JP2004093800A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】初期も繰り返し使用後も優れた電位特性が得られ、良好な画像が得られる電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供する。
【解決手段】支持体上に中間層、感光層をこの順に有する電子写真感光体において、該中間層が、電子輸送物質と、特定の繰り返し構造単位を有する樹脂を含有する。
【選択図】 なし
【解決手段】支持体上に中間層、感光層をこの順に有する電子写真感光体において、該中間層が、電子輸送物質と、特定の繰り返し構造単位を有する樹脂を含有する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置に関し、詳しくは、支持体上に中間層、感光層をこの順に有する電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真感光体には、支持体上の欠陥の被覆、感光層と支持体との接着性向上、感光層の電気的破壊防止、支持体から感光層へのキャリア注入阻止などのために中間層(下引き層)と呼ばれる層を介在させることが行われている。
【0003】
中間層を形成する材料としては、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、エポキシ樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、カゼイン、メチルセルロース、ポリアミドなどの有機樹脂が提案されている。しかし、これらの樹脂は、周囲の環境の影響を受けやすく、高温高湿下や低温低湿下での特性劣化があり、十分なものではなかった。
【0004】
そのため、これらの特性の改善を目的とし、特開平7−072643号公報、特開平8−234466号公報などには、ポリアミド酸樹脂を用いた中間層が提案されている。
【0005】
このポリアミド酸樹脂は、その一部が閉環反応を起こし電子輸送能を持つイミド構造を有すこともあり、電気特性は優れたものであるが、残留電位が大きいなど、高露光量領域での特性に若干の問題を有している。
【0006】
また、負帯電型の電子写真感光体の場合、その中間層は、残留電荷の上昇防止、表面電位のサイクルアップ防止などを考慮に入れると、感光層から支持体へのキャリア(電子)注入性向上が必要である。
【0007】
そのため、中間層には、電子輸送性の材料(電子輸送物質)を用いることが好ましく、高分子樹脂中に低分子系の電子輸送性物質もしくは電子受容性物質を添加した中間層を用いることが検討されている(特開昭55−142356号公報、特開昭59−170846号公報など記載)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの低分子化合物は、有機溶剤に溶解しやすいものである場合は、支持体上に形成された中間層の上に光導電層を塗布する工程において、上層中に浸出して中間層中での濃度の低下を起こしたり、あるいは、その逆に有機溶剤に溶解しにくいものである場合には、中間層中で結晶化を起こしたりしてしまい、目的とする効果を発現しにくいという問題があった。
【0009】
本発明の目的は、上記問題を発生することなく、初期も繰り返し使用後も優れた電位特性が得られ、良好な画像が得られる電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討の結果、電子輸送物質を含有する中間層に特定の樹脂を含有させることで上記目的を果たせることを見いだし、本発明に至った。
【0011】
すなわち、本発明は、支持体上に中間層、感光層をこの順に有する電子写真感光体において、該中間層が、電子輸送物質と、下記式(1)で示される繰り返し構造単位および下記式(2)で示される繰り返し構造単位の少なくとも一方を有する樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体である。
【0012】
【外3】
【0013】
【外4】
【0014】
(式(1)、(2)中、A1001、A2001は、それぞれ、置換または無置換の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の芳香族複素環基を有する2価の基を示す。R1001、R1002、R2001、R2002は、それぞれ、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシアルキル基、または、置換または無置換のアラルキル基を示す。R1003〜R1006、R2001〜R2006は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、または、シアノ基を示す。)
【0015】
また、本発明は、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置である。
【0016】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の電子写真用電子写真感光体について詳細に説明する。
【0017】
本発明の電子写真感光体は、支持体上に中間層、感光層をこの順に有する電子写真感光体である。
【0018】
本発明の電子写真感光体に用いられる支持体としては、アルミニウム、ニッケル、銅、金、鉄などの金属または合金、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ガラスなどの絶縁性支持体上に、アルミニウム、銀、金などの金属あるいは酸化インジウム、酸化スズなどの導電材料の薄膜を形成したものなどを使用することができる。
【0019】
これらの支持体表面は、電気的特性改善あるいは半導体レーザーなどコヒーレント光照射時に問題となる干渉縞などの防止のため、陽極酸化などの電気化学的な処理やブラスト、切削などの処理が行われていてもよい。
【0020】
また、導電性粒子(例えば、カーボンブラック、銀粒子、酸化錫含有無機粒子など)を適当なバインダー樹脂と共に上記のようなプラスチック、金属または合金支持体上に被覆した支持体を用いることもできる。
【0021】
支持体の形状は特に制約はなく、必要に応じて、板状、ドラム状、ベルト状のものが用いられる。
【0022】
本発明の電子写真感光体の中間層は、上述のとおり、電子輸送物質と、上記式(1)で示される繰り返し構造単位および上記式(2)で示される繰り返し構造単位の少なくとも一方を有する樹脂(以下、上記特定の樹脂とも表現する)を含有する。
【0023】
上記式(1)、(2)中のR1001、R1002、R2001、R2002のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基などが挙げられ、アルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基およびエトキシプロピル基などが挙げられ、アラルキル基としては、ベンジレン基、フェネチレン基、ナフチルメチレン基などが挙げられる。
【0024】
また、R1003〜R1006、R2001〜R2006のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子および臭素原子などが挙げられ、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基などが挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基およびブトキシ基などが挙げられる。
【0025】
また、A1001、A2001の置換または無置換の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の芳香族複素環基を有する2価の基としては、様々な構造を有する基が挙げられるが、中でも、下記式(3)で示される構造を有する基、または、下記式(4)で示される構造を有する基であることが好ましい。
−Ar31− (3)
(式(3)中、Ar31は、置換または無置換の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の芳香族複素環基を示す。)
−Ar41−X41−Ar42− (4)
(式(4)中、Ar41、Ar42は、それぞれ、置換または無置換の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の芳香族複素環基を示し、X41は、酸素原子、硫黄原子、置換または無置換のアルキレン基、カルボニル基、または、スルホニル基を示す。)
【0026】
上記式(3)、(4)中のAr31、Ar41、Ar42の芳香族炭化水素環基としては、フェニレン基、ビフェニレン基およびナフチレン基などが挙げられ、芳香族複素環基としては、ピリジンジイル基およびチオフェンジイル基などが挙げられる。
【0027】
また、上記式(4)中のX41のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基およびイソプロピレン基などが挙げられる。
【0028】
また、上記各基が有してもよい置換基としては、メチル基、エチル基およびプロピル基などのアルキル基、フッ素、塩素および臭素などのハロゲン原子、トリフルオロメチル基などのハロメチル基、メトキシ基、エトキシ基およびプロポキシ基などのアルコキシ基、ジメチルアミノ基およびジエチルアミノ基などのアルキルアミノ基、アセチル基およびベンゾイル基などのアシル基、シアノ基などが挙げられる。
【0029】
上記特定の構造を有する樹脂の具体例(繰り返し構造単位の例)を表1〜3に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
なお、便宜上、表1〜3のように記載したが、(P−1)〜(P−23)は、それぞれ、R0013とR1004とが入れ替わった構造、R1005とR1006とが入れ替わった構造を含む。
【0034】
またさらに、(P−1)〜(P−23)は、それぞれ、上記式(2)で示される構造も含む(この場合、R2001〜R2006は、それぞれ、R1001〜R1006に相当し、R2003とR2004とが入れ替わった構造、R2005とR2006とが入れ替わった構造を含む。)。
【0035】
すなわち、上記各構造異性体が混在しているということである。
【0036】
電子輸送物質としては、還元電位(電子親和力Eaに対応)の値が、参照電極SCE(飽和カルメロ電極)に対して−0.2Vから−1.0Vであるものが好ましく、特には−0.3Vから−0.7Vであるものがより好ましい。
【0037】
還元電位が−0.7Vを越えると、電荷発生物質からの電荷(電子)の注入が起こりにくく、残留電位の上昇、感度悪化および繰り返し使用時の電位変動が大きくなるなどの問題が生じる場合があり、また、−0.3V未満では、帯電能低下などの問題が生じる場合がある。
【0038】
本発明において、還元電位は、以下の方法によって測定される。
【0039】
(還元電位の測定法)
SCE(飽和カロメル電極)を参照電極とし、電解液に0.1N(n−Bu)4N+ClO4−ジクロロメタン溶液を用い、ポテンシャルスイーパによって作用電極(白金)に印加する電位をスイープし、得られた電流−電位曲線がピークを示したときの電位を酸化電位とした。
【0040】
詳しくは、サンプルを0.1N(n−Bu)4N+ClO4−ジクロロメタン溶液に0.90mmol%程度の濃度になるように溶解する。
【0041】
このサンプル溶液に、作用電極によって電圧を加え、電圧を0Vから−1.5Vに直線的に変化させ(この電流−電位曲線において電流値がピークを示したピークトップの位置の電位をE1)、さらに、−1.5Vから0Vに直線的に変化させた時の電流変化を測定し(この電流−電位曲線において電流値がピークを示したピークトップの位置の電位をE2)、電流−電位曲線を得る。
【0042】
得られた(E1+E2)/2を還元電位とした。
【0043】
電子輸送物質の構造の好ましい一般式の例として、下記式(A−1)〜(A−11)が挙げられるが、本発明は、これらに限定されるわけではない。
【外5】
【0044】
【外6】
【0045】
【外7】
【0046】
【外8】
【0047】
【外9】
【0048】
【外10】
【0049】
【外11】
【0050】
【外12】
【0051】
【外13】
【0052】
【外14】
【0053】
【外15】
【0054】
上記式(A−1)〜(A−11)中、R11と、R21およびR22の少なくとも一方と、R31およびR32の少なくとも一方と、R41およびR42の少なくとも一方と、R51およびR52の少なくとも一方と、R61およびR62の少なくとも一方と、R71およびR72の少なくとも一方と、R81およびR82の少なくとも一方と、R91およびR92の少なくとも一方と、R101およびR102の少なくとも一方と、R111、R112およびR113の少なくとも1つは、非加水分解性重合性官能基を有する基である。そして、その中で、R11、R21、R22、R31、R32、R41、R42、R51、R52、R61、R62、R71、R72、R81、R82、R91、R92、R101、R111は、水素原子や、置換基を有してもよい、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基や、置換基を有してもよい、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基、チエニル基などのアラルキル基や、置換基を有してもよい、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、チオフェニル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、ベンゾキノリル基、カルバゾリル基、フェノチアジニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基などのアリール基や、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基や、フェノキシ基、ナフトキシ基などのアリールオキシ基や、アシル基や、エステル基や、シアノ基や、ニトロ基や、アミド基や、スルホン酸基や、スルホン酸エステル基や、スルホン酸アミド基や、ヒドロキシ基や、アルデヒド基や、ハロゲン原子を示し、R102、R112、R113は、置換基を有してもよい、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基や、置換基を有してもよい、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基、チエニル基などのアラルキル基や、置換基を有してもよい、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、チオフェニル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、ベンゾキノリル基、カルバゾリル基、フェノチアジニル基、ベンゾフリル基、およびベンゾチオフェニル基などのアリール基や、エステル基を示す。
【0055】
また、上記式中、m1、m2、n2、m3、n3、m4、n4、m5、n5、m6、n6、m7、n7、m8、n8、m9、n9、m10、m11は、0以上の整数である。
【0056】
また、上記式中、m1、m2、m3、m4、m5、m6、m7、m8、m9、m10、m11が2以上のとき、それぞれ、R11、R21、R31、R41、R51、R61、R71、R81、R91、R101、R111は、互いに異なる基であってもよい。
【0057】
また、上記式中、n2、n3、n4、n5、n6、n7、n8、n9が2以上のとき、それぞれ、R22、R32、R42、R52、R62、R72、R82、R92は、互いに異なる基であってもよい。
【0058】
なお、m2とn2が、m3とn3が、m4とn4が、m5とn5が、m6とn6が、m7とn7が、m8とn8が、m9とn9が、それぞれ同時に0になることはない。
【0059】
また、上記式中、Q11、Q12、Q21、Q22、Q31、Q32、Q41、Q51、Q61、Q71、Q72、Q81、Q82、Q91、Q92、Q101、Q102、Q111、Q112、Q113、Q114は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、C(CN)2、CRQ1CN、CY2(Yはフッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子)、C(COORQ2)2、CRQ3COORQ4、NRQ5、および、NCNのいずれかである。
【0060】
また、上記式中、RQ1、RQ2、RQ3、RQ4、RQ5は、それぞれ独立に、水素原子や、置換基を有してもよい、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基や、置換基を有してもよい、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基、チエニル基などのアラルキル基や、置換基を有してもよい、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、チオフェニル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、ベンゾキノリル基、カルバゾリル基、フェノチアジニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基などのアリール基を示す。
【0061】
また、上記式中、Q42は酸素原子、硫黄原子およびSO2のいずれかである。
【0062】
また、上記式中、A2、A3、B3、A4、B4、A5、A6、B6、A8、B8の
【外16】
【0063】
は、置換基を有してもよい、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、チオフェン環、フラン環、ピリジン環などのアリール環である。
【0064】
なお、R11、R21、R22、R31、R32、R41、R42、R51、R52、R61、R62、R71、R72、R81、R82、R91、R92、R101、R102、R111、R112、R113、Q11、Q12、Q21、Q22、Q31、Q32、Q41、Q51、Q61、Q71、Q72、Q81、Q82、Q91、Q92、Q101、Q102、Q111、Q112、Q113、Q114、RQ1、RQ2、RQ3、RQ4、RQ5、A2、A3、B3、A4、B4、A5、A6、B6、A8、B8が有してもよい置換基としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子や、ニトロ基や、シアノ基や、水酸基や、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基や、メトキシ基、エトキシ基およびプロポキシ基などのアルコキシ基や、フェノキシ基、ナフトキシ基などのアリールオキシ基や、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基、チエニル基などのアラルキル基や、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、ピレニル基などのアリール基などが挙げられる。
【0065】
また、上記表現のアルキル基は、炭素数10以下のアルキル基であることが好ましい。
【0066】
また、上記電子輸送物質は、電子輸送能として、印加電界が5×104V/cmのときに、1×10−7cm2/V・s以上のドリフト移動度を有しているものが好ましい。1×10−7cm2/V・s未満では、電子写真感光体として露光後現像までに電子が十分に移動できないため、見かけ上感度が低減し、残留電位も高くなってしまう問題が発生する場合がある。
【0067】
以下に本発明に係わる、電子輸送物質の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0068】
【外17】
【0069】
【外18】
【0070】
【外19】
【0071】
【外20】
【0072】
【外21】
【0073】
【外22】
【0074】
上記の中でも、(E−6)、(E−8)、(E−13)、(E−14)、(E−15)、(E−16)、(E−17)、(E−18)、(E−19)、(E−23)、(E−24)、(E−26)が特に好ましい。
【0075】
上記特定の構造を有する樹脂と上記電子輸送物質との比率(質量比:樹脂/電子輸送物質)は、9/1〜1/9であることが好ましく、9/1〜5/5であることがより好ましい。
【0076】
中間層上には感光層が設けられる。
【0077】
本発明の電子写真感光体の感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質を同一の層に含有する単層型、および、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有する積層型に大別される。
【0078】
積層型は、さらに、支持体側から電荷発生層、電荷輸送層をこの順に有するタイプと支持体、電荷輸送層、電荷発生層をこの順に有するタイプに分けられる。本発明においては、積層型、特に、電荷発生層の上に電荷輸送層を積層したタイプであることが好ましい。
【0079】
電荷発生層は、電荷発生物質を適当な溶剤を用いて結着樹脂中に分散させた溶液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。
【0080】
電荷発生物質としては、例えば、モノアゾ、ビスアゾおよびトリスアゾなどのアゾ顔料、金属フタロシアニンおよび無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン顔料、インジゴおよびチオインジゴなどのインジゴ顔料、アントアントロンおよびピレンキノンなどの多環キノン顔料、ペリレン酸無水物およびペリレン酸イミドなどのペリレン顔料、スクワリリウム系色素、ピリリウムおよびチアピリリウム塩類、およびトリフェニルメタン系色素などが挙げられる。
【0081】
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルアセタール、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルピロリドンおよびセルロース系樹脂などが挙げられる。
【0082】
電荷発生層の膜厚は、5μm以下であることが好ましく、特には0.05〜2μmであることがより好ましい。
【0083】
電荷輸送層は、成膜性を有する樹脂の溶液に電荷輸送物質を溶解した溶液を塗布し、乾燥することによって形成される。
【0084】
電荷輸送物質の中の正孔輸送物質としては、ピレンおよびアントラセンなどの多環芳香族化合物、カルバゾール、インドール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、ピラゾール、ピラゾリン、チアジアゾルおよびトリアゾールなどの複素環化合物、p−ジエチルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾンおよびN,N−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデン−9−エチルカルバゾールなどのヒドラゾン系化合物、α−フェニル−4′−N,N−ジアミノスチルベンおよび5−[4−(ジ−p−トリルアミノ)ベンジリデン]−5H−ジベンゾ[a,d]ジシクロヘプテンなどのスチリル系化合物、ベンジジン系化合物、トリアリールアミン系化合物、トリフェニルアミンあるいはこれらの化合物からなる基を主鎖または側鎖に有するポリマー(例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびポリビニルアントラセンなど)が挙げられる。
【0085】
成膜性を有する樹脂としては、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸エステルおよびポリスチレンなどが挙げられる。
【0086】
電荷輸送層の膜厚は、5〜40μmであることが好ましく、特には10〜30μmであることがより好ましい。
【0087】
単層型感光層の場合には、上述したような電荷発生物質と電荷輸送物質とを結着樹脂中に分散および溶解させた溶液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。
【0088】
単層型の場合、感光層の膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特には10〜30μmであることがより好ましい。
【0089】
図1に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。
【0090】
図において、1は本発明の電子写真感光体であり、軸2を中止に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
【0091】
電子写真感光体1は、回転過程において、(一次)帯電手段3によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)からの露光光4を受ける。こうして電子写真感光体1の周面に静電潜像が順次形成されていく。
【0092】
形成された静電潜像は、次いで、現像手段5によりトナー現像され、現像されたトナー現像像は、不図示の給紙部から電子写真感光体1と転写手段6との間に電子写真感光体1の回転と同期取り出されて給紙された転写材7に、転写手段6により順次転写されていく。
【0093】
像転写を受けた転写材7は、電子写真感光体面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。
【0094】
像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段9によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、さらに前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。
【0095】
なお、帯電手段3が図のように帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
【0096】
本発明においては、上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9などの構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成しこのプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱可能に構成してもよい。
【0097】
例えば、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9の少なくとも一つを電子写真感光体1とともに一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレール12などの案内手段を用いて装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジ11とすることができる。
【0098】
また、露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいはセンサーで原稿を読みとり、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動および液晶シャッターアレイの駆動などにより照射される光である。
【0099】
本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンターおよびレーザー製版などの電子写真応用分野にも広く用いることができる。
【0100】
【実施例】
(実施例1)
まず、導電層用の塗料を以下の手順で調整した。
【0101】
10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した導電性酸化チタン粉体50部(質量部、以下同様)、フェノール樹脂25部、メチルセロソルブ20部、メタノール5部およびシリコーン化合物(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000)0.002部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して調整した。
【0102】
この塗料を、直径30mmのアルミニウムシリンダー上に浸漬塗布方法で塗布し、150℃で30分乾燥して、膜厚10μmの導電層を形成した。
【0103】
次に、樹脂(P−1)7部、電子輸送物質(E−6)3部、N,N−ジメチルアセトアミド50部、テトラヒドロフラン50部からなる中間層用塗料を調整した。
【0104】
この塗料を、上記導電層上に浸漬コーティング法によって塗布し、180℃で20分間乾燥して、膜厚1.0μmの中間層を形成した。
【0105】
次に、CuKαのX線回折におけるブラック角2θ±0.2°の7.4°および28.2の位置に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン2.5部、ポリビニルブチラ−ル(商品名エスレックBX−1、積水化学(株)製)1.0部およびシクロヘキサノン35部を、直径0.5mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して、その後にテトラヒドロフラン50部を加えて電荷発生層用塗料を調製した。
【0106】
この塗料を、上記中間層の上に浸漬塗布方法で塗布して100℃で15分間乾燥し、膜厚0.14μmの電荷発生層を形成した。
【0107】
次に、下記式で示される構造を有する正孔輸送物質4.5部
【外23】
【0108】
およびビスフェノールZ型ポリカーボネート(粘度平均分子量25,000)5.5部をモノクロロベンゼン25部、メチラール10部に溶解し、電荷輸送層用塗料を調製した。
【0109】
この塗料を、上記電荷発生層の上に浸漬塗布方法で塗布して120℃で60分間乾燥し、膜厚25μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を得た。
【0110】
このようにして作製した電子写真感光体を、レーザービームプリンター(商品名:LaserJet 4100,日本ヒューレット・パッカード(株)社製)の改造機(レーザー光量および帯電電位可変)に取り付け、暗部電位(Vd)が−650Vになるように帯電し、これに波長780nmのレーザー光を照射して明部電位(Vl)が−150Vになるのに必要な光量を測定し感度とした。さらに、0.7μJ/cm2の光量を照射した場合の電位を残留電位(Vr)として測定した。
【0111】
さらに、繰り返し画像出し耐久試験を5000枚行った後の、暗部電位の初期との変動量(ΔVd)、明部電位の初期との変動量(ΔVl)および残留電位の初期との変動量(ΔVr)を測定した。
【0112】
その結果を表4に示す。
【0113】
なお、電子写真感光体の表面電位の測定は、レーザービームプリンター用カートリッジを改造し、現像位置に電位プローブ(model6000B−8:トレック社製)を装着し、表面電位計(model344:トレック社製)を使用して行った。
【0114】
(実施例2〜21)
表3に記載のポリアミド酸樹脂と電子輸送物質とを、表3に記載の割合で用いた以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。
【0115】
その結果を表4に示す。
【0116】
(比較例1〜5)
表3に記載の樹脂と電子輸送物質とを、表3に記載の割合で用いた以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。
【0117】
その結果を表4に示す。
【0118】
【表4】
【0119】
ただし、実施例の電子写真感光体の中間層に使用した樹脂は、上述したとおり、それぞれ、R1003とR1004とが入れ替わった構造、R1005とR1006とが入れ替わった構造を含み、それぞれ、上記式(2)で示される構造も含む(R2001〜R2006は、それぞれ、R1001〜R1006に相当し、R2003とR2004とが入れ替わった構造、R2005とR2006とが入れ替わった構造を含む。)、構造異性体の混合物である。
【0120】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、初期も繰り返し使用後も優れた電位特性が得られ、良好な画像が得られる電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成の例を示す図である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 レール
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置に関し、詳しくは、支持体上に中間層、感光層をこの順に有する電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真感光体には、支持体上の欠陥の被覆、感光層と支持体との接着性向上、感光層の電気的破壊防止、支持体から感光層へのキャリア注入阻止などのために中間層(下引き層)と呼ばれる層を介在させることが行われている。
【0003】
中間層を形成する材料としては、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、エポキシ樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、カゼイン、メチルセルロース、ポリアミドなどの有機樹脂が提案されている。しかし、これらの樹脂は、周囲の環境の影響を受けやすく、高温高湿下や低温低湿下での特性劣化があり、十分なものではなかった。
【0004】
そのため、これらの特性の改善を目的とし、特開平7−072643号公報、特開平8−234466号公報などには、ポリアミド酸樹脂を用いた中間層が提案されている。
【0005】
このポリアミド酸樹脂は、その一部が閉環反応を起こし電子輸送能を持つイミド構造を有すこともあり、電気特性は優れたものであるが、残留電位が大きいなど、高露光量領域での特性に若干の問題を有している。
【0006】
また、負帯電型の電子写真感光体の場合、その中間層は、残留電荷の上昇防止、表面電位のサイクルアップ防止などを考慮に入れると、感光層から支持体へのキャリア(電子)注入性向上が必要である。
【0007】
そのため、中間層には、電子輸送性の材料(電子輸送物質)を用いることが好ましく、高分子樹脂中に低分子系の電子輸送性物質もしくは電子受容性物質を添加した中間層を用いることが検討されている(特開昭55−142356号公報、特開昭59−170846号公報など記載)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの低分子化合物は、有機溶剤に溶解しやすいものである場合は、支持体上に形成された中間層の上に光導電層を塗布する工程において、上層中に浸出して中間層中での濃度の低下を起こしたり、あるいは、その逆に有機溶剤に溶解しにくいものである場合には、中間層中で結晶化を起こしたりしてしまい、目的とする効果を発現しにくいという問題があった。
【0009】
本発明の目的は、上記問題を発生することなく、初期も繰り返し使用後も優れた電位特性が得られ、良好な画像が得られる電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討の結果、電子輸送物質を含有する中間層に特定の樹脂を含有させることで上記目的を果たせることを見いだし、本発明に至った。
【0011】
すなわち、本発明は、支持体上に中間層、感光層をこの順に有する電子写真感光体において、該中間層が、電子輸送物質と、下記式(1)で示される繰り返し構造単位および下記式(2)で示される繰り返し構造単位の少なくとも一方を有する樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体である。
【0012】
【外3】
【0013】
【外4】
【0014】
(式(1)、(2)中、A1001、A2001は、それぞれ、置換または無置換の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の芳香族複素環基を有する2価の基を示す。R1001、R1002、R2001、R2002は、それぞれ、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシアルキル基、または、置換または無置換のアラルキル基を示す。R1003〜R1006、R2001〜R2006は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、または、シアノ基を示す。)
【0015】
また、本発明は、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置である。
【0016】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の電子写真用電子写真感光体について詳細に説明する。
【0017】
本発明の電子写真感光体は、支持体上に中間層、感光層をこの順に有する電子写真感光体である。
【0018】
本発明の電子写真感光体に用いられる支持体としては、アルミニウム、ニッケル、銅、金、鉄などの金属または合金、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ガラスなどの絶縁性支持体上に、アルミニウム、銀、金などの金属あるいは酸化インジウム、酸化スズなどの導電材料の薄膜を形成したものなどを使用することができる。
【0019】
これらの支持体表面は、電気的特性改善あるいは半導体レーザーなどコヒーレント光照射時に問題となる干渉縞などの防止のため、陽極酸化などの電気化学的な処理やブラスト、切削などの処理が行われていてもよい。
【0020】
また、導電性粒子(例えば、カーボンブラック、銀粒子、酸化錫含有無機粒子など)を適当なバインダー樹脂と共に上記のようなプラスチック、金属または合金支持体上に被覆した支持体を用いることもできる。
【0021】
支持体の形状は特に制約はなく、必要に応じて、板状、ドラム状、ベルト状のものが用いられる。
【0022】
本発明の電子写真感光体の中間層は、上述のとおり、電子輸送物質と、上記式(1)で示される繰り返し構造単位および上記式(2)で示される繰り返し構造単位の少なくとも一方を有する樹脂(以下、上記特定の樹脂とも表現する)を含有する。
【0023】
上記式(1)、(2)中のR1001、R1002、R2001、R2002のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基などが挙げられ、アルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基およびエトキシプロピル基などが挙げられ、アラルキル基としては、ベンジレン基、フェネチレン基、ナフチルメチレン基などが挙げられる。
【0024】
また、R1003〜R1006、R2001〜R2006のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子および臭素原子などが挙げられ、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基などが挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基およびブトキシ基などが挙げられる。
【0025】
また、A1001、A2001の置換または無置換の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の芳香族複素環基を有する2価の基としては、様々な構造を有する基が挙げられるが、中でも、下記式(3)で示される構造を有する基、または、下記式(4)で示される構造を有する基であることが好ましい。
−Ar31− (3)
(式(3)中、Ar31は、置換または無置換の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の芳香族複素環基を示す。)
−Ar41−X41−Ar42− (4)
(式(4)中、Ar41、Ar42は、それぞれ、置換または無置換の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の芳香族複素環基を示し、X41は、酸素原子、硫黄原子、置換または無置換のアルキレン基、カルボニル基、または、スルホニル基を示す。)
【0026】
上記式(3)、(4)中のAr31、Ar41、Ar42の芳香族炭化水素環基としては、フェニレン基、ビフェニレン基およびナフチレン基などが挙げられ、芳香族複素環基としては、ピリジンジイル基およびチオフェンジイル基などが挙げられる。
【0027】
また、上記式(4)中のX41のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基およびイソプロピレン基などが挙げられる。
【0028】
また、上記各基が有してもよい置換基としては、メチル基、エチル基およびプロピル基などのアルキル基、フッ素、塩素および臭素などのハロゲン原子、トリフルオロメチル基などのハロメチル基、メトキシ基、エトキシ基およびプロポキシ基などのアルコキシ基、ジメチルアミノ基およびジエチルアミノ基などのアルキルアミノ基、アセチル基およびベンゾイル基などのアシル基、シアノ基などが挙げられる。
【0029】
上記特定の構造を有する樹脂の具体例(繰り返し構造単位の例)を表1〜3に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
なお、便宜上、表1〜3のように記載したが、(P−1)〜(P−23)は、それぞれ、R0013とR1004とが入れ替わった構造、R1005とR1006とが入れ替わった構造を含む。
【0034】
またさらに、(P−1)〜(P−23)は、それぞれ、上記式(2)で示される構造も含む(この場合、R2001〜R2006は、それぞれ、R1001〜R1006に相当し、R2003とR2004とが入れ替わった構造、R2005とR2006とが入れ替わった構造を含む。)。
【0035】
すなわち、上記各構造異性体が混在しているということである。
【0036】
電子輸送物質としては、還元電位(電子親和力Eaに対応)の値が、参照電極SCE(飽和カルメロ電極)に対して−0.2Vから−1.0Vであるものが好ましく、特には−0.3Vから−0.7Vであるものがより好ましい。
【0037】
還元電位が−0.7Vを越えると、電荷発生物質からの電荷(電子)の注入が起こりにくく、残留電位の上昇、感度悪化および繰り返し使用時の電位変動が大きくなるなどの問題が生じる場合があり、また、−0.3V未満では、帯電能低下などの問題が生じる場合がある。
【0038】
本発明において、還元電位は、以下の方法によって測定される。
【0039】
(還元電位の測定法)
SCE(飽和カロメル電極)を参照電極とし、電解液に0.1N(n−Bu)4N+ClO4−ジクロロメタン溶液を用い、ポテンシャルスイーパによって作用電極(白金)に印加する電位をスイープし、得られた電流−電位曲線がピークを示したときの電位を酸化電位とした。
【0040】
詳しくは、サンプルを0.1N(n−Bu)4N+ClO4−ジクロロメタン溶液に0.90mmol%程度の濃度になるように溶解する。
【0041】
このサンプル溶液に、作用電極によって電圧を加え、電圧を0Vから−1.5Vに直線的に変化させ(この電流−電位曲線において電流値がピークを示したピークトップの位置の電位をE1)、さらに、−1.5Vから0Vに直線的に変化させた時の電流変化を測定し(この電流−電位曲線において電流値がピークを示したピークトップの位置の電位をE2)、電流−電位曲線を得る。
【0042】
得られた(E1+E2)/2を還元電位とした。
【0043】
電子輸送物質の構造の好ましい一般式の例として、下記式(A−1)〜(A−11)が挙げられるが、本発明は、これらに限定されるわけではない。
【外5】
【0044】
【外6】
【0045】
【外7】
【0046】
【外8】
【0047】
【外9】
【0048】
【外10】
【0049】
【外11】
【0050】
【外12】
【0051】
【外13】
【0052】
【外14】
【0053】
【外15】
【0054】
上記式(A−1)〜(A−11)中、R11と、R21およびR22の少なくとも一方と、R31およびR32の少なくとも一方と、R41およびR42の少なくとも一方と、R51およびR52の少なくとも一方と、R61およびR62の少なくとも一方と、R71およびR72の少なくとも一方と、R81およびR82の少なくとも一方と、R91およびR92の少なくとも一方と、R101およびR102の少なくとも一方と、R111、R112およびR113の少なくとも1つは、非加水分解性重合性官能基を有する基である。そして、その中で、R11、R21、R22、R31、R32、R41、R42、R51、R52、R61、R62、R71、R72、R81、R82、R91、R92、R101、R111は、水素原子や、置換基を有してもよい、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基や、置換基を有してもよい、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基、チエニル基などのアラルキル基や、置換基を有してもよい、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、チオフェニル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、ベンゾキノリル基、カルバゾリル基、フェノチアジニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基などのアリール基や、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基や、フェノキシ基、ナフトキシ基などのアリールオキシ基や、アシル基や、エステル基や、シアノ基や、ニトロ基や、アミド基や、スルホン酸基や、スルホン酸エステル基や、スルホン酸アミド基や、ヒドロキシ基や、アルデヒド基や、ハロゲン原子を示し、R102、R112、R113は、置換基を有してもよい、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基や、置換基を有してもよい、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基、チエニル基などのアラルキル基や、置換基を有してもよい、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、チオフェニル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、ベンゾキノリル基、カルバゾリル基、フェノチアジニル基、ベンゾフリル基、およびベンゾチオフェニル基などのアリール基や、エステル基を示す。
【0055】
また、上記式中、m1、m2、n2、m3、n3、m4、n4、m5、n5、m6、n6、m7、n7、m8、n8、m9、n9、m10、m11は、0以上の整数である。
【0056】
また、上記式中、m1、m2、m3、m4、m5、m6、m7、m8、m9、m10、m11が2以上のとき、それぞれ、R11、R21、R31、R41、R51、R61、R71、R81、R91、R101、R111は、互いに異なる基であってもよい。
【0057】
また、上記式中、n2、n3、n4、n5、n6、n7、n8、n9が2以上のとき、それぞれ、R22、R32、R42、R52、R62、R72、R82、R92は、互いに異なる基であってもよい。
【0058】
なお、m2とn2が、m3とn3が、m4とn4が、m5とn5が、m6とn6が、m7とn7が、m8とn8が、m9とn9が、それぞれ同時に0になることはない。
【0059】
また、上記式中、Q11、Q12、Q21、Q22、Q31、Q32、Q41、Q51、Q61、Q71、Q72、Q81、Q82、Q91、Q92、Q101、Q102、Q111、Q112、Q113、Q114は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、C(CN)2、CRQ1CN、CY2(Yはフッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子)、C(COORQ2)2、CRQ3COORQ4、NRQ5、および、NCNのいずれかである。
【0060】
また、上記式中、RQ1、RQ2、RQ3、RQ4、RQ5は、それぞれ独立に、水素原子や、置換基を有してもよい、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基や、置換基を有してもよい、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基、チエニル基などのアラルキル基や、置換基を有してもよい、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、チオフェニル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、ベンゾキノリル基、カルバゾリル基、フェノチアジニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基などのアリール基を示す。
【0061】
また、上記式中、Q42は酸素原子、硫黄原子およびSO2のいずれかである。
【0062】
また、上記式中、A2、A3、B3、A4、B4、A5、A6、B6、A8、B8の
【外16】
【0063】
は、置換基を有してもよい、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、チオフェン環、フラン環、ピリジン環などのアリール環である。
【0064】
なお、R11、R21、R22、R31、R32、R41、R42、R51、R52、R61、R62、R71、R72、R81、R82、R91、R92、R101、R102、R111、R112、R113、Q11、Q12、Q21、Q22、Q31、Q32、Q41、Q51、Q61、Q71、Q72、Q81、Q82、Q91、Q92、Q101、Q102、Q111、Q112、Q113、Q114、RQ1、RQ2、RQ3、RQ4、RQ5、A2、A3、B3、A4、B4、A5、A6、B6、A8、B8が有してもよい置換基としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子や、ニトロ基や、シアノ基や、水酸基や、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基や、メトキシ基、エトキシ基およびプロポキシ基などのアルコキシ基や、フェノキシ基、ナフトキシ基などのアリールオキシ基や、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基、チエニル基などのアラルキル基や、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、ピレニル基などのアリール基などが挙げられる。
【0065】
また、上記表現のアルキル基は、炭素数10以下のアルキル基であることが好ましい。
【0066】
また、上記電子輸送物質は、電子輸送能として、印加電界が5×104V/cmのときに、1×10−7cm2/V・s以上のドリフト移動度を有しているものが好ましい。1×10−7cm2/V・s未満では、電子写真感光体として露光後現像までに電子が十分に移動できないため、見かけ上感度が低減し、残留電位も高くなってしまう問題が発生する場合がある。
【0067】
以下に本発明に係わる、電子輸送物質の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0068】
【外17】
【0069】
【外18】
【0070】
【外19】
【0071】
【外20】
【0072】
【外21】
【0073】
【外22】
【0074】
上記の中でも、(E−6)、(E−8)、(E−13)、(E−14)、(E−15)、(E−16)、(E−17)、(E−18)、(E−19)、(E−23)、(E−24)、(E−26)が特に好ましい。
【0075】
上記特定の構造を有する樹脂と上記電子輸送物質との比率(質量比:樹脂/電子輸送物質)は、9/1〜1/9であることが好ましく、9/1〜5/5であることがより好ましい。
【0076】
中間層上には感光層が設けられる。
【0077】
本発明の電子写真感光体の感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質を同一の層に含有する単層型、および、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有する積層型に大別される。
【0078】
積層型は、さらに、支持体側から電荷発生層、電荷輸送層をこの順に有するタイプと支持体、電荷輸送層、電荷発生層をこの順に有するタイプに分けられる。本発明においては、積層型、特に、電荷発生層の上に電荷輸送層を積層したタイプであることが好ましい。
【0079】
電荷発生層は、電荷発生物質を適当な溶剤を用いて結着樹脂中に分散させた溶液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。
【0080】
電荷発生物質としては、例えば、モノアゾ、ビスアゾおよびトリスアゾなどのアゾ顔料、金属フタロシアニンおよび無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン顔料、インジゴおよびチオインジゴなどのインジゴ顔料、アントアントロンおよびピレンキノンなどの多環キノン顔料、ペリレン酸無水物およびペリレン酸イミドなどのペリレン顔料、スクワリリウム系色素、ピリリウムおよびチアピリリウム塩類、およびトリフェニルメタン系色素などが挙げられる。
【0081】
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルアセタール、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルピロリドンおよびセルロース系樹脂などが挙げられる。
【0082】
電荷発生層の膜厚は、5μm以下であることが好ましく、特には0.05〜2μmであることがより好ましい。
【0083】
電荷輸送層は、成膜性を有する樹脂の溶液に電荷輸送物質を溶解した溶液を塗布し、乾燥することによって形成される。
【0084】
電荷輸送物質の中の正孔輸送物質としては、ピレンおよびアントラセンなどの多環芳香族化合物、カルバゾール、インドール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、ピラゾール、ピラゾリン、チアジアゾルおよびトリアゾールなどの複素環化合物、p−ジエチルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾンおよびN,N−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデン−9−エチルカルバゾールなどのヒドラゾン系化合物、α−フェニル−4′−N,N−ジアミノスチルベンおよび5−[4−(ジ−p−トリルアミノ)ベンジリデン]−5H−ジベンゾ[a,d]ジシクロヘプテンなどのスチリル系化合物、ベンジジン系化合物、トリアリールアミン系化合物、トリフェニルアミンあるいはこれらの化合物からなる基を主鎖または側鎖に有するポリマー(例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびポリビニルアントラセンなど)が挙げられる。
【0085】
成膜性を有する樹脂としては、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸エステルおよびポリスチレンなどが挙げられる。
【0086】
電荷輸送層の膜厚は、5〜40μmであることが好ましく、特には10〜30μmであることがより好ましい。
【0087】
単層型感光層の場合には、上述したような電荷発生物質と電荷輸送物質とを結着樹脂中に分散および溶解させた溶液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。
【0088】
単層型の場合、感光層の膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特には10〜30μmであることがより好ましい。
【0089】
図1に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。
【0090】
図において、1は本発明の電子写真感光体であり、軸2を中止に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
【0091】
電子写真感光体1は、回転過程において、(一次)帯電手段3によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)からの露光光4を受ける。こうして電子写真感光体1の周面に静電潜像が順次形成されていく。
【0092】
形成された静電潜像は、次いで、現像手段5によりトナー現像され、現像されたトナー現像像は、不図示の給紙部から電子写真感光体1と転写手段6との間に電子写真感光体1の回転と同期取り出されて給紙された転写材7に、転写手段6により順次転写されていく。
【0093】
像転写を受けた転写材7は、電子写真感光体面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。
【0094】
像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段9によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、さらに前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。
【0095】
なお、帯電手段3が図のように帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
【0096】
本発明においては、上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9などの構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成しこのプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱可能に構成してもよい。
【0097】
例えば、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9の少なくとも一つを電子写真感光体1とともに一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレール12などの案内手段を用いて装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジ11とすることができる。
【0098】
また、露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいはセンサーで原稿を読みとり、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動および液晶シャッターアレイの駆動などにより照射される光である。
【0099】
本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンターおよびレーザー製版などの電子写真応用分野にも広く用いることができる。
【0100】
【実施例】
(実施例1)
まず、導電層用の塗料を以下の手順で調整した。
【0101】
10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した導電性酸化チタン粉体50部(質量部、以下同様)、フェノール樹脂25部、メチルセロソルブ20部、メタノール5部およびシリコーン化合物(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000)0.002部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して調整した。
【0102】
この塗料を、直径30mmのアルミニウムシリンダー上に浸漬塗布方法で塗布し、150℃で30分乾燥して、膜厚10μmの導電層を形成した。
【0103】
次に、樹脂(P−1)7部、電子輸送物質(E−6)3部、N,N−ジメチルアセトアミド50部、テトラヒドロフラン50部からなる中間層用塗料を調整した。
【0104】
この塗料を、上記導電層上に浸漬コーティング法によって塗布し、180℃で20分間乾燥して、膜厚1.0μmの中間層を形成した。
【0105】
次に、CuKαのX線回折におけるブラック角2θ±0.2°の7.4°および28.2の位置に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン2.5部、ポリビニルブチラ−ル(商品名エスレックBX−1、積水化学(株)製)1.0部およびシクロヘキサノン35部を、直径0.5mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して、その後にテトラヒドロフラン50部を加えて電荷発生層用塗料を調製した。
【0106】
この塗料を、上記中間層の上に浸漬塗布方法で塗布して100℃で15分間乾燥し、膜厚0.14μmの電荷発生層を形成した。
【0107】
次に、下記式で示される構造を有する正孔輸送物質4.5部
【外23】
【0108】
およびビスフェノールZ型ポリカーボネート(粘度平均分子量25,000)5.5部をモノクロロベンゼン25部、メチラール10部に溶解し、電荷輸送層用塗料を調製した。
【0109】
この塗料を、上記電荷発生層の上に浸漬塗布方法で塗布して120℃で60分間乾燥し、膜厚25μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を得た。
【0110】
このようにして作製した電子写真感光体を、レーザービームプリンター(商品名:LaserJet 4100,日本ヒューレット・パッカード(株)社製)の改造機(レーザー光量および帯電電位可変)に取り付け、暗部電位(Vd)が−650Vになるように帯電し、これに波長780nmのレーザー光を照射して明部電位(Vl)が−150Vになるのに必要な光量を測定し感度とした。さらに、0.7μJ/cm2の光量を照射した場合の電位を残留電位(Vr)として測定した。
【0111】
さらに、繰り返し画像出し耐久試験を5000枚行った後の、暗部電位の初期との変動量(ΔVd)、明部電位の初期との変動量(ΔVl)および残留電位の初期との変動量(ΔVr)を測定した。
【0112】
その結果を表4に示す。
【0113】
なお、電子写真感光体の表面電位の測定は、レーザービームプリンター用カートリッジを改造し、現像位置に電位プローブ(model6000B−8:トレック社製)を装着し、表面電位計(model344:トレック社製)を使用して行った。
【0114】
(実施例2〜21)
表3に記載のポリアミド酸樹脂と電子輸送物質とを、表3に記載の割合で用いた以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。
【0115】
その結果を表4に示す。
【0116】
(比較例1〜5)
表3に記載の樹脂と電子輸送物質とを、表3に記載の割合で用いた以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。
【0117】
その結果を表4に示す。
【0118】
【表4】
【0119】
ただし、実施例の電子写真感光体の中間層に使用した樹脂は、上述したとおり、それぞれ、R1003とR1004とが入れ替わった構造、R1005とR1006とが入れ替わった構造を含み、それぞれ、上記式(2)で示される構造も含む(R2001〜R2006は、それぞれ、R1001〜R1006に相当し、R2003とR2004とが入れ替わった構造、R2005とR2006とが入れ替わった構造を含む。)、構造異性体の混合物である。
【0120】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、初期も繰り返し使用後も優れた電位特性が得られ、良好な画像が得られる電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成の例を示す図である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 レール
Claims (6)
- 支持体上に中間層、感光層をこの順に有する電子写真感光体において、該中間層が、電子輸送物質と、下記式(1)で示される繰り返し構造単位および下記式(2)で示される繰り返し構造単位の少なくとも一方を有する樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体。
【外1】
【外2】
(式(1)、(2)中、A1001、A2001は、それぞれ、置換または無置換の芳香族炭化水素環基、または、置換または無置換の芳香族複素環基を有する2価の基を示す。R1001、R1002、R2001、R2002は、それぞれ、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシアルキル基、または、置換または無置換のアラルキル基を示す。R1003〜R1006、R2001〜R2006は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、または、シアノ基を示す。) - 前記電子輸送物質の還元電位の値が、参照電極SCEに対して−0.3Vから−0.7Vである請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記樹脂と前記電子輸送物質との比率(質量比:樹脂/電子輸送物質)が、9/1〜1/9である請求項1または2に記載の電子写真感光体。
- 前記樹脂と前記電子輸送物質との比率(質量比:樹脂/電子輸送物質)が、9/1〜5/5である請求項3に記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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JP2002253619A JP2004093800A (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 |
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JP2008065173A (ja) * | 2006-09-08 | 2008-03-21 | Fuji Xerox Co Ltd | 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 |
JP2017223868A (ja) * | 2016-06-16 | 2017-12-21 | キヤノン株式会社 | 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 |
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