JP2004090062A - レーザ加工装置、加工方法、および当該加工方法を用いた回路基板の製造方法 - Google Patents

レーザ加工装置、加工方法、および当該加工方法を用いた回路基板の製造方法 Download PDF

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Akira Akasaka
赤坂 朗
Toshifumi Ito
伊藤 敏文
Kikuo Takahashi
高橋 喜久夫
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Abstract

【課題】簡略且つ小型の構成にて高い加工精度を有するレーザ加工装置を提供する。
【解決手段】レーザ加工装置の構成を、レーザ発振器2とレーザ光を平行光とするコリメート手段27からなる固定光学系と、コリメート手段から発せられるレーザ光の光軸に沿って駆動されるスキャナミラー28を有する被駆動光学系と、所定軸に沿って駆動可能にセラミックグリーンシート3を支持するステージ4とからなるものとする。ここで、光軸と所定軸とは所定距離を離し且つ垂直となる関係にある。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ光を用いて被加工物に対して穴開け、切断、印字等の加工を施す加工装置および加工方法に関するものである。より詳細には、セラミックスからなるいわゆるセラミックグリーンシートに対して効率よく穴開け加工等を施す装置および方法に関するものであり、更には当該グリーンシートに加工を施して回路基板を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
一般的な樹脂基板に対して、セラミックスを素材とする回路基板は耐熱性および耐久性に優れているため、携帯情報端末機器等への用途が拡大している。同時に、高集積化を目的として、セラミック基板そのものに対しても回路としての機能を付加すると共に当該基板の積層化を図り多層基板として用いるケースも増加しつつある。グリーンシートは、焼成前のセラミック基板等の通称であるが、当該基板に対しては、一般的にはこのグリーンシートの段階で多層配線を形成するための穴開け加工等が施される。
【0003】
これら穴開け加工等には、加工速度、加工穴形状を変えることあるいは真円度の高い加工穴を得ることの容易性、等の観点から、レーザ光を用いる事例が増えてきている。レーザ光を用いて種々の被加工物、特にセラミック・グリーンシート対して穴開け加工を行う装置の従来例に関して、以下図面を参照としてその概略について説明する。図2は、従来のレーザ加工装置における、要部の概略構成を示すものである。
【0004】
当該装置は、加工用のレーザ光を発信するレーザ発振器1、ガイドレーザを発信するガイドレーザ発振装置2、ガイドレーザ光および加工用レーザ光を成形し且つ被加工物3上の所定位置に導く光学系20、被加工物3が載置されてこれをXY方向に移動させるXYステージ4、被加工物3上に達したガイドレーザ光等の形状あるいは加工穴形状等を画像として捉え、且つ被加工物の位置決めに用いられるカメラ5、およびこれら各構成要素を駆動する制御系10から構成されている。ガイドレーザとしては、例えば赤色光等が用いられ、予めこれを被加工物上に投影して、その投影位置、投影形状等から実際の加工用レーザを投影する位置あるいは投影する際の形状等の補正が行われる。
【0005】
光学系20は、全反射ミラー21、23、26、ダイクロイックミラー22、マスク24、コリメータレンズ27、XYガルバノスキャナミラー28、およびfθレンズ29から構成される。レーザ発振器1から発せられたレーザ光は、全反射ミラー21によってダイクロイックミラー22に向けてその向きを変え、ダイクロイックミラー22を裏面から透過し、さらに全反射ミラー23によってマスク24に向けて再度その向きを変える。ガイドレーザ発振器2から発せられたガイドレーザ光は、加工用のレーザ光と同一の光軸上を進行するように、ダイクロイックミラー22によってその向きを変えている。
【0006】
加工用レーザ光およびガイドレーザ光は、マスク24を経る際にその開口部24aを通過することによって、その形状が例えば真円に近い形状等、加工穴形状と対応するように成形される。一般的に、マスク透過(通過)後のレーザ光は、ある程度の拡角を有してしまうため、コリメータレンズ等によって平行光として再成形する必要がある。このため、成形後のレーザ光は、当該光をコリメータレンズ28に入射するように、全反射ミラー26によって再度その向きを変える。コリメータレンズ27を介することによって平行光とされたレーザ光は、XYガルバノスキャナミラー28およびfθレンズ29によって、被加工物3上の任意の加工位置に達するようにその照射位置が移動される。XYガルバノスキャナミラーおよびfθレンズは、一体としてレーザ光の照射位置制御用光学系として作用する。
【0007】
制御系10は、ガルバノスキャナ制御部12、画像処理部13、駆動系制御部14、およびこれら各部を制御すると共に当該制御と同期してレーザ発振器等を制御する主制御部とから構成される。ガルバノスキャナ制御部12は、XYガルバノスキャナミラー28と接続され、これらを制御することによってレーザ光の照射位置を制御している。画像処理部13は、カメラ5と接続されて当該カメラによって得られた画像から加工穴の状態、位置精度等を確認し、レーザ光のパルス数、強度に関連する情報を主制御部に対して出力している。駆動系処理部14は、XYステージ4を駆動し、被加工物上の穴開け予定位置がガルバノスキャナミラーによるレーザ光の照射可能範囲にはいるように被加工物3の位置を変更している。当該装置は、被加工物3の表面に、マスク24の形状を任意の縮小率で投影する構成とすることで、加工穴断面におけるテーパが少なく且つ真円に近い穴形状を得ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
当該装置に対して求められる加工穴の位置精度は、電子部品等の小型化に伴って高くなり、近年では±30μm以内の値が求められている。この要求位置精度および同時に求められるであろう形状の精度は、今後さらに高くなっていくと考えられる。このため、前述のガルバノスキャナミラーによるレーザ光の照射可能範囲は、この位置精度等を満たすために狭くなる傾向にある。ここで、加工装置に対して高精度化が求められると同時に、加工効率を高める観点から被加工物はより大型化する傾向にある。以上の事項を勘案し、前述の加工装置においては、通常XYステージを大型化して被加工物を大きく移動させることによって、被加工物の大型化と前述の位置精度等に対応することとしていた。
【0009】
近年、加工効率の更なる向上を目的として、搬送用のシート上に被加工物であるグリーンシートを載置し、このシートを巻き取ることによってグリーンシートを効率的に搬送する方法が採用されている。このような搬送用シートをリール上に巻き取りながら、グリーンシートに対して穴開け等の加工を施す場合の装置構成について、その概念を図3および図4に示す。なお、これら図中においては、図面の簡略化のためにレーザ光の発振器あるいは光学系等を省略し、XYガルバノスキャナミラー28のみを代表的に示すこととしている。通常これら記述が省略された構成は、XYガルバノスキャナミラー28の位置に一体化して固定、支持されている。
【0010】
通常、当該搬送用シート8は、XYステージ4に対して真空吸着等によって固定されており、その状態でXYステージ4を駆動することによって被加工物3上の加工対象部分をレーザ光の照射可能範囲に移動させている。しかしながら、搬送用シート8の一部のみをその搬送方向と垂直な方向に移動させた場合、その部分を中心として搬送用シート8あるいは場合によっては被加工物3であるセラミックグリーンシートにストレスがかかってしまう。このため、これらシートの破損あるいはシートの固定状態が不安定になり位置精度が劣化するおそれがある。そこで、図3の装置構成においては、XYステージ4の移動に追随させて、搬送用シート8を巻き取るリール35、36自体を駆動することとしている。この場合、リールを駆動する構成が必要となり、装置構成が複雑化してしまう。
【0011】
また、図4に示す様に、リール35、36とXYステージ4との間隔を広げ、この部分に搬送用シート8をたるませたバッファ領域9を設けることによって、構成を簡略化し且つ搬送用シート等にかかるストレスの低減を図る場合もある。しかしながら、当該構成は、ストレスを無くすことはできず、位置精度が劣化する可能性を無くすことはできなかった。また、図3あるいは図4に示される構成は、必然的に装置構成を大型化してしまうという問題を常に有していた。
【0012】
本発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、簡略な構成であると共に大型化をすることなく、且つ高い位置精度を維持しながら、搬送用シート上に載置されたセラミックグリーンシート等に対して穴開け加工等を施すレーザ加工装置あるいは加工方法を提供することを目的としている。更には、当該方法を用いて、高い位置精度を伴った、セラミックグリーンシートからなる回路基板を製造することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係るレーザ加工装置は、被加工物に対してレーザ光を照射してその照射部分に加工を施すレーザ加工装置であって、レーザ光を発するレーザ発振器と前記レーザ光を平行光からなるレーザ光とするコリメート手段とを有する固定光学系と、平行光からなるレーザ光を受けると共にこれを反射して所定位置に導くスキャナミラー手段を有する被駆動光学系と、被加工物を支持すると共に、被加工物を所定の軸に沿って移動可能なステージとを有し、コリメート手段を介した後の平行光からなるレーザ光の光軸は、所定の軸から特定の距離を有し且つ所定の軸に対して垂直となる位置関係にあり、被駆動光学系は光軸に沿って駆動されることを特徴としている。
【0014】
なお、上記装置においては、固定光学系支持すると同時に、被駆動光学系を光軸に沿って駆動可能に支持するフレームをさらに有し、フレームは、所定の軸の両側に脚部を有する略アーチ構造を有することが好ましい。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明に係るレーザ加工方法は、被加工物に対してレーザ光を照射してその照射部分に加工を施すレーザ加工方法であって、レーザ発振器より発せられたレーザ光を平行光からなるレーザ光として、所定の光軸に沿って、照射位置がスキャン可能なミラー手段に導き、ミラー手段によって平行光からなるレーザ光を被加工物の所定の領域上に導いて加工を施し、ミラー手段を所定の光軸に沿って駆動後、平行光からなるレーザ光を被加工物における所定の領域とは異なる他の領域上に導いて加工を施すことを特徴としている。
【0016】
なお、上記方法においては、被加工物における所定の領域あるいは他の領域に対して加工を施す前後において、ミラー手段の所定の光軸に沿った駆動とは別個に、光軸に対して垂直な方向に被加工物が駆動されることが好ましい。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明に係る回路基板の製造方法は、レーザ発振器より発せられたレーザ光を平行光からなるレーザ光として、所定の光軸に沿って、照射位置がスキャン可能なミラー手段に導き、ミラー手段によって平行光からなるレーザ光をセラミックグリーンシート上の所定の領域上に導いて穴開け加工を施す第1の穴開け工程と、ミラー手段を所定の光軸に沿って駆動後、平行光からなるレーザ光をセラミックグリーンシートにおける所定の領域とは異なる他の領域上に導いて穴開け加工を施す第2の穴開け工程と、第1および第2の穴開け工程によってセラミックグリーンシート上に形成された穴に対して導電性ペーストを注入する工程とを有することを特徴としている。
【0018】
なお、上記方法においては、セラミックグリーンシートを所定の光軸とは垂直な光軸に沿って駆動し、さらに第1および第2の穴開け工程を繰り返す工程を更に含むことが好ましい。
【0019】
【実施例】
図1に、本発明にかかるレーザ加工装置の概略構成を示す。なお、図2に示した従来装置における各構成と同一の作用を果たす構成については、同一の参照符号を用いることとし、その説明については省略することとする。また、被加工物としてのセラミックグリーンシートは、搬送用のシート31上に載置されており、この搬送用シート8が巻かれた第1および第2のリール35、36を回転することによって移動されている。ステージ34は、シートを真空吸着等によって固定可能であると共に、図中矢印Xで示すシートの搬送方向と一致するX方向(所定方向)にのみ駆動可能となっている。
【0020】
本実施例においては、レーザを発信し且つグリーンシート3上の所定位置に導く光学系は、固定光学系である固定部41と被駆動光学系である駆動部42とに分離されている。固定部41は、レーザ発振器1およびガイドレーザ発振器12から、レーザ光を平行光からなるものとするコリメート手段であるコリメータレンズ27までで構成され、略一体化されて後述するフレーム45に対して固定されている。なお、当該固定部41には従来例において示した構成と異なり、全反射ミラー31、32が配置されているが、これらミラーはレーザ光をコリメータレンズ27に対して所定方向から入射させるために付加されたものである。
【0021】
駆動部42は、レーザ光を受けてこれを所定の照射位置にスキャン可能なミラー手段であるXYガルバノスキャナミラー28、および照射されるレーザ光の光径等を調整するfθレンズ29から構成されている。当該駆動部42は、不図示の駆動装置によって、フレーム上を、シートの搬送方向に対して垂直な、図中矢印Yで示すY方向に駆動される。より詳細には、当該駆動部42は、コリメータレンズ27を介して駆動部に導かれるレーザ光の光軸と平行に駆動される。すなわち、コリメータ27を介した後のレーザ光の光軸と一致するスキャナミラーの駆動軸と、グリーンシート3が沿って搬送される駆動軸とは、特定の距離を有すると共に垂直となる位置関係を有する。
【0022】
通常、駆動される光学系に対してレーザ光を導く場合、光ファイバーが用いされる。しかしながら、当該光学系の駆動量が大きく、光ファイバーの曲げ量が大きくなる場合には、曲げストレスによって光ファイバーが破損する等の可能性がある。従って、今後被加工物が大型化し、被駆動光学系の駆動量が大きくなる蓋然性の高い本装置に対しては、光ファイバーの適用は好ましくない。また、光ファイバーは、その特性に応じた特定波長を有するレーザ光の伝達には適するが、それ以外の波長からなるレーザ光の伝達効率が低下する場合が多い。このため、光ファイバを用いることによって、使用可能なレーザ光がの波長領域が特定されてしまい、装置としての汎用性も低下してしまう。
【0023】
本発明においては、固定部41からのレーザ光射出部分にコリメータレンズ27を配置することによりレーザ光を平行光とし、この平行光をXYガルバノスキャナミラー28で受けることとしている。平行光としたレーザ光を受けるため、XYガルバノスキャナミラー28がレーザ光の光軸上を精度良く移動する限り、ガルバノスキャナミラー28には一定強度、一定のエネルギー分布および一定のビーム照射域を有するレーザ光が導かれることとなる。
【0024】
なお、レーザ光は、通常レーザ発振器からの照射初期において、当該照射時に生じた回折光あるいは高次成分を含んでいる。このため、レンズによる集光を行った際に集光性が悪化する、あるいは集光点周辺でのエネルギー密度に不均一性が生じる等の性質を有している。この様な自体を防止するために、光路長をある程度以上に設定する等の対策が多く採用されている。しかしながら、本発明においては、コリメータレンズから駆動部までの距離が大きく変化するために、その影響を低減するために従来のような対応を為すことは、装置の大型化を伴うために適当と思われない。そこで、本実施例においては、マスク24を設置し且つ発振器からコリメータレンズまでの光路長を予め適切な値とすることにより、これら回折光等の影響がコリメータレンズ以降には生じない、あるいは生じたとしても微々たるものとなるようにしている。
【0025】
当該構成の採用により、コリメータレンズ27と駆動部42(XYガルバノスキャナミラー)との間隔に影響されず、常に一定のエネルギー分布を有するレーザ光を駆動部に導くことが可能となる。従って、光ファイバ等を用いた場合と異なり、固定部と駆動部とを機械的に接続する必要がなくなり、駆動部における駆動領域の拡大あるいは駆動速度の高速化に容易に対応することできる。また、レーザ発振器の交換のみによって、あらゆる波長領域のレーザ光、例えば波長10.6μmの炭酸ガスレーザから波長200μmの紫外線レーザまでを容易に使用することができる。
【0026】
なお、本発明を実施する上で、XYガルバノスキャナミラーは常に所定の部位にてレーザ光を受ける必要がある。このため、駆動部は、駆動時においてレーザ光光軸に対する高い平行度、および高い真直度を保ち、且つ駆動時におけるヨーイング等の発生を極力低減させておくことが求められる。例えば、ヨーイング等によってfθレンズが0.1度傾くことによって、被加工物上のレーザ照射位置が数μmずれることも生じ得る。
【0027】
本発明を実施するために求められるスペックとして、例えば、前述の真直度は5μm以下に抑えることが好ましい。そこで、本実施例においては、レーザ発振器、光学系等を、従来の片持ち梁状のフレームではなく、より剛性の高い形状でからなる門型のフレーム45の上部に配置することとしている。さらに、フレーム45自体の剛性を高めることが必要であるために、フレームを鋳造による一体構造からなるものとして構成している。なお、本実施例においては、鋳造フレームを用いているが、真直度等のスペックを満たし得る剛性を有するものであれば、例えば鉄パイプ等を溶接して構成されるフレーム等を用いても良い。
【0028】
また、装置設置時あるいは通常使用時において、真直度等の変化の検出あるいは補正を随時行える構成とすることが好ましい。本実施例においては、X軸ステージおよび駆動部に対してクローズドタイプのリニアスケールを設置し、常に位置のフィードバックを行いながら駆動部等の制御を行うことが好ましい。また、この検出工程において、駆動部に配置されたカメラ5を用いても良い。
【0029】
次に、本発明に係るレーザ加工装置を用いて、搬送用シート8上に載置されたセラミックグリーンシート3に対して穴開け加工を施す工程、すなわち回路基板の製造方法について述べる。まず、搬送用シート8の巻き取りリール35、36等が回転され、搬送用シート8上における本工程における加工対象であるグリーンシート3が、初期位置にあるXステージ34上の所定位置上で停止される。当該停止位置において、グリーンシート3は搬送用シート8と共に、例えば真空吸着によってXステージ34上に吸着固定される。
【0030】
続いて、初期位置にある駆動部42に取り付けられたカメラ5によって、固定されたグリーンシート3上に設けられた不図示の基準マークを撮像する。撮像された基準マークに関する画像処理を行うことにより、Xステージ34および駆動部42の停止位置に関する補正係数を演算し、演算結果を不図示のメモリに記憶する。記憶された補正係数に基づいてXステージ34および駆動部42を各々駆動し、XYガルバノスキャナミラー28の加工可能領域と所望の加工領域とを一致させる。
【0031】
その後、予め設定された加工パターン、レーザ加工条件等に応じて、レーザ光の照射位置が所定の加工位置に達するようにガルバノスキャナミラー28を駆動する。ここでレーザ発振器1のON/OFF制御等を行い、レーザ光をグリーンシート3上に照射して穴開け加工を行う。さらに、レーザ発振器1のON/OFF制御、ガルバノスキャナミラー28の駆動等を連続的に行い、所望の加工領域内の穴開け加工を実施する。
【0032】
所望の加工領域における穴開け加工終了後、Xステージ34あるいは駆動部42を単独で、あるいは両者を駆動し、新たな加工領域を加工可能領域と一致させる。続いて、当該加工領域のおける穴開け加工を前述の手順に従って実施する。以上の加工手順を複数回繰り返すことにより、グリーンシート3上における所望の被加工領域全てに対しての穴開け加工が行われる。当該穴開け加工が終了した後、Xステージ34によるグリーンシート3および搬送用シート8の固定状態が解除され、搬送リール35、36によって新たなグリーンシートが所定の固定位置まで搬送される。以下、ここで述べた手順が再度繰り返され、当該グリーンシートに対する穴開け加工が実施される。
【0033】
以上の工程の実施により、セラミックグリーンシート上の所定位置に貫通穴等が形成される。当該貫通穴等に電極となる導電ペーストを挿入し、必要に応じてこれらグリーンシートを積層、切断等の加工をさらに施した後に焼き固め、回路基板を作成する。
【0034】
本発明の実施により、図3あるいは4に示した従来のレーザ加工装置と比較して、装置設置面積が大幅に小さくなるレーザ加工装置を構築することが可能となる。また、被加工物の搬送系の簡略化と、いわゆるY軸方向の独立動作が可能となり、工程時間の大幅な短縮も可能となる。具体的には、本発明に係るレーザ加工装置を用い、上述の手順に従って実際に加工を行ったところ、図3あるいは4に示した従来の加工装置と比較して1割以上の加工時間の短縮が可能であった。
【0035】
なお、上述の実施例において、固定部における光学系の構成を図示しているが、これらはあくまで一例である。従って、複数のマスクの使用、ホモジナイザ等の更なる光学素子の付加、異なる特性を有したレーザ光の導入を可能とする複数の光路系の併用等、種々の構成からなる光学系を用いることが可能である。また、コリメータレンズ27の種類等について特に述べていないが、例えば、マスクによって生じたレーザ光の拡角をなくすために凹レンズを用いることとしても良い。すなわち、コリメータレンズ射出時に平行光からなるレーザ光が得られるものであれば、凹レンズ、凸レンズ等単独から構成されたものあるいはこれらを複数併用して構成されたもの等、種々のレンズを用いることが可能である。さらに、スキャン可能なミラー手段としてXYガルバノスキャナミラーを用いているが、デジタルスキャナミラーと、スキャン可能な種々のミラー手段をその要求される精度等に応じて用いることが好ましい。
【0036】
また、本実施例においては、フレーム自体には、駆動部に関してのX軸方向についての補正機能を何ら付加していない。しかしながら、駆動部を支持し且つ駆動部のY方向の動きを規定するレール等の構成に補正機構を付加し、Y軸とレーザ光光軸との平行度の微調整が可能となるようにしても良い。また、本実施例においては、被加工物は、連続的に巻き取られる搬送用シート上に載置されることとしている。しかしながら、被加工物の形状あるいは搬送形式はこれに限定されず、カード状の被加工物を個々にXステージ上に搬送し、加工を行う構成としても良い。また、本実施例は、被加工物に対する穴開け加工を例としたものであるが、本発明はこれに限られず、被加工物に対して切断、印字等の種々の加工を施す加工装置に対し適用されても良い。
【0037】
【本発明の効果】
本発明の実施により、連続するシート状の被加工物あるいは大面積を有する被加工物に対して加工を施す場合であって、簡略な構成からなる搬送系により、高速且つ高精度に加工を施すことが可能となる。また、加工装置の小型化且つ装置構築時のコスト削減も同時に達成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るレーザ加工装置の概略構成を示す図である。
【図2】従来から用いられるレーザ加工装置の概略構成を示す図である。
【図3】従来から用いられるレーザ加工装置の概略構成を示す図である。
【図4】従来から用いられるレーザ加工装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1 レーザ発振器
2 ガイドレーザ発振器
3 被加工物(セラミックグリーンシート)
4 XYステージ
5 カメラ
8 搬送用シート
9 バッファ領域
10 制御系
11 制御部
12 ガルバノスキャナ制御部
13 画像処理部
14 駆動系制御部
21、23、26、31、32  全反射ミラー
22 ダイクロイックミラー
24 マスク
27 コリメータレンズ
28 XYガルバノスキャナミラー
29 fθレンズ
34 Xステージ
35、36 搬送用リール
41 固定部
42 駆動部
45 フレーム

Claims (6)

  1. 被加工物に対してレーザ光を照射してその照射部分に加工を施すレーザ加工装置であって、
    レーザ光を発するレーザ発振器と前記レーザ光を平行光からなるレーザ光とするコリメート手段とを有する固定光学系と、
    前記平行光からなるレーザ光を受けると共にこれを反射して所定位置に導くスキャナミラー手段を有する被駆動光学系と、
    前記被加工物を支持すると共に、前記被加工物を所定の軸に沿って移動可能なステージとを有し、
    前記コリメート手段を介した後の前記平行光からなるレーザ光の光軸は、前記所定の軸から特定の距離を有し且つ前記所定の軸に対して垂直となる位置関係にあり、前記被駆動光学系は前記光軸に沿って駆動されることを特徴とするレーザ加工装置。
  2. 前記固定光学系支持すると同時に、前記被駆動光学系を前記光軸に沿って駆動可能に支持するフレームをさらに有し、前記フレームは、前記所定の軸の両側に脚部を有する略アーチ構造を有することを特徴とする請求項1記載のレーザ加工装置。
  3. 被加工物に対してレーザ光を照射してその照射部分に加工を施すレーザ加工方法であって、
    レーザ発振器より発せられたレーザ光を平行光からなるレーザ光として、所定の光軸に沿って、照射位置がスキャン可能なミラー手段に導き、
    前記ミラー手段によって前記平行光からなるレーザ光を前記被加工物の所定の領域上に導いて前記加工を施し、
    前記ミラー手段を前記所定の光軸に沿って駆動後、前記平行光からなるレーザ光を前記被加工物における前記所定の領域とは異なる他の領域上に導いて前記加工を施すことを特徴とするレーザ加工方法。
  4. 前記被加工物における前記所定の領域あるいは前記他の領域に対して前記加工を施す前後において、前記ミラー手段の前記所定の光軸に沿った駆動とは別個に、前記光軸に対して垂直な方向に前記被加工物が駆動されることを特徴とする請求項3記載のレーザ加工方法。
  5. 回路基板の製造方法であって、
    レーザ発振器より発せられたレーザ光を平行光からなるレーザ光として、所定の光軸に沿って、照射位置がスキャン可能なミラー手段に導き、
    前記ミラー手段によって前記平行光からなるレーザ光をセラミックグリーンシート上の所定の領域上に導いて穴開け加工を施す第1の穴開け工程と、
    前記ミラー手段を前記所定の光軸に沿って駆動後、前記平行光からなるレーザ光を前記セラミックグリーンシートにおける前記所定の領域とは異なる他の領域上に導いて前記穴開け加工を施す第2の穴開け工程と、
    前記第1および第2の穴開け工程によってセラミックグリーンシート上に形成された穴に対して導電性ペーストを注入する工程とを有することを特徴とする回路基板の製造方法。
  6. 前記セラミックグリーンシートを前記所定の光軸とは垂直な光軸に沿って駆動し、さらに前記第1および第2の穴開け工程を繰り返す工程を更に含むことを特徴とする請求項5記載の回路基板の製造方法。
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