JP2004093533A - 多目標追尾装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】観測点を類別して代表点を選出しその代表点を元に仮説の生成を行うことにより、計算負荷の増大を抑えることができる多目標追尾装置を提供する。
【解決手段】クラスタ内に含まれる観測点のデータを持つクラスタ別観測点群を格納した第1のデータベース(21)と、クラスタ内に含まれる目標データとその目標データを要素とした仮説のデータを持つクラスタ別仮説と目標データ群を格納した第2のデータベース(22)と、第1と第2のデータベースに格納されたデータに基づいてクラスタ内の観測点を目標の予測範囲を元に類別して代表点を選出し個別仮説毎に各クラスタの次の仮説生成を行う個別仮説生成手段28と、個別仮説生成手段からの結果に基づいて信頼性の高い仮説を採択する仮説採択手段27とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】クラスタ内に含まれる観測点のデータを持つクラスタ別観測点群を格納した第1のデータベース(21)と、クラスタ内に含まれる目標データとその目標データを要素とした仮説のデータを持つクラスタ別仮説と目標データ群を格納した第2のデータベース(22)と、第1と第2のデータベースに格納されたデータに基づいてクラスタ内の観測点を目標の予測範囲を元に類別して代表点を選出し個別仮説毎に各クラスタの次の仮説生成を行う個別仮説生成手段28と、個別仮説生成手段からの結果に基づいて信頼性の高い仮説を採択する仮説採択手段27とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、観測点に対し仮説毎に新しい仮説を生成し観測前の仮説を更新する多目標追尾装置に関するもので、特に、計算負荷を軽減する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の目標追尾装置として、例えば特開2001−166048号公報に示すものがある。上記公報記載の目標追尾装置は、複数の仮説を保持・更新することで多数目標の追尾を行う装置であり、新たに観測された点に対し、保持する仮説毎に新しい仮説を生成し、観測前の仮説を更新するようになされている。図5は、従来の目標追尾装置の全体構成を示すブロック図である。図5において、1は目標観測装置、2は目標追尾装置を示し、この目標追尾装置2は、目標観測装置1から観測点の情報である観測ベクトルを受けとり、内部で管理する目標の情報を元に追尾処理を行い、結果を目標表示装置3に送る。
【0003】
目標観測装置1から入力された観測ベクトルは、目標物の情報を元に観測が予測される範囲を算出するゲート算出部4によって算出されたゲートに基づいて観測ベクトル選択部5により篩い(ふるい)がかけられる。クラスタ新設・統合部7は、観測ベクトル選択部5により選択された結果を受けとり、システム内クラスタ表6やクラスタ内仮説状況データ群11からも必要な情報を取りだし、互いに相関を持つ観測ベクトルをクラスタという塊にして、クラスタ内観測ベクトル表8にクラスタ毎に格納する。これと同時に、クラスタ新設・統合部7は、システム内クラスタ表6やクラスタ内仮説状況データ群11にあるクラスタに関する情報を更新する。
【0004】
1つのクラスタには複数の仮説が存在するため、個別仮説更新部9a〜9mは、クラスタ毎に、クラスタ内観測ベクトル表8から観測ベクトルを、クラスタ内仮説状況データ群11から仮説1つ分の観測ベクトル以外の情報を取りだし、各仮説の更新を個別に行う。
【0005】
仮説採択部10は、個別仮説更新部9a〜9mが各仮説を個別に更新した結果を受け取り、各更新仮説間で比較し、その中で良い仮説を採択する。クラスタ内仮説状況データ群11は、仮説採択部10が採択した結果を元に内部情報を更新する。仮説蓄積状況判定部15は、この仮説採択部10の採択を制御する。航跡決定部16は、クラスタ内仮説状況データ群11の更新結果に従って目標の航跡を決定し、これを目標表示装置3に出力する。
【0006】
ここで、従来例の個別仮説更新部9a〜9mが行う仮説の更新とは、対象とする元の仮説と観測ベクトルの情報から新しい仮説を評価値が良い順に生成することを指すが、その方法に関する記載はない。仮に、観測ベクトルiが目標jである確率をr(i、j)と表現し、全ての観測ベクトル(総数M個)と目標(総数N個)との確率を、下記に示す行列Aの形で表現し、
【0007】
【数1】
【0008】
M≦Nで、かつ、全ての観測ベクトルは目標のいずれかが観測されたものであるとする。すると、最良の仮説生成とは、この行列Aの同列から2つ以上選択せずに、各行1要素を選択し、選択した要素の確率全ての積が最大となる組合せを求めるという、割り当て問題として考えることが出来る。
【0009】
このような問題では、例えば、簡単な方法として、最良解を求めるBurgeios, F., and Lassalle, J. C. ”An extension of munkres algorithm for the assignment problem to rectangular matrices,” Comm. of the ACM, 14:802, 1971及び割り当て問題を最良解を除く部分問題に分割するMurty, K. G. ”An Algorithmfor Ranking All Assignments in Order of Increasing Cost.” Operations Research, 16: 682−686, 1968.を組み合わせることで、より可能性の高い仮説を順に生成することができる。
【0010】
観測点が目標のいずれかが観測されたものものではなく、新しい目標や、新しい目標でもない不要な信号である場合も、同様の行列を作成すれば、割り当て問題として新しい仮説を良い順に生成することはできる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の目標追尾装置では、目標の数や観測点の数の増大に応じて、個別仮説更新部9a〜9mにおける計算負荷も増大するという問題点があった。
【0012】
この発明は上述した点に鑑みてなされたもので、観測点を類別して代表点を選出し、その代表点を元に仮説の生成を行うことにより、計算負荷の増大を抑えることができる多目標追尾装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る多目標追尾装置は、観測点に対し仮説毎に新しい仮説を生成し観測前の仮説を更新する多目標追尾装置において、クラスタ内に含まれる観測点のデータを持つクラスタ別観測点群を格納した第1のデータベースと、クラスタ内に含まれる目標データとその目標データを要素とした仮説のデータを持つクラスタ別仮説と目標データ群を格納した第2のデータベースと、前記第1と第2のデータベースに格納されたデータに基づいてクラスタ内の観測点を目標の予測範囲を元に類別して代表点を選出し個別仮説毎に各クラスタの次の仮説生成を行う個別仮説生成手段と、前記個別仮説生成手段からの結果に基づいて信頼性の高い仮説を採択する仮説採択手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0014】
また、前記個別仮説生成手段は、前記第1と第2のデータベースに格納されたデータに基づいて目標毎に観測が予測される予測範囲を算出し各観測点が算出された予測範囲内にあるか否かを判定し相関度を算出する判定手段と、前記判定手段による判定結果に基づいて複数の観測点の中から代表点を選出する代表点選出フィルタと、前記代表点選出フィルタにより選出された代表点となる観測点と目標との組合せ問題を優良な組み合わせ順に算出する優良順組合せ算出手段と、前記優良順組合せ算出手段により算出された観測点と目標との組み合わせから新規仮説を生成する新規仮説生成手段とを備えて成り、前記採択手段は、前記新規仮説生成手段により個別仮説毎に生成された新規仮説を統合し最終的に採用する仮説を採択することを特徴とするものである。
【0015】
また、前記代表点選出フィルタは、前記判定手段による判定結果に基づいて単一目標の予測範囲にのみ含まれる複数の観測点の中から代表点を選出することを特徴とするものである。
【0016】
また、前記代表点選出フィルタは、複数の観測点の中から対応する目標との相関度が最大となる観測点を選択することを特徴とするものである。
【0017】
また、前記代表点選出フィルタは、複数の観測点の中から観測点毎に対応する目標との相関度の差が最大となる観測点を選択することを特徴とするものである。
【0018】
また、前記代表点選出フィルタは、複数の観測点を統合し、統合した観測点を代表観測点として選択することを特徴とするものである。
【0019】
また、前記代表点選出フィルタは、代表観測点を選出した後、前記優良順組合せ算出器からの次候補請求に基づいて選出した代表観測点の入れ換えを行うことを特徴とするものである。
【0020】
また、前記代表点選出フィルタは、複数の目標の予測範囲が重複する位置にある観測点が重複している目標の数よりも多い時、その中から重複している目標数と同じ数の観測点を代表観測点として選択することを特徴とするものである。
【0021】
さらに、前記代表点選出フィルタは、複数の目標の予測範囲が重複する位置にある観測点が重複している目標の数よりも多い時、その中の観測点を重複している目標数と同じ数の観測点に統合して代表観測点として選択することを特徴とするものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明に係る多目標追尾装置の特徴となる個別仮説生成部の構成を示したブロック図である。図1において、21はクラスタ内に含まれる観測ベクトルのデータを持つクラスタ別観測ベクトル群、22はクラスタ内に含まれる目標データとその目標データを要素として持つ仮説のデータを持つクラスタ別仮説&目標データ群であり、これらクラスタ別観測ベクトル群21とクラスタ別仮説&目標データ群22はデータベースに格納され、図5に示す従来例のクラスタ内仮説状況データ群11を格納したデータベース内に備えられる。
【0023】
28は個別仮説毎に各クラスタの次の仮説生成を行う個別仮説生成部であり、この個別仮説生成部28は、図5に示す従来例の個別仮説更新部9a〜9mに相当する部分であり、この発明の多目標追尾装置の全体構成は、従来例の個別仮説更新部9a〜9mを個別仮説生成部28に入れ換えたものに等しい。
【0024】
ここで、個別仮説生成部28は、各目標毎に観測が予測される範囲であるゲートを算出し、各観測ベクトルがそのゲートの範囲内にあるかどうかを判定するゲート内判定器23、観測ベクトルの類別を行い、代表を選出する代表ベクトル選出フィルタ24、観測ベクトルと目標との組合せ問題を、優良な組合せ順に算出する優良順組合せ算出器25、観測ベクトルと目標との組合せから仮説を生成する新規仮説生成器26を備えており、この個別仮説生成部28により個別仮説毎に生成された仮説は、本発明の仮説採択器27により統合され、最終的に採用する仮説が採択される。
【0025】
次に、図1に示す構成における動作を説明する。クラスタ別観測ベクトル群21とクラスタ別仮説&目標データ群22は、従来例と同様に、センサによって検出された観測点が得られる毎に内容が更新される。ここで言うクラスタとは、仮説を生成する際に影響を及ぼし合う観測ベクトルと目標をまとめたものである。逆に言えば、仮説を生成する上では、他のクラスタの状態を気にする必要はない。
【0026】
クラスタ別観測ベクトル群21とクラスタ別仮説&目標データ群22の内容が更新された際、従来例と同様に、個別仮説生成部28は、この2つからデータを受けとり、個々の仮説毎に次の仮説生成を行い、その結果を仮説採択器27に送る。この時、クラスタ別仮説&目標データ群22が保持する元となった仮説を親仮説、個別仮説生成部28で新たに生成した仮説を子仮説と呼ぶ。
【0027】
仮説採択器27は、従来例と同様に、個別仮説生成部28が親仮説毎に生成する子仮説を受けとり、全ての親仮説に対する子仮説を収集した後、その中から信頼性の高い仮説を採択する。
【0028】
以上のように、個別仮説生成部28の内部動作を省略したおおまかな動作としては、従来例の装置動作と同じになる。
【0029】
図2は、個別仮説生成部28の内部で扱う観測ベクトルと目標の関係を示したものである。図2において、31は、クラスタ内の第1の目標の観測が予測される範囲を示すゲート、32は、クラスタ内の第2の目標の観測が予測される範囲を示すゲート、33〜38は、ゲート31、32に対するクラスタ内の観測ベクトルの位置であり、39は、ゲート内判定器23が扱うゲートと観測ベクトルの状態を示した代表ベクトル選出前の対象問題である。また、40は、代表ベクトル選出フィルタ24によってフィルタリングされた結果を示した代表ベクトル選出後の対象問題である。
【0030】
次に、図2を用いて個別仮説生成部28の内部動作を説明する。
(1)ゲート内判定器23は、まず、クラスタ別観測ベクトル群21から1クラスタ分の観測ベクトルを取り込む。次に、クラスタ別仮説&目標データ群22から、同一クラスタで、1つの親仮説を構成する目標データを取り込む。以下の説明のため、この時取り込んだ観測ベクトルと目標データの数を、6個と2個であるとする。
【0031】
(2)ゲート内判定器23は、取り込んだ2個の目標データから、センサが観測を行う時刻において、それぞれが観測されるであろう予測範囲を示すゲート31、32を作成し、観測ベクトル33〜38のそれぞれに対し、ゲートの内外判定し、相関度を算出する。相関度は、目標データと観測ベクトルの全ての組合せに対して算出されるもので、相関度が大きい観測ベクトルほど、それが目標を検出したものである可能性が高い。
【0032】
(3)代表ベクトル選出フィルタ24は、観測ベクトル33〜38をゲート31、32のどの範囲内に入っているかによって分類し、ゲート内判定器23が算出した相関度に基づき代表点を選出する。つまり、観測ベクトル33〜38を次の3つに分類する。
(a)ゲート31の範囲のみに存在する観測ベクトル33〜35
(b)ゲート31、32の両方の範囲に存在する観測ベクトル36、37
(c)ゲート32の範囲のみに存在する観測ベクトル38
【0033】
次に、単一のゲートにしか存在しない観測ベクトルの中でそのゲートの目標に最も相関度が高い観測ベクトルを代表として選出する。単一ゲートにしか存在しない観測ベクトルが複数ある(a)に分類された観測ベクトルの中から代表として、観測ベクトル35を選出する。
【0034】
(4)優良順組合せ算出器25は、代表ベクトル選出後の対象問題40を元に組合せ問題を解き、最良の組合せ結果を新規仮説生成器26に送る。この時、代表ベクトル選出フィルタ24において代表から洩れた観測ベクトルはどの目標にも対応しない不要信号とみなす。
【0035】
(5)優良順組合せ算出器25は、最良の組合せ結果を算出した後も、「算出した組合せを除いた中で最良の組合せを求める」というという動作を繰り返す。この繰り返しによって、優良順に組合せが算出される。
【0036】
(6)新規仮説生成器26は、優良順組合せ算出器25からの算出結果とクラスタ別仮説&目標データ群22のデータを合わせて、新しい仮説としてこれを出力する。
【0037】
(7)仮説採択部10は、新規仮説生成器26から、クラスタ別、親仮説別の子仮説を受けとり、その中から更に優良なものを採択する。
以上が、個別仮説生成部28の内部動作である。
【0038】
なお、前述の(4)の優良順組合せ算出器25の説明では代表から洩れた観測ベクトルと不要信号とみなしていたが、新しい目標である可能性を考慮し、代表から洩れた観測ベクトルを1つの行列にまとめ、その中で組合せを算出し、代表ベクトルによって算出された組合せと組み合わせるということもできる。
【0039】
次に、図2で示した問題の変化について行列を例として説明する。代表ベクトル選出フィルタ24は、フィルタリングにより、図2の代表ベクトル選出前の対象問題39を代表ベクトル選出後の対象問題40に置き換える。これをゲートと観測点とを対応づけた行列である、代表ベクトル選出フィルタ前の行列と代表ベクトル選出フィルタ後の行列で示すと次の通りである。
【0040】
【数2】
【0041】
ここで、観測ベクトルは、既存も目標である可能性だけでなく、新規目標や不要信号である可能性を含むため、縦軸に図2に示す観測ベクトル33〜38、横軸に既存目標、新規目標、不要信号を並べた行列となっている。この行列において、rで示しているのがそれぞれの対応における相関度であり、r*,31はG31(ゲート31)を作る目標との相関度、r*,32はG32(ゲート32)を作る目標との相関度、r*,Nは観測ベクトルが新規目標である可能性(相関度)、r*,Cは観測ベクトルが不要信号である可能性(相関度)を示している。
【0042】
優良順組合せ算出器25は、この行列から「同列のものを選択せずに、各行毎に1つの値を選択し、選択した値を全て掛け合わせた値が最大となる組合せ」を求めることになる。そして、この行列は、代表ベクトル選出フィルタ24を経由することで、行列の要素数が減っており、これにより計算負荷を低減できる。
【0043】
一方、代表から洩れた観測ベクトルは、目標との組合せを求める必要はなく、不要信号と決めてしまったり、別途、新規目標か不要信号であるとする組合せを算出し、代表分と統合する。なお、これらの行列では、同列の要素は選択しないとしているが、特別な列を設定し、「特定の列以外は、同列のものを選択せずに、各行毎に1つの値を選択し、選択した値を全て掛け合わせた値が最大となる組合せを求める」ことにすれば、新規目標や不要信号分として、それぞれ観測ベクトルの数だけ列を使用しているが、新規目標も不要信号もそれぞれ1列のみにすることもできる。
【0044】
つまり、目標の数をN、観測ベクトルの数をMとした時の行列の列数(横の数)を「N+2×M」から「N+2」に減らすことができる。
【0045】
実施の形態2.
上述した実施の形態1では、代表ベクトル選出フィルタ24において、単一目標のゲートにのみ含まれる複数の観測ベクトルの中から代表点を選出していたが、この選出方法を「複数の観測ベクトルの中から対応する目標との相関度が最大の観測ベクトルを選択」という形に設定することができる。これにより、代表点を簡単に選出することができる。
【0046】
実施の形態3.
上述した実施の形態2では、代表ベクトル選出フィルタ24において、単一目標のゲートにのみ含まれる観測ベクトルの選出基準を「複数の観測ベクトルの中から対応する目標との相関度が最大の観測ベクトルを選択」するとしていたが、この選出方法を「複数の観測ベクトルの中から観測ベクトル毎に対応する目標との相関度の差が最大となる観測ベクトルを選択」という形に設定することができる。すなわち、対応する目標との相関度から、それ以外(つまり、新規目標であるとする相関度と不要信号であるとする相関度の2つ)の中で最大の相関度を引いた減算結果が最大のものを選択するよう選択基準を変えることもできる。これにより、代表点を簡単に選出することができる。
【0047】
実施の形態4.
上述した実施の形態2では、相関度が最大のものを代表として選出していたが、複数の観測ベクトルを1つの観測ベクトルに統合し、これを代表とすることもできる。この統合方法は、荷重平均による重心でもなんでもよい。
【0048】
実施の形態5.
図3は、この発明の実施の形態5に係る多目標追尾装置の特徴となる個別仮説生成部の構成を示したブロック図である。図3に示すように、本実施の形態5では、図1に示す実施の形態1の構成に対し、代表点の次候補を請求すべく、優良順組合せ算出器25から代表ベクトル選出フィルタ24に次候補請求線29を加えるようにしている。
【0049】
実施の形態1〜4では、代表ベクトル選出フィルタ24は、単一目標のゲートにのみ含まれる観測ベクトルの中から代表点を選出するのみであり、選出後は、優良順組合せ算出器25が使用する観測ベクトルは代表点のみであった。これに対し、代表から洩れた観測ベクトルも利用しようというのが、本実施の形態5である。つまり、実施の形態1〜4の構成では、優良順組合せ算出器25は、最良解を選出した後、同じ行列を元に最良解を除いた中で最良の解を選択しようとしていたが、本実施の形態5では、次のように動作が変わる。
【0050】
(1)最良の組合せを算出した優良順組合せ算出器25は、次の優良解を算出する際に、代表ベクトルが相関を持つ目標に対応付けられているかを判定する。
(2)優良順組合せ算出器25は、代表ベクトルが相関を持つ目標に対応付けられていない場合、実施の形態1〜4と同様に、次の組合せを算出し、(1)の動作に戻る。
(3)代表ベクトルが相関を持つ目標に対応付けられている場合、優良順組合せ算出器25は、代表ベクトル選出フィルタ24に対し、次候補請求線29を介し、代表点の次候補を請求し、組合せ算出に用いる行列を受けとる。
(4)優良順組合せ算出器25は、最初に受けとった行列と、次候補請求によって新たに受けとった行列から次の組合せを算出し、(1)の動作に戻る。
【0051】
ここで、最良解を算出した後の優良順組合せ算出器25の動作について図2を参照して更に説明する。まず、優良順組合せ算出器25が算出した最良解において、観測ベクトル35が新航跡に対応付けられたとする。すると、最良解を除いた中で最良の組合せとは、問題を2つに分け、
(a1) 観測ベクトル35が新航跡ではない組合せの中で最良のもの
(b1) 観測ベクトル35が新航跡となる組合せで、最良解とは1つ以上一致しない所がある組合せの中で最良のもの
という2つの組合せをそれぞれ算出して比較し、良い方の組合せを選択することで求めることが出来る。
【0052】
そして、優良順組合せ算出器25が(a1)として、観測ベクトル35がゲート31の範囲で予測される目標に対応付けられてた組合せを算出し、これが(b1)として算出された組合せよりも良かった場合、実施の形態1〜3なら、
(a2) 観測ベクトル35が新航跡でも第1の目標でもない組合せの中で最良のもの
(b2) 観測ベクトル35が第1の目標となる組合せで、(a1)の解とは1つ以上一致しない所がある組合せの中で最良のもの
という2つの組合せを算出し、先に選択されなかった(b1)を含め、
(b1)(a2)(b2)の中で比較し、この中で1番良い組合せを選択することで、次に良い組合せを求めることができる。
【0053】
これに対し、本実施の形態5では、代表となっている観測ベクトル35が目標に対応づけられたことを受けて、新しい行列を作成している。従って、
(a2’) 新しく代表ベクトル選出フィルタ24から受けとった行列を元に算出した最良の組合せ
(b2) 観測ベクトル35が第1の目標となる組合せで、(a1)の解とは1つ以上一致しない所がある組合せの中で最良のもの
という2つの組合せを算出し、(b1)(a2’)(b2)の中で比較し、この中で1番良い組合せを選択することで、次に良い組合せを求めることができる。
【0054】
つまり、実施の形態1〜3の方法に対して、次候補要求によって受けとった行列の処理分、演算負荷が大きくなるわけではなく、演算負荷の変化は(a2)と(a2’)の演算負荷の差程度になる。ここで、次候補請求によって新たに受けとった行列は、次候補が観測ベクトル34である場合、次に示す次候補を用いた行列(1)となる。
【0055】
【数3】
【0056】
実施の形態6.
次に、上述した次候補を用いた行列(1)と下記に示す次候補を用いた行列(2)を用いて実施の形態6説明する。次候補を用いた行列(1)、(2)はいずれも、図3に示す優良順組合せ算出器25が組合せを算出する際に用いる行列である。
【0057】
【数4】
【0058】
上述した実施の形態5では、次候補請求によって代表ベクトルを入れ換えた候補行列を作成したが、実施の形態5の動作例で説明したように、次候補請求の際に目標との対応づけ以外の対応づけが済んでいる場合がある。つまり、実施の形態5の(a2’)において、優良順組合せ算出器25が扱うのは次候補を用いた行列(1)であった。実施の形態5の説明で述べたように、観測ベクトル35が第1の目標ではない組合せではなく、新航跡でも第1の目標でもない組合せを求める場合、次候補を用いた行列(1)の代表以外の組合せの元となる行列は、次候補を用いた行列(2)のように、観測ベクトル35が選択できる候補を減らしたものにすることができる(しいては計算量の削減が期待できる)。なお、次候補との入れ換えを行う場合には、優良順組合せ算出器25が算出する組合せは、本特許の特徴である代表選出を行わない場合の算出結果と一致させることができる。
【0059】
実施の形態7.
次に、図4を用いて実施の形態7を説明する。図4は、観測ベクトルとゲートの関係を示したものである。図4において、41は、クラスタ内の第1の目標の観測が予測される範囲を示すゲート、42は、クラスタ内の第2の目標の観測が予測される範囲を示すゲート、43〜51は、ゲート31、32に対するクラスタ内の観測ベクトルの位置、52は、ゲート内判定器23が扱うゲートと観測ベクトルの状態を示した代表ベクトル選出前の対象問題、53は、代表ベクトル選出フィルタによってフィルタリングされた結果を示した代表ベクトル選出後の対象問題である。
【0060】
実施の形態1〜6では、1つのゲートにしか含まれない観測ベクトル、言い換えれば、1つの目標にしか対応付けられない観測ベクトルしか代表の選出を行わなかった。しかし、2つ以上のゲートが重なった位置に存在する観測ベクトルについても、代表選出を適用することができる。図4の代表ベクトル選出前の対象問題52を例にすれば、
(a)ゲート41の範囲のみに存在する観測ベクトル43〜45
(b)ゲート41、42の2つの重複範囲に存在する観測ベクトル46〜49
(c)ゲート42の範囲のみに存在する観測ベクトル50、51
このうち、(a)(c)については、実施の形態6までの方法と同様に、代表ベクトルを選出することができる。次に(b)の観測ベクトルについては、N個のゲートの重なりに存在する観測ベクトルは、N個の観測ベクトルを代表として選出する。
【0061】
その結果、例えば、
(a)では、観測ベクトル45が代表として選出
(b)では、観測ベクトル47、48が代表として選出
(c)では、観測ベクトル50が代表として選出
という形で代表ベクトルが選出される。つまり、図4の代表ベクトル選出前の対象問題52は、代表ベクトル選出後の対象問題53にとして扱うことが出来るようになる。この時に扱う行列は、次のようになる。なお、本実施の形態の方式でも、実施の形態5、6と同様に、代表から洩れた観測ベクトルとの次候補入れ換えを行うことが出来る。
【0062】
【数5】
【0063】
実施の形態8.
上述した実施の形態7では、N個のゲートの重なりに存在する観測ベクトルから、N個の観測ベクトルを代表として選出するだけだったが、観測ベクトルの選択ではなく、観測ベクトルの個数自体をN個に統合し、これを代表として扱うこともできる。
【0064】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、観測点を類別して代表点を選出し、その代表点を元に仮説の生成を行うことにより、計算負荷の増大を抑えることができる。
【0065】
また、個別仮説生成手段として、第1と第2のデータベースに格納されたデータに基づいて目標毎に観測が予測される予測範囲を算出し各観測点が算出された予測範囲内にあるか否かを判定し相関度を算出する判定手段と、その判定結果に基づいて複数の観測点の中から代表点を選出する代表点選出フィルタと、選出された代表点となる観測点と目標との組合せ問題を優良な組み合わせ順に算出する優良順組合せ算出手段と、優良順組合せ算出手段により算出された観測点と目標との組み合わせから新規仮説を生成する新規仮説生成手段とを備え、採択手段により、個別仮説毎に生成された新規仮説を統合し最終的に採用する仮説を採択するようにしたので、計算負荷の増大を抑えることができる個別仮説生成手段を構成できる。
【0066】
また、代表点選出フィルタにより、判定手段による判定結果に基づいて単一目標の予測範囲にのみ含まれる複数の観測点の中から代表点を選出することで、代表点を簡単に選出することができる。
【0067】
また、代表点選出フィルタにより、複数の観測点の中から対応する目標との相関度が最大となる観測点を選択することで、代表点を簡単に選出することができる。
【0068】
また、代表点選出フィルタにより、複数の観測点の中から観測点毎に対応する目標との相関度の差が最大となる観測点を選択することで、代表点を簡単に選出することができる。
【0069】
また、代表点選出フィルタにより、複数の観測点を統合し、統合した観測点を代表観測点として選択することで、代表点を簡単に選出することができる。
【0070】
また、代表点選出フィルタにより、代表観測点を選出した後、前記優良順組合せ算出器からの次候補請求に基づいて選出した代表観測点の入れ換えを行うことができる。
【0071】
また、代表点選出フィルタにより、複数の目標の予測範囲が重複する位置にある観測点が重複している目標の数よりも多い時、その中から重複している目標数と同じ数の観測点を代表観測点として選択することができる。
【0072】
さらに、代表点選出フィルタにより、複数の目標の予測範囲が重複する位置にある観測点が重複している目標の数よりも多い時、その中の観測点を重複している目標数と同じ数の観測点に統合して代表観測点として選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る多目標追尾装置の特徴となる個別仮説生成部の構成を示したブロック図である。
【図2】観測ベクトルとゲートの関係を示した図である。
【図3】この発明の実施の形態5に係る多目標追尾装置の特徴となる個別仮説生成部の構成を示したブロック図である。
【図4】観測ベクトルとゲートの関係を示した図である。
【図5】従来の目標追尾装置の全体構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
21 クラスタ別観測ベクトル群、22 クラスタ別仮説&目標データ群、28 個別仮説生成部、23 ゲート内判定器、24 代表ベクトル選出フィルタ、25 優良順組合せ算出器、26 新規仮説生成器、27 仮説採択器。
【発明の属する技術分野】
この発明は、観測点に対し仮説毎に新しい仮説を生成し観測前の仮説を更新する多目標追尾装置に関するもので、特に、計算負荷を軽減する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の目標追尾装置として、例えば特開2001−166048号公報に示すものがある。上記公報記載の目標追尾装置は、複数の仮説を保持・更新することで多数目標の追尾を行う装置であり、新たに観測された点に対し、保持する仮説毎に新しい仮説を生成し、観測前の仮説を更新するようになされている。図5は、従来の目標追尾装置の全体構成を示すブロック図である。図5において、1は目標観測装置、2は目標追尾装置を示し、この目標追尾装置2は、目標観測装置1から観測点の情報である観測ベクトルを受けとり、内部で管理する目標の情報を元に追尾処理を行い、結果を目標表示装置3に送る。
【0003】
目標観測装置1から入力された観測ベクトルは、目標物の情報を元に観測が予測される範囲を算出するゲート算出部4によって算出されたゲートに基づいて観測ベクトル選択部5により篩い(ふるい)がかけられる。クラスタ新設・統合部7は、観測ベクトル選択部5により選択された結果を受けとり、システム内クラスタ表6やクラスタ内仮説状況データ群11からも必要な情報を取りだし、互いに相関を持つ観測ベクトルをクラスタという塊にして、クラスタ内観測ベクトル表8にクラスタ毎に格納する。これと同時に、クラスタ新設・統合部7は、システム内クラスタ表6やクラスタ内仮説状況データ群11にあるクラスタに関する情報を更新する。
【0004】
1つのクラスタには複数の仮説が存在するため、個別仮説更新部9a〜9mは、クラスタ毎に、クラスタ内観測ベクトル表8から観測ベクトルを、クラスタ内仮説状況データ群11から仮説1つ分の観測ベクトル以外の情報を取りだし、各仮説の更新を個別に行う。
【0005】
仮説採択部10は、個別仮説更新部9a〜9mが各仮説を個別に更新した結果を受け取り、各更新仮説間で比較し、その中で良い仮説を採択する。クラスタ内仮説状況データ群11は、仮説採択部10が採択した結果を元に内部情報を更新する。仮説蓄積状況判定部15は、この仮説採択部10の採択を制御する。航跡決定部16は、クラスタ内仮説状況データ群11の更新結果に従って目標の航跡を決定し、これを目標表示装置3に出力する。
【0006】
ここで、従来例の個別仮説更新部9a〜9mが行う仮説の更新とは、対象とする元の仮説と観測ベクトルの情報から新しい仮説を評価値が良い順に生成することを指すが、その方法に関する記載はない。仮に、観測ベクトルiが目標jである確率をr(i、j)と表現し、全ての観測ベクトル(総数M個)と目標(総数N個)との確率を、下記に示す行列Aの形で表現し、
【0007】
【数1】
【0008】
M≦Nで、かつ、全ての観測ベクトルは目標のいずれかが観測されたものであるとする。すると、最良の仮説生成とは、この行列Aの同列から2つ以上選択せずに、各行1要素を選択し、選択した要素の確率全ての積が最大となる組合せを求めるという、割り当て問題として考えることが出来る。
【0009】
このような問題では、例えば、簡単な方法として、最良解を求めるBurgeios, F., and Lassalle, J. C. ”An extension of munkres algorithm for the assignment problem to rectangular matrices,” Comm. of the ACM, 14:802, 1971及び割り当て問題を最良解を除く部分問題に分割するMurty, K. G. ”An Algorithmfor Ranking All Assignments in Order of Increasing Cost.” Operations Research, 16: 682−686, 1968.を組み合わせることで、より可能性の高い仮説を順に生成することができる。
【0010】
観測点が目標のいずれかが観測されたものものではなく、新しい目標や、新しい目標でもない不要な信号である場合も、同様の行列を作成すれば、割り当て問題として新しい仮説を良い順に生成することはできる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の目標追尾装置では、目標の数や観測点の数の増大に応じて、個別仮説更新部9a〜9mにおける計算負荷も増大するという問題点があった。
【0012】
この発明は上述した点に鑑みてなされたもので、観測点を類別して代表点を選出し、その代表点を元に仮説の生成を行うことにより、計算負荷の増大を抑えることができる多目標追尾装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る多目標追尾装置は、観測点に対し仮説毎に新しい仮説を生成し観測前の仮説を更新する多目標追尾装置において、クラスタ内に含まれる観測点のデータを持つクラスタ別観測点群を格納した第1のデータベースと、クラスタ内に含まれる目標データとその目標データを要素とした仮説のデータを持つクラスタ別仮説と目標データ群を格納した第2のデータベースと、前記第1と第2のデータベースに格納されたデータに基づいてクラスタ内の観測点を目標の予測範囲を元に類別して代表点を選出し個別仮説毎に各クラスタの次の仮説生成を行う個別仮説生成手段と、前記個別仮説生成手段からの結果に基づいて信頼性の高い仮説を採択する仮説採択手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0014】
また、前記個別仮説生成手段は、前記第1と第2のデータベースに格納されたデータに基づいて目標毎に観測が予測される予測範囲を算出し各観測点が算出された予測範囲内にあるか否かを判定し相関度を算出する判定手段と、前記判定手段による判定結果に基づいて複数の観測点の中から代表点を選出する代表点選出フィルタと、前記代表点選出フィルタにより選出された代表点となる観測点と目標との組合せ問題を優良な組み合わせ順に算出する優良順組合せ算出手段と、前記優良順組合せ算出手段により算出された観測点と目標との組み合わせから新規仮説を生成する新規仮説生成手段とを備えて成り、前記採択手段は、前記新規仮説生成手段により個別仮説毎に生成された新規仮説を統合し最終的に採用する仮説を採択することを特徴とするものである。
【0015】
また、前記代表点選出フィルタは、前記判定手段による判定結果に基づいて単一目標の予測範囲にのみ含まれる複数の観測点の中から代表点を選出することを特徴とするものである。
【0016】
また、前記代表点選出フィルタは、複数の観測点の中から対応する目標との相関度が最大となる観測点を選択することを特徴とするものである。
【0017】
また、前記代表点選出フィルタは、複数の観測点の中から観測点毎に対応する目標との相関度の差が最大となる観測点を選択することを特徴とするものである。
【0018】
また、前記代表点選出フィルタは、複数の観測点を統合し、統合した観測点を代表観測点として選択することを特徴とするものである。
【0019】
また、前記代表点選出フィルタは、代表観測点を選出した後、前記優良順組合せ算出器からの次候補請求に基づいて選出した代表観測点の入れ換えを行うことを特徴とするものである。
【0020】
また、前記代表点選出フィルタは、複数の目標の予測範囲が重複する位置にある観測点が重複している目標の数よりも多い時、その中から重複している目標数と同じ数の観測点を代表観測点として選択することを特徴とするものである。
【0021】
さらに、前記代表点選出フィルタは、複数の目標の予測範囲が重複する位置にある観測点が重複している目標の数よりも多い時、その中の観測点を重複している目標数と同じ数の観測点に統合して代表観測点として選択することを特徴とするものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明に係る多目標追尾装置の特徴となる個別仮説生成部の構成を示したブロック図である。図1において、21はクラスタ内に含まれる観測ベクトルのデータを持つクラスタ別観測ベクトル群、22はクラスタ内に含まれる目標データとその目標データを要素として持つ仮説のデータを持つクラスタ別仮説&目標データ群であり、これらクラスタ別観測ベクトル群21とクラスタ別仮説&目標データ群22はデータベースに格納され、図5に示す従来例のクラスタ内仮説状況データ群11を格納したデータベース内に備えられる。
【0023】
28は個別仮説毎に各クラスタの次の仮説生成を行う個別仮説生成部であり、この個別仮説生成部28は、図5に示す従来例の個別仮説更新部9a〜9mに相当する部分であり、この発明の多目標追尾装置の全体構成は、従来例の個別仮説更新部9a〜9mを個別仮説生成部28に入れ換えたものに等しい。
【0024】
ここで、個別仮説生成部28は、各目標毎に観測が予測される範囲であるゲートを算出し、各観測ベクトルがそのゲートの範囲内にあるかどうかを判定するゲート内判定器23、観測ベクトルの類別を行い、代表を選出する代表ベクトル選出フィルタ24、観測ベクトルと目標との組合せ問題を、優良な組合せ順に算出する優良順組合せ算出器25、観測ベクトルと目標との組合せから仮説を生成する新規仮説生成器26を備えており、この個別仮説生成部28により個別仮説毎に生成された仮説は、本発明の仮説採択器27により統合され、最終的に採用する仮説が採択される。
【0025】
次に、図1に示す構成における動作を説明する。クラスタ別観測ベクトル群21とクラスタ別仮説&目標データ群22は、従来例と同様に、センサによって検出された観測点が得られる毎に内容が更新される。ここで言うクラスタとは、仮説を生成する際に影響を及ぼし合う観測ベクトルと目標をまとめたものである。逆に言えば、仮説を生成する上では、他のクラスタの状態を気にする必要はない。
【0026】
クラスタ別観測ベクトル群21とクラスタ別仮説&目標データ群22の内容が更新された際、従来例と同様に、個別仮説生成部28は、この2つからデータを受けとり、個々の仮説毎に次の仮説生成を行い、その結果を仮説採択器27に送る。この時、クラスタ別仮説&目標データ群22が保持する元となった仮説を親仮説、個別仮説生成部28で新たに生成した仮説を子仮説と呼ぶ。
【0027】
仮説採択器27は、従来例と同様に、個別仮説生成部28が親仮説毎に生成する子仮説を受けとり、全ての親仮説に対する子仮説を収集した後、その中から信頼性の高い仮説を採択する。
【0028】
以上のように、個別仮説生成部28の内部動作を省略したおおまかな動作としては、従来例の装置動作と同じになる。
【0029】
図2は、個別仮説生成部28の内部で扱う観測ベクトルと目標の関係を示したものである。図2において、31は、クラスタ内の第1の目標の観測が予測される範囲を示すゲート、32は、クラスタ内の第2の目標の観測が予測される範囲を示すゲート、33〜38は、ゲート31、32に対するクラスタ内の観測ベクトルの位置であり、39は、ゲート内判定器23が扱うゲートと観測ベクトルの状態を示した代表ベクトル選出前の対象問題である。また、40は、代表ベクトル選出フィルタ24によってフィルタリングされた結果を示した代表ベクトル選出後の対象問題である。
【0030】
次に、図2を用いて個別仮説生成部28の内部動作を説明する。
(1)ゲート内判定器23は、まず、クラスタ別観測ベクトル群21から1クラスタ分の観測ベクトルを取り込む。次に、クラスタ別仮説&目標データ群22から、同一クラスタで、1つの親仮説を構成する目標データを取り込む。以下の説明のため、この時取り込んだ観測ベクトルと目標データの数を、6個と2個であるとする。
【0031】
(2)ゲート内判定器23は、取り込んだ2個の目標データから、センサが観測を行う時刻において、それぞれが観測されるであろう予測範囲を示すゲート31、32を作成し、観測ベクトル33〜38のそれぞれに対し、ゲートの内外判定し、相関度を算出する。相関度は、目標データと観測ベクトルの全ての組合せに対して算出されるもので、相関度が大きい観測ベクトルほど、それが目標を検出したものである可能性が高い。
【0032】
(3)代表ベクトル選出フィルタ24は、観測ベクトル33〜38をゲート31、32のどの範囲内に入っているかによって分類し、ゲート内判定器23が算出した相関度に基づき代表点を選出する。つまり、観測ベクトル33〜38を次の3つに分類する。
(a)ゲート31の範囲のみに存在する観測ベクトル33〜35
(b)ゲート31、32の両方の範囲に存在する観測ベクトル36、37
(c)ゲート32の範囲のみに存在する観測ベクトル38
【0033】
次に、単一のゲートにしか存在しない観測ベクトルの中でそのゲートの目標に最も相関度が高い観測ベクトルを代表として選出する。単一ゲートにしか存在しない観測ベクトルが複数ある(a)に分類された観測ベクトルの中から代表として、観測ベクトル35を選出する。
【0034】
(4)優良順組合せ算出器25は、代表ベクトル選出後の対象問題40を元に組合せ問題を解き、最良の組合せ結果を新規仮説生成器26に送る。この時、代表ベクトル選出フィルタ24において代表から洩れた観測ベクトルはどの目標にも対応しない不要信号とみなす。
【0035】
(5)優良順組合せ算出器25は、最良の組合せ結果を算出した後も、「算出した組合せを除いた中で最良の組合せを求める」というという動作を繰り返す。この繰り返しによって、優良順に組合せが算出される。
【0036】
(6)新規仮説生成器26は、優良順組合せ算出器25からの算出結果とクラスタ別仮説&目標データ群22のデータを合わせて、新しい仮説としてこれを出力する。
【0037】
(7)仮説採択部10は、新規仮説生成器26から、クラスタ別、親仮説別の子仮説を受けとり、その中から更に優良なものを採択する。
以上が、個別仮説生成部28の内部動作である。
【0038】
なお、前述の(4)の優良順組合せ算出器25の説明では代表から洩れた観測ベクトルと不要信号とみなしていたが、新しい目標である可能性を考慮し、代表から洩れた観測ベクトルを1つの行列にまとめ、その中で組合せを算出し、代表ベクトルによって算出された組合せと組み合わせるということもできる。
【0039】
次に、図2で示した問題の変化について行列を例として説明する。代表ベクトル選出フィルタ24は、フィルタリングにより、図2の代表ベクトル選出前の対象問題39を代表ベクトル選出後の対象問題40に置き換える。これをゲートと観測点とを対応づけた行列である、代表ベクトル選出フィルタ前の行列と代表ベクトル選出フィルタ後の行列で示すと次の通りである。
【0040】
【数2】
【0041】
ここで、観測ベクトルは、既存も目標である可能性だけでなく、新規目標や不要信号である可能性を含むため、縦軸に図2に示す観測ベクトル33〜38、横軸に既存目標、新規目標、不要信号を並べた行列となっている。この行列において、rで示しているのがそれぞれの対応における相関度であり、r*,31はG31(ゲート31)を作る目標との相関度、r*,32はG32(ゲート32)を作る目標との相関度、r*,Nは観測ベクトルが新規目標である可能性(相関度)、r*,Cは観測ベクトルが不要信号である可能性(相関度)を示している。
【0042】
優良順組合せ算出器25は、この行列から「同列のものを選択せずに、各行毎に1つの値を選択し、選択した値を全て掛け合わせた値が最大となる組合せ」を求めることになる。そして、この行列は、代表ベクトル選出フィルタ24を経由することで、行列の要素数が減っており、これにより計算負荷を低減できる。
【0043】
一方、代表から洩れた観測ベクトルは、目標との組合せを求める必要はなく、不要信号と決めてしまったり、別途、新規目標か不要信号であるとする組合せを算出し、代表分と統合する。なお、これらの行列では、同列の要素は選択しないとしているが、特別な列を設定し、「特定の列以外は、同列のものを選択せずに、各行毎に1つの値を選択し、選択した値を全て掛け合わせた値が最大となる組合せを求める」ことにすれば、新規目標や不要信号分として、それぞれ観測ベクトルの数だけ列を使用しているが、新規目標も不要信号もそれぞれ1列のみにすることもできる。
【0044】
つまり、目標の数をN、観測ベクトルの数をMとした時の行列の列数(横の数)を「N+2×M」から「N+2」に減らすことができる。
【0045】
実施の形態2.
上述した実施の形態1では、代表ベクトル選出フィルタ24において、単一目標のゲートにのみ含まれる複数の観測ベクトルの中から代表点を選出していたが、この選出方法を「複数の観測ベクトルの中から対応する目標との相関度が最大の観測ベクトルを選択」という形に設定することができる。これにより、代表点を簡単に選出することができる。
【0046】
実施の形態3.
上述した実施の形態2では、代表ベクトル選出フィルタ24において、単一目標のゲートにのみ含まれる観測ベクトルの選出基準を「複数の観測ベクトルの中から対応する目標との相関度が最大の観測ベクトルを選択」するとしていたが、この選出方法を「複数の観測ベクトルの中から観測ベクトル毎に対応する目標との相関度の差が最大となる観測ベクトルを選択」という形に設定することができる。すなわち、対応する目標との相関度から、それ以外(つまり、新規目標であるとする相関度と不要信号であるとする相関度の2つ)の中で最大の相関度を引いた減算結果が最大のものを選択するよう選択基準を変えることもできる。これにより、代表点を簡単に選出することができる。
【0047】
実施の形態4.
上述した実施の形態2では、相関度が最大のものを代表として選出していたが、複数の観測ベクトルを1つの観測ベクトルに統合し、これを代表とすることもできる。この統合方法は、荷重平均による重心でもなんでもよい。
【0048】
実施の形態5.
図3は、この発明の実施の形態5に係る多目標追尾装置の特徴となる個別仮説生成部の構成を示したブロック図である。図3に示すように、本実施の形態5では、図1に示す実施の形態1の構成に対し、代表点の次候補を請求すべく、優良順組合せ算出器25から代表ベクトル選出フィルタ24に次候補請求線29を加えるようにしている。
【0049】
実施の形態1〜4では、代表ベクトル選出フィルタ24は、単一目標のゲートにのみ含まれる観測ベクトルの中から代表点を選出するのみであり、選出後は、優良順組合せ算出器25が使用する観測ベクトルは代表点のみであった。これに対し、代表から洩れた観測ベクトルも利用しようというのが、本実施の形態5である。つまり、実施の形態1〜4の構成では、優良順組合せ算出器25は、最良解を選出した後、同じ行列を元に最良解を除いた中で最良の解を選択しようとしていたが、本実施の形態5では、次のように動作が変わる。
【0050】
(1)最良の組合せを算出した優良順組合せ算出器25は、次の優良解を算出する際に、代表ベクトルが相関を持つ目標に対応付けられているかを判定する。
(2)優良順組合せ算出器25は、代表ベクトルが相関を持つ目標に対応付けられていない場合、実施の形態1〜4と同様に、次の組合せを算出し、(1)の動作に戻る。
(3)代表ベクトルが相関を持つ目標に対応付けられている場合、優良順組合せ算出器25は、代表ベクトル選出フィルタ24に対し、次候補請求線29を介し、代表点の次候補を請求し、組合せ算出に用いる行列を受けとる。
(4)優良順組合せ算出器25は、最初に受けとった行列と、次候補請求によって新たに受けとった行列から次の組合せを算出し、(1)の動作に戻る。
【0051】
ここで、最良解を算出した後の優良順組合せ算出器25の動作について図2を参照して更に説明する。まず、優良順組合せ算出器25が算出した最良解において、観測ベクトル35が新航跡に対応付けられたとする。すると、最良解を除いた中で最良の組合せとは、問題を2つに分け、
(a1) 観測ベクトル35が新航跡ではない組合せの中で最良のもの
(b1) 観測ベクトル35が新航跡となる組合せで、最良解とは1つ以上一致しない所がある組合せの中で最良のもの
という2つの組合せをそれぞれ算出して比較し、良い方の組合せを選択することで求めることが出来る。
【0052】
そして、優良順組合せ算出器25が(a1)として、観測ベクトル35がゲート31の範囲で予測される目標に対応付けられてた組合せを算出し、これが(b1)として算出された組合せよりも良かった場合、実施の形態1〜3なら、
(a2) 観測ベクトル35が新航跡でも第1の目標でもない組合せの中で最良のもの
(b2) 観測ベクトル35が第1の目標となる組合せで、(a1)の解とは1つ以上一致しない所がある組合せの中で最良のもの
という2つの組合せを算出し、先に選択されなかった(b1)を含め、
(b1)(a2)(b2)の中で比較し、この中で1番良い組合せを選択することで、次に良い組合せを求めることができる。
【0053】
これに対し、本実施の形態5では、代表となっている観測ベクトル35が目標に対応づけられたことを受けて、新しい行列を作成している。従って、
(a2’) 新しく代表ベクトル選出フィルタ24から受けとった行列を元に算出した最良の組合せ
(b2) 観測ベクトル35が第1の目標となる組合せで、(a1)の解とは1つ以上一致しない所がある組合せの中で最良のもの
という2つの組合せを算出し、(b1)(a2’)(b2)の中で比較し、この中で1番良い組合せを選択することで、次に良い組合せを求めることができる。
【0054】
つまり、実施の形態1〜3の方法に対して、次候補要求によって受けとった行列の処理分、演算負荷が大きくなるわけではなく、演算負荷の変化は(a2)と(a2’)の演算負荷の差程度になる。ここで、次候補請求によって新たに受けとった行列は、次候補が観測ベクトル34である場合、次に示す次候補を用いた行列(1)となる。
【0055】
【数3】
【0056】
実施の形態6.
次に、上述した次候補を用いた行列(1)と下記に示す次候補を用いた行列(2)を用いて実施の形態6説明する。次候補を用いた行列(1)、(2)はいずれも、図3に示す優良順組合せ算出器25が組合せを算出する際に用いる行列である。
【0057】
【数4】
【0058】
上述した実施の形態5では、次候補請求によって代表ベクトルを入れ換えた候補行列を作成したが、実施の形態5の動作例で説明したように、次候補請求の際に目標との対応づけ以外の対応づけが済んでいる場合がある。つまり、実施の形態5の(a2’)において、優良順組合せ算出器25が扱うのは次候補を用いた行列(1)であった。実施の形態5の説明で述べたように、観測ベクトル35が第1の目標ではない組合せではなく、新航跡でも第1の目標でもない組合せを求める場合、次候補を用いた行列(1)の代表以外の組合せの元となる行列は、次候補を用いた行列(2)のように、観測ベクトル35が選択できる候補を減らしたものにすることができる(しいては計算量の削減が期待できる)。なお、次候補との入れ換えを行う場合には、優良順組合せ算出器25が算出する組合せは、本特許の特徴である代表選出を行わない場合の算出結果と一致させることができる。
【0059】
実施の形態7.
次に、図4を用いて実施の形態7を説明する。図4は、観測ベクトルとゲートの関係を示したものである。図4において、41は、クラスタ内の第1の目標の観測が予測される範囲を示すゲート、42は、クラスタ内の第2の目標の観測が予測される範囲を示すゲート、43〜51は、ゲート31、32に対するクラスタ内の観測ベクトルの位置、52は、ゲート内判定器23が扱うゲートと観測ベクトルの状態を示した代表ベクトル選出前の対象問題、53は、代表ベクトル選出フィルタによってフィルタリングされた結果を示した代表ベクトル選出後の対象問題である。
【0060】
実施の形態1〜6では、1つのゲートにしか含まれない観測ベクトル、言い換えれば、1つの目標にしか対応付けられない観測ベクトルしか代表の選出を行わなかった。しかし、2つ以上のゲートが重なった位置に存在する観測ベクトルについても、代表選出を適用することができる。図4の代表ベクトル選出前の対象問題52を例にすれば、
(a)ゲート41の範囲のみに存在する観測ベクトル43〜45
(b)ゲート41、42の2つの重複範囲に存在する観測ベクトル46〜49
(c)ゲート42の範囲のみに存在する観測ベクトル50、51
このうち、(a)(c)については、実施の形態6までの方法と同様に、代表ベクトルを選出することができる。次に(b)の観測ベクトルについては、N個のゲートの重なりに存在する観測ベクトルは、N個の観測ベクトルを代表として選出する。
【0061】
その結果、例えば、
(a)では、観測ベクトル45が代表として選出
(b)では、観測ベクトル47、48が代表として選出
(c)では、観測ベクトル50が代表として選出
という形で代表ベクトルが選出される。つまり、図4の代表ベクトル選出前の対象問題52は、代表ベクトル選出後の対象問題53にとして扱うことが出来るようになる。この時に扱う行列は、次のようになる。なお、本実施の形態の方式でも、実施の形態5、6と同様に、代表から洩れた観測ベクトルとの次候補入れ換えを行うことが出来る。
【0062】
【数5】
【0063】
実施の形態8.
上述した実施の形態7では、N個のゲートの重なりに存在する観測ベクトルから、N個の観測ベクトルを代表として選出するだけだったが、観測ベクトルの選択ではなく、観測ベクトルの個数自体をN個に統合し、これを代表として扱うこともできる。
【0064】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、観測点を類別して代表点を選出し、その代表点を元に仮説の生成を行うことにより、計算負荷の増大を抑えることができる。
【0065】
また、個別仮説生成手段として、第1と第2のデータベースに格納されたデータに基づいて目標毎に観測が予測される予測範囲を算出し各観測点が算出された予測範囲内にあるか否かを判定し相関度を算出する判定手段と、その判定結果に基づいて複数の観測点の中から代表点を選出する代表点選出フィルタと、選出された代表点となる観測点と目標との組合せ問題を優良な組み合わせ順に算出する優良順組合せ算出手段と、優良順組合せ算出手段により算出された観測点と目標との組み合わせから新規仮説を生成する新規仮説生成手段とを備え、採択手段により、個別仮説毎に生成された新規仮説を統合し最終的に採用する仮説を採択するようにしたので、計算負荷の増大を抑えることができる個別仮説生成手段を構成できる。
【0066】
また、代表点選出フィルタにより、判定手段による判定結果に基づいて単一目標の予測範囲にのみ含まれる複数の観測点の中から代表点を選出することで、代表点を簡単に選出することができる。
【0067】
また、代表点選出フィルタにより、複数の観測点の中から対応する目標との相関度が最大となる観測点を選択することで、代表点を簡単に選出することができる。
【0068】
また、代表点選出フィルタにより、複数の観測点の中から観測点毎に対応する目標との相関度の差が最大となる観測点を選択することで、代表点を簡単に選出することができる。
【0069】
また、代表点選出フィルタにより、複数の観測点を統合し、統合した観測点を代表観測点として選択することで、代表点を簡単に選出することができる。
【0070】
また、代表点選出フィルタにより、代表観測点を選出した後、前記優良順組合せ算出器からの次候補請求に基づいて選出した代表観測点の入れ換えを行うことができる。
【0071】
また、代表点選出フィルタにより、複数の目標の予測範囲が重複する位置にある観測点が重複している目標の数よりも多い時、その中から重複している目標数と同じ数の観測点を代表観測点として選択することができる。
【0072】
さらに、代表点選出フィルタにより、複数の目標の予測範囲が重複する位置にある観測点が重複している目標の数よりも多い時、その中の観測点を重複している目標数と同じ数の観測点に統合して代表観測点として選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る多目標追尾装置の特徴となる個別仮説生成部の構成を示したブロック図である。
【図2】観測ベクトルとゲートの関係を示した図である。
【図3】この発明の実施の形態5に係る多目標追尾装置の特徴となる個別仮説生成部の構成を示したブロック図である。
【図4】観測ベクトルとゲートの関係を示した図である。
【図5】従来の目標追尾装置の全体構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
21 クラスタ別観測ベクトル群、22 クラスタ別仮説&目標データ群、28 個別仮説生成部、23 ゲート内判定器、24 代表ベクトル選出フィルタ、25 優良順組合せ算出器、26 新規仮説生成器、27 仮説採択器。
Claims (9)
- 観測点に対し仮説毎に新しい仮説を生成し観測前の仮説を更新する多目標追尾装置において、
クラスタ内に含まれる観測点のデータを持つクラスタ別観測点群を格納した第1のデータベースと、
クラスタ内に含まれる目標データとその目標データを要素とした仮説のデータを持つクラスタ別仮説と目標データ群を格納した第2のデータベースと、
前記第1と第2のデータベースに格納されたデータに基づいてクラスタ内の観測点を目標の予測範囲を元に類別して代表点を選出し個別仮説毎に各クラスタの次の仮説生成を行う個別仮説生成手段と、
前記個別仮説生成手段からの結果に基づいて信頼性の高い仮説を採択する仮説採択手段と
を備えたことを特徴とする多目標追尾装置。 - 請求項1に記載の多目標追尾装置において、
前記個別仮説生成手段は、
前記第1と第2のデータベースに格納されたデータに基づいて目標毎に観測が予測される予測範囲を算出し各観測点が算出された予測範囲内にあるか否かを判定し相関度を算出する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に基づいて複数の観測点の中から代表点を選出する代表点選出フィルタと、
前記代表点選出フィルタにより選出された代表点となる観測点と目標との組合せ問題を優良な組み合わせ順に算出する優良順組合せ算出手段と、
前記優良順組合せ算出手段により算出された観測点と目標との組み合わせから新規仮説を生成する新規仮説生成手段と
を備えて成り、
前記採択手段は、前記新規仮説生成手段により個別仮説毎に生成された新規仮説を統合し最終的に採用する仮説を採択する
ことを特徴とする多目標追尾装置。 - 請求項2に記載の多目標追尾装置において、
前記代表点選出フィルタは、前記判定手段による判定結果に基づいて単一目標の予測範囲にのみ含まれる複数の観測点の中から代表点を選出する
ことを特徴とする多目標追尾装置。 - 請求項3に記載の多目標追尾装置において、
前記代表点選出フィルタは、複数の観測点の中から対応する目標との相関度が最大となる観測点を選択する
ことを特徴とする多目標追尾装置。 - 請求項3に記載の多目標追尾装置において、
前記代表点選出フィルタは、複数の観測点の中から観測点毎に対応する目標との相関度の差が最大となる観測点を選択する
ことを特徴とする多目標追尾装置。 - 請求項3に記載の多目標追尾装置において、
前記代表点選出フィルタは、複数の観測点を統合し、統合した観測点を代表観測点として選択する
ことを特徴とする多目標追尾装置。 - 請求項2ないし6のいずれか1項に記載の多目標追尾装置において、
前記代表点選出フィルタは、代表観測点を選出した後、前記優良順組合せ算出器からの次候補請求に基づいて選出した代表観測点の入れ換えを行う
ことを特徴とする多目標追尾装置。 - 請求項2に記載の多目標追尾装置において、
前記代表点選出フィルタは、複数の目標の予測範囲が重複する位置にある観測点が重複している目標の数よりも多い時、その中から重複している目標数と同じ数の観測点を代表観測点として選択する
ことを特徴とする多目標追尾装置。 - 請求項2に記載の多目標追尾装置において、
前記代表点選出フィルタは、複数の目標の予測範囲が重複する位置にある観測点が重複している目標の数よりも多い時、その中の観測点を重複している目標数と同じ数の観測点に統合して代表観測点として選択する
ことを特徴とする多目標追尾装置。
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---|---|---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011145096A (ja) * | 2010-01-12 | 2011-07-28 | Mitsubishi Electric Corp | 多目標追尾装置 |
CN103678949A (zh) * | 2014-01-09 | 2014-03-26 | 江南大学 | 基于密度分析和谱聚类的多扩展目标跟踪量测集划分方法 |
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-
2002
- 2002-09-04 JP JP2002258863A patent/JP2004093533A/ja not_active Abandoned
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