JP2004116557A - 多層ホース - Google Patents
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Abstract
【課題】柔軟性に優れかつ耐薬品性等に優れる多層ホースおよびその製造方法に関する
【解決手段】少なくとも内層がエチレン系樹脂、ポリエステル系エラストマーまたはポリアミド系エラストマーにより形成されており、かつスチレン系エラストマーまたはオレフィン系エラストマーが少なくとも1層積層されていることを特徴とする多層ホースである。内面が耐油性、耐薬品性、耐摩耗性、非溶出性、食品衛生性に優れるため、食品の輸送用ホース等として有用である。
【選択図】 図1
【解決手段】少なくとも内層がエチレン系樹脂、ポリエステル系エラストマーまたはポリアミド系エラストマーにより形成されており、かつスチレン系エラストマーまたはオレフィン系エラストマーが少なくとも1層積層されていることを特徴とする多層ホースである。内面が耐油性、耐薬品性、耐摩耗性、非溶出性、食品衛生性に優れるため、食品の輸送用ホース等として有用である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塩化ビニル樹脂やフタル酸エステルを用いずに、内面に耐油性、耐薬品性、耐摩耗性、非溶出性、食品衛生性を持たせるとともに全体に柔軟性、可撓性を持たせた耐油性に優れる多層ホースおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、工業用ホース、食品用ホース等の輸送用ホースには、加硫ゴムや塩化ビニル樹脂が利用されてきた。加硫ゴムは熱可塑性に乏しいため成形加工性に劣り、塩化ビニル樹脂が多量に用いられてきた。
【0003】
例えば、ポリエステル系熱可塑性ポリウレタン樹脂を主体に形成した内面層と、硬質塩化ビニル樹脂製の螺旋補強体を肉厚内に埋設してなる軟質塩化ビニル樹脂により形成した外面保護補強層とを熱融着により一体化してなる、耐磨耗性ホースがある(例えば、特許文献1参照。)。該ホースは、熱可塑性ポリウレタンを内面に用いることで耐摩耗性を向上するものであるが、ポリエステル系熱可塑性ポリウレタン樹脂は紫外線によって劣化したり、降雨などにより高温多湿の状態に長時間さらされるとエステル結合が加水分解によって切断され、物性が低下する短所がある。従って、水を含む液体の輸送に適さず、実質上は粉体等の水を含まない物質の輸送に限定される。
【0004】
しかしながら、塩化ビニル樹脂が原因とされる焼却時のダイオキシンの発生、可塑剤として用いられるフタル酸エステル等による環境ホルモンが問題視されている。特に、輸送ホース用途に可塑剤としてフタル酸エステル等を使用すると、輸送される液体や固体、また内部洗浄に用いる温水や薬品に該化合物が移行するため、特に食品分野の輸送用ホースに使用すると食品に可塑剤が移行し、同時にホース自体から可塑剤が失われるため、急激にホースの柔軟性や可撓性が損なわれ、ホースの寿命が短くなる場合がある。また、塩化ビニルは比重が大きいため、輸送用ホースとして使用すると、その重量によって取扱い性、操作性が低下する場合がある。
【0005】
そこで、最近では塩化ビニル樹脂や可塑剤を使用しないホースが提案されている。例えば、軟質合成樹脂よりなるホース壁に硬質合成樹脂よりなる螺旋補強体を接合して保形したホースがある(例えば、特許文献2参照。)。螺旋補強体はポリオレフィン系樹脂で成形され、ホース壁に使用される軟質合成樹脂として、水素添加スチレンブタジエンバーとポリプロピレンからなる樹脂組成物に滑剤を添加した樹脂組成物が使用されている。該発明は、軽量かつ可撓性の付与を目的とするものであり、蛇腹構造によって可撓性を確保するものの、内層が水素添加スチレンブタジエンバーとポリプロピレンからなる樹脂組成物であるため、工業用、食品用ホースとして使用すると、耐油性、耐薬品性、耐摩耗性に劣る場合がある。
【0006】
また、共押出成形により、ポリフッ化ビニリデン樹脂で内層チューブを形成すると共に、その外周面にポリウレタン樹脂またはポリウレタン系エラストマーで外層チューブを一体に積層形成する積層チューブがある(例えば、特許文献3参照。)。該ホースは、ポリフッ化ビニリデン樹脂を内層に用いることで耐薬品性、非溶出性、食品衛生性が向上されているが、ポリフッ化ビニリデン樹脂は高価であり、多層構造として用いたとしても製造価格が高額になり特殊な用途への使用が限定される場合が多い。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−141753号公報
【特許文献2】
特開2000−337563号公報
【特許文献3】
特開平08−142151号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、可撓性に優れ、かつ軽量の輸送用ホースを安価に提供することである。本発明の多層ホースは、特に、耐油性、耐薬品性、耐摩耗性、非溶出性、食品衛生性を有することで食品輸送用ホースとして好ましく使用できる。
【0009】
また、本発明の目的は、柔軟性、可撓性を有する耐油性多層ホースを簡便に製造する方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねてきた結果、内層がエチレン系樹脂、ポリエステル系エラストマーもしくはポリアミド系エラストマーにより形成されており、かつスチレン系エラストマーまたはオレフィン系エラストマーが積層されている多層ホースが、内面に耐油性、耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性、非溶出性、食品衛生性を有するとともに全体に柔軟性、可撓性、耐熱性を有することを見出し、本発明を完成した。
【0011】
特に、エチレン系樹脂としてα−オレフィンが共重合された超低密度ポリエチレンを用いる場合、ポリエステル系エラストマーとして芳香族ポリエステルブロック(A)と非芳香族ポリエステルブロック(B)からなるブロック共重合体、もしくは芳香族ポリエステルブロック(A)とポリエーテルブロック(C)からなるブロック共重合体、もしくは芳香族ポリエステルブロック(A)と前記ブロック(B)と前記ブロック(C)とからなるブロック共重合体を用い、またはポリアミド系エラストマーとしてポリアミドからなるセグメントとポリエーテルまたはポリエステルからなるセグメントを含む場合に、特に柔軟性と耐油性のバランスが良好であることを見出し、本発明を完成した。
【0012】
すなわち本発明は、以下の(1)〜(14)を提供するものである。
【0013】
(1) 少なくとも内層がエチレン系樹脂、ポリエステル系エラストマーまたはポリアミド系エラストマーにより形成されており、かつスチレン系エラストマーまたはオレフィン系エラストマーが少なくとも1層積層されていることを特徴とする多層ホース。
【0014】
(2) 該エチレン系樹脂が、密度0.93g/cm3以下の低密度ポリエチレンである上記(1)記載の多層ホース。
【0015】
(3) 該エチレン系樹脂が、エチレン−α−オレフィン共重合体である上記(1)または(2)記載の多層ホース。
【0016】
(4) 該ポリエステル系エラストマーが、芳香族ポリエステルブロック(A)と非芳香族ポリエステルブロック(B)からなるブロック共重合体、芳香族ポリエステルブロック(A)とポリエーテルブロック(C)からなるブロック共重合体、または芳香族ポリエステルブロック(A)と前記ブロック(B)と前記ブロック(C)とからなるブロック共重合体のいずれかを含むことを特徴とする上記(1)に記載の多層ホース。
【0017】
(5) 該ポリアミド系エラストマーが、ポリアミドからなるセグメントとポリエーテルまたはポリエステルからなるセグメントを含むことを特徴とする上記(1)に記載の多層ホース。
【0018】
(6) 該スチレン系エラストマーが、少なくとも1つの芳香族ビニル重合体ブロック(D)と少なくとも1つの水添共役ジエン系重合体ブロック(E)とからなるブロック共重合体を含むことを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の多層ホース。
【0019】
(7) 該オレフィン系エラストマーがポリオレフィンと架橋されたオレフィン系ゴムからなることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の多層ホース。
【0020】
(8) 内層と該スチレン系エラストマーまたは該オレフィン系エラストマーにより形成される層の間に少なくとも1層の接着層を有する上記(1)〜(7)のいずれかに記載の多層ホース。
【0021】
(9) 該接着層が、芳香族ビニル重合体ブロック(D)と水添共役ジエン系重合体ブロック(E)とからなるブロック共重合体30〜90質量%、パラフィン系オイル70〜10質量%からなる成分100質量部に対し、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマーの群から選ばれた少なくとも1種のエラストマー成分10〜200質量部を含有してなる樹脂組成物からなることを特徴とする上記(8)記載の多層ホース。
【0022】
(10) 該スチレン系エラストマーもしくはオレフィン系エラストマーが動的架橋されてなることを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれかに記載の多層ホース。
【0023】
(11) 該内層の厚みがホース全体の厚みの0.1〜50%であることを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれかに記載の多層ホース。
【0024】
(12) 該ホースの外壁に沿って螺旋補強体を有する上記(1)〜(11)のいずれかに記載の多層ホース。
【0025】
(13) 押出機から押し出された帯状成形体を、螺旋状に捲きながら隣接する帯状成形体の縁を重ね、接合して内層を成形し、さらに同様の操作を繰り返して多層構造を形成することにより製造される上記(1)〜(12)のいずれいかに記載の多層ホースの製造方法。
【0026】
(14) 少なくとも1台の押出機から押し出される帯状成形体が少なくとも2層構造であることを特徴とする上記(13)記載の多層ホースの製造方法。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の第一は、少なくとも内層がエチレン系樹脂、ポリエステル系エラストマーもしくはポリアミド系エラストマーにより形成されており、かつスチレン系エラストマーまたはオレフィン系エラストマーが少なくとも1層積層されていることを特徴とする多層ホースである。内層にエチレン系樹脂、ポリエステル系エラストマーもしくはポリアミド系エラストマーを使用すると、耐油性、耐薬品性、耐摩擦性に優れるため、被輸送物の種類を選ばず、広範囲に使用することができる。このうち、ポリエステル系エラストマーまたはポリアミド系エラストマーを使用する場合は、さらに高温でも耐油性に優れたものとなる。また、スチレン系エラストマーまたはオレフィン系エラストマーを積層するため可撓性に優れ、多層ホースに流体物を輸送する際の操作性に優れる。なお、本発明における「内層」とは、多層ホースの該ホース構成層の内の被輸送体との接触層を意味する。
【0028】
本発明の多層ホースの内層を構成するエチレン系樹脂としては、エチレンを主体とした重合体であり、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン;エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体などのエチレンを主成分としてプロピレンとエチレンとの共重合体やエチレンに他の2種以上のα−オレフィンを共重合した樹脂;エチレン/α−オレフィン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリ−1−ブテン等が挙げられる。更に、本発明で使用するエチレン系樹脂は、エチレン以外に少量のビニル系の単量体が共重合されたものも用いることができる。本発明においては、エチレン系樹脂として低密度ポリエチレンが好ましく用いられ、特に柔軟性の観点から密度0.93g/cm3以下、より好ましくは0.89〜0.92g/cm3の低密度ポリエチレンが好ましい。特に、該エチレン系樹脂はエチレンとα−オレフィンとをメタロセン触媒の存在下に重合させて得られるエチレン−α−オレフィン共重合体が好ましく用いられる。この際、α−オレフィンとしては特に限定しないが、例えば炭素数4〜12のα−オレフィン、例えば1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等を挙げることができ、中でも1−オクテンが好ましい。使用されるメタロセン触媒は特に限定しないが、例えば、チタン、ジルコニウム等の金属のシクロペンタジエニル誘導体と助触媒からなるもの等を挙げることができる。エチレンとα−オレフィンを重合させる方法は特に限定されない。なお、ポリエチレン系樹脂としては、市販品を使用することもでき、例えば、ダウ・ケミカル社製、商品名「ENGAGE 8401」(エチレン−オクテンランダム共重合体)、日本ポリケム製、商品名「ノバテック LC500」(低密度ポリエチレン)などを好ましく使用できる。
【0029】
本発明の多層ホースの内層を構成するポリエステル系エラストマーとしては、芳香族ポリエステルブロック(A)と非芳香族ポリエステルブロック(B)とからなるブロック共重合体、芳香族ポリエステルブロック(A)とポリエーテルブロック(C)とからなるブロック共重合体、芳香族ポリエステルブロック(A)と前記ブロック(B)とブロック(C)とからなるブロック共重合体等である。
【0030】
上記芳香族ポリエステルブロック(A)とは、芳香族ジカルボン酸またはそのアルキルエステルと炭素数2〜12の脂肪族及び/または脂環式ジオールとのエステル化反応、または、エステル交換反応により得られるポリエステルオリゴマーである。該芳香族ジカルボン酸としては、ポリエステルの原料、特にポリエステルエラストマーの原料として知られるものを使用することができる。具体的には、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等を挙げることができる。これらの中でも、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸を用いることが好ましく、テレフタル酸を主成分とするものを用いることが特に好ましい。これらは2種以上を併用して使用することもできる。該芳香族ジカルボン酸のアルキルエステルとしては、ジメチルテレフタレート、ジメチルイソフタレート、ジメチルフタレート、2,6−ジメチルナフタレート等のジメチルエステル、ジエチルテレフタレート、ジエチルイソフタレート、ジエチルフタレート、2,6−ジエチルナフタレート等を挙げることができる。これらの中でも、好ましくはジメチルテレフタレート、2,6−ジメチルナフタレートを用いることが好ましく、特にジメチルテレフタレートを用いることが好ましい。これらは2種以上を併用して使用することもできる。
【0031】
上記炭素数2〜12の脂肪族及び/または脂環式ジオールとしては、ポリエステルの原料、特にポリエステルエラストマーの原料として公知のものを用いることができる。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等を挙げることができる。これらの中でも、1,4−ブタンジオール、エチレングリコールを用いることが好ましく、1,4−ブタンジオールを主成分とするものを用いることが特に好ましい。これらは2種以上を併用して使用することもできる。また、上記以外に三官能性のジオール、その他のジオールや他のジカルボン酸及びそのエステルを少量程度であれば共重合しても良く、更に、アジピン酸等の脂肪族または脂環式のジカルボン酸、または、そのアルキルエステル等も共重合成分として使用してもよい。
【0032】
芳香族ポリエステルブロック(A)として、具体的には、ポリエチレンテレフタレートオリゴマー、ポリプロピレンテレフタレートオリゴマー、ポリブチレンテレフタレートオリゴマー(ポリテトラメチレンテレフタレートオリゴマー)、ポリペンタメチレンテレフタレートオリゴマー等を挙げることができる。
【0033】
上記非芳香族ポリエステルブロック(B)とは、脂肪族または脂環式ジカルボン酸と脂肪族ジオールとを縮合することにより得られるポリエステルオリゴマー、脂肪族ラクトンまたは脂肪族モノオールカルボン酸から合成されたポリエステルオリゴマーであり、前者のポリエステルオリゴマーの具体例としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、ジシクロヘキシル−4,4’−ジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸またはコハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸のうちの一種以上と、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール等のジオールのうちの一種以上とを縮合させて得られる構造のポリエステルオリゴマーを挙げることができる。また、後者のポリエステルオリゴマーの具体例としては、ε−カプロラクトン、ω−オキシカプロン酸等から合成されたポリカプロラクトン系ポリエステルオリゴマーを挙げることができる。
【0034】
上記ポリエーテルブロック(C)としては、例えば、ポリ(アルキレンオキシド)グリコール等の重量平均分子量が400〜6,000、好ましくは500〜4,000、特に好ましくは600〜3,000のポリエーテルオリゴマーを挙げることができる。具体的なポリ(アルキレンオキシド)グリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリ(1,2−プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(1,3−プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックまたはランダム共重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランのブロックまたはランダム共重合体等を挙げることができる。
【0035】
生成するブロック共重合体中の非芳香族ポリエステルブロック(B)及びポリエーテルブロック(C)の配合量は、共に、生成するブロック共重合体中の5〜95質量%であることが望ましく、特に20〜80質量%であることが望ましい。上記含有量が5質量%未満では共重合物としての特徴が得られず、また、含有量が95質量%より多くなると縮合重合によってポリマーを得るのが難しくなる傾向がある。
【0036】
ポリエステル系エラストマーの製造方法としては、特に限定されず従来公知の方法によって合成することができる。たとえば、その成分からなるオリゴマーのブロックをそれぞれ別々に先に合成してから、このオリゴマーのブロック間をエステル結合させて製造してもよく、別の方法とし、例えば、ブロック(B)を先に重合しておいて、更にブロック(A)の成分単量体と混合して縮合する方法等であってもよい。2個以上の芳香族ポリエステルブロック(A)と1個以上の非芳香族ポリエステルブロック(B)を有し、ブロックの結合様式には特に制限はないが、例えば、重合体ブロック(A)をAで、重合体ブロック(B)をBで表した場合に(A−B)n−A(nは1〜10の整数を表す。)で表されるブロック共重合体や、カップリング剤の残基をXとした場合に、(A−B)m−X(mは2〜15の整数を表す。)で表されるブロック共重合体などが好ましく使用できる。また、該ブロック共重合体の形状は、直鎖状、分岐状、星型のいずれでもよく、各ブロックの結合順序、結合ブロック数にも特に制限はない。
【0037】
本発明の内層を構成するポリアミド系エラストマーとしては、ポリアミド(ナイロン6,66,11,12等)をハードセグメントとし、ポリエーテルまたはポリエステルをソフトセグメントとするものが好ましく使用できる。例えば、ポリエーテルブロックアミドは下記一般式[I]で表わされる構造の化合物である。
【0038】
【化1】
【0039】
(式中のPAはハードセグメントであるポリアミドのブロックを表わし、PGはソフトセグメントであるポリエーテルのブロックを表わす。)
本発明において用いられる上記一般式[I]で示される化学式で表わされるポリエーテルブロックアミドは、米国特許第3,044,978号明細書等に開示されそれ自体は公知の物質である。このものは、例えば、(イ)ジアミンとジカルボン酸の塩、ラクタム類、またはアミノジカルボン酸(PA構成成分)、(ロ)ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール(PG構成成分)、(ハ)ジカルボン酸を重縮合させることによって調製され得る。
【0040】
本発明の多層ホースでは、内層の厚みは多層ホース厚み全体の50%以下であることが好ましく、耐油性の観点からは全体の0.1%以上が好ましい。この範囲で柔軟性および耐油性に優れる多層ホースを得ることができる。なお、本発明の多層ホースは、ホース全体の可撓性が保たれ、かつ耐油性、耐薬品性、耐磨耗性などが確保できればそのサイズに制限はないが、螺旋補強体を除く部分で外径1.2〜33cmとすることができる。また、内径にも制限はないが、1〜30cmとすることができる。
【0041】
本発明では多層ホースの内層より外側に、スチレン系エラストマーまたはオレフィン系エラストマーを積層する。
【0042】
スチレン系エラストマーとしては少なくとも1つの芳香族ビニル系重合体ブロック(D)と少なくとも1つの水添共役ジエン系重合体ブロック(E)とからなるブロック共重合体を含むものが好ましく用いられる。芳香族ビニル系重合体ブロック(D)を構成する芳香族ビニル系化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、1−ビニルナフタレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、ビニルアントラセン、インデン、アセトナフチレン、モノフルオロスチレン、ジフルオロスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、メトキシスチレンなどが挙げられる。芳香族ビニル系重合体ブロック(D)は、前記した芳香族ビニル系化合物の1種からなる構造単位のみを有していても、または2種以上からなる構造単位を有していてもよい。そのうちでも、芳香族ビニル系重合体ブロック(D)はスチレンに由来する構造単位から主としてなっていることが、単量体の入手のし易さ、重合反応の容易さ、コストなどの点から好ましい。また、芳香族ビニル系重合体ブロック(D)は、芳香族ビニル系化合物からなる構造単位と共に必要に応じて他の共重合性単量体からなる構造単位を少量有していてもよい。その場合の他の共重合性単量体からなる構造単位の割合は、芳香族ビニル系重合体ブロック(D)の質量に基づいて30質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
【0043】
他の共重合性単量体としては、例えば1−ブテン、ペンテン、ヘキセン、ブタジエン、イソプレン、メチルビニルエーテルなどのイオン重合性単量体を挙げることができる。
【0044】
上記スチレン系エラストマーにおける芳香族ビニル系化合物からなる構造単位の含有量は、10〜40質量%の範囲内であるのが好ましい。芳香族ビニル系化合物からなる構造単位の含有量が10質量%未満の場合には、ブロック共重合体の機械的強度が低下し、40質量%を超えると、該ブロック共重合体の溶融粘度が高くなり、成形加工上の制約を受けることがある。
【0045】
芳香族ビニル系重合体ブロック(D)の数平均分子量は特に制限されないが、2,500〜20,000の範囲内であるのが好ましい。
【0046】
スチレン系エラストマーにおける水添共役ジエン重合体ブロック(E)を構成する共役ジエン化合物としては、イソプレン、ブタジエン、1,3−ブタジエン、ヘキサジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、フェニルブタジエン、などを挙げることができ、好ましくはイソプレン、ブタジエンを挙げることができる。水添共役ジエン重合体ブロック(E)は、これらの共役ジエン化合物の1種から構成されていてもまたは2種以上から構成されていてもよい。本発明では水添共役ジエン系重合体ブロック(E)は水添ポリイソプレンブロック(E1)、水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(E2)および水添ポリブタジエンブロック(E3)からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体ブロックであるものが好ましく用いられる。水添共役ジエン系重合体ブロック(E)が2種以上の共役ジエン化合物に由来する構造単位を有している場合は、それらの結合形態はランダム、テーパー、一部ブロック状、またはそれらの2種以上の組み合わせからなっていることができる。
【0047】
水添共役ジエン系重合体ブロック(E)が2種以上の重合体ブロックからなるものである場合、重合体ブロック(E1)〜(E3)の相互の結合形態は、交互、ランダム、テーパー、一部ブロック状、またはそれらの2種以上の組み合わせなど何れであってもよい。また、水添共役ジエン系重合体ブロック(E)のミクロ構造は特に限定されない。
【0048】
水添ポリイソプレンブロック(E1)としては、1,2−結合単位と3,4−結合単位との含有量(以下、「ビニル結合単位含有量」ということがある。)が10〜75モル%の範囲内、好ましくは10〜60モル%の範囲内であるポリイソプレンからなり、かつポリイソプレンの炭素−炭素二重結合の70%以上が水素添加された水添ポリイソプレンブロックが好ましい。水添ポリイソプレンブロック(E1)におけるビニル結合単位含有量が75モル%を超える場合には、水添ポリイソプレンブロック(E1)のガラス転移温度(Tg)が高くなり過ぎて、柔軟性が損なわれる傾向がある。また、ポリイソプレンブロックの炭素−炭素二重結合の水素添加率が70%未満の場合、耐久性が損なわれる傾向がある。
【0049】
水添ポリイソプレンブロック(E1)の数平均分子量は特に制限されないが、10,000〜200,000の範囲内であることが好ましい。
【0050】
水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(E2)としては、イソプレンとブタジエンを質量比5/95〜95/5の割合で共重合して得られるイソプレン/ブタジエン共重合体からなり、1,2−結合単位と3,4−結合単位との含有量(ビニル結合単位含有量)が20〜85モル%の範囲内、好ましくは20〜60モル%であり、かつイソプレン/ブタジエン共重合体の炭素−炭素二重結合の70%以上が水素添加された水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロックであるのが好ましい。上記のイソプレン/ブタジエン共重合体において、イソプレン単位の割合が95質量%を超えると、水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(E2)のビニル結合単位含有量が75モル%以上の場合にそのガラス転移温度が(Tg)が高くなりすぎて、柔軟性が損なわれることがある。
【0051】
また、水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(E2)におけるビニル結合単位含有量が85モル%を超える場合には、水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(E2)のガラス転移温度(Tg)が高くなり過ぎ、柔軟性が損なわれることがある。イソプレン/ブタジエン共重合体の炭素−炭素二重結合の水素添加率が70%未満の場合、耐久性が低下する傾向がある。
【0052】
水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(E2)におけるイソプレン単位とブタジエン単位との結合形態は特に制限されず、ランダム、ブロック、テーパードなどいずれの形態であってもよい。また、水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(E2)の数平均分子量は特に制限されないが、10,000〜200,000の範囲内であるのが好ましい。
【0053】
水添ポリブタジエンブロック(E3)としては、1,2−結合単位の含有量が45モル%以上、好ましくは45〜75モル%、より好ましくは45〜60モル%の範囲内であるポリブタジエンからなり、かつポリブタジエンの炭素−炭素二重結合の70%以上が水素添加された水添ポリブタジエンブロックが好ましい。水添ポリブタジエンブロック(E3)における炭素−炭素二重結合の水素添加率が70%未満の場合、耐久性が低下する傾向がある。
【0054】
水添ポリブタジエンブロック(E3)の数平均分子量は特に制限されないが、10,000〜200,000の範囲内であるのが好ましい。
【0055】
上記のブロック共重合体における各重合体ブロックの結合様式には特に制限はなく、線状、分岐状またはこれらの任意の組合せであってもよい。ブロック共重合体の分子構造としては、D−(E−D)n、(D−E)n(ここで、Dは芳香族ビニル重合体ブロック(D)を、Eは水添共役ジエン系重合体ブロック(E)を表し、nは1以上の整数である)等が挙げられる。また、ブロック共重合体の水添前の分子構造は、ジビニルベンゼン、錫化合物またはシラン化合物等をカップリング剤とした星型(例えば、(D−E)mX、ここでmは2以上の整数、Xはカップリング剤の残基を表す)であってもよい。
【0056】
ブロック共重合体としては、上記の各種の分子構造を有するものを単独で使用しても、例えばトリブロック型とジブロック型との混合物などのように異なる分子構造のものを2種以上併用してもよい。かかるブロック共重合体の数平均分子量は、30,000〜300,000の範囲内であるのが好ましい。
【0057】
上記のスチレン系エラストマーは上記ブロック共重合体以外に物性を改良する目的などとして例えばポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン、パラフィンオイル等の軟化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤等の添加剤類を含むことができる。具体的には、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、架橋剤、架橋助剤、着色剤、難燃剤、分散剤、帯電防止剤等の各種添加物を添加することができる。
【0058】
本発明において多層ホースの内層より外側に、積層されるオレフィン系エラストマーとしては、特に、ポリオレフィンと架橋されていてもよいオレフィン系ゴムとを含むエラストマー組成物が好ましく用いられる。ポリオレフィンとしては炭素数2〜7のオレフィンモノマーからなるポリオレフィン、もしくはこれらのポリオレフィンにα−オレフィンモノマーを共重合したα−オレフィン共重合体等が好ましく、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−1−オクテン共重合体等を挙げることができ、さらに好ましくはポリプロピレンである。オレフィン系ゴムはEPDM、EPM、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、天然ゴム、NBR、ポリクロロプレンなど、またはこれらの混合物からなるのもが好ましく、さらに好ましくはEPDM、NBRである。オレフィン系ゴムはその一部もしくはすべてが架橋されたゴムであってもよい。これらのゴムの架橋方法としては、熱、過酸化物、架橋剤等を用いた通常の架橋方法を用いることができるが、ポリオレフィンとの混合時に動的架橋することがさらに好ましい。なお、ポリオレフィンとの混合は押出機やバンバリーミキサー等を用いた一般的な混合方法を用いることができる。
【0059】
上記のオレフィン系エラストマーは上記ポリオレフィンやオレフィン系ゴム以外に物性を改良する目的などとして例えばパラフィンオイル等の軟化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤等の添加剤類を含むことができる。具体的には、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、架橋剤、架橋助剤、着色剤、難燃剤、分散剤、帯電防止剤等の各種添加物を添加することができる。
【0060】
また、上記スチレン系エラストマー、またはオレフィン系エラストマーは、可撓性を保持しつつ機械的強度や耐熱性を向上させたり、メルトテンションを上昇させることを目的に、過酸化物、熱、電子線、放射線等による架橋を施すことが好ましく、架橋方法としては材料を製造する過程で、具体的には押出機中での動的架橋や、またホース成形後に後架橋、具体的にはオーブン中での熱架橋や電子線照射による架橋方法などを使用することが可能である。
【0061】
本発明の多層ホースは、例えばエチレン系樹脂層を内層とし、これにスチレン系エラストマー層やオレフィン系エラストマー層を積層した場合に、エチレン系樹脂とエラストマー層とは製造時に特殊な工程なしに完全に接着することができる。その一方、ポリエステル系エラストマー層またはポリアミド系エラストマー層を内層とした場合、積層される層との間に他の樹脂が介在していることが好ましく、内層とスチレン系またはオレフィン系エラストマー層とに熱接着性を有するものであれば広く使用することができる。例えば、該接着層として上記芳香族ビニル重合体ブロック(D)と上記水添共役ジエン系重合体ブロック(E)とからなるブロック共重合体30〜90質量%、パラフィン系オイル70〜10質量%からなる成分100質量部に対し、上記ポリエステル系エラストマー、上記ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマーの群から選ばれた少なくとも1種のエラストマー成分10〜200質量部を含有してなる樹脂組成物を挙げることができ、該樹脂組成物によれば、可撓性を損なわずに優れた接着性が得られるため好ましく使用することができる。なお、接着層に用いられるパラフィン系オイルとしては流動パラフィン、プロセスオイル等があり、ポリウレタン系エラストマーとしては、ジイソシアネートと、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ビスフェノールA等の分子量が50〜500程度の短鎖グリコールとからなるハードセグメント、およびジイソシアネートと長鎖ポリオールからなるソフトセグメントを有するものである。長鎖ポリオールとしては、分子量が500〜10,000のポリアルキレングリコール等のポリエーテル系のもの、或いは、ポリアルキレンアジペート、ポリカプロラクトン、ポリカーボネート等のポリエステル系のものが使用される。この種のポリウレタン系熱可塑性エラストマーは下記一般式[II]で表わされる構造の化合物である。
【0062】
【化2】
【0063】
(式中のAはジイソシアネートと短鎖グリコールとからなるハードセグメントを表わし、Bはジイソシアネートと長鎖ポリオールからなるソフトセグメントを表わし、YはAセグメントとBセグメントを連結するウレタン結合のジイソシアネート化合物の残基を表わす。)
なお、ジイソシアネート化合物としては、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の公知のものが使用される。
【0064】
また、上記の接着層は物性を改良する目的などとして例えばポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン、軟化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤等の添加剤類を含むことができる。具体的には、酸化防止剤、熱安定剤、中和剤、滑剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、架橋剤、架橋助剤、着色剤、難燃剤、分散剤、帯電防止剤等の各種添加物を添加することができる。本発明の接着層は、1層からなる場合に限られず2層以上であってもよい。
【0065】
本発明の多層ホースは、内層がエチレン系樹脂、ポリエステル系エラストマーまたはポリアミド系エラストマーのいずれかで形成され、かつスチレン系エラストマーまたはオレフィン系エラストマーが少なくとも1層積層されていれば、内層とスチレン系またはオレフィン系エラストマー層との間に接着層、その他の層を有していてもよく、スチレン系またはオレフィン系エラストマー層上に他の層を1層または2層以上有していてもよい。従って、内層上に接着層、エステル糸層などの補強層、接着層、スチレン系またはオレフィン系エラストマー層等の構成であってもよく、更に多層ホースはホースの外壁に沿って螺旋補強体を有していてもよい。
【0066】
上記補強層としては、バイアスのエステル布で構成することもでき、またはエステル糸、ナイロン糸などを格子状や螺旋状に編み込んで構成することもできる。
【0067】
また、螺旋補強体としては、硬質樹脂製の、例えばポリプロピレンなどのポリオレフィンを線状にして用い、螺旋糸中央間のピッチ3〜50mm、螺旋角1〜40°とすると可撓性および耐キンク性、耐久性に優れて好ましい。螺旋補強体としては、アルミ、鉄などの金属、ステンレスなどの合金であってもよく、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂などの硬質樹脂であってもよく、スチレン系またはオレフィン系エラストマー層に使用する部材を使用して構成してもよい。
【0068】
本発明の多層ホースは、内層の組成と該内層より外側に積層される層組成に特徴があり、その製造方法には制限がない。従って、二層押出などによって製造することができる。しかしながら大量輸送用の管径の太い多層ホースを製造する場合には、内層部材を押出機から帯状に押出し、仮の芯部としての円筒状物に螺旋状に巻きながら管長を伸ばす方法が簡便である。内層を巻きつけた後にスチレン系またはオレフィン系エラストマー層を内層と同様の方法で巻きつけ積層する。接着層を設ける場合には、内層についで接着層を巻きつけその後にスチレン系またはオレフィン系エラストマー層を巻きつければよい。円筒状物に代えて単に3〜10本のロッドを使用することもでき、これに機械的強度のある帯状内層部材を螺旋状に巻き取ると丸い環状物を得ることができる。
【0069】
以下、4本の回転ロッドを多層ホースの芯部に用いて、本発明の多層ホースを製造する方法を説明する。まず、使用する押出機としては単軸または二軸押出機が好ましく用いられる。また、押出機には帯状成形体を得るためにスリット状のダイヘッドが備えられていることが好ましい。次いで、押出機からテープ状の内層部材、すなわち内層の帯状成形体を押出し、該回転する4本のロッドによって回転ロッド外周に螺旋状に巻き取らせ、内層の縁を一部重ねることで相互に内層部材を接合させ管状に成形する。なお、この4本のロッドの回転速度は押出機からのテープ状の押出速度と同期されている。内層形成後に他の層を積層してもよく、また、押出機から多層構造のテープ状として押出し、一回の巻きつけで多層ホースを成形することもできる。なお、多層構造のテープ状の各層は少なくとも1つのクロスヘッドダイを備えた少なくとも二台以上の押出機により得ることができる。内層と接着層との二層積層のテープ状物の場合には、内層と接着層とを同時に積層し、次いでスチレン系またはオレフィン系エラストマー層を積層することで本願の多層ホースを製造することができる。更に、螺旋補強体を設ける場合には、スチレン系またはオレフィン系エラストマー層上に螺旋状に巻きつければよい。なお、上記のように、螺旋補強体がスチレン系またはオレフィン系エラストマー層に使用する部材から構成される場合には、テープ状のスチレン系またはオレフィン系エラストマー層を巻きつけた後に線状のスチレン系またはオレフィン系エラストマー糸を巻きつけて螺旋補強体としてもよく、中央に補強体部を構成する突起を有するテープ状のスチレン系またはオレフィン系エラストマーを押出し、これを巻きつけて一度にスチレン系またはオレフィン系エラストマーと螺旋補強体とを形成してもよい。
【0070】
本発明では多層ホースの製造を連続で行なうこともできる。例えば、内層用の押出機、接着層用の押出機、スチレン系またはオレフィン系エラストマー層用の押出機、螺旋補強体用の押出機を順に回転ロッドの近傍に配置し、まずテープ状の内層を回転ロッドに巻きつけ、内層が形成された後に接着層用の押出機からテープ状の接着層を形成し内層と同様に巻きつけ、次いでスチレン系またはオレフィン系エラストマー層を押出して、これを巻きつけてスチレン系またはオレフィン系エラストマー層を形成し、次いで螺旋補強体を巻きつけ、その後に水槽やシャワー等によって冷却して製品とする。この方法によると、多層ホースが連続的に成形でき、ホースの複層化が容易に達成できる。
【0071】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は何ら本発明を制限するものではない。
【0072】
実施例及び比較例で製造した多層ホースの構成を図1に示す。図1において、Aは内層、Bは接着層(接着層を設けないものについてはスチレン系またはオレフィン系エラストマー層)、Cはスチレン系、オレフィン系エラストマー層、Dは補強螺旋体、Eは補強層(エステル糸層)である。
【0073】
各実施例及び比較例において各層を構成する樹脂を押出機を用いてテープ状に押出し4本の回転ロッドに巻きつけ、内層から順次接着層(接着層を設けないものについてはスチレン系またはオレフィン系エラストマー層)、補強層(エステル糸層)、スチレン系またはオレフィン系エラストマー層を積層し、補強螺旋体を巻きつけて冷却し、全体肉厚3.5mm、内径51mmのホースを製造した。
【0074】
なお、エステル糸の糸の間隔及び重量(0.030kg/m)は実施例、比較例共に同じにした。また、補強螺旋体の間隔及び重量(0.4kg/m)も実施例、比較例共に同じとした。該螺旋補強体はポリプロピレン又は硬質塩化ビニルで構成した。各層の平均肉厚は、実施例1、2、3、4及び比較例3ではA=0.4mm、B=1.6mm、C=1.5mmであり、比較例1、2はB層を抜き、A=1.5mm、C=2mmとした。
【0075】
(実施例1)
多層ホースを構成する各層の構成を以下に記載のものとした。
【0076】
A=ポリエステル系エラストマー(東レ・デュポン(株)製:商品名「ハイトレル3078」芳香族ポリエステルブロック(A)とポリエーテルブロック(C)とからなるブロック共重合体)
B=ポリエステル系エラストマー/スチレン系エラストマーブレンド品(三菱化学(株)製、商品名「プリマロイB1600N」ポリスチレンブロック(D)と水添共役ジエン系重合体ブロック(E)とからなるブロック共重合体50質量%、パラフィン系オイル50質量%とからなる成分100質量部に対し、ポリエステル系エラストマー成分20質量部を含有してなる樹脂組成物)
C=スチレン系エラストマー動的架橋品/PP(理研テクノス(株)製、商品名「アクティマーLQA8960S」)
D=ポリプロピレン(PP)(チッソ(株)製、商品名「チッソHCPP XF1932」)
E=エステル糸
(実施例2)
多層ホースを構成する各層の構成を以下に記載のものとした。
【0077】
A=ポリアミド系エラストマー(アトフィナ・ジャパン(株)製、商品名「ぺバックス2533SA01」)
B=ポリアミド系エラストマー/スチレン系エラストマー:芳香族ビニル重合体ブロック(D)と水添共役ジエン系重合体ブロック(E)とからなるブロック共重合体50質量%、パラフィン系オイル50質量%とからなる成分100質量部に対し、ポリアミド系エラストマー成分20質量部を含有してなる樹脂組成物)
C=スチレン系エラストマー動的架橋品/PP(理研テクノス(株)製、商品名「アクティマーLQA8960S」)
D=ポリプロピレン(PP)(チッソ(株)製、商品名「チッソHCPP XF1932」)
E=ポリエステル糸
(実施例3)
多層ホースを構成する各層の構成を以下に記載のものとした。
【0078】
A=エチレン・α−オレフィン共重合体(日本ユニカー(株)製 、商品名「ナックフレックスDFDA1137」密度0.905g/cm3)
B=スチレン系エラストマー/PP(クラレプラスチックス(株)製、商品名「セプトンコンパウンドEG50N」、スチレン系エラストマーは、ポリスチレンブロック(D)と水添共役ジエン系重合体ブロック(E)とからなるブロック共重合体、芳香族ビニル単位の含有量が33重量%)
C=スチレン系エラストマー/PP(クラレプラスチックス(株)製、商品名「セプトンコンパウンドEG50N」、スチレン系エラストマーにおける芳香族ビニル単位の含有量が33重量%である。)
D=ポリプロピレン(PP)(チッソ(株)製、商品名「チッソHCPP XF1932」)
E=エステル糸
(実施例4)
多層ホースを構成する各層の構成を以下に記載のものとした。
【0079】
A=エチレン・α−オレフィン共重合体(日本ユニカー(株)製 、商品名「ナックフレックスDFDA1137」密度0.905g/cm3)
B=オレフィン系エラストマー/PP動的架橋品(A.E.Sジャパン(株)製、商品名「サントプレーン8211」)
C=オレフィン系エラストマー/PP動的架橋品(A.E.Sジャパン(株)製、商品名「サントプレーン8211」)
D=ポリプロピレン(PP)(チッソ(株)製、商品名「チッソHCPP XF1932」)
E=エステル糸
(比較例1)
多層ホースを構成する各層の構成を以下に記載のものとした。
【0080】
A、C=軟質塩化ビニル
D=硬質塩化ビニル
E=エステル糸
ホース商品名:ループホース ネオ・ホーマー6型(クラレプラスチックス(株)製)
(比較例2)
多層ホースを構成する各層の構成を以下に記載のものとした。
【0081】
A=スチレン系エラストマー/PP(クラレプラスチックス(株)製 商品名「セプトンコンパウンドEG65N」スチレン系エラストマーにおける芳香族ビニル単位の含有量が33重量%)
C=スチレン系エラストマー/PP(クラレプラスチックス(株)製 商品名「セプトンコンパウンドEG65N」スチレン系エラストマーにおける芳香族ビニル単位の含有量が33重量%)
D=ポリプロピレン(PP)(チッソ(株)製、商品名「チッソHCPP XF1932」)
E=エステル糸
ホース商品名:クリーンフレキホース DS3型繊維補強(クラレプラスチックス(株)製)
(比較例3)
多層ホースを構成する各層の構成を以下に記載のものとした。
【0082】
A=PP(グランドポリプロ(株)製、商品名「グランドPP J701」)B=スチレン系エラストマー/PP(クラレプラスチックス(株)製、商品名「セプトンコンパウンドEG50N」、スチレン系エラストマーにおける芳香族ビニル単位の含有量が33重量%)
C=スチレン系エラストマー/PP(クラレプラスチックス(株)製、商品名「セプトンコンパウンドEG50N」、スチレン系エラストマーにおける芳香族ビニル単位の含有量が33重量%)
D=ポリプロピレン(PP)(チッソ(株)製、商品名「チッソHCPP XF1932」)
E=エステル糸
(柔軟性評価)
多層ホースの柔軟性評価として荷重懸垂曲げ試験を行なった。表1に、実施例1〜4及び比較例1〜3の柔軟性評価を示す。
【0083】
ホース長50cmのサンプルを水平方向に置き、25℃条件下で荷重をかけた時の曲げ変化量(たわみ量)で柔軟性を表わした。曲げ変化量が大きいほど柔軟性良好である。なお、表1において、荷重1kg時の曲げ変化量が15cm以上を◎、10cm以上15cm未満を○、10cm未満を△とし、荷重5kg時の曲げ変化量が30cm以下のものは×とした。◎>○>△>×の順とし、○以上を合格とした。
【0084】
実施例1〜4は柔軟なホースが得られた。比較例1は最も柔軟なホースが得られた。比較例2は柔軟なホースが得られた。比較例3は硬質は配管の様であり、柔軟なものは得られなかった。
【0085】
【表1】
【0086】
(油膨潤性評価)
実施例1〜3及び比較例1〜3の内層の耐油膨潤性を評価した。
【0087】
試験は、JIS K6258に準じたJIS−3号油での浸せき試験で評価した。表2に、1、2、3及び比較例1、2、3の内層の耐油膨潤性評価の結果を示す。試験は50℃及び70℃条件下で行なった。表2において、ΔW(質量変化率(%))、ΔV(体積変化率(%))が<50%のものを○とし、50≦100%を△、>100%を×とした。溶解してしまうものについても×とした。○>△>×の順とし、○を合格とした。なお、ΔW、ΔVが小さいほど良好である。
【0088】
実施例1、2の内層は耐油膨潤性良好なホースを得られた。実施例3の内層は70℃条件下では耐油膨潤性に欠けているが、50℃条件下では良好なホースが得られた。比較例1は内層材軟質塩化ビニル内の可塑剤が試験油(JIS−3号油)側へ移行し、膨潤はしないが収縮するホースが得られた。比較例2は耐油膨潤性に欠け、70℃条件下であると試験油(JIS−3号油)に溶解し、ゲル状となるホースが得られた。比較例3は内層の耐油膨潤性が良好なホースが得られた。
【0089】
【表2】
【0090】
(耐油溶出性評価)
実施例1〜3及び比較例1〜3の内層の耐油溶出性試験を行なった。
【0091】
厚生省告示第20号の規格試験を行ない、更に温度条件を過酷にして評価した。評価を表3に示す。
【0092】
評価は、25℃条件下では<150ppmのものを○、150≦200ppmを△、>200ppmを×とした。80℃条件下では<500ppmのものを○、500≦1000ppmを△、>1000ppmを×とした。また、溶解してしまうものについても×とした。○>△>×の順とし、○を合格とした。
【0093】
実施例1、2の内層では耐油溶出性良好なホースが得られた。実施例3の内層は25℃条件では耐油溶出性が良好であるが、温度条件を80℃にすると若干劣るホースが得られた。比較例1は内層材軟質塩化ビニル内の可塑剤が試験油(n−ヘプタン)側に移行し、収縮するホースが得られた。比較例2は内管材セプトンコンパウンド内のプロセスオイルが試験油(n−ヘプタン)側に移行し、80℃条件下では試験油(n−ヘプタン)に溶解するホースが得られた。比較例3は内管層の耐油溶出性が良好なホースが得られた。
【0094】
【表3】
【0095】
(圧輸送時の耐加圧性、減圧輸送時の耐負圧性)
多層ホースの輸送性能を確認するため、圧輸送時の耐加圧性、減圧輸送時の耐負圧性を評価した。評価方法は90℃の温水にてホースを加圧、減圧した。加圧時は1Mpa、減圧時は10kPaとし、ホースの破損、層剥離が起こらないものを合格とした。結果を表4に示す。
【0096】
実施例1〜4は耐圧、耐負圧性良好なホースが得られた。
【0097】
【表4】
【0098】
(結果)
表1〜4から実施例1、2は柔軟性に優れ、80℃付近までの耐油膨潤性、耐油溶出性、耐圧減圧性に優れた多層ホースである。温度条件80℃迄の油性流動体輸送ホースとしてバランスも優れている。
【0099】
実施例3、4の多層ホースは、柔軟性に優れ、50℃付近までの耐油膨潤性、耐油溶出性に優れている。温度条件50℃迄の油性流動体輸送ホースとしてバランスも優れている。
【0100】
一方、比較例1の多層ホースは、可塑剤が油側へ移行し、ホースが硬化し、油性流動体輸送には不向きと考えられる。また、比較例2の多層ホースは、油によって溶解するものなので、油性流動体輸送には不向きである。比較例3の多層ホースは、ホースの柔軟性に欠け、圧送、減圧輸送ができない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例及び比較例のホース構成を表わす図である。
【図2】図1のI−I’線の断面図である。
【図3】図1のII−II’線の断面図である。
【符号の説明】
A:内層
B:接着層(接着層を設けないものについてはスチレン系またはオレフィン系エラストマー層)
C:スチレン系またはオレフィン系エラストマー層
D:補強螺旋体
E:補強層(エステル糸層)
【発明の属する技術分野】
本発明は、塩化ビニル樹脂やフタル酸エステルを用いずに、内面に耐油性、耐薬品性、耐摩耗性、非溶出性、食品衛生性を持たせるとともに全体に柔軟性、可撓性を持たせた耐油性に優れる多層ホースおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、工業用ホース、食品用ホース等の輸送用ホースには、加硫ゴムや塩化ビニル樹脂が利用されてきた。加硫ゴムは熱可塑性に乏しいため成形加工性に劣り、塩化ビニル樹脂が多量に用いられてきた。
【0003】
例えば、ポリエステル系熱可塑性ポリウレタン樹脂を主体に形成した内面層と、硬質塩化ビニル樹脂製の螺旋補強体を肉厚内に埋設してなる軟質塩化ビニル樹脂により形成した外面保護補強層とを熱融着により一体化してなる、耐磨耗性ホースがある(例えば、特許文献1参照。)。該ホースは、熱可塑性ポリウレタンを内面に用いることで耐摩耗性を向上するものであるが、ポリエステル系熱可塑性ポリウレタン樹脂は紫外線によって劣化したり、降雨などにより高温多湿の状態に長時間さらされるとエステル結合が加水分解によって切断され、物性が低下する短所がある。従って、水を含む液体の輸送に適さず、実質上は粉体等の水を含まない物質の輸送に限定される。
【0004】
しかしながら、塩化ビニル樹脂が原因とされる焼却時のダイオキシンの発生、可塑剤として用いられるフタル酸エステル等による環境ホルモンが問題視されている。特に、輸送ホース用途に可塑剤としてフタル酸エステル等を使用すると、輸送される液体や固体、また内部洗浄に用いる温水や薬品に該化合物が移行するため、特に食品分野の輸送用ホースに使用すると食品に可塑剤が移行し、同時にホース自体から可塑剤が失われるため、急激にホースの柔軟性や可撓性が損なわれ、ホースの寿命が短くなる場合がある。また、塩化ビニルは比重が大きいため、輸送用ホースとして使用すると、その重量によって取扱い性、操作性が低下する場合がある。
【0005】
そこで、最近では塩化ビニル樹脂や可塑剤を使用しないホースが提案されている。例えば、軟質合成樹脂よりなるホース壁に硬質合成樹脂よりなる螺旋補強体を接合して保形したホースがある(例えば、特許文献2参照。)。螺旋補強体はポリオレフィン系樹脂で成形され、ホース壁に使用される軟質合成樹脂として、水素添加スチレンブタジエンバーとポリプロピレンからなる樹脂組成物に滑剤を添加した樹脂組成物が使用されている。該発明は、軽量かつ可撓性の付与を目的とするものであり、蛇腹構造によって可撓性を確保するものの、内層が水素添加スチレンブタジエンバーとポリプロピレンからなる樹脂組成物であるため、工業用、食品用ホースとして使用すると、耐油性、耐薬品性、耐摩耗性に劣る場合がある。
【0006】
また、共押出成形により、ポリフッ化ビニリデン樹脂で内層チューブを形成すると共に、その外周面にポリウレタン樹脂またはポリウレタン系エラストマーで外層チューブを一体に積層形成する積層チューブがある(例えば、特許文献3参照。)。該ホースは、ポリフッ化ビニリデン樹脂を内層に用いることで耐薬品性、非溶出性、食品衛生性が向上されているが、ポリフッ化ビニリデン樹脂は高価であり、多層構造として用いたとしても製造価格が高額になり特殊な用途への使用が限定される場合が多い。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−141753号公報
【特許文献2】
特開2000−337563号公報
【特許文献3】
特開平08−142151号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、可撓性に優れ、かつ軽量の輸送用ホースを安価に提供することである。本発明の多層ホースは、特に、耐油性、耐薬品性、耐摩耗性、非溶出性、食品衛生性を有することで食品輸送用ホースとして好ましく使用できる。
【0009】
また、本発明の目的は、柔軟性、可撓性を有する耐油性多層ホースを簡便に製造する方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねてきた結果、内層がエチレン系樹脂、ポリエステル系エラストマーもしくはポリアミド系エラストマーにより形成されており、かつスチレン系エラストマーまたはオレフィン系エラストマーが積層されている多層ホースが、内面に耐油性、耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性、非溶出性、食品衛生性を有するとともに全体に柔軟性、可撓性、耐熱性を有することを見出し、本発明を完成した。
【0011】
特に、エチレン系樹脂としてα−オレフィンが共重合された超低密度ポリエチレンを用いる場合、ポリエステル系エラストマーとして芳香族ポリエステルブロック(A)と非芳香族ポリエステルブロック(B)からなるブロック共重合体、もしくは芳香族ポリエステルブロック(A)とポリエーテルブロック(C)からなるブロック共重合体、もしくは芳香族ポリエステルブロック(A)と前記ブロック(B)と前記ブロック(C)とからなるブロック共重合体を用い、またはポリアミド系エラストマーとしてポリアミドからなるセグメントとポリエーテルまたはポリエステルからなるセグメントを含む場合に、特に柔軟性と耐油性のバランスが良好であることを見出し、本発明を完成した。
【0012】
すなわち本発明は、以下の(1)〜(14)を提供するものである。
【0013】
(1) 少なくとも内層がエチレン系樹脂、ポリエステル系エラストマーまたはポリアミド系エラストマーにより形成されており、かつスチレン系エラストマーまたはオレフィン系エラストマーが少なくとも1層積層されていることを特徴とする多層ホース。
【0014】
(2) 該エチレン系樹脂が、密度0.93g/cm3以下の低密度ポリエチレンである上記(1)記載の多層ホース。
【0015】
(3) 該エチレン系樹脂が、エチレン−α−オレフィン共重合体である上記(1)または(2)記載の多層ホース。
【0016】
(4) 該ポリエステル系エラストマーが、芳香族ポリエステルブロック(A)と非芳香族ポリエステルブロック(B)からなるブロック共重合体、芳香族ポリエステルブロック(A)とポリエーテルブロック(C)からなるブロック共重合体、または芳香族ポリエステルブロック(A)と前記ブロック(B)と前記ブロック(C)とからなるブロック共重合体のいずれかを含むことを特徴とする上記(1)に記載の多層ホース。
【0017】
(5) 該ポリアミド系エラストマーが、ポリアミドからなるセグメントとポリエーテルまたはポリエステルからなるセグメントを含むことを特徴とする上記(1)に記載の多層ホース。
【0018】
(6) 該スチレン系エラストマーが、少なくとも1つの芳香族ビニル重合体ブロック(D)と少なくとも1つの水添共役ジエン系重合体ブロック(E)とからなるブロック共重合体を含むことを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の多層ホース。
【0019】
(7) 該オレフィン系エラストマーがポリオレフィンと架橋されたオレフィン系ゴムからなることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の多層ホース。
【0020】
(8) 内層と該スチレン系エラストマーまたは該オレフィン系エラストマーにより形成される層の間に少なくとも1層の接着層を有する上記(1)〜(7)のいずれかに記載の多層ホース。
【0021】
(9) 該接着層が、芳香族ビニル重合体ブロック(D)と水添共役ジエン系重合体ブロック(E)とからなるブロック共重合体30〜90質量%、パラフィン系オイル70〜10質量%からなる成分100質量部に対し、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマーの群から選ばれた少なくとも1種のエラストマー成分10〜200質量部を含有してなる樹脂組成物からなることを特徴とする上記(8)記載の多層ホース。
【0022】
(10) 該スチレン系エラストマーもしくはオレフィン系エラストマーが動的架橋されてなることを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれかに記載の多層ホース。
【0023】
(11) 該内層の厚みがホース全体の厚みの0.1〜50%であることを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれかに記載の多層ホース。
【0024】
(12) 該ホースの外壁に沿って螺旋補強体を有する上記(1)〜(11)のいずれかに記載の多層ホース。
【0025】
(13) 押出機から押し出された帯状成形体を、螺旋状に捲きながら隣接する帯状成形体の縁を重ね、接合して内層を成形し、さらに同様の操作を繰り返して多層構造を形成することにより製造される上記(1)〜(12)のいずれいかに記載の多層ホースの製造方法。
【0026】
(14) 少なくとも1台の押出機から押し出される帯状成形体が少なくとも2層構造であることを特徴とする上記(13)記載の多層ホースの製造方法。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の第一は、少なくとも内層がエチレン系樹脂、ポリエステル系エラストマーもしくはポリアミド系エラストマーにより形成されており、かつスチレン系エラストマーまたはオレフィン系エラストマーが少なくとも1層積層されていることを特徴とする多層ホースである。内層にエチレン系樹脂、ポリエステル系エラストマーもしくはポリアミド系エラストマーを使用すると、耐油性、耐薬品性、耐摩擦性に優れるため、被輸送物の種類を選ばず、広範囲に使用することができる。このうち、ポリエステル系エラストマーまたはポリアミド系エラストマーを使用する場合は、さらに高温でも耐油性に優れたものとなる。また、スチレン系エラストマーまたはオレフィン系エラストマーを積層するため可撓性に優れ、多層ホースに流体物を輸送する際の操作性に優れる。なお、本発明における「内層」とは、多層ホースの該ホース構成層の内の被輸送体との接触層を意味する。
【0028】
本発明の多層ホースの内層を構成するエチレン系樹脂としては、エチレンを主体とした重合体であり、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン;エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体などのエチレンを主成分としてプロピレンとエチレンとの共重合体やエチレンに他の2種以上のα−オレフィンを共重合した樹脂;エチレン/α−オレフィン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリ−1−ブテン等が挙げられる。更に、本発明で使用するエチレン系樹脂は、エチレン以外に少量のビニル系の単量体が共重合されたものも用いることができる。本発明においては、エチレン系樹脂として低密度ポリエチレンが好ましく用いられ、特に柔軟性の観点から密度0.93g/cm3以下、より好ましくは0.89〜0.92g/cm3の低密度ポリエチレンが好ましい。特に、該エチレン系樹脂はエチレンとα−オレフィンとをメタロセン触媒の存在下に重合させて得られるエチレン−α−オレフィン共重合体が好ましく用いられる。この際、α−オレフィンとしては特に限定しないが、例えば炭素数4〜12のα−オレフィン、例えば1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等を挙げることができ、中でも1−オクテンが好ましい。使用されるメタロセン触媒は特に限定しないが、例えば、チタン、ジルコニウム等の金属のシクロペンタジエニル誘導体と助触媒からなるもの等を挙げることができる。エチレンとα−オレフィンを重合させる方法は特に限定されない。なお、ポリエチレン系樹脂としては、市販品を使用することもでき、例えば、ダウ・ケミカル社製、商品名「ENGAGE 8401」(エチレン−オクテンランダム共重合体)、日本ポリケム製、商品名「ノバテック LC500」(低密度ポリエチレン)などを好ましく使用できる。
【0029】
本発明の多層ホースの内層を構成するポリエステル系エラストマーとしては、芳香族ポリエステルブロック(A)と非芳香族ポリエステルブロック(B)とからなるブロック共重合体、芳香族ポリエステルブロック(A)とポリエーテルブロック(C)とからなるブロック共重合体、芳香族ポリエステルブロック(A)と前記ブロック(B)とブロック(C)とからなるブロック共重合体等である。
【0030】
上記芳香族ポリエステルブロック(A)とは、芳香族ジカルボン酸またはそのアルキルエステルと炭素数2〜12の脂肪族及び/または脂環式ジオールとのエステル化反応、または、エステル交換反応により得られるポリエステルオリゴマーである。該芳香族ジカルボン酸としては、ポリエステルの原料、特にポリエステルエラストマーの原料として知られるものを使用することができる。具体的には、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等を挙げることができる。これらの中でも、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸を用いることが好ましく、テレフタル酸を主成分とするものを用いることが特に好ましい。これらは2種以上を併用して使用することもできる。該芳香族ジカルボン酸のアルキルエステルとしては、ジメチルテレフタレート、ジメチルイソフタレート、ジメチルフタレート、2,6−ジメチルナフタレート等のジメチルエステル、ジエチルテレフタレート、ジエチルイソフタレート、ジエチルフタレート、2,6−ジエチルナフタレート等を挙げることができる。これらの中でも、好ましくはジメチルテレフタレート、2,6−ジメチルナフタレートを用いることが好ましく、特にジメチルテレフタレートを用いることが好ましい。これらは2種以上を併用して使用することもできる。
【0031】
上記炭素数2〜12の脂肪族及び/または脂環式ジオールとしては、ポリエステルの原料、特にポリエステルエラストマーの原料として公知のものを用いることができる。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等を挙げることができる。これらの中でも、1,4−ブタンジオール、エチレングリコールを用いることが好ましく、1,4−ブタンジオールを主成分とするものを用いることが特に好ましい。これらは2種以上を併用して使用することもできる。また、上記以外に三官能性のジオール、その他のジオールや他のジカルボン酸及びそのエステルを少量程度であれば共重合しても良く、更に、アジピン酸等の脂肪族または脂環式のジカルボン酸、または、そのアルキルエステル等も共重合成分として使用してもよい。
【0032】
芳香族ポリエステルブロック(A)として、具体的には、ポリエチレンテレフタレートオリゴマー、ポリプロピレンテレフタレートオリゴマー、ポリブチレンテレフタレートオリゴマー(ポリテトラメチレンテレフタレートオリゴマー)、ポリペンタメチレンテレフタレートオリゴマー等を挙げることができる。
【0033】
上記非芳香族ポリエステルブロック(B)とは、脂肪族または脂環式ジカルボン酸と脂肪族ジオールとを縮合することにより得られるポリエステルオリゴマー、脂肪族ラクトンまたは脂肪族モノオールカルボン酸から合成されたポリエステルオリゴマーであり、前者のポリエステルオリゴマーの具体例としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、ジシクロヘキシル−4,4’−ジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸またはコハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸のうちの一種以上と、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール等のジオールのうちの一種以上とを縮合させて得られる構造のポリエステルオリゴマーを挙げることができる。また、後者のポリエステルオリゴマーの具体例としては、ε−カプロラクトン、ω−オキシカプロン酸等から合成されたポリカプロラクトン系ポリエステルオリゴマーを挙げることができる。
【0034】
上記ポリエーテルブロック(C)としては、例えば、ポリ(アルキレンオキシド)グリコール等の重量平均分子量が400〜6,000、好ましくは500〜4,000、特に好ましくは600〜3,000のポリエーテルオリゴマーを挙げることができる。具体的なポリ(アルキレンオキシド)グリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリ(1,2−プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(1,3−プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックまたはランダム共重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランのブロックまたはランダム共重合体等を挙げることができる。
【0035】
生成するブロック共重合体中の非芳香族ポリエステルブロック(B)及びポリエーテルブロック(C)の配合量は、共に、生成するブロック共重合体中の5〜95質量%であることが望ましく、特に20〜80質量%であることが望ましい。上記含有量が5質量%未満では共重合物としての特徴が得られず、また、含有量が95質量%より多くなると縮合重合によってポリマーを得るのが難しくなる傾向がある。
【0036】
ポリエステル系エラストマーの製造方法としては、特に限定されず従来公知の方法によって合成することができる。たとえば、その成分からなるオリゴマーのブロックをそれぞれ別々に先に合成してから、このオリゴマーのブロック間をエステル結合させて製造してもよく、別の方法とし、例えば、ブロック(B)を先に重合しておいて、更にブロック(A)の成分単量体と混合して縮合する方法等であってもよい。2個以上の芳香族ポリエステルブロック(A)と1個以上の非芳香族ポリエステルブロック(B)を有し、ブロックの結合様式には特に制限はないが、例えば、重合体ブロック(A)をAで、重合体ブロック(B)をBで表した場合に(A−B)n−A(nは1〜10の整数を表す。)で表されるブロック共重合体や、カップリング剤の残基をXとした場合に、(A−B)m−X(mは2〜15の整数を表す。)で表されるブロック共重合体などが好ましく使用できる。また、該ブロック共重合体の形状は、直鎖状、分岐状、星型のいずれでもよく、各ブロックの結合順序、結合ブロック数にも特に制限はない。
【0037】
本発明の内層を構成するポリアミド系エラストマーとしては、ポリアミド(ナイロン6,66,11,12等)をハードセグメントとし、ポリエーテルまたはポリエステルをソフトセグメントとするものが好ましく使用できる。例えば、ポリエーテルブロックアミドは下記一般式[I]で表わされる構造の化合物である。
【0038】
【化1】
【0039】
(式中のPAはハードセグメントであるポリアミドのブロックを表わし、PGはソフトセグメントであるポリエーテルのブロックを表わす。)
本発明において用いられる上記一般式[I]で示される化学式で表わされるポリエーテルブロックアミドは、米国特許第3,044,978号明細書等に開示されそれ自体は公知の物質である。このものは、例えば、(イ)ジアミンとジカルボン酸の塩、ラクタム類、またはアミノジカルボン酸(PA構成成分)、(ロ)ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール(PG構成成分)、(ハ)ジカルボン酸を重縮合させることによって調製され得る。
【0040】
本発明の多層ホースでは、内層の厚みは多層ホース厚み全体の50%以下であることが好ましく、耐油性の観点からは全体の0.1%以上が好ましい。この範囲で柔軟性および耐油性に優れる多層ホースを得ることができる。なお、本発明の多層ホースは、ホース全体の可撓性が保たれ、かつ耐油性、耐薬品性、耐磨耗性などが確保できればそのサイズに制限はないが、螺旋補強体を除く部分で外径1.2〜33cmとすることができる。また、内径にも制限はないが、1〜30cmとすることができる。
【0041】
本発明では多層ホースの内層より外側に、スチレン系エラストマーまたはオレフィン系エラストマーを積層する。
【0042】
スチレン系エラストマーとしては少なくとも1つの芳香族ビニル系重合体ブロック(D)と少なくとも1つの水添共役ジエン系重合体ブロック(E)とからなるブロック共重合体を含むものが好ましく用いられる。芳香族ビニル系重合体ブロック(D)を構成する芳香族ビニル系化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、1−ビニルナフタレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、ビニルアントラセン、インデン、アセトナフチレン、モノフルオロスチレン、ジフルオロスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、メトキシスチレンなどが挙げられる。芳香族ビニル系重合体ブロック(D)は、前記した芳香族ビニル系化合物の1種からなる構造単位のみを有していても、または2種以上からなる構造単位を有していてもよい。そのうちでも、芳香族ビニル系重合体ブロック(D)はスチレンに由来する構造単位から主としてなっていることが、単量体の入手のし易さ、重合反応の容易さ、コストなどの点から好ましい。また、芳香族ビニル系重合体ブロック(D)は、芳香族ビニル系化合物からなる構造単位と共に必要に応じて他の共重合性単量体からなる構造単位を少量有していてもよい。その場合の他の共重合性単量体からなる構造単位の割合は、芳香族ビニル系重合体ブロック(D)の質量に基づいて30質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
【0043】
他の共重合性単量体としては、例えば1−ブテン、ペンテン、ヘキセン、ブタジエン、イソプレン、メチルビニルエーテルなどのイオン重合性単量体を挙げることができる。
【0044】
上記スチレン系エラストマーにおける芳香族ビニル系化合物からなる構造単位の含有量は、10〜40質量%の範囲内であるのが好ましい。芳香族ビニル系化合物からなる構造単位の含有量が10質量%未満の場合には、ブロック共重合体の機械的強度が低下し、40質量%を超えると、該ブロック共重合体の溶融粘度が高くなり、成形加工上の制約を受けることがある。
【0045】
芳香族ビニル系重合体ブロック(D)の数平均分子量は特に制限されないが、2,500〜20,000の範囲内であるのが好ましい。
【0046】
スチレン系エラストマーにおける水添共役ジエン重合体ブロック(E)を構成する共役ジエン化合物としては、イソプレン、ブタジエン、1,3−ブタジエン、ヘキサジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、フェニルブタジエン、などを挙げることができ、好ましくはイソプレン、ブタジエンを挙げることができる。水添共役ジエン重合体ブロック(E)は、これらの共役ジエン化合物の1種から構成されていてもまたは2種以上から構成されていてもよい。本発明では水添共役ジエン系重合体ブロック(E)は水添ポリイソプレンブロック(E1)、水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(E2)および水添ポリブタジエンブロック(E3)からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体ブロックであるものが好ましく用いられる。水添共役ジエン系重合体ブロック(E)が2種以上の共役ジエン化合物に由来する構造単位を有している場合は、それらの結合形態はランダム、テーパー、一部ブロック状、またはそれらの2種以上の組み合わせからなっていることができる。
【0047】
水添共役ジエン系重合体ブロック(E)が2種以上の重合体ブロックからなるものである場合、重合体ブロック(E1)〜(E3)の相互の結合形態は、交互、ランダム、テーパー、一部ブロック状、またはそれらの2種以上の組み合わせなど何れであってもよい。また、水添共役ジエン系重合体ブロック(E)のミクロ構造は特に限定されない。
【0048】
水添ポリイソプレンブロック(E1)としては、1,2−結合単位と3,4−結合単位との含有量(以下、「ビニル結合単位含有量」ということがある。)が10〜75モル%の範囲内、好ましくは10〜60モル%の範囲内であるポリイソプレンからなり、かつポリイソプレンの炭素−炭素二重結合の70%以上が水素添加された水添ポリイソプレンブロックが好ましい。水添ポリイソプレンブロック(E1)におけるビニル結合単位含有量が75モル%を超える場合には、水添ポリイソプレンブロック(E1)のガラス転移温度(Tg)が高くなり過ぎて、柔軟性が損なわれる傾向がある。また、ポリイソプレンブロックの炭素−炭素二重結合の水素添加率が70%未満の場合、耐久性が損なわれる傾向がある。
【0049】
水添ポリイソプレンブロック(E1)の数平均分子量は特に制限されないが、10,000〜200,000の範囲内であることが好ましい。
【0050】
水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(E2)としては、イソプレンとブタジエンを質量比5/95〜95/5の割合で共重合して得られるイソプレン/ブタジエン共重合体からなり、1,2−結合単位と3,4−結合単位との含有量(ビニル結合単位含有量)が20〜85モル%の範囲内、好ましくは20〜60モル%であり、かつイソプレン/ブタジエン共重合体の炭素−炭素二重結合の70%以上が水素添加された水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロックであるのが好ましい。上記のイソプレン/ブタジエン共重合体において、イソプレン単位の割合が95質量%を超えると、水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(E2)のビニル結合単位含有量が75モル%以上の場合にそのガラス転移温度が(Tg)が高くなりすぎて、柔軟性が損なわれることがある。
【0051】
また、水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(E2)におけるビニル結合単位含有量が85モル%を超える場合には、水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(E2)のガラス転移温度(Tg)が高くなり過ぎ、柔軟性が損なわれることがある。イソプレン/ブタジエン共重合体の炭素−炭素二重結合の水素添加率が70%未満の場合、耐久性が低下する傾向がある。
【0052】
水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(E2)におけるイソプレン単位とブタジエン単位との結合形態は特に制限されず、ランダム、ブロック、テーパードなどいずれの形態であってもよい。また、水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(E2)の数平均分子量は特に制限されないが、10,000〜200,000の範囲内であるのが好ましい。
【0053】
水添ポリブタジエンブロック(E3)としては、1,2−結合単位の含有量が45モル%以上、好ましくは45〜75モル%、より好ましくは45〜60モル%の範囲内であるポリブタジエンからなり、かつポリブタジエンの炭素−炭素二重結合の70%以上が水素添加された水添ポリブタジエンブロックが好ましい。水添ポリブタジエンブロック(E3)における炭素−炭素二重結合の水素添加率が70%未満の場合、耐久性が低下する傾向がある。
【0054】
水添ポリブタジエンブロック(E3)の数平均分子量は特に制限されないが、10,000〜200,000の範囲内であるのが好ましい。
【0055】
上記のブロック共重合体における各重合体ブロックの結合様式には特に制限はなく、線状、分岐状またはこれらの任意の組合せであってもよい。ブロック共重合体の分子構造としては、D−(E−D)n、(D−E)n(ここで、Dは芳香族ビニル重合体ブロック(D)を、Eは水添共役ジエン系重合体ブロック(E)を表し、nは1以上の整数である)等が挙げられる。また、ブロック共重合体の水添前の分子構造は、ジビニルベンゼン、錫化合物またはシラン化合物等をカップリング剤とした星型(例えば、(D−E)mX、ここでmは2以上の整数、Xはカップリング剤の残基を表す)であってもよい。
【0056】
ブロック共重合体としては、上記の各種の分子構造を有するものを単独で使用しても、例えばトリブロック型とジブロック型との混合物などのように異なる分子構造のものを2種以上併用してもよい。かかるブロック共重合体の数平均分子量は、30,000〜300,000の範囲内であるのが好ましい。
【0057】
上記のスチレン系エラストマーは上記ブロック共重合体以外に物性を改良する目的などとして例えばポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン、パラフィンオイル等の軟化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤等の添加剤類を含むことができる。具体的には、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、架橋剤、架橋助剤、着色剤、難燃剤、分散剤、帯電防止剤等の各種添加物を添加することができる。
【0058】
本発明において多層ホースの内層より外側に、積層されるオレフィン系エラストマーとしては、特に、ポリオレフィンと架橋されていてもよいオレフィン系ゴムとを含むエラストマー組成物が好ましく用いられる。ポリオレフィンとしては炭素数2〜7のオレフィンモノマーからなるポリオレフィン、もしくはこれらのポリオレフィンにα−オレフィンモノマーを共重合したα−オレフィン共重合体等が好ましく、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−1−オクテン共重合体等を挙げることができ、さらに好ましくはポリプロピレンである。オレフィン系ゴムはEPDM、EPM、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、天然ゴム、NBR、ポリクロロプレンなど、またはこれらの混合物からなるのもが好ましく、さらに好ましくはEPDM、NBRである。オレフィン系ゴムはその一部もしくはすべてが架橋されたゴムであってもよい。これらのゴムの架橋方法としては、熱、過酸化物、架橋剤等を用いた通常の架橋方法を用いることができるが、ポリオレフィンとの混合時に動的架橋することがさらに好ましい。なお、ポリオレフィンとの混合は押出機やバンバリーミキサー等を用いた一般的な混合方法を用いることができる。
【0059】
上記のオレフィン系エラストマーは上記ポリオレフィンやオレフィン系ゴム以外に物性を改良する目的などとして例えばパラフィンオイル等の軟化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤等の添加剤類を含むことができる。具体的には、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、架橋剤、架橋助剤、着色剤、難燃剤、分散剤、帯電防止剤等の各種添加物を添加することができる。
【0060】
また、上記スチレン系エラストマー、またはオレフィン系エラストマーは、可撓性を保持しつつ機械的強度や耐熱性を向上させたり、メルトテンションを上昇させることを目的に、過酸化物、熱、電子線、放射線等による架橋を施すことが好ましく、架橋方法としては材料を製造する過程で、具体的には押出機中での動的架橋や、またホース成形後に後架橋、具体的にはオーブン中での熱架橋や電子線照射による架橋方法などを使用することが可能である。
【0061】
本発明の多層ホースは、例えばエチレン系樹脂層を内層とし、これにスチレン系エラストマー層やオレフィン系エラストマー層を積層した場合に、エチレン系樹脂とエラストマー層とは製造時に特殊な工程なしに完全に接着することができる。その一方、ポリエステル系エラストマー層またはポリアミド系エラストマー層を内層とした場合、積層される層との間に他の樹脂が介在していることが好ましく、内層とスチレン系またはオレフィン系エラストマー層とに熱接着性を有するものであれば広く使用することができる。例えば、該接着層として上記芳香族ビニル重合体ブロック(D)と上記水添共役ジエン系重合体ブロック(E)とからなるブロック共重合体30〜90質量%、パラフィン系オイル70〜10質量%からなる成分100質量部に対し、上記ポリエステル系エラストマー、上記ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマーの群から選ばれた少なくとも1種のエラストマー成分10〜200質量部を含有してなる樹脂組成物を挙げることができ、該樹脂組成物によれば、可撓性を損なわずに優れた接着性が得られるため好ましく使用することができる。なお、接着層に用いられるパラフィン系オイルとしては流動パラフィン、プロセスオイル等があり、ポリウレタン系エラストマーとしては、ジイソシアネートと、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ビスフェノールA等の分子量が50〜500程度の短鎖グリコールとからなるハードセグメント、およびジイソシアネートと長鎖ポリオールからなるソフトセグメントを有するものである。長鎖ポリオールとしては、分子量が500〜10,000のポリアルキレングリコール等のポリエーテル系のもの、或いは、ポリアルキレンアジペート、ポリカプロラクトン、ポリカーボネート等のポリエステル系のものが使用される。この種のポリウレタン系熱可塑性エラストマーは下記一般式[II]で表わされる構造の化合物である。
【0062】
【化2】
【0063】
(式中のAはジイソシアネートと短鎖グリコールとからなるハードセグメントを表わし、Bはジイソシアネートと長鎖ポリオールからなるソフトセグメントを表わし、YはAセグメントとBセグメントを連結するウレタン結合のジイソシアネート化合物の残基を表わす。)
なお、ジイソシアネート化合物としては、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の公知のものが使用される。
【0064】
また、上記の接着層は物性を改良する目的などとして例えばポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン、軟化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤等の添加剤類を含むことができる。具体的には、酸化防止剤、熱安定剤、中和剤、滑剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、架橋剤、架橋助剤、着色剤、難燃剤、分散剤、帯電防止剤等の各種添加物を添加することができる。本発明の接着層は、1層からなる場合に限られず2層以上であってもよい。
【0065】
本発明の多層ホースは、内層がエチレン系樹脂、ポリエステル系エラストマーまたはポリアミド系エラストマーのいずれかで形成され、かつスチレン系エラストマーまたはオレフィン系エラストマーが少なくとも1層積層されていれば、内層とスチレン系またはオレフィン系エラストマー層との間に接着層、その他の層を有していてもよく、スチレン系またはオレフィン系エラストマー層上に他の層を1層または2層以上有していてもよい。従って、内層上に接着層、エステル糸層などの補強層、接着層、スチレン系またはオレフィン系エラストマー層等の構成であってもよく、更に多層ホースはホースの外壁に沿って螺旋補強体を有していてもよい。
【0066】
上記補強層としては、バイアスのエステル布で構成することもでき、またはエステル糸、ナイロン糸などを格子状や螺旋状に編み込んで構成することもできる。
【0067】
また、螺旋補強体としては、硬質樹脂製の、例えばポリプロピレンなどのポリオレフィンを線状にして用い、螺旋糸中央間のピッチ3〜50mm、螺旋角1〜40°とすると可撓性および耐キンク性、耐久性に優れて好ましい。螺旋補強体としては、アルミ、鉄などの金属、ステンレスなどの合金であってもよく、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂などの硬質樹脂であってもよく、スチレン系またはオレフィン系エラストマー層に使用する部材を使用して構成してもよい。
【0068】
本発明の多層ホースは、内層の組成と該内層より外側に積層される層組成に特徴があり、その製造方法には制限がない。従って、二層押出などによって製造することができる。しかしながら大量輸送用の管径の太い多層ホースを製造する場合には、内層部材を押出機から帯状に押出し、仮の芯部としての円筒状物に螺旋状に巻きながら管長を伸ばす方法が簡便である。内層を巻きつけた後にスチレン系またはオレフィン系エラストマー層を内層と同様の方法で巻きつけ積層する。接着層を設ける場合には、内層についで接着層を巻きつけその後にスチレン系またはオレフィン系エラストマー層を巻きつければよい。円筒状物に代えて単に3〜10本のロッドを使用することもでき、これに機械的強度のある帯状内層部材を螺旋状に巻き取ると丸い環状物を得ることができる。
【0069】
以下、4本の回転ロッドを多層ホースの芯部に用いて、本発明の多層ホースを製造する方法を説明する。まず、使用する押出機としては単軸または二軸押出機が好ましく用いられる。また、押出機には帯状成形体を得るためにスリット状のダイヘッドが備えられていることが好ましい。次いで、押出機からテープ状の内層部材、すなわち内層の帯状成形体を押出し、該回転する4本のロッドによって回転ロッド外周に螺旋状に巻き取らせ、内層の縁を一部重ねることで相互に内層部材を接合させ管状に成形する。なお、この4本のロッドの回転速度は押出機からのテープ状の押出速度と同期されている。内層形成後に他の層を積層してもよく、また、押出機から多層構造のテープ状として押出し、一回の巻きつけで多層ホースを成形することもできる。なお、多層構造のテープ状の各層は少なくとも1つのクロスヘッドダイを備えた少なくとも二台以上の押出機により得ることができる。内層と接着層との二層積層のテープ状物の場合には、内層と接着層とを同時に積層し、次いでスチレン系またはオレフィン系エラストマー層を積層することで本願の多層ホースを製造することができる。更に、螺旋補強体を設ける場合には、スチレン系またはオレフィン系エラストマー層上に螺旋状に巻きつければよい。なお、上記のように、螺旋補強体がスチレン系またはオレフィン系エラストマー層に使用する部材から構成される場合には、テープ状のスチレン系またはオレフィン系エラストマー層を巻きつけた後に線状のスチレン系またはオレフィン系エラストマー糸を巻きつけて螺旋補強体としてもよく、中央に補強体部を構成する突起を有するテープ状のスチレン系またはオレフィン系エラストマーを押出し、これを巻きつけて一度にスチレン系またはオレフィン系エラストマーと螺旋補強体とを形成してもよい。
【0070】
本発明では多層ホースの製造を連続で行なうこともできる。例えば、内層用の押出機、接着層用の押出機、スチレン系またはオレフィン系エラストマー層用の押出機、螺旋補強体用の押出機を順に回転ロッドの近傍に配置し、まずテープ状の内層を回転ロッドに巻きつけ、内層が形成された後に接着層用の押出機からテープ状の接着層を形成し内層と同様に巻きつけ、次いでスチレン系またはオレフィン系エラストマー層を押出して、これを巻きつけてスチレン系またはオレフィン系エラストマー層を形成し、次いで螺旋補強体を巻きつけ、その後に水槽やシャワー等によって冷却して製品とする。この方法によると、多層ホースが連続的に成形でき、ホースの複層化が容易に達成できる。
【0071】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は何ら本発明を制限するものではない。
【0072】
実施例及び比較例で製造した多層ホースの構成を図1に示す。図1において、Aは内層、Bは接着層(接着層を設けないものについてはスチレン系またはオレフィン系エラストマー層)、Cはスチレン系、オレフィン系エラストマー層、Dは補強螺旋体、Eは補強層(エステル糸層)である。
【0073】
各実施例及び比較例において各層を構成する樹脂を押出機を用いてテープ状に押出し4本の回転ロッドに巻きつけ、内層から順次接着層(接着層を設けないものについてはスチレン系またはオレフィン系エラストマー層)、補強層(エステル糸層)、スチレン系またはオレフィン系エラストマー層を積層し、補強螺旋体を巻きつけて冷却し、全体肉厚3.5mm、内径51mmのホースを製造した。
【0074】
なお、エステル糸の糸の間隔及び重量(0.030kg/m)は実施例、比較例共に同じにした。また、補強螺旋体の間隔及び重量(0.4kg/m)も実施例、比較例共に同じとした。該螺旋補強体はポリプロピレン又は硬質塩化ビニルで構成した。各層の平均肉厚は、実施例1、2、3、4及び比較例3ではA=0.4mm、B=1.6mm、C=1.5mmであり、比較例1、2はB層を抜き、A=1.5mm、C=2mmとした。
【0075】
(実施例1)
多層ホースを構成する各層の構成を以下に記載のものとした。
【0076】
A=ポリエステル系エラストマー(東レ・デュポン(株)製:商品名「ハイトレル3078」芳香族ポリエステルブロック(A)とポリエーテルブロック(C)とからなるブロック共重合体)
B=ポリエステル系エラストマー/スチレン系エラストマーブレンド品(三菱化学(株)製、商品名「プリマロイB1600N」ポリスチレンブロック(D)と水添共役ジエン系重合体ブロック(E)とからなるブロック共重合体50質量%、パラフィン系オイル50質量%とからなる成分100質量部に対し、ポリエステル系エラストマー成分20質量部を含有してなる樹脂組成物)
C=スチレン系エラストマー動的架橋品/PP(理研テクノス(株)製、商品名「アクティマーLQA8960S」)
D=ポリプロピレン(PP)(チッソ(株)製、商品名「チッソHCPP XF1932」)
E=エステル糸
(実施例2)
多層ホースを構成する各層の構成を以下に記載のものとした。
【0077】
A=ポリアミド系エラストマー(アトフィナ・ジャパン(株)製、商品名「ぺバックス2533SA01」)
B=ポリアミド系エラストマー/スチレン系エラストマー:芳香族ビニル重合体ブロック(D)と水添共役ジエン系重合体ブロック(E)とからなるブロック共重合体50質量%、パラフィン系オイル50質量%とからなる成分100質量部に対し、ポリアミド系エラストマー成分20質量部を含有してなる樹脂組成物)
C=スチレン系エラストマー動的架橋品/PP(理研テクノス(株)製、商品名「アクティマーLQA8960S」)
D=ポリプロピレン(PP)(チッソ(株)製、商品名「チッソHCPP XF1932」)
E=ポリエステル糸
(実施例3)
多層ホースを構成する各層の構成を以下に記載のものとした。
【0078】
A=エチレン・α−オレフィン共重合体(日本ユニカー(株)製 、商品名「ナックフレックスDFDA1137」密度0.905g/cm3)
B=スチレン系エラストマー/PP(クラレプラスチックス(株)製、商品名「セプトンコンパウンドEG50N」、スチレン系エラストマーは、ポリスチレンブロック(D)と水添共役ジエン系重合体ブロック(E)とからなるブロック共重合体、芳香族ビニル単位の含有量が33重量%)
C=スチレン系エラストマー/PP(クラレプラスチックス(株)製、商品名「セプトンコンパウンドEG50N」、スチレン系エラストマーにおける芳香族ビニル単位の含有量が33重量%である。)
D=ポリプロピレン(PP)(チッソ(株)製、商品名「チッソHCPP XF1932」)
E=エステル糸
(実施例4)
多層ホースを構成する各層の構成を以下に記載のものとした。
【0079】
A=エチレン・α−オレフィン共重合体(日本ユニカー(株)製 、商品名「ナックフレックスDFDA1137」密度0.905g/cm3)
B=オレフィン系エラストマー/PP動的架橋品(A.E.Sジャパン(株)製、商品名「サントプレーン8211」)
C=オレフィン系エラストマー/PP動的架橋品(A.E.Sジャパン(株)製、商品名「サントプレーン8211」)
D=ポリプロピレン(PP)(チッソ(株)製、商品名「チッソHCPP XF1932」)
E=エステル糸
(比較例1)
多層ホースを構成する各層の構成を以下に記載のものとした。
【0080】
A、C=軟質塩化ビニル
D=硬質塩化ビニル
E=エステル糸
ホース商品名:ループホース ネオ・ホーマー6型(クラレプラスチックス(株)製)
(比較例2)
多層ホースを構成する各層の構成を以下に記載のものとした。
【0081】
A=スチレン系エラストマー/PP(クラレプラスチックス(株)製 商品名「セプトンコンパウンドEG65N」スチレン系エラストマーにおける芳香族ビニル単位の含有量が33重量%)
C=スチレン系エラストマー/PP(クラレプラスチックス(株)製 商品名「セプトンコンパウンドEG65N」スチレン系エラストマーにおける芳香族ビニル単位の含有量が33重量%)
D=ポリプロピレン(PP)(チッソ(株)製、商品名「チッソHCPP XF1932」)
E=エステル糸
ホース商品名:クリーンフレキホース DS3型繊維補強(クラレプラスチックス(株)製)
(比較例3)
多層ホースを構成する各層の構成を以下に記載のものとした。
【0082】
A=PP(グランドポリプロ(株)製、商品名「グランドPP J701」)B=スチレン系エラストマー/PP(クラレプラスチックス(株)製、商品名「セプトンコンパウンドEG50N」、スチレン系エラストマーにおける芳香族ビニル単位の含有量が33重量%)
C=スチレン系エラストマー/PP(クラレプラスチックス(株)製、商品名「セプトンコンパウンドEG50N」、スチレン系エラストマーにおける芳香族ビニル単位の含有量が33重量%)
D=ポリプロピレン(PP)(チッソ(株)製、商品名「チッソHCPP XF1932」)
E=エステル糸
(柔軟性評価)
多層ホースの柔軟性評価として荷重懸垂曲げ試験を行なった。表1に、実施例1〜4及び比較例1〜3の柔軟性評価を示す。
【0083】
ホース長50cmのサンプルを水平方向に置き、25℃条件下で荷重をかけた時の曲げ変化量(たわみ量)で柔軟性を表わした。曲げ変化量が大きいほど柔軟性良好である。なお、表1において、荷重1kg時の曲げ変化量が15cm以上を◎、10cm以上15cm未満を○、10cm未満を△とし、荷重5kg時の曲げ変化量が30cm以下のものは×とした。◎>○>△>×の順とし、○以上を合格とした。
【0084】
実施例1〜4は柔軟なホースが得られた。比較例1は最も柔軟なホースが得られた。比較例2は柔軟なホースが得られた。比較例3は硬質は配管の様であり、柔軟なものは得られなかった。
【0085】
【表1】
【0086】
(油膨潤性評価)
実施例1〜3及び比較例1〜3の内層の耐油膨潤性を評価した。
【0087】
試験は、JIS K6258に準じたJIS−3号油での浸せき試験で評価した。表2に、1、2、3及び比較例1、2、3の内層の耐油膨潤性評価の結果を示す。試験は50℃及び70℃条件下で行なった。表2において、ΔW(質量変化率(%))、ΔV(体積変化率(%))が<50%のものを○とし、50≦100%を△、>100%を×とした。溶解してしまうものについても×とした。○>△>×の順とし、○を合格とした。なお、ΔW、ΔVが小さいほど良好である。
【0088】
実施例1、2の内層は耐油膨潤性良好なホースを得られた。実施例3の内層は70℃条件下では耐油膨潤性に欠けているが、50℃条件下では良好なホースが得られた。比較例1は内層材軟質塩化ビニル内の可塑剤が試験油(JIS−3号油)側へ移行し、膨潤はしないが収縮するホースが得られた。比較例2は耐油膨潤性に欠け、70℃条件下であると試験油(JIS−3号油)に溶解し、ゲル状となるホースが得られた。比較例3は内層の耐油膨潤性が良好なホースが得られた。
【0089】
【表2】
【0090】
(耐油溶出性評価)
実施例1〜3及び比較例1〜3の内層の耐油溶出性試験を行なった。
【0091】
厚生省告示第20号の規格試験を行ない、更に温度条件を過酷にして評価した。評価を表3に示す。
【0092】
評価は、25℃条件下では<150ppmのものを○、150≦200ppmを△、>200ppmを×とした。80℃条件下では<500ppmのものを○、500≦1000ppmを△、>1000ppmを×とした。また、溶解してしまうものについても×とした。○>△>×の順とし、○を合格とした。
【0093】
実施例1、2の内層では耐油溶出性良好なホースが得られた。実施例3の内層は25℃条件では耐油溶出性が良好であるが、温度条件を80℃にすると若干劣るホースが得られた。比較例1は内層材軟質塩化ビニル内の可塑剤が試験油(n−ヘプタン)側に移行し、収縮するホースが得られた。比較例2は内管材セプトンコンパウンド内のプロセスオイルが試験油(n−ヘプタン)側に移行し、80℃条件下では試験油(n−ヘプタン)に溶解するホースが得られた。比較例3は内管層の耐油溶出性が良好なホースが得られた。
【0094】
【表3】
【0095】
(圧輸送時の耐加圧性、減圧輸送時の耐負圧性)
多層ホースの輸送性能を確認するため、圧輸送時の耐加圧性、減圧輸送時の耐負圧性を評価した。評価方法は90℃の温水にてホースを加圧、減圧した。加圧時は1Mpa、減圧時は10kPaとし、ホースの破損、層剥離が起こらないものを合格とした。結果を表4に示す。
【0096】
実施例1〜4は耐圧、耐負圧性良好なホースが得られた。
【0097】
【表4】
【0098】
(結果)
表1〜4から実施例1、2は柔軟性に優れ、80℃付近までの耐油膨潤性、耐油溶出性、耐圧減圧性に優れた多層ホースである。温度条件80℃迄の油性流動体輸送ホースとしてバランスも優れている。
【0099】
実施例3、4の多層ホースは、柔軟性に優れ、50℃付近までの耐油膨潤性、耐油溶出性に優れている。温度条件50℃迄の油性流動体輸送ホースとしてバランスも優れている。
【0100】
一方、比較例1の多層ホースは、可塑剤が油側へ移行し、ホースが硬化し、油性流動体輸送には不向きと考えられる。また、比較例2の多層ホースは、油によって溶解するものなので、油性流動体輸送には不向きである。比較例3の多層ホースは、ホースの柔軟性に欠け、圧送、減圧輸送ができない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例及び比較例のホース構成を表わす図である。
【図2】図1のI−I’線の断面図である。
【図3】図1のII−II’線の断面図である。
【符号の説明】
A:内層
B:接着層(接着層を設けないものについてはスチレン系またはオレフィン系エラストマー層)
C:スチレン系またはオレフィン系エラストマー層
D:補強螺旋体
E:補強層(エステル糸層)
Claims (14)
- 少なくとも内層がエチレン系樹脂、ポリエステル系エラストマーまたはポリアミド系エラストマーにより形成されており、かつスチレン系エラストマーまたはオレフィン系エラストマーが少なくとも1層積層されていることを特徴とする多層ホース。
- 該エチレン系樹脂が、密度0.93g/cm3以下の低密度ポリエチレンである請求項1記載の多層ホース。
- 該エチレン系樹脂が、エチレン−α−オレフィン共重合体である請求項1または2記載の多層ホース。
- 該ポリエステル系エラストマーが、芳香族ポリエステルブロック(A)と非芳香族ポリエステルブロック(B)からなるブロック共重合体、芳香族ポリエステルブロック(A)とポリエーテルブロック(C)からなるブロック共重合体、または芳香族ポリエステルブロック(A)と前記ブロック(B)と前記ブロック(C)とからなるブロック共重合体のいずれかを含むことを特徴とする請求項1記載の多層ホース。
- 該ポリアミド系エラストマーが、ポリアミドからなるセグメントとポリエーテルまたはポリエステルからなるセグメントを含むことを特徴とする請求項1記載の多層ホース。
- 該スチレン系エラストマーが、少なくとも1つの芳香族ビニル重合体ブロック(D)と少なくとも1つの水添共役ジエン系重合体ブロック(E)とからなるブロック共重合体を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の多層ホース。
- 該オレフィン系エラストマーがポリオレフィンと架橋されたオレフィン系ゴムからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の多層ホース。
- 内層と該スチレン系エラストマーまたは該オレフィン系エラストマーにより形成される層の間に少なくとも1層の接着層を有する請求項1〜7のいずれかに記載の多層ホース。
- 該接着層が、芳香族ビニル重合体ブロック(D)と水添共役ジエン系重合体ブロック(E)とからなるブロック共重合体30〜90質量%、パラフィン系オイル70〜10質量%からなる成分100質量部に対し、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマーの群から選ばれた少なくとも1種のエラストマー成分10〜200質量部を含有してなる樹脂組成物からなることを特徴とする請求項8記載の多層ホース。
- 該スチレン系エラストマーもしくはオレフィン系エラストマーが動的架橋されてなることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の多層ホース。
- 該内層の厚みがホース全体の厚みの0.1〜50%であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の多層ホース。
- 該ホースの外壁に沿って螺旋補強体を有する請求項1〜11のいずれかに記載の多層ホース。
- 押出機から押し出された帯状成形体を、螺旋状に捲きながら隣接する帯状成形体の縁を重ね、接合して内層を成形し、さらに同様の操作を繰り返して多層構造を形成することにより製造される請求項1〜12のいずれいかに記載の多層ホースの製造方法。
- 少なくとも1台の押出機から押し出される帯状成形体が少なくとも2層構造であることを特徴とする請求項13記載の多層ホースの製造方法。
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