JP2004090820A - 高速鉄道車両用外幌 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】断面U形の幌部材が、車両連結部の間隙部外側を塞ぐように、それぞれの車両の連結面端部から相対向して配設される車両用外幌であって、前記断面U形の幌部材の内側面を移動自在とし、外側面を位置固定に構成して、前記移動自在な内側面が、押出し時には空気バネ部材により押し出され、引き込み時には別置のバネ部材により引き込まれる構成とした。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道車両の連結部に取り付けられる車両連結部用外幌に関し、さらに詳しくは、高速鉄道車両の走行時の騒音を防止するための高速鉄道車両用外幌に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉄道車両の走行時には、その側面や屋根面等の外面に沿う高速の走行風が流れる。そして、この高速走行風のために車両表面の凹凸部には激しい渦流が生じる。この渦流が風切り騒音を増大させ、また、鉄道車両の空気抵抗を著しく増大させることになる。特に車両連結部に空隙部が存在している場合には、高速走行中の前記風切り騒音が大きな問題であった。
【0003】
上記の風切り騒音の問題に関して、車両連結部の空間を、蛇腹状の外幌で完全に覆い、この蛇腹状外幌を空気圧で膨張、収縮させることによって、軌道分岐点や曲率の小さいカーブ走行時に生じる車両間の相対変位に追従する外幌が既に公開されている。(例えば、特許文献1,2参照)
【0004】
しかし、この種の外幌は、車両連結部の両方の車両端(妻面)にそれぞれ固定されて装着される構成であり、車両を連結した後に配設固定し、車両連結部の空間を封止するものである。そのために、車両の切り離し時には、一々該外幌を取り外して行う必要があり、車両の連結や切り離しが楽に行える構成ではない。さらには、車両の揺れや外幌の膨張収縮のために変形が繰り返され、そのために外幌に亀裂を生じる等、その耐久性に問題がある。
【0005】
風切り騒音を低減するには、車両走行時において、車両連結部の空間を密閉し凹凸をなくすと効果的である。そのために、車両連結部のそれぞれの妻面に別々の外幌を装着するタイプでは、相対する外幌同士の間隔をほとんど零とし、一様な平らな外面とすることが大事である。
【0006】
また、新幹線等の高速鉄道車両の走行本線軌道のカーブ曲率は比較的小さい(カーブ半径が大きい)ために、車両妻面の相対向する外幌同士を所定量圧着状態とすることで、カーブ走行時に広がろうとする外側の外幌同士を常に接触状態に維持することが可能である。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−198805号公報(第2−3頁、第2図)
【特許文献2】
特開平11−291903号公報(第2−3頁、第3図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
最近の高速鉄道車両はその走行速度がますます速くなってきており、風切り騒音の問題も大きくなってきている。また、車両の連結や切り離しを行う際に、一々脱着する必要のない、また寿命の長い外幌が望まれている。
【0009】
本発明の目的は、高速走行する鉄道車両の連結部用外幌であって、それぞれの妻面に装着されると共に、簡単な機構で相対する外幌同士を常時接触状態に維持すると共に、耐久性を有する高速鉄道車両用外幌を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために請求項1に係る発明は、内側面部と外側面部と、両者を連結する円弧状中央部とを備える断面U形の幌部材が、連結される車両のそれぞれの妻面から、それぞれの円弧状中央部同士を接するように相対向して配設される車両用外幌であって、前記内側面部を車両前後方向に移動する移動手段を備え、前記外側面部を固定して、内側面部を移動させることで、相対向する幌部材の円弧状中央部同士の接触状態を維持可能としたことを特徴としている。
【0011】
上記の構成を有する請求項1に係る発明によれば、幌部材の内側面部を移動させることで、相対向する円弧状中央部同士を常時接触状態に維持することが可能となり、直線走行時、カーブ走行時にかかわらずに車両連結部の空間を封止することができ、走行時の風切り騒音を低減することができる。
【0012】
請求項2に係る発明は、前記幌部材が板状の弾性体であり、前記円弧状中央部が薄肉に形成されていることを特徴とする。
【0013】
上記の構成を有する請求項2に係る発明によれば、円弧状中央部が薄肉に形成されているために、容易に所定のU形形状を保持可能であると共に、接触状態でも強く当接せずに、耐久性を得ることが可能となる。
【0014】
請求項3に係る発明は、前記移動手段が、圧縮空気の出入により伸縮する空気バネ部材と、該空気バネ部材の伸縮移動を前記内側面部に伝達する移動保持具と、前記空気バネ部材を縮ませる方向に付勢力を有する別置のバネ部材とを備えていることを特徴としている。
【0015】
上記の構成を有する請求項3に係る発明によれば、新幹線等の高速鉄道車両がカーブ曲率の小さい(カーブ半径が大きい)走行本線を走行する際には、車両妻面の相対向する外幌同士を圧着状態としていても、停車駅構内等のカーブ曲率の大きい(カーブ半径が小さい)軌道を低速にて走行する際には、空気バネ部材から圧縮空気を抜くと共に、別置のバネ部材の付勢力により前記円弧状中央部が内側に縮むことになって、幌部材の移動動作を素早く行うことが可能となる。そのために、車両走行軌道のカーブ状況にいち早く対応して幌部材同士の接触状態を変更することができ、高速走行時には圧着状態の外幌同士を、低速走行時には直ちに開放することができ、圧着状態がきつくなるカーブ曲率の大きい内側面同士の外幌の圧着状態を緩和または開放することになって、耐久性を増し、寿命が長い外幌を得ることができる。
【0016】
請求項4に係る発明は、前記移動手段が、一枚の基板に装着されてユニット化されており、車両妻面の任意の位置に設置可能としたことを特徴としている。
【0017】
上記の構成を有する請求項4に係る発明によれば、車両のサイズや形式に応じて車両妻面の最適な位置に移動手段を設置することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る高速鉄道車両用外幌の実施の形態について、図1から図5に基づいて説明する。
【0019】
図1は本発明に係る高速鉄道車両用外幌が車両連結部(妻面)に配設されているところを示す斜視図である。図2は本発明に係る高速鉄道車両用外幌が装着される車両端の正面図である。図3は本発明に係る幌部材の横断面図である。図4は本発明に係る幌部材の移動手段の断面図であり、図5にはその斜視図を示す。
【0020】
図1に示すように、幌部材1が車両T1及び車両T2の車両連結部に配設されていて、車両連結部と各車両外面とを同一面状とし凹凸を無くすように構成されている。幌部材1は側面外幌1Aと屋根面外幌1Bとに分割されている。また必要に応じて下部側面外幌や底面外幌(図示せず)を採用することもある。車両T1,T2のそれぞれの妻面に、側面外幌1Aと屋根面外幌1Bとがそれぞれ設けられていて、車両を連結した際に、相対向する幌部材1のお互いの円弧状先端同士が当接して、車両連結部を凹凸のない外面とする構成とした。
【0021】
相対向する幌部材1同士を同一形状とし、お互いの角部が接触する構成でもよいが、図中に示すように、相対向する幌部材1の角部をずらす形状とし、角部同士が当接しないように構成すると、角部同士がきつく擦れ合うこともなく、耐久性を向上させることができる。
【0022】
幌部材1は図3に示すように、断面U形の縦長な合成ゴム製品であって、根元部1aが取付部となっている。根元部1aは肉厚状に形成されており、剛性を大として、取付金具2にしっかり保持されるよう構成されている。また、断面U形の円弧状中央部1bは薄肉に形成されていて、容易に弾性変形するように構成されている。
【0023】
円弧状中央部1bが薄肉に形成されているので、幌部材1は簡単にU形に折れ曲がると共に、取付金具2の一方を動かすと、その動きに追従して形状を変化することができる。また、薄肉のゴム製品である円弧状中央部1b同士を接触させてもお互いが容易に弾性変形するので、相対向する幌部材1同士を当接しても磨耗が緩和され、耐久性が悪化することもない。
【0024】
円弧状中央部1bの薄肉部の位置により、幌部材1を折り曲げてU字状とした際に、外側面部1dを略垂直状とすることができる。つまり、高速鉄道車両の車両間隔に応じた張り出し長さLと幅寸法Wとにより、円弧状中央部1bの薄肉部の最適位置とすることができる。このような形状とされた幌部材1を装着した車両では、車両外面と連結部を覆う幌部材1との外面が略同一面状となり表面の凹凸を最小限に抑えることができる。
【0025】
高速で走行する鉄道車両の車両連結部は、風切り騒音を低減するためにはお互いの車両外面との段差をなくして同一面状とすることが肝要である。そのために走行中は常時相対向する幌部材1同士を当接させておく必要がある。直線軌道を走行中には連結部を形成する車両T1とT2との車両端は平行状態であって、左右の側面外幌1Aの張り出し形状は同一である。
【0026】
新幹線等の高速鉄道車両の走行本線軌道のカーブ半径は比較的大きい(曲率が小さい)ために、車両妻面の相対向する外幌同士を所定量圧着状態としておくことで、カーブ走行時に広がろうとする外側の外幌同士を常に接触状態に維持することが可能である。その際にカーブ内側の幌部材同士は強く当接するが、円弧状中央部1bが薄肉に形成されていて、容易に弾性変形する形状であるので、圧着状態の幌部材1を傷めることもなく、寿命を減ずることもない。
【0027】
また、停車駅構内等のカーブ半径の小さい(曲率が大きい)軌道を低速にて走行する際には、カーブ内側の圧着状態が厳しくなるので、外幌同士の圧着状態を開放する構成としている。そのために、カーブ曲率が大きい場合や低速走行する際には、外幌の伸縮状態を変更するように構成している。
【0028】
図4および図5により幌部材1の伸縮を操作する移動手段10について説明する。移動手段10は幌部材1の内側面部1cを保持する支持部材13Aが、空気バネ部材11の伸縮に連動して移動することで、幌部材1の円弧状中央部1bの突出量を制御するものである。空気バネ部材11の下側支承部12aを保持具14に固定し、上側支承部12bを移動保持具13に止着することで、空気バネ部材11の伸縮に連動して移動保持具13を移動させる構成である。移動保持具13の移動は、ガイド軸16a,b,cの3本のガイド軸を案内ガイドとして、空気バネ部材11の伸縮に連動して均一に移動する様構成されている。
【0029】
ガイド軸16a,b,cに対する移動保持具13の移動端(上昇端)はメカ的に規制された構成であって、実線で示す位置13xをその上昇端としている。このための機構例としては、ガイド軸16a,b,cの頭部に大径部を設けて、移動保持具13の移動端とすればよい。また、ガイド軸とは別に停止部材(ストッパー)を設ける構成としてもよい。
【0030】
移動保持具13は平面状の空気バネ部材保持部分からL型に曲げられた支持部13Aを有しており、該支持部13Aと、ガイド軸16とスライド自在に配設されるボス15とで幌部材1の内側面部1cを保持する構成となっている。そのために、空気バネ部材11の伸縮動作が、移動保持具13、支持部13Aを介して、幌部材1の内側面部1cを移動させることになる。
【0031】
車両端部のフレーム2Cに配設される妻面板材2Bに装着される取付板2Aに、幌部材1の外側面部1dの根元部1aが、ピン3により固着されている。また、取付板2Aには、基板20を介して、移動手段10が配設される構成である。幌部材1の内側面部1cの根元部1aは、ガイド軸16に摺動自在なボス15と支持部13Aとで挟持されていて、空気バネ部材11の伸縮動作に追従して、内側面部1cが移動する構成とされている。
【0032】
そのために、空気バネ部材11の伸縮動作により移動保持具13が実線で示す位置13xから破線で示す位置13yまでのストローク13z分移動自在に構成されることで、その移動に連動して幌部材1の円弧状中央部1bが、実線で示す位置1xから破線で示す位置1yまでのストローク1zで伸縮自在となる構成である。つまり、相対向する幌部材1はそれぞれの先端部である円弧状中央部1bがストローク1z分伸縮自在に構成されていることになる。
【0033】
高速鉄道車両が軌道上を走行する際には、上記相対向する幌部材1同士は当接状態とし、車両連結部を密閉状態としている。そのために、円弧状中央部1bが実線で示す位置1xにある時、すなわち幌部材1が最も延びた状態を、車両がカーブ状軌道を走行する際の外側の外幌状態としている。また、車両が駅構内に進入する際には、車両が低速状態となり風切り騒音も発生しなくなるので、相対向する幌部材1同士を引き離し状態としてもよい。そのために、円弧状中央部1bが破線で示す位置1yまで収縮可能に構成して、車両がカーブ状軌道を走行する際に、カーブ内側の相対向する幌部材同士を離反させるか、もしくは当接力を緩和することで、幌部材1の接触負荷を低減させている。
【0034】
空気バネ部材11へのエアー供給は、エアーホース19から保持具14に配設された空気ジョイント18を通して圧縮空気を供給する構成である。また、エアー供給の制御は電磁バルブ(不図示)を介して行うがここでは詳述しない。この圧縮空気は、車両のドア開閉機構等に使用されている圧縮空気をそのまま利用できることは言うまでもない。
【0035】
幌部材1の先端部を延ばして外に張り出させる際には、空気バネ部材11に圧縮空気を供給すればよいが、逆に前記先端部を縮ませる際には空気バネ部材11から圧縮空気を抜くだけでなく、別置したバネ部材17により収縮させて縮ませるように構成した。このように構成することで、幌部材1の伸縮を確実にまた素早く行うことが可能となる。バネ部材17は空気バネ部材11の周囲六箇所に分配して配設した。これはバネによる圧縮力を均等とするためである。しかし、このバネ部材17の個数は六個には限定されず、空気バネ部材11を均等に収縮させる数量であればよい。
【0036】
移動手段10は台座21を介して基板20上に載置されている。台座21は、基板20から移動手段10を浮かして設置可能な段状台座であって、基板20と台座21とから形成される空間部に、前記空気ジョイント18とエアーホース19が配設される構成である。そのために、別途基板20上に別途配設されるガイド軸16と共に一体としてユニット化される移動手段10を、基板20ごと移動して、妻面板材2B上の何処にも設置可能な構成であり、車両のサイズや種類に応じて設置位置を変更することも容易に行うことができる。
【0037】
図2には、片方の側面外幌1Aに移動手段10Aと10Dを配設し、他方の側面外幌に移動手段10Bと10Cを配設した構成を示している。また屋根面外幌1Bは、対向する幌部材同士が当接するように、その張り出し量を設定し固定されている。これは、鉄道車体がカーブ軌道上にあっても、車体中央部付近の連結部の間隔変動が小さいからである。しかし、必要に応じて別の移動手段10を配設し、屋根面外幌1Bを伸縮する構成とすることも可能である。
【0038】
さらには、車体の下部側面外幌1Cと底部の底面外幌1Dを配設してもよい。この際、下部側面外幌1Cや底面外幌1Dも屋根面外幌1Bと同様に、相対向する幌部材同士を当接させて固定しておくことも、別途移動手段10を配設して伸縮自在と構成することもできる。
【0039】
移動手段10Aと10Dとにより片方の側面外幌1Aを伸縮させる構成であるが、高速走行時には走行軌道のカーブ半径も大きいために、所定量圧接した状態に固定しておくことができる。この所定量とは、カーブ状軌道を高速走行する際に外側の幌部材同士が当接状態を維持しておける程度の圧接量である。この場合に、カーブ内側の幌部材同士は当接状態がきつくなるが、薄肉に形成した円弧状中央部が無理なく弾性変形することで、当接力を弱めることができ、耐久性を損なうことがない。
【0040】
駅構内に侵入する際等の低速走行時には、風切り騒音が発生することはないので、相対向する幌部材同士を当接させておく必要はない。そのために、空気バネ部材11を縮めて相対向する幌部材同士を離反することができる。また、曲率の大きいカーブ状軌道を低速走行する際や停車時には、カーブ内側の連結部間隔が小さくなるが、相対向する幌部材同士を離反させるか、もしくは当接力を緩和することで、きつく擦れ合うこともなく、耐久性を悪化させることもない。
【0041】
本実施例では、高速走行する鉄道車両の連結部用外幌を、ユニット化された移動手段により伸縮自在に構成したので、直線状軌道を走行時にも、曲線状軌道を走行する際にも、車両連結部の空間を合成ゴム部材の幌部材で密閉することができ、高速走行時の風切り騒音を低減することができる。
【0042】
また、幌部材を移動させる駆動力を空気バネから得る構成としたので、外力が負荷された場合には容易に形状を変位することができ、エアーダンパー性能を有する駆動源と見なすことができる。そのために、前記駆動力を厳密に制御する必要はなく、本線走行時においては、相対向する外幌同士を所定量圧着状態としておくという簡単な制御で、走行軌道のカーブ形状に係らずに相対向する車両連結部用外幌を接触状態に維持することができるという優れた効果を有する。
【0043】
幌部材1は車両間の連結部に配設されているために、常に外気に接しており、雨に打たれたり、太陽光にさらされている。そこで、前記幌部材1の材質には耐候性を有するゴム部材(例えば天然ゴムベースにエチレンプロピレンゴムをコーティングしたもの)を採用することが好適である。
【0044】
耐候性を有するとは、温湿度や太陽光や雨水等の環境的な影響に対して抵抗力があって、劣化せずまた色落ちしなく、品質が安定していることをいう。
【0045】
エチレンプロピレンゴムは耐オゾン性、耐薬品性、耐熱性に優れ、さらには太陽光にさらされても色落ちしない性質があるため、幌部材1の素材としては好適である。もちろん、同様の性質を備えていれば、その他の素材を用いてもよいのは明らかである。
【0046】
さらには、断面U形の形状とし、根元部を肉厚、円弧状の中央部を薄肉としたので、一方の根元部を移動さすことで所定の伸縮量を容易に得ることができる。また、中央部の薄肉部の位置を考慮することで、高速走行時において、幌部材の外面を車両外面と同一面とし、さらに風切り騒音を低減することもできる。
【0047】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、内側面部と外側面部と、両者を連結する円弧状中央部とを備える断面U形の幌部材において、円弧状中央部同士の接触状態を維持可能としたので、相対向する幌部材の円弧状中央部同士を常時接触状態に維持することが可能となり、直線走行時、カーブ走行時にかかわらずに車両連結部の空間を封止することができ、走行時の風切り騒音を低減することができる。
【0048】
請求項2に係る発明によれば、前記幌部材が板状の弾性体であり、円弧状中央部が薄肉に形成されているとしたので、容易に所定のU形形状を保持可能であると共に、接触状態でも強く当接せずに、耐久性を得ることが可能となる。
【0049】
請求項3に係る発明によれば、前記内側面部の移動が、圧縮空気の出入により伸縮する空気バネ部材と、該空気バネ部材の伸縮移動を前記内側面部に伝達する移動保持具と、前記空気バネ部材を縮ませる方向に付勢力を有する別置のバネ部材とを備える移動手段により行われる構成としたので、高速走行時(直線状軌道もしくは曲率小軌道)には相対向する幌部材同士を当接させ、低速走行時(曲率大軌道もしくは駅構内)には相対向する幌部材同士の当接力を緩和させるか、もしくは離反させる等の移動操作を素早く行うことが可能となる。
【0050】
請求項4に係る発明によれば、前記移動手段が一枚の基板上にユニット化されていて、車両連結部の任意の位置に設置可能としたので、車両連結部の所定の位置にユニット化された移動手段を設置することが可能となり、車両のサイズや形式に応じて最適な位置に移動手段を設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高速鉄道車両用外幌が車両連結部に配設されているところを示す斜視図である。
【図2】本発明に係る高速鉄道車両用外幌が装着される車両端の正面図である。
【図3】本発明に係る幌部材の横断面図である。
【図4】本発明に係る幌部材の移動手段の断面図である。
【図5】本発明に係る幌部材の移動手段の斜視図である。
【符号の説明】
1 幌部材
1a 根元部
1b 円弧状中央部
1c 内側面部
1d 外側面部
10 移動手段
11 空気バネ部材
13 基板
17 バネ部材
20 基板
T1、T2 車両
L 張り出し長さ
W 幅寸法
Claims (4)
- 内側面部と外側面部と、両者を連結する円弧状中央部とを備える断面U形の幌部材が、連結される車両のそれぞれの妻面から、それぞれの円弧状中央部同士を接するように相対向して配設される車両用外幌であって、
前記内側面部を車両前後方向に移動する移動手段を備え、前記外側面部を固定して、内側面部を移動させることで、相対向する幌部材の円弧状中央部同士の接触状態を維持可能としたことを特徴とする高速鉄道車両用外幌。 - 前記幌部材が板状の弾性体であり、前記円弧状中央部が薄肉に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の高速鉄道車両用外幌。
- 前記移動手段が、圧縮空気の出入により伸縮する空気バネ部材と、該空気バネ部材の伸縮移動を前記内側面部に伝達する移動保持具と、前記空気バネ部材を縮ませる方向に付勢力を有する別置のバネ部材とを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の高速鉄道車両用外幌。
- 前記移動手段が、一枚の基板に装着されてユニット化されており、車両妻面の任意の位置に設置可能としたことを特徴とする請求項3に記載の高速鉄道車両用外幌。
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