JP2004100531A - 内燃機関のアイドル回転数制御装置 - Google Patents

内燃機関のアイドル回転数制御装置 Download PDF

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仁木 学
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

【課題】オープンループ制御とフィードバック制御の切り換えに車両の運転状態を考慮し、よってオープンループ制御からフィードバック制御に移行した際の回転数の変動(落ち込み)を抑制するようにした内燃機関のアイドル回転数制御装置を提供する。
【解決手段】オープンループ制御モード時の目標回転数であるアイドル領域外目標回転数NOBJPTを、車速VPが低下するにつれて低い回転数となるように設定する(S304からS310)。具体的には、車速VPが零あるいは極低速のアイドル領域に近い低速にあるほど、アイドル領域外目標回転数NOBJPTを低く設定し、アイドル領域目標回転数に近接させる。さらに、車速VPが所定の速度以下のときは、アイドル領域外目標回転数NOBJPTの上限値を現在のエンジン回転数NEに設定する(S306,S310)。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は内燃機関のアイドル回転数制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両の運転状態が所定のアイドル領域にあるときは、内燃機関の回転数をアイドル領域目標回転数となるようにフィードバック制御している。他方、車両の運転状態がアイドル領域外に移行したとき(例えば、車速やスロットル開度が所定値を超えたとき)は、内燃機関の回転数の下限を、前記アイドル領域目標回転数とは別に設定されたアイドル領域外目標回転数にオープンループ制御するようにしている。
【0003】
アイドル領域外目標回転数は、一般に、内燃機関の冷却水温度が低いときや、エアコンディショナやパワーステアリングといった補機類の負荷が高いときは、内燃機関の運転安定性を確保するために通常より高い回転数に設定される。このような状況において、車両が減速から停止することによって回転数制御がオープンループ制御からフィードバック制御に切り換えられると、アイドル時のフィードバック制御においては一般に燃費などを考慮して可能な限り目標回転数を低く設定しているため、回転数の変動(落ち込み)が大きくなって運転者に違和感を与えるおそれがある。そのため、従来技術にあっては、オープンループ制御からフィードバック制御に移行するとき、制御値を、オープンループ制御時の制御値から通常のフィードバック制御時の制御値まで徐々に低下させることで、回転数を滑らかに低下させるように構成している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特公昭62−50651号公報(第4頁から第5頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来技術においては、オープンループ制御とフィードバック制御の切り換えに関し、機関負荷を除く車両の運転状態が考慮されていなかったため、オープンループ制御からフィードバック制御に移行した際の回転数の変動(落ち込み)を必ずしも十分に抑制することができなかった。
【0006】
従って、この発明の目的は上記した課題を解決し、オープンループ制御とフィードバック制御の切り換えに車両の運転状態を考慮し、よってオープンループ制御からフィードバック制御に移行した際の回転数の変動(落ち込み)を抑制するようにした内燃機関のアイドル回転数制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1項においては、車両の運転状態が所定のアイドル領域にあるとき、前記車両に搭載された内燃機関の回転数をアイドル領域目標回転数にフィードバック制御すると共に、前記車両の運転状態が前記所定のアイドル領域外に移行したとき、前記内燃機関の回転数をアイドル領域外目標回転数にオープンループ制御する内燃機関のアイドル回転数制御装置において、前記アイドル領域外目標回転数を、前記車両の走行速度に応じて設定する設定手段を備えるように構成した。
【0008】
車両の運転状態が所定のアイドル領域外に移行したときの目標回転数(具体的には、走行中にスロットル開度が全閉されたときの目標回転数)を、前記車両の走行速度に応じて設定するように構成したので、アイドル領域外で実行されるオープンループ制御から、車速が零あるいは極低速のアイドル領域で実行されるフィードバック制御に移行した際の回転数の変動(落ち込み)を抑制することができる。
【0009】
また、請求項2項にあっては、前記設定手段は、前記アイドル領域外目標回転数を、前記車両の走行速度が低下するにつれて低い回転数に設定するように構成した。
【0010】
アイドル領域外目標回転数を、車両の走行速度が低下するにつれて低い回転数に設定するように構成、即ち、車速が零あるいは極低速のアイドル領域に近い低車速時ほど、目標回転数を低く設定するように構成したので、オープンループ制御からフィードバック制御に移行した際の回転数の変動をより一層抑制することができる。
【0011】
また、請求項3項にあっては、前記設定手段は、前記アイドル領域外目標回転数の上限値を、前記車両の走行速度が所定の速度以下となったとき、前記内燃機関の現在の回転数に設定するように構成した。
【0012】
アイドル領域外目標回転数の上限値を、車両の走行速度が所定の速度以下となったとき、内燃機関の現在の回転数(検出回転数)に設定するように構成したので、例えば車両の走行速度が所定の速度を超えない範囲で運転者がアクセルペダルを微小に操作することにより、スロットル開度の微小な変化が繰り返された場合でも、目標回転数が変動することがなく、よって車両の運転性を向上させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照してこの発明の一つの実施の形態に係る内燃機関のアイドル回転数制御装置を説明する。
【0014】
図1は、この実施の形態に係る内燃機関のアイドル回転数制御装置の全体構成を示す概略図である。
【0015】
同図において符合10は内燃機関(以下「エンジン」という)を示す。エンジン10は、例えば直列4気筒のDOHCエンジンからなる。
【0016】
エンジン10の吸気管12にはスロットルバルブ14が配置される。スロットルバルブ14は、スロットルワイヤ16を介して車両(エンジン10が搭載される車両。図示せず)の運転席フロアに設けられたアクセルペダル18に機械的に接続され、アクセルペダル18の踏み量に応じて開閉してエンジン10の吸入空気量を調量する。スロットルバルブ14の付近にはスロットルバルブ開度センサ20が設けられ、スロットルバルブ14の開度(以下「スロットル開度」という)θTHに応じた信号を出力する。
【0017】
スロットルバルブ14の下流のインテークマニホルド(図示せず)の直後の吸気ポート付近には、気筒(図示せず)ごとにインジェクタ(燃料噴射弁)24が設けられる。インジェクタ24は燃料タンクに燃料供給管および燃料ポンプ(全て図示せず)を介して接続され、ガソリン燃料の圧送を受けて吸気ポートに噴射する。
【0018】
吸気管12には、スロットルバルブ14の上流側と下流側とを連通してスロットルバルブ14をバイパスするバイパス通路(2次空気通路)26が接続される。バイパス通路26の途中にはバイパス空気量を調整する制御バルブ(EACV)30が設けられる。
【0019】
制御バルブ30は常閉型であり、バイパス通路26の開度(開口面積)を連続的に変化させるバルブ30aと、バルブ30aを閉塞方向に付勢するスプリング30bと、通電時にバルブ30aをスプリング30bの付勢力に抗して開放方向に移動させる電磁ソレノイド30cを備える。
【0020】
吸気管12のスロットルバルブ14の下流側には絶対圧センサ32および吸気温センサ34が装着され、それぞれ吸気管内絶対圧(エンジン負荷)PBAおよび吸気温TAを示す電気信号を出力する。また、エシジン10のシリンダブロックの冷却水通路(図示せず)には水温センサ36が取り付けられ、エンジン冷却水温TWに応じた信号を出力する。
【0021】
エンジン10のカム軸またはクランク軸(共に図示せず)の付近には気筒判別センサ40が取り付けられて特定気筒(例えば第1気筒)の所定クランク角度位置で気筒判別信号CYLを出力すると共に、TDCセンサ42およびクランク角センサ44が取り付けられ、各気筒のピストンのTDC位置に関連した所定のクランク角度位置でTDC信号と、TDC信号よりも周期の短いクランク角度(例えば30度)でCRK信号を出力する。
【0022】
エンジン10はエキゾーストマニホルド(図示せず)を介して排気管46に接続され、燃焼によって生じた排出ガスを排気管46の途中に設けられた触媒装置(三元触媒装置)50で浄化しつつ外部に排出する。排気管46の触媒装置50の上流位置には広域空燃比(LAF)センサ52が設けられ、リーンからリッチにわたる範囲において排出ガス中の酸素濃度に比例する出力を生じる。
【0023】
車両のドライブシャフト(図示せず)の付近には車速センサ54が配置され、ドライブシャフトの所定回転ごとに信号を出力を生じる。また、車両の適宜位置には大気圧センサ56が設けられ、車両が位置する場所の大気圧PAに応じた信号を出力する。
【0024】
上記した各種センサの出力は、ECU(電子制御ユニット)60に送られる。
【0025】
ECU60はマイクロコンピュータからなり、制御演算を行なうCPU60aと、制御演算プログラムと各種のデータ(テーブルなど)を格納するROM60bと、CPU60aの制御演算結果などを一時的に記憶するRAM60cと、入力回路60dと、出力回路60eと、カウンタ(図示せず)を備える。
【0026】
上記した各種センサ出力は、ECU60の入力回路60dに入力される。入力回路60dは、入力信号波形を整形して電圧レベルを所定レベルに修正すると共に、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する。CPU60aはクランク角センサ44が出力するCRK信号をカウンタでカウントしてエンジン回転数NEを検出すると共に、車速センサ54が出力する信号をカウンタでカウントして車速の走行速度を示す車速VPを検出する。
【0027】
CPU60aはROM60bに格納されたプログラムに従って制御演算を実行し、出力回路60e(および図示しない駆動回路)を介して電磁ソレノイド30cに駆動信号(通電指令値)を送出して制御バルブ30aの開度を調節し、バイパス空気量を制御すると共に、インジェクタ24、点火装置(図示せず)などに駆動信号を出力する。
【0028】
続いて、この実施の形態に係る内燃機関のアイドル回転数制御装置の動作を説明する。
【0029】
図2は、この実施の形態に係る装置の動作、より具体的には、ECU60による、制御バルブ30(具体的には電磁ソレノイド30c)の操作量(通電指令値)の算出動作を示すフロー・チャートである。図示のプログラムは、例えば10msecごとに実行される。
【0030】
以下説明すると、先ず、S10において、エンジン回転数NEの制御モードを判定する。
【0031】
図3は、その制御モードの判定動作を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0032】
以下、図3フロー・チャートを参照して制御モードの判定動作について説明すると、先ず、S100において、スロットル開度θTHが全閉相当開度(より具体的には、所定の低開度以下)か否か判断する。
【0033】
S100で否定されるときは、次いでS102に進み、エンジン回転数NEの制御モードをオープンループ制御モードとする。他方、S100で肯定されるときは、次いでS104に進み、フューエル・カット(F/C)を実行中か否か判断する。S104で肯定されるときも、S102に進んでオープンループ制御モードとする一方、否定されるときは、次いでS106に進み、車速VPが所定の車速、例えば5km/h以下か否か判断する。
【0034】
S106で否定されるときも、前記したS102に進む一方、肯定されるときは、次いでS108に進み、エンジン回転数NEの制御モードをアイドルフィードバック制御モードとする。このように、車両の運転状態(スロットル開度θTH、フューエル・カットの有無、車速VP)に応じ、エンジン回転数NEをアイドルフィーバック制御で制御すべきか、オープンループ制御で制御すべきかを判断し、いずれかの制御モードを選択する。
【0035】
図2フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS12に進み、制御バルブ30の操作量をPID制御するときの制御ゲイン、具体的には、P(比例)項ゲインKPと、I(積分)項ゲインKIと、D(微分)項ゲインKDを適宜な手法を用いて設定する。尚、S10でオープンループ制御モードとされたときは、KP,KIおよびKDを、全て零とする。
【0036】
次いでS14に進み、過渡変化補正項IUPを零とし、次いでS16に進んで前回のプログラム実行時が始動モード(エンジン回転数NEが完爆回転数に達するまでの制御モード)であったか否か判断する。S16で肯定されるときは、次いでS18に進み、後述する積分補正項IIの基本値IAINの前回値(前回のプログラム実行時の値。以下「前回基本値」という)IAIN(n−1)を、所定値ICRSTとする。尚、基本値IAINは、制御バルブ30の通電指令値で表される。
【0037】
他方、S16で否定されるときは、次いでS20に進み、アイドルフィードバック制御モードと判定されているか否か判断する。S20で肯定されるときは、次いでS22に進み、前回のプログラム実行時もアイドルフィードバック制御モードであったか否か判断する。
【0038】
S22で否定されるとき、即ち、今回のプログラム実行時において初めてアイドルフィードバック制御モードと判定されたときは、次いでS24に進み、過渡変化補正項IUPをIUP0とする。この処理は、具体的には、吸気温TAに基づいてIUP0テーブル(図示せず)を検索することによって決定する。次いでS26に進み、冷却水温補正項ITWと、基本値IAINの学習値IXREFと、過渡変化補正項IUPの総和を、前回基本値IAIN(n−1)の初期値とする。ここで、冷却水温補正項ITWは、検出した冷却水温TWに基づいて図示しないテーブルを検索することによって決定される。基本値IAINの学習値IXREFは、後述するステップで算出されてECU60のRAM60cに格納(記憶)される値である。
【0039】
尚、S16で肯定されてS18に進んだときは、S20からS26までをスキップする。また、S22で肯定されるとき、即ち、アイドルフィードバック制御モードと連続して判定されているときは、前回基本値IAIN(n−1)の初期値を設定する必要がないのでS24とS26をスキップする。
【0040】
次いで、S28に進み、目標アイドル回転数NOBJを算出する。尚、この明細書において目標アイドル回転数NOBJは、前記したアイドルフィードバック制御モード時の目標回転数、即ち、アイドル領域目標回転数と、オープンループ制御モード時の目標回転数、即ち、アイドル領域外目標回転数の双方を意味するものとして使用する。より概略的には、目標アイドル回転数NOBJは、ある運転状態におけるエンジン10の最低回転数(エンジン10の安定性を確保する(ストールなどを防止する)ために必要な下限値)を意味し、アイドル回転数制御とは、その回転数にフィードバックあるいはオープンループで制御することを意味する。
【0041】
図4は、目標回転数NOBJの算出動作を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0042】
以下、図4フロー・チャートを参照して目標アイドル回転数NOBJの算出動作について説明すると、先ず、S200において、検出されたエンジン冷却水温TWに応じて第1の目標回転数NOBJIDUPを算出する。
【0043】
次いでS202に進み、前記したエアコンディショナのような電気負荷に応じて第2の目標回転数NOBJELを算出すると共に、S204に進み、パワーステアリングの作動時における第3の目標回転数NOBJPSを算出する。さらに、S206に進んでトランスミッション(図示せず)のシフト位置に応じて第4の目標回転数NOBJMISを算出し、S208に進み、前記した制御モードおよび車速VPに応じて第5の目標回転数NOBJPLSを算出する。
【0044】
図5は、第5の目標回転数NOBJPLSの算出動作を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0045】
以下、図5フロー・チャートを参照して第5の目標回転数NOBJPLSの算出動作について説明すると、先ず、S300において、オープンループ制御モードにあるかか否か判断する。S300で否定されるとき、即ち、アイドルフィードバック制御モードにあるときは、次いでS302に進み、第5の目標回転数NOBJPLSを零とする。
【0046】
他方、S300で肯定されるときは、次いでS304に進み、検出した車速VPで図6に示すテーブルを検索してアイドル領域外目標回転数NOBJPTを求める。
【0047】
アイドル領域外目標回転数NOBJPTは、図6に示す如く、車速VPが低くなるにつれて減少するように設定される。より具体的には、アイドル領域外目標回転数NOBJPTは、車速VPが前記した所定の速度(5km/h)に向けて低下するにつれて、アイドル領域目標回転数に接近するように設定される。
【0048】
図5フロー・チャートの説明を続けると、次いでS306に進み、車速VPが前記した所定の車速(極低車速。例えば5km/h)以下か否か判断する。S306で否定されるときは、次いでS308に進み、アイドル領域外目標回転数NOBJPTを第5の目標回転数NOBJPLSとする。
【0049】
このように、オープンループ制御モード時の目標回転数、即ち、アイドル領域外目標回転数NOBJPTを、車両の車速VPに応じて設定するように構成したので、オープンループ制御からフィードバック制御に移行した際の回転数の変動(落ち込み)を抑制することができる。
【0050】
具体的には、アイドル領域外目標回転数NOBJPTを、車速VPが低下するにつれて減少させるように設定する、即ち、車速が零あるいは極低速のアイドル領域に近い低速にあるほどアイドル領域外目標回転数NOBJPTを低く設定し、アイドル領域目標回転数に近接させるように構成したので、オープンループ制御からフィードバック制御に移行した際の回転数の変動をより一層効果的に抑制し、滑らかに移行させることができる。
【0051】
他方、S306で肯定されるとき、即ち、オープンループ制御モードで、かつ車速VPが極低車速のときは、次いでS310に進み、アイドル領域外目標回転数NOBJPTを前記した第5の目標回転数NOBJPLSとする。但し、S310において、第5の目標回転数NOBJPLSに代入されるアイドル領域外目標回転数NOBJPTの上限値は、検出された現在のエンジン回転数NEに設定される(保持される)。これにより、例えば車速VPが所定の速度を超えない範囲で運転者がアクセルペダルを微小に操作することにより、スロットル開度の微小な変化が繰り返された場合でも、目標回転数が変動することがなく、よって車両の運転性を向上させることができる。
【0052】
図4フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS210に進み、前記した各パラメータに応じて設定された第1から第5の目標回転数NOBJIDUP,NOBJEL,NOBJPS,NOBJMISおよびNOBJPLSのうち、最も高い値に設定された回転数を最終的な目標アイドル回転数NOBJとする。尚、上記したように、アイドルフィードバック制御モードにあるときは第5の目標回転数NOBJPLSが零に設定されることから、第5の目標回転数NOBJPLSが目標アイドル回転数NOBJとして選択されることはない。即ち、アイドルフィードバック制御モード時は、第1から第4の目標回転数NOBJIDUP,NOBJEL,NOBJPSおよびNOBJMISのいずれかがアイドル領域目標回転数として選択される。前記したアイドル領域外目標回転数NOBJPTは、車速VPが低下するにつれ、これら第1から第4の目標回転数のうち、最も大きな回転数に近接するように設定される。
【0053】
図2フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS30に進み、比例補正項IP、積分補正項IIおよび比例補正項ID(いずれも制御バルブ30の通電指令値で表される)を以下の式(1.1)から(1.3)に従って算出する。
IP=KP×(−DNOBJ)        ・・・式(1.1)
II=KI×(−DNOBJ)        ・・・式(1.2)
ID=KD×(−(DNOBJ(n)−DNOBJ(n−1)))・・・式(1.3)
【0054】
ここで、DNOBJは、検出されたエンジン回転数NEと上述の如く算出した目標アイドル回転数NOBJの偏差である。このように、比例補正項IPと積分補正項IIは、前記したP項ゲインKPまたはI項ゲインKIに偏差DNOBJを乗じて算出される。また、微分補正項IDは、前記したD項ゲインに偏差DNOBJの今回値と前回値の差分を乗じることによって算出される。
【0055】
次いでS32に進み、前回基本値IAIN(n−1)に積分補正項IIを加算した値を基本値の今回値(以下「今回基本値」という)IAIN(n)とし、次いでS34に進み、適宜設定された上下限値に基づいて今回基本値IAIN(n)のリミットチェックを行なう。
【0056】
次いでS36に進み、今回基本値IAIN(n)と、比例補正項IPと、微分補正項IDの総和を制御バルブ30の通電指令値IFBNとし、次いでS38に進み、適宜設定された上下限値に基づいて通電指令値IFBNのリミットチェックを行なう。
【0057】
次いでS40に進み、以下の式(2)に従って学習値IXREFの今回値IXREF(n)を算出する。
IXREF(n)=(CXREF/2562 )×IAIN(n)+((2562 −CXREF)/2562 )×IXREF(n−1)・・・式(2)
【0058】
ここで、CXREFは重み係数であり、この値が大きいほど学習値IXREFに対する今回基本値IAIN(n)の重みが大きくなる。
【0059】
次いでS42に進み、算出された通電指令値IFBNに基づき、以下の式(3)に従って出力(制御バルブ30に出力される最終的な通電指令値)ICMDを算出する。但し、下式(3)において、オープンループ制御モード時は、上記の如く算出した通電指令値IFBNに代わり、所定値が代入される。
ICMD=((IFBN+INOBJX+IDP+ILOAD+IAF)×KIPA+TPA)×KIPBG・・・式(3)
【0060】
ここで、INOBJXは、最終的な目標回転数NOBJに基づいて図示しないテーブルを検索して求められる加算値であり、具体的には、目標回転数NOBJが大きくなるにつれて大きな値となるように設定される。またIDPは減速時のショットエア量を調整するダッシュポット項であり、ILOADはエアコンディショナなどの負荷に応じてアイドル回転数を調整する負荷補正項である。また、IAFは目標空燃比に応じた空燃比補正項であり、KIPAとTPAは、それぞれ大気圧PAに応じた大気圧補正乗算項と大気圧補正加算項である。さらに、KIPBGはバッテリ負荷などから求めた補正係数である。尚、これらの各値の算出手法は、本願の要旨とは直接の関係を有しないため、説明は省略する。
【0061】
上記の式(3)に従って算出された出力ICMDは、出力回路60e(および図示しない駆動回路)を介して制御バルブ30(具体的には電磁ソレノイド30c)に出力され、制御バルブ30を駆動してその開度を変更する。これにより、目標アイドル回転数NOBJを実現するのに必要なバイパス空気量がエンジン10に供給され、よってエンジン回転数NEが、目標回転数NOBJに制御される。
【0062】
上記のように、この実施の形態に係る内燃機関のアイドル回転数制御装置においては、オープンループ制御モード時の目標回転数、即ち、アイドル領域外目標回転数を、車両の車速VPに応じて設定するように構成したので、オープンループ制御からフィードバック制御に移行した際の回転数の変動(落ち込み)を抑制することができる。
【0063】
具体的には、アイドル領域外目標回転数NOBJPTを、車速VPが低下するにつれて減少させるように設定する、即ち、車速が零あるいは極低速のアイドル領域に近い低速にあるほどアイドル領域外目標回転数NOBJPTを低く設定し、アイドル領域目標回転数(第1から第4の目標回転数のうち、最も大きな回転数)に近接させるように構成したので、オープンループ制御からフィードバック制御に移行した際の回転数の変動をより一層抑制し、滑らかに移行させることができる。
【0064】
さらには、オープンループ制御モード時に車速VPが所定の車速以下になったときは、アイドル領域外目標回転数NOBJPT、より詳しくは、それが代入される第5の目標回転数NOBJPLSの上限値を現在のエンジン回転数NEに設定(保持)するようにしたので、例えば車速VPが所定の速度を超えない範囲で運転者がアクセルペダル18を微小に操作することにより、スロットル開度θTHの微小な変化が繰り返された場合でも、目標回転数が変動することがなく、よって車両の運転性を向上させることができる。
【0065】
以上のように、この実施の形態に係る内燃機関のアイドル回転数制御装置においては、車両の運転状態が所定のアイドル領域にあるとき、前記車両に搭載された内燃機関(エンジン)10の回転数NEをアイドル領域目標回転数(第1から第4の目標回転数NOBJIDUP,NOBJEL,NOBJPSおよびNOBJMISのうち、最も大きな回転数)にフィードバック制御する(ECU60,S10からS42,S100,S104からS108)と共に、前記車両の運転状態が前記所定のアイドル領域外に移行したとき、前記内燃機関の回転数をアイドル領域外目標回転数NOBJPT(より具体的にはそれが代入される第5の目標回転数NOBJPLS)にオープンループ制御する(ECU60,S10からS42,S102からS106)内燃機関のアイドル回転数制御装置において、前記アイドル領域外目標回転数NOBJPTを、前記車両の走行速度(車速)VPに応じて設定する設定手段(車速センサ54,ECU60,S28,S200からS210,S304からS310)を備えるように構成した。
【0066】
また、前記設定手段は、前記アイドル領域外目標回転数NOBJPTを、前記車両の走行速度VPが低下するにつれて低い回転数に設定する(S304、図6に示すテーブル)ように構成した。
【0067】
また、前記設定手段は、前記アイドル領域外目標回転数NOBJPTの上限値を、前記車両の走行速度が所定の速度(例えば5km/h)以下となったとき、前記エンジン10の現在の回転数(検出したエンジン回転数NE)に設定する(S306,S310)ように構成した。
【0068】
尚、上記において、アクセルペダル18とスロットルバルブ14を機械的に接続すると共に、スロットルバルブ14をバイパスするバイパス通路26を設け、制御バルブ30を介してバイパス空気量を調整することによってエンジン回転数NEを制御する例を挙げて説明したが、この発明は、アクセルペダルとスロットルバルブの機械的な接続を絶ったDBW(Drive By Wire )方式にも適用することができる。
【0069】
また、この発明は、エンジンの出力軸を鉛直方向とした、船外機などの船舶推進用エンジンのアイドル回転数制御装置にも適用することができる。
【0070】
【発明の効果】
請求項1項にあっては、車両の運転状態が所定のアイドル領域外に移行したときの目標回転数(具体的には、走行中にスロットル開度が全閉されたときの目標回転数)を、前記車両の走行速度に応じて設定するように構成したので、アイドル領域外で実行されるオープンループ制御から、車速が零あるいは極低速のアイドル領域で実行されるフィードバック制御に移行した際の回転数の変動(落ち込み)を抑制することができる。
【0071】
請求項2項にあっては、アイドル領域外目標回転数を、車両の走行速度が低下するにつれて低い回転数に設定するように構成した、即ち、車速が零あるいは極低速のアイドル領域に近い低車速時ほど、目標回転数を低く設定するように構成したので、オープンループ制御からフィードバック制御に移行した際の回転数の変動をより一層抑制することができる。
【0072】
請求項3項にあっては、アイドル領域外目標回転数の上限値を、車両の走行速度が所定の速度以下となったとき、内燃機関の現在の回転数(検出回転数)に設定するように構成したので、例えば車両の走行速度が所定の速度を超えない範囲で運転者がアクセルペダルを微小に操作することにより、スロットル開度の微小な変化が繰り返された場合でも、目標回転数が変動することがなく、よって車両の運転性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一つの実施の形態に係る内燃機関のアイドル回転数制御装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】図1に示す装置のECUの動作のうち、アイドル回転数制御動作を示すフロー・チャートである。
【図3】図2フロー・チャートにおける、制御モードの判定動作を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図4】図2フロー・チャートにおける、目標回転数の算出動作を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図5】図4フロー・チャートにおける、第5の目標回転数の算出動作を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図6】図5フロー・チャートで車速に基づいて検索されるアイドル領域外目標回転数の特性を示すテーブル図である。
【符号の説明】
10  内燃機関(エンジン)
14  スロットルバルブ
18  アクセルペダル
26  バイパス通路
30  制御バルブ
54  車速センサ
60  ECU(電子制御ユニット)

Claims (3)

  1. 車両の運転状態が所定のアイドル領域にあるとき、前記車両に搭載された内燃機関の回転数をアイドル領域目標回転数にフィードバック制御すると共に、前記車両の運転状態が前記所定のアイドル領域外に移行したとき、前記内燃機関の回転数をアイドル領域外目標回転数にオープンループ制御する内燃機関のアイドル回転数制御装置において、前記アイドル領域外目標回転数を、前記車両の走行速度に応じて設定する設定手段を備えたことを特徴とする内燃機関のアイドル回転数制御装置。
  2. 前記設定手段は、前記アイドル領域外目標回転数を、前記車両の走行速度が低下するにつれて低い回転数に設定することを特徴とする請求項1項記載の内燃機関のアイドル回転数制御装置。
  3. 前記設定手段は、前記アイドル領域外目標回転数の上限値を、前記車両の走行速度が所定の速度以下となったとき、前記内燃機関の現在の回転数に設定することを特徴とする請求項1項または2項記載の内燃機関のアイドル回転数制御装置。
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