JP2004085442A - 変位測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型・低コスト化を図りつつ、被測定対象物の変位及び傾きを精度良く測定することができる変位測定装置を提供する。
【解決手段】制御手段3からの出力制御によりレーザ光源11からレーザ光が出射され、この出射光がビームスプリッタ12を透過してコリメータレンズ13に至り、略平行光に変えられてからハーフミラー14及び対物レンズ15を透過して板状の不透明体であるワークWに投射されるようになっている。レーザ光源11からの出射光がワークWに投射されると、その反射光は対物レンズ15を透過し、ハーフミラー14にてこれを透過する光と反射する光とに分離される。このうち、ハーフミラーを反射した光は円錐レンズ18を透過し、その透過光が撮像手段たるCCD4に受光されるようになっている。この円錐レンズ18は、光が平坦面から円錐曲面に向けて透過するように、かつ、その透過光がCCD4の撮像面で結像する位置に配されている。
【選択図】 図1
【解決手段】制御手段3からの出力制御によりレーザ光源11からレーザ光が出射され、この出射光がビームスプリッタ12を透過してコリメータレンズ13に至り、略平行光に変えられてからハーフミラー14及び対物レンズ15を透過して板状の不透明体であるワークWに投射されるようになっている。レーザ光源11からの出射光がワークWに投射されると、その反射光は対物レンズ15を透過し、ハーフミラー14にてこれを透過する光と反射する光とに分離される。このうち、ハーフミラーを反射した光は円錐レンズ18を透過し、その透過光が撮像手段たるCCD4に受光されるようになっている。この円錐レンズ18は、光が平坦面から円錐曲面に向けて透過するように、かつ、その透過光がCCD4の撮像面で結像する位置に配されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、変位測定装置に係り、特に、被測定対象物の変位及び傾きを計測するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の変位測定装置として、特開平7−113617号公報に開示されているものが挙げられる。これは、いわゆる合焦点検出型非接触変位計であって、金属や樹脂等の被測定対象物の変位量を測定するものであり、光源から発せられた可視光をビームスプリッタ及びハーフミラーに透過させ、コリメータレンズ及び音叉に取付けられた対物レンズを介して被測定対象物に投射させるとともに、音叉を振動させることにより対物レンズを光軸方向に振動させてこの対物レンズを透過した光の焦点位置を変動させている。
【0003】
そして、被測定対象物からの反射光は、対物レンズ、コリメータレンズを透過した後、ビームスプリッタで反射し、受光素子に入射する。対物レンズを光軸方向に振動させることにより、対物レンズによる光源からの光の焦点位置を移動させる。すると焦点位置が被測定対象物の光照射面に一致した瞬間に受光素子前面に配されたピンホールを通過する光量(即ち、反射光の光量)が最大となる。そして、この最大の受光量が得られた時点での対物レンズの位置を検出することで対物レンズから被測定対象物までの距離が演算される。以降、被測定対象物を光軸と直交する方向へ移動したときには、上記と同様の方法により距離を演算することで被測定対象物の変位が測定されるのである。
【0004】
ところで、この種の変位計では、被測定対象物の変位を測定する際に、同時に被測定対象物の投射面の傾きを検出したい場合があるが、上記構成では、傾き検出の機能を備えていないため、傾きを検出することができる変位計が求められていた。
【0005】
そこで、例えば、特開平7−294250号公報に開示されているものが開発されている。図6に示すように、変位測定用光源71から発せられた可視光をビームスプリッタ72及びハーフミラー73を透過させ、音叉81の長寸部に取付けられたコリメータレンズ74及び対物レンズ75を介して被測定対象物Aに投射させるとともに、音叉8を振動させることで両レンズ74,75を光軸方向に振動させて対物レンズ75を透過した光の焦点位置を変動させる。また、対物レンズ75の近傍には、変位測定用光源71とは異なる波長の可視光を発するモニタ用光源76が配されており、後述する受光素子78の受光量に基づく所定のタイミングに合わせて瞬間的にこのモニタ用光源76からの光が直接被測定対象物Aに投射されるようになっている。
変位測定用光源71から発せられた光は、被測定対象物Aで反射し、両レンズ74,75を透過した後、収束光とされてハーフミラー73に向かい、このハーフミラー73で透過する光と反射する光とに分離される。このうち透過した光はビームスプリッタ72で反射してピンホール77を介して受光素子78に受光されるようになっており、上記の変位測定装置と同様の方法により被測定対象物Aの変位が検出される。
【0006】
また、ハーフミラー73を反射した光はCCD9にて撮像されるようになっている。ここで、変位測定用光源71とモニタ用光源76との色(波長)の相違により、対物レンズ75での色収差により焦点位置が異なることを利用して、モニタ用光源76からの光が被測定対象物Aを反射した後、CCD9で結像するようにされている。このようにすると、被測定対象物Aが傾いていないときのCCD9の撮影像はモニタ用光源76の光による被測定対象物Aからの反射光の像が表示されると共に、その像の外側に変位測定用光源71からの反射光の像が円形に表示さる。逆に被測定対象物Aが傾いているときには、合焦信号に合わせて発せられたモニタ用光源76のうち合焦点で反射した光の像が表示され、変位測定用光源71からの光による像がモニタ用光源76からの光による像からずれるので、これをモニタ等の表示部に表示することで被測定対象物Aの傾きを判断するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成では、被測定対象物Aの変位及び傾きの双方を測定するには、2つの光源71,76が必要となるほか、モニタ用光源76の点灯・消灯には複雑な制御回路が必要となるから、装置が大型化・コスト高になるという欠点がある。また、対物レンズ75での色収差はごく僅かであるから、CCD9の撮影像から両光源71,76の光の中心が互いにずれていることを認識するのは困難を極め、識別性が悪い。尚、識別性が悪くなるとは、例えば具体的には、被測定対象物Aの表面の形状によっては、モニタ用光源によって表示される像が点や線状でなく、二次元的に広がりをもった複雑な形状になることがあり、中心位置の判断が困難となるような場合である。しかも、ハーフミラー73に向かう被測定対象物Aからの反射光は非平行光であるから、このハーフミラー73で非点収差が生じる。そうすると焦点位置と被測定対象物Aの光照射面とが一致していたとしても、受光素子78で焦点が結ばれなくなってピンホール77により受光素子78へ入射する反射光が阻止されることが考えられるから、変位の測定精度にも悪影響を及ぼすという問題がある。
【0008】
本発明は上記にような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は小型・低コスト化を図りつつ、被測定対象物の変位及び傾きを精度良く測定することができる変位測定装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、小型・低コストであって精度良く被測定対象物の傾き及び変位を測定することができる光学装置を開発すべく、鋭意研究してきたところ、以下の知見を見いだして本発明を完成するに至った。
発明者は被測定対象物からの反射光の光強度分布に着目した。すなわち、被測定対象物の投射面が対物レンズを透過した光の光軸に対して垂直となるように位置しているときの反射光の光強度分布と傾いて位置しているときの光強度分布とが相違しており、具体的には、光軸に対して垂直に位置しているときの反射光では略均一な光強度分布の光束とされており、傾いているときにはその分布に偏りが生じているところに着目したのである。
従って、反射光を撮像手段にて撮像し、これをモニタ等の表示手段により表示することで、被測定対象物の傾きを検出できるとした。ただし、反射光を直接撮像手段に受光させたとしても光強度分布の偏りを識別することが容易ではないことから、さらに進んで、反射光を円錐レンズを介して撮像手段に受光させるようにした。この結果、被測定対象物の傾きによって左右されることなくその傾きを識別する際の基準となる像の中心部分をベッセルビームにより明示できると共に、被測定対象物が傾いているときの反射光の光強度分布の偏りを色濃く反映させることが可能となり、さらに、従来のようにモニタ用光源を駆動させるための複雑な制御も不要となる。従って、光源を1つとして小型・低コスト化を図りつつ傾き検出の識別性を飛躍的に向上させることを可能とした。
【0010】
本発明の変位測定装置は、かかる新規な知見に基づいてなされたものであり、請求項1の発明は、光を出射する投光手段と、この投光手段からの光を略平行光にするコリメータレンズと、このコリメータレンズからの略平行光を収束させて被測定対象物上に投射する対物レンズと、この対物レンズによる前記投光手段からの光の焦点位置を移動させる焦点位置駆動手段と、この焦点位置駆動手段に駆動信号を与えて前記対物レンズによる光の焦点が前記被測定対象物の光照射面の前後に移動するようにする焦点駆動制御手段と、前記被測定対象物の光照射面からの反射光が入射されてその受光量に応じた受光信号を出力する受光部と、前記対物レンズによる光の焦点位置の変化と前記受光信号の変化とに基づいて前記被測定対象物の光照射面までの距離を検出する距離検出手段とを備えた変位測定装置において、前記コリメータレンズと前記対物レンズとの間の光軸上に光分離手段を設け、この光分離手段で分離された前記被測定対象物の光照射面からの反射光を円錐レンズを通して撮像手段に入射させ、前記撮像手段から前記光照射面の傾きに応じて変化する前記円錐レンズを透過した光の分布を示す信号を出力するようにしたところに特徴を有する。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記コリメータレンズと前記対物レンズとの間に、コリメータレンズからの略平行光を発散させる発散レンズが設けられ、前記焦点位置駆動手段は前記発散レンズ及び/又は前記対物レンズを光軸方向に往復移動させるところに特徴を有する。
【0012】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
被測定対象物からの反射光を円錐レンズを介して撮像手段に受光させるようにしたから、被測定対象物が傾いているときの反射光の光強度分布の偏りを色濃く反映させることが可能となり、光源を1つとして小型・低コスト化を図りながら、傾き検出の識別性を飛躍的に向上させることができる。
さらには、コリメータレンズにより、被測定対象物からの反射光を略平行光に変えて光分離手段に入射するようにしたから、非点収差が生じることがなくなり、受光部での受光量の変化が緩慢になることを防止することもできる。
【0013】
<請求項2の発明>
対物レンズからの透過光の焦点を明確に結像するには、開口角を大きくすることが望ましく、そのためには対物レンズに入射する光の光芒を広くすれば良いのであるが、そうすると従来では、コリメータレンズ、その他の光学部品自体も大きくしなくてはならず、全体として光学系を大きくしなければならないという欠点があった。
また、対物レンズを光軸方向に移動させることによって焦点位置を変える方法では、対物レンズの移動量と焦点位置の移動量とは同一とされていることから、分解能を変えることができなかった。
【0014】
これに対して、本発明では、コリメータレンズと対物レンズとの間に、コリメータレンズからの略平行光を発散させる発散レンズを設け、焦点位置駆動手段により発散レンズと対物レンズとを光軸方向に相対的に往復移動させる構成としているから、上記のように焦点位置の移動範囲やその最小移動量を変えることによって分解能を変えることができる。しかも、発散レンズを用いて焦点位置を変えるようにしているから、発散レンズよりも被測定対象物とは反対側にある光学系を通る光の光芒を絞ることができる。従って、これらの光学系を小型化することもできる。
【0015】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>
本発明に係る変位測定装置の一実施形態を図1〜図4を参照して説明する。本実施形態の変位測定装置はいわゆる合焦点検出型被接触変位測定装置であって、例えば、金属や樹脂等の被測定対象物の変位を測定するものである。その構成は図1に示すとおりであり、制御手段3からの出力制御によりレーザ光源11(「投光手段」に相当)からレーザ光が出射され、この出射光がビームスプリッタ12を透過してコリメータレンズ13に至り、略平行光に変えられてからハーフミラー14(「光分離手段」に相当)及び対物レンズ15を透過して板状の不透明体であるワークW(「被測定対象物」に相当する。)に投射されるようになっている。
【0016】
対物レンズ15はU字状の音叉21の一端部に取付けられており、他端部の近くには制御手段3(「焦点駆動制御手段」に相当)からの制御信号に応じて動作する音叉振動用の励磁コイル22(音叉と共に「焦点位置駆動手段」を構成する)が配設されている。励磁コイル22に制御手段3からの制御信号が供給されると、音叉21が図面上下方向に振動することに伴なって対物レンズ15が光軸LCの方向に往復移動されるようになっている。また、音叉21のうち、対物レンズ15を取付けた部位の近傍には対物レンズ15の位置を検出するレンズ位置検出コイル23が配設されており、このレンズ位置検出コイル23からの出力信号が制御部3に出力されるようになっている。
【0017】
ワークWの表面で反射したレーザ光は対物レンズ15を透過し、ハーフミラー14にてこれを透過する光と反射する光とに分離される。このうち、透過した光はコリメータレンズ13を透過して収束光とされた後、ビームスプリッタ12を反射して受光面の前方にピンホール16を設けた受光素子17(請求項に記載の「受光部」に相当)に受光され、その受光信号が制御部3に出力される。尚、対物レンズ5を透過したレーザ光がワークWの表面上に焦点を結ぶと、その反射光がピンホール16で結像し、受光素子17での受光量が最大となる。一方、対物レンズ5を透過したレーザ光がワークWの表面上に焦点を結んでいないときには、その反射光の受光量は著しく少なくなる。
【0018】
一方、ワークWからの反射光のうちハーフミラーを反射した光は円錐レンズ18を透過し、その透過光が撮像手段たるCCD4に受光され、CCD41の撮像信号が制御部3に出力されるようになっている。この円錐レンズ19は、光が平坦面から円錐曲面側に透過するように、かつ、その透過光がCCD4の撮像面で交差する位置に配されている。
尚、本実施形態の変位測定装置ではレーザ光源から焦点位置までの光学的距離と焦点位置から受光素子前面に設けられたピンホール16までの光学的距離とを同一としているいわゆる共焦点光学系を用いている。
【0019】
制御部3は、受光素子17からの受光信号及びレンズ位置検出コイル23からの検出信号を基にしてワークW表面の変位を測定する。具体的には、受光素子17からの受光信号をモニタし、その受光信号が最大値となったときにレンズ位置検出コイル23からの検出信号を取り込む。そして、取り込んだ検出信号から対物レンズ15の位置を検出することでワークWまでの距離を割り出す。尚、対物レンズ15の位置が検出されると、この検出された位置と対物レンズ15の焦点距離とから、ワークWの距離が割り出されるようになっている。以降、ワークWが光軸LCと直交する方向へ移動したときには、上記と同様の手順によりワークW表面の距離を割り出すことでワークWの変位を検出する。これにより、制御部3は請求項に記載の「距離検出手段」としての機能も有する。
また、CCD4から出力された撮像信号を受けると、例えば多階調表示のモニタ5に出力して、撮影像をこれに表示させるようになっている。
【0020】
続いて本実施形態の作用について説明する。
レーザ光源11からの出射光はビームスプリッタ12、コリメータレンズ13、ハーフミラー14及び対物レンズ15を透過してワークWの表面に投射され、このワークWからの反射光は、レーザ光源11から出射されたレーザ光の光路を逆に辿り、ビームスプリッタ12を反射して受光素子17にて受光される。ここで、ワークWの反射光は略平行光としてハーフミラー14を透過するから、非点収差が生じることなく、受光素子17の受光面で確実に焦点が結ばれる。
制御部3では、受光素子17からの受光信号が最大となったときのレンズ位置検出コイル23の検出信号に基づいてワークWの変位量を測定する。
【0021】
さて、制御部3は受光素子17からの受光信号が最大であると判断すると、CCD4にて受光されたワークWからの反射光をモニタ5に表示する(図2〜図4参照)。尚、図2〜図4は、図1におけるワークWの各位置▲1▼〜▲3▼(図面下段)に対応してモニタ5に表示された円形像を示したものであり(図面上段)、濃色となるほど光強度が高くなり、逆に白に近づくほど強度が低くなることを示している。また、光路中には、ワークWの各位置において円錐レンズに入射するワークWからの反射光のうち光軸と平行であって、かつ、紙面と平行な断面における光強度の分布を示したものであり、強度が高くなるほど濃色となるように示されている。また、CCD4の撮像面とモニタ5の表示面との関係は、CCD4の図面下端とモニタ5の図面左端とが対応するようになっている。
【0022】
ここで、ワークWが光軸LCに対して直交するように位置しているとき(図1において▲1▼の位置である。以下、正規位置という。)には、その反射光の光強度分布は一様であり、円錐レンズ19を透過すると、いわゆるベッセルビームとされてCCD4にて撮像される。これをモニタ5に表示すると円形像の中心に光強度が最も高い輝点が認められ、輝点を中心に一様の光強度分布とされる(図2参照)。そして、作業者はこの円形像を確認することによりワークWが正規位置にあることを確認することができる。
【0023】
一方、ワークWが光軸LCに対して傾いて位置しているときには、ワークWからの反射光の光強度分布に偏りが生じ、円錐レンズ18を透過すると、ベッセルビームは、その輝点の明るさが弱くなるものの、その周囲に比べ十分な明るさをもって形成される。例えば、ワークWが正規位置から左上がりとなるように傾けられているときには図3に示すようにワークWからの反射光の光強度は、ハーフミラー14を反射する前は図面右側に偏り、反射した後では図面下側に偏った状態となる。円錐レンズ18を透過してCCD4に撮像された円形像ではベッセルビームによる輝点を中心に左側が右側よりも明るくなっている。ここで、例えばモニタ5に表示された円形像において左側が右側に比べて明るいことを確認してワークWが左上がりとなるように傾いていると判断することができる。
【0024】
反対に、ワークWが正規位置から左上がりとなるように傾けられているときには図4に示すようにワークWからの反射光の光強度は、ハーフミラー14を反射する前は図面右側に偏り、反射した後では図面下側に偏った状態となる。円錐レンズ18を透過てCCD4に撮像された円形像では中央から右側が左側よりも明るくなっている。ここで、例えばモニタ5に表示された円形像において右側が左側に比べて明るいことを確認してワークWが右上がりに傾いていると判断することができる。
また、ワークWが紙面と平行であって、かつ、光軸と直交する軸を中心に傾けられた場合にも同様に、光強度分布の偏りが生じるから、これをモニタ5で確認することにより、ワークWの傾きを検出することができる。
【0025】
本実施形態の変位測定装置によれば、光源を1つとしながら、変位量と被検出物体の傾きとを検出することが可能であるから、装置の小型・低コスト化を図ることができる。また、円錐レンズ18を設けたことにより、モニタ5に表示される円形像の中心をベッセルビームによる輝点で明示できると共に、ワークWからの反射光の光強度分布の偏りを明確に示すことができ、これによってワークWの傾きを容易に認識することができる。
さらには、コリメータレンズ13をハーフミラー14よりもレーザ光源11側に配したことにより、ハーフミラー14には略平行光とされたワークWからの反射光が入射するから、非点収差が生ぜず、受光素子17の受光面で確実に焦点を結ぶことができ、変位量の検出に悪影響を及ぼすことを回避することができる。
【0026】
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態について図5を参照して説明する。尚、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して重複する説明を省略すると共に、同一の作用・効果の説明についても省略する。
本実施形態では、対物レンズ15とハーフミラー14との間に発散レンズ19を配し、この発散レンズ19が音叉21の一端部に取付けられた構成とされている。このような構成では、発散レンズ19の往復移動(矢線に示す方向)によりレーザ光源11からの出射光の焦点位置が変動される。
ここで、例えばレーザ光源11からの出射光の分解能(焦点の最小移動量)を変えたいときには対物レンズ15あるいは発散レンズ19の交換又は対物レンズ15と発散レンズ19との間隔を変えるようにすればよいから、その自由度が高くなるという効果が得られる。しかも、発散レンズ19とレーザ光源11との間にある光学系を通る光の光芒を絞ることができるから、光学系を小型化することも可能である。
【0027】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、円錐レンズ18の平面側から円錐曲面側へ光を透過させる構成としていたが、反対に円錐曲面側から光を入射させ、平面側から出射させるように構成してもよい。
【0028】
(2)また、投光手段としてはコヒーレント光を出射するレーザ光源11に限らず、例えば、発光ダイオードや白色電灯等のインコヒーレント光を放射する光源を用いることもできる。これらを用いた場合でもワークWが傾けられているときには、やはり、ワークWからの反射光の光強度分布に偏りが生じており、上記実施形態と同様にモニタ5に表示された円形像の明るさにアンバランスが表れるから、これを確認することでワークWの傾きを確認することができる。
【0029】
(3)また、上記実施形態では不透明体であるワークWの変位を検出する実施例を示したが、例えば透明体の表裏両面と対物レンズ15との距離を検出することにより、この透明体の厚さ寸法を検出することも可能である。
【0030】
(4)また、制御手段3では、CCD4からの撮像信号を基にモニタ5に撮影像を表示する構成としていたが、例えば、モニタ5に表示された円形像の各明るさに重みを設け、これにより、円形像の重心を求め、これが衷心に表れる輝点あるいは円形像の中心との不一致が所定以上となった時には、外部に信号を出力し、ワークWが傾いていることを作業者等に報知する構成としても良い。
【0031】
(5)また、制御部3は受光素子17からの受光信号が最大であると判断したときに、CCD4にて受光されたワークWからの反射光をモニタ5に表示する構成としていたが、例えば、モニタ5には常時CCD4にて受光されたワークWからの反射光を表示するようにしてもよい。
【0032】
(6)第2実施形態では、発散レンズ19を音叉21により往復移動させる構成としていたが、例えば対物レンズ15のみを往復移動させる構成や、両レンズ15,19を互いに反対方向に往復移動させるような構成であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る変位測定装置の構成図
【図2】本発明の作用効果を示すための模式図
【図3】本発明の作用効果を示すための模式図
【図4】本発明の作用効果を示すための模式図
【図5】第2実施形態に係る変位測定装置の構成図
【図6】従来の変位測定装置の構成図
【符号の説明】
3…制御手段
4…CCD(電荷結合素子)
11…レーザ光源
14…ハーフミラー
17…受光素子
19…発散レンズ
21…音叉
22…励磁コイル
【発明の属する技術分野】
本発明は、変位測定装置に係り、特に、被測定対象物の変位及び傾きを計測するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の変位測定装置として、特開平7−113617号公報に開示されているものが挙げられる。これは、いわゆる合焦点検出型非接触変位計であって、金属や樹脂等の被測定対象物の変位量を測定するものであり、光源から発せられた可視光をビームスプリッタ及びハーフミラーに透過させ、コリメータレンズ及び音叉に取付けられた対物レンズを介して被測定対象物に投射させるとともに、音叉を振動させることにより対物レンズを光軸方向に振動させてこの対物レンズを透過した光の焦点位置を変動させている。
【0003】
そして、被測定対象物からの反射光は、対物レンズ、コリメータレンズを透過した後、ビームスプリッタで反射し、受光素子に入射する。対物レンズを光軸方向に振動させることにより、対物レンズによる光源からの光の焦点位置を移動させる。すると焦点位置が被測定対象物の光照射面に一致した瞬間に受光素子前面に配されたピンホールを通過する光量(即ち、反射光の光量)が最大となる。そして、この最大の受光量が得られた時点での対物レンズの位置を検出することで対物レンズから被測定対象物までの距離が演算される。以降、被測定対象物を光軸と直交する方向へ移動したときには、上記と同様の方法により距離を演算することで被測定対象物の変位が測定されるのである。
【0004】
ところで、この種の変位計では、被測定対象物の変位を測定する際に、同時に被測定対象物の投射面の傾きを検出したい場合があるが、上記構成では、傾き検出の機能を備えていないため、傾きを検出することができる変位計が求められていた。
【0005】
そこで、例えば、特開平7−294250号公報に開示されているものが開発されている。図6に示すように、変位測定用光源71から発せられた可視光をビームスプリッタ72及びハーフミラー73を透過させ、音叉81の長寸部に取付けられたコリメータレンズ74及び対物レンズ75を介して被測定対象物Aに投射させるとともに、音叉8を振動させることで両レンズ74,75を光軸方向に振動させて対物レンズ75を透過した光の焦点位置を変動させる。また、対物レンズ75の近傍には、変位測定用光源71とは異なる波長の可視光を発するモニタ用光源76が配されており、後述する受光素子78の受光量に基づく所定のタイミングに合わせて瞬間的にこのモニタ用光源76からの光が直接被測定対象物Aに投射されるようになっている。
変位測定用光源71から発せられた光は、被測定対象物Aで反射し、両レンズ74,75を透過した後、収束光とされてハーフミラー73に向かい、このハーフミラー73で透過する光と反射する光とに分離される。このうち透過した光はビームスプリッタ72で反射してピンホール77を介して受光素子78に受光されるようになっており、上記の変位測定装置と同様の方法により被測定対象物Aの変位が検出される。
【0006】
また、ハーフミラー73を反射した光はCCD9にて撮像されるようになっている。ここで、変位測定用光源71とモニタ用光源76との色(波長)の相違により、対物レンズ75での色収差により焦点位置が異なることを利用して、モニタ用光源76からの光が被測定対象物Aを反射した後、CCD9で結像するようにされている。このようにすると、被測定対象物Aが傾いていないときのCCD9の撮影像はモニタ用光源76の光による被測定対象物Aからの反射光の像が表示されると共に、その像の外側に変位測定用光源71からの反射光の像が円形に表示さる。逆に被測定対象物Aが傾いているときには、合焦信号に合わせて発せられたモニタ用光源76のうち合焦点で反射した光の像が表示され、変位測定用光源71からの光による像がモニタ用光源76からの光による像からずれるので、これをモニタ等の表示部に表示することで被測定対象物Aの傾きを判断するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成では、被測定対象物Aの変位及び傾きの双方を測定するには、2つの光源71,76が必要となるほか、モニタ用光源76の点灯・消灯には複雑な制御回路が必要となるから、装置が大型化・コスト高になるという欠点がある。また、対物レンズ75での色収差はごく僅かであるから、CCD9の撮影像から両光源71,76の光の中心が互いにずれていることを認識するのは困難を極め、識別性が悪い。尚、識別性が悪くなるとは、例えば具体的には、被測定対象物Aの表面の形状によっては、モニタ用光源によって表示される像が点や線状でなく、二次元的に広がりをもった複雑な形状になることがあり、中心位置の判断が困難となるような場合である。しかも、ハーフミラー73に向かう被測定対象物Aからの反射光は非平行光であるから、このハーフミラー73で非点収差が生じる。そうすると焦点位置と被測定対象物Aの光照射面とが一致していたとしても、受光素子78で焦点が結ばれなくなってピンホール77により受光素子78へ入射する反射光が阻止されることが考えられるから、変位の測定精度にも悪影響を及ぼすという問題がある。
【0008】
本発明は上記にような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は小型・低コスト化を図りつつ、被測定対象物の変位及び傾きを精度良く測定することができる変位測定装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、小型・低コストであって精度良く被測定対象物の傾き及び変位を測定することができる光学装置を開発すべく、鋭意研究してきたところ、以下の知見を見いだして本発明を完成するに至った。
発明者は被測定対象物からの反射光の光強度分布に着目した。すなわち、被測定対象物の投射面が対物レンズを透過した光の光軸に対して垂直となるように位置しているときの反射光の光強度分布と傾いて位置しているときの光強度分布とが相違しており、具体的には、光軸に対して垂直に位置しているときの反射光では略均一な光強度分布の光束とされており、傾いているときにはその分布に偏りが生じているところに着目したのである。
従って、反射光を撮像手段にて撮像し、これをモニタ等の表示手段により表示することで、被測定対象物の傾きを検出できるとした。ただし、反射光を直接撮像手段に受光させたとしても光強度分布の偏りを識別することが容易ではないことから、さらに進んで、反射光を円錐レンズを介して撮像手段に受光させるようにした。この結果、被測定対象物の傾きによって左右されることなくその傾きを識別する際の基準となる像の中心部分をベッセルビームにより明示できると共に、被測定対象物が傾いているときの反射光の光強度分布の偏りを色濃く反映させることが可能となり、さらに、従来のようにモニタ用光源を駆動させるための複雑な制御も不要となる。従って、光源を1つとして小型・低コスト化を図りつつ傾き検出の識別性を飛躍的に向上させることを可能とした。
【0010】
本発明の変位測定装置は、かかる新規な知見に基づいてなされたものであり、請求項1の発明は、光を出射する投光手段と、この投光手段からの光を略平行光にするコリメータレンズと、このコリメータレンズからの略平行光を収束させて被測定対象物上に投射する対物レンズと、この対物レンズによる前記投光手段からの光の焦点位置を移動させる焦点位置駆動手段と、この焦点位置駆動手段に駆動信号を与えて前記対物レンズによる光の焦点が前記被測定対象物の光照射面の前後に移動するようにする焦点駆動制御手段と、前記被測定対象物の光照射面からの反射光が入射されてその受光量に応じた受光信号を出力する受光部と、前記対物レンズによる光の焦点位置の変化と前記受光信号の変化とに基づいて前記被測定対象物の光照射面までの距離を検出する距離検出手段とを備えた変位測定装置において、前記コリメータレンズと前記対物レンズとの間の光軸上に光分離手段を設け、この光分離手段で分離された前記被測定対象物の光照射面からの反射光を円錐レンズを通して撮像手段に入射させ、前記撮像手段から前記光照射面の傾きに応じて変化する前記円錐レンズを透過した光の分布を示す信号を出力するようにしたところに特徴を有する。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記コリメータレンズと前記対物レンズとの間に、コリメータレンズからの略平行光を発散させる発散レンズが設けられ、前記焦点位置駆動手段は前記発散レンズ及び/又は前記対物レンズを光軸方向に往復移動させるところに特徴を有する。
【0012】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
被測定対象物からの反射光を円錐レンズを介して撮像手段に受光させるようにしたから、被測定対象物が傾いているときの反射光の光強度分布の偏りを色濃く反映させることが可能となり、光源を1つとして小型・低コスト化を図りながら、傾き検出の識別性を飛躍的に向上させることができる。
さらには、コリメータレンズにより、被測定対象物からの反射光を略平行光に変えて光分離手段に入射するようにしたから、非点収差が生じることがなくなり、受光部での受光量の変化が緩慢になることを防止することもできる。
【0013】
<請求項2の発明>
対物レンズからの透過光の焦点を明確に結像するには、開口角を大きくすることが望ましく、そのためには対物レンズに入射する光の光芒を広くすれば良いのであるが、そうすると従来では、コリメータレンズ、その他の光学部品自体も大きくしなくてはならず、全体として光学系を大きくしなければならないという欠点があった。
また、対物レンズを光軸方向に移動させることによって焦点位置を変える方法では、対物レンズの移動量と焦点位置の移動量とは同一とされていることから、分解能を変えることができなかった。
【0014】
これに対して、本発明では、コリメータレンズと対物レンズとの間に、コリメータレンズからの略平行光を発散させる発散レンズを設け、焦点位置駆動手段により発散レンズと対物レンズとを光軸方向に相対的に往復移動させる構成としているから、上記のように焦点位置の移動範囲やその最小移動量を変えることによって分解能を変えることができる。しかも、発散レンズを用いて焦点位置を変えるようにしているから、発散レンズよりも被測定対象物とは反対側にある光学系を通る光の光芒を絞ることができる。従って、これらの光学系を小型化することもできる。
【0015】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>
本発明に係る変位測定装置の一実施形態を図1〜図4を参照して説明する。本実施形態の変位測定装置はいわゆる合焦点検出型被接触変位測定装置であって、例えば、金属や樹脂等の被測定対象物の変位を測定するものである。その構成は図1に示すとおりであり、制御手段3からの出力制御によりレーザ光源11(「投光手段」に相当)からレーザ光が出射され、この出射光がビームスプリッタ12を透過してコリメータレンズ13に至り、略平行光に変えられてからハーフミラー14(「光分離手段」に相当)及び対物レンズ15を透過して板状の不透明体であるワークW(「被測定対象物」に相当する。)に投射されるようになっている。
【0016】
対物レンズ15はU字状の音叉21の一端部に取付けられており、他端部の近くには制御手段3(「焦点駆動制御手段」に相当)からの制御信号に応じて動作する音叉振動用の励磁コイル22(音叉と共に「焦点位置駆動手段」を構成する)が配設されている。励磁コイル22に制御手段3からの制御信号が供給されると、音叉21が図面上下方向に振動することに伴なって対物レンズ15が光軸LCの方向に往復移動されるようになっている。また、音叉21のうち、対物レンズ15を取付けた部位の近傍には対物レンズ15の位置を検出するレンズ位置検出コイル23が配設されており、このレンズ位置検出コイル23からの出力信号が制御部3に出力されるようになっている。
【0017】
ワークWの表面で反射したレーザ光は対物レンズ15を透過し、ハーフミラー14にてこれを透過する光と反射する光とに分離される。このうち、透過した光はコリメータレンズ13を透過して収束光とされた後、ビームスプリッタ12を反射して受光面の前方にピンホール16を設けた受光素子17(請求項に記載の「受光部」に相当)に受光され、その受光信号が制御部3に出力される。尚、対物レンズ5を透過したレーザ光がワークWの表面上に焦点を結ぶと、その反射光がピンホール16で結像し、受光素子17での受光量が最大となる。一方、対物レンズ5を透過したレーザ光がワークWの表面上に焦点を結んでいないときには、その反射光の受光量は著しく少なくなる。
【0018】
一方、ワークWからの反射光のうちハーフミラーを反射した光は円錐レンズ18を透過し、その透過光が撮像手段たるCCD4に受光され、CCD41の撮像信号が制御部3に出力されるようになっている。この円錐レンズ19は、光が平坦面から円錐曲面側に透過するように、かつ、その透過光がCCD4の撮像面で交差する位置に配されている。
尚、本実施形態の変位測定装置ではレーザ光源から焦点位置までの光学的距離と焦点位置から受光素子前面に設けられたピンホール16までの光学的距離とを同一としているいわゆる共焦点光学系を用いている。
【0019】
制御部3は、受光素子17からの受光信号及びレンズ位置検出コイル23からの検出信号を基にしてワークW表面の変位を測定する。具体的には、受光素子17からの受光信号をモニタし、その受光信号が最大値となったときにレンズ位置検出コイル23からの検出信号を取り込む。そして、取り込んだ検出信号から対物レンズ15の位置を検出することでワークWまでの距離を割り出す。尚、対物レンズ15の位置が検出されると、この検出された位置と対物レンズ15の焦点距離とから、ワークWの距離が割り出されるようになっている。以降、ワークWが光軸LCと直交する方向へ移動したときには、上記と同様の手順によりワークW表面の距離を割り出すことでワークWの変位を検出する。これにより、制御部3は請求項に記載の「距離検出手段」としての機能も有する。
また、CCD4から出力された撮像信号を受けると、例えば多階調表示のモニタ5に出力して、撮影像をこれに表示させるようになっている。
【0020】
続いて本実施形態の作用について説明する。
レーザ光源11からの出射光はビームスプリッタ12、コリメータレンズ13、ハーフミラー14及び対物レンズ15を透過してワークWの表面に投射され、このワークWからの反射光は、レーザ光源11から出射されたレーザ光の光路を逆に辿り、ビームスプリッタ12を反射して受光素子17にて受光される。ここで、ワークWの反射光は略平行光としてハーフミラー14を透過するから、非点収差が生じることなく、受光素子17の受光面で確実に焦点が結ばれる。
制御部3では、受光素子17からの受光信号が最大となったときのレンズ位置検出コイル23の検出信号に基づいてワークWの変位量を測定する。
【0021】
さて、制御部3は受光素子17からの受光信号が最大であると判断すると、CCD4にて受光されたワークWからの反射光をモニタ5に表示する(図2〜図4参照)。尚、図2〜図4は、図1におけるワークWの各位置▲1▼〜▲3▼(図面下段)に対応してモニタ5に表示された円形像を示したものであり(図面上段)、濃色となるほど光強度が高くなり、逆に白に近づくほど強度が低くなることを示している。また、光路中には、ワークWの各位置において円錐レンズに入射するワークWからの反射光のうち光軸と平行であって、かつ、紙面と平行な断面における光強度の分布を示したものであり、強度が高くなるほど濃色となるように示されている。また、CCD4の撮像面とモニタ5の表示面との関係は、CCD4の図面下端とモニタ5の図面左端とが対応するようになっている。
【0022】
ここで、ワークWが光軸LCに対して直交するように位置しているとき(図1において▲1▼の位置である。以下、正規位置という。)には、その反射光の光強度分布は一様であり、円錐レンズ19を透過すると、いわゆるベッセルビームとされてCCD4にて撮像される。これをモニタ5に表示すると円形像の中心に光強度が最も高い輝点が認められ、輝点を中心に一様の光強度分布とされる(図2参照)。そして、作業者はこの円形像を確認することによりワークWが正規位置にあることを確認することができる。
【0023】
一方、ワークWが光軸LCに対して傾いて位置しているときには、ワークWからの反射光の光強度分布に偏りが生じ、円錐レンズ18を透過すると、ベッセルビームは、その輝点の明るさが弱くなるものの、その周囲に比べ十分な明るさをもって形成される。例えば、ワークWが正規位置から左上がりとなるように傾けられているときには図3に示すようにワークWからの反射光の光強度は、ハーフミラー14を反射する前は図面右側に偏り、反射した後では図面下側に偏った状態となる。円錐レンズ18を透過してCCD4に撮像された円形像ではベッセルビームによる輝点を中心に左側が右側よりも明るくなっている。ここで、例えばモニタ5に表示された円形像において左側が右側に比べて明るいことを確認してワークWが左上がりとなるように傾いていると判断することができる。
【0024】
反対に、ワークWが正規位置から左上がりとなるように傾けられているときには図4に示すようにワークWからの反射光の光強度は、ハーフミラー14を反射する前は図面右側に偏り、反射した後では図面下側に偏った状態となる。円錐レンズ18を透過てCCD4に撮像された円形像では中央から右側が左側よりも明るくなっている。ここで、例えばモニタ5に表示された円形像において右側が左側に比べて明るいことを確認してワークWが右上がりに傾いていると判断することができる。
また、ワークWが紙面と平行であって、かつ、光軸と直交する軸を中心に傾けられた場合にも同様に、光強度分布の偏りが生じるから、これをモニタ5で確認することにより、ワークWの傾きを検出することができる。
【0025】
本実施形態の変位測定装置によれば、光源を1つとしながら、変位量と被検出物体の傾きとを検出することが可能であるから、装置の小型・低コスト化を図ることができる。また、円錐レンズ18を設けたことにより、モニタ5に表示される円形像の中心をベッセルビームによる輝点で明示できると共に、ワークWからの反射光の光強度分布の偏りを明確に示すことができ、これによってワークWの傾きを容易に認識することができる。
さらには、コリメータレンズ13をハーフミラー14よりもレーザ光源11側に配したことにより、ハーフミラー14には略平行光とされたワークWからの反射光が入射するから、非点収差が生ぜず、受光素子17の受光面で確実に焦点を結ぶことができ、変位量の検出に悪影響を及ぼすことを回避することができる。
【0026】
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態について図5を参照して説明する。尚、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して重複する説明を省略すると共に、同一の作用・効果の説明についても省略する。
本実施形態では、対物レンズ15とハーフミラー14との間に発散レンズ19を配し、この発散レンズ19が音叉21の一端部に取付けられた構成とされている。このような構成では、発散レンズ19の往復移動(矢線に示す方向)によりレーザ光源11からの出射光の焦点位置が変動される。
ここで、例えばレーザ光源11からの出射光の分解能(焦点の最小移動量)を変えたいときには対物レンズ15あるいは発散レンズ19の交換又は対物レンズ15と発散レンズ19との間隔を変えるようにすればよいから、その自由度が高くなるという効果が得られる。しかも、発散レンズ19とレーザ光源11との間にある光学系を通る光の光芒を絞ることができるから、光学系を小型化することも可能である。
【0027】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、円錐レンズ18の平面側から円錐曲面側へ光を透過させる構成としていたが、反対に円錐曲面側から光を入射させ、平面側から出射させるように構成してもよい。
【0028】
(2)また、投光手段としてはコヒーレント光を出射するレーザ光源11に限らず、例えば、発光ダイオードや白色電灯等のインコヒーレント光を放射する光源を用いることもできる。これらを用いた場合でもワークWが傾けられているときには、やはり、ワークWからの反射光の光強度分布に偏りが生じており、上記実施形態と同様にモニタ5に表示された円形像の明るさにアンバランスが表れるから、これを確認することでワークWの傾きを確認することができる。
【0029】
(3)また、上記実施形態では不透明体であるワークWの変位を検出する実施例を示したが、例えば透明体の表裏両面と対物レンズ15との距離を検出することにより、この透明体の厚さ寸法を検出することも可能である。
【0030】
(4)また、制御手段3では、CCD4からの撮像信号を基にモニタ5に撮影像を表示する構成としていたが、例えば、モニタ5に表示された円形像の各明るさに重みを設け、これにより、円形像の重心を求め、これが衷心に表れる輝点あるいは円形像の中心との不一致が所定以上となった時には、外部に信号を出力し、ワークWが傾いていることを作業者等に報知する構成としても良い。
【0031】
(5)また、制御部3は受光素子17からの受光信号が最大であると判断したときに、CCD4にて受光されたワークWからの反射光をモニタ5に表示する構成としていたが、例えば、モニタ5には常時CCD4にて受光されたワークWからの反射光を表示するようにしてもよい。
【0032】
(6)第2実施形態では、発散レンズ19を音叉21により往復移動させる構成としていたが、例えば対物レンズ15のみを往復移動させる構成や、両レンズ15,19を互いに反対方向に往復移動させるような構成であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る変位測定装置の構成図
【図2】本発明の作用効果を示すための模式図
【図3】本発明の作用効果を示すための模式図
【図4】本発明の作用効果を示すための模式図
【図5】第2実施形態に係る変位測定装置の構成図
【図6】従来の変位測定装置の構成図
【符号の説明】
3…制御手段
4…CCD(電荷結合素子)
11…レーザ光源
14…ハーフミラー
17…受光素子
19…発散レンズ
21…音叉
22…励磁コイル
Claims (2)
- 光を出射する投光手段と、この投光手段からの光を略平行光にするコリメータレンズと、このコリメータレンズからの略平行光を収束させて被測定対象物上に投射する対物レンズと、この対物レンズによる前記投光手段からの光の焦点位置を移動させる焦点位置駆動手段と、この焦点位置駆動手段に駆動信号を与えて前記対物レンズによる光の焦点が前記被測定対象物の光照射面の前後に移動するようにする焦点駆動制御手段と、前記被測定対象物の光照射面からの反射光が入射されてその受光量に応じた受光信号を出力する受光部と、前記対物レンズによる光の焦点位置の変化と前記受光信号の変化とに基づいて前記被測定対象物の光照射面までの距離を検出する距離検出手段とを備えた変位測定装置において、
前記コリメータレンズと前記対物レンズとの間の光軸上に光分離手段を設け、この光分離手段で分離された前記被測定対象物の光照射面からの反射光を円錐レンズを通して撮像手段に入射させ、前記撮像手段から前記光照射面の傾きに応じて変化する前記円錐レンズを透過した光の分布を示す信号を出力するようにしたことを特徴とする変位測定装置。 - 前記コリメータレンズと前記対物レンズとの間に、コリメータレンズからの略平行光を発散させる発散レンズが設けられ、前記焦点位置駆動手段は前記発散レンズ及び/又は前記対物レンズを光軸方向に往復移動させることを特徴とする請求項1に記載の変位測定装置。
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JP2007285876A (ja) * | 2006-04-17 | 2007-11-01 | Nano System Solutions:Kk | 球面検査方法及び球面検査装置 |
JP2011242292A (ja) * | 2010-05-19 | 2011-12-01 | Katsura Opto Systems Co Ltd | 厚さチルトセンサ |
CN104567732A (zh) * | 2013-10-14 | 2015-04-29 | 北京航天计量测试技术研究所 | 卧轴式激光小角度测量装置 |
CN104567731A (zh) * | 2013-10-14 | 2015-04-29 | 北京航天计量测试技术研究所 | 立轴式激光小角度测量装置 |
CN107764185A (zh) * | 2017-11-29 | 2018-03-06 | 福州锐景达光电科技有限公司 | 非接触式点光源成像测量反射面位置的装置及方法 |
-
2002
- 2002-08-28 JP JP2002248743A patent/JP2004085442A/ja active Pending
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