JP2004102097A - 波長可変フィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成でありながら、任意の波長を選べる高速な波長可変フィルタを実現する。
【解決手段】マッハツェンダー干渉計光回路は、入出力導波路11,12のうち、3−dBカップラー13,14間に位置する部分(つまり分岐導波路)の物理的長さが等しくなっている。物理的長さの異なるリング共振器23,24は光カップラー21,22により分岐導波路に接続されており、リング共振器23,24には、電極25,26により電流注入や電圧印加できる。このような構成となっている波長可変フィルタF1は、一定の周波数間隔(FSR)の波長の信号光のみを透過させることができる。また、注入電流や印加電圧の値を変化させることにより、出力波長を可変にすることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】マッハツェンダー干渉計光回路は、入出力導波路11,12のうち、3−dBカップラー13,14間に位置する部分(つまり分岐導波路)の物理的長さが等しくなっている。物理的長さの異なるリング共振器23,24は光カップラー21,22により分岐導波路に接続されており、リング共振器23,24には、電極25,26により電流注入や電圧印加できる。このような構成となっている波長可変フィルタF1は、一定の周波数間隔(FSR)の波長の信号光のみを透過させることができる。また、注入電流や印加電圧の値を変化させることにより、出力波長を可変にすることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、波長多重大容量パケット通信を支えるための重要な光部品である高速な波長可変フィルタに関する発明である。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットにおける爆発的なトラフィックの増加によりノード間を結ぶ伝送には波長多重を用いてノード間の伝送容量を増加させている。同時に各ノードは増加する伝送容量に対応した処理能力の増大が期待されている。
このような背景から各ノード内の処理の光化が期待されているが、そのためには高速に読み出し波長の切り替えが可能な高速波長可変フィルタの実現が必須である。
【0003】
このような中で、LEEE Photonics Technology Letters, Vol. 11, no. 2, pp.242−244, 1999.(非特許文献1)に記載されるようにアレイ導波路グレーティング(AWG)と半導体光アンプ(SOA)ゲートを組み合わせた構成が提案されている。これは図15に示されるように、入力した波長多重信号を、前段のAWG01により波長毎に異なるSOAゲート02a〜02hに分岐し、SOAゲート02a〜02hのうちオンにしたゲートを通過した波長のみが後段のAWG03に入射し出力ポートに出力するように構成している。ここで後段にAWG03を用いることにより異なる波長を選んだ場合にも損失なく同一のポートに出力可能となっている。動作速度は光ゲートとしてSOAを用いているため数nsと高速である。
【0004】
【非特許文献1】
LEEE Photonics Technology Letters, Vol. 11, no. 2, pp.242−244, 1999.
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図15に示すようにAWGとSOAゲートで構成した高速波長可変フィルタでは、一つの波長を選ぶために二つのAWGと波長数分のSOAゲートおよびSOAゲートを駆動するための電気回路が必要となり高価なものとなっている。
【0006】
本発明はこのような背景の下になされたもので、より簡単な構成で任意の波長を選べる高速な波長可変フィルタを構成することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の構成は、対称型のマッハツェンダー干渉計光回路と、前記マッハツェンダー干渉計光回路の第1の分岐導波路に第1の光カップラーを介して接続された第1のリング共振器、及び、前記マッハツェンダー干渉計光回路の第2の分岐導波路に第2の光カップラーを介して接続されると共に第1のリング共振器に対して物理的な長さが異なっている第2のリング共振器と、第1のリング共振器に電流注入または電圧注入をする第1の電極、及び、第2のリング共振器に電流注入または電圧注入をする第2の電極とを備えていることを特徴とする。
本発明では、一定の周波数間隔(FSR)の波長の信号光のみを出力することができ、更に、それぞれのリング共振器に電流注入あるいは電圧印加することにより、リング共振器の導波路の屈折率を高速で変化させて出力波長を可変にすることができる。しかも、構成は簡単である。
【0008】
また、本発明の構成は、対称型のマッハツェンダー干渉計光回路と、前記マッハツェンダー干渉計光回路の第1の分岐導波路に第1の光カップラーを介して接続された第1のリング共振器、及び、前記マッハツェンダー干渉計光回路の第2の分岐導波路に第2の光カップラーを介して接続されると共に第1のリング共振器に対して物理的な長さが等しくなっている第2のリング共振器と、第1のリング共振器に電流注入または電圧注入をする第1の電極、及び、第2のリング共振器に電流注入または電圧注入をする第2の電極とを備えていることを特徴とする。 本発明では、波長フィルタとして動作させるときに、第1のリング共振器に注入する電流量または印加する電圧量と、第2のリング共振器に注入する電流量または印加する電圧量との間に、常にわずかな差をつけることにより、一定の周波数間隔(FSR)の波長の信号光のみを出力することができ、しかも、注入電流量あるいは印加電圧量をシフトしていくことにより、リング共振器の導波路の屈折率を高速で変化させて出力波長を可変にすることができる。しかも、構成は簡単である。
【0009】
また本発明の構成は、更に、第1のリング共振器及び第2のリング共振器に、それぞれヒータを備えたことを特徴とする。
本発明では、ヒータの加熱によりリング共振器の光学距離の微調整ができ、両リング共振器の光学距離をわずかに異ならせることにより、波長フィルタとして機能する。これにより、波長チューニング時に2つのリング共振器に常に同じ電流量あるいは電圧量を加えればよいので動作時の調整の簡略化が可能となる。
【0010】
また本発明の構成は、更に、第1のリング共振器が第2のリング共振器よりも光学距離が長い場合には、第1の分岐導波路に、第2のリング共振器が第1のリング共振器よりも光学距離が長い場合には、第2の分岐導波路に、光学距離を短くする機能素子を備えたことを特徴とする。
本発明では、光学距離の長いリング共振器に接続された分岐導波路の光学距離を短くすることにより、波長フィルタの透過帯域幅を狭くでき、消光比を改善することができる。
【0011】
また本発明の構成は、更に、第1の分岐導波路及び第2の分岐導波路に、それぞれ光学距離調整用の電極を備えたことを特徴とする。
本発明では、光学距離の長いリング共振器に接続された分岐導波路に、電極を介して電流注入または電圧印加してその光学距離を短くすることにより、波長フィルタの透過帯域幅を狭くでき、消光比を改善することができる。
【0012】
また本発明の構成は、更に、第1の分岐導波路及び第2の分岐導波路に、互いに導波路幅の異なるテーパ導波路を形成したことや、第1の分岐導波路及び第2の分岐導波路に、導波路幅の等しいテーパ導波路に挟まれた互いに長さの異なる導波路を形成したことを特徴とする。
本発明では、幅の異なるテーパ導波路や長さの異なる導波路の実効屈折率が異なるため、2つの分岐導波路の光学距離が変化するため、波長フィルタの透過帯域幅を狭くでき、消光比を改善することができる。
【0013】
また本発明の構成は、更に、第1の分岐導波路及び第2の分岐導波路に、それぞれ半導体光増幅器を備えたことを特徴とする。
本発明では、光カップラーやリング共振器で損失した信号光の増幅することにより、出力ポートでの損失を補うことができる。
【0014】
また本発明の構成は、フィルタリングして出力する信号光の透過ピークの周波数間隔(FSR)が異なる複数の波長可変フィルタが直列接続して構成されており、各波長可変フィルタは、上述したいずれかに波長可変フィルタにより形成されていることを特徴とする。
本発明では、全体として、それぞれの波長フィルタのFSRの最小公倍数に当たる波長域で動作することができる。つまり、一波長のみ選択可能な波長可変波長域を、一つの波長可変フィルタでは実現できない大きな波長域で得られるよになった。
【0015】
以上の手段により本発明では波長可変フィルタを、コンパクトかつ低コストで実現可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0017】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる波長可変フィルタF1を示す。同図に示すように、第1の実施の形態にかかる波長可変フィルタF1は、マッハツェンダー干渉計光回路10と、光カップラー21,22と、リング共振器23,24と、電極25,26とで構成されており、エピタキシャル基板上に製造される。
【0018】
マッハツェンダー干渉計光回路10は、2本の入出力導波路11,12と、入出力導波路11,12を入力側の近くで光結合する3− dBカップラー13と、入出力導波路11,12を出力側の近くで光結合する3− dBカップラー14とで構成されている。この場合、入出力導波路11のうち3− dBカップラー13,14間に位置する導波路(第1の分岐導波路)と、入出力導波路12のうち3− dBカップラー13,14間に位置する導波路(第2の分岐導波路)は、長さ(物理的な長さ)を等しくしている。つまり、マッハツェンダー干渉計光回路10は、第1と第2の分岐導波路の物理的長さが等しくなっている対称型のマッハツェンダー干渉計光回路となっている。
【0019】
リング共振器23とリング共振器24の長さ(物理的な長さ)は、わずかに(例えば60ナノメータ)異なっている。つまり、物理的長さを同一にすることを目標として製造したにもかかわらず製造誤差等により両リング共振器23,24の長さ(物理的長さ)が結果的にわずかに異なっていてもよく、また、意図的にリング共振器23,24の長さ(物理的長さ)をわずかに異ならせて製造してあってもよい。
なお、リング共振器23,24の長さのずれは、40〜100ナノメータ程度が望ましい。
【0020】
リング共振器23は光カップラー21を介して、第1の分岐導波路(入出力導波路11のうち3− dBカップラー13,14間に位置する導波路)に接続されている。電極25はリング共振器23に備えられており、電極25を介してリング共振器23に電流注入や電圧印加ができるようになっている。
【0021】
リング共振器24は光カップラー22を介して、第2の分岐導波路(入出力導波路12のうち3− dBカップラー13,14間に位置する導波路)に接続されている。電極26はリング共振器24に備えられており、電極26を介してリング共振器24に電流注入や電圧印加ができるようになっている。
【0022】
上記構成となっている第1の実施の形態にかかる波長可変フィルタF1では、信号光が入力されると、一定の周波数間隔(FSR)の波長の信号光のみを通過させて出力することができる。つまり、リング共振器23,24に電流注入や電圧印加をしていなくても、リング共振器23,24の物理的長さが異なるため、一定の周波数間隔(FSR)の波長の信号光のみを通過させて出力することができるのである。
【0023】
更に、電極25,26を介してリング共振器23,24に電流を注入したり、電圧を印加すると、リング共振器23,24の屈折率が変化して光学距離(=物理的長さ×屈折率)が変化する。したがって、リング共振器23に注入する電流の値または印加する電圧の値と、リング共振器24に注入する電流の値または印加する電圧の値とを等しくしておき、リング共振器23,24に注入する電流値または印加する電圧値を同時にシフトしていくことにより、リング共振器23,24の光学距離がシフトしていき共振状態が変化するので、一定の周波数間隔(FSR)を保持しつつ、出力される信号光の波長を波長シフト(可変)することができる。
【0024】
図2に第1の実施の形態で用いたエピタキシャル基板の構造を示してある。図2に示すように、n型InP 基板上にn−doped InP 層、non−doped InGaAsP 層、p − −doped InP層、 p+ −doped InP層、 p+ −doped InGaAs 層が積層されている。導波路部分はドライエッチングにより3ミクロン以上のハイメサ導波路を形成している。図1に示すリング共振器23,24の導波路部分では p+ −doped InGaAs 層の上にAuZnNi電極が、InP 基板の裏面にはAuGeNi電極を形成している。
【0025】
図3は、波長可変フィルタF1の光カップラー21,22として採用することができる各種の光カップラー構成を示している。
リング共振器23,24は、数100GHzのFSRを持つためには100ミクロン以下の曲がり半径が必要となるので、コア層下まで深くエッチングされたハイメサ構造となっている。
【0026】
図3(a)はこのハイメサ構造をそのまま0.1ミクロン程度まで接近させて方向性結合器を構成した場合の光カップラー21,22の実施例である。この場合は、光カップラー21,22の長さを調整することにより、任意の結合係数を得ることができる。
図3(b)はマルチモード結合器を用いた場合の光カップラー21,22の実施例である。この場合は結合強度は0.5となる。
図3(c)は結合係数を調整するためにマルチモード結合器の中央に溝を形成した場合の光カップラー21,22の実施例である。この実施例の場合は溝の深さにより結合係数を調整することが可能となる。
【0027】
また、波長可変フィルタF1の3−dBカップラー13,14としては、図3(b)のマルチモード結合器を用いた。
【0028】
図1に示す波長可変フィルタF1の素子特性を図4に示す。この場合、リング共振器23とリング共振器24の物理的長さは、0.06ミクロン異なるようにした。なお図4において、実線は、リング共振器23,24に電流を注入しなかった場合の、透過ピーク周波数の変化を示す。また点線は、電極25,26よりリング共振器23,24に電流を注入した場合の、透過ピーク周波数の変化を示す。
【0029】
図4の実線で示されるように、一定の周波数間隔(FSR=400GHz)で出力光強度にピークを持つことがわかる。
【0030】
また、図4の点線で示されるように、電流を注入すると、一定の周波数間隔(FSR)を保持しつつ、出力される信号光の透過ピークが高周波数側(短波長側)にシフトしていくことがわかる。これは電流注入によりリング共振器23,24の屈折率が小さくなるためである。一つのリング共振器では5nm程度の波長可変域が得られる。
【0031】
上述した第1の実施の形態の波長可変フィルタF1の場合では、InP 系の半導体を用いたが、本発明はこれに限定するものでなくGaAs系半導体などでも当然可能である。
【0032】
また、波長チューニングの方法としてpn接合への電流注入や逆電圧印加だけでなく、リング共振器の導波路にヒータを構成し、熱により波長チューニングを行うことにより、低速なスイッチング時間ではあるが安価に素子を作製することも可能である。この場合にはpn接合を形成する必要がないので、光損失の少ない半絶縁層で全てのエピタキシャル成長層を成長することができる。
【0033】
<第2の実施の形態>
図5は、本発明の第2の実施の形態にかかる波長可変フィルタF2を示す。この波長可変フィルタF2では、物理的長さが等しいリング共振器23A,24Aを採用している。つまり、物理的長さを同一にすることを目標として製造し、しかも、製造誤差が僅少になるように厳重に製造管理して製造したリング共振器を、リング共振器23A,24Aとして採用した。
【0034】
もっとも、「物理的長さが等しい」といっても、極微細なオーダの長さで全く同一の長さにすることは不可能なので、ここでは、リング共振器23A,24Aの長さの誤差が40ナノメータ以下のものも、「物理的長さが等しい」という範囲に含める。
【0035】
他の部分の機械的な構成は、図1に示す第1の実施の形態と同様である。
【0036】
第2の実施の形態にかかる波長可変フィルタF2では、駆動時に二つのリング共振器23A,24Aに注入する電流の値あるいは印加する電圧の値をわずかにずらす。つまり、電極25によりリング共振器23Aに注入する電流値または印加する電圧値と、電極26によりリング共振器24Aに注入する電流値または印加する電圧値とをわずかに異ならせる。このようにすることによって、リング共振器23Aとリング共振器24Aの光学距離(=物理的長さ×屈折率)が異なり、第1の実施の形態と同様に、出力波長を可変にすることができる。
【0037】
<第3の実施の形態>
図6は、本発明の第3の実施の形態にかかる波長可変フィルタF3を示す。この波長可変フィルタF3では、物理的長さが等しいリング共振器23A,24Aを採用している。「物理的長さが等しい」という意味は、第2の実施の形態と同様である。
【0038】
そして、リング共振器23Aにはヒータ27を備え、リング共振器24Aにはヒータ28を備えている。更に、電極25によりリング共振器23Aに注入する電流値または印加する電圧値と、電極26によりリング共振器24Aに注入する電流値または印加する電圧値とを、常に同じにしている。
他の部分の機械的な構成は、図1に示す第1の実施の形態と同様である。
【0039】
波長可変フィルタF3では、ヒータ27とヒータ28による加熱量を異ならせることにより、物理的長さが同じであるリング共振器23Aとリング共振器24Aの光学距離を異ならせている。このため、リング共振器23Aでの共振状態とリング共振器24Aでの共振状態が異なってくるため、一定の周波数間隔(FSR)の波長の信号光のみを通過させて出力することができる。
【0040】
更に、ヒータ27とヒータ28による加熱量をシフト(増加または減少)していくことにより、リング共振器23Aとリング共振器24Aの共振状態がシフトしていき、一定の周波数間隔(FSR)を保持しつつ、出力される信号光の波長をシフト(可変)することができる。
【0041】
この波長可変フィルタF3では、波長可変動作時に2つのリング共振器23A,24Aに供給する電流あるいは電圧は常に同じなので、動作時の設定が簡略化できる。また、電極25,26を共通とすることも可能である。
【0042】
<第4の実施の形態>
図7は、本発明の第4の実施の形態にかかる波長可変フィルタF4を示す。この波長可変フィルタF4では、入出力導波路11のうち3− dBカップラー13,14間に位置する導波路(第1の分岐導波路)に電極31を備え、入出力導波路12のうち3− dBカップラー13,14間に位置する導波路(第2の分岐導波路)に電極32を備えている。電極31,32により第1,第2の分岐導波路に電流注入や電圧印加することにより、分岐導波路の屈折率を変化させることができる。
【0043】
この波長可変フィルタF4では、リング共振器23B,24Bのうち光学距離の長いリング共振器に接続された方の分岐導波路の光学距離をわずかに短くするように、電極31,32への電流注入や電圧注入の制御をする。
なお、他の部分の機械的構成は、図1に示す第1の実施の形態と同様である。
【0044】
この波長可変フィルタF4では、例えばリング共振器23Bの光学距離がリング共振器24Bの光学距離よりも長い場合には、電極31により第1の分岐導波路に電流注入や電圧印加をして、第1の分岐導波路の光学距離を第2の分岐導波路の光学距離に比べて短くする。これにより波長フィルタF4の透過帯域幅を狭くし消光比を改善することが可能となる。
【0045】
逆に、リング共振器24Bの光学距離がリング共振器23Bの光学距離よりも長い場合には、電極32により第2の分岐導波路に電流注入や電圧印加をして、第2の分岐導波路の光学距離を第1の分岐導波路の光学距離に比べて短くする。これにより波長フィルタF4の透過帯域幅を狭くし消光比を改善することが可能となる。
【0046】
なお、リング共振器23B,24Bの一方が他方に比べて光学距離が長いということは、一方が他方に比べて物理的距離が長い場合と、物理的距離は同一であるが電極25,26による電流注入,電圧印加により光学距離が長くなる場合の両方がある。
【0047】
図8は、波長可変フィルタF4の出力特性を示す。この例は、リング共振器23Bの光学距離がリング共振器24Bの光学距離よりも長い場合であり、電極31に電圧を印加することにより、透過帯域幅が狭くかつ消光比が改善されていることがわかる。つまり図8において、実線は電極31により電圧印加をしなかった場合の特性であり、点線は電極31により電圧印加をした場合の特性である。この特性から、透過帯域幅が狭くかつ消光比が改善されていることがわかる。
【0048】
なお、図7に示す波長可変フィルタF4では、電極31,32を用いて第1,第2の分岐導波路の屈折率を変化させるようにしているが、第1,第2の分岐導波路にそれぞれヒータを備え、ヒータ加熱により第1,第2の分岐導波路の屈折率を変化させるように構成してもよい。第1,第2の分岐導波路に加える屈折率変化量は波長可変動作中に常に一定でよいので、ヒータで構成しても素子の動作速度に影響することはない。
【0049】
<第5の実施の形態>
図9は、本発明の第5の実施の形態にかかる波長可変フィルタF5を示す。
この波長可変フィルタF5では、リング共振器23Cの光学距離がリング共振器24Cの光学距離よりも長くなっている。また、入出力導波路11のうち3− dBカップラー13,14間に位置する導波路(第1の分岐導波路)にテーパ導波路11aを形成すると共に、入出力導波路12のうち3− dBカップラー13,14間に位置する導波路(第2の分岐導波路)にテーパ導波路12aを形成している。
テーパ導波路11aは単純なテーパ形状となっているが、テーパ導波路12aはテーパ形状部分と直線形状部分とを有している。テーパ導波路11aとテーパ導波路12aは、最大の導波路幅は同じとしている。テーパ導波路11aは最大の導波路幅での直線導波路部分が存在せず、一方、テーパ導波路12aは最大の導波路幅での直線導波路部分の長さが30ミクロンとなっている。導波路は導波路幅が太いほど実効屈折率が大きくなるため、第2の分岐導波路の光学距離が長くなる。
【0050】
結局、光学距離の長いリング共振器23Cには、光学距離が短い第1の分岐導波路(テーパ導波路11aを含む)が接続されており、光学距離の短いリング共振器24Cには、光学距離が長い第2の分岐導波路(テーパ導波路12aを含む)が接続されている。このため、第4の実施の形態にかかる波長フィルタF4と同様に、透過帯域幅が狭くなってクロストークが改善され、かつ消光比が改善される。
【0051】
なお、リング共振器23Cがリング共振器24Cに比べて光学距離が長いということは、リング共振器23Cがリング共振器24Cに比べて物理的距離が長い場合と、物理的距離は同一であるが電極25,26による電流注入,電圧印加によりリング共振器23Cがリング共振器24Cに比べ光学距離が長くなる場合の両方がある。
【0052】
<第6の実施の形態>
図10は、本発明の第6の実施の形態にかかる波長可変フィルタF6を示す。この波長可変フィルタF6は、前段の波長可変フィルタF61と後段の波長可変フィルタF62とを直列接続したものであり、前段の波長可変フィルタF61のFSRと、後段の波長可変フィルタF61のFSRが異なるように、前段と後段の波長可変フィルタの組み合わせを行っている。
【0053】
波長可変フィルタF61,62の構成としては、前述した第1〜第5の実施の形態で説明した波長可変フィルタF1〜F5のいずれの構成を採用することもできるが、本実施例では、波長可変フィルタF61,62の構成として、波長可変フィルタF4(図7参照)と同じ構成を採用している。
【0054】
このように、前段の波長可変フィルタF61と後段の波長可変フィルタF62とを直列接続した波長可変フィルタF6の動作原理を図11に示す。図11において、それぞれの波長可変フィルタF61,F62の透過スペクトルを波線で示している。二つの波長可変フィルタF61,F62は400GHz間隔と500GHz間隔で透過スペクトルの透過率が大きくなっている。従ってこの二つの波長可変フィルタF61,F62を直列接続した波長可変フィルタF6の透過スペクトルは、図11の実線で表される。この場合、出力光強度が最大となる透過ピークの間隔はそれぞれのFSRの最小公倍数である2000GHzとなる。
【0055】
そして、波長可変フィルタF61のリング共振器23B,24Bの屈折率と、波長可変フィルタF62のリング共振器23B,24Bの屈折率を調整することにより、波長可変フィルタF6の全体としては、この2000GHzの間の全ての波長範囲で一つの波長を選択可能となる。
このように、波長可変フィルタF6では、一つの(単一の)波長可変フィルタでは実現できない大きな波長可変域を得ることが可能になることがわかる。
【0056】
図10に示す波長可変フィルタF6では、2段の波長可変フィルタF61,F62を直列接続したが、3段以上の波長可変フィルタを直列接続することにより、動作波長域を更に拡大できることは言うまでもない。
【0057】
図12に、波長可変フィルタF6の透過スペクトルを示す。図12に示すように損失約5dB、消光比約15dBの波長可変フィルタが作製できた。また、スイッチング時間は2.5nsと従来のAWGとSOAゲートで構成した高速波長可変フィルタと同等のスイッチング時間であった。
【0058】
図13は、図10に示す波長可変フィルタF6において、波長可変フィルタF61の電極31と、波長可変フィルタF62の電極31の電圧を調整することにより、各波長可変フィルタF61,F62において、光学距離の長いリング共振器23Bに接続された導波路11の光学距離を短くして、各波長フィルタF61,F62の透過帯域幅を狭くして消光比を改善したときの特性図である。図12と比較して消光比の改善が確認できた。
【0059】
<第7の実施の形態>
図14は本発明の第7の実施の形態にかかる波長可変フィルタF7を示す。この波長可変フィルタF7では、入出力導波路11のうち3− dBカップラー13,14間に位置する導波路(第1の分岐導波路)に半導体光アンプ41を備えると共に、入出力導波路12のうち3− dBカップラー13,14間に位置する導波路(第2の分岐導波路)に半導体光アンプ42を備えている。他の部分の構成は、図7に示す波長可変フィルタF4と同様である。
【0060】
このように、第1及び第2の分岐導波路内に半導体光アンプ41,42を備えることにより、光カップラー21,22及びリング共振器23B,24Bで損失した光信号を増幅して出力ポートでの損失をゼロにすることが可能となる。
【0061】
このように、半導体光アンプ41,42により信号光を増幅することにより、大きな波長領域で高消光比、低損失かつ低コストな波長可変フィルタF7となる。
【0062】
なお、他の実施の形態の波長可変フィルタF1〜F3,F5,F6においても、第1及び第2の分岐導波路内に半導体光アンプを備えることにより、光カップラー及びリング共振器で損失した光信号を増幅して出力ポートでの損失をゼロにすることが可能となる。
【0063】
【発明の効果】
以上、実施の形態と共に具体的に説明したように、本発明によれば、基本的には、対称型のマッハツェンダ干渉計光回路と、これに光接続された第1及び第2のリング共振器と、各リング共振器に電流注入または電圧印加できる第1及び第2の電極により構成したため、高速波長可変フィルタを大きな波長領域で高消光比、低損失かつ低コストで実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる波長可変フィルタを示す構成図である。
【図2】図1の実施の形態で用いたエピタキシャル基板を示す構造図である。
【図3】光カップラーを示す断面構造図である。
【図4】第1の実施の形態にかかる波長可変フィルタの出力特性を示す特性図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態にかかる波長可変フィルタを示す構成図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態にかかる波長可変フィルタを示す構成図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態にかかる波長可変フィルタを示す構成図である。
【図8】第4の実施の形態にかかる波長可変フィルタの出力特性を示す特性図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態にかかる波長可変フィルタを示す構成図である。
【図10】本発明の第6の実施の形態にかかる波長可変フィルタを示す構成図である。
【図11】第6の実施の形態にかかる波長可変フィルタの出力特性を示す特性図である。
【図12】第6の実施の形態にかかる波長可変フィルタの出力特性を示す特性図である。
【図13】第6の実施の形態にかかる波長可変フィルタの出力特性を示す特性図である。
【図14】本発明の第7の実施の形態にかかる波長可変フィルタを示す構成図である。
【図15】従来例に用いられている波長可変フィルタを示す構成図である。
【符号の説明】
F1〜F7,F61,F62 波長可変フィルタ
10 マッハツェンダ干渉計光回路
11,12 入出力導波路
11a,12a テーパ導波路
13,14 3− dBカップラー
21,22 光カップラー
23,24,23A,24A,23B,24B,23C,24Cリング共振器
25,26 電極
27,28 ヒータ
31,32 電極
41,42 半導体光アンプ
【発明の属する技術分野】
本発明は、波長多重大容量パケット通信を支えるための重要な光部品である高速な波長可変フィルタに関する発明である。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットにおける爆発的なトラフィックの増加によりノード間を結ぶ伝送には波長多重を用いてノード間の伝送容量を増加させている。同時に各ノードは増加する伝送容量に対応した処理能力の増大が期待されている。
このような背景から各ノード内の処理の光化が期待されているが、そのためには高速に読み出し波長の切り替えが可能な高速波長可変フィルタの実現が必須である。
【0003】
このような中で、LEEE Photonics Technology Letters, Vol. 11, no. 2, pp.242−244, 1999.(非特許文献1)に記載されるようにアレイ導波路グレーティング(AWG)と半導体光アンプ(SOA)ゲートを組み合わせた構成が提案されている。これは図15に示されるように、入力した波長多重信号を、前段のAWG01により波長毎に異なるSOAゲート02a〜02hに分岐し、SOAゲート02a〜02hのうちオンにしたゲートを通過した波長のみが後段のAWG03に入射し出力ポートに出力するように構成している。ここで後段にAWG03を用いることにより異なる波長を選んだ場合にも損失なく同一のポートに出力可能となっている。動作速度は光ゲートとしてSOAを用いているため数nsと高速である。
【0004】
【非特許文献1】
LEEE Photonics Technology Letters, Vol. 11, no. 2, pp.242−244, 1999.
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図15に示すようにAWGとSOAゲートで構成した高速波長可変フィルタでは、一つの波長を選ぶために二つのAWGと波長数分のSOAゲートおよびSOAゲートを駆動するための電気回路が必要となり高価なものとなっている。
【0006】
本発明はこのような背景の下になされたもので、より簡単な構成で任意の波長を選べる高速な波長可変フィルタを構成することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の構成は、対称型のマッハツェンダー干渉計光回路と、前記マッハツェンダー干渉計光回路の第1の分岐導波路に第1の光カップラーを介して接続された第1のリング共振器、及び、前記マッハツェンダー干渉計光回路の第2の分岐導波路に第2の光カップラーを介して接続されると共に第1のリング共振器に対して物理的な長さが異なっている第2のリング共振器と、第1のリング共振器に電流注入または電圧注入をする第1の電極、及び、第2のリング共振器に電流注入または電圧注入をする第2の電極とを備えていることを特徴とする。
本発明では、一定の周波数間隔(FSR)の波長の信号光のみを出力することができ、更に、それぞれのリング共振器に電流注入あるいは電圧印加することにより、リング共振器の導波路の屈折率を高速で変化させて出力波長を可変にすることができる。しかも、構成は簡単である。
【0008】
また、本発明の構成は、対称型のマッハツェンダー干渉計光回路と、前記マッハツェンダー干渉計光回路の第1の分岐導波路に第1の光カップラーを介して接続された第1のリング共振器、及び、前記マッハツェンダー干渉計光回路の第2の分岐導波路に第2の光カップラーを介して接続されると共に第1のリング共振器に対して物理的な長さが等しくなっている第2のリング共振器と、第1のリング共振器に電流注入または電圧注入をする第1の電極、及び、第2のリング共振器に電流注入または電圧注入をする第2の電極とを備えていることを特徴とする。 本発明では、波長フィルタとして動作させるときに、第1のリング共振器に注入する電流量または印加する電圧量と、第2のリング共振器に注入する電流量または印加する電圧量との間に、常にわずかな差をつけることにより、一定の周波数間隔(FSR)の波長の信号光のみを出力することができ、しかも、注入電流量あるいは印加電圧量をシフトしていくことにより、リング共振器の導波路の屈折率を高速で変化させて出力波長を可変にすることができる。しかも、構成は簡単である。
【0009】
また本発明の構成は、更に、第1のリング共振器及び第2のリング共振器に、それぞれヒータを備えたことを特徴とする。
本発明では、ヒータの加熱によりリング共振器の光学距離の微調整ができ、両リング共振器の光学距離をわずかに異ならせることにより、波長フィルタとして機能する。これにより、波長チューニング時に2つのリング共振器に常に同じ電流量あるいは電圧量を加えればよいので動作時の調整の簡略化が可能となる。
【0010】
また本発明の構成は、更に、第1のリング共振器が第2のリング共振器よりも光学距離が長い場合には、第1の分岐導波路に、第2のリング共振器が第1のリング共振器よりも光学距離が長い場合には、第2の分岐導波路に、光学距離を短くする機能素子を備えたことを特徴とする。
本発明では、光学距離の長いリング共振器に接続された分岐導波路の光学距離を短くすることにより、波長フィルタの透過帯域幅を狭くでき、消光比を改善することができる。
【0011】
また本発明の構成は、更に、第1の分岐導波路及び第2の分岐導波路に、それぞれ光学距離調整用の電極を備えたことを特徴とする。
本発明では、光学距離の長いリング共振器に接続された分岐導波路に、電極を介して電流注入または電圧印加してその光学距離を短くすることにより、波長フィルタの透過帯域幅を狭くでき、消光比を改善することができる。
【0012】
また本発明の構成は、更に、第1の分岐導波路及び第2の分岐導波路に、互いに導波路幅の異なるテーパ導波路を形成したことや、第1の分岐導波路及び第2の分岐導波路に、導波路幅の等しいテーパ導波路に挟まれた互いに長さの異なる導波路を形成したことを特徴とする。
本発明では、幅の異なるテーパ導波路や長さの異なる導波路の実効屈折率が異なるため、2つの分岐導波路の光学距離が変化するため、波長フィルタの透過帯域幅を狭くでき、消光比を改善することができる。
【0013】
また本発明の構成は、更に、第1の分岐導波路及び第2の分岐導波路に、それぞれ半導体光増幅器を備えたことを特徴とする。
本発明では、光カップラーやリング共振器で損失した信号光の増幅することにより、出力ポートでの損失を補うことができる。
【0014】
また本発明の構成は、フィルタリングして出力する信号光の透過ピークの周波数間隔(FSR)が異なる複数の波長可変フィルタが直列接続して構成されており、各波長可変フィルタは、上述したいずれかに波長可変フィルタにより形成されていることを特徴とする。
本発明では、全体として、それぞれの波長フィルタのFSRの最小公倍数に当たる波長域で動作することができる。つまり、一波長のみ選択可能な波長可変波長域を、一つの波長可変フィルタでは実現できない大きな波長域で得られるよになった。
【0015】
以上の手段により本発明では波長可変フィルタを、コンパクトかつ低コストで実現可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0017】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる波長可変フィルタF1を示す。同図に示すように、第1の実施の形態にかかる波長可変フィルタF1は、マッハツェンダー干渉計光回路10と、光カップラー21,22と、リング共振器23,24と、電極25,26とで構成されており、エピタキシャル基板上に製造される。
【0018】
マッハツェンダー干渉計光回路10は、2本の入出力導波路11,12と、入出力導波路11,12を入力側の近くで光結合する3− dBカップラー13と、入出力導波路11,12を出力側の近くで光結合する3− dBカップラー14とで構成されている。この場合、入出力導波路11のうち3− dBカップラー13,14間に位置する導波路(第1の分岐導波路)と、入出力導波路12のうち3− dBカップラー13,14間に位置する導波路(第2の分岐導波路)は、長さ(物理的な長さ)を等しくしている。つまり、マッハツェンダー干渉計光回路10は、第1と第2の分岐導波路の物理的長さが等しくなっている対称型のマッハツェンダー干渉計光回路となっている。
【0019】
リング共振器23とリング共振器24の長さ(物理的な長さ)は、わずかに(例えば60ナノメータ)異なっている。つまり、物理的長さを同一にすることを目標として製造したにもかかわらず製造誤差等により両リング共振器23,24の長さ(物理的長さ)が結果的にわずかに異なっていてもよく、また、意図的にリング共振器23,24の長さ(物理的長さ)をわずかに異ならせて製造してあってもよい。
なお、リング共振器23,24の長さのずれは、40〜100ナノメータ程度が望ましい。
【0020】
リング共振器23は光カップラー21を介して、第1の分岐導波路(入出力導波路11のうち3− dBカップラー13,14間に位置する導波路)に接続されている。電極25はリング共振器23に備えられており、電極25を介してリング共振器23に電流注入や電圧印加ができるようになっている。
【0021】
リング共振器24は光カップラー22を介して、第2の分岐導波路(入出力導波路12のうち3− dBカップラー13,14間に位置する導波路)に接続されている。電極26はリング共振器24に備えられており、電極26を介してリング共振器24に電流注入や電圧印加ができるようになっている。
【0022】
上記構成となっている第1の実施の形態にかかる波長可変フィルタF1では、信号光が入力されると、一定の周波数間隔(FSR)の波長の信号光のみを通過させて出力することができる。つまり、リング共振器23,24に電流注入や電圧印加をしていなくても、リング共振器23,24の物理的長さが異なるため、一定の周波数間隔(FSR)の波長の信号光のみを通過させて出力することができるのである。
【0023】
更に、電極25,26を介してリング共振器23,24に電流を注入したり、電圧を印加すると、リング共振器23,24の屈折率が変化して光学距離(=物理的長さ×屈折率)が変化する。したがって、リング共振器23に注入する電流の値または印加する電圧の値と、リング共振器24に注入する電流の値または印加する電圧の値とを等しくしておき、リング共振器23,24に注入する電流値または印加する電圧値を同時にシフトしていくことにより、リング共振器23,24の光学距離がシフトしていき共振状態が変化するので、一定の周波数間隔(FSR)を保持しつつ、出力される信号光の波長を波長シフト(可変)することができる。
【0024】
図2に第1の実施の形態で用いたエピタキシャル基板の構造を示してある。図2に示すように、n型InP 基板上にn−doped InP 層、non−doped InGaAsP 層、p − −doped InP層、 p+ −doped InP層、 p+ −doped InGaAs 層が積層されている。導波路部分はドライエッチングにより3ミクロン以上のハイメサ導波路を形成している。図1に示すリング共振器23,24の導波路部分では p+ −doped InGaAs 層の上にAuZnNi電極が、InP 基板の裏面にはAuGeNi電極を形成している。
【0025】
図3は、波長可変フィルタF1の光カップラー21,22として採用することができる各種の光カップラー構成を示している。
リング共振器23,24は、数100GHzのFSRを持つためには100ミクロン以下の曲がり半径が必要となるので、コア層下まで深くエッチングされたハイメサ構造となっている。
【0026】
図3(a)はこのハイメサ構造をそのまま0.1ミクロン程度まで接近させて方向性結合器を構成した場合の光カップラー21,22の実施例である。この場合は、光カップラー21,22の長さを調整することにより、任意の結合係数を得ることができる。
図3(b)はマルチモード結合器を用いた場合の光カップラー21,22の実施例である。この場合は結合強度は0.5となる。
図3(c)は結合係数を調整するためにマルチモード結合器の中央に溝を形成した場合の光カップラー21,22の実施例である。この実施例の場合は溝の深さにより結合係数を調整することが可能となる。
【0027】
また、波長可変フィルタF1の3−dBカップラー13,14としては、図3(b)のマルチモード結合器を用いた。
【0028】
図1に示す波長可変フィルタF1の素子特性を図4に示す。この場合、リング共振器23とリング共振器24の物理的長さは、0.06ミクロン異なるようにした。なお図4において、実線は、リング共振器23,24に電流を注入しなかった場合の、透過ピーク周波数の変化を示す。また点線は、電極25,26よりリング共振器23,24に電流を注入した場合の、透過ピーク周波数の変化を示す。
【0029】
図4の実線で示されるように、一定の周波数間隔(FSR=400GHz)で出力光強度にピークを持つことがわかる。
【0030】
また、図4の点線で示されるように、電流を注入すると、一定の周波数間隔(FSR)を保持しつつ、出力される信号光の透過ピークが高周波数側(短波長側)にシフトしていくことがわかる。これは電流注入によりリング共振器23,24の屈折率が小さくなるためである。一つのリング共振器では5nm程度の波長可変域が得られる。
【0031】
上述した第1の実施の形態の波長可変フィルタF1の場合では、InP 系の半導体を用いたが、本発明はこれに限定するものでなくGaAs系半導体などでも当然可能である。
【0032】
また、波長チューニングの方法としてpn接合への電流注入や逆電圧印加だけでなく、リング共振器の導波路にヒータを構成し、熱により波長チューニングを行うことにより、低速なスイッチング時間ではあるが安価に素子を作製することも可能である。この場合にはpn接合を形成する必要がないので、光損失の少ない半絶縁層で全てのエピタキシャル成長層を成長することができる。
【0033】
<第2の実施の形態>
図5は、本発明の第2の実施の形態にかかる波長可変フィルタF2を示す。この波長可変フィルタF2では、物理的長さが等しいリング共振器23A,24Aを採用している。つまり、物理的長さを同一にすることを目標として製造し、しかも、製造誤差が僅少になるように厳重に製造管理して製造したリング共振器を、リング共振器23A,24Aとして採用した。
【0034】
もっとも、「物理的長さが等しい」といっても、極微細なオーダの長さで全く同一の長さにすることは不可能なので、ここでは、リング共振器23A,24Aの長さの誤差が40ナノメータ以下のものも、「物理的長さが等しい」という範囲に含める。
【0035】
他の部分の機械的な構成は、図1に示す第1の実施の形態と同様である。
【0036】
第2の実施の形態にかかる波長可変フィルタF2では、駆動時に二つのリング共振器23A,24Aに注入する電流の値あるいは印加する電圧の値をわずかにずらす。つまり、電極25によりリング共振器23Aに注入する電流値または印加する電圧値と、電極26によりリング共振器24Aに注入する電流値または印加する電圧値とをわずかに異ならせる。このようにすることによって、リング共振器23Aとリング共振器24Aの光学距離(=物理的長さ×屈折率)が異なり、第1の実施の形態と同様に、出力波長を可変にすることができる。
【0037】
<第3の実施の形態>
図6は、本発明の第3の実施の形態にかかる波長可変フィルタF3を示す。この波長可変フィルタF3では、物理的長さが等しいリング共振器23A,24Aを採用している。「物理的長さが等しい」という意味は、第2の実施の形態と同様である。
【0038】
そして、リング共振器23Aにはヒータ27を備え、リング共振器24Aにはヒータ28を備えている。更に、電極25によりリング共振器23Aに注入する電流値または印加する電圧値と、電極26によりリング共振器24Aに注入する電流値または印加する電圧値とを、常に同じにしている。
他の部分の機械的な構成は、図1に示す第1の実施の形態と同様である。
【0039】
波長可変フィルタF3では、ヒータ27とヒータ28による加熱量を異ならせることにより、物理的長さが同じであるリング共振器23Aとリング共振器24Aの光学距離を異ならせている。このため、リング共振器23Aでの共振状態とリング共振器24Aでの共振状態が異なってくるため、一定の周波数間隔(FSR)の波長の信号光のみを通過させて出力することができる。
【0040】
更に、ヒータ27とヒータ28による加熱量をシフト(増加または減少)していくことにより、リング共振器23Aとリング共振器24Aの共振状態がシフトしていき、一定の周波数間隔(FSR)を保持しつつ、出力される信号光の波長をシフト(可変)することができる。
【0041】
この波長可変フィルタF3では、波長可変動作時に2つのリング共振器23A,24Aに供給する電流あるいは電圧は常に同じなので、動作時の設定が簡略化できる。また、電極25,26を共通とすることも可能である。
【0042】
<第4の実施の形態>
図7は、本発明の第4の実施の形態にかかる波長可変フィルタF4を示す。この波長可変フィルタF4では、入出力導波路11のうち3− dBカップラー13,14間に位置する導波路(第1の分岐導波路)に電極31を備え、入出力導波路12のうち3− dBカップラー13,14間に位置する導波路(第2の分岐導波路)に電極32を備えている。電極31,32により第1,第2の分岐導波路に電流注入や電圧印加することにより、分岐導波路の屈折率を変化させることができる。
【0043】
この波長可変フィルタF4では、リング共振器23B,24Bのうち光学距離の長いリング共振器に接続された方の分岐導波路の光学距離をわずかに短くするように、電極31,32への電流注入や電圧注入の制御をする。
なお、他の部分の機械的構成は、図1に示す第1の実施の形態と同様である。
【0044】
この波長可変フィルタF4では、例えばリング共振器23Bの光学距離がリング共振器24Bの光学距離よりも長い場合には、電極31により第1の分岐導波路に電流注入や電圧印加をして、第1の分岐導波路の光学距離を第2の分岐導波路の光学距離に比べて短くする。これにより波長フィルタF4の透過帯域幅を狭くし消光比を改善することが可能となる。
【0045】
逆に、リング共振器24Bの光学距離がリング共振器23Bの光学距離よりも長い場合には、電極32により第2の分岐導波路に電流注入や電圧印加をして、第2の分岐導波路の光学距離を第1の分岐導波路の光学距離に比べて短くする。これにより波長フィルタF4の透過帯域幅を狭くし消光比を改善することが可能となる。
【0046】
なお、リング共振器23B,24Bの一方が他方に比べて光学距離が長いということは、一方が他方に比べて物理的距離が長い場合と、物理的距離は同一であるが電極25,26による電流注入,電圧印加により光学距離が長くなる場合の両方がある。
【0047】
図8は、波長可変フィルタF4の出力特性を示す。この例は、リング共振器23Bの光学距離がリング共振器24Bの光学距離よりも長い場合であり、電極31に電圧を印加することにより、透過帯域幅が狭くかつ消光比が改善されていることがわかる。つまり図8において、実線は電極31により電圧印加をしなかった場合の特性であり、点線は電極31により電圧印加をした場合の特性である。この特性から、透過帯域幅が狭くかつ消光比が改善されていることがわかる。
【0048】
なお、図7に示す波長可変フィルタF4では、電極31,32を用いて第1,第2の分岐導波路の屈折率を変化させるようにしているが、第1,第2の分岐導波路にそれぞれヒータを備え、ヒータ加熱により第1,第2の分岐導波路の屈折率を変化させるように構成してもよい。第1,第2の分岐導波路に加える屈折率変化量は波長可変動作中に常に一定でよいので、ヒータで構成しても素子の動作速度に影響することはない。
【0049】
<第5の実施の形態>
図9は、本発明の第5の実施の形態にかかる波長可変フィルタF5を示す。
この波長可変フィルタF5では、リング共振器23Cの光学距離がリング共振器24Cの光学距離よりも長くなっている。また、入出力導波路11のうち3− dBカップラー13,14間に位置する導波路(第1の分岐導波路)にテーパ導波路11aを形成すると共に、入出力導波路12のうち3− dBカップラー13,14間に位置する導波路(第2の分岐導波路)にテーパ導波路12aを形成している。
テーパ導波路11aは単純なテーパ形状となっているが、テーパ導波路12aはテーパ形状部分と直線形状部分とを有している。テーパ導波路11aとテーパ導波路12aは、最大の導波路幅は同じとしている。テーパ導波路11aは最大の導波路幅での直線導波路部分が存在せず、一方、テーパ導波路12aは最大の導波路幅での直線導波路部分の長さが30ミクロンとなっている。導波路は導波路幅が太いほど実効屈折率が大きくなるため、第2の分岐導波路の光学距離が長くなる。
【0050】
結局、光学距離の長いリング共振器23Cには、光学距離が短い第1の分岐導波路(テーパ導波路11aを含む)が接続されており、光学距離の短いリング共振器24Cには、光学距離が長い第2の分岐導波路(テーパ導波路12aを含む)が接続されている。このため、第4の実施の形態にかかる波長フィルタF4と同様に、透過帯域幅が狭くなってクロストークが改善され、かつ消光比が改善される。
【0051】
なお、リング共振器23Cがリング共振器24Cに比べて光学距離が長いということは、リング共振器23Cがリング共振器24Cに比べて物理的距離が長い場合と、物理的距離は同一であるが電極25,26による電流注入,電圧印加によりリング共振器23Cがリング共振器24Cに比べ光学距離が長くなる場合の両方がある。
【0052】
<第6の実施の形態>
図10は、本発明の第6の実施の形態にかかる波長可変フィルタF6を示す。この波長可変フィルタF6は、前段の波長可変フィルタF61と後段の波長可変フィルタF62とを直列接続したものであり、前段の波長可変フィルタF61のFSRと、後段の波長可変フィルタF61のFSRが異なるように、前段と後段の波長可変フィルタの組み合わせを行っている。
【0053】
波長可変フィルタF61,62の構成としては、前述した第1〜第5の実施の形態で説明した波長可変フィルタF1〜F5のいずれの構成を採用することもできるが、本実施例では、波長可変フィルタF61,62の構成として、波長可変フィルタF4(図7参照)と同じ構成を採用している。
【0054】
このように、前段の波長可変フィルタF61と後段の波長可変フィルタF62とを直列接続した波長可変フィルタF6の動作原理を図11に示す。図11において、それぞれの波長可変フィルタF61,F62の透過スペクトルを波線で示している。二つの波長可変フィルタF61,F62は400GHz間隔と500GHz間隔で透過スペクトルの透過率が大きくなっている。従ってこの二つの波長可変フィルタF61,F62を直列接続した波長可変フィルタF6の透過スペクトルは、図11の実線で表される。この場合、出力光強度が最大となる透過ピークの間隔はそれぞれのFSRの最小公倍数である2000GHzとなる。
【0055】
そして、波長可変フィルタF61のリング共振器23B,24Bの屈折率と、波長可変フィルタF62のリング共振器23B,24Bの屈折率を調整することにより、波長可変フィルタF6の全体としては、この2000GHzの間の全ての波長範囲で一つの波長を選択可能となる。
このように、波長可変フィルタF6では、一つの(単一の)波長可変フィルタでは実現できない大きな波長可変域を得ることが可能になることがわかる。
【0056】
図10に示す波長可変フィルタF6では、2段の波長可変フィルタF61,F62を直列接続したが、3段以上の波長可変フィルタを直列接続することにより、動作波長域を更に拡大できることは言うまでもない。
【0057】
図12に、波長可変フィルタF6の透過スペクトルを示す。図12に示すように損失約5dB、消光比約15dBの波長可変フィルタが作製できた。また、スイッチング時間は2.5nsと従来のAWGとSOAゲートで構成した高速波長可変フィルタと同等のスイッチング時間であった。
【0058】
図13は、図10に示す波長可変フィルタF6において、波長可変フィルタF61の電極31と、波長可変フィルタF62の電極31の電圧を調整することにより、各波長可変フィルタF61,F62において、光学距離の長いリング共振器23Bに接続された導波路11の光学距離を短くして、各波長フィルタF61,F62の透過帯域幅を狭くして消光比を改善したときの特性図である。図12と比較して消光比の改善が確認できた。
【0059】
<第7の実施の形態>
図14は本発明の第7の実施の形態にかかる波長可変フィルタF7を示す。この波長可変フィルタF7では、入出力導波路11のうち3− dBカップラー13,14間に位置する導波路(第1の分岐導波路)に半導体光アンプ41を備えると共に、入出力導波路12のうち3− dBカップラー13,14間に位置する導波路(第2の分岐導波路)に半導体光アンプ42を備えている。他の部分の構成は、図7に示す波長可変フィルタF4と同様である。
【0060】
このように、第1及び第2の分岐導波路内に半導体光アンプ41,42を備えることにより、光カップラー21,22及びリング共振器23B,24Bで損失した光信号を増幅して出力ポートでの損失をゼロにすることが可能となる。
【0061】
このように、半導体光アンプ41,42により信号光を増幅することにより、大きな波長領域で高消光比、低損失かつ低コストな波長可変フィルタF7となる。
【0062】
なお、他の実施の形態の波長可変フィルタF1〜F3,F5,F6においても、第1及び第2の分岐導波路内に半導体光アンプを備えることにより、光カップラー及びリング共振器で損失した光信号を増幅して出力ポートでの損失をゼロにすることが可能となる。
【0063】
【発明の効果】
以上、実施の形態と共に具体的に説明したように、本発明によれば、基本的には、対称型のマッハツェンダ干渉計光回路と、これに光接続された第1及び第2のリング共振器と、各リング共振器に電流注入または電圧印加できる第1及び第2の電極により構成したため、高速波長可変フィルタを大きな波長領域で高消光比、低損失かつ低コストで実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる波長可変フィルタを示す構成図である。
【図2】図1の実施の形態で用いたエピタキシャル基板を示す構造図である。
【図3】光カップラーを示す断面構造図である。
【図4】第1の実施の形態にかかる波長可変フィルタの出力特性を示す特性図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態にかかる波長可変フィルタを示す構成図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態にかかる波長可変フィルタを示す構成図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態にかかる波長可変フィルタを示す構成図である。
【図8】第4の実施の形態にかかる波長可変フィルタの出力特性を示す特性図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態にかかる波長可変フィルタを示す構成図である。
【図10】本発明の第6の実施の形態にかかる波長可変フィルタを示す構成図である。
【図11】第6の実施の形態にかかる波長可変フィルタの出力特性を示す特性図である。
【図12】第6の実施の形態にかかる波長可変フィルタの出力特性を示す特性図である。
【図13】第6の実施の形態にかかる波長可変フィルタの出力特性を示す特性図である。
【図14】本発明の第7の実施の形態にかかる波長可変フィルタを示す構成図である。
【図15】従来例に用いられている波長可変フィルタを示す構成図である。
【符号の説明】
F1〜F7,F61,F62 波長可変フィルタ
10 マッハツェンダ干渉計光回路
11,12 入出力導波路
11a,12a テーパ導波路
13,14 3− dBカップラー
21,22 光カップラー
23,24,23A,24A,23B,24B,23C,24Cリング共振器
25,26 電極
27,28 ヒータ
31,32 電極
41,42 半導体光アンプ
Claims (9)
- 対称型のマッハツェンダー干渉計光回路と、
前記マッハツェンダー干渉計光回路の第1の分岐導波路に第1の光カップラーを介して接続された第1のリング共振器、及び、前記マッハツェンダー干渉計光回路の第2の分岐導波路に第2の光カップラーを介して接続されると共に第1のリング共振器に対して物理的な長さが異なっている第2のリング共振器と、
第1のリング共振器に電流注入または電圧注入をする第1の電極、及び、第2のリング共振器に電流注入または電圧注入をする第2の電極とを備えていることを特徴とする波長可変フィルタ。 - 対称型のマッハツェンダー干渉計光回路と、
前記マッハツェンダー干渉計光回路の第1の分岐導波路に第1の光カップラーを介して接続された第1のリング共振器、及び、前記マッハツェンダー干渉計光回路の第2の分岐導波路に第2の光カップラーを介して接続されると共に第1のリング共振器に対して物理的な長さが等しくなっている第2のリング共振器と、
第1のリング共振器に電流注入または電圧注入をする第1の電極、及び、第2のリング共振器に電流注入または電圧注入をする第2の電極とを備えていることを特徴とする波長可変フィルタ。 - 請求項1または請求項2に記載の波長可変フィルタにおいて、
第1のリング共振器及び第2のリング共振器に、それぞれヒータを備えたことを特徴とする波長可変フィルタ。 - 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の波長可変フィルタにおいて、
第1のリング共振器が第2のリング共振器よりも光学距離が長い場合には、第1の分岐導波路に、第2のリング共振器が第1のリング共振器よりも光学距離が長い場合には、第2の分岐導波路に、光学距離を短くする機能素子を備えたことを特徴とする波長可変フィルタ。 - 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の波長可変フィルタにおいて、
第1の分岐導波路及び第2の分岐導波路に、それぞれ光学距離調整用の電極を備えたことを特徴とする波長可変フィルタ。 - 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の波長可変フィルタにおいて、
第1の分岐導波路及び第2の分岐導波路に、互いに導波路幅の異なるテーパ導波路を形成したことを特徴とする波長可変フィルタ。 - 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の波長可変フィルタにおいて、
第1の分岐導波路及び第2の分岐導波路に、導波路幅の等しいテーパ導波路に挟まれた互いに長さの異なる導波路を形成したことを特徴とする波長可変フィルタ。 - 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の波長可変フィルタにおいて、
第1の分岐導波路及び第2の分岐導波路に、それぞれ半導体光増幅器を備えたことを特徴とする波長可変フィルタ。 - フィルタリングして出力する信号光の透過ピークの周波数間隔(FSR)が異なる複数の波長可変フィルタが直列接続して構成されており、
各波長可変フィルタは、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の波長可変フィルタにより形成されていることを特徴とする波長可変フィルタ。
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