JP2004091767A - 微粒子状光硬化性樹脂の製造方法、微粒子状光硬化性樹脂および物品の表面処理方法 - Google Patents

微粒子状光硬化性樹脂の製造方法、微粒子状光硬化性樹脂および物品の表面処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】印刷インキあるいは粉体塗料やスラリー塗料用の表面処理剤、電子写真用現像剤、インキジェットプリンティング用インキなどの画像記録材料として有用な光硬化性微粒子の提供。
【解決手段】熱溶融性を有する光硬化性樹脂を溶融状態とする工程、該溶融状態の樹脂を溶解しない不溶性媒体中で上記溶融状態の樹脂を微粒子状液滴とする工程、および該微粒子状液滴を冷却固化する工程を有することを特徴とする微粒子状光硬化性樹脂の製造方法、微粒子状光硬化性樹脂およびそれを用いた物品の表面処理方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微粒子状光硬化性(活性エネルギー線硬化性)樹脂の製造方法、微粒子状光硬化性樹脂およびそれを用いた物品の表面処理方法に関し、さらに詳しくは大量生産のために合理化された製造工程によって、経済的に微粒子状光硬化性樹脂を製造することができる方法、特に粉体塗料、スラリー塗料、画像記録材料、印刷インキの構成材料として物品を表面処理する場合に有用な微粒子状光硬化性樹脂の提供を目的とする。
【0002】
【従来の技術】
従来、粉体塗料は、塗料用樹脂と色素あるいはさらに荷電制御剤などの内添剤とを計量、混合および混練して、上記成分を樹脂中に溶解あるいは分散させて得られる溶融押し出しした樹脂を、クラッシャーなどで粗粉砕した後、ジェットミルなどの微粉砕機を使用して微粉砕し、風力分級機で粗粒および微粉をカットする、いわゆる破砕造粒法によって製造されている。
【0003】
上記の製造方法において、樹脂の粉砕、各バッチ毎の樹脂や添加剤などの計量、タンブラーやヘンシルミキサーなどでの混合などの製造工程は、特許文献1において樹脂を押出成形機に供給し、色素類を自動計量装置を経由して押出成形機に供給し、押出成形機中にて色素類と溶融状態の樹脂とを混練することにより改良し得ることが提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−49864号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した破砕造粒方法は、使用するジェットミルなどの微粉砕機や風力分級機などが非常に高価であるという難点がある。また、近年開発された光硬化性樹脂は、粉体塗料用の樹脂として用いた場合、そのレベリング性が熱硬化性樹脂を用いた場合に比較して優れている一方、従来の粉体塗料用樹脂微粒子の製造に比較して、上記光硬化性樹脂の微粒子化工程、得られた微粒子のブロッキング防止、および微粒子の保存性を向上させるために、より厳密でコスト高な製造条件の管理が必要となってきた。
【0006】
そのために上記光硬化性樹脂およびその他の必要成分の粉砕機への投入量のコントロール、微粒子の粒径を小さく、かつ粒度分布を狭くする必要から、微粒子の生産性の低下に伴い、所望の品質の製品を効率よく安価に製造することが困難になってきた。さらには、光硬化性樹脂の微粒子の製造条件の設定が既存の設備では対応できない場合には、新規な設備の導入も必要となるなど、経済的にも問題があった。また、破砕造粒法による光硬化性樹脂からなる微粒子はその粒子形状は不定形な破砕粒状であり、かつそれらの微粒子の表面電荷の分布も不均一であり、これらの微粒子は、懸濁重合法などによる球形状樹脂微粒子に比べ、粉体塗料用樹脂として不適当な微粉も多く発生および残留し、材料のコスト面でも不経済であった。
【0007】
本発明者らはかかる問題点が解決し、大量生産が可能で、経済的かつ合理的な方法で、粒子形状が揃い、かつ性状が均質な微粒子状光硬化性樹脂を提供すべく鋭意検討を進めた結果、光硬化性樹脂を溶融状態として、これを、該樹脂の不溶性媒体中で微粒子状液滴とし、引き続き該液滴を冷却および固化させ、次いで濾過、洗浄および乾燥することにより、球状の微粒子状光硬化性樹脂が得られることを見出した。また、この方法は、上記した従来の各種微粉砕工程および分級工程を必要としないので合理化されており、この方法によれば均質な球状の微粒子状光硬化性樹脂粉体(例えば、紫外線硬化型粉体塗料)を大量生産することができ、経済的にも優れていることを見出した。本発明者らはかかる知見に基づき、微粒子状光硬化性樹脂、特に粉体塗料用の微粒子状光硬化性樹脂の提供を目的としてさらに検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。なお、本発明において「不溶性液媒体」または「不溶性媒体」とは、光硬化性樹脂を実質的に溶解しない液体または気体を意味する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、熱溶融性を有する光硬化性樹脂を溶融状態とする工程、該溶融状態の樹脂を溶解しない不溶性媒体中で上記溶融状態の樹脂を微粒子状液滴とする工程、および該微粒子状液滴を冷却固化する工程を有することを特徴とする微粒子状光硬化性樹脂の製造方法を提供する。
【0009】
上記本発明においては、光硬化性樹脂の溶融粘度が、80℃〜180℃の温度で1〜500Pa・sであること;光硬化性樹脂の溶融粘度が、90℃〜160℃の温度で1〜100Pa・sであること;微粒子状液滴とする工程の不溶性媒体の温度が、70℃〜200℃であり、冷却固化する工程の不溶性媒体の温度が、−10〜20℃であること;微粒子状液滴とする工程の不溶性媒体の温度が、100℃〜160℃であり、冷却固化する工程の不溶性媒体の温度が、0〜10℃であること;および微粒子状液滴とする工程において、溶融した光硬化性樹脂を、不溶性液媒体中にエマルジョン状に分散させて微粒子状とすることが好ましい。
【0010】
上記本発明においては、微粒子状液滴とする工程において、溶融した光硬化性樹脂を、不溶性液媒体中または気体中に吐出、飛散または噴霧させて微粒子状とすること;熱溶融性の光硬化性樹脂が、構造中に芳香族環または脂環式環を有し、かつ光架橋性の二重結合を有すること;熱溶融性の光硬化性樹脂のガラス転移点が、40℃以上、かつ軟化点が80℃〜150℃であること;熱溶融性の光硬化性樹脂の重量平均分子量が、1,000〜50,000であること;および光が、電子線、紫外線、または近紫外線であることが好ましい。
【0011】
また、本発明は、前記本発明の方法により製造されたことを特徴とする微粒子状光硬化性樹脂を提供する。また、該微粒子状光硬化性樹脂は、塗料用、画像記録材料用または印刷材料用として好適である。なお、本発明において「光硬化性」とは、電子線硬化性、紫外線硬化性、または近紫外線硬化性であることを意味する。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。本発明において使用する光硬化性樹脂は、常温で固体であり、かつ熱溶融性の樹脂である。該樹脂は、着色顔料、体質顔料、荷電制御剤、ワックス、架橋剤、光安定剤、紫外線吸収剤などの添加剤を含み得る。また、該樹脂が紫外線硬化型である場合には、光開始剤を均一に分散または溶解させて含有することができる。
【0013】
本発明において光硬化性樹脂を微粒子化する方法は、光硬化性樹脂を溶融状態とし、該溶融状態の樹脂を不溶性媒体中で微粒子状液滴とし、次いで冷却および固化させることが特徴であり、従来技術のような樹脂の破砕工程や分級工程を必須としない。本発明において、上記微粒子を得る好ましい方法としては、例えば、次のような方法が挙げられる。
(1)溶融状態の光硬化性樹脂を、該樹脂が不溶性である液媒体中に、エマルジョン分散させた後、冷却して、分散している微粒子を固化させる方法(以下「エマルジョン微粒子化法」と称する。)、および
(2)溶融状態の光硬化性樹脂を、該樹脂が不溶性であり、かつ冷却された液媒体中または気体中に吐出、飛散または噴霧させ、生成した微粒子状液滴を冷却固化する方法(以下「飛散冷却微粒子化法」と称する。)、および上記の各方法を組み合わせた方法など。
【0014】
溶融状態の光硬化性樹脂を微粒子状液滴にする工程では、溶融状態の光硬化性樹脂をできるだけ低粘度に保持することが必要であり、そのためには上記樹脂が分解しない範囲の温度で、かつ上記樹脂の軟化温度よりさらに温度を高くして樹脂を完全に融解することが望ましい。また、微粒子状液滴の冷却固化工程では、生成した微粒子状液滴同士を融合させることなく、冷却および固化させるために、これらの微粒子状液滴をできるだけ低温に冷却することが望ましい。例えば、光硬化性樹脂の微粒子状液滴化工程では、前記不溶性媒体の温度は凡そ70℃〜200℃、好ましくは凡そ100℃〜160℃とし、固化工程では凡そ−10℃〜20℃、好ましくは凡そ0℃〜10℃とする。
【0015】
光硬化性樹脂を微粒子状液滴にする際には、生成した微粒子状液滴同士の融合を防止するために、不溶性液媒体中にコロイダルシリカ、無機塩類、高分子保護コロイドなどを融合防止剤として添加することも好ましい。また、生成した光硬化性樹脂の微粒子が固化した後、これを濾過、洗浄および乾燥するが、これらの工程中で、好ましくない粗大粒子、微粉あるいは凝集した微粒子が生成した場合には、それらを砕くために破砕機や粉砕機などを使用したり、粗大粒子や微粉を自動篩機や分級機などを使用して分離および除去することも好ましい。上記の溶融状態の光硬化性樹脂の微粒子状液滴化、固化、破砕、分級などは以下に述べる方法にも共通に適用される。また、光硬化性樹脂の溶融は常圧下であっても加圧下であってもよい。
【0016】
上記の各方法で使用される不溶性液媒体は、光硬化性樹脂を実質的に溶解しない溶媒である。具体的には、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのグリコール類、それらのモノおよびジアルキルエーテル、モノおよびジカルボン酸エステル、モノアルキルエーテルモノカルボン酸エステルなどの誘導体;グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン類;シリコーンオイル類;ミネラルターペン、ケロシン、白灯油や「アイソパー」(エクソン化学社製)、「シェルソール」(シェルジャパン社製)、「ハイゾール」(日本石油化学社製)などの商品名の炭化水素系溶媒類;高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸トリグリセライド、植物油類;水;水−アルコール、水−ケトン、水−グリコールエーテルなどの水と水溶性有機溶媒との混合媒体などが挙げられる。一方、気体媒体としては常温の空気、水あるいは冷媒で冷却された空気、液体窒素あるいはドライアイスによる冷却気体を混入して冷却した空気などが挙げられる。
【0017】
以下に上記の各方法を詳細に説明する。
(1)の「エマルジョン微粒子化法」としては次のような態様が挙げられる。
(a)不溶性液媒体中で溶融状態の光硬化性樹脂を高速攪拌または衝撃力で微粒子状液滴に分散させ、冷却および固化して微粒子化する方法。この方法では、強力なずり応力を与えて光硬化性樹脂の溶融物を破壊および分散させる。好ましい装置としては、高速攪拌乳化機、高圧衝突乳化機、耐圧高速攪拌機、押出機などの如く従来から使用されている乳化機が挙げられる。
【0018】
これらの装置における攪拌羽根の回転数は、得られる光硬化性樹脂の微粒子に要求される粒径、光硬化性樹脂の溶融粘度、不溶性液媒体の粘度などによって変わり、一概に規定することはできないので、その都度予備検討が必要である。例えば、光硬化性樹脂微粒子に要求される粒径が7μm〜10μmである場合には、回転数は、凡そ6,000〜20,000rpm、好ましくは凡そ7,000〜15,000rpmを目安にして、光学顕微鏡や粒度分布測定器で、生成した光硬化性樹脂微粒子の粒径を確認しながら微粒子化処理を進めるのが好ましい。
【0019】
(b)溶融状態の光硬化性樹脂を、多孔質体の細孔を通じて不溶性媒体中に吐出させ、微粒子状液滴に分散させ、冷却および固化する方法。この方法で使用する多孔質体としては、希望する粒径の微粒子を調製し得る開口部を有する各種の多孔質膜が使用される。多孔質膜の材質の物性、強度および化学的堅牢性としては、微粒子状の液滴を破損したりせず、また、使用される不溶性液媒体や溶融した光硬化性樹脂に対しても化学的に安定で、不活性な材質であり、常圧または加圧下における加熱条件下で変形したり破損したりしないことが必要である。具体的には、多孔質ステンレス膜、多孔質真鍮膜、ステンレス製金網、真鍮製金網、多孔質ガラス膜、シラス製多孔質ガラス、多孔質セラミックスなどが挙げられる。
【0020】
多孔質膜の開口部の大きさは、特に制限されず、光硬化性樹脂の溶融物の溶融粘度、吐出速度や不溶性液媒体の粘度などに依存するが、光硬化性樹脂の溶融物から生成する微粒子は概して多孔質膜の開口部の口径より大きくなるので、光硬化性樹脂微粒子に要求される粒径よりやや小さい開口部を有するものを使用する。例えば、開口部の大きさは、得られる光硬化性樹脂微粒子の粒径の1/2〜1/5、好ましくは1/3〜1/4位の大きさである。得られる光硬化性樹脂微粒子の平均粒径を7〜10μmとすると、凡そ1.5〜3μmの口径が望ましい。この際に上記の(a)の方法との併用で、多孔性ステンレス製円筒を回転翼の周りに備えた高速攪拌乳化機を使用する方法や、予め高速攪拌乳化機や高圧衝撃乳化機を使用して粗乳化分散しておいてもよい。
【0021】
(c)溶融状態の光硬化性樹脂中に、不溶性液媒体、例えば、水を液滴状に分散した水相/油相型(W/O)の分散液(エマルジョン)を調製し、さらに該分散液に水を供給することにより、水相/油相型の分散液を逆相に転換して水中に微粒子状液滴を分散させ、冷却および固化する方法。この方法に使用する装置としては、前記(a)における高速攪拌乳化機や押出機などが挙げられる。
【0022】
前記(2)の「飛散冷却微粒子化法」としては次の態様が挙げられる。
(a)熱溶融型インキを用いるインキジェットプリンターのヘッドの吐出部に類似した吐出装置を使用し、溶融状態の光硬化性樹脂を圧力、電気力、磁気力、あるいはガスの発生などの作用により、ノズルから吐出して溶融樹脂を微粒子化した液滴を、冷却した不溶性媒体中に吐出させ、固化して微粒子化する方法。この方法では、例えば、圧電素子の作用による脈動を利用したノズルヘッドを使用する。冷却した不溶性媒体としては空気、窒素ガス、ドライアイスからの冷却気体あるいは上記の不溶性液媒体などを使用する。
【0023】
(b)噴霧冷却造粒装置に類似した製造装置を使用する方法。この方法では溶融状態の光硬化性樹脂を、回転円板式や加圧ノズル式、二流体ノズル式などの噴射ノズルに供給し、直接にあるいはさらに高速回転するディスクに当てて液滴をさらに微細化して、生成した微粒子状液滴を冷却した不溶性媒体中に飛散または噴霧させた後、冷却および固化する。冷却した不溶性媒体としては、前記(a)と同様な冷却気体や不溶性液媒体が使用される。
【0024】
上記(1)の「エマルジョン微粒子化法」および前記(2)の「飛散冷却微粒子化法」において、溶融状態の光硬化性樹脂の粘度を下げるため、あるいは液滴を小さくすることを容易にするため、不溶性液媒体に、該液体と相溶性を有する高沸点の溶剤を添加することもできる。該高沸点溶剤は光硬化性樹脂を溶解する溶剤でもよいし、溶解しない溶剤でもよい。不溶性液媒体を使用する場合は前記(1)の方法では多段のエマルジョン化になる。
【0025】
上記した各方法により得られた光硬化性樹脂微粒子は、不溶性媒体中における光硬化性樹脂の微粒子状液滴の表面張力の関係で、球状または楕円球状になり、微粒子の粒径も事前の条件設定および工程上で制御できることから、得られる樹脂微粒子は比較的均質かつ均一な形状を有する。従って本発明の方法で得られる光硬化性樹脂微粒子は、粉体塗料などの用途において、その帯電性などの電気的性質と表面加飾材料としての性質は、従来技術の破砕造粒した形状が不均一な微粒子を用いたものに比べて優れている。
【0026】
本発明で使用する熱溶融性を有する光硬化性樹脂としては、従来から前記の如き各種用途で使用されている縮合重合系樹脂または付加重合系樹脂の末端に光で架橋する二重結合を有する光硬化性樹脂またはそれらの混合物が使用される。特に炭化水素環を有する縮合重合系樹脂は、その炭化水素環による結晶性により比較的低分子量であっても高いガラス転移点(すなわち、常温で固体)を示し、比較的低分子量であることから溶融粘度も低く、非常に好ましい樹脂である。また、特開2000−273361公報、特開2001−262010公報で示されるマレイミド系化合物も有用であり、特開平10−183024号公報で示されるプロペニルエーテル基含有の光カチオン硬化性樹脂も前記範囲に示される範囲で使用可能である。
【0027】
上記した高ガラス転移点と低溶融粘度を有する縮合重合系樹脂としては、特にベンゼン環、ナフタレン環などの芳香族環やシクロヘキサン環などの脂環式環などの炭化水素環を有するポリエステル樹脂およびアクリル変性ウレタン樹脂などが好ましい。芳香族環または脂環式環を有するポリエステル樹脂は、それらの環を有するジオールおよび/またはそれらの環を有するジカルボン酸を主原料として得られるポリエステル樹脂である。また、芳香族環または脂環式環を有するアクリル変性ウレタン樹脂は、それらの環を有するヒドロキシル基含有ポリエステル樹脂とそれらの環を有するポリイソシアネートおよび末端にヒドロキシル基と、重合可能なアクリレート基を少なくとも1つずつ有する化合物を主原料として得られるアクリル変性ウレタン樹脂である。
【0028】
芳香族環または脂環式環を有するジオールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなどのビスフェノール類のアルキレン(C2〜C4)オキサイド付加物、それらの水素添加物、p−キシレングリコール、ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。
【0029】
また、芳香族環または脂環式環を有するジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、メチルナジック酸などおよびそれらの低級アルキルエステル、酸ハロゲン化物および酸無水物などが挙げられる。
【0030】
これらの芳香族環または脂環式環を有するジオールとともに使用し得る脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などが挙げられ、芳香族環または脂環式環を有するジカルボン酸とともに使用し得る脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、へキシレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどが挙げられる。
【0031】
アクリル変性ウレタン樹脂の製造に用いられるポリイソシアネートとしては、芳香族環または脂環式環を有するものが好ましいが、脂肪族構造のポリイソシアネートであってもかまわない。代表例としては、2−メチルペンタメチレン−1,5−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、4,4−メチレン−ビス(シクロヘキシルイソシアネート)、ノルボルナンジイソシアネート、3,3,3−トリメチル−1−イソシアナト−3−イソシアナトメチルシクロヘキサン(IPDI)などが挙げられる。また、数個のイソシアネート基同士が反応して生じるイソシアヌレート、ビューレットおよびアロファネート構造を有していても構わない。
【0032】
これらの芳香族環または脂環式環を有するポリエステル樹脂の合成に際し、アクリル酸、メタクリル酸、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどを組み合わせて上記ポリエステル樹脂に光硬化性を付与し、ガラス転移点が約40℃以上、特に好ましくは45℃〜65℃、軟化点が約80℃〜150℃、好ましくは90℃〜130℃であり、溶融温度幅の狭いシャープ・メルト性の常温で固体の光硬化性樹脂が粉体塗料などの用途に適している。また、これらの樹脂の好ましい重量平均分子量は、1,000〜50,000、好ましくは3,000〜10,000である。
【0033】
上記の芳香族環または脂環式環を有するアクリル変性ウレタン樹脂の合成に際し、末端にヒドロキシル基と、重合可能なアクリレート基を少なくとも1個ずつ有する化合物を組み合わせて、上記アクリル変性ウレタン樹脂に光硬化性を付与することができる。そのような化合物としては、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、ヒドロキシプロピルアクリレート、およびグルセリンジアクリレートなどが例示される。合成して得られたアクリル変性ウレタン樹脂はガラス転移点が約40℃以上、特に好ましくは45℃〜65℃、軟化点が約80℃〜150℃、好ましくは90℃〜130℃であり、溶融温度幅の狭いシャープ・メルト性の常温で固体の光硬化性樹脂が粉体塗料などの用途に適している。また、これらの樹脂の好ましい重量平均分子量は、1,000〜50,000、好ましくは3,000〜10,000である。
【0034】
上記した本発明の光硬化性樹脂微粒子の製造方法においては、光硬化性樹脂が溶融し、該溶融状態の樹脂がそれぞれの微粒子化方法に適する粘性、すなわち、溶融粘度を有することが大切である。光硬化性樹脂の溶融粘度は、測定方法によって数値が異なることもあるが、本発明においては、コーンプレート中の熱溶融性樹脂の溶融特性を測定する方法に基づいて設計・製作された「ビスコーンCV−1S」(東海八神(株)製)を使用し、以下の測定条件で測定した溶融粘度(Pa・s)である。
【0035】
また、光硬化性樹脂の溶融粘度は、溶融物の溶融している温度に大きく依存するが、該溶融粘度は、該樹脂に添加される添加剤などによっても影響され、添加されている添加剤の種類や添加量ごとに数値が異なる。従って光硬化性樹脂を微粒子化するに当たっては、添加剤を含まない光硬化性樹脂を調製し、例えば、上記した「ビスコーンCV−1S」によって該樹脂の溶融温度と押出速度を変化させてその溶融粘度を測定する。光硬化性樹脂の溶融粘度は微粒子化方法によっても異なり、一概に規定することはできないが、溶融粘度としては凡そ1〜500Pa・s、好ましくは1〜100Pa・sの粘度範囲に入るような温度を決め、その温度条件で溶融した光硬化性樹脂を上記した方法に従って微粒子化することが好ましい。温度条件としては、例えば、凡そ80℃〜180℃、好ましくは90℃〜160℃である。
【0036】
光硬化性樹脂組成物は、上記した樹脂に添加剤を添加することによって製造されるが、製造方法は特に限定されない。例えば、好ましい製造方法としては特開平11−49864号公報で提案されている方法であり、該方法は、樹脂を押出成形機に供給し、一方、添加剤を自動計量装置を経由して押出成形機に供給し、押出成形機中にて添加剤と溶融状態の樹脂とを混練する製造方法である。
【0037】
また、樹脂が、特に光硬化性ポリエステル樹脂などの縮合重合反応による樹脂の場合には、例えば、特開平11−46894号公報で提案されているような合理化された製造方法を応用することができる。この方法では、樹脂合成の各段階、すなわち、原料成分中、重合反応中の樹脂中、重合終了後の溶融状態にある樹脂中、または反応釜から取り出した溶融状態の樹脂中に添加剤を溶解または分散させる。重合反応が完了以前の場合にはさらに反応を進めて重合を完結させる。これらの方法で得られる光硬化性樹脂は、引き続き前記したような方法により微粒子化することができる。
【0038】
本発明における添加剤を含有する光硬化性樹脂の微粒子の製造方法としては、特に、合成反応後の光硬化性ポリエステル樹脂を溶融状態のままで、または該樹脂を微粉状態で自動計量装置を経由して押出成形機に供給し、添加剤を自動計量装置を経由して押出成形機に供給して添加剤を樹脂中に内添させる方法が好ましい。引き続き、得られた光硬化性樹脂組成物を前記の不溶性媒体中で微粒子化することが、製造工程上最も合理的かつ経済的である。
【0039】
本発明に使用する添加剤とは、着色剤および体質顔料、流動調整剤、消泡脱泡剤、光開始剤、荷電制御剤、強磁性材料、ワックス類、架橋剤、光安定剤、紫外線吸収剤、各種樹脂などを包含する。これらの添加剤の種類および使用量は、光開始剤を除いて特に限定されないが、光硬化性樹脂の量を超えない範囲で使用される。
【0040】
また、光開始剤を用いる紫外線硬化性樹脂の場合は、光開始剤の使用量は該樹脂の0.5〜10質量%が好ましく、かつ着色剤類は硬化性を阻害しない範囲での添加量が選択される。着色剤としては色素である有彩色または黒色の油溶性染料、分散性染料、有機顔料、カーボンブラック顔料および無機顔料、微細強磁性材料、白色の有機顔料および無機顔料から選ばれた色素が挙げられる。
【0041】
着色剤としては、例えば、アゾ顔料、高分子量アゾ顔料、アゾメチン基を含むアゾ顔料、アゾメチン顔料、アンスラキノン顔料、フタロシアニン顔料、ペリノン・ペリレン顔料、インジゴ・チオインジゴ顔料、ジオキサジン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、イソインドリン顔料、ジケトピロロピロール顔料、キノフタロン顔料、金属錯体顔料、アニリンブラック系などの有機顔料、酸化鉄顔料、複合酸化物顔料、酸化チタン顔料などの無機顔料などが挙げられる。また、アルミニウムに代表される金属粉、雲母の処理による光輝性顔料、着色架橋プラスチック微粒子なども着色剤として供される。
【0042】
また、その他の添加剤としては、例えば、沈降性硫酸バリウム、炭酸カルシウム、クレーなどの体質顔料;流動調整剤;消泡脱泡剤:1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名;イルガキュア2959)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(商品名;イルガキュア819)を始めとする公知の紫外線硬化用の光開始剤;本発明の微粒子を電子写真現像剤応用する場合には、内添剤としての荷電制御剤、例えば、サリチル酸金属錯体、アゾ染料金属錯体、カチオン化合物などが挙げられる。
【0043】
また、本発明の微粒子を電子写真現像剤に応用する場合には、強磁性材料として、例えば、黒色や茶色あるいは赤褐色の磁性酸化鉄および磁性金属などから選ばれた従来公知の微細強磁性材料が挙げられる。同様に本発明の微粒子を電子写真現像剤に応用する場合には、ワックス類として、高級脂肪酸エステル系のパルミチン酸ステアリル、ステアリン酸ステアリル、ベヘニン酸ベヘニル、ステアリン酸ベヘニル、ベヘニン酸ステアリル、ヒドロキシステアリン酸グリセライドなど;パラフィンワックス類;ポリエチレンオリゴマー、エチレン共重合体オリゴマー、ポリプロピレンオリゴマーなどの従来公知のワックス類が挙げられる。また、本発明の微粒子の他の用途での添加剤としては、光安定剤、紫外線吸収剤、各種樹脂が必要に応じて用いられる。これらの添加剤の使用割合は公知の範囲でよい。
【0044】
また、本発明で使用する光硬化性樹脂の溶融粘度が低い場合には、本発明の光硬化性樹脂微粒子を用いて得られた粉体塗料あるいは乾式現像剤などが、紙、木材、プラスチック類、鉄、アルミニウム、マグネシウムなどの金属板や成形物などの基材に塗膜や画像を形成した時に、優れた定着性、優れた発色性、鮮明性、塗膜の平滑性などの優れた性質を発揮する。
【0045】
本発明の光硬化性樹脂微粒子は、公知の微粒子を使用する従来公知の用途において有用であり、例えば、前記のように、印刷インキ、静電粉体塗料、流動浸漬粉体塗料、スラリーペースト塗料などの表面処理剤および電子写真用乾式現像剤、インキジェットプリンティング用インキなどの画像記録材料の構成材料として有用であり、これらの印刷インキや塗料などにより、印刷、塗装、画像記録などを行って物品の表面処理を行うことができる。
【0046】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、文中の「部」または「%」とあるのは質量基準である。
【0047】
実施例1(エマルジョン微粒子化法)
樹脂:Uvecoat3003*1          80.6部
樹脂:Uvecoat9010*2          14.2部
光開始剤:Irugacure2959*3        2.8部
流動調整剤:ResiflowP67*4        1.1部
艶消し剤:Ceraflour969*5         1.3部
*1、*2;UCB社製光硬化性(紫外線硬化性)樹脂
*3;チバガイギー社製
*4;エントロン社製
*5;Byk−Chemie社製
【0048】
上記成分を配合しヘキシルミキサーに投入し、均一に混合した。得られた混合物を押出機に充填して90℃に加熱溶融して押し出した。この90℃での粘度はビスコーンCV−1Sで30Pa・sであった。この溶融樹脂を微粒子化するための不溶性液媒体としてエチレングリコールを選定し、エチレングリコールの温度を110℃に設定した。加熱装置および撹拌装置を装着したステンレス容器中にエチレングリコール300部と20%シリカのエチレングリコール分散液100部を仕込み、撹拌および分散させた。
【0049】
そこへ、上記押出機から90℃で押し出された紫外線硬化性樹脂組成物を約500部投入し、110℃の温度で均一に撹拌して溶融物を微分散させた。一方、加熱装置および高速攪拌機を装着したステンレス容器にエチレングリコール100部と20%シリカのエチレングリコール分散液100部を入れて、110℃に加熱し、外浴として準備した。
【0050】
上記で準備した溶融状態の紫外線硬化性樹脂組成物のエチレングリコール分散液を、加圧下に平均口径が2.7μmのガラス質系多孔質プレートを通して高速攪拌下の外浴に注入した。上記多孔質プレートにより溶融状態の紫外線硬化性樹脂組成物は液滴状の微粒子となって外浴に分散した。外浴の高速攪拌を続けながら、適宜、微粒子化の状態を顕微鏡で観察し、殆んどの微粒子の粒径が5〜10μmになったことを確認した後、外浴を冷却した。10℃まで温度が低下した後、固化した青色微粒子を濾別および充分水洗し、乾燥して平均粒径が凡そ8μmの球状の均質な本発明の紫外線硬化性樹脂微粒子を得た。
【0051】
得られた紫外線硬化性樹脂微粒子100部当たり、流動調整剤として微粉末シリカ0.2部を添加混合し、本発明の紫外線硬化性樹脂微粒子からなる粉体塗料組成物を得た。
【0052】
得られた紫外線硬化性樹脂微粒子からなる粉体塗料組成物を塩化ビニル樹脂製タイルに粉体塗装用ガン(ONODA製GX−107)で1平方メートル当たり20g塗布し、遠赤外線ランプで120℃に表面を加温して、アイグラフック製120w/cmの高圧水銀灯(オゾンアリ)で800mj/cmで照射硬化した。この塗膜は、平均30μmに粉砕分級した通常の製造方法による粉体塗料の塗膜より、さらに平滑性の優れたものであった。
【0053】
実施例2(飛散冷却微粒子化法)
熱溶融インキジェットプリンターの吐出部に類似した圧電素子を用いたオンデマンド型の加熱吐出ヘッドを搭載した溶融樹脂吐出型微粒子造粒機を準備した。加熱吐出ヘッドの吐出温度を150℃になるように設定し、また、吐出される微粒子に対して冷却媒体として5℃に冷却した冷風を対流させるように準備した。
樹脂:Uvecoat2200*1           40.0部
樹脂:Uvecoat2300*2           40.0部
顔料:シアニングリーン5301*3       17.6部
流動調整剤:ResiflowP67*4         1.1部
艶消し剤:Ceraflour969*5          1.3部
*1、*2;UCB社製光硬化性樹脂
*3;大日精化工業(株)製
*4;エントロン社製
*5;Byk−Chemie社製
【0054】
上記成分を配合しヘキシルミキサーに投入し、均一に混合した。得られた混合物を押出機に充填して100℃に加熱溶融して押し出した。この100℃での粘度はビスコーンCV−1Sで25Pa・sであった。これをさらに150℃に加熱し、上記の造粒機の吐出ヘッドに充填した。ピエゾ素子を駆動する電圧をかけ、上記溶融樹脂を冷却媒体中に連続吐出して飛散を行った。凡そ平均7μmの粒子径の揃った球状で緑色の着色微粒子を得た。これに流動化剤としてコロイダルシリカを添加し、帯電特性を−20μC/gに調整した。
【0055】
前記の緑色微粒子をメサック社製電解流動浸漬塗装装置に投入し、亜鉛鋼板に加電圧30KVで15g/mの塗布量で塗布し、130℃に表面を加温し、岩崎電気(株)製の電子線照射装置で200KVの加速電圧下5Mradの線量で硬化させたところ、平滑性の優れた塗装鋼板が作成された。
【0056】
【発明の効果】
光硬化性樹脂の微粒子を製造するにあたって、従来は、ジェットミルなどの微粉砕機により微粉砕し、分級機で粗粒および微粉をカットする、いわゆる破砕造粒法が主流であったが、製造機械が非常に高価であり、また、最近の要求される微粒子の耐熱融着に対する製造条件の高度化、処理量の減少、生産性の低下などにより目標の製品を効率よく安価に製造することは益々困難になってきた。また、破砕造粒により製造された微粒子は、不定形な破砕粒状であり、粒径の分布も不均一であり、微粒子としての性能が不充分な残留微粉も多く発生し、不経済であった。
【0057】
ところが、以上の本発明によれば、光硬化性樹脂を溶融状態で貧溶媒または不溶性媒体中で微粒子化し、冷却固化し、必要に応じて濾過および乾燥することにより、従来の各種微粉砕および分級工程を必須とせずに、特に粉体塗料および電子写真用乾式現像剤用として有用な形状および性状の揃った均質な光硬化性樹脂からなる微粒子を経済的かつ合理化された製造工程にて大量生産することができる。
【0058】
また、それぞれの用途に合った光硬化性樹脂をそれぞれ所定の粒度に調整することによって、本発明の光硬化性樹脂微粒子は、各種の表面処理剤、例えば、印刷インキ、静電粉体塗料、流動浸漬粉体塗料、スラリーペースト塗料、画像記録材料、樹脂着色剤、塗料、印刷インキなどの表面処理剤、電子写真用乾式現像剤、インキジェットプリンティング用インキなどの画像記録材料の製造に有用である。

Claims (14)

  1. 熱溶融性を有する光硬化性樹脂を溶融状態とする工程、該溶融状態の樹脂を溶解しない不溶性媒体中で上記溶融状態の樹脂を微粒子状液滴とする工程、および該微粒子状液滴を冷却固化する工程を有することを特徴とする微粒子状光硬化性樹脂の製造方法。
  2. 光硬化性樹脂の溶融粘度が、80℃〜180℃の温度で1〜500Pa・sである請求項1に記載の微粒子状光硬化性樹脂の製造方法。
  3. 光硬化性樹脂の溶融粘度が、90℃〜160℃の温度で1〜100Pa・sである請求項1に記載の微粒子状光硬化性樹脂の製造方法。
  4. 微粒子状液滴とする工程の不溶性媒体の温度が、70℃〜200℃であり、冷却固化する工程の不溶性媒体の温度が、−10〜20℃である請求項1に記載の微粒子状光硬化性樹脂の製造方法。
  5. 微粒子状液滴とする工程の不溶性媒体の温度が、100℃〜160℃であり、冷却固化する工程の不溶性媒体の温度が、0〜10℃である請求項1に記載の微粒子状光硬化性樹脂の製造方法。
  6. 微粒子状液滴とする工程において、溶融した光硬化性樹脂を、不溶性液媒体中にエマルジョン状に分散させて微粒子状とする請求項1に記載の微粒子状光硬化性樹脂の製造方法。
  7. 微粒子状液滴とする工程において、溶融した光硬化性樹脂を、不溶性液媒体中または気体中に吐出、飛散または噴霧させて微粒子状とする請求項1に記載の微粒子状光硬化性樹脂の製造方法。
  8. 熱溶融性の光硬化性樹脂が、構造中に芳香族環または脂環式環を有し、かつ光架橋性の二重結合を有する請求項1に記載の微粒子状光硬化性樹脂の製造方法。
  9. 熱溶融性の光硬化性樹脂のガラス転移点が、40℃以上、かつ軟化点が80℃〜150℃である請求項8に記載の微粒子状光硬化性樹脂の製造方法。
  10. 熱溶融性の光硬化性樹脂の重量平均分子量が、1,000〜50,000である請求項8に記載の微粒子状光硬化性樹脂の製造方法。
  11. 光が、電子線、紫外線、または近紫外線である請求項1に記載の微粒子状光硬化性樹脂の製造方法。
  12. 請求項1〜11の何れか1項に記載の方法により製造されたことを特徴とする微粒子状光硬化性樹脂。
  13. 塗料用、画像記録材料用または印刷材料用である請求項12に記載の微粒子状光硬化性樹脂。
  14. 請求項13に記載の微粒子状光硬化性樹脂を含む塗料、画像記録材料または印刷インキで物品を表面処理することを特徴とする物品の表面処理方法。
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