JP2004097787A - 歯列矯正用のインプラント - Google Patents

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Mitsuru Motoyoshi
本吉 満
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    • A61C8/00Means to be fixed to the jaw-bone for consolidating natural teeth or for fixing dental prostheses thereon; Dental implants; Implanting tools
    • A61C8/0093Features of implants not otherwise provided for
    • A61C8/0096Implants for use in orthodontic treatment

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  • Dental Tools And Instruments Or Auxiliary Dental Instruments (AREA)

Abstract

【課題】骨へ埋入後、すぐに歯列矯正のための固定源として使用可能なインプラントを提供する。
【解決手段】骨にねじ込むねじ部2が、先端部側からテーパねじ部2A及び平行ねじ部2Bからなる。テーパねじ部2Aにおける雄ねじの谷の径は、最小径d1が開口孔の径より小さく、最大径d2が開口孔の径よりも大きい。頭部に形成された露出部3にアバットメント4が予め取り付けられている。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯列矯正のために、骨に埋め込まれて歯の位置を変位させる際の固定源を提供する小径のインプラントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、歯列矯正用のインプラントは、図6に示すように、全体が円筒形状のねじ部50と、そのねじ部50の頭部に形成された露出部51と、上記ねじ部50と露出部51との間の円筒部52とから構成される。
上記ねじ部50は、雄ねじの谷の径が、骨55に開口する開口孔54の径と等しく設定されている。なお、ねじ部50の先端形状は、通常、図3のように断面円弧状となるように丸められている。
【0003】
ここで、骨に開口する上記開口孔54は、一般には、径が1mmに設定され、且つ、使用するインプラントのねじ部の長さ相当の深さまで穿孔される。このように開口孔の径が1mmの場合には、一般に使用されているインプラントのねじ部50の寸法は、雄ねじの谷の径が1mm、且つ雄ねじの山の径が1.2mmとなっている。なお、歯列矯正用のインプラントは、仮のアンカーであり歯列矯正が完了すれば外される。また、取付け位置などの関係から、ねじ部の最大径が2mmを越えることは無い。
【0004】
また、上記円筒部52は、使用の際に、骨55の上に存在する粘膜等の肉部を貫通する部分である。
また、上記露出部51には、アバットメントを後で取付け可能な小径部53を有し、当該小径部53にアバットメントのフック部を引っ掛けることが可能となっている。
【0005】
次に、上記小径のインプラントを使用した、歯列矯正のための矯正治具の取付けについて説明する。
まず、歯近傍の骨(通常は顎骨)に対しインプラントのアンカー位置を決定した後、その部分に対し局所麻酔をして円筒形のメスで骨の上にある肉部を切開して開窓して骨表面を露出させたら、小径ドリルで直径1mmの開口孔54を穿孔する。続いて、手回しのドライバを使用して、上記インプラントのねじ部50を、上記開口孔54内にねじ込んで埋入する。この後、上記開窓を再び縫合する。そして、ねじ部50と骨55との結合を確保するために3ヶ月間そのまま養生する。
【0006】
3ヶ月間の養生期間が経過したら、インプラント周囲の肉部を切って上記インプラントの露出部51を再度露出させた後、その露出部51にアバットメントのフックを引っ掛けると共に、当該アバットメントの他端部に形成され取付け穴に結束線を連結することで、上記インプラントを牽引の固定源として使用して歯列矯正を行う。なお、アバットメントを使用せずに、直接、矯正具たる結束線を上記露出部51に取り付けてブラケットを牽引させる場合もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ねじ部50の径の寸法は、ねじ込まれる骨への影響を考慮して決定するが、上記従来の歯列矯正用のインプラントのねじ部50は、全長に亘って円筒状の平行ねじであると共に、雄ねじの谷の径が開口孔54の径と等しく設定してあることから、固定源として要求されるだけの骨との結合を確保するためには、埋入手術後3ヶ月間程度の養生期間が必要であり、その期間分だけ歯列矯正の開始が遅くなる。
【0008】
また、インプラントの埋設後すぐに固定源として利用できないため、インプラントの露出部51に予めアバットメントを装着しておくことができない。このため、養生期間終了の後に、インプラントを骨に埋設した状態で、上記露出部51に対してアバットメントの取付けを行う必要があるが、上述のように極めて小さな部品であり、しかも口腔内での取付け作業となることから、一般にアバットメントの取付け作業が面倒である。
また、インプラントと骨とが結合した後(養生期間終了後)に、再び肉部を切開する手術が要求される。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、骨へ埋入後、すぐに歯列矯正のための固定源として使用可能なインプラントを提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に記載した発明は、口腔内で顎骨等の骨に埋め込まれるねじ部と、上記ねじ部の頭部に形成されて歯列矯正用のアバットメントその他の矯正具が取り付けられる露出部と、を備えて、上記骨に穿孔した小径の開口孔に対し、上記ねじ部をねじ込むことで骨に埋め込まれる小径のインプラントにおいて、
上記ねじ部は、少なくとも先端部側がテーパねじ部を構成し、且つそのテーパねじ部の雄ねじの谷の径は、先端部で上記開口孔の径よりも小さく且つ頭部側で上記開口孔の径よりも大きいことを特徴とするものである。
【0010】
次に、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した構成に対し、上記ねじ部は、先端部側のテーパねじ部と、当該テーパねじ部に連続して上記開口孔の径よりも雄ねじの谷の径が大きい円筒状の平行ねじ部とから構成され、かつ上記ねじ部のうち雄ねじの谷の径が開口孔径よりも大きい部分の長さが2mm以上であることを特徴とするものである。
【0011】
次に、請求項3に記載した発明は、口腔内で顎骨等の骨に埋め込まれるねじ部と、上記ねじ部の頭部に形成されて歯列矯正用のアバットメントその他の矯正具が取り付けられる露出部と、を備えて、上記ねじ部をねじ込むことで骨に埋め込まれる小径のインプラントにおいて、
上記ねじ部は、少なくとも先端部側がテーパねじ部を構成し、且つ当該ねじ部の先端部に孔あけ用のドリル刃を形成したことを特徴とするものである。
【0012】
次に、請求項4に記載した発明は、請求項1〜請求個3のいずれかに記載した構成に対し、上記ねじ部の長さは、3mm以上5mm以下であることを特徴とするものである。
次に、請求項5に記載した発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載した構成に対し、上記露出部には、予めアバットメントが取り付けられていることを特徴とするものである。
【0013】
本発明によれば、ねじ部について、少なくとも先端部側をテーパねじとすると共にそのテーパねじ部の先端部側の径を開口孔径よりも小さくすることで、確実に開口孔に案内されながらねじ込まれる。さらに、開口孔径よりも大径の部分が開口孔に食い込むようにねじ込まれることで、埋入直後から骨との接触率(密着率)が大きくなって骨との結合が大きくなる。
【0014】
このとき、ねじ部の頭部側を平行ねじ部とすることで、開口孔に食い込む部分の長さを効率良く確保することができる。
また、ねじ部の先端部にドリル刃を形成することで、必ずしも下穴としての開口孔を開けたりねじ部の全長分だけ深さまで開口したりすることが必要でなくなり、直接、対象とする骨にねじ込んで固定することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係るインプラントを示す図である。
まず、本実施形態の歯列矯正用のインプラント1の構成について説明すると、図1に示すように、口腔内で骨6に埋入されるねじ部2と該ねじ部2の根元に連続する露出部3(頭部)とから構成される。なお、本実施形態では、インプラント1を埋設するために骨6に穿孔する開口孔5の径を1.0mmとして以下説明する。
【0016】
上記ねじ部2は、軸方向に沿って、先端部から略中央部分までがテーパねじ部2Aとなり、略中央部分から根元までが、上記テーパねじ部2Aに連続する円筒状の平行ねじ部2Bとなっている。なお、ねじ部2の先端部2Cの形状として断面円弧状の場合を図示しているが、当該先端部2Cは尖っていても良い。
上記テーパねじ部2Aの径は、先端部側が小径となっていて、先端部側の雄ねじの谷の径d1が、当該先端部が骨6に穿孔する開口孔5の径よりも小径の0.8mmとなっていると共に、平行ねじ部2Bとの境界位置(頭部側)における雄ねじの谷の径d2が、上記開口孔5の径よりも若干大径の1.2mmとなっている。
【0017】
また、平行ねじ部2Bの雄ねじの谷の径は、上記テーパねじ部2Aの最大径と等しい1.2mmとなって、つまり、上記開口孔5の径よりも若干大径の1.2mmに設定されている。
なお、ねじ部2の雄ねじの山の径は、上記各雄ねじの谷の径よりも0.2mmだけ大きい値に設定されている。例えば、平行ねじ部の雄ねじの山の径d3は、1.4mmである。
【0018】
また、上記頭部に設けられた露出部3は、上記ねじ部2の根元に連続する肉貫通部3Aと、トルク導入部3Cと、上記肉貫通部3Aとトルク導入部3Cとの間に形成された小径部3Bとから構成されている。そして、その小径部3Bに対し、図2のようなアバットメント4の円環部4Aが、当該小径部3Bを中心に回動自在な状態で取り付けられ側方に張り出した状態となっている。なお、上記円環部4Aの取付けは、例えば、肉貫通部に対し小径部3Bをネジ結合構造で連結しておくことで可能である。このとき上記ネジ結合のねじを逆ねじとしておけば、ねじ部2のねじ込みの際に弛む支障はない。
【0019】
ここで、上記アバットメント4は、図1及び図2に示すように、内径が上記小径部よりも若干大径の円環部4Aを備えると共に、その円環部4Aから側方に張り出して結束線などを引っ掛けるフック部4Bとを備える。
なお、インプラント1及びアバットメント4の素材は、一般にはチタンが使用される。
次に、上記インプラント1の取付け、及び取付け後の使用などについて説明する。
まず、口腔内に面した骨6(通常は顎骨)に対してインプラント1のアンカー位置を決定した後に、その部分に対し局所麻酔をして円筒形のメスで骨6の上にある肉部を開窓して骨6の表面を露出させたら、小径ドリルで直径1mmの開口孔5を4mm程度の深さまで穿孔する。
【0020】
続いて、手回しのドライバの先端部をトルク導入部3Cに対し同軸に取り付け、上記インプラント1のねじ部2を上記開口孔5内に同軸にねじ込んで骨6に埋入する。このねじ込みの際に、予め取り付けられている上記アバットメント4を把持してインプラント1を支持するようにしても良い。アバットメント4のフック部4Bは、インプラント1の軸から側方にオフセットした位置にあるのでドライバの邪魔にならないことから、ドライバによるねじ込み始めでまだインプラント1の起立が不安定な状態であっても簡易にインプラント1を起立状態に支持することができる。
【0021】
このとき、ねじ部2の先端部側を構成するテーパねじ部2Aは、先端部側の径が開口孔5よりも小径である共に、連続して径が大径化しているので、テーパねじ部2Aは確実に開口孔5に案内されながら開口孔5の軸に沿って当該開口孔5内にねじ込まれる。つまり、インプラント1のねじ部2を確実に目的の挿入方向にねじ込める。続いて、開口孔5よりも大径の平行ねじ部2Bが食い込むようにして開口孔5にねじ込まれることで、必要な結合強度を持ってねじ部2が骨6に埋入した状態となる。
【0022】
すなわち、開口孔5よりも大径のねじ部2が、当該開口孔5に食い込むようにねじ込まれることで、養生期間を有しなくても、インプラント1のねじ部2が骨6に固定された状態となる。
また、上記インプラント1の埋入作業と前後して、歯列矯正用のブラケットを歯列に沿って装着し、そのブラケットと、上記インプラント1の露出部3に予め取り付けられているアバットメント4のフック部4Bとを、結束線等の矯正具で連結し、歯の変位のための牽引用の固定源として上記インプラント1を使用する。
【0023】
なお、歯列矯正が完了したら、上記インプラント1は取り外される。
以上のように、本実施形態の歯列矯正用のインプラント1を使用すると、開口孔5に沿って確実にねじ込むことができると共に当該開口孔5に食い込むことで最初からねじ部2と骨6との間の接触率(密着率)が大きくなる結果、長期間の養生を実施することなく、固定源として必要な骨6との結合が確保されるので、早期に歯列矯正を開始することができる。
【0024】
このことはまた、従来における養生後に露出部3を露出させるための再度の手術が不要となる。すなわち、インプラント1を固定源として利用するための手術が1回で済む。
また、インプラント1を骨6に埋入させる前にアバットメント4を取り付けても支障がないので、インプラント1の露出部3に対するアバットメント4の取付け作業が容易である。もっとも、アバットメント4の取付けを、従来と同様に、インプラント1を骨6に埋入させてから口腔内で取り付けるようにしても良い。
【0025】
また、少なくともねじ部2における平行ねじ部2B、つまり骨6との結合に一番大きく寄与する部分は、従来と異なり、開口孔5よりも大径となっているので、つまり従来よりも径が太いことから、インプラント1自体の強度も向上させることにも繋がる。
ここで、インプラント1が埋入される骨6の部分は、個人差があるものの、およそ表面から2mm程度が硬い緻密骨であり、その緻密骨よりも内層側はスポンジ状の骨で相対的に軟らかい。したがって、主として緻密骨部分でねじ部2が固定されれば良いことから、本実施形態のインプラント1では、平行ねじ部2Bの長さを2mmに設定している。したがって、平行ねじ部2Bの長さは2mm以上であれば、固定源という点では、同等以上の強度を確保することができる。もっとも、平行ねじ部2Bが1mm、さらには0mm(ねじ部2の全体をテーパねじ部2Aとした場合)であっても、ねじ部2のうち、開口孔5よりも大径の部分の長さが2mm以上あれば、固定源として必要な結合強度を当初から稼ぐことができる。
【0026】
また、固定源という点からは、ねじ部2の長さはいくら長くても構わないが、余り長いと、不必要に他の組織と干渉するおそれがある。この観点及び埋設する骨6が顎骨ということを考慮すると、骨の肉厚が薄くて硬い部分の骨に対して埋め込む場合を想定した場合には、ねじ部2の長さは、3mm〜5mm、好ましくは本実施形態のように4mmが好ましい。
【0027】
また、ねじ部2の雄ねじの谷の径と開口孔5径との径差Δφ(本実施形態では、0.2mm)は、余り大きくとると、ねじ部2がねじ込み難くなると共にねじ込み時に骨6への不必要な損傷に繋がるおそれがあるので、上記径差Δφは、骨6の有する弾性域内に収まるように設定する。なお、発明者が確認したところでは、径差Δφが0.2mm〜0.5mmあれば、インプラント1が骨6と十分に結合し、且つ骨6に不必要な損傷を与えないことを確認している。
【0028】
ここで、上記テーパねじ部2Aの軸方向に沿った外形輪郭は、直線状に限定されず、若干曲線を描くような輪郭であっても良い。
また、骨密度が極端に低い場合には、ねじ部2とインプラント1との結合のための養生が必要となる場合も想定されるが、この場合であっても、養生期間は、従来に比べて短くすることができる。また、このときには、後述の第2実施形態のようにねじ部が長いインプラントを使用しても良い。
【0029】
次に、本発明に係る第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記第1実施形態と同様な部分などについては同一の符号を付して説明する。
上記第1実施形態のインプラントは、主として、歯から若干離れた位置の骨部分など、肉厚が比較的薄く且つ硬さが比較的硬い部分に埋め込むためのものである。これに対し、本第2実施形態のインプラントは、主として、歯の近傍に位置する歯と歯の間に位置する骨部分など、肉厚が比較的に厚く且つ硬さが比較的に小さい部分に埋め込むためのものである。
【0030】
まず、構成について説明すると、図3に示すように、骨6に埋入されるねじ部2と該ねじ部2の根元に連続する露出部3(頭部)とから構成される。上記ねじ部2は、軸方向に沿って、先端部から根元部までテーパねじ部2Aとなっている。なお、根元部側に第1実施形態と同様に平行ねじ部を構成しても良いが、本実施形態では、直接ねじ込む場合も想定して、根元部までテーパを付けてテーパの傾斜を小さく抑えている。
【0031】
上記テーパねじ部2Aの径は、先端部側が小径となっていて、先端部側の雄ねじの谷の径d1が、従来、骨6に穿孔する開口孔5の径と等しい1.0mmとなっていると共に、根元部での雄ねじの谷の径d2が、1.3mmとなっている。なお、ねじ部2の雄ねじの山の径は、上記各雄ねじの谷の径よりも0.2mmだけ大きい値に設定されている。例えば、根元部の雄ねじの山の径d3は、1.5mmである。
【0032】
また、上記頭部に設けられた露出部3には、アバットメント4を取り付けるための小径部3Bが形成され、該小径部3Bにアバットメント4が着脱可能に取付け可能となっている。なお、頭部3の形状は、アバットメント4が取り付けられればどのような形状であっても良い。
本実施形態で開示されるアバットメント4は、図4及び図5に示すように、上記インプラント1の小径部3Bに引っ掛ける環状フック部4Cと、その環状フック部4Cに連続して側方に張り出す張出部4Dと、その張出部4Dの他端部に設けられて結束線などを引っ掛けるフック部4Bとを備える。
【0033】
上記環状フック部4Cの内周側の略中央部には切欠き4C1が形成されている。この切欠き4C1は、当該環状フック部4Cを上記小径部3Bに引っ掛けて、かしめることで取り付ける際に、切欠き4C1の近傍で環状フック部4Cを変形するようにするものであり、また、かしめた環状フック部4Cから上記小径部3Bから引っ張り出す際に引っ掛けて、環状フック4C側を引っ張る部分となるものである。
【0034】
次に、上記インプラント1の取付け、及び取付け後の使用などについて説明する。
まず、口腔内に面した骨6に対してインプラント1のアンカー位置を決定し、、その部分に対し局所麻酔をした後、円筒形のメスで骨6の上にある肉部を開窓して骨6の表面を露出させたら、小径ドリルで直径1mmの開口孔5を4mm程度の深さまで穿孔する。
【0035】
続いて、手回しのドライバの先端部をトルク導入部3Cに対し同軸に取り付け、上記インプラント1のねじ部2を上記開口孔5内に同軸にねじ込んで骨6に埋入する。このねじ込みの際に、予め取り付けられている上記アバットメント4を把持してインプラント1を支持するようにしても良い。アバットメント4のフック部4Bは、インプラント1の軸から側方にオフセットした位置にあるのでドライバの邪魔にならないことから、ドライバによるねじ込み始めでまだインプラント1の起立が不安定な状態であっても簡易にインプラント1を起立状態に支持することができる。また、インプラント1を取り付けてからアバットメントを取り付けても良い。
【0036】
このとき、ねじ部2の先端部にねじ込むためのドリル刃2dを持っているので、上記下穴の深さが浅くてもまた当該下穴の径が小さくても、ねじ部2の先端部2Cは確実に骨6にねじ込まれていき、さらに、先端部2Cに続くねじ部2にテーパを形成することで、つまりねじ込まれる部分が徐徐に大径化することで骨6への影響をできるだけ抑えつつ目的の方向に向けてねじ込まれるようにしている。つまり、骨の割れなどを防止しつつインプラント1のねじ部2を確実に目的の挿入方向にねじ込める。この結果、必要な結合強度を持ってねじ部2が骨6に埋入した状態となる。すなわち、養生期間を有しなくても、インプラント1のねじ部2が骨6に固定された状態となる。
【0037】
また、上記インプラント1の埋入作業と前後して、歯列矯正用のブラケットを歯列に沿って装着し、そのブラケットと、上記インプラント1の露出部3に予め取り付けられているアバットメント4のフック部4Bとを、結束線等の矯正具で連結し、歯の変位のための牽引用の固定源として上記インプラント1を使用する。なお、歯列矯正が完了したら、上記インプラント1は取り外される。
【0038】
その他の構成及び作用・効果は、第1実施形態と同様である。
ここで、固定源という点からは、ねじ部2の長さはいくら長くても構わないが、余り長いと、不必要に他の組織と干渉するおそれがある。この観点及び埋設する骨6が顎骨ということを考慮すると、骨の肉厚が厚くて且つ比較的に軟らかい部分の骨に対して埋め込む場合を想定した場合には、ねじ部2の長さは、4mm〜10mmがあると、確実に固定できる。
【0039】
また、ねじ部2の雄ねじの谷の径と開口孔5径との径差Δφ(本実施形態では、0.2mm)は、余り大きくとると、ねじ部2がねじ込み難くなると共にねじ込み時に骨6への不必要な損傷に繋がるおそれがあるので、上記径差Δφは、骨6の有する弾性域内に収まるように設定する。なお、発明者が確認したところでは、径差Δφが0.2mm〜0.5mmあれば、インプラント1が骨6と十分に結合し、且つ骨6に不必要な損傷を与えないことを確認している。
【0040】
ここで、上記テーパねじ部2Aの軸方向に沿った外形輪郭は、直線状に限定されず、若干曲線を描くような輪郭であっても良い。
また、骨密度が極端に低い場合には、ねじ部2とインプラント1との結合のための養生が必要となる場合も想定されるが、この場合であっても、養生期間は、従来に比べて短くすることができる。
【0041】
また、上記実施形態では、下穴を開口するように説明しているが、これに限定されない。ねじ部2の先端部にドリル刃2dを形成しているので、下穴を設けずに直接ねじ込んで取り付けても良い。また、直接ねじ込み可能なので、ねじ部の径をもっと小径としても良い。なお、径が小さく且つ浅くても下穴を開けた方が目的の方向に埋め込みやすくなる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明のインプラントを使用すると、骨への埋入完了直後から歯列矯正のための固定源として使用することが可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく第1実施形態に係るインプラントを示す側面図である。
【図2】本発明に基づく第1実施形態に係るアバットメントを示す図である。
【図3】本発明に基づく第2実施形態に係るインプラントを示す側面図である。
【図4】本発明に基づく第2実施形態に係るアバットメントを示す斜視図である。
【図5】本発明に基づく第2実施形態に係るアバットメントを示す側面図である。
【図6】従来のインプラントを示す側面図である。
【符号の説明】
1 インプラント
2 ねじ部
2A テーパねじ部
2B 平行ねじ部
3 露出部(頭部)
3A 肉貫通部
3B 小径部
3C トルク導入部
4  アバットメント
4A 円環部
4B フック部
5  開口孔
6  骨

Claims (5)

  1. 口腔内で顎骨等の骨に埋め込まれるねじ部と、上記ねじ部の頭部に形成されて歯列矯正用のアバットメントその他の矯正具が取り付けられる露出部と、を備えて、上記骨に穿孔した小径の開口孔に対し、上記ねじ部をねじ込むことで骨に埋め込まれる小径のインプラントにおいて、
    上記ねじ部は、少なくとも先端部側がテーパねじ部を構成し、且つそのテーパねじ部の雄ねじの谷の径は、先端部で上記開口孔の径よりも小さく且つ頭部側で上記開口孔の径よりも大きいことを特徴とする歯列矯正用のインプラント。
  2. 上記ねじ部は、先端部側のテーパねじ部と、当該テーパねじ部に連続して上記開口孔の径よりも雄ねじの谷の径が大きい円筒状の平行ねじ部とから構成され、かつ上記ねじ部のうち雄ねじの谷の径が開口孔径よりも大きい部分の長さが2mm以上であることを特徴とする請求項1に記載した歯列矯正用のインプラント。
  3. 口腔内で顎骨等の骨に埋め込まれるねじ部と、上記ねじ部の頭部に形成されて歯列矯正用のアバットメントその他の矯正具が取り付けられる露出部と、を備えて、上記ねじ部をねじ込むことで骨に埋め込まれる小径のインプラントにおいて、
    上記ねじ部は、少なくとも先端部側がテーパねじ部を構成し、且つ当該ねじ部の先端部に孔あけ用のドリル刃を形成したことを特徴とする歯列矯正用のインプラント。
  4. 上記ねじ部の長さは、3mm以上5mm以下であることを特徴とする請求項1〜請求個3のいずれかに記載した歯列矯正用のインプラント。
  5. 上記露出部には、予めアバットメントが取り付けられていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載した歯列矯正用のインプラント。
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