JP2004086598A - 診断支援装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】入力画像に応じてノイズ除去範囲を適時変更することができる画像処理装置を得ることを目的とする。
【解決手段】原画像を複数の周波数帯に分解し、上記周波数帯毎の係数を算出する周波数係数分解回路113と、周波数係数分解回路113で算出した係数のうち、原画像の特定座標に対応する係数から、特定座標の特徴量を算出する特徴量算出回路114と、特徴量算出回路114で算出した特徴量から、特定座標に対応する画像成分がノイズであるか非ノイズであるかを判別する客観的な指標を算出する判別回路115と、判別回路115で算出した客観的な指標に基づき、ノイズ抑制処理を行うノイズ抑制回路116とを備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】原画像を複数の周波数帯に分解し、上記周波数帯毎の係数を算出する周波数係数分解回路113と、周波数係数分解回路113で算出した係数のうち、原画像の特定座標に対応する係数から、特定座標の特徴量を算出する特徴量算出回路114と、特徴量算出回路114で算出した特徴量から、特定座標に対応する画像成分がノイズであるか非ノイズであるかを判別する客観的な指標を算出する判別回路115と、判別回路115で算出した客観的な指標に基づき、ノイズ抑制処理を行うノイズ抑制回路116とを備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノイズ除去を行う画像処理装置に関し、特にノイズ又は非ノイズであるかを判別する機能を有すると共に、そのノイズ度に応じてノイズ抑制処理を行う画像処理装置を備えた診断支援装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年のデジタル技術の進歩により放射線画像をデジタル画像信号(以後デジタル画像信号の値を画素値と呼ぶ)に変換し、該デジタル画像信号に画像処理を行いCRT等に表示、あるいはフィルム出力することが行われている。
【0003】
ところで、放射線画像においては、X線到達量に応じてS/N比が一般的に変化し、X線到達量が少なくなるに従いS/N比が悪くなる。このため、X線到達量の少ない画像領域ではノイズ成分が大きくなり、このノイズ成分により診断能の低下を引き起こす場合がある。
【0004】
このようにX線到達量が少ない領域でのノイズ低減方法として、例えば、特願昭61−70595号公報に記載される方法がある。この方法は高周波成分を任意に低減しうる高周波成分低減手段に入力するとともに、該画像信号のレベルを1画像内で連続的に検出して、それを規格化情報に基づいてレベル補正し、前記高周波成分低減手段により前記画像信号の高周波成分を、前記レベル補正後の検出レベルがより低い信号部分ほど、より大きい低減度で低減させることを特徴としており、画像信号のノイズを低減するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の方法では、レベル補正後の信号が低減するに従い、単調に高周波成分が低減するように電気手段で構成されているため、一度、電気信号からノイズを除去するとノイズ除去前の信号を得ることが出来ない。そのため、一度ノイズ除去処理を行うと修正できない問題がある。
【0006】
また、一般に放射線画像は、被写体や撮影条件により、ノイズを生じる範囲及びノイズ除去したい範囲は異なる。そのため、画像毎に適切にノイズ領域を指摘し、ノイズ除去したい範囲を画像毎に適切に調整したい場合が生じる。しかし、上述の方法であると、画像全体のノイズ分布等に応じてノイズ除去範囲を指定できないため、適切な範囲でノイズ除去を行えない問題がある。
【0007】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、入力画像に応じてノイズ除去範囲を適時変更することができる画像処理装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像処理装置は、原画像を複数の周波数帯に分解し、前記周波数帯毎の係数を算出する周波数係数分解手段と、前記周波数係数分解手段で算出した係数のうち、前記原画像の特定座標に対応する係数から、前記特定座標の特徴量を算出する特徴量算出手段と、前記特徴量算出手段で算出した特徴量から、前記特定座標に対応する画像成分がノイズであるか非ノイズであるかを判別する客観的な指標を算出する判別手段とを備えることを特徴としている。
【0009】
また、本発明の他の特徴とするところは、原画像を複数の周波数帯に分解し、前記周波数帯毎の係数を算出する周波数係数分解手段と、前記周波数係数分解手段で算出した係数のうち、前記原画像の特定座標に対応する係数から、前記特定座標の特徴量を算出する特徴量算出手段と、前記特徴量算出手段で算出した特徴量から、前記特定座標に対応する画像成分がノイズであるか非ノイズであるかを判別する客観的な指標を算出する判別手段と、前記判別手段で算出した客観的な指標に基づき、ノイズ抑制処理を行うノイズ抑制手段を備えることを特徴としている。
【0010】
また、本発明の他の特徴とするところは、前記判別手段での指標として線形判別関数の値又はマハラノビスの距離を用いることを特徴としている。
【0011】
また、本発明の他の特徴とするところは、前記ノイズ抑制手段でのノイズ抑制方法として遮断方法を用いることを特徴としている。
【0012】
また、本発明の他の特徴とするところは、前記ノイズ抑制手段でのノイズ抑制方法として遮断方法を用いると共に、判別関数での指標に基づき遮断の範囲を変更することを特徴としている。
【0013】
また、本発明の他の特徴とするところは、前記ノイズ抑制手段でのノイズ抑制方法としてノイズ座標に対応する係数を周辺の係数を用いて平滑化した係数に置き換える方法を用いることを特徴としている。
【0014】
また、本発明の他の特徴とするところは、前記ノイズ抑制手段でのノイズ抑制方法としてノイズ座標に対応する係数を周辺の係数を用いて平滑化した係数に置き換える方法を用いると共に、判別関数での指標に基づき平滑化するために用いる係数の範囲を変更することを特徴としている。
【0015】
また、本発明の他の特徴とするところは、前記特徴量算出手段で計算する特徴量として、前記原画像中の座標点に該当する係数空間上での点から所定範囲の平均値を計算し、前記平均値と前記原画像中の座標点に該当する係数空間上での点の係数の値の差、前記原画像中の座標点に該当する係数空間上での点から所定範囲の中間値を計算し、当該中間均値と前記原画像中の座標点に該当する係数空間上での点の係数の値の差、及び前記原画像中の座標点に該当する係数空間上での点から所定範囲の分散、標準偏差の少なくともいずれか1以上の値を用いることを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施の形態によるX線撮影装置100を示す。すなわち、X線撮影装置100は、ノイズを抑制する画像処理機能を有するX線の撮影装置であり、前処理回路106、CPU108、メインメモリ109、操作パネル110、画像処理回路112を備えており、CPUバス107を介して互いにデータ授受されるようになされている。
【0017】
また、画像処理回路112において、113は、画像を、ウエーブレット変換処理を用いて複数の周波数帯域に分解し、周波数帯域毎の係数を算出する周波数係数分解回路であり、114は周波数係数分解回路113で算出し周波数係数からノイズか非ノイズかを判別するための特徴量を算出する特徴量算出回路、115は特徴量算出回路114で算出した特徴量から客観的な指標を算出する判別回路である。そして、116はノイズを抑制するノイズ抑制回路である。
【0018】
また、X線撮影装置100は、前処理回路106に接続されたデータ収集回路105と、データ収集回路105に接続された2次元X線センサ104及びX線発生回路101とを備えており、これらの各回路はCPUバス107にも接続されている。
【0019】
図2は、特徴量算出回路114で算出された特徴量のノイズパターンと非ノイズパターンの一例を示す図であり、横軸が分解レベルごとの係数帯名を示し、縦軸がそれぞれの係数帯に対応する特徴量を示す。
【0020】
図3は、本発明の実施の形態において、判別回路115内の判別関数を作成するための処理の流れを示すフローチャートである。
図4は、判別回路115の判別関数を作成後に、ノイズ、非ノイズの判別を行ってノイズ抑制処理を行う処理の流れを示したフローチャートである。
【0021】
図5(a)は、周波数係数分解回路113で、多重周波数の高周波係数に分解する回路構成図、同図(b)は周波数帯毎の係数、同図(c)は多重周波数の高周波係数を合成する回路構成図を示す。
【0022】
図6はノイズを抑制するための係数の遮断処理を示す図であり、横軸が入力係数、縦軸が出力係数を示す図であり、図中の601が遮断の範囲を示す。この図において遮断の範囲601が大きくなるほど、ノイズ抑制の効果が強くなるものである。
【0023】
図7は判別回路115で作成された線形判別関数を用いた指標と、遮断の幅601の関係を示すものであり、線形判別関数の値が大きくなるほど遮断の幅601を大きくするものである。ここでは線形判別関数の値が0付近でノイズ、非ノイズの境界を示し、指標の値が大きくなる程、ノイズの程度が高くなるものとする。従って、指標の値が小さくなるほど非ノイズ度が高くなるものとする。
【0024】
上述の様なX線撮影装置100において、まず、メインメモリ109は、CPU108での処理に必要な各種のデータなどが記憶されるものであると共に、CPU108の作業用としてのワークメモリを含む。
CPU108は、メインメモリ109を用いて、操作パネル110からの操作にしたがった装置全体の動作制御等を行う。これにより、X線撮影装置100は、以下のように動作する。
【0025】
先ず、X線発生回路101は、被検査体(被写体)103に対して、X線ビーム102を放射する。
X線発生回路101から放射されたX線ビーム102は、被検査体(被写体)103を減衰しながら透過して、2次元X線センサ104に到達し、2次元X線センサ104によりX線画像として出力される。ここでは、2次元X線センサ104から出力されるX線画像を、例えば人体画像等とする。
【0026】
データ収集回路105は、2次元X線センサ104から出力されたX線画像を電気信号に変換して、前処理回路106に供給する。前処理回路106は、データ収集回路105からの信号(X線画像信号)に対して、オフセット補正処理やゲイン補正処理等の前処理を行う。この前処理回路106で前処理が行われたX線画像信号は原画像として、CPU108の制御により、CPUバス107を介して、メインメモリ109に保存されるとともに、画像処理回路112に転送される。
【0027】
ここで、まず判別回路115で判別関数を作成するたの処理の流れを図3のフローチャートに従い説明する。判別関数を作成するたの処理は、上述の撮影叉は他の撮影器であらかじめ撮影して保存されるデータを用いて行う。
【0028】
まず、表示機111は、腫瘍が撮影されている保存画像を順次表示画面に表示する(s301)。そして、周波数係数分解回路113は表示される画像を順次、離散ウェーブレット変換を用いて周波数分解処理を行う。この動作は以下の様になる。
【0029】
周波数係数分解回路113は、入力した画像に対して2次元の離散ウェーブレット変換処理を行い、変換係数を計算して出力するものである。本実施の形態における周波数係数分解回路113の処理の構成は、図5(a)に示すものとする。
【0030】
同図において、入力された画像信号は遅延素子およびダウンサンプラの組み合わせにより、偶数アドレスおよび奇数アドレスの信号に分離され、2つのフィルタpおよびuによりフィルタ処理が施される。同図のsおよびdは、各々1次元の画像信号に対して、1レベルの分解を行った際のローパス係数およびハイパス係数を表しており、次式により計算されるものとする。
【0031】
d(n) = x(2*n+1) − floor((x(2*n)+x(2*n+2))/2) ……… (式1)
s(n) = x(2*n) + floor((d(n−1)+d(n))/4) … (式2)
ただし、x(n)は変換対象となる画像信号である。
【0032】
以上の処理により、画像信号に対する1次元の離散離散ウェーブレット変換処理が行われる。2次元の離散ウェーブレット変換は、1次元の変換を画像の水平、垂直方向に対して順次行うものであり、その詳細は公知であるのでここでは説明を省略する。
【0033】
図5(b)は、2次元の変換処理により得られる2レベルの変換係数群の構成例であり、画像信号は異なる周波数帯域の係数列HH1,HL1,LH1,...,LLに分解される(s302)。
本実施の形態では、5レベルまでの周波数分解処理を行うものとし、異なる周波数帯域の係数列HH1、HH2、HH3、HH4、HH5、HL1、HL2、HL3、HL4、HL5、HR1、HR2、HR3、HR4、HR5を用いる。離散ウェーブレット変換は局所領域の周波数に高速に分解するのに適しているものである。そのため、ウェーブレット変換を用いることで、画像の局所領域の周波数的な特徴を抽出できる効果がある。
【0034】
次に、図示しない指示手段で表示器111で表示された画像から特定領域を指示する。例えば、表示器111で表示される画像中、明らかにノイズと観察できる座標を指示すると共に、明らかに非ノイズと観察される座標を指示するものである(s303)。
【0035】
そして、特徴量算出回路114は、指示手段で指示された点から座標的に一定領域内にある各係数列中の係数を抽出する(s304)。ここでは所定領域として指示手段で指示された点から同心円状にある領域とするものであり、係数空間上の係数は、原画像上の座標と一意に対応しているものである。
【0036】
そして、特徴量算出回路114は、各係数列毎に上述の同心円内にある係数の平均値を求め、その平均値と指示した座標に対応する係数空間上の係数の値との差を計算する。また、各係数列毎に上述の同心円内にある係数の中間値を求め、その中間地と指示した座標に対応する係数空間上の係数の値との差を計算する。また、各係数列毎に上述の同心円内にある係数の分散値、標準偏差値を求める。
【0037】
これらを特徴量とし、ノイズ又は非ノイズのあらかじめカテゴライズされている情報を入力する。例えばノイズはカテゴリ1を、非ノイズの場合には0をキーボード等から入力すると共に、前記の特徴量とカテゴリを保存する(s306、307)。
【0038】
そして、さらに違う画像を表示し、s301からs307までの処理を、保存画像に対して繰り返す(s308)。この場合、ノイズ、非ノイズの数としては統計処理上、有為な数となることが望ましく、通常数百例ぐらいあるほうが好ましい。また、保存される各特徴量は、各特徴量ごとの最大値と最小値で正規化し、例えば0から1の間の値にしておくことが好ましい。
【0039】
次に、上記(1)式に示す線形式を、例えば「多変量解析のはなし」石村他、東京図書株式会社、1995、p127〜p150に記載される線形判別分析を用いて作成する(s309)。
【0040】
【数1】
ここで、Anが算出する判別係数であり、Zが線形判別関数の出力値であり、判別回路115で算出する指標とするものである。Hnが上述した特徴量に対応する。
ここでは特徴量は、仮にX個あるとするが、特徴量の数や種類は適時判別の分類精度を考慮して実験的に決めることができる。
【0041】
説明変量には、特徴量算出回路114で算出した特徴量を用い、H1が一次係数の平均値、H2が二次係数の平均値、H3が一次係数の平均値、H4が二次係数の平均値、H5が一次係数の平均値を示す。目的変量には、カテゴリ1,0を用いる。そして、s307で保存した数百症例分の値を用いて、回帰係数を算出する(s308)。
【0042】
この線形判別式では、Z=0がノイズと非ノイズの境界を示し、Zが大きいほどノイズ度が高く、Zがマイナスの値であり、小さいほど非ノイズ度が高くなるように線形判別式は作成されているものとする。
また、例えば同上の資料中のP.150〜P.166に記載されているように、マハラノビスの距離による判別分析を用いても良い。この場合にはノイズグループからのマハラノビスの距離を指標とするものである。
【0043】
次に、図4の処理の流れに従い、ノイズ抑制処理の流れについて説明する。
尚、図3の処理の流れの中で説明した処理と同一の処理には、同一の番号を付して説明を省略する。
【0044】
入力画像を周波数係数分解回路113で周波数に分解し(s302)、特徴量算出回路114は特定領域中の周波数係数を抽出し、抽出した係数から特徴量を算出する(s304、s305)。そして、判別回路115は、線形判別式(式3)に算出した特徴量を入力し、目的量を算出する。
【0045】
ここで、算出された目的量がマイナス、つまり非ノイズであったなら何もせず、プラスであったならその座標に対応する係数を図6に示す遮断関数で係数を変更する。
【0046】
ここで、ノイズ、非ノイズの判定は全画像、つまり全画素値に対して行うものであり、また、全画素値の座標に対応する係数領域が得られ、全画素値に対応する特徴量が計算されるものである。例えば、座標(x、y)に対する係数空間上の座標は位置に定まり、その定まった係数空間上の係数から画素値の座標に一意に対応する特徴量が計算され、ノイズ度の指標が計算されるものである。
なお、図7で示すようにノイズ度が高いほど遮断601の幅を大きくするため、ノイズ度が高いほどノイズ抑制の効果が高くなるものである。
【0047】
さらに、別のノイズ抑制の方法として、係数空間上でノイズの画像に対応する係数の値を、その係数を中心とする一定範囲の係数の平均値に置き換えても、ノイズ抑制効果があることが知られている。この効果を用いてノイズ抑制を効果的に抑えることが可能であり、この場合にはその係数を中心とする一定範囲の係数の領域を、前述のZの値により変更することにより、ノイズ抑制の効果を調整できる。すなわち、Zの値が高いほど、係数の平均値を求める範囲を広く取るものである。
【0048】
上述の処理は、各係数列、つまり異なる周波数帯域の係数列HH1、HH2、HH3、HH4、HH5、HL1、HL2、HL3、HL4、HL5、HR1、HR2、HR3、HR4、HR5全てに行われるものであり、各係数列毎に遮断の幅601、係数の平均を求める範囲を変更するものである。
また、特に、高周波成分に対応する異なった周波数帯域の係数列、例えばHH1、HH2、HH3、HL1、HL2、HL3、HR1、HR2、HR3等だけにおこなっても有効である。
【0049】
そして、図示されない復元回路では、ノイズ抑制回路116で変更された高周波係数に基づき、逆離散ウェーブレット変換処理を行う。入力された係数はuおよびpの2つのフィルタ処理を施され、アップサンプリングされた後に重ね合わされて画像信号x’が出力される。これらの処理は次式により行われる。
【0050】
x’(2*n) = s’(n) − floor ((d’(n−1) + d’(n))/4) ……… (式4)
x’(2*n+1) = d’(n) + floor ((x’(2*n) + x’(2*n+2))/2) ……… (式5)
【0051】
以上の処理により、変換係数に対する1次元の逆離散ウェーブレット変換処理が行われる。2次元の逆離散ウェーブレット変換は、1次元の逆変換を画像の水平、垂直方向に対して順次行うものであり、その詳細は公知であるのでここでは説明を省略する。この復元処理によりノイズが抑制された画像が作成される。
【0052】
以上の様に、本実施の形態によれば、ノイズ、非ノイズが係数列から算出される特徴量のパターンとして表現されるため、このパターンを統計的に分析(判別分析)することでノイズ、非ノイズに精度よく分類できる効果がある。
【0053】
また、判別分析を用いることによりノイズらしさを客観的に指標化できる効果もある。
さらに、ノイズらしさを指標として客観的にあらわしたために、ノイズ抑制効果をノイズらしさに対応して調整できるため、ノイズ抑制を効率よく行える効果がある。
また、特に遮断の幅を、ノイズらしさに応じて変更したため、ノイズ度に応じて効率よくノイズ抑制を行うことができる。このことはノイズでない領域の係数を変更しないため、画像情報の変更を極力抑えることができる効果がある。
【0054】
また、係数をその平均値に置き換えることでノイズ抑制効果を適切にもたせることが可能である。また、係数の平均値を計算する領域をノイズ度に応じて変更できるため,効率よくノイズ抑制を行える効果がある。
【0055】
また、各係数列毎に上述の同心円内にある係数の平均値を求め、その平均値と指示した座標に対応する係数空間上の係数の値との差、各係数列毎に上述の同心円内にある係数の中間値を求め、その中間地と指示した座標に対応する係数空間上の係数の値との差、各係数列毎における上述の同心円内にある係数の分散値、標準偏差値を特徴量としたことによりノイズをパターンとして表現できるので、ノイズの分離精度が上がる効果がある。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、原画像を複数の周波数帯に分解した上で、原画像の特定座標に対応する係数からその特定座標の特徴量を算出し、特定座標に対応する画像成分がノイズであるか非ノイズであるかを判別するため、入力原画像に応じてノイズ除去範囲を適時変更することができる画像処理装置を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による画像処理装置を示した図である。
【図2】ノイズ、非ノイズパターンの特徴を示す図である。
【図3】判別関数を作成するための処理手順を示すフローチャートである。
【図4】ノイズ抑制処理ための処理手順を示すフローチャートである。
【図5】離散ウェーブレット変換の説明図である。
【図6】係数を遮断するための関数を示す図である。
【図7】遮断の幅と指標との関係を示す図である。
【図8】図3で示した判別関数を作成するための処理手順を、腫瘍の判別に適用した場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】図4で示したノイズ抑制処理ための処理手順を、腫瘍の判別におけるノイズ抑制処理に適用した場合の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
112 画像処理回路
113 周波数係数分解回路
114 特徴量算出回路
115 判別回路
116 ノイズ抑制回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノイズ除去を行う画像処理装置に関し、特にノイズ又は非ノイズであるかを判別する機能を有すると共に、そのノイズ度に応じてノイズ抑制処理を行う画像処理装置を備えた診断支援装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年のデジタル技術の進歩により放射線画像をデジタル画像信号(以後デジタル画像信号の値を画素値と呼ぶ)に変換し、該デジタル画像信号に画像処理を行いCRT等に表示、あるいはフィルム出力することが行われている。
【0003】
ところで、放射線画像においては、X線到達量に応じてS/N比が一般的に変化し、X線到達量が少なくなるに従いS/N比が悪くなる。このため、X線到達量の少ない画像領域ではノイズ成分が大きくなり、このノイズ成分により診断能の低下を引き起こす場合がある。
【0004】
このようにX線到達量が少ない領域でのノイズ低減方法として、例えば、特願昭61−70595号公報に記載される方法がある。この方法は高周波成分を任意に低減しうる高周波成分低減手段に入力するとともに、該画像信号のレベルを1画像内で連続的に検出して、それを規格化情報に基づいてレベル補正し、前記高周波成分低減手段により前記画像信号の高周波成分を、前記レベル補正後の検出レベルがより低い信号部分ほど、より大きい低減度で低減させることを特徴としており、画像信号のノイズを低減するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の方法では、レベル補正後の信号が低減するに従い、単調に高周波成分が低減するように電気手段で構成されているため、一度、電気信号からノイズを除去するとノイズ除去前の信号を得ることが出来ない。そのため、一度ノイズ除去処理を行うと修正できない問題がある。
【0006】
また、一般に放射線画像は、被写体や撮影条件により、ノイズを生じる範囲及びノイズ除去したい範囲は異なる。そのため、画像毎に適切にノイズ領域を指摘し、ノイズ除去したい範囲を画像毎に適切に調整したい場合が生じる。しかし、上述の方法であると、画像全体のノイズ分布等に応じてノイズ除去範囲を指定できないため、適切な範囲でノイズ除去を行えない問題がある。
【0007】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、入力画像に応じてノイズ除去範囲を適時変更することができる画像処理装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像処理装置は、原画像を複数の周波数帯に分解し、前記周波数帯毎の係数を算出する周波数係数分解手段と、前記周波数係数分解手段で算出した係数のうち、前記原画像の特定座標に対応する係数から、前記特定座標の特徴量を算出する特徴量算出手段と、前記特徴量算出手段で算出した特徴量から、前記特定座標に対応する画像成分がノイズであるか非ノイズであるかを判別する客観的な指標を算出する判別手段とを備えることを特徴としている。
【0009】
また、本発明の他の特徴とするところは、原画像を複数の周波数帯に分解し、前記周波数帯毎の係数を算出する周波数係数分解手段と、前記周波数係数分解手段で算出した係数のうち、前記原画像の特定座標に対応する係数から、前記特定座標の特徴量を算出する特徴量算出手段と、前記特徴量算出手段で算出した特徴量から、前記特定座標に対応する画像成分がノイズであるか非ノイズであるかを判別する客観的な指標を算出する判別手段と、前記判別手段で算出した客観的な指標に基づき、ノイズ抑制処理を行うノイズ抑制手段を備えることを特徴としている。
【0010】
また、本発明の他の特徴とするところは、前記判別手段での指標として線形判別関数の値又はマハラノビスの距離を用いることを特徴としている。
【0011】
また、本発明の他の特徴とするところは、前記ノイズ抑制手段でのノイズ抑制方法として遮断方法を用いることを特徴としている。
【0012】
また、本発明の他の特徴とするところは、前記ノイズ抑制手段でのノイズ抑制方法として遮断方法を用いると共に、判別関数での指標に基づき遮断の範囲を変更することを特徴としている。
【0013】
また、本発明の他の特徴とするところは、前記ノイズ抑制手段でのノイズ抑制方法としてノイズ座標に対応する係数を周辺の係数を用いて平滑化した係数に置き換える方法を用いることを特徴としている。
【0014】
また、本発明の他の特徴とするところは、前記ノイズ抑制手段でのノイズ抑制方法としてノイズ座標に対応する係数を周辺の係数を用いて平滑化した係数に置き換える方法を用いると共に、判別関数での指標に基づき平滑化するために用いる係数の範囲を変更することを特徴としている。
【0015】
また、本発明の他の特徴とするところは、前記特徴量算出手段で計算する特徴量として、前記原画像中の座標点に該当する係数空間上での点から所定範囲の平均値を計算し、前記平均値と前記原画像中の座標点に該当する係数空間上での点の係数の値の差、前記原画像中の座標点に該当する係数空間上での点から所定範囲の中間値を計算し、当該中間均値と前記原画像中の座標点に該当する係数空間上での点の係数の値の差、及び前記原画像中の座標点に該当する係数空間上での点から所定範囲の分散、標準偏差の少なくともいずれか1以上の値を用いることを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施の形態によるX線撮影装置100を示す。すなわち、X線撮影装置100は、ノイズを抑制する画像処理機能を有するX線の撮影装置であり、前処理回路106、CPU108、メインメモリ109、操作パネル110、画像処理回路112を備えており、CPUバス107を介して互いにデータ授受されるようになされている。
【0017】
また、画像処理回路112において、113は、画像を、ウエーブレット変換処理を用いて複数の周波数帯域に分解し、周波数帯域毎の係数を算出する周波数係数分解回路であり、114は周波数係数分解回路113で算出し周波数係数からノイズか非ノイズかを判別するための特徴量を算出する特徴量算出回路、115は特徴量算出回路114で算出した特徴量から客観的な指標を算出する判別回路である。そして、116はノイズを抑制するノイズ抑制回路である。
【0018】
また、X線撮影装置100は、前処理回路106に接続されたデータ収集回路105と、データ収集回路105に接続された2次元X線センサ104及びX線発生回路101とを備えており、これらの各回路はCPUバス107にも接続されている。
【0019】
図2は、特徴量算出回路114で算出された特徴量のノイズパターンと非ノイズパターンの一例を示す図であり、横軸が分解レベルごとの係数帯名を示し、縦軸がそれぞれの係数帯に対応する特徴量を示す。
【0020】
図3は、本発明の実施の形態において、判別回路115内の判別関数を作成するための処理の流れを示すフローチャートである。
図4は、判別回路115の判別関数を作成後に、ノイズ、非ノイズの判別を行ってノイズ抑制処理を行う処理の流れを示したフローチャートである。
【0021】
図5(a)は、周波数係数分解回路113で、多重周波数の高周波係数に分解する回路構成図、同図(b)は周波数帯毎の係数、同図(c)は多重周波数の高周波係数を合成する回路構成図を示す。
【0022】
図6はノイズを抑制するための係数の遮断処理を示す図であり、横軸が入力係数、縦軸が出力係数を示す図であり、図中の601が遮断の範囲を示す。この図において遮断の範囲601が大きくなるほど、ノイズ抑制の効果が強くなるものである。
【0023】
図7は判別回路115で作成された線形判別関数を用いた指標と、遮断の幅601の関係を示すものであり、線形判別関数の値が大きくなるほど遮断の幅601を大きくするものである。ここでは線形判別関数の値が0付近でノイズ、非ノイズの境界を示し、指標の値が大きくなる程、ノイズの程度が高くなるものとする。従って、指標の値が小さくなるほど非ノイズ度が高くなるものとする。
【0024】
上述の様なX線撮影装置100において、まず、メインメモリ109は、CPU108での処理に必要な各種のデータなどが記憶されるものであると共に、CPU108の作業用としてのワークメモリを含む。
CPU108は、メインメモリ109を用いて、操作パネル110からの操作にしたがった装置全体の動作制御等を行う。これにより、X線撮影装置100は、以下のように動作する。
【0025】
先ず、X線発生回路101は、被検査体(被写体)103に対して、X線ビーム102を放射する。
X線発生回路101から放射されたX線ビーム102は、被検査体(被写体)103を減衰しながら透過して、2次元X線センサ104に到達し、2次元X線センサ104によりX線画像として出力される。ここでは、2次元X線センサ104から出力されるX線画像を、例えば人体画像等とする。
【0026】
データ収集回路105は、2次元X線センサ104から出力されたX線画像を電気信号に変換して、前処理回路106に供給する。前処理回路106は、データ収集回路105からの信号(X線画像信号)に対して、オフセット補正処理やゲイン補正処理等の前処理を行う。この前処理回路106で前処理が行われたX線画像信号は原画像として、CPU108の制御により、CPUバス107を介して、メインメモリ109に保存されるとともに、画像処理回路112に転送される。
【0027】
ここで、まず判別回路115で判別関数を作成するたの処理の流れを図3のフローチャートに従い説明する。判別関数を作成するたの処理は、上述の撮影叉は他の撮影器であらかじめ撮影して保存されるデータを用いて行う。
【0028】
まず、表示機111は、腫瘍が撮影されている保存画像を順次表示画面に表示する(s301)。そして、周波数係数分解回路113は表示される画像を順次、離散ウェーブレット変換を用いて周波数分解処理を行う。この動作は以下の様になる。
【0029】
周波数係数分解回路113は、入力した画像に対して2次元の離散ウェーブレット変換処理を行い、変換係数を計算して出力するものである。本実施の形態における周波数係数分解回路113の処理の構成は、図5(a)に示すものとする。
【0030】
同図において、入力された画像信号は遅延素子およびダウンサンプラの組み合わせにより、偶数アドレスおよび奇数アドレスの信号に分離され、2つのフィルタpおよびuによりフィルタ処理が施される。同図のsおよびdは、各々1次元の画像信号に対して、1レベルの分解を行った際のローパス係数およびハイパス係数を表しており、次式により計算されるものとする。
【0031】
d(n) = x(2*n+1) − floor((x(2*n)+x(2*n+2))/2) ……… (式1)
s(n) = x(2*n) + floor((d(n−1)+d(n))/4) … (式2)
ただし、x(n)は変換対象となる画像信号である。
【0032】
以上の処理により、画像信号に対する1次元の離散離散ウェーブレット変換処理が行われる。2次元の離散ウェーブレット変換は、1次元の変換を画像の水平、垂直方向に対して順次行うものであり、その詳細は公知であるのでここでは説明を省略する。
【0033】
図5(b)は、2次元の変換処理により得られる2レベルの変換係数群の構成例であり、画像信号は異なる周波数帯域の係数列HH1,HL1,LH1,...,LLに分解される(s302)。
本実施の形態では、5レベルまでの周波数分解処理を行うものとし、異なる周波数帯域の係数列HH1、HH2、HH3、HH4、HH5、HL1、HL2、HL3、HL4、HL5、HR1、HR2、HR3、HR4、HR5を用いる。離散ウェーブレット変換は局所領域の周波数に高速に分解するのに適しているものである。そのため、ウェーブレット変換を用いることで、画像の局所領域の周波数的な特徴を抽出できる効果がある。
【0034】
次に、図示しない指示手段で表示器111で表示された画像から特定領域を指示する。例えば、表示器111で表示される画像中、明らかにノイズと観察できる座標を指示すると共に、明らかに非ノイズと観察される座標を指示するものである(s303)。
【0035】
そして、特徴量算出回路114は、指示手段で指示された点から座標的に一定領域内にある各係数列中の係数を抽出する(s304)。ここでは所定領域として指示手段で指示された点から同心円状にある領域とするものであり、係数空間上の係数は、原画像上の座標と一意に対応しているものである。
【0036】
そして、特徴量算出回路114は、各係数列毎に上述の同心円内にある係数の平均値を求め、その平均値と指示した座標に対応する係数空間上の係数の値との差を計算する。また、各係数列毎に上述の同心円内にある係数の中間値を求め、その中間地と指示した座標に対応する係数空間上の係数の値との差を計算する。また、各係数列毎に上述の同心円内にある係数の分散値、標準偏差値を求める。
【0037】
これらを特徴量とし、ノイズ又は非ノイズのあらかじめカテゴライズされている情報を入力する。例えばノイズはカテゴリ1を、非ノイズの場合には0をキーボード等から入力すると共に、前記の特徴量とカテゴリを保存する(s306、307)。
【0038】
そして、さらに違う画像を表示し、s301からs307までの処理を、保存画像に対して繰り返す(s308)。この場合、ノイズ、非ノイズの数としては統計処理上、有為な数となることが望ましく、通常数百例ぐらいあるほうが好ましい。また、保存される各特徴量は、各特徴量ごとの最大値と最小値で正規化し、例えば0から1の間の値にしておくことが好ましい。
【0039】
次に、上記(1)式に示す線形式を、例えば「多変量解析のはなし」石村他、東京図書株式会社、1995、p127〜p150に記載される線形判別分析を用いて作成する(s309)。
【0040】
【数1】
ここで、Anが算出する判別係数であり、Zが線形判別関数の出力値であり、判別回路115で算出する指標とするものである。Hnが上述した特徴量に対応する。
ここでは特徴量は、仮にX個あるとするが、特徴量の数や種類は適時判別の分類精度を考慮して実験的に決めることができる。
【0041】
説明変量には、特徴量算出回路114で算出した特徴量を用い、H1が一次係数の平均値、H2が二次係数の平均値、H3が一次係数の平均値、H4が二次係数の平均値、H5が一次係数の平均値を示す。目的変量には、カテゴリ1,0を用いる。そして、s307で保存した数百症例分の値を用いて、回帰係数を算出する(s308)。
【0042】
この線形判別式では、Z=0がノイズと非ノイズの境界を示し、Zが大きいほどノイズ度が高く、Zがマイナスの値であり、小さいほど非ノイズ度が高くなるように線形判別式は作成されているものとする。
また、例えば同上の資料中のP.150〜P.166に記載されているように、マハラノビスの距離による判別分析を用いても良い。この場合にはノイズグループからのマハラノビスの距離を指標とするものである。
【0043】
次に、図4の処理の流れに従い、ノイズ抑制処理の流れについて説明する。
尚、図3の処理の流れの中で説明した処理と同一の処理には、同一の番号を付して説明を省略する。
【0044】
入力画像を周波数係数分解回路113で周波数に分解し(s302)、特徴量算出回路114は特定領域中の周波数係数を抽出し、抽出した係数から特徴量を算出する(s304、s305)。そして、判別回路115は、線形判別式(式3)に算出した特徴量を入力し、目的量を算出する。
【0045】
ここで、算出された目的量がマイナス、つまり非ノイズであったなら何もせず、プラスであったならその座標に対応する係数を図6に示す遮断関数で係数を変更する。
【0046】
ここで、ノイズ、非ノイズの判定は全画像、つまり全画素値に対して行うものであり、また、全画素値の座標に対応する係数領域が得られ、全画素値に対応する特徴量が計算されるものである。例えば、座標(x、y)に対する係数空間上の座標は位置に定まり、その定まった係数空間上の係数から画素値の座標に一意に対応する特徴量が計算され、ノイズ度の指標が計算されるものである。
なお、図7で示すようにノイズ度が高いほど遮断601の幅を大きくするため、ノイズ度が高いほどノイズ抑制の効果が高くなるものである。
【0047】
さらに、別のノイズ抑制の方法として、係数空間上でノイズの画像に対応する係数の値を、その係数を中心とする一定範囲の係数の平均値に置き換えても、ノイズ抑制効果があることが知られている。この効果を用いてノイズ抑制を効果的に抑えることが可能であり、この場合にはその係数を中心とする一定範囲の係数の領域を、前述のZの値により変更することにより、ノイズ抑制の効果を調整できる。すなわち、Zの値が高いほど、係数の平均値を求める範囲を広く取るものである。
【0048】
上述の処理は、各係数列、つまり異なる周波数帯域の係数列HH1、HH2、HH3、HH4、HH5、HL1、HL2、HL3、HL4、HL5、HR1、HR2、HR3、HR4、HR5全てに行われるものであり、各係数列毎に遮断の幅601、係数の平均を求める範囲を変更するものである。
また、特に、高周波成分に対応する異なった周波数帯域の係数列、例えばHH1、HH2、HH3、HL1、HL2、HL3、HR1、HR2、HR3等だけにおこなっても有効である。
【0049】
そして、図示されない復元回路では、ノイズ抑制回路116で変更された高周波係数に基づき、逆離散ウェーブレット変換処理を行う。入力された係数はuおよびpの2つのフィルタ処理を施され、アップサンプリングされた後に重ね合わされて画像信号x’が出力される。これらの処理は次式により行われる。
【0050】
x’(2*n) = s’(n) − floor ((d’(n−1) + d’(n))/4) ……… (式4)
x’(2*n+1) = d’(n) + floor ((x’(2*n) + x’(2*n+2))/2) ……… (式5)
【0051】
以上の処理により、変換係数に対する1次元の逆離散ウェーブレット変換処理が行われる。2次元の逆離散ウェーブレット変換は、1次元の逆変換を画像の水平、垂直方向に対して順次行うものであり、その詳細は公知であるのでここでは説明を省略する。この復元処理によりノイズが抑制された画像が作成される。
【0052】
以上の様に、本実施の形態によれば、ノイズ、非ノイズが係数列から算出される特徴量のパターンとして表現されるため、このパターンを統計的に分析(判別分析)することでノイズ、非ノイズに精度よく分類できる効果がある。
【0053】
また、判別分析を用いることによりノイズらしさを客観的に指標化できる効果もある。
さらに、ノイズらしさを指標として客観的にあらわしたために、ノイズ抑制効果をノイズらしさに対応して調整できるため、ノイズ抑制を効率よく行える効果がある。
また、特に遮断の幅を、ノイズらしさに応じて変更したため、ノイズ度に応じて効率よくノイズ抑制を行うことができる。このことはノイズでない領域の係数を変更しないため、画像情報の変更を極力抑えることができる効果がある。
【0054】
また、係数をその平均値に置き換えることでノイズ抑制効果を適切にもたせることが可能である。また、係数の平均値を計算する領域をノイズ度に応じて変更できるため,効率よくノイズ抑制を行える効果がある。
【0055】
また、各係数列毎に上述の同心円内にある係数の平均値を求め、その平均値と指示した座標に対応する係数空間上の係数の値との差、各係数列毎に上述の同心円内にある係数の中間値を求め、その中間地と指示した座標に対応する係数空間上の係数の値との差、各係数列毎における上述の同心円内にある係数の分散値、標準偏差値を特徴量としたことによりノイズをパターンとして表現できるので、ノイズの分離精度が上がる効果がある。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、原画像を複数の周波数帯に分解した上で、原画像の特定座標に対応する係数からその特定座標の特徴量を算出し、特定座標に対応する画像成分がノイズであるか非ノイズであるかを判別するため、入力原画像に応じてノイズ除去範囲を適時変更することができる画像処理装置を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による画像処理装置を示した図である。
【図2】ノイズ、非ノイズパターンの特徴を示す図である。
【図3】判別関数を作成するための処理手順を示すフローチャートである。
【図4】ノイズ抑制処理ための処理手順を示すフローチャートである。
【図5】離散ウェーブレット変換の説明図である。
【図6】係数を遮断するための関数を示す図である。
【図7】遮断の幅と指標との関係を示す図である。
【図8】図3で示した判別関数を作成するための処理手順を、腫瘍の判別に適用した場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】図4で示したノイズ抑制処理ための処理手順を、腫瘍の判別におけるノイズ抑制処理に適用した場合の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
112 画像処理回路
113 周波数係数分解回路
114 特徴量算出回路
115 判別回路
116 ノイズ抑制回路
Claims (8)
- 原画像を複数の周波数帯に分解し、前記周波数帯毎の係数を算出する周波数係数分解手段と、
前記周波数係数分解手段で算出した係数のうち、前記原画像の特定座標に対応する係数から、前記特定座標の特徴量を算出する特徴量算出手段と、
前記特徴量算出手段で算出した特徴量から、前記特定座標に対応する画像成分がノイズであるか非ノイズであるかを判別する客観的な指標を算出する判別手段とを備えた画像処理装置を含むことを特徴とする診断支援装置。 - 原画像を複数の周波数帯に分解し、前記周波数帯毎の係数を算出する周波数係数分解手段と、
前記周波数係数分解手段で算出した係数のうち、前記原画像の特定座標に対応する係数から、前記特定座標の特徴量を算出する特徴量算出手段と、
前記特徴量算出手段で算出した特徴量から、前記特定座標に対応する画像成分がノイズであるか非ノイズであるかを判別する客観的な指標を算出する判別手段と、
前記判別手段で算出した客観的な指標に基づき、ノイズ抑制処理を行うノイズ抑制手段を備えた画像処理装置を含むことを特徴とする診断支援装置。 - 前記判別手段での指標として線形判別関数の値又はマハラノビスの距離を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の診断支援装置。
- 前記ノイズ抑制手段でのノイズ抑制方法として遮断方法を用いることを特徴とする請求項2に記載の診断支援装置。
- 前記ノイズ抑制手段でのノイズ抑制方法として遮断方法を用いると共に、判別関数での指標に基づき遮断の範囲を変更することを特徴とする請求項4記載の診断支援装置。
- 前記ノイズ抑制手段でのノイズ抑制方法としてノイズ座標に対応する係数を周辺の係数を用いて平滑化した係数に置き換える方法を用いることを特徴とする請求項2に記載の診断支援装置。
- 前記ノイズ抑制手段でのノイズ抑制方法としてノイズ座標に対応する係数を周辺の係数を用いて平滑化した係数に置き換える方法を用いると共に、判別関数での指標に基づき平滑化するために用いる係数の範囲を変更することを特徴とする請求項6に記載の診断支援装置。
- 前記特徴量算出手段で計算する特徴量として、前記原画像中の座標点に該当する係数空間上での点から所定範囲の平均値を計算し、前記平均値と前記原画像中の座標点に該当する係数空間上での点の係数の値の差、前記原画像中の座標点に該当する係数空間上での点から所定範囲の中間値を計算し、当該中間均値と前記原画像中の座標点に該当する係数空間上での点の係数の値の差、及び前記原画像中の座標点に該当する係数空間上での点から所定範囲の分散、標準偏差の少なくともいずれか1以上の値を用いることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の診断支援装置。
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