JP2004108499A - 滑り軸受用合成樹脂組成物及びそれを成型した滑り軸受 - Google Patents

滑り軸受用合成樹脂組成物及びそれを成型した滑り軸受 Download PDF

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堀切川 一男
Motoharu Akiyama
秋山 元治
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Abstract

【課題】特異なトライボロジー特性を有する滑り軸受用合成樹脂組成物及びこれを成型した滑り軸受を提供する
【解決手段】合成樹脂と均一に分散させたRBC又はCRBCの微粉末を含み、RBC又はCRBCの微粉末の含有量が組成物全体の30〜70質量%である滑り軸受用合成樹脂組成物。

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、特異なトライボロジー特性を有する滑り軸受用合成樹脂組成物及びこれを成型した滑り軸受に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、合成樹脂を用いた滑り軸受などの摺動部材には、ナイロン66、ナイロン6、ナイロン11などのポリアミド系樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートなどポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどポリオレフィン系樹脂、ポリアセタールなどの樹脂が用いられてきた。中でも、ナイロン66に代表されるポリアミド系樹脂が滑り軸受に要求される機械的性質、化学的特性、物理的特性を兼ね備えており、好ましく用いられている。(特許文献1参照)
また、本発明者によるRBC(RBセラミックス)又はCRBC(CRBセラミックス)は、成型できる炭素材料として知られている。(非特許文献1)
また、合成樹脂60〜95容量%と炭素繊維40〜5容量%からなる繊維強化樹脂100容量部に対して、固体潤滑剤5〜40容量部を添加した潤滑性樹脂組成物も知られている。(特許文献2参照)
【特許文献1】
特開平5−32797号公報
【特許文献2】
特開平7−268126号公報
【非特許文献1】
機能材料 1997年 5月号 Vol.17 No.5 p24〜28
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明者は、扱いなれた合成樹脂組成物とりわけポリアミド系組成物に、充填剤としてのRBC(RBセラミックス)又はCRBC(CRBセラミックス)に注目し、鋭意研究した結果、RBC又はCRBCをある範囲内で含む合成樹脂組成物が特異な摺動特性を有することを突き止め、滑り軸受用合成樹脂組成物として有用である合成樹脂組成物に到達することができた。
本発明の第一発明者である堀切川 一男は、以下に説明するように、米ぬかから得られる脱脂ぬかを利用して新しい炭素材料であるRBセラミックス(以下RBCという。)及びCRBセラミックス(以下CRBCという。)を開発した。
日本において90万トン/年、世界中で3300万トン/年も排出されている米ぬかを利用して、多孔質炭素材料を得ようとすることは、堀切川 一男の研究により知られている。(機能材料 1997年 5月号 Vol.17 No.5
p24〜28参照)
ここには、米ぬかから得られる脱脂ぬかと、熱硬化性樹脂を混合して混錬し、加圧成型した成型体を乾燥させた後、乾燥成型体を不活性ガス雰囲気中で焼成した炭素材料であるRBC及びその製造方法が示されている。熱硬化性樹脂は、熱硬化しさえすればどのようなものでも良く、代表的にはフェノール系樹脂、ジアリールフタレート系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、トリアジン系樹脂が挙げられる。とくにフェノール系樹脂が好適に用いられる。 脱脂ぬかと熱硬化性樹脂の混合割合は、質量比で、50〜90:50〜10であるが、好適には75:25 が用いられる。
焼成温度は、700℃〜1000℃であり、通常はロータリーキルンが用いられ、焼成時間は約40分から140分である。
RBCをさらに改良した炭素材料であるCRBCは、米ぬかから得られる脱脂ぬかと、熱硬化性樹脂とから得られるRBセラミックスの改良材であって、米ぬかから得られる脱脂ぬかと、熱硬化性樹脂を混合して混錬し、不活性ガス中700℃〜1000℃で一次焼成した後、100メッシュ程度以下に粉砕して炭化粉末とし、該炭化粉末と熱硬化性樹脂を混合して混錬し、圧力20MPa〜30MPaで加圧成型した後、成型体を不活性ガス雰囲気中で再び300℃〜1100℃で熱処理して得られる黒色樹脂ないし多孔質セラミックスである。
【0004】
RBC及びCRBCは、次のような優れた特徴を持っている。
・硬度が高い。
・膨張係数が非常に小さい。
・組織構造がポーラスである。
・電気伝導性を有する。
・比重が小さく軽い。
・摩擦係数が非常に小さい。
・耐摩耗性に優れる。
・材料が米ぬかで地球環境への悪影響が少なく、省資源に繋がる。
本発明においては、RBC及びCRBCを平均粒子径300μm以下、好ましくは10〜200μmに微粉末化して用い、合成樹脂と混合することにより得られる合成樹脂組成物が、滑り軸受として優れた特性を有することを見出し、滑り軸受に利用する技術に関する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、RBC(RBセラミックス)又はCRBC(CRBセラミックス)の特異性に着目し、鋭意研究した結果、RBC又はCRBCの微粉末を均一に分散し、とくに、RBC又はCRBCの微粉末の含有量が組成物全体の30〜70質量%とくに45〜55質量%である合成樹脂組成物を成型すると、潤滑油保持性能が高くなることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の滑り軸受用合成樹脂組成物は、RBC又はCRBCの微粉末を合成樹脂の融点付近の温度で、上記の割合で混合し、混錬することにより、RBC又はCRBCの微粉末を均一に分散することにより得られる。
【0006】
【本発明の実施の形態】
本発明において用いるRBC又はCRBCの微粉末は、通常、平均粒子径300μm以下のものが用いられる。とくに、平均粒子径10〜200μmのものを用いて、RBC又はCRBCの微粉末の含有量が組成物全体の30〜70質量%である合成樹脂組成物を成型すると、潤滑油保持性能の高い表面状態を作り出すことができ、滑り軸受用の材料として適していることが判った。
【0007】
本発明において用いることが出来る合成樹脂としては、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアセタール等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
具体的には、ナイロン66(ポリヘキサメチレンアジポアミド)、ナイロン6(ポリカプラミド)、ナイロン11(ポリウンデカンアミド)、ナイロン12、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、POM等の熱可塑性樹脂が挙げられる。とくに、ナイロン66、ナイロン11、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレン、POM等が好ましく用いられる。これら熱可塑性樹脂は、1種でも2種以上を混合して用いても良い。
【0008】
さらに、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂を併用することも出来る。このような熱硬化性樹脂としては、フェノール系樹脂、ジアリールフタレート系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、トリアジン系樹脂などが挙げられる。
RBC又はCRBCの微粉末の添加割合は、RBC又はCRBCの微粉末の含有量が組成物全体の30〜70質量%であることが必要である。とくに45〜55質量%の範囲が好ましい。
RBC又はCRBCの微粉末の添加割合が70質量%を超えると樹脂組成物の機械的特性が低下し、また30質量%以下では、潤滑油保持性能が低下する。
【0009】
成型は、通常、押出成型または射出成型で行われる。
また、金型の温度をやや低めに設定すると良いことが解っている。基本的には合成樹脂のガラス転移点ないし融点の範囲の温度が良い。さらに、金型は、急冷するよりも徐冷する方が、良い表面状態の成型物が得られることが判明している。
本発明の滑り軸受用合成樹脂組成物には、必要に応じて老化防止剤、酸化防止剤や安定剤を加えることができる。
これらは合成樹脂の種類により適宜選択することができる。
本発明で用いられる老化防止剤としては、ポリアミドの場合はアミン系の老化防止剤などが選ばれる。例えば、アミン系老化防止剤としては、N,N�−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N�−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンなどのジアリール−p−フェニレンジアミン系老化防止剤、N−フェニル−N�−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N�−(1,3−ジメチル)−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N�−シクロヘキシル−p−フェニレンジアミンなどのアリールアルキル−p−フェニレンジアミン系老化防止剤、アルキレーティッドジフェニルアミド、4,4�−ジ−オクチルジフェニルアミンなどのジフェニルアミン系老化防止剤などが挙げられる。
安定剤としては、リン酸エステル、亜リン酸エステルに代表されるような熱安定剤あるいは光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤、フェニルベンゾエート系光安定剤、ニッケル錯塩などがある。
このヒンダードアミン系またはフェニルベンゾエート系光安定剤の具体例として、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸とN−(2−ヒドロキシプロピル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとの縮合物、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、N,N�−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと1,2−ジブロモエタンとの重縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)アジペート、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)フマレート、ポリ〔〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〕、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、4−オクチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、n−ヘキサデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどが挙げられる。
【0010】
本発明の滑り軸受用合成樹脂組成物で用いられる酸化防止剤の例としては、フェノール系、リン系、硫黄系のものなどがある。ここでフェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフエニル)プロピオネート、4,4’ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフエノール、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフエニル)プロピオネート〕、3,9−ビス〔2−〔3(3−t−ブチル−4−ヒトロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカンなどが挙げられる。
【0011】
また、リン系酸化防止剤としては、トリスノニルフェニルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスホナイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジホスファイト、2,2,−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイトなどを挙げることができる。硫黄系酸化防止剤としては、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテスラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)などを挙げることができる。
【0012】
また、本発明の滑り軸受用合成樹脂組成物には、必要に応じて難燃剤を添加することができる。難燃剤の例としては、テトラブロモビスフェノールA誘導体、ヘキサブロモジフェニールエーテル及びテトラブロモ無水フタル酸等のハロゲン含有化合物:トリフェニールホスフェート、トリフェニールホスファイト、赤リン及びポリリン酸アンモニウム等のリン含有化合物:尿素及びグアニジン等の窒素含有化合物:シリコンオイル、有機シラン及びケイ酸アルミニウム等のケイ素含有化合物:三酸化アンチモン及びリン酸アンチモン等のアンチモン化合物等が挙げられる。
さらに、本発明の滑り軸受用合成樹脂組成物には、必要に応じて体質充填剤を添加することができる。体質充填剤の例としては、カーボンブラック等の炭素微粉末が挙げられる。
さらに、本発明の滑り軸受用合成樹脂組成物中に、グラスファイバー、ロックウール、カーボン繊維等の無機質繊維、ポリエステル、レーヨン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリオレフイン、アクリル等の合成繊維又は木材パルプ、マニラ麻等の天然パルプ繊維を添加して、成型物の強度を高めることが出来る。
【0013】
本発明の実施の形態をまとめると、以下のとおりである。
(1) 合成樹脂と均一に分散させたRBC又はCRBCの微粉末を含み、RBC又はCRBCの微粉末の含有量が組成物全体の30〜70質量%である滑り軸受用合成樹脂組成物。
(2) RBC又はCRBCの微粉末の含有量が組成物全体の45〜55質量%である上記1に記載した滑り軸受用合成樹脂組成物。
(3) 合成樹脂が、ナイロン66、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアセタールから選ばれる樹脂の1種又は2種以上である上記1又は上記2に記載した滑り軸受用合成樹脂組成物。
(4) RBC又はCRBCの微粉末の平均径が、300μm以下である上記1ないし上記3のいずれかひとつに記載した滑り軸受用合成樹脂組成物。
(5) RBC又はCRBCの微粉末の平均径が、10〜200μmである上記4に記載した滑り軸受用合成樹脂組成物。
(6) 合成樹脂がナイロン66である上記3ないし上記5のいずれかひとつに記載した滑り軸受用合成樹脂組成物。
(7) グラスファイバー、ロックウール、カーボン繊維から選ばれる無機質繊維、ポリエステル、レーヨン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリオレフイン、アクリルから選ばれる合成繊維又は木材パルプ、マニラ麻から選ばれるの天然パルプ繊維の少なくとも1種を添加した上記1ないし上記6のいずれかひとつに記載した滑り軸受用合成樹脂組成物。
(8) 上記1ないし上記6の滑り軸受用合成樹脂組成物を用いて成型した滑り軸受。
【0014】
(実施例)
本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。
実施例に先立って、試験片Aを作製した。
(試験片Aの作成)
ナイロン66ペレット100gを原料樹脂とし射出成型して、直径50mm厚さ3mmの試験片Aを作成した。
実施例1
(RBC微粉末の作成)
米ぬかから得られる脱脂ぬか75kgと液体状のフェノール樹脂(レゾール)25kgを、50℃〜60℃に加熱しながら、混合して混錬した。可塑性を有する均質な混合物が得られた。
混合物を、ロータリーキルンを使って窒素雰囲気中で950℃で120分焼き上げた。得られた炭化焼成物を、170メッシュの篩にかけて平均粒径が140μm〜160μmのRBC微粉末を得た。
(試験片Bの成型)
平均粒径が150μmRBC微粉末30gとナイロン66ペレット70gを溶融混合して得られた樹脂組成物を原料樹脂とし射出成型して、直径50mm厚さ3mmの試験片Bを作成した。
【0015】
実施例2
(RBC微粉末の製造)
実施例1で製造したRBC微粉末を用いた。
(試験片Cの作成)
平均粒径が150μmRBC微粉末50gとナイロン66ペレット50gを溶融混合して得られた樹脂組成物を原料樹脂とし射出成型して、直径50mm厚さ3mmの試験片Cを作成した。
【0016】
実施例3
(CRBC微粉末の製造)
米ぬかから得られる脱脂ぬか75kgと液体状のフェノール樹脂(レゾール)25kgを、50℃〜60℃に加熱しながら、混合して混錬した。可塑性を有する均質な混合物が得られた。
混合物を、ロータリーキルンを使って窒素雰囲気中1000℃で120分焼き上げた。得られた炭化焼成物を、100メッシュの篩にかけて、平均粒径が240μm〜260μmのRBC微粉末を得た。
得られたRBC微粉末65Kgと固体状のフェノール樹脂(レゾール)35Kgを100℃〜150℃に加熱しながら、混合して混錬した。可塑性を有する均質な混合物が得られた。
次いで、可塑物を圧力22MPaで直径約2cmの球形に加圧成型した。金型の温度は150℃であった。
金型から成型体を取り出し、窒素雰囲気中で500℃までは3℃/分の昇温速度で温度を上げ、500℃で30分間保持し、1000℃で約120分焼成した。
次いで500℃までは2〜3℃/分の冷却速度で、温度を下げ、500℃以下になると自然放冷した。
得られた直径約2cmの球形のCRBC成型物を、粉砕機を用いて粉砕し、800おメッシュの篩にかけて、平均粒径が30μmであるCRBC微粉末を得た。
(試験片Dの成型)
平均粒径が30μmのCRBC微粉末50gとナイロン66ペレット50gを溶融混合して得られた樹脂組成物を原料樹脂とし、射出成型して、直径50mm厚さ3mmの試験片Dを作成した。
【0017】
実施例4
(RBC微粉末の製造)
実施例1で製造したRBC微粉末を用いた。
(試験片Eの作成)
平均粒径が150μmRBC微粉末70gとナイロン66ペレット30gを溶融混合して得られた樹脂組成物を原料樹脂とし射出成型して、直径50mm厚さ3mmの試験片Eを作成した。
試験片A〜Eとその特性を表1及び表2に示す。
【0018】
【表1】
Figure 2004108499
【表2】
Figure 2004108499
【0019】
図1に示す摩擦試験機を用いて試験片A、試験片B、試験片C、試験片D及び試験片Eについて以下のテストを行った。テスト条件を表3及び表4に示す。
<摩擦特性(摩擦係数、滑り速度)の測定>
荷重0.49N、ストローク5mm(0.001−1.0m/sについて)、無潤滑下または標準のエステル系潤滑油潤滑下の表4に示す条件下で、ボールSUJ2φ1mm、弾性率206GPa、ポアソン比0.3の表3に示したボールを用いて、摩擦特性(摩擦係数、滑り速度)を計測した。
【0020】
【表3】
Figure 2004108499
【表4】
Figure 2004108499
【0021】
その結果を図2及び図3に示す。
図2は大気中無潤滑下における摩擦係数と滑り速度の関係を示し、この結果から、低速域と高速域での摩擦係数の差は小さいことがわかり、RBC、CRBC微粉末粒子がナイロン66の摩擦係数を低下させる効果を有することが解った。
図3は標準潤滑油であるエステル油潤滑下における摩擦係数と滑り速度の関係を示し、この結果から、低速域と高速域での摩擦係数の差は小さくなることがわかり、RBC、CRBC微粉末粒子がナイロン66の摩擦係数を大幅に低下させる効果を有することが解った。
大気中無潤滑下でもエステル油潤滑下でも、ナイロン66にRBC、CRBC微粉末粒子を配合することにより、摩擦係数の滑り速度に対する安定性が改善されることが解った。
【0022】
<摩擦特性(比摩耗量)の測定>
荷重0.49N、ストローク5mm(0.001−1.0m/sについて)、無潤滑下または標準のエステル系潤滑油潤滑下の表4に示す条件下で、ボールSUJ2φ1mm、弾性率206GPa、ポアソン比0.3の表3に示したボールを用いて、摩擦特性(比摩耗量)を計測した。
その結果を図4及び図5に示す。
図4は大気中無潤滑下における比摩耗量とRBC、CRBC微粉末粒子配合量の関係を示したものであり、RBC、CRBC微粉末粒子配合量が多いほど比摩耗量が小さくなることが示されている。RBC、CRBC微粉末粒子がナイロン66の耐磨耗性を30倍も向上させていることが解る。
図5は標準のエステル系潤滑下における比摩耗量とRBC、CRBC微粉末粒子配合量の関係を示したものである。
エステル油薄膜は、摩擦試験片を0.005質量%に溶媒希釈したエステル油中に3分間浸漬した後、デシケータ中にて2分間の脱気乾燥を施すことにより作製された。
試験片A、試験片B及び試験片Eの場合、無潤滑下とほぼ同じ比摩耗量を示したが、試験片C及び試験片Dは、試験片Aに比して1/300以下の小さい値を示した。この結果とくにRBC、CRBC微粉末粒子が50質量%付近では、とくに優れた潤滑油保持性が発揮されたと考えられる。
【0023】
実施例5
実施例2で用いた平均粒径が150μmRBC微粉末50gとナイロン66ペレット50gを溶融混合して得られた樹脂組成物を原料樹脂とし射出成型して、図6に示す直径2.98mm長さ20mmの軸1と当該軸を受け入れる内径3.00mm、外径5.00mm、長さ15.00mmのスリーブ2からなるスリーブ軸受を作成した。
エステル油薄膜は、スリーブ軸受を0.005質量%に溶媒希釈したエステル油中に3分間浸漬した後、デシケータ中にて2分間の脱気乾燥を施すことにより作製された。
図3に示す特性とほぼ同じ特性を有するスリーブ軸受が得られた。
【0024】
さらに、実施例1で用いた平均粒子径150μmRBC微粉末及び実施例3で用いた平均粒径が30μmのCRBC微粉末を、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアセタール(POM)と配合して合成樹脂組成物を製造し、試験片を作製して同様の実験を行った。
図1〜図4の結果とほぼ同様の傾向が見られた。
【0025】
【本発明の効果】
図1〜図4の結果からも明らかなように、本発明のRBC又はCRBCの微粉末を含む合成樹脂組成物が、合成樹脂と均一に分散させたRBC又はCRBCの微粉末を含み、RBC又はCRBCの微粉末の含有量が組成物全体の30〜70質量%である合成樹脂組成物は、摩擦係数と滑り速度が低速域と高速域での差は小さいことが確認でき、耐摩耗性が良く、潤滑油保持特性が良いことから滑り軸受用合成樹脂組成物として有用であることが解った。
【図面の簡単な説明】
【図1】摩擦試験の概略図
【図2】無潤滑下における摩擦係数と滑り速度の関係図
【図3】エステル潤滑下における摩擦係数と滑り速度の関係図
【図4】無潤滑下における比摩耗量とRBC、CRBCの配合量の関係図
【図5】エステル潤滑下における比摩耗量とRBC、CRBCの配合量の関係図
【図6】本発明の滑り軸受用合成樹脂組成物を用いて成型したスリーブ軸受

Claims (7)

  1. 合成樹脂と均一に分散させたRBC又はCRBCの微粉末を含み、RBC又はCRBCの微粉末の含有量が組成物全体の30〜70質量%である滑り軸受用合成樹脂組成物。
  2. RBC又はCRBCの微粉末の含有量が組成物全体の45〜55質量%である請求項1に記載した滑り軸受用合成樹脂組成物。
  3. 合成樹脂が、ナイロン66、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアセタールから選ばれる樹脂の1種又は2種以上である請求項1又は請求項2に記載した滑り軸受用合成樹脂組成物。
  4. RBC又はCRBCの微粉末の平均径が、300μm以下である請求項1ないし請求項3のいずれかひとつに記載した滑り軸受用合成樹脂組成物。
  5. 合成樹脂がナイロン66である請求項3ないし請求項4のいずれかひとつに記載した滑り軸受用合成樹脂組成物。
  6. グラスファイバー、ロックウール、カーボン繊維から選ばれる無機質繊維、ポリエステル、レーヨン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリオレフイン、アクリルから選ばれる合成繊維又は木材パルプ、マニラ麻から選ばれるの天然パルプ繊維の少なくとも1種を添加した請求項1ないし請求項5のいずれかひとつに記載した滑り軸受用合成樹脂組成物。
  7. 請求項1ないし請求項6の滑り軸受用合成樹脂組成物を用いて成型した滑り軸受。
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