JP2004101873A - 積層偏光フィルム及びそれの光学装置への適用 - Google Patents

積層偏光フィルム及びそれの光学装置への適用 Download PDF

Info

Publication number
JP2004101873A
JP2004101873A JP2002263701A JP2002263701A JP2004101873A JP 2004101873 A JP2004101873 A JP 2004101873A JP 2002263701 A JP2002263701 A JP 2002263701A JP 2002263701 A JP2002263701 A JP 2002263701A JP 2004101873 A JP2004101873 A JP 2004101873A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polarizing film
laminated
liquid crystal
light source
retardation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002263701A
Other languages
English (en)
Inventor
Takuya Nishirai
西来 拓也
Taku Honda
本多 卓
Keiichi Mizuguchi
水口 圭一
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2002263701A priority Critical patent/JP2004101873A/ja
Publication of JP2004101873A publication Critical patent/JP2004101873A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)

Abstract

【課題】反射型偏光フィルムと位相差層が積層され、高い輝度向上効果が発現できる積層偏光フィルム及び偏光光源装置を提供し、さらにそれらを用いた液晶表示装置を提供する。
【解決手段】積層偏光フィルム10は、吸収型偏光フィルム11と反射型偏光フィルム12と位相差層13とがこの順に積層され、この位相差層13は、垂直方向からの入射光に対するレターデーションをR(0) とし、遅相軸を傾斜軸として40度傾斜した方向からの入射光に対するレターデーションをR(40)としたときに、α=R(40)/R(0)が1.09以下である。いずれかの位置に光拡散層14を積層することもできる。積層偏光フィルム10の位相差層13側には、導光板52等を有する光源部材及び反射板53を配置して偏光光源装置64とされ、さらに、その積層偏光フィルム10側に液晶セル30及び吸収型偏光フィルム41を配置して液晶表示装置65とされる。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透過型液晶表示装置、並びにそれに好適な偏光光源装置及び積層偏光フィルムに関するものである。詳しくは、透過型液晶表示装置において、背面照明装置の出射光を効率よく液晶セルから出射させることで、画面輝度を高め、画面の視認性を向上させる積層偏光フィルム、並びにそれを用いた偏光光源装置及び透過型液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は、小型、軽量であるため、様々な分野で使用されている。液晶表示装置における液晶分子は、ブラウン管(CRT)などに使用されている発光物質ではなく、単に光の偏光状態を制御する光バルブとしての機能しかもたないために、何らかの方法で照明しないと液晶表示部が暗くて見えない。そこで、液晶表示部の背面に光源装置を配置したものが、透過型液晶表示装置である。
【0003】
従来の透過型液晶表示装置について、図7をもとに説明する。液晶表示装置は一般に、液晶セル30内に封入された液晶分子の配向状態を電気的に変化させることで、そこを通過する光の偏光状態を制御するものであり、液晶セル30は、対向する一対の透明電極、すなわち背面側透明電極31及び前面側透明電極32と、それらの間に挟持された液晶層33とで構成される。図示は省略するが、液晶セル30はこのほか、両最表面に配置されるセル基板、液晶層33を配向させるための配向膜、カラー表示であればカラーフィルター層なども有している。
【0004】
液晶セル30の前面には、そこを透過した光の偏光状態を検出する吸収型偏光フィルム41が配置され、その他、光学補償フィルム42などの光学素子も配置されている。一方、液晶セル30の背面には、特定の偏光光のみを取り出して液晶セル30に向けて出射するための偏光光源装置91が、必要に応じて背面側の光学補償フィルム22を介して配置される。偏光光源装置91は、液晶セル30と面する位置に背面側吸収型偏光フィルム21を配置し、さらにその背面に必要に応じて拡散シート55とレンズシート56とを配置し、さらにその背面側に光源装置60を配置して構成される。光源装置60は、光源51を側方又は下方に有する導光板52と、導光板52の背後の反射板53とで構成されており、光源51が側方に配置されている場合、そこからの光は反射鏡54で反射されて、事実上そのすべてが導光板52に導かれ、さらに吸収型偏光フィルム11側へ出射するようになっている。以上のような形で、透過型液晶表示装置90が構成されている。
【0005】
近年、背面側吸収型偏光フィルムと光源装置の間に反射型偏光フィルムを挿入する輝度向上システムの採用が増えてきた。この輝度向上システムは、例えば、特表平 9−511844 号公報(特許文献1)に記載されているように、光源装置からの出射光のうち背面側吸収型偏光フィルムが吸収してしまう偏光成分を、反射型偏光フィルムで事前に反射させて光源装置に戻すことにより、再利用可能とし、利用できる光量を増加させて、表示装置の輝度を向上させるものである。
【0006】
この輝度向上システムの採用にあたっては、反射型偏光フィルムにより光源装置に戻された偏光成分を、いかに効率良く背面側吸収型偏光フィルムを透過する偏光成分に変換できるかが、輝度向上率を高めるうえで重要となる。輝度向上率を高める手段として、例えば、特開 2001−147321号公報(特許文献2)には、反射型直線偏光フィルムと位相差層とを互いの光軸が45°で交わるように配置することが示されており、位相差層として1/4波長位相差フィルムが例示されている。このように反射型直線偏光フィルムと位相差層を組み合わせれば、位相差層は、反射型直線偏光フィルムで反射された直線偏光を円偏光に変換するため、輝度向上システムは円偏光を利用することになる。この円偏光は、光源装置背面の反射板で反射される際に偏光反転を生じ、再び位相差層に向かうときには逆回りの円偏光となる。逆回りの円偏光は、再び位相差層を通過することで、最初に通過したときとは直交する方向の直線偏光、すなわち、反射型直線偏光フィルムを透過する直線偏光となる。これにより、反射型直線偏光フィルムを透過する偏光光を効率的に増加させることができる。したがって、背面側吸収型偏光フィルムの偏光透過軸を反射型直線偏光フィルムの偏光透過軸に合わせれば、透過する光量は、反射型直線偏光フィルム及び位相差層がないときに比べ、理想的には倍増する。そこで、このような反射型直線偏光フィルムと位相差層の積層体を液晶表示装置に適用すれば、透過光量が増加し、輝度を向上させることができる。
【0007】
【特許文献1】特表平9−511844号公報
【特許文献2】特開2001−147321号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、透過型液晶表示装置の光源装置は、一般に拡散光を発するものである。すなわち、透過型液晶表示装置に反射型直線偏光フィルムと位相差層の積層体を挿入した場合、そこに入射する光線の入射角は法線方向からとは限らない。そこで、反射型直線偏光フィルムと位相差層との積層体による輝度向上システムを利用するに際しては、光源装置の出射光の角度分布に応じて、斜めからの光線入射に対しても、反射光が円偏光に近づくようにさせることが有効である。しかしながら、一般の位相差フィルムを用いた場合には、位相差値の入射角度依存性が生じるため、光線入射角により直線偏光を円偏光に変換する効率に差が生じ、輝度向上効果が十分に発現しないという問題があった。
【0009】
そこで本発明の目的は、反射型偏光フィルムと位相差層を積層し、位相差層による直線偏光と円偏光の間の変換機能を活用して輝度向上効果を高めるシステムにおいて、位相差層の偏光変換機能を光線入射角によらず高いまま維持し、それにより、拡散光源を用いた場合であっても、高い輝度向上効果が発現できる偏光光源装置、及びそのための積層偏光フィルムを提供し、さらにはそれらを用いた液晶表示装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、吸収型偏光フィルムと反射型偏光フィルムと位相差層とがこの順に積層された積層偏光フィルムを用いる輝度向上システムにおいて、この位相差層について、垂直方向からの入射光に対するレターデーションをR(0) とし、遅相軸を傾斜軸として40度傾斜させた場合の入射光に対するレターデーションをR(40)としたときに、レターデーションの光線入射角依存性を表す値であるα=R(40)/R(0) が特定の範囲にあるものを使用することで、輝度向上効果が高まることを見出し、本発明に至った。
【0011】
すなわち本発明によれば、吸収型偏光フィルムと、反射型偏光フィルムと、位相差層とが、この順に積層されてなり、この位相差層は、垂直方向からの入射光に対するレターデーションをR(0) とし、遅相軸を傾斜軸として40度傾斜した方向からの入射光に対するレターデーションをR(40)としたときの両者の比α=R(40)/R(0) が1.09 以下である積層偏光フィルムが提供される。ここで、位相差層は、面内位相差値が1/4波長であるものが好ましい。
【0012】
上記の積層偏光フィルムには、光拡散性を付与するため、面内位相差値が30nm以下である光拡散層を、さらに少なくとも1層積層することができる。この光拡散層は、いずれの位置に配置してもよい。この光拡散層は、接着性を有していてもよい。これらの積層偏光フィルムの取扱いを容易にし、さらに、不要な界面反射を避けるためには、隣り合うフィルム又は層の少なくとも一対が感圧接着剤により密着積層されていることが好ましい。
【0013】
また本発明によれば、上記いずれかの積層偏光フィルムと、光源部材及び反射板を備え、光源部材及び反射板がこの順で積層偏光フィルムの位相差層側に配置されている偏光光源装置が提供される。
【0014】
さらに本発明によれば、上記偏光光源装置と、液晶セル及び前面側吸収型偏光フィルムを備え、液晶セル及び前面側吸収型偏光フィルムがこの順で偏光光源装置の積層偏光フィルム側に配置されている液晶表示装置も提供される。ここで、液晶セルと前面側吸収型偏光フィルムとの間には、光散乱層が積層されていてもよい。また、積層偏光フィルムから前面側吸収型偏光フィルムに至る各部材の隣り合う少なくとも一対が感圧接着剤により密着積層されていることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明を明確にするため、その具体例を示す図面を参照しながら、以下に詳細な説明を行う。図1は、本発明に係る積層偏光フィルム10の層構成を示す断面模式図である。この図に示すように、本発明の積層偏光フィルム10は、吸収型偏光フィルム11と反射型偏光フィルム12と位相差層13とがこの順に積層されたものである。ここで、位相差層13としては、垂直方向からの入射光に対するレターデーションをR(0) とし、遅相軸を傾斜軸として40度傾斜させた場合の入射光に対するレターデーションをR(40)としたとき、α=R(40)/R(0) が1.09 以下のものを採用する。位相差層13は、1/4波長位相差層として機能するものであることが好ましい。その際、図2の(a)に模式的に軸の向きを示すように、吸収型偏光フィルム11の偏光透過軸71と、反射型偏光フィルム12の偏光透過軸72とが、略平行となるように配置することで、輝度向上効果が最大に発現できる。
【0016】
吸収型偏光フィルム11は、特定振動方向の偏光光を透過し、それと直交する方向の偏光光を吸収するものである。吸収型偏光フィルムの偏光透過軸とは、特定振動方向の偏光がその偏光フィルムの垂直方向から入射したときに、透過率が最大となる方向をいう。
【0017】
このような吸収型偏光フィルムとしては、例えば、公知のヨウ素系偏光フィルムや染料系偏光フィルムが使用できる。ヨウ素系偏光フィルムとは、延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着されたフィルムであり、染料系偏光フィルムとは、延伸したポリビニルアルコールフィルムに二色性染料が吸着されたフィルムである。これらの偏光フィルムは、耐久性向上のため、その片面又は両面を高分子フィルムで被覆したものが好ましい。保護のために被覆する高分子の材質としては、二酢酸セルロースや三酢酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ノルボルネン系樹脂などが使用できる。
【0018】
吸収型偏光フィルムの厚みは特に限定されないが、液晶表示素子などに本発明の積層偏光フィルムを使用する場合には、吸収型偏光フィルムは薄いほうが好ましい。具体的には1mm以下、さらには0.2mm 以下であるのが好ましい。
【0019】
反射型偏光フィルム12は、特定振動方向の偏光光を透過し、それと直交する方向の偏光光を反射するものである。反射型偏光フィルムの偏光透過軸とは、特定振動方向の偏光がこの偏光フィルムの垂直方向から入射したときに、透過率が最大となる方向をいい、偏光反射軸とは、それと直交する方向をいう。反射型偏光フィルムには、直線偏光に対して偏光分離機能を有する反射型直線偏光フィルムと、円偏光に対して偏光分離機能を有する反射型円偏光フィルムとがある。本発明では、反射型直線偏光フィルムを使用する。
【0020】
反射型直線偏光フィルムとしては、例えば、ブリュースター角による偏光成分の反射率の差を利用した反射型偏光フィルム(例えば、特表平 6−508449 号公報に記載のもの)、微細な金属線状パターンを施工した反射型偏光フィルム(例えば、特開平 2−308106 号公報に記載のもの)、少なくとも2種の高分子フィルムが積層されており、屈折率異方性による反射率の異方性を利用する反射型偏光フィルム(例えば、特表平 9−506837 号公報に記載のもの)、高分子フィルム中に少なくとも2種の高分子で構成される海島構造を有し、屈折率異方性による反射率の異方性を利用する反射型偏光フィルム(例えば、米国特許第 5,825,543号明細書に記載のもの)、高分子フィルム中に粒子が分散し、屈折率異方性による反射率の異方性を利用する反射型偏光フィルム(例えば、特表平 11−509014号公報に記載のもの)、高分子フィルム中に無機粒子が分散し、粒子のサイズによる散乱能差に基づく反射率の異方性を利用する反射型偏光フィルム(例えば、特開平9−297204 号公報に記載のもの)などが挙げられる。
【0021】
反射型偏光フィルムの厚みは特に限定されないが、液晶表示素子などに本発明の積層偏光フィルムを使用する場合には、反射型偏光フィルムも薄いほうが好ましい。具体的には、1mm以下、さらには0.2mm 以下であるのが好ましい。そこで、少なくとも2種の高分子フィルムが積層され、屈折率異方性による反射率の異方性を利用する反射型偏光フィルムや、高分子フィルム中に少なくとも2種の高分子で構成される海島構造を有し、屈折率異方性による反射率の異方性を利用する反射型偏光フィルムは、本発明による積層偏光フィルムの厚みを薄くするために特に好ましい。
【0022】
本発明において使用される位相差層13は、複屈折に由来する位相差を有する層である。位相差層が1層からなるか、又は光軸が平行に揃った2層以上の積層体からなる場合には、位相差層の面内の屈折率が最大となる方向をx軸、面内におけるx軸と直交する方向をy軸、厚み方向をz軸として、それぞれの軸方向における屈折率をn、n及びn としたとき、レターデーションRは、x軸方向の屈折率nとy軸方向の屈折率nの差に厚みdを乗じた値R=(n−n)×dで表される。面内の屈折率が最大となるx軸方向は遅相軸であり、面内でそれと直交するy軸方向は進相軸である。本明細書では、x軸方向をその位相差層の光軸とする。
【0023】
一方、位相差層が2層以上の積層体からなり、かつ、それを構成する少なくとも1対の光軸が平行でない場合には、位相差層面内の最大屈折率方向を定義することが困難となる。その場合には、2枚の偏光子を互いの偏光透過軸が平行となるように配置し、その間に位相差層を挿入して回転させ、最大透過率を与える軸方向を求める。そして、その軸方向が遅相軸に相当するか進相軸に相当するかを判別し、遅相軸に相当すればその軸をx軸、また進相軸に相当すればその軸と面内で直交する軸をx軸とし、見かけ上のレターデーションRを測定する。
【0024】
本発明では、垂直方向からの入射光に対するレターデーションをR(0) とし、遅相軸を傾斜軸として40度傾斜させた方向からの入射光に対するレターデーションをR(40)として、両者の比 α=R(40)/R(0) が1.09以下となる位相差層を採用する。レターデーションの測定には、可視光域の任意の波長を選択することができるが、589nmの波長を採用するのが好都合である。αは必ず0より大きい値をとるので、本発明で使用できるαの範囲は 0<α≦1.09となり、好ましくは0.5≦α≦1.05である。
【0025】
位相差層に対して法線方向に透過する直線偏光を円偏光に変換できれば、最も効率がよくなるので、位相差層13は、1/4波長位相差層として機能するものであることが好ましい。ここでいう1/4波長位相差層とは、400〜700nmの波長域から選ばれたある波長におけるレターデーションが、その波長の概ね1/4となるものを指す。具体的には、そのレターデーションが110〜160nmであるものが好ましく、さらには120〜150nmであるものがより好ましい。
【0026】
位相差層の材質は、特に限定されない。また位相差層は、単層であってもよいし、2層以上の積層体であってもよい。積層する際には、同種の位相差層を積層してもよいし、異種の位相差層を積層してもよい。位相差層の例としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、ノルボルネン系樹脂をはじめとする環状ポリオレフィン系樹脂などの合成高分子や、二酢酸セルロース、三酢酸セルロースなどの天然高分子からなるフィルムを延伸したもの、また、透明高分子フィルム上に光学異方性のある化合物又は液晶組成物からなる層を配向させたものなどを挙げることができる。
【0027】
α≦1.09 である位相差層は、例えば、合成高分子又は天然高分子を厚み方向に配向させることで作製することができる。例えば、住友化学工業株式会社製の“スミカライトSZ”フィルムや、日東電工株式会社製の“NRZ”フィルムなどが市販されており、それらを使用することができる。また、任意の位相差層にさらに厚み配向した位相差層を積層することで、α≦1.09 となるように調整してもよい。厚み配向した位相差層としては、例えば、ポリスチレン系樹脂などの負の固有複屈折性を有する材質からなるフィルムを二軸延伸してなる位相差層や、ネマティック液晶やスメクティック液晶など、光学異方性のある化合物を垂直配向してなる位相差層が挙げられる。光学異方性のある化合物が配向塗布されてなる層と延伸フィルムを積層して使用する場合には、延伸フィルム上にかかる光学異方性のある化合物を配向塗布することで、全体の厚みを薄くすることができる。
【0028】
吸収型偏光フィルム11と反射型偏光フィルム12とは、図2(a)を参照して先に述べたように、前者の偏光透過軸71と後者の偏光透過軸72とが略平行になるように配置することで、最大の輝度向上効果が発揮される。そして、そこにさらに位相差層13を積層するに際しては、反射型偏光フィルム12の偏光透過軸と、位相差層13の光軸とのなす角度を調整することにより、輝度向上効率を調整できる。位相差層13が1/4波長位相差層である場合は、図2(a)〜(c)に軸の向きを模式的に示すように、吸収型偏光フィルム11の偏光透過軸71と反射型偏光フィルム12の偏光透過軸72とが略平行となるようにし、さらにそれらの偏光透過軸71,72と1/4波長位相差層13の光軸73とが、略45°又は135°の角度をなすように配置することで、最大の輝度向上効果を発現させることができる。実用的には、この角度を中心に、±5°以内であれば、さしたる支障はない。
【0029】
本発明では、反射型偏光フィルムと光源装置の間で生じる輝度向上システムを最適なものにすることを主たる目的とするので、図7に示したような形で光源装置に通常用いられる拡散シート55は、使用しないほうが好ましい場合がある。そのためには、光拡散層を積層偏光フィルムに組み込んでしまうのが好ましい。光拡散層を積層する場所は、その光拡散層の面内位相差値が30nm以下であれば特に制限されない。この場合の例を図3に示す。図3の(a)は、図1に示した吸収型偏光フィルム11/反射型偏光フィルム12/位相差層13からなる層構成において、吸収型偏光フィルム11の外側に光拡散層14を配置したものである。図3の(b)は、吸収型偏光フィルム11と反射型偏光フィルム12の間に光拡散層14を配置したものである。図3の(c)は、反射型偏光フィルム12と位相差層13の間に光拡散層14を配置したものである。図3の(d)は、位相差層13の外側に光拡散層14を配置したものであり、この場合には、光拡散層14の面内位相差値は30nm以下であることがもちろん好ましいが、それより大きくても使用可能である。
【0030】
光拡散層14は高い全光線透過率を示すほうがよいことから、その全光線透過率は80%以上であるのが好ましく、より好ましくは90%以上である。また、光拡散層14の拡散性能を表す指標であるヘイズ率は、所望とする拡散性能に応じて任意に設定されるが、通常は30%以上95%以下、好ましくは60%以上95%以下である。ここでヘイズ率とは、(拡散光線透過率/全光線透過率)×100(%)で表される数値である。
【0031】
光拡散層14の材質は特に制限されないが、例えば、有機又は無機の微粒子が分散された高分子フィルムや光拡散性感圧接着剤、屈折率変調型光拡散フィルムなどが好適に用いられる。積層偏光フィルムの部材点数を減らして厚みを薄くするために、有機又は無機の微粒子が分散された光拡散性感圧接着剤は、特に好ましい光拡散層の一つである。ここで、有機又は無機の微粒子を構成する材質としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、シリコーン、シリカ、酸化チタンなどを挙げることができる。母体となる感圧接着剤としては、公知の各種のものが使用でき、例えば、アクリレート系感圧接着剤、ゴム系感圧接着剤、シリコーン系感圧接着剤、ウレタン系感圧接着剤などが挙げられる。中でもアクリレート系感圧接着剤が好ましく使用できる。
【0032】
本発明による積層偏光フィルムの取扱い性を容易にするために、構成するフィルムや層間を感圧接着剤で密着するのが好ましい。密着することで、不要な反射による光のロスを防ぐこともできる。感圧接着剤としては、公知の各種のものが使用できる。例えば、アクリレート系感圧接着剤、ゴム系感圧接着剤、シリコーン系感圧接着剤、ウレタン系感圧接着剤などが挙げられる。中でもアクリレート系感圧接着剤が好ましく使用される。感圧接着剤の厚みは特に制限されないが、通常1μm 以上100μm 以下であり、好ましくは20μm 以上、また好ましくは50μm 以下である。
【0033】
液晶表示装置には、液晶セル内の液晶の複屈折性による着色や配向状態に基づく視野角の制限などを補償するため、光学補償フィルムを使用することがある。すなわち、スーパーツイステッドネマティック(STN)液晶を使用するSTN液晶表示装置の場合には、通例、位相差フィルムを配置して色補償を行うし、ツイステッドネマティック(TN)液晶を用いた薄膜トランジスタ(TFT)駆動方式液晶表示装置の場合には、いわゆる視野角拡大フィルムを用いて視野角の拡大を行う。本発明の積層偏光フィルムにも、これらの光学補償フィルムを積層することができる。通常、光学補償フィルムは、液晶表示装置を構成する前面側吸収型偏光フィルムと背面側吸収型偏光フィルムの間に1枚以上配置される。したがって、液晶セルの背面側に光学補償フィルムを配置する場合には、本発明の積層偏光フィルムと積層し、一体化することができる。この場合には、本発明の積層偏光フィルムを構成する吸収型偏光フィルムの、位相差層が積層される側とは反対側に、光学補償フィルムが積層されることになる。
【0034】
光学補償フィルムは特に制限されず、公知のものが使用できる。本発明の積層偏光フィルムを構成する位相差層の例として先述した高分子の延伸フィルムも、その一例である。ただし、位相差フィルムを光学補償フィルムとして用いる場合には、液晶セルに使用されている液晶の特性に合わせて、位相差値や厚み方向の配向特性が設定される。また、光学補償フィルムとして、透明高分子フィルム上に光学異方性のある化合物又は液晶組成物を塗布してなる、いわゆる視野角拡大フィルム(例えば、富士写真フィルム株式会社から販売されている“WVフィルム”、日本石油化学株式会社から販売されている“NHフィルム”や“LCフィルム”、住友化学工業株式会社から販売されている“VACフィルム”など;いずれも商品名)を用いることもできる。これらの光学補償フィルムは、空気層の介在による光のロスを防ぐため、感圧接着剤により本発明の積層偏光フィルムと積層一体化することが望ましい。
【0035】
本発明による積層偏光フィルムは、その吸収型偏光フィルム側を出射光面とする偏光光源装置とすることができる。また、その偏光光源装置における吸収型偏光フィルム側に表示用液晶セルを配置して、透過型液晶表示装置とすることができる。これらの偏光光源装置及び透過型液晶表示装置について、図4に断面模式図で示す例をもとに説明する。
【0036】
図4に示す例では、図3(a)に示したのと同じ、位相差層13、反射型偏光フィルム12、吸収型偏光フィルム11及び光拡散層14の順で積層された積層偏光フィルム10の位相差層13側に、光源装置60を配置して、偏光光源装置64が構成されている。
【0037】
図4における光源装置60は、サイドライト式と呼ばれるもので、光源51、導光板52及び、導光板52の背面に配置された反射板53を備えており、導光板52の側面に配置された光源51からの光は、光源51の導光板52に面しない側を覆う反射鏡54で反射されて、まず導光板52内に取り込まれ、その中を進むとともに、反射板53での反射と相まって、導光板52の前面側から均一に光が放出されるようになっている。光源装置60は基本的に、光源部材と反射板を備えており、図4に示したサイドライト式の場合は、光源51と導光板52とで光源部材を構成している。このような光源装置60が、積層偏光フィルム10の厚み方向に配向性を有する位相差層13側に配置されて、偏光光源装置64が構成されている。さらに積層偏光フィルム10の吸収型偏光フィルム11側が、必要に応じて背面側光学補償フィルム21を介して、液晶セル30の背面に対向配置され、液晶セル30の前面側には、必要に応じて光学補償フィルム42を介して吸収型偏光フィルム41が配置され、透過型液晶表示装置65が構成されている。
【0038】
なお、図4では、上から順に光拡散層14/吸収型偏光フィルム11/反射型偏光フィルム12/位相差層13の4層で本発明の積層偏光フィルム10を構成するように表示しているが、光拡散層14の上に光学補償フィルム22を積層した場合には、この光学補償フィルム22から位相差層13に至る5層構成のものも、本発明の積層偏光フィルムとなる。同様に、当該5層構成の積層偏光フィルムの位相差層13側に光源装置60を配置した構成も、本発明の偏光光源装置となる。また図4には、図3(a)に示した積層偏光フィルム10を用いた例を示したが、この積層偏光フィルム10を、図3(b)〜(d)に示したものに変えることももちろん可能である。いずれの積層偏光フィルムを用いる場合も、光源部材と反射板とを備える光源装置60は、積層偏光フィルム10の位相差層13側に配置される。
【0039】
従来の偏光光源装置においては、図7に示したような拡散シート55やレンズシート56が広く用いられている。本発明による偏光光源装置64にも、これらの一方又は双方を配置することができるが、これらは積層偏光フィルムと光源装置の間における偏光状態を乱す原因になるため、可能であれば配置しないほうが好ましい。
【0040】
図4に示す偏光光源装置64又は透過型液晶表示装置65において、光源装置60に用いる光源51は特に限定されず、公知の偏光光源装置や液晶表示装置に採用されているものが、本発明においても同様に使用できる。適当な光源51として、具体的には例えば、冷陰極管、発光ダイオード、無機又は有機のエレクトロルミネッセンス(EL)ランプなどが挙げられる。
【0041】
反射板53も特に限定されず、公知の偏光光源装置や液晶表示装置に採用されているものが使用できる。具体的には例えば、内部に空洞を形成した白色プラスチックシート、酸化チタンや亜鉛華の如き白色顔料を表面に塗布したプラスチックシート、屈折率の異なる少なくとも2種のプラスチックフィルムを積層してなる多層プラスチックシート、アルミニウムや銀の如き金属からなるシートなどが挙げられる。これらのシートは、鏡面加工されたもの、粗面加工されたもののいずれも使用可能である。反射板を構成するプラスチックシートの材質も特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ノルボルネン系樹脂、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレートなどが使用できる。
【0042】
図4に示す導光板52は、光源51から発せられた光を内部に取り込み、面状発光体として機能するものであり、やはり公知の偏光光源装置や液晶表示装置に採用されているものが使用できる。このような導光板として、例えば、プラスチックシートやガラス板からなり、背面側に、凹凸処理や白色ドット印刷処理、ホログラム処理などを施したものが挙げられる。プラスチックシートで導光板を構成する場合、その材質は特に限定されないが、ポリカーボネート、ノルボルネン系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどが好ましく使用される。
【0043】
光源装置の出射面側に必要な場合に配置される拡散シート55(図7に示したもの)は、入射光を散乱透過するシートであり、通常は全光線透過率が60%以上、ヘイズ率が10%以上の光学素子である。ここで、拡散シートの全光線透過率は、高ければ高いほどよく、80%以上の全光線透過率を示すものがより好ましい。このような拡散シートとしては、特に限定されるものでないが、例えば、プラスチックシートやガラス板を粗面化処理したもの、内部に空洞を形成したり粒子を添加したりしたプラスチックシートやガラス板などが使用できる。ここでいうプラスチックシートの材質も特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ノルボルネン系樹脂、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレートなどが挙げられる。粗面化処理も特に限定されず、例えば、サンドブラストや、エンボスロールの圧着による加工、プラスチック粒子やガラス粒子、シリカ粒子の如き粒子を樹脂に混合したものを表面に塗工する方法などを挙げることができる。
【0044】
光源装置の出射面側に必要な場合に配置されるレンズシート56(図7に示したもの)は、光源から発せられた光を集光するものであり、やはり公知の偏光光源装置や液晶表示装置に採用されているものが使用できる。このようなレンズシートとしては、例えば、プラスチックシート上に微細な多数のプリズムを形成したもの、凸レンズや凹レンズを敷き詰めたマイクロレンズアレイなどが挙げられる。
【0045】
本発明による透過型液晶表示装置65は、図4に例を示すような、偏光光源装置64の出射光面である積層偏光フィルム10側に、液晶セル30と前面側吸収型偏光フィルム41とをこの順に配置したものである。ここで、液晶セル30と前面側吸収型偏光フィルム41の間には、必要に応じて、光学補償フィルム42を1枚又は複数枚配置することができ、また必要に応じて、液晶セル30の前面側に光拡散層を配置することもできる。さらには、位相差フィルムと光拡散層の両者を配置してもよい。光拡散層は、面内位相差値が30nm以下であるのが好ましい。透過型液晶表示装置を構成する各部材、特に積層偏光フィルム10から前面側吸収型偏光フィルム41に至るまでの各部材は、隣り合う少なくとも一対が感圧接着剤により密着積層されているのが好ましく、さらには、隣り合うすべての部材同士が感圧接着剤により密着積層されているのが一層好ましい。
【0046】
液晶表示装置65に用いる液晶セル30は、透過光量をスイッチングするために液晶を2枚の基板間に封入し、電圧印加により液晶の配向状態を変化させる機能を有する装置である。2枚の基板のそれぞれ内側には、背面側透明電極31及び前面側透明電極32が配置され、それらの間に液晶層33が挟持されている。図示は省略するが、液晶セル30はこのほか、液晶層33を配向させるための配向膜、カラー表示であればカラーフィルター層なども有している。本発明において、液晶セル30を構成する液晶の種類やその駆動方式は特に限定されず、公知のツイステッドネマティック(TN)液晶やスーパーツイステッドネマティック(STN)液晶などが使用でき、また、薄膜トランジスタ(TFT)駆動方式、垂直配向(VA)方式、 In−Plane 駆動方式、光学補償ベンド(OCB)など、偏光を用いて表示を行うあらゆる方式に本発明を適用することができる。
【0047】
前面側吸収型偏光フィルム41については、先に本発明の積層偏光フィルムを構成する吸収型偏光フィルムの例として説明したのと同様のものを用いることができる。液晶セル30と前面側偏光フィルム41との間に必要に応じて配置される光学補償フィルム42としては、通常、樹脂の延伸フィルムが用いられ、適当な例としては、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ノルボルネン系樹脂をはじめとする環状ポリオレフィン系樹脂などの合成熱可塑性高分子や、三酢酸セルロースをはじめとする天然高分子などを、テンターなどの延伸装置により一軸又は二軸に延伸してなるフィルムが挙げられる。また、透明高分子フィルムに液晶化合物を塗布してなるフィルム、例えば、富士写真フィルム株式会社から販売されている“WVフィルム”(商品名)、日本石油化学株式会社から販売されている“LCフィルム”(商品名)、住友化学工業株式会社から販売されている“VACフィルム”(商品名)などを、光学補償フィルム42として用いることもできる。さらに、液晶セル30の前面側に光拡散層を積層する場合は、先に本発明の積層偏光フィルムを構成する光拡散層の例として説明したのと同様のものを用いることができる。
【0048】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、例中で積層偏光フィルムの作製に用いた材料は、次のとおりである。
【0049】
(1) 吸収型偏光フィルム
SRW062A :ヨウ素系吸収型偏光フィルム、住友化学工業株式会社から入手。
【0050】
(2) 反射型偏光フィルム
DBEF−P:2種の高分子フィルムが積層され、屈折率異方性による反射率の異方性を利用した反射型偏光フィルム、住友スリーエム株式会社から入手。
【0051】
(3) 位相差層(位相差フィルム)
SEZ070138 :ポリカーボネート樹脂を延伸してなる位相差フィルムであって、α≦1.09 であるもの、住友化学工業株式会社から入手。
SEF340138 :ポリカーボネート樹脂を延伸してなる位相差フィルムであって、α>1.09 であるもの、住友化学工業株式会社から入手。
【0052】
これらの位相差フィルムについて、王子計測機器株式会社製の自動複屈折率計“KOBRA−21ADH ”を用い、波長589nmにおいて、入射角0度でのレターデーションR(0)(面内位相差値に相当する) と、遅相軸を傾斜軸とする入射角40度でのレターデーションR(40)を測定し、両者の比α=R(40)/R(0) を求めた。結果を表1に示した。
【0053】
【表1】
Figure 2004101873
【0054】
(4) 光拡散層
光拡散性感圧接着剤#B:面内位相差値が0nmであり、微粒子が分散したヘイズ率78%のアクリレート系感圧接着剤、住友化学工業株式会社から入手。
【0055】
(5) 感圧接着剤
感圧接着剤#7:無色透明なアクリレート系感圧接着剤、住友化学工業株式会社から入手。
【0056】
対照例1
日本電気株式会社製のTFTカラー液晶モジュール“NL10276AC24−05”から液晶パネルを取り外し、光源装置の光出射側に内臓されている拡散フィルムを株式会社きもと製の拡散フィルムである“ライトアップ 100TL4 ”に置き換えて、光源装置80とした。図5に示すように、反射型偏光フィルム12(DBEF−P)、光拡散層14(光拡散性感圧接着剤#B)、吸収型偏光フィルム11(SRW062A )及び感圧接着剤82(感圧接着剤#7)をこの順で密着積層して、積層フィルム83を作製した。この際、吸収型偏光フィルム11の偏光透過軸と反射型偏光フィルム12の偏光透過軸が平行となるように配置した。この積層フィルム83を1.1mm 厚のガラス板81に感圧接着剤82側で貼り合わせ、さらに上記光源装置80の上に、ガラス板81が上側となるように配置して、偏光光源装置85を作製した。ガラス板81の上方には、輝度計89を配置し、この状態で上記の偏光光源装置85を点灯し、輝度計89により透過輝度を測定した。結果を表2に示した。
【0057】
実施例1
この例では、α≦1.09の位相差層13として SEZ070138 を使用した。図6に示すように、対照例1で作製した積層フィルム83の反射型偏光フィルム12側に、感圧接着剤82(感圧接着剤#7)を介してα≦1.09 の位相差層13(SEZ070138 )を密着積層して、積層偏光フィルム10を作製した。この際、位相差層13の光軸と反射型偏光フィルム12の偏光透過軸が45°で交わるようにした。この積層偏光フィルム10を1.1mm 厚のガラス板81に積層フィルム83の感圧接着剤82側で貼ったものを、ガラス板81が上側となるよう、対照例1で使用した光源装置80の上に配置し、偏光光源装置86を作製した。この偏光光源装置86について、対照例1と同様にして透過輝度を測定した。結果を表2に示した。この例では、対照例1に対し、α≦1.09 の位相差層13を加えたことにより、透過輝度が 1.05倍以上向上しており、高輝度の偏光光源装置が得られた。
【0058】
比較例1
実施例1で使用した SEZ070138 に替えて、α>1.09である位相差フィルムSEF340138 を用いた以外は、実施例1と同様にして積層偏光フィルムを作製し、それを用いた偏光光源装置の透過輝度を測定した。結果を表2に示した。この例では、対照例1に対し、α>1.09 の位相差フィルムを加えたことによる透過輝度の向上割合は 1.05倍未満に留まった。
【0059】
【表2】
Figure 2004101873
【0060】
対照例2
対照例1で使用した光源装置80中の拡散シート“ライトアップ 100TL4 ”に替えて、株式会社きもと製の拡散シートである“ライトアップ 100SXE ”を用いたほかは、対照例1と同様にして評価した。結果を表3に示した。
【0061】
実施例2
対照例2で用いた光源装置に、実施例1で作製した積層偏光フィルムを 1.1mm厚のガラス板に貼り合わせたものを、実施例1と同様の形態で配置し、対照例1と同様にして評価した。結果を表3に示した。この例では、対照例2に対し、α≦1.09 の位相差層を加えたことによる輝度向上効果は 1.05倍以上であり、高輝度の偏光光源装置が得られた。
【0062】
比較例2
対照例2で用いた光源装置に、比較例1で作製した積層偏光フィルムを 1.1mm厚のガラス板に貼り合わせたものを、比較例1と同様の形態で配置し、対照例1と同様にして評価した。結果を表3に示した。この例では、対照例2に対し、α>1.09 の位相差フィルムを加えたことによる輝度向上効果は 1.05倍未満に留まった。
【0063】
【表3】
Figure 2004101873
【0064】
【発明の効果】
本発明の積層偏光フィルムを使用すれば、透過型液晶表示装置の透過輝度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層偏光フィルムについて、層構成の一例を示す断面模式図である。
【図2】本発明の積層偏光フィルムについて、軸構成の例を示す模式図である。
【図3】本発明の積層偏光フィルムについて、光拡散層を積層した場合の層構成の例を示す断面模式図である。
【図4】本発明に係る液晶表示装置の一例を示す断面模式図である。
【図5】対照例1で評価した偏光光源装置の構成及びそれの輝度測定の状態を示す断面模式図である。
【図6】実施例1で評価した偏光光源装置の構成及びそれの輝度測定の状態を示す断面模式図である。
【図7】従来の透過型液晶表示装置の構成を示す断面模式図である。
【符号の説明】
10……積層偏光フィルム、
11……吸収型偏光フィルム、
12……反射型偏光フィルム、
13……αが1.09以下の位相差層、
14……光拡散層、
21……背面側吸収型偏光フィルム、
22……背面側光学補償フィルム、
30……液晶セル、
31,32……透明電極、
33……液晶層、
41……前面側吸収型偏光フィルム、
42……前面側光学補償フィルム、
51……光源、
52……導光板、
53……反射板、
54……反射鏡、
55……拡散シート、
56……レンズシート、
60……光源装置、
64……偏光光源装置、
65……透過型液晶表示装置、
71……吸収型偏光フィルムの偏光透過軸、
72……反射型偏光フィルムの偏光透過軸、
73……αが1.09以下の位相差層の光軸、
80……対照例、実施例及び比較例で用いた光源装置、
81……ガラス板、
82……感圧接着剤、
83……対照例で評価した積層フィルム、
85……対照例で用いた偏光光源装置、
86……実施例で用いた偏光光源装置、
89……輝度計、
90……従来の透過型液晶表示装置、
91……従来の偏光光源装置。

Claims (9)

  1. 吸収型偏光フィルムと、反射型偏光フィルムと、位相差層とが、この順に積層されてなり、該位相差層は、垂直方向からの入射光に対するレターデーションをR(0) とし、遅相軸を傾斜軸として40度傾斜した方向からの入射光に対するレターデーションをR(40)としたときの両者の比 α=R(40)/R(0) が1.09以下であることを特徴とする積層偏光フィルム。
  2. 位相差層の面内位相差値が1/4波長である請求項1に記載の積層偏光フィルム。
  3. さらに、面内位相差値30nm以下の光拡散層が少なくとも1層積層されている請求項1又は2に記載の積層偏光フィルム。
  4. 光拡散層が接着性を有する請求項3に記載の積層偏光フィルム。
  5. 隣り合うフィルム又は層の少なくとも一対が感圧接着剤により密着積層されている請求項1〜4のいずれかに記載の積層偏光フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の積層偏光フィルム、光源部材及び反射板を備え、該光源部材及び反射板が、この順で積層偏光フィルムの位相差層側に配置されていることを特徴とする偏光光源装置。
  7. 請求項6に記載の偏光光源装置、液晶セル及び前面側吸収型偏光フィルムを備え、該液晶セル及び前面側吸収型偏光フィルムがこの順で偏光光源装置の積層偏光フィルム側に配置されていることを特徴とする液晶表示装置。
  8. 液晶セルと前面側吸収型偏光フィルムとの間に、面内位相差値30nm以下の光拡散層が積層されている請求項7に記載の液晶表示装置。
  9. 積層偏光フィルムから前面側吸収型偏光フィルムに至る各部材の隣り合う少なくとも一対が感圧接着剤により密着積層されている請求項7又は8に記載の液晶表示装置。
JP2002263701A 2002-09-10 2002-09-10 積層偏光フィルム及びそれの光学装置への適用 Pending JP2004101873A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002263701A JP2004101873A (ja) 2002-09-10 2002-09-10 積層偏光フィルム及びそれの光学装置への適用

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002263701A JP2004101873A (ja) 2002-09-10 2002-09-10 積層偏光フィルム及びそれの光学装置への適用

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004101873A true JP2004101873A (ja) 2004-04-02

Family

ID=32263348

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002263701A Pending JP2004101873A (ja) 2002-09-10 2002-09-10 積層偏光フィルム及びそれの光学装置への適用

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004101873A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101334558B (zh) * 2007-06-29 2011-04-20 群康科技(深圳)有限公司 背光模组及液晶显示器

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101334558B (zh) * 2007-06-29 2011-04-20 群康科技(深圳)有限公司 背光模组及液晶显示器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7820252B2 (en) Transflective film, transflective polarizer, and polarizing light source device and liquid crystal display device using the same
JP4248974B2 (ja) 光源装置および液晶表示装置
JP4294250B2 (ja) 液晶表示装置
JP4225042B2 (ja) 半透過半反射性偏光フィルム並びにそれを用いた偏光光源装置及び液晶表示装置
US7393570B2 (en) Broad-band-cholesteric liquid-crystal film, process for producing the same, circularly polarizing plate, linearly polarizing element, illiminator, and liquid-crystal display
JP2004354678A (ja) 偏光光源装置及び液晶表示装置
EP2053431A2 (en) Polarization control system and display device
KR20140140539A (ko) 액정 표시 장치
KR20020001594A (ko) 도광판, 면광원 장치 및 반사형 액정 표시 장치
JP2001215333A (ja) 半透過半反射性偏光素子
JP4271951B2 (ja) 楕円偏光板及び液晶表示装置
US6952245B2 (en) Polarizing plate having polarizer sides covered with low moisture permeable layers with permeability different than protective films covering the polarizer surfaces
WO2002084389A1 (en) Translucent reflective liquid crystal display
JP2016109994A (ja) 液晶表示装置
KR101813753B1 (ko) 액정표시장치
US20030147042A1 (en) Polarizing element and liquid crystal display
JP4051933B2 (ja) 半透過半反射性偏光素子を備える偏光光源装置及び液晶表示装置
JP2005017466A (ja) 光学素子、集光バックライトシステムおよび液晶表示装置
JP2004038064A (ja) 積層偏光フィルム、偏光光源装置及び液晶表示装置
JP2004037988A (ja) 積層偏光フィルム及びそれの光学装置への適用
JPH113608A (ja) 表示素子の照明方法及び液晶表示装置
US8339548B2 (en) Optical element covering member, backlight and liquid crystal display
JP2002006143A (ja) 導光板、面光源装置及び反射型液晶表示装置
JP2003215570A (ja) 半透過半反射型液晶表示装置とそれ用の光源装置及びフィルム
JP2001235623A (ja) 半透過半反射性偏光素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050808

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20080129

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20080512

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080723

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080805

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20081209