JP2004109290A - トナー画像形成装置 - Google Patents

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小山 一
Nobutaka Takeuchi
竹内 信貴
Takayuki Koike
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Abstract

【課題】投影画像の色調を良好に再現し得るトナーに適した画像形成を行うことができる新規なトナー画像形成装置を提供する。
【解決手段】単色のトナーからなる単色トナー画像の記録体P(透明シート)における単位面積当たりの最大平均トナー付着量をMmax[mg/cm]、トナーの真比重をρ[g/cm]、トナーの見掛け密度をρr[g/cm]、トナーの体積平均粒径をR[μm]、真球の最密充填率をBrで示した場合に、「1.5×ρr×R≦10×Mmax≦1.2×Br×ρ×R」という関係式を満足する画像形成を行わせるようにした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に係り、詳しくは、記録体上にトナーを付着させてトナー画像を形成した後、定着手段によって定着せしめるトナー画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のトナー画像形成装置として、電子写真方式のものが周知となっている。この電子写真方式とは、感光体等の潜像担持体に担持した潜像を現像手段によってトナー画像に現像した後、それを記録体に転写する方式である。
【0003】
また、いわゆる飛翔記録方式のものも知られている(例えば、特許文献1等)。この飛翔記録方式とは、トナー飛翔装置からドット状に飛翔させたトナー群を中間記録体やシート材に直接付着させてドット像を形成する方式である。
【0004】
一方、近年、パーソナルコンピュータの飛躍的な普及に伴って、オーバーヘッドプロジェクター(以下、OHPという)用のOHP原稿をトナー画像形成装置による画像出力で作成したいという要望が高まってきた。しかしながら、トナーからなるトナー画像はインク画像に比べて光透過性に劣るため、OHPによる投影画像の色調を良好に再現することが困難であった。特に、顔料系の粒状着色剤を含有するトナーは、その粒状着色剤の光透過性が悪いため、投影画像で色調を再現することが非常に難しく、暗くて見難い投影画像しか得られなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開平12−238311号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本出願人は、従来よりも小径の粒状着色剤をトナー基材内に均等に分散せしめることで、投影画像でも色調を良好に再現し得る新規なトナーを開発中である。ところが、かかるトナーを用いても、トナー画像形成装置の種類によっては、画像中のトナー量を多くし過ぎることから、投影画像で満足のいく色調が得られなくなってしまう。従来のトナー画像形成装置は、記録体上のトナー画像の色調に主眼をおいた設計がなされており、投影画像の色調について何ら考慮されていなかったからである。
【0007】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、投影画像の色調を良好に再現し得るトナーに適した画像形成を行うことができる新規なトナー画像形成装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述の新規なトナーを用いて、透明なOHPシート上に様々な厚みの単色トナー画像を形成し、それを加熱定着してみた。そして、その投影画像の色調再現性と、OHPシート上の定着画像の拡大観察結果との関係について調べてみたところ、次のようなことがわかった。即ち、投影画像の色調再現性に優れた定着画像は、定着時の加熱によって各トナー粒子が十分に軟化して一体化したことにより、OHPシート上で1つの樹脂層を形成していた。しかも、この樹脂層は適度な厚みであることから、十分な濃度の色を帯びつつ良好な光透過性を発揮していた。一方、投影画像の色調再現性に劣る定着画像は、各トナー粒子の一体化による樹脂層を形成しているものの、その樹脂層が薄厚であるか、あるいは肉厚であった。そして、薄厚のものは、粒状着色剤の不足によって十分な濃度の色を帯びていなかったために、色調再現性を悪化させていた。また、肉厚のものは、粒状着色剤の過多によって十分な光透過性を発揮することができなかったために、色調再現性を悪化させていた。加えて、定着時に多量のトナー粒子をOHPシート表面に十分に馴染ませることができなかったために、樹脂層とOHPシートとの間に多数の空泡を形成しており、これが光を乱反射させることで、光透過性の悪化に拍車をかけていた。本発明者らの研究によれば、OHPシート上の定着前のトナー画像におけるトナー粒子層の厚みがトナー粒径の1.5倍を下回ると、投影画像の濃度不足による色調再現性の悪化が急激に認められるようになった。また、定着後のトナー画像における樹脂層の厚みがトナー粒径の1.2内を上回ると、樹脂層の光透過性の不足による色調再現性の悪化が急激に認められるようになった。
【0009】
そこで、上記目的を達成するために、請求項1の発明は、単色のトナーからなる単色トナー画像の上記記録体における単位面積当たりの最大平均トナー付着量をMmax[mg/cm]、トナーの真比重をρ[g/cm]、トナーの見掛け密度をρr[g/cm]、トナーの体積平均粒径をR[μm]、真球の最密充填率をBrで示した場合に、1.5×ρr×R≦10×Mmax≦1.2×Br×ρ×Rの関係式を満足するように画像を形成することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1のトナー画像形成装置であって、潜像担持体上に担持した潜像を現像手段によって現像して得たトナー画像を、直接あるいは中間転写体を介して上記記録体に転写することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2のトナー画像形成装置において、上記単色トナー画像の上記潜像担持体における単位面積当たりの最大平均トナー付着量をdMmax[mg/cm]、トナーの真比重をρ[g/cm]、トナーの見掛け密度をρr[g/cm]、トナーの体積平均粒径をR[μm]、真球の最密充填率をBrでそれぞれ示した場合に、
1.5×ρr×R/0.98≦10×dMmax≦1.2×Br×ρ×R/0.8
の関係式を満足するように現像を行うことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項2又は3のトナー画像形成装置であって、上記現像手段が、トナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤を用いて上記潜像を現像し、該二成分現像剤として、該トナーよりも体積平均粒径の大きい磁性キャリアの1[kOe]中における磁化が30〜1000[emu/cm]であるものを用いることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項2、3又は4のトナー画像形成装置であって、上記現像手段は、現像バイアスが印加される現像剤担持体に担持したトナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤によって上記潜像を現像し、該現像バイアス印加時における該現像剤担持体と上記潜像担持体との間のダイナミック抵抗を10[Ω・cm]以下にする磁性キャリアを用いることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項2、3、4又は5のトナー画像形成装置において、上記潜像担持体として、表面に形成された感光層の露光部の電位を減衰させて上記潜像を担持する感光体を用いるとともに、上記現像手段として、現像バイアスが印加される現像剤担持体に担持した少なくともトナーを含む現像剤によって上記潜像を現像するものを用い、且つ、該感光層の非露光部の電位をE、露光部の電位をE、該現像バイアスの値をEでそれぞれ示した場合に、0<|E|−|E|<|E−E|<400[V]を満足することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れかのトナー画像形成装置において、上記記録体の種類を判別する判別手段を設け、該判別手段による判別結果に基づいて上記関係式を具備する画像形成を行わせるようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れかのトナー画像形成装置において、本体にセットされるトナーとして、基材中に分散された粒状着色剤の個数平均径が0.5[μm]以下で、平均径0.7[μm]以上の該粒状着色剤を5[個数%]以下の割合で含むものを指定したことを特徴とするものである。
【0010】
これらのトナー画像形成装置においては、「1.5×ρr×R≦10×Mmax」という関係式を満足することで、記録体上の定着前のトナー画像におけるトナー粒子層の厚みをトナーの体積平均粒径(R)の1.5倍以上確保する。よって、本出願人によって開発された上述の新規なトナーのように、投影画像の色調を良好に再現し得るトナーを用いれば、投影画像の濃度不足による色調再現性の悪化を抑えることができる。一方、「10×Mmax≦1.2×Br×ρ×R」という関係式を満足することで、記録体上の定着後のトナー画像における一体化トナー層(例えば樹脂層)の厚みをトナーの体積平均粒径(R)の1.2倍以下に留める。よって、投影画像の色調を良好に再現し得るトナーを用いれば、該投影画像の光透過性の不足による色調再現性の悪化を抑えることができる。従って、投影画像の色調を良好に再現し得るトナーに適した画像形成を行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した画像形成装置の一実施形態として、電子写真方式のプリンタ(以下、単に「プリンタ」という)について説明する。
まず、本実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。図1は、本実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。このプリンタは、潜像担持体たるドラム状の感光体1の周囲に、帯電手段2、光書込手段3、現像手段4、転写手段5、ドラムクリーニング手段6、除電手段7を備えている。また、転写手段5の図中左側方に配設された定着手段8も備えている。
【0012】
図示しない駆動手段によって図中時計回りに回転駆動せしめられる感光体1は、アルミ等からなる素管の表面に有機感光層が形成されたものであり、回転に伴って帯電手段2によって例えば負極性に一様帯電せしめられる。そして、図示しないパーソナルコンピュータ等から送られてくる画像情報に基づいて光走査情報を構築する光書込手段3から発せられるレーザー光Lの走査によって露光部の電位が減衰せしめられる。これにより、露光部周囲の地肌部よりも電位の小さい静電潜像を担持する。この静電潜像は、感光体1の回転に伴って現像手段4との対向位置である現像位置を通過する際に、現像手段4の現像スリーブ4aに担持されるトナーと磁性キャリアとを含有する二成分現像剤に摺擦せしめられる。そして、この二成分現像剤に含まれる例えば負極性のトナーが静電的に付着せしめられてトナー画像に現像される。
【0013】
上記現像位置よりも感光体回転方向下流側には、感光体1と転写手段5とが対向する転写位置が形成されている。感光体1上で現像されたトナー画像は、感光体1の回転に伴ってこの転写位置に進入する際に、図示しない給紙手段によってタイミングを合わせて搬送されてくるシート状の記録体Pに重ね合わされる。そして、感光体1の露光部と転写手段5との間に形成される転写電界の影響を受けて記録体P上に静電転写される。このようにしてトナー画像が静電転写せしめられた記録体Pは、転写位置から定着手段8へと送られる。
【0014】
上記定着手段8は、内部に図示しない熱源を有する加熱ローラ8aと、これに押圧される押圧ローラ8bとの接触によって定着ニップを形成している。これらローラは、互いの接触部でそれぞれの表面を同方向に移動させるように回転駆動される。かかる構成の定着手段8に送られた記録体Pは、定着ニップに挟み込まれてローラ表面移動方向に搬送される。この際、ニップ圧や加熱の影響によってトナー画像が定着せしめられる。定着後の記録体Pは、図示しない排紙手段を経由して機外へと排出される。
【0015】
上記転写位置を通過した感光体1表面は、その回転に伴ってドラムクリーニング手段6との対向位置を通過する際に、転写残トナーがクリーニングされる。そして、除電手段によって残留電荷が取り除かれた後、帯電手段によって一様帯電せしめられて初期状態に戻る。
【0016】
なお、図1では、帯電手段2として、帯電バイアスが印加される帯電ローラ等のバイアス部材を感光体1に接触させる方式のものを示したが、帯電チャージャ等の非接触方式のものを用いても良い。また、レーザー光の照射によって静電潜像を形成する光書込手段3を設けた例を示したが、LEDアレイからのLED光によって光書込を行うものを用いても良い。また、光書込ではなく、イオン噴射等によって静電潜像を形成するものでもよい。また、転写手段5として、転写バイアスが印加される転写ローラを感光体1に接触させるローラ接触方式のものを示したが、ベルトを接触させるベルト接触方式のものや、転写チャージャなどの非接触方式のものを用いても良い。また、ドラムクリーニング手段6として、クリーニングブレードによる掻き取り方式のものを示したが、クリーニングバイアスが印加されるブラシやローラを接触させる静電回収方式のものを用いてもよい。また、潜像担持体としてドラム状の感光体1を設けた例について説明したが、ベルト状の感光体などを用いても良い。また、感光体1とその周囲の機器とを個別に設けたプリンタの例について説明したが、感光体1とその周囲の機器とを1つのユニットとして共通のケーシング内に収めたプロセスカートリッジとしてもよい。例えば、感光体1、帯電手段2、現像手段4及びドラムクリーニング手段6を1つのプロセスユニットとして、プリンタ本体に対して着脱可能に構成するのである。
【0017】
図2は、上記現像手段4の要部構成を示す拡大構成図である。現像手段5は、ケーシング内に現像部と攪拌部とを有している。現像部には、ケーシングの開口から周面の一部を露出させる現像スリーブ4aや、ドクタブレード4bなどが設けられている。筒状の現像スリーブ4aは、アルミニウム、真鍮、ステンレス、導電性樹脂などの非磁性体からなり、その表面がサンドブラスト等によって十点平均粗さRzで10〜20[μm]程度まで粗面化せしめられている。このような粗面化により、二成分現像剤との摩擦抵抗を高めて所定の剤汲み上げ能力を発揮する。サンドブラスト等による粗面化に代えて、表面に数十〜数百[mm]の深さの溝を複数設けたものを使用していもよい。
【0018】
図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動せしめられる現像スリーブ4a内部には、図示しないマグネットローラ4cがスリーブに連れ回らないように固定されている。このマグネットローラ4cは、その周方向に分かれた複数の磁極を有している。これら磁極の影響により、現像スリーブ4cの周囲には、法線方向に延びる複数の磁界が形成される。
【0019】
現像手段4の上記攪拌部には、2つの搬送スクリュウ4dや、図示しないトナー濃度センサ(以下、Tセンサという)などが設けられており、トナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤が収容されている。この二成分現像剤(以下、単に「現像剤」という)は、図3に示すように、磁性キャリアCの表面に多数のトナーTを付着させている。そして、先に示した図2において、2つの搬送スクリュウ4dによって図中奥行き方向に撹拌搬送されながら摩擦帯電せしめられる。図中左側の搬送スクリュウ4dに攪拌搬送される二成分現像剤は、現像スリーブ4dの表面に対してその軸線方向に接触する。すると、現像スリーブ4dから延びる磁界の影響を受けてスリーブ表面に担持されて攪拌部内から汲み上げられる。そして、スリーブ表面に連れ回って搬送される。
【0020】
上記ドクタブレード4bは、その先端と現像スリーブ4a表面との間に所定の間隙を保持するようにケーシングに固定されている。この間隙はドクタギャップと呼ばれ、本プリンタの現像手段4では0.4〜0.7[mm]程度に設定されている。上記攪拌部から汲み上げられた現像剤は、スリーブ表面に連れ回ってこのドクタギャップを通過する際に、層厚が規制されて現像に好ましい量にある。具体的には、20〜100[mg/cm]程度の量になる。そして、スリーブ表面の回転に伴って図示しない感光体との対向位置である現像位置まで搬送される。この現像領域には、マグネットローラ4cの図示しない現像磁極によってスリーブ法線方向に強い磁力を発揮する現像磁界が形成されている(磁束密度で60mT以上)。この現像磁界の影響により、現像剤は穂立ちして磁気ブラシとなる。そして、その先端を図示しない感光体に摺擦させながら移動して、静電潜像にトナーを付着させる。この付着により、静電潜像がトナー画像に現像される。現像によってトナーを消費した現像剤は、スリーブ表面に連れ回ってケーシング内に移動し、図示しない反発磁界の影響を受けてスリーブ表面から離脱して、攪拌部内に戻る。
【0021】
本プリンタにおいて、上記現像位置における感光体(1)と現像スリーブ4aとの間隔である現像ギャップは、0.4[mm]に設定されている。現像ギャップは、現像剤の磁性キャリアの粒径が50[μm]であれば、10倍程度(0.55mm)以下に設定するのが良い。現像ギャップをこれより広くすると直流現像バイアス電圧印加条件下では、望ましいとされる画像濃度が出にくくなる。
【0022】
上記攪拌部内において、2つの搬送スクリュウ4dの間には仕切壁4eが設けられている。この仕切壁4eによって攪拌部内が2つに仕切られている。2つの搬送スクリュウ4dのうち、図中左側に配設されている方は、その回転駆動に伴って現像剤を例えば図中奥側から手前側へと搬送しながら現像スリーブ4aに供給する。図中手前端まで搬送された現像剤は、仕切壁4eに設けられた図示しない開口を通って図中右側の搬送スクリュウ4dに受け渡される。そして、今度は図中手前側から奥側へと搬送されながら、補給口4fから落下してくる補給トナーを取り込んだ後、仕切壁4eに設けられた図示しないもう一方の開口を通って図中左側の搬送スクリュウ4d上に戻される。このようにして、現像剤は攪拌部内を循環搬送せしめられる。
【0023】
上記補給口4fからのトナー補給は、図示しない透磁率センサからなるTセンサによる検知結果に基づいてなされる。このTセンサは、図中右側の搬送スクリュウ4dによって搬送される現像剤の透磁率を検知するように配設されて、その透磁率に応じた値の電圧を出力する。現像剤の透磁率は、トナー濃度とある程度の相関を示すため、Tセンサは現像剤のトナー濃度に応じた値の電圧を出力することになる。この出力電圧の値は、図示しない制御部に送られる。制御部は、RAMを備えており、この中にTセンサからの出力電圧の目標値であるVtrefを格納している。Vtrefは、図示しないトナー供給装置の駆動制御に用いられる。具体的には、上記制御部は、Tセンサからの出力電圧の値をVtrefに近づけるように、図示しないトナー供給装置を駆動制御して攪拌部内にトナーを補給させる。この補給により、攪拌部内の現像剤のトナー濃度が所定の範囲内に維持される。
【0024】
次に、本プリンタの特徴的な構成について説明する。
本出願人は、基材たるバインダー樹脂中に分散せしめられた粒状着色剤の個数平均径が0.5[μm]以で、且つ平均径0.7[μm]以上の粒状着色剤を5[個数%]以下の割合で含むトナーを開発した(以下、開発トナーという)。この開発トナーは、従来よりも粒径の小さな顔料系の粒状着色剤がバインダー樹脂中に均等に分散せしめられており、着色剤粒子間で光を反射させながら良好に透過させることができる。このことにより、投影画像の色調を良好に再現し得るトナー画像を形成することができる。また、粒状着色剤の分散粒径や形状を定着後でも殆ど変化させず、粒状着色剤が粗分散されたものに比べて、着色剤による光散乱、回折現象を顕著に示すため、色調の鮮明な透過性の高い優れた投影画像をつくり出すことができる。但し、この開発トナーを用いても、トナー画像中のトナー量を不足させると、投影画像に濃度不足をきたしてしまう。また、トナー量を多くし過ぎると、着色剤の過多に起因する光透過性の不足によって投影画像の色調を十分に再現できなくなってしまう。そこで、本発明者は、OHPシート上に転写された定着前のトナー画像における単位面積あたりのトナー付着量と、投影画像の画像濃度との関係について調べてみた。このとき、トナー付着量については、OHPシート上のトナー画像を粘着テープに転写して重量を測定した。また、OHPシート上で定着されたトナー画像における単位面積あたりのトナー付着量と、投影画像のヘイズ度(濁り度)との関係についても調べてみた。このとき、トナー付着量については、定着に伴って各トナー粒子が軟化、一体化した樹脂層の厚みを測定し、測定結果に基づいて求めた。また、粒状着色剤を含む従来の一般的なトナーについても、同様の関係を比較対照として調べてみた。
【0025】
これらの結果を図4に示す。図示のように、従来のトナーでは、投影画像で目標濃度下限以上の画像濃度が得られるようにトナー画像中のトナー付着量を設定すると(図中▲2▼)、投影画像のヘイズ度が目標の上限を超えてしまう。ヘイズ度が目標の上限を超えると、トナー画像が光を良好に透過しないことに起因して、投影画像で色調が良好に再現されなくなってしまう。図5は、このようにヘイズ度が目標の上限を超えたトナー画像を示す拡大断面図である。図において、透明なOHPシート等からなる記録体P上には、樹脂層Lyが密着している。この樹脂層Lyは、平面的にトナー画像を構成しており、上記転写手段(5)によって記録体P上に転写せしめられた無数のトナー粒子が定着に伴う軟化によって一体化したものである。樹脂層Lyの厚みはトナーの体積平均粒径Rの2倍を超えており、内部に分散している大粒径の粒状着色剤が光の透過を阻害して投影画像のヘイズ度を高めている。また、樹脂層Lyと記録体Pとの間には、所々に空泡Bが形成されており、これが光を乱反射させることでヘイズ度の上昇に拍車を掛けている。図6は、図5に示したトナー画像の定着前の状態を示している。図示のように、定着前のトナー画像は、記録体P上にトナーが2.5層程度重なったトナー粒子層を形成している。このような厚みのトナー粒子層では、定着時に多量のトナー粒子をOHPシート表面に十分に馴染ませることができず、図5に示したような空洞Bを多数形成してしまうのである。
【0026】
一方、先に図4に示したように、開発トナーでは、トナー画像中のトナー付着量を▲1▼以上確保すれば投影画像で目標濃度下限以上の画像濃度が得られ、ヘイズ度も目標の上限より低く抑えることができる。但し、トナー付着量が▲2▼を超えると、ヘイズ度が目標の上限を超えてしまう。よって、トナー付着量を▲1▼以上▲2▼以下の範囲に収めれば、十分な画像濃度で且つ良好な光透過性を発揮する色調再現性に優れた投影画像を実現し得るトナー画像を形成することができる。なお、トナー付着量▲1▼とは、図7に示すように、定着前のトナー画像中で1.5層以上のトナー層を記録体P上に形成し得る量であった。また、トナー付着量▲2▼とは、図8に示すように、定着後のトナー画像中で樹脂層Lyをトナーの体積平均粒径Rの1.2倍以下の厚みで形成し得る量であった。この厚みでは、図示のように、定着時に各トナー粒子が記録体Pに十分に馴染んで一体化することから、樹脂層Lyと記録体Pとの間に形成される空洞を解消し得ることがわかる。
【0027】
そこで、本プリンタは、次の関係式を具備させるように構成されている。
【数1】
1.5×ρr×R≦10×Mmax≦1.2×Br×ρ×R
※但し、
Mmax:単色のトナーからなる単色トナー画像の記録体Pにおける単位面積当たりの最大平均トナー付着量[mg/cm
ρ:トナーの真比重[g/cm
ρr:トナーの見掛け密度[g/cm
R:トナーの体積平均粒径[μm]
Br:真球の最密充填率(68.02%)
【0028】
なお、トナーの見掛け密度ρrについては、容器中を自然落下させたトナー粉体で充填した後、平板ですり落とした充填トナーを検査対象とするJIS Z2504によって求めた。流動性の良いトナーは、充填率が35[%]程度まで高まる。ゆるみ見掛け密度という場合もある。これに対し、再現性の向上を図るべく、充填トナーに振動を加えてから測定したものを圧縮密度という。上記開発トナーの見掛け密度ρrは0.35〜0.40[g/cm]である。また、真球の最密充填は、接触点の数=8、面心立方、稠密六方を想定したときの値であり、68.02[%]となる。開発トナーは、円形度が0.90以上、1.00未満の範囲になり、粉砕トナーでは得にくい比較的真球に近い形状となっている。このため、ドクタギャプ、現像ギャップ、転写ニップ、定着ニップなどで加圧された場合の加圧圧縮密度ρpを真比重ρで割ったρp/ρ、即ちトナー充填率がほぼ最密充填の充填率Brと同じ値になる。また、真比重ρ=1.15〜1.20[g/cm]、ゆるみ見掛け密度ρr=0.35〜0.40[g/cm]、圧縮密度ρt=0.65〜0.7[g/cm]程度である。
【0029】
上記数1の関係式において、「1.5×ρr×R≦10×Mmax」という条件を具備することは、記録体P上の定着前のトナー画像におけるトナー粒子層の厚みをトナーの体積平均粒径Rの1.5倍以上確保することを意味している。また、「10×Mmax≦1.2×Br×ρ×R」という条件を具備することは、定着によって記録体P上に形成される樹脂層Lyの厚みをトナーの体積平均粒径Rの1.2倍以下に留めることを意味している。よって、本プリンタは、上記開発トナーを用いて、投影画像の濃度不足による色調再現性の悪化や、投影画像の光透過性の不足による色調再現性の悪化のない色調再現性に優れたトナー画像を形成することができる。
【0030】
例えば、本プリンタでは、シアン色の開発トナーを用いて記録体P上に最大トナー付着量0.55[mg/cm]のシアントナー画像を形成することができた。このシアントナー画像の投影画像は、目標濃度下限の1.3を上回る1.45という画像濃度IDを実現しつつ、目標ヘイズ度上限の35[%]を大きく下回る20[%]というヘイズ度を実現した。なお、この開発トナーの性状は次の通りであった。
・真比重ρ=1.2[g/cm
・見掛け密度ρr=0.39[g/cm
・体積平均粒径R=7[μm]
【0031】
これらの数値を上記数1の関係式にあてはめてみると、次式を得ることができる。
【数2】
1.5×ρr×R=4.095≦10×0.55
【数3】
1.2×Br×ρ×R=6.86≧10×0.55
【0032】
0.55[mg/cm]というシアントナー画像中の最大トナー付着量は、上述の関係式の条件内にあることがわかる。なお、定着前のシアントナー画像におけるトナー粒子層の厚みは2.0層程度であった。また、定着後のシアントナー画像における樹脂層Lyの厚みは体積平均粒径R(7μm)の0.961倍程度であった。これらと、上記数1の関係式とによって理論上のトナー付着量を求めてみると、次のようになる。
【数4】
2.0×ρr×R/10=0.546
【数5】
0.961×Br×ρ×R/10=0.549
【0033】
理論上の付着量(0.546、0.549)と、実際の付着量(0.55)とが殆ど同じであることがわかる。
【0034】
一方、上述の関係式を具備させないように、最大トナー付着量を0.80[mg/cm]まで増やしてシアントナー画像を形成してみた。すると、投影画像で、目標濃度下限の1.3を上回る1.35という画像濃度IDを実現したものの、目標ヘイズ度上限の35[%]を超える37[%]という光透過性の悪いシアントナー画像になった。なお、この開発トナーの性状は次の通りであった。
・真比重ρ=1.2[g/cm
・見掛け密度ρr=0.35[g/cm
・体積平均粒径R=7[μm]
【0035】
これらの数値を上記数1の関係式にあてはめてみると、次式を得ることができる。
【数6】
1.5×ρr×R=3.68≦10×0.80
【数7】
1.2×Br×ρ×R=6.86(≦10×0.80となって条件不成立)
【0036】
最大トナー付着量Mmaxを「1.2×Br×ρ×R」よりも多くした結果、ヘイズ度を悪化させたことがわかる。なお、定着前のシアントナー画像におけるトナー粒子層の厚みは3.3層程度であった。また、定着後のシアントナー画像における樹脂層Lyの厚みは体積平均粒径R(7μm)の1.4倍程度であった。これらと、上記数1の関係式とによって理論上のトナー付着量を求めてみると、次のようになる。
【数8】
3.3×ρr×R/10=0.81
【数9】
1.4×Br×ρ×R/10=0.80
【0037】
理論上の付着量(0.81、0.80)と、実際の付着量(0.80)とが殆ど同じであることがわかる。
【0038】
本プリンタでは、上記現像位置において上記現像スリーブ(4a)から感光体(1)上の静電潜像(単色トナー像用の静電潜像)に付着させる最大トナー量をコントロールすることで、上記数1の関係式を具備させるようにしている。具体的には、現像後の感光体(1)上の単色トナー画像は記録体P上に転写される際に、感光体(1)上に若干の転写残トナーを生ずる。この転写残トナーの量を見込んで、記録体P上に転写される単色トナー画像について「1.5×ρr×R≦10×Mmax」のトナー付着量を確保できるように、現像時の最大トナー付着量dMmaxをコントロールしているのである。また、記録体Pに転写された単色トナー画像は、上記定着手段(8)で定着せしめられる際に、上記加熱ローラ(8a)に若干のオフセットを生ずる。このオフセット量を見込んで、記録体P上に転写される単色トナー画像について「10×Mmax≦1.2×Br×ρ×R」のトナー付着量に抑えるように、現像時の最大トナー付着量dMmaxをコントロールしているのである。なお、電子写真方式の画像形成装置においては、潜像担持体から記録体へのトナー量転写率を98[%]以上確保できるように設計するのが一般的である。また、定着後のトナー量率については、現像後のトナー量の80[%]以上確保できるように設計するのが一般的である。よって、現像後の単色トナー像の最大トナー付着量dMmaxを次式にするような現像条件を具備させれば、上記数1の関係式を容易に具備させることができる。
【数10】
1.5×ρr×R/0.98≦10×dMmax≦1.2×Br×ρ×R/0.8
【0039】
本プリンタにおいては、二成分現像剤として、トナーよりも体積平均粒径の大きい磁性キャリアを含有し、その1[kOe]中における磁化が30〜1000[emu/cm]であるものを用いるように構成されている。かかる二成分現像剤では、1[kOe]中での30[emu/cm]以上という十分な磁化を発揮する磁性キャリアを用いることにより、磁化不足による感光体(1)へのキャリア付着を有効に抑えることができる。また、1[kOe]中で1000[emu/cm]超という過剰なまでの磁化を発揮しないことにより、感光体(1)上のトナー画像を磁気ブラシの先端で引っ掻いてしまうことによる画像のざらつきを抑えることができる。
【0040】
また、本プリンタは、現像バイアスが印加される上記現像スリーブ(4a)と、感光体(1)との間に最大電位差を生じせしめたときのダイナミック抵抗を10[Ω・cm]以下に抑え得る磁性キャリアを用いるように構成されている。このダイナミック抵抗とは、次に説明する抵抗である。即ち、二成分現像剤を担持させた現像スリーブ(4a:本例ではφ20mmで線速600rpm)に、0.9mmのギャップを介して、幅65mm、長さ1mmの面積の電極を対向させる。そして、スリーブ表面とこの電極との間に上記最大電位差(高抵抗シリコンコートキャリアでは400Vから鉄粉キャリアでは数V)を生じせしめたときの両者間の抵抗値である。ダイナミック抵抗を10[Ω・cm]以下に抑えることで、現像時間(磁気ブラシを現像位置で感光体に接触させる時間)を短時間に抑えても、現像電界に見合った十分なトナー量を感光体に付着させることができる。
【0041】
本プリンタにおいては、上記感光体(1)の地肌部電位である非露光部の電位をE、露光部の電位(潜像電位)をE、現像バイアスの値をEでそれぞれ示した場合に、次式を具備するように構成されている。
【数11】
0<|E|−|E|<|E−E|<400[V]
【0042】
この関係式において、「|E|−|E|」は、地肌部と現像バイアス値との電位差を示している。また、「|E−E|」は、地肌部と露光部との電位差を示している。後者の電位差を前者の電位差よりも大きくすることで、地肌部へのトナー付着を有効に抑えることができる。また、後者の電位差を400[V]未満に抑えることで、電位差が多き過ぎることによる地肌部と露光部との間の放電を回避することができる。このことは、パッシェンの放電理論により裏付けられる。
【0043】
先に示した図1において、感光体1は線速200[mm/sec]、現像スリーブ4aは線速300[mm/sec]になるようにそれぞれ回転駆動される。感光体1、現像スリーブ4a、攪拌スクリュウ(図2)の直径は、それぞれ、50、16、18[mm]である。また、感光体1の感光層の厚み=28[μm]、レーザー光Lによるビームスポット系=50×60[μm]、レーザー光量=0.23[mW]になっている。
【0044】
従来の画像形成装置においては、レーザー光量をできるだけ高密度にするようにビーム径を絞って露光する手法を用いて2値プロセスを行うのが一般てきであった。ところがレーザー光量をアップすると、それだけ高密度の光量のビーム径を絞る手段が必要になって、部品組付精度が厳しく問われるために大きなコストアップを招来することになる。更には、レーザー光量を多くしたために、感光体1上での通電電荷量の増大化によるいわゆる静電ハザードを招来し、感光体1の短命化を助長してしまうという不具合もあった。そこで、本プリンタでは、感光体1の地肌部の電位をできるだけ低く抑えるとともに、レーザー光量も低く抑えることで、汎用光学部品を使用しても高精細な潜像を形成すると共に感光体への静電ハザードを低減して長寿命化を可能にしている。本プリンタの現像特性を示すγ曲線(現像電位差に対する現像量)をみると、その傾きが大きく比較的低電位でも現像が可能であることがわかる。これは現像スリーブ4a上のトナー量を一定にしてベタ画像でもトナーを効率良く静電潜像に転移させ得ることを示している。小径ドットを形成する場合でも、地肌部電位を低く抑えることができ、従来の約半分のレーザー光量で均一なドット画像を形成することができる。
【0045】
現像バイアスとしては、直流電圧に交流電圧が重畳された振動バイアス電圧が用いられている。地肌部電位と露光部電位とは、この振動バイアス電位の最大値と最小値の間に位置している。これによって露光部と現像スリーブ4aとの間に向きが交互に反転する交互電界が形成される。この交互電界中で現像剤のトナーとキャリアが激しく振動し、トナーが現像スリーブ4a上の磁性キャリアから離脱して感光体1上の静電潜像に向けて飛翔・付着する。振動バイアス電圧の最大値と最小値の差(ピーク間電圧)は、0.5〜5[KV]が好ましく、周波数は1〜10[kHz]が好ましい。振動バイアス電圧の波形は、矩形波、サイン波、三角波の何れであってもよい。振動バイアスの直流電圧成分は、地肌部電位と露光部電位との間の値であるが、露光部電位よりも地肌部電位に近い値である方が、地肌部へのかぶりトナーの付着を抑えることができる。振動バイアス電圧の波形を矩形波にする場合には、デューティ比を50[%]以下にすることが望ましい。デューティ比とは、振動バイアスの1周期中でトナーが感光体1に向かおうとする時間の割合である。デューティ比を50[%]以下にすることで、トナーを感光体1に向かわせようとピーク値とバイアスの時間平均値との差を大きくすることができる。そして、このことにより、トナーの運動を活発化せしめ、トナーを潜像面の電位分布に忠実に付着させてざらつき感を抑えつつ、解像力を向上させることができる。またトナーとは逆極性の電荷を有するキャリアを感光体1に向かわせようとするピーク値とバイアスの時間平均値との差を小さくすることができるので、キャリアの運動を沈静化せしめ、地肌部へのキャリア付着を大幅に低減することができる。
【0046】
本プリンタが上記数1の関係式を具備させるプリントを行うのは、「透明シート出力モード」が設定されている場合だけである。この設定は、例えば、プリンタ本体に設けられた図示しない操作パネルに対するユーザーの入力操作によって行われる。また例えば、図示しないパーソナルコンピュータ等から画像情報とともに送られてくる「出力紙情報」が「透明シート」であった場合に、プリンタ本体の図示しない制御部が自動で設定する。このように、「透明シート出力モード」である場合に限って上記数1の関係式を具備させることにより、投影画像を得る必要のない紙出力画像については、単色トナー画像に対する最大トナー付着量Mmaxを増加させることができる。そして、このことにより、紙出力画像の画像濃度を高めることができる。
【0047】
図9は上記開発トナーを示す模式図である。開発トナーTは、基材たるバインダー樹脂中に、粒状着色剤が微分散されている。この他、離型促進剤や帯電制御剤なども分散されている。また、バインダー樹脂による粒子の外面には、外部添加剤が塗布されている。
【0048】
かかる開発トナーTは、次のようにして製造されたものである。即ち、まず、有機溶媒中に少なくとも、イソシアネート基を含有するポリエステル系プレポリマーAを溶解した後、粒状着色剤が分散せしめる(分散液1)。そして、離型促進剤を溶解あるいは分散せしめた油性分散液を無機微粒子やポリマー微粒子の存在下で分散せしめた水系媒体を分散液1に添加する。これにより、プレポリマーAをポリアミンや活性水素含有基を有するモノアミンBと反応させてウレア基を有するウレア変性ポリエステル系樹脂を形成せしめ、このウレア変性ポリエステル系樹脂Cを含む分散液から、それに含まれる液状媒体を除去することにより開発トナーTを得る。ウレア変性ポリエステル系樹脂については、ガラス転移点Tgが40〜65[℃]、より好ましくは45〜60[℃]のものを用いている。その数平均分子量Mnは2500〜50000で、より好ましくは2500〜30000である。また、その重量平均分子量Mwは1万〜50万、好ましくは3万〜10万である。かかる開発トナーTは、プレポリマーAとモノアミンBとの反応によって高分子量化されたウレア結合を有するウレア変性ポリエステル系樹脂Cをバインダー樹脂として含む。そして、そのバインダー樹脂中には粒状着色剤が均等に分散せしめられている。
【0049】
粒状着色剤については、高分子分散剤や更にシナージストを加えて分散せしめることにより、バインダー樹脂中に均等に分散せしめることが可能になるこのシナージスト(Synergist)とは、顔料と強い相互作用を発揮するとともに、高分子分散剤とも強い相互作用を発揮する化合物である。かかるシナージストと高分子分散剤とを併用することで、シナージストを粒状着色剤と高分子分散剤との間に介在せしめ、より効果的に均等分散を促すことができる。シナージストについては、粒状着色剤と強い相互作用を発揮するとともに高分子分散剤とも強い相互作用を発揮する化合物であれば特に制限はない。高分子分散剤としては、従来一般的にトナーに用いられてきたものを用いることができる。シナージスト及び高分子分散剤の使用量は、粒状着色剤100重量部に対して0.1〜100重量部である。0.1重量部以下だと十分な効果が得られず、100重量部以上であるとトナーの帯電特性が大きく劣化してしまう。
【0050】
開発トナーT中の粒状着色剤の分散粒径や粒度分布については、次のようにして測定した。即ち、開発トナーTをエポキシ樹脂に包埋せしめ、ミクロトームMT6000−XL(盟和商事社製)にてトナー粒子を約100[nm]に超薄切片化した測定サンプルを用意する。これを電子顕微鏡(日立製作所社製 H−9000NAR)を用いて加速電圧100[kV]にて10000〜40000倍で撮影してTEM写真を得る。そして、その画像情報をIMAGE ANALYZERの画像処理解析装置LUZEX IIIにて画像データに変換する。以上の操作を、無作為にサンプリングしたエポキシ樹脂中のトナー粒子についてサンプリング数300回を超えるまで繰り返し行って、平均粒径と粒度(粒径)分布を求めた
【0051】
すると、開発トナーTは、その重量平均粒径(Dv)が4〜8[μm]であり、その個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00≦Dv/Dn≦1.25であった。Dv/Dnをこのような範囲に留めるたことにより、高解像度、高画質のトナーを得ることが可能となった。また、粒状着色剤の重量平均粒径(Dv)=4〜8[μm]、Dv/Dn=「1.00≦Dv/Dn≦1.25」、且つ3μm以下の粒子を個数%=1〜10個数%、にすると更に高品質の画像を得ることができた。更に望ましくは、重量平均粒径=4〜6[μm]、Dv/Dn=1.00≦Dv/Dn≦1.15にすると、投影画像の色調再現性に極めて優れた単色トナー画像を形成することができた。かかる条件を具備した開発トナーTは、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性のいずれにも優れ、とりわけフルカラー複写機などに用いた場合に画像の光沢性に優れている。更に二成分現像剤においては、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナーの粒子径の変動が少なくなり、現像装置における長期の攪拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
【0052】
一般的には、トナーの粒子径は小さければ小さい程、高解像で高画質の画像を得る為に有利であると言われているが、逆に、転写性やクリーニング性に対しては不利である。また、開発トナーTのように体積平均粒子径Rが比較的小さいものでは、磁性キャリアとの長期の攪拌に伴ってキャリア表面にが融着して、磁性キャリアの帯電能力を低下させるおそれがある。また、磁性キャリアを含まない一成分現像剤として用いた場合には、現像スリーブ4aやドクタブレードへのフィルミングや融着を起こし易くなる。これらの現象には、トナー中の微粉の含有率が大きく関係し、特に3μm以下の粒子含有量が10%を超えると、トナーのキャリアへの付着が生じ難くなる。更には、高いレベルで帯電の安定性を図ることが困難になる。逆に、トナーの粒子径が8[μm]を超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中におけるトナー収支に伴うトナー粒子径の変動を大きくしてしまう。なお、重量平均粒子径/個数平均粒子径を、1.25よりも大きくしても、同様の不具合を生ずることもわかった。
【0053】
開発トナーTの平均粒径及び粒度分布については、カーコールターカウンター法によって測定した。その測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)があげられる。本実施形態では、コールターカウンターTA−II型を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科技研社製)と、PC9801パーソナルコンピューター(NEC製)とを接続し測定した。
【0054】
トナーの個数分布及び体積分布については、次のようにして測定した。即ち、まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。この電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて形成した約1%NaCl水溶液である。例えば、ISOTON−II(コールター社製)を使用することができる。得られた液に、更に測定試料を2〜20mg加える。そして、試料が懸濁せしめた電解液を、超音波分散器で約1〜3分間分散処理し、上述の測定装置によってアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子の体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出した。チャンネルとしては、次に列記する13チャンネルを用いた。
・2.00〜2.52μm未満
・2.52〜3.17μm未満
・3.17〜4.00μm未満
・4.00〜5.04μm未満
・5.04〜6.35μm未満
・6.35〜8.00μm未満
・8.00〜10.08μm未満
・10.08〜12.70μm未満
・12.70〜16.00μm未満
・16.00〜20.20μm未満
・20.20〜25.40μm未満
・25.40〜32.00μm未満
・32.00〜40.30μm未満
【0055】
トナーの定着時における耐ホットオフセット性に関しては、これまでにもバインダー樹脂の分子量分布の制御を含む様々な検討が行われてきた。低温定着性と耐ホットオフセット性という相反する性質の両立を図るための方法としては、分子量分布の広いバインダー樹脂を用いる方法や、分子量が数十万〜数百万の高分子量成分と、分子量が数千から数万の低分子量成分を含む少なくとも2つの分子量ピークを有する混合樹脂を用いる方法等がある。高分子量成分が架橋構造を持っているか又はゲルの状態であると、ホットオフセットにはより効果的である。しかし、光沢性や透明性なども求められているフルカラートナーにおいては、高分子量成分の多量の導入は好ましくない。一方、開発トナーTでは、ウレア結合を有する高分子量のウレア変性ポリエステル系樹脂を含むことから、透明性や光沢性を満足しながら、耐ホットオフセット性をも達成することが可能になった。
【0056】
開発トナーT中に含有せしめるバインダー樹脂の分子量分布におけるメインピーク分子量について、通常2500〜10000、好ましくは2500〜8000、さらに好ましくは2500〜6000であった。分子量1000未満の成分の量が増えると耐熱保存性が悪化する傾向となった。一方、分子量30000以上の成分が増えると単純には低温定着性が低下傾向になるが、バランスコントロールでその低下を極力押さえることも可能である。分子量30000以上の成分の含有量は1〜10[%]で、トナー材料により異なるが、好ましくは3〜6[%]である。1[%]未満では充分な耐ホットオフセット性が得られず、10%超では光沢性、透明性が悪化するようになる。バインダー樹脂のMnについて、2500〜50000で、Mw/Mnの値は10以下が好適である。10を超えると、シャープメルト性に欠け、光沢性が損なわれる。
【0057】
開発トナーTの円形度については、次のようにして測定することができる。即ち、トナー粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を撮影する。これによって得たトナー粒子の投影面積に基づいて、次式を用いて求めることができる。
【数12】
円形度=粒子の投影面積と同じ面積を有する円の周囲長/粒子投影像の周囲長
【0058】
但し、最近では、フロー式粒子像分析装置FPIA−2000(シスメックス社製)によって平均円形度として簡単に求めることができる。具体的には、まず、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加えた後、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。そして、試料添加後の懸濁液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理し、分散液濃度を3000〜1万個/μlにして上述の装置にかけるのである。本実施形態においても、この方法によって平均円形度を求めた。
【0059】
この測定の結果、平均円形度は0.900以上、1.00未満であった。平均円形度が0.900未満になると、トナーの形状が不定形になることから、満足した転写性やチリのない高画質画像を得ることができなかった。不定形のトナー粒子は感光体への平滑性媒体への接触点が多く、また突起先端部に電荷が集中することから、ファンデルワールス力や鏡像力が比較的球形な粒子よりも高い。そのため静電的な転写工程においては、不定形粒子と球形の粒子の混在したトナーでは球形の粒子が選択的に移動し、文字部やライン部画像抜けが起る。また、残されたトナーは次の現像工程のために除去しなければならず、クリーナ装置が必要であったり、トナーイールド(画像形成に使用されるトナーの割合)が低かったりする不具合点が生じる。粉砕トナーの円形度は本装置で計測した場合、通常0.910〜0.920である。なお、
【0060】
開発トナーTに用いる粒状着色剤としては、従来公知のものを使用することができる。例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、これらの混合物などである。粒状着色剤の含有量については、1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%がよい。
【0061】
開発トナーTに用いる離型促進剤としては、例えば、ポリオレフィンワッックス、ジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などのワックスが挙げられる。好ましいものは、ポリアルカン酸エステルである。ワックスの融点は、通常40〜160℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点が40℃未満のワックスは耐熱保存性に悪影響を与え、160℃を超えるワックスは低温での定着時にコールドオフセットを起こしやすい。また、ワックスの溶融粘度は、融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、さらに好ましくは10〜100cpsである。1000cpsを超えるワックスは、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果に乏しい。トナー中のワックスの含有量は、通常0〜40重量%であり、好ましくは3〜30重量%である。
【0062】
開発トナーに用いる帯電制御剤としては、例えば次のようなものが挙げられる。即ち、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物等である。帯電制御剤の使用量については、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定することが望ましいので、一義的に限定されるものではない。但し、目安としては、バインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲である。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を越える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像スリーブ4aとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。なお、かかる帯電制御剤や上述の離型促進剤や帯電制御剤については、マスターーバッチ、樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
【0063】
粒子の流動性や帯電性を補助すべく開発トナーTに用いる外部添加剤としては、無機微粒子が好ましい。この無機微粒子の一次粒子径は、5nm〜2μmであることが好ましく、特に5nm〜500nmが良好である。また、BET法による比表面積は、20〜500[m/g]であることが好ましい。無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、窒化ケイ素などを挙げることができる。この他、高分子系微粒子を用いることもできる。このようなものとしては、ソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
【0064】
外部添加剤については、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においてもその流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルを好ましいものとして挙げることができる。
【0065】
開発トナーTには、感光体1や中間転写体からの転写残トナーのクリーニング性を向上させる目的で、抵抗低減剤を塗布してもよい。例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などである。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01から1μmのものが好ましい。なお、平均円形度を大きくし、いわゆる球形トナーを得る製造として、公知の乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法等の重合法を用いても良い。
【0066】
磁性キャリアと開発トナーTとの混合比については、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものを用いることができる。また、被覆材料としては、シリコーン樹脂等を用いることができる。また、必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等を用いることができる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。
【0067】
開発トナーTの粉体の流動性については、ホソカワミクロン製パウダーテスターを用いてかさ密度(g/ml)として測定した。流動性の良好なトナーほど、かさ密度は大きい。流動性の善し悪しと、かさ密度との関係については次の通りであるが、開発トナーTのかさ密度は0.35以上であった。
流動性×:かさ密度0.25未満
流動性△:かさ密度0.25〜0.30
流動性○:かさ密度0.30〜0.35
流動性◎:かさ密度0.35以上
【0068】
なお、単色トナー画像のヘイズ度については、ヘイズコンピューター(HGM−2DP型)によって測定した。また、開発トナーTについては、一成分の非磁性トナーや磁性トナーとして用いることも可能である。一成分の磁性トナーとして用いる場合に含有させる磁性体としては、次のものが挙げられる。即ち、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれら金属とアルミニウム、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属との合金及びその混合物等である。これらの磁性体については、平均粒径が0.1〜2μm程度のものが望ましく、このときの磁性体の含有量は、結着樹脂100重量部に対して20〜200重量部、特に好ましくは結着樹脂100重量部に対して40〜150重量部である。また、一成分現像剤として用いる場合の添加剤としては、Si,Ti,Al,Mg,Ca,Sr,Ba,In,Ga,Ni,Mn,W,Fe,Co,Zn,Cr,Mo,Cu,Ag,V,Zr等の酸化物や複合酸化物等が挙げられる。特にSi,Ti,Alの酸化物であるシリカ、チタニア、アルミナが好適に用いられる。また、このときの添加剤の添加量は、母体粒子100重量部に対して0.5〜1.8重量部であることが好ましく、特に好ましくは、0.7〜1.5重量部である。
【0069】
ところで、従来、現像剤については、磁性キャリア表面を1層のトナーで最蜜に覆い尽くす程度のトナー被覆率を100[%]と見なした場合、70[%]程度になるようにトナー補給を実施していた。一方、本プリンタにおいては、磁性キャリアに対するトナー被覆率を150[%]程度にするように、トナー補給を実施している。このとき、感光体1と現像スリーブ4aとの線速比を2.5倍以上にした条件で現像を行う。例えば、直径60mmの感光体1を240[mm/sec]の線速で回転駆動する一方で、直径20mmの現像スリーブ4aを600[mm/sec]の線速で回転駆動する。すると、現像ギャップで感光体1上の静電潜像に対して1〜1.5回の割合で付着し得る機会をトナーに与えることになり、画像の欠落のない且つ画像濃度の十分な画像を得ることができる。
【0070】
磁性キャリアに対するトナー被覆率Pについては、「トナーの体積平均粒件R<<磁性キャリアの体積平均粒径cR」という条件において、おおむね次式に近似させ得ることがわかっている。
【数13】
P=100×C×(√3)/{2π(100−C)(1+R/cR)2(R/cR)(ρ/ρc)}
※但し、
ρ:トナーの真比重[g/cm
ρc:磁性キャリアの真比重[g/cm
C:トナー濃度[重量%]、
R:トナーの体積平均粒径
cR:磁性キャリアの体積平均粒径
【0071】
本プリンタにおいては、以上のような性状の開発トナーTを使用すべき旨が指定されている。この指定は、例えば、プリンタ本体がかかる性状の開発トナーをセットされた状態で出荷されたり、その開発トナーTと一緒に梱包されて出荷されたりすることによって行われる。また例えば、プリンタ本体やそれに付属される取扱説明書などの書類に、プリンタ本体に適用可能なトナーの製品番号や商品名(何れも開発トナーを示す)などが、そのプリンタ本体やこれ付属される取扱説明書などの書類に付されることによって行われる。また例えば、プリンタ本体の製造元や販売元などが、開発トナーTの製品番号や商品名と、プリンタ本体の製品番号や商品名などとを関連付けた情報を文章や電子データを頒布することによって行われる。このようにして指定を行えば、ユーザーに対して開発トナーTの使用を確実に促して、色調再現性に優れた投影画像を実現し得る単色トナー画像を形成することができる。
【0072】
なお、これまで、本発明を適用した画像形成装置として、1つの現像手段4を用いて単色トナー画像を形成するプリンタについて説明した。しかし、複数の現像手段で各々現像せしめた互いに色の異なる単色トナー画像を重ね合わせて多色画像を形成する画像形成装置にも、本発明の適用が可能である。この場合、トナー画像において、重ね合わせによる多色部については上記数1の関係式を具備させることができなくても、重ね合わせのない単色部については具備させることが可能だからである。また、いわゆる飛翔記録方式の画像形成装置についても、本発明の適用が可能である。この場合、トナー飛翔装置から中間記録体やシート材に付着させるトナー量をコントロールすることで、上記数1の関係式を具備させることができる。
【0073】
以上、実施形態に係るプリンタにおいては、潜像担持体たる感光体1上に担持した静電潜像を現像手段4によって現像して得た単色トナー画像を、記録体P上に転写している。かかる構成により、電子写真プロセスによって形成したトナー画像について、その投影画像の色調を良好に再現することができる。なお、感光体1上の単色トナー画像を、中間転写体を介して記録体Pに転写するようにした場合も、同様である。
また、現像後の最大平均トナー付着量について、上記数10の関係式を具備させるような条件で現像を行っている。このことにより、電子写真方式を採用しながら、上記数1の関係式を容易に具備することができる。
また、現像剤として、開発トナーTよりも体積平均粒径Rの大きい磁性キャリアの1[kOe]中における磁化が30〜1000[emu/cm]であるものを用いている。このことにより、磁性キャリアの磁化不足による感光体(1)へのキャリア付着を有効に抑えながら、感光体(1)上のトナー画像を磁気ブラシの先端で引っ掻いてしまうことによる画像のざらつきを抑えることができる。また、上述のように、ダイナミック抵抗を10[Ω・cm]以下にする磁性キャリアを用いている。このことにより、現像時間を短時間に抑えても、現像電界に見合った十分なトナー量を感光体に付着させることができる。
また、上記数11の関係式を具備することにより、感光体(1)の地肌部へのトナー付着を有効に抑えながら、地肌部と露光部との間の放電を回避することができる。
また、判別手段たるプリンタ本体の制御によってプリントに使用される記録体の種類を判別し、判別結果に基づいて上記数1の関係式を具備する画像形成を行うようになっている。このことにより、投影画像を得る必要のない紙出力画像については、単色トナー画像に対する最大トナー付着量Mmaxを増加させて、画像濃度を高めることができる。
また、開発トナーを用いるべき旨が指定されることで、ユーザーに対して開発トナーTの使用を確実に促して、色調再現性に優れた投影画像を実現し得る単色トナー画像を形成することができる。
【0074】
【発明の効果】
請求項1乃至8の発明によれば、投影画像の色調を良好に再現し得るトナーに適した画像形成を行うことができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るプリンタの概略構成図。
【図2】同プリンタの現像手段の要部構成を示す拡大構成図。
【図3】同現像手段にセットされる現像剤を示す模式図。
【図4】記録体上の単色トナー画像における最大トナー付着量と画質との関係を示すグラフ。
【図5】投影画像のヘイズ度が目標の上限を超えた単色トナー画像(定着後)を示す拡大断面図。
【図6】定着前の同単色トナー画像を示す拡大断面図。
【図7】同プリンタによって記録体上に転写された単色トナー画像を示す拡大断面図。
【図8】定着後の同単色トナー画像を示す拡大断面図。
【図9】本出願人によって開発された開発トナーを示す模式図。
【符号の説明】
1        感光体(潜像担持体)
2        帯電手段
3        光書込手段
4        現像手段
5        転写手段
6        ドラムクリーニング手段
7        除電手段
8        定着手段
T        開発トナー
C         磁性キャリア
P         記録体

Claims (8)

  1. 記録体上にトナーを付着させてトナー画像を形成した後、定着手段によって定着せしめるトナー画像形成装置において、
    単色のトナーからなる単色トナー画像の上記記録体における単位面積当たりの最大平均トナー付着量をMmax[mg/cm]、トナーの真比重をρ[g/cm]、トナーの見掛け密度をρr[g/cm]、トナーの体積平均粒径をR[μm]、真球の最密充填率をBrで示した場合に、
    1.5×ρr×R≦10×Mmax≦1.2×Br×ρ×R
    の関係式を満足するように画像を形成することを特徴とするトナー画像形成装置。
  2. 請求項1のトナー画像形成装置であって、
    潜像担持体上に担持した潜像を現像手段によって現像して得たトナー画像を、直接あるいは中間転写体を介して上記記録体に転写することを特徴とするトナー画像形成装置。
  3. 請求項2のトナー画像形成装置において、
    上記単色トナー画像の上記潜像担持体における単位面積当たりの最大平均トナー付着量をdMmax[mg/cm]、トナーの真比重をρ[g/cm]、トナーの見掛け密度をρr[g/cm]、トナーの体積平均粒径をR[μm]、真球の最密充填率をBrでそれぞれ示した場合に、
    1.5×ρr×R/0.98≦10×dMmax≦1.2×Br×ρ×R/0.8
    の関係式を満足するように現像を行うことを特徴とするトナー画像形成装置。
  4. 請求項2又は3のトナー画像形成装置であって、
    上記現像手段が、トナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤を用いて上記潜像を現像し、該二成分現像剤として、該トナーよりも体積平均粒径の大きい磁性キャリアの1[kOe]中における磁化が30〜1000[emu/cm]であるものを用いることを特徴とするトナー画像形成装置。
  5. 請求項2、3又は4のトナー画像形成装置であって、
    上記現像手段は、現像バイアスが印加される現像剤担持体に担持したトナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤によって上記潜像を現像し、該現像バイアス印加時における該現像剤担持体と上記潜像担持体との間のダイナミック抵抗を10[Ω・cm]以下にする磁性キャリアを用いることを特徴とするトナー画像形成装置。
  6. 請求項2、3、4又は5のトナー画像形成装置において、
    上記潜像担持体として、表面に形成された感光層の露光部の電位を減衰させて上記潜像を担持する感光体を用いるとともに、上記現像手段として、現像バイアスが印加される現像剤担持体に担持した少なくともトナーを含む現像剤によって上記潜像を現像するものを用い、且つ、該感光層の非露光部の電位をE、露光部の電位をE、該現像バイアスの値をEでそれぞれ示した場合に、
    0<|E|−|E|<|E−E|<400[V]
    の関係式を満足することを特徴とするトナー画像形成装置。
  7. 請求項1乃至6の何れかのトナー画像形成装置において、
    上記記録体の種類を判別する判別手段を設け、該判別手段による判別結果に基づいて上記関係式を具備する画像形成を行わせるようにしたことを特徴とするトナー画像形成装置。
  8. 請求項1乃至7の何れかのトナー画像形成装置において、
    本体にセットされるトナーとして、基材中に分散された粒状着色剤の個数平均径が0.5[μm]以下で、平均径0.7[μm]以上の該粒状着色剤を5[個数%]以下の割合で含むものを指定したことを特徴とするトナー画像形成装置。
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