JP2004093695A - ファイバスタブとその製造方法、光レセプタクルとその製造方法及びこれを用いた光モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】ファイバスタブをホルダに圧入する際に斜め圧入されやすく、製造効率が悪く、接続損失が低減しやすい。
【解決手段】フェルール3の貫通孔に光ファイバ4を保持してなるファイバスタブ9であって、一端部に他より外径の小さい小径部9Cを設けた。
【選択図】図1
【解決手段】フェルール3の貫通孔に光ファイバ4を保持してなるファイバスタブ9であって、一端部に他より外径の小さい小径部9Cを設けた。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光通信に用いる光アイソレータ付きファイバスタブ及びそれを用いた光レセプタクル及びアイソレータ付き光レセプタクルに関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信においてレーザー光源と光コネクタとの光接合部品として図5(a)に示すような光アイソレータ付きの光レセプタクルが用いられている。
【0003】
この光レセプタクルは、フェルール23の貫通孔に光ファイバ24を接着固定してなるファイバスタブ29の先端部(図面右側)をスリーブ25に圧入固定され、後端部(図面左側)をホルダ27に圧入し、ファイバスタブ29の後端面の斜め研磨面には光アイソレータ素子30を張り合わせ、その外周にマグネット26を上記光アイソレータ素子30を覆うように接着固定してなる。
【0004】
この光アイソレータ付きの光レセプタクルをコネクタ型の光モジュールとして用いるには、光レセプタクルの後端側に光素子を収容したケースを取り付けることによって得ることができる。
【0005】
上記ファイバスタブ29の先端面29b(図面右側)には光コネクタが接続されるため、PC研磨によって光コネクタとの最適な光結合を得るために光学研磨が施され、その後端面29aには光素子からのレーザー光等の反射戻り光を抑制するために傾斜面となっており、PC研磨面同様光学研磨が施されており、この傾斜面にレーザー光源への反射戻り光の防止及び光ファイバアンプ内で光の共振発生を防止するためには光アイソレータ付きの光レセプタクルが用いられる。
【0006】
従来より、上記光レセプタクルを組み立てる際は、図5(b)に示すようにファイバスタブ29をホルダ27に圧入する際、ファイバスタブ29の後端面29aを圧入治具28で押圧して挿入していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図5(a)に示すような従来の光レセプタクルは、図5(b)に示すようにファイバスタブ29の後端面29bを押圧して圧入するため、圧入されるファイバスタブ29が斜めになる方向へ作用し斜めに圧入されやすく、この光レセプタクルを光モジュールに用いた際、ファイバスタブ29とホルダ27との嵌合が悪くなりファイバスタブ29の保持強度が低下したり、またファイバスタブ29の後端面29aと光素子との光軸が斜め圧入された角度分、光軸ズレが生じ光学特性が悪化するという問題を有していた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を鑑みて本発明のファイバスタブは、フェルールの貫通孔に光ファイバを保持してなるファイバスタブであって、一端部に他より外径の小さい小径部を設けたことを特徴とするファイバスタブ。
【0009】
また、本発明のファイバスタブは、上記小径部は、ファイバスタブの後端面から0.1mm以上ファイバスタブの全長の1/2以下の範囲に設けられ、且つファイバスタブの外径に対し10〜95%の外径を有することを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明のファイバスタブの製造方法は、上記ファイバスタブの製造方法であって、ファイバスタブの2倍の長さを有するブランクフェルールの貫通孔に光ファイバを挿通保持し、その中央部に上記小径部を研削加工によって形成した後、ダイシング加工によって小径部の中央で切断することを特徴とする。
【0011】
さらにまた、本発明の光レセプタクルは、上記ファイバスタブの小径部を有する反対側の先端部をスリーブに挿入するとともに、上記小径部を有する後端部をホルダによって保持してなることを特徴とする。
【0012】
またさらに、本発明の光レセプタクルは、上記ファイバスタブの後端部の端面を傾斜面とするとともに、該傾斜面に光アイソレータ素子を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の光レセプタクルの製造方法は、上記光レセプタクルの製造方法であって、上記ファイバスタブの小径部の外周面を治具を用いて押圧し、その先端部を上記ホルダ内に圧入することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の光モジュールは、光レセプタクルの後端側に光素子を収容したケースを取り付けたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
【0016】
図1(a)は、本発明のファイバスタブの一実施形態を示す断面図であり、フェルール3の貫通孔に光ファイバ4を接着剤によって保持されてなる。
【0017】
上記ファイバスタブ9を光アイソレータ付きの光レセプタクルとして用いるには、図1(b)に示すように上記ファイバスタブ9の先端部をスリーブ5に圧入固定し、後端部をホルダ7に圧入した後、ファイバスタブ9の後端面9a、すなわち小径部9Cの端面に偏光子1a、1bに把持されたファラデー回転子2からなる光アイソレータ素子10を張り合わせ、小径部9Cの外周にマグネット6を上記光アイソレータ素子10を覆うように圧入固定してなる。
【0018】
上記ファイバスタブ9は、その後端部に他より径の小さい小径部9Cが設けられていることが重要である。
【0019】
これは、詳細を後述するように上記ファイバスタブ9を用いて光レセプタクルを作製する際、ファイバスタブ9の小径部9Cの外周に形成されたマグネット6に圧入固定して形成できるため、従来のようにファイバスタブ9の後端面9aに接着固定する必要が無く、組立工数を簡略化する事ができる。また、強度を確保するために圧入と接着の併用も可能でその際、小径部9Cの外周とマグネット6との位置決めを容易にすることが可能である。さらに、スリーブ5に挿入する際、小径部9Cの外周を圧入治具を用いて押圧することにより、位置精度良く圧入することができ、接続損失を低減させることができる。
【0020】
また、上記ファイバスタブ9の小径部9Cは、ファイバスタブ9の後端面9aから0.1mm以上ファイバスタブ9の全長の1/2以下の範囲に設けられることが好ましい。小径部9Cを光ファイバ4の後端面から0.1mm以上設けることでマグネット6との位置決めが可能となり、またマグネット6とファイバスタブ9およびホルダ7との嵌合部とのバランスを考慮して、強固に保持するためには小径部9Cはファイバスタブ9の後端面9aからファイバスタブ9の全長の1/2以下の範囲とすることが望ましい。
【0021】
さらに、上記小径部9Cの径はファイバスタブ9の外径に対して10〜95%の大きさ径を有することが好ましく、光レセプタクルを形成する際に小径部9Cをマグネット6に圧入する場合の強度を保持し、ファイバスタブ9の後端面9aを高精度に研磨することができる。10%未満となると、小径部9Cの強度が低下してマグネット6に圧入する際に欠け等が生じやすく、また、95%を越えると、ファイバスタブ9の後端面9aをダイシング加工する際、フェルール3と、光ファイバ4の異なる材質からなる後端面9aを加工する際、表面が高精度に研摩することができず、傾斜面があれたものとなり易い。
【0022】
ここで、上記ファイバスタブ9の製造方法について図2に基いて説明する。
【0023】
先ず、できあがるファイバスタブ9の2倍の長さを有するブランクフェルール11を準備し、その貫通孔に光ファイバ4を接着剤によって挿通保持し、両端面にPC研磨を施す。
【0024】
次いで、図2(a)に示すようにその中央部に上記小径部9Cとを形成するためダイヤモンド砥石によって研削加工を施す。なお、小径部9Cは、ブランクフェルール11の状態で加工されていても同様に得ることができる。
【0025】
しかる後、図2(b)に示すようにダイシング加工によって小径部9Cの中央で切断して2個のファイバスタブ9を得ることができる。
【0026】
上述の製造方法によれば、ダイシング加工によって切断するため、ファイバスタブ9の後端面となる傾斜面を容易に2本同時に得ることができ、また1つのダイシング工程でファイバスタブ2個分の斜め研磨面を得られることから製作工数大幅に簡略することができる。
【0027】
また、予め、小径部9Cを形成してからダイシング加工によって切断するため、切断面積が少なくなり、ファイバスタブ9の切断面が良好な状態となり光モジュールとして用いた際に高精度な研磨面を得ることができる。さらに、ダイシング加工にて研磨面が得られることから切断せずにスリットの状態とし光学素子を入れる等の他の応用も可能である。
【0028】
また、上述の方法で得られたファイバスタブ9を用いて光レセプタクルを得る方法は、図3に示すように、上記ファイバスタブ9の小径部9Cの外周面を圧入治具8を用いて押圧することによってファイバスタブ9の先端部をホルダ7内に圧入する。
【0029】
この方法によってファイバスタブ9を圧入した場合、小径部9Cの外周面が平坦な面であるため、ホルダ7内にファイバスタブ9を平行に圧入することができ、位置精度が高く、光モジュールとして用いた際に接続損失を低減させることができる。
【0030】
なお、上記ホルダ7は、LD光モジュールとのYAG溶接接合可能な金属が望ましい。スリーブ5は円筒スリーブや割スリーブ、複数点支持スリーブが使用可能で、材質はジルコニアやアルミナセラミックスの他鈴青銅などの金属も使用可能である。
【0031】
上述の光レセプタクルを用いて光モジュールを構成するには、図4に示すように、ファイバスタブ9の後端面9aにレーザダイオード(LD)12から発光される信号光を伝送できるようになっている。先端面9bには光コネクタが嵌合され、光コネクタとの低接続損失を維持するためにファイバスタブ9の先端面9bにはPC研磨や、加工変質層を除去したPC研磨、端面の近端反射を防ぐために斜め研磨、斜めPC研磨が施されている。
【0032】
また、光レセプタクルに嵌合される光コネクタにはFCコネクタ、SCコネクタ、MUコネクタ、LCコネクタ等が用いられる。また、コネクタ接続面側にコネクタを有した光ファイバ心線を取り付けた構造であっても実施可能である。
【0033】
なお、上述の実施形態では、図1(b)に示すような光アイソレータ付きの光レセプタクルを用いて説明したが、光アイソレータを備えない光レセプタクルにも好適に用いられ、ファイバスタブ9の小径部9Cの外周を押圧することによって、その先端部をスリーブ5の孔に平行に位置精度良く圧入することができ、接続損失を低減させることができる。
【0034】
【実施例】
ここで、本発明におけるファイバスタブを用いた光レセプタクルの試料を作製した。
【0035】
先ず、図2、3に示すようにファイバスタブの全長の2倍の長さを有するブランクフェルールを作製し、この中心の外周に旋盤を用いて砥石にて小径部となる溝加工を施し、溝付きブランクフェルールを作製した。
【0036】
次に、上記溝付きブランクフェルールの貫通孔に光ファイバを挿入して接着剤で固定し、両端面をPC研磨してファイバスタブ試料を作製した。
【0037】
次に上記溝付きファイバスタブをダイシング機にて、溝付きファイバスタブ中央を8度の角度で切断して、1つの工程でファイバスタブ試料を2個同時に製作した。
【0038】
得られたファイバスタブ試料を用いて図1に示すような光レセプタクルを作製するため、スリーブを圧入固定したホルダに、ファイバスタブの小径部の外周を圧入治具を用いて圧入した。
【0039】
その後、光アイソレータ素子をファイバスタブの後端面に固定した後、ファイバスタブの小径部をマグネットに圧入固定して、光アイソレータ付きの光レセプタクルを製作した。
【0040】
また、比較例として図5(b)に示す方法で同様に圧入治具を用いてファイバスタブの後端面を押圧して圧入した。
【0041】
なお、ファイバスタブの材質、全長、径は同様のものとした。
【0042】
そして、各試料を上述の手順で作製し、本発明の光アイソレータ付き光レセプタクル試料と従来の光アイソレータ付き光レセプタクルの試料の作製にかかる1個当たりの延べ時間の平均を比較した。
【0043】
また、得られた各試料のうち20個を光モジュールとして組み立てた後、光出力の平均値を算出した。
【0044】
さらに、各試料をホルダに固定した後、ファイバスタブに荷重を加えファイバスタブが動き始める強度、すなわちホルダとファイバスタブの保持強度の平均値を算出した。
【0045】
その結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
本発明のファイバスタブは、ダイシング加工によって2個のファイバスタブを同時に切断して斜め研磨できることから、ファイバスタブの製作工数が17%短縮でき、マグネットをファイバスタブ段形状部に圧入固定することができることから、光レセプタクルを組み立てる工数が11%短縮することが可能になった。
【0048】
さらに、ファイバスタブを圧入した際に小径部の外周面が平坦な面であるため、ホルダにファイバスタブを平行に圧入することができ、高精度となり光モジュールの光出力が8%向上し、ホルダとファイバスタブの保持強度が18%向上することが可能になった。
【0049】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、光ファイバ芯線をフェルールに接着固定したファイバスタブにおいて、外周面の少なくとも1ヶ所に凹部を有し、上記のファイバスタブに於いてダイシング加工で切断し斜め研磨面を形成し、上記光レセプタクルのファイバスタブ斜め研磨面に少なくとも1枚の偏光子と少なくとも1枚のファラデー回転子を一体化した光アイソレータ素子を備えマグネットをファイバスタブ段形状部に固定したことによって、組立工数を削減して製作工数を大幅に短縮する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明のファイバスタブの一実施形態を示す断面図であり、
(b)は本発明の光アイソレータ付きの光レセプタクルの一実施形態を示す断面図である。
【図2】(a)、(b)は本発明のファイバスタブの製造方法を説明するための断面図である。
【図3】本発明の光レセプタクルの製造方法を説明するための断面図である。
【図4】本発明の光モジュールの一実施形態を示す断面図である。
【図5】(a)は従来の光レセプタクルを示す断面図であり、(b)は従来の光レセプタクルの製造方法を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1a,1b:偏光子
2:ファラデー回転子
3:フェルール
4:光ファイバ
5:スリーブ
6:マグネット
7:ホルダ
8:圧入治具
9:ファイバスタブ
9a:後端面
9b:先端面
10:光アイソレータ素子
11:ブランクフェルール
12:レーザダイオード(LD)
13:レンズ
14:ケース
【発明の属する技術分野】
本発明は光通信に用いる光アイソレータ付きファイバスタブ及びそれを用いた光レセプタクル及びアイソレータ付き光レセプタクルに関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信においてレーザー光源と光コネクタとの光接合部品として図5(a)に示すような光アイソレータ付きの光レセプタクルが用いられている。
【0003】
この光レセプタクルは、フェルール23の貫通孔に光ファイバ24を接着固定してなるファイバスタブ29の先端部(図面右側)をスリーブ25に圧入固定され、後端部(図面左側)をホルダ27に圧入し、ファイバスタブ29の後端面の斜め研磨面には光アイソレータ素子30を張り合わせ、その外周にマグネット26を上記光アイソレータ素子30を覆うように接着固定してなる。
【0004】
この光アイソレータ付きの光レセプタクルをコネクタ型の光モジュールとして用いるには、光レセプタクルの後端側に光素子を収容したケースを取り付けることによって得ることができる。
【0005】
上記ファイバスタブ29の先端面29b(図面右側)には光コネクタが接続されるため、PC研磨によって光コネクタとの最適な光結合を得るために光学研磨が施され、その後端面29aには光素子からのレーザー光等の反射戻り光を抑制するために傾斜面となっており、PC研磨面同様光学研磨が施されており、この傾斜面にレーザー光源への反射戻り光の防止及び光ファイバアンプ内で光の共振発生を防止するためには光アイソレータ付きの光レセプタクルが用いられる。
【0006】
従来より、上記光レセプタクルを組み立てる際は、図5(b)に示すようにファイバスタブ29をホルダ27に圧入する際、ファイバスタブ29の後端面29aを圧入治具28で押圧して挿入していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図5(a)に示すような従来の光レセプタクルは、図5(b)に示すようにファイバスタブ29の後端面29bを押圧して圧入するため、圧入されるファイバスタブ29が斜めになる方向へ作用し斜めに圧入されやすく、この光レセプタクルを光モジュールに用いた際、ファイバスタブ29とホルダ27との嵌合が悪くなりファイバスタブ29の保持強度が低下したり、またファイバスタブ29の後端面29aと光素子との光軸が斜め圧入された角度分、光軸ズレが生じ光学特性が悪化するという問題を有していた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を鑑みて本発明のファイバスタブは、フェルールの貫通孔に光ファイバを保持してなるファイバスタブであって、一端部に他より外径の小さい小径部を設けたことを特徴とするファイバスタブ。
【0009】
また、本発明のファイバスタブは、上記小径部は、ファイバスタブの後端面から0.1mm以上ファイバスタブの全長の1/2以下の範囲に設けられ、且つファイバスタブの外径に対し10〜95%の外径を有することを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明のファイバスタブの製造方法は、上記ファイバスタブの製造方法であって、ファイバスタブの2倍の長さを有するブランクフェルールの貫通孔に光ファイバを挿通保持し、その中央部に上記小径部を研削加工によって形成した後、ダイシング加工によって小径部の中央で切断することを特徴とする。
【0011】
さらにまた、本発明の光レセプタクルは、上記ファイバスタブの小径部を有する反対側の先端部をスリーブに挿入するとともに、上記小径部を有する後端部をホルダによって保持してなることを特徴とする。
【0012】
またさらに、本発明の光レセプタクルは、上記ファイバスタブの後端部の端面を傾斜面とするとともに、該傾斜面に光アイソレータ素子を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の光レセプタクルの製造方法は、上記光レセプタクルの製造方法であって、上記ファイバスタブの小径部の外周面を治具を用いて押圧し、その先端部を上記ホルダ内に圧入することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の光モジュールは、光レセプタクルの後端側に光素子を収容したケースを取り付けたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
【0016】
図1(a)は、本発明のファイバスタブの一実施形態を示す断面図であり、フェルール3の貫通孔に光ファイバ4を接着剤によって保持されてなる。
【0017】
上記ファイバスタブ9を光アイソレータ付きの光レセプタクルとして用いるには、図1(b)に示すように上記ファイバスタブ9の先端部をスリーブ5に圧入固定し、後端部をホルダ7に圧入した後、ファイバスタブ9の後端面9a、すなわち小径部9Cの端面に偏光子1a、1bに把持されたファラデー回転子2からなる光アイソレータ素子10を張り合わせ、小径部9Cの外周にマグネット6を上記光アイソレータ素子10を覆うように圧入固定してなる。
【0018】
上記ファイバスタブ9は、その後端部に他より径の小さい小径部9Cが設けられていることが重要である。
【0019】
これは、詳細を後述するように上記ファイバスタブ9を用いて光レセプタクルを作製する際、ファイバスタブ9の小径部9Cの外周に形成されたマグネット6に圧入固定して形成できるため、従来のようにファイバスタブ9の後端面9aに接着固定する必要が無く、組立工数を簡略化する事ができる。また、強度を確保するために圧入と接着の併用も可能でその際、小径部9Cの外周とマグネット6との位置決めを容易にすることが可能である。さらに、スリーブ5に挿入する際、小径部9Cの外周を圧入治具を用いて押圧することにより、位置精度良く圧入することができ、接続損失を低減させることができる。
【0020】
また、上記ファイバスタブ9の小径部9Cは、ファイバスタブ9の後端面9aから0.1mm以上ファイバスタブ9の全長の1/2以下の範囲に設けられることが好ましい。小径部9Cを光ファイバ4の後端面から0.1mm以上設けることでマグネット6との位置決めが可能となり、またマグネット6とファイバスタブ9およびホルダ7との嵌合部とのバランスを考慮して、強固に保持するためには小径部9Cはファイバスタブ9の後端面9aからファイバスタブ9の全長の1/2以下の範囲とすることが望ましい。
【0021】
さらに、上記小径部9Cの径はファイバスタブ9の外径に対して10〜95%の大きさ径を有することが好ましく、光レセプタクルを形成する際に小径部9Cをマグネット6に圧入する場合の強度を保持し、ファイバスタブ9の後端面9aを高精度に研磨することができる。10%未満となると、小径部9Cの強度が低下してマグネット6に圧入する際に欠け等が生じやすく、また、95%を越えると、ファイバスタブ9の後端面9aをダイシング加工する際、フェルール3と、光ファイバ4の異なる材質からなる後端面9aを加工する際、表面が高精度に研摩することができず、傾斜面があれたものとなり易い。
【0022】
ここで、上記ファイバスタブ9の製造方法について図2に基いて説明する。
【0023】
先ず、できあがるファイバスタブ9の2倍の長さを有するブランクフェルール11を準備し、その貫通孔に光ファイバ4を接着剤によって挿通保持し、両端面にPC研磨を施す。
【0024】
次いで、図2(a)に示すようにその中央部に上記小径部9Cとを形成するためダイヤモンド砥石によって研削加工を施す。なお、小径部9Cは、ブランクフェルール11の状態で加工されていても同様に得ることができる。
【0025】
しかる後、図2(b)に示すようにダイシング加工によって小径部9Cの中央で切断して2個のファイバスタブ9を得ることができる。
【0026】
上述の製造方法によれば、ダイシング加工によって切断するため、ファイバスタブ9の後端面となる傾斜面を容易に2本同時に得ることができ、また1つのダイシング工程でファイバスタブ2個分の斜め研磨面を得られることから製作工数大幅に簡略することができる。
【0027】
また、予め、小径部9Cを形成してからダイシング加工によって切断するため、切断面積が少なくなり、ファイバスタブ9の切断面が良好な状態となり光モジュールとして用いた際に高精度な研磨面を得ることができる。さらに、ダイシング加工にて研磨面が得られることから切断せずにスリットの状態とし光学素子を入れる等の他の応用も可能である。
【0028】
また、上述の方法で得られたファイバスタブ9を用いて光レセプタクルを得る方法は、図3に示すように、上記ファイバスタブ9の小径部9Cの外周面を圧入治具8を用いて押圧することによってファイバスタブ9の先端部をホルダ7内に圧入する。
【0029】
この方法によってファイバスタブ9を圧入した場合、小径部9Cの外周面が平坦な面であるため、ホルダ7内にファイバスタブ9を平行に圧入することができ、位置精度が高く、光モジュールとして用いた際に接続損失を低減させることができる。
【0030】
なお、上記ホルダ7は、LD光モジュールとのYAG溶接接合可能な金属が望ましい。スリーブ5は円筒スリーブや割スリーブ、複数点支持スリーブが使用可能で、材質はジルコニアやアルミナセラミックスの他鈴青銅などの金属も使用可能である。
【0031】
上述の光レセプタクルを用いて光モジュールを構成するには、図4に示すように、ファイバスタブ9の後端面9aにレーザダイオード(LD)12から発光される信号光を伝送できるようになっている。先端面9bには光コネクタが嵌合され、光コネクタとの低接続損失を維持するためにファイバスタブ9の先端面9bにはPC研磨や、加工変質層を除去したPC研磨、端面の近端反射を防ぐために斜め研磨、斜めPC研磨が施されている。
【0032】
また、光レセプタクルに嵌合される光コネクタにはFCコネクタ、SCコネクタ、MUコネクタ、LCコネクタ等が用いられる。また、コネクタ接続面側にコネクタを有した光ファイバ心線を取り付けた構造であっても実施可能である。
【0033】
なお、上述の実施形態では、図1(b)に示すような光アイソレータ付きの光レセプタクルを用いて説明したが、光アイソレータを備えない光レセプタクルにも好適に用いられ、ファイバスタブ9の小径部9Cの外周を押圧することによって、その先端部をスリーブ5の孔に平行に位置精度良く圧入することができ、接続損失を低減させることができる。
【0034】
【実施例】
ここで、本発明におけるファイバスタブを用いた光レセプタクルの試料を作製した。
【0035】
先ず、図2、3に示すようにファイバスタブの全長の2倍の長さを有するブランクフェルールを作製し、この中心の外周に旋盤を用いて砥石にて小径部となる溝加工を施し、溝付きブランクフェルールを作製した。
【0036】
次に、上記溝付きブランクフェルールの貫通孔に光ファイバを挿入して接着剤で固定し、両端面をPC研磨してファイバスタブ試料を作製した。
【0037】
次に上記溝付きファイバスタブをダイシング機にて、溝付きファイバスタブ中央を8度の角度で切断して、1つの工程でファイバスタブ試料を2個同時に製作した。
【0038】
得られたファイバスタブ試料を用いて図1に示すような光レセプタクルを作製するため、スリーブを圧入固定したホルダに、ファイバスタブの小径部の外周を圧入治具を用いて圧入した。
【0039】
その後、光アイソレータ素子をファイバスタブの後端面に固定した後、ファイバスタブの小径部をマグネットに圧入固定して、光アイソレータ付きの光レセプタクルを製作した。
【0040】
また、比較例として図5(b)に示す方法で同様に圧入治具を用いてファイバスタブの後端面を押圧して圧入した。
【0041】
なお、ファイバスタブの材質、全長、径は同様のものとした。
【0042】
そして、各試料を上述の手順で作製し、本発明の光アイソレータ付き光レセプタクル試料と従来の光アイソレータ付き光レセプタクルの試料の作製にかかる1個当たりの延べ時間の平均を比較した。
【0043】
また、得られた各試料のうち20個を光モジュールとして組み立てた後、光出力の平均値を算出した。
【0044】
さらに、各試料をホルダに固定した後、ファイバスタブに荷重を加えファイバスタブが動き始める強度、すなわちホルダとファイバスタブの保持強度の平均値を算出した。
【0045】
その結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
本発明のファイバスタブは、ダイシング加工によって2個のファイバスタブを同時に切断して斜め研磨できることから、ファイバスタブの製作工数が17%短縮でき、マグネットをファイバスタブ段形状部に圧入固定することができることから、光レセプタクルを組み立てる工数が11%短縮することが可能になった。
【0048】
さらに、ファイバスタブを圧入した際に小径部の外周面が平坦な面であるため、ホルダにファイバスタブを平行に圧入することができ、高精度となり光モジュールの光出力が8%向上し、ホルダとファイバスタブの保持強度が18%向上することが可能になった。
【0049】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、光ファイバ芯線をフェルールに接着固定したファイバスタブにおいて、外周面の少なくとも1ヶ所に凹部を有し、上記のファイバスタブに於いてダイシング加工で切断し斜め研磨面を形成し、上記光レセプタクルのファイバスタブ斜め研磨面に少なくとも1枚の偏光子と少なくとも1枚のファラデー回転子を一体化した光アイソレータ素子を備えマグネットをファイバスタブ段形状部に固定したことによって、組立工数を削減して製作工数を大幅に短縮する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明のファイバスタブの一実施形態を示す断面図であり、
(b)は本発明の光アイソレータ付きの光レセプタクルの一実施形態を示す断面図である。
【図2】(a)、(b)は本発明のファイバスタブの製造方法を説明するための断面図である。
【図3】本発明の光レセプタクルの製造方法を説明するための断面図である。
【図4】本発明の光モジュールの一実施形態を示す断面図である。
【図5】(a)は従来の光レセプタクルを示す断面図であり、(b)は従来の光レセプタクルの製造方法を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1a,1b:偏光子
2:ファラデー回転子
3:フェルール
4:光ファイバ
5:スリーブ
6:マグネット
7:ホルダ
8:圧入治具
9:ファイバスタブ
9a:後端面
9b:先端面
10:光アイソレータ素子
11:ブランクフェルール
12:レーザダイオード(LD)
13:レンズ
14:ケース
Claims (7)
- フェルールの貫通孔に光ファイバを保持してなるファイバスタブであって、一端部に他より外径の小さい小径部を設けたことを特徴とするファイバスタブ。
- 上記小径部は、ファイバスタブの後端面から0.1mm以上ファイバスタブの全長の1/2以下の範囲に設けられ、且つファイバスタブの外径に対し10〜95%の外径を有することを特徴とする請求項1に記載のファイバスタブ。
- 請求項1または2に記載のファイバスタブの製造方法であって、ファイバスタブの2倍の長さを有するブランクフェルールの貫通孔に光ファイバを挿通保持し、その中央部に上記小径部を研削加工によって形成した後、ダイシング加工によって小径部の中央で切断することを特徴とするファイバスタブの製造方法。
- 請求項1または2に記載のファイバスタブの小径部を有する反対側の先端部をスリーブに挿入するとともに、上記小径部を有する後端部をホルダによって保持してなることを特徴とする光レセプタクル。
- 上記ファイバスタブの後端部の端面を傾斜面とするとともに、該傾斜面に光アイソレータ素子を備えたことを特徴とする請求項4に記載の光レセプタクル。
- 請求項4または5に記載の光レセプタクルの製造方法であって、上記ファイバスタブの小径部の外周面を治具を用いて押圧し、その先端部を上記ホルダ内に圧入することを特徴とする光レセプタクルの製造方法。
- 請求項4または5に記載の光レセプタクルの後端側に光素子を収容したケースを取り付けたことを特徴とする光モジュール。
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2002
- 2002-08-29 JP JP2002251963A patent/JP2004093695A/ja active Pending
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