JP2004101682A - 画像形成装置 - Google Patents

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Hideo Nanataki
七瀧 秀夫
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Abstract

【課題】記録材Pに未定着像tを形成し、その未定着像tを加熱装置10により該記録材上に加熱定着させる画像形成装置おいて、ホットオフセット防止と待機時間短縮の両立を図る。
【解決手段】ホットオフセットを防止するために定着温度に上限温度(待機温度)を設け、この上限温度以下に熱伝導回転体(定着ローラ)1の温度が下がるまで作像を待機させる制御を行う画像形成装置であって、この上限温度を装置が検知する温湿度によって変更する。具体的には絶対湿度が高いほど、上限温度を上げる(緩和する)制御を行う。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録材に未定着像を形成し、その未定着像を加熱装置により該記録材上に加熱定着させる画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
便宜上、電子写真複写機・プリンタ・ファックス等の画像形成装置を例にして説明する。
【0003】
画像形成装置における定着装置は、画像形成装置の作像部に於いて電子写真・静電記録・磁気記録などの適宜の画像形成プロセス手段により、加熱溶融性の樹脂等よりなるトナー(顕画剤)を用いて記録材の面に直接方式若しくは間接(転写)方式で形成したトナー画像を記録材面に永久固着画像として加熱定着処理をする加熱装置である。
【0004】
従来、そのような定着装置としては、ハロゲンランプ等の熱源を内蔵させて所定の定着温度に加熱・温調した定着ローラ(熱ローラ)と加圧ローラとの回転ローラ対を形成して、該ローラ対の圧接ニップ部(定着ニップ部)に被加熱材としての、未定着トナー画像を形成担持させた記録材を導入して挟持搬送させることで未定着のトナー画像を記録材面に加熱定着させるローラ定着装置がある。
【0005】
通常、この装置ではハロゲンヒータの点灯を制御してローラを所定温度に保つために、ローラ表面にサーミスタ等の温度検出手段を接触させて温度検出を行う。この検出温度に基づき温度制御手段は、ハロゲンヒータの点灯を制御し、ローラ表面温度を所定温度に維持する。
【0006】
ローラはアルミニウムや鉄の芯金の表面にフッ素系樹脂や耐熱弾性材の被覆層を設けるのが一般的である。
【0007】
高速画像形成装置やフルカラー画像形成装置では、ハロゲンヒータを内包する加熱ローラにおいても弾性被覆層を設けて高速化、高画質化に対応している。
【0008】
上記弾性加熱ローラにおいては、弾性層が断熱的であるためハロゲンヒータの点消灯に対する表面温度の応答性が乏しく、特に連続通紙直後にはローラ表面温度が目標温度を超えて上昇(オーバーシュート)する場合がある。このような状態でプリントを開始し定着すると、未定着画像が過加熱となり、トナーとローラ表面との親和力が増してローラ表面にトナーが付着したり、定着画像表面の平滑性が失われて画質が低下したりするホットオフセットという問題が発生する。
【0009】
トナーについて言えば、より融けにくいトナーはホットオフセットし難いが、そのようなトナーは定着不良となり易い傾向がある。一般にホットオフセットが定着上限温度を決定し、定着不良(コールドオフセット)が定着下限温度を決定する。従ってこれらの上下限温度のマージンが広いトナーであるほど上記問題は発生しにくいことになる。
【0010】
一方、中心にワックスを保持する球形殻構造からなるトナーは、自身が溶融して析出するワックスにより離型性を確保して、ローラ表面に油膜等の離型剤を塗布する必要が無くなる利点があるものの、上記オーバーシュートによる温度変動に対して、球形殻が溶融してワックスが十分しみ出す温度と、球形殻が過加熱状態となる温度とのマージンを十分確保できない場合がある。
【0011】
上記トナーを使いこなすためには、狭い温度範囲に定着温度を制御する技術が必要となる。
【0012】
例えば、ローラ表面温度が所定温度(待機温度)に下がるまでプリント開始を待たせる制御を行うことが考案されている。特開平10−39677号公報によれば、上記待機温度を紙種およびプリントモードに応じて変更することが開示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、全環境に対してホットオフセットを満足する待機温度を設定した場合、プリント開始が遅れて長時間待たされるという問題が発生する。
【0014】
したがって、ホットオフセットやコールドオフセットが発生しない、待機時間を短縮した高速・高画質画像形成装置が要望されている。
【0015】
本発明はこのような要望に応え得る画像形成装置を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記の構成を特徴とする画像形成装置である。
【0017】
(1)記録材に未定着像を形成し、加熱装置により該記録材上に定着像を形成する画像形成装置であって、
上記加熱装置は、上記記録材に表面が接触可能に配設される熱伝導回転体と、該熱伝導回転体を加熱する加熱手段と、該熱伝導回転体の温度を検知する温度検知手段とを備え、上記記録材が上記熱伝導回転体に接触しながら搬送・加熱されることにより加熱処理を施す加熱装置であって、
上記画像形成装置は、上記温度検知手段により得た温度情報を基に上記加熱手段を制御する温度制御手段と、環境湿度、または環境温湿度を検知する環境検知手段とを具備し、上記熱伝導回転体が所定の待機温度以上である間、画像形成の開始を延期する制御モードを備えていて、
上記環境検知手段により検知された湿度、または温湿度に応じて、上記待機温度を変更することを特徴とする画像形成装置。
【0018】
(2)環境検知手段により検知された湿度が低くなるに従い待機温度をより低く変更することを特徴とする(1)記載の画像形成装置。
【0019】
(3)環境検知手段により検知された温度が高くなるに従い待機温度をより低く変更することを特徴とする(1)又は(2)の何れか一つに記載の画像形成装置。
【0020】
(4)環境検知手段により検知された温度及び湿度より環境の絶対湿度を計算し、該絶対湿度が低くなるに従い待機温度をより低く変更することを特徴とする(1)記載の画像形成装置。
【0021】
(5)記録材の種類に応じて個別に待機温度を備えることを特徴とする(1)乃至(4)の何れか一つに記載の画像形成装置。
【0022】
(6)記録材両面に画像形成可能ならしめる自動両面機構を具備し、上記自動両面機構を作動させる記録材に対して画像形成を開始する際に、待機温度を下げることを特徴とする(1)乃至(5)の何れか一つに記載の画像形成装置。
【0023】
(7)未定着画像は有色粉体からなるトナーで形成され、該トナーは中心にワックスを保持する球形殻構造を成すことを特徴とする(1)乃至(6)の何れか一つに記載の画像形成装置。
【0024】
〈作 用〉
すなわち本発明は、ホットオフセットを防止するために定着温度に上限温度(待機温度)を設け、この上限温度以下に熱伝導回転体の温度が下がるまで作像を待機させる制御を行う画像形成装置であって、この上限温度を装置が検知する温湿度によって変更する。具体的には絶対湿度が高いほど、上限温度を上げる(緩和する)制御を行う。
【0025】
環境温湿度の情報により記録材の状態(熱容量や温度)を予測し、それぞれの状態に応じた定着上限温度を設定することにより、待機時間を最小限に抑えることができる。
【0026】
また、自動両面機構により記録材の状態が変化することを予想し、これに応じた定着上限温度を設定することにより、待機時間を最小限に抑えることができる。
【0027】
また、記録材の種類に応じた定着上限温度を設定することにより、待機時間を最小限に抑えることができる。
【0028】
また、中心にワックスを内包した球形殻構造をもつトナーは、自身の離型効果により適正温度域でのローラ汚れ(オフセット)を防止することができる。
【0029】
上記作用により、ホットオフセットやコールドオフセットが発生しない、待機時間を短縮した高速・高画質画像形成装置を提供できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
〈実施形態例1〉(図1〜5)
(1)画像形成装置例
図1は本実施形態例1における画像形成装置の一例の概略構成図である。本例の画像形成装置は、電子写真方式、タンデム型、中間転写ベルト型、のフルカラープリンタであり、A3サイズの記録材を通紙可能な装置である。
【0031】
Y、M、C、Bkは4つの電子写真画像形成部であり、それぞれ、イエロー色、マゼンタ色、シアン色、ブラックのトナー画像を形成する画像形成部である。
【0032】
17は中間転写体である中間転写ベルトであり、駆動ローラ17a、2次転写対向ローラ17b、ターンローラ(テンションローラ)17cの3つのローラ間に懸回張設してある。上記4つの画像形成部Y、M、C、Bkは、テンションローラ17cと駆動ローラ17aとの間の水平の中間転写ベルト部分の上側に図面上左側から右側に一定の間隔をおいて順に一列に配置してある。
【0033】
中間転写ベルト17には、ポリイミド樹脂にカーボンを分散させて体積抵抗率を略10Ω・cmに調整した厚み0.1mmのシームレスベルトを用いている。この中間転写ベルト17は駆動ローラ17aが駆動系m1により回転駆動されることで矢印の時計方向に所定のプロセス速度で回転駆動される。
【0034】
各画像形成部Y、M、C、Bkには、それぞれ像担持体としての感光ドラム11a〜11dが設置されている。各感光ドラムの周囲には、1次帯電器12a〜12d、レーザースキャナ13a〜13d、現像器14a〜14d、クリーニング装置16a〜16dがそれぞれ設置されている。各現像器14a〜14dには、それぞれイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーが収納されている。
【0035】
各画像形成部Y、M、C、Bkの感光ドラム11a〜11dの下面には中間転写ベルト17を介して、中抵抗(1KV印加時のニップ形成での実抵抗が10〜1010Ω)の弾性材を芯金に被覆した1次転写ローラ15a〜15dを圧接させて配設して、それぞれ感光ドラム11a〜11dと中間転写ベルト17との間で1次転写ニップ部Ta〜Tdを形成させている。
【0036】
18は中抵抗の抵抗値を有するEPDM発泡層で芯金を被覆した2次転写ローラであり、2次転写対向ローラ17bに対して中間転写ベルト17挟ませて圧接させて配設して、中間転写ベルト17と2次転写対向ローラ17bとの間で2次転写ニップ部Teを形成させている。
【0037】
19は中間転写ベルト17の面を清掃するブレード式のベルトクリーニング装置であり、ターンローラ17cの位置において中間転写ベルト17の外面側に配設してある。
【0038】
10は記録材上の画像を加熱定着させる加熱装置(以下、定着装置と記す)であり、2次転写ニップ部Teよりも記録材搬送方向下流側位置に配設してある。
【0039】
20は環境検知手段であるところの温湿度センサーで、本体内の機内昇温の影響を受けにくい場所に設置してあり、装置が置かれている環境温湿度をモニターし、これを本体内制御回路100に伝える。制御回路100は画像形成装置全体の作像シーケンス制御を司る。
【0040】
画像形成動作開始信号(プリント開始信号)が発せられると、各画像形成部Y、M、C、Bkの感光ドラム11a〜11dが矢印の反時計方向に、また中間転写ベルト17が矢印の時計方向に、所定のプロセス速度(周速度=100mm/sec)で回転駆動される。各感光ドラム11a〜11dは、それぞれ1次帯電器12a〜12dによって一様に本実施の形態では約−170Vに一様に帯電される。
【0041】
そして、各画像形成部Y、M、C、Bkのレーザースキャナ13a〜13dはホストコンピュ−タより送られたフルカラー画像情報の色分解画像信号に対応して変調されたレーザー光を出力して各感光ドラム11a〜11dの一様帯電処理面を走査露光する。これにより各感光ドラム11a〜11dにそれぞれフルカラー画像の色分解画像パターン(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各画像パターン)に対応した静電潜像が形成される。
【0042】
レーザー光の強度及び照射スポット径は画像形成装置の解像度及び所望の画像濃度によって適正に設定されており、感光ドラム11a〜11d上の静電潜像はレーザー光が照射された部分は明部電位V(約−100V)に、そうでない部分は1次帯電器12a〜12dで帯電された暗部電位V(約−700V)に保持されることによって形成する。
【0043】
各感光ドラム11a〜11d上の静電潜像は感光ドラムの回転により、現像器14a〜14dとの対向部に達し、同一極性(本例ではマイナス極性)に帯電されたトナーが供給されて顕像化される。すなわち各感光ドラム11a〜11dにはそれぞれフルカラー画像の色分解画像パターンであるイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像が形成される。
【0044】
そして、各1次転写ニップ部Ta〜Tdにおいて中間転写体である中間転写ベルト17上に各感光ドラム11a〜11d上の上記イエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像を順次に重畳転写してフルカラートナー画像を合成する。
【0045】
中間転写ベルト17と各感光ドラム11a〜11dのなす各1次転写ニップ部Ta〜Tdでは、中間転写ベルト17の背面に接している1次転写ローラ15a〜15dに印加された、トナーと逆極性の電圧(+100〜+1000V)によって1次転写ニップ域に形成された電界によりトナー像は1次転写される。
【0046】
中間転写ベルト17が最後の画像形成部Bkの感光ドラム11dとの1次転写ニップ部Tdを通過した段階でフルカラートナー画像が中間転写ベルト17上に重畳合成形成されて担持され、1次転写行程は完了する。
【0047】
一方、中間転写ベルト17に対するトナー像の1次転写を終えた各感光ドラム11a〜11dの表面はクリーニング装置16a〜16dによりそれぞれ表面を清掃された後、次の画像形成工程に備える。
【0048】
そして、中間転写ベルト17上のフルカラートナー画像の先端が2次転写ニップ部Teに到達するタイミングに合わせて、不図示の給紙手段部よりカットシート状の記録材Pが1枚給送され、レジストローラ対21で同期取りされて、2次転写ニップ部Teに挿入される。この時、2次転写ローラ18にはトナーと逆極性の電圧(+1K〜+6KV)が印加され、フルカラートナー画像は中間転写ベルト17から記録材Pに2次転写される。
【0049】
2次転写ニップ域を出た、未定着フルカラートナー画像を載せた記録材Pは、定着装置10に到達し、加熱・加圧されて永久定着像が得られる。
【0050】
フルカラートナー画像を記録材Pに転写し終えた中間転写ベルト17の表面は、ベルトクリーニング装置19のウレタンゴムからなるクリーニングブレード19aによって2次転写後の残トナーを廃トナーボックス19bへと掻き落とすことにより清掃される。
【0051】
モノクロ画像形成モードは、上記4つの画像形成部Y、M、C、Bkのうちブラックのトナー画像を形成する画像形成部Bkのみが作像動作することで実行される。
【0052】
(2)定着装置10
図2は定着装置10の概略構成模型図である。この定着装置10は、熱伝導回転体であるところの定着ローラ1と、回転加圧部材としての加圧ローラ3を主体とする。
【0053】
定着ローラ1は、その内空に配設した発熱体としてのハロゲンヒータ2の発熱を伝熱及び輻射により受け、自身の熱伝導により記録材に接触する周面が所定温度に保たれる。定着ローラ1は、厚み3mmのアルミニウム製芯金1aと、該芯金の外周を被覆させた2mm厚のシリコーンゴムからなる弾性層1b、さらにその外周を被覆させた50μm厚のPFA樹脂1c、からなる外径50mmの弾性ローラである。
【0054】
加圧ローラ3は、芯金3aと、該芯金の外周を被覆させた3mm厚のシリコーンゴムからなる弾性層3b、さらにその外周を被覆させた50μm厚のPFA樹脂3c、からなる外径40mmの弾性ローラである。
【0055】
上記の定着ローラ1と加圧ローラ3は互いに上下に圧接させて不図示の装置筐体に組み込んで、両者1・3間に所定幅の定着ニップ(加熱ニップ)部Nを形成させてある。
【0056】
定着ローラ1は駆動手段m2により図2において矢印の時計方向に回転駆動され、加圧ローラ3は定着ニップ部N内の摩擦により反時計方向に従動回転する。
【0057】
ハロゲンヒータ2は700W(100V時)の出力で、電源(不図示)内にあるトライアックにより電流のON/OFFを供給されて点灯・消灯する。
【0058】
定着ローラ1には、温度測定手段であるところのサーミスタ5を配設してある。このサーミスタ5による検知温度を基に、制御回路100は前記トライアックのON/OFFを制御して定着ローラ1の表面温度を所定温度T(約180℃)に温調制御する。
【0059】
而して、定着ローラ1と加圧ローラ3との間の定着ニップ部Nに被加熱材としての、未定着トナー像tを担持した記録材Pが導入されることで、記録材Pは定着ローラ1の外面に密着して該定着ローラ1と一緒に定着ニップ部Nを通過していき、該定着ニップ部通過過程で、定着ローラ1からの熱伝導によってトナー像tが加熱されてトナー像の加熱定着がなされる。定着ニップ部Nを通った記録材Pは定着ニップ部Nの出口側で定着ローラ1の外面から分離されて搬送される。
【0060】
(3)トナー
本画像形成装置で用いたトナーは中心にワックス成分を内包する球形殻形態のトナーで化学重合法により生成したものである。
【0061】
本トナーの特徴は内包するワックス成分が定着動作時に離型剤として作用し、定着ローラ1表面へトナーが付着するのを防止できる点にある。従って、本例の定着装置10においては定着ローラ1の表面にオイル塗布や清掃を行うなどの複雑な機構は必要ない。
【0062】
このトナーにおいてワックスを中心部からしみ出させるためには、球形殻を成す樹脂を十分溶融する必要があり、より低い温度に軟化点を持つことが要求される。一方、そのような球形殻を成す樹脂は低分子成分を多く含む傾向があり、過加熱によりホットオフセットが発生しやすくなる場合がある。
【0063】
(4)ホットオフセット
ホットオフセットの発生には複数の要因が関連していると考えられ、その一つには上述のトナーによる差をあげることができる。
【0064】
さらにホットオフセットは環境、特に湿度に応じて発生温度が変化することがわかった。図3に60g/mの坪量の紙を用いた場合の環境によるホットオフセット発生温度(上限温度)と、コールドオフセット発生温度(下限温度)を示す。低湿環境で記録材の含水量が低い場合には低い定着温度でもホットオフセットが発生し、高湿環境で記録材の含水量が高い場合には比較的高い定着温度でもホットオフセットは発生しない。これは記録材の含水率が高いと、記録材の熱容量が大きくなって温度が上がりにくくなるとともに、定着ローラ1の熱を奪いやすくなるため定着ローラ1の表面温度が下げられて、ホットオフセットが発生しにくい状況になるからであると考えられる。
【0065】
また同じ含水量であれば環境温度が高い方がホットオフセットし易くなるが、含水量が異なる場合には、環境温度の差より含水量がホットオフセット支配されることがわかった。
【0066】
この記録材の含水量は環境の絶対湿度に比例し、絶対湿度は環境センサー20で検知された温度と相対湿度とからルックアップテーブル(LUT)を用いて求めることができる。
【0067】
(5)オーバーシュート
本画像形成装置に搭載している定着装置10は前述のように定着ローラ1に弾性層1bを設けてある。この弾性層1bはフルカラー画像の平滑性、光沢性を得るために重要な役割を担っているものの、芯金1aの金属に比較して断熱的な挙動を示す。この断熱性のため、ハロゲンヒータ2によって放出された熱は定着ローラ1の表面に伝達するまで時間がかかり、プリント終了後に定着ローラ1の表面温度はオーバーシュートする。
【0068】
図4は本画像形成装置で100g/mの坪量のA4紙を、15℃/10%環境において20PPMのスループットで連続プリントした後の定着ローラ1の表面温度のオーバーシュート(最高到達温度:約210℃)を示したものである。
【0069】
このオーバーシュートは、定着温度が高いほど、記録材の坪量が大きいほど高くなる傾向があり、弾性層1bが厚くなるほど高くなる。
【0070】
(6)待機温度
本画像形成装置では上記オーバーシュートが発生した場合に、次のプリント動作でホットオフセットが発生するのを避けるために待機温度を設定する。つまり定着ローラ1の表面温度が待機温度以上である場合、待機温度未満になるまで次のプリントの画像形成開始を遅らせる制御を行う。
【0071】
従来この待機温度はホットオフセットが発生する上限温度に設定している。しかしながら、本件の検討によれば上記(4)項で説明したようにホットオフセットが発生する上限温度は環境の温湿度の影響を受けることが判っており、この結果に基づき、本例では環境センサー20の検知した温湿度により待機温度を変化させる。
【0072】
すなわち、環境検知手段により検知された湿度が低くなるに従い待機温度をより低く変更する。あるいは環境検知手段により検知された温度が高くなるに従い待機温度をより低く変更する。あるいは環境検知手段により検知された温度及び湿度より環境の絶対湿度を計算し、該絶対湿度が低くなるに従い待機温度をより低く変更する。
【0073】
本例では、環境検知手段により検知された温度及び湿度より環境の絶対湿度を計算し、該絶対湿度が低くなるに従い待機温度をより低く変更する。実際に、図5に示す流れで制御を行う。
【0074】
ステップ1) スタンバイ制御開始時に、環境センサー20で検知した温度及び湿度により絶対湿度を計算(LUTからの一次補間値)する。スタンバイ状態が続く場合には環境が変化に追従するために一定時間(例えば30分)毎に絶対湿度の計算の更新を行う。
【0075】
ステップ2) 上記絶対水分量に基づき、次回のプリント待機温度を変更する。本例では実験結果より得られた式1にしたがって、待機温度変更量を算出し、これを基準待機温度(195℃)に加えることによって待機温度を変更する。
【0076】
ステップ3) プリント動作が行われる前に、待機温度に対する定着ローラ温度の判定を行う。定着ローラ温度が待機温度以上である場合には、温度が下がるまでプリントを延期させる。
【0077】
ΔT=0.5χ−10
ΔT:待機温度変更量(deg)
χ:絶対湿度(g/Kg)
これによりホットオフセットを防止し且つ、待機時間を最小限に抑えることが可能となる。
【0078】
(7)比較結果
待機温度に関して、上記画像形成装置で環境センサー20の値によるシフト制御を入れた場合と、入れない場合とで比較検討を行った。100g/mの坪量のA4紙を20枚連続通紙した後に、60g/mの坪量のA4紙を1枚通紙し、ホットオフセット発生の有無と、1枚目を出力するまでの経過時間を比較した。
【0079】
H/H:30℃/80%、N/N:23℃/60%、L/L:15℃/10%の各環境における結果を表1に示す。また絶対湿度を含水率に比例するものとして示した。
【0080】
【表1】
Figure 2004101682
【0081】
表1に示したように一律に待機温度を低く設定すると、ホットオフセットは改善されるものの環境に拠らず待機時間は著しく伸びることが判る。
【0082】
一方、環境センサーによりシフト制御した場合には、常湿〜高湿環境にかけて待機時間を大幅に短縮できる。
【0083】
本実施形態例の変形例として、定着装置10の熱伝導回転体としてフィルム、または弾性層を被覆したフィルムを用いても良い。
【0084】
また、環境の絶対湿度を得るのに、1次転写ニップ或いは2次転写ニップを流れる電流を測定する事により推定しても良い。
【0085】
〈実施形態例2〉(図6〜8)
本実施形態例の画像形成装置は図6に示すように、前述図1の装置との対比において、自動両面給紙装置30を具備しており、図7に示すフローで制御される点が異なる。本例では待機温度に関して、自動両面給紙装置30を用いるプリントモードに対して異なる制御を行う。
【0086】
a)自動両面給紙装置30
自動両面給紙装置30は、一度定着装置10を通過した記録材を、画像形成装置内で反転させて裏側を記録面として再給紙する装置である。この装置を用いることにより、ユーザーが再び再給紙させなくても、両面印刷が可能になる。
【0087】
すなわち、両面印刷モードの場合は、定着装置10を出た第1面印刷済みの記録材Pが第1フラッパ31の姿勢切換えで自動両面給紙装置側のシートパス32側に進路切換えされて、正回転駆動されているスイッチバックローラ対33によりスイッチバックパス34に送り込み搬送される。
【0088】
その記録材の後端部が第2のフラッパ35を通過した時点でスイッチバックローラ対33が逆回転駆動に切換えられることで該記録材がスイッチバックパス34から引き出し搬送され、第2フラッパ35の姿勢切換えでシートパス36側に進路切換えされて中間トレイ37上に第1面印刷済みの記録材Pが画像面上向きで導入される。
【0089】
複数毎の両面印刷の場合は、同様にして、中間トレイ37上に所定複数毎の第1面印刷済みの記録材Pが画像面上向きで順次に導入されて積載される。
【0090】
記録材の第2面に対する印刷開始信号に基づいて、中間トレイ37の再給紙ローラ38が回転駆動されて中間トレイ37上の第1面印刷済みの記録材Pが順次に一枚分離給送され、シートパス39を通ってレジストローラ対21に送られ、このレジストローラ対21により2次転写ニップ部Teに、第2面上向きの表裏反転状態で再給紙され、その第2面に対するトナー画像の2次転写を受ける。
【0091】
第2面に対するトナー画像の2次転写を受けた記録材Pは定着装置10に再度導入されて第2面に対するトナー画像の定着処理を受け、第1フラッパ31の姿勢切換えにより排出搬送される。
【0092】
上記のような両面印刷の際、記録材Pは再給紙を経て2回定着装置10を通過する。1回目の定着装置通過によって記録材Pの水分は奪われ、記録材自身の温度も上昇する。従って、2回目に定着装置10を通過する時には、記録材の熱容量は小さくなりホットオフセットが発生しやすい状況となる。この様子は図8の両面時ホットオフセット悪化分として示されている。
【0093】
そこで、本実施形態例では両面印刷を行う場合には、環境制御と併せて待機温度の変更を行ってホットオフセットの防止を行う。特に自動両面給紙装置30を用いる場合は自動的にそれを判定して待機温度補正を行う。
【0094】
以下のステップ(図7)に従って、制御を行う。
【0095】
ステップ1) スタンバイ制御開始時に、環境センサー20で検知した温度及び湿度により絶対湿度を計算する。スタンバイ状態が続く場合には環境が変化に追従するために一定時間(例えば30分)毎に絶対湿度の計算の更新を行う。
【0096】
ステップ2) 上記絶対水分量に基づき、次回のプリント待機温度を変更する。
【0097】
ステップ3) 自動両面印刷が指定された場合、及び手動で給紙口にセットして2面側を印刷する場合には、プリント動作が行われる前にプリント待機温度を補正する。
【0098】
待機温度の変更は図8に示すホットオフセット悪化分の値を基に行う。本例では両面印刷時は待機温度を5deg下げている。
【0099】
ステップ4) プリント動作が行われる前に、待機温度に対する定着ローラ温度の判定を行う。定着ローラ温度が待機温度以上である場合には、温度が下がるまでプリントを延期させる。
【0100】
本例によれば、待機時間を最小にできて、しかも両面印刷時のホットオフセット悪化を防ぐことができる。
【0101】
〈実施形態例3〉(図9、10)
図9はさらなる実施形態例のフローを示す流れ図である。
【0102】
本実施形態例の画像形成装置は前述図1の装置との対比において、図9に示すフローで制御される点を除いて同じである。
【0103】
図10は紙種、特に坪量によるホットオフセットの発生温度を示した図である。坪量が大きくなるにしたがって、記録材の熱容量が大きくなってホットオフセット発生しにくい(発生温度が高くなる)傾向が見られる。また、ホットオフセットの上限温度の環境依存は坪量が小さい記録材ほど大きく、本例ではこの特徴に基づいて、待機温度の環境シフトに加えて紙種に応じて個別に待機温度変更を行う。具体的には表2に示す紙種・環境による待機温度補正一覧及び、式2により求められる待機温度変更量ΔTを基準値(195℃)に加えることによって変更する。式中の第一項は紙種に対する補正項で、第二項は環境に対する補正項を意味する。
【0104】
ΔT=α+(0.5χ−10)・β
ΔT:待機温度変更量(deg)
χ:絶対湿度(g/Kg)
α:補正値(表2参照)
β:補正係数(表2参照)
【0105】
【表2】
Figure 2004101682
【0106】
この待機温度変更量ΔTを用いて以下のステップ(図9)により制御を行う。
【0107】
ステップ1) プリント制御に移行する前に、環境センサー20で検知した温度及び湿度により絶対湿度を計算する。
【0108】
ステップ2) 上記絶対湿度及び、指定された紙種に応じて次回のプリント待機温度を変更する。
【0109】
ステップ3) プリント動作が行われる前に、待機温度に対する定着ローラ温度の判定を行う。定着ローラ温度が待機温度以上である場合には、温度が下がるまでプリントを延期させる。
【0110】
本例で用いた補正によって様々な記録材に対してホットオフセットの防止を確保した上で、待機時間の短縮ができる。
【0111】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ホットオフセットやコールドオフセットが発生しない、待機時間を短縮した高速・高画質画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における画像形成装置の概略構成図
【図2】実施形態例1における画像加熱定着装置の概略構成図
【図3】定着ローラ表面温度とホットオフセット及びコールドオフセットとの関係を示す図
【図4】連続プリント後の定着ローラの表面温度推移を示す図
【図5】実施形態例1の動作フローを説明する図
【図6】実施形態例1における画像形成装置の概略構成図
【図7】実施形態例2の動作フローを説明する図
【図8】定着ローラ表面温度とホットオフセットとの関係を示す図
【図9】実施形態例3の動作フローを説明する図
【図10】定着ローラ表面温度とホットオフセットとの関係を示す図
【符号の説明】
1‥‥定着ローラ、2‥‥ヒータ、3‥‥加圧ローラ、11a〜11d‥‥感光ドラム、17‥‥中間転写ベルト、20・・・・環境センサー

Claims (7)

  1. 記録材に未定着像を形成し、加熱装置により該記録材上に定着像を形成する画像形成装置であって、
    上記加熱装置は、上記記録材に表面が接触可能に配設される熱伝導回転体と、該熱伝導回転体を加熱する加熱手段と、該熱伝導回転体の温度を検知する温度検知手段とを備え、上記記録材が上記熱伝導回転体に接触しながら搬送・加熱されることにより加熱処理を施す加熱装置であって、
    上記画像形成装置は、上記温度検知手段により得た温度情報を基に上記加熱手段を制御する温度制御手段と、環境湿度、または環境温湿度を検知する環境検知手段とを具備し、上記熱伝導回転体が所定の待機温度以上である間、画像形成の開始を延期する制御モードを備えていて、
    上記環境検知手段により検知された湿度、または温湿度に応じて、上記待機温度を変更することを特徴とする画像形成装置。
  2. 環境検知手段により検知された湿度が低くなるに従い待機温度をより低く変更することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 環境検知手段により検知された温度が高くなるに従い待機温度をより低く変更することを特徴とする請求項1又は2の何れか一つに記載の画像形成装置。
  4. 環境検知手段により検知された温度及び湿度より環境の絶対湿度を計算し、該絶対湿度が低くなるに従い待機温度をより低く変更することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  5. 記録材の種類に応じて個別に待機温度を備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一つに記載の画像形成装置。
  6. 記録材両面に画像形成可能ならしめる自動両面機構を具備し、上記自動両面機構を作動させる記録材に対して画像形成を開始する際に、待機温度を下げることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一つに記載の画像形成装置。
  7. 未定着画像は有色粉体からなるトナーで形成され、該トナーは中心にワックスを保持する球形殻構造を成すことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一つに記載の画像形成装置。
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