JP2004084187A - 柱等衝突防止柵 - Google Patents
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Abstract
【課題】電柱、樹木、標識柱など柱状構造物やガードケーブル端部への正面・側面衝突を防止し、乗員の被害を軽減・防止することができる柱等衝突防止柵を提供すること。
【解決手段】電柱、樹木、標識柱など柱状構造物2の道路側の位置に設置され、該構造物への車両の衝突を防止するコンクリート製の柵で、コンクリート壁3が柱状構造物を中心として道路に沿う前後方向に所定長さ延び、かつ車両の車軸中心相当の高さで設けられ、コンクリート壁3の両端部が柱状構造物のある側に所定角度で内向きに屈曲した屈曲部7に形成されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】電柱、樹木、標識柱など柱状構造物2の道路側の位置に設置され、該構造物への車両の衝突を防止するコンクリート製の柵で、コンクリート壁3が柱状構造物を中心として道路に沿う前後方向に所定長さ延び、かつ車両の車軸中心相当の高さで設けられ、コンクリート壁3の両端部が柱状構造物のある側に所定角度で内向きに屈曲した屈曲部7に形成されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電柱、樹木、標識柱など柱状構造物への車両の衝突を防止する柵に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電柱、樹木、標識柱など柱状構造物やガードケーブル端部が道路脇に設置されている。しかし、従来は、それら専用の防護柵がなく、道路に近い位置に設置されていることもあり、運転操作を誤った車両が柱状構造物等に衝突する可能性が高く、これら剛な柱状構造物等に衝突すると、車両の変形が大きくなって乗員被害が大きいという問題があった。例えば、車両が柱状構造物等に前面から衝突すると、高い衝撃を受けて前面が大破し、また車両が柱状構造物等に側面から衝突すると、側面が大変形し、特に側面中央部で衝突すると、車体がくの字状に変形して大破し、いずれにしても人身に対する被害が避けられなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこでこの発明は、前記のような従来の問題点を解決し、電柱、樹木、標識柱など柱状構造物やガードケーブル端部への正面・側面衝突を防止し、乗員の被害を軽減・防止することができる柱等衝突防止柵を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、電柱、樹木、標識柱など柱状構造物の道路側の位置に設置され、該構造物への車両の衝突を防止するコンクリート製の柵で、コンクリート壁が柱状構造物を中心として道路に沿う前後方向に所定長さ延び、かつ車両の車軸中心相当の高さで設けられ、前記コンクリート壁の両端部が柱状構造物のある側に所定角度で内向きに屈曲した屈曲部に形成されていることを特徴とする。
【0005】
請求項2に記載の発明は、電柱、樹木、標識柱など柱状構造物の道路側の位置に設置され、該構造物への車両の衝突を防止するコンクリート製の柵で、コンクリート壁が柱状構造物を中心として道路に沿う前後方向に所定長さ延び、かつ車両の車軸中心相当の高さで設けられ、前記コンクリート壁の両端部上面が下向きテーパ部に形成され、該テーパ部と連接してコンクリート壁より高さの低い縁石が設けられていることを特徴とする。
【0006】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、コンクリート壁の道路側の面が、道路と反対側に倒れるように傾斜したテーパ面に形成されている。請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかにおいて、コンクリート壁が、その地上高さに相当する深さにわたり埋め込まれている。
【0007】
請求項5に記載の発明は、電柱、樹木、標識柱など柱状構造物の道路側の位置に設置され、該構造物への車両の衝突を防止する金属製の柵で、柱状構造物を中心としてその道路に沿う前後方向に所定間隔をおいて複数個配設された支持柱と、これら支持柱間に車両の車軸中心相当の高さで設けられた防護用横ビームとからなる柵本体の長手方向の少なくとも一端部に、該部に車両が衝突した際に柵本体の長手方向にスライドして衝突エネルギーを吸収する緩衝部が設けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項6に記載の発明は、請求項5において、緩衝部が、中空筒状体から構成されて端面が開口した柵本体の横ビーム内にスライド可能に収納された横ビームと、該横ビームを支持して設けられた支持柱とからなっている。
【0009】
請求項7に記載の発明は、ガードケーブル端部への車両の衝突を防止する金属製の柵で、該ガードケーブル端部支柱に車両の車軸中心相当の高さで設けられ、該端部に車両が衝突した際に横にスライドして衝突エネルギーを吸収する緩衝部が設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項8に記載の発明は、請求項7において、緩衝部が、中空筒状体から構成されて端面が開口した柵本体の横ビーム内にスライド可能に収納された横ビームと、該横ビームを支持して設けられた支持柱とからなっている。請求項9に記載の発明は、請求項8において、柵本体の横ビームの、開口端面と反対側の端部側面に端縁に向けて道路と反対側に傾斜したテーパ面が形成されている。
【0011】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。図1は実施の形態1を示す正面図、図2は同平面図、図3は図1のA−A線に沿う断面図である。1はコンクリート製の柱等衝突防止柵で、柱状構造物としての例えば電柱2の道路側の位置に設置されている。衝突防止柵1はコンクリート壁3を具え、該コンクリート壁は電柱2を中心として道路に沿う前後方向に、車両側面の衝突に対応する長さ延びている。すなわち、コンクリート壁3の長さLは車両5の側面衝突で電柱2への衝突が生じず、かつ2車線道路で両方向からの衝突を路まえた長さ、具体的には、直線部4m+前後屈曲部(後記)となっており、実施の形態では前後でほぼ等しい長さとなっている。
【0012】
コンクリート壁3は車両5が衝突しても変形しない程度の側面強度、具体的には上端に5〜10kN/m程度を有する。このため基礎強度を十分にとっている。コンクリート壁3は車両5の車軸中心相当の高さ、実施の形態では車両5のバンパーとタイヤ上部を抑える高さhで設けられている。この地上高さは圧迫感、景観阻害を生じさせず、車両の誘導性能、車両の側面衝突に適応する高さであり、具体的には50cm程度である。コンクリート壁3は車両5の衝突に耐えられるように地上高さに相当する深さ又はそれ以上にわたり埋め込まれている。コンクリート壁3の道路側の面が、道路と反対側に倒れるように下から上に向けて傾斜したテーパ面6に形成されている。
【0013】
また、コンクリート壁3は両端部が電柱2のある側に所定角度で内向きに屈曲した屈曲部7に形成されている。このような屈曲部7を設けたのはコンクリート壁3の端部への車両5の正面衝突を防ぐためである。屈曲部7の屈曲角度は任意であり、実施の形態はその一例を示したにすぎない。
【0014】
前記のような衝突防止柵1が電柱2の道路側の位置に設置されたものにおいて、運転操作を誤った車両5が電柱2のある方向に走行してきても、コンクリート壁3で防護され、該壁にその側面等で滑らかに誘導されて衝突して停止し、電柱2に直接衝突するのが防止される。しかも、コンクリート壁3の前後にある屈曲部7で該壁の端部への正面衝突が防止されるとともに、テーパ面6により衝突時の衝撃が和らげられる。したがって、車両5の車体に与えるダメージも大きくならないですむ。
【0015】
図4は実施の形態2を示す正面図、図5は同平面図、図6は図5のA−A線に沿う断面図、図7は図5のB−B線に沿う断面図である。11はコンクリート製の柱等衝突防止柵で、柱状構造物としての例えば電柱12の道路側の位置に設置されている。衝突防止柵11はコンクリート壁13を具え、該コンクリート壁は電柱12を中心として道路に沿う前後方向に、車両側面の衝突に対応する長さ延びている。コンクリート壁13は両端部上面が下向きテーパ部14に形成され、該テーパ部と連接してコンクリート壁13より高さの低い縁石15が設けられている。
【0016】
縁石15は、道路(車道)と歩道を区分して車両5が歩道に入りにくいようにしたもので、高さが25cm程度、幅が15cm程度の連続したコンクリートブロックからなっている。図では前後に短く表されているが、実際は前後方向に必要な長さ連続して延びている。すなわち、柱等衝突防止柵11は、このような縁石15で区切られた歩道に縁石を一部撤去して設けられるもので、縁石15のない歩道に柱等衝突防止柵11が設置された後、縁石をその前後に設けるものではない。その他、コンクリート壁13の道路側の面が傾斜テーパ面16に形成されている点、コンクリート壁13がその高さに相当する深さにわたり埋め込まれている点、等は実施の形態1と同様である。
【0017】
この衝突防止柵11においても、運転操作を誤った車両5が電柱2のある方向に走行してきた場合、コンクリート壁13で防護され、該壁にその側面等で滑らかに誘導されて衝突して停止し、電柱12に直接衝突するのが防止される。しかも、コンクリート壁13のテーパ面16により衝突時の衝撃が和らげられる。したがって、車両5の車体に与えるダメージも大きくならないですむ。
【0018】
図8は実施の形態3を示す正面図、図9は同平面図、図10は図8のA部拡大図である。21は金属製の柱等衝突防止柵で、柱状構造物としての例えば電柱22の道路側の位置に設置されている。衝突防止柵21は電柱22を中心としてその道路に沿う前後方向に所定間隔をおいて複数個配設された支持柱23と、これら支持柱間に車両5の車軸中心相当の高さで設けられた防護用横ビーム24とからなる柵本体25を具え、該棚本体の長手方向の両端部には該部に車両5が衝突した際に柵本体25の長手方向にスライドして衝突エネルギーを吸収する緩衝部26が設けられている。支持柱23は車両5が直接衝突しないように横ビーム24の背面に配置されている。横ビーム24は後記のように中空角筒状からなり、また車両5が直接潜り込まない高さを有している。
【0019】
緩衝部26は前後対称となっている点以外、同様な構成であるから、以下にはそのうちの一方の緩衝部について図10を参照して説明する。緩衝部26は下方開口の中空角筒状の横ビーム31と、該横ビームをヒンジ軸32で支持して設けられた中空角筒状の支持柱33とからなっており、横ビーム31よりやや大きく中空角筒状に形成されて端面が開口した柵本体25の横ビーム24内にスライド可能に収納されている。
【0020】
前記のような衝突防止柵21が電柱22の道路側の位置に設置されたものにおいて、運転操作を誤った車両5が電柱22のある方向に走行してきても、柵本体25の横ビーム31で防護され、該ビームにその側面等で滑らかに誘導されて衝突して停止し、電柱22に直接衝突するのが防止される。また車両5がその両端部に正面衝突したとしても緩衝部26において、図11に示すように支持柱33が倒れ、これに伴って横ビーム31が柵本体25の横ビーム24内にスライドして衝撃を和らげる。このように端部がスライド変形することにより、車両5の車体に与えるダメージも大きくならないですむ。
【0021】
図12は実施の形態4を示す正面図、図13は同平面図である。41はガードケーブル端部への車両の衝突を防止する金属製の柱等衝突防止柵で、ガードケーブル端部支柱42に車両が衝突した際に横にスライドして衝突エネルギーを吸収する緩衝部43が設けられている。緩衝部43は、中空角筒状に形成されて端面が開口した柵本体44の横ビーム45内にスライド可能に収納された横ビーム46と、該横ビームをヒンジ軸47で支持して設けられた支持柱48とからなっている。柵本体44の横ビーム45の、開口端面と反対側の端部側面に端縁に向けて道路と反対側に傾斜したテーパ面49が形成されている。緩衝部43の支持柱48はガードケーブル端部支柱42とともにコンクリート基礎ブロック50に立設され、該ブロックは土中に埋設される。図中、51はガードケーブルで、支柱42と所定間隔をおいて複数設置された支柱52間に張設される。
【0022】
この衝突防止柵41においても、運転操作を誤った車両5がガードケーブル端部支柱42のある方向に走行してきて、該支柱に正面衝突したとしても緩衝部43において、図11に示すのと同様に支持柱48が倒れ、これに伴って横ビーム43が柵本体43の横ビーム46内にスライドして衝撃を和らげる。したがって、車両5の車体に与えるダメージも大きくならないですむ。また、この実施の形態では車両5が緩衝部43と反対側から衝突してもテーパ面49でその抵抗を軽減するので、衝撃は和らぐ。
【0023】
尚、実施の形態1〜4は一例であって、各実施の形態において細部の設計変更的な事項は実施に際して適宜、変更又は修正することが可能である。
【0024】
【発明の効果】
この発明は前記のようであって、柱状構造物の道路側の位置にコンクリート製あるいは金属製の柱衝突防止柵を設置することにより、該構造物への車両の正面・側面衝突を防止することが可能となり、従来発生していた乗員の死亡、重傷を被る被害を軽減・防止し、少なくとも軽傷以下の被害に抑えることができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1を示す正面図である。
【図2】同上の平面図である。
【図3】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図4】実施の形態2を示す正面図である。
【図5】同上の平面図である。
【図6】図5のA−A線に沿う断面図である。
【図7】図5のB−B線に沿う断面図である。
【図8】実施の形態3を示す正面図である。
【図9】同上の平面図である。
【図10】図8のA部拡大図で、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は(A)のC−C線に沿う断面図、(D)は(A)のD−D線に沿う断面図、(E)は(A)のE−E線に沿う断面図ある。
【図11】作用説明図である。
【図12】実施の形態4を示す正面図である。
【図13】同上の平面図である。
【符号の説明】
1,11,21,41 柱等衝突防止柵
2,12,22 電柱(柱状構造物)
3,13 コンクリート壁
5 車両
6 テーパ面
7 屈曲部
14 テーパ部
15 縁石
23,33,48 支持柱
24,45,46 横ビーム
25,44 柵本体
26,43 緩衝部
31 横ビーム
32,47 ヒンジ軸
42 ガードケーブル端部支柱
【発明の属する技術分野】
この発明は、電柱、樹木、標識柱など柱状構造物への車両の衝突を防止する柵に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電柱、樹木、標識柱など柱状構造物やガードケーブル端部が道路脇に設置されている。しかし、従来は、それら専用の防護柵がなく、道路に近い位置に設置されていることもあり、運転操作を誤った車両が柱状構造物等に衝突する可能性が高く、これら剛な柱状構造物等に衝突すると、車両の変形が大きくなって乗員被害が大きいという問題があった。例えば、車両が柱状構造物等に前面から衝突すると、高い衝撃を受けて前面が大破し、また車両が柱状構造物等に側面から衝突すると、側面が大変形し、特に側面中央部で衝突すると、車体がくの字状に変形して大破し、いずれにしても人身に対する被害が避けられなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこでこの発明は、前記のような従来の問題点を解決し、電柱、樹木、標識柱など柱状構造物やガードケーブル端部への正面・側面衝突を防止し、乗員の被害を軽減・防止することができる柱等衝突防止柵を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、電柱、樹木、標識柱など柱状構造物の道路側の位置に設置され、該構造物への車両の衝突を防止するコンクリート製の柵で、コンクリート壁が柱状構造物を中心として道路に沿う前後方向に所定長さ延び、かつ車両の車軸中心相当の高さで設けられ、前記コンクリート壁の両端部が柱状構造物のある側に所定角度で内向きに屈曲した屈曲部に形成されていることを特徴とする。
【0005】
請求項2に記載の発明は、電柱、樹木、標識柱など柱状構造物の道路側の位置に設置され、該構造物への車両の衝突を防止するコンクリート製の柵で、コンクリート壁が柱状構造物を中心として道路に沿う前後方向に所定長さ延び、かつ車両の車軸中心相当の高さで設けられ、前記コンクリート壁の両端部上面が下向きテーパ部に形成され、該テーパ部と連接してコンクリート壁より高さの低い縁石が設けられていることを特徴とする。
【0006】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、コンクリート壁の道路側の面が、道路と反対側に倒れるように傾斜したテーパ面に形成されている。請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかにおいて、コンクリート壁が、その地上高さに相当する深さにわたり埋め込まれている。
【0007】
請求項5に記載の発明は、電柱、樹木、標識柱など柱状構造物の道路側の位置に設置され、該構造物への車両の衝突を防止する金属製の柵で、柱状構造物を中心としてその道路に沿う前後方向に所定間隔をおいて複数個配設された支持柱と、これら支持柱間に車両の車軸中心相当の高さで設けられた防護用横ビームとからなる柵本体の長手方向の少なくとも一端部に、該部に車両が衝突した際に柵本体の長手方向にスライドして衝突エネルギーを吸収する緩衝部が設けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項6に記載の発明は、請求項5において、緩衝部が、中空筒状体から構成されて端面が開口した柵本体の横ビーム内にスライド可能に収納された横ビームと、該横ビームを支持して設けられた支持柱とからなっている。
【0009】
請求項7に記載の発明は、ガードケーブル端部への車両の衝突を防止する金属製の柵で、該ガードケーブル端部支柱に車両の車軸中心相当の高さで設けられ、該端部に車両が衝突した際に横にスライドして衝突エネルギーを吸収する緩衝部が設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項8に記載の発明は、請求項7において、緩衝部が、中空筒状体から構成されて端面が開口した柵本体の横ビーム内にスライド可能に収納された横ビームと、該横ビームを支持して設けられた支持柱とからなっている。請求項9に記載の発明は、請求項8において、柵本体の横ビームの、開口端面と反対側の端部側面に端縁に向けて道路と反対側に傾斜したテーパ面が形成されている。
【0011】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。図1は実施の形態1を示す正面図、図2は同平面図、図3は図1のA−A線に沿う断面図である。1はコンクリート製の柱等衝突防止柵で、柱状構造物としての例えば電柱2の道路側の位置に設置されている。衝突防止柵1はコンクリート壁3を具え、該コンクリート壁は電柱2を中心として道路に沿う前後方向に、車両側面の衝突に対応する長さ延びている。すなわち、コンクリート壁3の長さLは車両5の側面衝突で電柱2への衝突が生じず、かつ2車線道路で両方向からの衝突を路まえた長さ、具体的には、直線部4m+前後屈曲部(後記)となっており、実施の形態では前後でほぼ等しい長さとなっている。
【0012】
コンクリート壁3は車両5が衝突しても変形しない程度の側面強度、具体的には上端に5〜10kN/m程度を有する。このため基礎強度を十分にとっている。コンクリート壁3は車両5の車軸中心相当の高さ、実施の形態では車両5のバンパーとタイヤ上部を抑える高さhで設けられている。この地上高さは圧迫感、景観阻害を生じさせず、車両の誘導性能、車両の側面衝突に適応する高さであり、具体的には50cm程度である。コンクリート壁3は車両5の衝突に耐えられるように地上高さに相当する深さ又はそれ以上にわたり埋め込まれている。コンクリート壁3の道路側の面が、道路と反対側に倒れるように下から上に向けて傾斜したテーパ面6に形成されている。
【0013】
また、コンクリート壁3は両端部が電柱2のある側に所定角度で内向きに屈曲した屈曲部7に形成されている。このような屈曲部7を設けたのはコンクリート壁3の端部への車両5の正面衝突を防ぐためである。屈曲部7の屈曲角度は任意であり、実施の形態はその一例を示したにすぎない。
【0014】
前記のような衝突防止柵1が電柱2の道路側の位置に設置されたものにおいて、運転操作を誤った車両5が電柱2のある方向に走行してきても、コンクリート壁3で防護され、該壁にその側面等で滑らかに誘導されて衝突して停止し、電柱2に直接衝突するのが防止される。しかも、コンクリート壁3の前後にある屈曲部7で該壁の端部への正面衝突が防止されるとともに、テーパ面6により衝突時の衝撃が和らげられる。したがって、車両5の車体に与えるダメージも大きくならないですむ。
【0015】
図4は実施の形態2を示す正面図、図5は同平面図、図6は図5のA−A線に沿う断面図、図7は図5のB−B線に沿う断面図である。11はコンクリート製の柱等衝突防止柵で、柱状構造物としての例えば電柱12の道路側の位置に設置されている。衝突防止柵11はコンクリート壁13を具え、該コンクリート壁は電柱12を中心として道路に沿う前後方向に、車両側面の衝突に対応する長さ延びている。コンクリート壁13は両端部上面が下向きテーパ部14に形成され、該テーパ部と連接してコンクリート壁13より高さの低い縁石15が設けられている。
【0016】
縁石15は、道路(車道)と歩道を区分して車両5が歩道に入りにくいようにしたもので、高さが25cm程度、幅が15cm程度の連続したコンクリートブロックからなっている。図では前後に短く表されているが、実際は前後方向に必要な長さ連続して延びている。すなわち、柱等衝突防止柵11は、このような縁石15で区切られた歩道に縁石を一部撤去して設けられるもので、縁石15のない歩道に柱等衝突防止柵11が設置された後、縁石をその前後に設けるものではない。その他、コンクリート壁13の道路側の面が傾斜テーパ面16に形成されている点、コンクリート壁13がその高さに相当する深さにわたり埋め込まれている点、等は実施の形態1と同様である。
【0017】
この衝突防止柵11においても、運転操作を誤った車両5が電柱2のある方向に走行してきた場合、コンクリート壁13で防護され、該壁にその側面等で滑らかに誘導されて衝突して停止し、電柱12に直接衝突するのが防止される。しかも、コンクリート壁13のテーパ面16により衝突時の衝撃が和らげられる。したがって、車両5の車体に与えるダメージも大きくならないですむ。
【0018】
図8は実施の形態3を示す正面図、図9は同平面図、図10は図8のA部拡大図である。21は金属製の柱等衝突防止柵で、柱状構造物としての例えば電柱22の道路側の位置に設置されている。衝突防止柵21は電柱22を中心としてその道路に沿う前後方向に所定間隔をおいて複数個配設された支持柱23と、これら支持柱間に車両5の車軸中心相当の高さで設けられた防護用横ビーム24とからなる柵本体25を具え、該棚本体の長手方向の両端部には該部に車両5が衝突した際に柵本体25の長手方向にスライドして衝突エネルギーを吸収する緩衝部26が設けられている。支持柱23は車両5が直接衝突しないように横ビーム24の背面に配置されている。横ビーム24は後記のように中空角筒状からなり、また車両5が直接潜り込まない高さを有している。
【0019】
緩衝部26は前後対称となっている点以外、同様な構成であるから、以下にはそのうちの一方の緩衝部について図10を参照して説明する。緩衝部26は下方開口の中空角筒状の横ビーム31と、該横ビームをヒンジ軸32で支持して設けられた中空角筒状の支持柱33とからなっており、横ビーム31よりやや大きく中空角筒状に形成されて端面が開口した柵本体25の横ビーム24内にスライド可能に収納されている。
【0020】
前記のような衝突防止柵21が電柱22の道路側の位置に設置されたものにおいて、運転操作を誤った車両5が電柱22のある方向に走行してきても、柵本体25の横ビーム31で防護され、該ビームにその側面等で滑らかに誘導されて衝突して停止し、電柱22に直接衝突するのが防止される。また車両5がその両端部に正面衝突したとしても緩衝部26において、図11に示すように支持柱33が倒れ、これに伴って横ビーム31が柵本体25の横ビーム24内にスライドして衝撃を和らげる。このように端部がスライド変形することにより、車両5の車体に与えるダメージも大きくならないですむ。
【0021】
図12は実施の形態4を示す正面図、図13は同平面図である。41はガードケーブル端部への車両の衝突を防止する金属製の柱等衝突防止柵で、ガードケーブル端部支柱42に車両が衝突した際に横にスライドして衝突エネルギーを吸収する緩衝部43が設けられている。緩衝部43は、中空角筒状に形成されて端面が開口した柵本体44の横ビーム45内にスライド可能に収納された横ビーム46と、該横ビームをヒンジ軸47で支持して設けられた支持柱48とからなっている。柵本体44の横ビーム45の、開口端面と反対側の端部側面に端縁に向けて道路と反対側に傾斜したテーパ面49が形成されている。緩衝部43の支持柱48はガードケーブル端部支柱42とともにコンクリート基礎ブロック50に立設され、該ブロックは土中に埋設される。図中、51はガードケーブルで、支柱42と所定間隔をおいて複数設置された支柱52間に張設される。
【0022】
この衝突防止柵41においても、運転操作を誤った車両5がガードケーブル端部支柱42のある方向に走行してきて、該支柱に正面衝突したとしても緩衝部43において、図11に示すのと同様に支持柱48が倒れ、これに伴って横ビーム43が柵本体43の横ビーム46内にスライドして衝撃を和らげる。したがって、車両5の車体に与えるダメージも大きくならないですむ。また、この実施の形態では車両5が緩衝部43と反対側から衝突してもテーパ面49でその抵抗を軽減するので、衝撃は和らぐ。
【0023】
尚、実施の形態1〜4は一例であって、各実施の形態において細部の設計変更的な事項は実施に際して適宜、変更又は修正することが可能である。
【0024】
【発明の効果】
この発明は前記のようであって、柱状構造物の道路側の位置にコンクリート製あるいは金属製の柱衝突防止柵を設置することにより、該構造物への車両の正面・側面衝突を防止することが可能となり、従来発生していた乗員の死亡、重傷を被る被害を軽減・防止し、少なくとも軽傷以下の被害に抑えることができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1を示す正面図である。
【図2】同上の平面図である。
【図3】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図4】実施の形態2を示す正面図である。
【図5】同上の平面図である。
【図6】図5のA−A線に沿う断面図である。
【図7】図5のB−B線に沿う断面図である。
【図8】実施の形態3を示す正面図である。
【図9】同上の平面図である。
【図10】図8のA部拡大図で、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は(A)のC−C線に沿う断面図、(D)は(A)のD−D線に沿う断面図、(E)は(A)のE−E線に沿う断面図ある。
【図11】作用説明図である。
【図12】実施の形態4を示す正面図である。
【図13】同上の平面図である。
【符号の説明】
1,11,21,41 柱等衝突防止柵
2,12,22 電柱(柱状構造物)
3,13 コンクリート壁
5 車両
6 テーパ面
7 屈曲部
14 テーパ部
15 縁石
23,33,48 支持柱
24,45,46 横ビーム
25,44 柵本体
26,43 緩衝部
31 横ビーム
32,47 ヒンジ軸
42 ガードケーブル端部支柱
Claims (9)
- 電柱、樹木、標識柱など柱状構造物の道路側の位置に設置され、該構造物への車両の衝突を防止するコンクリート製の柵で、コンクリート壁が柱状構造物を中心として道路に沿う前後方向に所定長さ延び、かつ車両の車軸中心相当の高さで設けられ、前記コンクリート壁の両端部が柱状構造物のある側に所定角度で内向きに屈曲した屈曲部に形成されていることを特徴とする柱等衝突防止柵。
- 電柱、樹木、標識柱など柱状構造物の道路側の位置に設置され、該構造物への車両の衝突を防止するコンクリート製の柵で、コンクリート壁が柱状構造物を中心として道路に沿う前後方向に所定長さ延び、かつ車両の車軸中心相当の高さで設けられ、前記コンクリート壁の両端部上面が下向きテーパ部に形成され、該テーパ部と連接してコンクリート壁より高さの低い縁石が設けられていることを特徴とする柱等衝突防止柵。
- コンクリート壁の道路側の面が、道路と反対側に倒れるように傾斜したテーパ面に形成されている請求項1又は2記載の柱等衝突防止柵。
- コンクリート壁が、その地上高さに相当する深さにわたり埋め込まれている請求項1ないし3のいずれかに記載の柱等衝突防止柵。
- 電柱、樹木、標識柱など柱状構造物の道路側の位置に設置され、該構造物への車両の衝突を防止する金属製の柵で、柱状構造物を中心としてその道路に沿う前後方向に所定間隔をおいて複数個配設された支持柱と、これら支持柱間に車両の車軸中心相当の高さで設けられた防護用横ビームとからなる柵本体の長手方向の少なくとも一端部に、該部に車両が衝突した際に柵本体の長手方向にスライドして衝突エネルギーを吸収する緩衝部が設けられていることを特徴とする柱等衝突防止柵。
- 緩衝部が、中空筒状体から構成されて端面が開口した柵本体の横ビーム内にスライド可能に収納された横ビームと、該横ビームを支持して設けられた支持柱とからなっている請求項5記載の柱等衝突防止柵。
- ガードケーブル端部への車両の衝突を防止する金属製の柵で、該ガードケーブル端部支柱に車両の車軸中心相当の高さで設けられ、該端部に車両が衝突した際に横にスライドして衝突エネルギーを吸収する緩衝部が設けられていることを特徴とする柱等衝突防止柵。
- 緩衝部が、中空筒状体から構成されて端面が開口した柵本体の横ビーム内にスライド可能に収納された横ビームと、該横ビームを支持して設けられた支持柱とからなっている請求項7記載の柱等衝突防止柵。
- 柵本体の横ビームの、開口端面と反対側の端部側面に端縁に向けて道路と反対側に傾斜したテーパ面が形成されている請求項8記載の柱等衝突防止柵。
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JP2002242919A JP2004084187A (ja) | 2002-08-23 | 2002-08-23 | 柱等衝突防止柵 |
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JP2002242919A JP2004084187A (ja) | 2002-08-23 | 2002-08-23 | 柱等衝突防止柵 |
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JP (1) | JP2004084187A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7400364B2 (ja) | 2019-11-08 | 2023-12-19 | 株式会社リコー | 音声認識システム及び情報処理方法 |
-
2002
- 2002-08-23 JP JP2002242919A patent/JP2004084187A/ja active Pending
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