JP2004108972A - 液体の有害性診断方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】有害性を自動診断し、処理時間を短縮するとともに、一定の基準で液体の有害性を評価する。
【解決手段】診断装置10によれば、容器12の内部に液体と微生物を供給し、その混合液に細胞固定化用ゲルと、細胞溶解・DNA巻き戻し溶液を注入する。そして、容器12をキャピラリー電気泳動装置22にセットした後、電圧印加装置28で電圧を印加し、容器12内の断片化DNAをキャピラリーカラム26内に電気泳動させる。吸光度測定装置30は、キャピラリーカラム26内を電気泳動する断片化DNAの吸光度を測定する。これにより、DNAの損傷程度を解析することができ、液体の有害性を診断することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】診断装置10によれば、容器12の内部に液体と微生物を供給し、その混合液に細胞固定化用ゲルと、細胞溶解・DNA巻き戻し溶液を注入する。そして、容器12をキャピラリー電気泳動装置22にセットした後、電圧印加装置28で電圧を印加し、容器12内の断片化DNAをキャピラリーカラム26内に電気泳動させる。吸光度測定装置30は、キャピラリーカラム26内を電気泳動する断片化DNAの吸光度を測定する。これにより、DNAの損傷程度を解析することができ、液体の有害性を診断することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液体の有害性診断方法に係り、特に液体中の汚染物質による毒性及び有害性を、生物材料を用いて診断する液体の有害性診断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
生活環境中には、人為的に生産される合成化学物質や、処理によって生産される副生成物など、様々な化学物質が存在しており、これらの中には直接、有害性を引き起こす物質や、環境中で生物学的代謝や化学的変換によって生成する未知の有害性物質がある。これらが含まれる液体の有害性を評価するには、BODやCODなどの分析手法とともに、液体の有害性そのものを総合的に評価するバイオアッセイ(Bioassay)の利用が有効であり、各種の試験法が開発、実用化されている。
【0003】
バイオアッセイのうちの一つであるアルカリ性単細胞ゲル電気泳動法(コメットアッセイ)は、断片化されたDNAを電気泳動させ、流れ出たDNAを測定することで、試料のDNA損傷性を評価する手法である。特長としては検出感度が高い、短時間で検定が可能、少量のサンプルで試験が可能、個々の細胞レベルでのDNA損傷が定量できるなどが挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このコメットアッセイを用いた従来のシステムは、まず、真核微生物(緑藻類、鞭毛虫、藻類など)を試料と混合させ、その細胞をスライドグラス上の寒天内に包埋させる。そして、界面活性剤を用いて細胞溶解させた後にアルカリ溶液に浸してDNAの巻き戻し(unwinding) を行い、電気泳動させる。次に、中和、染色後に蛍光顕微鏡を用いて観察および解析する。これにより、予測困難な汚染物質が含まれる水そのものの有害性を検出することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−83120号公報(第2−3頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のシステムは、液体の毒性評価がバッチ操作であるため、診断に時間がかかるとともに、有害性の自動診断が困難であるという問題があった。また、診断を観察によって行うため、観察者による評価のバラツキが生じるという問題もあった。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みて成されたもので、処理時間を短縮するとともに、有害性の自動診断が可能であり、一定の基準で液体の有害性を評価できるので、診断の信頼性を向上できる液体の有害性診断方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は前記目的を達成するために、液体の有害性を単細胞ゲル電気泳動法で解析する液体の有害性診断方法において、前記液体に細胞を混合する細胞混合工程と、前記液体と前記細胞との混合液に固定化用ゲルを注入し、前記細胞を固定化する固定化工程と、前記混合液に溶解・巻き戻し溶液を注入することによって、前記固定化した細胞を溶解し、該溶解した細胞のDNAを巻き戻す溶解・巻き戻し工程と、前記巻き戻したDNAをキャピラリーカラム内に電気泳動させる電気泳動工程と、前記キャピラリーカラム内を電気泳動するDNAに検査光を照射し、前記DNAの損傷程度を解析する損傷解析工程と、を備えたことを特徴としている。
【0009】
本発明によれば、キャピラリーカラム内を電気泳動するDNAに検査光を照射し、DNAの損傷程度を解析するようにしたので、電気泳動工程と損傷解析工程を連続的に行うことができる。したがって、バッチ式で測定していた従来よりも測定時間を大幅に短縮することができる。また、本発明のように構成すれば、単細胞ゲル電気泳動法の中で自動化が難しいとされていた電気泳動工程と損傷解析工程を自動化することができるので、自動診断が可能となる。
【0010】
さらに、本発明によれば、検査光を照射した結果に基づいてDNAの損傷程度を解析するので、評価基準が常に一定であり、解析精度を向上させることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、固定化工程、溶解・巻き戻し工程をマイクロリアクターで行うことを特徴としている。本発明によれば、マイクロリアクターを用いたので、装置を小型化することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に係る排水の有害性診断方法の好ましい実施の形態について詳説する。
【0013】
図1は本発明に係る有害性診断方法を適用した診断装置の第1実施形態を示す構成図である。
【0014】
同図に示すように、診断装置10は、容器12を備えており、この容器12に排水供給管14が接続されている。試料である排水はこの排水供給管14を介して容器12に供給される。
【0015】
排水供給管14には微生物供給管16が接続されており、この微生物供給管16から微生物(例えばミドリムシ Euglena gracilis )が供給される。これにより、微生物が排水と混合された混合液が容器12に供給される。
【0016】
また、排水供給管14には、ゲル注入管18が接続されており、このゲル注入管18から細胞固定化用ゲルが注入される。これにより、前記混合液に細胞固定化用ゲルが注入され、約2〜5分で微生物の細胞が固定化される。この結果、細胞に含まれるDNAが保持されるので、細胞を溶解した際にDNAが流れ出すことを防止できる。
【0017】
また、容器12には、溶解・巻き戻し溶液注入管20が接続されており、この注入管20から溶解・巻き戻し溶液が注入される。これにより、固定化された細胞が溶解され、さらに溶解された細胞に含まれるDNAが巻き戻される。この結果、容器12内のDNAは、5〜20分で、断片化されて一本鎖になったDNA(以下、断片化DNAと称す)のみになる。なお、溶解・巻き戻し溶液を二種類の溶液に分けて、すなわち細胞溶解(Lysis) 溶液とDNA巻き戻し(unwinding) 溶液に分けて注入するようにしてもよい。
【0018】
容器12は、持ち運びできるようになっており、溶解・巻き戻し溶液を注入した後に、キャピラリー電気泳動装置22にセットされる。キャピラリー電気泳動装置22は主として、容器12、回収容器24、キャピラリーカラム26、電圧印加装置28、及び吸光度測定装置30で構成されている。回収容器24には、容器12内の溶液を同じ溶液が貯留される。
【0019】
キャピラリーカラム26は内径100μm以下の管であり、一端が容器12内の溶液に浸漬されるとともに、他端が回収容器24内の溶液に浸漬される。また、キャピラリーカラム26の内部には、容器12内や回収容器24内と同じ溶液が充填される。
【0020】
電圧印加装置28は、容器12内と回収容器24内に電極28A、28Bを有しており、両者の間に所定の電圧(例えば10〜30kv)を印加できるようになっている。この電圧印加装置28で電圧を印加すると、溶液中に含まれる断片化DNAが電気泳動して、キャピラリーカラム26内を移動する。このとき、断片化DNAは、大きさの差が移動速度の差となって表れ、小さいDNAほど早く移動する。そして、断片化DNAは、約2〜5分で吸光度測定装置30の位置を通過する。
【0021】
吸光度測定装置30は、キャピラリーカラム26を挟んで対向配置された光源30Aと検出部30Bから成り、光源30Aから検出部30Bに向けて検査光を照射し、この検出光を検出部30Bで受光する。そして、試料成分の紫外・可視吸収スペクトルを検出することにより、キャピラリーカラム26内を移動中のDNAの量を検出する。その際、キャピラリーカラム内を移動するDNAは、大きさによって移動速度が異なるので、retention timeを測定することによってDNA鎖長を確認できる。したがって、検出によって得られた検出ピーク面積により、それぞれ鎖長の異なるDNA量を検出できる。これにより、DNAの損傷程度を解析することができ、その結果、水そのものの有害性を診断することができる。
【0022】
次に吸光度の検出結果から水の有害性を診断する方法について図2、図3に基づいて説明する。図2、図3は上述した診断装置10を用いて、以下に示すように試験した結果である。
【0023】
この試験では、まず▲1▼サンプルである排水と試供微生物であるミドリムシを混合して暴露させる。次に▲2▼排水を取り除いた後に細胞溶解・DNAunwinding 溶液(pH13)を加えて一本鎖のDNAのみにする。次いで▲3▼サンプル溶液に対し、電圧をかけることでキャピラリーカラムに注入する。そして、▲4▼所定の条件(印加電圧−10kV、電流2mA、キャピラリー温度25℃、キャピラリーの内径75μm、キャピラリー有効長380mm、検出波長260nmの条件)で電気泳動を行い、各種分子量のDNAを分離する。▲5▼検出器部位において吸光度測定を行い、DNAの検出、評価を行う。
【0024】
このような試験を、ゴミ浸出水の原水(TOC濃度500mg/L)、10倍希釈水(TOC濃度50mg/L)、及び100倍希釈水(TOC濃度5mg/L)について行った。その結果をそれぞれ図2(a)〜図2(c)に示す。なお、図2(d)は、未処理で排出できる排水(TOC濃度0mg/L)を試験した結果を示している。また、比較例として、各サンプルにおいて断片化してないDNA(以下、非断片化DNAという)を試験し、その結果を断片化DNAの試験結果に並べて表示した。さらに、図2(a)〜(d)から得られた結果を表にまとめて図3に示す。
【0025】
図2(a)に示すように、ゴミ浸出水の原水は、断片化DNAの吸光度を測定した結果、大きな検出ピークが12個検出された。また、図3に示すように、断片化DNAは26ng/μL確認された。これにより、ゴミ浸出水の原水が有害であることが確認できる。
【0026】
また、図2(b)に示すように、ゴミ浸出水を10倍に薄めた場合、検出ピークは原水の場合より少ないが、5個検出されており、断片化DNAは8ng/μL存在した。これにより、10倍に希釈した場合にも有害性が確認された。
【0027】
図2(c)に示すように、ゴミ浸出水を100倍に薄めた場合には、断片化DNAの検出ピークが1個と減少し、図2(d)に示す未処理の条件と同様に殆どなくなっている。また、断片化DNAも2ng/μLしか確認できなかった。以上の結果から、試験で使用したゴミ浸出水は、100倍以上に薄めて排出すればよいことが分かる。
【0028】
このように断片化DNAを電気泳動させながら吸光度を測定すれば、水そのものの有害性を診断することができる。
【0029】
一方で、非断片化DNAは、希釈しても検出ピークが全く変化しない。したがって、水の有害性を診断するには、DNAを断片化して測定する必要がある。
【0030】
次に上記の如く構成された診断装置10の作用について説明する。
【0031】
キャピラリー電気泳動装置22は、断片化DNAを電気泳動させながら、その電気泳動中のDNAの吸光度を測定している。すなわち、DNAを電気泳動させる電気泳動工程と、DNAの損傷程度を解析する損傷解析工程を同時に行っている。したがって、測定時間を大幅に短縮することができる。
【0032】
また、診断装置10によれば、キャピラリー電気泳動装置22を用いて電気泳動工程と損傷解析工程を行うので、電気泳動工程と損傷解析工程を新たに自動化することができる。なお、その他の工程(すなわち、排水と細胞を混合する混合工程(或いは微生物処理工程)、細胞を固定化する固定化工程、及び、細胞の溶解とDNAの巻き戻しを行う溶解・巻き戻し工程)は従来より、自動化が可能である。これにより、全ての工程を自動化することができる。
【0033】
さらに、診断装置10によれば、DNAの損傷程度の解析を、吸光度の測定結果に基づいて行うので、常に一定の判断基準を有し、解析誤差を抑制できる。
【0034】
図4は、本発明に係る有害性診断方法を適用した診断装置の第2実施形態を示す構成図である。
【0035】
同図に示すように診断装置32はマイクロチップとなっており、マイクロリアクター34を備えている。このマイクロリアクター34には混合液注入管36、細胞溶解液注入管38、DNA巻き戻し溶液注入管40、キャピラリーカラム42、及び排水管44が接続されている。マイクロリアクター34は、各注入管36,38,40からの注入管を流すためと、注入液を混合するためのパイプ34a〜34fからなっている。また、マイクロリアクター34には、細胞固定化用のゲルが予め注入されている。
【0036】
上記の如く構成された診断装置32では、まず、マイクロリアクター34に混合液注入管36から排水と細胞との混合液を注入する。これにより、予め注入されている細胞固定化用ゲルによって、細胞が固定化される。次に、細胞溶解液注入管38から細胞溶解液を注入する。これにより、細胞の溶解が行われる。そして、DNA巻き戻し溶液注入管40からDNA巻き戻し溶液を注入し、DNAを断片化する。この場合、混合後の注入、細胞溶解液の注入、DNA巻き戻し溶液の注入を、それぞれの注入管に設けた注入ポンプとタイマー機構によって、注入の自動化を図ることが好ましい。
【0037】
次に、排水管44によって処理溶液を除去した後、再度ゲルを溶解する。そして、不図示の電圧印加装置を用いて印加することによって、断片化DNAをキャピラリーカラム42内に電気泳動させる。同時に、キャピラリーカラム42上に設けた吸光度測定装置46によって吸光度を測定する。これにより、断片化DNAの損傷程度を解析することができる。
【0038】
上述した診断装置32によれば、工程全体をマイクロチップ構造にすることができるので、装置を大幅に小型化することができる。例えばマイクロチップの一辺dを50mmにまで小型化することができる。
【0039】
また、診断装置32によれば、全ての工程を連続的に行うことができるので、自動診断が可能になるとともに、処理能力を大幅に向上させることができる。
【0040】
なお、診断装置32において、チップ上にキャピラリーカラム42を複数並べれば、一度に複数のサンプルを測定することも可能である。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る液体の有害性診断方法によれば、キャピラリーカラム内を電気泳動するDNAに検査光を照射してDNAの損傷程度を解析するので、電気泳動工程と損傷解析工程を連続的に行うことができ、その結果、工程の自動化と測定時間の短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る有害性診断方法を用いた診断装置の第1実施形態を示す構成図
【図2】試験結果の一例を示す図
【図3】図2の結果を示す図表
【図4】本発明に係る有害性診断方法を用いた診断装置の第2実施形態を示す構成図
【符号の説明】10…診断装置、12…容器、14…排水供給管、16…微生物供給管、18…ゲル注入管、20…溶解・巻き戻し溶液注入管、22…キャピラリー電気泳動装置、24…回収容器、26…キャピラリーカラム、28…電圧印加装置、30…吸光度測定装置、32…診断装置(マイクロチップ)、34…マイクロリアクター、36…混合液注入管、38…細胞溶解液注入管、40…DNA巻き戻し溶液注入管、42…キャピラリーカラム、44…排水管、46…吸光度測定装置
【発明の属する技術分野】
本発明は液体の有害性診断方法に係り、特に液体中の汚染物質による毒性及び有害性を、生物材料を用いて診断する液体の有害性診断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
生活環境中には、人為的に生産される合成化学物質や、処理によって生産される副生成物など、様々な化学物質が存在しており、これらの中には直接、有害性を引き起こす物質や、環境中で生物学的代謝や化学的変換によって生成する未知の有害性物質がある。これらが含まれる液体の有害性を評価するには、BODやCODなどの分析手法とともに、液体の有害性そのものを総合的に評価するバイオアッセイ(Bioassay)の利用が有効であり、各種の試験法が開発、実用化されている。
【0003】
バイオアッセイのうちの一つであるアルカリ性単細胞ゲル電気泳動法(コメットアッセイ)は、断片化されたDNAを電気泳動させ、流れ出たDNAを測定することで、試料のDNA損傷性を評価する手法である。特長としては検出感度が高い、短時間で検定が可能、少量のサンプルで試験が可能、個々の細胞レベルでのDNA損傷が定量できるなどが挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このコメットアッセイを用いた従来のシステムは、まず、真核微生物(緑藻類、鞭毛虫、藻類など)を試料と混合させ、その細胞をスライドグラス上の寒天内に包埋させる。そして、界面活性剤を用いて細胞溶解させた後にアルカリ溶液に浸してDNAの巻き戻し(unwinding) を行い、電気泳動させる。次に、中和、染色後に蛍光顕微鏡を用いて観察および解析する。これにより、予測困難な汚染物質が含まれる水そのものの有害性を検出することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−83120号公報(第2−3頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のシステムは、液体の毒性評価がバッチ操作であるため、診断に時間がかかるとともに、有害性の自動診断が困難であるという問題があった。また、診断を観察によって行うため、観察者による評価のバラツキが生じるという問題もあった。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みて成されたもので、処理時間を短縮するとともに、有害性の自動診断が可能であり、一定の基準で液体の有害性を評価できるので、診断の信頼性を向上できる液体の有害性診断方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は前記目的を達成するために、液体の有害性を単細胞ゲル電気泳動法で解析する液体の有害性診断方法において、前記液体に細胞を混合する細胞混合工程と、前記液体と前記細胞との混合液に固定化用ゲルを注入し、前記細胞を固定化する固定化工程と、前記混合液に溶解・巻き戻し溶液を注入することによって、前記固定化した細胞を溶解し、該溶解した細胞のDNAを巻き戻す溶解・巻き戻し工程と、前記巻き戻したDNAをキャピラリーカラム内に電気泳動させる電気泳動工程と、前記キャピラリーカラム内を電気泳動するDNAに検査光を照射し、前記DNAの損傷程度を解析する損傷解析工程と、を備えたことを特徴としている。
【0009】
本発明によれば、キャピラリーカラム内を電気泳動するDNAに検査光を照射し、DNAの損傷程度を解析するようにしたので、電気泳動工程と損傷解析工程を連続的に行うことができる。したがって、バッチ式で測定していた従来よりも測定時間を大幅に短縮することができる。また、本発明のように構成すれば、単細胞ゲル電気泳動法の中で自動化が難しいとされていた電気泳動工程と損傷解析工程を自動化することができるので、自動診断が可能となる。
【0010】
さらに、本発明によれば、検査光を照射した結果に基づいてDNAの損傷程度を解析するので、評価基準が常に一定であり、解析精度を向上させることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、固定化工程、溶解・巻き戻し工程をマイクロリアクターで行うことを特徴としている。本発明によれば、マイクロリアクターを用いたので、装置を小型化することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に係る排水の有害性診断方法の好ましい実施の形態について詳説する。
【0013】
図1は本発明に係る有害性診断方法を適用した診断装置の第1実施形態を示す構成図である。
【0014】
同図に示すように、診断装置10は、容器12を備えており、この容器12に排水供給管14が接続されている。試料である排水はこの排水供給管14を介して容器12に供給される。
【0015】
排水供給管14には微生物供給管16が接続されており、この微生物供給管16から微生物(例えばミドリムシ Euglena gracilis )が供給される。これにより、微生物が排水と混合された混合液が容器12に供給される。
【0016】
また、排水供給管14には、ゲル注入管18が接続されており、このゲル注入管18から細胞固定化用ゲルが注入される。これにより、前記混合液に細胞固定化用ゲルが注入され、約2〜5分で微生物の細胞が固定化される。この結果、細胞に含まれるDNAが保持されるので、細胞を溶解した際にDNAが流れ出すことを防止できる。
【0017】
また、容器12には、溶解・巻き戻し溶液注入管20が接続されており、この注入管20から溶解・巻き戻し溶液が注入される。これにより、固定化された細胞が溶解され、さらに溶解された細胞に含まれるDNAが巻き戻される。この結果、容器12内のDNAは、5〜20分で、断片化されて一本鎖になったDNA(以下、断片化DNAと称す)のみになる。なお、溶解・巻き戻し溶液を二種類の溶液に分けて、すなわち細胞溶解(Lysis) 溶液とDNA巻き戻し(unwinding) 溶液に分けて注入するようにしてもよい。
【0018】
容器12は、持ち運びできるようになっており、溶解・巻き戻し溶液を注入した後に、キャピラリー電気泳動装置22にセットされる。キャピラリー電気泳動装置22は主として、容器12、回収容器24、キャピラリーカラム26、電圧印加装置28、及び吸光度測定装置30で構成されている。回収容器24には、容器12内の溶液を同じ溶液が貯留される。
【0019】
キャピラリーカラム26は内径100μm以下の管であり、一端が容器12内の溶液に浸漬されるとともに、他端が回収容器24内の溶液に浸漬される。また、キャピラリーカラム26の内部には、容器12内や回収容器24内と同じ溶液が充填される。
【0020】
電圧印加装置28は、容器12内と回収容器24内に電極28A、28Bを有しており、両者の間に所定の電圧(例えば10〜30kv)を印加できるようになっている。この電圧印加装置28で電圧を印加すると、溶液中に含まれる断片化DNAが電気泳動して、キャピラリーカラム26内を移動する。このとき、断片化DNAは、大きさの差が移動速度の差となって表れ、小さいDNAほど早く移動する。そして、断片化DNAは、約2〜5分で吸光度測定装置30の位置を通過する。
【0021】
吸光度測定装置30は、キャピラリーカラム26を挟んで対向配置された光源30Aと検出部30Bから成り、光源30Aから検出部30Bに向けて検査光を照射し、この検出光を検出部30Bで受光する。そして、試料成分の紫外・可視吸収スペクトルを検出することにより、キャピラリーカラム26内を移動中のDNAの量を検出する。その際、キャピラリーカラム内を移動するDNAは、大きさによって移動速度が異なるので、retention timeを測定することによってDNA鎖長を確認できる。したがって、検出によって得られた検出ピーク面積により、それぞれ鎖長の異なるDNA量を検出できる。これにより、DNAの損傷程度を解析することができ、その結果、水そのものの有害性を診断することができる。
【0022】
次に吸光度の検出結果から水の有害性を診断する方法について図2、図3に基づいて説明する。図2、図3は上述した診断装置10を用いて、以下に示すように試験した結果である。
【0023】
この試験では、まず▲1▼サンプルである排水と試供微生物であるミドリムシを混合して暴露させる。次に▲2▼排水を取り除いた後に細胞溶解・DNAunwinding 溶液(pH13)を加えて一本鎖のDNAのみにする。次いで▲3▼サンプル溶液に対し、電圧をかけることでキャピラリーカラムに注入する。そして、▲4▼所定の条件(印加電圧−10kV、電流2mA、キャピラリー温度25℃、キャピラリーの内径75μm、キャピラリー有効長380mm、検出波長260nmの条件)で電気泳動を行い、各種分子量のDNAを分離する。▲5▼検出器部位において吸光度測定を行い、DNAの検出、評価を行う。
【0024】
このような試験を、ゴミ浸出水の原水(TOC濃度500mg/L)、10倍希釈水(TOC濃度50mg/L)、及び100倍希釈水(TOC濃度5mg/L)について行った。その結果をそれぞれ図2(a)〜図2(c)に示す。なお、図2(d)は、未処理で排出できる排水(TOC濃度0mg/L)を試験した結果を示している。また、比較例として、各サンプルにおいて断片化してないDNA(以下、非断片化DNAという)を試験し、その結果を断片化DNAの試験結果に並べて表示した。さらに、図2(a)〜(d)から得られた結果を表にまとめて図3に示す。
【0025】
図2(a)に示すように、ゴミ浸出水の原水は、断片化DNAの吸光度を測定した結果、大きな検出ピークが12個検出された。また、図3に示すように、断片化DNAは26ng/μL確認された。これにより、ゴミ浸出水の原水が有害であることが確認できる。
【0026】
また、図2(b)に示すように、ゴミ浸出水を10倍に薄めた場合、検出ピークは原水の場合より少ないが、5個検出されており、断片化DNAは8ng/μL存在した。これにより、10倍に希釈した場合にも有害性が確認された。
【0027】
図2(c)に示すように、ゴミ浸出水を100倍に薄めた場合には、断片化DNAの検出ピークが1個と減少し、図2(d)に示す未処理の条件と同様に殆どなくなっている。また、断片化DNAも2ng/μLしか確認できなかった。以上の結果から、試験で使用したゴミ浸出水は、100倍以上に薄めて排出すればよいことが分かる。
【0028】
このように断片化DNAを電気泳動させながら吸光度を測定すれば、水そのものの有害性を診断することができる。
【0029】
一方で、非断片化DNAは、希釈しても検出ピークが全く変化しない。したがって、水の有害性を診断するには、DNAを断片化して測定する必要がある。
【0030】
次に上記の如く構成された診断装置10の作用について説明する。
【0031】
キャピラリー電気泳動装置22は、断片化DNAを電気泳動させながら、その電気泳動中のDNAの吸光度を測定している。すなわち、DNAを電気泳動させる電気泳動工程と、DNAの損傷程度を解析する損傷解析工程を同時に行っている。したがって、測定時間を大幅に短縮することができる。
【0032】
また、診断装置10によれば、キャピラリー電気泳動装置22を用いて電気泳動工程と損傷解析工程を行うので、電気泳動工程と損傷解析工程を新たに自動化することができる。なお、その他の工程(すなわち、排水と細胞を混合する混合工程(或いは微生物処理工程)、細胞を固定化する固定化工程、及び、細胞の溶解とDNAの巻き戻しを行う溶解・巻き戻し工程)は従来より、自動化が可能である。これにより、全ての工程を自動化することができる。
【0033】
さらに、診断装置10によれば、DNAの損傷程度の解析を、吸光度の測定結果に基づいて行うので、常に一定の判断基準を有し、解析誤差を抑制できる。
【0034】
図4は、本発明に係る有害性診断方法を適用した診断装置の第2実施形態を示す構成図である。
【0035】
同図に示すように診断装置32はマイクロチップとなっており、マイクロリアクター34を備えている。このマイクロリアクター34には混合液注入管36、細胞溶解液注入管38、DNA巻き戻し溶液注入管40、キャピラリーカラム42、及び排水管44が接続されている。マイクロリアクター34は、各注入管36,38,40からの注入管を流すためと、注入液を混合するためのパイプ34a〜34fからなっている。また、マイクロリアクター34には、細胞固定化用のゲルが予め注入されている。
【0036】
上記の如く構成された診断装置32では、まず、マイクロリアクター34に混合液注入管36から排水と細胞との混合液を注入する。これにより、予め注入されている細胞固定化用ゲルによって、細胞が固定化される。次に、細胞溶解液注入管38から細胞溶解液を注入する。これにより、細胞の溶解が行われる。そして、DNA巻き戻し溶液注入管40からDNA巻き戻し溶液を注入し、DNAを断片化する。この場合、混合後の注入、細胞溶解液の注入、DNA巻き戻し溶液の注入を、それぞれの注入管に設けた注入ポンプとタイマー機構によって、注入の自動化を図ることが好ましい。
【0037】
次に、排水管44によって処理溶液を除去した後、再度ゲルを溶解する。そして、不図示の電圧印加装置を用いて印加することによって、断片化DNAをキャピラリーカラム42内に電気泳動させる。同時に、キャピラリーカラム42上に設けた吸光度測定装置46によって吸光度を測定する。これにより、断片化DNAの損傷程度を解析することができる。
【0038】
上述した診断装置32によれば、工程全体をマイクロチップ構造にすることができるので、装置を大幅に小型化することができる。例えばマイクロチップの一辺dを50mmにまで小型化することができる。
【0039】
また、診断装置32によれば、全ての工程を連続的に行うことができるので、自動診断が可能になるとともに、処理能力を大幅に向上させることができる。
【0040】
なお、診断装置32において、チップ上にキャピラリーカラム42を複数並べれば、一度に複数のサンプルを測定することも可能である。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る液体の有害性診断方法によれば、キャピラリーカラム内を電気泳動するDNAに検査光を照射してDNAの損傷程度を解析するので、電気泳動工程と損傷解析工程を連続的に行うことができ、その結果、工程の自動化と測定時間の短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る有害性診断方法を用いた診断装置の第1実施形態を示す構成図
【図2】試験結果の一例を示す図
【図3】図2の結果を示す図表
【図4】本発明に係る有害性診断方法を用いた診断装置の第2実施形態を示す構成図
【符号の説明】10…診断装置、12…容器、14…排水供給管、16…微生物供給管、18…ゲル注入管、20…溶解・巻き戻し溶液注入管、22…キャピラリー電気泳動装置、24…回収容器、26…キャピラリーカラム、28…電圧印加装置、30…吸光度測定装置、32…診断装置(マイクロチップ)、34…マイクロリアクター、36…混合液注入管、38…細胞溶解液注入管、40…DNA巻き戻し溶液注入管、42…キャピラリーカラム、44…排水管、46…吸光度測定装置
Claims (2)
- 液体の有害性を単細胞ゲル電気泳動法で解析する液体の有害性診断方法において、
前記液体に細胞を混合する細胞混合工程と、
前記液体と前記細胞との混合液に固定化用ゲルを注入し、前記細胞を固定化する固定化工程と、
前記混合液に溶解・巻き戻し溶液を注入することによって、前記固定化した細胞を溶解し、該溶解した細胞のDNAを巻き戻す溶解・巻き戻し工程と、
前記巻き戻したDNAをキャピラリーカラム内に電気泳動させる電気泳動工程と、
前記キャピラリーカラム内を電気泳動するDNAに検査光を照射し、前記DNAの損傷程度を解析する損傷解析工程と、
を備えたことを特徴とする有害診断方法。 - 前記固定化工程、前記溶解・巻き戻し工程をマイクロリアクターで行うことを特徴とする請求項1に記載の有害診断方法。
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---|---|---|---|---|
JP2006078475A (ja) * | 2004-08-09 | 2006-03-23 | Nsk Ltd | 反応器及びその製造方法 |
JP2011507492A (ja) * | 2007-12-05 | 2011-03-10 | ジーイー・ヘルスケア・ユーケイ・リミテッド | Dna損傷を検出するための装置及び方法 |
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2002
- 2002-09-19 JP JP2002272867A patent/JP2004108972A/ja active Pending
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