JP2004106567A - 弾性ホイール - Google Patents
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Abstract
【課題】小入力時から大入力時に至るまで、耐久性および安全性を損なうことなく、乗り心地性能、防振性能および防音性能の向上を図るとともに、長期使用時における疲労耐久性にも優れた実用性の高い弾性ホイールを提供する。
【解決手段】リム2に固設されたガイド5a、5bと、ディスク1の外周面に突出する突出部4とを有し、ゴム弾性体3が、突出部4およびガイド5a、5bに固着された弾性ホイールである。ゴム弾性体3の外周面が、ホイール軸方向に沿って、少なくとも突出部4と一対のガイド5a、5bとの間に夫々、ホイール半径方向内方に凹部を形成する変曲点Pを有する波形状であり、波形状の外周面の、ゴム弾性体3とガイド5a、5bとの固着部近傍における端部傾斜曲面SAと、変曲点Pを介して端部傾斜曲面SAにつながる隣接する傾斜曲面SBとのなす角θが、90〜180°の範囲内である。
【選択図】 図2
【解決手段】リム2に固設されたガイド5a、5bと、ディスク1の外周面に突出する突出部4とを有し、ゴム弾性体3が、突出部4およびガイド5a、5bに固着された弾性ホイールである。ゴム弾性体3の外周面が、ホイール軸方向に沿って、少なくとも突出部4と一対のガイド5a、5bとの間に夫々、ホイール半径方向内方に凹部を形成する変曲点Pを有する波形状であり、波形状の外周面の、ゴム弾性体3とガイド5a、5bとの固着部近傍における端部傾斜曲面SAと、変曲点Pを介して端部傾斜曲面SAにつながる隣接する傾斜曲面SBとのなす角θが、90〜180°の範囲内である。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の車輪に用いられる弾性ホイールに関し、詳しくは、乗り心地性能、防振性能および防音性能に優れるとともに、長期使用時の耐久性にも優れた弾性ホイールに関する。
【0002】
【従来の技術】
弾性ホイールは、一般に車軸ハブに固着されるディスクとタイヤを支承するリムとを備えており、かかるディスクとリムとの間に防振体を設け、防振性能や乗り心地性能を高めた弾性ホイールはこれまで種々提案されている。例えば、特許文献1には、防振体としてバネを用いて乗り心地の向上を図ったタイヤ用ホイールが提案されている。
【0003】
また、防振体としてゴムを使用し、これをリムとディスクとの間に配置したものも知られており、例えば、特許文献2に、リムがゴム様弾性体を介してディスクに連結される構成の弾性ホイールが提案されている。さらに、特許文献3には、リムと弾性ホイールとの間に隙間を形成し、そこに防振ゴムを介装させた弾性ホイールが開示されている。さらにまた、特許文献4には、リムと同一プロファイルを有する内側リムとリムとの間にゴムの環状ストリップを配置したホイール・バリア組立体が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
実開昭59−188701号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献2】
実開昭57−73203号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献3】
特開平5−338401号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献4】
WO9833666号公報(請求の範囲等)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、防振体としてゴムを使用し、これをリムとディスクとの間に一様に配置した従来の弾性ホイールにおいては、リムの内周面とディスクの外周面との間に夫々に加硫接着されたゴム弾性体が配設されているため、このゴム弾性体によりリムからディスクに伝わる軸方向、径方向および回転方向の各振動を的確に抑制することができるものの、大荷重時のゴム弾性体の変位を抑制することはできないという問題があった。すなわち、ゴムの断面が一様であり、小入力時から大入力時までのそれぞれにおいて適切な振動防止特性を得ることが困難であった。この点について、防振体としてばねを用いても同様の問題があった。
【0006】
また、リムとディスクとの間にゴム弾性体を配置して防振効果を得る弾性ホイールの場合には、実車に装着して走行した際にゴム弾性体に応力負荷がかかるので、長期使用時におけるゴム弾性体の疲労破壊が問題となる。従って、単に防振性能等を高めることのみならず、実使用時におけるゴム弾性体の耐久性を向上して、十分な実用性を備えた弾性ホイールを実現することが望まれていた。
【0007】
そこで本発明の目的は、小入力時から大入力時に至るまで、耐久性および安全性を損なうことなく、乗り心地性能、防振性能および防音性能の向上を図るとともに、防振機能を担うゴム弾性体の耐久性を向上して、長期使用時における疲労耐久性にも優れた実用性の高い弾性ホイールを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、所定の構成にてゴム弾性体を配した弾性ホイールにおいて、ゴム弾性体が破壊を生じやすい所定部位の形状を改良して、該部位における応力集中を緩和させることにより、上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、上記課題を解決するために、本発明の弾性ホイールは下記に示す通りである。
【0009】
〈1〉車軸ハブに固着されるディスクと、タイヤを支承するリムとを備え、前記リムの内周面に環状に固設された一対のガイドと、前記ディスクの外周面にホイール半径方向外方に環状に突出する突出部とを有し、該突出部に、前記リムの内周面との間に間隙をもって、前記一対のガイド間のホイール軸方向の全幅にわたって一体的に、ゴム弾性体が環状に固着され、かつ、軸方向両側に延在する該ゴム弾性体の両端部が、夫々前記一対のガイドのホイール軸方向に対向する両側面に固着された弾性ホイールであって、
前記ゴム弾性体の外周面が、ホイール軸方向に沿って、少なくとも前記突出部と一対のガイドとの間に夫々、ホイール半径方向内方に凹部を形成する変曲点を有する波形状であり、かつ、該波形状の外周面の、前記ゴム弾性体とガイドとの固着部近傍における端部傾斜曲面SAと、前記変曲点を介して該端部傾斜曲面SAにつながる隣接する傾斜曲面SBとのなす角θが、90〜180°の範囲内であることを特徴とする弾性ホイールである。
【0010】
〈2〉前記〈1〉の弾性ホイールにおいて、前記端部傾斜曲面SAがホイール半径方向に対しなす角αが、20〜90°の範囲内である弾性ホイールである。
【0011】
〈3〉前記〈1〉または〈2〉の弾性ホイールにおいて、前記ゴム弾性体の、前記端部傾斜曲面SAにおける前記ガイドとの固着部の厚みtが、0.5〜2.5mmの範囲内である弾性ホイールである。
【0012】
〈4〉前記〈1〉〜〈3〉のうちいずれかの弾性ホイールにおいて、前記ゴム弾性体とガイドとの固着部の、前記端部傾斜曲面SAに沿う長さが、1.5mm以上である弾性ホイールである。
【0013】
前記〈1〉〜〈4〉の発明は、以下の作用効果を奏する。
前記〈1〉の発明により、リムとディスクとの間に介装されたゴム弾性体の剪断変形で振動を吸収し、特に小入力に対して乗り心地性能、防振性能および防音性能の向上を図ることができるとともに、ディスク外周面上のホイール半径方向外方に設置されたゴム弾性体がストッパの役割を果たし、大入力に対する大変形をも効果的に抑制することができる。また、ゴム弾性体の所定形状により応力の集中を緩和して、長期使用時におけるゴム弾性体の疲労耐久性を向上し、耐久性にも優れた弾性ホイールとすることができる。さらに、防音性能については、100Hz以上の高周波領域の防音に極めて効果的である。
【0014】
前記〈2〉〜〈4〉の発明により、ゴム弾性体の所定部位における応力集中をより効果的に緩和することができ、ゴム弾性体の耐久性をより高めることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1に示す本発明の一実施の形態に係る弾性ホイールは、車軸ハブ(図示せず)に固着されるディスク1と、タイヤを支承するリム2とを備えており、リム2の内周面とディスク1の外周面との間に、ゴム弾性体3が環状に介装されている。
【0016】
図1に示す好適例においては、ディスク1の外周面が、ホイール半径方向外方に環状に突出する突出部4を一体的に形成している。この突出部4には、ホイール軸方向両側に延在するゴム弾性体3が、リム2の内周面との間に適宜間隙をもって、例えば、加硫接着等により、環状に固着されている。
【0017】
一方、リム2の内周面には一対のガイド5a、5bが環状に固設されており、上記ゴム弾性体3の軸方向両端部がこの一対のガイド5a、5bのホイール軸方向に対向する両側面に夫々加硫接着等により固着されることにより、ゴム弾性体3を介してリム2とディスク1とが連結されている。尚、ガイド5a、5bはリム2の内周面に溶接、ネジ止め等の手段により固着してもよく、あるいはリムと一体成形により設けてもよい。
【0018】
ゴム弾性体3は、少なくともホイール軸方向両側に延在すれば、その剪断歪みにより弾性ホイールとしての防振機能を発揮し得るが、本発明においては、さらに大入力時の大変形の防止効果をも得るために、図示するように、ゴム弾性体3をリム2の内周面とディスク1の突出部4との間にも介在させている。即ち、ゴム弾性体3を、一対のガイド5a、5b間のホイール軸方向の全幅にわたって一体的に介装させることにより、小入力時の小変形の抑制、防止効果が得られることに加え、ゴム弾性体3の突出部4のホイール半径方向外方面に連続的に存在する部分に、大入力時において突出部4とリム2の内周面との衝突を回避するためのストッパとしての機能を発揮させることができる。
【0019】
図2に、ゴム弾性体3とガイド5aとの固着部近傍(片側)の拡大部分断面図を示す。以下、図示するガイド5a側の固着部に関して本発明を説明するが、かかる固着部近傍の特徴に関しては、ホイール軸方向両端部において同様である。図1および2に示すように、ゴム弾性体3は、その外周面が、ホイール軸方向に沿って、少なくとも突出部4と一対のガイド5a、5bとの間に夫々、ホイール半径方向内方に凹部を形成する変曲点Pを有する波形状に形成されている。本発明においては、かかる波形状の外周面の、ゴム弾性体3と一対のガイド5a、5bとの固着部近傍における端部傾斜曲面SAと、変曲点Pを介してこの端部傾斜曲面SAにつながる隣接する傾斜曲面SBとのなす角θが、90〜180°、好ましくは120〜180°の範囲内である(図2参照)。角θを90〜180°の範囲内としたことにより、実使用時に負荷のかかりやすい固着部近傍における応力集中を効果的に緩和することができ、ゴム弾性体3の疲労破壊を適切に防止することができる。角θが90°未満であると変曲点P付近に応力が集中しすぎて、ゴム弾性体3の破断による弾性ホイールの故障が起きやすくなる。一方、角θが180°を超えると、防振特性等が低下するので、好ましくない。
【0020】
本発明に係るゴム弾性体3においては、角θに関し上記条件を満たしていればよく、その他の全体的な形状、突出部を中心としたホイール軸方向両側のバランスなどについては、特に制限はされるものではないが、好適には上記条件に加え、端部傾斜曲面SAがホイール半径方向に対しなす角αを、20〜90°、特には40〜90°の範囲内とする。αが20°未満であると、突出部4とガイド5aとの間に形成される凹部が深くなりすぎて、この凹部におけるゴム弾性体3の強度が低下し、この部分から破断が生じやすくなる。一方、αが90°を超えると、防振特性等が低下するので、好ましくない。
【0021】
また、本発明においては、ゴム弾性体3の、端部傾斜曲面SAにおけるガイド5aとの固着部の厚みtが、好ましくは0.5〜2.5mm、より好ましくは1.0〜1.5mmの範囲内である。厚みtが0.5mm未満であると、薄すぎて製造上困難となるので好ましくなく、一方、2.5mmを超えると、実使用時にゴム弾性体3が端部傾斜曲面SA上をせり上がって、ゴム弾性体3とガイド5aとの固着部端部Eにて応力集中が生ずるので、好ましくない。
【0022】
さらに、ゴム弾性体3とガイド5aとの固着部の、端部傾斜曲面SAに沿う長さLが、好ましくは1.5mm以上、より好ましくは5mm程度である。長さLが1.5mm未満であると、防振特性等が低下するので好ましくない。
【0023】
ディスク1は、スポークやメッシュ等の支持体と組合わせたスポークホイールやメッシュホイール等であってもよい。また、ディスクの材質は、スチール、アルミニウム、マグネシウム、チタン、合成樹脂等、いずれの材質でもよいが、軽量化に主眼を置くときはアルミニウム、チタンまたは合成樹脂が好ましい。
【0024】
また、突出部4は、図示する例には限られず、ディスク1の外周面にベースリムを設け、その半径方向外方に、少なくともホイール軸方向両側に延在するゴム弾性体3を固着することのできる環状部材を固着することにより設けてもよい。もちろん、形状についても図示する例に限られるものではない。尚、本発明の弾性ホイールにおいては、リム2自体の構造については特に制限されず、例えば、リム組を容易にするために、図示するように、ドロップ部を設けておいてもよい。
【0025】
本発明において使用し得るゴム弾性体3は、防振ゴムとして既知のものを用いることができ、天然ゴムや合成ゴム、例えば、ブタジエンゴム、スチレンブタジエン共重合体ゴム、ブチルゴム等のジエン系ゴムに適宜配合剤、例えば、硫黄、加硫促進剤、老化防止剤、カーボンブラック等を適宜配合することにより調製することができる。かかるゴム弾性体のJIS−A硬度(Hd)は、振動吸収特性と耐久性の観点から、好ましくは30〜80°であり、弾性率は1×103〜1×105N/cm2である。
【0026】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、小入力時から大入力時に至るまで、耐久性および安全性を損なうことなく、乗り心地性能、防振性能および防音性能の向上を図るとともに、防振機能を担うゴム弾性体の耐久性を向上して、長期使用時における疲労耐久性にも優れた実用性の高い弾性ホイールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る弾性ホイールの拡大部分断面図である。
【図2】ゴム弾性体とガイドとの固着部近傍の拡大部分断面図である。
【符号の説明】
1 ディスク
2 リム
3 ゴム弾性体
4 突出部
5a,5b ガイド
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の車輪に用いられる弾性ホイールに関し、詳しくは、乗り心地性能、防振性能および防音性能に優れるとともに、長期使用時の耐久性にも優れた弾性ホイールに関する。
【0002】
【従来の技術】
弾性ホイールは、一般に車軸ハブに固着されるディスクとタイヤを支承するリムとを備えており、かかるディスクとリムとの間に防振体を設け、防振性能や乗り心地性能を高めた弾性ホイールはこれまで種々提案されている。例えば、特許文献1には、防振体としてバネを用いて乗り心地の向上を図ったタイヤ用ホイールが提案されている。
【0003】
また、防振体としてゴムを使用し、これをリムとディスクとの間に配置したものも知られており、例えば、特許文献2に、リムがゴム様弾性体を介してディスクに連結される構成の弾性ホイールが提案されている。さらに、特許文献3には、リムと弾性ホイールとの間に隙間を形成し、そこに防振ゴムを介装させた弾性ホイールが開示されている。さらにまた、特許文献4には、リムと同一プロファイルを有する内側リムとリムとの間にゴムの環状ストリップを配置したホイール・バリア組立体が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
実開昭59−188701号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献2】
実開昭57−73203号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献3】
特開平5−338401号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献4】
WO9833666号公報(請求の範囲等)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、防振体としてゴムを使用し、これをリムとディスクとの間に一様に配置した従来の弾性ホイールにおいては、リムの内周面とディスクの外周面との間に夫々に加硫接着されたゴム弾性体が配設されているため、このゴム弾性体によりリムからディスクに伝わる軸方向、径方向および回転方向の各振動を的確に抑制することができるものの、大荷重時のゴム弾性体の変位を抑制することはできないという問題があった。すなわち、ゴムの断面が一様であり、小入力時から大入力時までのそれぞれにおいて適切な振動防止特性を得ることが困難であった。この点について、防振体としてばねを用いても同様の問題があった。
【0006】
また、リムとディスクとの間にゴム弾性体を配置して防振効果を得る弾性ホイールの場合には、実車に装着して走行した際にゴム弾性体に応力負荷がかかるので、長期使用時におけるゴム弾性体の疲労破壊が問題となる。従って、単に防振性能等を高めることのみならず、実使用時におけるゴム弾性体の耐久性を向上して、十分な実用性を備えた弾性ホイールを実現することが望まれていた。
【0007】
そこで本発明の目的は、小入力時から大入力時に至るまで、耐久性および安全性を損なうことなく、乗り心地性能、防振性能および防音性能の向上を図るとともに、防振機能を担うゴム弾性体の耐久性を向上して、長期使用時における疲労耐久性にも優れた実用性の高い弾性ホイールを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、所定の構成にてゴム弾性体を配した弾性ホイールにおいて、ゴム弾性体が破壊を生じやすい所定部位の形状を改良して、該部位における応力集中を緩和させることにより、上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、上記課題を解決するために、本発明の弾性ホイールは下記に示す通りである。
【0009】
〈1〉車軸ハブに固着されるディスクと、タイヤを支承するリムとを備え、前記リムの内周面に環状に固設された一対のガイドと、前記ディスクの外周面にホイール半径方向外方に環状に突出する突出部とを有し、該突出部に、前記リムの内周面との間に間隙をもって、前記一対のガイド間のホイール軸方向の全幅にわたって一体的に、ゴム弾性体が環状に固着され、かつ、軸方向両側に延在する該ゴム弾性体の両端部が、夫々前記一対のガイドのホイール軸方向に対向する両側面に固着された弾性ホイールであって、
前記ゴム弾性体の外周面が、ホイール軸方向に沿って、少なくとも前記突出部と一対のガイドとの間に夫々、ホイール半径方向内方に凹部を形成する変曲点を有する波形状であり、かつ、該波形状の外周面の、前記ゴム弾性体とガイドとの固着部近傍における端部傾斜曲面SAと、前記変曲点を介して該端部傾斜曲面SAにつながる隣接する傾斜曲面SBとのなす角θが、90〜180°の範囲内であることを特徴とする弾性ホイールである。
【0010】
〈2〉前記〈1〉の弾性ホイールにおいて、前記端部傾斜曲面SAがホイール半径方向に対しなす角αが、20〜90°の範囲内である弾性ホイールである。
【0011】
〈3〉前記〈1〉または〈2〉の弾性ホイールにおいて、前記ゴム弾性体の、前記端部傾斜曲面SAにおける前記ガイドとの固着部の厚みtが、0.5〜2.5mmの範囲内である弾性ホイールである。
【0012】
〈4〉前記〈1〉〜〈3〉のうちいずれかの弾性ホイールにおいて、前記ゴム弾性体とガイドとの固着部の、前記端部傾斜曲面SAに沿う長さが、1.5mm以上である弾性ホイールである。
【0013】
前記〈1〉〜〈4〉の発明は、以下の作用効果を奏する。
前記〈1〉の発明により、リムとディスクとの間に介装されたゴム弾性体の剪断変形で振動を吸収し、特に小入力に対して乗り心地性能、防振性能および防音性能の向上を図ることができるとともに、ディスク外周面上のホイール半径方向外方に設置されたゴム弾性体がストッパの役割を果たし、大入力に対する大変形をも効果的に抑制することができる。また、ゴム弾性体の所定形状により応力の集中を緩和して、長期使用時におけるゴム弾性体の疲労耐久性を向上し、耐久性にも優れた弾性ホイールとすることができる。さらに、防音性能については、100Hz以上の高周波領域の防音に極めて効果的である。
【0014】
前記〈2〉〜〈4〉の発明により、ゴム弾性体の所定部位における応力集中をより効果的に緩和することができ、ゴム弾性体の耐久性をより高めることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1に示す本発明の一実施の形態に係る弾性ホイールは、車軸ハブ(図示せず)に固着されるディスク1と、タイヤを支承するリム2とを備えており、リム2の内周面とディスク1の外周面との間に、ゴム弾性体3が環状に介装されている。
【0016】
図1に示す好適例においては、ディスク1の外周面が、ホイール半径方向外方に環状に突出する突出部4を一体的に形成している。この突出部4には、ホイール軸方向両側に延在するゴム弾性体3が、リム2の内周面との間に適宜間隙をもって、例えば、加硫接着等により、環状に固着されている。
【0017】
一方、リム2の内周面には一対のガイド5a、5bが環状に固設されており、上記ゴム弾性体3の軸方向両端部がこの一対のガイド5a、5bのホイール軸方向に対向する両側面に夫々加硫接着等により固着されることにより、ゴム弾性体3を介してリム2とディスク1とが連結されている。尚、ガイド5a、5bはリム2の内周面に溶接、ネジ止め等の手段により固着してもよく、あるいはリムと一体成形により設けてもよい。
【0018】
ゴム弾性体3は、少なくともホイール軸方向両側に延在すれば、その剪断歪みにより弾性ホイールとしての防振機能を発揮し得るが、本発明においては、さらに大入力時の大変形の防止効果をも得るために、図示するように、ゴム弾性体3をリム2の内周面とディスク1の突出部4との間にも介在させている。即ち、ゴム弾性体3を、一対のガイド5a、5b間のホイール軸方向の全幅にわたって一体的に介装させることにより、小入力時の小変形の抑制、防止効果が得られることに加え、ゴム弾性体3の突出部4のホイール半径方向外方面に連続的に存在する部分に、大入力時において突出部4とリム2の内周面との衝突を回避するためのストッパとしての機能を発揮させることができる。
【0019】
図2に、ゴム弾性体3とガイド5aとの固着部近傍(片側)の拡大部分断面図を示す。以下、図示するガイド5a側の固着部に関して本発明を説明するが、かかる固着部近傍の特徴に関しては、ホイール軸方向両端部において同様である。図1および2に示すように、ゴム弾性体3は、その外周面が、ホイール軸方向に沿って、少なくとも突出部4と一対のガイド5a、5bとの間に夫々、ホイール半径方向内方に凹部を形成する変曲点Pを有する波形状に形成されている。本発明においては、かかる波形状の外周面の、ゴム弾性体3と一対のガイド5a、5bとの固着部近傍における端部傾斜曲面SAと、変曲点Pを介してこの端部傾斜曲面SAにつながる隣接する傾斜曲面SBとのなす角θが、90〜180°、好ましくは120〜180°の範囲内である(図2参照)。角θを90〜180°の範囲内としたことにより、実使用時に負荷のかかりやすい固着部近傍における応力集中を効果的に緩和することができ、ゴム弾性体3の疲労破壊を適切に防止することができる。角θが90°未満であると変曲点P付近に応力が集中しすぎて、ゴム弾性体3の破断による弾性ホイールの故障が起きやすくなる。一方、角θが180°を超えると、防振特性等が低下するので、好ましくない。
【0020】
本発明に係るゴム弾性体3においては、角θに関し上記条件を満たしていればよく、その他の全体的な形状、突出部を中心としたホイール軸方向両側のバランスなどについては、特に制限はされるものではないが、好適には上記条件に加え、端部傾斜曲面SAがホイール半径方向に対しなす角αを、20〜90°、特には40〜90°の範囲内とする。αが20°未満であると、突出部4とガイド5aとの間に形成される凹部が深くなりすぎて、この凹部におけるゴム弾性体3の強度が低下し、この部分から破断が生じやすくなる。一方、αが90°を超えると、防振特性等が低下するので、好ましくない。
【0021】
また、本発明においては、ゴム弾性体3の、端部傾斜曲面SAにおけるガイド5aとの固着部の厚みtが、好ましくは0.5〜2.5mm、より好ましくは1.0〜1.5mmの範囲内である。厚みtが0.5mm未満であると、薄すぎて製造上困難となるので好ましくなく、一方、2.5mmを超えると、実使用時にゴム弾性体3が端部傾斜曲面SA上をせり上がって、ゴム弾性体3とガイド5aとの固着部端部Eにて応力集中が生ずるので、好ましくない。
【0022】
さらに、ゴム弾性体3とガイド5aとの固着部の、端部傾斜曲面SAに沿う長さLが、好ましくは1.5mm以上、より好ましくは5mm程度である。長さLが1.5mm未満であると、防振特性等が低下するので好ましくない。
【0023】
ディスク1は、スポークやメッシュ等の支持体と組合わせたスポークホイールやメッシュホイール等であってもよい。また、ディスクの材質は、スチール、アルミニウム、マグネシウム、チタン、合成樹脂等、いずれの材質でもよいが、軽量化に主眼を置くときはアルミニウム、チタンまたは合成樹脂が好ましい。
【0024】
また、突出部4は、図示する例には限られず、ディスク1の外周面にベースリムを設け、その半径方向外方に、少なくともホイール軸方向両側に延在するゴム弾性体3を固着することのできる環状部材を固着することにより設けてもよい。もちろん、形状についても図示する例に限られるものではない。尚、本発明の弾性ホイールにおいては、リム2自体の構造については特に制限されず、例えば、リム組を容易にするために、図示するように、ドロップ部を設けておいてもよい。
【0025】
本発明において使用し得るゴム弾性体3は、防振ゴムとして既知のものを用いることができ、天然ゴムや合成ゴム、例えば、ブタジエンゴム、スチレンブタジエン共重合体ゴム、ブチルゴム等のジエン系ゴムに適宜配合剤、例えば、硫黄、加硫促進剤、老化防止剤、カーボンブラック等を適宜配合することにより調製することができる。かかるゴム弾性体のJIS−A硬度(Hd)は、振動吸収特性と耐久性の観点から、好ましくは30〜80°であり、弾性率は1×103〜1×105N/cm2である。
【0026】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、小入力時から大入力時に至るまで、耐久性および安全性を損なうことなく、乗り心地性能、防振性能および防音性能の向上を図るとともに、防振機能を担うゴム弾性体の耐久性を向上して、長期使用時における疲労耐久性にも優れた実用性の高い弾性ホイールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る弾性ホイールの拡大部分断面図である。
【図2】ゴム弾性体とガイドとの固着部近傍の拡大部分断面図である。
【符号の説明】
1 ディスク
2 リム
3 ゴム弾性体
4 突出部
5a,5b ガイド
Claims (4)
- 車軸ハブに固着されるディスクと、タイヤを支承するリムとを備え、前記リムの内周面に環状に固設された一対のガイドと、前記ディスクの外周面にホイール半径方向外方に環状に突出する突出部とを有し、該突出部に、前記リムの内周面との間に間隙をもって、前記一対のガイド間のホイール軸方向の全幅にわたって一体的に、ゴム弾性体が環状に固着され、かつ、軸方向両側に延在する該ゴム弾性体の両端部が、夫々前記一対のガイドのホイール軸方向に対向する両側面に固着された弾性ホイールであって、
前記ゴム弾性体の外周面が、ホイール軸方向に沿って、少なくとも前記突出部と一対のガイドとの間に夫々、ホイール半径方向内方に凹部を形成する変曲点を有する波形状であり、かつ、該波形状の外周面の、前記ゴム弾性体とガイドとの固着部近傍における端部傾斜曲面SAと、前記変曲点を介して該端部傾斜曲面SAにつながる隣接する傾斜曲面SBとのなす角θが、90〜180°の範囲内であることを特徴とする弾性ホイール。 - 前記端部傾斜曲面SAがホイール半径方向に対しなす角αが、20〜90°の範囲内である請求項1記載の弾性ホイール。
- 前記ゴム弾性体の、前記端部傾斜曲面SAにおける前記ガイドとの固着部の厚みtが、0.5〜2.5mmの範囲内である請求項1または2記載の弾性ホイール。
- 前記ゴム弾性体とガイドとの固着部の、前記端部傾斜曲面SAに沿う長さが、1.5mm以上である請求項1〜3のうちいずれか一項記載の弾性ホイール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002267990A JP2004106567A (ja) | 2002-09-13 | 2002-09-13 | 弾性ホイール |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002267990A JP2004106567A (ja) | 2002-09-13 | 2002-09-13 | 弾性ホイール |
Publications (1)
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JP2004106567A true JP2004106567A (ja) | 2004-04-08 |
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ID=32266341
Family Applications (1)
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JP2002267990A Pending JP2004106567A (ja) | 2002-09-13 | 2002-09-13 | 弾性ホイール |
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-
2002
- 2002-09-13 JP JP2002267990A patent/JP2004106567A/ja active Pending
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