JP2004116765A - 減速機 - Google Patents
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Abstract
【課題】入力側と出力側とを切り換えても、増速機状態とならない減速機を提供することである。
【解決手段】同軸上に配された入出力軸1aを内輪側、入出力軸1bを外輪側として、外輪側の相対高速回転で締結する一方向クラッチ2aを介して連結するとともに、入出力軸1aに歯数Za の歯車3aを一体に設け、入出力軸1bに歯数Zb の歯車3bを、一方向クラッチ2aと締結回転方向性が同一の一方向クラッチ2bを介して設け、カウンタ軸4に、歯車3aと噛み合い歯数Zc の歯車3cと、歯車3bと噛み合い歯数Zd の歯車3dを一体に設け、各歯車3a、3b、3c、3dの歯数Za 、Zb 、Zc 、Zd が(Za ・Zd )/(Zb ・Zc )<1となるように設定することにより、同一方向に回転する2つの入出力軸1a、1bの入力側と出力側とを切り換えても増速機状態とならないようにした。
【選択図】 図2
【解決手段】同軸上に配された入出力軸1aを内輪側、入出力軸1bを外輪側として、外輪側の相対高速回転で締結する一方向クラッチ2aを介して連結するとともに、入出力軸1aに歯数Za の歯車3aを一体に設け、入出力軸1bに歯数Zb の歯車3bを、一方向クラッチ2aと締結回転方向性が同一の一方向クラッチ2bを介して設け、カウンタ軸4に、歯車3aと噛み合い歯数Zc の歯車3cと、歯車3bと噛み合い歯数Zd の歯車3dを一体に設け、各歯車3a、3b、3c、3dの歯数Za 、Zb 、Zc 、Zd が(Za ・Zd )/(Zb ・Zc )<1となるように設定することにより、同一方向に回転する2つの入出力軸1a、1bの入力側と出力側とを切り換えても増速機状態とならないようにした。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、入力側と出力側とを切り換え可能な減速機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
歯車やベルト等を用いた車両用や産業機械用の動力伝達機構では、入力側と出力側とが互いに切り換えられるものがある。このような動力伝達機構は、必然的に一方向の動力伝達では減速機となり、逆方向の動力伝達では増速機となる。
【0003】
従来の車両は、エンジン始動用のスタータモータと発電用オルタネータを別々に備えているが、例えば、特開2002−201975号公報に記載された車両用補機の駆動装置では、両者の機能を統合して省スペース、低コスト化を図るために、図5に示すように、エンジン51のクランク軸51aに、クラッチ52を介してベルト伝達機構53a、53bで、それぞれモータ54の出力軸54aと、補機である圧縮機55の駆動軸55aとを連結し、エンジン51の始動時には、モータ54をバッテリ56で駆動してスタータモータとして用い、エンジン51の始動後は、モータ54をエンジン51の動力で駆動して発電機とし、バッテリ56に充電するようにしている。圧縮機55は、エンジン51の停止中はモータ54で駆動され、エンジン51の始動後はエンジン51で駆動される。
【0004】
この車両用補機の駆動装置のベルト伝達機構53aでは、エンジン51の始動時には、モータ54の出力軸54aが入力側、クランク軸51aが出力側となって減速機が構成されるが、エンジン51の始動後は、クランク軸51aが入力側、モータ54の出力軸54aが出力側となって増速機となる。このため、発電機としてのモータ54の回転数が大きく上昇し、焼損等の破損の恐れがある。このような増速機状態でのモータ54の破損を防止するためには、変速比を小さくすればよいが、減速機状態でモータ54をスタータモータとして用いるときに、エンジン51始動のための十分なトルクを得るために、モータ54の容量を大きくする必要があり、本来の目的である省スペース、低コスト化が阻害される。
【0005】
このような問題を解決するために、入力側と出力側とを切り換えても、増速機状態とならない減速機の実現が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明の課題は、入力側と出力側とを切り換えても、増速機状態とならない減速機を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明の減速機は、同軸上に配されて同一方向に回転し、入力側と出力側とに互いに切り換えられる第1および第2の入出力軸1a、1bを、第1の入出力軸1aを内輪側、第2の入出力軸1bを外輪側として、外輪側の相対高速回転または内輪側の相対高速回転のいずれかで締結する締結回転方向性を有する第1の一方向クラッチ2aを介して連結し、第1の入出力軸1aに歯数がZa の第1歯車3aを一体に設け、第2の入出力軸1bに歯数がZb の第2歯車3bを、第1の一方向クラッチ2aと締結回転方向性が同一である第2の一方向クラッチ2bを介して設け、第1および第2の入出力軸1a、1bに平行なカウンタ軸4に、第1歯車3aと噛み合い歯数がZc の第3歯車3cと、第2歯車3bと噛み合い歯数がZd の第4歯車3dとを一体に設け、第1乃至第4歯車3a、3b、3c、3dの各歯数Za 、Zb 、Zc 、Zd を、第1の一方向クラッチ2aの締結回転方向性が、外輪側の相対高速回転で締結するものとされた場合は下記の関係式(1)を満たすように、内輪側の相対高速回転で締結するものとされた場合は下記の関係式(2)を満たすように設定した構成を採用した。
【0008】
後述する第1の実施形態の減速機を模式的に示す図2を用いて、第1および第2の一方向クラッチ2a、2bの締結回転方向性を、外輪側の相対高速回転で締結するものとした場合について、上記構成の減速機の作用を説明する。
【0009】
まず、第1の入出力軸1aを入力側、第2の入出力軸1bを出力側としたときは、第1歯車3aと第3歯車3cとの噛み合いによる第1の入出力軸1aとカウンタ軸4間の変速比はZa /Zc 、第4歯車3dと第2歯車3bとの噛み合いによるカウンタ軸4と第2歯車3b間の変速比はZd /Zb となるので、第1の入出力軸1aと第2歯車3b間の変速比は(Za ・Zd )/(Zb ・Zc )となる。
【0010】
(1)式より、この変速比は1よりも小さいので、第2の一方向クラッチ2bが締結して第2の入出力軸1bが第2歯車3bと等速で回転したときに、第1の一方向クラッチ2aの外輪側部材である第2の入出力軸1bの回転速度は、第1の一方向クラッチ2aの内輪側部材である第1の入出力軸1aよりも低速となる。したがって、このときは第1の一方向クラッチ2aが空転し、第1の入出力軸1aの回転が、カウンタ軸4と第2の一方向クラッチ2bを介して、第2の入出力軸1bに減速比(Za ・Zd )/(Zb ・Zc )<1で伝達される。
【0011】
つぎに、第2の入出力軸1bを入力側、第1の入出力軸1aを出力側としたときは、第1の一方向クラッチ2aが締結して第1の入出力軸1aが第2の入出力軸1bと等速で回転する。このとき、第1の入出力軸1aからカウンタ軸4を介して第2歯車3bに伝達される変速比(Za ・Zd )/(Zb ・Zc )は1よりも小さいので、第2の一方向クラッチ2bの外輪側部材である第2歯車3bの回転速度は、第2の一方向クラッチ2bの内輪側部材である第2の入出力軸1bよりも低速となる。したがって、このときは第2の一方向クラッチ2bが空転し、第2の入出力軸1bの回転が、第1の一方向クラッチ2aを介して、そのまま第1の入出力軸1aに等速で伝達される。
【0012】
前記第1および第2の一方向クラッチ2a、2bの締結回転方向性を、内輪側の相対高速回転で締結するものとした場合は、第1の入出力軸1aを入力側、第2の入出力軸1bを出力側としたときに、第2の一方向クラッチ2bが空転して、第1の入出力軸1aの回転が、第1の一方向クラッチ2aを介して、そのまま第2の入出力軸1bに等速で伝達され、第2の入出力軸1bを入力側、第1の入出力軸1aを出力側としたときに、第1の一方向クラッチ2aが空転して、第2の入出力軸1bの回転が、第2の一方向クラッチ2bとカウンタ軸4を介して、第1の入出力軸1aに、(2)式より減速比(Zb ・Zc )/(Za ・Zd )<1で伝達される。
【0013】
前記第1および第2の一方向クラッチ2a、2bを、同心円上に配置することにより、減速機をコンパクトに設計することができる。
【0014】
また、この発明の減速機は、同軸上に配されて同一方向に回転し、入力側と出力側とに互いに切り換えられる第1および第2の入出力軸1a、1bを、第1の入出力軸1aを外輪側、第2の入出力軸1bを内輪側として、外輪側の相対高速回転または内輪側の相対高速回転のいずれかで締結する締結回転方向性を有する第1の一方向クラッチ2aを介して連結し、第1の入出力軸1aに歯数がZa の第1歯車3aを一体に設け、第2の入出力軸1bに歯数がZb の第2歯車3bを、第1の一方向クラッチ2aと締結回転方向性が反対である第2の一方向クラッチ2bを介して設け、第1および第2の入出力軸1a、1bに平行なカウンタ軸4に、第1歯車3aと噛み合い歯数がZc の第3歯車3cと、第2歯車3bと噛み合い歯数がZd の第4歯車3dとを一体に設け、第1乃至第4歯車3a、3b、3c、3dの各歯数Za 、Zb 、Zc 、Zd を、第1の一方向クラッチ2aの締結回転方向性が内輪側の相対高速回転で締結するものとされた場合は下記の関係式(1)を満たすように、外輪側の相対高速回転で締結するものとされた場合は下記の関係式(2)を満たすように設定した構成も採用した。
【0015】
後述する第2の実施形態の減速機を模式的に示す図4を用いて、第1の一方向クラッチ2aが内輪側の相対高速回転で締結し、第2の一方向クラッチ2bが外輪側の相対高速回転で締結するものとした場合について、上記構成の減速機の作用を説明する。
【0016】
まず、第1の入出力軸1aを入力側、第2の入出力軸1bを出力側としたときは、第1歯車3aと第3歯車3cとの噛み合いによる第1の入出力軸1aとカウンタ軸4間の変速比はZa /Zc 、第4歯車3dと第2歯車3bとの噛み合いによるカウンタ軸4と第2歯車3b間の変速比はZd /Zb となるので、第1の入出力軸1aと第2歯車3b間の変速比は(Za ・Zd )/(Zb ・Zc )となる。
【0017】
(1)式より、この変速比は1よりも小さいので、第2の一方向クラッチ2bが締結して第2の入出力軸1bが第2歯車3bと等速で回転したときに、第1の一方向クラッチ2aの内輪側部材である第2の入出力軸1bの回転速度は、第1の一方向クラッチ2aの外輪側部材である第1の入出力軸1aよりも低速となる。したがって、このときは第1の一方向クラッチ2aが空転し、第1の入出力軸1aの回転が、カウンタ軸4から第2の入出力軸1bに、減速比(Za ・Zd )/(Zb ・Zc )<1で伝達される。
【0018】
つぎに、第2の入出力軸1bを入力側、第1の入出力軸1aを出力側としたときは、第1の一方向クラッチ2aが締結して第1の入出力軸1aが第2の入出力軸1bと等速で回転する。このとき、第1の入出力軸1aからカウンタ軸4を介して第2歯車3bに伝達される変速比(Za ・Zd )/(Zb ・Zc )は1よりも小さいので、第2の一方向クラッチ2bの外輪側部材である第2歯車3bの回転速度は、第2の一方向クラッチ2bの内輪側部材である第2の入出力軸1bよりも低速となる。したがって、このときは第2の一方向クラッチ2bが空転し、第2の入出力軸1bの回転が、そのまま第1の入出力軸1aに等速で伝達される。
【0019】
前記第1の一方向クラッチ2aが外輪側の相対高速回転で締結し、第2の一方向クラッチ2bが内輪側の相対高速回転で締結するものとした場合は、第1の入出力軸1aを入力側、第2の入出力軸1bを出力側としたときに、第2の一方向クラッチ2bが空転して、第1の入出力軸1aの回転がそのまま第2の入出力軸1bに等速で伝達され、第2の入出力軸1bを入力側、第1の入出力軸1aを出力側としたときに、第1の一方向クラッチ2aが空転して、第2の入出力軸1bの回転が、カウンタ軸4から第1の入出力軸1aに、(2)式より減速比(Zb ・Zc )/(Za ・Zd )<1で伝達される。
【0020】
【実施の形態】
以下、図1乃至図4に基づき、この発明の実施形態を説明する。図1乃至図3は、第1の実施形態を示す。この減速機は、図1に示すように、同軸上に配されて同一方向に回転し、入力側と出力側とに互いに切り換えられる第1および第2の入出力軸1a、1bが、第1の入出力軸1aを内輪側、第2の入出力軸を外輪側として、第1の一方向クラッチ2aを介して連結されるとともに、第1の入出力軸1aに第1歯車3aが一体に設けられ、第2の入出力軸1bに第2歯車3bが第2の一方向クラッチ2bを介して設けられ、両入出力軸1a、1bと平行なカウンタ軸4に一体に設けられた第3歯車3cと第4歯車3dが、それぞれ第1歯車3aと第2歯車3bとに噛み合わされている。
【0021】
図2は、図1の減速機の動力伝達機構を模式的に示したものである。第1乃至第4歯車3a、3b、3c、3dの各歯数Za 、Zb 、Zc 、Zd は、先に示したつぎの(1)式を満たすように設定されている。
(Za ・Zd )/(Zb ・Zc )<1 (1)
【0022】
図3に示すように、第1および第2の入出力軸1a、1bと第2歯車3bは時計回りに回転し、第1および第2の一方向クラッチ2a、2bは同心円上に配置されている。また、第1および第2の一方向クラッチ2a、2bは、係合子としての各ころ5a、5bを、各外輪6a、6bの内周面に設けられた各傾斜カム面7a、7bでロックされる方向に、各ばね8a、8bで互いに同じ向きに押圧したものであり、いずれも外輪6a、6b側の相対高速回転で締結する同一の締結回転方向性を有する。
【0023】
したがって、前述したように、この減速機は、第1の入出力軸1aを入力側、第2の入出力軸1bを出力側としたときは、第2の一方向クラッチ2bのみが締結し、第1の入出力軸1aの回転が、カウンタ軸4から第2の入出力軸1bに、減速比(Za ・Zd )/(Zb ・Zc )<1で伝達され、第2の入出力軸1bを入力側、第1の入出力軸1aを出力側としたときは、第1の一方向クラッチ2aのみが締結し、第2の入出力軸1bの回転が、そのまま第1の入出力軸1aに等速で伝達される。
【0024】
なお、これとは逆に、第1および第2の一方向クラッチ2a、2bを、内輪側の相対高速回転で締結する締結回転方向性のものとする場合は、図2に示した各歯車3a、3b、3c、3dの歯数Za 、Zb 、Zc 、Zd が、先に示したつぎの(2)式を満たすように設定すればよい。
(Zb ・Zc )/(Za ・Zd )<1 (2)
【0025】
図4は、第2の実施形態を模式的に示す。この減速機は、同軸上に配された第1および第2の入出力軸1a、1bが、第1の入出力軸1aを外輪側、第2の入出力軸1bを内輪側として、第1の一方向クラッチ2aを介して連結されている点と、第1および第2の一方向クラッチ2a、2bが、その締結回転方向性を互いに反対のものとされ、第2の入出力軸の外周側で軸方向に並列に配置されている点とが第1の実施形態のものと異なる。第1および第2の入出力軸1a、1bが時計回りに回転することと、各歯車3a、3b、3c、3dの歯数Za 、Zb 、Zc 、Zd が、(1)式を満たすように設定されていることとは、第1の実施形態と同じである。
【0026】
この実施形態では、第1の一方向クラッチ2aが内輪側の相対高速回転で締結し、第2の一方向クラッチ2aが外輪側の相対高速回転で締結するようになっている。すなわち、図示は省略するが、第1の一方向クラッチ2aは、図3に示したものと逆向きに、ころ5aがカム面7aでロックされる方向にばね8aで押圧され、第2の一方向クラッチ2aは、図3に示したものと同じ向きに、ころ5bがカム面7bでロックされる方向にばね8bで押圧されている。
【0027】
したがって、前述したように、この減速機では、第1の入出力軸1aを入力側、第2の入出力軸1bを出力側としたときは、第2の一方向クラッチ2bのみが締結し、第1の入出力軸1aの回転が、カウンタ軸4から第2の入出力軸1bに、減速比(Za ・Zd )/(Zb ・Zc )<1で伝達され、第2の入出力軸1bを入力側、第1の入出力軸1aを出力側としたときは、第1の一方向クラッチ2aのみが締結し、第2の入出力軸1bの回転が、そのまま第1の入出力軸1aに等速で伝達される。
【0028】
なお、これとは逆に、第1の一方向クラッチ2aを外輪側の相対高速回転で締結するもの、第2の一方向クラッチを内輪側の相対高速回転で締結するものとする場合は、図4に示した各歯車3a、3b、3c、3dの歯数Za 、Zb 、Zc 、Zd が、(2)式を満たすように設定すればよい。
【0029】
上述した各実施形態では、第1および第2の一方向クラッチを、係合子としてころを用いるタイプのものとしたが、これらの一方向クラッチは各実施形態のものに限定されることはなく、スプラグやラチェットを用いるタイプのものとしてもよい。
【0030】
【発明の効果】
以上のように、この発明の減速機は、同軸上に配されて同一方向に回転する第1および第2の入出力軸を、第1の入出力軸を内輪側、第2の入出力軸を外輪側として、外輪側または内輪側のいずれかの相対高速回転で締結する締結回転方向性を有する第1の一方向クラッチを介して連結するとともに、第1の入出力軸に歯数がZa の第1歯車を一体に設け、第2の入出力軸に歯数がZb の第2歯車を、第1の一方向クラッチと締結回転方向性が同一である第2の一方向クラッチを介して設け、第1および第2の入出力軸に平行なカウンタ軸に、第1歯車と噛み合い歯数がZc の第3歯車と、第2歯車と噛み合い歯数がZd の第4歯車とを一体に設け、第1乃至第4歯車の各歯数Za 、Zb 、Zc 、Zd を、第1の一方向クラッチの締結回転方向性が、外輪側の相対高速回転で締結するものとされた場合は、(Za ・Zd )/(Zb ・Zc )<1となるように、内輪側の相対高速回転で締結するものとされた場合は、(Zb ・Zc )/(Za ・Zd )<1となるように設定する構成とし、第1および第2の入出力軸の入力側と出力側とを切り換えたときに、いずれの切り換え側でも増速機状態とならないようにしたので、出力側の回転数が大きく上昇したり、入力側のモータ等がトルク不足となったりすることがない。
【0031】
前記第1および第2の一方向クラッチ2a、2bを、同心円上に配置することにより、減速機をコンパクトに設計することができる。
【0032】
また、この発明の減速機は、同軸上に配されて同一方向に回転する第1および第2の入出力軸を、第1の入出力軸を外輪側、第2の入出力軸を内輪側として、外輪側または内輪側のいずれかの相対高速回転で締結する締結回転方向性を有する第1の一方向クラッチを介して連結するとともに、第1の入出力軸に歯数がZa の第1歯車を一体に設け、第2の入出力軸に歯数がZb の第2歯車を、第1の一方向クラッチと締結回転方向性が反対である第2の一方向クラッチを介して設け、第1および第2の入出力軸に平行なカウンタ軸に、第1歯車と噛み合い歯数がZc の第3歯車と、第2歯車と噛み合い歯数がZd の第4歯車とを一体に設け、第1乃至第4歯車の各歯数Za 、Zb 、Zc 、Zd を、第1の一方向クラッチの締結回転方向性が、内輪側の相対高速回転で締結するものとされた場合は、(Za ・Zd )/(Zb ・Zc )<1となるように、外輪側の相対高速回転で締結するものとされた場合は、(Zb ・Zc )/(Za ・Zd )<1となるように設定する構成も採用したので、この構成の場合も、第1および第2の入出力軸の入力側と出力側とを切り換えたときに、いずれの切り換え側でも増速機状態とならないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の減速機を示す縦断面図
【図2】図1の模式図
【図3】図1のIII −III 線に沿った断面図
【図4】第2の実施形態の減速機を示す模式図
【図5】従来の車両用補機の駆動装置の概略構成図
【符号の説明】
1a、1b 入出力軸
2a、2b 一方向クラッチ
3a、3b、3c、3d 歯車
4 カウンタ軸
5a、5b ころ
6a、6b 外輪
7a、7b カム面
8a、8b ばね
【発明の属する技術分野】
この発明は、入力側と出力側とを切り換え可能な減速機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
歯車やベルト等を用いた車両用や産業機械用の動力伝達機構では、入力側と出力側とが互いに切り換えられるものがある。このような動力伝達機構は、必然的に一方向の動力伝達では減速機となり、逆方向の動力伝達では増速機となる。
【0003】
従来の車両は、エンジン始動用のスタータモータと発電用オルタネータを別々に備えているが、例えば、特開2002−201975号公報に記載された車両用補機の駆動装置では、両者の機能を統合して省スペース、低コスト化を図るために、図5に示すように、エンジン51のクランク軸51aに、クラッチ52を介してベルト伝達機構53a、53bで、それぞれモータ54の出力軸54aと、補機である圧縮機55の駆動軸55aとを連結し、エンジン51の始動時には、モータ54をバッテリ56で駆動してスタータモータとして用い、エンジン51の始動後は、モータ54をエンジン51の動力で駆動して発電機とし、バッテリ56に充電するようにしている。圧縮機55は、エンジン51の停止中はモータ54で駆動され、エンジン51の始動後はエンジン51で駆動される。
【0004】
この車両用補機の駆動装置のベルト伝達機構53aでは、エンジン51の始動時には、モータ54の出力軸54aが入力側、クランク軸51aが出力側となって減速機が構成されるが、エンジン51の始動後は、クランク軸51aが入力側、モータ54の出力軸54aが出力側となって増速機となる。このため、発電機としてのモータ54の回転数が大きく上昇し、焼損等の破損の恐れがある。このような増速機状態でのモータ54の破損を防止するためには、変速比を小さくすればよいが、減速機状態でモータ54をスタータモータとして用いるときに、エンジン51始動のための十分なトルクを得るために、モータ54の容量を大きくする必要があり、本来の目的である省スペース、低コスト化が阻害される。
【0005】
このような問題を解決するために、入力側と出力側とを切り換えても、増速機状態とならない減速機の実現が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明の課題は、入力側と出力側とを切り換えても、増速機状態とならない減速機を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明の減速機は、同軸上に配されて同一方向に回転し、入力側と出力側とに互いに切り換えられる第1および第2の入出力軸1a、1bを、第1の入出力軸1aを内輪側、第2の入出力軸1bを外輪側として、外輪側の相対高速回転または内輪側の相対高速回転のいずれかで締結する締結回転方向性を有する第1の一方向クラッチ2aを介して連結し、第1の入出力軸1aに歯数がZa の第1歯車3aを一体に設け、第2の入出力軸1bに歯数がZb の第2歯車3bを、第1の一方向クラッチ2aと締結回転方向性が同一である第2の一方向クラッチ2bを介して設け、第1および第2の入出力軸1a、1bに平行なカウンタ軸4に、第1歯車3aと噛み合い歯数がZc の第3歯車3cと、第2歯車3bと噛み合い歯数がZd の第4歯車3dとを一体に設け、第1乃至第4歯車3a、3b、3c、3dの各歯数Za 、Zb 、Zc 、Zd を、第1の一方向クラッチ2aの締結回転方向性が、外輪側の相対高速回転で締結するものとされた場合は下記の関係式(1)を満たすように、内輪側の相対高速回転で締結するものとされた場合は下記の関係式(2)を満たすように設定した構成を採用した。
【0008】
後述する第1の実施形態の減速機を模式的に示す図2を用いて、第1および第2の一方向クラッチ2a、2bの締結回転方向性を、外輪側の相対高速回転で締結するものとした場合について、上記構成の減速機の作用を説明する。
【0009】
まず、第1の入出力軸1aを入力側、第2の入出力軸1bを出力側としたときは、第1歯車3aと第3歯車3cとの噛み合いによる第1の入出力軸1aとカウンタ軸4間の変速比はZa /Zc 、第4歯車3dと第2歯車3bとの噛み合いによるカウンタ軸4と第2歯車3b間の変速比はZd /Zb となるので、第1の入出力軸1aと第2歯車3b間の変速比は(Za ・Zd )/(Zb ・Zc )となる。
【0010】
(1)式より、この変速比は1よりも小さいので、第2の一方向クラッチ2bが締結して第2の入出力軸1bが第2歯車3bと等速で回転したときに、第1の一方向クラッチ2aの外輪側部材である第2の入出力軸1bの回転速度は、第1の一方向クラッチ2aの内輪側部材である第1の入出力軸1aよりも低速となる。したがって、このときは第1の一方向クラッチ2aが空転し、第1の入出力軸1aの回転が、カウンタ軸4と第2の一方向クラッチ2bを介して、第2の入出力軸1bに減速比(Za ・Zd )/(Zb ・Zc )<1で伝達される。
【0011】
つぎに、第2の入出力軸1bを入力側、第1の入出力軸1aを出力側としたときは、第1の一方向クラッチ2aが締結して第1の入出力軸1aが第2の入出力軸1bと等速で回転する。このとき、第1の入出力軸1aからカウンタ軸4を介して第2歯車3bに伝達される変速比(Za ・Zd )/(Zb ・Zc )は1よりも小さいので、第2の一方向クラッチ2bの外輪側部材である第2歯車3bの回転速度は、第2の一方向クラッチ2bの内輪側部材である第2の入出力軸1bよりも低速となる。したがって、このときは第2の一方向クラッチ2bが空転し、第2の入出力軸1bの回転が、第1の一方向クラッチ2aを介して、そのまま第1の入出力軸1aに等速で伝達される。
【0012】
前記第1および第2の一方向クラッチ2a、2bの締結回転方向性を、内輪側の相対高速回転で締結するものとした場合は、第1の入出力軸1aを入力側、第2の入出力軸1bを出力側としたときに、第2の一方向クラッチ2bが空転して、第1の入出力軸1aの回転が、第1の一方向クラッチ2aを介して、そのまま第2の入出力軸1bに等速で伝達され、第2の入出力軸1bを入力側、第1の入出力軸1aを出力側としたときに、第1の一方向クラッチ2aが空転して、第2の入出力軸1bの回転が、第2の一方向クラッチ2bとカウンタ軸4を介して、第1の入出力軸1aに、(2)式より減速比(Zb ・Zc )/(Za ・Zd )<1で伝達される。
【0013】
前記第1および第2の一方向クラッチ2a、2bを、同心円上に配置することにより、減速機をコンパクトに設計することができる。
【0014】
また、この発明の減速機は、同軸上に配されて同一方向に回転し、入力側と出力側とに互いに切り換えられる第1および第2の入出力軸1a、1bを、第1の入出力軸1aを外輪側、第2の入出力軸1bを内輪側として、外輪側の相対高速回転または内輪側の相対高速回転のいずれかで締結する締結回転方向性を有する第1の一方向クラッチ2aを介して連結し、第1の入出力軸1aに歯数がZa の第1歯車3aを一体に設け、第2の入出力軸1bに歯数がZb の第2歯車3bを、第1の一方向クラッチ2aと締結回転方向性が反対である第2の一方向クラッチ2bを介して設け、第1および第2の入出力軸1a、1bに平行なカウンタ軸4に、第1歯車3aと噛み合い歯数がZc の第3歯車3cと、第2歯車3bと噛み合い歯数がZd の第4歯車3dとを一体に設け、第1乃至第4歯車3a、3b、3c、3dの各歯数Za 、Zb 、Zc 、Zd を、第1の一方向クラッチ2aの締結回転方向性が内輪側の相対高速回転で締結するものとされた場合は下記の関係式(1)を満たすように、外輪側の相対高速回転で締結するものとされた場合は下記の関係式(2)を満たすように設定した構成も採用した。
【0015】
後述する第2の実施形態の減速機を模式的に示す図4を用いて、第1の一方向クラッチ2aが内輪側の相対高速回転で締結し、第2の一方向クラッチ2bが外輪側の相対高速回転で締結するものとした場合について、上記構成の減速機の作用を説明する。
【0016】
まず、第1の入出力軸1aを入力側、第2の入出力軸1bを出力側としたときは、第1歯車3aと第3歯車3cとの噛み合いによる第1の入出力軸1aとカウンタ軸4間の変速比はZa /Zc 、第4歯車3dと第2歯車3bとの噛み合いによるカウンタ軸4と第2歯車3b間の変速比はZd /Zb となるので、第1の入出力軸1aと第2歯車3b間の変速比は(Za ・Zd )/(Zb ・Zc )となる。
【0017】
(1)式より、この変速比は1よりも小さいので、第2の一方向クラッチ2bが締結して第2の入出力軸1bが第2歯車3bと等速で回転したときに、第1の一方向クラッチ2aの内輪側部材である第2の入出力軸1bの回転速度は、第1の一方向クラッチ2aの外輪側部材である第1の入出力軸1aよりも低速となる。したがって、このときは第1の一方向クラッチ2aが空転し、第1の入出力軸1aの回転が、カウンタ軸4から第2の入出力軸1bに、減速比(Za ・Zd )/(Zb ・Zc )<1で伝達される。
【0018】
つぎに、第2の入出力軸1bを入力側、第1の入出力軸1aを出力側としたときは、第1の一方向クラッチ2aが締結して第1の入出力軸1aが第2の入出力軸1bと等速で回転する。このとき、第1の入出力軸1aからカウンタ軸4を介して第2歯車3bに伝達される変速比(Za ・Zd )/(Zb ・Zc )は1よりも小さいので、第2の一方向クラッチ2bの外輪側部材である第2歯車3bの回転速度は、第2の一方向クラッチ2bの内輪側部材である第2の入出力軸1bよりも低速となる。したがって、このときは第2の一方向クラッチ2bが空転し、第2の入出力軸1bの回転が、そのまま第1の入出力軸1aに等速で伝達される。
【0019】
前記第1の一方向クラッチ2aが外輪側の相対高速回転で締結し、第2の一方向クラッチ2bが内輪側の相対高速回転で締結するものとした場合は、第1の入出力軸1aを入力側、第2の入出力軸1bを出力側としたときに、第2の一方向クラッチ2bが空転して、第1の入出力軸1aの回転がそのまま第2の入出力軸1bに等速で伝達され、第2の入出力軸1bを入力側、第1の入出力軸1aを出力側としたときに、第1の一方向クラッチ2aが空転して、第2の入出力軸1bの回転が、カウンタ軸4から第1の入出力軸1aに、(2)式より減速比(Zb ・Zc )/(Za ・Zd )<1で伝達される。
【0020】
【実施の形態】
以下、図1乃至図4に基づき、この発明の実施形態を説明する。図1乃至図3は、第1の実施形態を示す。この減速機は、図1に示すように、同軸上に配されて同一方向に回転し、入力側と出力側とに互いに切り換えられる第1および第2の入出力軸1a、1bが、第1の入出力軸1aを内輪側、第2の入出力軸を外輪側として、第1の一方向クラッチ2aを介して連結されるとともに、第1の入出力軸1aに第1歯車3aが一体に設けられ、第2の入出力軸1bに第2歯車3bが第2の一方向クラッチ2bを介して設けられ、両入出力軸1a、1bと平行なカウンタ軸4に一体に設けられた第3歯車3cと第4歯車3dが、それぞれ第1歯車3aと第2歯車3bとに噛み合わされている。
【0021】
図2は、図1の減速機の動力伝達機構を模式的に示したものである。第1乃至第4歯車3a、3b、3c、3dの各歯数Za 、Zb 、Zc 、Zd は、先に示したつぎの(1)式を満たすように設定されている。
(Za ・Zd )/(Zb ・Zc )<1 (1)
【0022】
図3に示すように、第1および第2の入出力軸1a、1bと第2歯車3bは時計回りに回転し、第1および第2の一方向クラッチ2a、2bは同心円上に配置されている。また、第1および第2の一方向クラッチ2a、2bは、係合子としての各ころ5a、5bを、各外輪6a、6bの内周面に設けられた各傾斜カム面7a、7bでロックされる方向に、各ばね8a、8bで互いに同じ向きに押圧したものであり、いずれも外輪6a、6b側の相対高速回転で締結する同一の締結回転方向性を有する。
【0023】
したがって、前述したように、この減速機は、第1の入出力軸1aを入力側、第2の入出力軸1bを出力側としたときは、第2の一方向クラッチ2bのみが締結し、第1の入出力軸1aの回転が、カウンタ軸4から第2の入出力軸1bに、減速比(Za ・Zd )/(Zb ・Zc )<1で伝達され、第2の入出力軸1bを入力側、第1の入出力軸1aを出力側としたときは、第1の一方向クラッチ2aのみが締結し、第2の入出力軸1bの回転が、そのまま第1の入出力軸1aに等速で伝達される。
【0024】
なお、これとは逆に、第1および第2の一方向クラッチ2a、2bを、内輪側の相対高速回転で締結する締結回転方向性のものとする場合は、図2に示した各歯車3a、3b、3c、3dの歯数Za 、Zb 、Zc 、Zd が、先に示したつぎの(2)式を満たすように設定すればよい。
(Zb ・Zc )/(Za ・Zd )<1 (2)
【0025】
図4は、第2の実施形態を模式的に示す。この減速機は、同軸上に配された第1および第2の入出力軸1a、1bが、第1の入出力軸1aを外輪側、第2の入出力軸1bを内輪側として、第1の一方向クラッチ2aを介して連結されている点と、第1および第2の一方向クラッチ2a、2bが、その締結回転方向性を互いに反対のものとされ、第2の入出力軸の外周側で軸方向に並列に配置されている点とが第1の実施形態のものと異なる。第1および第2の入出力軸1a、1bが時計回りに回転することと、各歯車3a、3b、3c、3dの歯数Za 、Zb 、Zc 、Zd が、(1)式を満たすように設定されていることとは、第1の実施形態と同じである。
【0026】
この実施形態では、第1の一方向クラッチ2aが内輪側の相対高速回転で締結し、第2の一方向クラッチ2aが外輪側の相対高速回転で締結するようになっている。すなわち、図示は省略するが、第1の一方向クラッチ2aは、図3に示したものと逆向きに、ころ5aがカム面7aでロックされる方向にばね8aで押圧され、第2の一方向クラッチ2aは、図3に示したものと同じ向きに、ころ5bがカム面7bでロックされる方向にばね8bで押圧されている。
【0027】
したがって、前述したように、この減速機では、第1の入出力軸1aを入力側、第2の入出力軸1bを出力側としたときは、第2の一方向クラッチ2bのみが締結し、第1の入出力軸1aの回転が、カウンタ軸4から第2の入出力軸1bに、減速比(Za ・Zd )/(Zb ・Zc )<1で伝達され、第2の入出力軸1bを入力側、第1の入出力軸1aを出力側としたときは、第1の一方向クラッチ2aのみが締結し、第2の入出力軸1bの回転が、そのまま第1の入出力軸1aに等速で伝達される。
【0028】
なお、これとは逆に、第1の一方向クラッチ2aを外輪側の相対高速回転で締結するもの、第2の一方向クラッチを内輪側の相対高速回転で締結するものとする場合は、図4に示した各歯車3a、3b、3c、3dの歯数Za 、Zb 、Zc 、Zd が、(2)式を満たすように設定すればよい。
【0029】
上述した各実施形態では、第1および第2の一方向クラッチを、係合子としてころを用いるタイプのものとしたが、これらの一方向クラッチは各実施形態のものに限定されることはなく、スプラグやラチェットを用いるタイプのものとしてもよい。
【0030】
【発明の効果】
以上のように、この発明の減速機は、同軸上に配されて同一方向に回転する第1および第2の入出力軸を、第1の入出力軸を内輪側、第2の入出力軸を外輪側として、外輪側または内輪側のいずれかの相対高速回転で締結する締結回転方向性を有する第1の一方向クラッチを介して連結するとともに、第1の入出力軸に歯数がZa の第1歯車を一体に設け、第2の入出力軸に歯数がZb の第2歯車を、第1の一方向クラッチと締結回転方向性が同一である第2の一方向クラッチを介して設け、第1および第2の入出力軸に平行なカウンタ軸に、第1歯車と噛み合い歯数がZc の第3歯車と、第2歯車と噛み合い歯数がZd の第4歯車とを一体に設け、第1乃至第4歯車の各歯数Za 、Zb 、Zc 、Zd を、第1の一方向クラッチの締結回転方向性が、外輪側の相対高速回転で締結するものとされた場合は、(Za ・Zd )/(Zb ・Zc )<1となるように、内輪側の相対高速回転で締結するものとされた場合は、(Zb ・Zc )/(Za ・Zd )<1となるように設定する構成とし、第1および第2の入出力軸の入力側と出力側とを切り換えたときに、いずれの切り換え側でも増速機状態とならないようにしたので、出力側の回転数が大きく上昇したり、入力側のモータ等がトルク不足となったりすることがない。
【0031】
前記第1および第2の一方向クラッチ2a、2bを、同心円上に配置することにより、減速機をコンパクトに設計することができる。
【0032】
また、この発明の減速機は、同軸上に配されて同一方向に回転する第1および第2の入出力軸を、第1の入出力軸を外輪側、第2の入出力軸を内輪側として、外輪側または内輪側のいずれかの相対高速回転で締結する締結回転方向性を有する第1の一方向クラッチを介して連結するとともに、第1の入出力軸に歯数がZa の第1歯車を一体に設け、第2の入出力軸に歯数がZb の第2歯車を、第1の一方向クラッチと締結回転方向性が反対である第2の一方向クラッチを介して設け、第1および第2の入出力軸に平行なカウンタ軸に、第1歯車と噛み合い歯数がZc の第3歯車と、第2歯車と噛み合い歯数がZd の第4歯車とを一体に設け、第1乃至第4歯車の各歯数Za 、Zb 、Zc 、Zd を、第1の一方向クラッチの締結回転方向性が、内輪側の相対高速回転で締結するものとされた場合は、(Za ・Zd )/(Zb ・Zc )<1となるように、外輪側の相対高速回転で締結するものとされた場合は、(Zb ・Zc )/(Za ・Zd )<1となるように設定する構成も採用したので、この構成の場合も、第1および第2の入出力軸の入力側と出力側とを切り換えたときに、いずれの切り換え側でも増速機状態とならないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の減速機を示す縦断面図
【図2】図1の模式図
【図3】図1のIII −III 線に沿った断面図
【図4】第2の実施形態の減速機を示す模式図
【図5】従来の車両用補機の駆動装置の概略構成図
【符号の説明】
1a、1b 入出力軸
2a、2b 一方向クラッチ
3a、3b、3c、3d 歯車
4 カウンタ軸
5a、5b ころ
6a、6b 外輪
7a、7b カム面
8a、8b ばね
Claims (3)
- 同軸上に配されて同一方向に回転し、入力側と出力側とに互いに切り換えられる第1および第2の入出力軸1a、1bを、第1の入出力軸1aを内輪側、第2の入出力軸1bを外輪側として、外輪側の相対高速回転または内輪側の相対高速回転のいずれかで締結する締結回転方向性を有する第1の一方向クラッチ2aを介して連結し、第1の入出力軸1aに歯数がZa の第1歯車3aを一体に設け、第2の入出力軸1bに歯数がZb の第2歯車3bを、第1の一方向クラッチ2aと締結回転方向性が同一である第2の一方向クラッチ2bを介して設け、第1および第2の入出力軸1a、1bに平行なカウンタ軸4に、第1歯車3aと噛み合い歯数がZc の第3歯車3cと、第2歯車3bと噛み合い歯数がZd の第4歯車3dとを一体に設け、第1乃至第4歯車3a、3b、3c、3dの各歯数Za 、Zb 、Zc 、Zd を、第1の一方向クラッチ2aの締結回転方向性が、外輪側の相対高速回転で締結するものとされた場合は下記の関係式(1)を満たすように、内輪側の相対高速回転で締結するものとされた場合は下記の関係式(2)を満たすように設定した減速機。
- 前記第1および第2の一方向クラッチ2a、2bを、同心円上に配置した請求項1に記載の減速機。
- 同軸上に配されて同一方向に回転し、入力側と出力側とに互いに切り換えられる第1および第2の入出力軸1a、1bを、第1の入出力軸1aを外輪側、第2の入出力軸1bを内輪側として、外輪側の相対高速回転または内輪側の相対高速回転のいずれかで締結する締結回転方向性を有する第1の一方向クラッチ2aを介して連結し、第1の入出力軸1aに歯数がZa の第1歯車3aを一体に設け、第2の入出力軸1bに歯数がZb の第2歯車3bを、第1の一方向クラッチ2aと締結回転方向性が反対である第2の一方向クラッチ2bを介して設け、第1および第2の入出力軸1a、1bに平行なカウンタ軸4に、第1歯車3aと噛み合い歯数がZc の第3歯車3cと、第2歯車3bと噛み合い歯数がZd の第4歯車3dとを一体に設け、第1乃至第4歯車3a、3b、3c、3dの各歯数Za 、Zb 、Zc 、Zd を、第1の一方向クラッチ2aの締結回転方向性が内輪側の相対高速回転で締結するものとされた場合は下記の関係式(1)を満たすように、外輪側の相対高速回転で締結するものとされた場合は下記の関係式(2)を満たすように設定した減速機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002285257A JP2004116765A (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | 減速機 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002285257A JP2004116765A (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | 減速機 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004116765A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102352914A (zh) * | 2011-09-28 | 2012-02-15 | 涂鹏远 | 一种脉冲间歇式传动机构 |
JP2012197890A (ja) * | 2011-03-22 | 2012-10-18 | Denso Corp | 動力伝達装置 |
CN109139806A (zh) * | 2018-07-23 | 2019-01-04 | 河钢股份有限公司 | 一种将正反转输入转换成单向输出的装置及其方法 |
-
2002
- 2002-09-30 JP JP2002285257A patent/JP2004116765A/ja active Pending
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CN102352914A (zh) * | 2011-09-28 | 2012-02-15 | 涂鹏远 | 一种脉冲间歇式传动机构 |
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