JP2004083759A - 熱硬化性塗料組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】強靭で加工性に優れる塗膜を形成することのできるポリエステル樹脂とエポキシ樹脂との架橋系であって、且つ塗料の貯蔵安定性にも優れた熱硬化性塗料組成物を提供すること。
【解決手段】(A)酸価10mgKOH/g以下のポリエステル樹脂、(B)1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物、(C)2官能以上の多塩基酸及び/又は水、ならびに(D)塩基性触媒、錫系触媒及びチタンキレート系触媒から選ばれる少なくとも1種の触媒を含有することを特徴とする熱硬化性塗料組成物。
【選択図】なし
【解決手段】(A)酸価10mgKOH/g以下のポリエステル樹脂、(B)1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物、(C)2官能以上の多塩基酸及び/又は水、ならびに(D)塩基性触媒、錫系触媒及びチタンキレート系触媒から選ばれる少なくとも1種の触媒を含有することを特徴とする熱硬化性塗料組成物。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、強靭で耐水性、加工性などに優れる皮膜を形成することのできる、貯蔵安定性に優れた熱硬化性塗料組成物に関するものであり、缶用、PCM用、自動車用などの用途に特に有用なものである。
【0002】
【従来の技術およびその課題】
従来から塗膜に要求される性能として強靭で、素地との密着性に優れ、且つ耐衝撃性や加工性にも優れていることが求められてきた。特に缶用塗料の分野では、缶状に成型された後に塗料を塗装する方式から、アルミニウム等の金属鋼板にあらかじめ塗料を塗装し、得られた塗装鋼板を缶状に加工する方式が増加し、強靭で加工性の良い塗膜の開発要請が強くなってきている。かかる要求に応じるため加工性の良いカルボキシル基(無水酸を含む)含有ポリエステル樹脂と密着性及び強靭性に優れるエポキシ樹脂を加熱架橋させる技術が開発されてきた(特開2001−72922号公報参照)。
【0003】
しかしながら、カルボキシル基(無水酸を含む)含有ポリエステル樹脂とエポキシ樹脂を含有する熱硬化性塗料組成物は塗膜性能には優れるものの、一般に貯蔵安定性に劣り、塗料を貯蔵中にカルボキシル基とエポキシ基との架橋が進行して増粘、分離、沈殿などの塗料異常を起こしやすい。
【0004】
本発明の目的は、強靭で加工性に優れる塗膜を形成することのできるポリエステル樹脂とエポキシ樹脂との架橋系であって、且つ塗料の貯蔵安定性にも優れた熱硬化性塗料組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、低酸価のポリエステル樹脂とエポキシ基を有する化合物よりなる塗料組成物に2官能以上の有機酸成分及び/又は水、ならびに触媒を添加することにより、塗料の貯蔵安定性がよく、かつ塗料組成物を塗布、加熱硬化させるに際しては十分に架橋して強靭な皮膜を形成することのできる熱硬化性塗料組成物が得られることを見出し本発明を完成するに至った。
【0006】
かくして本発明によれば、
(A)酸価10mgKOH/g以下のポリエステル樹脂、
(B)1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物、
(C)2官能以上の多塩基酸及び/又は水、ならびに
(D)塩基性触媒、錫系触媒及びチタンキレート系触媒から選ばれる少なくとも1種の触媒
を含有することを特徴とする熱硬化性塗料組成物が提供される。
【0007】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の熱硬化性塗料組成物は、ポリエステル樹脂(A)、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物(B)、2官能以上の多塩基酸及び/又は水(C)及び触媒(D)を必須成分として含有する。
【0009】
ポリエステル樹脂(A)
本発明の(A)成分であるポリエステル樹脂は、多塩基酸成分と多価アルコール成分とのエステル化物からなるものである。多塩基酸成分としては、例えば無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、無水マレイン酸、イタコン酸、ダイマー酸などから選ばれる1種以上の二塩基酸及びこれらの酸の低級アルキルエステル化物が主として用いられ、必要に応じて安息香酸、クロトン酸、p−t−ブチル安息香酸などの一塩基酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、無水ピロメリット酸などの3価以上の多塩基酸などが併用される。多価アルコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの二価アルコールが主に用いられ、さらに必要に応じてグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールを併用することができる。これらの多価アルコールは単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。両成分のエステル化又はエステル交換反応は、それ自体既知の方法によって行うことができ、例えば、前記多塩基酸成分と多価アルコール成分とを180〜250℃程度の温度で重縮合させることによって得ることができる。
【0010】
上記ポリエステル樹脂は、樹脂の酸価が10mgKOH/g以下、特に5mgKOH/g以下であることが好ましく、酸価が10mgKOH/gを超えると熱硬化性塗料組成物の貯蔵安定性が低下するため好ましくない。また、ポリエステル樹脂の数平均分子量は、1,000〜30,000、特に3,000〜20,000の範囲内が得られる塗膜の加工性と強靭性のバランスの点から好適である。
【0011】
エポキシ基を有する化合物(B)
本発明の(B)成分であるエポキシ基を有する化合物は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物であり、該エポキシ基が、上記ポリエステル樹脂(A)が分解してできるカルボキシル基と反応して強靭な皮膜を形成するものである。該エポキシ基を有する化合物(B)としては、特に限定されるものではないが、中でもビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂及びエポキシ基含有アクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種であることが、得られる皮膜の強靭性などの性能の面から好適である。
【0012】
上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、例えばエピクロルヒドリンとビスフェノールAとを、必要に応じてアルカリ触媒などの触媒の存在下に高分子量まで縮合させてなる樹脂、エピクロルヒドリンとビスフェノールAとを、必要に応じてアルカリ触媒などの触媒の存在下に、縮合させて低分子量のエポキシ樹脂とし、この低分子量エポキシ樹脂とビスフェノールAとを重付加反応させることにより得られた樹脂のいずれであってもよい。
【0013】
ビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、ジャパンエポキシレジン社製の、エピコート1001、同1004、同1007、同1009、同1010;旭化成エポキシ社製の、AER6097、同6099などを挙げることができる。
【0014】
ノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、分子内に多数のエポキシ基を有するフェノールグリオキザール型エポキシ樹脂など、各種のノボラック型エポキシ樹脂を挙げることができる。
【0015】
上記エポキシ基含有アクリル樹脂としては、エポキシ基含有モノマーとその他のモノマーとのモノマー混合物を、ラジカル重合開始剤の存在下に溶液重合法等の常法によって共重合させることによって得ることができる。
【0016】
エポキシ基含有モノマーとしては、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどを挙げることができる。
【0017】
また、その他のモノマーとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシエチルビニルエ−テル、2−ヒドロキシプロピルビニルエ−テル、2−ヒドロキシエチルアリルエ−テルなどの水酸基含有モノマー;(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基含有モノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロルスチレン等のビニル芳香族化合物;メチル(メタ)アクリレ−ト、エチル(メタ)アクリレ−ト、n−プロピル(メタ)アクリレ−ト、i−プロピル(メタ)アクリレ−ト、(n−、i−、t−)ブチル(メタ)アクリレ−ト、ヘキシル(メタ)アクリレ−ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ−ト、n−オクチル(メタ)アクリレ−ト、デシル(メタ)アクリレ−ト、ラウリル(メタ)アクリレ−ト、ステアリル(メタ)アクリレ−ト、イソボルニル(メタ)アクリレ−ト等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜24のアルキルエステル又はシクロアルキルエステル;酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルエ−テル、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられ、さらにこれらのモノマ−の1種及び/又はそれ以上のモノマ−の重合体で、片末端に重合性不飽和基を有する、いわゆるマクロモノマ−も共重合可能なモノマ−として挙げることができる。本発明において、「(メタ)アクリレ−ト」は、「アクリレ−ト又はメタアクリレ−ト」を意味する。
【0018】
ポリエステル樹脂(A)とエポキシ基を有する化合物(B)との配合比率が、固形分重量比としてポリエステル樹脂(A)/エポキシ基を有する化合物(B)=50/50〜95/5、特に60/40〜90/10の範囲内が得られる塗膜の加工性と強靭性のバランスの点から好ましい。
【0019】
多塩基酸及び/又は水(C)
本発明の(C)成分である多塩基酸及び/又は水は、熱硬化性塗料組成物を塗布し、加熱した際のポリエステル樹脂(A)の分解に寄与するものである。
【0020】
該多塩基酸(C)は、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物又はそれらの酸の無水物であり、例えば無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、無水マレイン酸、イタコン酸、ダイマー酸などの二塩基酸及びその酸無水物;無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、無水ピロメリット酸などの3価以上の多塩基酸及びその酸無水物などが挙げられる。
【0021】
多塩基酸の添加量としては、エポキシ基を有する化合物(B)中のエポキシ基1モルに対して0.5〜2モル、好ましくは0.8〜1.5モルの範囲内で含有することが熱硬化性塗料組成物の硬化性を上げるためには効果的である。
【0022】
多塩基酸の替わりに水を添加してもポリエステル樹脂の分解を促進し、熱硬化性塗料組成物の硬化性を上げる効果があり、水の添加量としては熱硬化性塗料組成物中0.1〜1.0重量%、特に0.2〜0.5重量%の範囲内が好適である。
【0023】
多塩基酸と水はどちらか一方だけでも熱硬化性塗料組成物の硬化性を上げる効果があるが、多塩基酸と水を併用する事で硬化性はより向上する。
【0024】
触媒(D)
本発明の(D)成分である触媒は、塩基性触媒、錫系触媒及びチタンキレート系触媒から選ばれるものであり、加熱時のポリエステル樹脂の分解の促進及び/又は酸とエポキシ基との硬化を促進させる。
【0025】
上記塩基触媒としては、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリブチルアミン、塩化コリン、モルホリンなどが挙げられ、錫系触媒として、例えばジブチル錫オキサイド、モノブチル錫ハイドロオキサイド、塩化第一錫、オレイン酸錫などが挙げられ、チタンキレート系触媒として、例えばテトラブチルチタネートなどを挙げることができる。
【0026】
触媒(D)の添加量は、ポリエステル樹脂(A)とエポキシ基を有する化合物(B)との合計固形分量100重量部に対して0.1〜3.0重量部、特に0.5〜2.0重量部の範囲内が好適である。
【0027】
添加量が0.1重量部未満になると、触媒としての効果が低くなる。
【0028】
本発明の熱硬化性塗料組成物は、例えば、金属板、プラスチックス、ガラス板などの種々の被塗物に塗装することができる。
【0029】
本発明の熱硬化性塗料組成物を金属缶用として用いる場合には、金属板上又は金属板を加工した缶の外面及び/又は内面に塗装し、焼き付けることによって缶被覆用として適した塗膜を形成することができる。
【0030】
上記缶に用いる金属板としては、飲料缶、缶詰用缶、蓋、キャップなどに用いることができる金属板であればいずれも使用することができ、例えばアルミニウム板、ティンフリースチール板、ブリキ板等を挙げることができる。
【0031】
また、本発明の熱硬化性塗料組成物を屋根などに用いるプレコート鋼板用として用いる場合には、素材として各種亜鉛系メッキ鋼板、冷延鋼板などが適している。
【0032】
本発明の熱硬化性塗料組成物は、ロールコータ塗装、スプレー塗装等の公知の塗装方法によって塗装することができ、塗装膜厚は特に限定されるものではないが、通常乾燥膜厚で3〜30μm程度が好ましい。塗膜の焼付け条件は、通常、金属板の最高到達温度が、約90〜300℃の温度となる条件で約5秒〜約30分間程度である。
【0033】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、以下、「部」及び「%」はいずれも重量基準によるものとする。
【0034】
製造例1
攪拌機の付いた反応容器にシクロヘキサノン70部とUE9800(ユニチカ社製、ポリエステル樹脂、Tg=85℃、水酸基価4mgKOH/g、酸価3mgKOH/g、数平均分子量13,000)30部を配合し、攪拌しながら70℃まで加温して樹脂を溶解させ固形分30%のUE9800樹脂溶液を得た。
【0035】
製造例2
攪拌機の付いた反応容器にシクロヘキサノン70部とXA0653(ユニチカ社製、ポリエステル樹脂、Tg=58℃、水酸基価4mgKOH/g以下、酸価20mgKOH/g、数平均分子量5,000)30部を配合し、攪拌しながら70℃まで加温して樹脂を溶解させ固形分30%のXA0653樹脂溶液を得た。
【0036】
製造例3
攪拌機の付いた反応容器にシクロヘキサノン70部とECN1299(旭化成エポキシ社製、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量220、数平均分子量1600)30部を配合し、攪拌しながら60℃まで加温して樹脂を溶解させ固形分30%のECN1299樹脂溶液を得た。
【0037】
製造例4
攪拌機の付いた反応容器にシクロヘキサノン70部を配合し100℃まで加温した後、同温度に保ちながらスチレン15部、グリシジルメタクリレート15部及びアゾビスイソブチロニトリル0.5部の混合物を3時間かけて滴下し、さらに同温度に2時間保持して固形分30%のアクリル樹脂溶液A1を得た。得られた樹脂の数平均分子量は6,000、エポキシ当量は290であった。
【0038】
実施例1
容器に30%UE9800樹脂溶液283.3部(固形分85部)、30%ECN1299樹脂溶液50部(固形分15部)、セバチン酸2部及び30%塩化コリン(エチルアルコール溶液)3.3部(有効成分1部)を配合し、攪拌機にて10分間混合して熱硬化性塗料組成物を製造した。
【0039】
実施例2〜8及び比較例1〜7
実施例1と同様にして表1に示す配合に従って各熱硬化性塗料組成物を製造した。なお、表1における配合量は樹脂については固形分で、又その他の多塩基酸成分、水及び触媒については有効成分量で表示した。
【0040】
上記実施例及び比較例で得られた各熱硬化性塗料組成物について下記試験方法に基づいて貯蔵安定性及び硬化性を評価した。得られた結果を表1に示す。
【0041】
試験方法
貯蔵安定性:各熱硬化性塗料組成物を30℃の恒温室に30日間保存した後取り出して塗料の状態を目視にて観察し、以下の基準にて評価した。
◎:増粘、白濁、分離等の異常が認められない。
○:増粘が僅かに認められる。
×:ゲル化、激しい濁り又は分離が認められる。
【0042】
硬化性:各熱硬化性塗料組成物を0.26mmの#5182アルミニウム板にバーコーターにて乾燥塗膜重量100g/m2となるようにして塗布し、乾燥機にて200℃で20分間焼付けて試験塗板を得た。20℃の室内において該試験塗板の上をキシロールをしみ込ませたガーゼにて塗面に約1kg/cm2の荷重をかけて、約5cmの長さの間を往復させ素地が現れるまでの往復回数を記録し下記基準で評価した。
◎:50往復以上
○:20往復以上で50往復未満
△:10往復以上で20往復未満
×:10往復未満
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】
本発明は、上記した構成を有することから以下の効果を生じると考えられる。
【0045】
本発明に用いるポリエステル樹脂は、通常のカルボキシル基とエポキシ基を利用した硬化系に比較して酸価が著しく低いため、貯蔵中に反応が進行してポリエステル樹脂とエポキシ樹脂が架橋して増粘することが抑制され、貯蔵安定性が著しく向上する。一方、この塗料を焼付けた際には、ポリエステル樹脂(A)に2官能以上の有機酸成分及び/又は水(C)ならびに触媒(D)が作用することによりポリエステル樹脂(A)は分解してカルボキシル基を生成する。生成したカルボキシル基は1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物(B)のエポキシ基と反応することにより架橋して強靭な皮膜を形成することとなる。
【0046】
かくして従来の酸/エポキシ硬化系塗料に比較して貯蔵安定性が著しく向上し、かつ従来の酸/エポキシ硬化系塗料に匹敵する性能の塗膜を形成できることから、特に缶内面用、缶外面用、PCM用、自動車用などの用途の塗料として極めて有用なものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、強靭で耐水性、加工性などに優れる皮膜を形成することのできる、貯蔵安定性に優れた熱硬化性塗料組成物に関するものであり、缶用、PCM用、自動車用などの用途に特に有用なものである。
【0002】
【従来の技術およびその課題】
従来から塗膜に要求される性能として強靭で、素地との密着性に優れ、且つ耐衝撃性や加工性にも優れていることが求められてきた。特に缶用塗料の分野では、缶状に成型された後に塗料を塗装する方式から、アルミニウム等の金属鋼板にあらかじめ塗料を塗装し、得られた塗装鋼板を缶状に加工する方式が増加し、強靭で加工性の良い塗膜の開発要請が強くなってきている。かかる要求に応じるため加工性の良いカルボキシル基(無水酸を含む)含有ポリエステル樹脂と密着性及び強靭性に優れるエポキシ樹脂を加熱架橋させる技術が開発されてきた(特開2001−72922号公報参照)。
【0003】
しかしながら、カルボキシル基(無水酸を含む)含有ポリエステル樹脂とエポキシ樹脂を含有する熱硬化性塗料組成物は塗膜性能には優れるものの、一般に貯蔵安定性に劣り、塗料を貯蔵中にカルボキシル基とエポキシ基との架橋が進行して増粘、分離、沈殿などの塗料異常を起こしやすい。
【0004】
本発明の目的は、強靭で加工性に優れる塗膜を形成することのできるポリエステル樹脂とエポキシ樹脂との架橋系であって、且つ塗料の貯蔵安定性にも優れた熱硬化性塗料組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、低酸価のポリエステル樹脂とエポキシ基を有する化合物よりなる塗料組成物に2官能以上の有機酸成分及び/又は水、ならびに触媒を添加することにより、塗料の貯蔵安定性がよく、かつ塗料組成物を塗布、加熱硬化させるに際しては十分に架橋して強靭な皮膜を形成することのできる熱硬化性塗料組成物が得られることを見出し本発明を完成するに至った。
【0006】
かくして本発明によれば、
(A)酸価10mgKOH/g以下のポリエステル樹脂、
(B)1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物、
(C)2官能以上の多塩基酸及び/又は水、ならびに
(D)塩基性触媒、錫系触媒及びチタンキレート系触媒から選ばれる少なくとも1種の触媒
を含有することを特徴とする熱硬化性塗料組成物が提供される。
【0007】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の熱硬化性塗料組成物は、ポリエステル樹脂(A)、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物(B)、2官能以上の多塩基酸及び/又は水(C)及び触媒(D)を必須成分として含有する。
【0009】
ポリエステル樹脂(A)
本発明の(A)成分であるポリエステル樹脂は、多塩基酸成分と多価アルコール成分とのエステル化物からなるものである。多塩基酸成分としては、例えば無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、無水マレイン酸、イタコン酸、ダイマー酸などから選ばれる1種以上の二塩基酸及びこれらの酸の低級アルキルエステル化物が主として用いられ、必要に応じて安息香酸、クロトン酸、p−t−ブチル安息香酸などの一塩基酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、無水ピロメリット酸などの3価以上の多塩基酸などが併用される。多価アルコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの二価アルコールが主に用いられ、さらに必要に応じてグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールを併用することができる。これらの多価アルコールは単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。両成分のエステル化又はエステル交換反応は、それ自体既知の方法によって行うことができ、例えば、前記多塩基酸成分と多価アルコール成分とを180〜250℃程度の温度で重縮合させることによって得ることができる。
【0010】
上記ポリエステル樹脂は、樹脂の酸価が10mgKOH/g以下、特に5mgKOH/g以下であることが好ましく、酸価が10mgKOH/gを超えると熱硬化性塗料組成物の貯蔵安定性が低下するため好ましくない。また、ポリエステル樹脂の数平均分子量は、1,000〜30,000、特に3,000〜20,000の範囲内が得られる塗膜の加工性と強靭性のバランスの点から好適である。
【0011】
エポキシ基を有する化合物(B)
本発明の(B)成分であるエポキシ基を有する化合物は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物であり、該エポキシ基が、上記ポリエステル樹脂(A)が分解してできるカルボキシル基と反応して強靭な皮膜を形成するものである。該エポキシ基を有する化合物(B)としては、特に限定されるものではないが、中でもビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂及びエポキシ基含有アクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種であることが、得られる皮膜の強靭性などの性能の面から好適である。
【0012】
上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、例えばエピクロルヒドリンとビスフェノールAとを、必要に応じてアルカリ触媒などの触媒の存在下に高分子量まで縮合させてなる樹脂、エピクロルヒドリンとビスフェノールAとを、必要に応じてアルカリ触媒などの触媒の存在下に、縮合させて低分子量のエポキシ樹脂とし、この低分子量エポキシ樹脂とビスフェノールAとを重付加反応させることにより得られた樹脂のいずれであってもよい。
【0013】
ビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、ジャパンエポキシレジン社製の、エピコート1001、同1004、同1007、同1009、同1010;旭化成エポキシ社製の、AER6097、同6099などを挙げることができる。
【0014】
ノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、分子内に多数のエポキシ基を有するフェノールグリオキザール型エポキシ樹脂など、各種のノボラック型エポキシ樹脂を挙げることができる。
【0015】
上記エポキシ基含有アクリル樹脂としては、エポキシ基含有モノマーとその他のモノマーとのモノマー混合物を、ラジカル重合開始剤の存在下に溶液重合法等の常法によって共重合させることによって得ることができる。
【0016】
エポキシ基含有モノマーとしては、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどを挙げることができる。
【0017】
また、その他のモノマーとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシエチルビニルエ−テル、2−ヒドロキシプロピルビニルエ−テル、2−ヒドロキシエチルアリルエ−テルなどの水酸基含有モノマー;(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基含有モノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロルスチレン等のビニル芳香族化合物;メチル(メタ)アクリレ−ト、エチル(メタ)アクリレ−ト、n−プロピル(メタ)アクリレ−ト、i−プロピル(メタ)アクリレ−ト、(n−、i−、t−)ブチル(メタ)アクリレ−ト、ヘキシル(メタ)アクリレ−ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ−ト、n−オクチル(メタ)アクリレ−ト、デシル(メタ)アクリレ−ト、ラウリル(メタ)アクリレ−ト、ステアリル(メタ)アクリレ−ト、イソボルニル(メタ)アクリレ−ト等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜24のアルキルエステル又はシクロアルキルエステル;酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルエ−テル、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられ、さらにこれらのモノマ−の1種及び/又はそれ以上のモノマ−の重合体で、片末端に重合性不飽和基を有する、いわゆるマクロモノマ−も共重合可能なモノマ−として挙げることができる。本発明において、「(メタ)アクリレ−ト」は、「アクリレ−ト又はメタアクリレ−ト」を意味する。
【0018】
ポリエステル樹脂(A)とエポキシ基を有する化合物(B)との配合比率が、固形分重量比としてポリエステル樹脂(A)/エポキシ基を有する化合物(B)=50/50〜95/5、特に60/40〜90/10の範囲内が得られる塗膜の加工性と強靭性のバランスの点から好ましい。
【0019】
多塩基酸及び/又は水(C)
本発明の(C)成分である多塩基酸及び/又は水は、熱硬化性塗料組成物を塗布し、加熱した際のポリエステル樹脂(A)の分解に寄与するものである。
【0020】
該多塩基酸(C)は、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物又はそれらの酸の無水物であり、例えば無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、無水マレイン酸、イタコン酸、ダイマー酸などの二塩基酸及びその酸無水物;無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、無水ピロメリット酸などの3価以上の多塩基酸及びその酸無水物などが挙げられる。
【0021】
多塩基酸の添加量としては、エポキシ基を有する化合物(B)中のエポキシ基1モルに対して0.5〜2モル、好ましくは0.8〜1.5モルの範囲内で含有することが熱硬化性塗料組成物の硬化性を上げるためには効果的である。
【0022】
多塩基酸の替わりに水を添加してもポリエステル樹脂の分解を促進し、熱硬化性塗料組成物の硬化性を上げる効果があり、水の添加量としては熱硬化性塗料組成物中0.1〜1.0重量%、特に0.2〜0.5重量%の範囲内が好適である。
【0023】
多塩基酸と水はどちらか一方だけでも熱硬化性塗料組成物の硬化性を上げる効果があるが、多塩基酸と水を併用する事で硬化性はより向上する。
【0024】
触媒(D)
本発明の(D)成分である触媒は、塩基性触媒、錫系触媒及びチタンキレート系触媒から選ばれるものであり、加熱時のポリエステル樹脂の分解の促進及び/又は酸とエポキシ基との硬化を促進させる。
【0025】
上記塩基触媒としては、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリブチルアミン、塩化コリン、モルホリンなどが挙げられ、錫系触媒として、例えばジブチル錫オキサイド、モノブチル錫ハイドロオキサイド、塩化第一錫、オレイン酸錫などが挙げられ、チタンキレート系触媒として、例えばテトラブチルチタネートなどを挙げることができる。
【0026】
触媒(D)の添加量は、ポリエステル樹脂(A)とエポキシ基を有する化合物(B)との合計固形分量100重量部に対して0.1〜3.0重量部、特に0.5〜2.0重量部の範囲内が好適である。
【0027】
添加量が0.1重量部未満になると、触媒としての効果が低くなる。
【0028】
本発明の熱硬化性塗料組成物は、例えば、金属板、プラスチックス、ガラス板などの種々の被塗物に塗装することができる。
【0029】
本発明の熱硬化性塗料組成物を金属缶用として用いる場合には、金属板上又は金属板を加工した缶の外面及び/又は内面に塗装し、焼き付けることによって缶被覆用として適した塗膜を形成することができる。
【0030】
上記缶に用いる金属板としては、飲料缶、缶詰用缶、蓋、キャップなどに用いることができる金属板であればいずれも使用することができ、例えばアルミニウム板、ティンフリースチール板、ブリキ板等を挙げることができる。
【0031】
また、本発明の熱硬化性塗料組成物を屋根などに用いるプレコート鋼板用として用いる場合には、素材として各種亜鉛系メッキ鋼板、冷延鋼板などが適している。
【0032】
本発明の熱硬化性塗料組成物は、ロールコータ塗装、スプレー塗装等の公知の塗装方法によって塗装することができ、塗装膜厚は特に限定されるものではないが、通常乾燥膜厚で3〜30μm程度が好ましい。塗膜の焼付け条件は、通常、金属板の最高到達温度が、約90〜300℃の温度となる条件で約5秒〜約30分間程度である。
【0033】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、以下、「部」及び「%」はいずれも重量基準によるものとする。
【0034】
製造例1
攪拌機の付いた反応容器にシクロヘキサノン70部とUE9800(ユニチカ社製、ポリエステル樹脂、Tg=85℃、水酸基価4mgKOH/g、酸価3mgKOH/g、数平均分子量13,000)30部を配合し、攪拌しながら70℃まで加温して樹脂を溶解させ固形分30%のUE9800樹脂溶液を得た。
【0035】
製造例2
攪拌機の付いた反応容器にシクロヘキサノン70部とXA0653(ユニチカ社製、ポリエステル樹脂、Tg=58℃、水酸基価4mgKOH/g以下、酸価20mgKOH/g、数平均分子量5,000)30部を配合し、攪拌しながら70℃まで加温して樹脂を溶解させ固形分30%のXA0653樹脂溶液を得た。
【0036】
製造例3
攪拌機の付いた反応容器にシクロヘキサノン70部とECN1299(旭化成エポキシ社製、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量220、数平均分子量1600)30部を配合し、攪拌しながら60℃まで加温して樹脂を溶解させ固形分30%のECN1299樹脂溶液を得た。
【0037】
製造例4
攪拌機の付いた反応容器にシクロヘキサノン70部を配合し100℃まで加温した後、同温度に保ちながらスチレン15部、グリシジルメタクリレート15部及びアゾビスイソブチロニトリル0.5部の混合物を3時間かけて滴下し、さらに同温度に2時間保持して固形分30%のアクリル樹脂溶液A1を得た。得られた樹脂の数平均分子量は6,000、エポキシ当量は290であった。
【0038】
実施例1
容器に30%UE9800樹脂溶液283.3部(固形分85部)、30%ECN1299樹脂溶液50部(固形分15部)、セバチン酸2部及び30%塩化コリン(エチルアルコール溶液)3.3部(有効成分1部)を配合し、攪拌機にて10分間混合して熱硬化性塗料組成物を製造した。
【0039】
実施例2〜8及び比較例1〜7
実施例1と同様にして表1に示す配合に従って各熱硬化性塗料組成物を製造した。なお、表1における配合量は樹脂については固形分で、又その他の多塩基酸成分、水及び触媒については有効成分量で表示した。
【0040】
上記実施例及び比較例で得られた各熱硬化性塗料組成物について下記試験方法に基づいて貯蔵安定性及び硬化性を評価した。得られた結果を表1に示す。
【0041】
試験方法
貯蔵安定性:各熱硬化性塗料組成物を30℃の恒温室に30日間保存した後取り出して塗料の状態を目視にて観察し、以下の基準にて評価した。
◎:増粘、白濁、分離等の異常が認められない。
○:増粘が僅かに認められる。
×:ゲル化、激しい濁り又は分離が認められる。
【0042】
硬化性:各熱硬化性塗料組成物を0.26mmの#5182アルミニウム板にバーコーターにて乾燥塗膜重量100g/m2となるようにして塗布し、乾燥機にて200℃で20分間焼付けて試験塗板を得た。20℃の室内において該試験塗板の上をキシロールをしみ込ませたガーゼにて塗面に約1kg/cm2の荷重をかけて、約5cmの長さの間を往復させ素地が現れるまでの往復回数を記録し下記基準で評価した。
◎:50往復以上
○:20往復以上で50往復未満
△:10往復以上で20往復未満
×:10往復未満
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】
本発明は、上記した構成を有することから以下の効果を生じると考えられる。
【0045】
本発明に用いるポリエステル樹脂は、通常のカルボキシル基とエポキシ基を利用した硬化系に比較して酸価が著しく低いため、貯蔵中に反応が進行してポリエステル樹脂とエポキシ樹脂が架橋して増粘することが抑制され、貯蔵安定性が著しく向上する。一方、この塗料を焼付けた際には、ポリエステル樹脂(A)に2官能以上の有機酸成分及び/又は水(C)ならびに触媒(D)が作用することによりポリエステル樹脂(A)は分解してカルボキシル基を生成する。生成したカルボキシル基は1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物(B)のエポキシ基と反応することにより架橋して強靭な皮膜を形成することとなる。
【0046】
かくして従来の酸/エポキシ硬化系塗料に比較して貯蔵安定性が著しく向上し、かつ従来の酸/エポキシ硬化系塗料に匹敵する性能の塗膜を形成できることから、特に缶内面用、缶外面用、PCM用、自動車用などの用途の塗料として極めて有用なものである。
Claims (7)
- (A)酸価10mgKOH/g以下のポリエステル樹脂、
(B)1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物、
(C)2官能以上の多塩基酸及び/又は水、ならびに
(D)塩基性触媒、錫系触媒及びチタンキレート系触媒から選ばれる少なくとも1種の触媒
を含有することを特徴とする熱硬化性塗料組成物。 - ポリエステル樹脂(A)の数平均分子量が1,000〜30,000の範囲内にあるものである請求項1に記載の熱硬化性塗料組成物。
- エポキシ基を有する化合物(B)が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂及びエポキシ基含有アクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載の熱硬化性塗料組成物。
- 2官能以上の多塩基酸を、エポキシ基を有する化合物(B)中のエポキシ基1モルに対して0.5〜2モルの範囲内で含有するものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱硬化性塗料組成物。
- 水を熱硬化性塗料組成物中0.1〜1.0重量%の範囲内で含有するものである請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱硬化性塗料組成物。
- ポリエステル樹脂(A)とエポキシ基を有する化合物(B)との配合比率が、固形分重量比としてポリエステル樹脂(A)/エポキシ基を有する化合物(B)=50/50〜95/5の範囲内である請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱硬化性塗料組成物。
- 触媒(D)を、ポリエステル樹脂(A)とエポキシ基を有する化合物(B)との合計固形分量100重量部に対して0.1〜3.0重量部の範囲内で含有するものである請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱硬化性塗料組成物。
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2002
- 2002-08-27 JP JP2002247632A patent/JP2004083759A/ja active Pending
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