JP2004098971A - 車輌用前照灯装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像取得手段によって取得した画像によって先行車や対向車を考慮した配光制御を行うようにした車輌用前照灯装置において、先行車や対向車に対する距離データを不要とすること、すなわち、距離測定手段を不要とすることを課題とする。
【解決手段】車輌前方の画像を取得する画像取得手段6と、車輌の前方を照明する前照灯2と、上記画像取得手段から得られる画像情報に基づいて上記前照灯の配光を変化させる配光制御手段3とを備え、上記画像取得手段の中心軸6axの高さを前照灯の光軸x−xの高さとをほぼ等しくした車輌用前照灯装置1。
【選択図】 図1
【解決手段】車輌前方の画像を取得する画像取得手段6と、車輌の前方を照明する前照灯2と、上記画像取得手段から得られる画像情報に基づいて上記前照灯の配光を変化させる配光制御手段3とを備え、上記画像取得手段の中心軸6axの高さを前照灯の光軸x−xの高さとをほぼ等しくした車輌用前照灯装置1。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は新規な車輌用前照灯装置に関する。詳しくは、画像取得手段によって取得した画像によって先行車や対向車を考慮した配光制御を行うようにした車輌用前照灯装置において、先行車や対向車に対する距離データを不要とする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
車輌、例えば、自動車における走路の照明は前照灯によってなされるが、前照灯の配光に使用するビームとしては大きく分けてハイビームとロービームが使用されている。
【0003】
ハイビームは、主として郊外等の歩行者が少なく、近くに先行車、すなわち、自車輌の前方を同じ方向に走行している車輌や対向車、すなわち、自車輌に対向する方向に走行している車輌が存在していない状況において、前方を照明するためのビームであり、通常の状態、すなわち、平坦路を正常な状態、すなわち、前傾や後傾していない状態で走行している状態において、前照灯の中心(発光部、例えば、フィラメント)を通り平坦路に平行な状態で前後方向に延びる軸(「通常時の光軸」という)の上方まで照明するビームであり、走路を遠方まで照明することができる。また、ロービームは、市街地の歩行者が多い地域を走行するとき及び近くに先行車や対向車が存在している状況において周囲の者、すなわち、先行車や対向車のドライバー及び歩行者にグレア(幻惑光)を与えないように前方を照明するためのビームであり、特に前照灯による照射範囲内の車幅方向の右側において通常時の光軸を水平に横切るラインの近辺又は該ラインのやや下方においてほぼ水平に延びるカットライン(上方限界線)を有し、該カットラインより下方を照明するようにされたものである。なお、前照灯による照射範囲内の車幅方向の左側においては右側のカットラインの左端から左上がりに延びるカットラインを有する(ロービームにおけるこのようなカットラインの形状は車輌左側通行の場合に適用されるものであり、車輌右側通行の場合には左右が逆になる)。従って、ロービームを使用しているかぎりは、通常時にあっては、先行車のルームミラーやフェンダーミラーを照明して先行車のドライバーにグレアを与えたり、対向車のドライバーを直接照明してグレアを与えたり、歩行者にグレアを与えたりしてしまうことが回避される。
【0004】
そして、上記したハイビームとロービームの切換はドライバーが手動によって行っていた。
【0005】
ところが、手動による切換では適時の切換がなされない惧があり、周囲の者にグレアを与えてしまったり(適時にロービームに切り換えられなかった場合)又は自車輌前方の照明が不十分になって走行の安全性に問題が生じたり(適時にハイビームに切り換えられなかった場合)する惧がある。
【0006】
そこで、画像取得手段によって獲得した画像情報及びレーザレーダやミリ波レーダ等のセンサを利用して獲得した距離情報に基づいて先行車や対向車の存否及び自車輌からの距離を検知し、自車輌から所定の距離範囲内に先行車や対向車が存在するときにはロービームに切り換え、自車輌から所定の距離範囲内に先行車や対向車が存在しないときにはハイビームに切り換えるようにする前照灯の配光自動切り換え装置が特開平6−267303号公報によって提案されている。このようにすることによって、先行車や対向車が存在しているにもかかわらずハイビームで走行したり、先行車や対向車が存在しておらず且つ高速で走行しているにもかかわらず、ロービームによって自車輌の僅か前方を照射しているのみという事態が避けられ、交通の安全性が確保される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した配光切り換え装置にあっては、画像取得手段の取付位置が車室内のルームミラーの近辺とされていて、前照灯の設置位置より高いところに位置しているので、例えば、カットラインを対象、すなわち、先行車や対向車の前照灯の光軸に対する仰俯角によって制御しようとした場合、画像取得手段の中心軸に対する対象の仰俯角が前照灯の光軸に対する仰俯角と一致しないため、対象の画像取得手段の中心軸に対する仰俯角から対象の前照灯の光軸に対する仰俯角を計算式によって求めなければならない。なお、ここで画像取得手段の中心軸とは、画像取得手段の撮像部を通り上記平坦路と平行な状態で前後方向に延びる軸のことをいう。
【0008】
図16によって先行車aのリヤランプbを対象とし、自車輌cの前照灯dの光軸x−xに対する先行車aのリヤランプbの仰俯角を求める場合を考える。なお、図16において、eは自車輌の車室内のルームミラーの近辺に配設されたCCD(Charge Coupled Dvice)カメラ等から成る画像取得手段であり、e(ax)を画像取得手段eの中心軸(前照灯dの光軸x−xと平行に延びる)、H1を前照灯の光軸x−xの上記リヤランプbからの高さ、H2を前照灯の光軸x−xからの画像取得手段eの高さ、Lsを画像取得手段eと前照灯dとの間の距離、Loを前照灯dとリヤランプbとの間の距離、L1を前照灯dからリヤランプbまでの直線距離、L2を画像取得手段eからリヤランプbまでの直線距離とすると、リヤランプbの画像取得手段eの中心軸e(ax)に対する仰俯角θiの正弦(SIN)及び余弦(COS)はそれぞれ数式1及び数式2によって表される。
【0009】
【数1】
【0010】
【数2】
【0011】
そして、リヤランプbの前照灯dの光軸x−xに対する仰俯角θhの正接(TAN)は数式3で表されるので、上記仰俯角θhは数式4で表される。
【0012】
【数3】
【0013】
【数4】
【0014】
従って、上記数式1及び数式2を数式4に代入して、数式5によって上記仰俯角θhが得られる。
【0015】
【数5】
【0016】
ところで、上記した各数値のうち、事前に分かっているものは画像取得手段eと前照灯dとの間の距離Lsと前照灯の光軸x−xからの画像取得手段eの高さH2だけであり、画像取得手段eによって分かるものがθiである。そこで、上記数式5によってリヤランプbの前照灯dの光軸x−xに対する仰俯角θhを得るためには画像取得手段eからリヤランプbまでの直線距離L2が必要になる。そのため、レーザレーダやミリ波レーダ等を画像取得手段eに近接して配置し、これらによって上記L2を取得する必要がある。
【0017】
そのため、従来にあっては、レーザレーダやミリ波レーダ等の距離測定手段を必要とする分コストが高くなり、また、上記LsやH2の数値が数式5の計算結果に影響するため、画像取得手段及び距離取得手段の前照灯に対する位置精度を高くする必要があり、この点でもコストの上昇を招く。
【0018】
そこで、本発明は、画像取得手段によって取得した画像によって先行車や対向車を考慮した配光制御を行うようにした車輌用前照灯装置において、先行車や対向車に対する距離データを不要とすること、すなわち、距離測定手段を不要とすることを課題とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明車輌用前照灯装置は、上記した課題を解決するために、車輌前方の画像を取得する画像取得手段と、車輌の前方を照明する前照灯と、上記画像取得手段から得られる画像情報に基づいて上記前照灯の配光を変化させる配光制御手段とを備え、上記画像取得手段の中心軸の高さを前照灯の光軸の高さとほぼ等しくしたものである。
【0020】
従って、本発明車輌用前照灯装置にあっては、前照灯の光軸と画像取得手段の中心軸との間に高さの差がないため、対象の画像取得手段の中心軸に対する仰俯角を対象の前照灯の光軸に対する仰俯角に置き換えることができ、対象と画像取得手段との間の距離を測定する手段が不要になる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明車輌用前照灯装置の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
【0022】
車輌用前照灯装置1は前照灯2を備える。前照灯2にはカットラインを有するビームを照射するもの2Aとハイビームを照射するもの2Bとがある(図2参照)。ここでカットラインとは、上記したように、配光の上限を限定する明瞭な明暗境界線、すなわち、カットラインから下方は明るく、カットラインの上方は暗いという境界線を意味する。カットラインは、通常、車幅方向の右側で光軸を横切る水平線より下側で水平に延び、左側が左上がりに傾斜している。もちろん、カットラインの形状がこのようなものに限るものではなく、カットラインから上方へは先行車や対向車にグレアを与えるような照明が為されないものであれば良く、例えば、ゼットビームと称されるビームのカットラインは、車幅方向の右側で光軸を横切る水平線より下側で水平に延びる右側部分と、車幅方向の左側で上記右側部分よりやや上方の位置を水平に延びる左側部分とが、左上がりに傾斜した中央部分によって連結された形状を有する。
【0023】
上記したカットラインを有するビームを形成する方式には種々のものを採用することができる。例えば、電球と該電球の光を反射してやや下向きに照射するリフレクタとを組み合わせ、電球の発光部(例えば、フィラメント)のほぼ下半分をリフレクタに対して遮光するシェードを設け、該シェードの形状によってカットラインを形作るものや、光源と該光源の光を反射し且つ集光域に集光させるリフレクタと該集光域に配置され集光された光の一部を遮光するシェードを備え、該シェードの縁によってカットラインを形作るものなど、種々の方式を採用することが可能である。
【0024】
上記前照灯2には上記カットラインを上下方向に制御する配光制御手段3が関係される。該配光制御手段3は照射制御手段4と駆動手段(アクチュエータ)5を備え、照射制御手段4は駆動手段5を制御し、また、前照灯2の点灯及び消灯並びに調光を制御する。駆動手段5は前照灯2の上記カットラインを上下方向に移動制御するものであり、そのカットラインの制御の仕方は前照灯2のカットラインの形成の方式によって異なる。例えば、電球と該電球の光を反射してやや下向きに照射するリフレクタとを組み合わせ、電球の発光部のほぼ下半分をリフレクタに対して遮光するシェードを設け、該シェードの形状によってカットラインを形作るものの場合には、リフレクタと電球とシェードを一体的に上下方向に傾動させることによってカットラインを上下方向に移動させることができるし、また、光源と該光源の光を反射し且つ集光域に集光させるリフレクタと該集光域に配置され集光された光の一部を遮光するシェードを備え、該シェードの縁によってカットラインを形作るものの場合には、シェードを上下方向に移動させることによってカットラインを上下方向に移動させることができる。そして、駆動手段5の駆動源としてはソレノイド、モータなど種々のものが使用可能である。
【0025】
上記配光制御手段3を駆動して配光を制御させるために、自車輌前方の画像を取得する画像取得手段6と画像処理装置7を備える。
【0026】
画像取得手段6は自車輌前方の画像を取得することができるものであれば良く、CCD(charge coupled device) 等の個体撮像素子を使用したいわゆるCCDカメラ等を使用することができる。該画像取得手段6によって取得する画像はカラーでもモノクロでもかまわない。そして、画像取得手段6はその中心軸が前照灯2の光軸とほぼ同じ高さに、且つ、同じ方向に延びるように配置される。例えば、車輌の前面の左右一対の前照灯の中間に前方を向いて配置される(図2参照)。あるいは、左右どちらかの前照灯の外囲器内に配置されても良い。画像取得手段6を上記したように配置することにより、対象、例えば、先行車のテールランプや対向車の前照灯などの自車輌の前照灯2の光軸に対する仰俯角を検出するのに、画像取得手段6の中心軸と対象との為す角度から換算する必要がなく、対象の画像取得手段6の中心軸に対する仰俯角をそのまま対象の自車輌の前照灯2の光軸に対する仰俯角として置き換えることができる。また、上記換算のために必要な対象との間の距離情報が不要になるので、対象との間の距離を測定する手段、例えば、レーザレーダやミリ波レーダ等が不要になり、システム構成が簡素になる。
【0027】
画像処理装置7には画像取得手段6によって取得した画像から必要な情報を取り出すための処理を施す画像処理手段8、該画像処理手段8から得られた情報に基づいて先行車や対向車の存否を認識する先行車・対向車認識手段9を備える。
【0028】
そして、上記画像処理装置7の先行車・対向車認識手段9の認識結果が上記照射制御手段4に送出され、それに基づいて上記したような駆動手段5及び前照灯2の制御が行われる。
【0029】
画像取得手段6によって先行車や対向車が認識されていないときはハイビームが照射され、先行車や対向車が認識されているときは、ロービームに切り換えるか、あるいは先行車や対向車との距離に応じたカットラインの制御を行う。
【0030】
図3にカットラインを有するビームを照射する前照灯及び該前照灯のカットラインを制御する駆動手段の一例を示す。
【0031】
前照灯10は前方に開口したハウジング11と該ハウジング11の前面開口を覆うレンズ12からなる容器状の外囲器13を備え、該外囲器13内にリフレクタ14が上下方向、すなわち、図3中矢印U−D方向に傾動可能に設けられている。上記リフレクタ14には白熱バルブ15が支持されている。リフレクタ14の反射面14aは、例えば、回転放物面をしており、白熱バルブ15の発光部、すなわち、フィラメント15aとの位置関係から、光軸x−xより上側ではフィラメント15aから発せられた光をやや下向き方向に反射し、光軸x−xより下側ではフィラメント15aから発せられた光をやや上向きに反射するようになっている。そして、白熱バルブ15aのガラス球15b内にはシェード15cが配置され、該シェード15cがフィラメント15aの前側とほぼ下半部を覆っている。従って、シェード15cによってフィラメント15aから前方へ直射される光及びリフレクタ14のほぼ下半分の部分に行く光を遮蔽するようになっている。この結果、リフレクタ14と白熱バルブ15とによって白熱バルブ15のフィラメント15aから出射しリフレクタ14のほぼ上半部で反射された光のみが前方へ照射されることになる。すなわち、カットラインが光軸x−xより下向きの角度を有するビームが出射されることになる。
【0032】
上記リフレクタ14を上下に傾動させてカットラインを上下に制御する駆動手段16は上記外囲器13内に配置されている。駆動手段16はモータ、ソレノイド等の駆動源を有する本体部16aと該本体部16aから前方に突出し駆動源の駆動により前後方向、すなわち、図3中矢印F−R方向に移動する作動杆16bとを備え、作動杆16bの前端が玉継ぎ手16cを介してリフレクタ14の下端寄りの部分と連結されている。
【0033】
駆動手段16の本体部16a内の駆動源が上記照射制御手段4によって駆動されると、作動杆16bが、照射制御手段4の制御指令の内容に応じて、前方(矢印F方向)又は後方(矢印R方向)に移動し、作動杆16bが前方に移動するとリフレクタ14が上方へ、すなわち、矢印U方向に回動して、照射軸aimが光軸x−xに対して上向きになり(図3中破線参照)、カットラインが上方へ移動され、作動杆16bが後方に移動するとリフレクタ14が下方へ、すなわち、矢印D方向に回動して、照射軸aimが光軸x−xに対して下向きになり(図3中2点鎖線参照)、カットラインが下方へ移動される。
【0034】
図4にカットラインを有するビームを照射する前照灯及び該前照灯のカットラインを制御する駆動手段の別の例を示す。この前照灯20はいわゆるプロジェクタ型の前照灯であり、カットラインをシャープに形作ることができる。
【0035】
前照灯20は前方に向かって開口したハウジング21と該ハウジング21の前面開口を覆う透明カバー22とによって形成された容器状の外囲器23を備え、該外囲器23内にリフレクタ24と白熱バルブ25と投射レンズ26とシェード27とから成る投光部28が配置されてなる。
【0036】
リフレクタ24は集光域を有する。すなわち、リフレクタ24の所定の位置(焦点)に配置された光源からの光を反射して特定の集光域に集光させる反射面24aを有する。そして、白熱バルブ25はその発光部、すなわち、フィラメント25aがリフレクタ24の所定の位置に配置されるようにリフレクタ24に支持される。
【0037】
シェード27はカットラインを形成するためのものであり、その上縁27aがリフレクタ24の上記集光域に位置するように配置される。
【0038】
投射レンズ26はリフレクタ24及びシェード27の前方に配置され、その焦点がシェード27の上縁にほぼ位置するようにされる。従って、白熱バルブ25から発せられてリフレクタ24の反射面24aで反射された光は集光域において一部がシェード27によって遮られ、シェード27によって遮られなかった光のみが投射レンズ26によって前方に照射される。従って、シェード27の上縁27aによって配光のカットラインが形成される。
【0039】
図5に上記前照灯20によって照射されるビームの配光を模式的に示す。なお、図5においてH−Hは水平線、V−Vは鉛直線であり、水平線H−Hと鉛直線V−Vの交点を前照灯20の光軸x−xが延びる。曲線で囲まれた部分29が配光を示し、該配光29の上縁を限定するカットライン30が上記シェード27の上縁27aによって形成される。すなわち、カットライン30はシェード27の上縁27aが投射レンズ26によって投影されたものである。かかるカットライン30を有するビームはいわゆるゼットビームと称されるものであり、カットライン30は扁平なZ字状に見える。すなわち、カットライン30は、車幅方向の右側の部分30Rが水平線H−Hより下方に位置し、左側の部分30Lが右側部分30Rより上方に位置し、これら2つの部分30R、30Lが左上がりの傾斜部30Cによって連結された形状を有する。なお、かかる形状のカットラインは車輌が左側を通行する所において適用されるものであり、車輌が右側を通行するところにおいては左右の関係が反対になる。
【0040】
上記投光部28内にカットライン30を上下方向に制御するための駆動手段31が配置される。該駆動手段31は駆動源としてのモータ31aと上記シェード27を下端部において回動自在に支持する軸31bとを備え、モータ31aの出力軸31cと上記軸31bとの間がギヤ31d、31eによって連携されている。従って、上記照射制御手段4によってモータ31aが駆動されると、シェード27が、照射制御手段4の制御指令の内容に応じて、図4中矢印F−R方向に回動し、これによって、シェード27の高さと前後方向における位置が変化するので、カットライン30の位置が上下方向に制御される。
【0041】
図6及び図7に前照灯のさらに別の例を示す。
【0042】
前照灯40は前方に開口したハウジング41と該ハウジング41の前面開口を覆うレンズ42とから成る容器状の外囲器43を備える。
【0043】
上記外囲器43内にリフレクタ44が傾動自在の配置される。該リフレクタ44は回動支点部45、エイミング調整部46及び駆動手段47を介してハウジング41に傾動自在に支持される。
【0044】
回動支点部45はハウジング41の後面壁41aから前方へ突出した支点軸45aの前端に形成されたボール45bがリフレクタ44の後面に設けられた受体45cの球状の凹部45dに回転可能に嵌合されてなり、リフレクタ44は該回動支点部45によって上端部のうちの左右方向における一方の部分がハウジング41に支持される。エイミング調整部46はハウジング41の後面壁41aに回転自在に支持された調整軸46aとリフレクタ44の後面に支持されたナット体46bとから成り、調整軸46aの螺軸部46cがナット体46bに螺合されている。該エイミング調整部46によってリフレクタ44の上端部のうち左右方向において回動支点部45に支持されている部分と反対側の部分がハウジング41に支持される。
【0045】
駆動手段47は図示しない駆動源他の要素を備えた駆動部47aと該駆動部47aによって前後方向に移動される駆動軸47bとリフレクタ44に支持されたナット体47cを備え、駆動軸47bは駆動部47aに対して回転可能にされている。そして、駆動軸47bの螺軸部47dがナット体47cに螺合される。リフレクタ44は下端部のうち上記回動支点部45の下方に位置する部分が駆動手段47を介して支持されている。
【0046】
そして、エイミング調整部46においては調整軸46aを回転することによって、また、駆動手段47においては駆動軸47bを回転することによって、それぞれ、ハウジング41の後面壁41aとリフレクタ44との間の間隔を調整することができる。従って、エイミング調整部46の調整軸46aを回転すると、回動支点部45と駆動手段47とを結んだ線を回動軸としてリフレクタ44は左右方向に回動される。また、駆動手段47の駆動軸47bを回転すると、回動支点部45とエイミング調整部46とを結んだ線を回動軸としてリフレクタ44は上下方向に回動される。そこで、前照灯40を車輌に初めて搭載したときや、適時に行われる車輌の検査時などに、エイミング調整部46の調整軸46a及び駆動手段47の駆動軸47bを回転させて、前照灯40の光軸x−xが正しい方向に倣うようにする調整、すなわち、初期エイミングが為される。
【0047】
また、走行中において、先行車や対向車が存在するときのカットラインの調整は、上記照射制御手段4によって駆動手段47が駆動されて駆動軸47bが前後方向に移動されることによって、リフレクタ44が回動支点部45とエイミング調整部46を結んだ軸を回動軸として上下に回動されることによって為される。
【0048】
リフレクタ44には上記した白熱バルブ15と同様の白熱バルブ48が支持される。該白熱バルブ48とリフレクタ44との関係は上記図3に示した前照灯10のリフレクタ14と白熱バルブ15との関係と同様であり、前照灯10に関して説明したのと同様にしてカットラインを有する配光が得られる。
【0049】
前照灯40の外囲器43内には上記リフレクタ44と並んで画像取得手段としてCCDカメラ49が配置され、また、上記画像処理装置7と同様の画像処理装置50がハウジング41に支持されている。そして、CCDカメラ49の撮像部(撮像素子)49aを通る軸である中心軸49axと前照灯40のフィラメント(発光部)48aを通る軸である光軸x−xとはほぼ同じ高さに位置し、且つ、平行に並んだ状態で前後方向に延びている。
【0050】
ハウジング41の下面壁41bの下面にはヘッドランプクリーナー51が支持されている。ヘッドランプクリーナー51の先端部には前照灯40のレンズ42に臨んだノズル51aが設けられており、図示しないポンプにより図示しない洗浄液タンクから管51bを介して洗浄液が供給され、該洗浄液がノズル51aからレンズ42に向かって噴射され、これによって、レンズ42の前面が洗浄されるようになっている。
【0051】
このような前照灯40にあっては、画像取得手段としてCCDカメラ49が外囲器43内に収納されているため、CCDカメラ49が風雨に曝されることが無く、また、左右の前照灯の中間位置のエンジンカバー内に配置する場合に比較してエンジンの熱の影響も受けない。さらに、洗浄装置であるヘッドランプクリーナー51によって前照灯40の前面、すなわち、レンズ42が適時に洗浄されることによって画像取得手段としてのCCDカメラ49の視界が常に良好に保たれて、画像による先行車等の存否の判断が的確になされる。さらにまた、画像取得手段であるCCDカメラ49の中心軸49axと前照灯40の光軸x−xとを車輌に搭載する前に前照灯40単体で調整することができ、車輌への組付時の調整が容易ないしは不要になる。
【0052】
上記図1及び図2に示した車輌用前照灯装置1を使用しての配光の制御例を図8によって概念的に示す。
【0053】
画像取得手段15によって取得した画像によって自車輌52の前方に先行車や対向車の存在が認識できないときは前照灯2B、2Bを点灯してハイビームHiの照射を行う(図8(a)参照)。ハイビームHiは、上記したように、通常の状態、すなわち、平坦路Rhを正常な状態、すなわち、前傾や後傾していない状態で走行している状態において、前照灯の中心を通り平坦路に平行な状態で前後方向に延びる軸x−x(「通常時の光軸」という)の上方まで照明するビームであり、走路を遠方まで照明することができる。
【0054】
画像取得手段15によって取得した画像によって自車輌52の前方に先行車や対向車の存在が認識された場合には、2通りの制御の仕方がある。最も簡単な制御は、ハイビームHiからロービームLoに切り換える制御である。すなわち、前照灯2B、2Bを消灯し、前照灯2A、2Aを点灯する。図8(b)は自車輌の前方に先行車53の存在が認識され、ロービームLoに切り換えた状態を示す。ロービームLoは、上記したように、市街地の歩行者が多い地域を走行するとき及び近くに先行車や対向車が存在している状況において周囲の者、すなわち、先行車や対向車のドライバー及び歩行者にグレア(幻惑光)を与えないように前方を照明するためのビームであり、特に前照灯による照射範囲内の車幅方向の右側において通常時の光軸x−xを水平に横切るラインの近辺又は該ラインのやや下方においてほぼ水平に延びるカットラインLoCut(上方限界線)を有し、該カットラインLoCutより下方を照明するようにされたものである。なお、前照灯による照射範囲内の車幅方向の左側においては右側のカットラインの左端から左上がりに延びるカットラインを有する(ロービームにおけるこのようなカットラインの形状は車輌左側通行の場合に適用されるものであり、車輌右側通行の場合には左右が逆になる)。従って、ロービームLoを使用しているかぎりは、通常時にあっては、先行車のルームミラーやフェンダーミラーを照明して先行車のドライバーにグレアを与えたり、対向車のドライバーを直接照明してグレアを与えたり、歩行者にグレアを与えたりしてしまうことが回避される。そして、通常時のカットラインLoCutのうち光軸x−xより下側に位置している部分が光軸x−xに対して有する角度θは約0.6[deg]とされている。
【0055】
上記したように、先行車や対向車が存在した場合にロービームLoとすれば、先行車や対向車にグレアを与えることはないが、光軸x−xに対するカットラインの角度が決まってしまっているため、不満足な部分が生じる。例えば、自車輌の前方に先行車や対向車が存在したとしても、自車輌との距離がかなりある場合には、カットラインが先行車や対向車近くまで延びても先行車や対向車のドライバーにグレアを与えることはなく、しかも、自車輌の前方を可能な限り遠方まで照明することが可能になる。すなわち、図8(c)に示すように、自車輌52の前方に先行車や対向車(図8(c)では先行車53)が存在すると認識された場合に、通常のロービームLoを照射するのではなく、先行車や対向車の位置に応じた最適なカットラインLiCutを有するビームLiを照射することによって先行車や対向車等周囲の者にとっても、また、自車輌にとっても最適な道路照明を行うことが可能になる。
【0056】
先行車や対向車の存否の画像による認識の方法を図9によって説明する。なお、図9には画像54の下方に走行路を上方から見た図を示し、画像54の右側に走行路を左側方から見た図を示す。
【0057】
先行車や対向車の認識は、例えば、先行車のテールランプ等のリヤランプや対向車の前照灯によって行う。図9には先行車53とそのリヤランプ55、55を示す。また、56、56、・・・は道路境界を示す白線である。そして、画像54中におけるリヤランプ及び白線はそれぞれ55im、55im及び56im、56im、・・・として示す。
【0058】
画像取得手段6の中心軸6axは画像54の中心に一致させてあり、従って、画像54の中心を左右に延びる線から下端までの間に位置する対象の遠近の関係を認識することができる。すなわち、仮に2台の先行車が存在したとして、画像54の下方側に捉えられている先行車の方が自車輌により近い位置に存在していることになる。
【0059】
そして、画像54中にリヤランプや前照灯の特徴、例えば、左右に間隔をおいて、且つ、該間隔を保ったまま移動する一対の輝点とか、それら輝点の色等によって、先行車や対向車の存在を認識したときは、(1)ロービームに切り換えるか、あるいは(2)カットラインを先行車や対向車との距離に応じた高さ(カットラインの延びる方向の光軸に対する角度)に制御する。
【0060】
図10によって対象(先行車や対向車)の位置に応じたカットラインの制御の概念を説明する。
【0061】
図10において自車輌52は平坦路Rhの前方に上り坂Ruがある走行路の平坦路Rh上を走行しており、先行車53が上り坂Ruの途中を走行している場合を示す。なお、図10中x−xは前照灯2Aの光軸であり、前照灯2Aの発光部を通り平坦路Rhの路面と平行に自車輌52の前方に向かって延びる軸である。また、画像取得手段6の中心軸6axは光軸x−xと高さが同じであるので、図10では重なっている。LoCutは通常時のロービームのカットラインであり、該カットラインLoCutが延びる線は光軸x−xに対してθ[deg]の角度だけ下向きにされている。
【0062】
図10において、上り坂Ruの途中に位置している先行車53のリヤランプ55を画像取得手段6から臨んだ線(以下、「照準線」という)AIMと中心軸6ax(x−x)とのなす角度をβ[deg]とした場合、カットラインを通常のロービームのカットラインLoCutから(θ+β)[deg]上方へ移動させると、制御後のカットラインは先行車53のリヤランプ55を照準する位置にあることになる。カットラインが先行車53のリヤランプ55を照準する位置にあったとしても、先行車53のドライバーにグレアを与える惧はなく、しかも、通常のロービームで照明するよりは自車輌52の前方をより遠くまで照明することができる。しかしながら、測定誤差や道路の凹凸などによる自車輌の姿勢の変化等によって照射方向がグレアを与える位置になってしまうことがあるので、かかる場合でも極力先行車53のドライバーにグレアを与えず、且つ、自車輌52の前方を可能な限り遠くまで照明するために、カットラインLiCutを上記照準線AIMより所定の角度γ[deg]だけ下方に位置させるのが好ましい。すなわち、カットラインLiCutを通常時のロービームのカットラインLoCutから制御する角度をα[deg]とした場合、
α=β+θ−γ
となるように制御するのが好ましい。これによって、先行車(対向車の場合も同様)のドライバーにほとんどをグレアを与えることが無く、また、自車輌の前方を可能な限り遠方まで照明することができる。
【0063】
次に、配光の具体的制御例を画像取得手段6が取得した画像によって図11乃至図15に示す。
【0064】
図11は通常のロービームに切り換える制御を行った場合の画像54aを示すものであり、画像54a中に先行車53imと対向車57imが認識されており、ロービームLo(梨地を付してある)によって、自車輌に近い位置にある先行車54imのリアランプ55im、55imより下方の位置を照明している、すなわち、カットラインLoCutが先行車54imのリアランプ55im、55imより下方に位置している。これによって、先行車や対向車にグレアを与えることがない。
【0065】
図12乃至図15は先行車や対向車の位置に応じたカットラインの制御をした制御例の画像を示すものである。画像において先行車や対向車が認識されている場合は、それらのうち最も自車輌に近いもの、すなわち、画像のより下方側に位置しているもののリヤランプあるいは前照灯(図9では先行車のリヤランプ55im)の画像取得手段6の中心軸6axに対する仰俯角β[deg](図9参照)を求める。なお、ここで上記中心軸6axは前照灯2の光軸x−xと同じ高さに位置しているものとする。そこで、上記「α=β+θ−γ」になるようにαを求めてカットラインLiCutを制御する。図12乃至図15はそのような制御を行った結果を示すものである。
【0066】
図12は自車輌の前方に先行車53imと対向車57imが認識されているときの画像54bを示し、先行車53imのリヤランプ55im、55imが対向車57imの前照灯58im、58imより画像54bの下方寄に位置しているので、該先行車53imを自車輌に最も近い対象と判断して、ビームLiのカットラインLiCutが該先行車53imのリヤランプ55im、55imより下方に位置するように制御する。
【0067】
図13も自車輌の前方に先行車53imと対向車57imとが認識されているときの画像54cを示し、この場合は、対向車57imの前照灯58im、58imが先行車53imのリヤランプ55im、55imより画像54cの下方寄に位置しているので、該対向車57imを自車輌に最も近い対象であると判断して、ビームLiのカットラインLiCutが該対向車57imの前照灯58im、58imより下方に位置するように制御する。
【0068】
図14は自車輌の前方に2台の先行車53im(L)、53im(R)が認識されているときの画像54dを示し、この場合は、左側の先行車53im(L)のリヤランプ55im、55imが右側の先行車53im(R)のリヤランプ55im、55imより画像54dの下方寄に位置しているので、該左側の先行車53im(L)を自車輌に最も近い対象であると判断して、ビームLiのカットラインLiCutが該左側の先行車53im(L)のリヤランプ55im、55imより下方に位置するように制御する。
【0069】
なお、カットラインの制御を走行車線側と対向車線側とで個別に制御することも可能である。例えば、カットラインを規定するシェードを走行車線側に関するものと対向車線側に関するものとに分割して、別個に移動制御をすることによって可能である。図15はそのようなカットラインの個別制御の制御例に関する画像54eを示すものであり、該画像54eにおいて、先行車53imと対向車57imとが認識されており、中央分離帯59imの左側では、先行車53imのリヤランプ55im、55im、を基準としたカットラインLiCut(L)の制御を行い、中央分離帯59imの右側では、対向車57imの前照灯58im、58imを基準としたカットラインLiCut(R)の制御を行う。
【0070】
上記したように、本発明車輌用前照灯装置1にあっては、前照灯の光軸と画像取得手段の中心軸とが同じ高さに位置しているので、画像取得手段によって取得した画像から先行車や対向車等の対象の画像の中心軸に対する仰俯角をを求め、ビームのカットラインの光軸に対する角度を上記仰俯角に基づいて制御するのに、画像取得手段の中心軸に対する対象の仰俯角を前照灯の光軸に対する対象の仰俯角として置き換えることができるので、画像取得手段や前照灯と対象との間の距離情報を得るための距離測定手段が不要となり、全体の構成を簡素化することができると共に、カットラインの制御角を得るための計算式も簡単になり、コストの低減をすることができるととも、制御の精度を向上させることができる。
【0071】
なお、上記した実施の形態において示した各部の形状及び構造は、何れも本発明を実施するに際して行う具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【0072】
【発明の効果】
以上に記載したところから明らかなように、本発明車輌用前照灯装置は、車輌前方の画像を取得する画像取得手段と、車輌の前方を照明する前照灯と、上記画像取得手段から得られる画像情報に基づいて上記前照灯の配光を変化させる配光制御手段とを備え、上記画像取得手段の中心軸の高さを前照灯の光軸の高さとほぼ等しくしたことを特徴とする。
【0073】
従って、本発明車輌用前照灯装置にあっては、前照灯の光軸と画像取得手段の中心軸との間に高さの差がないため、対象の画像取得手段の中心軸に対する仰俯角を対象の前照灯の光軸に対する仰俯角に置き換えることができ、対象と画像取得手段との間の距離を測定する手段が不要になる。そのため、装置の全体構成が簡素化されてコストの低減に寄与すると共に、距離情報に基づく換算過程が不要になるので、精度も向上する。
【0074】
請求項2に記載した発明にあっては、制御時においてカットラインを通常時のロービームのカットラインから制御する角度をα、前照灯の光軸とグレアを与えてはいけない対象を前照灯から臨んだ方向との為す角度をβ、上記βとαとの差をγ、通常時のロービームのカットラインと前照灯の光軸との為す角度をθとしたときに、下記式
α=β+θ−γ
によってカットラインを制御するようにしたので、距離情報を必要とせず、また、計算が簡素化される。
【0075】
請求項3に記載した発明にあっては、上記画像取得手段は前照灯内に配置され、前照灯の表面を洗浄する洗浄装置が設けられたので、エンジン等の熱や水から画像取得手段を保護することができ、洗浄装置によって前照灯の表面が洗浄されることによって画像取得手段の視界が良好に保たれる。さらに、画像取得手段の中心軸と前照灯の光軸とを車輌に搭載する前に前照灯単体で調整することができ、車輌への組付時の調整が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2乃至図15と共に本発明車輌用前照灯装置の実施の形態を示すものであり、本図は全体構成を示すブロック図である。
【図2】車体の前端における配置を示す概略斜視図である。
【図3】前照灯及び駆動手段の一例を示す概略縦断面図である。
【図4】図5と共に前照灯及び駆動手段の別の例を示すものであり、本図は概略縦断面図である。
【図5】カットラインを有するビームの配光を示す図である。
【図6】図7と共に前照灯のさらに別の例を示すものであり、本図は概略縦断面図である。
【図7】概略水平断面図である。
【図8】配光制御の概念を示す図であり、(a)は先行車及び対向車が存在しない場合を示し、(b)及び(c)は先行車や対向車が存在する場合を示し、(b)はロービームに制御した場合を、また、(c)は先行車や対向車の位置に応じてカットラインを制御した場合をそれぞれ示す。
【図9】先行車や対向車の存否の画像による認識の方法を示す図であり、画像の下方に走行路を上方から見た図を示し、画像の右側に走行路を左側方から見た図を示す。
【図10】先行車や対向車の位置に応じたカットラインの制御の概念を説明するための概略側面図である。
【図11】図12乃至図15と共に先行車及び/又は対向車が認識された場合のカットラインの制御画像を示すもであり、本図はロービームのカットラインに制御した図である。
【図12】先行車及び対向車が存在し、自車輌により近い先行車を基準にカットラインを制御した図である。
【図13】先行車及び対向車が存在し、自車輌により近い対向車を基準にカットラインを制御した図である。
【図14】先行車が2台存在し、自車輌により近い左側の先行車を基準にカットラインを制御した図である。
【図15】先行車と対向車が存在し、先行車及び対向車それぞれを基準としてカットラインを制御した図である。
【図16】従来の車輌用前照灯装置におけるカットラインの制御角の求め方を説明するための図である。
【符号の説明】
1…車輌用前照灯装置、2A…前照灯、3…配光制御手段、6…画像取得手段、6ax…中心軸、10…前照灯、20…前照灯、40…前照灯、49…CCDカメラ(画像取得手段)、49ax…中心軸、51…ヘッドランプクリーナー(洗浄装置)、x−x…光軸、LoCut…通常のロービームのカットライン、LiCut…制御されるカットライン
【発明の属する技術分野】
本発明は新規な車輌用前照灯装置に関する。詳しくは、画像取得手段によって取得した画像によって先行車や対向車を考慮した配光制御を行うようにした車輌用前照灯装置において、先行車や対向車に対する距離データを不要とする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
車輌、例えば、自動車における走路の照明は前照灯によってなされるが、前照灯の配光に使用するビームとしては大きく分けてハイビームとロービームが使用されている。
【0003】
ハイビームは、主として郊外等の歩行者が少なく、近くに先行車、すなわち、自車輌の前方を同じ方向に走行している車輌や対向車、すなわち、自車輌に対向する方向に走行している車輌が存在していない状況において、前方を照明するためのビームであり、通常の状態、すなわち、平坦路を正常な状態、すなわち、前傾や後傾していない状態で走行している状態において、前照灯の中心(発光部、例えば、フィラメント)を通り平坦路に平行な状態で前後方向に延びる軸(「通常時の光軸」という)の上方まで照明するビームであり、走路を遠方まで照明することができる。また、ロービームは、市街地の歩行者が多い地域を走行するとき及び近くに先行車や対向車が存在している状況において周囲の者、すなわち、先行車や対向車のドライバー及び歩行者にグレア(幻惑光)を与えないように前方を照明するためのビームであり、特に前照灯による照射範囲内の車幅方向の右側において通常時の光軸を水平に横切るラインの近辺又は該ラインのやや下方においてほぼ水平に延びるカットライン(上方限界線)を有し、該カットラインより下方を照明するようにされたものである。なお、前照灯による照射範囲内の車幅方向の左側においては右側のカットラインの左端から左上がりに延びるカットラインを有する(ロービームにおけるこのようなカットラインの形状は車輌左側通行の場合に適用されるものであり、車輌右側通行の場合には左右が逆になる)。従って、ロービームを使用しているかぎりは、通常時にあっては、先行車のルームミラーやフェンダーミラーを照明して先行車のドライバーにグレアを与えたり、対向車のドライバーを直接照明してグレアを与えたり、歩行者にグレアを与えたりしてしまうことが回避される。
【0004】
そして、上記したハイビームとロービームの切換はドライバーが手動によって行っていた。
【0005】
ところが、手動による切換では適時の切換がなされない惧があり、周囲の者にグレアを与えてしまったり(適時にロービームに切り換えられなかった場合)又は自車輌前方の照明が不十分になって走行の安全性に問題が生じたり(適時にハイビームに切り換えられなかった場合)する惧がある。
【0006】
そこで、画像取得手段によって獲得した画像情報及びレーザレーダやミリ波レーダ等のセンサを利用して獲得した距離情報に基づいて先行車や対向車の存否及び自車輌からの距離を検知し、自車輌から所定の距離範囲内に先行車や対向車が存在するときにはロービームに切り換え、自車輌から所定の距離範囲内に先行車や対向車が存在しないときにはハイビームに切り換えるようにする前照灯の配光自動切り換え装置が特開平6−267303号公報によって提案されている。このようにすることによって、先行車や対向車が存在しているにもかかわらずハイビームで走行したり、先行車や対向車が存在しておらず且つ高速で走行しているにもかかわらず、ロービームによって自車輌の僅か前方を照射しているのみという事態が避けられ、交通の安全性が確保される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した配光切り換え装置にあっては、画像取得手段の取付位置が車室内のルームミラーの近辺とされていて、前照灯の設置位置より高いところに位置しているので、例えば、カットラインを対象、すなわち、先行車や対向車の前照灯の光軸に対する仰俯角によって制御しようとした場合、画像取得手段の中心軸に対する対象の仰俯角が前照灯の光軸に対する仰俯角と一致しないため、対象の画像取得手段の中心軸に対する仰俯角から対象の前照灯の光軸に対する仰俯角を計算式によって求めなければならない。なお、ここで画像取得手段の中心軸とは、画像取得手段の撮像部を通り上記平坦路と平行な状態で前後方向に延びる軸のことをいう。
【0008】
図16によって先行車aのリヤランプbを対象とし、自車輌cの前照灯dの光軸x−xに対する先行車aのリヤランプbの仰俯角を求める場合を考える。なお、図16において、eは自車輌の車室内のルームミラーの近辺に配設されたCCD(Charge Coupled Dvice)カメラ等から成る画像取得手段であり、e(ax)を画像取得手段eの中心軸(前照灯dの光軸x−xと平行に延びる)、H1を前照灯の光軸x−xの上記リヤランプbからの高さ、H2を前照灯の光軸x−xからの画像取得手段eの高さ、Lsを画像取得手段eと前照灯dとの間の距離、Loを前照灯dとリヤランプbとの間の距離、L1を前照灯dからリヤランプbまでの直線距離、L2を画像取得手段eからリヤランプbまでの直線距離とすると、リヤランプbの画像取得手段eの中心軸e(ax)に対する仰俯角θiの正弦(SIN)及び余弦(COS)はそれぞれ数式1及び数式2によって表される。
【0009】
【数1】
【0010】
【数2】
【0011】
そして、リヤランプbの前照灯dの光軸x−xに対する仰俯角θhの正接(TAN)は数式3で表されるので、上記仰俯角θhは数式4で表される。
【0012】
【数3】
【0013】
【数4】
【0014】
従って、上記数式1及び数式2を数式4に代入して、数式5によって上記仰俯角θhが得られる。
【0015】
【数5】
【0016】
ところで、上記した各数値のうち、事前に分かっているものは画像取得手段eと前照灯dとの間の距離Lsと前照灯の光軸x−xからの画像取得手段eの高さH2だけであり、画像取得手段eによって分かるものがθiである。そこで、上記数式5によってリヤランプbの前照灯dの光軸x−xに対する仰俯角θhを得るためには画像取得手段eからリヤランプbまでの直線距離L2が必要になる。そのため、レーザレーダやミリ波レーダ等を画像取得手段eに近接して配置し、これらによって上記L2を取得する必要がある。
【0017】
そのため、従来にあっては、レーザレーダやミリ波レーダ等の距離測定手段を必要とする分コストが高くなり、また、上記LsやH2の数値が数式5の計算結果に影響するため、画像取得手段及び距離取得手段の前照灯に対する位置精度を高くする必要があり、この点でもコストの上昇を招く。
【0018】
そこで、本発明は、画像取得手段によって取得した画像によって先行車や対向車を考慮した配光制御を行うようにした車輌用前照灯装置において、先行車や対向車に対する距離データを不要とすること、すなわち、距離測定手段を不要とすることを課題とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明車輌用前照灯装置は、上記した課題を解決するために、車輌前方の画像を取得する画像取得手段と、車輌の前方を照明する前照灯と、上記画像取得手段から得られる画像情報に基づいて上記前照灯の配光を変化させる配光制御手段とを備え、上記画像取得手段の中心軸の高さを前照灯の光軸の高さとほぼ等しくしたものである。
【0020】
従って、本発明車輌用前照灯装置にあっては、前照灯の光軸と画像取得手段の中心軸との間に高さの差がないため、対象の画像取得手段の中心軸に対する仰俯角を対象の前照灯の光軸に対する仰俯角に置き換えることができ、対象と画像取得手段との間の距離を測定する手段が不要になる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明車輌用前照灯装置の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
【0022】
車輌用前照灯装置1は前照灯2を備える。前照灯2にはカットラインを有するビームを照射するもの2Aとハイビームを照射するもの2Bとがある(図2参照)。ここでカットラインとは、上記したように、配光の上限を限定する明瞭な明暗境界線、すなわち、カットラインから下方は明るく、カットラインの上方は暗いという境界線を意味する。カットラインは、通常、車幅方向の右側で光軸を横切る水平線より下側で水平に延び、左側が左上がりに傾斜している。もちろん、カットラインの形状がこのようなものに限るものではなく、カットラインから上方へは先行車や対向車にグレアを与えるような照明が為されないものであれば良く、例えば、ゼットビームと称されるビームのカットラインは、車幅方向の右側で光軸を横切る水平線より下側で水平に延びる右側部分と、車幅方向の左側で上記右側部分よりやや上方の位置を水平に延びる左側部分とが、左上がりに傾斜した中央部分によって連結された形状を有する。
【0023】
上記したカットラインを有するビームを形成する方式には種々のものを採用することができる。例えば、電球と該電球の光を反射してやや下向きに照射するリフレクタとを組み合わせ、電球の発光部(例えば、フィラメント)のほぼ下半分をリフレクタに対して遮光するシェードを設け、該シェードの形状によってカットラインを形作るものや、光源と該光源の光を反射し且つ集光域に集光させるリフレクタと該集光域に配置され集光された光の一部を遮光するシェードを備え、該シェードの縁によってカットラインを形作るものなど、種々の方式を採用することが可能である。
【0024】
上記前照灯2には上記カットラインを上下方向に制御する配光制御手段3が関係される。該配光制御手段3は照射制御手段4と駆動手段(アクチュエータ)5を備え、照射制御手段4は駆動手段5を制御し、また、前照灯2の点灯及び消灯並びに調光を制御する。駆動手段5は前照灯2の上記カットラインを上下方向に移動制御するものであり、そのカットラインの制御の仕方は前照灯2のカットラインの形成の方式によって異なる。例えば、電球と該電球の光を反射してやや下向きに照射するリフレクタとを組み合わせ、電球の発光部のほぼ下半分をリフレクタに対して遮光するシェードを設け、該シェードの形状によってカットラインを形作るものの場合には、リフレクタと電球とシェードを一体的に上下方向に傾動させることによってカットラインを上下方向に移動させることができるし、また、光源と該光源の光を反射し且つ集光域に集光させるリフレクタと該集光域に配置され集光された光の一部を遮光するシェードを備え、該シェードの縁によってカットラインを形作るものの場合には、シェードを上下方向に移動させることによってカットラインを上下方向に移動させることができる。そして、駆動手段5の駆動源としてはソレノイド、モータなど種々のものが使用可能である。
【0025】
上記配光制御手段3を駆動して配光を制御させるために、自車輌前方の画像を取得する画像取得手段6と画像処理装置7を備える。
【0026】
画像取得手段6は自車輌前方の画像を取得することができるものであれば良く、CCD(charge coupled device) 等の個体撮像素子を使用したいわゆるCCDカメラ等を使用することができる。該画像取得手段6によって取得する画像はカラーでもモノクロでもかまわない。そして、画像取得手段6はその中心軸が前照灯2の光軸とほぼ同じ高さに、且つ、同じ方向に延びるように配置される。例えば、車輌の前面の左右一対の前照灯の中間に前方を向いて配置される(図2参照)。あるいは、左右どちらかの前照灯の外囲器内に配置されても良い。画像取得手段6を上記したように配置することにより、対象、例えば、先行車のテールランプや対向車の前照灯などの自車輌の前照灯2の光軸に対する仰俯角を検出するのに、画像取得手段6の中心軸と対象との為す角度から換算する必要がなく、対象の画像取得手段6の中心軸に対する仰俯角をそのまま対象の自車輌の前照灯2の光軸に対する仰俯角として置き換えることができる。また、上記換算のために必要な対象との間の距離情報が不要になるので、対象との間の距離を測定する手段、例えば、レーザレーダやミリ波レーダ等が不要になり、システム構成が簡素になる。
【0027】
画像処理装置7には画像取得手段6によって取得した画像から必要な情報を取り出すための処理を施す画像処理手段8、該画像処理手段8から得られた情報に基づいて先行車や対向車の存否を認識する先行車・対向車認識手段9を備える。
【0028】
そして、上記画像処理装置7の先行車・対向車認識手段9の認識結果が上記照射制御手段4に送出され、それに基づいて上記したような駆動手段5及び前照灯2の制御が行われる。
【0029】
画像取得手段6によって先行車や対向車が認識されていないときはハイビームが照射され、先行車や対向車が認識されているときは、ロービームに切り換えるか、あるいは先行車や対向車との距離に応じたカットラインの制御を行う。
【0030】
図3にカットラインを有するビームを照射する前照灯及び該前照灯のカットラインを制御する駆動手段の一例を示す。
【0031】
前照灯10は前方に開口したハウジング11と該ハウジング11の前面開口を覆うレンズ12からなる容器状の外囲器13を備え、該外囲器13内にリフレクタ14が上下方向、すなわち、図3中矢印U−D方向に傾動可能に設けられている。上記リフレクタ14には白熱バルブ15が支持されている。リフレクタ14の反射面14aは、例えば、回転放物面をしており、白熱バルブ15の発光部、すなわち、フィラメント15aとの位置関係から、光軸x−xより上側ではフィラメント15aから発せられた光をやや下向き方向に反射し、光軸x−xより下側ではフィラメント15aから発せられた光をやや上向きに反射するようになっている。そして、白熱バルブ15aのガラス球15b内にはシェード15cが配置され、該シェード15cがフィラメント15aの前側とほぼ下半部を覆っている。従って、シェード15cによってフィラメント15aから前方へ直射される光及びリフレクタ14のほぼ下半分の部分に行く光を遮蔽するようになっている。この結果、リフレクタ14と白熱バルブ15とによって白熱バルブ15のフィラメント15aから出射しリフレクタ14のほぼ上半部で反射された光のみが前方へ照射されることになる。すなわち、カットラインが光軸x−xより下向きの角度を有するビームが出射されることになる。
【0032】
上記リフレクタ14を上下に傾動させてカットラインを上下に制御する駆動手段16は上記外囲器13内に配置されている。駆動手段16はモータ、ソレノイド等の駆動源を有する本体部16aと該本体部16aから前方に突出し駆動源の駆動により前後方向、すなわち、図3中矢印F−R方向に移動する作動杆16bとを備え、作動杆16bの前端が玉継ぎ手16cを介してリフレクタ14の下端寄りの部分と連結されている。
【0033】
駆動手段16の本体部16a内の駆動源が上記照射制御手段4によって駆動されると、作動杆16bが、照射制御手段4の制御指令の内容に応じて、前方(矢印F方向)又は後方(矢印R方向)に移動し、作動杆16bが前方に移動するとリフレクタ14が上方へ、すなわち、矢印U方向に回動して、照射軸aimが光軸x−xに対して上向きになり(図3中破線参照)、カットラインが上方へ移動され、作動杆16bが後方に移動するとリフレクタ14が下方へ、すなわち、矢印D方向に回動して、照射軸aimが光軸x−xに対して下向きになり(図3中2点鎖線参照)、カットラインが下方へ移動される。
【0034】
図4にカットラインを有するビームを照射する前照灯及び該前照灯のカットラインを制御する駆動手段の別の例を示す。この前照灯20はいわゆるプロジェクタ型の前照灯であり、カットラインをシャープに形作ることができる。
【0035】
前照灯20は前方に向かって開口したハウジング21と該ハウジング21の前面開口を覆う透明カバー22とによって形成された容器状の外囲器23を備え、該外囲器23内にリフレクタ24と白熱バルブ25と投射レンズ26とシェード27とから成る投光部28が配置されてなる。
【0036】
リフレクタ24は集光域を有する。すなわち、リフレクタ24の所定の位置(焦点)に配置された光源からの光を反射して特定の集光域に集光させる反射面24aを有する。そして、白熱バルブ25はその発光部、すなわち、フィラメント25aがリフレクタ24の所定の位置に配置されるようにリフレクタ24に支持される。
【0037】
シェード27はカットラインを形成するためのものであり、その上縁27aがリフレクタ24の上記集光域に位置するように配置される。
【0038】
投射レンズ26はリフレクタ24及びシェード27の前方に配置され、その焦点がシェード27の上縁にほぼ位置するようにされる。従って、白熱バルブ25から発せられてリフレクタ24の反射面24aで反射された光は集光域において一部がシェード27によって遮られ、シェード27によって遮られなかった光のみが投射レンズ26によって前方に照射される。従って、シェード27の上縁27aによって配光のカットラインが形成される。
【0039】
図5に上記前照灯20によって照射されるビームの配光を模式的に示す。なお、図5においてH−Hは水平線、V−Vは鉛直線であり、水平線H−Hと鉛直線V−Vの交点を前照灯20の光軸x−xが延びる。曲線で囲まれた部分29が配光を示し、該配光29の上縁を限定するカットライン30が上記シェード27の上縁27aによって形成される。すなわち、カットライン30はシェード27の上縁27aが投射レンズ26によって投影されたものである。かかるカットライン30を有するビームはいわゆるゼットビームと称されるものであり、カットライン30は扁平なZ字状に見える。すなわち、カットライン30は、車幅方向の右側の部分30Rが水平線H−Hより下方に位置し、左側の部分30Lが右側部分30Rより上方に位置し、これら2つの部分30R、30Lが左上がりの傾斜部30Cによって連結された形状を有する。なお、かかる形状のカットラインは車輌が左側を通行する所において適用されるものであり、車輌が右側を通行するところにおいては左右の関係が反対になる。
【0040】
上記投光部28内にカットライン30を上下方向に制御するための駆動手段31が配置される。該駆動手段31は駆動源としてのモータ31aと上記シェード27を下端部において回動自在に支持する軸31bとを備え、モータ31aの出力軸31cと上記軸31bとの間がギヤ31d、31eによって連携されている。従って、上記照射制御手段4によってモータ31aが駆動されると、シェード27が、照射制御手段4の制御指令の内容に応じて、図4中矢印F−R方向に回動し、これによって、シェード27の高さと前後方向における位置が変化するので、カットライン30の位置が上下方向に制御される。
【0041】
図6及び図7に前照灯のさらに別の例を示す。
【0042】
前照灯40は前方に開口したハウジング41と該ハウジング41の前面開口を覆うレンズ42とから成る容器状の外囲器43を備える。
【0043】
上記外囲器43内にリフレクタ44が傾動自在の配置される。該リフレクタ44は回動支点部45、エイミング調整部46及び駆動手段47を介してハウジング41に傾動自在に支持される。
【0044】
回動支点部45はハウジング41の後面壁41aから前方へ突出した支点軸45aの前端に形成されたボール45bがリフレクタ44の後面に設けられた受体45cの球状の凹部45dに回転可能に嵌合されてなり、リフレクタ44は該回動支点部45によって上端部のうちの左右方向における一方の部分がハウジング41に支持される。エイミング調整部46はハウジング41の後面壁41aに回転自在に支持された調整軸46aとリフレクタ44の後面に支持されたナット体46bとから成り、調整軸46aの螺軸部46cがナット体46bに螺合されている。該エイミング調整部46によってリフレクタ44の上端部のうち左右方向において回動支点部45に支持されている部分と反対側の部分がハウジング41に支持される。
【0045】
駆動手段47は図示しない駆動源他の要素を備えた駆動部47aと該駆動部47aによって前後方向に移動される駆動軸47bとリフレクタ44に支持されたナット体47cを備え、駆動軸47bは駆動部47aに対して回転可能にされている。そして、駆動軸47bの螺軸部47dがナット体47cに螺合される。リフレクタ44は下端部のうち上記回動支点部45の下方に位置する部分が駆動手段47を介して支持されている。
【0046】
そして、エイミング調整部46においては調整軸46aを回転することによって、また、駆動手段47においては駆動軸47bを回転することによって、それぞれ、ハウジング41の後面壁41aとリフレクタ44との間の間隔を調整することができる。従って、エイミング調整部46の調整軸46aを回転すると、回動支点部45と駆動手段47とを結んだ線を回動軸としてリフレクタ44は左右方向に回動される。また、駆動手段47の駆動軸47bを回転すると、回動支点部45とエイミング調整部46とを結んだ線を回動軸としてリフレクタ44は上下方向に回動される。そこで、前照灯40を車輌に初めて搭載したときや、適時に行われる車輌の検査時などに、エイミング調整部46の調整軸46a及び駆動手段47の駆動軸47bを回転させて、前照灯40の光軸x−xが正しい方向に倣うようにする調整、すなわち、初期エイミングが為される。
【0047】
また、走行中において、先行車や対向車が存在するときのカットラインの調整は、上記照射制御手段4によって駆動手段47が駆動されて駆動軸47bが前後方向に移動されることによって、リフレクタ44が回動支点部45とエイミング調整部46を結んだ軸を回動軸として上下に回動されることによって為される。
【0048】
リフレクタ44には上記した白熱バルブ15と同様の白熱バルブ48が支持される。該白熱バルブ48とリフレクタ44との関係は上記図3に示した前照灯10のリフレクタ14と白熱バルブ15との関係と同様であり、前照灯10に関して説明したのと同様にしてカットラインを有する配光が得られる。
【0049】
前照灯40の外囲器43内には上記リフレクタ44と並んで画像取得手段としてCCDカメラ49が配置され、また、上記画像処理装置7と同様の画像処理装置50がハウジング41に支持されている。そして、CCDカメラ49の撮像部(撮像素子)49aを通る軸である中心軸49axと前照灯40のフィラメント(発光部)48aを通る軸である光軸x−xとはほぼ同じ高さに位置し、且つ、平行に並んだ状態で前後方向に延びている。
【0050】
ハウジング41の下面壁41bの下面にはヘッドランプクリーナー51が支持されている。ヘッドランプクリーナー51の先端部には前照灯40のレンズ42に臨んだノズル51aが設けられており、図示しないポンプにより図示しない洗浄液タンクから管51bを介して洗浄液が供給され、該洗浄液がノズル51aからレンズ42に向かって噴射され、これによって、レンズ42の前面が洗浄されるようになっている。
【0051】
このような前照灯40にあっては、画像取得手段としてCCDカメラ49が外囲器43内に収納されているため、CCDカメラ49が風雨に曝されることが無く、また、左右の前照灯の中間位置のエンジンカバー内に配置する場合に比較してエンジンの熱の影響も受けない。さらに、洗浄装置であるヘッドランプクリーナー51によって前照灯40の前面、すなわち、レンズ42が適時に洗浄されることによって画像取得手段としてのCCDカメラ49の視界が常に良好に保たれて、画像による先行車等の存否の判断が的確になされる。さらにまた、画像取得手段であるCCDカメラ49の中心軸49axと前照灯40の光軸x−xとを車輌に搭載する前に前照灯40単体で調整することができ、車輌への組付時の調整が容易ないしは不要になる。
【0052】
上記図1及び図2に示した車輌用前照灯装置1を使用しての配光の制御例を図8によって概念的に示す。
【0053】
画像取得手段15によって取得した画像によって自車輌52の前方に先行車や対向車の存在が認識できないときは前照灯2B、2Bを点灯してハイビームHiの照射を行う(図8(a)参照)。ハイビームHiは、上記したように、通常の状態、すなわち、平坦路Rhを正常な状態、すなわち、前傾や後傾していない状態で走行している状態において、前照灯の中心を通り平坦路に平行な状態で前後方向に延びる軸x−x(「通常時の光軸」という)の上方まで照明するビームであり、走路を遠方まで照明することができる。
【0054】
画像取得手段15によって取得した画像によって自車輌52の前方に先行車や対向車の存在が認識された場合には、2通りの制御の仕方がある。最も簡単な制御は、ハイビームHiからロービームLoに切り換える制御である。すなわち、前照灯2B、2Bを消灯し、前照灯2A、2Aを点灯する。図8(b)は自車輌の前方に先行車53の存在が認識され、ロービームLoに切り換えた状態を示す。ロービームLoは、上記したように、市街地の歩行者が多い地域を走行するとき及び近くに先行車や対向車が存在している状況において周囲の者、すなわち、先行車や対向車のドライバー及び歩行者にグレア(幻惑光)を与えないように前方を照明するためのビームであり、特に前照灯による照射範囲内の車幅方向の右側において通常時の光軸x−xを水平に横切るラインの近辺又は該ラインのやや下方においてほぼ水平に延びるカットラインLoCut(上方限界線)を有し、該カットラインLoCutより下方を照明するようにされたものである。なお、前照灯による照射範囲内の車幅方向の左側においては右側のカットラインの左端から左上がりに延びるカットラインを有する(ロービームにおけるこのようなカットラインの形状は車輌左側通行の場合に適用されるものであり、車輌右側通行の場合には左右が逆になる)。従って、ロービームLoを使用しているかぎりは、通常時にあっては、先行車のルームミラーやフェンダーミラーを照明して先行車のドライバーにグレアを与えたり、対向車のドライバーを直接照明してグレアを与えたり、歩行者にグレアを与えたりしてしまうことが回避される。そして、通常時のカットラインLoCutのうち光軸x−xより下側に位置している部分が光軸x−xに対して有する角度θは約0.6[deg]とされている。
【0055】
上記したように、先行車や対向車が存在した場合にロービームLoとすれば、先行車や対向車にグレアを与えることはないが、光軸x−xに対するカットラインの角度が決まってしまっているため、不満足な部分が生じる。例えば、自車輌の前方に先行車や対向車が存在したとしても、自車輌との距離がかなりある場合には、カットラインが先行車や対向車近くまで延びても先行車や対向車のドライバーにグレアを与えることはなく、しかも、自車輌の前方を可能な限り遠方まで照明することが可能になる。すなわち、図8(c)に示すように、自車輌52の前方に先行車や対向車(図8(c)では先行車53)が存在すると認識された場合に、通常のロービームLoを照射するのではなく、先行車や対向車の位置に応じた最適なカットラインLiCutを有するビームLiを照射することによって先行車や対向車等周囲の者にとっても、また、自車輌にとっても最適な道路照明を行うことが可能になる。
【0056】
先行車や対向車の存否の画像による認識の方法を図9によって説明する。なお、図9には画像54の下方に走行路を上方から見た図を示し、画像54の右側に走行路を左側方から見た図を示す。
【0057】
先行車や対向車の認識は、例えば、先行車のテールランプ等のリヤランプや対向車の前照灯によって行う。図9には先行車53とそのリヤランプ55、55を示す。また、56、56、・・・は道路境界を示す白線である。そして、画像54中におけるリヤランプ及び白線はそれぞれ55im、55im及び56im、56im、・・・として示す。
【0058】
画像取得手段6の中心軸6axは画像54の中心に一致させてあり、従って、画像54の中心を左右に延びる線から下端までの間に位置する対象の遠近の関係を認識することができる。すなわち、仮に2台の先行車が存在したとして、画像54の下方側に捉えられている先行車の方が自車輌により近い位置に存在していることになる。
【0059】
そして、画像54中にリヤランプや前照灯の特徴、例えば、左右に間隔をおいて、且つ、該間隔を保ったまま移動する一対の輝点とか、それら輝点の色等によって、先行車や対向車の存在を認識したときは、(1)ロービームに切り換えるか、あるいは(2)カットラインを先行車や対向車との距離に応じた高さ(カットラインの延びる方向の光軸に対する角度)に制御する。
【0060】
図10によって対象(先行車や対向車)の位置に応じたカットラインの制御の概念を説明する。
【0061】
図10において自車輌52は平坦路Rhの前方に上り坂Ruがある走行路の平坦路Rh上を走行しており、先行車53が上り坂Ruの途中を走行している場合を示す。なお、図10中x−xは前照灯2Aの光軸であり、前照灯2Aの発光部を通り平坦路Rhの路面と平行に自車輌52の前方に向かって延びる軸である。また、画像取得手段6の中心軸6axは光軸x−xと高さが同じであるので、図10では重なっている。LoCutは通常時のロービームのカットラインであり、該カットラインLoCutが延びる線は光軸x−xに対してθ[deg]の角度だけ下向きにされている。
【0062】
図10において、上り坂Ruの途中に位置している先行車53のリヤランプ55を画像取得手段6から臨んだ線(以下、「照準線」という)AIMと中心軸6ax(x−x)とのなす角度をβ[deg]とした場合、カットラインを通常のロービームのカットラインLoCutから(θ+β)[deg]上方へ移動させると、制御後のカットラインは先行車53のリヤランプ55を照準する位置にあることになる。カットラインが先行車53のリヤランプ55を照準する位置にあったとしても、先行車53のドライバーにグレアを与える惧はなく、しかも、通常のロービームで照明するよりは自車輌52の前方をより遠くまで照明することができる。しかしながら、測定誤差や道路の凹凸などによる自車輌の姿勢の変化等によって照射方向がグレアを与える位置になってしまうことがあるので、かかる場合でも極力先行車53のドライバーにグレアを与えず、且つ、自車輌52の前方を可能な限り遠くまで照明するために、カットラインLiCutを上記照準線AIMより所定の角度γ[deg]だけ下方に位置させるのが好ましい。すなわち、カットラインLiCutを通常時のロービームのカットラインLoCutから制御する角度をα[deg]とした場合、
α=β+θ−γ
となるように制御するのが好ましい。これによって、先行車(対向車の場合も同様)のドライバーにほとんどをグレアを与えることが無く、また、自車輌の前方を可能な限り遠方まで照明することができる。
【0063】
次に、配光の具体的制御例を画像取得手段6が取得した画像によって図11乃至図15に示す。
【0064】
図11は通常のロービームに切り換える制御を行った場合の画像54aを示すものであり、画像54a中に先行車53imと対向車57imが認識されており、ロービームLo(梨地を付してある)によって、自車輌に近い位置にある先行車54imのリアランプ55im、55imより下方の位置を照明している、すなわち、カットラインLoCutが先行車54imのリアランプ55im、55imより下方に位置している。これによって、先行車や対向車にグレアを与えることがない。
【0065】
図12乃至図15は先行車や対向車の位置に応じたカットラインの制御をした制御例の画像を示すものである。画像において先行車や対向車が認識されている場合は、それらのうち最も自車輌に近いもの、すなわち、画像のより下方側に位置しているもののリヤランプあるいは前照灯(図9では先行車のリヤランプ55im)の画像取得手段6の中心軸6axに対する仰俯角β[deg](図9参照)を求める。なお、ここで上記中心軸6axは前照灯2の光軸x−xと同じ高さに位置しているものとする。そこで、上記「α=β+θ−γ」になるようにαを求めてカットラインLiCutを制御する。図12乃至図15はそのような制御を行った結果を示すものである。
【0066】
図12は自車輌の前方に先行車53imと対向車57imが認識されているときの画像54bを示し、先行車53imのリヤランプ55im、55imが対向車57imの前照灯58im、58imより画像54bの下方寄に位置しているので、該先行車53imを自車輌に最も近い対象と判断して、ビームLiのカットラインLiCutが該先行車53imのリヤランプ55im、55imより下方に位置するように制御する。
【0067】
図13も自車輌の前方に先行車53imと対向車57imとが認識されているときの画像54cを示し、この場合は、対向車57imの前照灯58im、58imが先行車53imのリヤランプ55im、55imより画像54cの下方寄に位置しているので、該対向車57imを自車輌に最も近い対象であると判断して、ビームLiのカットラインLiCutが該対向車57imの前照灯58im、58imより下方に位置するように制御する。
【0068】
図14は自車輌の前方に2台の先行車53im(L)、53im(R)が認識されているときの画像54dを示し、この場合は、左側の先行車53im(L)のリヤランプ55im、55imが右側の先行車53im(R)のリヤランプ55im、55imより画像54dの下方寄に位置しているので、該左側の先行車53im(L)を自車輌に最も近い対象であると判断して、ビームLiのカットラインLiCutが該左側の先行車53im(L)のリヤランプ55im、55imより下方に位置するように制御する。
【0069】
なお、カットラインの制御を走行車線側と対向車線側とで個別に制御することも可能である。例えば、カットラインを規定するシェードを走行車線側に関するものと対向車線側に関するものとに分割して、別個に移動制御をすることによって可能である。図15はそのようなカットラインの個別制御の制御例に関する画像54eを示すものであり、該画像54eにおいて、先行車53imと対向車57imとが認識されており、中央分離帯59imの左側では、先行車53imのリヤランプ55im、55im、を基準としたカットラインLiCut(L)の制御を行い、中央分離帯59imの右側では、対向車57imの前照灯58im、58imを基準としたカットラインLiCut(R)の制御を行う。
【0070】
上記したように、本発明車輌用前照灯装置1にあっては、前照灯の光軸と画像取得手段の中心軸とが同じ高さに位置しているので、画像取得手段によって取得した画像から先行車や対向車等の対象の画像の中心軸に対する仰俯角をを求め、ビームのカットラインの光軸に対する角度を上記仰俯角に基づいて制御するのに、画像取得手段の中心軸に対する対象の仰俯角を前照灯の光軸に対する対象の仰俯角として置き換えることができるので、画像取得手段や前照灯と対象との間の距離情報を得るための距離測定手段が不要となり、全体の構成を簡素化することができると共に、カットラインの制御角を得るための計算式も簡単になり、コストの低減をすることができるととも、制御の精度を向上させることができる。
【0071】
なお、上記した実施の形態において示した各部の形状及び構造は、何れも本発明を実施するに際して行う具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【0072】
【発明の効果】
以上に記載したところから明らかなように、本発明車輌用前照灯装置は、車輌前方の画像を取得する画像取得手段と、車輌の前方を照明する前照灯と、上記画像取得手段から得られる画像情報に基づいて上記前照灯の配光を変化させる配光制御手段とを備え、上記画像取得手段の中心軸の高さを前照灯の光軸の高さとほぼ等しくしたことを特徴とする。
【0073】
従って、本発明車輌用前照灯装置にあっては、前照灯の光軸と画像取得手段の中心軸との間に高さの差がないため、対象の画像取得手段の中心軸に対する仰俯角を対象の前照灯の光軸に対する仰俯角に置き換えることができ、対象と画像取得手段との間の距離を測定する手段が不要になる。そのため、装置の全体構成が簡素化されてコストの低減に寄与すると共に、距離情報に基づく換算過程が不要になるので、精度も向上する。
【0074】
請求項2に記載した発明にあっては、制御時においてカットラインを通常時のロービームのカットラインから制御する角度をα、前照灯の光軸とグレアを与えてはいけない対象を前照灯から臨んだ方向との為す角度をβ、上記βとαとの差をγ、通常時のロービームのカットラインと前照灯の光軸との為す角度をθとしたときに、下記式
α=β+θ−γ
によってカットラインを制御するようにしたので、距離情報を必要とせず、また、計算が簡素化される。
【0075】
請求項3に記載した発明にあっては、上記画像取得手段は前照灯内に配置され、前照灯の表面を洗浄する洗浄装置が設けられたので、エンジン等の熱や水から画像取得手段を保護することができ、洗浄装置によって前照灯の表面が洗浄されることによって画像取得手段の視界が良好に保たれる。さらに、画像取得手段の中心軸と前照灯の光軸とを車輌に搭載する前に前照灯単体で調整することができ、車輌への組付時の調整が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2乃至図15と共に本発明車輌用前照灯装置の実施の形態を示すものであり、本図は全体構成を示すブロック図である。
【図2】車体の前端における配置を示す概略斜視図である。
【図3】前照灯及び駆動手段の一例を示す概略縦断面図である。
【図4】図5と共に前照灯及び駆動手段の別の例を示すものであり、本図は概略縦断面図である。
【図5】カットラインを有するビームの配光を示す図である。
【図6】図7と共に前照灯のさらに別の例を示すものであり、本図は概略縦断面図である。
【図7】概略水平断面図である。
【図8】配光制御の概念を示す図であり、(a)は先行車及び対向車が存在しない場合を示し、(b)及び(c)は先行車や対向車が存在する場合を示し、(b)はロービームに制御した場合を、また、(c)は先行車や対向車の位置に応じてカットラインを制御した場合をそれぞれ示す。
【図9】先行車や対向車の存否の画像による認識の方法を示す図であり、画像の下方に走行路を上方から見た図を示し、画像の右側に走行路を左側方から見た図を示す。
【図10】先行車や対向車の位置に応じたカットラインの制御の概念を説明するための概略側面図である。
【図11】図12乃至図15と共に先行車及び/又は対向車が認識された場合のカットラインの制御画像を示すもであり、本図はロービームのカットラインに制御した図である。
【図12】先行車及び対向車が存在し、自車輌により近い先行車を基準にカットラインを制御した図である。
【図13】先行車及び対向車が存在し、自車輌により近い対向車を基準にカットラインを制御した図である。
【図14】先行車が2台存在し、自車輌により近い左側の先行車を基準にカットラインを制御した図である。
【図15】先行車と対向車が存在し、先行車及び対向車それぞれを基準としてカットラインを制御した図である。
【図16】従来の車輌用前照灯装置におけるカットラインの制御角の求め方を説明するための図である。
【符号の説明】
1…車輌用前照灯装置、2A…前照灯、3…配光制御手段、6…画像取得手段、6ax…中心軸、10…前照灯、20…前照灯、40…前照灯、49…CCDカメラ(画像取得手段)、49ax…中心軸、51…ヘッドランプクリーナー(洗浄装置)、x−x…光軸、LoCut…通常のロービームのカットライン、LiCut…制御されるカットライン
Claims (3)
- 車輌前方の画像を取得する画像取得手段と、
車輌の前方を照明する前照灯と、
上記画像取得手段から得られる画像情報に基づいて上記前照灯の配光を変化させる配光制御手段とを備え、
上記画像取得手段の中心軸の高さを前照灯の光軸の高さとほぼ等しくした
ことを特徴とする車輌用前照灯装置。 - 制御時においてカットラインを通常時のロービームのカットラインから制御する角度をα、
前照灯の光軸とグレアを与えてはいけない対象を前照灯から臨んだ方向との為す角度をβ、
上記βとαとの差をγ、
通常時のロービームのカットラインと前照灯の光軸との為す角度をθとしたときに、
α=β+θ−γ
であることを特徴とする請求項1に記載の車輌用前照灯装置。 - 上記画像取得手段は前照灯内に配置され、
前照灯の表面を洗浄する洗浄装置が設けられた
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車輌用前照灯装置。
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JP2002266812A Pending JP2004098971A (ja) | 2002-09-12 | 2002-09-12 | 車輌用前照灯装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004098971A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010285129A (ja) * | 2009-06-15 | 2010-12-24 | Koito Mfg Co Ltd | 車両用前照灯システムおよび灯具ユニットと撮影ユニットの関連付け方法 |
US8351648B2 (en) | 2007-09-10 | 2013-01-08 | Denso Corporation | Apparatus for controlling direction of light from on-vehicle headlights |
-
2002
- 2002-09-12 JP JP2002266812A patent/JP2004098971A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8351648B2 (en) | 2007-09-10 | 2013-01-08 | Denso Corporation | Apparatus for controlling direction of light from on-vehicle headlights |
JP2010285129A (ja) * | 2009-06-15 | 2010-12-24 | Koito Mfg Co Ltd | 車両用前照灯システムおよび灯具ユニットと撮影ユニットの関連付け方法 |
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