JP2004112967A - 回転電機の冷却構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷却性能に優れた回転電機の冷却構造を提供する。
【解決手段】回転軸に連結するロータ30と、ロータ30の外側に同軸に配置されたステータ20とを、ケース10の内部に収め、ステータ20は軸方向に延在するステータコア21を円周方向に複数個配置し、ステータコア21にコイル22を巻装した回転電機において、ステータコア21を軸方向に貫通して形成した第1の冷媒通路50と、隣り合うステータコア間に形成した第2の冷媒通路24とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】回転軸に連結するロータ30と、ロータ30の外側に同軸に配置されたステータ20とを、ケース10の内部に収め、ステータ20は軸方向に延在するステータコア21を円周方向に複数個配置し、ステータコア21にコイル22を巻装した回転電機において、ステータコア21を軸方向に貫通して形成した第1の冷媒通路50と、隣り合うステータコア間に形成した第2の冷媒通路24とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転電機(モータ、ジェネレータ又はモータ兼ジェネレータなど)のステータを効率よく冷却する回転電機の冷却構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、回転電機(例えば、モータ、ジェネレータ又はモータ兼ジェネレータなど)において、ステータコアに貫通穴を開けて、その貫通穴に中空ボルトを通し、さらに、その中空ボルトに冷媒を流すことで、ステータを冷却する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−336966号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述した従来技術では、熱源であるステータコイルと冷媒との距離が離れているので、ステータコアや中空ボルトに影響され、ステータコイルを冷却する性能はあまりよくなかった。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、冷却性能に優れた回転電機の冷却構造を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
【0007】
本発明は、回転軸に連結するロータ(30)と、該ロータ(30)の外側に同軸に配置されたステータ(20)とを、ケース(10)の内部に収め、該ステータ(20)は軸方向に延在するステータコア(21)を円周方向に複数個配置し、前記ステータコア(21)にコイル(22)を巻装した回転電機において、前記ステータコア(21)を軸方向に貫通して形成した第1の冷媒通路(50)と、隣り合うステータコア間に形成した第2の冷媒通路(24)とを備えることを特徴とする。
【0008】
【作用・効果】
本発明によれば、コイル及びステータコアを、第1、第2の冷媒通路を流れる冷媒で冷却することができるので、優れた冷却性能を呈する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面等を参照して、本発明の実施の形態について、さらに詳しく説明する。
(第1実施形態)
図1、図2は、本発明の第1実施形態における回転電機を示す断面図である。なお、図1は図2のI−I矢視図、図2は図1のII−II矢視図になっている。
この回転電機1は、ケース10と、ステータ20と、ロータ30とを備え、例えば、モータ、ジェネレータ又はモータ兼ジェネレータ等として機能するものである。
【0010】
ケース10は、円筒部11と、この円筒部11の軸方向両端の開口部を閉塞する側板部12,13とから構成されている。側板部12,13はボルト等(図示略)によって円筒部11に固定されている。側板部12,13には、ロータ30の回転軸32(後述)を回転自在に支持するためのベアリング12d,13dが設けられている。側板部12の内部には冷却水流路12aが形成され、側板部13の内部には冷却水流路13aが形成されている。また、冷却水流路12aには給水口12bが形成され、冷却水流路13aには排水口13bが形成されている。外部から供給された冷却水は、給水口12bから取水され、冷却水流路12a、通水パイプ50(後述)、冷却水流路13aを通過して排水口13bから排出される。なお、この給水口12bは冷却水を供給する装置に応じた大きさになっている。
【0011】
また、側板部12にはオイル取入口12cが形成され、側板部13にはオイル排出口13cが形成されている。
【0012】
ステータ20は、ケース10の円筒部11の内周に設けられている。ステータ20は、ステータコア21と、ステータコイル22とを有する(図3参照)。ステータのロータ側の面(内周面)には、円筒状のステータ内周壁面23a,23bが形成されており、このステータ内周壁面23a,23bは、その一端が側板部12,13に固定されている。また、ステータコア21と側板部12,13との間であって、ケース10の円筒部11の内周面に沿った部分には、熱を伝導可能な熱伝導リング41,42が設けられている。このステータ内周壁面23aと、ステータコア21と、側板部12と、熱伝導リング41とで画成されて、第1冷却オイル室24aが形成される。また、ステータ内周壁面23bと、ステータコア21と、側板部13と、熱伝導リング42とで画成されて、第2冷却オイル室24bが形成される。
【0013】
ステータコア21は、ケース10の円筒部11に内接するバックコア21aと、そのバックコア21aから内周側に延設されたティース21bとを有する(図3参照)。
【0014】
また、ステータ20には、ステータコア21及び熱伝導リング41,42を貫通する通水パイプ50が設けられている。この通水パイプ50の一端は冷却水流路12aに連通され、他端は冷却水流路13aに連通され、冷却水を冷却水流路12a〜冷却水流路13aに通流可能にする。
【0015】
また、オイル取入口12cから取り入れられたオイルは、第1冷却オイル室24a、第2冷却オイル室24bを通過してオイル排出口13cから排出されるまでに、ステータコイル22の熱を吸熱する。その熱が熱伝導リング41、42を介して通水パイプ50に伝導され、通水パイプ50を流れる冷却水によって冷却される。
【0016】
このように構造となっているので、ステータコイル22を冷却する冷却性能は、熱伝導リング41,42の材質、寸法(大きさ)等によって変わる。例えば、ステータコアよりもコイルの発熱量が大きく、オイルの温度上昇が懸念される場合のように、ステータコイル22の温度を上昇させないようにする場合(冷却水と冷却オイルとの熱交換を積極的に行う場合)には、熱伝導リング41,42の材料として、熱伝導率の高い材料(例えば、アルミニウム)を使用するとよい。また、熱伝導リング41,42の厚さを薄くするとよい。
【0017】
一方、コイルよりもステータコアの発熱量が大きく、水温の上昇が懸念される場合のように、冷却水と冷却オイルとの熱交換をあまり行いたくない場合は、熱伝導リング41,42の材料として、熱伝導率の低い材料(例えば、ステンレス)を使用するとよい。また、熱伝導リング41,42の厚さを厚くするとよい。
【0018】
また、本実施形態の熱伝導リング41,42は、円筒部11の内周であって側板部12,13の近傍部分に、凹凸状の吸熱フィン41a,42aを有する。この吸熱フィン41a,42aは、第1冷却オイル室24a、第2冷却オイル室24bに配置され、その第1冷却オイル室24a、第2冷却オイル室24bを流れる冷却オイルから熱を吸熱する。
【0019】
ロータ30は、ステータ20の内側に配置されている。このロータ30は、円柱形状のロータコア31と、このロータコア31の中心軸上に貫通配置される回転軸32とを備える。回転軸32の両端はそれぞれベアリング12d,13dを介して側板部12,13に支持されており、回転自在となっている。ロータ30の外周面近傍には磁石31aが配置されている。
【0020】
次に、図3(図1のIII−III矢視図)を参照してステータ20をより詳細に説明する。
【0021】
ステータ20のステータコア21は、円筒部11に沿うリング形状のバックコア21aと、このバックコア21aから半径方向内側に突出するティース21bとを備える。このティース21bには絶縁キャップ21dが取り付けられており、その上からステータコイル22が集中巻きされている。この絶縁キャップ21dは絶縁性能を有し、ステータコア21とステータコイル22との導通を防止する。また、絶縁キャップ21dの表面がステータ20の端面となっている(図1参照)。
【0022】
ステータ20はケース10の円筒部11に圧入(焼き嵌め等)されており、したがってステータ20はケース10に対し固定された状態となっている。
【0023】
また、ティース21bの間の空間がスロット21cであり、ステータコイル22は、このスロット21cに通されている。スロット21cは、軸方向の両端部分及び半径方向内周側が開口した溝状の空間であるが、樹脂21eで半径方向内周側の開口部分を閉塞することで、ステータコイル22を冷却するための冷却オイルを通流可能なオイル通路24として、このスロット21cを利用する。このように形成したオイル通路24は、第1冷却オイル室24a及び第2冷却オイル室24bを連通している。したがって、上述のように、オイル取入口12cから取り入れられたオイルは、第1冷却オイル室24a、オイル通路24、第2冷却オイル室24bを通過してオイル排出口13cから排出されることとなり、その間に、ステータコイル22の熱を吸熱する。
【0024】
また、異なる冷媒を用いることにより、冷媒の温度差により高温の冷媒を低温の冷媒で冷却することができる。
【0025】
本実施形態によれば、冷却オイルをオイル通路24に流してステータコイル22を、錆を発生させることなく、絶縁性を保ちながら直接冷却するので、冷却性能に優れる。
【0026】
さらに、そのうえ、吸熱フィン41a,42aを設けることで、オイル通路24に流す冷却オイルを冷やす性能を一層向上させることができたのである。
【0027】
また、熱伝導リング41,42の材質、サイズ等を適宜選択することで、冷却性能を最適に調整可能である。
【0028】
(第2実施形態)
図4、図5は、本発明の第2実施形態における回転電機を示す断面図である。なお、図4は図5のIV−IV矢視図、図5は図4のV−V矢視図になっている。
また、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。
【0029】
第1実施形態では、絶縁キャップ21dと、熱伝導リング41,42とを別体で形成した場合を例示して説明したが、本実施形態では両者を一体に形成してある。すなわち、熱伝導リング41,42の端部41b,42bが、第1実施形態でいう絶縁キャップの役割を果たし、ステータコア21とステータコイル22との導通を防止する。
【0030】
また、本実施形態の熱伝導リング41,42は、第1実施形態と比べて、厚さが厚い。また、本実施形態では、吸熱フィンは設けられていない。このように、冷却水と冷却オイルとの熱交換をあまり行いたくない場合は、熱伝導リング41,42の厚さを厚くし、また、吸熱フィンを設けないようにするとよい。
【0031】
本実施形態によれば、熱伝導リング41,42の端部41b,42bで、ステータコア21とステータコイル22との導通を防止するので、部品点数を減少させることができ、コストを安価に抑えることができる。
【0032】
なお、以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明と均等であることは明白である。
【0033】
例えば、第1実施形態のように、絶縁キャップ21dと、熱伝導リング41,42とを別体で形成した場合において、吸熱フィン41a,42aを形成しなくてもよい。
【0034】
また、第2実施形態のように、絶縁キャップ21dと、熱伝導リング41,42とを一体で形成した場合において、さらに吸熱フィン41a,42aを形成してもよい。
【0035】
さらに、本実施形態では、異なる2種類の冷媒を用いる場合を挙げて説明したが、同一の冷媒を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における回転電機の軸直角方向から見た断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態における回転電機の軸方向から見た断面図である。
【図3】図1のIII−III矢視図である。
【図4】本発明の第2実施形態における回転電機の軸直角方向から見た断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態における回転電機の軸方向から見た断面図である。
【符号の説明】
1 回転電機
10 ケース
20 ステータ
21 ステータコア
21b ティース
21c スロット
21e 樹脂(スロット閉塞部材)
24 オイル通路(第2の冷媒通路)
30 ロータ
41,42 熱伝導リング(熱伝導部材)
41a,42a 吸熱フィン(吸熱部)
50 通水パイプ(第1の冷媒通路)
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転電機(モータ、ジェネレータ又はモータ兼ジェネレータなど)のステータを効率よく冷却する回転電機の冷却構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、回転電機(例えば、モータ、ジェネレータ又はモータ兼ジェネレータなど)において、ステータコアに貫通穴を開けて、その貫通穴に中空ボルトを通し、さらに、その中空ボルトに冷媒を流すことで、ステータを冷却する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−336966号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述した従来技術では、熱源であるステータコイルと冷媒との距離が離れているので、ステータコアや中空ボルトに影響され、ステータコイルを冷却する性能はあまりよくなかった。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、冷却性能に優れた回転電機の冷却構造を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
【0007】
本発明は、回転軸に連結するロータ(30)と、該ロータ(30)の外側に同軸に配置されたステータ(20)とを、ケース(10)の内部に収め、該ステータ(20)は軸方向に延在するステータコア(21)を円周方向に複数個配置し、前記ステータコア(21)にコイル(22)を巻装した回転電機において、前記ステータコア(21)を軸方向に貫通して形成した第1の冷媒通路(50)と、隣り合うステータコア間に形成した第2の冷媒通路(24)とを備えることを特徴とする。
【0008】
【作用・効果】
本発明によれば、コイル及びステータコアを、第1、第2の冷媒通路を流れる冷媒で冷却することができるので、優れた冷却性能を呈する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面等を参照して、本発明の実施の形態について、さらに詳しく説明する。
(第1実施形態)
図1、図2は、本発明の第1実施形態における回転電機を示す断面図である。なお、図1は図2のI−I矢視図、図2は図1のII−II矢視図になっている。
この回転電機1は、ケース10と、ステータ20と、ロータ30とを備え、例えば、モータ、ジェネレータ又はモータ兼ジェネレータ等として機能するものである。
【0010】
ケース10は、円筒部11と、この円筒部11の軸方向両端の開口部を閉塞する側板部12,13とから構成されている。側板部12,13はボルト等(図示略)によって円筒部11に固定されている。側板部12,13には、ロータ30の回転軸32(後述)を回転自在に支持するためのベアリング12d,13dが設けられている。側板部12の内部には冷却水流路12aが形成され、側板部13の内部には冷却水流路13aが形成されている。また、冷却水流路12aには給水口12bが形成され、冷却水流路13aには排水口13bが形成されている。外部から供給された冷却水は、給水口12bから取水され、冷却水流路12a、通水パイプ50(後述)、冷却水流路13aを通過して排水口13bから排出される。なお、この給水口12bは冷却水を供給する装置に応じた大きさになっている。
【0011】
また、側板部12にはオイル取入口12cが形成され、側板部13にはオイル排出口13cが形成されている。
【0012】
ステータ20は、ケース10の円筒部11の内周に設けられている。ステータ20は、ステータコア21と、ステータコイル22とを有する(図3参照)。ステータのロータ側の面(内周面)には、円筒状のステータ内周壁面23a,23bが形成されており、このステータ内周壁面23a,23bは、その一端が側板部12,13に固定されている。また、ステータコア21と側板部12,13との間であって、ケース10の円筒部11の内周面に沿った部分には、熱を伝導可能な熱伝導リング41,42が設けられている。このステータ内周壁面23aと、ステータコア21と、側板部12と、熱伝導リング41とで画成されて、第1冷却オイル室24aが形成される。また、ステータ内周壁面23bと、ステータコア21と、側板部13と、熱伝導リング42とで画成されて、第2冷却オイル室24bが形成される。
【0013】
ステータコア21は、ケース10の円筒部11に内接するバックコア21aと、そのバックコア21aから内周側に延設されたティース21bとを有する(図3参照)。
【0014】
また、ステータ20には、ステータコア21及び熱伝導リング41,42を貫通する通水パイプ50が設けられている。この通水パイプ50の一端は冷却水流路12aに連通され、他端は冷却水流路13aに連通され、冷却水を冷却水流路12a〜冷却水流路13aに通流可能にする。
【0015】
また、オイル取入口12cから取り入れられたオイルは、第1冷却オイル室24a、第2冷却オイル室24bを通過してオイル排出口13cから排出されるまでに、ステータコイル22の熱を吸熱する。その熱が熱伝導リング41、42を介して通水パイプ50に伝導され、通水パイプ50を流れる冷却水によって冷却される。
【0016】
このように構造となっているので、ステータコイル22を冷却する冷却性能は、熱伝導リング41,42の材質、寸法(大きさ)等によって変わる。例えば、ステータコアよりもコイルの発熱量が大きく、オイルの温度上昇が懸念される場合のように、ステータコイル22の温度を上昇させないようにする場合(冷却水と冷却オイルとの熱交換を積極的に行う場合)には、熱伝導リング41,42の材料として、熱伝導率の高い材料(例えば、アルミニウム)を使用するとよい。また、熱伝導リング41,42の厚さを薄くするとよい。
【0017】
一方、コイルよりもステータコアの発熱量が大きく、水温の上昇が懸念される場合のように、冷却水と冷却オイルとの熱交換をあまり行いたくない場合は、熱伝導リング41,42の材料として、熱伝導率の低い材料(例えば、ステンレス)を使用するとよい。また、熱伝導リング41,42の厚さを厚くするとよい。
【0018】
また、本実施形態の熱伝導リング41,42は、円筒部11の内周であって側板部12,13の近傍部分に、凹凸状の吸熱フィン41a,42aを有する。この吸熱フィン41a,42aは、第1冷却オイル室24a、第2冷却オイル室24bに配置され、その第1冷却オイル室24a、第2冷却オイル室24bを流れる冷却オイルから熱を吸熱する。
【0019】
ロータ30は、ステータ20の内側に配置されている。このロータ30は、円柱形状のロータコア31と、このロータコア31の中心軸上に貫通配置される回転軸32とを備える。回転軸32の両端はそれぞれベアリング12d,13dを介して側板部12,13に支持されており、回転自在となっている。ロータ30の外周面近傍には磁石31aが配置されている。
【0020】
次に、図3(図1のIII−III矢視図)を参照してステータ20をより詳細に説明する。
【0021】
ステータ20のステータコア21は、円筒部11に沿うリング形状のバックコア21aと、このバックコア21aから半径方向内側に突出するティース21bとを備える。このティース21bには絶縁キャップ21dが取り付けられており、その上からステータコイル22が集中巻きされている。この絶縁キャップ21dは絶縁性能を有し、ステータコア21とステータコイル22との導通を防止する。また、絶縁キャップ21dの表面がステータ20の端面となっている(図1参照)。
【0022】
ステータ20はケース10の円筒部11に圧入(焼き嵌め等)されており、したがってステータ20はケース10に対し固定された状態となっている。
【0023】
また、ティース21bの間の空間がスロット21cであり、ステータコイル22は、このスロット21cに通されている。スロット21cは、軸方向の両端部分及び半径方向内周側が開口した溝状の空間であるが、樹脂21eで半径方向内周側の開口部分を閉塞することで、ステータコイル22を冷却するための冷却オイルを通流可能なオイル通路24として、このスロット21cを利用する。このように形成したオイル通路24は、第1冷却オイル室24a及び第2冷却オイル室24bを連通している。したがって、上述のように、オイル取入口12cから取り入れられたオイルは、第1冷却オイル室24a、オイル通路24、第2冷却オイル室24bを通過してオイル排出口13cから排出されることとなり、その間に、ステータコイル22の熱を吸熱する。
【0024】
また、異なる冷媒を用いることにより、冷媒の温度差により高温の冷媒を低温の冷媒で冷却することができる。
【0025】
本実施形態によれば、冷却オイルをオイル通路24に流してステータコイル22を、錆を発生させることなく、絶縁性を保ちながら直接冷却するので、冷却性能に優れる。
【0026】
さらに、そのうえ、吸熱フィン41a,42aを設けることで、オイル通路24に流す冷却オイルを冷やす性能を一層向上させることができたのである。
【0027】
また、熱伝導リング41,42の材質、サイズ等を適宜選択することで、冷却性能を最適に調整可能である。
【0028】
(第2実施形態)
図4、図5は、本発明の第2実施形態における回転電機を示す断面図である。なお、図4は図5のIV−IV矢視図、図5は図4のV−V矢視図になっている。
また、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。
【0029】
第1実施形態では、絶縁キャップ21dと、熱伝導リング41,42とを別体で形成した場合を例示して説明したが、本実施形態では両者を一体に形成してある。すなわち、熱伝導リング41,42の端部41b,42bが、第1実施形態でいう絶縁キャップの役割を果たし、ステータコア21とステータコイル22との導通を防止する。
【0030】
また、本実施形態の熱伝導リング41,42は、第1実施形態と比べて、厚さが厚い。また、本実施形態では、吸熱フィンは設けられていない。このように、冷却水と冷却オイルとの熱交換をあまり行いたくない場合は、熱伝導リング41,42の厚さを厚くし、また、吸熱フィンを設けないようにするとよい。
【0031】
本実施形態によれば、熱伝導リング41,42の端部41b,42bで、ステータコア21とステータコイル22との導通を防止するので、部品点数を減少させることができ、コストを安価に抑えることができる。
【0032】
なお、以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明と均等であることは明白である。
【0033】
例えば、第1実施形態のように、絶縁キャップ21dと、熱伝導リング41,42とを別体で形成した場合において、吸熱フィン41a,42aを形成しなくてもよい。
【0034】
また、第2実施形態のように、絶縁キャップ21dと、熱伝導リング41,42とを一体で形成した場合において、さらに吸熱フィン41a,42aを形成してもよい。
【0035】
さらに、本実施形態では、異なる2種類の冷媒を用いる場合を挙げて説明したが、同一の冷媒を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における回転電機の軸直角方向から見た断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態における回転電機の軸方向から見た断面図である。
【図3】図1のIII−III矢視図である。
【図4】本発明の第2実施形態における回転電機の軸直角方向から見た断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態における回転電機の軸方向から見た断面図である。
【符号の説明】
1 回転電機
10 ケース
20 ステータ
21 ステータコア
21b ティース
21c スロット
21e 樹脂(スロット閉塞部材)
24 オイル通路(第2の冷媒通路)
30 ロータ
41,42 熱伝導リング(熱伝導部材)
41a,42a 吸熱フィン(吸熱部)
50 通水パイプ(第1の冷媒通路)
Claims (9)
- 回転軸に連結するロータと、該ロータの外側に同軸に配置されたステータとを、ケースの内部に収め、該ステータは軸方向に延在するステータコアを円周方向に複数個配置し、前記ステータコアにコイルを巻装した回転電機において、
前記ステータコアを軸方向に貫通して形成した第1の冷媒通路と、
隣り合うステータコア間に形成した第2の冷媒通路と、
を備えることを特徴とする回転電機の冷却構造。 - 前記第1の冷媒通路には冷媒として冷却水を流し、前記第2の冷媒通路には冷媒として冷却オイルを流す
ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機の冷却構造。 - 前記第2の冷媒通路は、ティース先端付近に配置され、そのティース間のスロットの開口部分を閉塞するスロット閉塞部材によって形成されている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の回転電機の冷却構造。 - 前記第1の冷媒通路は、冷媒を供給する冷媒供給装置を接続可能であって、その冷媒供給装置に応じた接続口を有する
ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の回転電機の冷却構造。 - 前記第1の冷媒通路を貫通させて、前記第2の冷媒通路を流れる冷媒の熱を伝導して、前記第1の冷媒通路を流れる冷媒と、前記第2の冷媒通路を流れる冷媒との熱交換を行わせる熱伝導部材を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の回転電機の冷却構造。 - 前記熱伝導部材は、熱伝導率の高い材料にすることによって、前記第1及び第2の冷媒通路を流れる冷媒の熱交換性能を高いものとし、熱伝導率の低い材料にすることによって、前記第1及び第2の冷媒通路を流れる冷媒の熱交換性能を低いものとする
ことを特徴とする請求項5に記載の回転電機の冷却構造。 - 前記熱伝導部材は、厚さを薄くすることによって、前記第1及び第2の冷媒通路を流れる冷媒の熱交換性能を高いものとし、厚さを厚くすることによって、前記第1及び第2の冷媒通路を流れる冷媒の熱交換性能を低いものとする
ことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の回転電機の冷却構造。 - 前記熱伝導部材は、前記第2の冷媒通路を流れる冷媒の熱を吸熱可能な凹凸状の吸熱部を有する
ことを特徴とする請求項5から請求項7までのいずれか1項に記載の回転電機の冷却構造。 - 前記ティースと前記コイルとの間に配置され、そのティースとコイルとを絶縁する絶縁部材を備え、
前記熱伝導部材は、前記絶縁部材と一体的に形成されている
ことを特徴とする請求項5から請求項8までのいずれか1項に記載の回転電機の冷却構造。
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