JP2004108783A - 固体分析媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】補強材料を必要とせず、取り扱いが容易で、媒体にあらかじめ固定すべき高価な反応物を、反応及び検出に必要な量だけ用いて、分析結果の判断を迅速、かつ、容易に行うことが可能な分析媒体を提供すること。
【解決手段】分析対象成分が含まれる疑いのある被分析溶液中の分析対象成分と反応して、想定生成物を形成する反応物が、その表面に幅0.1mm以上、3.0mm以下の線状に固定されてなる、液体浸透性をもたず、かつ、気体浸透性をもたない固体分析媒体。
【選択図】 図11

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被分析溶液中に分析対象成分が存在するか否かを定性的又は定量的に判定するのに用いる固体分析媒体に関する。
本発明の分析媒体は、医療診断、健康診断、環境分析、食品分析等に好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
本発明の一応用分野であるところの免疫学的分析分野では、患者から採取した体液中の抗原の存在を判定するための抗原の特異的結合対である抗体を、ニトロセルロース等の素材からなる液体浸透性及び気体浸透性をもつ微多孔質の膜に固定しておき、ニトロセルロース膜の微多孔性を利用した体液の毛管現象流れにより、体液を前記抗体が固定された領域に輸送し、抗原抗体反応が生じた場合は、体液中に被分析物、すなわち、抗原が存在すると判断し、抗原抗体反応が生じなかった場合は、体液中に被分析物、すなわち、抗原が存在しないと判断する、いわゆるイムノクロマトグラフィーの分析手段が商品として知られている。
【0003】
非特許文献1に開示されているように、イムノクロマトグラフィーに用いられるニトロセルロース等の素材からなる液体浸透性及び気体浸透性をもつ微多孔質の膜は、一般には100〜200μmの厚みを持つ。この膜は、曲げ、ねじり等の機械的外力に対する強度が極めて低く、ポリエステルシート等の補強材料により裏打ちすることが必須である。そして、抗原抗体反応の有無は、一般に、標識された発色材料による発色又は変色を、目視又は光学的な検出手段により判定するが、実際に、この判定に寄与する領域は、表面より高々10μm程度の深さ領域のみである。それよりも厚み方向に深い、残りの90〜95%の領域は、反応に寄与するか否かにかかわらず、判定には全く寄与しないのが現実である。
【0004】
このようなニトロセルロース等の素材からなる液体浸透性及び気体浸透性をもつ微多孔質の膜に、「分析対象成分が含まれる疑いのある被分析溶液」(以下、本明細書において、「」内を、被分析溶液、と略す)中の分析対象成分と反応して、想定生成物を形成する反応物を固定する場合は、その素材の持つ液体浸透性により、判定に必要な表面領域にだけ、「被分析溶液中の分析対象成分と反応して、想定生成物を形成する反応物」(以下、本明細書において、「」内を、反応物、と略す)を固定することは、事実上不可能である。そのため、ニトロセルロース等の素材からなる液体浸透性及び気体浸透性をもつ微多孔質の膜の厚み方向全体にわたって固定せざるを得なかった。
【0005】
一般に、反応物は、価格が高く、分析結果に反映しない領域にまで固定することはコスト面でかなりの無駄を強いられることとなっていた。
一方、被分析溶液中の分析対象成分が複数の種類である場合、その判定のためには、反応物を、想定される種類だけ分析媒体に固定しておく必要があるが、前記の例のようなイムノクロマトグラフィー技術の場合、反応物は、被分析溶液の毛管現象流れに対して直交するように固定されているため、仮に、被分析溶液中の各種分析対象成分と反応して、想定生成物を個別に形成する反応物を、想定される種類だけ、被分析溶液の毛管現象流れに対して直交するように固定したとしても、被分析溶液中の各種の分析対象成分と反応物との反応は、反応物が固定されたニトロセルロース等の素材からなる液体浸透性及び気体浸透性をもつ微多孔質膜中の、被分析溶液の毛管現象流れ速度に制御された逐次的な反応となり、被分析溶液中の分析対象成分が反応物と反応する時点での、被分析溶液の濃度及び容量が不安定になり、正確な判定結果が得られないという問題点があった。
【0006】
他方、この免疫学的分析分野では、例えば、特許文献1に開示されているように、LSIの製造等に用いられるシリコン基板上に、光学活性又は光学活性層が固定された分析対象成分が容易に固定されない非特異吸着面と、分析対象成分の特異的結合対である受容物質を持たせることにより、被分析溶液を基板上に供給し、基板上で分析対象成分と受容物質を反応させ、特異的結合が発生した場合に光学活性支持体が入射光に応じて発色する、いわゆる、光学的免疫分析の技術が存在する。この技術の場合、前記のような、液体浸透性及び気体浸透性をもつ微多孔質の膜を使用することなく、その基材を分析媒体として用いている。したがって、被分析溶液と反応物との反応は、前記のような被分析溶液の毛管現象流れの中で発生する動的反応ではなく、被分析溶液を反応物に固定して反応させる静的反応である。そのため分析の感度は高いものである。
【0007】
この技術の場合、反応物は、分析媒体の全面又は分析媒体の活性面にスポット状に固定されており、その固定された位置、すなわち、分析結果を目視又は光学的に検出すべき位置及び形状が媒体個々により異なり、分析結果の判断が迅速に行えないと言う問題点があった。また、被分析溶液中の分析対象成分が複数の種類である場合、その判定のためには、反応物を、想定される種類だけ分析媒体に固定しておく必要がある。この場合も、反応物を、想定される種類だけスポット状に固定することが可能であるが、その固定されるべき位置及び形状はスポット毎に異なり、媒体個々によっても異なり、やはり分析結果の判断が迅速に行えないばかりか、複数の反応を判断することは実質的に不可能であるという問題点があった。
【0008】
【非特許文献1】
Millipore’s Short Guide For Developing Immunochromatographic
Test Strips (2 nd edition)(Millipore Corporation発行)
【特許文献1】
特許第3193373号明細書
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、被分析溶液中に分析対象成分が存在するか否かを、定性的又は定量的に判断するために、前記被分析溶液中に分析対象成分が存在した場合は、反応により想定生成物が形成され、逆に前記被分析溶液中に分析対象成分が存在しなかった場合は、想定生成物が形成されないことを、あらかじめ、反応物を固定した分析媒体を用いて判断する分析技術分野における、上記既存技術の欠点を解消するものである、すなわち、補強材料を必要とせず、取り扱いが容易で、媒体にあらかじめ固定すべき高価な反応物を、反応及び検出に必要な量だけ固定することによりコスト問題も解消し、分析結果の判断を迅速、かつ、容易に行うことが可能であり、被分析溶液中の分析対象成分が複数の種類である場合の分析結果の判断を、迅速、かつ、容易に行うことが可能な分析媒体を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、分析対象成分が含まれる疑いのある被分析溶液中の分析対象成分と反応して、想定生成物を形成する反応物が、その表面に幅0.1mm以上、3.0mm以下の線状に固定されてなる、液体浸透性及びをもたず、かつ、気体浸透性をもたない固体分析媒体である。
【0011】
本発明において、被分析溶液とは、分析対象成分が含まれる疑いのある被分析溶液である。したがって、被分析液中に分析対象成分が含まれているか否かが不明である被分析溶液、及び分析対象成分が含まれていることが既知の被分析溶液が、本発明の対象となる。
被分析溶液としては、唾液、喀痰、鼻汁、鼻腔液、血液、血清、涙液、便、尿等の、人体又は動物から採取された体液、雨、河川、上下水、冷却水、排水等の環境から採取された液、飲料水、ジュース等の飲み物、調味料等の食品及び食品を抽出した溶液、微生物、細菌、ウイルス、薬品、薬物、動植物の細胞、組織が溶け込んだ溶液等があげられる。
【0012】
本発明において、分析対象成分は、抗原、抗体、タンパク質、酵素、核酸、DNA、RNA、微生物、細菌、ウイルス、薬品・薬物等の化合物等があげられるが、本発明では、これらのうち、これらの物質それぞれに対して特異的に結合しうる試薬を見いだしうるものが好ましい。
本発明において、反応物とは、被分析溶液中の分析対象成分と反応して、想定生成物を形成する物質である。反応物としては、分析対象成分と特異的に結合しうる試薬が好ましく用いられる。
【0013】
本発明において、反応物は、基体上に、幅0.1mm以上、3.0mm以下の線状に固定されている。幅が0.1mm未満の場合は、反応物を基体に線状に安定して固定することが極めて困難なため実用に供しえないばかりか、分析結果を目視で確認する場合に判断が困難になる。幅が3.0mmを越えると、分析媒体そのものが大きくなり、場合によっては、高価な想定生成物を形成する反応物を必要以上に固定することとなり、分析媒体が高価なものとなる。
【0014】
線と線の間隙が0.1mm未満の場合は、反応物を線状に安定して固定することが困難な場合がある。場合によっては、隣接する異種の反応物が混合し、正常な分析結果を得られないことが生じる。また、分析結果を目視で確認する場合に、判断が困難になることもある。間隔が3.0mmを越えると、分析媒体そのものが大きくなり、製造、輸送、保管等のコスト面で問題が発生する場合がある。
複数の分析対象成分を含む被分析溶液に対して、各々の被分析対象成分と特異的に反応して、各々の分析対象成分に対応した想定生成物を形成する反応物を二種類以上線状に固定することにより同時に複数の分析対象成分を検出することが可能となる。
【0015】
本発明における分析対象成分である抗原、抗体、タンパク質、酵素、核酸、DNA、RNA、微生物、細菌、ウイルス、薬品・薬物等の化合物は、本発明における分析対象成分が含まれる疑いのある被分析溶液である、唾液、喀痰、鼻汁、鼻腔液、血液、血清、涙液、便、尿等の人体及び動物から採取された体液、雨、河川、上下水、冷却水、排水等の環境から採取された液、飲料水、ジュース等の飲み物、調味料等の食品及び食品を抽出した溶液、微生物、細菌、ウイルス、薬品、薬物、動植物の細胞、組織が溶け込んだ溶液等の中に複数種類存在する場合が多いため、実際の分析では同一被分析溶液から同時に複数の分析対象成分を検出することが可能となることが市場要求としてある。本発明者らは、請求項1記載の反応物が固定された線が、該線と線の間隙が0.1mm以上、3mm以下となるように請求項1記載の分析媒体上に二本以上固定されていることを特徴とする請求項1記載の固体分析媒体を採用することによりこの市場要求を実現することが可能であることを見いだした。
【0016】
本発明に用いられる、液体浸透性をもたず、かつ、気体浸透性をもたない基体としては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタアクリレート等のプラスチック成型板、シリコン、シリコン化合物、ガラス、石英等の無機素材からなる基板、鉄、アルミ、ステンレス等の金属板等が挙げられる。中でも、表面の平滑性、品質の安定性及びコスト面から、LSI製造に用いられるシリコンウエハーが実用的に好ましい。
本発明の基体の上に、反応物の固定を容易にするための媒体を、反応物の固定面に膜状に保持することにより、基体と反応物の結合を強固にすることも可能である。
【0017】
基体として、例えば、特表平2001−503862号公報に開示されている、ダイヤモンド状炭素のような炭素、酸化珪素、窒化珪素、炭化窒化珪素のような珪素化合物が好ましい。このような炭素及び含珪素化合物は、スパッタリング、イオンビーム堆積法、化学気相堆積法等の薄膜製造技術領域における公知技術により作成することが可能である。また、基体として、水素化珪素化合物、シロキサン化合物等も好ましく用いることができる。このような化合物は、スピンコート法、デッピング法、ドクターブレード法等の薄膜製造技術領域における公知技術により作成することが可能である。
【0018】
基体上で、分析対象成分と反応物との反応による変化を検出する手段として、光学的に読み取る手段が好ましい。分析結果を光学的に読みとる手段としては、CCDカメラを用いた、色相読みとり、白色光の反射成分をフィルターにより分光し、波長解析を行う手段、検査結果が想定反応物の堆積等により厚み変化を伴う場合は、特公平4−78122号公報に開示されたエリプソメトリーといった手段が好ましい。これらの手段を用いることにより、本発明の分析媒体を定量分析用媒体として用いることが可能となる。
本発明が極めて有効に利用される一例は、特許第2834950号明細書に開示されているように、シリコンウエハー上に反応物の固定を容易にするための媒体を反応物の固定面に保持し、分析結果をエリプソメトリーを利用して読みとる、いわゆる、光学的免疫分析分野である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、実施例により、本発明を具体的に説明する。
【0020】
【実施例1】
窒化珪素で表面を被覆した厚さ0.6mmの4インチのシリコンウエハーに対し、分岐構造を持つアミノアルキルポリジメチルシロキサンを被覆したものを、図9に示す基体4として用いた。
反応物を基体4に線状に固定するために、図1〜8に示す冶具10を作製した。図1は、冶具の表面からの見取り図、図2は、裏面からの見取り図、図3は、平面図、図4は、裏面図、図5は、図3のA−A’における断面図、図6は、図3のB−B’における断面図、図7は、図3のC−C’における断面図、図8は、図3のD−D’における断面図である。この冶具は、ポリメチルメタアクリレートからなり、長さ75mm、幅1mmの一本の溝2と、溝と連結された500μリットルのリザーバー部1を備えている。図1〜8では、一つの冶具にリザーバー部1及び溝2を各々4つ有しているが、本実施例では、各々一つのものを用いた。
【0021】
基体4上にポリメチルメタアクリレートからなる治具10を配置した。本実施例では、図10に示すように、4つの冶具を配置した。
治具10のリザーバー部に、反応物である10ug/mlのウサギ抗ヒトトランスフェリン抗体(ロックランド社、米国ギルバーツビル、PA)を含む0.1M HEPES緩衝液(pH8.0) を添加した。4℃で、一昼夜、静置することによって、冶具の溝2に充填された溶液中の反応物を、基体表面に吸着させた。次いで、基体及び冶具を水洗後、風乾して、治具10の溝2が接触していた位置が中心にくるように、9×9mmに切り出し、図11に示す、反応物6が線状に吸着した本発明の固体分析媒体5を作製した。図11では4本の線状に固定された反応物が模式的に示されているが、本実施例では1本である。
【0022】
分析対象物であるヒトトランスフェリン(OEM社、米国トムスリバー、NJ)100ng/mlを含むリン酸緩衝生理食塩水(以下、PBS、という)からなる被分析溶液25ulを、固体分析媒体5上に添加し、3分間放置して反応物と分析対象物を反応させた。反応の結果、想定生成物が形成されているか否かを確認するために、5%の100−200Kデキストラン(シグマ社、米国セント・ルイス、MO)、50ng/mlの抗ヒトトランスフェリン抗体HRPコンジュゲート(ICN社、米国オーロラ、OH)を含む0.1M MOPSO緩衝液(pH7.5)を25ul添加し10分放置した。この後、600ulの洗浄液1(0.1%Tween20、0.1M TRIZMA pH 8.0)、300ulの洗浄液2(0.1M TRIZMA pH 8.0)を滴下し、洗浄した。残った液はろ紙に吸収除去した。更に、固体分析媒体5上にTMB膜用基質システム溶液(シグマ社、米国セント・ルイス、MO)60ulを添加し、3分間後、300ulの洗浄液3(0.05Mリン酸クエン酸緩衝液pH5.0)を滴下洗浄した。残った液をろ紙に吸収除去したところ、図12に模式的に示すように、冶具10の溝の位置に相当する固体分析媒体5の表面が幅約1mmの線状に青く発色した。図12では模式的に4本の発色部3が記されているが、本実施例での発色部は1本である。これにより、反応物であるウサギ抗ヒトトランスフェリン抗体を基体4に線状に固定したことにより、分析対象物であるヒトトランスフェリンが被分析溶液中に存在していたことが判断できた。
【0023】
【実施例2】
実施例1で作成した基体4及び治具10を準備した。実施例1と同様に治具10を基体4の上に置き、反応物を固定するために、治具10のリザーバー部に反応物であるウサギ抗A群溶連菌抗体(バイロスタット社、米国)20ug/mlを含有する0.1M HEPES緩衝液(pH8.0)を投入し、実施例1と同様に抗体を固定し、治具10の溝部が接触していた位置が中心にくるように9×9mmに切り出し固体分析媒体5とした。
一方、分析対象物として、1.3×10個/mlの A群溶連菌を含む溶液10ulに5ulの8M 亜硝酸ナトリウム溶液と0.35Mの酢酸水溶液5ulを加え、1分間放置して抗原を抽出した後、0.5M MOPSO緩衝液pH7.0を10ul加えて中和し、被分析溶液とした。被分析溶液25ulを固体分析媒体5上に添加し、5分間反応させた。反応の結果、想定生成物が形成されているか否かを確認するために、HRP標識ウサギ抗A群溶連菌抗体(バイロスタット社、米国)100ng/mlを含む0.1M MOPSO緩衝液(pH7.5)を25ul添加し10分放置した。実施例1と同様に洗浄、TMB溶液と反応させたところ、冶具10の溝2の位置に相当する固体分析媒体5の表面が幅約1mmの線状に青く発色した。これにより、反応物であるウサギ抗A群溶連菌抗体を基体4に線状に固定したことにより、分析対象物であるA群溶連菌が被分析溶液中に存在していたことが判断できた。
【0024】
【実施例3】
長さ75mm、幅1mm、溝と溝を隔てる隔壁の幅1mmの二本の溝と、溝とおのおの単独で連結された500μリットルのリザーバー部を二つ持つポリメチルメタアクリレートからなる治具を作成した。この治具を用いて反応物溶液を二つのリザーバーに入れて反応物を固定した以外は実施例1と同様の分析を行ったところ、冶具の溝の位置に相当する固体分析媒体の表面が、線間約1mm、線幅約1mmの青い線状の発色部が二本確認された。
【0025】
【実施例4】
実施例1と同様に、固体分析媒体を準備した。被分析溶液として、PBS 25ulを固体分析媒体上に添加し、3分間放置した。実施例1と同様の反応の結果、想定生成物が形成されているか否かを確認するために5%の100−200Kデキストラン、50ng/ml抗ヒトトランスフェリン抗体HRPコンジュゲートを含む0.1M MOPSO緩衝液(pH7.5)を25ul添加し10分放置した。
その後、実施例1と同様に洗浄し、TMB溶液と反応させたところ、固体分析媒体上には発色部は確認されず、切り出したときとほぼ同じ状態の表面が確認された。これにより、反応物であるウサギ抗ヒトトランスフェリン抗体を基体に線状に固定したことにより、分析対象物であるヒトトランスフェリンが被分析溶液中に存在していなかったことが判断できた。
【0026】
【実施例5】
長さ75mm、幅0.8mm、溝と溝を隔てる隔壁の幅0.8mmの4本の溝2と、溝とおのおの単独で連結された500μリットルのリザーバー部を四つ持つポリメチルメタアクリレートからなる治具10を作成した。この治具は図1〜図8に示すものである。この治具10を用いて反応物溶液を四つのリザーバーに入れて反応物を固定した以外は実施例1と同様の分析を行った。
ここで用いた固体分析媒体5は、図11に模式的に示すものである。冶具10の溝の位置に相当する固体分析媒体5の表面が図12に示すように、線間約0.8mm、線幅約0.8mmの青い線状の発色部3が四本確認された。
【0027】
【実施例6】
実施例2と同様に固体分析媒体を準備した。被分析溶液として5ulの8M 亜硝酸ナトリウム溶液と0.35Mの酢酸水溶液5ulを加えたものに、0.5M MOPSO緩衝液pH7.0を10ul加えて中和したものを準備した。
被分析溶液25ulを固体分析媒体5上に添加し、5分間静置した。実施例2と同様の反応の結果、想定生成物が形成されているか否かを確認するために、HRP標識ウサギ抗A群溶連菌抗体(バイロスタット社、米国)100ng/mlを含む0.1M MOPSO緩衝液(pH7.5)を25ul添加し10分放置した。実施例2と同様に洗浄、TMB溶液と反応させたところ、固体分析媒体5上には発色部は確認されず切り出したときとほぼ同じ状態の表面が確認された。
【0028】
【発明の効果】
本発明によると、反応物を、その表面に幅0.1mm以上、3.0mm以下の線状に固定されてなる、液体浸透性をもたず、かつ、気体浸透性をもたない固体分析媒体を用いることにより、材料が本質的に剛性を持つため、曲げ、ねじり等の機械的外力に対する強度が高く、製品の組み立て加工が容易となり、加工精度の向上がはかられる。
また、微多孔質の分析媒体を用いる場合、分析結果の判定に寄与する領域にのみ判定に必要な反応物を固定することが本質的に不可能なため、価格が高い反応物を用いた場合にコスト面で不利であるが、液体浸透性をもたず、かつ、気体浸透性ももたない固体分析媒体を用いることにより、分析結果の判定に寄与する領域にのみ判定に必要な反応物を固定することが可能となり、コストの無駄を省くことができる。
複数の反応物を固定して複数の反応を分析する場合も、反応物が線状に固定されているため、分析対象成分の定性的又は定量的分析がが迅速、かつ、容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】冶具の表面からの見取り図。
【図2】冶具の裏面からの見取り図。
【図3】冶具の平面図。
【図4】冶具の裏面図。
【図5】図3のA−A’における断面図。
【図6】図3のB−B’における断面図。
【図7】図3のC−C’における断面図。
【図8】図3のD−D’における断面図。
【図9】基体の平面図。
【図10】冶具が配置された基体の平面図。
【図11】本発明の分析媒体。
【図12】分析完了後の分析媒体。

Claims (3)

  1. 分析対象成分が含まれる疑いのある被分析溶液中の分析対象成分と反応して、想定生成物を形成する反応物が、その表面に幅0.1mm以上、3.0mm以下の線状に固定されてなる、液体浸透性をもたず、かつ、気体浸透性をもたない固体分析媒体。
  2. 想定生成物を形成する反応物が、被分析対象成分の特異的結合対である請求項1記載の固体分析媒体。
  3. 想定生成物を形成する反応物が、基体上に、0.1mm以上、3mm以下の間隔で、線状に二本以上固定されている請求項1記載の固体分析媒体。
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