JP2004101596A - 画像形成方法 - Google Patents

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増田 敏幸
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Abstract

【課題】本発明の目的は、転写方式による画像形成方法において、仮支持体剥離時の着色感光性樹脂層剥がれと現像時におけるが画素剥がれのない画像形成方法を提供することにある。
【解決手段】仮支持体上に少なくとも着色感光性樹脂層が設けられた感光性転写材料を、表面処理された基板の表面に前記着色感光性樹脂層が接するように密着させて積層体を形成する積層体形成工程と、前記積層体から前記仮支持体を剥離する工程と、前記着色感光性樹脂層にパターン露光、現像することによって、前記基板の表面に画素パターンを形成する露光現像工程と、前記現像工程によって形成された前記画素パターンを加熱して硬化させる加熱工程と、を含む画像形成方法であって、前記基板の前記表面処理として予めヘキサメチルジシラザンに接触させることを特徴とする画像形成方法。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶カラーディスプレー等に使用する画像形成方法に関し、特にその液晶ディスプレー用カラーフィルターの画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示用カラーフィルターは、ガラス等の基板上に赤色、緑色、青色のドット状画像をそれぞれマトリックス状に配置し、その境界をブラックマトリックスで区分した構造である。このようなカラーフィルターの製造方法としては、従来、支持体としてはガラス等の基板を用い、1)染色法、2)印刷法、3)着色した感光性樹脂液の塗布と露光及び現像の繰り返しによる着色感光性樹脂液法(着色レジスト法)(例えば、特許文献1,2,3参照。)、4)仮支持体上に形成した画像を順次、最終又は仮の支持体上に転写する方法(例えば、特許文献4,5,6参照。)、5)予め着色した感光性樹脂液を仮支持体上に塗布することにより着色層を形成し、順次直接、基板上にこの感光性着色層を転写し、露光して現像することを色の数だけ繰り返す方法等により多色画像を形成する方法(以下、「転写方式」ともいう。)が知られている(例えば、特許文献7参照。)。その他にも、電着法或いは蒸着法等の方法も知られている。
【0003】
次いで、カラーフィルターの物理的化学的保護と表面の平坦化を目的とする保護膜(オーバーコート層)をその上に形成することがある。保護膜としてはアクリル系、ウレタン系、シリコーン系等の樹脂皮膜や酸化珪素等の金属酸化物皮膜の様な透明性の高い皮膜をスピンコート、ロールコート、印刷法等により塗布し、必要に応じて水平放置、溶剤除去を行い、硬化させるといった方法が一般的に用いられている。更にその上に、スパッタリング法や真空蒸着法等の真空成膜法を用いて、酸化インジウム錫(ITO)や酸化錫のような透明導電性の皮膜を成膜させた後、エッチング法等により電極パターン加工を行い、透明電極層を形成する。透明電極層は、着色画像とブラックマトリックス層の下で、基板の上に形成することもある。
【0004】
カラーフィルター製造に関する着色画像形成の従来の主な方法において、1)染色法ではフォトレジスト塗布及び乾燥した透明な膜の部分的染色を繰り返すため、防染層の形成と除去の反復が必要であり、製造工程が煩雑であった。2)印刷法では、ガラスへの印刷インキの転写性が劣るため、着色パターンの形状欠陥や濃度むらを生じ易く、更に3色或いは4色のパターンの位置合わせの点でも不利であり、この方法による品質の良いフィルターの作製は困難であった。3)の方法では、着色層の濃度は着色層の厚みで決まるため、着色層の濃度を一定にするためには極めて精密な塗布技術を必要とした。更に、第1色目を形成後、第2色目の着色層を塗布するのは、第1の着色層に基づく表面の凹凸のため、実際には均一な塗布層を得るのが困難であった。更に、4)の方法は最終支持体への着色画像の転写時に各色の画像を所望の位置に正しく配置する(以下、「位置合わせ」ともいう。)ことが困難であった。
【0005】
これに対し、上記5)の転写方式は、着色画像の形成の工程が簡略化され、露光や現像、濃度管理が容易であり、更に各着色画像の位置合わせに関して転写操作でのズレを生成しないので本質的に優れている。また、予め一定の厚さで均一に塗布された着色感光性樹脂層を転写することから、露光及び現像特性も安定し、得られる最終着色画像の光学濃度管理も容易である。
【0006】
しかしながら、前記転写方式においては、仮支持体に着色感光性樹脂層がコーティングされた感光性転写材料(以下、「転写フィルム」ともいう。)をラミネータを用いて洗浄済み基板に熱転写した後、仮支持体を剥がしてパターン露光し、現像するという工程を色数だけ繰り返すため、基板と着色感光性樹脂層の密着が弱いと、仮支持体を剥がす際に、着色層も一緒に剥がれてしまったり、現像時に画素剥がれが生じたりすることがある。そのために、基板の下地処理として転写に先立ってシランカップリング剤処理が行なわれる。シランカップリング剤処理は、水溶液に基板を浸漬したり、水溶液をシャワーすることにより行なうが、水溶液中でシランカップリング剤が凝集してゲルになって基板に付着したり、処理液が疲労して密着性が低下するような問題を起こす。また、処理液の疲労化のため、基板と着色感光性樹脂層の密着が弱くなり、仮支持体を剥がす際に、着色層も一緒に剥がれてしまったり、現像時に画素剥がれが生じたりとの問題は依然残り、その改善が求められている。
【0007】
【特許文献1】
特開昭63−298304号公報(第2〜9頁)
【特許文献2】
特開昭63−309916号公報(第1〜7頁)
【特許文献3】
特開平1−152449号公報(第2〜9頁)
【特許文献4】
特開昭61−99103号公報(第6〜11頁)
【特許文献5】
特開昭61−233704号公報(第1〜9頁)
【特許文献6】
特開昭61−279802号公報(第1〜7頁)
【特許文献7】
特開昭61−99102号公報(第6〜10頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、転写方式による画像形成方法において、仮支持体剥離時の基板からの着色感光性樹脂層剥がれと現像時におけるが画素剥がれのない画像形成方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記の手段により達成された。
<1> 仮支持体上に少なくとも着色感光性樹脂層が設けられた感光性転写材料を、表面処理された基板の表面に前記着色感光性樹脂層が接するように密着させて積層体を形成する積層体形成工程と、前記積層体から前記仮支持体を剥離する工程と、前記着色感光性樹脂層にパターン露光、現像することによって、前記基板の表面に画素パターンを形成する露光現像工程と、前記現像工程によって形成された前記画素パターンを加熱して硬化させる加熱工程と、を含む画像形成方法であって、前記基板の前記表面処理として予めヘキサメチルジシラザンに接触させることを特徴とする画像形成方法。
<2> 前記基板が透明ガラス基板であることを特徴とする上記<1>に記載の画像形成方法。
<3> 前記基板がTFTアレイ基板であることを特徴とする上記<1>または<2>に記載の画像形成方法。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の画像形成方法は、仮支持体上に少なくとも着色感光性樹脂層が設けられた感光性転写材料を、表面処理された基板の表面に前記着色感光性樹脂層が接するように密着させて積層体を形成する積層体形成工程と、前記積層体から前記仮支持体を剥離する工程と、前記着色感光性樹脂層にパターン露光、現像することによって、前記基板の表面に画素パターンを形成する露光現像工程と、前記現像工程によって形成された前記画素パターンを加熱して硬化させる加熱工程と、を含む画像形成方法であって、前記基板の前記表面処理として予めヘキサメチルジシラザンに接触させることを特徴とする。
以下、感光性転写材料、着色感光性樹脂層、基板、画像形成方法等について詳細に説明する。
【0011】
《感光性転写材料》
先ず、着色された感光性樹脂層を仮支持体上に設けた感光性転写材料について述べる。本発明で用いる感光性転写材料は、後工程で除去可能な仮支持体上に、少なくとも前記着色感光性樹脂層が設けられており、必要に応じて、仮支持体と該着色感光性樹脂層との間に、熱可塑性樹脂層(以下、「クッション層」ともいう。)と、中間層がこの順序に積層されてなる構造を有する。また、前記感光性樹脂層の上には、保存時に該感光性樹脂層を傷、損傷等から保護する目的で、保護層が形成されていてもよい。
【0012】
本発明における前記積層体は、表面処理された基板の表面と、仮支持体上に少なくとも着色感光性樹脂層が設けられた感光性転写材料とが接するようにラミネート等によって密着させることで得られる。
【0013】
<仮支持体>
前記仮支持体としては、可撓性を有し加圧、或いは加圧および加熱下においても著しい変形、収縮もしくは伸びを生じないことが必要である。そのような仮支持体の例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルローズフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等を挙げることができる。特に、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが、機械的および熱的特性に優れている点で好ましい。
【0014】
仮支持体の厚みとしては、5〜300μmが適当であり、特に20〜150μmが好ましい。仮支持体の厚みが前記範囲よりも小さいと、感光性転写材料を転写すべき基板と貼り合わせる際にシワが発生しやすく、また、厚みが前記範囲よりも大きいと感光性転写材料のシートカッティング時にゴミを発生しやすい。また、前記仮支持体には帯電防止剤を含有させてもよいし、表面に導電層を設けてもよい。
【0015】
<感光性樹脂層>
感光性樹脂層は少なくとも150℃以下の温度で軟化もしくは粘着性を帯びることが好ましく、そのため熱可塑性であることが好ましい。公知の光重合性組成物を用いた層の大部分は上記性質を有するが、公知の感光性樹脂層の一部は、熱可塑性バインダーの添加あるいは相溶性の可塑剤の添加によって更に改質することが出来る。
【0016】
本発明の感光性樹脂層の主剤としては公知の感光性樹脂を使用することができる。具体的には、ネガ型ジアゾ樹脂とバインダーとからなる感光性樹脂、光重合性組成物、アジド化合物とバインダーとからなる感光性樹脂組成物、桂皮酸型感光性樹脂組成物、光重合性樹脂等があげられる(以下、これらを総称して「感光性樹脂組成物」ともいう。)。その中でも、特に好ましいのは光重合性樹脂である。該光重合性樹脂は、光重合開始剤、光重合性モノマーおよびバインダーを基本構成要素として含む。該感光性樹脂としては、アルカリ水溶液で現像可能なものと、有機溶剤で現像可能なものが知られているが、公害防止および労働安全の確保の観点から、アルカリ水溶液で現像可能なものが好ましい。
【0017】
感光性樹脂層には、更に、カラーフィルターの構成色である赤色、緑色、青色、黒色の顔料を添加するが、これら顔料の好ましい具体例としては、カーミン6B(C.I.12490)、フタロシアニングリーン(C.I.74260)、フタロシアニンブルー(C.I.74160)、カーボンブラック等を挙げることができる。着色された感光性樹脂中の顔料の含有量は、1〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜20質量%である。
【0018】
前記感光性樹脂層は、仮支持体上に、前記感光性樹脂組成物と顔料とを溶剤に溶解若しくは分散し調製された溶液若しくは分散液(以下、「感光性樹脂層用塗布液」ともいう。)を塗布した後、乾燥することにより形成することができる。前記感光性樹脂層の膜厚としては、一般には0.5〜3μmが好ましく、通常は、約2μmである。前記感光性樹脂層の膜厚が0.5μm未満であると目的の色度を得ることが困難となり、膜厚が3μmを超えると2色目以降の転写時に気泡が入り易かったり、LCDに組み上げたときに脱ガスが多く、液晶中に気泡が残ることがあり好ましくない。
【0019】
前記仮支持体の上には、着色した感光性樹脂層を直接設けてもよいが、紫外線透過性を有し酸素透過率が低い中間層を介して設けるのが好ましく、転写時の気泡混入を避ける目的で、熱可塑性樹脂層(クッション層)を設けるのがさらに好ましい。この場合は、仮支持体上に熱可塑性樹脂層、中間層、感光性樹脂層の順に積層するのが好ましい。
【0020】
<中間層>
前記中間層は、着色した感光性樹脂層を基板に密着した後で、仮支持体を剥離し、パターン露光するに際し、着色した感光性樹脂層中での光硬化反応を阻害する空気中からの酸素の浸透を防止する為と、3つの層を積層する場合に熱可塑性樹脂層と感光性樹脂層とが混じり合わないようにするためのバリアー層として設けられる。そのため、着色した感光性樹脂層からは機械的に剥離できないようにし、且つ酸素の遮断性能が高いことが好ましい。
【0021】
前記中間層は、ポリマー溶液を仮支持体上に直接または熱可塑性樹脂層を介して塗布することにより形成される。適当なポリマーとしては、特公昭46−32714号および特公昭56−40824号の各公報に記載されているポリビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体、カルボキシアルキルセルロースの水溶性塩、水溶性セルロースエーテル類、カルボキシアルキル澱粉の水溶性塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、各種のポリアクリルアミド類、各種の水溶性ポリアミド、ポリアクリル酸の水溶性塩、ゼラチン、エチレンオキサイド重合体、各種の澱粉およびその類似物からなる群の水溶性塩、スチレン/マレイン酸の共重合体、およびマレイネート樹脂、およびこれらの2種以上の組合せが挙げられる。
【0022】
特に好ましいのは、ポリビニルアルコールとポリビニルピリドンとの組合せである。ポリビニルアルコールは鹸化率が80%以上であるものが好ましく、ポリビニルピロリドンの含有量は中間層固形分の1質量%〜75質量%が好ましく、より好ましくは1質量%〜60質量%、更に好ましくは10質量%〜50質量%である。該含有量が1質量%未満では、感光性樹脂層との十分な密着が得られないことがあり、75質量%を超えると、酸素遮断能が低下することがある。
【0023】
中間層の厚みは非常に薄くてよく、約0.1〜5μmが好ましく、特に0.2〜2μmが好ましい。該厚みが0.1μm未満だと、酸素遮断性能が不十分なことがあり、一方5μmを超えると、現像時または中間層除去時に時間が掛かり過ぎる場合がある。
【0024】
<熱可塑性樹脂層>
前記熱可塑性樹脂層を構成する樹脂としては、軟化点が実質的に80℃以下であることが好ましい。軟化点が80℃以下のアルカリ可溶性の熱可塑性樹脂としては、エチレンとアクリル酸エステルの共重合体の鹸化物、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体の鹸化物、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体の鹸化物、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体の鹸化物等があげられ、それらから少なくとも1つ選ばれるのが好ましい。更に、「プラスチック性能便覧」(日本プラスチック工業連盟、全日本プラスチック成形工業連合会編著、工業調査会刊行、1968年10月25日)による軟化点が約80℃以下の有機高分子の内、アルカリ水溶液に可溶なものを使用することが出来る。
【0025】
軟化点が80℃を超える有機高分子物質であっても、その有機高分子物質中に該高分子物質と相溶性のある各種の可塑剤を添加して、実質的な軟化点を80℃以下に下げたものを使うことも可能である。また、これらの有機高分子物質中に仮支持体との接着力を調節するために、実質的な軟化点が80℃を超えない範囲で、各種のポリマーや過冷却物質、密着改良剤或いは界面活性剤や離型剤等を加えることが可能である。好ましい可塑剤の具体例としては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジオクチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、ビフェニルジフェニルフォスフェート等を挙げることができる。
【0026】
前記熱可塑性樹脂層の厚みは、クッション層として機能するために6μm以上が好ましい。この理由としては熱可塑性樹脂層の厚みが5μm以下であると、1μm以上の下地の凹凸を完全に吸収することが出来ない場合があり、転写時に下地との間に気泡が生じ易くなるためである。また上限については、現像性および製造適性の観点より100μm以下、好ましくは50μm以下である。
【0027】
本発明に用いる感光性転写材料は、仮支持体上に着色された感光性樹脂溶液を塗布し乾燥することによって得られる。更に、必要に応じて熱可塑性樹脂層および中間層を設けることができるが、その場合には、先ず熱可塑性樹脂層溶液を塗布し乾燥することにより、熱可塑性樹脂層を設け、その後該熱可塑性樹脂層の上に熱可塑性樹脂層を溶解しない溶剤からなる中間層材料の溶液を塗布し乾燥して、その後感光性樹脂層を、該中間層を溶解しない溶剤を用いて塗布し乾燥して設ける。
【0028】
<保護層>
また、感光性樹脂層の上には、感光性転写材料を貯蔵する際に感光性樹脂層を汚染や損傷から保護するための保護層を設けることが好ましい。保護層は仮支持体を構成する合成樹脂と同じかまたは類似の材料からなってもよいが、感光性樹脂層から容易に分離できるものであることが必要である。保護層としては、例えばシリコーン被覆紙、ポリオレフィンまたはポリテトラフルオロエチレンのシートまたはフィルムが好ましい。保護層の厚みは、約5〜100μmが好ましく、保護層として特に好ましくは、10〜30μm厚のポリエチレンフィルムまたはポリプロピレンフィルムである。本発明における感光性転写材料に於いて、保護層は無くてもよいが、感光性転写材料の取り扱い、輸送、貯蔵の際の汚染や損傷からの保護、安全のために設けることが好ましい。尚、保護層は、感光性転写材料の感光性樹脂層を基板表面に密着させる前に剥離される。
【0029】
《基板》
本発明において、カラーフィルターが形成される基板としては、例えば、透明基板が用いられ、表面に酸化ケイ素皮膜を有するソーダガラス板、低膨張ガラス、ノンアルカリガラス、石英ガラス板等の公知のガラス板、あるいは、プラスチックフィルム等を挙げることができる。酸化インジウム錫(ITO)付き基板であってもよい。ガラス板が好ましいが、特に限定されるものではない。
【0030】
本発明の画像形成方法は、前記感光性転写材料の着色感光性樹脂層と前記基板の表面とを密着させる前に、予め該基板をヘキサメチルジシラザン(以下、「HMDS」又は「HMDS処理剤」ともいう。)と接触させることにより該基板の表面を処理することを特徴とする。
【0031】
<HMDS処理>
前記HMDS処理剤による表面処理の方法としては、下記の方法が用いられるが、これらの方法に限定されるものではない。
すなわち、本発明に係る前記基板のHMDS処理は、略密閉された容器内に、HMDS処理剤を入れ、HMDS蒸気に接触するようにして該基板を放置した後、容器から取り出して、更に該基板を加熱して、表面処理が完了する。
【0032】
本発明で使用するHMDS(ヘキサメチルジシラザン)は、(CHSiNHSi(CHの構造式を有する公知の化合物であり、一般的には、クロロトリメチルシランにアンモニアを作用させて得ることが出来る無色の液体である。
【0033】
前記略密閉とは、HMDS蒸気が自然蒸発して揮散、消失しない閉じた状態をいう。使用できる容器としては、HMDS蒸気により腐食、分解または吸着等の影響が無いものであれば良く、特に限定されるものではないが、ステンレス等を挙げることが出来る。略密閉された容器内には、通常、空気が存在するが、空気以外の他の気体を置換してもよい。
【0034】
また、前記基板は水等の溶剤で洗浄し、乾燥した後に、HMDS処理に供することが好ましい。ここで、水等の溶剤とは、該基板表面がHMDS蒸気と接触し、界面での反応を進行させるために、該基板表面のごみ・油膜等の反応を阻害する付着物を除去するために使用できる一般的な有機溶剤または/及び無機溶剤を意味し、該基板の材質、形状等および洗浄目的に応じて適宜選択することができる。それらの溶剤は、単独または2種以上の混合溶媒として使用することもできる。それらの溶剤には、界面活性剤等の他の添加物を加えることができる。また、該基板がガラス板であれば、水、アルコール類、ケトン類が好ましい。さらにUV/Oアッシング等のドライ洗浄も適宜使用できる。
【0035】
前記基板をHMDS蒸気に接触する温度は、適宜選択できるが、常温におけるHMDS蒸気で該HMDS処理を達成することができる。必要に応じて、HMDSを30℃〜80℃の温度に加温することも可能である。
該基板をHMDS蒸気に接触させる時間としては、5〜200秒が好ましく、更に、20〜60秒が均一処理の観点から好ましい。
【0036】
HMDS処理された基板を加熱する方法としては、通常使用できる方法が適宜選択採用できるが、ホットプレート、コンベクションオーブンまたは遠赤外線照射による加熱が好ましい。さらに、ホットプレートが生産性の観点から好ましい。
【0037】
前記基板のHMDS蒸気との接触後における加熱温度及びその時間は、基板とHMDSの反応と副生成物の除去等の観点から50〜150℃で10〜200秒が好ましく、更に60〜130℃で30〜150秒が更に好ましい。
【0038】
本発明において、HMDS蒸気に接触させるとは、HMDSが前記基板の表面で接して、該基板の表面とHMDSとの界面で反応が進行可能である状態を意味する。すなわち、HMDS蒸気の雰囲気下に該基板を放置する方法、HMDSを該基板に液体または気体の状態で塗布する方法、HMDSの液中に該基板を浸漬させる方法等が挙げられるが、表面処理が可能な状態であれば、特に、これらに限定されるものではない。
【0039】
HMDSを該基板に液体の状態で直接塗布する方法としては、該基板にHMDSを塗布し、HMDS残液が蒸発した後、上記と同様な方法で処理することもできる。 直接塗布する方法としては、スプレーコーティング、スピンコーティング、スリットコーティングなどがある。
【0040】
また、前記基板をHMDSで処理する別の方法としては、該基板をホットプレートで加熱しながら、該基板表面にHMDS蒸気をスプレー等から噴射させ吹き付けることにより表面処理することができる。
【0041】
更に、前記基板をHMDSで処理する別の方法としては、該基板をHMDS中に浸漬させ、引き上げて液が蒸発した後、上記と同様な方法で加熱処理することにより、表面処理することができる。
【0042】
また、本発明の構成は、前記基板が、TFTアレイ基板である場合にも好適である。この場合には、米国特許第5994721号明細書に記載された、高開口率を実現するCOA(Color Filter On Array)方式の液晶ディスプレイに用いられるTFTアレイ基板に対して、HMDSを接触させて処理する。
【0043】
《画像形成方法》
次に、上述したような方法で作製した感光性転写材料を用いて、画像形成方法を説明する。
【0044】
本発明の画像形成方法は、積層体形成工程と、剥離工程と、露光現像工程と、加熱工程と、を含む。多色のカラーフィルターを製造する場合には、積層体形成工程から露光現像工程を各色毎におこなって各色の画素を形成する。なお、多色のカラーフィルターを製造する場合、加熱工程は各色毎におこなってもよく、また、各画素を全て形成した後におこなってもよく、さらに、形成した画素表面にオーバーコート層を形成する場合には該オーバーコート層形成後におこなってもよい。
【0045】
また、本発明の感光性転写材料を用いてカラーフィルターを製造する場合、ブラックマトリックス遮光層の形成方法により少なくとも2通りの工程を選択することが出来る。1つは、赤色、緑色、青色の各画素と同様に感光性転写材料の転写により設ける方法で、もうその1つは、ブラックマトリックス遮光層を金属薄膜で形成する方法である。感光性転写材料の転写によりブラックマトリックス遮光層を形成する場合には、赤色、緑色、青色の各画素形成後に設けるのが好ましく、一方、金属薄膜を用いる場合は赤色、緑色、青色の各画素形成に先立って、金属薄膜によるブラックマトリックス遮光層を形成するのが好ましい。
【0046】
金属薄膜によるブラックマトリックス遮光層は、約1mm厚のガラス基板にスパッタリング或いは真空蒸着等の方法により、厚さ100〜300nmの金属Cr膜を形成し、フォトリソグラフィーによりマトリックス状にパターニングすることにより得られる。金属薄膜としては金属Cr以外にも種々の材料を用いることが可能であるが、膜が黒色であること、更にガラス基板との密着性、膜の緻密性、光遮断性能の点からは金属Crが好ましい。
【0047】
<積層体形成工程>
積層体形成工程は、前記感光性転写材料を、前記基板の表面と前記感光性樹脂層とが接するように密着させた積層体を得る工程である。具体的には、先ず、約0.7mm厚の透明ガラス基板の上に、感光性転写材料の感光性樹脂層を加温加圧下で貼り合わせ積層体を形成する。この場合、感光性樹脂層と透明ガラス基板との密着力を向上させる目的で、予め透明ガラス基板にHMDS(ヘキサメチルジシラザン)で表面処理を施すことが好ましい。
【0048】
前記積層体形成工程においては、従来公知のラミネーターや真空ラミネーターが使用でき、より生産性を高めるためには、オートカットラミネーターの使用が好ましい。積層体形成工程における貼り合わせの際の転写温度は、感光性転写材料側で測定して、50〜180℃、好ましくは100〜160℃である。転写速度は、通常0.1m/分〜3m/分程度でおこなう。量産性を考慮すれば、通常、気泡の巻き込みが無い範囲内で最高速度を選択する。この速度は、感光性樹脂層および熱可塑性樹脂層の物性、ラミネート温度、ラミネート圧力等により適切に決定される。尚、感光性転写材料に保護層が設けられている場合には、該保護層を感光性樹脂層表面から剥離した後、基板に感光性転写材料を貼り合わせる。
【0049】
<剥離工程>
剥離工程は、前記積層体形成工程によって形成された積層体から仮支持体を剥離する工程である。該剥離手段としては、仮支持体の背面を吸盤等で捉えてめくるようにしてもよいし、剥離ロールに巻きつけるようにしてめくってもよい。
【0050】
また、仮支持体を剥がす際、熱可塑性樹脂層も一緒に剥がすのが高い解像度を得るためにも、また現像時間を短縮するためにも好ましいが、仮支持体のみが剥離される構成であってもよい。仮支持体、熱可塑性樹脂層、中間層、および感光性樹脂層の各層間の密着力バランスを制御することで、この熱可塑性樹脂層の剥がしは可能である。
【0051】
<露光現像工程>
露光現像工程は、仮支持体が剥離された積層体の感光性樹脂層表面をパターン露光し、現像して基板上に画素を形成する工程である。また、当該工程では必要に応じて画素内にコンタクトホールも形成する。
まず、前記剥離工程において仮支持体を剥離した後で所定のフォトマスクを通し、前記感光性樹脂層を露光(パターン露光)し、現像する。
【0052】
(パターン露光)
前記パターン露光の光源としては、感光性樹脂層を硬化しうる波長域の光(例えば、365nm、405nm)を照射できるものであれば適宜選定して用いることができる。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。露光量としては、通常5〜200mJ/cm程度であり、好ましくは10〜100mJ/cm程度であり、さらに好ましくは15〜80mJ/cm程度である。
【0053】
(現像)
現像は公知の方法で、溶剤系もしくは水性の現像液、特にアルカリ水溶液に浸漬するか、スプレーから現像液を噴射すること、更には超音波を印加しながら現像処理することでおこなわれる。
【0054】
次に、非画像形成部の現像残膜を除去するために、現像残膜除去液中で、パターニングされ現像された感光性樹脂層が設けられた透明ガラス基板表面をブラッシングすると共に、同様の薬液を高圧で噴射等するのが好ましい。前記現像残膜除去液としては、従来公知の洗浄液を広汎に使用できるが、中でも、界面活性剤とアルカリ剤とを、それぞれ少なくとも一種含む水溶液が好ましい。
【0055】
前記ブラッシングに使用されるブラシとしては、特に限定はされないが、ナイロンやアクリル製の繊維ロールブラシ、PVAスポンジ製のディスクブラシ等が適宜利用できる。繊維ロールブラシを使用する際には毛脚が長く(少なくとも10mm以上)繊維径が細い(100μm以下)物が好ましい。毛脚が短く、繊維径の太いブラシを用いると、画素に傷が付いたり画素が剥がれたりするため好ましくない。ブラシ擦りする時間は現像装置や使用するブラシによって異なるが、例えば、繊維径45μm、毛脚20mmのロールブラシを用い、ブラシの回転数100rpmで、1秒〜20秒程度である。これはブラシの回転下、基板表面がブラシの毛先に軽く触れる状態で基板を水平に搬送した時の各部接触時間である。接触時間が短すぎると、残膜が十分に除去できず、逆に長すぎると画素に傷が付いたり、剥がれたりするので好ましくない。
【0056】
ブラッシング処理は、現像後直ちに出来るようにインライン化することが好ましい。現像とブラッシングを別々の装置でおこなう際には、現像後に一旦、感光性樹脂層を水洗して現像を停止する必要がある。
【0057】
(画素)
当該工程において、基板上に形成される画素のサイズは作製するカラーフィルターの目的に応じて適宜選定することができるが、通常、幅50〜100μm、長さ100〜300μm程度である。また、画素にコンタクトホールを形成する場合、該コンタクトホールの穴径は通常10〜20μm程度である。
【0058】
(オーバーコート層)
画素形成後、更に、必要に応じて、カラーフィルター表面の物理的および化学的保護と平坦化とを目的とするオーバーコート層をカラーフィルターに積層して設けてもよい。該保護層としては、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系等の樹脂皮膜や、酸化珪素等の金属酸化物のような透明性の高い皮膜が用いられる。これら皮膜の形成方法としては樹脂皮膜は、スピンコート、ロールコート、印刷法等のほか、上述した感光性転写材料のように転写により形成することもできる。また、金属酸化物等の無機皮膜については、スパッタリング法、真空蒸着法等によって設けることが出来る。
【0059】
オーバーコート層の膜厚は、通常1〜5μm程度である。また、オーバーコート層を設ける場合には、その厚みを考慮して画素に設けるコンタクトホールの穴径を5〜10μm程度大きめに設定するのが好ましい。
【0060】
<加熱工程>
加熱工程は、前記露光現像工程によって形成された前記画素を加熱して硬化させる工程である。本発明の画像形成方法は、加熱工程において、前記露光現像工程によって形成された画素を、色毎の不均一な膜減りを防止し、感光性樹脂層に含まれるUV吸収剤等の成分の析出を防止するために加熱前にポスト露光おこなう。また、ベーク(加熱)処理を施す前にポスト露光をおこなうと、ラミネート時にかみこんだ微小な異物が膨れてLCDに組み立てたときに対向基板とのショートの原因となる突起状の異物となるのを防止することができる。
【0061】
(ポスト露光)
前記ポスト露光の光源としては、感光性樹脂層を硬化しうる波長域の光(例えば、365nm、405nm)を照射できるものであれば適宜選定して用いることができる。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。露光量としては、前記パターン露光を補う露光量であればよく、通常50〜5000mJ/cm程度であり、好ましくは200〜2000mJ/cm程度であり、さらに好ましくは500〜1000mJ/cm程度である。
尚、黒色感光性転写材料(転写フィルム)を他の赤色、緑色及び青色感光性転写材料(転写フィルム)と同様の方法で転写した場合は、ポスト露光は省略することが好ましい。ポスト露光すると、先行画素上に黒色感光樹脂の現像残渣が残りやすくなるためである。
【0062】
(ベーク処理)
ベーク処理は、1色形成ごとに実施する中間ベーク処理と、各色を形成した後、最終的に実施する最終ベーク処理とに大別できる。
ベーク処理(ポストベーク)の方法としては、従来公知の種々の方法を使うことが出来る。即ち、複数枚の基板をカセットに収納してコンベクションオーブンで処理する方法、ホットプレートで1枚ずつ処理する方法、赤外線ヒーターで処理する方法等である。 また、ベーク温度(加熱温度)としては、通常150〜280℃程度であり、好ましくは180〜250℃程度である。加熱時間は、前記ベーク温度によって変動するが、ベーク温度を約220℃とした場合には、中間ベーク処理では5〜30分、最終ベーク処理では60〜200分が好ましい。
【0063】
本発明の画像形成方法において、加熱工程は少なくとも1色の画素を形成する際(オーバーコート層を設ける場合にはその際)におこなえばよい。しかし、多色のカラーフィルターを作製するには、通常、赤色、緑色、青色、黒色(遮光層を金属膜で形成する場合は黒色は不要)と4回の処理プロセスが必要になるため、第1番目に形成した着色画像では4回、2番目に形成した着色画像では3回、3番目に形成した着色画像では2回と、複数回現像処理されることになる。このことは過現像による画素形状の崩れを惹起する結果となる。現像後にブラッシングや高圧噴射をおこなうと、更にこの傾向が強くなる。そのため、前記加熱工程は、各色の画素を形成する毎におこなうのが好ましい。
【0064】
感光性転写材料の貼り合わせる積層体形成工程から加熱工程を赤色、緑色、青色、黒色について繰り返せば、カラーフィルターを形成することが出来る。ここで、金属薄膜により予め遮光層を形成したガラス基板を用いた場合は黒色画像形成工程は省くことが出来る。
【0065】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、本実施例においては特に断りのない限り、「部」及び「%」は全て「質量部」及び「質量%」を表す。
【0066】
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム仮支持体上に下記処方(A)からなる塗布液を塗布、乾燥させ、乾燥膜厚が15μmの熱可塑性樹脂層を設けた。この樹脂層は、複数層の画素を順次ラミネートにより形成する際、既形成画素の存在に起因する気泡の混入を防止する役割を果たす。
【0067】
<熱可塑性樹脂層処方:A>
・メチルメタクリレート/2─エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合モル組成比=55/11.7/4.5/28.8、質量平均分子量=80000)             4.5部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合質量組成比=7/3、質量平均分子量=8000)                            10.5部
・BPE−500(新中村化学(株)製)                7部
・F177P(大日本インキ(株)製の界面活性剤)           0.26部
・メチルエチルケトン                     18.6部
・メタノール                         30.6部
・1−メトキシ−2−プロパノール                9.3部
【0068】
次に、前記熱可塑性樹脂層の上に下記処方(B)からなる塗布液を塗布、乾燥させ、乾燥膜厚が1.6μmの中間層を設けた。この層は、次にこの層上に形成する着色感光性樹脂層(着色層ともいう。)と、先に形成した熱可塑性樹脂層が混じり合わないようにするためのバリアー層として働くものである。また、酸素遮断膜としての機能も有する。
【0069】
<中間層処方:B>
・ポリビニルアルコール(クラレ(株)製の「PVA205」)    13部
・ポリビニルピロリドン(五協産業(株)製の「PVP─K30」)   6部
・メタノール                          173部
・水                            211.4部
【0070】
前記中間層上に、下記表1の処方を有する赤色、緑色、青色、黒色の4色の感光性樹脂溶液をそれぞれ塗布し乾燥させ、乾燥膜厚が2μmの赤色、緑色、青色、黒色の着色感光性樹脂層を形成した。
【0071】
【表1】
Figure 2004101596
【0072】
更に、前記着色感光性樹脂層の上に厚さ12μmのポリプロピレン製のカバーフィルムを貼り付けて、赤色、緑色、青色、黒色の感光性転写材料を作製した。この感光性転写材料(転写フィルム)を用いて、以下に述べる方法でカラーフィルターを作製した。
【0073】
先ず、500mm×500mm×500mmのステンレス容器に、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)を100cc入れ、この中に、洗浄して良く乾燥した厚さ0.7mmで400mm×300mmのガラス基板(コーニング#1737)を入れて蓋をし、60秒間放置した。その後、基板を取り出して、100℃のホットプレート上で60秒間加熱処理した。
次に、前記赤色感光性転写材料(転写フィルム)のカバーフィルムを剥離しながら着色感光性樹脂層面を100℃に加熱した透明ガラス基板に向けてラミネータ(ソマール社製のオートカットラミネータ「ASL−24」)を用いて、加圧(2MPa)、加熱(130℃)して貼り合わせた。続いて、基板が常温になった後、剥離界面と基板表面をイオナイザーで除電しながら仮支持体と熱可塑性樹脂層との界面で剥離し、仮支持体を除去した。
【0074】
次に、所定のフォトマスクを介して露光し、現像し、ポスト露光後、コンペクションオーブンで加熱処理して赤色画素パターンを形成した。続いて、緑色及び青色感光性転写材料(転写フィルム)で繰り返した後、更に黒色感光性転写材料(転写フィルム)を同様の方法で転写して、裏面から露光し、現像、加熱処理を行なってカラーフィルターを形成した。前述の転写、露光、現像その他の条件は下記表2に示す通りである。
【0075】
【表2】
Figure 2004101596
【0076】
また、表2の記載事項の補足説明は次の通りである。
(1)現像1は、熱可塑性樹脂層と中間層を溶解除去するための現像で、現像液としては富士写真フイルム製トランサー現像液T−SD−2の10%の希釈液を用い、38℃でシャワー現像した。
(2)現像2では、着色感光性樹脂層を現像し、現像液としては富士写真フイルム製トランサー現像液T−CD−1の20%希釈液を用い、33℃でシャワー現像した。
(3)現像液3は残渣を除去するための処理で、RGBは富士写真フイルム製トランサーT−SD−1の10%希釈液を用い、33℃の液をシャワーでかけながら、繊維径45μm、毛足20mmのアクリルロールブラシを100rpmで回転させて基板搬送速度を2m/分で行なった。黒色感光性転写材料(転写フィルム)の場合は、ブラシを使わず、同一液を30秒間シャワー処理した。
(4)ポスト露光は、高圧水銀ランプで500mj/cm照射した。
(5)加熱処理は、コンベクションオーブン中で基板が設定温度に達してからの保持時間を示す。
【0077】
上述の条件の画像形成方法で作製したカラーフィルターは、感光性転写材料の積層体形成工程から仮支持体の剥離工程にかけて、該着色感光性樹脂層面の剥がれは全く無く、良好なカラーフィルターであった。また、暗室でのプロジェクターランプ照射によるテストにおいて、非画像形成部に実質的に現像残膜が見られず、かつ、画素の欠けもなく、顕微鏡観察でも、画像の汚れや傷、剥がれが無く、申し分の無いものであった。
【0078】
[比較例1]
HMDS(ヘキサメチルジシラザン)を使用しないこと以外は、実施例と同じ条件でカラーフィルターを作製した。その結果、1色目の赤色感光性転写材料(転写フィルム)と4色目の黒色感光性転写材料(転写フィルム)の仮支持体剥離時に、僅かに、着色感光性樹脂層の剥がれが発生した。また、赤色感光性樹脂層の現像時、部分的に画素欠けが発生した。いずれも基板と着色感光性樹脂層間の密着不良によるものであった。
【0079】
【発明の効果】
本発明の画像形成方法によれば、前記基板と着色感光性樹脂層との密着性が増し、感光性転写材料の積層体形成工程から仮支持体の剥離工程にかけて着色感光性樹脂層面の剥がれが全く無く、現像時における画素の欠けもなく、優れたカラーフィルターを製造することが出来る。また、HMDS処理された基板を使用することにより、従来のシランカップリング処理剤自体の凝集による基板への付着や液が疲労して密着性が低下するという問題も全くなく、極めて歩留りが高く安定した優れた生産を可能とすることが出来る。

Claims (3)

  1. 仮支持体上に少なくとも着色感光性樹脂層が設けられた感光性転写材料を、表面処理された基板の表面に前記着色感光性樹脂層が接するように密着させて積層体を形成する積層体形成工程と、前記積層体から前記仮支持体を剥離する工程と、前記着色感光性樹脂層にパターン露光、現像することによって、前記基板の表面に画素パターンを形成する露光現像工程と、前記現像工程によって形成された前記画素パターンを加熱して硬化させる加熱工程と、を含む画像形成方法であって、前記基板の前記表面処理として予めヘキサメチルジシラザンに接触させることを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記基板が透明ガラス基板であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記基板がTFTアレイ基板であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
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