JP2004097624A - 拡開式把持鉗子 - Google Patents

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Abstract

【課題】把持部が不用意に拡開しない操作性の良好な拡開式把持鉗子の提供を目的としている。
【解決手段】本発明の拡開式把持鉗子は、操作ワイヤ12の進退動作を摩擦力によって規制することにより、操作ワイヤ12の先端側に設けられた把持部15が不用意に拡開することを防止する摩擦力付与手段50を備えている。
【選択図】  図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、体内でポリープの回収や生検等といった種々の採取処置を行なうために、先端の把持部を拡開させて被採取物を把持する拡開式把持鉗子に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば内視鏡の処置具挿通用チャンネルを介して体内に導入され、体内における異物を把持して回収し、あるいは、被検細胞組織等を採取するために用いられる把持鉗子は、従来から様々な種類のものが知られている。
【0003】
このような把持鉗子は、例えば、外周が外皮チューブによって被覆された金属製のコイルシースから成る挿入部と、この挿入部内に進退可能に挿通された操作ワイヤと、前記挿入部の手元側に設けられ且つ前記操作ワイヤを押し引き操作するための操作部と、前記操作ワイヤの先端側に設けられた把持部とを備えており、前記操作部によって前記操作ワイヤが押し引き操作されることにより、先端の把持部が開閉し、把持部によって異物を把持することができるようになっている。
【0004】
また、操作ワイヤの押し引き操作によって先端の把持部を開閉させる手段も、従来から様々なものが知られている。例えば、先端の把持部に拡開習性が付与された(把持部が例えばそれ自身の弾性復元力によって拡開する)拡開式の把持鉗子(実開平5−9517号公報や特開平8−98839号公報等参照)では、操作部によって操作ワイヤが手元側に引き戻されると、前記把持部の少なくとも一部がコイルシース内に引き込まれ、これによって、コイルシースの内面によって把持部が押圧されて把持部の径が収縮し始める(把持部が閉じ始める)とともに、操作部によって操作ワイヤが前方に押し出されると、コイルシースから突出する把持部がそれ自身の拡開習性(例えば弾性復元力)によって拡開し始める。
【0005】
したがって、このような構成の拡開式把持鉗子を用いて体内の異物を回収する場合には、まず、コイルシースの先端から突出して拡開された把持部の内側に異物を取り込む。次に、その状態で、操作ワイヤを手元側に引き込み操作することにより、把持部を縮径させて、把持部によって異物を把持する。そして、その把持状態で、拡開式把持鉗子全体を体外に取り出せば、異物を体外に回収することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述したように、拡開式把持鉗子における把持部は、シースから突出する部位がそれ自身の例えば弾性復元力により拡開しようとするため、この拡開に伴う力を何らかの手段で制御しなければ、操作部の操作力を解除した時に、把持部の弾性復元力によって操作ワイヤが押し出され、把持部が不用意に拡開するといったことも考えられる。特に、弾性復元力による拡開では、シースの先端の内縁に把持部が弾性的に押し当たって把持部がシースの先端から軸方向に抜け出ようとすることにより把持部が拡開するため、把持部が最も閉じられた状態(把持部がシース内に最も引き込まれた状態)の時に、シースの先端の内縁に作用する把持部の拡開力が最も大きくなり、操作ワイヤが軸方向に押し出されようとする力が最も大きくなる。そのため、把持部が最も閉じられた状態で、操作部による操作力を解除した時に、把持部が不用意に拡開し易い。
【0007】
しかしながら、把持部が不用意に拡開すると、処置中に幾つかの問題が生じる。例えば、操作ワイヤを手元側に引き込んで把持部を閉じた状態で拡開式把持鉗子を内視鏡の処置具挿通用チャンネル内に挿入していく時に、閉じていた把持部が不用意に拡開してしまうと、拡開した把持部が内視鏡の処置具挿通用チャンネルの内面と摺接してこの内面を傷付けてしまう虞がある。また、内視鏡の処置具挿通用チャンネルを通じて拡開式把持鉗子の把持部を体内に導入した際においても、把持部が不用意に拡開すると、操作しずらいため、術者は、例えば操作部をしっかりと握っていなければならず、術中における術者の負担は大きくなる。
【0008】
以上のことから、それ自身の拡開習性によって拡開する拡開式把持鉗子にあっては、前述したような事態を引き起こさないよう、操作部の操作力を解除した時、特に把持部を閉じた状態の時に、把持部を不用意に拡開させないことが重要である。
【0009】
本発明は前記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、把持部が不用意に拡開しない操作性の良好な拡開式把持鉗子を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の拡開式把持鉗子は、体内に挿入可能な可撓性を有するシースと、前記シース内に進退可能に挿通された操作ワイヤと、前記シースの手元側に設けられ且つ前記操作ワイヤを押し引き操作するための操作部と、前記操作ワイヤの先端側に設けられ、前記操作部によって前記操作ワイヤが押し引き操作されることにより前記シースから突没するとともに、シースから突出する部位がその拡開習性によって開く把持部と、前記操作ワイヤの進退動作を摩擦力によって規制することにより、操作ワイヤの先端側に設けられた把持部が不用意に拡開することを防止する摩擦力付与手段とを備え、前記把持部がその拡開習性によって開こうとすることにより前記シースの先端の内縁に押し当たって及ぼす拡開力をF、この拡開力Fによって前記操作ワイヤを軸方向に移動させようとする軸力をFa、前記操作ワイヤの軸方向の移動を規制する力をFbとすると、前記摩擦力付与手段は、Fa<Fbとなる力関係が常に維持されるように前記操作ワイヤに摩擦力を付与することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
【0012】
図1〜図8は本発明の第1の実施形態を示している。本実施形態の拡開式把持鉗子は、例えば内視鏡の処置具挿通チャンネルを介して体内に導入可能な挿入部2(図1および図2参照)と、この挿入部2の手元側に設けられた操作部4(図3および図4参照)とからなる。
【0013】
図1および図2に示されるように、挿入部2は、可撓性を有するシース8から成る。シース8の内部には、他の部材を介することなく直接に、操作ワイヤ12が進退可能に挿通されている。また、操作ワイヤ12の先端には、シース8に対して突没可能な把持部15が設けられている。
【0014】
なお、シース8内で操作ワイヤ12の進退動作を滑らかに行なうことができるように、シース8は、テフロンやポリエチレン等によって形成されている。無論、同様の目的を達成するために、シース8の内面や操作ワイヤ12の外面にテフロンコーティングを施しても良い。
【0015】
把持部15は、3本の弾性把持部材14から成る。各弾性把持部材14は、弾性線状材から形成されており、一端が継ぎ管13により束ねられてロウ付けされるとともに、操作ワイヤ12の先端に一括して連結されている。
【0016】
なお、操作ワイヤ12は、シース8内を通じて手元側に導かれ、操作部4に設けられた後述するスライダ部材9に接続されている。したがって、スライダ部材9をスライド操作すると、操作ワイヤ12がシース8内で進退し、操作ワイヤ12の先端に設けられた把持部15がシース8の先端から突没する。
【0017】
また、把持部15には、それ自身の弾性復元力によって拡開する拡開習性が付与されている。具体的には、各弾性把持部材14の先端側部分がそれ自身の弾性復元力によって弾性的に広がるようになっている。したがって、操作部4のスライダ部材9によって操作ワイヤ12が前方に押し出されると、シース8から突出する各弾性把持部材14がそれ自身の弾性復元力により略等間隔に広がる。すなわち、シース8の先端の内縁8aに弾性的に押し当たっている各弾性把持部材14がシース8の先端から軸方向に抜け出ることにより、把持部15が拡開する。一方、操作部4のスライダ部材9によって操作ワイヤ12が手元側に引き戻されると、拡開していた各弾性把持部材14の少なくとも一部がシース8内に引き込まれ、これにより、シース8の内面によって各弾性把持部材14が押圧されて把持部15の径が収縮し始める(把持部15が閉じ始める)。
【0018】
また、把持部15による良好な把持性を得るため、各弾性把持部材14の先端には、内側に1周半程度滑らかに屈曲された円形渦巻き状の爪部14aが設けられている。これらの爪部14aの先端は、滑らかな曲面に形成されるとともに内側に向けられている。また、各弾性把持部材14は、それぞれ長さが異なっており、図2の(a)に示されるように先端側シース8内に弾性把持部材14を収容した際、シース8内に収容しきれないでシース8から突出する各爪部14aの位置が重ならないようになっている。なお、この時、弾性把持部材14は、シース8内で等間隔の位置に納まる。
【0019】
図3および図4に示されるように、操作部4は、操作部本体19と、この操作部本体19に摺動自在に取付けられたスライダ部材9とから成る。操作部本体19の基端には、親指挿入用のリング19aが形成されている。
【0020】
図5に明確に示されるように、シース8の基端には、円筒形状のストッパ26が圧入されている。ストッパ26を含む挿入部2の手元側は、操作部本体19内に配設されるとともに、本体蓋22を図7の(a)に矢印で示されるT方向へ押込んで操作部本体19に形成された溝27に本体蓋22の爪部28を嵌合させることにより、操作部本体19に対して固定される。このような構成により、操作部本体19と本体蓋22との組立性が向上する。
【0021】
なお、爪部28を溝27にガイドさせながら本体蓋22を図3および図4に矢印で示されるU方向にスライドさせることによって、本体蓋22を操作部本体19に固定しても良い。この場合、本体蓋22のテーパ部39が操作部本体19に形成された係止部40を乗り越えた後に、本体蓋22に形成された凹部41と係止部40とが係合するように構成すれば、本体蓋22が操作部本体19から外れにくく有益である。
【0022】
図3、図4、図5、図6の(b)に示されるように、操作ワイヤ12の手元側端部は、内孔を有した操作パイプ25内に配設されている。また、操作パイプ25の手元側端部は、ストッパ部材30の側孔44に嵌入されるとともに、ネジ31で操作ワイヤ12を含む操作パイプ25が変形されることによりネジ止め固定されている。これにより、操作ワイヤ12の固定強度が向上する。また、操作パイプ25とストッパ部材30とネジ31とを含む操作ワイヤ12の手元側端部は、スライダ部材9を構成するスライダ半体20,20′に設けられた凹部34にストッパ部材30が係合するような形態で配設されている。
【0023】
また、図3、図6の(a)、図6の(c)に示されるように、スライダ半体20,20′は、スライダ半体20′の凸部36がスライダ半体20の凹部35に係合した状態で超音波溶着等により接合されている。この超音波溶着では、スライダ半体20,20′にそれぞれ左右対称に2つずつ設けられた凸部32が溶けることにより、スライダ半体20,20′同士が溶着接合される。この場合、凹部33は、凸部32が溶融した際に接合部に隙間ができないための逃げシロである。
【0024】
また、スライダ半体20,20′は、同一形状をした2個の部品で構成され、対称形状を成しているため、方向性のない組立ておよび部品コストの削減が可能である。また、逃げ37は、ピンゲート処理による外観への出っ張りを防止するための窪みである。
【0025】
また、図3、図4、図5に示されるように、シース8の基端から突出するストッパ26の頭部26aと操作部本体19との間には、操作ワイヤ12を含む操作パイプ25の外周面と接する摩擦力付与手段としてのOリング50が介挿されている。このOリング50は、操作パイプ25と接触して操作ワイヤ12の進退動作を規制することにより、操作ワイヤ12の先端に設けられた把持部15が不用意に拡開することを防止する。具体的には、把持部15(各弾性把持部材14)がその弾性復元力によって拡開しようとすることによりシース8の先端の内縁8aに弾性的に押し当たって及ぼす拡開力をF、この拡開力Fによって操作ワイヤ12を軸方向に移動させようとする軸力をFa、操作ワイヤ12の軸方向の移動を規制する力をFbとすると、Oリング50は、Fa<Fbとなる力関係が常に維持されるように操作ワイヤ12に摩擦力を付与する。更に詳細には、図8に示されるように、操作部4を垂直に立てた場合にスライダ9の自重により操作ワイヤ12が押し出される力をFc、操作ワイヤ12とシース8との間で発生する摩擦力をFdとすると、Fa+Fc<Fb+Fdの関係が成り立つようにする。
【0026】
次に、上記構成の拡開式把持鉗子を用いて経内視鏡的に体内の異物を回収する場合について簡単に説明する。
【0027】
まず、内視鏡の挿入部を体腔内に挿入した後、内視鏡の処置具挿通用チャンネルを通じて拡開式把持鉗子の挿入部2の先端部分を内視鏡の先端部から導出することによって体腔内に導入する。この体腔内導入時は、スライダ部材9を手元側に引張って操作ワイヤ12を手元側に引き、図2に示されるように、把持部15をシース8内に導き入れた閉状態にしておく。この時、各弾性把持部材14の先端に設けられた爪部14aは、シース8内に収容しきれないでシース8の先端から突出するが、シース8の外周よりも内側に納まっている。
【0028】
次に、内視鏡観察下で、体腔内に導入した拡開式把持鉗子の挿入部2の先端部を、回収しようとする細胞組織等に近付ける。その後、スライダ部材9を前方へ移動させることにより、このスライダ部材9の動きに応動する操作ワイヤ12を押し進めて、各弾性把持部材14をシース8から突出させ、図1に示されるように、把持部15を拡開させる。そして、この拡開した把持部15を回収しようとする組織に誘導して、前記回収組織を把持部15の内部に取り込む。次いで、操作ワイヤ12を手元側に引くことにより、把持部15を閉じて把持部15の内部の前記組織を確実に把持し、この把持状態を維持しながら内視鏡とともに拡開式把持鉗子を体腔外に取り出せば、前記組織を体外に回収することができる。
【0029】
以上説明したように、本実施形態では、前述したように、Fa<Fbとなる力関係が常に維持されるようにOリング50が操作ワイヤ12に摩擦力を付与するため、把持部15を閉じた状態で拡開式把持鉗子を内視鏡の処置具挿通用チャンネル内に挿入していく前述した体腔内導入時に、閉じていた把持部15が不用意に拡開して内視鏡の処置具挿通用チャンネルの内面が拡開した把持部15によって傷付けられるといった事態を回避できる。また、内視鏡の処置具挿通用チャンネルを通じて拡開式把持鉗子の把持部15を体内に導入した際においても、把持部15が不用意に拡開しないため、操作がしずらくなるようなことはなく、したがって、術者は、把持部15の不用意な拡開を防止すべくスライダ部材9を常にしっかりと握って操作するといったことを行なう必要がない。その結果、術中における術者の負担を軽減できる(すなわち、操作性が良好である)。
【0030】
また、本実施形態のように、Fa<Fbとなる力関係が常に維持されるようにOリング50が操作ワイヤ12に摩擦力を付与していれば、把持部15の拡開途中での開きも防止されるため、非常に有益である。
【0031】
また、本実施形態において、操作ワイヤ12は、他の部材を介することなく直接に、シース8の内部に進退可能に挿通されている。しかも、シース8は、テフロンやポリエチレン等によって形成されている。したがって、シース8内で操作ワイヤ12の進退動作を滑らかに行なうことができ、軽い操作力量で把持部15の拡開操作を行なうことができる。このことは、特に、内視鏡の挿入部が体内で湾曲し(内視鏡挿入部の湾曲部が湾曲操作されている場合も含む)、それに伴って内視鏡の処置具挿通用チャンネルに挿通されている拡開式把持鉗子のシース8が湾曲している状態で、把持部15の拡開操作のために操作ワイヤ12をシース8内で前方に押出す場合に有益である。すなわち、このような湾曲状態で、操作ワイヤをシース内で前方に押出した場合、操作ワイヤが全長にわたって金属製のコイルシースと摺接する従来の構造では、全長にわたって操作ワイヤに摩擦抵抗がかかるため、操作ワイヤが前記湾曲部で座屈することも考えられるが、本実施形態のようにテフロンシース8内に直接に操作ワイヤ12を挿通して操作ワイヤ12の滑らかな操作性を確保すれば、そのような座屈を防止することができ、軽い操作力量で把持部15を拡開操作することができる。
【0032】
また、このような操作ワイヤ12のスムーズな操作性は、摩擦力付与手段であるOリング50によって阻害されない。これは、Oリング50が操作部4側の1箇所だけに設けられており(1箇所に摩擦抵抗を集中させている)、操作ワイヤ14の全長にわたって摩擦抵抗を付与していないからである。また、このOリング50が配設される操作部4側の部位は、湾曲操作される内視鏡の湾曲部にも関与しない領域であり、こうした意味からも、操作ワイヤ12のスムーズな操作性は、どのような状況下であっても失われることがないといえる。
【0033】
一般に、拡開式把持鉗子では、操作ワイヤ12のスムーズな操作性を確保すると、操作ワイヤ12に連結された把持部15の不用意な拡開が助長されることになる。逆に、把持部15の不用意な拡開を防止するべく操作ワイヤ14に摩擦力を付与すると、操作ワイヤ12のスムーズな操作性が確保されなくなる。しかしながら、本実施形態では、前述したように、摩擦力付与手段としてのOリング50を操作部4側の1箇所のみに設け、しかも、テフロン等から成るシース8内に直接に操作ワイヤ12を挿通することで、「把持部の不用意な拡開防止」および「操作ワイヤの滑らかな操作性」という互いに相反する目的を同時に達成しているものである。すなわち、本実施形態において、摩擦力付与手段としてのOリング50は、その摩擦力とその配設位置とにより、「把持部の不用意な拡開防止」および「操作ワイヤの滑らかな操作性」の両方の目的を同時に満たす手段として規定されるといえる。
【0034】
また、このような作用効果は、把持部15の各爪部14aがシース8内に収容しきれないでシース8から突出し、その結果、把持部15が不用意に拡開する可能性が高い本実施形態の拡開式鉗子において、特に有益である。
【0035】
図9は、本発明の第2の実施形態を示している。図示のように、本実施形態において、摩擦力付与手段は、シース8の先端に設けられた短い金属パイプ70から成る。この金属パイプ70は、操作ワイヤ12もしくは把持部15と接触して操作ワイヤ12もしくは把持部15の進退動作を規制することにより、操作ワイヤ12の先端に設けられた把持部15が不用意に拡開することを防止する。無論、この場合も、把持部15(各弾性把持部材14)がその弾性復元力によって拡開しようとすることによりシース8の先端の内縁8aに弾性的に押し当たって及ぼす拡開力をF、この拡開力Fによって操作ワイヤ12を軸方向に移動させようとする軸力をFa、操作ワイヤ12の軸方向の移動を規制する力をFbとすると、金属パイプ70は、Fa<Fbとなる力関係が常に維持されるように操作ワイヤ12に摩擦力を付与する。なお、それ以外の構成は、第1の実施形態と同一である。
【0036】
したがって、本実施形態においても、第1の実施形態と同様の作用効果が得られるとともに、特に把持部15が設けられている先端側で操作ワイヤ12もしくは把持部15に摩擦力を付与してその進退動作を規制するため、把持部15の拡開度の微調整を容易に行なえるという利点がある。また、金属パイプ70が配設されるシース8の先端部は、湾曲操作される内視鏡の湾曲部に関与しない領域であるため、操作ワイヤ12のスムーズな操作性が損なわれることはない。
【0037】
図10は、本発明の第3の実施形態を示している。図示のように、本実施形態において、摩擦力付与手段は、操作ワイヤ12と把持部15とを接続する継ぎ管13等の接続管75から成り、この接続管75の外径をシース8の内径と略同一に設定することによって形成されている。この接続管75は、操作ワイヤ12の進退動作に伴って進退し、シース8と摺接して操作ワイヤ12の進退動作を規制することにより、操作ワイヤ12の先端に設けられた把持部15が不用意に拡開することを防止する(Fa<Fbとなる力関係が常に維持されるように操作ワイヤ12に摩擦力を付与する)。なお、それ以外の構成は、第2の実施形態と同一である。
【0038】
したがって、本実施形態においても、第2の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0039】
図11は、本発明の第4の実施形態を示している。図示のように、本実施形態において、摩擦力付与手段は、継ぎ管13とシース8との間に介挿されたOリング80から成る。このOリング80は、操作ワイヤ12の進退動作に伴って進退し、シース8と摺接して操作ワイヤ12の進退動作を規制することにより、操作ワイヤ12の先端に設けられた把持部15が不用意に拡開することを防止する(Fa<Fbとなる力関係が常に維持されるように操作ワイヤ12に摩擦力を付与する)。なお、それ以外の構成は、第2の実施形態と同一である。
【0040】
したがって、本実施形態においても、第2の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0041】
図12は、本発明の第5の実施形態を示している。図示のように、本実施形態において、摩擦力付与手段は、シース8の先端を熱成形にて細く加工することによってシース8の先端開口の内径が小さく設定された摺動抵抗部18aから成る。この摺動抵抗部18aは、操作ワイヤ12もしくは把持部15と摺接して操作ワイヤ12もしくは把持部15の進退動作を規制することにより、操作ワイヤ12の先端に設けられた把持部15が不用意に拡開することを防止する。
【0042】
ところで、以上説明した拡開式把持鉗子の輸送時においては、把持部15が振動等で僅かではあるがシース8から飛び出してしまい、ユーザが気付かずにそのまま内視鏡に挿入してしまうことも考えられる。そのような場合、シース8から突出した把持部によって内視鏡の処置具挿通用チャンネルを傷付けたり、内視鏡の処置具挿通用チャンネル内でスタックしてしまう虞がある。
【0043】
そこで、以下では、そのよう事態を未然に防止できる保護キャップについて説明する。
【0044】
図13に示されるように、保護キャップ90は、シース8の先端に着脱自在に装着されるものであり、その内径がシース8の外径よりも大きく、その全長が把持部15の全長よりも長いことを特徴としている。
【0045】
拡開式把持鉗子の輸送保管時には、図13の(a)に示されるように、保護キャップ90内に把持部15を突き出す状態で保護キャップ90をシース8の先端に装着する。また、拡開式把持鉗子の使用時、図13の(b)に示されるように、保護キャップ90をシース8の先端から外すと、把持部15が大きく開くため、ユーザは、把持部15の拡開状態を容易に認識でき、開いた把持部15を確実にシース8内に引き込むことができる(図13の(c)参照)。したがって、把持部15が突き出たまま内視鏡に挿入されるといった事態を未然に防止することができる。
【0046】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは言うまでもない。例えば、前述した実施形態では、本発明が三脚型の把持鉗子に適用されているが、本発明は、把持部がその拡開習性によって開く全ての把持鉗子に適用することができる。また、摩擦力付与手段はOリングに限らない。Fa<Fbとなる力関係が常に維持されるように操作ワイヤに摩擦力を付与できればどのような形態であっても構わない。また、前述した実施形態においてFbを規定する「把持部が最も閉じられた状態」とは、把持部がシース内に完全に没するような状態を含んでいても良い。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、把持部が不用意に拡開しない操作性の良好な拡開式把持鉗子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る拡開式把持鉗子の挿入部先端(把持部が拡開した状態)の断面図である。
【図2】(a)は図1の拡開式把持鉗子の挿入部先端(把持部が閉じた状態)の断面図、(b)は(a)の挿入部先端の正面図、(c)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る拡開式把持鉗子の操作部の断面図である。
【図4】図3のB−B線に沿う断面図である。
【図5】操作ワイヤとそれに付随する構成要素の拡大断面図である。
【図6】(a)は図3のG−G線に沿う断面図、(b)は図3のH−H線に沿う断面図、(c)は図3のI−I線に沿う断面図である。
【図7】(a)は図3および図4のC−C線に沿う断面図、(b)は図3および図4のD−D線に沿う断面図、(c)は図3および図4のE−E線に沿う断面図、(d)は図3および図4のF−F線に沿う断面図である。
【図8】摩擦力付与手段に伴う力関係を示す模式図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る拡開式把持鉗子の要部断面図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係る拡開式把持鉗子の要部断面図である。
【図11】本発明の第4の実施形態に係る拡開式把持鉗子の要部断面図である。
【図12】本発明の第5の実施形態に係る拡開式把持鉗子の要部断面図である。
【図13】保護キャップの模式図である。
【符号の説明】
2…挿入部
4…操作部
12…操作ワイヤ
15…把持部
50…Oリング(摩擦力付与手段)
70…金属パイプ(摩擦力付与手段)
75…接続管(摩擦力付与手段)
80…Oリング(摩擦力付与手段)

Claims (3)

  1. 体内に挿入可能な可撓性を有するシースと、
    前記シース内に進退可能に挿通された操作ワイヤと、
    前記シースの手元側に設けられ且つ前記操作ワイヤを押し引き操作するための操作部と、
    前記操作ワイヤの先端側に設けられ、前記操作部によって前記操作ワイヤが押し引き操作されることにより前記シースから突没するとともに、シースから突出する部位がその拡開習性によって開く把持部と、
    前記操作ワイヤの進退動作を摩擦力によって規制することにより、操作ワイヤの先端側に設けられた把持部が不用意に拡開することを防止する摩擦力付与手段と、
    を備え、
    前記把持部がその拡開習性によって開こうとすることにより前記シースの先端の内縁に押し当たって及ぼす拡開力をF、この拡開力Fによって前記操作ワイヤを軸方向に移動させようとする軸力をFa、前記操作ワイヤの軸方向の移動を規制する力をFbとすると、前記摩擦力付与手段は、Fa<Fbとなる力関係が常に維持されるように前記操作ワイヤに摩擦力を付与することを特徴とする拡開式把持鉗子。
  2. 前記摩擦力付与手段が前記操作部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の拡開式把持鉗子。
  3. 前記摩擦力付与手段が前記シースの先端に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の拡開式把持鉗子。
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