JP2004113598A - 電気掃除機用脱臭アダプタ - Google Patents
電気掃除機用脱臭アダプタ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004113598A JP2004113598A JP2002283188A JP2002283188A JP2004113598A JP 2004113598 A JP2004113598 A JP 2004113598A JP 2002283188 A JP2002283188 A JP 2002283188A JP 2002283188 A JP2002283188 A JP 2002283188A JP 2004113598 A JP2004113598 A JP 2004113598A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- vacuum cleaner
- deodorizing
- adapter
- suction port
- odor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
Abstract
【課題】既存の電気掃除機を利用して臭気の脱臭を行えるようにする。
【解決手段】電気掃除機1の吸い込みノズル3を取り外し、吸引ホース2の吸い込み口9に接続口7を接続する。この状態で臭気発生源に空気吸い込み口8を近づけて電気掃除機1を運転すると、空気吸い込み口8から臭気が吸引され、脱臭材5を通過するため、臭気の脱臭を行うことができ、浄化された空気が排気される。
【選択図】 図1
【解決手段】電気掃除機1の吸い込みノズル3を取り外し、吸引ホース2の吸い込み口9に接続口7を接続する。この状態で臭気発生源に空気吸い込み口8を近づけて電気掃除機1を運転すると、空気吸い込み口8から臭気が吸引され、脱臭材5を通過するため、臭気の脱臭を行うことができ、浄化された空気が排気される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脱臭具について、特に電気掃除機に後付けし脱臭機能を付加するアダプタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
日常生活において、臭気対策が必要な場合は意外に多く、室内等の比較的密閉された空間においては、芳香剤による臭気のマスキングや、据え置き型の小型消臭剤等が普及していることは臭気に対する関心の高さを現している。また、積極的に臭気除去を行う方法として、脱臭機、空気清浄機、エアコンの脱臭機能付加などが挙げられるが、これは空間内に広がった比較的低濃度の臭気を室内空気とともに吸排気循環し長時間かけて除去を行う方法である。臭気の除去に時間がかかるのは、一旦空間内に広がった臭気は回収に時間がかかるためで、当然、臭気の回収が終了するまでは人は臭いを感じ続けることになる。
【0003】
一方、広い空間内に徐々に恒常的に発生する臭気とは別に、一時的に局所的に発生する臭気がある。例えば、病院や老人施設でのおむつ交換の時に発生する糞便臭や、寝たきりの人を介護する際のおむつ交換の時に発生する糞便臭、赤ちゃんのおむつ交換の時に発生する糞便臭、生ゴミ等を移し替えたりする時に発生するゴミ臭などは身近な例であるが、こう言った一時的に局所的に発生する高濃度の臭気も、一旦室内に広がってしまうと前述の通り回収に時間がかかってしまう。また、屋外で発生する臭気に対しては臭気が充分に拡散するのを待つ以外は有効な手段が無いのが現状である。
【0004】
そこで、一時的に局所的に発生する高濃度の臭気は、空間内に広がる前に対策を行うことが有効であり、従来の局所発生臭気の脱臭装置及びそれに用いる脱臭部においては、電気掃除機に脱臭部を内蔵し、臭気が発生しているところに吸引ガイド部を近づけ、臭気が室内に広がる前に臭気を吸い込んで脱臭している(例えば特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−254158号公報(第4−5頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の局所発生臭気の脱臭装置及びそれに用いる脱臭部では、脱臭部の搭載場所としては電気掃除機の本体内、特に、吸引したゴミを捕集するいわゆる紙パックが装着されていた場所に紙パックと交換する方法で搭載することが望ましいとされている。ところが、脱臭材を有する脱臭部を電気掃除機本体内に搭載するには、それぞれの電気掃除機の内部形状に合わせた形状の脱臭部が必要で、市販されている多種の電気掃除機に対応するには機種個別の脱臭部を設計、製作する必要があり、多品種少量生産となるとコスト高になることは避けることができないと言う課題を有していた。なお、電気掃除機の紙パックは電気掃除機メーカ純正の機種個別の紙パック以外に、各メーカ共通に汎用的に使うことができる紙パックが市販されているが、各メーカ共通式紙パックが様々な機種に対して汎用品として利用できるのは、紙パックの場合は、吸引された空気が紙パックに入る部分の接続部の形状のみ合わせておけば、パックの袋部分は吸引空気の作用で自在形状にふくらみ、電気掃除機の内部の形状に影響されないためである。
【0007】
一方、脱臭部の場合は形状自在にすることは困難であり、仮に電気掃除機内部の形状に即した形状になったとしても、脱臭部と電気掃除機内壁との間に少しでも隙間があると、その隙間から臭気が通り抜けてしまうため、脱臭効果は格段に落ちることになり、当初の目的を達成することができなくなる。
【0008】
また、脱臭部が電気掃除機内部に搭載されていること自体が、別な課題をもつことになる。つまり、吸引した臭気が脱臭部に到達して脱臭浄化されるまでの経路、すなわち電気掃除機のホースには臭気がそのまま通過することになり、このホース内壁面に臭気物質が吸着(付着)するという課題である。ホース内壁面に吸着した臭気物質は、臭気を吸引している間は吸引中の臭気濃度と平衡して吸着し続けるが、吸引している臭気の濃度が低下すると今度はホース内壁面に吸着した臭気物質がホース内壁面から離脱し、これが新たな臭気源となる。
【0009】
特に、脱臭部を外して元の紙パックを装着し、通常の電気掃除機として利用する場合は、離脱した臭気物質が電気掃除機の排気口から排出され、電気掃除機自体が臭気をまき散らすことにもなりかねないと言う課題も有していた。
【0010】
なお、上記従来の局所発生臭気の脱臭装置及びそれに用いる脱臭部では、臭気の吸い込み口となる吸引口は電気掃除機の吸い込みノズルをそのまま利用することになるので、臭気の吸引捕集に対して最適な形状でない上に、ブラシ等の臭気物質が吸着しやすい構成になっていると言う課題も有していた。特に、病院や老人施設でのおむつ交換の時や、寝たきりの人を介護する際のおむつ交換の時の臭気対策として利用する場合は、人に対して電気掃除機の吸い込みノズルを向けることになり、これは、おむつ交換される人の尊厳を傷つけるばかりでなく、使用者にとっても心苦しい負担を強いることになると言う課題も有していた。
【0011】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、既存の電気掃除機を利用して臭気の脱臭を行えるようにするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明の電気掃除機用脱臭アダプタは脱臭材を内装したダクトを電気掃除機の吸い込みノズルと交換する方法で装着するようにしたものである。
【0013】
上記発明によれば、臭気発生源にダクトを向けて電気掃除機を運転することにより、臭気がダクトの空気吸い込み口から吸引され、脱臭材を通過することによって脱臭浄化される。この時、電気掃除機のホースや本体内部には臭気物質は到達しないため、臭気物質の吸着を起こさずに電気掃除機を利用することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、一端が電気掃除機の吸い込みノズルを外した吸引ホースの吸い込み口に接続する接続口で、もう一端が空気吸い込み口である筒状の形態をなしたダクトと、ダクトの接続口と空気吸い込み口との間に脱臭材を配したものであり、臭気発生源にダクトを向けて電気掃除機を運転することにより、臭気がダクトの空気吸い込み口から吸引され、脱臭材を通過することによって脱臭浄化される。
【0015】
請求項2に記載の発明は、空気吸い込み口の開口を、接続口の開口よりも大きくしたものであり、臭気を吸い込む開口が大きいため、臭気が拡散するよりも早く臭気を吸引し、臭気を脱臭浄化することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、脱臭材をハニカム体の形状としたしたもので、脱臭材をハニカム体で構成することにより、圧力損失(空気の流れの抵抗)を軽減し、電気掃除機の吸引モータへの負担を軽減することができる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、脱臭材のハニカム体のセル数を1平方インチあたり50以上350以下としたものであり、脱臭材のハニカム体のセル数を1平方インチあたり50以上とすることにより、臭気の脱臭除去に必要な脱臭材表面積を確保し、脱臭材のハニカム体のセル数を1平方インチあたり350以下とすることにより、圧力損失を軽減し、電気掃除機の吸引モータへの負担を軽減することができる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、接続口を、ポリプロピレン樹脂、もしくは硬質ゴム、もしくはビニルで成形したものであり、接続口を、ポリプロピレン樹脂、もしくは硬質ゴム、もしくはビニルと言った弾力性のある材質で構成することにより、様々な電気掃除機の吸引ホースの吸い込み口に接続する際に、接続が容易で、また、キズを付けたりしないようにすることができる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、接続口を略円形で、外径を20〜50mmとしたものであり、様々な電気掃除機の吸引ホースの吸い込み口に接続することができる。
【0020】
請求項7に記載の発明は、接続口は略円形で、外径が20〜50mmの範囲で可変可能にしたものであり、様々な電気掃除機の吸引ホースの吸い込み口に接続することができる。
【0021】
請求項8に記載の発明は、接続口を略円形で、開口部の外径が20〜50mmで、かつ、空気吸い込み口に向かって一部もしくは全部が徐々に直径を増す形状としたものであり、接続口の開口部が外径20〜50mmの略円形で、かつ、空気吸い込み口に向かって一部もしくは全部が徐々に直径を増す形状であることにより、様々な電気掃除機の吸引ホースの吸い込み口に接続することができる。
【0022】
請求項9に記載の発明は、脱臭材を、マンガン、銅、コバルト、亜鉛の少なくとも一種類を含む酸化物もしくは複合酸化物からなるようにしたものであり、糞便臭の大部分を占める硫化水素の除去に効果を発揮する。
【0023】
請求項10に記載の発明は、脱臭材を、マンガン、銅、コバルト、亜鉛の少なくとも一種類を含む酸化物もしくは複合酸化物に加えて、ゼオライト、シリカ、アルミナの少なくとも一種類を含むようにしたものであり、糞便臭に加え、尿臭の元であるアンモニア等の窒素系物質の臭気除去に対しても効果を発揮する。
【0024】
請求項11に記載の発明は、空気吸い込み口にフィルタを設けたものであり、空気吸い込み口にフィルタを設けることにより、埃等の異物、特に布団から大量に発生する埃を捕捉し、内方への異物の侵入を防止することができる。
【0025】
請求項12に記載の発明は、空気吸い込み口と脱臭材との間にフィルタを設けたものであり、脱臭材に対して上流にフィルタを設けることにより、埃等の異物、特に布団から大量に発生する埃を捕捉し、脱臭材の目詰まりによる性能低下を防止することができる。
【0026】
請求項13に記載の発明は、空気吸い込み口の一部を略平面の形状としたものであり、略平面の部分があるため、床や机、布団の上などの略平面の場所に置いても転がることなく据わりが良く、手で持たなくても空気吸い込み口を確実に臭気発生源に向け続けることができる。
【0027】
請求項14に記載の発明は、空気吸い込み口の近傍に保持具を設けたものであり、保持具により空気吸い込み口の方向を固定することができ、ホースの方向による復元力が働いても空気吸い込み口が動くことなく、手で持たなくても空気吸い込み口を確実に臭気発生源に向け続けることができる。
【0028】
請求項15に記載の発明は、空気吸い込み口の近傍におもりを備えたものであり、空気吸い込み口を臭気発生源に向けて置いた時に、おもりの作用により、ホースの方向による復元力が働いても空気吸い込み口が動くことなく、手で持たなくても確実に臭気発生源に向け続けることができる。
【0029】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0030】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の電気掃除機用脱臭アダプタを示した斜視図である。
【0031】
図1において、1は市販の電気掃除機で、通常は吸引ホース2の先端に吸い込みノズル3が装着されている。4は本発明の電気掃除機用脱臭アダプタで、脱臭材5を内装した筒状のダクト6で構成されており、ダクト6の一端は接続口7、もう一端は空気吸い込み口8となっている。
【0032】
次に動作、作用について説明する。電気掃除機1の吸い込みノズル3を取り外し、吸引ホース2の吸い込み口9に接続口7を接続する。この状態で臭気発生源に空気吸い込み口8を近づけて電気掃除機1を運転すると、空気吸い込み口8から臭気が吸引され、脱臭材5を通過するため、臭気の脱臭を行うことができ、浄化された空気が排気される。
【0033】
ここで、脱臭材5の設置場所は電気掃除機1の吸引ホース2内や本体内ではなく、臭気を吸い込む空気吸い込み口8近傍であるため、臭気物質がそれ以上奥には侵入せず、つまり電気掃除機1の吸引ホース2や本体内に臭気物質が吸着(付着)することがない。もし電気掃除機1の吸引ホース2内や本体内に臭気物質が吸着しておれば、再び吸い込みノズル3を装着して通常の電気掃除機として利用する際に、吸い込んだ空気は臭気濃度が低いため、吸着した臭気物質の離脱が起こり、臭気物質が排気されることになる。これは電気掃除機1が臭気をまき散らす臭気発生源になることを意味するが、本発明の電気掃除機用脱臭アダプタを用いると、上記の通り脱臭材5が臭気を吸い込む空気吸い込み口8近傍に設けられており、電気掃除機内に臭気物質が侵入できず臭気物質の吸着も起きないので、これらの問題は起こり得ない。
【0034】
また、臭気吸引を行う場合としては、ゴミ箱やゴミ置き場のゴミに向けて吸引を行う場合や、トイレ、ペット等の動物、その他様々な臭気発生源に向けて吸引を行う場合以外に、人に向けて吸引を行う場合もあり得る。病院や老人施設でのおむつ交換の時や、寝たきりの人を介護する際のおむつ交換の時には人に向けて吸引を行わなければならないが、本発明の電気掃除機用脱臭アダプタは、電気掃除機1の吸い込みノズル3と交換する方法で装着するため、たとえ空気吸い込み口8を人に向けることがあっても、電気掃除機の吸い込みノズルを向けるのとは違って違和感を緩和でき、おむつ交換される人の尊厳を傷つけることもなく、また、使用者の心苦しい負担を軽減することもできる。
【0035】
なお、一般に電気掃除機1の吸引ホース2はフレキシブルな蛇腹部とまっすぐ伸びた直管部からなっており、複数ヶ所で取り外しが可能となっている場合が多い。本実施例では直管部を残して電気掃除機用脱臭アダプタ4を装着するように図示したが、直管部を外して蛇腹部に電気掃除機用脱臭アダプタ4を装着すると、臭気発生源が狭い場所にあっても、空気吸い込み口8を近くまで持っていくことができる。また、ダクト6自体をフレキシブルな可撓性を持たせて構成しても同様に実施できる。ダクト6に可撓性を持たせる方法としては、蛇腹や可撓性材料で構成する方法があるが、ダクト6全体を可撓性を持たせた構成とする以外に、接続口7近傍を可撓性を持たせた構成しても良いし、空気吸い込み口8近傍を可撓性を持たせた構成しても良い。特に、脱臭材5近傍は固定形状とする方が、ダクト6と脱臭材5との気密を確保する上で有利である。
【0036】
(実施例2)
図2は本発明の実施例2の電気掃除機用脱臭アダプタを示した斜視図である。
【0037】
図2において、6は脱臭材5を内装したダクトで、一端が接続口7、もう一端が空気吸い込み口8となっている。
【0038】
次に動作、作用について説明する。実施例1と同様、電気掃除機1の吸引ホース2に電気掃除機用脱臭アダプタ4装着し、電気掃除機1の運転により、空気吸い込み口8より臭気を吸引し脱臭浄化を行う。ここで、空気吸い込み口8は接続口7より大きく開口しているため、臭気を広く、効率よく吸引することができる。図において空気吸い込み口8は脱臭材5が装着されている部分と同じ断面積を持つ開口となっているが、空気吸い込み口8のみをさらに大きな開口としても同様に実施できる。
【0039】
なお、大きく開口した空間に脱臭材5を設けると、大きな脱臭材を用いることができ、脱臭力を向上させることができると共に、空気が通る開口が大きいため、圧力損失(空気の流れの抵抗)が小さくなり、電気掃除機1の吸引モータへの負担を軽減することができる。同じ出力であれば風量の増加を行うことができ、また寿命を延ばすこともできる。また、開口が大きいと空気の流速が小さくなり、脱臭材の脱臭力を向上させることもできる。また、脱臭材5は一般に用いられている様な粒状のものでも良いが、図に示すようなハニカム形状の物を用いると、同じ脱臭性能を持ちながら圧力損失を大幅に軽減することができる点で好ましい。ここでハニカム形状でのセル数(目の細かさ)は1平方インチあたり50以上であれば、臭気の脱臭除去に必要な脱臭材表面積を確保することができ、また、1平方インチあたり350以下とすることにより、電気掃除機の吸引モータへの負担の少ない圧力損失に抑えることができる。
【0040】
なお、電気掃除機1の吸引ホース2との接続部である接続口7はポリプロピレン樹脂や硬質ゴム、ビニル等といった弾力性のある材料で成形すると、様々な電気掃除機1の吸引ホース2の吸い込み口に接続する際に、接続が容易で、キズを付けたりしないようにすることができる点で好ましい。また、市販の電気掃除機の吸引ホースの吸い込み口は内径35mm程度の円形をした物が全体の80%を占め、一部20mm近くの小型のものや、50mm近くの大型の物も存在する。よって、接続口7の形状としては、略円形で外径が20〜50mm、望ましくは35mm前後である30〜40mmとするとほとんどの電気掃除機に接続可能である。なお、接続口7の外径を20〜50mmの間で任意に変更できるようにしておくと確実であるし、外径が20から50mmへと空気吸い込み口に向かって一部もしくは全部が徐々に直径を増すテーパ形状とすると、差し込む際にどこかでフィットするため、確実に接続することができる。ここで20〜50mmのテーパは傾斜が大きすぎるようであれば30〜40mmのテーパ形状としてもほとんどの電気掃除機に接続可能である。
【0041】
一方、脱臭材5については、通常用いられる活性炭等の吸着剤でも良いが、マンガン、銅、コバルト、亜鉛の少なくとも一種類を含む酸化物もしくは複合酸化物を用いると、糞便臭の大部分を占める硫化水素の除去に大きな効果を発揮する点で好ましい。特にマンガン、銅、コバルトの複合酸化物は非常に高効率の硫化水素吸着が可能で寿命も非常に長い点で良い。脱臭除去の目安としては、吸い込んだ臭気の99%を除去するとほとんど臭いは感じなくなり、99.9%を除去すると無臭レベルになる。特に、糞便臭は硫化水素を除去すると人間には糞便の臭いは感じなくなるので、糞便臭対策であればまずは硫化水素の除去を第一に行うと良い。また、脱臭材にゼオライト、シリカ、アルミナの少なくとも一種類を加えると、糞便臭に加え、尿臭の元であるアンモニア等の窒素系物質の臭気除去に対しても大きな効果を発揮する点で好ましい。
【0042】
(実施例3)
図3は本発明の実施例3の電気掃除機用脱臭アダプタを示した斜視図である。
【0043】
図3(a)において、6は脱臭材5を内装したダクトで、一端が接続口7、もう一端が空気吸い込み口8となっており、10はフィルタである。
【0044】
次に動作、作用について説明する。電気掃除機用脱臭アダプタの使い方は実施例1および2と同様であるため説明は省略する。ここでフィルタ10を図3(b)に示すように空気吸い込み口8もしくは図3(c)空気吸い込み口8と脱臭材5との間に設けると、フィルタ10が脱臭材5に対して上流にあるため、埃等の異物がフィルタ10に捕捉され、脱臭材5に異物が詰まって目詰まりを起こしたり、脱臭力が低下したりすると言った問題が生じない。特に、トイレでのトイレットペーパの紙埃や、病室、介護室、寝室等での布団の綿埃は非常に多量に発生するため、フィルタ10は不可欠である。ここでフィルタ10は着脱容易に構成し、手軽に手入れできるようにすることが好ましい。例えば樹脂で構成して水洗いやブラシ洗いを可能としても良いし、紙や繊維質等の安価な材料で構成してディスポーザブルとしても良い。なお、フィルタ10のメッシュ(目の細かさ)であるが、一般には1平方インチあたり500〜600メッシュであれば埃を捕捉できるが、使用環境に応じて、もっと粗くして圧力損失を減らしても良いし、逆に小さな異物が発生しやすい環境ではもっと細かいメッシュを用いても良い。
【0045】
(実施例4)
図4は本発明の実施例4の電気掃除機用脱臭アダプタを示した斜視図である。
【0046】
図4において、6は脱臭材5を内装したダクトで、一端が接続口7、もう一端が空気吸い込み口8となっている。
【0047】
次に動作、作用について説明する。電気掃除機用脱臭アダプタの使い方は実施例1および2と同様であるため説明は省略する。ここで、空気吸い込み口8の少なくとも一部が略平面形状11で構成されていると、床や机、布団の上などの略平面の場所に置いても転がることなく据わりが良く、手で持たなくても空気吸い込み口8を確実に臭気発生源に向け続けることができる。特にゴミの移し替えやおむつ交換の際には両手が自由に使えるので非常に作業がし易くなる。ここで、図4(a)では空気吸い込み口8の一面のみ略平面としているが、図4(b)のように複数の面もしくは全面を略平面で構成しても同様に実施できる。
【0048】
なお、空気吸い込み口8の近傍におもり12を備えるとさらに安定度が高まり、特に、電気掃除機の吸引ホースの方向による復元力が働いても空気吸い込み口8が動くことなく、手で持たなくても確実に臭気発生源に向け続けることができる。
【0049】
さらには、空気吸い込み口8の近傍に保持具13を備え、保持具により、動かない物に固定すると確実に臭気発生源に向け続けることができる。保持具13としては、紐であると安価であるし、フックであると扱いが容易であり、クリップであると多くの物に固定可能である。また、病院等のベッドは鉄パイプで構成されていることが多いので、磁石を用いても手軽である点で好ましい。一方、電気掃除機用脱臭アダプタの固定場所が決まっている場合は、保持具13として、相手方に受け部を設けた1対のソケットを用いても良いし、ソケットではなく自在着脱テープ(通称マジックテープ(R))を用いても手軽である。なお、相手方の受け部は複数ヶ所に用意しても良く、特に1ヶ所は電気掃除機1本体上に用意しておくと、電気掃除機1と脱臭部とを一体的に移動、設置することができ、何かと便利である。
【0050】
【発明の効果】
以上のように、本電気掃除機用脱臭アダプタによると、脱臭材を内装したダクトを電気掃除機の吸い込みノズルと交換する方法で装着することにより、臭気発生源にダクトを向けて電気掃除機を運転すると、臭気がダクトに吸引され、脱臭材を通過することによって臭気が脱臭浄化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の電気掃除機用脱臭アダプタの斜視図
【図2】本発明の実施例2の電気掃除機用脱臭アダプタの斜視図
【図3】(a)本発明の実施例3の電気掃除機用脱臭アダプタの斜視図
(b)本発明の実施例3の電気掃除機用脱臭アダプタにおけるフィルターの取り付け状態を示す斜視図
(c)本発明の実施例3の電気掃除機用脱臭アダプタにおけるフィルターの取り付け状態を示す斜視図
【図4】(a)本発明の実施例4の電気掃除機用脱臭アダプタの斜視図
(b)本発明の実施例4の電気掃除機用脱臭アダプタの斜視図
【符号の説明】
5 脱臭材
6 ダクト
7 接続口
8 空気吸い込み口
10 フィルタ
12 おもり
13 保持具
【発明の属する技術分野】
本発明は、脱臭具について、特に電気掃除機に後付けし脱臭機能を付加するアダプタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
日常生活において、臭気対策が必要な場合は意外に多く、室内等の比較的密閉された空間においては、芳香剤による臭気のマスキングや、据え置き型の小型消臭剤等が普及していることは臭気に対する関心の高さを現している。また、積極的に臭気除去を行う方法として、脱臭機、空気清浄機、エアコンの脱臭機能付加などが挙げられるが、これは空間内に広がった比較的低濃度の臭気を室内空気とともに吸排気循環し長時間かけて除去を行う方法である。臭気の除去に時間がかかるのは、一旦空間内に広がった臭気は回収に時間がかかるためで、当然、臭気の回収が終了するまでは人は臭いを感じ続けることになる。
【0003】
一方、広い空間内に徐々に恒常的に発生する臭気とは別に、一時的に局所的に発生する臭気がある。例えば、病院や老人施設でのおむつ交換の時に発生する糞便臭や、寝たきりの人を介護する際のおむつ交換の時に発生する糞便臭、赤ちゃんのおむつ交換の時に発生する糞便臭、生ゴミ等を移し替えたりする時に発生するゴミ臭などは身近な例であるが、こう言った一時的に局所的に発生する高濃度の臭気も、一旦室内に広がってしまうと前述の通り回収に時間がかかってしまう。また、屋外で発生する臭気に対しては臭気が充分に拡散するのを待つ以外は有効な手段が無いのが現状である。
【0004】
そこで、一時的に局所的に発生する高濃度の臭気は、空間内に広がる前に対策を行うことが有効であり、従来の局所発生臭気の脱臭装置及びそれに用いる脱臭部においては、電気掃除機に脱臭部を内蔵し、臭気が発生しているところに吸引ガイド部を近づけ、臭気が室内に広がる前に臭気を吸い込んで脱臭している(例えば特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−254158号公報(第4−5頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の局所発生臭気の脱臭装置及びそれに用いる脱臭部では、脱臭部の搭載場所としては電気掃除機の本体内、特に、吸引したゴミを捕集するいわゆる紙パックが装着されていた場所に紙パックと交換する方法で搭載することが望ましいとされている。ところが、脱臭材を有する脱臭部を電気掃除機本体内に搭載するには、それぞれの電気掃除機の内部形状に合わせた形状の脱臭部が必要で、市販されている多種の電気掃除機に対応するには機種個別の脱臭部を設計、製作する必要があり、多品種少量生産となるとコスト高になることは避けることができないと言う課題を有していた。なお、電気掃除機の紙パックは電気掃除機メーカ純正の機種個別の紙パック以外に、各メーカ共通に汎用的に使うことができる紙パックが市販されているが、各メーカ共通式紙パックが様々な機種に対して汎用品として利用できるのは、紙パックの場合は、吸引された空気が紙パックに入る部分の接続部の形状のみ合わせておけば、パックの袋部分は吸引空気の作用で自在形状にふくらみ、電気掃除機の内部の形状に影響されないためである。
【0007】
一方、脱臭部の場合は形状自在にすることは困難であり、仮に電気掃除機内部の形状に即した形状になったとしても、脱臭部と電気掃除機内壁との間に少しでも隙間があると、その隙間から臭気が通り抜けてしまうため、脱臭効果は格段に落ちることになり、当初の目的を達成することができなくなる。
【0008】
また、脱臭部が電気掃除機内部に搭載されていること自体が、別な課題をもつことになる。つまり、吸引した臭気が脱臭部に到達して脱臭浄化されるまでの経路、すなわち電気掃除機のホースには臭気がそのまま通過することになり、このホース内壁面に臭気物質が吸着(付着)するという課題である。ホース内壁面に吸着した臭気物質は、臭気を吸引している間は吸引中の臭気濃度と平衡して吸着し続けるが、吸引している臭気の濃度が低下すると今度はホース内壁面に吸着した臭気物質がホース内壁面から離脱し、これが新たな臭気源となる。
【0009】
特に、脱臭部を外して元の紙パックを装着し、通常の電気掃除機として利用する場合は、離脱した臭気物質が電気掃除機の排気口から排出され、電気掃除機自体が臭気をまき散らすことにもなりかねないと言う課題も有していた。
【0010】
なお、上記従来の局所発生臭気の脱臭装置及びそれに用いる脱臭部では、臭気の吸い込み口となる吸引口は電気掃除機の吸い込みノズルをそのまま利用することになるので、臭気の吸引捕集に対して最適な形状でない上に、ブラシ等の臭気物質が吸着しやすい構成になっていると言う課題も有していた。特に、病院や老人施設でのおむつ交換の時や、寝たきりの人を介護する際のおむつ交換の時の臭気対策として利用する場合は、人に対して電気掃除機の吸い込みノズルを向けることになり、これは、おむつ交換される人の尊厳を傷つけるばかりでなく、使用者にとっても心苦しい負担を強いることになると言う課題も有していた。
【0011】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、既存の電気掃除機を利用して臭気の脱臭を行えるようにするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明の電気掃除機用脱臭アダプタは脱臭材を内装したダクトを電気掃除機の吸い込みノズルと交換する方法で装着するようにしたものである。
【0013】
上記発明によれば、臭気発生源にダクトを向けて電気掃除機を運転することにより、臭気がダクトの空気吸い込み口から吸引され、脱臭材を通過することによって脱臭浄化される。この時、電気掃除機のホースや本体内部には臭気物質は到達しないため、臭気物質の吸着を起こさずに電気掃除機を利用することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、一端が電気掃除機の吸い込みノズルを外した吸引ホースの吸い込み口に接続する接続口で、もう一端が空気吸い込み口である筒状の形態をなしたダクトと、ダクトの接続口と空気吸い込み口との間に脱臭材を配したものであり、臭気発生源にダクトを向けて電気掃除機を運転することにより、臭気がダクトの空気吸い込み口から吸引され、脱臭材を通過することによって脱臭浄化される。
【0015】
請求項2に記載の発明は、空気吸い込み口の開口を、接続口の開口よりも大きくしたものであり、臭気を吸い込む開口が大きいため、臭気が拡散するよりも早く臭気を吸引し、臭気を脱臭浄化することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、脱臭材をハニカム体の形状としたしたもので、脱臭材をハニカム体で構成することにより、圧力損失(空気の流れの抵抗)を軽減し、電気掃除機の吸引モータへの負担を軽減することができる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、脱臭材のハニカム体のセル数を1平方インチあたり50以上350以下としたものであり、脱臭材のハニカム体のセル数を1平方インチあたり50以上とすることにより、臭気の脱臭除去に必要な脱臭材表面積を確保し、脱臭材のハニカム体のセル数を1平方インチあたり350以下とすることにより、圧力損失を軽減し、電気掃除機の吸引モータへの負担を軽減することができる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、接続口を、ポリプロピレン樹脂、もしくは硬質ゴム、もしくはビニルで成形したものであり、接続口を、ポリプロピレン樹脂、もしくは硬質ゴム、もしくはビニルと言った弾力性のある材質で構成することにより、様々な電気掃除機の吸引ホースの吸い込み口に接続する際に、接続が容易で、また、キズを付けたりしないようにすることができる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、接続口を略円形で、外径を20〜50mmとしたものであり、様々な電気掃除機の吸引ホースの吸い込み口に接続することができる。
【0020】
請求項7に記載の発明は、接続口は略円形で、外径が20〜50mmの範囲で可変可能にしたものであり、様々な電気掃除機の吸引ホースの吸い込み口に接続することができる。
【0021】
請求項8に記載の発明は、接続口を略円形で、開口部の外径が20〜50mmで、かつ、空気吸い込み口に向かって一部もしくは全部が徐々に直径を増す形状としたものであり、接続口の開口部が外径20〜50mmの略円形で、かつ、空気吸い込み口に向かって一部もしくは全部が徐々に直径を増す形状であることにより、様々な電気掃除機の吸引ホースの吸い込み口に接続することができる。
【0022】
請求項9に記載の発明は、脱臭材を、マンガン、銅、コバルト、亜鉛の少なくとも一種類を含む酸化物もしくは複合酸化物からなるようにしたものであり、糞便臭の大部分を占める硫化水素の除去に効果を発揮する。
【0023】
請求項10に記載の発明は、脱臭材を、マンガン、銅、コバルト、亜鉛の少なくとも一種類を含む酸化物もしくは複合酸化物に加えて、ゼオライト、シリカ、アルミナの少なくとも一種類を含むようにしたものであり、糞便臭に加え、尿臭の元であるアンモニア等の窒素系物質の臭気除去に対しても効果を発揮する。
【0024】
請求項11に記載の発明は、空気吸い込み口にフィルタを設けたものであり、空気吸い込み口にフィルタを設けることにより、埃等の異物、特に布団から大量に発生する埃を捕捉し、内方への異物の侵入を防止することができる。
【0025】
請求項12に記載の発明は、空気吸い込み口と脱臭材との間にフィルタを設けたものであり、脱臭材に対して上流にフィルタを設けることにより、埃等の異物、特に布団から大量に発生する埃を捕捉し、脱臭材の目詰まりによる性能低下を防止することができる。
【0026】
請求項13に記載の発明は、空気吸い込み口の一部を略平面の形状としたものであり、略平面の部分があるため、床や机、布団の上などの略平面の場所に置いても転がることなく据わりが良く、手で持たなくても空気吸い込み口を確実に臭気発生源に向け続けることができる。
【0027】
請求項14に記載の発明は、空気吸い込み口の近傍に保持具を設けたものであり、保持具により空気吸い込み口の方向を固定することができ、ホースの方向による復元力が働いても空気吸い込み口が動くことなく、手で持たなくても空気吸い込み口を確実に臭気発生源に向け続けることができる。
【0028】
請求項15に記載の発明は、空気吸い込み口の近傍におもりを備えたものであり、空気吸い込み口を臭気発生源に向けて置いた時に、おもりの作用により、ホースの方向による復元力が働いても空気吸い込み口が動くことなく、手で持たなくても確実に臭気発生源に向け続けることができる。
【0029】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0030】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の電気掃除機用脱臭アダプタを示した斜視図である。
【0031】
図1において、1は市販の電気掃除機で、通常は吸引ホース2の先端に吸い込みノズル3が装着されている。4は本発明の電気掃除機用脱臭アダプタで、脱臭材5を内装した筒状のダクト6で構成されており、ダクト6の一端は接続口7、もう一端は空気吸い込み口8となっている。
【0032】
次に動作、作用について説明する。電気掃除機1の吸い込みノズル3を取り外し、吸引ホース2の吸い込み口9に接続口7を接続する。この状態で臭気発生源に空気吸い込み口8を近づけて電気掃除機1を運転すると、空気吸い込み口8から臭気が吸引され、脱臭材5を通過するため、臭気の脱臭を行うことができ、浄化された空気が排気される。
【0033】
ここで、脱臭材5の設置場所は電気掃除機1の吸引ホース2内や本体内ではなく、臭気を吸い込む空気吸い込み口8近傍であるため、臭気物質がそれ以上奥には侵入せず、つまり電気掃除機1の吸引ホース2や本体内に臭気物質が吸着(付着)することがない。もし電気掃除機1の吸引ホース2内や本体内に臭気物質が吸着しておれば、再び吸い込みノズル3を装着して通常の電気掃除機として利用する際に、吸い込んだ空気は臭気濃度が低いため、吸着した臭気物質の離脱が起こり、臭気物質が排気されることになる。これは電気掃除機1が臭気をまき散らす臭気発生源になることを意味するが、本発明の電気掃除機用脱臭アダプタを用いると、上記の通り脱臭材5が臭気を吸い込む空気吸い込み口8近傍に設けられており、電気掃除機内に臭気物質が侵入できず臭気物質の吸着も起きないので、これらの問題は起こり得ない。
【0034】
また、臭気吸引を行う場合としては、ゴミ箱やゴミ置き場のゴミに向けて吸引を行う場合や、トイレ、ペット等の動物、その他様々な臭気発生源に向けて吸引を行う場合以外に、人に向けて吸引を行う場合もあり得る。病院や老人施設でのおむつ交換の時や、寝たきりの人を介護する際のおむつ交換の時には人に向けて吸引を行わなければならないが、本発明の電気掃除機用脱臭アダプタは、電気掃除機1の吸い込みノズル3と交換する方法で装着するため、たとえ空気吸い込み口8を人に向けることがあっても、電気掃除機の吸い込みノズルを向けるのとは違って違和感を緩和でき、おむつ交換される人の尊厳を傷つけることもなく、また、使用者の心苦しい負担を軽減することもできる。
【0035】
なお、一般に電気掃除機1の吸引ホース2はフレキシブルな蛇腹部とまっすぐ伸びた直管部からなっており、複数ヶ所で取り外しが可能となっている場合が多い。本実施例では直管部を残して電気掃除機用脱臭アダプタ4を装着するように図示したが、直管部を外して蛇腹部に電気掃除機用脱臭アダプタ4を装着すると、臭気発生源が狭い場所にあっても、空気吸い込み口8を近くまで持っていくことができる。また、ダクト6自体をフレキシブルな可撓性を持たせて構成しても同様に実施できる。ダクト6に可撓性を持たせる方法としては、蛇腹や可撓性材料で構成する方法があるが、ダクト6全体を可撓性を持たせた構成とする以外に、接続口7近傍を可撓性を持たせた構成しても良いし、空気吸い込み口8近傍を可撓性を持たせた構成しても良い。特に、脱臭材5近傍は固定形状とする方が、ダクト6と脱臭材5との気密を確保する上で有利である。
【0036】
(実施例2)
図2は本発明の実施例2の電気掃除機用脱臭アダプタを示した斜視図である。
【0037】
図2において、6は脱臭材5を内装したダクトで、一端が接続口7、もう一端が空気吸い込み口8となっている。
【0038】
次に動作、作用について説明する。実施例1と同様、電気掃除機1の吸引ホース2に電気掃除機用脱臭アダプタ4装着し、電気掃除機1の運転により、空気吸い込み口8より臭気を吸引し脱臭浄化を行う。ここで、空気吸い込み口8は接続口7より大きく開口しているため、臭気を広く、効率よく吸引することができる。図において空気吸い込み口8は脱臭材5が装着されている部分と同じ断面積を持つ開口となっているが、空気吸い込み口8のみをさらに大きな開口としても同様に実施できる。
【0039】
なお、大きく開口した空間に脱臭材5を設けると、大きな脱臭材を用いることができ、脱臭力を向上させることができると共に、空気が通る開口が大きいため、圧力損失(空気の流れの抵抗)が小さくなり、電気掃除機1の吸引モータへの負担を軽減することができる。同じ出力であれば風量の増加を行うことができ、また寿命を延ばすこともできる。また、開口が大きいと空気の流速が小さくなり、脱臭材の脱臭力を向上させることもできる。また、脱臭材5は一般に用いられている様な粒状のものでも良いが、図に示すようなハニカム形状の物を用いると、同じ脱臭性能を持ちながら圧力損失を大幅に軽減することができる点で好ましい。ここでハニカム形状でのセル数(目の細かさ)は1平方インチあたり50以上であれば、臭気の脱臭除去に必要な脱臭材表面積を確保することができ、また、1平方インチあたり350以下とすることにより、電気掃除機の吸引モータへの負担の少ない圧力損失に抑えることができる。
【0040】
なお、電気掃除機1の吸引ホース2との接続部である接続口7はポリプロピレン樹脂や硬質ゴム、ビニル等といった弾力性のある材料で成形すると、様々な電気掃除機1の吸引ホース2の吸い込み口に接続する際に、接続が容易で、キズを付けたりしないようにすることができる点で好ましい。また、市販の電気掃除機の吸引ホースの吸い込み口は内径35mm程度の円形をした物が全体の80%を占め、一部20mm近くの小型のものや、50mm近くの大型の物も存在する。よって、接続口7の形状としては、略円形で外径が20〜50mm、望ましくは35mm前後である30〜40mmとするとほとんどの電気掃除機に接続可能である。なお、接続口7の外径を20〜50mmの間で任意に変更できるようにしておくと確実であるし、外径が20から50mmへと空気吸い込み口に向かって一部もしくは全部が徐々に直径を増すテーパ形状とすると、差し込む際にどこかでフィットするため、確実に接続することができる。ここで20〜50mmのテーパは傾斜が大きすぎるようであれば30〜40mmのテーパ形状としてもほとんどの電気掃除機に接続可能である。
【0041】
一方、脱臭材5については、通常用いられる活性炭等の吸着剤でも良いが、マンガン、銅、コバルト、亜鉛の少なくとも一種類を含む酸化物もしくは複合酸化物を用いると、糞便臭の大部分を占める硫化水素の除去に大きな効果を発揮する点で好ましい。特にマンガン、銅、コバルトの複合酸化物は非常に高効率の硫化水素吸着が可能で寿命も非常に長い点で良い。脱臭除去の目安としては、吸い込んだ臭気の99%を除去するとほとんど臭いは感じなくなり、99.9%を除去すると無臭レベルになる。特に、糞便臭は硫化水素を除去すると人間には糞便の臭いは感じなくなるので、糞便臭対策であればまずは硫化水素の除去を第一に行うと良い。また、脱臭材にゼオライト、シリカ、アルミナの少なくとも一種類を加えると、糞便臭に加え、尿臭の元であるアンモニア等の窒素系物質の臭気除去に対しても大きな効果を発揮する点で好ましい。
【0042】
(実施例3)
図3は本発明の実施例3の電気掃除機用脱臭アダプタを示した斜視図である。
【0043】
図3(a)において、6は脱臭材5を内装したダクトで、一端が接続口7、もう一端が空気吸い込み口8となっており、10はフィルタである。
【0044】
次に動作、作用について説明する。電気掃除機用脱臭アダプタの使い方は実施例1および2と同様であるため説明は省略する。ここでフィルタ10を図3(b)に示すように空気吸い込み口8もしくは図3(c)空気吸い込み口8と脱臭材5との間に設けると、フィルタ10が脱臭材5に対して上流にあるため、埃等の異物がフィルタ10に捕捉され、脱臭材5に異物が詰まって目詰まりを起こしたり、脱臭力が低下したりすると言った問題が生じない。特に、トイレでのトイレットペーパの紙埃や、病室、介護室、寝室等での布団の綿埃は非常に多量に発生するため、フィルタ10は不可欠である。ここでフィルタ10は着脱容易に構成し、手軽に手入れできるようにすることが好ましい。例えば樹脂で構成して水洗いやブラシ洗いを可能としても良いし、紙や繊維質等の安価な材料で構成してディスポーザブルとしても良い。なお、フィルタ10のメッシュ(目の細かさ)であるが、一般には1平方インチあたり500〜600メッシュであれば埃を捕捉できるが、使用環境に応じて、もっと粗くして圧力損失を減らしても良いし、逆に小さな異物が発生しやすい環境ではもっと細かいメッシュを用いても良い。
【0045】
(実施例4)
図4は本発明の実施例4の電気掃除機用脱臭アダプタを示した斜視図である。
【0046】
図4において、6は脱臭材5を内装したダクトで、一端が接続口7、もう一端が空気吸い込み口8となっている。
【0047】
次に動作、作用について説明する。電気掃除機用脱臭アダプタの使い方は実施例1および2と同様であるため説明は省略する。ここで、空気吸い込み口8の少なくとも一部が略平面形状11で構成されていると、床や机、布団の上などの略平面の場所に置いても転がることなく据わりが良く、手で持たなくても空気吸い込み口8を確実に臭気発生源に向け続けることができる。特にゴミの移し替えやおむつ交換の際には両手が自由に使えるので非常に作業がし易くなる。ここで、図4(a)では空気吸い込み口8の一面のみ略平面としているが、図4(b)のように複数の面もしくは全面を略平面で構成しても同様に実施できる。
【0048】
なお、空気吸い込み口8の近傍におもり12を備えるとさらに安定度が高まり、特に、電気掃除機の吸引ホースの方向による復元力が働いても空気吸い込み口8が動くことなく、手で持たなくても確実に臭気発生源に向け続けることができる。
【0049】
さらには、空気吸い込み口8の近傍に保持具13を備え、保持具により、動かない物に固定すると確実に臭気発生源に向け続けることができる。保持具13としては、紐であると安価であるし、フックであると扱いが容易であり、クリップであると多くの物に固定可能である。また、病院等のベッドは鉄パイプで構成されていることが多いので、磁石を用いても手軽である点で好ましい。一方、電気掃除機用脱臭アダプタの固定場所が決まっている場合は、保持具13として、相手方に受け部を設けた1対のソケットを用いても良いし、ソケットではなく自在着脱テープ(通称マジックテープ(R))を用いても手軽である。なお、相手方の受け部は複数ヶ所に用意しても良く、特に1ヶ所は電気掃除機1本体上に用意しておくと、電気掃除機1と脱臭部とを一体的に移動、設置することができ、何かと便利である。
【0050】
【発明の効果】
以上のように、本電気掃除機用脱臭アダプタによると、脱臭材を内装したダクトを電気掃除機の吸い込みノズルと交換する方法で装着することにより、臭気発生源にダクトを向けて電気掃除機を運転すると、臭気がダクトに吸引され、脱臭材を通過することによって臭気が脱臭浄化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の電気掃除機用脱臭アダプタの斜視図
【図2】本発明の実施例2の電気掃除機用脱臭アダプタの斜視図
【図3】(a)本発明の実施例3の電気掃除機用脱臭アダプタの斜視図
(b)本発明の実施例3の電気掃除機用脱臭アダプタにおけるフィルターの取り付け状態を示す斜視図
(c)本発明の実施例3の電気掃除機用脱臭アダプタにおけるフィルターの取り付け状態を示す斜視図
【図4】(a)本発明の実施例4の電気掃除機用脱臭アダプタの斜視図
(b)本発明の実施例4の電気掃除機用脱臭アダプタの斜視図
【符号の説明】
5 脱臭材
6 ダクト
7 接続口
8 空気吸い込み口
10 フィルタ
12 おもり
13 保持具
Claims (15)
- 一端が電気掃除機の吸い込みノズルを外した吸引ホースの吸い込み口に接続する接続口で、もう一端が空気吸い込み口である筒状の形態をなしたダクトと、前記ダクトの前記接続口と前記空気吸い込み口との間に脱臭材を配してなる電気掃除機用脱臭アダプタ。
- 空気吸い込み口の開口は、接続口の開口よりも大きく構成した請求項1に記載の電気掃除機用脱臭アダプタ。
- 脱臭材は、ハニカム体の形状をなす請求項1または2に記載の電気掃除機用脱臭アダプタ。
- ハニカム体のセル数は、1平方インチあたり50以上350以下とした請求項3に記載の電気掃除機用脱臭アダプタ。
- 接続口は、ポリプロピレン樹脂、もしくは硬質ゴム、もしくはビニルで成形された請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気掃除機用脱臭アダプタ。
- 接続口は、略円形で外径が20〜50mmである請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気掃除機用脱臭アダプタ。
- 接続口は、略円形で外径が20〜50mmの範囲で可変可能な請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気掃除機用脱臭アダプタ。
- 接続口は、略円形で開口部の外径が20〜50mmで、かつ、空気吸い込み口に向かって一部もしくは全部が徐々に直径を増す形状をなす請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気掃除機用脱臭アダプタ。
- 脱臭材は、マンガン、銅、コバルト、亜鉛の少なくとも一種類を含む酸化物もしくは複合酸化物からなる請求項1〜8のいずれか1項に記載の電気掃除機用脱臭アダプタ。
- 脱臭材は、マンガン、銅、コバルト、亜鉛の少なくとも一種類を含む酸化物もしくは複合酸化物に加えて、ゼオライト、シリカ、アルミナの少なくとも一種類を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電気掃除機用脱臭アダプタ。
- 空気吸い込み口にフィルタを設けた請求項1〜10のいずれか1項に記載の電気掃除機用脱臭アダプタ。
- 空気吸い込み口と脱臭材との間にフィルタを設けた請求項1〜10のいずれか1項に記載の電気掃除機用脱臭アダプタ。
- 空気吸い込み口の一部が略平面の形状をなす請求項1〜12のいずれか1項に記載の電気掃除機用脱臭アダプタ。
- 空気吸い込み口の近傍に保持具を設けた請求項1〜13のいずれか1項に記載の電気掃除機用脱臭アダプタ。
- 空気吸い込み口の近傍におもりを備えた請求項1〜14のいずれか1項に記載の電気掃除機用脱臭アダプタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002283188A JP2004113598A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | 電気掃除機用脱臭アダプタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002283188A JP2004113598A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | 電気掃除機用脱臭アダプタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004113598A true JP2004113598A (ja) | 2004-04-15 |
Family
ID=32277123
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002283188A Pending JP2004113598A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | 電気掃除機用脱臭アダプタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004113598A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101003396B1 (ko) | 2008-11-18 | 2010-12-22 | 박종열 | 진공청소기용 방향물 홀더 |
JP2014108096A (ja) * | 2012-12-04 | 2014-06-12 | Asante Inc | トコジラミ吸引用具、前記トコジラミ吸引用具を用いたトコジラミ検査用キット、並びにこれらを用いたトコジラミの有無の検査方法 |
JP2021029616A (ja) * | 2019-08-23 | 2021-03-01 | 花王株式会社 | 脱臭具 |
GB2624014A (en) * | 2022-11-04 | 2024-05-08 | Dyson Technology Ltd | A vacuum cleaner |
-
2002
- 2002-09-27 JP JP2002283188A patent/JP2004113598A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101003396B1 (ko) | 2008-11-18 | 2010-12-22 | 박종열 | 진공청소기용 방향물 홀더 |
JP2014108096A (ja) * | 2012-12-04 | 2014-06-12 | Asante Inc | トコジラミ吸引用具、前記トコジラミ吸引用具を用いたトコジラミ検査用キット、並びにこれらを用いたトコジラミの有無の検査方法 |
JP2021029616A (ja) * | 2019-08-23 | 2021-03-01 | 花王株式会社 | 脱臭具 |
GB2624014A (en) * | 2022-11-04 | 2024-05-08 | Dyson Technology Ltd | A vacuum cleaner |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5201917B2 (ja) | 空気清浄機 | |
CN212281954U (zh) | 一种卧床患者***物移动净化处理仪 | |
JP2004113598A (ja) | 電気掃除機用脱臭アダプタ | |
WO2016051673A1 (ja) | 電気掃除機 | |
CA3111829A1 (en) | Filtration assembly for reducing malaodors in air and aerosolized waste from toilets | |
JP4974620B2 (ja) | 電気掃除機用集塵袋及び電気掃除機 | |
JP2006055253A (ja) | 脱臭方法及び脱臭装置並びにその脱臭方法、脱臭装置を用いた電気掃除機 | |
JP2004000413A (ja) | 局所脱臭装置 | |
JP2011143048A (ja) | 電気掃除機 | |
CN111658366A (zh) | 一种卧床患者***物移动净化处理仪 | |
KR20050083155A (ko) | 살균장치가 내장된 화장지걸이 하우징 | |
JP2004024414A (ja) | 電気掃除機 | |
JP4380690B2 (ja) | 電気掃除機用集塵袋及び電気掃除機 | |
CN213841232U (zh) | 一种除尘效果好的空气净化器 | |
JP2000254158A (ja) | 局所発生臭気の脱臭装置及びそれに用いる脱臭部 | |
KR100213789B1 (ko) | 청소기의 항균, 소취 필터 및 그 제조방법 | |
JP2516738Y2 (ja) | 屎尿用脱臭装置 | |
JP2008132243A (ja) | 電気掃除機 | |
JP2005027808A (ja) | 電気掃除機 | |
JP2006280493A (ja) | 電気掃除機用集塵袋及びそれを用いた電気掃除機 | |
JP2006175008A (ja) | テーブル取付用消煙・消臭装置 | |
CN101919772A (zh) | ***型护理用消臭便盆 | |
JP3008640U (ja) | オゾン脱臭装置付き和式便器及び和式便器用オゾン脱臭装置 | |
WO2006108320A1 (en) | Surface deodorizer with vacuum cleaning capability | |
CN205935117U (zh) | 坐便器除臭杀菌装置 |