JP2004091272A - βサイアロン燒結体 - Google Patents

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洞田 亮
Tatsuya Tomioka
富岡 達也
Toshihiro Furukawa
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Abstract

【課題】βサイアロンのその優れた特性を、工業的規模で世界に先駆けて活用する ことを目的とし、ガラス質およびαサイアロンの異相が存在しないβサイアロン単一相で構成され、常に安定した品質的水準を有するHIP処理不要な構造体を提供する。
【解決手段】組成がαサイアロン及びガラス質を含有しないβサイアロンのみでありかつ構造体を成形できる程度の粉末状態のβサイアロンを、成形、焼成し、HIP処理の不要な構造体とした。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、αサイアロン及びガラス質を含有しない新規βサイアロン粉末を使用した燒結体に関する。
【0002】
【従来の技術】
βサイアロンは30年程前に英国と日本で発見されたセラミックスであり、学術的にはβ´(ベータダッシュ)サイアロンと呼ばれているが、通称βサイアロンと呼ばれているので、この明細書ではこの通称を使用する。
【0003】
βサイアロンは、セラミックスでありながら、セラミックスを超えるその優れた特性から、ファインセラミックスの最右翼に位置付けられている。その後にブームとなったセラミックスエンジン開発当時には、自動車業界およびセラミックス業界で、βサイアロンについての積極的な検討が行われたが、実用化には至らなかった。それは、βサイアロンが燒結の過程でしか合成されないこと、燒結可能な粉末としては得られなかったこと、及びガラス質が混入することが大きな原因と考えられる。その後、現在に至るまで、燒結可能なβサイアロン粉末の製造についての検討は脈々とつづけられている。
【0004】
βサイアロンは、βSiと同一の結晶構造を有することから、βサイアロンと名付けれている。βサイアロンは、珪素、アルミニウム、酸素、窒素の元素から構成され、組成はSi6― Al6―  (0<Z≦4.2)で表示されるこれら元素の固溶体である。
【0005】
本発明では、結晶構造的にβサイアロンを定義する。すなわち、得られたX線回折パターンの主要なピーク値が、βサイアロンの基本回折パターンに相当すると当該技術者が容易に判定できる物質を、βサイアロンと定義する。
【0006】
従来は、Si粉末にAl粉末、AlN粉末、さらに場合よってはY等の燒結助剤や格子間に侵入型に固溶するαサイアロン形成元素Li,Ca,Mg粉末を添加した混合粉末を、成形後焼成してβサイアロン燒結体を得ている。この場合、αサイアロンまたは、およびガラス質が必然的に生成されている。
【0007】
焼成の過程で、Siの焼結助剤として添加されているAl粉末等は、Siの表面に存在しているSiOと反応して液相を生成するとともに、Siのα⇒β変態を促進して焼結を推進するが、焼結後は粒界にガラス相として残存する。この様に焼結助剤は緻密な焼結体を得る為には必要不可欠であるが、燒結体の特性を損なうと言う二律相反の面を有している。
【0008】
前記したようにβサイアロンは、ガラス相、αサイアロン及びβサイアロンの多層構造で生成し、βサイアロン単一相としては得られていないし、焼成の過程で合成される為、焼結助剤の種類と量および焼成条件に左右されるから常に同一組成では得がたい。しかも、必ずボイドが生ずるためHIP処理が必須となっている。しかしながら、その特性が優れているので、βサイアロンについての限りない検討が続けられている。
【0009】
そのプロセスとして検討されているのは全て、焼成過程でβサイアロンを合成する事を前提としている。このプロセスに於いて、添加成分、焼成時の雰囲気、焼成時および焼成後の加圧、等の効果によって、βサイアロンに不可避的に混在してくるαサイアロンおよびガラス質の最適化に検討の焦点が絞られている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、βサイアロンのその優れた特性を、工業的規模で世界に先駆けて活用する ことを目的とするものであり、ガラス質およびαサイアロンの異相が存在しないβサイアロン単一相で構成され、常に安定した品質的水準を有するHIP処理不要な構造体を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、焼成の際にβサイアロンを生成させる従来の方式とは全く異なり、組成がαサイアロン及びガラス質を含有しないβサイアロンのみでありかつ構造体を成形できる程度の粉末状態のβサイアロンを、成形、焼成し、HIP処理の不要な構造体としたことを特徴とする。
【0012】
粉末状態のβサイアロンを製造する方法としては、本発明者の1人であるロシアの材料工学研究所(ISMAN)所長メルジャノフ博士発明のSHS合成法(高温溶融合成と呼ばれる)がある。
【0013】
この方法は、Si, Al, Al, βSi3N4およびその他の必要原料を目的組成のβサイアロンとなる量混合し、SHS反応をさせる。このSHS反応自体は公知である。発生する反応熱(2000℃以上)を制御しつつ短時間で反応を終結後、結晶の種を添加して冷却し、ホイスカー(針状晶)としてβサイアロンを得る。これを通常の方法で粉砕することによって、0.5ミクロン程度の微粉状βサイアロンのみの粉末が得られる。尚、発熱反応によって超高温になるので、2000℃以上の融点の熱伝導度の良い材料、例えば2000℃以上の融点の金属を発生した熱を逃がす目的で反応系に存在させる。
【0014】
この方法により合成したβサイアロンのみの粉末を用い、成形後、焼成(焼結)して、βサイアロン単一相からなる構造体(燒結体)を製造する。本発明は、βサイアロン単一相からなる粉末を用いることを特徴とするものであるから、そのほかの方法により合成された、βサイアロン単一相からなる粉末を用いる方法も本発明に包含される。
【0015】
なお、原料粉末のβサイアロンにこれ以外の物質(例えば、αサイアロン等の粉末とかSi3N4の粉末)が混入されていても、その量が少量であれば、焼結時に、完全分解してしてβサイアロン固溶体の構成元素になっしまう。焼結の際に、完全分解し、焼結の後に異相として残存しない程度のその他の物質の混在は本特許に許容される。本発明でαサイアロン及びガラス質を含有しないβサイアロンのみの粉末を使用するのは、このような組成であるから結晶化して粉末化できたものであるからである。従ってこの粉末を使用し、多少のαサイアロン及びガラス質を加えても燒結体がβサイアロン一相となるような少量であるなら、当然本発明の範囲内である。
【0016】
また、βサイアロンの主要構成元素であるSiの格子位置に置換型に固溶するAlの他に、Alと同様な作用を持つGa,Be等の元素または、酸化物または窒化物等の化合物を添加しても、得られる焼結体がβサイアロン一相となる様な量であるなら、当然本発明の範囲内である。
【0017】
βサイアロンは半導体としての特性を有することから、n型形成のためのドナーとしての微量元素の添加、および、または、p型形成のためのアクセプターとしての微量元素を添加しても、得られる焼結体がβサイアロン一相となる様な量であれば、当然本発明の範囲内である。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を説明する。
【0019】
本発明は、αサイアロン及びガラス質を含有しないβサイアロンのみの粉末だけを燒結させても良いが、βサイアロンの燒結に通常使用される燒結助剤又はバインダーのような添加剤を混合して燒結させても良い。この場合、添加剤は、5重量%以下とするのが好ましい。
【0020】
本発明に使用するβサイアロン粉末の粒度は、実質的に燒結可能な大きさであれば良く特に限定されないが、0.01〜100ミクロン程度であるのが好ましい。
【0021】
上記のようにして得られた本発明の燒結体は、従来のセラミックの用途に使用されるだけでなく、触媒若しくは触媒担体、摺動磨耗材及び導電材料等として使用することもできる。例えば下記の分野の用途に使用される。
【0022】
▲1▼自動車業界;エンジン関係で、燃焼室の保温効果を高くして、省エネルギー効果を向上させる各種部品。例えば、シリンダースリーブ、ピストン等。可動部品では、エンジンバルブを始めとする各種バルブ駆動部品、コンロッド、クランクシャフト等で代表される動力伝達部品。
【0023】
▲2▼軸受業界;ベアリングボール、レース等、特に高速回転が必要なパソコンスピンドルモータ用ベアリング、腐食および昇温環境で使われるベアリング。直線軸受用レールおよび可動部品等。
【0024】
▲3▼アルミニウム加工業界;アルミニウムダイキャストのホットチャンバー部品、およびアルミニウム押出ダイス。
【0025】
▲4▼プレス打抜・曲げ用金型および引抜加工用プラグ。
【0026】
▲5▼ガスタビーン関係で、ブレードおよびシャフト。
【0027】
▲6▼ポンプ,バルブ関係で、耐磨耗、耐腐食用途部品。
【0028】
▲7▼ガス変性の為の触媒で、貴金属代替用としての各種排気ガス酸化還元用触媒。
【0029】
▲8▼半導体としての特性を活用して、バリスター等のセンサー、光変換素子。
【0030】
▲9▼電動モータ部品で磁場環境で回転する部品およびそれに連動する部品。
【0031】
次に、実施例を挙げて本発明を更に説明する。
【実施例】
実施例1
SHS法で合成しX線回折によって組成を確認した次表1に記載の2種類(▲1▼及び▲2▼)のβサイアロン粉末を使用した。いずれもβサイアロンのみで構成されている。
【0032】
【表1】SHS法によって作成した2種類のβ−サイアロン粉末の例
Figure 2004091272
次表2に示すように、これら▲1▼及び▲2▼のβサイアロン粉末のみで作成した燒結体(#01〜#03)および、βサイアロン粉末に、意図的にSiの単独添加(#04)、SiO,Al,MgO,Y等の燒結助剤との複合添加(#05)、さらには、Li, Ca, Y および Mg等のαサイアロン形成元素(α生成元素)を添加(#06)して、αサイアロンおよびガラス質をβサイアロン中に生成させた燒結体を製造した。
【0033】
なお、焼結時の雰囲気ガスの中のそれぞれのガス分圧を制御してβサイアロンの構成元素の酸素および窒素量を特定化することもできる。
【0034】
各種添加剤の機能については、全て、Siの燒結の際に観察された事象である。本発明の方法であるβサイアロン粉末のみの燒結でβサイアロンを得る方法は従来行われておらず、これによる知見ではない事を念のため触れておきたい。
【0035】
【表2】粉末の組み合わせ一覧
Figure 2004091272
注)相:X線回折による相同定
密:密度測定
機:機械的性質測定
上記βサイアロン粉末を基準に必要な粉末をプレミッスし、バインダーとしてPVA等の溶液を適当量加えて混練後、乾燥、破砕およびプレス成形工程を経て目的の形状としたサンプルを作った。このサンプルを次表3に記載の各種温度で所定時間加熱処理して本発明の焼結体とした。
【0036】
焼結処理後にX線回折により相を同定するとともに、顕微鏡観察を実施して密度の測定を行った。結果を次表3に示す。
【0037】
【表3】βサイアロン粉末焼結体の相同定と密度(相の種類/密度)
Figure 2004091272
X線回折測定結果から、焼結により形成された構造体を構成する相は、いずれもβサイアロンである事を確認した。
【0038】
また、ミクロ組織観察および電子顕微鏡観察によって、粒界にガラス等の異相が観察されないことを確認した。
【0039】
焼結後の密度測定結果は、1400℃でほぼ真密度に近い緻密な焼結体が1500℃ではサンプル全てが真密度となっている。
【0040】
現在工業的に生産されているSi焼結体は、焼結状態では、真密度とはならないので、焼結後に、HIP処理を行っている。上記結果は、本発明の方法によれば、焼結後のHIP処理が不要となることを示すものであるから、セラミックスの量産技術の進展に寄与するところ計り知れない。
【0041】
実施例2
上記実施例1で1500℃で焼結し真密度の得られた#01サンプルを用いて、各種の機械的および物理的特性値を測定した。結果を次表4に示す。
【0042】
【表4】
Figure 2004091272
上記表4の結果から明らかなように、曲げ強度が著しく高くなっている。これは従来のファインセラミックスで今までに得られた値をはるかに上回った値である。本発明の方法によって、真密度のβサイアロンとなるので、βサイアロン本来の特性値が発揮されたものと考えられる。
【0043】
即ち、従来の焼結処理の際に不可避的に生成していたガラス質およびαサイロンが含有されていない事によるものであり、βサイアロン本来の優れた性能が100%発揮されているものと考えられる。特に曲げ強度および破壊靭性の向上が著しく、特殊鋼の特性に肉薄している。
【0044】
上記結果は、本発明により、βサイアロンが先に示した用途を始めとして、構造用用途に、幅広く使用できる事を示している。また、上記に示した、熱伝達率の低減は、保温効果の大きい事を示しており、このことからエンジン効率向上を目的とするセラミックエンジン開発が再燃する事が予想される。
【0045】
また、熱伝達率が従来得られた最少値を示している。この優れた保温効果はセラミックエンジンにおいての熱効率向上に寄与するばかりでなく、ホットチャンバー型のアルミダイキャストの実用化に貢献するところ極めて大きい。βサイアロンはその保熱効果からも、そのほかの幅広い活用用途が考えられる。
【0046】
実施例3
前記表2で構成したサンプルについて、特にαサイアロンおよびガラス質の生成について詳細調査を実施した。
【0047】
βサイアロンの粉末に、20%までのSiを添加したテスト結果は、大量のαサイアロン及びガラス質は生成しないことを示している。これは、大量に予め存在するβ−サイアロンの影響と考えられる。
【0048】
いいかえると、本発明の方法によるβサイアロン焼結体製造法によると、他の構成物質が混入してきても、安定したβサイアロン相が構成できるといえる。
【0049】
図1に、このようにして得られたαサイアロンとガラス質の混入量が、βサイアロンの抗折力に対してどの様に影響をするかについて纏めて示した。
【0050】
αサイアロンとガラス質は、βサイアロンの粒界に網目状に存在しているが、これらの粒界相とβサイアロン母相との境界は不明確である。焼結中に拡散が相当に進行し、そのために、粒界に存在するαサイアロン+ガラス質の悪影響が緩和されているものと考えられる。これも本発明の特長の一つである。
【0051】
従来、セラミックスの最大の欠点と指摘されていた抗折力が、1800MPaにまでに向上することは本発明のもっとも特筆すべき事実であり、本発明の方法により、βサイアロン単一相組織が容易に得られる効果である。
【0052】
これは、工業的に品質が安定して得られる事を示すものであり、セラミックスの大規模な工業的量産化の可能性を示すものである。
【0053】
また、図1にみられるように、5重量%以下の他相が存在しても、抗折力が、従来の方法で製造したβサイアロンで得られた値よりも優れた値となっている。このことから、本発明の燒結体は、βサイアロン単相だけでなく、95重量%を含む95重量%以上のβサイアロンで構成される燒結体も本発明に含まれるものである。
【0054】
実施例4
本実施例以降の実施例4〜8は、100%βサイアロンで構成された燒結体を用いて、各種の用途に適用した結果について説明するものである。
【0055】
常法によって、溶融アルミニウム(770度)中で回転浸漬テスト行った。結果を次表5に示す。
【0056】
【表5】
Figure 2004091272
上記結果から明らかなように、溶融アルミニウム中で全く変質していないし、その浸漬時間は従来データを大幅に凌いでいる。これは、粒界に異相が存在していない効果であると考えられる。
【0057】
また、亜鉛でも同様な結果を示しており、各種の金属ダイキャスト装置のホットチャンバーおよび周辺装置、機器に効果的に適用できることを示すものである。
【0058】
実施例5
曲げ応力750MPaで小野式回転曲テストを、平滑材および切欠材(α=2)で実施したところ、10回の繰り返しでも破壊しなかった。この事から、機械構造用途への適用が期待できる。
【0059】
実施例6
次表6に記載の列の材料と行の材料とを組み合わせて、摩擦係数[乾式/湿式]を測定した、結果を次表6に示す。尚、表中「%」はβサイアロンの構成率を示し、「S45C 」は高周波焼入材を示す。
【0060】
【表6】
Figure 2004091272
表6の結果から明らかなように、異種材質との組み合わせが、摺動磨耗には好ましいと言う一般通則に従う結果が75%材で得られている。すなわち、βサイアロン同士よりもβサイアロンと金属との組み合わせの方が良好な結果が得られている。しかしながら、100%βサイアロン材では、βサイアロン同士の組み合わせで良好な特性を示している。
【0061】
これは、同種材質は、摺動磨耗に弱いと言う従来の常識を覆す現象である。これにより、100%βサイアロン材同士を摺動磨耗用途に適用すると、摩擦係数が極めて低くなり工業的利用価値が極めて高い。
【0062】
これは、材料の立場から言えば、ガラス質等の異質材を包含しない本発明のβサイアロン燒結体は、基本的に摩擦係数が低く、自己潤滑性に優れ耐磨耗特性に優れた材料を提供するものである。
【0063】
実施例7
βサイアロンについての物性は、殆ど解明されていない。しかしながら、欠陥置換型(ストイキオメチカル)の全率固溶体を構成すると予測されている事から、半導体としての特性を有することが予測できる。
【0064】
そこで、βサイアロン燒結体の触媒機能について測定したところ、次表7に示す結果を得た。表7の結果から、本発明のβサイアロン燒結体は、酸化触媒としての機能がある事が認められた。これらの現象は、将来、白金、パラジュム等の節約に有効活用できることが期待される。また、触媒担体としても有効活用できることが期待される。
【0065】
【表7】βサイアロンのCOガスの酸化分解能
Figure 2004091272
実施例8
本発明の燒結体の20℃での電気抵抗率は10Ω・cmであった。この結果は、従来完全絶縁体であると考えられていたβサイアロンが、本発明の方法による単一相から構成され、粒界に異相が存在していない事により、完全絶縁体ではなく導電材料として活用できことを示している。
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、αサイアロン及びガラス質を含有しないβサイアロンのみの粉末を燒結しているので、従来のようなHIP処理が不要な燒結品が得られるので、産業上極めて有用であり、セラミックス量産技術の進展に寄与するところ極めて大きい。また、本発明の燒結品は、αサイアロン及びガラス質を含有しないので、真密度になると共に、粒界に異相が存在しないようにすることができるから、曲げ強度及び破壊靭性が著しく高くなり、幅広い用途に適用できるという絶大な効果を奏する。
【0067】
【図面の簡単な説明】
【図1】αサイアロン+ガラス質の混入量とβサイアロン燒結体の抗折力との関係を示すグラフである。

Claims (7)

  1. αサイアロン及びガラス質を含有しないβサイアロンのみの粉末を単独若しくは他の成分と燒結し、HIP処理を不用としたことを特徴とするβサイアロン燒結体。
  2. 前記他の成分が、燒結に通常使用される5重量%以下の添加剤である請求項1記載の燒結体。
  3. 前記添加剤が、燒結助剤又はバインダーである請求項2記載の燒結体。
  4. 前記βサイアロン粉末の粒度が、0.01〜100ミクロンである請求項1〜3のいずれかに記載の燒結体。
  5. 前記請求項1〜4記載の燒結体からなる触媒若しくは触媒担体。
  6. 前記請求項1〜4記載の燒結体からなる摺動磨耗材。
  7. 前記請求項1〜4記載の燒結体からなる導電材料。
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