが、ルーバの板面に当たることなくルーバ間を通過して液晶表示装置から出射され、液晶パネルの表示光として利用される。
【0014】
前記液晶表示装置への入射角度が小さい外光は、液晶表示装置における入射位置と出射位置とが殆どずれることはない。従って、液晶表示装置への入射角度が小さい外光に関しては、ルーバの作用を期待しなくとも、表示画像に二重像やカラー表示の際の色滲みを発生させることは殆どない。
【0015】
また、前記液晶表示装置へ入射する外光のうち、液晶表示装置への入射角度が大きくかつルーバ(板面)に対して大きく傾斜したものについては、その殆どが、ルーバの他方の板面に直接入射され該板面によって吸収又は散乱されるか、或いは一方の板面及び反射部の反射面で反射された後に他方の板面によって吸収又は散乱され、液晶表示装置から出射されることが抑制される。よって、液晶表示装置への入射角度が大きい外光が、反射部を経由して液晶表示装置から出射されることに起因した、二重像やカラー表示の際の色滲みの発生を抑制することができる。
【0016】
さらに、前記ルーバは、一方の板面が光を反射するように構成されているとともに、他方の板面が光を吸収又は散乱するように構成されている。従って、例えば、一方の板面も光を吸収又は散乱するように構成した場合と比較して、液晶パネルの表示画像の輝度を向上させることができる。
【0017】
請求項2の発明は請求項1において、前記ルーバは、反射部の反射面に対して垂直に配置されている。つまり、ルーバは、反射部の反射面に対して90°の角度を持って配置されている。従って、例えば、反射面と正対した状態で見たルーバの投影面積を狭くすることができる。よって、例えば、液晶表示装置へ入射する入射角度の小さい外光、つまり二重像やカラー表示の際の色滲みを発生させる危惧のない外光が、ルーバの他方の板面によって吸収又は散乱されてしまう割合を低く抑えることができる。その結果、表示画像の輝度を向上させることができる。
【0018】
請求項3の発明は請求項1において、前記ルーバは、反射部の反射面に対して傾けて配置されている。従って、液晶表示装置の正面付近で見える二重像やカラー表示の際の色滲みも抑制することができる。また、液晶表示装置に対して斜めに入射した光の一部が、液晶表示装置の正面に出射するので、該装置の正面輝度が向上される。
【0019】
請求項4の発明は請求項1〜3のいずれかにおいて、前記複数のルーバにおいて隣接するルーバ間は、光透過性の材料よりなる透過部によって埋められて連結されており、前記複数のルーバ及び透過部は全体として板状をなしている。従って、ルーバを至極薄い板状とする設定も、透過部の支持によって容易に実現可能である。また、複数のルーバを透過部の介在によって一体化することで、この一体化品が板状であることも併せて、液晶表示装置の組立時における複数のルーバの取り扱いが容易となる。
【0020】
請求項5の発明は請求項4において、前記複数のルーバ及び透過部からなる板状体は、ルーバを構成する材料と透過部を構成する材料とを交互に積層したものを、当該積層方向にスライスすることで製作されている。このような製作手法により、前記板状体を大量生産することが容易となり、複数のルーバを備えた液晶表示装置を安価に提供することができる。
【0021】
請求項6の発明は請求項1〜5のいずれかにおいて、ルーバは、第1の群と第2の群とが備えられている。第1の群は、前記反射部の反射面に沿う方向に複数のルーバが間隔をおいて配置されてなる。第2の群は、反射部の反射面に沿う方向でかつ前記第1の群とは異なる方向に、複数のルーバが間隔をおいて配置されてなる。そして、第1の群及び第2の群は全体として格子状に配置されている。従って、二重像やカラー表示の際の色滲みの発生を、より効果的に抑制することができる。
【0022】
即ち、第1の群は、該群のルーバ(板面)に対して大きく傾斜した外光のみを、液晶表示装置から出射させないようにする。従って、例えば、液晶表示装置への入射角度が大きい外光であっても、この外光が第1の群のルーバ(板面)と平行であれば、この外光に起因した二重像やカラー表示の際の色滲みの発生を第1の群のみでは抑制することができない。
【0023】
しかし、本発明においては、第1の群の他に第2の群も備えられており、該第2の群のルーバは、第1の群のルーバの板面とは異なる方向に向かう板面を有している。従って、第1の群のルーバ(板面)と平行な外光に対しても、第2の群のルーバによって好適に対応することができ、この外光の液晶表示装置に対する入射角度が大きくても、該外光に起因した二重像やカラー表示の際の色滲みの発生を抑制することができる。
【0024】
請求項7の発明は請求項6において、前記ルーバの第1の群と第2の群とは階層状に配置されている。従って、例えば、請求項4又は請求項5と組み合わせれば、複数のルーバ及び透過部からなる板状体を二つ準備して重ね合わせるだけの簡単な工程で、ルーバを格子状に配置することができる。
【0025】
請求項8の発明は請求項1〜7のいずれかにおいて、前記液晶パネルに対して表示面とは反対側にはバックライトが配置されている。液晶表示装置は、バックライトの発光状態では透過型として機能し、バックライトの非発光状態では反射部で外光を反射して反射型として機能する。つまり、前記液晶表示装置は半透過型である。
【0026】
半透過型の液晶表示装置においては、例えば、反射型の液晶表示装置では採用が容易な、反射部を液晶パネルに近づけて二重像やカラー表示の際の色滲みの発生を抑制する手法を採用することが、バックライトの配置の関係で困難となる。つまり、ルーバを用いて、二重像やカラー表示の際の色滲みの発生を抑制することは、特に半透過型の液晶表示装置において有効な手法であると言える。
【0027】
請求項9の発明は請求項1〜8のいずれかにおいて、前記バックライトは有機EL素子よりなっている。有機EL素子は、バックライトの薄型化を容易とする。
【0028】
上記目的を達成するために請求項10の発明の携帯機器は、請求項1〜9のいずれかに記載の液晶表示装置を備えている。請求項1〜9のいずれかに記載の液晶表示装置は、特定の方向への二重像抑制やカラー表示の際の色滲み抑制に効果が特に優れているので、使用者が見る方向がほぼ一定である携帯機器に用いるのに特に適している。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、携帯機器としての携帯電話に用いられる半透過型の液晶表示装置において具体化した第1〜第3実施形態について説明する。なお、第2及び第3実施形態においては第1実施形態との相違点についてのみ説明し、同一又は相当部材には同じ番号を付して説明を省略する。
【0030】
○第1実施形態
図1(a)に示すように、液晶表示装置11は、アクティブマトリックス方式の透過型の液晶パネル12と、液晶パネル12の表示面12aと反対側に配置されたバックライト13とを備えている。
【0031】
前記液晶パネル12は、一対の透明な基板14,15を備え、両基板14,15は所定間隔を保った状態で、図示しないシール材により張り合わされて、その間に液晶16が封止されている。基板14,15は例えばガラス製である。バックライト13側に配置された一方の基板14には、液晶16と対向する面に画素電極17と、該画素電極17に接続された薄膜トランジスタ(TFT)18とが多数形成されている。画素電極17はITO(インジュウム錫酸化物)で形成されている。基板14には、液晶16と反対側の板面に偏光板19が配設されている。
【0032】
前記他方の基板15には液晶16側にカラーフィルタ20が形成され、該カラーフィルタ20上には全画素共通の透明電極21が形成されている。透明電極21もITOで形成されている。カラーフィルタ20はR(赤)、G(緑)、B(青)の各サブピクセル20aを有し、各サブピクセル20aが画素電極17と対向するように配設されている。各サブピクセル20aはブラックマトリックス22で区画されている。基板15の液晶16と反対側の板面には偏光板23が配設されている。
【0033】
前記バックライト13は、ガラス製の基板24と、該基板24の上に形成された有機EL素子25とによって構成されている。有機EL素子25は、バックライト13の薄型化を容易とする。有機EL素子25は、基板24側から順に、反射カソード電極26、有機EL層27、及びアノード電極28が積層されてなる。反射カソード電極26は、光に対して反射性を有する金属材料からなっており、本実施形態においては反射カソード電極26が反射部を兼ねている。つまり、反射部は有機EL素子25に備えられている。反射カソード電極26は、反射面26aが液晶パネル12の表示面12aに平行となるように配置されている。アノード電極28は、光透過性の材料(例えばITO)よりなっている。
【0034】
前記有機EL素子25は、電極の接続部等を除き、全体を図示しない保護膜で覆われている。該保護膜により、有機EL層27が外部の水蒸気や酸素等から遮断されている。
【0035】
前記有機EL層27には例えば公知の構成のものが使用され、図示しないが、基板24側から順に、正孔注入層、発光層及び電子注入層の3層で構成されている。有機EL層27は、反射カソード電極26とアノード電極28との間に電圧が印可されることで、有機EL素子25の全域に渡って白色に発光するように構成されている。バックライト13は、有機EL素子25が発光した時の光が、基板24と反対側から出射される。即ち、有機EL素子25は、トップエミッション型である。
【0036】
前記液晶表示装置11は、液晶パネル12において表示すべき画素に対応する所定の画素の液晶16に電圧が掛けられることで、前記画素が表示状態となる。このとき、バックライト13(有機EL層27)の光を表示光として利用することで、暗所であっても液晶パネル12の表示画像が良好に視認可能となる。
【0037】
また、前記液晶表示装置11において有機EL素子25には、光を反射可能な反射カソード電極26が備えられている。従って、有機EL層27から反射カソード電極26側に照射された光や外部(液晶パネル12)からの入射光は、反射カソード電極26によって反射されて液晶パネル12側に出射される。従って、或る程度明るい場所であれば、例えば、バックライト13の非発光状態でも、外部からの入射光(外光)を表示光として利用することで、液晶パネル12の表示画像が良好に視認可能となる。
【0038】
さて、図1(a),図1(b)及び図2に示すように、前記液晶表示装置11には、反射カソード電極26の反射面26aを境とした液晶パネル12側に、矩形板状をなすルーバ30が複数配置されている。本実施形態において複数のルーバ30は、バックライト13の表面つまりアノード電極28の上面に、全域に渡って配設されている。
【0039】
前記各ルーバ30は、反射カソード電極26の反射面26aに対して90°の角度を持って垂直に配置されている。各ルーバ30は、一方(図面の左方)の板面30aが光を反射するように構成されているとともに、他方(図面の右方)の板面30bが光を吸収するように構成されている。複数のルーバ30は、ルーバ30の一方の板面30aが、隣接するルーバ30の他方の板面30bと向き合うようにして、反射カソード電極26の反射面26aに沿う方向(図1の左右方向)に、一定の間隔をおいて平行に配置されている。隣接するルーバ30の間隔は、サブピクセル20aの幅よりも狭くなっている。つまり、一つのサブピクセル20aの幅内に、複数のルーバ30が配置されている。
【0040】
前記各ルーバ30は、一方の板面30aを構成する反射層31と、他方の板面30bを構成する吸収層32とからなっている。反射層31は、光に対して反射性を有するアルミニウム系等の金属材料からなっている。吸収層32は、例えば、カーボンやチタン等をフォトレジストに分散した、樹脂ブラックからなっている。
【0041】
前記複数のルーバ30において隣接するルーバ30間は、光透過性の樹脂材料よりなる透過部33によって埋められて連結されている。従って、複数のルーバ30及び透過部33は、全体として板状に一体化されている。この複数のルーバ30及び透過部33からなる板状体は、例えば、次のようにして製作される。
【0042】
透過部33を構成するための光透過性の材料よりなるフィルムの一方の面に、反射層31を構成するためのアルミニウム系の金属材料を真空蒸着等により成膜させる。そして、このフィルムの他方の面に吸収層32を構成するための樹脂ブラックを塗布し、該フィルムを、樹脂ブラックを接着剤として別のフィルムの金属膜に接合する。これを繰り返して複数のフィルムを積層し、この積層体をフィルムの積層方向に薄くスライスすることで、前述した複数のルーバ30及び透過部33からなる板状体(フィルム)を得ることができる。このようにして得られた板状体は、バックライト13の表面つまりアノード電極28の上面に、接着剤によって貼付される。
【0043】
前記液晶表示装置11は複数のルーバ30を備えることで、特に、バックライト13の非発光時においては次のような作用・効果を奏する。即ち、図3に各部材を簡略化及び省略して模式的に示すように、複数の光源LS1,LS2,LS3から液晶表示装置11(液晶パネル12)へ入射した外光P1,P2,P3は、液晶パネル12を通過してルーバ30の位置まで到達される。
【0044】
ここで、前記光源LS1,LS2、LS3から液晶パネル12へ入射する外光P1,P2、P3のうち、液晶パネル12への入射角度θ1,θ2,θ3が小さいもの(P2。例えばθ2が30°未満)については、ルーバ30の板厚が至極薄いことも合わせて、その殆どが、ルーバ30の板面30a,30bに当たる(反射又は吸収される)ことなく透過部33を通過して、反射カソード電極26の反射面26aに到達する。液晶パネル12への入射角度θ2が小さい外光P2は、反射面26aからの出射角度も小さい。従って、この反射光P2は、その殆どが、ルーバ30の板面30a,30bに当たることなく透過部33を通過して液晶パネル12から出射され、表示光として利用される。
【0045】
前記液晶パネル12への入射角度θ2が小さい外光P2は、液晶パネル12における入射位置と出射位置とが殆どずれることはない。従って、光源LS2からの外光P2に関しては、ルーバ30の作用を期待しなくとも、表示画像に二重像や色滲みを発生させることは殆どない。
【0046】
また、前記光源LS1,LS2、LS3から液晶パネル12へ入射する外光P1,P2、P3のうち、液晶パネル12への入射角度θ1,θ2,θ3が大きくかつルーバ30(板面30a,30b)に対して大きく傾斜したもの(P1,P3。例えばθ1,θ3が30°以上)については、その殆どが、ルーバ30の板面30a,30bに当たることなく透過部33を通過することは困難である。
【0047】
従って、例えば、光源LS1から液晶パネル12へ入射する外光P1は、ルーバ30に対して一方の板面30a側から斜めに入射されることから、その殆どが、透過部33を通過する際に、ルーバ30の一方の板面30aによって反射されて、反射カソード電極26の反射面26aに到達される。反射面26aからの反射光P1は、ルーバ30に対して他方の板面30b側から斜めに入射されることから、その殆どが、ルーバ30の他方の板面30bによって吸収される。よって、光源LS1から液晶パネル12へ入射された外光P1が、液晶パネル12から出射することは殆どない。
【0048】
また、前記光源LS3から液晶パネル12へ入射する外光P3は、ルーバ30に対して他方の板面30b側から斜めに入射される。従って、この外光P3の殆どは、透過部33を通過しようとする際に、ルーバ30の他方の板面30bによって吸収されて、反射カソード電極26の反射面26aにまで到達することはない。
【0049】
つまり、従来装置(ルーバ30を備えない構成)においては液晶パネル12から出射されることとなっていた、液晶パネル12への入射角度θ1,θ3が大きい外光P1,P3を、本実施形態においてはルーバ30を用いることで、液晶パネル12からの出射を抑制することが可能となる。従って、液晶パネル12への入射角度θ1,θ3が大きい外光P1,P3に起因した、二重像や色滲みの発生を抑制することができ、表示画像が良好に視認可能となる。
【0050】
次に、例えば、図3の状態から光源LS2を削除した携帯電話の使用環境の場合、前述したように光源LS1,LS3からの外光P1,P3は表示光として殆ど利用されないため、このままでは表示画像の視認が良くない。従って、携帯電話の使用者は、光源LS1からの外光P1又は光源LS3からの外光P3を表示光として利用しようと、例えば光源LS1に対する液晶パネル12の角度を任意に調節して、光源LS1から液晶パネル12へ入射する外光P1の入射角度θ1を小さくする。この時、同時に、光源LS3に対する液晶パネル12の角度も変化され、光源LS3から液晶パネル12へ入射する外光P3の入射角度θ3はさらに大きくなってしまう。しかし、この外光P3は、前述したルーバ30の作用によって液晶パネル12から出射することは殆どなく、液晶パネル12からの外光P3の出射に起因した二重像や色滲みの発生を抑制して表示画像が良好に視認可能となる。
【0051】
上記構成の本実施形態においては、複数のルーバ30を備えることで、二重像や色滲みの発生を抑制することが可能な他、次のような効果も奏する。
(1)ルーバ30は、一方の板面30aが光を反射するように構成されているとともに、他方の板面30bが光を吸収するように構成されている。従って、例えば、一方の板面30aも光を吸収するように構成した場合と比較して、液晶パネル12の表示画像の輝度を向上させることができる。
【0052】
即ち、例えば、図3の状態の場合、光源LS2からの外光P2は、全てルーバ30の板面30a、30bに当たることなく液晶パネル12から出射されるわけではなく、一部はルーバ30の一方の板面30aに反射される経歴を経て液晶パネル12から出射される。しかし、ルーバ30を、一方の板面30aも光を吸収するように構成した場合、前述したような、一方の板面30aで反射される経歴を経て液晶パネル12から出射されるはずの光が、一方の板面30aによって吸収されてしまうことになる。従って、この光を表示光として利用できなくなって、その分だけ表示画像の輝度が低下してしまうのである。
【0053】
(2)ルーバ30は、反射カソード電極26の反射面26aに対して垂直に配置されている。つまり、ルーバ30の両板面30a,30bは、反射面26aに対して垂直となっている。従って、例えば、図3において光源LS2から見たルーバ30の投影面積、言い換えれば反射面26aとほぼ正対した状態で見たルーバ30の投影面積を狭くすることができる。よって、例えば、光源LS2から液晶パネル12へ入射する入射角度θ2の小さい外光P2、つまり二重像や色滲みを発生させる危惧のない外光P2が、ルーバ30の他方の板面30bによって吸収されてしまう割合を低く抑えることができる。よって、表示画像の輝度をさらに向上させることができる。
【0054】
(3)ルーバ30の他方の板面30bは、光を吸収するように構成されている。従って、二重像や色滲みを効果的に抑制できる。即ち、図4に示すように、他方の板面30bを光吸収性にすることにより、特定のサブピクセル20aを通過する複数の光Pの経路が発生することを抑制できるからである。なお、図4において二点鎖線は、例えば、他方の板面30bも反射性とした場合の光Pの経路であって、この場合には、特定のサブピクセル20aを通過する光Pの経路が複数発生されることを示している。
【0055】
(4)複数のルーバ30において隣接するルーバ30の間は、透過部33によって埋められて連結されており、複数のルーバ30及び透過部33は全体として板状をなしている。従って、ルーバ30を至極薄い板状(本実施形態においては金属膜)とする設定も、透過部33の支持によって容易に実現可能である。また、複数のルーバ30を透過部33によって一体化することで、この一体化品が板状であることも併せて、液晶表示装置11の組立時における複数のルーバ30の取り扱いが容易となる。
【0056】
(5)複数のルーバ30及び透過部33からなる板状体は、ルーバ30を構成する材料と透過部33を構成する材料とを交互に積層した積層体を、当該積層方向にスライスすることで製作されている。このような製作手法により、前記板状体を大量生産することが容易となり、複数のルーバ30を備えた液晶表示装置11を安価に提供することができる。
【0057】
前記製作手法を採用するためには、ルーバ30を構成する材料と透過部33を構成する材料とを交互に積層した積層体を、そのスライス毎に断面が変化されないように構成する必要がある。この構成を容易に達成するためには、各ルーバ30が反射カソード電極26の反射面26aに対して垂直に配置される構成を採用することが重要である。
【0058】
(6)液晶表示装置11は半透過型である。つまり、液晶表示装置11は、透過型としても機能するために、反射カソード電極26と液晶パネル12との間にバックライト13(詳しくは有機EL素子27やアノード電極28)が配置されている。従って、液晶表示装置11においては、例えば、反射型の液晶表示装置では採用が容易な、反射部を液晶パネルに近づけて二重像や色滲みの発生を抑制する手法を採用することが困難である。つまり、ルーバ30を用いて二重像や色滲みの発生を抑制することは、特に半透過型の液晶表示装置11において有効であると言える。
【0059】
(7)バックライト13は有機EL素子25よりなっており、この有機EL素子25の反射カソード電極26が外光P1〜P3の反射部を兼ねている。従って、例えば、有機EL素子25とは別に反射部を設ける場合と比較して、反射部を液晶パネル12に近づけて配置することができ、二重像や色滲みの発生を、より効果的に抑制することができる。
【0060】
(8)トップエミッション型の有機EL素子25は、ボトムエミッション型のものと比較して反射カソード電極26を液晶パネル12に近づけて配置することができる。従って、二重像や色滲みの発生を、より効果的に抑制することができる。
【0061】
(9)液晶表示装置11は、前述したように、特定の方向への二重像抑制や色滲み抑制に効果が特に優れているので、使用者が見る方向がほぼ一定である携帯電話に用いるのに特に適している。
【0062】
○第2実施形態
図5(a),図5(b)及び図6に示すように、本実施形態においては、上記第1実施形態で述べた複数のルーバ30を第1の群30−1とすると、この第1の群30−1の他に、該群30−1と同様な構造(透過部33も含む)を有する、ルーバ30の第2の群30−2が備えられている。第2の群30−2は、反射カソード電極26の反射面26aに沿う方向でかつ第1の群30−1とは異なる方向(図5の表裏方向)に、複数のルーバ30が一定の間隔をおいて平行に配置されてなる。従って、図6に示すように、第1の群30−1と第2の群30−2は、全体としてルーバ30が直角に立体交差する格子状をなしている。
【0063】
前記ルーバ30の第2の群30−2(透過部33も含む板状体)は、第1の群30−1と同様に、上記第1実施形態で述べた積層体のスライスにより製作されている。この製作時点では、第1の群30−1も第2の群30−2も区別はない。ルーバ30の第2の群30−2は、第1の群30−1においてアノード電極28とは反対側の表面に、第1の群30−1を90°回転させたような状態で重合配置されている。つまり、ルーバ30の第1の群30−1と第2の群30−2は階層状に配置されている。
【0064】
本実施形態においては上記第1実施形態と同様な効果を奏する他、次のような効果も奏する。
(1)ルーバ30は、第1の群30−1の他に第2の群30−2が備えられており、全体として格子状をなしている。従って、二重像や色滲みの発生を、より効果的に抑制することができる。
【0065】
即ち、第1の群30−1は、該群30−1のルーバ30(板面30a,30b)に対して大きく傾斜した外光のみを、液晶パネル12から出射させないようにする。従って、例えば、液晶パネル12への入射角度が大きい外光であっても、この外光が第1の群30−1のルーバ30(板面30a,30b)と平行であれば、この外光に起因した二重像や色滲みの発生を第1の群30−1のみでは抑制することができない。
【0066】
しかし、本実施形態においては、第1の群30−1の他に第2の群30−2も備えられており、該群30−2のルーバ30は、第1の群30−1のルーバ30の板面30a,30bとは異なる方向に向かう板面30a、30bを有している。従って、例えば、第1の群30−1のルーバ30(板面30a,30b)と平行な外光に対しても、第2の群30−2のルーバ30によって好適に対応することができ、この外光の液晶パネル12に対する入射角度が大きくても、該外光に起因した二重像や色滲みの発生を抑制することができる。
【0067】
(2)ルーバ30の第1の群30−1と第2の群30−2は階層状に配置されている。従って、例えば、複数のルーバ30及び透過部33からなる板状体を二つ準備し、そしてこの二つの板状体を回転方向にずらして重ね合わせるだけの簡単な工程で、ルーバ30を格子状に配置することができる。
【0068】
○第3実施形態
図7に示すように、本実施形態において各ルーバ30は、他方の板面30bが液晶パネル12側(図面上方)を向くようにして、反射カソード電極26の反射面26aに対して傾けて配置されている。つまり、各ルーバ30は、反射カソード電極26の反射面26aに対する角度、言い換えれば一方の板面30a(詳しくは該板面30aを反射面26a側に延長し該面26aに交差させた仮想面)と反射面26aとのなす角度が、0°よりも大きくかつ90°よりも小さくなるように配置されている。従って、本実施形態においては、上記第1実施形態の(1),(3)〜(9)と同様な効果を奏する他、次のような効果も奏する。
【0069】
(1)例えば、図8(c)に示すように、ルーバ30を反射面26aに対して垂直に配置した比較例(第1実施形態)においては、液晶表示装置11の正面方向(液晶パネル12の表示面12aにほぼ垂直な方向。図1参照)に出射する光Pを見る場合であっても、二重像や色滲みは微量ではあるが発生されている。しかし、図8(a)に示すように、各ルーバ30を反射面26aに対して傾けて配置した本実施形態によれば、液晶表示装置11の正面付近で見える二重像や色滲みも抑制することができる。
【0070】
(2)図8(b)に示すように、液晶パネル12に対する入射角度が大きい光P’の一部を、液晶表示装置11の正面に出射することができ、該装置11の正面輝度が向上される。
【0071】
なお、上記(1)及び(2)をより有効に奏するためには、ルーバ30の一方の板面30aと反射カソード電極26の反射面26aとがなす角度を、60〜89°の範囲に設定することが好ましい。この範囲は、70〜80°がさらに好ましい。
【0072】
本発明の趣旨から逸脱しない範囲で例えば以下の態様でも実施できる。
・上記第1〜第3実施形態においてルーバ30は、アノード電極28の上面つまりバックライト13に配設されていた。しかし、ルーバ30は、バックライト13に配設することに限定されるものではない。つまり、例えば、ルーバ30は、液晶パネル12の内部や、液晶パネル12の表示面12aや、液晶パネル12の下面(偏光板19においてバックライト13と対向する面)等、反射カソード電極26の反射面26aを境とした液晶パネル12側であれば何処に配設してもよい。例えば、液晶パネル12の内部に配設する場合、偏光板23と基板15の間や、基板15とカラーフィルタ20の間や、基板14と偏光板19の間等が挙げられる。
【0073】
・上記第1〜第3実施形態においては、隣接するルーバ30の間隔が、サブピクセル20aの幅よりも狭くされていた。しかし、隣接するルーバ30の間隔は、サブピクセル20aよりも狭くする必要はない。例えば、ルーバ30の間隔を狭くすると二重像や色滲みの抑制効果は高くなるがそれと引き替えに視野が狭くなる。逆に、ルーバ30の間隔を広くすると、視野は広くなるが二重像や色滲みの抑制効果は低くなる。
【0074】
また、前記二重像や色滲みの抑制については、ルーバ30の間隔だけではなく、ルーバ30及び透過部33からなるフィルムの厚さも影響する。即ち、二重像や色滲みの抑制効果を同じにするためには、ルーバ30及び透過部33からなるフィルムが薄い場合にはルーバ30の間隔を狭くする必要があり、該フィルムが厚い場合には、ルーバ30の間隔を広くすることができる。さらに、前記フィルムを厚くすると光の損失が大きくなる。
【0075】
従って、ルーバ30の間隔だけを単独で設定することは困難であり、実際には、必要な視野角や許容される光の損失等を考慮して、ルーバ30及び透過部33からなるフィルムの厚さとルーバ30の間隔とを決めればよい。
【0076】
・上記第1〜第3実施形態を変更し、ルーバ30の吸収層32を構成する材料として、樹脂ブラックに換えて金属クロムを用いること。
・上記第1〜第3実施形態においてルーバ30の他方の板面30bは、光を吸収するように構成されていた。これを変更し、ルーバ30の他方の板面30bを、光を散乱させるようにすること。即ち、例えば、上記第1〜第3実施形態において吸収層32を削除するとともに、反射層31において一方の板面30aと反対側の板面を粗くし、該板面を、光を散乱する他方の板面として把握すること。
【0077】
・上記第2実施形態においては、ルーバ30の第1の群30−1と第2の群30−2とが階層状に配置されていた。これを変更し、第1の群30−1と第2の群30−2を同一層内に配置すること。
【0078】
・上記第2実施形態においては、ルーバ30の第1の群30−1と第2の群30−2とが、各ルーバ30が直角に立体交差する格子状に配置されていた。これを変更し、第1の群30−1と第2の群30−2を、ルーバ30が斜めに立体交差する格子状に配置すること。
【0079】
・上記第3実施形態において各ルーバ30は、他方の板面30bが液晶パネル12側を向くように、反射カソード電極26の反射面26aに対して傾けて配置されていた。これを変更し、各ルーバ30を、一方の板面30aが液晶パネル12側を向くように、反射カソード電極26の反射面26aに対して傾けて配置すること。このようにしても、上記第3実施形態と同様な効果を奏する。なお、上記第3実施形態の(1)及び(2)と同様な効果をより有効に奏するためには、反射面26aに対するルーバ30の傾斜角度、つまりルーバ30の他方の板面30aと反射カソード電極26の反射面26aとがなす角度を、60〜89°の範囲に設定することが好ましい。この範囲は、70〜80°がさらに好ましい。
【0080】
・上記第1〜第3実施形態において有機EL素子25は、トップエミッション型であった。これを変更し、有機EL素子としてボトムエミッション型を用いること。
【0081】
・上記第1〜第3実施形態においてバックライト13は、有機EL素子25により構成されていた。これを変更し、バックライトを、無機EL素子等の有機EL素子以外の発光体により構成すること。
【0082】
・本発明を、カラー表示ではなくモノクロの画像表示を行う液晶表示装置において具体化すること。
・本発明を、半透過型ではなく反射型の液晶表示装置において具体化すること。
【0083】
・携帯機器としては、上記第1〜第3実施形態で述べた携帯電話以外にも、PDA(携帯情報端末)等が挙げられる。
上記実施形態から把握できる技術的思想について記載する。
【0084】
(1)前記有機EL素子はトップエミッション型である請求項9に記載の液晶表示装置。
(2)前記反射部は有機EL素子に備えられている請求項9又は前記技術的思想(1)に記載の液晶表示装置。
【0085】
(3)前記ルーバは、反射部の反射面に対して60〜89°の角度を持って配置されている請求項3に記載の液晶表示装置。
(4)前記ルーバは、反射部の反射面に対して70〜80°の角度を持って配置されている前記技術的思想(3)に記載の液晶表示装置。
【0086】
【発明の効果】
上記構成の本発明によれば、二重像やカラー表示の際の色滲みの発生を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は第1実施形態の液晶表示装置の断面図であり、(b)は(a)の要部拡大図。
【図2】図1(a)の1−1線断面図。
【図3】液晶表示装置の特にルーバの作用を説明するための模式図。
【図4】液晶表示装置の特にルーバの作用を説明するための模式図。
【図5】(a)は第2実施形態の液晶表示装置の断面図であり、(b)は(a)の要部拡大図。
【図6】図5(a)の2−2線断面図。
【図7】第3実施形態の液晶表示装置の要部拡大断面図。
【図8】(a),(b)は第3実施形態の液晶表示装置の作用を説明するための模式図であり、(c)は比較例(第1実施形態)の作用を説明するための模式図。
【図9】従来技術の液晶表示装置の断面図。
【図10】液晶表示装置の作用を説明するための模式図。
【符号の説明】
11…液晶表示装置、12…液晶パネル、12a…表示面、13…バックライト、25…バックライトを構成する有機EL素子、26…反射部としての反射カソード電極、26a…反射面、30…ルーバ、30a…一方の板面、30b…他方の板面、30−1…ルーバの第1の群、30−2…ルーバの第2の群、33…透過部、P,P’,P1〜P3…外光。
Claims (10)
- 液晶パネルと、該液晶パネルに対して表示面とは反対側に配置された反射部とからなり、前記反射部で反射した外光を前記液晶パネルの表示光として利用する液晶表示装置において、
前記反射部の反射面を境とした液晶パネル側には、板状をなす複数のルーバがそれぞれ反射部の反射面に対して角度を持って配置され、前記各ルーバにおいて、一方の板面は光を反射するように構成されているとともに、他方の板面は光を吸収又は散乱するように構成されており、前記複数のルーバは、ルーバの一方の板面が、隣接するルーバの他方の板面と向き合うようにして、反射部の反射面に沿う方向に間隔をおいて配置されていることを特徴とする液晶表示装置。 - 前記ルーバは、反射部の反射面に対して垂直に配置されている請求項1に記載の液晶表示装置。
- 前記ルーバは、反射部の反射面に対して傾けて配置されている請求項1に記載の液晶表示装置。
- 前記複数のルーバにおいて隣接するルーバ間は、光透過性の材料よりなる透過部によって埋められて連結されており、前記複数のルーバ及び透過部は全体として板状をなしている請求項1〜3のいずれかに記載の液晶表示装置。
- 前記複数のルーバ及び透過部からなる板状体は、ルーバを構成する材料と透過部を構成する材料とを交互に積層したものを、当該積層方向にスライスすることで製作されている請求項4に記載の液晶表示装置。
- 前記反射部の反射面に沿う方向に複数のルーバが間隔をおいて配置された第1の群と、反射部の反射面に沿う方向でかつ前記第1の群とは異なる方向に複数のルーバが間隔をおいて配置された第2の群とを備えており、前記第1の群と第2の群は全体として格子状に配置されている請求項1〜5のいずれかに記載の液晶表示装置。
- 前記ルーバの第1の群と第2の群とは階層状に配置されている請求項6に記載の液晶表示装置。
- 前記液晶パネルに対して表示面とは反対側にはバックライトが配置されており、前記バックライトの発光状態では透過型の液晶表示装置として機能し、前記バックライトの非発光状態では反射部で外光を反射して反射型の液晶表示装置として機能する請求項1〜7のいずれかに記載の液晶表示装置。
- 前記バックライトは有機EL素子よりなっている請求項1〜8のいずれかに記載の液晶表示装置。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の液晶表示装置を備えたことを特徴とする携帯機器。
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2002
- 2002-09-26 JP JP2002281621A patent/JP2004117887A/ja active Pending
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