JP2004109934A - レンズ鏡胴、ズームレンズ鏡胴、カメラおよび撮像光学系のリセット方法 - Google Patents
レンズ鏡胴、ズームレンズ鏡胴、カメラおよび撮像光学系のリセット方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】各独立に駆動すべき複数のレンズ群よりも少ない数の基準位置検出手段により光の送受を利用して前記レンズ群の位置を検出するとともに、簡単な構成で前記各レンズ群を区別して位置を検出し、各レンズ群の基準位置リセットをスムーズに且つ迅速に行なう。
【解決手段】第2群光学系2に減光板を設け、第3群光学系3には遮光板を設けて、減光板および遮光板の双方が光路を通過するようにフォトインタラプタが配置されている。リセット開始時にフォトインタラプタの受光量が減光状態または光量に変化がある場合は、第1群光学系1および第2群光学系2が概ね収納位置にあることを示しており、この場合は第1群光学系1および第2群光学系2をリセットした後、所定の位置に繰り出す。その後、第3群光学系3をリセットして、所定の位置に繰出し、リセット動作を完了する。
【選択図】 図1
【解決手段】第2群光学系2に減光板を設け、第3群光学系3には遮光板を設けて、減光板および遮光板の双方が光路を通過するようにフォトインタラプタが配置されている。リセット開始時にフォトインタラプタの受光量が減光状態または光量に変化がある場合は、第1群光学系1および第2群光学系2が概ね収納位置にあることを示しており、この場合は第1群光学系1および第2群光学系2をリセットした後、所定の位置に繰り出す。その後、第3群光学系3をリセットして、所定の位置に繰出し、リセット動作を完了する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラにおける撮像光学系に係り、特に独立駆動される複数のレンズ群により構成した撮影光学系を含むレンズ鏡胴における基準位置検出技術の改善を図ったレンズ鏡胴、ズームレンズ鏡胴、カメラおよび撮像光学系のリセット方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カメラの撮像光学系等のレンズ鏡胴において、光学系を複数のレンズ群で構成し、これら複数のレンズ群を各独立に駆動しているものがある。このように複数のレンズ群を各独立に制御する場合、各レンズ群毎に位置検出を行なって、ズーミング等の変倍制御、フォーカシング等の合焦制御および沈胴等の収納制御等の制御を行なっている。これら制御の駆動源としては、主としてDC(直流)モータおよびパルスモータ等が用いられる。DCモータの場合には、レンズ群の移動量をギヤ列に連動し、フォトインタラプタにおける遮光と通光(非遮光)を繰り返すエンコーダによりそのカウント数で位置を検出する方法がある。そして、パルスモータの場合には、与えたパルス数により位置を検出する方法がある。
これらの制御にあたっては、絶対的な位置を正確に把握するためにある基準位置を設ける必要がある。従来、一般的には、精度良く基準位置を検出するために駆動手段毎に遮光板を設け、フォトインタラプタの遮光により基準位置を検出することが行なわれていた。しかしながら、駆動手段毎に専用のフォトインタラプタを設けるとそれらを設置するスペースが必要となり、鏡胴の大型化、コストの増大および消費電流の増大を引き起こす。
このような問題を解決するために、基準 位置検出に用いるフォトインタラプタを複数のレンズ群で共用し、時系列的に分離検出する方法が、例えば、下記の特許文献1において提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特許第2925302号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献1の方法では、例えばカメラの電源を入れたときなどに、位置検出をしようとしても、そのときフォトインタラプタを遮光しているのがどちらのレンズ群の遮光板なのかわからないことが起こる。特に、例えばレンズ群の繰出し中および収納中における強制的な電力の遮断による異常終了後の電源投入の際には、システムが各レンズ群の位置を把握できないということが起こる。このような場合には、一旦、リセット位置などで確実な位置が検出されるまで、レンズ群を移動させてから、正常な位置制御を行なうことになる。ところが、このような場合には、位置検出前には、不適正なレンズ駆動が行なわれるおそれがある。すなわち、レンズ群が必要以上に移動してしまい、機械的な繰出し限界にぶつかってしまったり、1つのレンズ群が正常位置にない状態で、他のレンズ群を移動させてしまい、レンズ同士が衝突してしまったりするおそれがあった。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、各独立に駆動すべき複数のレンズ群よりも少ない数の基準位置検出手段により光の送受を利用して前記レンズ群の位置を検出するとともに、簡単な構成で前記各レンズ群を区別して位置を検出し、各レンズ群の基準位置リセットをスムーズに且つ迅速に行なうことを可能とするレンズ鏡胴、ズームレンズ鏡胴、カメラおよび撮像光学系のリセット方法を提供することを目的としている。
本発明の請求項1の目的は、特に、簡単な構成で駆動手段より数の少ない基準位置検出手段による位置検出時のレンズ群毎に異なる受光量特性を示す構成とし、各レンズ群の基準位置リセットをスムーズに且つ迅速に行なうことを可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項2の目的は、特に、基準位置検出手段による位置検出時にレンズ群毎に少ないばらつきで且つ安定な受光量特性を得ることを可能とし、検出精度を向上させ得るレンズ鏡胴を提供することにある。
【0006】
本発明の請求項3の目的は、特に、基準位置検出手段による位置検出時にレンズ群毎に簡単な構成で且つノイズやばらつきによる誤検出がなく確実な受光量特性を得ることを可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項4の目的は、特に、位置検出時にレンズ群毎に確実で且つ高精度の受光量特性を得ることを可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項5の目的は、特に、位置検出時にレンズ群毎に簡単な構成で且つ高精度の受光量特性を得ることを可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。本発明の請求項6の目的は、特に、部品点数、製造コストおよび消費電流を最小限に抑え、小型化を可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項7の目的は、特に、通常撮影時および収納時のレンズ群の位置を既定し、基準位置検出およびリセットをスムーズに且つ確実に行なうことを可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項8の目的は、特に、単純で且つ的確に構成し、より適切な動作を可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
【0007】
本発明の請求項9の目的は、特に、最も基本的な動作状態である通常撮影状態を明確に規定して動作の簡単化および確実化を可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項10の目的は、特に、最も基本的な動作状態である通常撮影状態を明確に規定して動作の簡単化および確実化を可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項11の目的は、特に、リセット開始時の基準位置検出手段の受光量特性に基づく適切な順序で、撮像光学系のリセット動作を行なうことが可能な撮像光学系のリセット方法を提供することにある。
本発明の請求項12の目的は、特に、基準位置検出手段の減光手段に対応する受光量特性とレンズ群の動作を規定し安定で且つ速やかな動作を可能とする撮像光学系のリセット方法を提供することにある。
本発明の請求項13の目的は、特に、基準位置検出手段の光路開閉手段に対応する受光量特性とレンズ群の動作を規定し安定な動作を可能とする撮像光学系のリセット方法を提供することにある。
【0008】
本発明の請求項14の目的は、特に、さらに確実で安定な動作を可能とする撮像光学系のリセット方法を提供することにある。
本発明の請求項15の目的は、特に、基準位置検出手段の受光量特性によって容易に通常撮影状態を把握し得るようにして確実で且つ速やかな動作を実現し得る撮像光学系のリセット方法を提供することにある。
本発明の請求項16の目的は、特に、基準位置検出手段の受光量特性によって容易に収納状態を把握し得るようにして確実で且つ速やかな動作を実現し得る撮像光学系のリセット方法を提供することにある。
本発明の請求項17の目的は、特に、部品点数が少なく、製造コストを抑え、消費電流が少なく、レンズ群の干渉なしに基準位置の検出ができるズームレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項18の目的は、特に、部品点数が少なく、製造コストを抑え、消費電流が少なく、リセット動作をスムーズに行なうことが可能なカメラを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、上述した目的を達成するために、
2群以上のレンズ群を含む撮像光学系と、前記撮像光学系の各レンズ群を光軸方向に沿ってそれぞれ独立に駆動する2以上の駆動手段とを備えるレンズ鏡胴において、
投光素子と受光素子とを有しこれら投光素子と受光素子との間の光の送受を利用して前記レンズ群が基準位置にあることを検出するための前記駆動手段の数よりも少ない1個以上の基準位置検出手段と、
前記撮像光学系の独立に駆動されるレンズ群のうちの1つのレンズ群に付設され、前記基準位置検出手段の投光素子から受光素子に至る光路を開閉する光路開閉手段と、
前記撮像光学系の独立に駆動されるレンズ群のうちの他のレンズ群に付設され、前記基準位置検出手段の投光素子から受光素子に至る光路の光を減光させる減光手段と
を具備することを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項1のレンズ鏡胴であって、前記減光手段が、ND(中間濃度)フィルタを用いて構成した減光部材を含むことを特徴としている。
請求項3に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項1のレンズ鏡胴であって、前記減光手段が、おおむね格子状に穿孔された多孔遮光板を用いて構成した減光部材を含むことを特徴としている。
請求項4に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項のレンズ鏡胴であって、前記基準位置検出手段が、前記投光素子から前記受光素子に至る光路が前記光路開閉手段および前記減光手段によってそれぞれ遮光および減光されることによって各別に位置検出を行なうフォトインタラプタを含むことを特徴としている。
請求項5に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項のレンズ鏡胴であって、前記基準位置検出手段が、前記投光素子からの光を、ほぼ全反射にて反射偏向して前記受光素子に至る光路を形成する前記光路開閉手段の反射の有無および所定の中間反射率にて反射偏向して前記受光素子に至る光路を形成する前記減光手段の反射の有無によって、各別に位置検出を行なうフォトリフレクタを含むことを特徴としている。
【0011】
請求項6に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項1〜請求項5のうちのいずれか1項のレンズ鏡胴であって、前記基準位置検出手段が1個設けられていることを特徴としている。
請求項7に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項1〜請求項5のうちのいずれか1項のレンズ鏡胴であって、前記撮像光学系の前記各レンズ群が、通常撮影を行うための通常撮影領域と撮影を行わない収納領域とを含む移動領域を有することを特徴としている。
請求項8に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項1〜請求項5のうちのいずれか1項のレンズ鏡胴であって、前記駆動手段が2個設けられ、これらのうちの一方の駆動手段により駆動される前記減光手段が前記撮像光学系のうちの物体側のレンズ群に付設され、そして他方の前記駆動手段により駆動される前記光路開閉手段が前記撮像光学系のうちの像面側のレンズ群に付設されていることを特徴としている。
【0012】
請求項9に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項1〜請求項5のうちのいずれか1項のレンズ鏡胴であって、前記撮像光学系の前記各レンズ群が、通常撮影を行うための通常撮影領域と撮影を行わない収納領域とを含む移動領域を有し、且つ前記駆動手段が2個設けられ、これらのうちの一方の駆動手段により駆動される前記減光手段が前記撮像光学系のうちの物体側のレンズ群に付設され、そして他方の前記駆動手段により駆動される前記光路開閉手段が前記撮像光学系のうちの像面側のレンズ群に付設されており、通常撮影領域では、常に前記光路開閉手段が前記基準位置検出手段の光路に作用して検出状態としていることを特徴としている。
請求項10に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項1〜請求項5のうちのいずれか1項のレンズ鏡胴であって、前記撮像光学系の前記各レンズ群が、通常撮影を行うための通常撮影領域と撮影を行わない収納領域とを含む移動領域を有し、且つ前記駆動手段が2個設けられ、これらのうちの一方の駆動手段により駆動される前記減光手段が前記撮像光学系のうちの物体側のレンズ群に付設され、そして他方の前記駆動手段により駆動される前記光路開閉手段が前記撮像光学系のうちの像面側のレンズ群に付設されており、収納領域では、常に前記減光手段が前記基準位置検出手段の光路内にあることを特徴としている。
【0013】
請求項11に記載した本発明に係る撮像光学系のリセット方法は、上述した目的を達成するために、請求項1〜請求項10のいずれか1項のレンズ鏡胴における撮像光学系のリセット方法において、リセット開始時の前記基準位置検出手段の前記受光素子における受光量を比較し、比較結果に基づいて撮像光学系の各レンズ群のリセットの順序を異ならせることを特徴としている。
請求項12に記載した本発明に係る撮像光学系のリセット方法は、請求項11の方法であって、前記撮像光学系の前記減光手段を付設したレンズ群の基準位置を、前記基準位置検出手段の前記受光素子の受光量が減光状態から非検出状態に変化した位置とすることを特徴としている。
請求項13に記載した本発明に係る撮像光学系のリセット方法は、請求項11の方法であって、前記撮像光学系の前記光路開閉手段を付設したレンズ群の基準位置を、前記基準位置検出手段の前記受光素子の受光量が非検出状態から検出状態となった位置とすることを特徴としている。
請求項14に記載した本発明に係る撮像光学系のリセット方法は、請求項11の方法であって、リセット開始時に、前記撮像光学系の物体側のレンズ群を所定量移動させて、前記撮像光学系が通常撮影領域にあるか収納領域にあるかを判別し、その判別結果に基づいてリセット動作を異ならせることを特徴としている。
【0014】
請求項15に記載した本発明に係る撮像光学系のリセット方法は、請求項14の方法であって、通常撮影領域では、常に前記光路開閉手段が前記基準位置検出手段の光路に作用して検出状態とし、収納領域では、常に前記減光手段が前記基準位置検出手段の光路内に位置させるとともに、前記物体側のレンズ群を所定量移動させたときの前記基準位置検出手段の受光素子の受光量が、光路開状態および光路閉状態のいずれか一方の受光状態で継続する場合、前記像面側のレンズ群の基準位置を検出した後に、前記物体側のレンズ群の基準位置の検出を行なうことを特徴としている。
請求項16に記載した本発明に係る撮像光学系のリセット方法は、請求項14の方法であって、通常撮影領域では、常に前記光路開閉手段が前記基準位置検出手段の光路に作用して検出状態とし、収納領域では、常に前記減光手段が前記基準位置検出手段の光路内に位置させるとともに、前記物体側のレンズ群を所定量移動させたときの前記基準位置検出手段の受光素子の受光量が、減光状態および光量変動状態のいずれか一方の受光状態である場合、前記物体側のレンズ群の基準位置を検出した後に、前記像面側のレンズ群の基準位置の検出を行なうことを特徴としている。
【0015】
請求項17に記載した本発明に係るズームレンズ鏡胴は、上述した目的を達成するために、請求項1〜請求項10のいずれか1項のレンズ鏡胴を具備してなり、撮像光学系をズーム光学系として構成したことを特徴としている。
請求項18に記載した本発明に係るカメラは、上述した目的を達成するために、請求項1〜請求項10および請求項17のいずれか1項のレンズ鏡胴、並びに請求項11〜請求項16のいずれか1項の撮像光学系のリセット方法の少なくともいずれかを採用して構成したことを特徴としている。
【0016】
【作用】
すなわち、本発明の請求項1によるレンズ鏡胴は、2群以上のレンズ群を含む撮像光学系と、前記撮像光学系の各レンズ群を光軸方向に沿ってそれぞれ独立に駆動する2以上の駆動手段とを備えるレンズ鏡胴において、投光素子と受光素子とを有しこれら投光素子と受光素子との間の光の送受を利用して前記レンズ群が基準位置にあることを検出するための前記駆動手段の数よりも少ない1個以上の基準位置検出手段と、前記撮像光学系の独立に駆動されるレンズ群のうちの1つのレンズ群に付設され、前記基準位置検出手段の投光素子から受光素子に至る光路を開閉する光路開閉手段と、前記撮像光学系の独立に駆動されるレンズ群のうちの他のレンズ群に付設され、前記基準位置検出手段の投光素子から受光素子に至る光路の光を減光させる減光手段とを具備する。
このような構成により、各独立に駆動すべき複数のレンズ群よりも少ない数の基準位置検出手段により光の送受を利用して前記レンズ群の位置を検出するとともに、簡単な構成で前記各レンズ群を区別して位置を検出し、各レンズ群の基準位置リセットをスムーズに且つ迅速に行なうことが可能となり、特に、簡単な構成で基準位置検出手段による位置検出時のレンズ群毎に異なる受光量特性を示す構成とし、各レンズ群の基準位置リセットをスムーズに且つ迅速に行なうことが可能となる。
【0017】
また、本発明の請求項2によるレンズ鏡胴は、前記減光手段が、ND(中間濃度)フィルタを用いて構成した減光部材を含む。
このような構成により、特に、基準位置検出手段による位置検出時にレンズ群毎に少ないばらつきで且つ安定な受光量特性を得ることが可能となり、延いては検出精度を向上させ得る。
本発明の請求項3によるレンズ鏡胴は、前記減光手段が、おおむね格子状に穿孔された多孔遮光板を用いて構成した減光部材を含む。
このような構成により、特に、基準位置検出手段の受光量が大きな波形の出力をするのでノイズやばらつきによる誤検出を防ぎ、レンズ群毎に簡単な構成で且つ確実な受光量特性を得ることが可能となる。
本発明の請求項4によるレンズ鏡胴は、前記基準位置検出手段が、前記投光素子から前記受光素子に至る光路が前記光路開閉手段および前記減光手段によってそれぞれ遮光および減光されることによって各別に位置検出を行なうフォトインタラプタを含む。
このような構成により、特に、フォトインタラプタの汎用性、高い分解能により、構成が簡単化され、コストを低減させ得ると共に、レンズ群毎に、確実且つ高精度の受光量特性を得ることが可能となる。
【0018】
本発明の請求項5によるレンズ鏡胴は、前記基準位置検出手段が、前記投光素子からの光を、ほぼ全反射にて反射偏向して前記受光素子に至る光路を形成する前記光路開閉手段の反射の有無および所定の中間反射率にて反射偏向して前記受光素子に至る光路を形成する前記減光手段の反射の有無によって、各別に位置検出を行なうフォトリフレクタを含む。
このような構成により、特に、位置検出時にレンズ群毎に簡単な構成で且つ高精度の受光量特性を得ることが可能となる。
本発明の請求項6によるレンズ鏡胴は、前記基準位置検出手段が1個設けられている。
このような構成により、特に、部品点数、製造コストおよび消費電流を最小限に抑えられ、小型化が可能となる。
本発明の請求項7によるレンズ鏡胴は、前記撮像光学系の前記各レンズ群が、通常撮影を行うための通常撮影領域と撮影を行わない収納領域とを含む移動領域を有する。
このような構成により、特に、通常撮影時および収納時のレンズ群の位置を既定し、基準位置検出およびリセットをスムーズに且つ確実に行なうことが可能となる。
【0019】
本発明の請求項8によるレンズ鏡胴は、前記駆動手段が2個設けられ、これらのうちの一方の駆動手段により駆動される前記減光手段が前記撮像光学系のうちの物体側のレンズ群に付設され、そして他方の前記駆動手段により駆動される前記光路開閉手段が前記撮像光学系のうちの像面側のレンズ群に付設されている。このような構成により、特に、単純で且つ的確に構成し、より適切な動作が可能となる。
本発明の請求項9によるレンズ鏡胴は、前記撮像光学系の前記各レンズ群が、通常撮影を行うための通常撮影領域と撮影を行わない収納領域とを含む移動領域を有し、且つ前記駆動手段が2個設けられ、これらのうちの一方の駆動手段により駆動される前記減光手段が前記撮像光学系のうちの物体側のレンズ群に付設され、そして他方の前記駆動手段により駆動される前記光路開閉手段が前記撮像光学系のうちの像面側のレンズ群に付設されており、通常撮影領域では、常に前記光路開閉手段が前記基準位置検出手段の光路に作用して検出状態としている。
このような構成により、特に、最も基本的な動作状態である通常撮影状態を明確に規定して動作の簡単化および確実化が可能となる。
【0020】
本発明の請求項10によるレンズ鏡胴は、前記撮像光学系の前記各レンズ群が、通常撮影を行うための通常撮影領域と撮影を行わない収納領域とを含む移動領域を有し、且つ前記駆動手段が2個設けられ、これらのうちの一方の駆動手段により駆動される前記減光手段が前記撮像光学系のうちの物体側のレンズ群に付設され、そして他方の前記駆動手段により駆動される前記光路開閉手段が前記撮像光学系のうちの像面側のレンズ群に付設されており、収納領域では、常に前記減光手段が前記基準位置検出手段の光路内にある。
このような構成により、特に、最も基本的な動作状態である通常撮影状態を明確に規定して動作の簡単化および確実化が可能となる。
本発明の請求項11による撮像光学系のリセット方法は、請求項1〜請求項10のいずれか1項のレンズ鏡胴における撮像光学系のリセット方法において、リセット開始時の前記基準位置検出手段の前記受光素子における受光量を比較し、比較結果に基づいて撮像光学系の各レンズ群のリセットの順序を異ならせる。
このような構成により、特に、リセット開始時の基準位置検出手段の受光量特性に基づく適切な順序で、撮像光学系のリセット動作を行なうことが可能となる。
【0021】
本発明の請求項12による撮像光学系のリセット方法は、前記撮像光学系の前記減光手段を付設したレンズ群の基準位置を、前記基準位置検出手段の前記受光素子の受光量が減光状態から非検出状態に変化した位置とする。
このような構成により、特に、基準位置検出手段の減光手段に対応する受光量特性とレンズ群の動作を規定し安定で且つ速やかな動作が可能となる。
本発明の請求項13による撮像光学系のリセット方法は、前記撮像光学系の前記光路開閉手段を付設したレンズ群の基準位置を、前記基準位置検出手段の前記受光素子の受光量が非検出状態から検出状態となった位置とする。
このような構成により、特に、基準位置検出手段の光路開閉手段に対応する受光量特性とレンズ群の動作を規定し安定な動作が可能となる。
本発明の請求項14による撮像光学系のリセット方法は、リセット開始時に、前記撮像光学系の物体側のレンズ群を所定量移動させて、前記撮像光学系が通常撮影領域にあるか収納領域にあるかを判別し、その判別結果に基づいてリセット動作を異ならせることを特徴とする。
このような構成により、特に、さらに確実で安定な動作が可能となる。
【0022】
本発明の請求項15による撮像光学系のリセット方法は、通常撮影領域では、常に前記光路開閉手段が前記基準位置検出手段の光路に作用して検出状態とし、収納領域では、常に前記減光手段が前記基準位置検出手段の光路内に位置させるとともに、前記物体側のレンズ群を所定量移動させたときの前記基準位置検出手段の受光素子の受光量が、光路開状態および光路閉状態のいずれか一方の受光状態で継続する場合、前記像面側のレンズ群の基準位置を検出した後に、前記物体側のレンズ群の基準位置の検出を行なう。
このような構成により、特に、基準位置検出手段の受光量特性によって容易に通常撮影状態を把握し得るようにして確実で且つ速やかな動作を実現し得る。本発明の請求項16による撮像光学系のリセット方法は、
通常撮影領域では、常に前記光路開閉手段が前記基準位置検出手段の光路に作用して検出状態とし、収納領域では、常に前記減光手段が前記基準位置検出手段の光路内に位置させるとともに、前記物体側のレンズ群を所定量移動させたときの前記基準位置検出手段の受光素子の受光量が、減光状態および光量変動状態のいずれか一方の受光状態である場合、前記物体側のレンズ群の基準位置を検出した後に、前記像面側のレンズ群の基準位置の検出を行なう。
このような構成により、特に、基準位置検出手段の受光量特性によって容易に収納状態を把握し得るようにして確実で且つ速やかな動作を実現し得る。
【0023】
本発明の請求項17によるズームレンズ鏡胴は、請求項1〜請求項10のいずれか1項のレンズ鏡胴を具備してなり、撮像光学系をズーム光学系として構成した。
このような構成により、特に、部品点数が少なく、製造コストを抑え、消費電流が少なく、レンズ群の干渉なしに基準位置の検出ができる。
本発明の請求項18によるカメラは、請求項1〜請求項10および請求項17のいずれか1項のレンズ鏡胴、並びに請求項11〜請求項16のいずれか1項の撮像光学系のリセット方法の少なくともいずれかを採用する。
このような構成により、特に、部品点数が少なく、製造コストを抑え、消費電流が少なく、リセット動作をスムーズに行なうことが可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に基づき、図面を参照して本発明のレンズ鏡胴を詳細に説明する。
図1および図2は、本発明の第1の実施の形態に係るレンズ鏡胴の構成を示している。図1は、レンズ鏡胴の主要な構成を模式的に示す縦断面図、そして図2は、図1のレンズ鏡胴の詳細な構成を模式的に示す分解斜視図である。
図1および図2に示すレンズ鏡胴は、第1群光学系1、第2群光学系2、第3群光学系3、固定筒4、カム筒5、第1群駆動ピン6、DC(直流)モータ7、ギヤ列8、絞り9、スプリング10、リードスクリュー11、主軸12、副軸13、パルスモータ14、フォトインタラプタ15、フォトインタラプタ16、第2群駆動ピン17およびベース18を具備している。
【0025】
図1および図2のレンズ鏡胴に組み込まれた光学系はズーム光学系であり、ズーミング用、すなわち変倍用の第1群光学系1および第2群光学系2と、フォーカシング用、すなわち合焦用の第3群光学系3とで構成されている。ベース18と、このベース18に固定されている固定筒4とによってカム筒5が光軸方向に挟み込まれている。ズーミング用の駆動源としてのDCモータ7の回転がギヤ列8によって減速されて、カム筒5の回転駆動に供される。カム筒5には、第1群光学系1の位置を決める第1群カム溝5a、第2群光学系2の位置を決める第2群カム溝5bが設けられている。第1群光学系1および第2群光学系2は、それぞれ第1群駆動ピン6、第2群駆動ピン17により支えられている。さらに、固定筒4には、第1群光学系1および第2群光学系2を回転させずに光軸方向に移動させるための光軸方向に沿う案内溝4aおよび4bが設けられている。第1群光学系1および第2群光学系2は、スプリング10によって相反する方向に負荷を受けており、各カム溝5a、5bの精度面に押しつけられている。これによりカム筒5が回転することによって、第1群光学系1および第2群光学系2は、カム溝の精度面によって所要の位置関係を作りつつ回転せずに光軸方向に移動して変倍動作等が行なわれる。
【0026】
ここで、ギヤ列8の一部に連動して回転し、遮光と通光(非遮光)を行なうエンコーダとフォトインタラプタ15によりDCモータ7の回転数もしくはカム筒5の回転量を検知することができ、それによってズーム位置を精度良く検出することが可能である。ここで、駆動源をDCモータ7に代えてパルスモータとし、パルスモータに与えたパルス数によってズーム位置の検出を行なうようにしても良い。第3群光学系3は、主軸12と副軸13とで支えられ、パルスモータ14を駆動源として駆動される。パルスモータ14の回転は、図示していないギヤ列によって減速され、それに連動して回転するリードスクリュー11によって光軸方向に精度良く移動して合焦動作を実行する。
このズームレンズ鏡胴では、カメラの電源をオフとした時に全群の光学系が互いに干渉しない限界まで像側に退き、小型に収納させることができる。収納に際しての動作は、干渉を避けるため、先に第3群光学系3が予め記憶されたパルス数だけ像側に退き、その後に、第1群光学系1および第2群光学系2が連動して予め記憶されたカウント数だけ像側に退く。ここで、第1群光学系1、第2群光学系2および第3群光学系3の位置検出では絶対位置を知るために基準となる基準位置を検出して設定する必要がある。通常、電源をオンとした時に各群の基準位置を検出し、そこから記憶された所定量のカウント数およびパルス数分移動してリセット動作を行なう。
【0027】
本発明では、各々の基準位置の検出をするために駆動手段より少ない基準位置検出手段を配し、物体側レンズ群に減光板、像側レンズ群に遮光板を設ける。また、物体側レンズ群のリセット位置は、基準位置検出手段の投光が減光状態から全光量受光状態になったときとし、像側レンズ群のリセット位置は投光から遮光となったときとしている。遮光板は通常撮影状態で常に基準位置検出手段の投光を遮光する大きさであり、減光板は収納状態で基準位置検出の投光地点から外れない大きさとなるようにする。
この第1の実施の形態では、図3に示すように、物体側(右方側)となる第2群光学系2にNDフィルタを貼り付けた減光板2aを設け、第3群光学系3には遮光板3aを一体的に設けて、減光板2aおよび遮光板3aの双方が光路を通過するように1個のフォトインタラプタ16が配置されている。図4は、電源オン時に撮影状態にある場合、図5は電源オン時に収納状態にある場合を示している。通常の場合、電源オン時には前回の電源オフ時に収納状態で完了する正常終了であれば図5の状態であり、先に第2群光学系2のリセットを行なった後に、所定位置に移動し、その後に第3群光学系3をリセットした後に所定位置に移動させれば、干渉することなくリセット動作を完了することができる。
【0028】
しかしながら、使用時には常に正常に収納状態で終了することはなく、通常撮影状態で電池が抜かれるなどして電源の供給が止まり動作不能となったり、収納途中で電源の供給が止まってしまうことが数多くある。
前述した異常終了後に電源をオンとしたときのリセット動作は、各群光学系の概略位置を検知することができないと、各群光学系を不要な方向に移動させ、光学系群同士の衝突または接触、繰出し過ぎによる他の部品や繰出し限界への衝突を引き起こす危険が非常に高い。本発明では、そうしたことがないようにするために、スムーズにリセット動作を行なうことができる。
図6および図8は、それぞれ通常撮影状態および異常終了状態の遮光板、減光板およびフォトインタラプタの位置関係を示している。図では右方向が物体側となる。図7および図9は、通常撮影状態および異常撮影状態からのリセットを行なう時のフォトインタラプタの受光量を示している。図10は収納状態、そして図11は収納状態でのフォトインタラプタ16の受光量特性を示している。
【0029】
ここで、図12に示すフローチャートを参照してリセット動作の具体的な内容を説明する。
電源オン時など、リセット動作が開始された時(ステップ#11)、第1群光学系1および第2群光学系2を微少量前側に繰り出す(ステップ#12)。詳細には、テレ(望遠)方向に第1群光学系1および第2群光学系2が移動するようにカム筒5を回転させる。その時のフォトインタラプタ16の受光量を検知し、遮光状態のまま光量に変化のない場合は(ステップ#13)、図6に示す通常撮影状態からのリセットであり、また、全光量受光状態のまま光量の変化がない場合は(ステップ#14)、図8に示している第3群光学系3が収納状態で第1群光学系1および第2群光学系2は通常撮影状態にある、いわゆる異常終了状態からのリセットとなることがわかる。これら通常撮影状態、異常終了状態からのリセットは、まず第3群光学系3をリセットし(ステップ#15)、リセット位置を記憶する。第3群光学系3は、その後、元々記憶されている収納位置の移動パルス分だけ後退し収納位置に移動する。第1群光学系1および第2群光学系2は、第3群光学系3の後退後、リセットを行なって(ステップ#16)、リセット位置を記憶し、元々記憶されている所定の位置まで移動する。第1群光学系1および第2群光学系2の移動後、第3群光学系3を元々記憶されている所定の位置に移動して(ステップ#17)、リセット動作完了とする(ステップ#18)。リセット開始時にフォトインタラプタ16の受光量が減光状態もしくは光量に変化がある場合は(ステップ#19)、図10に示すように、第1群光学系1および第2群光学系2が概ね収納位置にあることを示しており、この場合は第1群光学系1および第2群光学系2をリセットした後、元々記憶されているカウント数だけ移動し所定の位置に繰り出す(ステップ#20)。その後、第3群光学系3をリセットして、元々記憶されている所定の位置に繰出して(ステップ#21)、ステップ#18に移行し、リセット動作を完了とする。
このようにすることによって、リセット開始時のフォトインタラプタ16の受光量の違いにより、リセットの順番を変えることによって各群が干渉することなくスムーズにリセット動作を完了することができる。
【0030】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本発明の第2の実施の形態においては、図13に要部の構成を示すように、第1の実施の形態では、NDフィルタを用いていた第2群光学系2の基準位置検出用の減光板2aに代えて、遮光板に対して格子状に穿孔した減光板2bを設けている。
リセット時に、第1群光学系1および第2群光学系2を1格子幅以上物体側に移動させた時、フォトインタラプタ16の受光量が周期的に変化する、もしくは受光量が遮光状態から全光量受光状態となることを検出したとき第1群光学系1および第2群光学系2は概ね収納位置近くにある事がわかる。図10および図11は、それぞれその時の格子状に穿孔された減光板2bとフォトインタラプタの位置、並びに、フォトインタラプタの受光量を示している。
ここで、図14のフローチャートを参照してリセット動作の内容を説明する。電源オン時など、リセット動作開始となった時(ステップ#11)、第1群光学系1および第2群光学系2を前側に1格子幅以上繰出す(ステップ#12)。
【0031】
具体的には、テレ方向に第1群光学系1および第2群光学系2が移動するようにカム筒を回転させる。その時のフォトインタラプタ16の受光量を検知し、遮光状態のまま光量に変化のない場合は通常撮影状態(ステップ#13)、また、全光量受光状態のまま光量の変化がない場合は異常終了状態(ステップ#14)と検知することができ、第1の実施の形態の場合と同様に第3群光学系3をリセットし、リセット位置を記憶する。第3群光学系3はその後、元々記憶されている収納位置の移動パルス分だけ後退し収納位置に移動する(ステップ#15)。第1群光学系1および第2群光学系2は第3群光学系3の後退後、リセットを行なってリセット位置を記憶し、元々記憶されている所定の位置まで移動する(ステップ#16)。第1群光学系1および第2群光学系2の移動後、第3群光学系3を元々記憶されている所定の位置に移動して(ステップ#17)、リセット動作完了とする(ステップ#18)。
【0032】
フォトインタラプタ16の受光量が周期的に変化もしくは遮光状態から全光量受光状態をなった時は第1群光学系1および第2群光学系2が概ね収納位置にあることを検知することができ(ステップ#31)、第1群光学系1および第2群光学系2をリセット後所定位置に移動させ(ステップ#20)、その後第3群光学系3をリセットし所定位置に移動させ(ステップ#21)、リセット完了とする(ステップ#18)。
これら第1および第2の実施の形態により独立して駆動するズーム、フォーカスレンズ群のリセット動作を1つのフォトインタラプタで行なう時、各群のリセット時の概略位置を検出できることでリセットのため正確な群移動方向を知ることができ、群同士の干渉、他のメカ部品との干渉を起こすことなくスムーズにリセット動作を行なうことができる。
【0033】
なお、上述においては、基準位置検出にフォトインタラプタを用いた場合について説明しているが、フォトインタラプタに代えてフォトリフレクタを用いた場合には、遮光により光路を遮断して検出を行なう代わりに、反射光路を形成して光路を成立させることによって検出を行なう。また、この場合、減光手段は、所定の反射率で反射光路を形成させることによって、受光量を減光させて、ほぼ全反射の場合と区別することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、各独立に駆動すべき複数のレンズ群よりも少ない数の基準位置検出手段により光の送受を利用して前記レンズ群の位置を検出するとともに、簡単な構成で前記各レンズ群を区別して位置を検出し、各レンズ群の基準位置リセットをスムーズに且つ迅速に行なうことを可能とするレンズ鏡胴、ズームレンズ鏡胴カメラおよび撮像光学系のリセット方法を提供することができる。
すなわち本発明の請求項1のレンズ鏡胴によれば、2群以上のレンズ群を含む撮像光学系と、前記撮像光学系の各レンズ群を光軸方向に沿ってそれぞれ独立に駆動する2以上の駆動手段とを備えるレンズ鏡胴において、投光素子と受光素子とを有しこれら投光素子と受光素子との間の光の送受を利用して前記レンズ群が基準位置にあることを検出するための前記駆動手段の数よりも少ない1個以上の基準位置検出手段と、前記撮像光学系の独立に駆動されるレンズ群のうちの1つのレンズ群に付設され、前記基準位置検出手段の投光素子から受光素子に至る光路を開閉する光路開閉手段と、前記撮像光学系の独立に駆動されるレンズ群のうちの他のレンズ群に付設され、前記基準位置検出手段の投光素子から受光素子に至る光路の光を減光させる減光手段とを具備することにより、各独立に駆動すべき複数のレンズ群よりも少ない数の基準位置検出手段により光の送受を利用して前記レンズ群の位置を検出するとともに、簡単な構成で前記各レンズ群を区別して位置を検出し、各レンズ群の基準位置リセットをスムーズに且つ迅速に行なうことが可能となり、特に、簡単な構成で基準位置検出手段による位置検出時のレンズ群毎に異なる受光量特性を示す構成とし、各レンズ群の基準位置リセットをスムーズに且つ迅速に行なうことが可能となる。
【0035】
また、本発明の請求項2のレンズ鏡胴によれば、前記減光手段が、ND(中間濃度)フィルタを用いて構成した減光部材を含むことにより、特に、基準位置検出手段による位置検出時にレンズ群毎に少ないばらつきで且つ安定な受光量特性を得ることが可能となり、延いては、検出精度を上げる効果がある。
さらに、本発明の請求項3のレンズ鏡胴によれば、前記減光手段が、おおむね格子状に穿孔された多孔遮光板を用いて構成した減光部材を含むことにより、特に、受光量が大きな波形の出力をするので、ノイズやばらつきによる誤検出がなく、基準位置検出手段による位置検出時にレンズ群毎に簡単な構成で且つ確実な受光量特性を得ることが可能となる。
本発明の請求項4のレンズ鏡胴によれば、前記基準位置検出手段が、前記投光素子から前記受光素子に至る光路が前記光路開閉手段および前記減光手段によってそれぞれ遮光および減光されることによって各別に位置検出を行なうフォトインタラプタを含むことにより、特に、フォトインタラプタの汎用性、高い分解能を基に位置検出時にレンズ群毎に確実で且つ高精度の受光量特性を得ることが可能となる。
【0036】
本発明の請求項5のレンズ鏡胴によれば、前記基準位置検出手段が、前記投光素子からの光を、ほぼ全反射にて反射偏向して前記受光素子に至る光路を形成する前記光路開閉手段の反射の有無および所定の中間反射率にて反射偏向して前記受光素子に至る光路を形成する前記減光手段の反射の有無によって、各別に位置検出を行なうフォトリフレクタを用いているので、汎用性、分解能に優れ、特にフォトリフレクタの必要構成である反射手段を含む構成が簡単にでき、低コストで高精度の基準位置検出を行うことができる。
本発明の請求項6のレンズ鏡胴によれば、前記基準位置検出手段が1個設けられることにより、特に、部品点数、製造コストおよび消費電流を最小限に抑えられ、鏡胴の小型化が可能となる。
本発明の請求項7のレンズ鏡胴によれば、前記撮像光学系の前記各レンズ群が、通常撮影を行うための通常撮影領域と撮影を行わない収納領域とを含む移動領域を有することにより、特に、通常撮影時および収納時のレンズ群の位置を既定し、基準位置検出およびリセットがスムーズに且つ確実に行われ、干渉やぶつかりなどを起こさず、早急に完了させることが可能となる。
【0037】
本発明の請求項8のレンズ鏡胴によれば、前記駆動手段が2個設けられ、これらのうちの一方の駆動手段により駆動される前記減光手段が前記撮像光学系のうちの物体側のレンズ群に付設され、そして他方の前記駆動手段により駆動される前記光路開閉手段が前記撮像光学系のうちの像面側のレンズ群に付設されることにより、特に、単純であり乍ら、高い検出精度で基準位置検出を行うことができる。
本発明の請求項9のレンズ鏡胴によれば、前記撮像光学系の前記各レンズ群が、通常撮影を行うための通常撮影領域と撮影を行わない収納領域とを含む移動領域を有し、且つ前記駆動手段が2個設けられ、これらのうちの一方の駆動手段により駆動される前記減光手段が前記撮像光学系のうちの物体側のレンズ群に付設され、そして他方の前記駆動手段により駆動される前記光路開閉手段が前記撮像光学系のうちの像面側のレンズ群に付設されており、通常撮影領域では、常に前記光路開閉手段が前記基準位置検出手段の光路に作用して検出状態としていることにより、特に、最も基本的な動作状態である通常撮影状態を明確に規定して動作の簡単化および確実化が可能となり、通常撮影状態からの基準位置検出がスムーズに行われ干渉やぶつかりなどを起こさずに、早急に完了させることができる。
【0038】
本発明の請求項10のレンズ鏡胴によれば、前記撮像光学系の前記各レンズ群が、通常撮影を行うための通常撮影領域と撮影を行わない収納領域とを含む移動領域を有し、且つ前記駆動手段が2個設けられ、これらのうちの一方の駆動手段により駆動される前記減光手段が前記撮像光学系のうちの物体側のレンズ群に付設され、そして他方の前記駆動手段により駆動される前記光路開閉手段が前記撮像光学系のうちの像面側のレンズ群に付設されており、収納領域では、常に前記減光手段が前記基準位置検出手段の光路内にある構成により、特に、最も基本的な動作状態である通常撮影状態を明確に規定して動作の簡単化および確実化が可能となる。
本発明の請求項11の撮像光学系のリセット方法によれば、請求項1〜請求項10のいずれか1項のレンズ鏡胴における撮像光学系のリセット方法において、リセット開始時の前記基準位置検出手段の前記受光素子における受光量を比較し、比較結果に基づいて撮像光学系の各レンズ群のリセットの順序を異ならせることにより、特に、リセット開始時の基準位置検出手段の受光量特性に基づく適切な順序で、各レンズ群の位置に関係なくスムーズに撮像光学系のリセット動作を行なうことが可能となる。
【0039】
本発明の請求項12の撮像光学系のリセット方法によれば、前記撮像光学系の前記減光手段を付設したレンズ群の基準位置を、前記基準位置検出手段の前記受光素子の受光量が減光状態から非検出状態に変化した位置とすることにより、特に、基準位置検出手段の減光手段に対応する受光量特性とレンズ群の動作を規定し物体側レンズが像側レンズ群に干渉することなく、安定で且つ速やかな動作が可能となる。
本発明の請求項13の撮像光学系のリセット方法によれば、前記撮像光学系の前記光路開閉手段を付設したレンズ群の基準位置を、前記基準位置検出手段の前記受光素子の受光量が非検出状態から検出状態となった位置とすることにより、特に、基準位置検出手段の光路開閉手段に対応する受光量特性とレンズ群の動作を規定し、無駄な動きがなく、スムーズで安定な動作が可能となる。
本発明の請求項14の撮像光学系のリセット方法によれば、リセット開始時に、前記撮像光学系の物体側のレンズ群を所定量移動させて、前記撮像光学系が通常撮影領域にあるか収納領域にあるかを判別し、その判別結果に基づいてリセット動作を異ならせるように構成したので、受光量の変化があり誤検出しやすい遮光状態や減光状態の切替わり地点であっても正確にレンズ群位置を検出することができ、さらに、格子状に穴の開いた遮光板を減光手段として利用したとき、受光量が波形パターンであるかどうかでレンズ群位置を検出することができ、さらに確実で安定な動作が可能となる。
【0040】
本発明の請求項15の撮像光学系のリセット方法によれば、通常撮影領域では、常に前記光路開閉手段が前記基準位置検出手段の光路に作用して検出状態とし、収納領域では、常に前記減光手段が前記基準位置検出手段の光路内に位置させるとともに、前記物体側のレンズ群を所定量移動させたときの前記基準位置検出手段の受光素子の受光量が、光路開状態および光路閉状態のいずれか一方の受光状態で継続する場合、前記像面側のレンズ群の基準位置を検出した後に、前記物体側のレンズ群の基準位置の検出を行うように構成したので、像面側レンズ群の基準位置検出手段を検出した後、物体側レンズ群の基準位置検出を行うことで、レンズ群が干渉やぶつかりなどを起こさずスムーズに完了することができる効果がある。
本発明の請求項16による撮像光学系のリセット方法によれば、通常撮影領域では、常に前記光路開閉手段が前記基準位置検出手段の光路に作用して検出状態とし、収納領域では、常に前記減光手段が前記基準位置検出手段の光路内に位置させるとともに、前記物体側のレンズ群を所定量移動させたときの前記基準位置検出手段の受光素子の受光量が、減光状態および光量変動状態のいずれか一方の受光状態である場合、前記物体側のレンズ群の基準位置を検出した後に、前記像面側のレンズ群の基準位置の検出を行なうことにより、特に、レンズ群が干渉やぶつかりなどを起こさず、確実で且つ速やかな動作を実現し得る。
【0041】
本発明の請求項17のズームレンズ鏡胴によれば、請求項1〜請求項10のいずれか1項のレンズ鏡胴を具備してなり、撮像光学系をズーム光学系として構成したことにより、特に、部品点数が少なく、製造コストを抑え、消費電流が少なく、レンズ群の干渉なしに基準位置の検出ができる。
本発明の請求項18のカメラによれば、請求項1〜請求項10および請求項17のいずれか1項のレンズ鏡胴、並びに請求項11〜請求項16のいずれか1項の撮像光学系のリセット方法の少なくともいずれかを採用することにより、特に、部品点数が少なく、製造コストを抑え、消費電流が少なく、リセット動作を干渉やぶつかりがなくスムーズに行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るレンズ鏡胴の要部の構成を模式的に示す縦断面図である。
【図2】図1のレンズ鏡胴の構成を模式的に示す分解斜視図である。
【図3】図1のレンズ鏡胴における一部を詳細に説明するための斜視図である。
【図4】図1のレンズ鏡胴における通常撮影状態の様子を説明するための斜視図である。
【図5】図1のレンズ鏡胴における収納状態の様子を説明するための斜視図である。
【図6】図1のレンズ鏡胴における通常撮影状態の基準位置検出構成を模式的に示す図である。
【図7】図1のレンズ鏡胴における通常撮影状態でリセット動作を行なったときの受光量特性を模式的に示す図である。
【図8】図1のレンズ鏡胴における異常終了状態の基準位置検出構成を模式的に示す図である。
【図9】図1のレンズ鏡胴における異常終了状態でリセット動作を行なったときの受光量特性を模式的に示す図である。
【図10】図1のレンズ鏡胴における収納状態の基準位置検出構成を模式的に示す図である。
【図11】図1のレンズ鏡胴における収納状態からリセット動作を行なったときの受光量特性を模式的に示す図である。
【図12】図1のレンズ鏡胴におけるリセット動作の概要を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係るレンズ鏡胴における一部を詳細に説明するための斜視図である。
【図14】図13のレンズ鏡胴におけるリセット動作の概要を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 第1群光学系
2 第2群光学系
3 第3群光学系
4 固定筒
5 カム筒
6 第1群駆動ピン
7 DC(直流)モータ
8 ギヤ列
9 絞り
10 スプリング
11 リードスクリュー
12 主軸
13 副軸
14 パルスモータ
15 フォトインタラプタ
16 フォトインタラプタ
17 第2群駆動ピン
18 ベース
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラにおける撮像光学系に係り、特に独立駆動される複数のレンズ群により構成した撮影光学系を含むレンズ鏡胴における基準位置検出技術の改善を図ったレンズ鏡胴、ズームレンズ鏡胴、カメラおよび撮像光学系のリセット方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カメラの撮像光学系等のレンズ鏡胴において、光学系を複数のレンズ群で構成し、これら複数のレンズ群を各独立に駆動しているものがある。このように複数のレンズ群を各独立に制御する場合、各レンズ群毎に位置検出を行なって、ズーミング等の変倍制御、フォーカシング等の合焦制御および沈胴等の収納制御等の制御を行なっている。これら制御の駆動源としては、主としてDC(直流)モータおよびパルスモータ等が用いられる。DCモータの場合には、レンズ群の移動量をギヤ列に連動し、フォトインタラプタにおける遮光と通光(非遮光)を繰り返すエンコーダによりそのカウント数で位置を検出する方法がある。そして、パルスモータの場合には、与えたパルス数により位置を検出する方法がある。
これらの制御にあたっては、絶対的な位置を正確に把握するためにある基準位置を設ける必要がある。従来、一般的には、精度良く基準位置を検出するために駆動手段毎に遮光板を設け、フォトインタラプタの遮光により基準位置を検出することが行なわれていた。しかしながら、駆動手段毎に専用のフォトインタラプタを設けるとそれらを設置するスペースが必要となり、鏡胴の大型化、コストの増大および消費電流の増大を引き起こす。
このような問題を解決するために、基準 位置検出に用いるフォトインタラプタを複数のレンズ群で共用し、時系列的に分離検出する方法が、例えば、下記の特許文献1において提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特許第2925302号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献1の方法では、例えばカメラの電源を入れたときなどに、位置検出をしようとしても、そのときフォトインタラプタを遮光しているのがどちらのレンズ群の遮光板なのかわからないことが起こる。特に、例えばレンズ群の繰出し中および収納中における強制的な電力の遮断による異常終了後の電源投入の際には、システムが各レンズ群の位置を把握できないということが起こる。このような場合には、一旦、リセット位置などで確実な位置が検出されるまで、レンズ群を移動させてから、正常な位置制御を行なうことになる。ところが、このような場合には、位置検出前には、不適正なレンズ駆動が行なわれるおそれがある。すなわち、レンズ群が必要以上に移動してしまい、機械的な繰出し限界にぶつかってしまったり、1つのレンズ群が正常位置にない状態で、他のレンズ群を移動させてしまい、レンズ同士が衝突してしまったりするおそれがあった。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、各独立に駆動すべき複数のレンズ群よりも少ない数の基準位置検出手段により光の送受を利用して前記レンズ群の位置を検出するとともに、簡単な構成で前記各レンズ群を区別して位置を検出し、各レンズ群の基準位置リセットをスムーズに且つ迅速に行なうことを可能とするレンズ鏡胴、ズームレンズ鏡胴、カメラおよび撮像光学系のリセット方法を提供することを目的としている。
本発明の請求項1の目的は、特に、簡単な構成で駆動手段より数の少ない基準位置検出手段による位置検出時のレンズ群毎に異なる受光量特性を示す構成とし、各レンズ群の基準位置リセットをスムーズに且つ迅速に行なうことを可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項2の目的は、特に、基準位置検出手段による位置検出時にレンズ群毎に少ないばらつきで且つ安定な受光量特性を得ることを可能とし、検出精度を向上させ得るレンズ鏡胴を提供することにある。
【0006】
本発明の請求項3の目的は、特に、基準位置検出手段による位置検出時にレンズ群毎に簡単な構成で且つノイズやばらつきによる誤検出がなく確実な受光量特性を得ることを可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項4の目的は、特に、位置検出時にレンズ群毎に確実で且つ高精度の受光量特性を得ることを可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項5の目的は、特に、位置検出時にレンズ群毎に簡単な構成で且つ高精度の受光量特性を得ることを可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。本発明の請求項6の目的は、特に、部品点数、製造コストおよび消費電流を最小限に抑え、小型化を可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項7の目的は、特に、通常撮影時および収納時のレンズ群の位置を既定し、基準位置検出およびリセットをスムーズに且つ確実に行なうことを可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項8の目的は、特に、単純で且つ的確に構成し、より適切な動作を可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
【0007】
本発明の請求項9の目的は、特に、最も基本的な動作状態である通常撮影状態を明確に規定して動作の簡単化および確実化を可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項10の目的は、特に、最も基本的な動作状態である通常撮影状態を明確に規定して動作の簡単化および確実化を可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項11の目的は、特に、リセット開始時の基準位置検出手段の受光量特性に基づく適切な順序で、撮像光学系のリセット動作を行なうことが可能な撮像光学系のリセット方法を提供することにある。
本発明の請求項12の目的は、特に、基準位置検出手段の減光手段に対応する受光量特性とレンズ群の動作を規定し安定で且つ速やかな動作を可能とする撮像光学系のリセット方法を提供することにある。
本発明の請求項13の目的は、特に、基準位置検出手段の光路開閉手段に対応する受光量特性とレンズ群の動作を規定し安定な動作を可能とする撮像光学系のリセット方法を提供することにある。
【0008】
本発明の請求項14の目的は、特に、さらに確実で安定な動作を可能とする撮像光学系のリセット方法を提供することにある。
本発明の請求項15の目的は、特に、基準位置検出手段の受光量特性によって容易に通常撮影状態を把握し得るようにして確実で且つ速やかな動作を実現し得る撮像光学系のリセット方法を提供することにある。
本発明の請求項16の目的は、特に、基準位置検出手段の受光量特性によって容易に収納状態を把握し得るようにして確実で且つ速やかな動作を実現し得る撮像光学系のリセット方法を提供することにある。
本発明の請求項17の目的は、特に、部品点数が少なく、製造コストを抑え、消費電流が少なく、レンズ群の干渉なしに基準位置の検出ができるズームレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項18の目的は、特に、部品点数が少なく、製造コストを抑え、消費電流が少なく、リセット動作をスムーズに行なうことが可能なカメラを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、上述した目的を達成するために、
2群以上のレンズ群を含む撮像光学系と、前記撮像光学系の各レンズ群を光軸方向に沿ってそれぞれ独立に駆動する2以上の駆動手段とを備えるレンズ鏡胴において、
投光素子と受光素子とを有しこれら投光素子と受光素子との間の光の送受を利用して前記レンズ群が基準位置にあることを検出するための前記駆動手段の数よりも少ない1個以上の基準位置検出手段と、
前記撮像光学系の独立に駆動されるレンズ群のうちの1つのレンズ群に付設され、前記基準位置検出手段の投光素子から受光素子に至る光路を開閉する光路開閉手段と、
前記撮像光学系の独立に駆動されるレンズ群のうちの他のレンズ群に付設され、前記基準位置検出手段の投光素子から受光素子に至る光路の光を減光させる減光手段と
を具備することを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項1のレンズ鏡胴であって、前記減光手段が、ND(中間濃度)フィルタを用いて構成した減光部材を含むことを特徴としている。
請求項3に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項1のレンズ鏡胴であって、前記減光手段が、おおむね格子状に穿孔された多孔遮光板を用いて構成した減光部材を含むことを特徴としている。
請求項4に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項のレンズ鏡胴であって、前記基準位置検出手段が、前記投光素子から前記受光素子に至る光路が前記光路開閉手段および前記減光手段によってそれぞれ遮光および減光されることによって各別に位置検出を行なうフォトインタラプタを含むことを特徴としている。
請求項5に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項のレンズ鏡胴であって、前記基準位置検出手段が、前記投光素子からの光を、ほぼ全反射にて反射偏向して前記受光素子に至る光路を形成する前記光路開閉手段の反射の有無および所定の中間反射率にて反射偏向して前記受光素子に至る光路を形成する前記減光手段の反射の有無によって、各別に位置検出を行なうフォトリフレクタを含むことを特徴としている。
【0011】
請求項6に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項1〜請求項5のうちのいずれか1項のレンズ鏡胴であって、前記基準位置検出手段が1個設けられていることを特徴としている。
請求項7に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項1〜請求項5のうちのいずれか1項のレンズ鏡胴であって、前記撮像光学系の前記各レンズ群が、通常撮影を行うための通常撮影領域と撮影を行わない収納領域とを含む移動領域を有することを特徴としている。
請求項8に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項1〜請求項5のうちのいずれか1項のレンズ鏡胴であって、前記駆動手段が2個設けられ、これらのうちの一方の駆動手段により駆動される前記減光手段が前記撮像光学系のうちの物体側のレンズ群に付設され、そして他方の前記駆動手段により駆動される前記光路開閉手段が前記撮像光学系のうちの像面側のレンズ群に付設されていることを特徴としている。
【0012】
請求項9に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項1〜請求項5のうちのいずれか1項のレンズ鏡胴であって、前記撮像光学系の前記各レンズ群が、通常撮影を行うための通常撮影領域と撮影を行わない収納領域とを含む移動領域を有し、且つ前記駆動手段が2個設けられ、これらのうちの一方の駆動手段により駆動される前記減光手段が前記撮像光学系のうちの物体側のレンズ群に付設され、そして他方の前記駆動手段により駆動される前記光路開閉手段が前記撮像光学系のうちの像面側のレンズ群に付設されており、通常撮影領域では、常に前記光路開閉手段が前記基準位置検出手段の光路に作用して検出状態としていることを特徴としている。
請求項10に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項1〜請求項5のうちのいずれか1項のレンズ鏡胴であって、前記撮像光学系の前記各レンズ群が、通常撮影を行うための通常撮影領域と撮影を行わない収納領域とを含む移動領域を有し、且つ前記駆動手段が2個設けられ、これらのうちの一方の駆動手段により駆動される前記減光手段が前記撮像光学系のうちの物体側のレンズ群に付設され、そして他方の前記駆動手段により駆動される前記光路開閉手段が前記撮像光学系のうちの像面側のレンズ群に付設されており、収納領域では、常に前記減光手段が前記基準位置検出手段の光路内にあることを特徴としている。
【0013】
請求項11に記載した本発明に係る撮像光学系のリセット方法は、上述した目的を達成するために、請求項1〜請求項10のいずれか1項のレンズ鏡胴における撮像光学系のリセット方法において、リセット開始時の前記基準位置検出手段の前記受光素子における受光量を比較し、比較結果に基づいて撮像光学系の各レンズ群のリセットの順序を異ならせることを特徴としている。
請求項12に記載した本発明に係る撮像光学系のリセット方法は、請求項11の方法であって、前記撮像光学系の前記減光手段を付設したレンズ群の基準位置を、前記基準位置検出手段の前記受光素子の受光量が減光状態から非検出状態に変化した位置とすることを特徴としている。
請求項13に記載した本発明に係る撮像光学系のリセット方法は、請求項11の方法であって、前記撮像光学系の前記光路開閉手段を付設したレンズ群の基準位置を、前記基準位置検出手段の前記受光素子の受光量が非検出状態から検出状態となった位置とすることを特徴としている。
請求項14に記載した本発明に係る撮像光学系のリセット方法は、請求項11の方法であって、リセット開始時に、前記撮像光学系の物体側のレンズ群を所定量移動させて、前記撮像光学系が通常撮影領域にあるか収納領域にあるかを判別し、その判別結果に基づいてリセット動作を異ならせることを特徴としている。
【0014】
請求項15に記載した本発明に係る撮像光学系のリセット方法は、請求項14の方法であって、通常撮影領域では、常に前記光路開閉手段が前記基準位置検出手段の光路に作用して検出状態とし、収納領域では、常に前記減光手段が前記基準位置検出手段の光路内に位置させるとともに、前記物体側のレンズ群を所定量移動させたときの前記基準位置検出手段の受光素子の受光量が、光路開状態および光路閉状態のいずれか一方の受光状態で継続する場合、前記像面側のレンズ群の基準位置を検出した後に、前記物体側のレンズ群の基準位置の検出を行なうことを特徴としている。
請求項16に記載した本発明に係る撮像光学系のリセット方法は、請求項14の方法であって、通常撮影領域では、常に前記光路開閉手段が前記基準位置検出手段の光路に作用して検出状態とし、収納領域では、常に前記減光手段が前記基準位置検出手段の光路内に位置させるとともに、前記物体側のレンズ群を所定量移動させたときの前記基準位置検出手段の受光素子の受光量が、減光状態および光量変動状態のいずれか一方の受光状態である場合、前記物体側のレンズ群の基準位置を検出した後に、前記像面側のレンズ群の基準位置の検出を行なうことを特徴としている。
【0015】
請求項17に記載した本発明に係るズームレンズ鏡胴は、上述した目的を達成するために、請求項1〜請求項10のいずれか1項のレンズ鏡胴を具備してなり、撮像光学系をズーム光学系として構成したことを特徴としている。
請求項18に記載した本発明に係るカメラは、上述した目的を達成するために、請求項1〜請求項10および請求項17のいずれか1項のレンズ鏡胴、並びに請求項11〜請求項16のいずれか1項の撮像光学系のリセット方法の少なくともいずれかを採用して構成したことを特徴としている。
【0016】
【作用】
すなわち、本発明の請求項1によるレンズ鏡胴は、2群以上のレンズ群を含む撮像光学系と、前記撮像光学系の各レンズ群を光軸方向に沿ってそれぞれ独立に駆動する2以上の駆動手段とを備えるレンズ鏡胴において、投光素子と受光素子とを有しこれら投光素子と受光素子との間の光の送受を利用して前記レンズ群が基準位置にあることを検出するための前記駆動手段の数よりも少ない1個以上の基準位置検出手段と、前記撮像光学系の独立に駆動されるレンズ群のうちの1つのレンズ群に付設され、前記基準位置検出手段の投光素子から受光素子に至る光路を開閉する光路開閉手段と、前記撮像光学系の独立に駆動されるレンズ群のうちの他のレンズ群に付設され、前記基準位置検出手段の投光素子から受光素子に至る光路の光を減光させる減光手段とを具備する。
このような構成により、各独立に駆動すべき複数のレンズ群よりも少ない数の基準位置検出手段により光の送受を利用して前記レンズ群の位置を検出するとともに、簡単な構成で前記各レンズ群を区別して位置を検出し、各レンズ群の基準位置リセットをスムーズに且つ迅速に行なうことが可能となり、特に、簡単な構成で基準位置検出手段による位置検出時のレンズ群毎に異なる受光量特性を示す構成とし、各レンズ群の基準位置リセットをスムーズに且つ迅速に行なうことが可能となる。
【0017】
また、本発明の請求項2によるレンズ鏡胴は、前記減光手段が、ND(中間濃度)フィルタを用いて構成した減光部材を含む。
このような構成により、特に、基準位置検出手段による位置検出時にレンズ群毎に少ないばらつきで且つ安定な受光量特性を得ることが可能となり、延いては検出精度を向上させ得る。
本発明の請求項3によるレンズ鏡胴は、前記減光手段が、おおむね格子状に穿孔された多孔遮光板を用いて構成した減光部材を含む。
このような構成により、特に、基準位置検出手段の受光量が大きな波形の出力をするのでノイズやばらつきによる誤検出を防ぎ、レンズ群毎に簡単な構成で且つ確実な受光量特性を得ることが可能となる。
本発明の請求項4によるレンズ鏡胴は、前記基準位置検出手段が、前記投光素子から前記受光素子に至る光路が前記光路開閉手段および前記減光手段によってそれぞれ遮光および減光されることによって各別に位置検出を行なうフォトインタラプタを含む。
このような構成により、特に、フォトインタラプタの汎用性、高い分解能により、構成が簡単化され、コストを低減させ得ると共に、レンズ群毎に、確実且つ高精度の受光量特性を得ることが可能となる。
【0018】
本発明の請求項5によるレンズ鏡胴は、前記基準位置検出手段が、前記投光素子からの光を、ほぼ全反射にて反射偏向して前記受光素子に至る光路を形成する前記光路開閉手段の反射の有無および所定の中間反射率にて反射偏向して前記受光素子に至る光路を形成する前記減光手段の反射の有無によって、各別に位置検出を行なうフォトリフレクタを含む。
このような構成により、特に、位置検出時にレンズ群毎に簡単な構成で且つ高精度の受光量特性を得ることが可能となる。
本発明の請求項6によるレンズ鏡胴は、前記基準位置検出手段が1個設けられている。
このような構成により、特に、部品点数、製造コストおよび消費電流を最小限に抑えられ、小型化が可能となる。
本発明の請求項7によるレンズ鏡胴は、前記撮像光学系の前記各レンズ群が、通常撮影を行うための通常撮影領域と撮影を行わない収納領域とを含む移動領域を有する。
このような構成により、特に、通常撮影時および収納時のレンズ群の位置を既定し、基準位置検出およびリセットをスムーズに且つ確実に行なうことが可能となる。
【0019】
本発明の請求項8によるレンズ鏡胴は、前記駆動手段が2個設けられ、これらのうちの一方の駆動手段により駆動される前記減光手段が前記撮像光学系のうちの物体側のレンズ群に付設され、そして他方の前記駆動手段により駆動される前記光路開閉手段が前記撮像光学系のうちの像面側のレンズ群に付設されている。このような構成により、特に、単純で且つ的確に構成し、より適切な動作が可能となる。
本発明の請求項9によるレンズ鏡胴は、前記撮像光学系の前記各レンズ群が、通常撮影を行うための通常撮影領域と撮影を行わない収納領域とを含む移動領域を有し、且つ前記駆動手段が2個設けられ、これらのうちの一方の駆動手段により駆動される前記減光手段が前記撮像光学系のうちの物体側のレンズ群に付設され、そして他方の前記駆動手段により駆動される前記光路開閉手段が前記撮像光学系のうちの像面側のレンズ群に付設されており、通常撮影領域では、常に前記光路開閉手段が前記基準位置検出手段の光路に作用して検出状態としている。
このような構成により、特に、最も基本的な動作状態である通常撮影状態を明確に規定して動作の簡単化および確実化が可能となる。
【0020】
本発明の請求項10によるレンズ鏡胴は、前記撮像光学系の前記各レンズ群が、通常撮影を行うための通常撮影領域と撮影を行わない収納領域とを含む移動領域を有し、且つ前記駆動手段が2個設けられ、これらのうちの一方の駆動手段により駆動される前記減光手段が前記撮像光学系のうちの物体側のレンズ群に付設され、そして他方の前記駆動手段により駆動される前記光路開閉手段が前記撮像光学系のうちの像面側のレンズ群に付設されており、収納領域では、常に前記減光手段が前記基準位置検出手段の光路内にある。
このような構成により、特に、最も基本的な動作状態である通常撮影状態を明確に規定して動作の簡単化および確実化が可能となる。
本発明の請求項11による撮像光学系のリセット方法は、請求項1〜請求項10のいずれか1項のレンズ鏡胴における撮像光学系のリセット方法において、リセット開始時の前記基準位置検出手段の前記受光素子における受光量を比較し、比較結果に基づいて撮像光学系の各レンズ群のリセットの順序を異ならせる。
このような構成により、特に、リセット開始時の基準位置検出手段の受光量特性に基づく適切な順序で、撮像光学系のリセット動作を行なうことが可能となる。
【0021】
本発明の請求項12による撮像光学系のリセット方法は、前記撮像光学系の前記減光手段を付設したレンズ群の基準位置を、前記基準位置検出手段の前記受光素子の受光量が減光状態から非検出状態に変化した位置とする。
このような構成により、特に、基準位置検出手段の減光手段に対応する受光量特性とレンズ群の動作を規定し安定で且つ速やかな動作が可能となる。
本発明の請求項13による撮像光学系のリセット方法は、前記撮像光学系の前記光路開閉手段を付設したレンズ群の基準位置を、前記基準位置検出手段の前記受光素子の受光量が非検出状態から検出状態となった位置とする。
このような構成により、特に、基準位置検出手段の光路開閉手段に対応する受光量特性とレンズ群の動作を規定し安定な動作が可能となる。
本発明の請求項14による撮像光学系のリセット方法は、リセット開始時に、前記撮像光学系の物体側のレンズ群を所定量移動させて、前記撮像光学系が通常撮影領域にあるか収納領域にあるかを判別し、その判別結果に基づいてリセット動作を異ならせることを特徴とする。
このような構成により、特に、さらに確実で安定な動作が可能となる。
【0022】
本発明の請求項15による撮像光学系のリセット方法は、通常撮影領域では、常に前記光路開閉手段が前記基準位置検出手段の光路に作用して検出状態とし、収納領域では、常に前記減光手段が前記基準位置検出手段の光路内に位置させるとともに、前記物体側のレンズ群を所定量移動させたときの前記基準位置検出手段の受光素子の受光量が、光路開状態および光路閉状態のいずれか一方の受光状態で継続する場合、前記像面側のレンズ群の基準位置を検出した後に、前記物体側のレンズ群の基準位置の検出を行なう。
このような構成により、特に、基準位置検出手段の受光量特性によって容易に通常撮影状態を把握し得るようにして確実で且つ速やかな動作を実現し得る。本発明の請求項16による撮像光学系のリセット方法は、
通常撮影領域では、常に前記光路開閉手段が前記基準位置検出手段の光路に作用して検出状態とし、収納領域では、常に前記減光手段が前記基準位置検出手段の光路内に位置させるとともに、前記物体側のレンズ群を所定量移動させたときの前記基準位置検出手段の受光素子の受光量が、減光状態および光量変動状態のいずれか一方の受光状態である場合、前記物体側のレンズ群の基準位置を検出した後に、前記像面側のレンズ群の基準位置の検出を行なう。
このような構成により、特に、基準位置検出手段の受光量特性によって容易に収納状態を把握し得るようにして確実で且つ速やかな動作を実現し得る。
【0023】
本発明の請求項17によるズームレンズ鏡胴は、請求項1〜請求項10のいずれか1項のレンズ鏡胴を具備してなり、撮像光学系をズーム光学系として構成した。
このような構成により、特に、部品点数が少なく、製造コストを抑え、消費電流が少なく、レンズ群の干渉なしに基準位置の検出ができる。
本発明の請求項18によるカメラは、請求項1〜請求項10および請求項17のいずれか1項のレンズ鏡胴、並びに請求項11〜請求項16のいずれか1項の撮像光学系のリセット方法の少なくともいずれかを採用する。
このような構成により、特に、部品点数が少なく、製造コストを抑え、消費電流が少なく、リセット動作をスムーズに行なうことが可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に基づき、図面を参照して本発明のレンズ鏡胴を詳細に説明する。
図1および図2は、本発明の第1の実施の形態に係るレンズ鏡胴の構成を示している。図1は、レンズ鏡胴の主要な構成を模式的に示す縦断面図、そして図2は、図1のレンズ鏡胴の詳細な構成を模式的に示す分解斜視図である。
図1および図2に示すレンズ鏡胴は、第1群光学系1、第2群光学系2、第3群光学系3、固定筒4、カム筒5、第1群駆動ピン6、DC(直流)モータ7、ギヤ列8、絞り9、スプリング10、リードスクリュー11、主軸12、副軸13、パルスモータ14、フォトインタラプタ15、フォトインタラプタ16、第2群駆動ピン17およびベース18を具備している。
【0025】
図1および図2のレンズ鏡胴に組み込まれた光学系はズーム光学系であり、ズーミング用、すなわち変倍用の第1群光学系1および第2群光学系2と、フォーカシング用、すなわち合焦用の第3群光学系3とで構成されている。ベース18と、このベース18に固定されている固定筒4とによってカム筒5が光軸方向に挟み込まれている。ズーミング用の駆動源としてのDCモータ7の回転がギヤ列8によって減速されて、カム筒5の回転駆動に供される。カム筒5には、第1群光学系1の位置を決める第1群カム溝5a、第2群光学系2の位置を決める第2群カム溝5bが設けられている。第1群光学系1および第2群光学系2は、それぞれ第1群駆動ピン6、第2群駆動ピン17により支えられている。さらに、固定筒4には、第1群光学系1および第2群光学系2を回転させずに光軸方向に移動させるための光軸方向に沿う案内溝4aおよび4bが設けられている。第1群光学系1および第2群光学系2は、スプリング10によって相反する方向に負荷を受けており、各カム溝5a、5bの精度面に押しつけられている。これによりカム筒5が回転することによって、第1群光学系1および第2群光学系2は、カム溝の精度面によって所要の位置関係を作りつつ回転せずに光軸方向に移動して変倍動作等が行なわれる。
【0026】
ここで、ギヤ列8の一部に連動して回転し、遮光と通光(非遮光)を行なうエンコーダとフォトインタラプタ15によりDCモータ7の回転数もしくはカム筒5の回転量を検知することができ、それによってズーム位置を精度良く検出することが可能である。ここで、駆動源をDCモータ7に代えてパルスモータとし、パルスモータに与えたパルス数によってズーム位置の検出を行なうようにしても良い。第3群光学系3は、主軸12と副軸13とで支えられ、パルスモータ14を駆動源として駆動される。パルスモータ14の回転は、図示していないギヤ列によって減速され、それに連動して回転するリードスクリュー11によって光軸方向に精度良く移動して合焦動作を実行する。
このズームレンズ鏡胴では、カメラの電源をオフとした時に全群の光学系が互いに干渉しない限界まで像側に退き、小型に収納させることができる。収納に際しての動作は、干渉を避けるため、先に第3群光学系3が予め記憶されたパルス数だけ像側に退き、その後に、第1群光学系1および第2群光学系2が連動して予め記憶されたカウント数だけ像側に退く。ここで、第1群光学系1、第2群光学系2および第3群光学系3の位置検出では絶対位置を知るために基準となる基準位置を検出して設定する必要がある。通常、電源をオンとした時に各群の基準位置を検出し、そこから記憶された所定量のカウント数およびパルス数分移動してリセット動作を行なう。
【0027】
本発明では、各々の基準位置の検出をするために駆動手段より少ない基準位置検出手段を配し、物体側レンズ群に減光板、像側レンズ群に遮光板を設ける。また、物体側レンズ群のリセット位置は、基準位置検出手段の投光が減光状態から全光量受光状態になったときとし、像側レンズ群のリセット位置は投光から遮光となったときとしている。遮光板は通常撮影状態で常に基準位置検出手段の投光を遮光する大きさであり、減光板は収納状態で基準位置検出の投光地点から外れない大きさとなるようにする。
この第1の実施の形態では、図3に示すように、物体側(右方側)となる第2群光学系2にNDフィルタを貼り付けた減光板2aを設け、第3群光学系3には遮光板3aを一体的に設けて、減光板2aおよび遮光板3aの双方が光路を通過するように1個のフォトインタラプタ16が配置されている。図4は、電源オン時に撮影状態にある場合、図5は電源オン時に収納状態にある場合を示している。通常の場合、電源オン時には前回の電源オフ時に収納状態で完了する正常終了であれば図5の状態であり、先に第2群光学系2のリセットを行なった後に、所定位置に移動し、その後に第3群光学系3をリセットした後に所定位置に移動させれば、干渉することなくリセット動作を完了することができる。
【0028】
しかしながら、使用時には常に正常に収納状態で終了することはなく、通常撮影状態で電池が抜かれるなどして電源の供給が止まり動作不能となったり、収納途中で電源の供給が止まってしまうことが数多くある。
前述した異常終了後に電源をオンとしたときのリセット動作は、各群光学系の概略位置を検知することができないと、各群光学系を不要な方向に移動させ、光学系群同士の衝突または接触、繰出し過ぎによる他の部品や繰出し限界への衝突を引き起こす危険が非常に高い。本発明では、そうしたことがないようにするために、スムーズにリセット動作を行なうことができる。
図6および図8は、それぞれ通常撮影状態および異常終了状態の遮光板、減光板およびフォトインタラプタの位置関係を示している。図では右方向が物体側となる。図7および図9は、通常撮影状態および異常撮影状態からのリセットを行なう時のフォトインタラプタの受光量を示している。図10は収納状態、そして図11は収納状態でのフォトインタラプタ16の受光量特性を示している。
【0029】
ここで、図12に示すフローチャートを参照してリセット動作の具体的な内容を説明する。
電源オン時など、リセット動作が開始された時(ステップ#11)、第1群光学系1および第2群光学系2を微少量前側に繰り出す(ステップ#12)。詳細には、テレ(望遠)方向に第1群光学系1および第2群光学系2が移動するようにカム筒5を回転させる。その時のフォトインタラプタ16の受光量を検知し、遮光状態のまま光量に変化のない場合は(ステップ#13)、図6に示す通常撮影状態からのリセットであり、また、全光量受光状態のまま光量の変化がない場合は(ステップ#14)、図8に示している第3群光学系3が収納状態で第1群光学系1および第2群光学系2は通常撮影状態にある、いわゆる異常終了状態からのリセットとなることがわかる。これら通常撮影状態、異常終了状態からのリセットは、まず第3群光学系3をリセットし(ステップ#15)、リセット位置を記憶する。第3群光学系3は、その後、元々記憶されている収納位置の移動パルス分だけ後退し収納位置に移動する。第1群光学系1および第2群光学系2は、第3群光学系3の後退後、リセットを行なって(ステップ#16)、リセット位置を記憶し、元々記憶されている所定の位置まで移動する。第1群光学系1および第2群光学系2の移動後、第3群光学系3を元々記憶されている所定の位置に移動して(ステップ#17)、リセット動作完了とする(ステップ#18)。リセット開始時にフォトインタラプタ16の受光量が減光状態もしくは光量に変化がある場合は(ステップ#19)、図10に示すように、第1群光学系1および第2群光学系2が概ね収納位置にあることを示しており、この場合は第1群光学系1および第2群光学系2をリセットした後、元々記憶されているカウント数だけ移動し所定の位置に繰り出す(ステップ#20)。その後、第3群光学系3をリセットして、元々記憶されている所定の位置に繰出して(ステップ#21)、ステップ#18に移行し、リセット動作を完了とする。
このようにすることによって、リセット開始時のフォトインタラプタ16の受光量の違いにより、リセットの順番を変えることによって各群が干渉することなくスムーズにリセット動作を完了することができる。
【0030】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本発明の第2の実施の形態においては、図13に要部の構成を示すように、第1の実施の形態では、NDフィルタを用いていた第2群光学系2の基準位置検出用の減光板2aに代えて、遮光板に対して格子状に穿孔した減光板2bを設けている。
リセット時に、第1群光学系1および第2群光学系2を1格子幅以上物体側に移動させた時、フォトインタラプタ16の受光量が周期的に変化する、もしくは受光量が遮光状態から全光量受光状態となることを検出したとき第1群光学系1および第2群光学系2は概ね収納位置近くにある事がわかる。図10および図11は、それぞれその時の格子状に穿孔された減光板2bとフォトインタラプタの位置、並びに、フォトインタラプタの受光量を示している。
ここで、図14のフローチャートを参照してリセット動作の内容を説明する。電源オン時など、リセット動作開始となった時(ステップ#11)、第1群光学系1および第2群光学系2を前側に1格子幅以上繰出す(ステップ#12)。
【0031】
具体的には、テレ方向に第1群光学系1および第2群光学系2が移動するようにカム筒を回転させる。その時のフォトインタラプタ16の受光量を検知し、遮光状態のまま光量に変化のない場合は通常撮影状態(ステップ#13)、また、全光量受光状態のまま光量の変化がない場合は異常終了状態(ステップ#14)と検知することができ、第1の実施の形態の場合と同様に第3群光学系3をリセットし、リセット位置を記憶する。第3群光学系3はその後、元々記憶されている収納位置の移動パルス分だけ後退し収納位置に移動する(ステップ#15)。第1群光学系1および第2群光学系2は第3群光学系3の後退後、リセットを行なってリセット位置を記憶し、元々記憶されている所定の位置まで移動する(ステップ#16)。第1群光学系1および第2群光学系2の移動後、第3群光学系3を元々記憶されている所定の位置に移動して(ステップ#17)、リセット動作完了とする(ステップ#18)。
【0032】
フォトインタラプタ16の受光量が周期的に変化もしくは遮光状態から全光量受光状態をなった時は第1群光学系1および第2群光学系2が概ね収納位置にあることを検知することができ(ステップ#31)、第1群光学系1および第2群光学系2をリセット後所定位置に移動させ(ステップ#20)、その後第3群光学系3をリセットし所定位置に移動させ(ステップ#21)、リセット完了とする(ステップ#18)。
これら第1および第2の実施の形態により独立して駆動するズーム、フォーカスレンズ群のリセット動作を1つのフォトインタラプタで行なう時、各群のリセット時の概略位置を検出できることでリセットのため正確な群移動方向を知ることができ、群同士の干渉、他のメカ部品との干渉を起こすことなくスムーズにリセット動作を行なうことができる。
【0033】
なお、上述においては、基準位置検出にフォトインタラプタを用いた場合について説明しているが、フォトインタラプタに代えてフォトリフレクタを用いた場合には、遮光により光路を遮断して検出を行なう代わりに、反射光路を形成して光路を成立させることによって検出を行なう。また、この場合、減光手段は、所定の反射率で反射光路を形成させることによって、受光量を減光させて、ほぼ全反射の場合と区別することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、各独立に駆動すべき複数のレンズ群よりも少ない数の基準位置検出手段により光の送受を利用して前記レンズ群の位置を検出するとともに、簡単な構成で前記各レンズ群を区別して位置を検出し、各レンズ群の基準位置リセットをスムーズに且つ迅速に行なうことを可能とするレンズ鏡胴、ズームレンズ鏡胴カメラおよび撮像光学系のリセット方法を提供することができる。
すなわち本発明の請求項1のレンズ鏡胴によれば、2群以上のレンズ群を含む撮像光学系と、前記撮像光学系の各レンズ群を光軸方向に沿ってそれぞれ独立に駆動する2以上の駆動手段とを備えるレンズ鏡胴において、投光素子と受光素子とを有しこれら投光素子と受光素子との間の光の送受を利用して前記レンズ群が基準位置にあることを検出するための前記駆動手段の数よりも少ない1個以上の基準位置検出手段と、前記撮像光学系の独立に駆動されるレンズ群のうちの1つのレンズ群に付設され、前記基準位置検出手段の投光素子から受光素子に至る光路を開閉する光路開閉手段と、前記撮像光学系の独立に駆動されるレンズ群のうちの他のレンズ群に付設され、前記基準位置検出手段の投光素子から受光素子に至る光路の光を減光させる減光手段とを具備することにより、各独立に駆動すべき複数のレンズ群よりも少ない数の基準位置検出手段により光の送受を利用して前記レンズ群の位置を検出するとともに、簡単な構成で前記各レンズ群を区別して位置を検出し、各レンズ群の基準位置リセットをスムーズに且つ迅速に行なうことが可能となり、特に、簡単な構成で基準位置検出手段による位置検出時のレンズ群毎に異なる受光量特性を示す構成とし、各レンズ群の基準位置リセットをスムーズに且つ迅速に行なうことが可能となる。
【0035】
また、本発明の請求項2のレンズ鏡胴によれば、前記減光手段が、ND(中間濃度)フィルタを用いて構成した減光部材を含むことにより、特に、基準位置検出手段による位置検出時にレンズ群毎に少ないばらつきで且つ安定な受光量特性を得ることが可能となり、延いては、検出精度を上げる効果がある。
さらに、本発明の請求項3のレンズ鏡胴によれば、前記減光手段が、おおむね格子状に穿孔された多孔遮光板を用いて構成した減光部材を含むことにより、特に、受光量が大きな波形の出力をするので、ノイズやばらつきによる誤検出がなく、基準位置検出手段による位置検出時にレンズ群毎に簡単な構成で且つ確実な受光量特性を得ることが可能となる。
本発明の請求項4のレンズ鏡胴によれば、前記基準位置検出手段が、前記投光素子から前記受光素子に至る光路が前記光路開閉手段および前記減光手段によってそれぞれ遮光および減光されることによって各別に位置検出を行なうフォトインタラプタを含むことにより、特に、フォトインタラプタの汎用性、高い分解能を基に位置検出時にレンズ群毎に確実で且つ高精度の受光量特性を得ることが可能となる。
【0036】
本発明の請求項5のレンズ鏡胴によれば、前記基準位置検出手段が、前記投光素子からの光を、ほぼ全反射にて反射偏向して前記受光素子に至る光路を形成する前記光路開閉手段の反射の有無および所定の中間反射率にて反射偏向して前記受光素子に至る光路を形成する前記減光手段の反射の有無によって、各別に位置検出を行なうフォトリフレクタを用いているので、汎用性、分解能に優れ、特にフォトリフレクタの必要構成である反射手段を含む構成が簡単にでき、低コストで高精度の基準位置検出を行うことができる。
本発明の請求項6のレンズ鏡胴によれば、前記基準位置検出手段が1個設けられることにより、特に、部品点数、製造コストおよび消費電流を最小限に抑えられ、鏡胴の小型化が可能となる。
本発明の請求項7のレンズ鏡胴によれば、前記撮像光学系の前記各レンズ群が、通常撮影を行うための通常撮影領域と撮影を行わない収納領域とを含む移動領域を有することにより、特に、通常撮影時および収納時のレンズ群の位置を既定し、基準位置検出およびリセットがスムーズに且つ確実に行われ、干渉やぶつかりなどを起こさず、早急に完了させることが可能となる。
【0037】
本発明の請求項8のレンズ鏡胴によれば、前記駆動手段が2個設けられ、これらのうちの一方の駆動手段により駆動される前記減光手段が前記撮像光学系のうちの物体側のレンズ群に付設され、そして他方の前記駆動手段により駆動される前記光路開閉手段が前記撮像光学系のうちの像面側のレンズ群に付設されることにより、特に、単純であり乍ら、高い検出精度で基準位置検出を行うことができる。
本発明の請求項9のレンズ鏡胴によれば、前記撮像光学系の前記各レンズ群が、通常撮影を行うための通常撮影領域と撮影を行わない収納領域とを含む移動領域を有し、且つ前記駆動手段が2個設けられ、これらのうちの一方の駆動手段により駆動される前記減光手段が前記撮像光学系のうちの物体側のレンズ群に付設され、そして他方の前記駆動手段により駆動される前記光路開閉手段が前記撮像光学系のうちの像面側のレンズ群に付設されており、通常撮影領域では、常に前記光路開閉手段が前記基準位置検出手段の光路に作用して検出状態としていることにより、特に、最も基本的な動作状態である通常撮影状態を明確に規定して動作の簡単化および確実化が可能となり、通常撮影状態からの基準位置検出がスムーズに行われ干渉やぶつかりなどを起こさずに、早急に完了させることができる。
【0038】
本発明の請求項10のレンズ鏡胴によれば、前記撮像光学系の前記各レンズ群が、通常撮影を行うための通常撮影領域と撮影を行わない収納領域とを含む移動領域を有し、且つ前記駆動手段が2個設けられ、これらのうちの一方の駆動手段により駆動される前記減光手段が前記撮像光学系のうちの物体側のレンズ群に付設され、そして他方の前記駆動手段により駆動される前記光路開閉手段が前記撮像光学系のうちの像面側のレンズ群に付設されており、収納領域では、常に前記減光手段が前記基準位置検出手段の光路内にある構成により、特に、最も基本的な動作状態である通常撮影状態を明確に規定して動作の簡単化および確実化が可能となる。
本発明の請求項11の撮像光学系のリセット方法によれば、請求項1〜請求項10のいずれか1項のレンズ鏡胴における撮像光学系のリセット方法において、リセット開始時の前記基準位置検出手段の前記受光素子における受光量を比較し、比較結果に基づいて撮像光学系の各レンズ群のリセットの順序を異ならせることにより、特に、リセット開始時の基準位置検出手段の受光量特性に基づく適切な順序で、各レンズ群の位置に関係なくスムーズに撮像光学系のリセット動作を行なうことが可能となる。
【0039】
本発明の請求項12の撮像光学系のリセット方法によれば、前記撮像光学系の前記減光手段を付設したレンズ群の基準位置を、前記基準位置検出手段の前記受光素子の受光量が減光状態から非検出状態に変化した位置とすることにより、特に、基準位置検出手段の減光手段に対応する受光量特性とレンズ群の動作を規定し物体側レンズが像側レンズ群に干渉することなく、安定で且つ速やかな動作が可能となる。
本発明の請求項13の撮像光学系のリセット方法によれば、前記撮像光学系の前記光路開閉手段を付設したレンズ群の基準位置を、前記基準位置検出手段の前記受光素子の受光量が非検出状態から検出状態となった位置とすることにより、特に、基準位置検出手段の光路開閉手段に対応する受光量特性とレンズ群の動作を規定し、無駄な動きがなく、スムーズで安定な動作が可能となる。
本発明の請求項14の撮像光学系のリセット方法によれば、リセット開始時に、前記撮像光学系の物体側のレンズ群を所定量移動させて、前記撮像光学系が通常撮影領域にあるか収納領域にあるかを判別し、その判別結果に基づいてリセット動作を異ならせるように構成したので、受光量の変化があり誤検出しやすい遮光状態や減光状態の切替わり地点であっても正確にレンズ群位置を検出することができ、さらに、格子状に穴の開いた遮光板を減光手段として利用したとき、受光量が波形パターンであるかどうかでレンズ群位置を検出することができ、さらに確実で安定な動作が可能となる。
【0040】
本発明の請求項15の撮像光学系のリセット方法によれば、通常撮影領域では、常に前記光路開閉手段が前記基準位置検出手段の光路に作用して検出状態とし、収納領域では、常に前記減光手段が前記基準位置検出手段の光路内に位置させるとともに、前記物体側のレンズ群を所定量移動させたときの前記基準位置検出手段の受光素子の受光量が、光路開状態および光路閉状態のいずれか一方の受光状態で継続する場合、前記像面側のレンズ群の基準位置を検出した後に、前記物体側のレンズ群の基準位置の検出を行うように構成したので、像面側レンズ群の基準位置検出手段を検出した後、物体側レンズ群の基準位置検出を行うことで、レンズ群が干渉やぶつかりなどを起こさずスムーズに完了することができる効果がある。
本発明の請求項16による撮像光学系のリセット方法によれば、通常撮影領域では、常に前記光路開閉手段が前記基準位置検出手段の光路に作用して検出状態とし、収納領域では、常に前記減光手段が前記基準位置検出手段の光路内に位置させるとともに、前記物体側のレンズ群を所定量移動させたときの前記基準位置検出手段の受光素子の受光量が、減光状態および光量変動状態のいずれか一方の受光状態である場合、前記物体側のレンズ群の基準位置を検出した後に、前記像面側のレンズ群の基準位置の検出を行なうことにより、特に、レンズ群が干渉やぶつかりなどを起こさず、確実で且つ速やかな動作を実現し得る。
【0041】
本発明の請求項17のズームレンズ鏡胴によれば、請求項1〜請求項10のいずれか1項のレンズ鏡胴を具備してなり、撮像光学系をズーム光学系として構成したことにより、特に、部品点数が少なく、製造コストを抑え、消費電流が少なく、レンズ群の干渉なしに基準位置の検出ができる。
本発明の請求項18のカメラによれば、請求項1〜請求項10および請求項17のいずれか1項のレンズ鏡胴、並びに請求項11〜請求項16のいずれか1項の撮像光学系のリセット方法の少なくともいずれかを採用することにより、特に、部品点数が少なく、製造コストを抑え、消費電流が少なく、リセット動作を干渉やぶつかりがなくスムーズに行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るレンズ鏡胴の要部の構成を模式的に示す縦断面図である。
【図2】図1のレンズ鏡胴の構成を模式的に示す分解斜視図である。
【図3】図1のレンズ鏡胴における一部を詳細に説明するための斜視図である。
【図4】図1のレンズ鏡胴における通常撮影状態の様子を説明するための斜視図である。
【図5】図1のレンズ鏡胴における収納状態の様子を説明するための斜視図である。
【図6】図1のレンズ鏡胴における通常撮影状態の基準位置検出構成を模式的に示す図である。
【図7】図1のレンズ鏡胴における通常撮影状態でリセット動作を行なったときの受光量特性を模式的に示す図である。
【図8】図1のレンズ鏡胴における異常終了状態の基準位置検出構成を模式的に示す図である。
【図9】図1のレンズ鏡胴における異常終了状態でリセット動作を行なったときの受光量特性を模式的に示す図である。
【図10】図1のレンズ鏡胴における収納状態の基準位置検出構成を模式的に示す図である。
【図11】図1のレンズ鏡胴における収納状態からリセット動作を行なったときの受光量特性を模式的に示す図である。
【図12】図1のレンズ鏡胴におけるリセット動作の概要を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係るレンズ鏡胴における一部を詳細に説明するための斜視図である。
【図14】図13のレンズ鏡胴におけるリセット動作の概要を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 第1群光学系
2 第2群光学系
3 第3群光学系
4 固定筒
5 カム筒
6 第1群駆動ピン
7 DC(直流)モータ
8 ギヤ列
9 絞り
10 スプリング
11 リードスクリュー
12 主軸
13 副軸
14 パルスモータ
15 フォトインタラプタ
16 フォトインタラプタ
17 第2群駆動ピン
18 ベース
Claims (18)
- 2群以上のレンズ群を含む撮像光学系と、前記撮像光学系の各レンズ群を光軸方向に沿ってそれぞれ独立に駆動する2以上の駆動手段とを備えるレンズ鏡胴において、
投光素子と受光素子とを有しこれら投光素子と受光素子との間の光の送受を利用して前記レンズ群が基準位置にあることを検出するための前記駆動手段の数よりも少ない1個以上の基準位置検出手段と、
前記撮像光学系の独立に駆動されるレンズ群のうちの1つのレンズ群に付設され、前記基準位置検出手段の投光素子から受光素子に至る光路を開閉する光路開閉手段と、
前記撮像光学系の独立に駆動されるレンズ群のうちの他のレンズ群に付設され、前記基準位置検出手段の投光素子から受光素子に至る光路の光を減光させる減光手段と
を具備することを特徴とするレンズ鏡胴。 - 前記減光手段は、NDフィルタを用いて構成した減光部材を含むことを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡胴。
- 前記減光手段は、おおむね格子状に穿孔された多孔遮光板を用いて構成した減光部材を含むことを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡胴。
- 前記基準位置検出手段は、前記投光素子から前記受光素子に至る光路が前記光路開閉手段および前記減光手段によってそれぞれ遮光および減光されることによって各別に位置検出を行なうフォトインタラプタを含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項に記載のレンズ鏡胴。
- 前記基準位置検出手段は、前記投光素子からの光を、ほぼ全反射にて反射偏向して前記受光素子に至る光路を形成する前記光路開閉手段の反射の有無および所定の中間反射率にて反射偏向して前記受光素子に至る光路を形成する前記減光手段の反射の有無によって、各別に位置検出を行なうフォトリフレクタを含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項に記載のレンズ鏡胴。
- 前記基準位置検出手段が1個設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項5のうちのいずれか1項に記載のレンズ鏡胴。
- 前記撮像光学系の前記各レンズ群は、通常撮影を行うための通常撮影領域と撮影を行わない収納領域とを含む移動領域を有することを特徴とする請求項1〜請求項5のうちのいずれか1項に記載のレンズ鏡胴。
- 前記駆動手段が2個設けられ、これらのうちの一方の駆動手段により駆動される前記減光手段が前記撮像光学系のうちの物体側のレンズ群に付設され、そして他方の前記駆動手段により駆動される前記光路開閉手段が前記撮像光学系のうちの像面側のレンズ群に付設されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のうちのいずれか1項に記載のレンズ鏡胴。
- 前記撮像光学系の前記各レンズ群は、通常撮影を行うための通常撮影領域と撮影を行わない収納領域とを含む移動領域を有し、且つ前記駆動手段が2個設けられ、これらのうちの一方の駆動手段により駆動される前記減光手段が前記撮像光学系のうちの物体側のレンズ群に付設され、そして他方の前記駆動手段により駆動される前記光路開閉手段が前記撮像光学系のうちの像面側のレンズ群に付設されており、通常撮影領域では、常に前記光路開閉手段が前記基準位置検出手段の光路に作用して検出状態としていることを特徴とする請求項1〜請求項5のうちのいずれか1項に記載のレンズ鏡胴。
- 前記撮像光学系の前記各レンズ群は、通常撮影を行うための通常撮影領域と撮影を行わない収納領域とを含む移動領域を有し、且つ前記駆動手段が2個設けられ、これらのうちの一方の駆動手段により駆動される前記減光手段が前記撮像光学系のうちの物体側のレンズ群に付設され、そして他方の前記駆動手段により駆動される前記光路開閉手段が前記撮像光学系のうちの像面側のレンズ群に付設されており、収納領域では、常に前記減光手段が前記基準位置検出手段の光路内にあることを特徴とする請求項1〜請求項5のうちのいずれか1項に記載のレンズ鏡胴。
- 請求項1〜請求項10のいずれか1項のレンズ鏡胴における撮像光学系のリセット方法において、リセット開始時の前記基準位置検出手段の前記受光素子における受光量を比較し、比較結果に基づいて撮像光学系の各レンズ群のリセットの順序を異ならせることを特徴とする撮像光学系のリセット方法。
- 前記撮像光学系の前記減光手段を付設したレンズ群の基準位置を、前記基準位置検出手段の前記受光素子の受光量が減光状態から非検出状態に変化した位置とすることを特徴とする請求項11に記載の撮像光学系のリセット方法。
- 前記撮像光学系の前記光路開閉手段を付設したレンズ群の基準位置を、前記基準位置検出手段の前記受光素子の受光量が非検出状態から検出状態となった位置とすることを特徴とする請求項11に記載の撮像光学系のリセット方法。
- リセット開始時に、前記撮像光学系の物体側のレンズ群を所定量移動させて、前記撮像光学系が通常撮影領域にあるか収納領域にあるかを判別し、その判別結果に基づいてリセット動作を異ならせることを特徴とする請求項11に記載の撮像光学系のリセット方法。
- 通常撮影領域では、常に前記光路開閉手段が前記基準位置検出手段の光路に作用して検出状態とし、収納領域では、常に前記減光手段が前記基準位置検出手段の光路内に位置させるとともに、前記物体側のレンズ群を所定量移動させたときの前記基準位置検出手段の受光素子の受光量が、光路開状態および光路閉状態のいずれか一方の受光状態で継続する場合、前記像面側のレンズ群の基準位置を検出した後に、前記物体側のレンズ群の基準位置の検出を行なうことを特徴とする請求項14に記載の撮像光学系のリセット方法。
- 通常撮影領域では、常に前記光路開閉手段が前記基準位置検出手段の光路に作用して検出状態とし、収納領域では、常に前記減光手段が前記基準位置検出手段の光路内に位置させるとともに、前記物体側のレンズ群を所定量移動させたときの前記基準位置検出手段の受光素子の受光量が、減光状態および光量変動状態のいずれか一方の受光状態である場合、前記物体側のレンズ群の基準位置を検出した後に、前記像面側のレンズ群の基準位置の検出を行なうことを特徴とする請求項14に記載の撮像光学系のリセット方法。
- 請求項1〜請求項10のいずれか1項のレンズ鏡胴を具備してなり、撮像光学系をズーム光学系として構成したことを特徴とするズームレンズ鏡胴。
- 請求項1〜請求項10および請求項17のいずれか1項のレンズ鏡胴、並びに請求項11〜請求項16のいずれか1項の撮像光学系のリセット方法の少なくともいずれかを採用して構成したことを特徴とするカメラ。
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