JP2004083839A - 低温硬化性エポキシ樹脂およびその製造方法、並びにこれを用いた粉体塗料用組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低温硬化性エポキシ樹脂を用いた粉体塗料用組成物に関し、さらに詳細には、低温で容易に硬化することから、昇温し難い素材や、熱に敏感な素材でも使用できる低温硬化性エポキシ樹脂を用いた粉体塗料用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂は、分子内に2個以上のエポキシ基を有している化合物であって、触媒又は硬化剤の存在下で室温或いは加熱によって3次元構造となる熱硬化性樹脂の一種である。しかし、硬化剤又は触媒を加えずに加熱すると硬化されないという点から、他の熱硬化性樹脂と区別される。硬化されたエポキシ樹脂は接着力、機械的物性、電気的性能、耐薬品性などに優れているため、鋳型品、成形品、塗料などに広く使用されている。
【0003】
特に、金属を始めとする各種材質に対する接着性と耐水性、耐薬品性に優れていて塗膜の靭性に優れているエポキシ樹脂は、アルキドやフェノール樹脂系塗料に代わって広く使用されている。
【0004】
粉体塗料は、粉末形態のフィルム形成用組成物を有機溶媒又は水のような揮発性分散媒を使用せずに被塗装物の表面に塗布した後、加熱溶融させる方法で使用される塗料を意味する。液状塗料とは違って、粉体塗料は溶剤が不要で、1回のみの塗装でも厚い塗膜が得られ、且つ、溶剤に溶解されない高分子樹脂も利用できるという特長から、建築資材、自動車部品、パイプ、機械部品、電子製品、鉄製家具などその用途および需要が益々増大しつつある。
【0005】
熱硬化性粉体塗料は、一般に、粉体塗料用樹脂を硬化剤、顔料、添加剤などとともに押出機や高温のロールミルのようなブレンダーで80ないし130℃に加熱して溶融混合させた後、粉砕することによって製造される。他の方法としては、成分などをボールミル又はリボンブレンダーのような混合器を利用して常温で混合することによって製造することができる。
【0006】
粉体塗料は多様な塗装法、例えば溶射法、流動層法又は静電塗装法によって塗装され得るが、静電塗装法が最も広く利用されている。
【0007】
一方、通常のビスフェノール化合物のジグリシジルエーテルに対し、さらにその二級の水酸基にエピクロルヒドリンを反応させて得られる多官能のビスフェノール型エポキシ樹脂が電気・電子部品の封止材料、積層板などの用途に有用であることが提案されている(例えば、特許文献1〜4参照。)。しかし、これらの公報には、これを用いて粉体塗料を製造することに関しては全く記載されていない。
【0008】
粉体塗料に使用される樹脂は、大きくエポキシ系とポリエステル系樹脂に区分される。エポキシ系樹脂には、通常、ビスフェノールAとエピクロロヒドリンを塩基又は酸触媒下で反応させて製造するビスフェノールA系エポキシ樹脂を使用するが、耐薬品性および耐食性には優れているものの、高温で硬化が行われるため、短時間で昇温し難い金属系の厚い塗装物には多くの熱エネルギーを加えなければならず、エネルギー損失が大きく、熱に敏感な素材には適用し難いという問題点があった。
【0009】
【特許文献1】
米国特許第4623701号公報
【特許文献2】
特開平5−5020号公報
【特許文献3】
特開平6−248055号公報
【特許文献4】
特開平6−298904号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は、前記問題を解決するために案出されたものであって、エポキシ樹脂固有の物性である耐食性を保持しながら、低温でも硬化可能な低温硬化性エポキシ樹脂を利用する粉体塗料用組成物を提供することにその目的がある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
耐食性には優れているが、高温で硬化される特性を有する一般のエポキシ樹脂の短所を改善するために、本発明の粉体塗料用組成物では、エポキシ樹脂に多官能性を与えた前記一般式(I)の低温硬化性エポキシ樹脂を使用することによって、既存の耐食性を保持しながら低温硬化性を補完するに至った。
【0012】
すなわち本発明は、下記一般式(I)で表されるエポキシ樹脂100重量部と、硬化剤30乃至500重量部とを含むことを特徴とする粉体塗料用組成物を提供する。
(式中、nは0.1乃至30の実数を表し、R1及びR2は、独立的に水素、置換又は非置換された炭素原子数1乃至5のアルキル又はアルコキシであり、Xは水素原子又はグリシジル基を表すが、Xの20%以上はグリシジル基を表す。)
【0013】
また、請求項1の構成において、上記一般式(I)で表される低温硬化性エポキシが、下記式(1)で表されるエポキシ樹脂であることが好ましい。
(式中、nは0.1乃至30の実数を表し、R1及びR2は、独立的に水素、置換又は非置換された炭素原子数1乃至5のアルキル又はアルコキシである。)
【0014】
また、前記式(I)中、R1およびR2が共に水素又はメチルであり、nが1乃至15の実数であるのが好ましい。
【0015】
本発明の別の実施例によれば、消泡剤0.1乃至20重量部%と、レベリング剤0.1乃至20重量%とをさらに含むことが好ましい。
【0016】
本発明の別の実施例によれば、前記硬化剤はフェノール系硬化剤又はポリエステル系硬化剤であることが好ましい。
【0017】
本発明の別の実施例によれば、本発明の粉体塗料組成物は前記一般式(I)で表される低温硬化性エポキシ樹脂100重量部に対して、エポキシ当量600乃至1500g/eqのビスフェノールA系凡用粉体塗料用エポキシ樹脂10乃至200重量部をさらに含むのが好ましい。
【0018】
本発明のさらに別の実施例によれば、本発明の粉体塗料組成物は、顔料、酸化防止剤、充填剤、光安定剤、硬化促進剤及び紫外線吸収剤よりなる群から選択された1種以上をさらに含むことが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0020】
本発明の粉体塗料組成物は、下記一般式(I)で表されるエポキシ樹脂100重量部と、硬化剤30乃至500重量部とを含むことが必要である。
(式中、nは0.1乃至30の実数を表し、R1及びR2は、独立的に水素、置換又は非置換された炭素原子数1乃至5のアルキル又はアルコキシであり、Xは水素原子又はグリシジル基を表すが、Xの20%以上はグリシジル基を表す。)
【0021】
本発明において、一般式(I)中、R1及びR2が共に水素原子又は共にメチル基であることが好ましい。また、上記R1及びR2で表される炭素原子数1乃至5のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチルなどの基が挙げられる。また、nは0.1乃至30の実数であり、好ましくは1乃至15の実数を表す。Xは水素原子又はグリシジル基を表すが、Xの20%以上、好ましくは25%以上がグリシジル基である。ここで、nおよびXは平均値を表すものである。本発明において、nが0.1未満あるいはXの20%未満がグリシジル基である場合には、三官能以上の多官能エポキシ化合物の含有量が少なくなるため、硬化性や塗膜物性が満足できるものが得られなくなる。
【0022】
本発明の粉体塗料用組成物は、主剤として前記一般式(I)の低温硬化性エポキシ樹脂を使用する必要があり、前記一般式(1)の低温硬化性エポキシ樹脂であることが好ましい。
【0023】
また、本発明の粉体塗料用組成物は、硬化剤としてはフェノール系硬化剤又はポリエステル系硬化剤を使用することが好ましい。すなわち、酸無水物やアミンのような一般塗料用硬化剤を使用せずに、低温で加熱することによって前記粉体塗料用組成物を硬化反応せしめ得るように、硬化剤としてフェノール系又はポリエステル系樹脂を使用することが好ましい。
【0024】
本発明の粉体塗料用組成物で使用される硬化剤の使用量は、前記一般式(I)の低温硬化性エポキシ樹脂100重量部に対して30ないし500重量部を使用できるが、その理由は、主剤と硬化剤の官能基が当量反応によって完全に反応して未反応官能基が残らないようにするためである。
【0025】
本発明に使用される一般式(I)で表されるエポキシ樹脂は、エポキシ当量が200乃至600g/eqであることが好ましく、エポキシ当量が600g/eqを越えるような場合には、硬化物が着色したり、物性が低下するおそれがある。
【0026】
本発明の粉体塗料用組成物で硬化剤として使用されるポリエステル系硬化剤は、当業界で粉体塗料用組成物に通常的に使用されるものであって、エポキシ樹脂との硬化反応に参与できるカルボキシ基を含有するものなら特に制限はないが、ガラス転移温度が55ないし65℃であり、酸価は30ないし80程度であるのが好ましい。
【0027】
商業的に得られる前記ポリエステル系硬化剤の例には、商標名「KP−3520」(国都化学株式会社製)、商標名「KP−3531」(国都化学株式会社製)、商標名「KP−3620」(国都化学株式会社製)、商標名「KP−3720」(国都化学株式会社製)などがある。
【0028】
また、本発明の粉体塗料用組成物で硬化剤として使用されるフェノール系硬化剤は、当業界で粉体塗料用組成物に通常的に使用されるものであれば特に限定されないが、末端基にOH基を有し、このようなフェノールOH基の当量は200ないし800であるのが好ましい。本発明においては、ビスフェノールA系硬化剤を使用することが好ましい。
【0029】
商業的に得られる前記ビスフェノールA系硬化剤としては、例えば商標名「KD−410J」(国都化学株式会社製)、商標名「KD−406」(国都化学株式会社製)、商標名「KD−420」(国都化学株式会社製)、商標名「KD−426」(国都化学株式会社製)などが挙げられる。
【0030】
本発明の粉体塗料組成物は、エポキシ当量600ないし1500g/eqのビスフェノールA系凡用粉体塗料用エポキシ樹脂をさらに含むのが好ましいが、これらは粉体塗料が硬化するときフェノール系硬化剤およびポリエステル系硬化剤と反応して硬化物を形成する。前述のような当量600ないし1500g/eqのビスフェノールA系凡用粉体塗料用エポキシ樹脂は、前記一般式(I)の低温エポキシ樹脂100重量部に対して10ないし200重量部の含量で添加されるのが好ましく、その含量が10重量部未満であれば添加に伴う効果が少なく、200重量部を超えると低温硬化効果がなくなり、かつ機械的物性が低くなるため、好ましくない。
【0031】
本発明の粉体塗料用組成物は当業界に公知の消泡剤を所定量含有するのが好ましいが、消泡剤は塗膜表面での気泡発生を抑制する役割をし、その含量は粉体塗料組成物総重量を基準に0.1ないし20重量%であることが好ましい。消泡剤の含量がこの範囲を外れると物性に悪影響を与えることになる。
【0032】
本発明の粉体塗料用組成物に使用されるレベリング剤は塗膜の平滑性を付与するものであって、その含量は粉体塗料組成物総重量を基準に0.1ないし20重量%であることが好ましい。レベリング剤の含量がこの範囲を外れる場合もやはり機械的物性に良くない影響を与える。
【0033】
本発明の前記粉体塗料用組成物は、前記成分以外にも当業界で粉体塗料用組成物に通常的に添加される公知の添加剤をさらに含むことができる。この種の添加剤には顔料、酸化防止剤、充填剤、光安定剤、硬化促進剤及び紫外線吸収剤などがあり、これらからなる群から選ばれる1種以上を、必要に応じて適宜含むことができる。
【0034】
本発明に使用される一般式(I)の低温硬化性多官能性エポキシ樹脂は、例えば下記一般式(2)の構造を有するビスフェノールA系エポキシ樹脂とエピクロロヒドリンを重合して製造することができる。
(式中、nは0.1乃至30の実数を表し、R1及びR2は、独立的に水素、置換又は非置換された炭素原子数1乃至5のアルキル又はアルコキシである。)
【0035】
本発明における一般式(I)の低温硬化性エポキシ樹脂を製造するために使用されるエピクロロヒドリンは、1,2−エポキシ−3−クロロプロパンとも呼ばれ、下記一般式3のような構造を有し、無色透明な液体であってdl−体とl−体が知られているが、通常はdl−体を指す。
【0036】
前記一般式(2)のビスフェノールA系化合物と前記一般式(3)のエピクロロヒドリンを反応させることによって、本発明の前記一般式(I)の多官能性エポキシ樹脂を製造することができ、その製造方法は具体的に下記の反応式1の通りである。
(反応式1)
【0037】
前記反応式1に示したように、前記化学式(2)のビスフェノールA系エポキシ樹脂を、触媒の存在下に過量の前記化学式(3)のエピクロロヒドリンと反応させて、本発明における一般式(I)の低温硬化性である多官能性エポキシ系樹脂を得ることができる。このときの反応温度は50〜80℃の範囲であることが好ましく、30〜250Torrの減圧条件下で反応が行われることが好ましい。また、前記反応の反応時間は、2乃至30時間であることが好ましい。
【0038】
前記触媒としては、アルカリ、ルイス酸および層間移動触媒が挙げられる。ここで、アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどが挙げられ、ルイス酸としては、例えば、トリフッ化ホウ素、塩化錫、塩化亜鉛などが挙げられ、層間移動触媒としては、例えば、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、メチルトリオクチルアンモニウムクロリド、メチルトリデシルアンモニウムクロリド、N,N−ジメチルピロリジニウムクロリド、N−エチル−N−メチルピロリジニウムヨージド、N−ブチル−N−メチルピロリジニウムブロミド、N−ベンジル−N−メチルピロリジニウムクロリド、N−エチル−N−メチルピロリジニウムブロミド、N−ブチル−N−メチルモルホリニウムブロミド、N−ブチル−N−メチルモルホリニウムヨージド、N−アリル−N−メチルモルホリニウムブロミド、N−メチル−N−ベンジルピペリジニウムクロリド、N−メチル−N−ベンジルピペリジニウムブロミド、N,N−ジメチルピペリジニウムヨージド、N−メチル−N−エチルピペリジニウムアセテート、N−メチル−N−エチルピペリジニウムヨージドなどが挙げられるが、これらの中でテトラメチルアンモニウムクロリドが好ましい。
【0039】
前記反応式1におけるエピクロルヒドリンの使用量は、ジグリシジルエーテルの水酸基1当量に対し、1当量以上で使用されることが好ましく、より好ましくは2〜10当量の範囲である。
【0040】
また、前記反応式1において、触媒としてのアルカリの使用量は、グリシジル化される水酸基1当量に対し、0.1〜2.0モル使用されることが好ましく、より好ましくは0.3〜1.5モル使用である。また、前記反応式1において、触媒としての層間移動触媒の使用量は、反応剤の全重量に対し、0.01〜10モル%であることが好ましく、より好ましくは0.2〜2モル%である。
【0041】
また、前記反応は炭化水素、エーテル又はケトンのような溶媒下で行なうこともできるが、過剰のエピクロルヒドリンを溶媒として使用することもできる。また、前記一般式(I)で表されるエポキシ樹脂は、Xの20%以上がグリシジル基である必要があるが、エピクロルヒドリンの過剰量、反応温度、反応圧力、反応時間、触媒の種類および使用量等の反応条件を調整することにより任意の再エポキシ化率のエポキシ樹脂を製造することができる。
【0042】
前記反応で得られた本発明の一般式(I)の低温硬化性である多官能性エポキシ系樹脂は、エポキシ当量が200乃至600の値を有し、nの値は、1乃至30の値を有する。
【0043】
本発明に使用される一般式(1)の低温硬化性である多官能性エポキシ樹脂は、例えば下記一般式(2)の構造を有するビスフェノールA系エポキシ樹脂と前記一般式(3)のエピクロロヒドリンを重合して製造することができる。
(式中、nは0.1乃至30の実数を表し、R1及びR2は、独立的に水素、置換又は非置換された炭素原子数1乃至5のアルキル又はアルコキシである。)
【0044】
前記一般式(2)のビスフェノールA系化合物と前記一般式(3)のエピクロロヒドリンを反応させることによって、本発明の前記一般式(1)の多官能性エポキシ樹脂を製造することができ、その製造方法は具体的に下記の反応式2の通りである。
(反応式2)
【0045】
前記反応式2に表されるように、前記一般式(2)のビスフェノールA系エポキシ樹脂を触媒下で、過量の前記一般式(3)のエピクロロヒドリンと反応させて、本発明の一般式(1)の多官能性エポキシ樹脂が得られる。
【0046】
前記反応において反応温度は50ないし180℃の範囲にあり、30ないし250Torrの減圧条件下で反応が行われることが好ましい。
【0047】
前記反応において出発物質として加えられる前記一般式(3)のエピクロロヒドリンは、前記一般式(2)のビスフェノールA系エポキシ樹脂に比べて過量加えるのが好ましく、前記一般式(2)のビスフェノールA系エポキシ樹脂に対して1:30ないし1:80のモル比で加えられるのがよい。
【0048】
また、前記反応において出発物質として加えられる前記一般式(2)のビスフェノールA系エポキシ樹脂は、エポキシ当量が400ないし2000の値を有するものが好ましく、400ないし1000の値を有するものがより好ましい。
【0049】
このような前記一般式(2)のビスフェノールA系エポキシ樹脂は、市販されている製品を適宜購入して使用することもできるが、下記反応式3の工程にしたがって製造することも可能である。
(反応式3)
(式中、R1、R2およびnは前記一般式(I)での定義と同一である)
【0050】
前記反応式3に表すように、前記一般式(4)の通常のビスフェノールA系化合物と前記一般式(3)のエピクロロヒドリンを反応させて本発明の出発物質として使用される前記一般式(2)のビスフェノールA系エポキシ樹脂を製造することができる。
【0051】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範疇が下記実施例に限定されるのではない。
【0052】
1.多官能性エポキシ樹脂の製造
製造例1
ビスフェノールA系エポキシ樹脂500g(エポキシ当量:700g/eq、n=3.7、R1:CH3、R2:CH3)とエピクロロヒドリン1300gを、100Torrの減圧条件下、60℃で3時間触媒のNaOHとともに反応させた後、未反応エピクロロヒドリンを分離、除去し、メチルイソブチルケトンを使用して脱塩し、精製水を使用して洗浄することによって所望の多官能性エポキシ樹脂(EP−1)を得た。
【0053】
製造例2
ビスフェノールF系エポキシ樹脂の500g(エポキシ当量:1000g/eq、n=6.6、R1:H、R2:H)とエピクロロヒドリン1300gを100Torrの減圧条件下、70℃で3時間触媒のKOHとともに反応させた後、未反応エピクロロヒドリンを分離、除去し、メチルイソブチルケトンを使用して脱塩し、精製水を使用して洗浄することによって所望の多官能性エポキシ樹脂(EP−2)を得た。
【0054】
製造例3
還流装置、攪拌装置、減圧装置、滴下装置を備えたフラスコ中に、ビスフェノールA系エポキシ樹脂▲1▼(エポキシ当量:650g/eq、n=3.4、R1:CH3、R2:CH3)65重量部、エピクロルヒドリン46.3重量部およびテトラメチルアンモニウムクロライド0.2重量部を仕込み、滴下装置中に水酸化ナトリウム8.5重量部を48重量%水溶液として入れておく。水酸化ナトリウム水溶液を還流下50〜60℃の内部温度で80Torrで2時間かけて滴下し、同時に水を共沸蒸留により除去した。その後さらに2時間反応し、冷却、ろ過し、溶媒をエバポレーターで蒸発除去して、目的の多官能性エポキシ樹脂(エポキシ当量:340g/eq、G〔一般式(I)において、Xがグリシジル基である比率〕=65%)(EP−3)を得た。
【0055】
製造例4
還流装置、攪拌装置、減圧装置、滴下装置を備えたフラスコ中に、ビスフェノールA系エポキシ樹脂▲2▼(エポキシ当量:475g/eq、n=2.1、R1:CH3、R2:CH3)47.5重量部、エピクロルヒドリン46.3重量部およびテトラメチルアンモニウムクロライド0.2重量部を仕込み、滴下装置中に水酸化ナトリウム5.5重量部を48重量%水溶液として入れておく。水酸化ナトリウム水溶液を還流下50〜60℃の内部温度で80Torrで2時間かけて滴下し、同時に水を共沸蒸留により除去した。その後さらに2時間反応し、冷却、ろ過し、溶媒をエバポレーターで蒸発除去して、目的の多官能性エポキシ樹脂(エポキシ当量:310g/eq、G=62%)(EP−4)を得た。
【0056】
製造例5
還流装置、攪拌装置、減圧装置、滴下装置を備えたフラスコ中に、ビスフェノールA系エポキシ樹脂▲3▼(エポキシ当量:2000g/eq、n=5.8、R1:CH3、R2:CH3)200重量部、エピクロルヒドリン46.3重量部およびテトラメチルアンモニウムクロライド0.2重量部を仕込み、滴下装置中に水酸化ナトリウム15重量部を48重量%水溶液として入れておく。水酸化ナトリウム水溶液を還流下50〜60℃の内部温度で80Torrで2時間かけて滴下し、同時に水を共沸蒸留により除去した。その後さらに2時間反応し、冷却、ろ過し、溶媒をエバポレーターで蒸発除去して、目的の多官能性エポキシ樹脂(エポキシ当量:420g/eq、G=55%)(EP−5)を得た。
【0057】
製造例6
還流装置、攪拌装置、減圧装置、滴下装置を備えたフラスコ中に、ビスフェノールA系エポキシ樹脂▲2▼ 47.5重量部、エピクロルヒドリン92.5重量部およびテトラメチルアンモニウムクロライド0.4重量部を仕込み、滴下装置中に水酸化ナトリウム水溶液4.9重量部を48重量%水溶液として入れておく。水酸化ナトリウム水溶液を還流下50〜60℃の内部温度で80Torrで2時間かけて滴下し、同時に水を共沸蒸留により除去した。その後さらに2時間反応し、冷却、ろ過し、溶媒をエバポレーターで蒸発除去して、目的の多官能性エポキシ樹脂(エポキシ当量:278g/eq、G=82%)(EP−6)を得た。
【0058】
製造例7
還流装置、攪拌装置、減圧装置、滴下装置を備えたフラスコ中に、ビスフェノールA系エポキシ樹脂▲1▼ 65重量部、エピクロルヒドリン162重量部およびジメチルスルホキシド81.0重量部を仕込んだ。水酸化ナトリウム9.1重量部を70℃で撹拌しながら序所に添加し、添加後さらに3時間反応させた。次に未反応のエピクロルヒドリンおよびジメチルスルホキシドの大部分を減圧下に留去し、副生塩とジメチルスルホキシドを含む反応性生物をメチルイソブチルケトン150重量部に溶解し、さらに30%水酸化ナトリウム水溶液2重量部を加え、70℃で2時間反応した。水洗、油水分離後、溶媒をエバポレーターで蒸発除去して、目的の多官能性エポキシ樹脂(エポキシ当量:295g/eq、G=90%)(EP−7)を得た。
【0059】
製造例8
還流装置、攪拌装置、減圧装置、滴下装置を備えたフラスコ中に、ビスフェノールF系エポキシ樹脂500g(エポキシ当量:1000g/eq、n=6.6、R1:H、R2:H)100重量部、エピクロルヒドリン46.3重量部およびテトラメチルアンモニウムクロライド0.4重量部を仕込み、滴下装置中に水酸化ナトリウム水溶液4.9重量部を48重量%水溶液として入れておく。水酸化ナトリウム水溶液を還流下50〜60℃の内部温度で80Torrで2時間かけて滴下し、同時に水を共沸蒸留により除去した。その後さらに2時間反応し、冷却、ろ過し、溶媒をエバポレーターで蒸発除去して、目的の多官能性エポキシ樹脂(エポキシ当量:320g/eq、G=65%)(EP−8)を得た。
【0060】
前記製造例1〜8で得られたエポキシ樹脂(EP−1)〜(EP−8)におけるn、R1、R2について、表1に示す。
【表1】
【0061】
2.粉体塗料組成物の製造
実施例1〜3
前記製造例1で得られた多官能性エポキシ樹脂を使用して下記表2に記載された組成を有する各々の成分を配合した後、ヒーティングされた押出機ZSK25(W&P社製、Main screw rpm:250)に通過させて完全に配合した。得られた物質を微細粒子に粉砕し、GEMA社製静電機スプレーガン(60〜80KV)を使用して金属表面上に塗布して塗膜を形成した。該粉体塗膜の形成された該金属を140℃で硬化させた。
【0062】
比較例1
下記表2に記載された組成を有する粉体塗料用組成物を、前記実施例1に記載された方法によって製造した。
【0063】
【表2】
*表1において、各単位は重量部を表す。
【0064】
前記表2の成分のうち、商標名「KD−242G」(国都化学株式会社製)は650−725g/eqのビスフェノールA系凡用粉体塗料用エポキシ樹脂を表し、商標名「KP−3520」(国都化学株式会社製)は粉体塗料用ポリエステル樹脂であり、硬化剤として使用された。
【0065】
ベンゾインと商標名「PV5」(Wolee社製)は各々消泡剤とレベリング剤の用途に使用され、BaSO4は充填剤、TiO2は顔料、2−メチルイミダゾールは硬化促進剤の用途に使用された。
【0066】
実施例4〜12
製造例3〜8で得られた多官能性エポキシ樹脂(EP−3〜EP−8)を用いて、下記表3に記載された組成を有する粉体塗料組成物を、実施例1と同様にして製造した。
【表3】
*表2において、各単位は、重量部を示す。
【0067】
3.試験方法
(1)衝撃性試験
実施例1〜12、比較例1で得られた粉体塗料組成物について、ASTM D2794に基づいて行い、下記の基準に基づいて評価した。
○:良好
△:微細クラックの発生
×:クラック発生
【0068】
(2)エリクセン試験
実施例1〜12、比較例1で得られた粉体塗料組成物について、ISO1520に基づいて行い、下記の基準に基づいて評価した。
○:良好
△:微細クラックの発生
×:クラック発生
【0069】
(3)ゲル化時間測定試験
実施例1〜12、比較例1で得られた粉体塗料組成物について、ゲル化に要する時間を測定した。
【0070】
前記試験(1)〜(3)の結果を表4、5に示す。なお、表4に記載したゲル化時間に対する各温度別測定値を図1に示す。
【0071】
【表4】
【0072】
【表5】
【0073】
表4、5および図1に表されているように、本発明の低温硬化性エポキシ樹脂を使用して得られた実施例1〜12の粉体塗料組成物は、同一硬化条件下で比較例1に比べて硬化物性、つまり衝撃性およびエリクセン試験に際しての機械的物性にさらに優れていることがわかる。
【0074】
【発明の効果】
以上の如く、本発明による多官能性エポキシ樹脂を含む粉体塗料用組成物は、低温硬化性に極めて優れているため、短時間で昇温し難い金属系の厚い塗装物および熱に敏感な素材などに使用することができ、小さいエネルギーでも十分な硬化が得られ、結果としてエネルギー節減および環境保護にさらに寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1〜3および比較例1で得られた粉体塗料用組成物の温度別ゲル化速度を表すグラフである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、低温硬化性エポキシ樹脂を用いた粉体塗料用組成物に関し、さらに詳細には、低温で容易に硬化することから、昇温し難い素材や、熱に敏感な素材でも使用できる低温硬化性エポキシ樹脂を用いた粉体塗料用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂は、分子内に2個以上のエポキシ基を有している化合物であって、触媒又は硬化剤の存在下で室温或いは加熱によって3次元構造となる熱硬化性樹脂の一種である。しかし、硬化剤又は触媒を加えずに加熱すると硬化されないという点から、他の熱硬化性樹脂と区別される。硬化されたエポキシ樹脂は接着力、機械的物性、電気的性能、耐薬品性などに優れているため、鋳型品、成形品、塗料などに広く使用されている。
【0003】
特に、金属を始めとする各種材質に対する接着性と耐水性、耐薬品性に優れていて塗膜の靭性に優れているエポキシ樹脂は、アルキドやフェノール樹脂系塗料に代わって広く使用されている。
【0004】
粉体塗料は、粉末形態のフィルム形成用組成物を有機溶媒又は水のような揮発性分散媒を使用せずに被塗装物の表面に塗布した後、加熱溶融させる方法で使用される塗料を意味する。液状塗料とは違って、粉体塗料は溶剤が不要で、1回のみの塗装でも厚い塗膜が得られ、且つ、溶剤に溶解されない高分子樹脂も利用できるという特長から、建築資材、自動車部品、パイプ、機械部品、電子製品、鉄製家具などその用途および需要が益々増大しつつある。
【0005】
熱硬化性粉体塗料は、一般に、粉体塗料用樹脂を硬化剤、顔料、添加剤などとともに押出機や高温のロールミルのようなブレンダーで80ないし130℃に加熱して溶融混合させた後、粉砕することによって製造される。他の方法としては、成分などをボールミル又はリボンブレンダーのような混合器を利用して常温で混合することによって製造することができる。
【0006】
粉体塗料は多様な塗装法、例えば溶射法、流動層法又は静電塗装法によって塗装され得るが、静電塗装法が最も広く利用されている。
【0007】
一方、通常のビスフェノール化合物のジグリシジルエーテルに対し、さらにその二級の水酸基にエピクロルヒドリンを反応させて得られる多官能のビスフェノール型エポキシ樹脂が電気・電子部品の封止材料、積層板などの用途に有用であることが提案されている(例えば、特許文献1〜4参照。)。しかし、これらの公報には、これを用いて粉体塗料を製造することに関しては全く記載されていない。
【0008】
粉体塗料に使用される樹脂は、大きくエポキシ系とポリエステル系樹脂に区分される。エポキシ系樹脂には、通常、ビスフェノールAとエピクロロヒドリンを塩基又は酸触媒下で反応させて製造するビスフェノールA系エポキシ樹脂を使用するが、耐薬品性および耐食性には優れているものの、高温で硬化が行われるため、短時間で昇温し難い金属系の厚い塗装物には多くの熱エネルギーを加えなければならず、エネルギー損失が大きく、熱に敏感な素材には適用し難いという問題点があった。
【0009】
【特許文献1】
米国特許第4623701号公報
【特許文献2】
特開平5−5020号公報
【特許文献3】
特開平6−248055号公報
【特許文献4】
特開平6−298904号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は、前記問題を解決するために案出されたものであって、エポキシ樹脂固有の物性である耐食性を保持しながら、低温でも硬化可能な低温硬化性エポキシ樹脂を利用する粉体塗料用組成物を提供することにその目的がある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
耐食性には優れているが、高温で硬化される特性を有する一般のエポキシ樹脂の短所を改善するために、本発明の粉体塗料用組成物では、エポキシ樹脂に多官能性を与えた前記一般式(I)の低温硬化性エポキシ樹脂を使用することによって、既存の耐食性を保持しながら低温硬化性を補完するに至った。
【0012】
すなわち本発明は、下記一般式(I)で表されるエポキシ樹脂100重量部と、硬化剤30乃至500重量部とを含むことを特徴とする粉体塗料用組成物を提供する。
(式中、nは0.1乃至30の実数を表し、R1及びR2は、独立的に水素、置換又は非置換された炭素原子数1乃至5のアルキル又はアルコキシであり、Xは水素原子又はグリシジル基を表すが、Xの20%以上はグリシジル基を表す。)
【0013】
また、請求項1の構成において、上記一般式(I)で表される低温硬化性エポキシが、下記式(1)で表されるエポキシ樹脂であることが好ましい。
(式中、nは0.1乃至30の実数を表し、R1及びR2は、独立的に水素、置換又は非置換された炭素原子数1乃至5のアルキル又はアルコキシである。)
【0014】
また、前記式(I)中、R1およびR2が共に水素又はメチルであり、nが1乃至15の実数であるのが好ましい。
【0015】
本発明の別の実施例によれば、消泡剤0.1乃至20重量部%と、レベリング剤0.1乃至20重量%とをさらに含むことが好ましい。
【0016】
本発明の別の実施例によれば、前記硬化剤はフェノール系硬化剤又はポリエステル系硬化剤であることが好ましい。
【0017】
本発明の別の実施例によれば、本発明の粉体塗料組成物は前記一般式(I)で表される低温硬化性エポキシ樹脂100重量部に対して、エポキシ当量600乃至1500g/eqのビスフェノールA系凡用粉体塗料用エポキシ樹脂10乃至200重量部をさらに含むのが好ましい。
【0018】
本発明のさらに別の実施例によれば、本発明の粉体塗料組成物は、顔料、酸化防止剤、充填剤、光安定剤、硬化促進剤及び紫外線吸収剤よりなる群から選択された1種以上をさらに含むことが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0020】
本発明の粉体塗料組成物は、下記一般式(I)で表されるエポキシ樹脂100重量部と、硬化剤30乃至500重量部とを含むことが必要である。
(式中、nは0.1乃至30の実数を表し、R1及びR2は、独立的に水素、置換又は非置換された炭素原子数1乃至5のアルキル又はアルコキシであり、Xは水素原子又はグリシジル基を表すが、Xの20%以上はグリシジル基を表す。)
【0021】
本発明において、一般式(I)中、R1及びR2が共に水素原子又は共にメチル基であることが好ましい。また、上記R1及びR2で表される炭素原子数1乃至5のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチルなどの基が挙げられる。また、nは0.1乃至30の実数であり、好ましくは1乃至15の実数を表す。Xは水素原子又はグリシジル基を表すが、Xの20%以上、好ましくは25%以上がグリシジル基である。ここで、nおよびXは平均値を表すものである。本発明において、nが0.1未満あるいはXの20%未満がグリシジル基である場合には、三官能以上の多官能エポキシ化合物の含有量が少なくなるため、硬化性や塗膜物性が満足できるものが得られなくなる。
【0022】
本発明の粉体塗料用組成物は、主剤として前記一般式(I)の低温硬化性エポキシ樹脂を使用する必要があり、前記一般式(1)の低温硬化性エポキシ樹脂であることが好ましい。
【0023】
また、本発明の粉体塗料用組成物は、硬化剤としてはフェノール系硬化剤又はポリエステル系硬化剤を使用することが好ましい。すなわち、酸無水物やアミンのような一般塗料用硬化剤を使用せずに、低温で加熱することによって前記粉体塗料用組成物を硬化反応せしめ得るように、硬化剤としてフェノール系又はポリエステル系樹脂を使用することが好ましい。
【0024】
本発明の粉体塗料用組成物で使用される硬化剤の使用量は、前記一般式(I)の低温硬化性エポキシ樹脂100重量部に対して30ないし500重量部を使用できるが、その理由は、主剤と硬化剤の官能基が当量反応によって完全に反応して未反応官能基が残らないようにするためである。
【0025】
本発明に使用される一般式(I)で表されるエポキシ樹脂は、エポキシ当量が200乃至600g/eqであることが好ましく、エポキシ当量が600g/eqを越えるような場合には、硬化物が着色したり、物性が低下するおそれがある。
【0026】
本発明の粉体塗料用組成物で硬化剤として使用されるポリエステル系硬化剤は、当業界で粉体塗料用組成物に通常的に使用されるものであって、エポキシ樹脂との硬化反応に参与できるカルボキシ基を含有するものなら特に制限はないが、ガラス転移温度が55ないし65℃であり、酸価は30ないし80程度であるのが好ましい。
【0027】
商業的に得られる前記ポリエステル系硬化剤の例には、商標名「KP−3520」(国都化学株式会社製)、商標名「KP−3531」(国都化学株式会社製)、商標名「KP−3620」(国都化学株式会社製)、商標名「KP−3720」(国都化学株式会社製)などがある。
【0028】
また、本発明の粉体塗料用組成物で硬化剤として使用されるフェノール系硬化剤は、当業界で粉体塗料用組成物に通常的に使用されるものであれば特に限定されないが、末端基にOH基を有し、このようなフェノールOH基の当量は200ないし800であるのが好ましい。本発明においては、ビスフェノールA系硬化剤を使用することが好ましい。
【0029】
商業的に得られる前記ビスフェノールA系硬化剤としては、例えば商標名「KD−410J」(国都化学株式会社製)、商標名「KD−406」(国都化学株式会社製)、商標名「KD−420」(国都化学株式会社製)、商標名「KD−426」(国都化学株式会社製)などが挙げられる。
【0030】
本発明の粉体塗料組成物は、エポキシ当量600ないし1500g/eqのビスフェノールA系凡用粉体塗料用エポキシ樹脂をさらに含むのが好ましいが、これらは粉体塗料が硬化するときフェノール系硬化剤およびポリエステル系硬化剤と反応して硬化物を形成する。前述のような当量600ないし1500g/eqのビスフェノールA系凡用粉体塗料用エポキシ樹脂は、前記一般式(I)の低温エポキシ樹脂100重量部に対して10ないし200重量部の含量で添加されるのが好ましく、その含量が10重量部未満であれば添加に伴う効果が少なく、200重量部を超えると低温硬化効果がなくなり、かつ機械的物性が低くなるため、好ましくない。
【0031】
本発明の粉体塗料用組成物は当業界に公知の消泡剤を所定量含有するのが好ましいが、消泡剤は塗膜表面での気泡発生を抑制する役割をし、その含量は粉体塗料組成物総重量を基準に0.1ないし20重量%であることが好ましい。消泡剤の含量がこの範囲を外れると物性に悪影響を与えることになる。
【0032】
本発明の粉体塗料用組成物に使用されるレベリング剤は塗膜の平滑性を付与するものであって、その含量は粉体塗料組成物総重量を基準に0.1ないし20重量%であることが好ましい。レベリング剤の含量がこの範囲を外れる場合もやはり機械的物性に良くない影響を与える。
【0033】
本発明の前記粉体塗料用組成物は、前記成分以外にも当業界で粉体塗料用組成物に通常的に添加される公知の添加剤をさらに含むことができる。この種の添加剤には顔料、酸化防止剤、充填剤、光安定剤、硬化促進剤及び紫外線吸収剤などがあり、これらからなる群から選ばれる1種以上を、必要に応じて適宜含むことができる。
【0034】
本発明に使用される一般式(I)の低温硬化性多官能性エポキシ樹脂は、例えば下記一般式(2)の構造を有するビスフェノールA系エポキシ樹脂とエピクロロヒドリンを重合して製造することができる。
(式中、nは0.1乃至30の実数を表し、R1及びR2は、独立的に水素、置換又は非置換された炭素原子数1乃至5のアルキル又はアルコキシである。)
【0035】
本発明における一般式(I)の低温硬化性エポキシ樹脂を製造するために使用されるエピクロロヒドリンは、1,2−エポキシ−3−クロロプロパンとも呼ばれ、下記一般式3のような構造を有し、無色透明な液体であってdl−体とl−体が知られているが、通常はdl−体を指す。
【0036】
前記一般式(2)のビスフェノールA系化合物と前記一般式(3)のエピクロロヒドリンを反応させることによって、本発明の前記一般式(I)の多官能性エポキシ樹脂を製造することができ、その製造方法は具体的に下記の反応式1の通りである。
(反応式1)
【0037】
前記反応式1に示したように、前記化学式(2)のビスフェノールA系エポキシ樹脂を、触媒の存在下に過量の前記化学式(3)のエピクロロヒドリンと反応させて、本発明における一般式(I)の低温硬化性である多官能性エポキシ系樹脂を得ることができる。このときの反応温度は50〜80℃の範囲であることが好ましく、30〜250Torrの減圧条件下で反応が行われることが好ましい。また、前記反応の反応時間は、2乃至30時間であることが好ましい。
【0038】
前記触媒としては、アルカリ、ルイス酸および層間移動触媒が挙げられる。ここで、アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどが挙げられ、ルイス酸としては、例えば、トリフッ化ホウ素、塩化錫、塩化亜鉛などが挙げられ、層間移動触媒としては、例えば、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、メチルトリオクチルアンモニウムクロリド、メチルトリデシルアンモニウムクロリド、N,N−ジメチルピロリジニウムクロリド、N−エチル−N−メチルピロリジニウムヨージド、N−ブチル−N−メチルピロリジニウムブロミド、N−ベンジル−N−メチルピロリジニウムクロリド、N−エチル−N−メチルピロリジニウムブロミド、N−ブチル−N−メチルモルホリニウムブロミド、N−ブチル−N−メチルモルホリニウムヨージド、N−アリル−N−メチルモルホリニウムブロミド、N−メチル−N−ベンジルピペリジニウムクロリド、N−メチル−N−ベンジルピペリジニウムブロミド、N,N−ジメチルピペリジニウムヨージド、N−メチル−N−エチルピペリジニウムアセテート、N−メチル−N−エチルピペリジニウムヨージドなどが挙げられるが、これらの中でテトラメチルアンモニウムクロリドが好ましい。
【0039】
前記反応式1におけるエピクロルヒドリンの使用量は、ジグリシジルエーテルの水酸基1当量に対し、1当量以上で使用されることが好ましく、より好ましくは2〜10当量の範囲である。
【0040】
また、前記反応式1において、触媒としてのアルカリの使用量は、グリシジル化される水酸基1当量に対し、0.1〜2.0モル使用されることが好ましく、より好ましくは0.3〜1.5モル使用である。また、前記反応式1において、触媒としての層間移動触媒の使用量は、反応剤の全重量に対し、0.01〜10モル%であることが好ましく、より好ましくは0.2〜2モル%である。
【0041】
また、前記反応は炭化水素、エーテル又はケトンのような溶媒下で行なうこともできるが、過剰のエピクロルヒドリンを溶媒として使用することもできる。また、前記一般式(I)で表されるエポキシ樹脂は、Xの20%以上がグリシジル基である必要があるが、エピクロルヒドリンの過剰量、反応温度、反応圧力、反応時間、触媒の種類および使用量等の反応条件を調整することにより任意の再エポキシ化率のエポキシ樹脂を製造することができる。
【0042】
前記反応で得られた本発明の一般式(I)の低温硬化性である多官能性エポキシ系樹脂は、エポキシ当量が200乃至600の値を有し、nの値は、1乃至30の値を有する。
【0043】
本発明に使用される一般式(1)の低温硬化性である多官能性エポキシ樹脂は、例えば下記一般式(2)の構造を有するビスフェノールA系エポキシ樹脂と前記一般式(3)のエピクロロヒドリンを重合して製造することができる。
(式中、nは0.1乃至30の実数を表し、R1及びR2は、独立的に水素、置換又は非置換された炭素原子数1乃至5のアルキル又はアルコキシである。)
【0044】
前記一般式(2)のビスフェノールA系化合物と前記一般式(3)のエピクロロヒドリンを反応させることによって、本発明の前記一般式(1)の多官能性エポキシ樹脂を製造することができ、その製造方法は具体的に下記の反応式2の通りである。
(反応式2)
【0045】
前記反応式2に表されるように、前記一般式(2)のビスフェノールA系エポキシ樹脂を触媒下で、過量の前記一般式(3)のエピクロロヒドリンと反応させて、本発明の一般式(1)の多官能性エポキシ樹脂が得られる。
【0046】
前記反応において反応温度は50ないし180℃の範囲にあり、30ないし250Torrの減圧条件下で反応が行われることが好ましい。
【0047】
前記反応において出発物質として加えられる前記一般式(3)のエピクロロヒドリンは、前記一般式(2)のビスフェノールA系エポキシ樹脂に比べて過量加えるのが好ましく、前記一般式(2)のビスフェノールA系エポキシ樹脂に対して1:30ないし1:80のモル比で加えられるのがよい。
【0048】
また、前記反応において出発物質として加えられる前記一般式(2)のビスフェノールA系エポキシ樹脂は、エポキシ当量が400ないし2000の値を有するものが好ましく、400ないし1000の値を有するものがより好ましい。
【0049】
このような前記一般式(2)のビスフェノールA系エポキシ樹脂は、市販されている製品を適宜購入して使用することもできるが、下記反応式3の工程にしたがって製造することも可能である。
(反応式3)
(式中、R1、R2およびnは前記一般式(I)での定義と同一である)
【0050】
前記反応式3に表すように、前記一般式(4)の通常のビスフェノールA系化合物と前記一般式(3)のエピクロロヒドリンを反応させて本発明の出発物質として使用される前記一般式(2)のビスフェノールA系エポキシ樹脂を製造することができる。
【0051】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範疇が下記実施例に限定されるのではない。
【0052】
1.多官能性エポキシ樹脂の製造
製造例1
ビスフェノールA系エポキシ樹脂500g(エポキシ当量:700g/eq、n=3.7、R1:CH3、R2:CH3)とエピクロロヒドリン1300gを、100Torrの減圧条件下、60℃で3時間触媒のNaOHとともに反応させた後、未反応エピクロロヒドリンを分離、除去し、メチルイソブチルケトンを使用して脱塩し、精製水を使用して洗浄することによって所望の多官能性エポキシ樹脂(EP−1)を得た。
【0053】
製造例2
ビスフェノールF系エポキシ樹脂の500g(エポキシ当量:1000g/eq、n=6.6、R1:H、R2:H)とエピクロロヒドリン1300gを100Torrの減圧条件下、70℃で3時間触媒のKOHとともに反応させた後、未反応エピクロロヒドリンを分離、除去し、メチルイソブチルケトンを使用して脱塩し、精製水を使用して洗浄することによって所望の多官能性エポキシ樹脂(EP−2)を得た。
【0054】
製造例3
還流装置、攪拌装置、減圧装置、滴下装置を備えたフラスコ中に、ビスフェノールA系エポキシ樹脂▲1▼(エポキシ当量:650g/eq、n=3.4、R1:CH3、R2:CH3)65重量部、エピクロルヒドリン46.3重量部およびテトラメチルアンモニウムクロライド0.2重量部を仕込み、滴下装置中に水酸化ナトリウム8.5重量部を48重量%水溶液として入れておく。水酸化ナトリウム水溶液を還流下50〜60℃の内部温度で80Torrで2時間かけて滴下し、同時に水を共沸蒸留により除去した。その後さらに2時間反応し、冷却、ろ過し、溶媒をエバポレーターで蒸発除去して、目的の多官能性エポキシ樹脂(エポキシ当量:340g/eq、G〔一般式(I)において、Xがグリシジル基である比率〕=65%)(EP−3)を得た。
【0055】
製造例4
還流装置、攪拌装置、減圧装置、滴下装置を備えたフラスコ中に、ビスフェノールA系エポキシ樹脂▲2▼(エポキシ当量:475g/eq、n=2.1、R1:CH3、R2:CH3)47.5重量部、エピクロルヒドリン46.3重量部およびテトラメチルアンモニウムクロライド0.2重量部を仕込み、滴下装置中に水酸化ナトリウム5.5重量部を48重量%水溶液として入れておく。水酸化ナトリウム水溶液を還流下50〜60℃の内部温度で80Torrで2時間かけて滴下し、同時に水を共沸蒸留により除去した。その後さらに2時間反応し、冷却、ろ過し、溶媒をエバポレーターで蒸発除去して、目的の多官能性エポキシ樹脂(エポキシ当量:310g/eq、G=62%)(EP−4)を得た。
【0056】
製造例5
還流装置、攪拌装置、減圧装置、滴下装置を備えたフラスコ中に、ビスフェノールA系エポキシ樹脂▲3▼(エポキシ当量:2000g/eq、n=5.8、R1:CH3、R2:CH3)200重量部、エピクロルヒドリン46.3重量部およびテトラメチルアンモニウムクロライド0.2重量部を仕込み、滴下装置中に水酸化ナトリウム15重量部を48重量%水溶液として入れておく。水酸化ナトリウム水溶液を還流下50〜60℃の内部温度で80Torrで2時間かけて滴下し、同時に水を共沸蒸留により除去した。その後さらに2時間反応し、冷却、ろ過し、溶媒をエバポレーターで蒸発除去して、目的の多官能性エポキシ樹脂(エポキシ当量:420g/eq、G=55%)(EP−5)を得た。
【0057】
製造例6
還流装置、攪拌装置、減圧装置、滴下装置を備えたフラスコ中に、ビスフェノールA系エポキシ樹脂▲2▼ 47.5重量部、エピクロルヒドリン92.5重量部およびテトラメチルアンモニウムクロライド0.4重量部を仕込み、滴下装置中に水酸化ナトリウム水溶液4.9重量部を48重量%水溶液として入れておく。水酸化ナトリウム水溶液を還流下50〜60℃の内部温度で80Torrで2時間かけて滴下し、同時に水を共沸蒸留により除去した。その後さらに2時間反応し、冷却、ろ過し、溶媒をエバポレーターで蒸発除去して、目的の多官能性エポキシ樹脂(エポキシ当量:278g/eq、G=82%)(EP−6)を得た。
【0058】
製造例7
還流装置、攪拌装置、減圧装置、滴下装置を備えたフラスコ中に、ビスフェノールA系エポキシ樹脂▲1▼ 65重量部、エピクロルヒドリン162重量部およびジメチルスルホキシド81.0重量部を仕込んだ。水酸化ナトリウム9.1重量部を70℃で撹拌しながら序所に添加し、添加後さらに3時間反応させた。次に未反応のエピクロルヒドリンおよびジメチルスルホキシドの大部分を減圧下に留去し、副生塩とジメチルスルホキシドを含む反応性生物をメチルイソブチルケトン150重量部に溶解し、さらに30%水酸化ナトリウム水溶液2重量部を加え、70℃で2時間反応した。水洗、油水分離後、溶媒をエバポレーターで蒸発除去して、目的の多官能性エポキシ樹脂(エポキシ当量:295g/eq、G=90%)(EP−7)を得た。
【0059】
製造例8
還流装置、攪拌装置、減圧装置、滴下装置を備えたフラスコ中に、ビスフェノールF系エポキシ樹脂500g(エポキシ当量:1000g/eq、n=6.6、R1:H、R2:H)100重量部、エピクロルヒドリン46.3重量部およびテトラメチルアンモニウムクロライド0.4重量部を仕込み、滴下装置中に水酸化ナトリウム水溶液4.9重量部を48重量%水溶液として入れておく。水酸化ナトリウム水溶液を還流下50〜60℃の内部温度で80Torrで2時間かけて滴下し、同時に水を共沸蒸留により除去した。その後さらに2時間反応し、冷却、ろ過し、溶媒をエバポレーターで蒸発除去して、目的の多官能性エポキシ樹脂(エポキシ当量:320g/eq、G=65%)(EP−8)を得た。
【0060】
前記製造例1〜8で得られたエポキシ樹脂(EP−1)〜(EP−8)におけるn、R1、R2について、表1に示す。
【表1】
【0061】
2.粉体塗料組成物の製造
実施例1〜3
前記製造例1で得られた多官能性エポキシ樹脂を使用して下記表2に記載された組成を有する各々の成分を配合した後、ヒーティングされた押出機ZSK25(W&P社製、Main screw rpm:250)に通過させて完全に配合した。得られた物質を微細粒子に粉砕し、GEMA社製静電機スプレーガン(60〜80KV)を使用して金属表面上に塗布して塗膜を形成した。該粉体塗膜の形成された該金属を140℃で硬化させた。
【0062】
比較例1
下記表2に記載された組成を有する粉体塗料用組成物を、前記実施例1に記載された方法によって製造した。
【0063】
【表2】
*表1において、各単位は重量部を表す。
【0064】
前記表2の成分のうち、商標名「KD−242G」(国都化学株式会社製)は650−725g/eqのビスフェノールA系凡用粉体塗料用エポキシ樹脂を表し、商標名「KP−3520」(国都化学株式会社製)は粉体塗料用ポリエステル樹脂であり、硬化剤として使用された。
【0065】
ベンゾインと商標名「PV5」(Wolee社製)は各々消泡剤とレベリング剤の用途に使用され、BaSO4は充填剤、TiO2は顔料、2−メチルイミダゾールは硬化促進剤の用途に使用された。
【0066】
実施例4〜12
製造例3〜8で得られた多官能性エポキシ樹脂(EP−3〜EP−8)を用いて、下記表3に記載された組成を有する粉体塗料組成物を、実施例1と同様にして製造した。
【表3】
*表2において、各単位は、重量部を示す。
【0067】
3.試験方法
(1)衝撃性試験
実施例1〜12、比較例1で得られた粉体塗料組成物について、ASTM D2794に基づいて行い、下記の基準に基づいて評価した。
○:良好
△:微細クラックの発生
×:クラック発生
【0068】
(2)エリクセン試験
実施例1〜12、比較例1で得られた粉体塗料組成物について、ISO1520に基づいて行い、下記の基準に基づいて評価した。
○:良好
△:微細クラックの発生
×:クラック発生
【0069】
(3)ゲル化時間測定試験
実施例1〜12、比較例1で得られた粉体塗料組成物について、ゲル化に要する時間を測定した。
【0070】
前記試験(1)〜(3)の結果を表4、5に示す。なお、表4に記載したゲル化時間に対する各温度別測定値を図1に示す。
【0071】
【表4】
【0072】
【表5】
【0073】
表4、5および図1に表されているように、本発明の低温硬化性エポキシ樹脂を使用して得られた実施例1〜12の粉体塗料組成物は、同一硬化条件下で比較例1に比べて硬化物性、つまり衝撃性およびエリクセン試験に際しての機械的物性にさらに優れていることがわかる。
【0074】
【発明の効果】
以上の如く、本発明による多官能性エポキシ樹脂を含む粉体塗料用組成物は、低温硬化性に極めて優れているため、短時間で昇温し難い金属系の厚い塗装物および熱に敏感な素材などに使用することができ、小さいエネルギーでも十分な硬化が得られ、結果としてエネルギー節減および環境保護にさらに寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1〜3および比較例1で得られた粉体塗料用組成物の温度別ゲル化速度を表すグラフである。
Claims (7)
- 前記式(I)中、R1およびR2が共に水素原子又は共にメチルであり、かつnが1乃至15の実数であることを特徴とする請求項1又は2記載の粉体塗料用組成物。
- 粉体塗料組成物総重量に対して消泡剤0.1乃至20重量%と、レベリング剤0.1乃至20重量%とをさらに含むことを特徴とする請求項1乃至3記載の粉体塗料用組成物。
- 前記硬化剤は、フェノール系硬化剤又はポリエステル系硬化剤であることを特徴とする請求項1乃至4に記載の粉体塗料用組成物。
- 前記一般式(I)で表される低温硬化性エポキシ樹脂100重量部に対して、エポキシ当量600乃至1500g/eqのビスフェノールA系粉体塗料用エポキシ樹脂10乃至200重量部をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至5に記載の粉体塗料用組成物。
- 顔料、酸化防止剤、充填剤、光安定剤、硬化促進剤及び紫外線吸収剤よりなる群から選ばれる1種以上をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至6に記載の粉体塗料用組成物。
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2002
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