JP2004108658A - 建物の冷暖房運転方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】暖房運転の場合は、空調機4への温水Wの出側に設置された二方弁21の前後に連通するバイパス管5に設置された開閉弁51を、暖房の停止中に開いて温水Wを冷温水循環用配管2と空調機4の熱交換器41に循環させ、暖房の開始直前の冷温水循環用配管2内の温水Wの温度と空調機4の熱交換器41の温度とを暖房中の温水温度に近い温度に保持する。冷房の場合は温水に代わる冷水を循環させる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、地域冷暖房システムの二次側システムである建物冷暖房設備の運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱媒体供給施設から冷水、温水、蒸気などの熱媒体を限定地域内の建物に供給して建物内部の冷暖房を行う地域冷暖房システムが各地で採用されている。
この地域冷暖房システムにおいて、熱媒体供給施設は地域配管を通じて熱媒体を使用者側の建物に供給し、建物ではこの熱媒体を受け入れて、空調機を介して内部の冷暖房を行う。
【0003】
ところで、この地域冷暖房事業者に対して熱媒体使用者が支払う使用料金は、契約熱媒体量に基づく基本料金と、使用量に対する従量料金との合計額となる。そして、この基本料金は、最大負荷時(ピーク時)のデマンド値に基づいて定められている。
【0004】
熱媒体の使用量は、同じ建物であっても季節によって異なり、また一日のなかでも時間帯によって大きな違いがある。たとえば冷房の場合は、夏の正午から夕刻までは冷水の使用量が増大し、暖房の場合は、運転開始直後(オフィスビルの場合は午前8時頃)が最大負荷時となる。
【0005】
使用料の基本料金は最大負荷時のデマンド値に基づいているので、この最大負荷時のデマンド値を低減させるために、従来いくつかの提案がなされている。
たとえば、冷暖房設備の負荷を予測して、冷暖房設備のピーク時の負荷条件を緩和させる手段として、(a)建物内部への送風温度を上げて除湿量を下げる、(b)建物内部への外気取入量を低減させる、(c)建物内部の設定冷房温度を下げる、などの手段を適宜組み合わせて用いる方法が提案されている(たとえば特許文献1参照)。
【0006】
また、熱負荷の異なる複数の領域をそれぞれ独立して冷暖房する空調装置とこの空調装置を制御する制御装置を有する冷暖房設備において、熱媒体の供給を停止して行う攪拌段階と熱負荷の大きな領域に対する空調のみ熱媒体の供給を行う部分予熱(予冷)段階と、全ての領域に対する空調に熱媒体の供給を行う全部予熱(予冷)段階とを順に備えた予備運転を通常運転前に行う方法が提案されている(たとえば特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−243140号公報(段落番号0013〜0054)
【特許文献2】
特開2002−13776号公報(段落番号0013〜0041)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載の方法によれば、最大負荷時のデマンド値を低減させることができる。しかし、特許文献1に記載のような制御は、最大負荷時における冷暖房能力の制限を伴うという問題点がある。
また、特許文献2に記載の方法によっても、最大負荷時のデマンド値を低減させることができる。しかし、特許文献2に記載のように、通常運転前に行う予備運転は通常運転デマンド値に近いレベルでの運転であり、最大負荷時のデマンド値を低減させることはできるが、この予備運転において空調機を作動させながら熱媒体の供給を行うのであるから、予備運転時においても通常運転時と同様にすべての機器を作動させることになり、運転コスト(電力コスト)が増大するという問題点がある。
【0009】
本発明は、地域冷暖房システムを採用した建物の冷暖房運転において、冷暖房能力を制限することなく最大負荷時の熱媒体のデマンド値を低減するとともに、予冷または予熱の段階における運転コストの増加を抑制する運転方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る建物の暖房運転方法は、地域冷暖房システムにより熱媒体が供給される建物の冷暖房運転において、空調機への熱媒体の出側または入側に設置された二方弁と前記二方弁の前後に連通するバイパス管に設置された開閉弁のいずれか一方または双方を冷房または暖房の停止中に開いて冷水または温水を冷温水循環用配管と空調機の熱交換器に循環させ、冷房または暖房の開始直前の冷温水循環用配管内の冷水または温水の温度と空調機の熱交換器の温度とを冷房中の冷水温度または暖房中の温水温度に近い温度に保持することを特徴とする。ここで、前記バイパス管に設置された開閉弁を自動開閉弁とすることができる。
【0011】
地域冷暖房システムのもとで冷暖房が行われている建物であっても、たとえば一般のオフィスビルの場合は午後9時頃には冷暖房は停止される。冷暖房の停止とは、冷温水の循環および空調機の運転を停止することであり、したがって、冷房または暖房が開始されるまでの間に冷温水循環用配管内の冷水の温度は上がり、または温水の温度が下がって、翌朝の冷房または暖房の開始時には外気温度に近い水温になっている。このため、冷房または暖房の開始時には建物内の空調機器は最大能力で運転され、そのために最大負荷時のデマンド値を増大させる結果となる。
【0012】
これに対し本発明に係る冷暖房運転方法においては、冷房または暖房の停止中に循環ポンプを稼働させて冷水または温水を冷温水循環用配管と空調機の熱交換器に循環させ、冷房または暖房の開始直前の冷温水循環用配管内の冷水または温水の温度と空調機の熱交換器の温度とを冷房中の冷水温度または暖房中の温水温度に近い温度に保持する。これによって、冷房または暖房の開始時に最大負荷時のデマンド値を低減させることができる。
【0013】
地域冷暖房システムのもとでは、熱媒体は常時供給されているので、夜間であっても熱媒体受入装置の循環ポンプを稼働させれば、冷水または温水を冷温水循環用配管と空調機の熱交換器に循環させて、冷温水循環用配管内の冷水または温水の温度と空調機の熱交換器の温度を冷房中または暖房中と同程度の温度にすることができる。循環させる冷水または温水の流量は、配管内の冷水または温水の温度を一定値以上に維持できればよいので少流量でよい。実際の操作としては、冷房または暖房の停止とともに空調機の送風ファンのみ停止させ、空調機への熱媒体の出側または入側に設置された二方弁と前記二方弁の前後に連通するバイパス管に設置された開閉弁のいずれか一方または双方の弁の開度を小さくして少流量の冷水または温水を循環させるようにする。冷水または温水の循環時は、熱媒体受入装置の循環ポンプを稼働させるだけで、空調機の送風ファンの運転は停止しているので、運転に必要な電力は少なくてすむ。
【0014】
ここで、冷房停止中の冷水循環または暖房停止中の温水循環は、冷房または暖房の開始直前に冷温水循環用配管内の冷水または温水の温度と空調機の熱交換器の温度が冷房中または暖房中と同程度の温度になっていればよいので、冷水または温水の循環は冷房停止中または暖房停止中の全時間にわたって行わなくてもよい。しかし、深夜や早朝に機器の操作をするために操作者を配置するのは効率的でないので、冷房または暖房の停止から開始までの間中、冷水または温水の循環を続けるようにしてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を暖房運転に適用した実施形態について説明する。図1は暖房運転における温水の循環経路を示す図であり、(a)は既設の二方弁とバイパス管の手動開閉弁を利用する場合、(b)はバイパス管の手動開閉弁に代えて自動開閉弁弁を設置した場合を示す。
【0016】
地域冷暖房システムの既設のビル空調設備の構成は、図1の(a)に示すように、熱媒体供給施設から供給される熱媒体としての温水Mと熱交換して循環用の温水Wを得る熱交換器1と、二方弁21付きの循環用配管2と、循環ポンプ3と、熱交換器41と送風ファン42を有する空調機4と、手動開閉弁51付きのバイパス管5を備えている。
【0017】
本実施形態では、図1の(a)に示す構成の既設の空調設備を用いて本発明に係る暖房方法による夜間の温水循環を行う。
従来の暖房運転では、暖房を停止したときに循環ポンプ3と送風ファン42が停止し同時に自動開閉弁21が閉となるが、本実施形態の暖房運転では、暖房を停止したときでも循環ポンプ3は停止させず、送風ファン42が停止して自動開閉弁21が閉となると同時にそれまで閉じていた手動開閉弁51を僅かに開き、バイパス管5を経由して少流量の温水の循環を続ける。
【0018】
地域冷暖房システムの熱媒体供給施設からは常時温水Mが供給されているので、循環ポンプ3の運転を続けていれば温水Wは熱交換器1によりほぼ一定の温度に加熱され、バイパス管5を経由して配管2と空調機4の熱交換器42内の配管に温水Wが循環する。この循環の間、空調機4の送風ファン42は停止しているので、熱交換器41内の配管は強制冷却されることがなく、循環中の温水Wの温度降下は少ない。したがって循環させる温水Wの流量が少なくても、配管2と熱交換器41内の配管の温度を暖房中と同程度に保持することができる。なお、この場合、送風ファン42が停止しても二方弁21が完全に閉とならず少量の温水Wが流れるようにすれば、手動開閉弁51は閉じたままでも温水Wを循環させることができる。
【0019】
図1の(b)は図1(a)の手動開閉弁51に代えて自動開閉弁6を設置した場合であり、この場合は、送風ファン42が停止して二方弁21が閉となると同時にそれまで閉じていた自動開閉弁6を自動的に僅か開き、バイパス管5を経由して少流量の温水Wの循環を続ける。
【0020】
ここで、冷温水循環用の配管2および熱交換器41内の配管を循環する温水Wの温度を一定に保つために、配管2の中途に温度センサを設置し、温水Wまたは配管2の温度測定結果に基づいて二方弁21または自動開閉弁6の開度を調節するようにしてもよい。また、暖房運転停止後の温水循環の開始時期は、暖房運転停止直後でなくてもよいので、たとえばタイマー設定により暖房運転開始の一定時間前に温水循環を開始するようにしてもよい。
【0021】
本発明の効果を確認するために、地域冷暖房システムのもとで暖房を行っている、空調延床面積約20,000m2の公共施設において、夜間の温水循環を試験的に行った結果、従来の暖房運転では熱媒体(温水)の年間使用量が約1500GJで、年間最大負荷が3.8GJ/hであったものが、本発明の暖房運転では熱媒体の年間使用量が121GJ、年間最大負荷が1.4GJ/hとなり、熱媒体の年間使用量、最大負荷とも大幅に節減することができた。
【0022】
なお、以上の実施形態は本発明を暖房運転に適用した例であるが、本発明は冷房運転にも適用できることはもちろんであり、冷房運転の場合は温水に代えて冷水を循環させることになる。
【0023】
【発明の効果】
地域冷暖房システムにより熱媒体が供給される建物の冷暖房運転において、冷房または暖房の停止中に冷水または温水を循環用配管と空調機の熱交換器に循環させ、冷房または暖房の開始直前の冷水または温水の温度と空調機の熱交換器の温度とを冷房中の冷水温度または暖房中の温水温度に近い温度にすることによって、予熱段階における運転コストの増加を抑制しつつ冷暖房運転開始時に最大負荷時のデマンド値を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における温水循環経路を示す図である。
【符号の説明】
1 熱交換器
2 循環用配管
21 二方弁
3 循環ポンプ
4 空調機
41 熱交換器
42 送風ファン
5 バイパス管
51 手動開閉弁
6 自動開閉弁
M 熱媒体(温水)
W 温水
Claims (2)
- 地域冷暖房システムにより熱媒体が供給される建物の冷暖房運転において、空調機への熱媒体の出側または入側に設置された二方弁と前記二方弁の前後に連通するバイパス管に設置された開閉弁のいずれか一方または双方を冷房または暖房の停止中に開いて冷水または温水を冷温水循環用配管と空調機の熱交換器に循環させ、冷房または暖房の開始直前の冷温水循環用配管内の冷水または温水の温度と空調機の熱交換器の温度とを冷房中の冷水温度または暖房中の温水温度に近い温度に保持することを特徴とする建物の冷暖房運転方法。
- 前記バイパス管に設置された開閉弁を自動開閉弁とした請求項1記載の建物の冷暖房運転方法。
Priority Applications (1)
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JP2002271793A JP2004108658A (ja) | 2002-09-18 | 2002-09-18 | 建物の冷暖房運転方法 |
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JP2002271793A JP2004108658A (ja) | 2002-09-18 | 2002-09-18 | 建物の冷暖房運転方法 |
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JP2004108658A true JP2004108658A (ja) | 2004-04-08 |
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JP2002271793A Pending JP2004108658A (ja) | 2002-09-18 | 2002-09-18 | 建物の冷暖房運転方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007093270A (ja) * | 2005-09-27 | 2007-04-12 | Yamatake Corp | 熱量計 |
JP2008241231A (ja) * | 2007-02-26 | 2008-10-09 | Shimizu Corp | 省エネ空調制御システム |
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2002
- 2002-09-18 JP JP2002271793A patent/JP2004108658A/ja active Pending
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