JP2004104117A - 電子部品用パッケージおよび当該パッケージを用いた圧電振動デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】 パッケージとキャップの気密封止接合の信頼性を向上させ、かつ環境問題にも対応した気密封止構成を有するコスト安で、また特性の安定化した電子部品および圧電振動デバイスを提供することを目的とする。
【解決手段】 表面実装型水晶振動子は、上部が開口した凹部を有するセラミックパッケージ1と、当該パッケージの中に収納される圧電振動板である水晶振動板3と、パッケージの開口部に接合されるキャップ2とからなる。キャップとパッケージはスズリン酸系ガラス接合材により気密接合を行った。
【選択図】 図1

Description

 本発明は電子機器等に用いられる電子部品用のパッケージに関し、特に気密封止性能を向上させるとともに、環境問題に対応したパッケージ構成および当該パッケージを用いた圧電振動デバイスに関するものである。
 気密封止を必要とする電子部品の例として、水晶振動子、水晶フィルタ、水晶発振器等の圧電振動デバイスがあげられる。これら各製品はいずれも水晶振動板の表面に金属薄膜電極を形成し、この金属薄膜電極を外気から保護するため、気密封止されている。
 これら圧電振動デバイスは部品の表面実装化の要求から、セラミックパッケージ内に気密的に収納する構成が増加しており、このようなセラミックパッケージを用いる場合、パッケージ本体とキャップとの接合は多種多様の接合方法が検討されている。特開2001−358241号には、電子素子の搭載部を有するパッケージ(絶縁基体)と、断面が逆凹形のキャップ(蓋体)とからなり、これらをガラス材を封止材として接合する構成が開示されている。このようにガラス材を封止材として用いることにより、比較的安価に気密封止が行えるという利点を有していた。ここで用いられるガラス材は近年の環境に対する影響を考慮して鉛を用いない鉛フリー(無鉛)材料のガラスが用いられ、例えば銀リン酸系ガラスが用いられている。このような接合材による封止はパッケージとキャップ間にメニスカスを形成することによりその接合を強固に保持している。なお、特開2001−358241号において配線導体層はスズリン酸系ガラスを主成分とする電気絶縁層で被覆されているが、これはパッケージとキャップとを直接接合する封止材としての使用ではない。
 ところで最近においてはグローバルな環境意識の高まりの中で、鉛フリー材料の採用のみならず、ハロゲン族を用いないハロゲンフリー材料を採用することも求められている。前述の封止材として用いる銀リン酸系ガラスは、厳密にはヨウ化銀を含んでいるためハロゲンフリー材料ではなく、上記要求に対応することができない。また、環境性能においても、銀リン酸系ガラスによる気密封止では塩水噴霧試験に耐えることができず、気密性においてリークが発生するという問題点を有しており、いずれの側面からも顧客の要求に対応できない場合があった。
 さらに、銀リン酸系ガラスは銀を含むために高価であり、電子部品用パッケージ価格の低下を阻害する要因ともなっていた。
 また一般的に鉛フリーガラスあるいはハロゲンフリーガラスはその融点が高く、これによりパッケージに収納される電子部品素子に悪影響を与えることがあった。例えば圧電振動デバイスは圧電振動板上に形成された励振電極上に部分的に金属材料を蒸着することにより、その特性を調整するパーシャル蒸着を行うことがあるが、このパーシャル蒸着膜がガラス溶融のための高温により活性化し、励振電極との密着強度が低下したり、酸化物等の化合物を生ぜしめることがあった。このような場合、周波数特性の変動が生じる等の特性変化が生じることがあった。
 またパーシャル蒸着による調整時は圧電振動子の周波数変化をモニタリングしながら蒸着を進めるために、一般的に圧電振動板自体を加熱しない状態で実行される。これは加熱により圧電振動板の温度特性により周波数が変動し、モニタリング精度が低下するためである。このためにパーシャル蒸着膜は励振電極(基礎蒸着電極)との膜密着強度が弱いことが知られている。特に圧電振動板が小型化されることにより、励振電極並びにパーシャル蒸着領域も小型化されるが、このような場合、パーシャル蒸着が圧電振動板の素地部分にも拡がって行われることがあり、このような場合、パーシャル蒸着膜の膜密着強度はさらに低下し、膜の剥離等が生じることにより特性が変化する要因となっていた。またパーシャル蒸着を実行する際、治工具に付着した蒸着物質が圧電振動板に再付着することによっても特性変動要因となっていた。このような膜付着強度の低いパーシャル蒸着膜は、高温を必要とする気密封止により極めて不安定になり特性変動要因となっていた。
特開2001−358241号
 本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、パッケージとキャップの気密封止接合の信頼性を向上させ、かつ環境問題にも対応した気密封止構成を有するコスト安の電子部品用パッケージおよび圧電振動デバイスを提供することを目的とするとともに、特性の安定化した電子部品および圧電振動デバイスを提供することを目的とするものである。
本発明は鉛フリー材料でかつハロゲンフリー材料からなるガラス材について、鋭意情報収集並びに実験を行った結果、次の各構成により実現することができることを見いだしたものである。
 請求項1による電子部品用パッケージは、電子部品素子を保持するパッケージと、当該電子部品素子を気密封止するキャップとを有する電子部品用パッケージであって、前記パッケージとキャップとの気密接合を鉛とハロゲン族材料を含まないスズリン酸系ガラス接合材により行ったことを特徴としている。
 通常はスズリン酸系ガラス接合材をパッケージかあるいはキャップの接合部分に事前形成し、当該ガラスを溶融させることにより、両者を接合し気密接合を行う。また、請求項2に開示するように、前記パッケージと前記キャップとのそれぞれの気密接合部分には予めスズリン酸系ガラス接合材が形成されており、加熱により両ガラスを溶融させ気密接合する構成としてもよい。このようにパッケージとキャップとのそれぞれの気密接合部分には予めスズリン酸系ガラス接合材を形成し、両者を密着させた状態で加熱することにより、ガラス溶融による接合が促進され接合が短時間でかつ確実に行われる。
 また請求項1または2の構成において、溶融接合を行う際接合部分に所定の加重を行ってもよい。この場合ガラス接合が促進され、短時間でかつ確実に接合を完了することができる。
 本発明で用いたスズリン酸系ガラスは、例えば酸化スズ、酸化リン、酸化亜鉛、酸化ホウ素、アルミナ、酸化ケイ素を成分とするガラス母材に、酸化ケイ素、アルミナ、酸化マグネシウムをフィラーとして添加した構成である。このスズリン酸系ガラスは鉛フリー材料で、かつ基本的にハロゲンフリー材料であり、環境問題の生じない材料である。また本ガラスは例えば所定条件の塩水噴霧試験に対しても気密不良となることが無く、気密封止の信頼性を向上させることができる。
 ところで、スズリン酸系ガラスは例えば従来例で開示した銀リン酸系ガラスに較べて比較的その融点が高い。例えば銀リン酸系ガラスにおいては、約320℃程度の融点であるが、錫リン酸系ガラスのそれは組成により変動するが380〜420℃である。また実際の溶融炉の温度はガラス溶融のマージンを考慮して上記融点以上の温度が要求される。このようにスズリン酸系ガラスを封止材として用いた場合、電子部品素子が所定時間高温下にさらされることがあり、例えば圧電振動デバイスにおいてはこのような高温環境下に置くことはあまり好ましいことではなかった。なぜなら圧電振動デバイスには圧電振動板上に励振電極が形成され、通常その後の工程において当該励振電極上に部分的に金属材料を蒸着し(パーシャル蒸着)、付加質量効果により周波数等の特性の調整を行っていた。このような金属材料の付加は通常の加熱では問題ないが、ガラス封止時のように高温環境下にさらす場合は、励振電極とパーシャル蒸着膜との密着強度が弱いために、周波数等の特性のバラツキが非常に大きくなる傾向にあった。
 請求項3はこのような問題点に対応する構成であり、パッケージ内に収納される電子部品素子が表面に励振電極の形成された圧電振動板で、当該励振電極の電極材料を一部除去することにより、圧電振動板の特性を調整する構成としている。励振電極の電極材料を除去する調整では、従来のように既存の励振電極膜とパーシャル蒸着膜との密着強度の問題が発生することが無く、このパーシャル蒸着膜がガラス溶融のための高温により活性化し、ガスと反応する等により特性変化が生じるという問題がないため、意図した周波数調整等の特性調整を安定的に行うことができる。なお、周知事項であるが、励振電極を除去し周波数等の特性調整を行う場合は、予め励振電極の膜厚を厚く(周波数を低く)形成し、電極除去により周波数を上昇させることにより調整を行う。
 また前述のとおり、鉛フリーガラスあるいはハロゲンフリーガラスは一般的にその融点が高く、これによりパッケージに収納される電子部品素子に悪影響を与えることがあり、例えば圧電振動デバイスにおいては励振電極膜上に形成されたパーシャル蒸着膜に起因して、周波数等の特性の変動が生じる等の悪影響が発生することがあった。請求項4はこのような問題に対応する構成であり、電子部品素子を保持するパッケージと、当該電子部品素子を気密封止するキャップとを有する電子部品用パッケージを用い、当該電子部品用パッケージ内に少なくとも表面に励振電極の形成された圧電振動板を収納するとともに、前記パッケージとキャップとの気密接合を、前記気密接合温度が380℃を越える、鉛とハロゲン族材料を含まないガラス接合材を用いる圧電振動デバイスであって、前記励振電極を一部除去することにより、圧電振動板の特性を調整する構成としている。励振電極の電極材料を除去する調整では、従来のように既存の励振電極膜とパーシャル蒸着膜との密着強度の問題が発生することが無く、鉛フリーガラスあるいはハロゲンフリーガラス等の比較的高融点のガラス材料を用いた場合でも、意図した周波数調整の特性調整を安定的に行うことができる。
 前記励振電極の一部除去することにより、圧電振動板の特性を調整するには、例えばドライエッチング法を用いることができる。ドライエッチング法は調整領域の面積や電極材料等に応じて、プラズマエッチングや反応性のイオンエッチングや請求項5に示すようにイオンミーリングをあげることができる。
 イオンミーリングはイオンガンから不活性ガスイオン粒子をビーム状に照射することにより比較的小領域に対して物理的なエッチングを行うことに適しており、励振電極の一部または全部に対しイオンミーリングを行うことにより電極材料が一部除去され、質量除去効果により周波数を漸次上昇させることができる。このイオンミーリングはイオンガンの照射が電極以外に行われても圧電振動子の特性への影響は小さい。従って、圧電振動板が小型化されたとしても、高精度な位置決めを要することなく、周波数調整を行うことができるので、小型化された圧電振動デバイスの調整に適している。なお調整対象となる励振電極は圧電振動板に対して加熱を行った状態で薄膜形成を行うものであり、その膜密着強度は非常に強い。従って、イオンミーリングを行ったとしても、安定した特性調整を行うことができる。
本発明によれば、ガラス接合材にスズリン酸系ガラスを用いている。当該スズリン酸系ガラスはコストが安く、鉛フリー材料でかつハロゲンフリー材料であり、環境問題にも対応し、環境要求をクリアした材料である。また本ガラスは例えば所定条件の塩水噴霧試験に対しても気密不良となることが無く、気密封止の信頼性を向上させることができる。
 請求項2によればパッケージとキャップとのそれぞれの気密接合部分には予めスズリン酸系ガラス接合材を形成し、両者を密着させた状態で加熱することにより、ガラス溶融による接合が促進され接合が短時間でかつ確実に行うことができる。
 請求項3によれば、圧電振動板の励振電極を除去する調整では、従来のように既存の励振電極膜とパーシャル蒸着膜との密着強度の問題が発生することが無く、またこのパーシャル蒸着膜がガラス溶融のための高温により活性化し、ガスと反応する等により特性変化が生じるという問題がないため、意図した周波数調整を安定的に行うことができる。
請求項4によれば、鉛フリーガラスあるいはハロゲンフリーガラス等の比較的高融点のガラス材料を用いた場合でも、意図した周波数調整を安定的に行うことができる
 請求項5によれば、イオンミーリング等の励振電極の電極材料を除去する調整により、従来のように既存の励振電極膜とパーシャル蒸着膜との密着強度の問題が発生することが無く、またこのパーシャル蒸着膜がガラス溶融のための高温により活性化し、ガスと反応する等により特性変化が生じるという問題がないため、意図した周波数調整を安定的に行うことができる。また小型化した圧電振動デバイスの特性調整にも適している。
 よって、本発明はパッケージとキャップの気密封止接合の信頼性を向上させ、かつ環境問題にも対応した気密封止構成を有する電子部品用パッケージおよび圧電振動デバイスを得ることができるとともに、特性の安定化した電子部品および圧電振動デバイスを得ることができる。
 本発明による第1の実施の形態を表面実装型の水晶振動子を例にとり図1乃至図3とともに説明する。図1は本実施の形態を示す分解斜視図、図2は図1を組み立てて気密封止を行った際の内部断面図を模式的に示す図、図3はキャップの接合材によるメニスカス形状を示す平面図である。表面実装型水晶振動子は、上部が開口した凹部を有するセラミックパッケージ1と、当該パッケージの中に収納される圧電振動板である水晶振動板3と、パッケージの開口部に接合されるキャップ2とからなる。
 断面でみて凹形の電子素子収納部10を有するセラミックパッケージ1には、凹形周囲の堤部11上に周状のガラス層11aが形成されている。当該ガラス層の材料は例えば酸化スズ47重量%、酸化リン31重量%、酸化ジルコン17重量%、そしてアルミナ、酸化ケイ素、酸化鉄、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化クロムを含みその合計が5重量%となる材料を用いている。セラミックパッケージ外周の4角には上下にキャスタレーションC1,C2,C3,C4が形成されている。このうちキャスタレーションC1,C2の下方には金属導体12a,13aが形成され、当該金属導体12a,13aは後述の電極パッドと電気的につながっている。
 図2に示すように、本セラミックパッケージ1は矩形平板形状のパッケージ基体1aと、中央部分が大きく穿設されるとともに外形サイズが前記パッケージ基体1aとほぼ等しいセラミック枠体1bからなり、これら各層が積層されて一体的に焼成されている。なお、上記焼成成形後、セラミック枠体1bの上面には前述のガラス層11aが焼き付け加工等の手法により形成されている。なお、当該ガラス層11aは形成していなくてもパッケージとフタの気密接合を行うことが可能であるが、ガラス層11aを形成することにより接合強度を向上させることができる。
 また、セラミックパッケージ1の内部底面には電極パッド12、13が形成されており、これら電極パッドは連結電極12a,13a(13aは図示せず)およびキャスタレーションC1,C2を介して、パッケージ外部の底面にデバイス端子E1,E2(E2は図示せず)として電気的に引き出されている。前記電極パッド12,13間には圧電振動板である矩形の水晶振動板3が搭載されている。水晶振動板3の表裏面には一対の励振電極31,32(32は図示せず)が形成され、例えば水晶振動板3に接してクロム、金の順に、あるいはクロム、銀の順で電極が形成されている。各励振電極は各々電極パッド12,13に引き出されており、導電性接合材(図示せず)により導電接合されている。上記接続構成により水晶振動子の入出力端子用の引出電極、すなわちデバイス端子E1,E2は水晶振動子の長辺方向の一端に導出された構成となっている。なお、当該デバイス端子E1,E2は連結電極を他の方向に伸長することにより、水晶振動子の短辺方向の一端に導出する構成としてもよいし、対角位置に引き出してもよい。
 セラミックパッケージを気密封止するキャップ2は平板形状であり、セラミック材料またはセラミックガラス材料からなる。当該キャップ2の接合面には、接合材としてスズリン酸系のガラス材21が形成されており、当該ガラス材21はパッケージの堤部の幅より大きくかつパッケージ内方において電子素子収納部10にはみ出す状態で周状にキャップ2に形成される。また当該ガラス材21は図3に示すように、溶融接合時に中央部分が円状またはだ円状または長円状に除去された形状になるようにパターニングしてもよい。
 上記パッケージとキャップの接合は所定温度の加熱により、キャップに形成されたガラス材を溶融させ接合を行う。この加熱により、図2に示すようにインナーメニスカス21aを作り出す。
 ところで本実施の形態において、水晶振動子の特性の調整は、水晶振動板3の表面に形成された励振電極31を一部除去することにより水晶振動子の特性を調整している。図4はイオンミーリングにより励振電極の一部を除去し、周波数等の特性調整を行っている構成を示す断面図である。セラミックパッケージ1の電極パッド12,13に励振電極31,32が形成された水晶振動板3が導電接着材により片持ち保持されている。この状態で必要な熱安定化処理を行い、励振電極31の所定領域にイオンミーリング処理Mを施し、一部電極材料を除去する。この処理による質量除去効果により周波数が上昇する。所定の特性に調整した後、パッケージとキャップを重ね合わせ、所定温度の加熱により予めパッケージとキャップに形成されたスズリン酸系ガラス接合材を溶融させ気密封止を行う。
 なお、気密封止作業はキャップの位置決めと自重封止を行うために、マトリクス状に収納部の設けられたパレットを用い、多数個について一括処理を行えばよい。例えばパッケージと同サイズの凹形の収納部P1がマトリクス状に形成されたパレットPを用意し、当該各収納部P1にまずキャップをそれぞれ収納した後、水晶振動板3の保持されたパッケージ1をその開口部がキャップ2と接触するように収納部P1に逆さに収納する。この状態で所定温度に加熱することによりガラス材を溶融させ、キャップの位置決めと自重封止を行う一括接合処理を行う。なお、図5に示すように凹形の収納部P1を有するパレットPを用いて、パッケージとキャップとを一括して気密封止処理を行うにあたり、加重錘Fをパレット上部に突出したパッケージ1上に搭載し、各パッケージ1とキャップ2の接合促進を行ってもよい。
 なお、上記各実施の形態において、パッケージとキャップの両接合領域にスズリン酸系ガラス接合材を形成したが、パッケージあるいはキャップの一方にのみ形成してもよい。
 本発明の実施例を次に示す。実施例は表面実装型水晶振動子の例であり、パッケージはアルミナからなるセラミック材料並びに導体を積層して構成され、外形寸法が長辺寸法3mm、短辺寸法約2mm、高さ約約0.5mmの寸法を有している。パッケージを封止するキャップもアルミナからなり、その一主面の外周近傍にガラス接合材が周状に形成されて、その外形寸法は長辺、短辺ともパッケージより若干小さな寸法(例えば0.1mm小さい寸法)であり、また高さはガラス接合材を含んで約0.3mmの寸法を有している。キャップに形成されたガラス接合材はガラス層の材料は例えば酸化スズ47重量%、酸化リン31重量%、酸化ジルコン17重量%、そしてアルミナ、酸化ケイ素、酸化鉄、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化クロムを含みその合計が5重量%となる材料を用いている。封止は図5に示す荷重封止を行う。パッケージ内には矩形形状のATカット水晶振動板が導電フィラーの添加されたシリコーン系接着剤により導電接合されている。水晶振動板にはクロム、金の順に電極材料が形成されている。
 このような構成において、特性調整方法を変えた場合のガラス接合材による気密接合後の特性変化(周波数変化)について調べた。検証に用いたサンプル数は各比較品50個であり、その平均値をプロットしている。比較品Aは特性調整方法にイオンミーリング法を用いており、励振電極の膜厚を減じる方法によるものである。比較品Bは特性調整方法にパーシャル蒸着法を用いており、励振電極の一部膜厚を増加させる方法によるもので、より具体的には表面が金からなる励振電極に対し金材料をパーシャル蒸着したものである。
比較結果を図6に示しているが、イオンミーリングを用いた比較品Aは封止温度が高くなっても封止後の周波数バラツキが極めて小さいのに対し、パーシャル蒸着品である比較品Bは封止温度が高くなるにつれて周波数バラツキが大きくなっている。なお、比較品Bにおいては金からなる励振電極に対し、銀等の他の金属をパーシャル蒸着することも考えられるが、同種金属による蒸着に較べて周波数バラツキは大きくなる傾向になるので、好ましくない。以上の結果から、鉛フリーかつハロゲンフリーのガラス接合材を用いる場合において、溶融温度が高い場合は、イオンミーリング等による励振電極を一部除去する手法により特性調整を行う方が好ましく、特に気密接合温度が380℃以上の場合はイオンミーリングを用いることにより、特性の安定した圧電振動デバイスを得ることができる。
なお、鉛フリーかつハロゲンフリーのガラス接合材の例としてスズリン酸系ガラスを例示したが、例えば酸化ビスマス系ガラスや酸化バナジウム系ガラスを用いてもよく、上述のイオンミーリングによる特性調整を適用することにより、安定した特性を得ることができる。
  電子機器等に用いられ、環境問題に対応した電子部品用パッケージに適用できる。また水晶振動子、水晶フィルタ、水晶発振器、弾性表面波デバイス等の圧電振動デバイスの量産に適用できる。
第1の実施の形態を示す分解斜視図。 図1の構成を組み立てた場合の内部断面図。 第1の実施の形態に用いたキャップの構成を示す図。 周波数調整状況を示す内部断面図。 気密封止時の例を示す内部断面図。 特性調整における比較データを示すグラフ。
符号の説明
1 セラミックパッケージ
 1a パッケージ基体
 11 堤部
 2 キャップ
 21 ガラス材(接合材)
 3 水晶振動板(圧電振動板)

Claims (5)

  1. 電子部品素子を保持するパッケージと、当該電子部品素子を気密封止するキャップとを有する電子部品用パッケージであって、
     前記パッケージとキャップとの気密接合を鉛とハロゲン族材料を含まないスズリン酸系ガラス接合材により行ったことを特徴とする電子部品用パッケージ。
  2. 前記パッケージと前記キャップとのそれぞれの気密接合部分には予めスズリン酸系ガラス接合材が形成されており、加熱により両ガラスを溶融させ気密接合することを特徴とする請求項1記載の電子部品用パッケージ。
  3. 請求項1または請求項2の電子部品用パッケージ内に収納される電子部品素子が表面に励振電極の形成された圧電振動板であり、当該励振電極を一部除去することにより、圧電振動板の特性を調整することを特徴とする圧電振動デバイス。
  4. 電子部品素子を保持するパッケージと、当該電子部品素子を気密封止するキャップとを有する電子部品用パッケージを用い、当該電子部品用パッケージ内に少なくとも表面に励振電極の形成された圧電振動板を収納するとともに、前記パッケージとキャップとの気密接合を、前記気密接合温度が380℃を越える、鉛とハロゲン族材料を含まないガラス接合材を用いる圧電振動デバイスであって、
     前記励振電極を一部除去することにより、圧電振動板の特性を調整することを特徴とする圧電振動デバイス。
  5. 励振電極の一部除去をイオンミーリングにより行ったことを特徴とする請求項3または請求項4記載の圧電振動デバイス。
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