JP2004098504A - 記録装置及びその制御方法、プログラム - Google Patents

記録装置及びその制御方法、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】記録エラーを確実に検出することができる記録装置及びその制御方法、プログラムを提供する。
【解決手段】記録媒体への記録に使用する画像データから、吐出に使用される第1総ドット数をドットカウント部105でカウントする。次に、画像データに基づく記録後の記録媒体上に吐出されたインク総重量を重量センサユニット113で検出する。インク総重量に対応する第2総ドット数を総ドット数変換テーブル101bを参照して算出する。MPU101は、第1総ドット数と第2総ドット数を比較し、その比較結果に基づいて、記録エラーの有無を判定する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクを吐出する記録ヘッドを用いて、記録媒体に記録を行う記録装置及びその制御方法、プログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機能を有する記録装置、あるいはコンピュータやワードプロセッサ等を含む複合型電子機器や、ワークステーション等の出力機器として用いられる記録装置は、画像情報(文字情報等を含む)に基づいて用紙やプラスチック薄板等の被記録材(記録媒体)に画像(文字等を含む)を記録していくように構成されている。
【0003】
この種の記録装置は、その記録方式により、インクジェット式、ワイヤドット式、サーマル式、レーザビーム式等に分類することができる。これらの記録装置のうち、インクジェット式の記録装置(インクジェット記録装置)は、記録手段(記録ヘッド)から被記録材にインクを吐出して記録を行うものである。このインクジェット記録装置は、記録手段のコンパクト化が容易であり、高精細な画像を高速で記録することができ、普通紙に特別の処理を必要とせずに記録することができ、稼働コストが安く、無衝撃方式であるため騒音が少なく、しかも、多色のインクを使用してカラー画像を記録するのが容易であるなどの諸利点を有している。
【0004】
中でも、記録媒体の幅方向(記録媒体の搬送方向に対して垂直な方法)に、多数の吐出口を配列したフルマルチタイプの記録ヘッドを用いるライン型のものは、記録の一層の高速化が可能である。
【0005】
そして、このインクジェット記録装置で使用される記録ヘッドでは、吐出を行わない状態で長時間放置された場合など、特に吐出口近傍のインク液路内において、インクが増粘し正常な吐出が行われなくなることがある。また、比較的記録デューティが高い記録を行う場合などに、吐出が連続的に行われると、吐出に伴って上記液路内のインク中に生ずる微細な気泡が成長し、この成長した気泡が液路内に残留して吐出に影響を及ぼし、同様に正常な吐出が行われなくなることがある。この種の気泡については、上述のように吐出に伴って生ずるもの以外に、インク供給路の接続部等、インク供給系においてインク中に混入するものもある。
【0006】
上述の不吐出によって記録装置の信頼性が低下するばかりではなく、正常に吐出不能状態の記録ヘッドで高デューティの記録を行おうとすると、記録ヘッドの状態が正常な場合よりはるかに高い温度まで昇温し、記録ヘッド自体に損傷が生じ、耐久性が損なわれる可能性がある。
【0007】
これら種々の原因による吐出不良に対しては、インクジェット記録装置では、例えば、吐出を行わない時に、記録ヘッドの吐出口面を被覆してインクの増粘を防止するキャッピング処理、このキャッピング状態で吐出口からインクを吸引して増粘インクを排出させるインク吸引、インク吸収体等で構成される所定のインク受けに通常の記録時と同様にインクを吐出し、同様に増粘インクを排出する予備吐出等の吐出回復処理が行われる。
【0008】
これらの吐出回復処理は、例えば、装置の電源投入時や記録動作中、所定の時間間隔で自動的に行われたり、あるいはユーザが必要に応じて回復ボタン等を押すことによって行われていた。
【0009】
しかしながら、装置の電源投入時に吐出回復処理をするインクジェット記録装置においては、頻繁に電源のオン/オフを繰り返すユーザが使用した場合、吐出回復処理を行う回数が不必要に増加し、インク消費量、吐出口から吸引された廃インクの量が増加する問題がある。
【0010】
一方、ユーザがその判断に応じて回復ボタンを操作して回復処理を行うものにおいては、ユーザには、その記録ヘッドが正常な状態にあるのか、不吐出の状態であるのかが実際に記録を行わないとユーザには分からず、信頼性に欠けるという問題があった。
【0011】
この問題に対し、予備吐出によって記録ヘッドに生ずる温度上昇及び予備吐出後の記録ヘッドに生ずる温度の降下に応じて、記録ヘッドが不吐出か否かを判断する技術(例えば、特許文献1参照)や、予備吐出によって記録ヘッドに生ずる温度上昇、及び予備吐出後の記録ヘッドに生ずる温度の降下に応じて、記録ヘッドが不吐出か否かを判断する技術(例えば、特許文献2参照)が開示されている。
【0012】
【特許文献1】
特開平4−133746号公報
【特許文献2】
特開平5−293968号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術で不吐出の検知に用いている予備吐出による記録ヘッドの昇温には、記録ヘッドの発熱特性、蓄熱特性のばらつきなど、記録ヘッドの個体差や電源電圧のばらつきなどの記録装置本体の個体差などにより、ばらつきを生じる。
【0013】
また、記録ヘッドにゴミ等が詰まった時などは、記録ヘッドの温度状態によらず、インクが吐出しないことがある。また、記録ヘッドの状態によって必要以上のインクが吐出されてしまう、「ボタ落」等の記録エラーが発生することがある。
【0014】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、記録エラーを確実に検出することができる記録装置及びその制御方法、プログラムを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明による記録装置は以下の構成を備える。即ち、
インクを吐出する記録ヘッドを用いて、記録媒体に記録を行う記録装置であって、
前記記録媒体への記録に使用する画像データから、吐出に使用される第1総ドット数をカウントするカウント手段と、
前記画像データに基づく記録後の前記記録媒体上に吐出されたインク総重量を検出する検出手段と、
前記インク総重量に対応する第2総ドット数を算出する算出手段と、
前記第1総ドット数と前記第2総ドット数を比較する比較手段と、
前記比較手段の比較結果に基づいて、記録エラーの有無を判定する判定手段と
を備える。
【0016】
また、好ましくは、前記比較手段による比較の結果、前記第1総ドット数と前記第2総ドット数の差が所定値以上である場合、前記判定手段は、前記画像データに基づく記録を記録エラーと判定する。
【0017】
また、好ましくは、前記所定値は、前記第1総ドット数に応じて選択される複数の所定値群からなり、該第1総ドット数の値が大きくなるにつれて選択される所定値も大きくなる。
【0018】
また、好ましくは、外気の温度を検出する温度検出手段と、
外気の湿度を検出する湿度検出手段とを更に備え、
前記算出手段は、前記温度検出手段で検出された温度と前記湿度検出手段で検出された湿度とに基づいて、前記インク総重量に対応する第2総ドット数を算出する。
【0019】
また、好ましくは、前記判定手段は、前記画像データに基づく記録を記録エラーと判定した場合、該画像データによる再記録を実行するための要求を発行する。
【0020】
上記の目的を達成するための本発明による記録装置の制御方法は以下の構成を備える。即ち、
インクを吐出する記録ヘッドを用いて、記録媒体に記録を行う記録装置の制御方法であって、
前記記録媒体への記録に使用する画像データから、吐出に使用される第1総ドット数をカウントするカウント工程と、
重量検出部から出力される前記画像データに基づく記録後の前記記録媒体上に吐出されたインク総重量に対応する第2総ドット数を算出する算出工程と、
前記第1総ドット数と前記第2総ドット数を比較する比較工程と、
前記比較工程の比較結果に基づいて、記録エラーの有無を判定する判定工程と
を備える。
【0021】
上記の目的を達成するための本発明によるプログラムは以下の構成を備える。即ち、
インクを吐出する記録ヘッドを用いて、記録媒体に記録を行う記録装置を制御するためのプログラムであって、
前記記録媒体への記録に使用する画像データから、吐出に使用される第1総ドット数をカウントするカウント工程のプログラムコードと、
重量検出部から出力される前記画像データに基づく記録後の前記記録媒体上に吐出されたインク総重量に対応する第2総ドット数を算出する算出工程のプログラムコードと、
前記第1総ドット数と前記第2総ドット数を比較する比較工程のプログラムコードと、
前記比較工程の比較結果に基づいて、記録エラーの有無を判定する判定工程のプログラムコードと
を備える。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0023】
尚、以下に説明する実施形態では、インクジェット記録方式を用いた記録装置としてプリンタを例に挙げ説明する。
【0024】
また、本明細書において、「記録」とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も言うものとする。
【0025】
ここで、「記録媒体」とは、一般的なプリント装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも言うものとする。
【0026】
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成またはプリント媒体の加工、或いはインクの処理(例えば、記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を言うものとする。
【0027】
<実施形態1>
図1は実施形態1のプリンタの制御部の模式ブロック図である。
【0028】
100は、プリンタ1000の制御部300へ記録データ(画像データ)を送信するホストコンピュータ(HOST)である。HOST100は、主に、プリンタ1000の画像処理IC103を介し、MPU101との通信により、プリンタ1000にコマンドを送信する。また、多値画像データを2値画像データへ変換して、画像処理IC103内部のMPU_I/F部109に送信する。
【0029】
101はMPUであり、画像処理IC103の制御、各モータ112の制御、各センサ信号の検知、HOST100とのコマンド通信等、プリンタ制御におけるあらゆる制御を司る。102は画像メモリであり、一時的にラスター方向(水平方向)の画像データを保管し、また、後述するHV変換後の画像データを保管する。この画像メモリ102には、例えば、SDRAM等が用いられる。
【0030】
103は画像処理ICであり、MPU101、HOST100、画像メモリ102及び記録ヘッド110に接続され、画像メモリ102の制御及び記録ヘッド110の制御を行う。
【0031】
104〜109は画像処理IC103内部の機能ブロックである。
【0032】
104はI/F部であり、HOST100から送信されるコマンドをMPU101に対し出力し、HOST100から送信される画像データをドットカウント部105及びDMA部106に転送する。105はドットカウント部であり、HOST100から転送される画像データをバッファし、記録を行うドットをカウントする。
【0033】
106はDMA部であり、I/F部104、HV変換部107、及び記録ヘッドI/F部108と接続され、各DMAのアービトレーションを行い、実際に画像メモリ102のアクセスを行う。107はHV変換部であり、画像メモリ102に貯えられたラスター方向(水平(Horizontal)方向)の画像データを、記録ヘッド110のノズル配置方向(垂直(Vertical)方向)に合わせるための変換(以後、HV変換)を実行する。
【0034】
尚、このノズル配置方向は、記録ヘッドが走査する主走査方向と直交する方向である副走査方向(記録媒体の搬送方向)である。
【0035】
108は記録ヘッドI/F部108であり、画像メモリ102に貯えられたHV変換後の画像データをDMA部106より読み出し、記録ヘッド110に転送する。109はMPU_I/F部であり、MPU101と接続され、MPU101と画像処理IC103の各機能ブロックへのアクセスのインターフェースを司る。
【0036】
110は記録ヘッドであり、記録ヘッドI/F部108より転送される画像データにより、実際に記録媒体上に記録を行う。111はセンサ群であり、記録媒体の所在をセンスするためにいくつか設けられている。112はモータ群であり、記録媒体の搬送や、記録ヘッド110を備えたキャリッジを動かすためのモータであり、MPU101によって適切に制御される。
【0037】
113は記録終了後の記録媒体に吐出されたインクの重量をMPU101に対して出力する重量センサユニットである。
【0038】
尚、HOST100は、汎用コンピュータに搭載される標準的な構成要素(例えば、CPU、RAM、ROM、ハードディスク、外部記憶装置、ネットワークインタフェース、ディスプレイ、キーボード、マウス等)を有している。
【0039】
次に、実施形態1のプリンタの側面概略図について、図2を用いて説明する。
【0040】
図2は実施形態1のプリンタの側面概略図である。
【0041】
200は記録前のロール上に巻かれた用紙(記録媒体、以下、ロール紙)である。201はロール紙200を給紙する給紙ローラである。202は給紙ローラ201によって繰り出されたロール紙200を記録ヘッド110まで、搬送する一対の搬送ローラである。
【0042】
203は記録ヘッド110まで搬送されたロール紙200を搬送方向に、次の記録ヘッド100の長さ分もしくは、それ以下の記録領域分精度良く記録媒体を搬送するローディングフィードローラ(以下、LFローラ)である。204、205はロール紙200の搬送状態を検知するためのセンサである。
【0043】
記録ヘッド110は、副走査方向に配置されたノズル群一つ一つより、LFローラ203によって搬送された記録媒体に、インクを吐出しながら主走査方向に往復動作することで記録を行う。
【0044】
207は記録されたロール紙を所定の大きさに切断するカッターである。208は記録終了、切断後の記録媒体を重量センサユニット113に導く搬送ローラである。113は記録終了後の記録媒体に吐出されたインクの総重量を検出する重量センサユニットである。
【0045】
210は重量センサユニット113上の記録媒体を排紙トレイ211に導く搬送ローラである。211は記録終了後の記録媒体を貯える排紙トレイである。
【0046】
以下、実施形態1のプリンタの記録動作について、図1及び図2を用いて説明する。
【0047】
まず、HOST100は、画像処理IC103を介してMPU101に対して記録開始コマンドを発行する。それに対し、MPU101は、搬送ローラ200、給紙ローラ201、搬送ローラ202各々により、センサ204で記録媒体の位置をセンスしながら、記録媒体を記録ヘッド110の位置まで搬送する。
【0048】
MPU101は、ドットカウント部105の値をクリアし、記録可能状態(各モータ112、センサ111の初期化、記録ヘッド110の回復動作等、記録のイニシャル動作完了時)であれば、記録可能コマンドを画像処理IC103に発行し、記録工程が開始される。
【0049】
尚、回復動作とは、記録ヘッド110の不使用、低湿度環境あるいは記録頻度の差異などの要因によって粘度の増したインクや、さらには塵埃の付着などによってヘッドのインク吐出口に生じる目詰まりを除去する動作である。具体的には、記録ヘッド110の吐出口の内方から増粘インクを加圧排出したり、あるいは、記録ヘッドの吐出口を覆って保護するためのキャップを介してインクを吸引排出することにより、増粘インクを除去する吐出回復機構を構成している。
【0050】
また、記録動作においても各吐出口のインク吐出頻度は一様ではなく、一度も使用されない吐出口が生じる場合もあり、インク吐出の少ない吐出口に目詰まりを生じる恐れがある。そして、この目詰まりは画質の劣化を招くので、この吐出回復機構は、一般に、例えば、一定期間毎に記録ヘッド110をキャップに対向させ、キャップに向けて全吐出口よりインク吐出を行わせる処理(いわゆる、空吐出)による吐出回復処理も行う。
【0051】
実施形態1では、画像の記録領域を、例えば、A4サイズとし、解像度を1200dpi(dot/inch)×1200dpiとする。また、原稿の長手方向を記録媒体搬送方向とし、短手方向(ラスター方向=主走査方向)に記録ヘッド100を走査することで記録を行う。
【0052】
HOST100は、多値画像データを2値(「1」:ドットを出力するデータ、「0」:ドットを出力しないデータ)に展開し、記録ヘッド110の走査方向(以後、ラスター方向)に2値画像データを1ライン毎に画像処理IC103内部のI/F部104に転送する。
【0053】
A4サイズの記録領域のラスター方向の長さは、約9インチであり、1200dot/inch×9inch=10800dotであるので、1ラスター、一色のデータ量は10800bitとなる。また、長手方向の長さは約12インチであるので、1200dot/inch×12=14400ラスター分の画像データとなる。
【0054】
また、本プリンタ1000では、主に、写真画質を出力することを目的としているので、6色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、淡シアン、淡マゼンタ)の画像データを必要とする。故に、A4原稿一枚の最大画像データ量は、10800(dot/ラスター)×14400ラスター×6色=933120000bit=116.64MBとなる。
【0055】
I/F部104はHOST100から送信される2値画像データを一度バッファし、ドットカウント部105及びDMA部106に転送する。ドットカウント部105では、2値画像データの「1」(ドット出力を行う)をカウントし積算する。即ち、ドットカウント部105は、原稿一枚分に出力されるべき画像データのドット数をカウントする。
【0056】
特に、実施形態1の場合、A4サイズの画像データの最大ドット数は、933120000ドットとなるので、ドットカウント部105は、0〜379E4800h(16進数)までのアップカウンタとなる。即ち、A4全ての記録領域に6色のドットを出力する場合は、ドットカウンタ部105のカウンタ値は379E4800hになる。
【0057】
また、DMA部106ではI/F部104より転送される画像データを画像メモリ102のデータサイズに合わせて、画像メモリ102に転送する。画像メモリ102内の記憶領域は、色毎に6つの記憶領域に区分けされ、色毎に画像データが個別の記憶領域に記憶される。
【0058】
また、画像メモリ102には、HOST100から転送される画像データが順次に記憶されるため、ラスター方向の並びの画像データがDMA部106により、画像メモリ102の連続したアドレスに配置され、かつ画像メモリ102の個々の領域もラスター方向の画像データである。
【0059】
しかしながら、記録ヘッド110のノズル配置方向はラスター方向に対し垂直方向であるために、ノズル数の数だけ画像メモリ102にアクセスする必要が生じる。これに対し、近年、ノズル数は増加する傾向にあり、記録ヘッド110を搭載するキャリッジの記録速度も非常に高速になっているために、画像データの読み出しアクセスは高速に行うことが不可欠である。
【0060】
そこで、実施形態1では、HV変換部107において、色毎に適当なラスター分の画像データが画像メモリ102に貯えられた時点で、HV変換部107に画像データを取り込み、ノズル配置方向の並びに画像データを変換し、変換後の画像データ(以後、変換後画像データ)を再び画像メモリ102に貯えるHV変換を行う。
【0061】
このようなHV変換を行うことで、例えば、画像メモリ102のデータサイズが32bitとすると、記録ヘッド110への読み出し回数は1/32で行うことができる。
【0062】
以上の動作を繰り返すことで、HOST100からの画像データの転送、ドットカウント、HV変換を行う。そして、画像メモリ102に変換後画像データが、6色分、かつ記録ヘッド110のノズル数以上の画像データ(例えば、256ノズルとすると、256ラスター以上の変換後画像データ)が貯えられると記録開始可能となる。
【0063】
MPU101は、各モータ112に対し制御信号を発行し、LFローラ203を記録ヘッド110の幅分だけ、紙送り方向に回転させ、記録媒体を搬送方向に搬送する。MPU101は、画像処理IC103内部のMPU_I/F部109を介し、記録ヘッドI/F部108に記録開始に伴う設定(画像データの読み出し開始アドレスのセット、読み出しタイミングのセット等)を実行し、1スキャン(キャリッジがラスター方向に一回走査し、記録を行うこと、つまり、記録ヘッド110のノズル数分、横1ラスター分の領域を記録すること)記録開始のフラグを立てる。
【0064】
MPU101は、キャリッジをラスター方向に、固定の記録速度で移動させる。記録ヘッドI/F部108は、画像メモリ102にアクセスし、キャリッジの位置に同期して、ノズル数分の画像データを画像メモリ102から読み出し、バッファする。そして、読み出しだ画像データをキャリッジが吐出するべき位置に到達した時点で、記録ヘッド110に画像データを転送し記録を行う。
【0065】
同様に、記録ヘッドI/F部108は、キャリッジが次の記録位置に到達した時点で、次の画像データを記録ヘッド110に転送する。
【0066】
以上のようにして、キャリッジを原稿の横幅分走査させながら、随時インクを吐出することにより、1スキャン分の記録を行う。画像メモリ102内は、すでに変換後画像データが記録ヘッドI/F部108より読み出され、読み出された領域は空き領域となる。
【0067】
DMA部106は、空き領域に次ラスターの画像データを転送し、画像メモリ102に空き領域が存在しない場合は、HOST100に対し、ラスター画像データ転送のウェイトをかける。
【0068】
以上のようにして、DMA部106が画像メモリ102を制御することで、より少ない容量の画像メモリを利用することも可能となる。
【0069】
MPU101は、キャリッジを記録開始位置まで戻し、再びLFローラ203を駆動させ、記録媒体を次に記録する領域分搬送させる。画像メモリ102に、次走査の変換後画像データが用意された時点で、同様にキャリッジを走査させ、画像メモリ102より変換後画像データを読み出し、インク吐出を行う。
【0070】
以上を繰り返し、原稿A4分(1頁分)の画像データ、6色分の吐出を行う。記録中、記録ヘッド110のノズルは、初期動作においての充分な回復動作等にもかかわらず、記録ヘッド110のつまりや、大気の温度、記録ヘッド110の温度等による記録ヘッド110の物理的状態によって吐出されないノズルが存在することが多々ある。また、環境の物理的要因などによりその時々で吐出されないノズルが発生したり、インクが必要以上に吐出される「ボタ落ち」という現象が生じる可能性もある。
【0071】
そこで、本実施形態では、以下に説明する重量センサユニット209を用いて、「ボタ落ち」の有無を検出し、その検出結果に基づいて、同一画像データの再記録を行うように制御する。
【0072】
具体的には、まず、MPU101は、記録終了後の搬送ローラ208を駆動して記録媒体を搬送させ、センサ205で記録媒体の位置を検出しながら、記録媒体の記録終了位置をカッター207の位置まで搬送する。MPU110はカッター207を駆動し、記録終了後の記録媒体を切断する。更に、搬送ローラ208を駆動し切断された記録終了後の記録媒体を重量センサユニット209上に搬送させる。
【0073】
次に、重量センサユニット113の詳細構成について、図3を用いて説明する。
【0074】
図3は実施形態1の重量センサユニットの詳細構成を示す図である。
【0075】
重量センサユニット113において、301は重量センサであり、ある圧力が加わると電気抵抗値が変化する様な圧力センサを応用したセンサである。この重量センサ301は、一定電流を通電させておき記録終了後の記録媒体が重量センサユニット113上に搬送された時の電圧の変化を検出し、減算器302に出力する。
【0076】
302は減算器であり、MPU101より出力される、記録媒体のみの重量に相当する電圧Vptと、重量センサ301より出力される記録終了後の記録媒体の重量に相当する電圧Vdptが入力され、後者の電圧Vdptから前者の電圧Vptの減算値を出力する。
【0077】
303は増幅器であり、減算器302より出力される微弱な信号vdtを増幅し、その増幅信号VdtをMPU101に出力する。
【0078】
重量センサ301は、記録終了後の記録媒体分の重量に相当する電圧Vdptを出力する。MPU101は、記録媒体のみの重量に相当する電圧Vptを重量センサユニット113に対し出力する。
【0079】
減算器302より出力される信号vdtは記録媒体上に吐出されたインクの総重量に対応する電圧となる。
【0080】
原稿一枚の最大ドット数は、933120000ドットであるので、インク1ドットの重量を約10000[pg]とすると、最大吐出時のインク重量は、9.3312[g]となる。ボタ落ち等で、インクが余計に吐出された時のことを考慮して、インクの重さを最大1.8[g]とすると、記録終了後のインクの総重量(Wdt)は、原則的に0[g]〜1.8[g]の間の値をとることになる。
【0081】
そのため、減算器302から出力される信号vdtは、0〜1.8[g]の重さに対応する範囲の微弱な電圧で変化する。
【0082】
そして、増幅器303に入力された信号vdtは、インクの総重量が0g→0[V]、1.8g→5[V]と0〜5[V]のアナログ値に変換され、記録終了後のインクの総重量に相当する信号VdtとしてMPU101に出力される。
【0083】
以上のようにして、重量センサユニット113上の記録終了後の記録媒体に実際に吐出されたインクの総重量Vdtを検出する。
【0084】
MPU101は、入力されたVdtを内部のA/D変換部101aにて、デジタル値に変換して実際に吐出された総ドット数Dctaを、VdtよりMPU101内部に記憶された総ドット数変換テーブル101bにより算出する。
【0085】
総ドット数変換テーブル101bは、重量センサユニット113により検出されるVdtと、実際に実験等で求められた総ドット数Dctaとの1対1の関係を示したテーブルであり、Vdtが決まれば総ドット数Dctaが決定されるテーブルである。
【0086】
また、この総ドット数変換テーブル101bを用いずに、総ドット数Dctaを、予め定義された数式を用いてVdtから算出するようにしても良い。
【0087】
また、実施形態1においては、インク1ドットの重量を約10000[pg]として、総ドット数変換テーブル101bを作成してあるが、そのインクの種類によって、1ドットあたりの重量も変化するので、インク1ドットあたりの重量によって総ドット数変換テーブル101bに補正をかけて、総ドット数Dctaを算出するようにしても良い。
【0088】
以上のようにして、重量センサユニット113によって得られる記録終了後の記録媒体の重量から、吐出されたインクの総ドット数を算出する。
【0089】
また、MPU101は、画像処理IC103内部のドットカウント部105より、吐出されるべきドット数Dctbを読み込み、DctaとDctbを比較する。Dctaの値が、Dctbの値に近ければ、正常な画像が記録されたことになる。
【0090】
MPU101は、|Dcta−Dctb|を算出し、その値がMPU101内部に記憶された誤差β(許容値)以内であれば、正常な画像が記録されたと判断する。
【0091】
尚、誤差β(許容値)は、事前に実験や測定で定められた値であり、記録終了後の記録媒体の画像が正常であると判断できるドットカウント値の誤差である。また、インクの総ドット数が多いほど、誤差も大きくなるので少なくとも一つ以上のβの値をMPU101内部で記憶しておき、Dctbの値によってβの値を選択しても構わない。例えば、総ドット数Dctbの値が大きくなるにつれて、値が大きい誤差βを選択するようにしても良い。
【0092】
以上のようにして、正常な画像が記録された時には、そのまま排紙トレイ211に、記録媒体を排紙する。
【0093】
一方、|Dcta−Dctb|の値がβ以上の場合、MPU101は記録ミスと判断し、MPU101は画像処理IC103を介してHOST100に対し記録エラーが生じたことを通知し、HOST100から再び同じ画像データを転送し再記録を行う。
【0094】
次に、実施形態1のプリンタ1000で実行される処理について、図4を用いて説明する。
【0095】
図4は実施形態1のプリンタ1000で実行される処理を示すフローチャートである。
【0096】
まず、ステップS101で、プリンタ1000は、HOST400より画像データを受信し、画像メモリ102に記憶する。ステップS102で、MPU101は、ドットカウント部105より、画像メモリ102の記録媒体へ記録する1頁分の画像データ中の「1」(ドットを出力するデータ)の総ドット数Dctbを算出する。
【0097】
ステップS103で、MPU101は、画像メモリ102中の記録データを用いて記録媒体への記録を記録ヘッド110により行う。ステップS104で、記録終了後の記録媒体の重量を重量センサユニット113より検出する。ステップS105で、検出した重量に対応する総ドット数Dctaを総ドット数変換テーブル101bを参照して算出する。
【0098】
ステップS106で、MPU101は、|Dcta−Dctb|<βであるか否かを判定する。|Dcta−Dctb|<βでない場合(ステップS106でNO)、記録エラーと判定して、ステップS107に進み、MPU101は、記録に使用した画像データ再送信の要求をHOST100へ発行し、ステップS101へ戻る。
【0099】
尚、画像データの再送信を要求して、再度、ステップS101へ処理が戻る場合、その画像データ中の総ドット数は、前回のステップS102で算出しているので、ステップS102の処理は省略しても良い。また、記録エラーと判定された記録媒体は、不図示の回収部で回収しても良いし、記録エラーである旨を通知した上で、排紙トレイ211へ排紙しても良い。この通知は、例えば、プリンタ1000上の操作パネル(不図示)内の表示部やLEDを利用したり、ホスト100の表示部を利用することができる。
【0100】
一方、|Dcta−Dctb|<βである場合(ステップS106でYES)、重量センサユニット113上の記録媒体を排紙トレイ211へ排紙する。
【0101】
以上説明したように、実施形態1によれば、記録終了後の記録媒体の重量を重量センサユニット301により検出し、実際に記録媒体に打ち込まれたインクの総ドット数と、画像データから得られるインク吐出を行う総ドット数を比較し、その比較結果に基づいて、記録ヘッド110のノズルの不吐や、ボタ落ち等による記録エラーを検出することができる。
【0102】
また、記録エラーが検出された場合には、再記録を行うことができる。
【0103】
<実施形態2>
実施形態2は、実施形態1の応用例であり、特に、インクの総重量に加え、外気の温度及び湿度を考慮して、吐出されたインクの総ドット数をより正確に算出する構成について説明する。
【0104】
図5は実施形態2のプリンタの制御部の模式ブロック図である。
【0105】
尚、図5において、400〜413は、実施形態1の図1の100〜113と同様であり、実施形態1と同様の役割を果たすので説明を省略する。
【0106】
414及び415はそれぞれ、温度センサユニット及び湿度センサユニットであり、本プリンタ1000の外気の温度及び湿度を検出し、その検出結果をアナログ電気信号としてMPU401のA/D変換部401aに入力する。
【0107】
また、プリンタ1000の側面概略図は、実施形態1と同様である。
【0108】
次に、実施形態2のプリンタで実行される処理について説明する。
【0109】
実施形態2では、実施形態1と同様にHOST400からの、記録開始コマンドにより記録工程を開始する。記録工程においては、実施形態1と同様に記録を行い、画像データ受信時に、画像データの吐出データをカウントし吐出されるべき総ドット数DctbをMPU401内部に記憶する。
【0110】
記録終了後の記録媒体は、重量センサユニット413により、インクの総重量VdtをMPU400に出力する。また、MPU400は、この時の温度センサユニット414により出力されるアナログ値をMPU401内部のA/D変換部401aにより、デジタル値(T℃:外気温度)に変換する。
【0111】
同様に、湿度センサユニット415より出力されるアナログ値をMPU401内部のA/D変換部401aによりデジタル値(Hu%:湿度)に変換する。
【0112】
インクの総重量は、外気温度T及び湿度Huによってインクの水分の重量が可変するので、MPU401内部にはあらかじめ実験等によって求められた、Vdt(インクの総重量)、T(温度)、Hu(湿度)及びDcta(吐出された総ドット数)との関係を示す総ドット数変換テーブル401bを記憶している。
【0113】
この総ドット数変換テーブル401bの一例について、図6を用いて説明する。
【0114】
図6は実施形態2の総ドット数変換テーブルの一例を示す図である。
【0115】
図6に示すように、総ドット数変換テーブル401bは、Hu(H1u〜Hnu)、T(0℃〜49℃)、Vdt(Vdt1〜Vdtn)の値によって、Dcta(Dc11a〜Dcnny)が選択されるように構成されている。例えば、Hu=H1u、T=3℃、Vdt=Vdt2の時は、総ドット数Dcta=Dc11bが選択される。
【0116】
以上のようにして、温度、湿度を考慮して、吐出された総ドット数Dctaを決定する。また、総ドット数変換テーブル104bを使用しないで、予め定義された数式を用いてVdt、T、Huから、総ドット数をDctaを算出しても構わない。
【0117】
そして、実施形態1と同様に、MPU401は、実際に吐出されたインクのドット数Dctaと、吐出されるべき総ドット数Dctbを比較する。比較の結果、|Dcta−Dctb|<βである場合、正常に記録工程を終了する。一方、|Dcta−Dctb|<βでない場合は、MPU401は、記録ミスーと判断し、MPU401は画像処理IC403を介して、HOST401に対し記録エラーが生じたことを通知して、HOST401から再び画像データを転送し再記録を行う。
【0118】
尚、実施形態2のプリンタ1000で実行される処理は、実施形態1の図4に準じて説明がつくので、ここでは省略する。
【0119】
以上説明したように、実施形態2によれば、インクの総重量に加え、外気の温度及び、湿度を考慮して吐出されたインクの総ドット数をより正確に算出することにより、実施形態1で説明した効果に加えて、記録ヘッド410のノズルの不吐やボタ落ち等による記録エラーをより厳密に検出することができる。
【0120】
以上説明したように、本発明によれば、吐出されるべきインクの総ドット数と該吐出されたインクの総ドット数の値が同じ、もしくは近い値であれば正常に記録が終了したとし、両者の値が大きく違う時は記録ミスと判断することで、記録ヘッドの不吐およびボタ落ち等による記録ミスを確実に検出することができる。
【0121】
また、吐出されるべきインクの総ドット数と吐出されたインクの総ドット数を減算しその絶対値を両者の誤差とし、該誤差が適当な許容値よりも大きい場合は記録ミス、小さい場合は正常に記録が終了したと作用することで、記録ヘッドの不吐およびボタ落ち等による記録ミスを確実に検出することができる。
【0122】
また、インクの総ドット数の値が大きくなるにつれて、許容値も大きくなるように補正するように作用することでより、正確にドット数を比較することができる。
【0123】
また、外気の温度と湿度と1ドットあたりのインクの重量、及びインクの総重量を、吐出されたインクの総ドット数に変換することでより、正確に記録ヘッドの不吐およびボタ落ち等による記録ミスを確実に検出することができる。
【0124】
また、記録ミスが検出された時には、再び同じ画像を記録するように作用することで、再記録の初期設定処理を行わずに記録を開始するのでより効率化を図ることができる。
【0125】
尚、以上の実施形態において、記録ヘッドから吐出される液滴はインクであるとして説明し、さらにインクタンクに収容される液体はインクであるとして説明したが、その収容物はインクに限定されるものではない。例えば、記録画像の定着性や耐水性を高めたり、その画像品質を高めたりするために記録媒体に対して吐出される処理液のようなものがインクタンクに収容されていても良い。
【0126】
以上の実施形態は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化が達成できる。
【0127】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状をすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0128】
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0129】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成としても良い。
【0130】
さらに、記録装置が記録できる最大記録媒体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0131】
加えて、上記の実施形態で説明した記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0132】
さらに、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでも良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもできる。
【0133】
以上説明した実施の形態においては、インクが液体であることを前提として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化もしくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジェット方式ではインク自体を30°C以上70°C以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0134】
加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のような、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能である。このような場合インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0135】
さらに加えて、本発明に係る記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として一体または別体に設けられるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を取るものであっても良い。
【0136】
尚、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
【0137】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0138】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0139】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などがある。
【0140】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0141】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0142】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0143】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【0144】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、記録エラーを確実に検出することができる記録装置及びその制御方法、プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1のプリンタの制御部の模式ブロック図である。
【図2】実施形態1のプリンタの側面概略図である。
【図3】実施形態1の重量センサユニットの詳細構成を示す図である。
【図4】実施形態1のプリンタ1000で実行される処理を示すフローチャートである。
【図5】実施形態2のプリンタの制御部の模式ブロック図である。
【図6】実施形態2の総ドット数変換テーブルの一例を示す図である。
【符号の説明】
100 HOST
101 MPU
102 画像メモリ
103 画像処理IC
104 I/F部
105 ドットカウント部
106 DMA部
107 HV変換部
108 記録ヘッドI/F部
109 MPU_I/F部
110 記録ヘッド
111 各センサ
112 各モータ
113 重量センサユニット
200 ロール紙
201 給紙ローラ
202 搬送ローラ
203 LFローラ
204 センサ
205 センサ
207 カッター
208 搬送ローラ
210 搬送ローラ
211 排紙トレイ
301 重量センサ
302 減算器
303 増幅器

Claims (7)

  1. インクを吐出する記録ヘッドを用いて、記録媒体に記録を行う記録装置であって、
    前記記録媒体への記録に使用する画像データから、吐出に使用される第1総ドット数をカウントするカウント手段と、
    前記画像データに基づく記録後の前記記録媒体上に吐出されたインク総重量を検出する検出手段と、
    前記インク総重量に対応する第2総ドット数を算出する算出手段と、
    前記第1総ドット数と前記第2総ドット数を比較する比較手段と、
    前記比較手段の比較結果に基づいて、記録エラーの有無を判定する判定手段と
    を備えることを特徴とする記録装置。
  2. 前記比較手段による比較の結果、前記第1総ドット数と前記第2総ドット数の差が所定値以上である場合、前記判定手段は、前記画像データに基づく記録を記録エラーと判定する
    ことを特徴とする請求項1記載の記録装置。
  3. 前記所定値は、前記第1総ドット数に応じて選択される複数の所定値群からなり、該第1総ドット数の値が大きくなるにつれて選択される所定値も大きくなる
    ことを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  4. 外気の温度を検出する温度検出手段と、
    外気の湿度を検出する湿度検出手段とを更に備え、
    前記算出手段は、前記温度検出手段で検出された温度と前記湿度検出手段で検出された湿度とに基づいて、前記インク総重量に対応する第2総ドット数を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  5. 前記判定手段は、前記画像データに基づく記録を記録エラーと判定した場合、該画像データによる再記録を実行するための要求を発行する
    ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  6. インクを吐出する記録ヘッドを用いて、記録媒体に記録を行う記録装置の制御方法であって、
    前記記録媒体への記録に使用する画像データから、吐出に使用される第1総ドット数をカウントするカウント工程と、
    重量検出部から出力される前記画像データに基づく記録後の前記記録媒体上に吐出されたインク総重量に対応する第2総ドット数を算出する算出工程と、
    前記第1総ドット数と前記第2総ドット数を比較する比較工程と、
    前記比較工程の比較結果に基づいて、記録エラーの有無を判定する判定工程と
    を備えることを特徴とする記録装置の制御方法。
  7. インクを吐出する記録ヘッドを用いて、記録媒体に記録を行う記録装置を制御するためのプログラムであって、
    前記記録媒体への記録に使用する画像データから、吐出に使用される第1総ドット数をカウントするカウント工程のプログラムコードと、
    重量検出部から出力される前記画像データに基づく記録後の前記記録媒体上に吐出されたインク総重量に対応する第2総ドット数を算出する算出工程のプログラムコードと、
    前記第1総ドット数と前記第2総ドット数を比較する比較工程のプログラムコードと、
    前記比較工程の比較結果に基づいて、記録エラーの有無を判定する判定工程のプログラムコードと
    を備えることを特徴とするプログラム。
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