JP2004097172A - 光ダクトを利用した植物育成工場 - Google Patents
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Abstract
【課題】エネルギー消費が少なく、CO2 を効率的に固定化することが可能な光ダクトを利用した植物育成工場を提供すること。
【解決手段】植物栽培室10には植物を育成するための栽培用チャンバが配置され、栽培用チャンバには植物(光合成をする藻類、プランクトンを含む)が収納される。採光部1から取り込まれた自然光は、光ダクト2の内面を反射しながら光ダクト2の奥に導かれ、光ダクト2に設けられた放光部から植物に照射される。上記放光部にシャッタを設け、植物に間欠的に光を照射したり、採光部を階段状に構成し、効率的に光を取り込めるようにしてもよい。上記構成としたので、自然光を効果的に利用して、植物の育成をすることができ、また、照明用消費エネルギーを削減し、CO2 排出量を削減することが可能となる。
【選択図】 図1
【解決手段】植物栽培室10には植物を育成するための栽培用チャンバが配置され、栽培用チャンバには植物(光合成をする藻類、プランクトンを含む)が収納される。採光部1から取り込まれた自然光は、光ダクト2の内面を反射しながら光ダクト2の奥に導かれ、光ダクト2に設けられた放光部から植物に照射される。上記放光部にシャッタを設け、植物に間欠的に光を照射したり、採光部を階段状に構成し、効率的に光を取り込めるようにしてもよい。上記構成としたので、自然光を効果的に利用して、植物の育成をすることができ、また、照明用消費エネルギーを削減し、CO2 排出量を削減することが可能となる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物育成工場に関し、特に光ダクトを用いて自然光を植物栽培室内に導き植物に照射することにより、エネルギー消費量の抑制を図り、CO2 の効率的な固定効果を得ることができる光ダクトを利用した植物育成工場に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
地球温暖化問題への対応は、近年における最重要課題であり早急な取り組みが期待されている。特に、温室効果ガスの中で、最も排出量の多いCO2 の有効利用と効率的な固定化の技術の確立が望まれている。
近年、生産効率や生産密度の向上、無農薬志向に伴い、植物育成工場の研究が進められており、CO2 の有効利用と効率的な固定化のためにも上記植物育成工場に対する期待が大きい。なお、ここで上記植物とは、野菜、果樹、花卉等の各種植物の他、光合成を行う各種藻類、プランクトン等を含み、以下ではこれらを含めて植物という。
上記植物育成工場は、従来から種々提案され、また実現されてきたが、従来の植物工場は、植物へ光と熱を供給するためのエネルギー消費量が大きく、効率的にCO2 を固定しているとは言いがたい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の植物育成工場は、エネルギー消費量が大きく、トータルで考えると、効率的にCO2 を固定化しているとは言いがたかった。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、エネルギー消費が少なく、CO2 濃度と光強度を最適化することが可能な光ダクトを利用した植物育成工場を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を本発明においては、次のように解決する。
(1)植物、光合成を行う藻類もしくはプランクトンの育成を行う栽培用チャンバを配置した植物栽培室を、少なくとも2層以上多段に積み上げる。そして、各植物栽培室に、自然光を取り込む採光部と、該採光部に連結され取り込んだ光を導く光ダクトと、該光ダクトに設けられ、光ダクトにより導かれた光を植物に照射する放光部とを設ける。
(2)上記(1)において、上記放光部を、複数の開口部と、該開口部に設けられたシャッタ板とから構成し、該シャッタ板を開閉して、各開口部からの光を植物栽培室内の植物に間欠的に照射する。
(3)上記(2)において、シャッタ板を、各開口部からの光が植物栽培室内の植物にほぼ均等に照射されるように、所定の順序で順番に開閉する。
(4)上記(1)〜(3)において、植物栽培室の採光部を、階段状に配置する。
本発明においては、上記のように構成したので、植物、藻類、もしくはプランクトンを、自然光を効果的に利用して育成することができ、照明等のエネルギー消費を従来に比べて削減することができる。このため、照明用消費エネルギーを削減し、CO2 排出量を削減することが可能となり、地球環境の保全に寄与することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
図1、図2は本発明の第1の実施例の植物育成工場の構成を示す図である。
図1は全体構成、図2は1フロア分の植物栽培室の配置・構成を示しており、図2に示す植物栽培室を図1に示すように多段に積み重ねて、本実施例の植物育成工場を構成する。なお、図2(a)は植物栽培室を光ダクトの長軸を通る垂直な平面できった断面図を示し、図2(b)は植物栽培室を上面から見た図を示す。
図1、図2において、1は採光部、2は光ダクト、3は栽培用チャンバ、10は植物栽培室である。
採光部1は、南面に対向して設けられ、後述するように主反射鏡と補助反射鏡から構成され、自然光を取り込み光ダクト2内に導く。光ダクト2は、例えば断面が矩形状で、内面が反射面で構成され、上記採光部1から取り込まれた自然光は、光ダクト2の内面を反射しながら光ダクト2の奥に導かれる。なお、上記採光部の向きは、必ずしも南面に対向していなくてもよく、要するに自然光が十分に取り込める向きに配置されていればよい。
植物栽培室10には植物を育成するための栽培用チャンバ3が複数配置される。栽培用チャンバ3は図2に示すように例えば台4上に載置され、栽培用チャンバ3に植物(前記したように、光合成をする藻類、プランクトンを含む)が収納される。
【0006】
光ダクト2の下面には、放光部2aが設けられ、採光部1から取り込まれた自然光は放光部2aから上記栽培用チャンバ3に収納された植物上に照射される。上記放光部2aとしては、栽培用チャンバ3の上側の光ダクト2に例えば矩形状の開口部を設けて、該開口部から自然光を植物に照射するようにしてもよいが、各栽培用チャンバの植物に均一に光を照射するため、後述するように上記開口部にシャッタを設け、該シャッタを順番に開閉して間欠的に植物に光を照射する等して、植物に均一に光が照射されるようにするのが望ましい。
植物栽培室10の奥には、室内の照明を調光するための調光制御部11、チャンバ内の温度、湿度などの環境状態を計測し制御するための計測・制御部12、分電盤13、調光盤14等が設けられる。また、図示しないが、植物栽培室10内には、必要に応じて照明用の光源や、室内の温度、湿度を調整するための空調設備等や、また、外気を取り込むためのファン等が設けられる。
【0007】
図3は、上記採光部1の構成例を示す図である。採光部1には主反射鏡1aと補助反射ミラー1bが設けられ、主反射鏡1aと補助反射ミラー1bは保護ガラス1cで覆われている。主反射鏡1aは角度調整可能に取り付けられ、自然光を効果的に取り込めるように季節に応じて角度が調整される。
なお、補助反射鏡1bの角度も調整できるようにしたり、主反射鏡を凹面状に形成し、集光できるように構成してもよい。また、外光を効果的に取り込めるように、採光部1に例えばフレネルレンズ等の集光部材を設けてもよい。
なお、植物栽培室10の南面は閉じており、栽培用チャンバ3に収納された植物には、自然光が直接照射されない。
【0008】
本実施例においては、上記のように多段に積み重ねた植物栽培室に光ダクトを設け、採光部で採光した自然光を光ダクトにより植物栽培室内に導き、栽培用チャンバに収納された植物に自然光を照射するように構成したので、照明用電力等のエネルギーを削減し、効率的に自然光を利用して、植物の栽培を行うことができる。
また、エネルギー消費量を小さくすることができるので、植物の光合成によるCO2 の固定効果を期待することができ、地球温暖化問題への対応を図ることができる。
【0009】
前記したように光ダクト2に設けられる放光部2aは、単なる矩形状の開口部でもよいが、開口部の大きさが等しいと、放光部2aから照射される光の光量は、図4に示すように、植物栽培室の奥になる程少なくなり、植物に均一に光を照射することができない。そこで、光ダクトに開口を設ける場合には、例えば、開口部の大きさを変えて、できるだけ各栽培用チャンバ3に収納された植物に均一に光が照射されるようにするのが望ましい。
また、前記したように、放光部2aにシャッタを設けて、該シャッタを0.5〜1sec程度の間隔で間欠的に開閉するようにしてもよい。
【0010】
図5は上記シャッタの構成例を示す図である。
図5において、2aは光ダクト2に設けられた放光部であり、21は開口、22はシャッタ板、23は回転軸、24はチェーンやベルト等の回転力伝達手段であり、該回転力伝達手段24は、図示しないモータ等により駆動され、シャッタ板22を開閉する。
図5(a)はシャッタ板22が開いた状態を示し、図5(b)はシャッタ板22が閉じた状態を示しており、放光部2aから植物に光を照射する場合には、上記シャッタ板22を回動させ、図5(a)に示すようにシャッタ板22を開く。シャッタ板22の少なくとも光ダクト内面側は光反射面に形成され、図5(b)に示すようにシャッタ板22が閉じているとき、採光部1から取り込まれた光は、上記反射面で反射して、光ダクト2の奥に導かれる。
また、シャッタ板22が開いているとき、光ダクト2により導かれた光は、開口2aから放射され、植物に照射されるともに、上記シャッタ板21に形成された反射面で反射して、開口2aから栽培用チャンバに収納された植物に光が照射される。
なお、上記シャッタ板21の両面を光反射面とし、図5(a)に示すようにシャッタ板21が開いているとき、シャッタ板21の両面に形成された反射面で光が反射するように構成すれば、より効果的に植物に光を照射することができる。
【0011】
図6は該シャッタを順番に開いて各栽培用チャンバ3に収納された植物に均一の光を照射する場合の説明図である。
まず、図6(a)に示すように、採光部1に最も近い放光部2a−1に設けられたシャッタ板を開き、栽培用チャンバ3−1の植物に光を照射する。ついで、図6(b)に示すように、放光部2a−2のシャッタ板を開き、栽培用チャンバ3−2の植物に光を照射する。以下同様に、図6(c)(d)に示すように、放光部2a−3、放光部2a−4のシャッタ板を開き、栽培用チャンバ3−3,3−4の植物に順次光を照射する。
上記構成としシャッタ板を開く時間を適切に設定すれば、各栽培用チャンバの植物に均一に光を照射することができる。
また、上記のようにシャッタ板を開閉して、間欠的に植物に光を照射することにより、放光部2aから同時に各栽培用チャンバの植物に光を照射する場合に比べ、植物に照射される積算光量は変わらないが、より効果的に植物を育成できるものと期待される。
なお、シャッタ板を開く順序は、必ずしも上記のように採光部側から順番に開いていく必要はない。また、植物栽培室の各栽培用チャンバにほぼ均等に光が照射されるようにするには、例えば、採光部1から離れる程、シャッタ板の開口時間を長くする等、採光部から離れた位置に配置された各栽培用チャンバに光が照射される時間を、採光部の近くに配置された栽培用チャンバに光が照射される時間より長くするのが望ましい。また、複数の開口部から同時に光が照射するようにしてもよい。
【0012】
図7は、本発明の第2の実施例の植物育成工場の構成例を示す図であり、本実施例は、採光部を階段状に配置し、より効果的に自然光を植物栽培室内に取り込めるようにした構成したものである。
同図において、10は植物栽培室であり、各栽培室10には前記図2に示したように、光ダクト2と、植物栽培用チャンバが設けられ、光ダクト2の放光部から各植物栽培用チャンバの植物に光が照射される。
各植物栽培室10の採光部は、同図に示すように自然光の入射方向に対して階段状に配置され、各植物栽培室10の自然光入射面側には、前記図3に示したように主反射鏡1aと補助反射鏡1bを備えた採光部1が設けられる。
また、本実施例においては、上記採光部1にフレネルレンズが設けられており、該フレネルレンズにより、自然光を光ダクト方向に集光し、効果的に自然光を光ダクト内に取り込む。
本実施例においては、上記のように、植物栽培室を階段状に配置しているので、自然光入射面の面積を前記図1、図2に示した実施例に比べ、大きくすることができ、より効果的に自然光を植物栽培室内に取り込むことができる。
【0013】
【発明の効果】
本発明においては、以下の効果を得ることができる。
(1)多段に積み重ねた植物栽培室に光ダクトを設け、採光部で採光した自然光を光ダクトにより植物栽培室内に導き、栽培用チャンバーに収納された植物に自然光を照射するように構成したので、照明用電力等のエネルギーを削減し、効率的に自然光を利用して、植物の栽培を行うことができる。
また、エネルギー消費量が小さくても、植物の光合成によるCO2 の固定効果は従来と同程度にでき、その結果植物育成工場全体から排出されるCO2 を削減することができるため、地球温暖化問題への対応が可能である。
(2)光ダクトに設けた放光部を開口部と該開口部に設けられたシャッタ板とから構成し、上記シャッタ板を順番に開閉し、植物に間欠的に光を照射するようにしたので、一箇所の開口部から植物に照射される光量を、複数の開口部から常時光を照射する場合に比べ大きくすることができ、また、シャッタ板の開口時間を採光口からの距離に応じて長くすることにより、各栽培用チャンバに照射される光をほぼ均等にすることが可能となる。
(3)採光部を階段状に配置することにより、植物栽培室に効率的に光を取り込むことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の植物育成工場の構成を示す図である。
【図2】図1の植物育成工場の1フロア分の植物栽培室の配置・構成を示す図である。
【図3】採光部の構成例を示す図である。
【図4】光ダクトから放射される光の量が植物栽培室の奥にいく程、小さくなる様子を示す図である。
【図5】放光部に設けられるシャッタの構成例を示す図である。
【図6】シャッタを開閉し、各栽培用チャンバに収納された植物に光を照射する場合の説明図である。
【図7】本発明の第2の実施例の植物育成工場の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 採光部
1a 主反射鏡
1b 補助反射ミラー
2 光ダクト
2a 放光部
3 栽培用チャンバ
10 植物栽培室
21 開口
22 シャッタ板
23 回転軸
24 回転力伝達手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物育成工場に関し、特に光ダクトを用いて自然光を植物栽培室内に導き植物に照射することにより、エネルギー消費量の抑制を図り、CO2 の効率的な固定効果を得ることができる光ダクトを利用した植物育成工場に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
地球温暖化問題への対応は、近年における最重要課題であり早急な取り組みが期待されている。特に、温室効果ガスの中で、最も排出量の多いCO2 の有効利用と効率的な固定化の技術の確立が望まれている。
近年、生産効率や生産密度の向上、無農薬志向に伴い、植物育成工場の研究が進められており、CO2 の有効利用と効率的な固定化のためにも上記植物育成工場に対する期待が大きい。なお、ここで上記植物とは、野菜、果樹、花卉等の各種植物の他、光合成を行う各種藻類、プランクトン等を含み、以下ではこれらを含めて植物という。
上記植物育成工場は、従来から種々提案され、また実現されてきたが、従来の植物工場は、植物へ光と熱を供給するためのエネルギー消費量が大きく、効率的にCO2 を固定しているとは言いがたい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の植物育成工場は、エネルギー消費量が大きく、トータルで考えると、効率的にCO2 を固定化しているとは言いがたかった。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、エネルギー消費が少なく、CO2 濃度と光強度を最適化することが可能な光ダクトを利用した植物育成工場を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を本発明においては、次のように解決する。
(1)植物、光合成を行う藻類もしくはプランクトンの育成を行う栽培用チャンバを配置した植物栽培室を、少なくとも2層以上多段に積み上げる。そして、各植物栽培室に、自然光を取り込む採光部と、該採光部に連結され取り込んだ光を導く光ダクトと、該光ダクトに設けられ、光ダクトにより導かれた光を植物に照射する放光部とを設ける。
(2)上記(1)において、上記放光部を、複数の開口部と、該開口部に設けられたシャッタ板とから構成し、該シャッタ板を開閉して、各開口部からの光を植物栽培室内の植物に間欠的に照射する。
(3)上記(2)において、シャッタ板を、各開口部からの光が植物栽培室内の植物にほぼ均等に照射されるように、所定の順序で順番に開閉する。
(4)上記(1)〜(3)において、植物栽培室の採光部を、階段状に配置する。
本発明においては、上記のように構成したので、植物、藻類、もしくはプランクトンを、自然光を効果的に利用して育成することができ、照明等のエネルギー消費を従来に比べて削減することができる。このため、照明用消費エネルギーを削減し、CO2 排出量を削減することが可能となり、地球環境の保全に寄与することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
図1、図2は本発明の第1の実施例の植物育成工場の構成を示す図である。
図1は全体構成、図2は1フロア分の植物栽培室の配置・構成を示しており、図2に示す植物栽培室を図1に示すように多段に積み重ねて、本実施例の植物育成工場を構成する。なお、図2(a)は植物栽培室を光ダクトの長軸を通る垂直な平面できった断面図を示し、図2(b)は植物栽培室を上面から見た図を示す。
図1、図2において、1は採光部、2は光ダクト、3は栽培用チャンバ、10は植物栽培室である。
採光部1は、南面に対向して設けられ、後述するように主反射鏡と補助反射鏡から構成され、自然光を取り込み光ダクト2内に導く。光ダクト2は、例えば断面が矩形状で、内面が反射面で構成され、上記採光部1から取り込まれた自然光は、光ダクト2の内面を反射しながら光ダクト2の奥に導かれる。なお、上記採光部の向きは、必ずしも南面に対向していなくてもよく、要するに自然光が十分に取り込める向きに配置されていればよい。
植物栽培室10には植物を育成するための栽培用チャンバ3が複数配置される。栽培用チャンバ3は図2に示すように例えば台4上に載置され、栽培用チャンバ3に植物(前記したように、光合成をする藻類、プランクトンを含む)が収納される。
【0006】
光ダクト2の下面には、放光部2aが設けられ、採光部1から取り込まれた自然光は放光部2aから上記栽培用チャンバ3に収納された植物上に照射される。上記放光部2aとしては、栽培用チャンバ3の上側の光ダクト2に例えば矩形状の開口部を設けて、該開口部から自然光を植物に照射するようにしてもよいが、各栽培用チャンバの植物に均一に光を照射するため、後述するように上記開口部にシャッタを設け、該シャッタを順番に開閉して間欠的に植物に光を照射する等して、植物に均一に光が照射されるようにするのが望ましい。
植物栽培室10の奥には、室内の照明を調光するための調光制御部11、チャンバ内の温度、湿度などの環境状態を計測し制御するための計測・制御部12、分電盤13、調光盤14等が設けられる。また、図示しないが、植物栽培室10内には、必要に応じて照明用の光源や、室内の温度、湿度を調整するための空調設備等や、また、外気を取り込むためのファン等が設けられる。
【0007】
図3は、上記採光部1の構成例を示す図である。採光部1には主反射鏡1aと補助反射ミラー1bが設けられ、主反射鏡1aと補助反射ミラー1bは保護ガラス1cで覆われている。主反射鏡1aは角度調整可能に取り付けられ、自然光を効果的に取り込めるように季節に応じて角度が調整される。
なお、補助反射鏡1bの角度も調整できるようにしたり、主反射鏡を凹面状に形成し、集光できるように構成してもよい。また、外光を効果的に取り込めるように、採光部1に例えばフレネルレンズ等の集光部材を設けてもよい。
なお、植物栽培室10の南面は閉じており、栽培用チャンバ3に収納された植物には、自然光が直接照射されない。
【0008】
本実施例においては、上記のように多段に積み重ねた植物栽培室に光ダクトを設け、採光部で採光した自然光を光ダクトにより植物栽培室内に導き、栽培用チャンバに収納された植物に自然光を照射するように構成したので、照明用電力等のエネルギーを削減し、効率的に自然光を利用して、植物の栽培を行うことができる。
また、エネルギー消費量を小さくすることができるので、植物の光合成によるCO2 の固定効果を期待することができ、地球温暖化問題への対応を図ることができる。
【0009】
前記したように光ダクト2に設けられる放光部2aは、単なる矩形状の開口部でもよいが、開口部の大きさが等しいと、放光部2aから照射される光の光量は、図4に示すように、植物栽培室の奥になる程少なくなり、植物に均一に光を照射することができない。そこで、光ダクトに開口を設ける場合には、例えば、開口部の大きさを変えて、できるだけ各栽培用チャンバ3に収納された植物に均一に光が照射されるようにするのが望ましい。
また、前記したように、放光部2aにシャッタを設けて、該シャッタを0.5〜1sec程度の間隔で間欠的に開閉するようにしてもよい。
【0010】
図5は上記シャッタの構成例を示す図である。
図5において、2aは光ダクト2に設けられた放光部であり、21は開口、22はシャッタ板、23は回転軸、24はチェーンやベルト等の回転力伝達手段であり、該回転力伝達手段24は、図示しないモータ等により駆動され、シャッタ板22を開閉する。
図5(a)はシャッタ板22が開いた状態を示し、図5(b)はシャッタ板22が閉じた状態を示しており、放光部2aから植物に光を照射する場合には、上記シャッタ板22を回動させ、図5(a)に示すようにシャッタ板22を開く。シャッタ板22の少なくとも光ダクト内面側は光反射面に形成され、図5(b)に示すようにシャッタ板22が閉じているとき、採光部1から取り込まれた光は、上記反射面で反射して、光ダクト2の奥に導かれる。
また、シャッタ板22が開いているとき、光ダクト2により導かれた光は、開口2aから放射され、植物に照射されるともに、上記シャッタ板21に形成された反射面で反射して、開口2aから栽培用チャンバに収納された植物に光が照射される。
なお、上記シャッタ板21の両面を光反射面とし、図5(a)に示すようにシャッタ板21が開いているとき、シャッタ板21の両面に形成された反射面で光が反射するように構成すれば、より効果的に植物に光を照射することができる。
【0011】
図6は該シャッタを順番に開いて各栽培用チャンバ3に収納された植物に均一の光を照射する場合の説明図である。
まず、図6(a)に示すように、採光部1に最も近い放光部2a−1に設けられたシャッタ板を開き、栽培用チャンバ3−1の植物に光を照射する。ついで、図6(b)に示すように、放光部2a−2のシャッタ板を開き、栽培用チャンバ3−2の植物に光を照射する。以下同様に、図6(c)(d)に示すように、放光部2a−3、放光部2a−4のシャッタ板を開き、栽培用チャンバ3−3,3−4の植物に順次光を照射する。
上記構成としシャッタ板を開く時間を適切に設定すれば、各栽培用チャンバの植物に均一に光を照射することができる。
また、上記のようにシャッタ板を開閉して、間欠的に植物に光を照射することにより、放光部2aから同時に各栽培用チャンバの植物に光を照射する場合に比べ、植物に照射される積算光量は変わらないが、より効果的に植物を育成できるものと期待される。
なお、シャッタ板を開く順序は、必ずしも上記のように採光部側から順番に開いていく必要はない。また、植物栽培室の各栽培用チャンバにほぼ均等に光が照射されるようにするには、例えば、採光部1から離れる程、シャッタ板の開口時間を長くする等、採光部から離れた位置に配置された各栽培用チャンバに光が照射される時間を、採光部の近くに配置された栽培用チャンバに光が照射される時間より長くするのが望ましい。また、複数の開口部から同時に光が照射するようにしてもよい。
【0012】
図7は、本発明の第2の実施例の植物育成工場の構成例を示す図であり、本実施例は、採光部を階段状に配置し、より効果的に自然光を植物栽培室内に取り込めるようにした構成したものである。
同図において、10は植物栽培室であり、各栽培室10には前記図2に示したように、光ダクト2と、植物栽培用チャンバが設けられ、光ダクト2の放光部から各植物栽培用チャンバの植物に光が照射される。
各植物栽培室10の採光部は、同図に示すように自然光の入射方向に対して階段状に配置され、各植物栽培室10の自然光入射面側には、前記図3に示したように主反射鏡1aと補助反射鏡1bを備えた採光部1が設けられる。
また、本実施例においては、上記採光部1にフレネルレンズが設けられており、該フレネルレンズにより、自然光を光ダクト方向に集光し、効果的に自然光を光ダクト内に取り込む。
本実施例においては、上記のように、植物栽培室を階段状に配置しているので、自然光入射面の面積を前記図1、図2に示した実施例に比べ、大きくすることができ、より効果的に自然光を植物栽培室内に取り込むことができる。
【0013】
【発明の効果】
本発明においては、以下の効果を得ることができる。
(1)多段に積み重ねた植物栽培室に光ダクトを設け、採光部で採光した自然光を光ダクトにより植物栽培室内に導き、栽培用チャンバーに収納された植物に自然光を照射するように構成したので、照明用電力等のエネルギーを削減し、効率的に自然光を利用して、植物の栽培を行うことができる。
また、エネルギー消費量が小さくても、植物の光合成によるCO2 の固定効果は従来と同程度にでき、その結果植物育成工場全体から排出されるCO2 を削減することができるため、地球温暖化問題への対応が可能である。
(2)光ダクトに設けた放光部を開口部と該開口部に設けられたシャッタ板とから構成し、上記シャッタ板を順番に開閉し、植物に間欠的に光を照射するようにしたので、一箇所の開口部から植物に照射される光量を、複数の開口部から常時光を照射する場合に比べ大きくすることができ、また、シャッタ板の開口時間を採光口からの距離に応じて長くすることにより、各栽培用チャンバに照射される光をほぼ均等にすることが可能となる。
(3)採光部を階段状に配置することにより、植物栽培室に効率的に光を取り込むことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の植物育成工場の構成を示す図である。
【図2】図1の植物育成工場の1フロア分の植物栽培室の配置・構成を示す図である。
【図3】採光部の構成例を示す図である。
【図4】光ダクトから放射される光の量が植物栽培室の奥にいく程、小さくなる様子を示す図である。
【図5】放光部に設けられるシャッタの構成例を示す図である。
【図6】シャッタを開閉し、各栽培用チャンバに収納された植物に光を照射する場合の説明図である。
【図7】本発明の第2の実施例の植物育成工場の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 採光部
1a 主反射鏡
1b 補助反射ミラー
2 光ダクト
2a 放光部
3 栽培用チャンバ
10 植物栽培室
21 開口
22 シャッタ板
23 回転軸
24 回転力伝達手段
Claims (4)
- 植物、光合成を行う藻類もしくはプランクトンの育成を行う栽培用チャンバを配置した植物栽培室を、少なくとも2層以上多段に積み上げた植物育成工場であって、
上記各植物栽培室は自然光を取り込む採光部と、該採光部に連結され取り込んだ光を導く光ダクトと、該光ダクトに設けられ、光ダクトにより導かれた光を植物に照射する放光部とを備えた
ことを特徴とする光ダクトを利用した植物育成工場。 - 上記放光部は、複数の開口部と、該開口部に設けられたシャッタ板を備え、該シャッタ板を開閉して、各開口部からの光を植物栽培室内の植物に間欠的に照射する
ことを特徴とする請求項1の植物育成工場。 - 上記シャッタ板は、各開口部からの光が植物栽培室内の植物にほぼ均等に照射されるように、所定の順序で順番に開閉される
ことを特徴とする請求項2の植物育成工場。 - 上記植物栽培室の採光部が、階段状に配置されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2の植物育成工場。
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